JP4466499B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、特に、ディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射制御装置における、コモンレールの燃料圧力を制御する燃料供給ポンプの学習制御に関する。
近年、ディーゼルエンジン用の燃料噴射システムとしてコモンレール式燃料噴射制御装置が注目されている。コモンレール式燃料噴射制御装置は、各気筒に共通のコモンレール(蓄圧式燃料溜め容器)に高圧状態の燃料を蓄積し、コモンレールに接続した噴射弁を制御することによって、各気筒に所定のタイミングで高圧燃料を噴射するものである。燃料タンクから吸い上げられた燃料は、吐出量可変の燃料供給ポンプによって加圧されてコモンレールに圧送される。コモンレール内の燃料の圧力は、燃料供給ポンプからの高圧燃料の量を制御することによって、フィードバック制御される。
燃料供給ポンプとしては、吸入時に吐出量を決定する吸入調量型の燃料供給ポンプが好適に用いられる。このような燃料供給ポンプは、電磁駆動式の吸入調量弁で加圧室内に吸入される燃料の量を制御し、吸入調量弁から加圧室へ至る流路に逆止弁を配置して、加圧開始時より圧送終了時まで加圧室への流路が閉鎖される構成となっている。この構成の燃料供給ポンプでは、吸入調量弁が高圧の燃料圧力を受けないため、従来のプレストローク制御を行う燃料供給ポンプよりも電磁弁を小型にできる利点がある。
ここで、コモンレール内の燃料圧力を目標圧力に制御するには、燃料供給ポンプによる吐出量の制御を精度よく行うことが要求される。燃料供給ポンプの吸入調量弁の制御は、例えば、弁体の位置制御によって行われ、吸入調量弁への通電量に応じて弁体のリフト量を変化させ、燃料流路の開口面積を変化させて燃料の流入速度を調整している。ところがこの場合、吸入調量弁の調量特性が、吸入調量弁の開口部形状や、弁体を付勢するばね部材のばね力のバラツキといった機差(燃料供給ポンプの製品バラツキ)の影響を受けやすいことから、実機の印加電流−吐出量特性とマップに投入される中央特性との間にズレを生じ、コモンレール内の燃料圧力の制御性が低下する問題があった。
これに対し、学習制御によって吸入調量弁の調量特性のバラツキを吸収する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、機差による吸入調量弁の調量特性のバラツキの影響が、主に実際の吸入調量弁への吸入開始電流値のズレとして表れることに着目し、吸入量ゼロが保証される吸入調量弁への印加電流から、印加電流値を徐々に変化させて、実際の吸入開始電流値を算出する方法が開示されている。
ところが、前述の方法は、吸入調量弁の印加電流−吐出量特性の電流方向のズレについて補正を行うものであり、傾き成分についての補正は未処置であった。これは、機差の影響が主に電流方向に表れるとしているためであるが、より高精度な制御特性を実現するためには、傾きのズレが無視できないものとなる。なお、この点について特許文献1には、2つの安定した運転状態における吸入調量弁の、印加電流と吐出量の関係を表す2つの式から傾き補正係数を算出する方法が記載されている。しかしながら、吸入調量弁の2つの運転状態におけるエンジン回転数が異なると、傾き補正係数は同じにはならないと考えられ、エンジン回転数による傾き成分のズレ量変化を考慮していない従来方法では、傾き補正を必ずしも正確に行えるものではなかった。
そこで、吸入調量弁の印加電流−吐出量特性の傾き方向のバラツキを学習補正することにより、燃料供給ポンプの機差による特性のバラツキを吸収し、燃料供給ポンプの吐出量を高精度に制御して、コモンレール圧力制御における圧力応答性を向上させる内燃機関の燃料噴射制御装置が特許文献2に開示されている。
即ち、燃料供給ポンプの機差バラツキをリカバリーして、燃料供給ポンプの圧送精度を高めるために、機差学習を実施して学習値を反映した制御を行う内燃機関の燃料噴射制御装置は公知となっている。このような内燃機関の燃料噴射制御装置では、機差学習値は、内燃機関の通常運転時に、燃料供給ポンプの実吐出量と指示吐出量との吐出量差が大きくなった場合に、燃料供給ポンプの吐出特性が変化したと判断し、機差学習を再度実施するようにしていた。
特開2001−82230号公報 特開2004−293540号公報
しかしながら、内燃機関の通常運転時に、燃料供給ポンプの実吐出量と指示吐出量との吐出量差が大きくなる要因は様々であり、この吐出量差が一時的なものであって、必ずしも燃料供給ポンプの吐出特性が変化によるものではない場合があった。そして、この吐出量差が大きくなる要因を区別して機差学習を制御することはできないため、正しく機差学習をしなければならない時には、機差学習を再度実施して学習値を更新することは有効であるが、実際には機差学習をする必要がない場合に機差学習を再度実施して学習値を更新した場合は、燃料供給ポンプの吐出特性が反映されていない学習値を制御に反映することになり、コモンレール内の燃料圧力を正常に制御できなくなるという問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の通常運転時に燃料供給ポンプの実吐出量と指示吐出量との吐出量差が大きくなった場合でも、機差学習の必要性を判断するための誤学習判定しきい値を設けることにより、コモンレール内の燃料圧力制御における誤学習を防止して、コモンレール内の燃料圧力制御を常に正常に実行することができる、内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的としている。
請求項1の発明は、コモンレールと、燃料噴射弁と、燃料供給ポンプと、吸入調量弁の駆動を制御することによりコモンレール内の燃料圧力を制御する制御手段とを備えた燃料噴射制御装置の制御手段が更に、燃料供給ポンプの吐出量指示値と実吐出量との吐出量差を検出し、吐出量差が所定値以上の時に燃料供給ポンプの製品バラツキに関する機差学習を行って、燃料供給ポンプの吸入開始電流値を学習補正するための学習値を算出し、算出した学習値を前回算出した学習値と比較してその偏差を算出し、算出した偏差を予め定められたしきい値と比較し、偏差がしきい値より小さい場合は前回の学習値を今回の学習値で更新し、偏差がしきい値より大きい場合は前回の学習値をそのまま維持することを特徴としている。
このため、燃料供給ポンプの吐出量指示値と実吐出量との吐出量差が一過性の要因で大きくなった場合の誤学習を防止することができ、コモンレール内の燃料の圧力を正確に制御することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明の制御手段が、一度前記偏差がしきい値より大きくなったことを検出した後は、偏差がしきい値より大きくなる事象が長く継続しない一過性のものであるか否かを判定し、一過性でないと判定した場合には、維持している学習値を最新の学習値で更新することを特徴としている。この結果、偏差がしきい値より大きくなる事象が一過性でない時にもコモンレール内の燃料の圧力を正確に制御することができる。
請求項3の発明は、請求項2の制御手段が維持している学習値を最新の学習値に更新する場合に、維持していた学習値を徐々に変化させて最新の学習値に変更する制御を行うことを特徴としている。この結果、コモンレール内の燃料圧の急激な変動を防止できる。
請求項4の発明は、請求項1又は第2の制御手段が、偏差がしきい値より大きくなる事象が長く継続しない一過性であるか否かを判定している間は、判定開始前の学習値をそのまま維持することを特徴としている。この結果、判定中は元の燃料圧が保持され、誤判定によるコモンレール内の燃料圧の変動が防止できる。
請求項5の発明は、請求項1又は第2の制御手段が、偏差がしきい値より大きくなる事象が長く継続しない一過性であるか否かを判定している間は、現在の学習値を判定開始前の学習値と今回の学習値の間にある所定中間値にすることを特徴としている。この結果、判定中は所定の燃料圧が保持され、誤判定によるコモンレール内の燃料圧の変動が防止できる。
第6の発明は、請求項5の制御手段が所定中間値を、判定開始前の学習値と今回の学習値を加算して半分にした値、或いはこの値より判定開始前の学習値に近い値にすることを特徴としている。この結果、判定中は判定開始前の燃料圧に近い所定の燃料圧が保持され、誤判定によるコモンレール内の燃料圧の変動が防止できる。
請求項7の発明は、請求項2から6の何れかの制御手段における一過性でないとする判断基準が、偏差がしきい値より大きくなる事象が所定回数以上継続することであることを特徴としている。この結果、偏差がしきい値より大きくなる事象が一過性か否かを確実に判定することができる。
請求項8の発明は、請求項2から6の何れかの制御手段における一過性でないとする判断基準が、偏差がしきい値より大きくなる事象が所定時間以上継続することであることを特徴としている。この結果、偏差がしきい値より大きくなる事象が一過性か否かを確実に判定することができる。
請求項9の発明は、請求項1から8の何れかの発明におけるしきい値が、内燃機関の運転条件に対応して設定されていることを特徴としている。この結果、内燃機関の運転状態に応じて正確にコモンレール内の燃料圧の急激な変動を防止できる。
以下、添付図面を用いて本発明の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明を適用したディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射制御装置の全体構成を示す図で、高圧燃料が蓄圧されるコモンレール1と、このコモンレール1にそれぞれ接続されてエンジンの各気筒(図略)に燃料を噴射するための複数の燃料噴射弁2と、燃料噴射弁2の駆動を制御するとともに、燃料供給ポンプ4からコモンレール1への高圧燃料の供給を制御する制御手段としての電子制御ユニット(以下、ECUという)3を有している。なお、図1には、4気筒エンジンの1つに対応する燃料噴射弁2のみを示しているが、他の気筒についても同様の構成となっている。
燃料供給ポンプ4は、燃料タンクTからフィルタFを介して吸入される低圧燃料を高圧に加圧し、加圧された燃料を高圧流路11を介してコモンレール1に圧送供給する。コモンレール1の圧力は圧力センサSによって検出され、ECU3は、コモンレール1の圧力が所定の噴射圧力となるように、燃料供給ポンプ4からの吐出量を制御する。なお、コモンレール1は減圧弁13を介して燃料タンクTに至る低圧流路12へ連通し、必要に応じてコモンレール1圧力を減圧制御可能となっているとともに、高圧流路11を安全弁14を介して低圧流路12へ連通してコモンレール1圧力が所定圧を超えて高くならないようにしている。また、燃料噴射弁2からのリーク燃料は、リーク配管(燃料還流路)15と低圧流路12を経て燃料タンクTに戻される。
図2に燃料供給ポンプ4構成の一例を示す。図中、ポンプハウジング41の上面にはシリンダヘッド5が固定され、シリンダヘッド5内にプランジャ51を往復摺動自在に支持している。プランジャ51の上方には、プランジャ51の端面とシリンダヘッド5の内壁面とで形成される燃料の加圧室52が設けられ、逆止弁53を経て低圧燃料が流入するようになしてある。
ポンプハウジング41内にはエンジンの1/2の回転と同期して回転駆動されるドライブシャフト42が挿通配置され、その外周にカム44が一体にかつ偏心して設けられている。カム44の外周には、外形が四角形状のシュー45がブッシュ46を介して摺動自在に保持され、シュー45の上端面にプランジャ51と一体のプレート部材54が、スプリング55の付勢力によって押圧されている。これにより、カム44の回転に伴い、プランジャ51が上下動して加圧室52内の燃料を加圧することが可能となる。なお、図示しないが、カム44の下方にも同様の構成の加圧室が設けられ、ドライブシャフト42の回転により吸入、圧送が交互に行われるように構成されている。
加圧室52へは、燃料溜まり71の燃料が、吸入調量弁6を経て吸入される。燃料溜まり71へは、図1の燃料タンクTから供給されフィードポンプ7で所定の低圧に加圧された燃料が、燃料流路73を通って供給される。吸入調量弁6は、ハウジング61内に摺動自在に保持されて、逆止弁53へ至る燃料流路72と燃料溜まり71との間を開閉する弁体62と、弁体62を駆動するコイル63を有している。コイル63の印加電流はECU3によって制御され、電流値に応じて弁体62のリフト量を変化させるようになっている。
吸入調量弁6の弁体62は、コイル63へ通電しない状態で、スプリングのバネ力によって開弁方向(図の右方)へ付勢されて、燃料流路72と燃料溜まり71とを連通させる構成となっている。コイル63に通電すると、弁体62が閉弁方向(図の左方)へ移動し、印加電流値に応じて弁開度が変化する。従って、ECU3によってコイル63への印加電流を制御し、開口面積を調整して流入速度を変化させることにより、加圧室52内への燃料の吸入量を制御することができる。
逆止弁53は、燃料流路72と加圧室52の間に配設され、加圧室52方向へのみ燃料を流入させる。逆止弁53の弁体56は、通常状態では、スプリングのバネ力によって閉弁方向(図の上方)へ付勢されており、吸入調量弁6から燃料流路72を経て低圧燃料が流入すると、燃料の圧力で弁体56が開弁して、加圧室52に燃料が吸入される。加圧中は、弁体56が燃料の圧力で閉弁する。加圧された燃料は、吐出弁57より吐出され、図1に示す高圧流路11からコモンレール1に供給される。
ECU3には、圧力センサSの他、アクセル開度センサ、エンジン回転数センサ、水温センサ等、エンジンの運転状態を検出するための図示しない各種センサが接続されている。ECU3は、これらセンサからの信号に基づいて、エンジン状態に応じた最適な噴射時期や噴射量等を決定して各燃料噴射弁2を駆動する。また、ECU3は、圧力センサSにより検出されるコモンレール1の圧力が、噴射圧力に相当する目標圧力に追従するように、燃料供給ポンプ4からの吐出量を算出し、吸入調量弁6を駆動して、コモンレール圧力をフィードバック制御する。
図3は、ECU3において実行されるコモンレール圧力制御処理のフローチャートを示すものである。まず、ステップ301において、内燃機関(以後エンジンという)の運転条件が読み込まれる。エンジンの運転条件とは、燃料噴射量、エンジン回転数、目標レール圧、学習値等である。学習値は、燃料供給ポンプ4の吸入調量弁の調量特性を精度良く把握するために、始動時又はアイドリング時の吐出量が少ない期間が利用され、吸入開始電流値を学習補正するために使用される値である。
ステップ302では、読み込んだエンジンの運転条件に基づいて、燃料供給分ポンプ4への要求吐出量が算出され、続くステップ303では燃料供給ポンプ4の吐出量のフィードバック制御量FBが読み込まれる。そして、ステップ304においてこれらの値に基づいて燃料供給ポンプ4の指示吐出量が算出される。
ステップ304で燃料供給ポンプ4の指示吐出量が算出されると、ステップ305で燃料供給ポンプ4への印加電流値が算出され、続くステップ306で燃料供給ポンプ4の吸入開始電流値の学習補正が学習値を使用して行われる。そして、算出された電流がステップ307において燃料供給ポンプ4に電流が印加されて駆動され、高圧燃料がコモンレール1に供給される。
燃料供給ポンプ4が駆動されると、次のステップ308では圧力センサSからの信号により、実際のコモンレール圧力(実レール圧)が検出される。ステップ309では目標コモンレール圧力(目標レール圧)と実レール圧との差が算出され、ステップ310で燃料供給ポンプ4の実吐出量が検出され、ステップ311においてフィードバック制御値FBが算出される。このフィードバック制御値FBは、燃料供給ポンプ4の指示吐出量と実吐出量の差を示すものであり、ステップ312において所定値Kより大きいか否かが判定され、FB≦Kの場合はこのままこのルーチンを終了するが、FB>Kの場合はステップ313に進んで燃料供給ポンプ4の機差学習を行って学習値を更新するようにする。
これまでは、以上のような制御を行っているために、ステップ310で検出した燃料供給ポンプ4の実吐出量が何らかの原因で一時的に低下した場合は、実吐出量の検出値が小さくなってフィードバック制御値FBの値が大きくなり、ステップ312からステップ313に進んで、学習値が誤った方向に補正されて異常となっていた。そして、学習値が異常になると、燃料供給ポンプの駆動電流値が異常となり、コモンレール圧が異常になってしまうのである。
図4は、以上説明したコモンレール圧力制御処理における目標レール圧(圧力指令値)、実レール圧、燃料供給ポンプの吐出指令値、及び燃料供給ポンプの実吐出量の関係を示すものである。圧力指令値が、時刻t0から時刻t1まで低下し、その後時刻t2まで一定値を保持している状態を示す。この時刻t2に至る手前の時期Jの前においては、正常な学習値が反映されないために、実レール圧のアンダーシュート、ハンチングが生じている。これに対して、圧力指令値は、前述の時刻t2に至る手前の時期Jの後である、時刻t2から時刻t3までは上昇し、時刻t3から時刻t4まで一定値を保持し、時刻t4から時刻t5まで低下し、その後一定値を保持した場合にあっては、正常な学習値が反映されることによって、実レール圧のアンダーシュート、ハンチングが抑制される効果を生じている。
このような状況のもとで、本発明は内燃機関の通常運転時に燃料供給ポンプの実吐出量と指示吐出量との吐出量差が大きくなり、ECU3が機差学習を行った場合でも、ECU3に直ちに学習値を更新させず、複数回の機差学習の結果から学習値の更新の必要性を判断させるようにして、コモンレール内の燃料圧力制御を常に正常に実行させるものである。このような本発明のECU3の制御の一実施例を図5及び図6を用いて説明する。
図5は、ECU3において実行される燃料供給ポンプの吐出量処理の制御手順の一実施例を示すフローチャートである。なお、エンジンの運転条件は既に読み込まれているものとする。まず、ステップ501において、コモンレール内の燃料圧力の指令値(レール圧指令値)CCPが出力され、次のステップ502では、燃料供給ポンプへの吐出量の指令値CFAが出力される。そして、ステップ503では、圧力センサSからの信号により、コモンレール内の燃料圧力のセンサ値(実レール圧)RPが読み込まれる。
ステップ504ではレール圧指令値CCPと実レール圧RPとの圧力偏差が算出され、続くステップ505では燃料供給ポンプ4の実吐出量RFAが検出される。この後のステップ506では、ステップ502で出力された燃料供給ポンプへの吐出量の指令値CFAと燃料供給ポンプ4の実吐出量RFAの偏差の絶対値が所定値Kより大きいか否かが判定される。そして、偏差が所定値K以下の場合はこのルーチンを終了するが、偏差が所定値Kより大きい場合はステップ507に進む。
ステップ507では機差学習を行って学習値が算出され、この学習値が記憶される。続くステップ508では、前回の機差学習の実行時に算出した学習値が読み出され、前回と今回の学習値の偏差が算出される。そして、ステップ509では、算出した学習値偏差が予め定められているしきい値よりも小さいか否かが判定される。なお、前回の学習値とはステップ506でYESとなる前の学習値のことである。
ステップ509における学習値偏差がしきい値よりも小さい場合はステップ510に進み、前回の学習値が今回の学習値に置き換えられて更新される。この状態が図6(a)に示される。図6(a)は、時刻T1において機差学習が行われて、新たな学習値が算出された状態を示すものである。時刻T1において、前回の学習値に対して今回の学習値が変化したが、前回の学習値に対する今回の学習値の偏差がしきい値より小さい場合は、この時刻T1において学習値が更新される。
一方、ステップ509における学習値偏差がしきい値以上の場合はステップ511に進み、学習値偏差がしきい値以上となった機差の学習回数がN回を越えたか否かが判定される。そして、学習値偏差がしきい値以上となった機差の学習回数がN回以下の場合はこのルーチンを終了する。この場合は、ステップ507で算出された今回の機差学習における学習値が、この判定を開始する前の学習値(前回の学習値)に置き換えられて更新されない。即ち、この判定を開始する前の学習値が維持される。
この状態が図6(b)に示される。図6(b)は、時刻T1において機差学習が行われて、新たな学習値が算出された状態を示すものである。時刻T1において、前回の学習値に対して今回の学習値が変化し、前回の学習値に対する今回の学習値の偏差がしきい値より大きい場合でも、本発明では時刻T1において直ちに学習値は更新されない。即ち、時刻T1で学習値の偏差がしきい値より大きくなっても、学習値の値はそのままである。そして、その後の判定で学習値の偏差がしきい値より大きくなる回数がN回を越える前に、例えば、時刻T2において学習値の偏差がしきい値より小さくなった場合は、学習値の更新が行われない。
一方、ステップ511において、学習値偏差がしきい値以上となった機差の学習回数がN回を越えたと判定された場合はステップ510に進み、学習値の更新が行われる。この状態が図6(c)に示される。図6(c)は、時刻T1において機差学習が行われて、新たな学習値が算出された状態を示すものである。
時刻T1において、前回の学習値に対して今回の学習値が変化し、前回の学習値に対する今回の学習値の偏差がしきい値より大きい場合でも、本発明では時刻T1において直ちに学習値は更新されない。即ち、時刻T1で学習値の偏差がしきい値より大きくなっても、学習値の値はそのままである。これは、前回の学習値に対する今回の学習値の偏差がしきい値より大きくなる事象がN回以下の長く継続しない一過性のものであるか否かを判定し、一過性の場合にはその事象に左右されないようにするためである。そして、その後の何回かの判定で、時刻T4の時に学習値の偏差がしきい値より大きくなる回数がN回を越えたと判定されると、前述の事象が一過性でないと判断されて学習値の更新が行われる。即ち、正規学習が完了したと判定して、変化した学習値が正規の学習値として更新される。
なお、図5で説明した実施例では、前回と今回の学習値の偏差がしきい値より大きくなった場合には、その後の何回かの判定で、学習値の偏差がしきい値より大きくなる回数がN回を越えたと判定された場合に学習値の更新が行われていたが、判定基準を回数ではなく、時間にすることもできる。この例を図7に示す実施例を用いて説明する。
図7に示す実施例は、図5で説明した実施例のステップ511がステップ701に変更になっただけであり、その他のステップは図5で説明したステップと全く同じであるので、同じステップには同じステップ番号を付してその説明を省略する。
図7に示す実施例では、ステップ509における学習値偏差がしきい値以上の場合はステップ701に進み、学習値偏差がしきい値以上となってからの経過時間が所定時間を越えたか否かが判定される。そして、学習値偏差がしきい値以上となってからの時間が所定時間未満の場合はこのルーチンを終了する。この場合は、この判定を開始する前の学習値が維持される。この状態は図6(b)で説明した通りである。
一方、ステップ701において、学習値偏差がしきい値以上となってからの経過時間が所定時間を越えたと判定された場合はステップ510に進み、学習値の更新が行われる。この状態が図6(c)に示される。図6(c)は、時刻T1において機差学習が行われて新たな学習値が算出されてから、所定時間後の時刻T3を過ぎてもまだこの状態が継続している時は、その後の判定時期である時刻T4において、学習値の更新が行われる。
このように、本発明では、大幅な燃料供給ポンプの吐出特性の変化があった場合は、一度の学習で燃料供給ポンプの吐出特性の変化を判断するのではなく、何度も学習をすることによって、変化が確実になってから燃料供給ポンプの吐出特性の変化を判断するのである。
なお、以上説明した実施例では、ECU3が学習値偏差がしきい値以上となる事象が一過性であるか否かを判定している間は、この判定開始前の学習値がそのまま維持されていたが、判定中の学習値を変更することも可能である。即ち、判定中の学習値を判定開始前の学習値と今回の学習値の間にある所定の中間値に変更することが可能である。この中間値としては、判定開始前の学習値と今回の学習値を加算して半分にした値、或いはこの値より判定開始前の学習値に近い値にすることが可能である。
この実施例が図6(d)及び(e)に示される。図6(d)は図6(b)に対応するものであり、判定中の学習値が判定開始前の学習値と今回の学習値の間にある、判定開始前の学習値に近い所定の中間値に変更されている。この場合は、判定後に学習値が前回の学習値に戻っている。また、図6(e)は図6(c)に対応するものであり、判定中の学習値が判定開始前の学習値と今回の学習値の間にある、判定開始前の学習値に近い所定の中間値に変更されている。この場合は、判定後に学習値が今回の学習値に更新されている。
更に別の実施例として、ECU3は、前回の学習値を今回の学習値に更新する場合に、前回の学習値を徐々に変化させて今回の学習値に変更する制御を行うことが可能である。この例を図6(c)に破線で示す。また、しきい値は、内燃機関の運転条件毎に設定することができる。
本発明の燃料噴射制御装置の全体構成図である。 燃料供給ポンプの全体断面図である。 従来のコモンレール圧力制御を示すフローチャートである。 圧力指令値、実レール圧、ポンプ吐出指令値、及びポンプ実吐出圧の関係を示す線図である。 本発明の燃料供給ポンプの吐出量制御の手順の一実施例を示すフローチャートである。 (a)から(c)は図5に示した制御手順によって変化する学習値の推移を説明する説明図、(d)は(b)の変形例を示す説明図、(e)は(c)の変形例を示す説明図である。 図5で説明した本発明の燃料供給ポンプの吐出量制御の手順の変形実施例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 コモンレール
2 燃料噴射弁
3 ECU(制御手段)
4 燃料供給ポンプ
5 逆止弁
6 吸入調量弁
S 燃料圧センサ
T 燃料タンク

Claims (9)

  1. 高圧燃料が蓄積されるコモンレールと、このコモンレール内の燃料を内燃機関に噴射する燃料噴射弁と、調量弁により調量された燃料を加圧して前記コモンレールに送る燃料供給ポンプと、前記調量弁の駆動を制御することにより前記コモンレール内の燃料圧力を制御する制御手段とを備え、前記制御手段が更に、
    前記燃料供給ポンプの吐出量指示値と実吐出量との吐出量差を検出する手段と、
    前記吐出量差が所定値以上の時に前記燃料供給ポンプの製品バラツキに関する機差学習を行って、前記燃料供給ポンプの吸入開始電流値を学習補正するための学習値を算出する手段と、
    算出した学習値を前回算出した学習値と比較してその偏差を算出する手段と、
    算出した偏差を予め定められたしきい値と比較し、偏差がしきい値より小さい場合は前回の学習値を今回の学習値で更新し、偏差がしきい値より大きい場合は前回の学習値をそのまま維持する手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記制御手段は、一度前記偏差が前記しきい値より大きくなったことを検出した後は、前記偏差が前記しきい値より大きくなる事象が長く継続しない一過性のものであるか否かを判定し、一過性でないと判定した場合には、維持している学習値を最新の学習値で更新することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記制御手段は、維持している学習値を最新の学習値に更新する場合に、維持していた学習値を徐々に変化させて最新の学習値に変更する制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記制御手段が前記事象が長く継続しない一過性であるか否かを判定している間は、前記制御手段は判定開始前の学習値をそのまま維持することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記制御手段が前記事象が長く継続しない一過性であるか否かを判定している間は、前記制御手段は現在の学習値を、判定開始前の学習値と今回の学習値の間にある所定中間値にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記所定中間値を、判定開始前の学習値と今回の学習値を加算して半分にした値、或いはこの値より前記判定開始前の学習値に近い値にすることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 前記制御手段における前記一過性でないとする判断基準が、前記事象が所定回数以上継続することであることを特徴とする請求項2から6の何れか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  8. 前記制御手段における前記一過性でないとする判断基準が、前記事象が所定時間以上継続することであることを特徴とする請求項2から6の何れか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  9. 前記しきい値は、前記内燃機関の運転条件に対応して設定されていることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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