JP6437085B1 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タービン回転数がタービン限界回転数を超過することを確実に抑制することが可能な、内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】実コンプレッサ前後圧力比が、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比から所定圧力比を減算した圧力比を超過したとき、フィードバック補正量積分項を、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比に実コンプレッサ前後圧力比が接近したときに用いる積分項制限量としての接近時積分項制限量により制限する。【選択図】図3

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、タービンとコンプレッサとからなるターボチャージャを備えた内燃機関を制御する内燃機関の制御装置に関する。
従来、内燃機関の出力を向上させることを目的として、ターボチャージャを内燃機関に設けることが提案されている。ターボチャージャは、過給機とも呼ばれ、タービンとコンプレッサとから構成されている。また、コンプレッサは、圧縮機とも呼ばれている。ターボチャージャは、排気路に設けられたタービンを排気ガスで回転させることで、吸気路に設けられたコンプレッサを動かして、過給圧を増加させる装置である。
ターボチャージャにおいては、内燃機関が高回転・高負荷の状態では必要以上に過給圧が増加して、内燃機関を破損させる恐れがある。そのため、過給圧を調整するために、通常、タービン上流に排気バイパス通路が設けられている。排気バイパス通路にはウエストゲートバルブが設けられており、当該ウエストゲートバルブによって、排気路内を流れる排気ガスの一部を排気バイパス通路へと分流させる。こうして、排気ガスのタービンへの流入量を調節することにより、過給圧を適正レベルに制御している。
すなわち、ウエストゲートバルブの開度により、ターボチャージャの排気圧および過給圧が制御される。ウエストゲートバルブの開度の制御量は、内燃機関の回転数および負荷を基に、予め定められた吸気系の目標量に対するクローズドループ制御、もしくは、単純なオープンループ制御によって決定されている。なお、目標量の例としては、例えば、設定過給圧、もしくは、設定吸気量がある。
ウエストゲートバルブ制御値を算出する内燃機関の制御装置が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された内燃機関の制御装置では、まず、目標充填効率と内燃機関の回転数とに基づいて目標スロットル上流圧力を算出する。次に、目標吸入空気流量と目標スロットル上流圧力とに基づいて、ターボチャージャを駆動するために必要な目標コンプレッサ駆動力を算出する。さらに、空燃比と吸入空気流量とに基づいて排気ガス流量を算出する。こうして、排気ガス流量とコンプレッサ駆動力との特性がウエストゲートバルブ制御値にのみ依存される関係を用いて、排気ガス流量と目標コンプレッサ駆動力とに基づいて、ウエストゲートバルブ制御値を算出する。
また、ターボチャージャの慣性力が大きくなる場合でも安定した実コンプレッサ駆動力のフィードバック応答を得ることができ、実コンプレッサ駆動力のオーバーシュート量、及びアンダーシュート量を低減する内燃機関の制御装置が、例えば特許文献2に開示されている。特許文献2に開示された内燃機関の制御装置では、まず、ターボチャージャ回転速度を検出し、ターボチャージャ回転速度からターボチャージャの慣性力モーメントにより生じた慣性力を算出し、コンプレッサ駆動力のフィードバック制御に反映することで、実コンプレッサ駆動力のオーバーシュート量、及びアンダーシュート量を低減する。
特許第5420013号公報 特許第5944037号公報
ところで、ターボチャージャでは、ターボチャージャの回転数であるタービン回転数が高すぎる過回転が生じると、ターボチャージャの構成部品に対する機械的な負荷が増大してしまう。しかしながら、上記特許文献1においては、タービン回転数の過回転については言及されていない。
一方、前述の特許文献2に記載の制御装置では、実コンプレッサ駆動力に慣性力を加算した慣性力加算駆動力を算出し、この慣性力加算駆動力と目標コンプレッサ駆動力を用いてフィードバック制御を実施するため、例えば車両加速時には、フィードバック補正量比例項・積分項を実コンプレッサ駆動力を低下させる方向へ早めに制御できる。しかしながら、車両緩加速の後など、フィードバック補正量積分項が増大している状態で全開加速した場合には、フィードバック補正量積分項を、実コンプレッサ駆動力を低下させる方向へ制御するものの、全開加速前のフィードバック補正量積分項が過大であることで実コンプレッサ駆動力の低下が遅れ、オーバーシュートすることで吸入空気流量が増大し、タービン回転数がタービン限界回転数を超過する可能性がある。
この発明は、従来の内燃機関の制御装置における前述のような課題を解決するためになされたものであり、タービン回転数がタービン限界回転数を超過することを抑制することが可能な、内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
この発明による内燃機関の制御装置は、
車両に設けられた内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルバルブと、
前記内燃機関の前記吸気通路の吸入空気流量を検出するエアフローセンサと、
前記内燃機関の排気通路に設けられたタービンと前記内燃機関の前記吸気通路に設けられ前記タービンと一体に回転するコンプレッサとを有するターボチャージャと、
前記タービンの上流側と下流側とを連通する排気バイパス通路に設けられ、前記排気バイパス通路を流れる前記内燃機関の排気ガスの流量を調整するウエストゲートバルブと、
前記ウエストゲートバルブを駆動して、前記ウエストゲートバルブの開弁位置を制御するアクチュエータと、
前記コンプレッサにより圧縮された前記スロットルバルブの上流側の吸入空気の圧力の実際値である実スロットル上流圧を検出するスロットル上流圧力センサと、
を備えた内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記コンプレッサにより圧縮される吸入空気の圧力の目標値である目標スロットル上流圧を演算する目標スロットル上流圧力演算部と、
前記吸入空気流量に基づいて、前記コンプレッサを通過するコンプレッサ通過流量を演算するコンプレッサ通過流量演算部と、
前記コンプレッサ通過流量に基づいて、タービン限界回転数となるときの前記コンプレッサの前記上流側の圧力と前記コンプレッサの前記下流側の圧力との圧力比であるタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を演算するタービン限界時コンプレッサ前後圧力比演算部と、
目標スロットル上流圧力演算部により演算された前記目標スロットル上流圧に基づいて、目標コンプレッサ前後圧力比を演算する目標コンプレッサ前後圧力比演算部と、
大気圧に基づいて前記コンプレッサの上流側の圧力を演算するコンプレッサ上流側圧力演算部と、
前記スロットル上流圧力センサにより検出された前記実スロットル上流圧から前記コンプレッサの下流側の圧力を演算するコンプレッサ下流側圧力演算部と、
前記コンプレッサの上流側の圧力と前記コンプレッサの下流側の圧力から実コンプレッサ前後圧力比を算出する実コンプレッサ前後圧力比演算部と、
前記コンプレッサの駆動力の目標値である目標コンプレッサ駆動力を算出する目標コンプレッサ駆動力演算部と、
前記コンプレッサの駆動力の実値である実コンプレッサ駆動力を算出する実コンプレッサ駆動力演算部と、
前記ターボチャージャの回転速度に基づいて、前記ターボチャージャの慣性モーメントにより生じた慣性力を算出する慣性力演算部と、
前記実コンプレッサ駆動力に前記慣性力を加算した慣性力加算駆動力が、前記目標コンプレッサ駆動力に近づくように、前記アクチュエータの制御値であるゲートバルブ制御値を変化させるようフィードバック補正量比例項およびフィードバック補正量積分項を算出するフィードバック補正量演算部と、
前記目標コンプレッサ駆動力に基づいて算出したウエストゲートバルブ基本開度と、前記フィードバック補正量比例項および前記フィードバック補正量積分項とに基づいて、ウエストゲートバルブ目標開度を演算して、前記アクチュエータに出力する目標開度演算部と、
を備え、
前記実コンプレッサ前後圧力比が、前記タービン限界時コンプレッサ前後圧力比から所定圧力比を減算した圧力比を超過したとき、前記フィードバック補正量積分項を、前記タービン限界時コンプレッサ前後圧力比に前記実コンプレッサ前後圧力比が接近したときに用いる積分項制限量としての接近時積分項制限量により制限するように構成されている、
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
この発明による内燃機関の制御装置によれば、実コンプレッサ前後圧力比が、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比から所定圧力比を減算した圧力比を超過したとき、フィードバック補正量積分項を、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比に実コンプレッサ前後圧力比が接近したときに用いる積分項制限量としての接近時積分項制限量により制限するように構成されているので、実コンプレッサ駆動力を低下させるようゲートバルブ制御値を制御し、タービン回転数が限界回転数を超えることを抑制することができる。
この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置の吸排気系の構成を概略的に示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。 図2のECUの内部に設けられたウエストゲートバルブ制御部およびその関連部分の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置における目標スロットル上流圧力を決定するためのマップの一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置における、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比と目標コンプレッサ前後圧力比上限値制限の一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置における、フィードバック補正量演算部の動作を説明するためのフローチャートである。 従来装置における緩加速後の全開加速運転時のコンプレッサ前後圧力比、コンプレッサ駆動力、フィードバック補正量の挙動の一例を説明するためのタイムチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置における、緩加速後の全開加速運転時のコンプレッサ前後圧力比、コンプレッサ駆動力、フィードバック補正量の挙動の一例を説明するためのタイムチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置における、緩加速後の全開加速運転時のコンプレッサ前後圧力比、コンプレッサ駆動力、フィードバック補正量の挙動の一例を説明するためのタイムチャートである。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置について、図に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置の吸排気系の構成を概略的に示す構成図である。内燃機関を含む図1の構成は、自動車などの車両に設けられている。図1において、内燃機関1のクランク軸には、クランク軸の回転角に応じた電気信号を生成するためのクランク角センサ11が取り付けられている。また、内燃機関1の燃焼室の吸入口と排出口には、それぞれ、吸気路を形成する吸気管2と排気路を形成する排気管7とが接続されている。
吸気管2の最上流端には、取り込んだ外気を浄化するためのエアクリーナ3が取り付けられている。吸気管2において、エアクリーナ3の下流側、すなわち、エアクリーナ3が取り付けられている吸気管2の部位よりも内燃機関1に近い側の吸気管2の部位には、エアフローセンサ12と吸入空気温センサ13とが設けられている。以下説明では、吸入空気温センサ13を、単に、吸気温センサ13と称することとする。
エアフローセンサ12は、吸入空気流量に応じた電気信号を生成する。吸気温センサ13は、吸入空気温度に応じた電気信号を生成する。なお、図1では、エアフローセンサ12と吸入空気温センサ13とが一体に構成された例を示しているが、その構成に限らず、エアフローセンサ12と吸入空気温センサ13とを互いに別体で構成するようにしてもよい。さらに、吸気管2において、エアクリーナ3の下流側であって、エアフローセンサ12と吸入空気温センサ13との上流側には、大気圧に応じた電気信号を生成する大気圧センサ9が設けられている。なお、大気圧センサ9は、後述するECU100に内蔵してもよい。
排気管7には、排気ガス浄化触媒22が設けられている。排気管7の排気ガス浄化触媒22の上流側、すなわち、排気ガス浄化触媒22が取り付けられている排気管7の部位よりも内燃機関1に近い側の排気管7の部位には、燃焼ガス内の燃料又は酸素の割合に応じた電気信号を生成する空燃比センサ16が設けられている。
また、吸気管2と排気管7とで構成される吸排気系統には、ターボチャージャ36が設けられている。ターボチャージャ36は、コンプレッサ31と、タービン32と、コンプレッサ31とタービン32とを連結するシャフト37とを備えている。タービン32は、排気管7の排気ガス浄化触媒22よりも上流側に設けられていて、排気管7内を通流する排気ガスによって回転駆動されるように構成されている。コンプレッサ31は、吸気管2のエアクリーナ3の下流側に設けられている。コンプレッサ31は、タービン32の回転に伴って回転駆動されることで、吸気路内の空気を圧縮するように構成されている。
ターボチャージャ36には、ターボチャージャ回転速度Ntを測定するターボチャージャ回転センサ38が設けられている。なお、ターボチャージャ回転速度Ntを直接測定するターボチャージャ回転センサに変えて、他のセンサからのセンサ情報からターボチャージャ回転速度Ntを推定する方法を用いてもよい。
コンプレッサ31の下流側には、エアバイパスバルブ33が設けられている。エアバイパスバルブ33は、主にアクセルオフ時に過給圧が高くなり過ぎて吸気管2を破損しないように、コンプレッサ31の上流側へ圧縮された空気を分流させる。エアバイパスバルブ33の下流側には、圧縮空気を冷却するためのインタークーラ30が設けられている。インタークーラ30の下流側には、内燃機関1に送られる空気量を調整するためのスロットルバルブ4が設けられている。スロットルバルブ4には、そのスロットル開度に応じた電気信号を生成するスロットルポジションセンサ14が接続されている。
また、スロットルバルブ4の上流側には、スロットル上流圧力センサ35が設けられている。スロットル上流圧力センサ35は、インタークーラ30とスロットルバルブ4との間の空気圧、すなわち、スロットル上流圧力P2に応じた電気信号を生成する。スロットル上流圧力センサ35が検出するスロットル上流圧力P2は、コンプレッサ31により圧縮された吸入空気の圧力の実際値である実スロットル上流圧力に相当する。なお、スロットル上流圧力P2を直接測定するスロットル上流圧力センサ35に代えて、他のセンサからのセンサ情報からスロットル上流圧力P2の推定値を演算するスロットル上流圧力推定部を設けるようにしてもよい。
さらに、吸気管2において、スロットルバルブ4の下流側には、吸気脈動を抑制するためのサージタンク5が設けられている。サージタンク5には、サージタンク5内の空気圧に応じた電気信号を生成するインテークマニホールド圧力センサ15が設けられている。以下の説明では、インテークマニホールド圧力センサ15を、インマニ圧センサ15と呼ぶこととする。なお、エアフローセンサ12およびインマニ圧センサ15については、両方とも設けてもよいし、インマニ圧センサ15のみが設けられてもよい。また、インマニ圧センサ15のみが取り付けられている場合は、図1においても示されているように、吸気温センサ13はサージタンク5に設けられる。なお、図1では、インマニ圧センサ15と吸気温センサ13とが別体に構成された例を示しているが、これらを一体に構成してもよい。
吸気管2におけるサージタンク5の下流側には、内燃機関1の燃焼室の吸入口に向けて燃料を噴射するインジェクタ17が設けられている。なお、インジェクタ17は、シリンダ8内に直接燃料を噴射するように設けられていてもよい。
シリンダ8の頂部には、点火プラグ18と点火コイル19とが設けられている。点火プラグ18は、内燃機関1に吸入された空気とインジェクタ17から噴射された燃料とが混合して生成される可燃混合気に対して、点火を行う。点火コイル19は、点火プラグ18に火花を発生させるためのエネルギーを生成する。また、内燃機関1の燃焼室の吸入口には、吸気管2からシリンダ8内に導入される空気量を調節する吸気バルブ20が設けられ、内燃機関1の燃焼室の排出口には、シリンダ8から排気管7に排出される空気量を調節する排気バルブ21が設けられている。
タービン32の上流側には、高回転・高負荷で過給圧が増加して内燃機関1を破損しないよう、排気バイパス通路40に排気ガスを分流させるためのウエストゲートバルブ34が設けられている。排気バイパス通路40は、タービン32の上流側と下流側とを連通するように設けられている。ウエストゲートバルブ34は、タービン32の上流側に配置され、排気バイパス通路40の流路断面積を変更する。これにより、排気バイパス通路40を流れる排気ガスの流量が調整される。ウエストゲートバルブ34は、後述する図2に示す、ウエストゲートバルブ34のアクチュエータ34aによって駆動される。アクチュエータ34aとしては、ダイアフラムにかかる圧力を制御する圧力式、および、バルブ開度を直接指示してバルブを駆動する電動式のうちのいずれを用いてもよい。
図2は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。図2において、電子制御ユニット100は、クランク角センサ11、エアフローセンサ12、吸気温センサ13、スロットルポジションセンサ14、インマニ圧センサ15、および、空燃比センサ16のそれぞれによって生成される電気信号を受信する。電子制御ユニット100を、以下の説明では、ECU(Electronic Control Unit)100と称することとする。
また、ECU100は、ターボチャージャ36の制御に必要となる、大気圧センサ9、スロットル上流圧力センサ35、および、ターボチャージャ回転センサ38のそれぞれによって生成される電気信号を受信する。さらに、ECU100は、前述の大気圧センサ9、クランク角センサ11、エアフローセンサ12、吸気温センサ13、スロットルポジションセンサ14、インマニ圧センサ15、空燃比センサ16、スロットル上流圧力センサ35、ターボチャージャ回転センサ38以外の各種センサOSからの電気信号も受信する。この各種センサOSには、アクセルの操作量に応じた電気信号を生成するアクセルポジションセンサ、内燃機関1の燃焼制御用のセンサ、車両の挙動制御用のセンサなどが含まれる。車両の挙動制御用のセンサには、例えば、車速センサ、水温センサ等が含まれる。
さらに、ECU100は、前述の大気圧センサ9、クランク角センサ11、エアフローセンサ12、吸気温センサ13、スロットルポジションセンサ14、インマニ圧センサ15、空燃比センサ16、スロットル上流圧力センサ35、ターボチャージャ回転センサ38、及び各種センサOSから入力される下記の各入力データ(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)に基づいて、内燃機関1から発生した実トルクを推定した推定出力トルクを算出するとともに、前述のそれぞれのセンサからの入力データおよび他のコントローラOCOからのトルク要求値TRRに基づいて、目標出力トルクを算出する。なお、他のコントローラOCOには、例えば、トランスミッション制御、ブレーキ制御、トラクション制御、スタビリティ制御等のための各コントローラなどが含まれる。
(1)クランク角センサ11からの回転速度Ne
(2)エアフローセンサ12からの実計測空気流量Qr
(3)吸気温センサ13からの吸気温AT
(4)スロットルポジションセンサ14からのスロットル開度TH
(5)インマニ圧センサ15からのインマニ圧Pb
(6)空燃比センサ16からの空燃比AF
(7)大気圧センサ9からの大気圧AP
(8)スロットル上流圧力センサ35からのスロットル上流圧力P2
(9)各種センサOSのうち、車両に設けられたアクセルの開度を検出するアクセル開度センサからのアクセル開度D
また、ECU100は、目標出力トルクを達成するように、空燃比AFおよび各制御目標値を参照して、目標吸入空気流量Qatの目標値を達成するようにスロットルバルブ4のアクチュエータ4aを制御し、空燃比AFの目標値を達成するようにインジェクタ17のアクチュエータ17aを駆動し、点火時期の目標値を達成するように点火コイル19の1次コイル19aに通電し、ウエストゲートバルブ開度の目標値を達成するようにウエストゲートバルブ34のアクチュエータ34aを駆動する。なお、各目標値には、例えば、吸気VVTまたは排気VVT(可変バルブタイミング)制御での位相角、EGR(排気ガス再循環)率、点火時期、等が含まれる。
また、ECU100は、これらのアクチュエータ以外の、各種装置のための各種アクチュエータOACに対する目標値も算出する。
ここで、ECU100は、演算処理を実行するCPU100aと、プログラムデータおよび固定値データを記憶するROMおよび格納されているデータを更新して順次書き換えられるRAMを含む記憶部100bと、を有するマイクロプロセッサで構成されている。
図3は、図2のECU100の内部に設けられたウエストゲートバルブ制御部110およびその関連部分の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。ウエストゲートバルブ制御部110には、図3に示すように、目標スロットル上流圧力演算部120、コンプレッサ通過流量演算部121、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比演算部122、コンプレッサ上流側圧力演算部123、コンプレッサ下流側圧力演算部124、実コンプレッサ前後圧力比演算部125、目標コンプレッサ前後圧力比演算部126、目標コンプレッサ駆動力演算部127、実コンプレッサ駆動力演算部128、慣性力演算部129、フィードバック補正量演算部130、および、目標開度演算部131が、設けられている。
前述の目標スロットル上流圧力演算部120と、コンプレッサ通過流量演算部121と、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比演算部122と、コンプレッサ上流側圧力演算部123と、コンプレッサ下流側圧力演算部124と、実コンプレッサ前後圧力比演算部125と、目標コンプレッサ前後圧力比演算部126と、目標コンプレッサ駆動力演算部127と、実コンプレッサ駆動力演算部128と、慣性力演算部129と、フィードバック補正量演算部130と、目標開度演算部131は、ソフトウェアにより実現される。そのソフトウェアは、プログラムとして記述され、ECU100の記憶部100bのROMに記憶される。ECU100のCPU100aが、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、ウエストゲートバルブ制御部110の前述の各部の機能が実現される。
図3においては、内燃機関部1aとして、図1の吸排気系の各構成のうち、ターボチャージャ36に関わる主要部のみを示す。図3においては、ターボチャージャ主要部として、タービン32、コンプレッサ31、エアバイパスバルブ33、ウエストゲートバルブ34のみを示している。また、図3においては、各センサの代表として、スロットル上流圧力センサ35およびエアフローセンサ12のみが示されている。
以下、ウエストゲートバルブ制御部110における、目標スロットル上流圧力演算部120、コンプレッサ通過流量演算部121、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比演算部122、コンプレッサ上流側圧力演算部123、コンプレッサ下流側圧力演算部124、実コンプレッサ前後圧力比演算部125、目標コンプレッサ前後圧力比演算部126、目標コンプレッサ駆動力演算部127、実コンプレッサ駆動力演算部128、慣性力演算部129、フィードバック補正量演算部130、および、目標開度演算部131の、各機能について説明する。
目標スロットル上流圧力演算部120は、内燃機関1の運転状態に基づいて、コンプレッサ31により圧縮される吸入空気の圧力の目標値である目標スロットル上流圧力P2tを演算する。なお、ここでは、内燃機関1の運転状態の情報として、例えば、内燃機関1の回転速度Neと目標充填効率Ectとを用いることとする。内燃機関1の回転速度Neは、前述したクランク角センサ11で検出される。
ここで、目標スロットル上流圧力演算部120が目標スロットル上流圧力P2tを算出する方法の一例について、図4を参照しながら具体的に説明する。図4は、目標スロットル上流圧力P2tを決定するためのマップの一例を示す説明図である。なお、図4に示したマップにおいては、目標スロットル上流圧力の単位を[kPa]としている。図4のマップには、内燃機関1の回転速度Neとしての内燃機関回転数と、アクセル開度と、を2軸として、目標スロットル上流圧力P2tの値が予め記憶されている。従って、目標スロットル上流圧力演算部120は、図4のマップを参照することにより、内燃機関1の回転速度Neとアクセル開度とから、目標スロットル上流圧力P2tの値を一意に決定することができる。
コンプレッサ通過流量演算部121は、エアフローセンサ12によって検出される実計測空気流量Qrと吸気温ATと大気圧APに基づいて、下記の式(1)を用いて、標準温度と標準圧力で、標準空気状態への環境補正を行ったコンプレッサ通過流量Qcを算出する。

Qc=Qr×√(AT/293.15)×101.32/AP・・・・式(1)
タービン限界時コンプレッサ前後圧力比演算部122は、タービン限界回転数での回転時のコンプレッサ通過流量とコンプレッサ前後圧力比との関係を示す特性データに基づいて、タービン限界時のコンプレッサ通過流量に応じたタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を算出する。
図5は、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比演算部122がタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を決定するための算出テーブルの一例を示す説明図である。図5は、コンプレッサ通過空気量を横軸とし、コンプレッサ上流側圧力とコンプレッサ下流側圧力との比であるコンプレッサ前後圧力比を縦軸としている。
図5における特性線A1、A2、A3、A4、A5、A6、A8は、それぞれ、タービン32の回転数を一定とした場合のコンプレッサ通過流量とコンプレッサ前後圧力比との相関を示すものである。特性線A1、A2、A3、A4、A5、A6、A8におけるタービン32の回転数の関係は、[A1の回転数<A2の回転数<A3の回転数<A4の回転数<A5の回転数<A6の回転数<A8の回転数]となっている。破線で示す特性線A7は、タービン32の許容最大回転数、すなわち、タービン限界回転数のときの、コンプレッサ通過流量とコンプレッサ前後圧力比との相関を示す。
図5において、例えば、コンプレッサ通過流量B1の線L1と特性線A7との交点X1から、コンプレッサ通過流量B1のときのタービン限界時コンプレッサ前後圧力比の値は、C1であることが分かる。同様に、コンプレッサ通過流量B2の線L2と特性線A7との交点X2から、コンプレッサ通過流量がB2のときのタービン限界時コンプレッサ前後圧力比の値は、C2であることが分かる。このように、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比演算部122は、図5に示すタービン限界回転数線A7を用いることで、コンプレッサ通過流量に対応するタービン限界時コンプレッサ前後圧力比の値を一意に求めることができる。なお、図5の特性線A7から分かるように、コンプレッサ通過流量が上昇すると、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比は低下し、一方、コンプレッサ通過流量が低下すると、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比は増加する傾向がある。
また、図5におけるY1とY2で示されるコンプレッサ前後圧力比は、それぞれ、コンプレッサ通過流量B1のときのタービン限界時コンプレッサ前後圧力比C1を超える領域、および、コンプレッサ通過流量がB2のときのタービン限界時コンプレッサ前後圧力比C2を超える領域に入っている。前述のY1とY2で示されるように、目標コンプレッサ前後圧力比がタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超える領域に入った場合には、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超えないように、矢印R1および矢印R2で示されるように、目標コンプレッサ前後圧力比を上限制限する必要がある。なお、上限制限については、後述する。
コンプレッサ上流側圧力演算部123は、大気圧センサ9により検出される大気圧APに基づいて、下記の式(2)を用いて、吸気系の圧損分P_loss_inの補正を行ったコンプレッサ上流側圧力P_comp_upを算出する。

P_comp_up=AP―P_loss_in ・・・・・・・式(2)
コンプレッサ下流側圧力演算部124は、スロットル上流圧力センサ35により検出されるスロットル上流圧力P2に基づいて、下記の式(3)を用いて、インタークーラ30前後の圧損分P_loss_icの補正を行ったコンプレッサ下流側圧力P_comp_downを算出する。

P_comp_down=P2+P_loss_ic ・・・・・・式(3)
実コンプレッサ前後圧力比演算部125は、コンプレッサ上流側圧力演算部123で算出されたコンプレッサ上流側圧力P_comp_upと、コンプレッサ下流側圧力演算部124で算出されたコンプレッサ下流側圧力P_comp_downとに基づいて、下記の式(4)を用いて、コンプレッサ上流側圧力とコンプレッサ下流側圧力との比である実コンプレッサ前後圧力比Rprsを算出する。

Rprs=P_comp_down/P_comp_up ・・・・・式(4)
目標コンプレッサ前後圧力比演算部126は、目標スロットル上流圧力演算部120で算出された目標スロットル上流圧力P2tが入力され、下記の式(5)および式(6)を用いて、当該目標スロットル上流圧力P2tに対してインタークーラ30前後の圧力低下分P_loss_icを補正することで、目標コンプレッサ下流圧P_comp_downtを求め、当該目標コンプレッサ下流圧をコンプレッサ上流側圧力P_comp_upで除算することで目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_tを算出する。

P_comp_down_t=P2t+P_loss_ic ・・・・式(5)

Rprs_t=P_comp_down_t /P_comp_up ・・・式(6)
また、目標コンプレッサ前後圧力比演算部126は、算出した目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_tに対して、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比演算部122によって算出されたタービン限界時コンプレッサ前後圧力比で上限制限する「上限制限」処理を行い、目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_tが、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超えないように制御する。
目標コンプレッサ駆動力演算部127は、目標コンプレッサ前後圧力比演算部126が算出した目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_tと、目標吸入空気流量Qatとに基づいて、目標コンプレッサ駆動力Pctを算出する。
実コンプレッサ駆動力演算部128は、実コンプレッサ前後圧力比Rprsと実計測空気流量Qrとに基づいて、実コンプレッサ駆動力Pcrを算出する。
ここで、目標スロットル上流圧力演算部120で用いられる目標充填効率Ect、目標コンプレッサ駆動力演算部127で用いられる目標吸入空気流量Qat、目標コンプレッサ駆動力演算部127で算出される目標コンプレッサ駆動力Pct、および、実コンプレッサ駆動力演算部128で算出される実コンプレッサ駆動力Pcrは、それぞれ、例えば、特許文献1の段落[0028]から[0105]までに示されている演算方法などの周知の演算方法により算出すればよい。
慣性力演算部129は、ターボチャージャ回転速度Ntに基づいて、ターボチャージャ慣性力Pirを算出する。ここで、ターボチャージャ慣性力Pir、例えば特許文献2の段落[0059]に示されている演算方法などの周知の演算方法により算出すればよい。
フィードバック補正量演算部130は、実コンプレッサ駆動力Pcrとターボチャージャ慣性力Pirを加算し、慣性力加算駆動力Pcr*を算出する。この慣性力加算駆動力Pcr*が目標コンプレッサ駆動力Pctに近づくようにフィードバック制御を行い、ウエストゲートバルブ開度WGのフィードバック補正量比例項FB(P)、積分項FB(I)を算出する。
フィードバック補正量積分項FB(I)の算出において、実コンプレッサ前後圧力比Rprsが、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比演算部122によって算出されたタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超過している場合は、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超過したときの積分項制限量としての超過積分項制限量にてフィードバック補正量積分項FB(I)を制限する。また、実コンプレッサ前後圧力比Rprsが、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比演算部122によって算出されたタービン限界時コンプレッサ前後圧力比から所定圧力比を減算した圧力比を超過している場合は、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比への接近時の積分項制限量としての接近時積分項制限量にてフィードバック補正量積分項FB(I)を制限する。
目標開度演算部131は、目標コンプレッサ駆動力演算部127で算出された目標コンプレッサ駆動力Pctに基づいて、ウエストゲートバルブ全開開度WGb_maxと開度変換係数K_wgを用いて、例えば下記の式(7)によりウエストゲートバルブ基本開度WGbを算出する。次に、目標開度演算部131は、実コンプレッサ駆動力Pcrを目標コンプレッサ駆動力Pctに一致させるために必要なウエストゲートバルブ34の目標開度であるウエストゲートバルブ開度WGを算出する。すなわち、目標開度演算部131は、先に算出したウエストゲートバルブ基本開度WGbと、フィードバック補正量演算部130で算出されたウエストゲートバルブ開度WGのフィードバック補正量比例項FB(P)と、ウエストゲートバルブ開度WGのフィードバック補正量積分項FB(I)とに基づいて、下記の式(8)を用いて、ウエストゲートバルブ開度WGを算出する。

WGb=WGb_max−(Pct×K_wg) ・・・・・・・・式(7)

WG=WGb+(FB(P)+FB(I)) ・・・・・・・・・・・式(8)
なお、図3では、ウエストゲートバルブ開度WGは、ウエストゲートバルブ34に入力されるように示されているが、実際には、ウエストゲートバルブ34のアクチュエータ34a(図2参照)に入力される。ウエストゲートバルブ34のアクチュエータ34aは、ウエストゲートバルブ開度WGに基づいて、ウエストゲートバルブ34を駆動する。
続いて、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置の動作を、図6のフローチャートに従って説明する。図6は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置におけるフィードバック補正量演算部130の動作を説明するためのフローチャートである。
図6において、ステップS101では、まず、実コンプレッサ駆動力Pcrとターボチャージャ慣性力Pirを加算し、慣性力加算駆動力Pcr*として設定し、ステップS102へ進む。
ステップS102では、目標コンプレッサ駆動力PctからステップS101で算出された慣性力加算駆動力Pcr*を減算し、駆動力偏差ΔPcとして設定し、ステップS103へ進む。
ステップS103では、フィードバック補正量比例項FB(P)を算出するために、駆動力偏差ΔPcに乗算する比例項ゲインGainPを算出する。比例項ゲインGainP算出の一例として、目標コンプレッサ駆動力Pctの大きさに応じて比例項ゲインGainPを設定する方法がある。比例項ゲインGainPを設定後、ステップS104へ進む。
ステップS104では、駆動力偏差ΔPcに比例項ゲインGainPを乗算し、フィードバック補正量比例項FB(P)として設定し、ステップS105へ進む。
ステップS105では、フィードバック補正量積分項FB(I)を算出するために、駆動力偏差ΔPcに乗算する積分項ゲインGainIを算出する。積分項ゲインGainI算出の一例として、目標コンプレッサ駆動力Pctの大きさに応じて積分項ゲインGainIを設定する方法がある。積分項ゲインGainIを設定後、ステップS106へ進む。
ステップS106では、駆動力偏差ΔPcに積分項ゲインGainIを乗算し、フィードバック補正量積分項FB(I)の前回算出値に加算して、フィードバック補正量積分項制限前FB(I)bとして設定し、ステップS107へ進む。
ステップS107では、実コンプレッサ前後圧力比Rprsとタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を比較し、「実コンプレッサ前後圧力比Rprs>タービン限界時コンプレッサ前後圧力比」の関係が成立していれば(YES)、ステップS108へ進み、成立していなければ(NO)、ステップS109へ進む。
ステップS108では、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超過したときの積分項制限量としての超過時積分項制限量にてフィードバック補正量積分項制限前FB(I)bを制限して、フィードバック補正量積分項FB(I)として設定し、処理を抜ける。
ステップS109では、実コンプレッサ前後圧力比Rprsと、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比から所定圧力比を減算した圧力比と、を比較し、「実コンプレッサ前後圧力比Rprs>タービン限界時コンプレッサ前後圧力比−所定圧力比]の関係が成立していれば(YES)ステップS110へ進み、成立していなければ(NO)処理を抜ける。ここで、前述の[タービン限界時コンプレッサ前後圧力比−所定圧力比]は、実コンプレッサ前後圧力比Rprsがタービン限界時コンプレッサ前後圧力比に接近したことを検知するために、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比より所定圧力比だけ小さく設定された値である。タービン限界時コンプレッサ前後圧力比から減算される所定圧力比の値は、制御の精度等を考慮して適宜設定される。
ステップS110では、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比への接近時の積分項制限量としての接近時積分項制限量にて、フィードバック補正量積分項制限前FB(I)bを制限して、フィードバック補正量積分項FB(I)として設定し、処理を抜ける。
続いて、この発明の実施の形態1の係る内燃機関の制御装置の動作について、緩加速後の全開加速運転時の内燃機関の制御装置の挙動の一例を、タイムチャートに従って説明する。図7Bおよび図7Cは、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置における緩加速後の全開加速運転時のコンプレッサ前後圧力比、コンプレッサ駆動力、フィードバック補正量の挙動の一例を示すタイムチャートである。図7Aは、図7B及び図7Cと比較するために、実施の形態1のフィードバック補正量積分項FB(I)の制限をしない従来装置の場合を示すタイムチャートである。
図7A、図7B、及び図Cにおいて、「a」は目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_t、「b」は実コンプレッサ前後圧力比Rprs、「c」はタービン限界時コンプレッサ前後圧力比、「d」はタービン限界時コンプレッサ前後圧力比から所定圧力比を減算した圧力比、「e」は目標コンプレッサ駆動力Pct、「f」は実コンプレッサ駆動力Pcr、「g」は慣性力加算駆動力Pcr*、「h」はフィードバック補正量比例項FB(P)、「i」はフィードバック補正量積分項FB(I)を示す。図7A、図7B、及び図Cにおける横軸は時間を示す。
図7A、図7B、および図7Cに示すタイムチャートの処理は、ECU100によって所定時間毎の割り込み処理によって実行される。
まず、図7Aに示すタイムチャートについて説明する。図7Aは、「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsが、「c」のタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超過する場合を示すタイムチャートであり、この発明の実施の形態1による制御の特徴であるところの、「実コンプレッサ前後圧力比Rprsがタービン限界時コンプレッサ前後圧力比に接近したときの接近時積分項制限量によるフィードバック補正量積分項FB(I)の制限(図6のステップS110での処理)」、及び「実コンプレッサ前後圧力比Rprsがタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超過したときの超過時積分項制限量によるフィードバック補正量積分項FB(I)の制限(図6のステップS108での処理)」を実施していない従来の装置の動作例を示したものである。
図7Aにおいて、まず、タイミングt1までの期間Aは、スロットルバルブ4a(図1参照)の開度を暫時大きくする緩加速要求の期間である。この期間Aでは、緩加速要求により「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_t、及び「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctが徐々に増加してタイミングt1に至る。「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsは、「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_tの増加に追随して徐々に増加してタイミングt1に至り、「f」の実コンプレッサ駆動力Pcrは、「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctの増加に追随して徐々に増加してタイミングt1に至る。
また、期間Aでは、「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctと「g」の慣性力加算駆動力Pcr*は、徐々に増加するが、「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctが「g」の慣性力加算駆動力Pcr*より大きい状態がタイミングt1まで継続するため、前述のように駆動力偏差ΔPcに積分項ゲインGainIを乗算して算出される「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)は、次第に増加してタイミングt1に至る。一方、フィードバック補正量比例項FB(P)は、前述のように駆動力偏差ΔPcに比例項ゲインGainPを乗算して算出されるが、「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctと「g」の慣性力加算駆動力Pcr*が一定の偏差を維持した状態がタイミングt1まで継続するため、タイミングt1まで一定値で継続する。
ウエストゲートバルブ開度WGは前述の式(8)に基づき算出される。したがって、緩加速期間Aにおいては、ウエストゲートバルブ開度WGは、フィードバック補正量積分項FB(I)の漸増に基づいて漸増するようにフィードバック制御される。
次に、タイミングt1からタイミングt3までの期間Bは、スロットルバルブ4a(図1参照)が全開される急加速要求の期間である。この期間Bでは、全開加速要求によって「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_tは、タイミングt1で急激に増加した後に所定値に維持され、「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctは、タイミングt1でやや急激に増加した後に所定値に維持される。
「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsは、「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_tの急激な増加に伴って大きく増加し、タイミングt3にて「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_tに到達するが、タイミングt3以降も増加して「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_tよりも大きくなる。
一方、「f」の実コンプレッサ駆動力Pcrは、「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctの急激な増加に伴って大きく増加し、タイミングt3からやや遅れて「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctに到達するが、更に増加し続けて「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctよりも大きくなる。
「g」の慣性力加算駆動力Pcr*は、「f」の実コンプレッサ駆動力Pcrの増加に伴って急激に増加し、タイミングt2にて「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctに到達し、タイミングt2以降も更に増加し続ける。タイミングt1からタイミングt2までの期間では、「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctが「g」の慣性力加算駆動力Pcr*より大きく、この期間では、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)は図示のように増加し続けることになる。
前述のように、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)は、期間Aにおいて徐々に増加した状態でタイミングt1から期間Bに移行しており、期間Aでの増加分に、期間Bにけるタイミングt1からタイミングt2までの期間の増加分が加わり、タイミングt2では、図示のように「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)は過大な状態となる。タイミングt2にて「g」の慣性力加算駆動力Pcr*が「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctに到達し、タイミングt2からタイミングt4までは、「g」の慣性力加算駆動力Pcr*が「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctより大きい状態が継続し、その結果、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)は、タイミングt2からタイミングt4にかけて減少する。
一方、フィードバック補正量比例項FB(P)は、「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctと「g」の慣性力加算駆動力Pcr*との偏差の変化に伴い、タイミングt1以降は図示のように変化する。
期間Cは、「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprが「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_tに到達したタイミングt3以降の期間である。この期間Cの初期の段階で「f」の実コンプレッサ駆動力Pcrが「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctに到達する。しかし、図示のように、「f」の実コンプレッサ駆動力Pcrは、その後も増加し、図示のように「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctよりも大きくなる。「f」の実コンプレッサ駆動力Pcrは、タイミングt4において「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctまで減少し、以降、「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctより小さくなった後に「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctに一致する。
前述したように、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)は、期間Aにおいて過大な状態となるため、「f」の実コンプレッサ駆動力Pcrを低下させる側に制御を働かせることが遅れる。その結果、タイミングt3以降において、「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsが「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_t、及び「c」のタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超過する。「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsが「c」のタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超過することで、タービンが過回転に至るという課題が存在する。
次に、図7Bに示すタイムチャートについて説明する。図7Bに示すタイムチャートは、図7Aと同じ運転パターンの場合を示しているが、この発明の実施の形態1による制御であるところの、「実コンプレッサ前後圧力比Rprsがタービン限界時コンプレッサ前後圧力比に接近したときの積分項制限量としての接近時積分項制限量によるフィードバック補正量積分項FB(I)の制限(図6のステップS110での処理)」を実施している場合の動作例を示したものである。
図7Bにおいて、タイミングt1までの期間Aは、スロットルバルブ4a(図1参照)の開度を暫時大きくする緩加速要求の期間である。この期間Aでは、図7Aの場合と同様に、緩加速要求により「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_t、及び「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctがタイミングt1まで徐々に上昇し、「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprs、及び「f」の実コンプレッサ駆動力Pcrがそれに追従するように動作する。この緩加速期間Aにおいて、「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctが「g」で示す慣性力加算駆動力Pcr*より大きい状態が継続するため、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)は、徐々に増加し、タイミングt1に至る。
次に、タイミングt1からタイミングt3までの期間Bは、スロットルバルブ4a(図1参照)が全開される全開加速要求の期間である。この期間Bでは、全開加速要求により「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_t、及び「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctが上昇し、「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprs、及び「f」の実コンプレッサ駆動力Pcrがそれに追従するように動作する。「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctが「g」で示す慣性力加算駆動力Pcr*より大きいタイミングt1からタイミングt2までの期間では、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)が図示のように増加する。このフィードバック補正量積分項FB(I)の増加が前述の緩加速期間Aでの増加に加算されることで、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)が過大な状態となる。
「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsが、「d」のタービン限界時コンプレッサ前後圧力比から所定圧力比を減算した圧力比、を超過するタイミングt3において、図7Bに示す通り、「c」のタービン限界時コンプレッサ前後圧力比に接近したときの積分項制限量としての接近時積分項制限量Z1により、フィードバック補正量積分項FB(I)を制限することで、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)は大幅に減少する。
「d」の[タービン限界時コンプレッサ前後圧力比]−[所定圧力比]は、前述の接近時積分項制限量Z1により「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)を制限するタイミング、つまり「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsが「c」のタービン限界時コンプレッサ前後圧力比に接近したときのタイミングを得るための閾値として作用する。ここで、接近時積分項制限量Z1の値は、タイミングt3における「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)の値に基づいて定めることができる。
次に、タイミングt3以降の期間Cでは、「f」の実コンプレッサ駆動力Pcrが「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctに接近するが、タイミングt3において、前述のように、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)が、タービン限界時コンプレッサ前後圧力比に接近したときの接近時積分項制限量Z1により制限されて減少しているため、実コンプレッサ駆動力を低下させる側に制御を働かせることができる。その結果、「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsの上昇がタイミングt3以降では緩やかになり、「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_tに収束する。したがって、「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsが「c」のタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超過しなくなるため、タービンの過回転を抑制することができる。
次に、図7Cに示すタイムチャートは、図7A、図7Bで示した運転パターンより、より急勾配で実コンプレッサ前後圧力比Rprs、及び実コンプレッサ駆動力が立ち上がった場合の動作例を示したものである。
図7Cにおいて、タイミングt1までの期間Aは、スロットルバルブ4a(図1参照)の開度を暫時大きくする緩加速要求の期間である。この期間Aでは、図7A、図7Bの場合と同様に、緩加速により「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_t、及び「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctが徐々に上昇する。これに伴い、「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsが「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_tに追従して増加し、「f」の実コンプレッサ駆動力Pcrが「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctに追従して増加するように動作する。「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctが「g」の慣性力加算駆動力Pcr*より大きい状態が継続するため、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)が、徐々に増加する。
次に、タイミングt1からタイミングt3までの期間Bは、スロットルバルブ4a(図1参照)が全開される全開加速要求の期間である。この期間Bでは、全開加速要求によって「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_t、及び「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctが上昇し、「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprs、及び「f」の実コンプレッサ駆動力Pcrがそれに追従するように動作する。
「e」の目標コンプレッサ駆動力Pctが「g」の慣性力加算駆動力Pcr*より大きい期間は、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)が増加する。このフィードバック補正量積分項FB(I)の増加が期間Aでの増加に加算されることで、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)が過大な状態となる。
「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsが、「d」のタービン限界時コンプレッサ前後圧力比から所定圧力比を減算した圧力比、を超過するタイミングt3において、図7Cに示す通り、「c」のタービン限界時コンプレッサ前後圧力比に接近したときの積分項制限量としての接近時積分項制限量Z2により、フィードバック補正量積分項FB(I)を制限することで、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)は大幅に減少する。
「d」の[タービン限界時コンプレッサ前後圧力比]−[所定圧力比]は、前述の接近時積分項制限量Z2により「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)を制限するタイミング、つまり「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsが「c」のタービン限界時コンプレッサ前後圧力比に接近したときのタイミングを得るための閾値として作用する。ここで、接近時積分項制限量Z2の値は、タイミングt3における「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)の値を、例えば、期間Aの初期の時点における値にまで減少させる値として、タイミングt3における「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)の値に基づいて設定することができる。
次に、タイミングt3からタイミングt5の間の期間Cでは、前述の接近時積分項制限量Z2による制限により「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)が減少しているため、「f」の実コンプレッサ駆動力Pcrを低下させる側に制御を働かせることができる。そして、「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsが、「c」のタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超過したタイミングt5において、実コンプレッサ前後圧力比Rprsがタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超過したときの積分項制限量としての超過時積分項制限量Z3により「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)をさらに制限する。超過時積分項制限量Z3は、接近時積分項制限量Z2よりも小さい値に設定されている。
前述の超過時積分項制限量Z3による制限により、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)は、タイミングt5においてフィードバック補正量0[%]ラインまで低下し、以降は、図示のようにフィードバック補正量0[%]ラインより低い値で推移した後、フィードバック補正量0[%]ラインに一致する。
期間Dでは、「i」のフィードバック補正量積分項FB(I)が更に減少しているため、「f」で示す実コンプレッサ駆動力Pcrを更に低下させる側に制御を働かせる。その結果、素早く「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsを減少させる側に制御を働かせることができ、「a」の目標コンプレッサ前後圧力比Rprs_tに収束させることができる。このため、「b」の実コンプレッサ前後圧力比Rprsが「a」のタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超過する期間を短縮することができるため、タービンの過回転を抑制することができる。即ち、実コンプレッサ駆動力を素早く低下させるようゲートバルブ制御値を制御し、タービン回転数が限界回転数を超えることを抑制できる。
以上述べたこの発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置によれば、フィードバック補正量積分項が過大となっているような運転状況でも、実コンプレッサ駆動力、及び実コンプレッサ前後圧力比を素早く低下させるようゲートバルブ制御値を制御し、タービン回転数が限界回転数を超えることを抑制することができる。
尚、この発明は前述の実施の形態1による内燃機関の制御装置に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態1の構成に一部変形を加えたり、構成を一部省略することが可能である。
1 内燃機関、1a 内燃機関部、2 吸気管、3 エアクリーナ、4 スロットルバルブ、4a アクチュエータ、5 サージタンク、7 排気管、8 シリンダ、9 大気圧センサ、11 クランク角センサ、12 エアフローセンサ、13 吸気温センサ、14 スロットルポジションセンサ、15 インマニ圧センサ、16 空燃比センサ、17 インジェクタ、17a アクチュエータ、18 点火プラグ、19 点火コイル、19a 1次コイル、20 吸気バルブ、21 排気バルブ、22 排気ガス浄化触媒、30 インタークーラ、31 コンプレッサ、32 タービン、33 エアバイパスバルブ、34 ウエストゲートバルブ、34a アクチュエータ、35 スロットル上流圧力センサ、36 ターボチャージャ、37 シャフト、38 ターボチャージャ回転センサ、40 排気バイパス通路、100 ECU、100a CPU、100b 記憶部、110 ウエストゲートバルブ制御部、120 目標スロットル上流圧力演算部、121 コンプレッサ通過流量演算部、122 タービン限界時コンプレッサ前後圧力比演算部、123 コンプレッサ上流側圧力演算部、124 コンプレッサ下流側圧力演算部、125 実コンプレッサ前後圧力比演算部、126 目標コンプレッサ前後圧力比演算部、127 目標コンプレッサ駆動力演算部、128 実コンプレッサ駆動力演算部、129 慣性力演算部 、130 フィードバック補正量演算部、131 目標開度演算部

Claims (2)

  1. 車両に設けられた内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルバルブと、
    前記内燃機関の前記吸気通路の吸入空気流量を検出するエアフローセンサと、
    前記内燃機関の排気通路に設けられたタービンと前記内燃機関の前記吸気通路に設けられ前記タービンと一体に回転するコンプレッサとを有するターボチャージャと、
    前記タービンの上流側と下流側とを連通する排気バイパス通路に設けられ、前記排気バイパス通路を流れる前記内燃機関の排気ガスの流量を調整するウエストゲートバルブと、
    前記ウエストゲートバルブを駆動して、前記ウエストゲートバルブの開弁位置を制御するアクチュエータと、
    前記コンプレッサにより圧縮された前記スロットルバルブの上流側の吸入空気の圧力の実際値である実スロットル上流圧を検出するスロットル上流圧力センサと、
    を備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記コンプレッサにより圧縮される吸入空気の圧力の目標値である目標スロットル上流圧を演算する目標スロットル上流圧力演算部と、
    前記吸入空気流量に基づいて、前記コンプレッサを通過するコンプレッサ通過流量を演算するコンプレッサ通過流量演算部と、
    前記コンプレッサ通過流量に基づいて、タービン限界回転数となるときの前記コンプレッサの前記上流側の圧力と前記コンプレッサの前記下流側の圧力との圧力比であるタービン限界時コンプレッサ前後圧力比を演算するタービン限界時コンプレッサ前後圧力比演算部と、
    目標スロットル上流圧力演算部により演算された前記目標スロットル上流圧に基づいて、目標コンプレッサ前後圧力比を演算する目標コンプレッサ前後圧力比演算部と、
    大気圧に基づいて前記コンプレッサの上流側の圧力を演算するコンプレッサ上流側圧力演算部と、
    前記スロットル上流圧力センサにより検出された前記実スロットル上流圧から前記コンプレッサの下流側の圧力を演算するコンプレッサ下流側圧力演算部と、
    前記コンプレッサの上流側の圧力と前記コンプレッサの下流側の圧力から実コンプレッサ前後圧力比を算出する実コンプレッサ前後圧力比演算部と、
    前記コンプレッサの駆動力の目標値である目標コンプレッサ駆動力を算出する目標コンプレッサ駆動力演算部と、
    前記コンプレッサの駆動力の実値である実コンプレッサ駆動力を算出する実コンプレッサ駆動力演算部と、
    前記ターボチャージャの回転速度に基づいて、前記ターボチャージャの慣性モーメントにより生じた慣性力を算出する慣性力演算部と、
    前記実コンプレッサ駆動力に前記慣性力を加算した慣性力加算駆動力が、前記目標コンプレッサ駆動力に近づくように、前記アクチュエータの制御値であるゲートバルブ制御値を変化させるようフィードバック補正量比例項およびフィードバック補正量積分項を算出するフィードバック補正量演算部と、
    前記目標コンプレッサ駆動力に基づいて算出したウエストゲートバルブ基本開度と、前記フィードバック補正量比例項および前記フィードバック補正量積分項とに基づいて、ウエストゲートバルブ目標開度を演算して、前記アクチュエータに出力する目標開度演算部と、
    を備え、
    前記実コンプレッサ前後圧力比が、前記タービン限界時コンプレッサ前後圧力比から所定圧力比を減算した圧力比を超過したとき、前記フィードバック補正量積分項を、前記タービン限界時コンプレッサ前後圧力比に前記実コンプレッサ前後圧力比が接近したときに用いる積分項制限量としての接近時積分項制限量により制限するように構成されている、
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記実コンプレッサ前後圧力比が前記タービン限界時コンプレッサ前後圧力比を超過したとき、前記フィードバック補正量積分項を、前記接近時積分項制限量より小さい超過時積分項制限量により制限するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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