JP4269975B2 - 噴射量学習制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの1回の燃焼行程中に、インジェクタの電磁弁の開弁駆動を複数回実施することで、メイン噴射の前または後に1回以上の微小噴射を行うマルチ噴射を実施しながら、エンジンの運転状態に対応して設定される指令噴射量または指令噴射期間に対する補正値を学習し、この学習した補正値に基づいて指令噴射量または指令噴射期間を補正する噴射量学習制御装置に関するもので、特にエンジンの運転状態に対応して設定されるパイロット噴射量に対する噴射量補正値を学習し、この学習した噴射量補正値に基づいてパイロット噴射量を補正する噴射量学習制御装置に係わる。
[従来の技術]
従来より、多気筒ディーゼルエンジン等の内燃機関用燃料噴射装置として、コモンレール内に蓄圧した高圧燃料をインジェクタを介してエンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給するコモンレール式燃料噴射システムが知られている。このコモンレール式燃料噴射システムは、主噴射の開始時から安定した燃焼を行なって燃焼騒音やエンジン振動の低減、更には排気ガス性能の向上を目的として、エンジンの1回の燃焼行程中に、インジェクタの電磁弁を複数回駆動して、エンジントルクと成り得る主噴射(メイン噴射)に先立って複数回の微小の先立ち噴射(パイロット噴射)を実施している。また、従来より、回転速度変動気筒間噴射量補正(気筒間不均量補正:FCCB補正)とパイロット噴射とを両立させた技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
ここで、一般に、エンジン回転速度とアクセル開度とに応じて設定される基本噴射量に、エンジン冷却水温度や燃料温度等を考慮した噴射量補正量を加味して指令噴射量を算出し、この指令噴射量と燃料圧力センサ等によって検出される燃料の噴射圧力(コモンレール圧力)とによってインジェクタの電磁弁に印加するパルス状のインジェクタ駆動信号(TQパルスとも言う)の通電時間(噴射量指令値)を算出し、そのインジェクタのTQパルスの通電時間に基づいてインジェクタの電磁弁を開弁駆動することで、エンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給される燃料噴射量を制御している。すなわち、コモンレール式燃料噴射システムにおける燃料噴射量の調量は、インジェクタの電磁弁に印加するTQパルスの通電時間により制御され、通常、そのTQパルスの通電時間と実際の燃料噴射量との相関は、インジェクタ単品で保証されている。
[従来の技術の不具合]
ところが、上記の特許文献1に記載のような、公知の技術である回転速度変動気筒間噴射量補正(FCCB補正)は、通常、メイン噴射量、あるいはメイン噴射量とパイロット噴射量とを加算したトータル噴射量のみの補正となっており、パイロット噴射のようなその噴射量自体が主に5mm3 /st以下と小さい微小噴射量領域での補正が困難(不可)であった。このため、経時変化等によるインジェクタの性能(機能)の劣化(インジェクタの経時劣化)等があった場合に、微小噴射量であるパイロット噴射量が、噴射量指令値からずれていても補正ができなかった。
そして、上記の特許文献1に記載のような、公知の技術である回転速度変動気筒間噴射量補正(FCCB補正)で、メイン噴射量またはトータル噴射量の噴射量補正量(ΔQ)が負の値になると、パイロット噴射量がマイナスとなってしまったり、ごくわずかとなってしまい、パイロット噴射が消失し、エンジンが失火するという可能性があった。逆に、気筒間噴射量補正(FCCB補正)で、メイン噴射量またはトータル噴射量の噴射量補正量(ΔQ)が正の値になると、パイロット噴射量が過大となり過ぎ、エンジンの排気ガス性能の悪化を招くという可能性があった。これでは、上記のパイロット噴射(マルチ噴射)の効果が十分に発揮できないという課題がある。
特開平07−063104号公報(第1−5頁、図1−図8)
本発明の目的は、エンジンの1回の燃焼行程中に、インジェクタの駆動を複数回実施することで、メイン噴射の前または後に1回以上の所定回数の微小噴射を行うマルチ噴射における1回以上の所定回数の各微小噴射量または1回以上の所定回数の各微小噴射期間のみを単独で補正できるようにすることが可能な噴射量学習制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、先ず、1回以上の所定回数の微小噴射を全て一時的に休止することで、メイン噴射のみの噴射パターンで、回転速度変動気筒間噴射量補正(第1気筒間噴射量補正)を実施する。これは、エンジンの気筒間の回転速度変動を平滑化するのに必要なメイン噴射補正値を、エンジンの各気筒毎に個別に学習すると共に、メイン噴射補正値に基づいてメイン噴射量またはメイン噴射期間を、エンジンの各気筒毎に個別に補正する。これによって、経時変化等によるインジェクタの性能(機能)の劣化(インジェクタの経時劣化)等があった場合でも、メイン噴射量の気筒間差がなくなると共に、噴射量指令値に対する実際のメイン噴射量のズレ量が補正される。
次に、一時的に休止していた1回以上の所定回数の微小噴射を復帰させることで、メイン噴射の前または後に1回以上の所定回数の微小噴射を行う通常のマルチ噴射の噴射パターンで、回転速度変動気筒間噴射量補正(第2気筒間噴射量補正)を実施する。これは、エンジンの気筒間の回転速度変動を平滑化するのに必要な微小噴射補正値を、エンジンの各気筒毎に個別に学習すると共に、微小噴射補正値に基づいて1回以上の所定回数の各微小噴射量または1回以上の所定回数の各微小噴射期間を、エンジンの各気筒毎に個別に補正する。これによって、経時変化等によるインジェクタの性能(機能)の劣化(インジェクタの経時劣化)等があった場合でも、1回以上の所定回数の各微小噴射量の気筒間差がなくなると共に、噴射量指令値に対する実際の1回以上の所定回数の各微小噴射量のズレ量が補正される。
したがって、トータル噴射量を補正するのではなく、また、メイン噴射量のみを単独補正するだけでなく、5mm3 /st以下と小さい微小噴射量領域のみの単独補正が可能となる。これにより、噴射量指令値に対する実際の1回以上の所定回数の各微小噴射量の補正精度の向上を図ることができ、且つ気筒間の1回以上の所定回数の各微小噴射量差を要因とする気筒間回転速度変動を抑制することができる。また、1回以上の所定回数の微小噴射が消失したり、過大となったりすることを防止できるので、メイン噴射開始時から安定した燃焼を行って燃焼騒音やエンジン振動の低減、更には排気ガス性能の向上というマルチ噴射の効果を十分に発揮することができる。
請求項2に記載の発明によれば、メイン噴射の前または後に1回以上の所定回数の微小噴射を行うマルチ噴射におけるマルチ噴射回数を、エンジンの運転状態と噴射量指令値とに対応して設定するマルチ噴射回数設定手段を設けても良い。また、請求項3に記載の発明によれば、マルチ噴射量設定手段は、噴射量指令値に対応して設定されるトータル噴射量とエンジンの運転状態とから1回以上の所定回数の各微小噴射量を求め、トータル噴射量から1回以上の所定回数の各微小噴射量を減算してメイン噴射量を求めるようにしても良い。
請求項4に記載の発明によれば、第1気筒間噴射量補正手段を、エンジンの気筒間の回転速度変動が平滑化するまで、あるいはメイン噴射補正値が安定化するまで、メイン噴射補正値に基づくメイン噴射量の学習補正を継続して行うようにしても良い。また、請求項5に記載の発明によれば、第2気筒間噴射量補正手段を、エンジンの気筒間の回転速度変動が平滑化するまで、あるいは微小噴射補正値が安定化するまで、微小噴射補正値に基づく1回以上の所定回数の各微小噴射量の学習補正を継続して行うようにしても良い。また、請求項6に記載の発明によれば、1回以上の所定回数の微小噴射として、メイン噴射の前に実施される1回以上の所定回数のパイロット噴射を行っても良い。また、メイン噴射の後に実施される1回以上の所定回数のアフター噴射を行っても良い。また、メイン噴射の前に実施される1回以上の所定回数のパイロット噴射、およびメイン噴射の後に実施される1回以上の所定回数のアフター噴射を行っても良い。
本発明を実施するための最良の形態は、エンジンの1回の燃焼行程中に、インジェクタの駆動を複数回実施することで、メイン噴射の前または後に1回以上の所定回数の微小噴射を行うマルチ噴射における1回以上の所定回数の各微小噴射量または1回以上の所定回数の各微小噴射期間のみを単独で補正できるようにするという目的を、メイン噴射量またはメイン噴射期間のみを単独補正した後に、1回以上の所定回数の各微小噴射量または1回以上の所定回数の各微小噴射期間のみを単独補正することで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図4は本発明の実施例1を示したもので、図1はコモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した図である。
本実施例の内燃機関用噴射量学習制御装置は、例えば自動車等の車両に搭載された多気筒ディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エンジンと言う)用の燃料噴射システムとして知られるコモンレール式燃料噴射システム(蓄圧式燃料噴射装置)に備えられたものであり、コモンレール1内に蓄圧した高圧燃料をエンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給するように構成されている。このコモンレール式燃料噴射システムは、燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧するコモンレール1と、このコモンレール1内に高圧燃料を圧送供給する吸入燃料調量方式のサプライポンプ(燃料供給ポンプ)2と、エンジンの各気筒の燃焼室内に燃料を噴射供給する複数のインジェクタ4と、サプライポンプ2の吸入調量弁(SCV)3および複数のインジェクタ4の電磁弁5を電子制御するエンジン制御ユニット(エンジン制御装置、噴射量学習制御装置:以下ECUと呼ぶ)10とを備えている。なお、図1では、4気筒エンジンの1つの気筒に対応するインジェクタ4のみを示し、その他の気筒についてはインジェクタの図示を省略している。
コモンレール1には、連続的に燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を常時蓄圧する必要がある。このために、コモンレール1内に蓄圧される高圧燃料は、サプライポンプ2から燃料供給配管11を経て圧送供給されている。そして、コモンレール1には、燃料タンク6に連通する燃料還流配管12の開口面積を調整する減圧弁13が設置されている。減圧弁13は、減圧弁駆動回路を介してECU10から印加される減圧弁駆動電流によって電子制御されることで、コモンレール圧力を減圧させる減圧(降圧)機能を有する常閉型の電磁弁である。なお、減圧弁13の代わりに、コモンレール1内の燃料圧力が限界設定圧を越えることがないように、コモンレール1内の燃料圧力を逃がすためのプレッシャリミッタを取り付けるようにしても良い。
サプライポンプ2は、コモンレール圧力を昇圧させる昇圧機能を有する高圧供給ポンプである。エンジンのクランクシャフトの回転に伴ってポンプ駆動軸が回転することで、燃料供給配管14の途中に設けたフィルタ15を介して燃料タンク6から低圧燃料を汲み上げる周知のフィードポンプ(低圧供給ポンプ:図示せず)と、ポンプ駆動軸により回転駆動されるカム(図示せず)と、このカムに駆動されて上死点と下死点との間を往復運動する複数のプランジャ(図示せず)と、これらのプランジャがシリンダ内を往復摺動することにより、吸入した燃料を加圧して高圧化する複数の加圧室(プランジャ室:図示せず)とを有している。
サプライポンプ2には、内部の燃料温度が高温にならないように、リークポートが設けられており、サプライポンプ2からのリーク燃料は、燃料還流配管16を経て燃料タンク6にリターンされる。このサプライポンプ2内に形成される、フィードポンプから加圧室に至る燃料吸入経路には、その燃料吸入経路の開口面積を調整する吸入調量弁(サプライポンプ2のアクチュエータ)3が取り付けられている。この吸入調量弁3は、ポンプ駆動回路を介してECU10から印加されるポンプ駆動電流によって電子制御されることで、サプライポンプ2の加圧室内に吸入される燃料吸入量を調整する。これにより、サプライポンプ2からコモンレール1内への燃料吐出量が変更され、コモンレール圧力が制御される。
インジェクタ4は、エンジンの各気筒毎に対応して取り付けられ、各気筒毎の燃焼室内に高圧燃料を噴射する燃料噴射ノズル、この燃料噴射ノズルの噴射孔を開閉するノズルニードルを開弁方向に駆動する電磁弁(インジェクタ4のアクチュエータ)5、およびノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプリング(ニードル付勢手段)等から構成された電磁式燃料噴射弁である。なお、各気筒のインジェクタ4は、コモンレール1内に蓄圧された高圧燃料を、各気筒の燃料噴射ノズル内に形成される燃料溜まりや背圧制御室に分配供給するための燃料供給配管(分岐管)19に接続されている。また、各気筒のインジェクタ4内には、燃料供給配管19に接続する継ぎ手部から燃料溜まりや背圧制御室に至る燃料供給経路(図示せず)が形成されている。そして、各気筒のインジェクタ4からエンジンの各気筒の燃焼室内への燃料噴射は、ノズルニードルと連動するコマンドピストンの動作制御(背圧制御)を行う背圧制御室内の燃料圧力を増減制御する電磁弁5のソレノイドコイルへの通電および通電停止によって電子制御される。
つまり、インジェクタ4の電磁弁5が開弁駆動(電磁弁5のソレノイドコイルが通電)されて、コモンレール1から高圧燃料が供給される背圧制御室より高圧燃料が燃料系の低圧側に溢流(動的リーク)することで、ノズルニードルが噴射孔を開弁している間、コモンレール1内に蓄圧された高圧燃料がエンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給される。これにより、エンジンが運転される。ここで、インジェクタ4からのリーク燃料またはノズルニードルの背圧制御室からのリーク燃料は、燃料還流配管17を経て燃料タンク6に還流するように構成されている。なお、インジェクタ4のノズルニードルの開弁時間(噴射期間、電磁弁5のソレノイドコイルの通電時間)が長い程、エンジンの各気筒毎内に噴射される燃料噴射量が多くなる。
ECU10には、制御処理、演算処理を行なうCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶装置(ROMまたはEEPROM、RAMまたはスタンバイRAM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路およびポンプ駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。なお、本実施例では、各気筒のインジェクタ4の電磁弁5のソレノイドコイルにパルス状のインジェクタ駆動電流を印加するインジェクタ駆動回路(EDU)7がECU10とは別に設けられている。そして、ECU10は、図1に示したように、コモンレール1に設置された燃料圧力センサ(コモンレール圧力センサとも言う:燃料圧力検出手段)25より出力された出力値(コモンレール圧力信号)や、その他の各種センサからのセンサ信号が、A/D変換器でA/D変換された後に、ECU10に内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。また、ECU10は、図示しないイグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、メモリ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づいて、例えばサプライポンプ2、複数のインジェクタ4および減圧弁13等のアクチュエータ(吸入調量弁3や電磁弁5等)を電子制御するように構成されている。
ここで、マイクロコンピュータには、エンジンの運転状態や運転条件を検出する運転状態検出手段としての、エンジンのクランクシャフトの回転角度を検出するためのクランク角度センサ21、ドライバーのアクセル操作量であるアクセル開度(ACCP)を検出するためのアクセル開度センサ(エンジン負荷検出手段)22、エンジン冷却水温(THW)を検出するための冷却水温センサ23、サプライポンプ2内に吸入されてフィードポンプから加圧室に至る燃料吸入経路中を流れる燃料温度(THF)を検出するための燃料温度センサ24等が接続されている。また、マイクロコンピュータには、エンジンキーをシリンダ内に差し込んでST位置まで回すと、スタータスイッチがオン(ON)してスタータを通電するスタータ通電回路が接続されている。また、マイクロコンピュータには、エンジンにより駆動されるトランスミッションのギアポジションを示す信号、運転者(ドライバー)がクラッチペダルを踏んだことを検出する信号、スタータへの通電信号、車速センサからの車速信号、エアコン用電磁クラッチ、エアコンのコンデンサ用電動ファン、エアコンの室内送風用ファン、ラジエータ用電動ファンやヘッドライト等の電気負荷、エアコン用コンプレッサやパワーステアリングやオイルポンプ等の駆動負荷等の車両情報を検出する信号が入力されるように構成されている。
クランク角度センサ21は、エンジンのクランクシャフト、あるいはサプライポンプ2のポンプ駆動軸に取り付けられたNEタイミングロータ(図示せず)の外周に対向するように設けられた電磁ピックアップコイルよりなる。そのNEタイミングロータの外周面には、所定角度毎に凸状歯が複数個配置されている。そして、クランク角度センサ21は、NEタイミングロータの各凸状歯がクランク角度センサ21に対して接近離反を繰り返すことで、電磁誘導によってパルス状の回転位置信号(NE信号パルス)、特にエンジン回転速度およびポンプ回転速度に同期したNE信号パルスが出力される。なお、ECU10は、クランク角度センサ21より出力されたNE信号パルスの間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(エンジン回転数とも言う:NE)を検出するための回転速度検出手段として機能する。
本実施例のECU10は、エンジン回転速度(NE)とアクセル開度(ACCP)とに対応して設定された基本噴射量(Q)に、燃料温度(THF)やエンジン冷却水温(THW)等を考慮した噴射量補正量を加味して指令噴射量(=噴射量指令値:QFIN)を算出する機能(噴射量設定手段)と、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とによって指令噴射時期(メイン噴射開始時期:TFIN)を算出する機能(噴射時期設定手段)と、指令噴射量(QFIN)とコモンレール圧力(PC)とによってインジェクタ4の電磁弁5のソレノイドコイルへの通電時間に相当する噴射指令パルス長さ(=噴射量指令値、指令噴射期間:TQFIN)を算出する機能(噴射期間設定手段)とを有している。
ECU10は、エンジンの運転状態に応じた最適な燃料の噴射圧力を演算し、ポンプ駆動回路を介してサプライポンプ2の吸入調量弁3を駆動する燃料圧力制御装置を有している。これは、指令噴射量(QFIN)とエンジン回転速度(NE)とによって目標燃料圧力(PFIN)を算出する機能(燃料圧力設定手段)を有し、目標燃料圧力(PFIN)を達成するために、吸入調量弁3のソレノイドコイルに印加するポンプ駆動電流を調整して、サプライポンプ2の加圧室よりコモンレール1内に吐出される燃料吐出量をフィードバック制御するように構成されている。すなわち、燃料圧力センサ25によって検出されたコモンレール圧力(実燃料圧力:PC)が目標燃料圧力(PFIN)と略一致するように、PI(比例積分)制御またはPID(比例積分微分)制御によって、サプライポンプ2の燃料吐出量と相関関係を有する(吸入調量弁3のソレノイドコイルに印加する)ポンプ駆動電流をフィードバック制御している。
そして、ECU10は、エンジンの1回の燃焼行程中(圧縮行程中および膨張行程中)に、インジェクタ4の電磁弁5の開弁駆動を複数回実施することで、メイン噴射の前または後に1回以上の所定回数の微小噴射を行うマルチ噴射を実施しながら、エンジンの運転状態に対応して設定される噴射量指令値(例えばメイン噴射量、パイロット噴射量)に対する補正値(例えばメイン噴射補正量、パイロット噴射補正量)を学習し、この学習した補正値(例えばメイン噴射補正量、パイロット噴射補正量)に基づいて噴射量指令値(例えばメイン噴射量、パイロット噴射量)を補正する噴射量学習制御装置を有している。
なお、本実施例の噴射量学習制御装置は、インジェクタ4の電磁弁5の開弁駆動を複数回実施することで、メイン噴射の前に1回以上の所定回数の各微小噴射(以下パイロット噴射と言う)を行なうマルチ噴射を制御するマルチ噴射制御手段を有している。これは、マルチ噴射におけるマルチ噴射回数(例えば2回〜9回)を、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とに対応して設定する機能(マルチ噴射回数設定手段)と、マルチ噴射におけるメイン噴射量および1回以上の所定回数の各微小噴射量(以下パイロット噴射量と言う)を設定する機能(マルチ噴射量設定手段)とを有している。これらのうちマルチ噴射量設定手段は、エンジン回転速度(NE)とトータル噴射量(=指令噴射量:totalQ)とからマルチ噴射におけるパイロット噴射量(=噴射量指令値)を算出する機能(パイロット噴射量設定手段)と、トータル噴射量(totalQ)からパイロット噴射量を減算してメイン噴射量(=噴射量指令値)を算出する機能(メイン噴射量設定手段)とを有している。
また、マルチ噴射制御手段は、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とからマルチ噴射におけるパイロット噴射とメイン噴射との間の無噴射間隔(パイロットインターバル:TINT)を算出する機能(無噴射間隔設定手段)と、エンジン回転速度(NE)とパイロット噴射量とからマルチ噴射における2つのパイロット噴射間の無噴射間隔(インターバル)を算出する機能(無噴射間隔設定手段)とを有している。また、マルチ噴射制御手段は、パイロット噴射量とコモンレール圧力(PC)とからマルチ噴射におけるパイロット噴射期間(=噴射量指令値)を算出する機能(マルチ噴射期間設定手段)と、メイン噴射量とコモンレール圧力(PC)とからマルチ噴射におけるメイン噴射期間(=噴射量指令値)を算出する機能(マルチ噴射期間設定手段)とを有している。
また、ECU10は、エンジンの各気筒の爆発行程毎の回転速度変動を検出し、エンジンの各気筒毎の回転速度変動の検出値と全気筒の回転速度変動の平均値とを比較し、エンジンの気筒間の回転速度変動を平滑化するように、エンジンの各気筒毎への最適な噴射量を個々に調整する補正機能(第1、第2(回転速度変動)気筒間噴射量補正手段)を有している。これより以降では、第1、第2(回転速度変動)気筒間噴射量補正を、FCCB学習制御と呼ぶ。
[実施例1の制御方法]
次に、本実施例のFCCB学習制御方法を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。ここで、図2はFCCB学習制御方法を示したフローチャートである。この図2の制御ルーチンは、イグニッションスイッチがONとなった後に、所定のタイミング毎に繰り返される。
図2の制御ルーチンに進入するタイミングになると、先ず、システムが正常に作動しているか否かを判定する。例えばインジェクタ4の電磁弁5のソレノイドコイルとインジェクタ駆動回路(EDU)7とを結線するワイヤハーネス等の短絡故障や断線故障を含むシステム異常がなく、補正機能を実行して良いか否かを判定する(ステップS1)。この判定結果がNOの場合には、図2の制御ルーチンを抜ける。
また、ステップS1の判定結果がYESの場合には、FCCB学習制御を実施する条件が成立しているか否かを判定する(ステップS2)。この判定結果がNOの場合には、図2の制御ルーチンを抜ける。
具体的には、学習温度条件成立(エンジン冷却水温度の場合は例えば60〜90℃の範囲内が成立条件)、アイドル安定状態成立(ギアポジションまたはシフトポジションが例えばニュートラル(N)またはパーキング(P)に設定されていると成立)、車速条件成立(車両の走行速度(SPD)が例えば0km/h以下が成立条件)、アクセル開度が全閉状態(アクセル開度(ACCP)が例えば0%以下が成立条件)、エンジン回転速度条件成立(エンジン回転速度(NE)が例えば1000rpm以下が成立条件)、燃料の噴射圧力条件成立(コモンレール圧力(PC)が例えば100MPa以下が成立条件)、指令噴射量条件成立(指令噴射量(QFIN)が例えば5mm3 /st=無負荷燃費以下が成立条件)、エンジン安定状態成立(エンジン負荷変動が無く、エアコンスイッチをOFF、ラジエータ用電動ファンのリレースイッチをOFF、電気ヒータ、ヘッドライト、電磁ブレーキ等の電気負荷(エンジン負荷)が無く)、所定時間連続経過の全ての条件が成立している時に、FCCB学習制御を実施する条件が成立となる。上記の条件が不成立の時に、FCCB学習制御を実施する条件が不成立となる。なお、インジェクタ4の経時劣化量が所定値以上であると判定した時、スタータ通電フラグがONからOFFとなった時点から所定時間が経過している時、エンジン始動時から所定時間が経過している時、FCCB学習制御を要求している時に、FCCB学習制御を実施する条件を強制的に成立(YES)させることも可能である。
また、ステップS2の判定結果がYESの場合、つまりパイロット学習を実施する条件が成立している場合には、気筒間噴射量バラツキ、インジェクタ4の個体差、インジェクタ4の経時劣化量を学習補正するFCCB学習制御を実行する。このFCCB学習制御に進入すると、先ず、マルチ噴射回数をN回(本例では2回)に設定する。すなわち、インジェクタ4の電磁弁5の開弁駆動を複数回実施することで、図3(a)に示したように、メイン噴射の前に1回のパイロット噴射を行うマルチ噴射を実施するようにセットする。 また、メモリからパイロット学習制御用トータル噴射量(=アイドル運転時噴射量)を読み込み、そのパイロット学習制御用トータル噴射量からメイン噴射量の初期値およびパイロット噴射量の初期値を算出する。なお、以前にFCCB学習制御を実施している場合には、メイン噴射量の学習値、また、パイロット噴射量の学習値をメモリからそれぞれ読み込む。また、コモンレール圧力(PC)を、例えば100MPa以下の目標燃料圧力(PFIN)にセットする。
次に、図3(b)に示したように、パイロット噴射を一時的に停止(休止)する(ステップS3)。次に、メイン噴射のみの噴射パターンでFCCB学習制御を実施して、各気筒毎に個別にメイン噴射量のみを単独補正する。これは、クランク角度センサ21より取り込んだNE信号パルスの間隔時間を計算することで、エンジンの各気筒の爆発行程毎の瞬時回転速度を算出し、BTDC90°CA〜ATDC90°CA間のNE信号パルスの間隔時間の最大値を当該気筒の瞬時回転速度の最低回転速度(Nl)として読み込む。
また、BTDC90°CA〜ATDC90°CA間のNE信号パルスの間隔時間の最小値を当該気筒の瞬時回転速度の最高回転速度(Nh)として読み込む。但し、Nl、Nhは必ずしも最低回転速度、最高回転速度である必要はなく、当該気筒の回転速度変動を代表する低回転速度、高回転速度であっても良い。そして、これらの計算を各気筒毎に行なった後に、各気筒毎の最高回転速度(Nh)と各気筒毎の最低回転速度(Nl)との気筒毎回転速度差分(ΔNk)を算出する。これにより、エンジンの各気筒毎の回転速度変動の検出値を算出する。そして、多気筒エンジンの全気筒の回転速度変動の平均値(ΣΔNk)を算出する。つまり、エンジンの全気筒の回転速度変動を平均化して、全気筒の回転速度変動の平均値を算出した後に、各気筒毎の回転速度変動の検出値と全気筒の回転速度変動の平均値から各気筒間の回転速度変動の偏差を算出する。
そして、エンジンの各気筒間の回転速度変動が平滑化するように、メイン噴射量に、各気筒間の回転速度変動を平滑化する方向へのメイン噴射補正量を各気筒毎に付加する。つまり、エンジンの各気筒毎に個別にメイン噴射量のみを単独補正する。
例えば図3(c)、(d)に示したように、気筒#1、気筒#3の回転速度変動の検出値は全気筒の回転速度変動の平均値よりも大きい値であるので、メイン噴射量を減量補正(Q減補正)するためのメイン噴射補正量をメイン噴射量に付加する。また、気筒#4、気筒#2の回転速度変動の検出値は全気筒の回転速度変動の平均値よりも小さい値であるので、メイン噴射量を増量補正(Q増補正)するためのメイン噴射補正量をメイン噴射量に付加する。なお、気筒毎の回転速度変動の検出値と全気筒の回転速度変動の平均値とが一致している場合には、メイン噴射補正量を0(補正0)に設定する。
このとき、エンジンの各気筒毎のメイン噴射補正量が安定するまで所定時間継続して、FCCB学習制御を実施する(ステップS4)。次に、メイン噴射のみで実施したFCCB学習制御が完了しているか否かを判定する。すなわち、各気筒間の回転速度変動の平滑化が完了しているか否かを判定する(ステップS5)。この判定結果がNOの場合には、ステップS4の処理を継続する。
また、ステップS5の判定結果がYESの場合には、エンジンの各気筒毎のメイン噴射補正量を学習値としてスタンバイRAMまたはEEPROM等のメモリに更新して記憶(バックアップ)する(学習値記憶手段)。次に、図4(a)、(b)に示したように、一時的に停止(休止)していたパイロット噴射を再開(復活)する。つまり、メイン噴射のみの噴射パターンから通常の噴射パターン(メイン噴射の前にパイロット噴射を行う通常のマルチ噴射:通常運転)に戻す(ステップS6)。次に、通常のマルチ噴射にてFCCB学習制御を実施して、各気筒毎に個別にパイロット噴射量のみを単独補正する。
これは、上記のFCCB学習制御と同様に、各気筒毎の回転速度変動の検出値と全気筒の回転速度変動の平均値から各気筒間の回転速度変動の偏差を算出し、エンジンの各気筒間の回転速度変動が平滑化するように、パイロット噴射量に、各気筒間の回転速度変動を平滑化する方向へのパイロット噴射補正量を各気筒毎に付加する。つまり、エンジンの各気筒毎に個別にパイロット噴射量のみを単独補正する。
例えば図4(c)、(d)に示したように、気筒#1、気筒#3の回転速度変動の検出値は全気筒の回転速度変動の平均値よりも大きい値であるので、パイロット噴射量を減量補正(Q減補正)するためのパイロット噴射補正量をパイロット噴射量に付加する。また、気筒#4の回転速度変動の検出値は全気筒の回転速度変動の平均値よりも小さい値であるので、パイロット噴射量を増量補正(Q増補正)するためのパイロット噴射補正量をパイロット噴射量に付加する。また、気筒#2の回転速度変動の検出値は全気筒の回転速度変動の平均値と一致しているので、パイロット噴射補正量を0(補正0)に設定する。
このとき、エンジンの各気筒毎のパイロット噴射補正量が安定するまで所定時間継続して、FCCB学習制御を実施する(ステップS7)。次に、通常のマルチ噴射で実施したFCCB学習制御が完了しているか否かを判定する。すなわち、各気筒間の回転速度変動の平滑化が完了しているか否かを判定する(ステップS8)。この判定結果がNOの場合には、ステップS7の処理を継続する。
また、ステップS8の判定結果がYESの場合には、エンジンの各気筒毎のパイロット噴射補正量を学習値としてスタンバイRAMまたはEEPROM等のメモリに更新して記憶(バックアップ)する(学習値記憶手段)。以上により、FCCB学習制御を終了し、図2の制御ルーチンを抜ける。
以上のFCCB学習制御が終了したら、通常運転に戻る。そして、エンジンの各気筒毎の学習値を、噴射量補正量として、マルチ噴射におけるメイン噴射量およびパイロット噴射量の算出に反映させる。また、指令噴射量(QFIN)またはトータル噴射量の算出に反映させても良い。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例のコモンレール式燃料噴射システムにおいては、メイン噴射のみの噴射パターンでFCCB学習制御を実施して、エンジンの各気筒毎に個別にメイン噴射量のみを単独補正する第1補正機能(第1気筒間噴射量補正手段)と、通常のマルチ噴射の噴射パターンでFCCB学習制御を実施して、エンジンの各気筒毎に個別にパイロット噴射量のみを単独補正する第2補正機能(第2気筒間噴射量補正手段)とを、噴射量の多い順に順次実施することで、比較的に大噴射量領域でのFCCB学習制御と比較的に微小噴射量領域でのFCCB学習制御とをそれぞれ独立して実施することができる。これによって、トータル噴射量を補正するのではなく、また、メイン噴射量のみを単独補正するだけでなく、5mm3 /st以下と小さい微小噴射量領域のみの、つまりパイロット噴射量のみの単独補正が可能となる。
したがって、経時変化等によるインジェクタ4の経時劣化等があった場合でも、メイン噴射量の気筒間差がなくなると共に、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とに対応して設定されるメイン噴射量(=噴射量指令値)に対するメイン噴射量のズレ量を補正できる。また、経時変化等によるインジェクタ4の経時劣化等があった場合でも、パイロット噴射量の気筒間差がなくなると共に、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とに対応して設定されるパイロット噴射量(=噴射量指令値)に対するパイロット噴射量のズレ量を補正できる。これによって、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とに対応して設定されるパイロット噴射量(=噴射量指令値)に対する実際のパイロット噴射量の補正精度の向上を図ることができ、且つ気筒間のパイロット噴射量差を要因とする気筒間回転速度変動を抑制することができる。また、パイロット噴射が消失したり、過大となったりすることを防止できるので、メイン噴射開始時から安定した燃焼を行って燃焼騒音やエンジン振動の低減、更には排気ガス性能の向上というパイロット噴射の効果を十分に発揮することができる。
[変形例]
本実施例では、本発明を、噴射量学習制御装置を備えたコモンレール式燃料噴射システム(エンジン制御システム)に適用した例を示したが、本発明を、コモンレールを備えず、電子制御方式の分配型燃料噴射ポンプまたは電子制御方式の列型燃料噴射ポンプ等を備えた内燃機関用燃料噴射装置(エンジン制御システム)に適用しても良い。また、本実施例では、電磁式燃料噴射弁よりなるインジェクタ4を用いた例を説明したが、圧電方式の燃料噴射弁よりなるインジェクタを用いても良い。また、メイン噴射に先立って行なわれるパイロット噴射(プレ噴射とも言う)の回数は、1回〜9回以上任意に設定しても良く、また、メイン噴射の後に行なわれるアフター噴射の回数も、0回または1回〜9回以上任意に設定しても良い。
本実施例では、メイン噴射補正量およびパイロット噴射補正量を更新して記憶する補正量記憶手段としてスタンバイRAMまたはEEPROMを用いたが、スタンバイRAMまたはEEPROMを用いずに、EPROM、フラッシュ・メモリ等の不揮発性メモリ、DVD−ROM、CD−ROM、あるいはフレキシブル・ディスクのような他の記憶媒体を用いて、FCCB学習制御により更新したメイン噴射補正量およびパイロット噴射補正量を記憶するようにしても良い。この場合にも、イグニッションスイッチをオフ(IG・OFF)した後、あるいはエンジンキーをキーシリンダより抜いた後も、記憶した内容は保存される。
また、上記のFCCB学習制御によって求められたメイン噴射補正量またはパイロット噴射補正量が所定値以上の場合には、噴射量指令値に対して所定値以上の噴射量バラツキがあることを検出できるので、インジェクタ単品個々の故障も検出できる。この場合には、異常警告ランプ(インジケータランプ)を点灯して運転者にインジェクタ4の交換を促すようにしても良い。また、上記のFCCB学習制御を一定または可変の学習補正頻度(例えば走行距離等)にて実行できるようにしても良い。
本実施例では、メイン噴射補正値として、メイン噴射のみを単独実施することで、メイン噴射補正量(メイン噴射量補正量)を求め、このメイン噴射補正量に基づいてメイン噴射量を単独補正しているが、メイン噴射補正値として、メイン噴射のみを単独実施することで、メイン噴射補正量(メイン噴射期間補正量)を求め、このメイン噴射補正量に基づいてメイン噴射期間を単独補正しても良い。また、本実施例では、微小噴射補正値として、パイロット噴射のみを単独実施することで、パイロット噴射補正量(パイロット噴射量補正量)を求め、このパイロット噴射補正量に基づいてパイロット噴射量を単独補正しているが、微小噴射補正値として、パイロット噴射のみを単独実施することで、パイロット噴射補正量(パイロット噴射期間補正量)を求め、このパイロット噴射補正量に基づいてパイロット噴射期間を単独補正しても良い。
コモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した概略図である(実施例1)。 FCCB学習制御方法を示したフローチャートである(実施例1)。 (a)、(b)はFCCB学習制御時にパイロット噴射を一時停止した時の燃料噴射率波形の変化を示した説明図で、(c)は気筒間回転速度変動を示した説明図で、(d)は気筒毎のメイン噴射補正量を示した説明図である(実施例1)。 (a)、(b)はFCCB学習制御時にパイロット噴射を再開した時の燃料噴射率波形の変化を示した説明図で、(c)は気筒間回転速度変動を示した説明図で、(d)は気筒毎のパイロット噴射補正量を示した説明図である(実施例1)。
符号の説明
1 コモンレール
2 サプライポンプ(燃料供給ポンプ)
3 吸入調量弁(サプライポンプのアクチュエータ)
4 インジェクタ
5 電磁弁(インジェクタのアクチュエータ)
7 インジェクタ駆動回路(EDU)
10 エンジン制御ユニット(ECU)
21 クランク角度センサ(回転速度検出手段)
25 燃料圧力センサ(燃料圧力検出手段)

Claims (6)

  1. エンジンの1回の燃焼行程中に、インジェクタの駆動を複数回実施することで、メイン噴射の前または後に1回以上の所定回数の微小噴射を行うマルチ噴射を実施しながら、
    前記エンジンの運転状態に対応して設定される噴射量指令値に対する補正値を学習し、この学習した補正値に基づいて前記噴射量指令値を補正する噴射量学習制御装置において、
    (a)前記マルチ噴射における、メイン噴射量および1回以上の所定回数の各微小噴射量を、前記噴射量指令値に対応して設定するマルチ噴射量設定手段と、
    (b)前記マルチ噴射における、メイン噴射期間および1回以上の所定回数の各微小噴射期間を、前記メイン噴射量および1回以上の所定回数の各微小噴射量に対応して設定するマルチ噴射期間設定手段と、
    (c)前記1回以上の所定回数の微小噴射を全て一時的に休止することで、前記メイン噴射を単独で実施しながら、
    前記エンジンの気筒間の回転速度変動を平滑化するのに必要なメイン噴射補正値を、前記エンジンの各気筒毎に個別に学習すると共に、
    前記メイン噴射補正値に基づいて前記メイン噴射量または前記メイン噴射期間を、前記エンジンの各気筒毎に個別に補正する第1気筒間噴射量補正手段と、
    (d)前記一時的に休止していた前記1回以上の所定回数の微小噴射を復帰させることで、前記マルチ噴射を実施しながら、
    前記エンジンの気筒間の回転速度変動を平滑化するのに必要な微小噴射補正値を、前記エンジンの各気筒毎に個別に学習すると共に、
    前記微小噴射補正値に基づいて前記1回以上の所定回数の各微小噴射量または前記1回以上の所定回数の各微小噴射期間を、前記エンジンの各気筒毎に個別に補正する第2気筒間噴射量補正手段と
    を備えたことを特徴とする噴射量学習制御装置。
  2. 請求項1に記載の噴射量学習制御装置において、
    前記マルチ噴射におけるマルチ噴射回数を、前記エンジンの運転状態と前記噴射量指令値とに対応して設定するマルチ噴射回数設定手段を備えたことを特徴とする噴射量学習制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の噴射量学習制御装置において、
    前記マルチ噴射量設定手段は、前記噴射量指令値に対応して設定されるトータル噴射量と前記エンジンの運転状態とから前記1回以上の所定回数の各微小噴射量を求め、
    前記トータル噴射量から前記1回以上の所定回数の各微小噴射量を減算して前記メイン噴射量を求めることを特徴とする噴射量学習制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習制御装置において、 前記第1気筒間噴射量補正手段は、
    前記エンジンの気筒間の回転速度変動が平滑化するまで、あるいは前記メイン噴射補正値が安定化するまで、前記メイン噴射補正値に基づく前記メイン噴射量の学習補正を継続して行うことを特徴とする噴射量学習制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習制御装置において、 前記第2気筒間噴射量補正手段は、
    前記エンジンの気筒間の回転速度変動が平滑化するまで、あるいは前記微小噴射補正値が安定化するまで、前記微小噴射補正値に基づく前記1回以上の所定回数の各微小噴射量の学習補正を継続して行うことを特徴とする噴射量学習制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習制御装置において、 前記1回以上の所定回数の微小噴射とは、
    前記メイン噴射の前に実施される1回以上の所定回数のパイロット噴射であるか、
    あるいは前記メイン噴射の後に実施される1回以上の所定回数のアフター噴射であるか、
    あるいは前記メイン噴射の前に実施される1回以上の所定回数のパイロット噴射、および前記メイン噴射の後に実施される1回以上の所定回数のアフター噴射であることを特徴とする噴射量学習制御装置。
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