JP2004324416A - 内燃機関用故障診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】他の制御ユニットからエンジントルクの増減要求が成されて、エンジン1の運転状態または運転条件の変化を認識した過渡運転時も、コモンレール式燃料噴射システムの燃料漏れ故障の誤検出または誤判定を防止する。
【解決手段】ECU10と他の制御ユニットとの間でCAN通信されるエンジントルクの増減要求が成されて、エンジン1の運転状態または運転条件の変化、つまり指令噴射量(QFIN)の所定値以上の変化、あるいは目標燃料圧力(PFIN)の所定値以上の変化を認識した過渡運転時には、蓄圧式燃料噴射システムのシステム異常故障の判定値であるしきい値を定常運転時よりも、燃料漏れ検出条件が緩くなる第2しきい値▲2▼に変更するようにしている。したがって、過渡運転時も定常運転時も共に、蓄圧式燃料噴射システムの燃料漏れ故障を誤検出または誤判定することなく、常時故障診断が可能となる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン制御システムの異常故障を検出する内燃機関用故障診断装置に関するもので、特に燃料供給ポンプより吐出された高圧燃料をコモンレール内に蓄圧すると共に、そのコモンレール内に蓄圧された高圧燃料を燃料噴射弁を介してディーゼルエンジンの各気筒内に噴射供給する蓄圧式燃料噴射システムの異常故障をエンジン制御ユニット自身で検出するディーゼルエンジン用故障診断装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車走行中に、エンジン制御システムのシステム異常故障、アクチュエータ異常故障、センサ等の特性異常が生じた場合、異常箇所をエンジン制御ユニット(ECU)内蔵のマイクロコンピュータ自身で診断して記憶・表示を行なうことにより、エンジン制御システムのシステム異常故障、アクチュエータ異常故障、センサ等の特性異常の故障診断を容易にする内燃機関用故障診断装置がある。これは、ECUへの入力信号が通常状態ではない場合、あるいは各種センサの信号の組み合わせから異常な入力データとなる場合、マイクロコンピュータが異常を判断し、エンジン制御システムのシステム異常故障、アクチュエータ異常故障、センサ等の特性異常の故障と診断して、メモリに記憶すると共に、異常警告ランプを点灯してドライバーに知らせるようにするシステムである。
【0003】
ここで、内燃機関用故障診断装置の一例として、スロットル開度センサの検出値から内燃機関の運転状態が過渡状態である時に、失火判定のための失火判定値を、失火と判定され難い緩い値に変更することで、内燃機関の運転状態が過渡状態の時に、緩い判定値により失火の判定が行なわれて、失火気筒の誤判定を回避するようにした異常検出装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−18311号公報(第1−10頁、図1−図8)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、エンジン制御システムのシステム異常故障、アクチュエータ異常故障、センサ等の特性異常を検出するための自己診断は、誤判定の可能性が大きいため、通常は内燃機関の運転条件を限定し、診断を実施するようにしている。しかし、燃料漏れ診断のように、異常発生を常に監視する必要性の高いものは、異常発生を早急に捕らえ対策(出力低下やエンジン停止等)する必要があるが、このような場合、内燃機関の運転状態または運転条件による誤判定防止のために、異常判定しきい値を大きくとる必要が出てくる。
【0006】
ここで、従来、ドライバーの要求による内燃機関の運転過渡状態は、ゆっくりとした変化であるため、異常判定しきい値(例えば燃料漏れ演算値)の変化も少なく、異常判定しきい値を切り替える必要はなかった。ところが、他の制御ユニット(トランスミッション・コントロール・ユニット、アンチロック・ブレーキ・ユニット、トラクション・コントロール・ユニット、車間クルーズ・ユニット等)からのECUへの要求(発生トルクの増減要求等)による内燃機関の運転状態または運転条件(エンジン回転速度、指令噴射量、目標燃料圧力等)の変化(過渡運転時)は、通常の運転者(ドライバー)の操作により生じる変化よりも極めて大きく、短期間での急激な変化となる。このような場合には、内燃機関の運転状態または運転条件による誤判定防止のために、異常判定しきい値を更に大きくとる必要があるが、内燃機関の運転状態または運転条件が定常運転時のエンジン制御システムのシステム異常故障(例えば燃料漏れ故障)、アクチュエータ異常故障、センサ等の特性異常の検出精度が低下するという問題がある。
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、他の制御ユニットからの燃料噴射量または燃料吐出量または燃料噴射圧力またはエンジントルクの変更要求が成されて、内燃機関の運転状態または運転条件の変化を認識した過渡運転時も定常運転時も共に、エンジン制御システムの異常状態を誤検出または誤判定することのない内燃機関用故障診断装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、運転状態検出手段によって検出された内燃機関の運転状態または運転条件に対応して、エンジン制御システムが異常状態であるか否かの判定を行なうための異常判断値を算出し、その異常判断値と予め設定された所定の判定値とを比較することによって、エンジン制御システムの異常状態、すなわち、エンジン制御システムのシステム異常故障(例えば燃料漏れ故障等)、アクチュエータ異常故障、センサ等の特性異常であるか否かを検出する。
そして、他の制御ユニットからの燃料噴射量または燃料吐出量または燃料噴射圧力またはエンジントルクの変更要求が成されて、内燃機関の運転状態または運転条件の変化を認識した過渡運転時には、エンジン制御システムが異常状態であるか否かを検出するしきい値となる判定値を、エンジン制御システムの異常検出条件が緩くなるように変更することにより、上記の過渡運転時でも、エンジン制御システムのシステム異常故障(例えば燃料漏れ故障等)、アクチュエータ異常故障、センサ等の特性異常を誤検出または誤判定することなく、常時、つまり定常運転時も過渡運転時も共に、エンジン制御システムのシステム異常故障(例えば燃料漏れ故障等)、アクチュエータ異常故障、センサ等の特性異常の故障診断が可能となる。
さらに、内燃機関の運転状態または運転条件が定常運転時のエンジン制御システムのシステム異常故障(例えば燃料漏れ故障等)、アクチュエータ異常故障、センサ等の特性異常の検出精度を向上することができる。したがって、例えば蓄圧式燃料噴射システム等のエンジン制御システムの異常状態の誤判定の防止と検出精度の向上との両立を実現することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、エンジン制御システムは、内燃機関に駆動されて、吸入した燃料を加圧して高圧化する燃料供給ポンプと、この燃料供給ポンプより吐出された高圧燃料を蓄圧するコモンレールと、このコモンレール内に蓄圧された高圧燃料を内燃機関の気筒内に噴射供給する燃料噴射弁とを備えた蓄圧式燃料噴射システムである。そして、エンジン制御システムの異常状態とは、蓄圧式燃料噴射システムからの燃料漏れ量、あるいは燃料供給ポンプの加圧室から燃料噴射弁のシート部までの高圧配管経路からの燃料漏れ量である。そして、異常判断値とは、燃料供給ポンプより吐出される燃料吐出量、コモンレール内の燃料圧力の変化量、燃料噴射弁から噴射される燃料噴射量、燃料供給ポンプや燃料噴射弁より燃料系の低圧側に溢流される燃料リーク量の高圧部の燃料収支より算出される、その燃料漏れ量であることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、内燃機関の運転状態または運転条件に応じて指令噴射圧力を算出し、この指令噴射圧力を達成するために、吸入調量弁へのポンプ駆動信号を調整して、内燃機関の運転状態または運転条件を制御する。例えば吸入調量弁へのポンプ駆動信号を調整することで、燃料供給ポンプより吐出される燃料の圧送量(燃料供給ポンプ吐出量、燃料供給ポンプ圧送量)を制御できる。
【0011】
請求項4に記載の発明によれば、内燃機関の運転状態または運転条件に応じて指令噴射量および指令噴射時期を算出し、指令噴射量とコモンレール内の燃料圧力とに応じて指令噴射期間を算出し、指令噴射時期から指令噴射期間が経過するまでの間、噴射弁駆動信号を燃料噴射弁の電磁弁に印加して、内燃機関の運転状態または運転条件を制御する。例えば指令噴射時期から指令噴射期間が経過するまでの間、噴射弁駆動信号を燃料噴射弁の電磁弁に印加することで、内燃機関の各気筒内に噴射供給される燃料噴射量と燃料噴射時期が最適化されて、エンジン回転速度やエンジントルクを目標値となるように制御できる。
【0012】
請求項5に記載の発明によれば、定常運転時に、エンジン制御システムが異常状態であるか否かを検出するしきい値となる判定値を第1判定値に設定し、他の制御ユニットからの燃料噴射量または燃料吐出量または燃料噴射圧力またはエンジントルクの変更要求が成されて、内燃機関の運転状態または運転条件の変化を認識した過渡運転時に、エンジン制御システムが異常状態であるか否かを検出するしきい値となる判定値を、第1判定値よりもエンジン制御システムの異常検出条件が緩くなる第2判定値に変更することで、エンジン制御システムの異常状態の誤判定の防止と検出精度の向上との両立を実現することができる。
【0013】
請求項6に記載の発明によれば、燃料噴射量または燃料吐出量または燃料噴射圧力またはエンジントルクの変化量が大きい程、エンジン制御システムが異常状態であるか否かを検出するしきい値となる判定値を、エンジン制御システムの異常検出条件が緩くなるように変更することで、エンジン制御システムの異常状態の検出精度を向上することができる。
【0014】
請求項7に記載の発明によれば、他の制御ユニットからの燃料噴射量または燃料吐出量または燃料噴射圧力またはエンジントルクの変更要求が成されて、内燃機関の運転状態または運転条件の変化を認識した過渡運転時とは、自動変速機制御ユニットからエンジン制御ユニットへの要求トルクが低下した時、あるいはトルクダウン要求が存在して、指令噴射量または指令噴射圧力が所定値以上に低下した時であることを特徴としている。
【0015】
請求項8に記載の発明によれば、短時間に過ぎる過渡運転時にのみ、異常判断値算出手段の作動を停止させることにより、過渡運転時以外の大半の時間では異常判断値算出手段を作動させることができる。すなわち、他の制御ユニットからの燃料噴射量または燃料吐出量または燃料噴射圧力またはエンジントルクの変更要求が成されて、内燃機関の運転状態または運転条件の変化を認識した過渡運転時には、異常判断値算出手段の作動を停止させることにより、上記の過渡運転時において生じ易い、例えば蓄圧式燃料噴射システム等のエンジン制御システムのシステム異常故障(例えば燃料漏れ故障等)の誤判定または誤検出を防止することができる。
【0016】
請求項9に記載の発明によれば、エンジン制御システムがシステム異常故障であるとのシステム異常検出手段による判定が行なわれても、この判定を、他の制御ユニットからの燃料噴射量または燃料吐出量または燃料噴射圧力またはエンジントルクの変更要求が成されて、内燃機関の運転状態または運転条件の変化を認識した過渡運転時にのみ無効とすれば、過渡運転時において生じ易い、例えば蓄圧式燃料噴射システム等のエンジン制御システムのシステム異常故障(例えば燃料漏れ故障等)の誤判定または誤検出を防止することができる。
【0017】
請求項10に記載の発明によれば、他の制御ユニットからの燃料噴射量または燃料吐出量または燃料噴射圧力またはエンジントルクの変更要求が成されて、内燃機関の運転状態または運転条件の変化を認識した過渡運転時にのみ、異常判断値を、過渡運転を認識する直前のまま所定時間だけ保持させることにより、過渡運転時において生じ易い、例えば蓄圧式燃料噴射システム等のエンジン制御システムのシステム異常故障(例えば燃料漏れ故障等)の誤判定または誤検出を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態の構成]
図1ないし図5は本発明の第1実施形態を示したもので、図1は蓄圧式燃料噴射システムの全体構成を示した図である。
【0019】
本実施形態の蓄圧式燃料噴射システムは、本発明のエンジン制御システムに相当するもので、例えば自動車等の車両に搭載された4気筒のディーゼルエンジン(以下エンジンと言う)1の運転状態または運転条件、車両の走行状態および運転者(ドライバー)の操作量(意志)を各種センサにより検出して、エンジンコントロールユニット(エンジン制御ユニット:以下ECUと呼ぶ)10に伝えて、各種センサからのセンサ信号により最適な指令噴射量、指令噴射時期、指令噴射期間および指令噴射圧力(目標燃料圧力)を演算し、それぞれを制御する複数個(本例では4個)のインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)2および燃料供給ポンプ(サプライポンプ)3等に指令するように構成されている。
【0020】
本実施形態のエンジン1は、シリンダブロック、シリンダヘッドおよびオイルパン等から構成された4サイクル4気筒エンジンである。なお、エンジン1の各気筒の吸入ポートは、吸気弁(インテークバルブ)11により開閉され、排気ポートは排気弁(エキゾーストバルブ)12により開閉される。また、各気筒内には、連接棒を介してクランク軸13に連結されたピストン14が摺動自在に配設されている。
【0021】
複数個のインジェクタ2は、エンジン1のシリンダブロックに(各気筒#1〜#4に個別に対応して)取り付けられている。これらのインジェクタ2は、噴射孔を形成したノズルボデー内に、噴射孔を開閉するノズルニードルを摺動自在に収容した燃料噴射ノズル、ノズルニードルを開弁方向に駆動する電磁弁(ニードル駆動手段、ソレノイドアクチュエータ)、およびノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプリング等のニードル付勢手段等により構成されている。
【0022】
これらのインジェクタ2からエンジン1への燃料噴射は、ノズルニードルに連結されたコマンドピストンの背圧制御室(圧力制御室)内の燃料圧力を制御する電磁弁(図示せず)への通電および通電停止(ON/OFF)により電子制御される。つまり、各気筒のインジェクタ2の電磁弁が開弁している間、蓄圧容器としてのコモンレール17内に蓄圧された高圧燃料がエンジン1の各気筒の燃焼室内に噴射される。ここで、インジェクタ2の内部リーク燃料または圧力制御室からの排出燃料(インジェクタ2を開弁するために用いた燃料)は、リターン配管33を経て燃料タンク15に還流するように構成されている。
【0023】
燃料供給ポンプ3は、吸入した燃料を加圧して吐出口からコモンレール17へ高圧燃料を吐出する高圧供給ポンプであり、燃料タンク15から燃料を汲み上げるフィードポンプ(低圧供給ポンプ)6を備えている。フィードポンプ6から燃料供給ポンプ3の加圧室への燃料流路には、その燃料流路の開口度合(弁開度、開口面積)を調整することで、燃料供給ポンプ3からコモンレール17への燃料吐出量(ポンプ吐出量、ポンプ圧送量)を変更する電磁式アクチュエータとしての吸入調量弁(リニアソレノイドアクチュエータ)7が取り付けられている。
【0024】
吸入調量弁7は、図示しないポンプ駆動回路を介してECU10からのポンプ駆動信号によって電子制御されることにより、フィードポンプ6から燃料供給ポンプ3の加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調整する吸入量調整用電磁弁で、各インジェクタ2からエンジン1の各気筒内へ噴射供給する燃料噴射圧力(コモンレール圧力)を変更する。
【0025】
そして、燃料供給ポンプ3は、燃料タンク15から燃料を吸入して加圧し、ECU10より指令された燃料量をコモンレール17に圧送する。このコモンレール17内の燃料圧力は、燃料圧力検出手段としての燃料圧力センサ18によって測定され、ポンプ駆動指令値(ポンプ駆動電流値)と噴射量指令値(パルス状のインジェクタ駆動電流、インジェクタ噴射指令パルス)とがECU10で算出される。
【0026】
コモンレール17は、連続的に燃料噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧する必要があり、そのためにコモンレール17に蓄圧される高圧燃料は、高圧配管20を介して燃料供給ポンプ3から供給されている。なお、コモンレール17から燃料タンク15へ燃料を戻すためのリターン配管21が設けられている。そして、コモンレール17には、リターン配管21の開口度合を調整することが可能な常閉型の減圧弁22が設置されている。この減圧弁22は、減圧弁駆動回路を介してECU10から印加される減圧弁駆動電流値によって電子制御されることにより、例えば減速時またはエンジン停止時に速やかにコモンレール17内の燃料圧力、所謂コモンレール圧力を高圧から低圧へ減圧させる降圧性能に優れる電磁弁である。なお、減圧弁22の代わりに、コモンレール17とリターン配管21との間に、コモンレール17内の燃料圧力が限界設定圧力を超えることがないように、コモンレール17内の燃料圧力を逃がすためのプレシャリミッタを取り付けるようにしても良い。
【0027】
ECU10には、制御処理、演算処理を行なうCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶装置(ROM、RAM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路、インジェクタ駆動回路およびポンプ駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。そして、燃料圧力センサ18からの検出信号(電圧信号)や、その他の各種センサからのセンサ信号は、A/D変換器でA/D変換された後に、ECU10に内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。また、ECU10は、エンジン1をクランキングさせた後にエンジンキーをIG位置に戻して、図示しないイグニッションスイッチがオン(ON)すると、メモリ内に格納された制御プログラムに基づいて、例えばインジェクタ2の電磁弁、燃料供給ポンプ3の吸入調量弁7、スロットルバルブ39を駆動するアクチュエータ40、および排気ガス還流量(EGR量)を調節するEGRバルブ42等の各制御部品のアクチュエータを電子制御するように構成されている。
【0028】
そして、ECU10は、クランク軸(クランクシャフト)13に取り付けられたクランク角度センサ4、およびカム軸(カムシャフト)23に取り付けられたカム角度センサ5とからのクランク軸回転パルスおよびカム軸回転パルスの信号を基準にして、各気筒のインジェクタ2の噴射時期および燃料供給ポンプ3の圧送期間を決めることで、コモンレール17内の実燃料圧力(コモンレール圧力)を指令噴射圧力に保持する。
【0029】
ここで、クランク角度センサ4は、エンジン1のクランク軸13に固定された磁性体製のタイミングロータ(シグナルロータ)24、このタイミングロータ24の周面に対向するように配置された電磁ピックアップコイル、および磁束を発生させる永久磁石(マグネット)等で構成された電磁式回転センサで、クランク軸13の回転角度を検出する。なお、ECU10は、クランク角度信号(NEパルス信号)の間隔時間を計測することによって、エンジン回転速度(NE)を検出する。
【0030】
タイミングロータ24には、所定角度(例えば10°)毎に凸状歯が複数個形成されている。したがって、タイミングロータ24が回転すると、凸状歯が電磁ピックアップコイルに対して接近離反するため、電磁誘導によって電磁ピックアップコイルからクランク角度信号(NEパルス信号)が出力される。
【0031】
そして、カム角度センサ5は、エンジン1のカム軸23に固定された磁性体製のタイミングロータ(シグナルロータ)27、このタイミングロータ27の周面に対向するように配置された電磁ピックアップコイル、および磁束を発生させる永久磁石(マグネット)等で構成された電磁式回転センサで、カム軸23の回転角度を検出する。タイミングロータ27には、所定角度毎に凸状歯が複数個配置されている。
【0032】
また、ECU10は、アクセルペダルの踏込み量(アクセル操作量、アクセル開度)を測定するアクセル開度センサ30、およびエンジン1の冷却水温度を検出する冷却水温センサ31等からセンサ信号を入力するように構成されている。そして、ECU10は、エンジン1の運転条件に応じた最適な指令噴射圧力(=目標燃料圧力:PFIN)を演算し、ポンプ駆動回路を介して燃料供給ポンプ3の吸入調量弁7を駆動する吐出量制御手段を有している。すなわち、ECU10は、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とに応じて目標燃料圧力(PFIN)を算出し、この目標燃料圧力(PFIN)を達成するために、燃料供給ポンプ3の吸入調量弁7へのポンプ駆動信号(ポンプ駆動電流値)を調整して、燃料供給ポンプ3より吐出される燃料の圧送量(ポンプ吐出量)を制御するように構成されている。
【0033】
さらに、より好ましくは、燃料噴射量の制御精度を向上させる目的で、燃料圧力センサ18によって検出されるコモンレール17内の実燃料圧力(コモンレール圧力:NPC)がエンジン1の運転状態に応じて設定される目標燃料圧力(PFIN)と略一致するように、燃料供給ポンプ3の吸入調量弁7へのポンプ駆動電流値をフィードバック制御することが望ましい。なお、吸入調量弁7へのポンプ駆動電流値の制御は、デューティ(DUTY)制御により行なうことが望ましい。すなわち、コモンレール圧力(NPC)と目標燃料圧力(PFIN)との偏差(ΔP)に応じて単位時間当たりのポンプ駆動信号のオン/オフの割合(通電時間割合・デューティ比)を調整して、吸入調量弁7の弁開度を変化させるデューティ制御を用いることで、高精度なデジタル制御が可能になる。
【0034】
また、ECU10は、各気筒のインジェクタ2から噴射される燃料噴射量を個別に制御する内燃機関用噴射量制御装置に相当する。これは、エンジン回転速度(NE)とアクセル開度(ACCP)と予め実験等により測定して作成した特性マップとによって最適な基本噴射量(Q)を算出する基本噴射量決定手段と、基本噴射量(Q)に、冷却水温センサ31によって検出された冷却水温(THW)または燃料温度センサ34によって検出された燃料リーク温度(燃料温度:THF)等を考慮した噴射量補正量を加味して指令噴射量(QFIN)を算出する指令噴射量決定手段と、指令噴射量(QFIN)とエンジン回転速度(NE)と予め実験等により測定して作成した特性マップから指令噴射時期(TFIN)を算出する噴射時期決定手段と、コモンレール圧力(NPC)と指令噴射量(QFIN)と予め実験等により測定して作成した特性マップからインジェクタ2への通電パルス時間(噴射指令パルス時間:TQ)を算出する噴射期間決定手段と、各気筒のインジェクタ2の電磁弁に、指令噴射時期(TFIN)から噴射指令パルス時間(TQ)が経過するまでの間、パルス状のインジェクタ駆動電流(インジェクタ噴射指令パルス)を印加するインジェクタ駆動手段とから構成されている。
【0035】
ここで、ECU10は、自動変速機(オートマチック・トランスミッション)の変速状態を変更するアクチュエータを制御するTCM(自動変速機制御ユニット:トランスミッションユニット)51、ABS/TCS(アンチロックブレーキユニット/トラクションコントロールユニット)52、ACC(車間クルーズユニット)53の他に、エンジン・イモビライザ・システム(電子式車両盗難防止装置)、エア・コンディショナ(車両用空調装置)、エアバック(乗員保護補助装置)、電子メーター、アイドリング・ストップ・システムまたは電子式エンジン始動停止装置との間でCAN通信(例えばエンジントルクの増減要求やアイドル・アップ要求等)を行なうように構成されている。
【0036】
なお、ABSは、制動時に車輪がロックしてステアリングがコントロールを失うのを防止する装置で、ブレーキペダルをいっぱいに踏み込んでいても各車輪のブレーキはオン・オフを繰り返し、車輪のロックを防止する。TCSは、エンジン1の出力や制動力を制御して、タイヤの空転を防止するシステムである。ACC53は、前車との距離が接近し過ぎると自動的にブレーキが作動して前車との車間距離を制御するシステムである。
【0037】
なお、ECU10は、車両の走行速度(車速)を測定するための車速センサ32から車速信号を入力するように構成されている。ここで、インジェクタ2の内部リーク燃料または圧力制御室からの排出燃料(インジェクタ2を開弁するために用いた燃料)は、リリーフ配管としてのリターン配管33を経て燃料タンク15へ戻される。そのリターン配管33には、リターン配管33を経て燃料タンク15へ戻されるリターン燃料の温度またはリーク燃料の温度(燃料温度:THF)を測定する燃料温度センサ34が搭載されている。この燃料温度センサ34は、検出精度を上げるために各インジェクタ2のリターン配管33の集合部分にできるだけ近い位置に搭載するのが望ましい。
【0038】
エンジン1の運転中に、各気筒内で燃焼した排気ガスは、排気管35を通り、バリアブルノズルターボ(VNT)36のタービンの駆動源となった後に、触媒(図示せず)、マフラー(図示せず)を経て排出される。上記のバリアブルノズルターボ36の制御は、吸気圧センサ47の信号とVNT駆動量センサ37の信号とに基づいて行なわれる。過給された吸入空気は、吸気管38を経て各気筒内へ導入される。そして、吸気管38の途中には、絞り弁(スロットルバルブ)39が配設され、このスロットルバルブ39の開度は、ECU10からの信号により作動するアクチュエータ40によって調節される。
【0039】
また、本実施形態の吸気管38には、排気管35を流れる排気ガスの一部である排気再循環ガス(EGRガス)を吸気管38へ導く排気ガス還流管41が接続されている。そして、排気ガス還流管41と吸気管38との接続口には、排気ガス再循環装置用バルブ(EGRバルブ)42が設置され、排気ガス還流管41の途中には、EGRガスを冷却するためのEGRガスクーラ43が設置されている。
【0040】
EGRバルブ42は、エンジン1の排気ガスの一部を吸気側に戻すための排気ガス還流管41の開度を調整するバルブ、ECU10より印加されるEGRバルブ駆動信号が大きくなる程、バルブを開弁方向に駆動する電磁コイル(ソレノイドコイル)、およびバルブを閉弁方向に付勢するスプリング等のバルブ付勢手段(図示せず)を有し、EGRバルブ駆動信号の大きさに比例して、エンジン1の排気側から吸気管38へ戻るEGRガスの排気ガス還流量(EGR量)を調整する排気ガス再循環装置用電磁弁(電磁式アクチュエータ)である。
【0041】
なお、EGRガスのEGR量は、吸入空気量をポテンショメータにより電圧比として検出する吸入空気量センサ(エアフローメータ:AFM)44と、吸入空気温を検出する吸気温センサ45とEGRバルブ42のリフト量を検出するEGRバルブ開口度センサ(EGRバルブ用リフトセンサ)46からの信号で、所定値を保持できるようにフィードバック制御されている。したがって、エンジン1の各気筒内に吸い込まれて吸気管38を通過する吸入空気は、エミッションを低減するためにエンジン1の運転状態毎に設定された排気ガス還流量(EGR量)になるようにEGRバルブ42の弁開度(リフト量)がリニアに制御され、排気管35からの排気ガスとミキシングされることになる。
【0042】
[第1実施形態の故障診断方法]
次に、本実施形態のECU10の燃料漏れロジックによる故障診断方法を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。ここで、図3はECU10の燃料漏れロジックによる故障診断方法を示したフローチャートである。
【0043】
このフローチャートは、エンジン1の回転に同期して実行される割り込みルーチンであり、図3に示したように、処理が開始されると、先ず、燃料供給ポンプ3の加圧室からインジェクタ2のシート部までの高圧配管経路からの燃料漏れ量を検出するのに必要なセンサが故障しているか否かを判定する。少なくとも燃料圧力センサ18の出力特性が異常特性を示しているか否かを判定する。例えば燃料圧力センサ18より出力される電圧値が通常使用する電圧範囲の最大値4.5Vよりも大きい所定値以上であるか否かを判定する。あるいは燃料圧力センサ18より出力される電圧値が通常使用する電圧範囲の最小値0.5Vよりも小さい所定値以下であるか否かを判定する(ステップS1)。この判定結果がYESの場合には、メモリに記憶すると共に、異常警告ランプを点灯してドライバーに知らせるようにする。その後に、図3のルーチンを抜ける。
【0044】
また、ステップS1の判定結果がNOの場合には、上述のようにエンジン1の運転状態または運転条件に応じて設定される目標燃料圧力(PFIN)と指令噴射量(QFIN)とに基づいて、吸入調量弁7の基本通電開始時期(TS)を算出する(ステップS2)。次に、燃料圧力センサ18からの検出信号に基づいてコモンレール17内の実燃料圧力(コモンレール圧力:NPC)を検出し、このNPCとPFINとの偏差(ΔP)に基づき、予め設定された演算式{TB=f(NPC−PFIN)}を用いて上記の基本通電開始時期(TS)に対するフィードバック補正量(TB)を算出する(ステップS3)。
【0045】
次に、ステップS3で算出されたフィードバック補正量(TB)とステップS2で算出された基本通電開始時期(TS)とを加算することにより、吸入調量弁7を実際に駆動するのに使用する目標通電開始時期(TF)を算出する(ステップS4)。次に、算出された目標通電開始時期(TF)に基づき、燃料供給ポンプ3からの燃料吐出量(燃料供給ポンプ吐出量:QT)を、予め設定された演算式{QT=f(TF)}を用いて算出する(ステップS5)。なお、燃料供給ポンプ吐出量(QT)は、目標通電開始時期(TF)が早いタイミング程大きな値となる。
【0046】
次に、インジェクタ定常リーク量(QI)を、燃料温度センサ34によって検出された燃料温度(THF)と燃料圧力センサ18によって検出されたコモンレール圧力(NPC)とクランク角度センサ4等の回転速度検出手段によって検出されたエンジン回転速度(NE)との関数として、予め設定された演算式{QI=f(THF,NPC,NE)}を用いて算出する(ステップS6)。なお、インジェクタ定常リークは、インジェクタ2の閉弁中において、部品の隙間から燃料がリークすることにより生じる燃料漏れである。そして、そのインジェクタ定常リーク量(QI)は、燃料温度(THF)が高い程多くなり、コモンレール圧力(NPC)が高い程多くなる。エンジン回転速度(NE)は、1ストローク当たりの内部リーク量を求めるためにパラメータとして用いられている。
【0047】
次に、インジェクタスイッチングリーク量(QS)を、燃料温度センサ34によって検出された燃料温度(THF)と燃料圧力センサ18によって検出されたコモンレール圧力(NPC)との関数として、予め設定された演算式{QS=f(THF,NPC)}を用いて算出する(ステップS7)。なお、インジェクタスイッチングリーク量(QS)は、ノズルニードルを開弁する際に、圧力制御室からドレイン通路へと抜ける燃料リーク量に相当する。そのインジェクタスイッチングリーク量(QS)は、燃料温度(THF)が高い程多くなり、コモンレール圧力(NPC)が高い程多くなる。
【0048】
次に、コモンレール圧力(NPC)の変化分に相当する燃料量(圧力変化相当量:QP)を、演算式{QP=V・(NPCi −NPCi−1)/E}(V:高圧配管経路容積、E:燃料弾性係数、NPCi−1 :前回の燃料噴射後のコモンレール圧力、NPCi :今回の燃料噴射後のコモンレール圧力)を用いて算出する(ステップS8)。
【0049】
次に、燃料漏れ量(QL)を、図4(a)、(b)および演算式{QL=QT−(QI+QS+QP+QF)}を用いて算出する(ステップS9)。なお、QFは今回の指令噴射量(QFIN)である。この燃料漏れ量(QL)の演算式に圧力変化相当量(QP)を入れることにより、全ての運転状態(過渡運転)において演算式は成り立つので、ほぼ全ての運転条件において燃料漏れの判定が可能となる。ここで、図4(a)、(b)においてインジェクタリーク量はインジェクタ定常リーク量(QI)とインジェクタスイッチングリーク量(QS)とを加算した値であり、噴射量は今回の指令噴射量(QFIN)である。
【0050】
次に、エンジン1の運転状態または運転条件の変化の有無を認識する。すなわち、蓄圧式燃料噴射システム以外のアクチュエータ(例えば自動変速機の油圧制御装置内に組み込まれた変速用ソレノイドバルブや車両の各車輪のブレーキ等)を制御すると共に、車両走行状態に対応した信号をECU10に送信することが可能な他の制御ユニットからECU10へのエンジントルクの増減要求または燃料噴射量変更要求によるエンジン1の運転状態または運転条件の変化の有無を認識する。
【0051】
図2に示したように、ECU10とTCM51またはABS/TCS52またはACC53との間では、常時CAN通信を行なっており、例えばトランスミッション制御システムにおいて2速から3速への増速指令がTCM51より成されると、TCM51よりECU10へエンジントルクを変更(低減)する旨の要求が成されたことを認識すると、ECU10は、図5に示したように、エンジントルクを低減するように、指令噴射量(QFIN)を所定値以上に減量する。また、指令噴射量(QFIN)の減量に伴い、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とに応じて設定される目標燃料圧力(PFIN)も所定値以上急激に低くなる。
【0052】
以上のように、ECU(エンジン制御ユニット)10は、他の制御ユニットからのエンジントルクを変更(低減)する旨の要求が成されたことを検出して、エンジン1の運転状態または運転条件の変化、つまり指令噴射量(QFIN)の所定値以上の変化、あるいは目標燃料圧力(PFIN)の所定値以上の変化を認識する。したがって、ステップS10では、上記のようなエンジン1の運転状態または運転条件の変化が無いか否かを判定する。すなわち、エンジン1の運転状態または運転条件が安定状態であるか否かを判定する。
【0053】
このステップS10の判定結果がYESの場合には、定常運転時であると判断して、第1しきい値▲1▼を燃料漏れの判定値であるしきい値として設定する(ステップS11)。その後に、ステップS13に進む。また、ステップS10の判定結果がNOの場合には、他の制御ユニットからのエンジントルクを変更(低減)する旨の要求が成された過渡運転時であると判断して、第1しきい値▲1▼よりも燃料漏れ検出条件が緩くなる第2しきい値▲2▼を燃料漏れの判定値であるしきい値として設定する(ステップS12)。
【0054】
次に、ステップS9で算出した燃料漏れ量(QL)がしきい値範囲内であるか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果がYESの場合には、正常であると認識して(ステップS14)、図3のルーチンを抜ける。また、ステップS13の判定結果がNOの場合には、燃料漏れ故障等の異常故障と診断して(ステップS15)、メモリに記憶すると共に、異常警告ランプを点灯してドライバーに知らせるようにする。その後に、図3のルーチンを抜ける。なお、図3のフローチャートを、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)となった後に、所定のタイミング毎に実施するようにしても良い。
【0055】
[第1実施形態の効果]
本実施形態の蓄圧式燃料噴射システムにおいては、ECU10と他の制御ユニットとの間でCAN通信されるエンジントルクの増減要求が成されて、エンジン1の運転状態または運転条件の変化、つまり指令噴射量(QFIN)の所定値以上の変化、あるいは目標燃料圧力(PFIN)の所定値以上の変化を認識した過渡運転時には、蓄圧式燃料噴射システムのシステム異常故障の判定値であるしきい値を定常運転時よりも、燃料漏れ検出条件が緩くなる第2しきい値▲2▼に変更するようにしている。
【0056】
したがって、過渡運転時も定常運転時も共に、蓄圧式燃料噴射システムのシステム異常故障、具体的には燃料供給ポンプ3の加圧室からインジェクタ2のシート部までの高圧配管経路からの燃料漏れを誤検出または誤判定することなく、常時故障診断が可能となる。さらに、エンジン1の定常運転時の燃料漏れの検出精度を向上することができる。したがって、蓄圧式燃料噴射システムのシステム異常故障(特に燃料漏れ故障)の誤判定の防止と検出精度の向上との両立を実現することができる。
【0057】
[第2実施形態]
図6は本発明の第2実施形態を示したもので、ECU10の燃料漏れロジックによる故障診断方法を示したフローチャートである。このフローチャートは、第1実施形態と同様に、エンジン1の回転に同期して実行される割り込みルーチンである。なお、図6のフローチャートを、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)となった後に、所定のタイミング毎に実施するようにしても良い。
【0058】
本実施形態では、ステップS1〜ステップS5は、第1実施形態のステップS1〜ステップS5の処理と同一であるので説明を省略する。ステップS5の処理を実行した後に、他の制御ユニットからのエンジントルクを変更(低減)する旨の要求が成された過渡運転状態であるか否かを判定する。すなわち、エンジン1の運転状態または運転条件が安定状態であるか否かを判定する(ステップS20)。この判定結果がNOの場合には、他の制御ユニットからのエンジントルクを変更(低減)する旨の要求が成された過渡運転時であると判断して、ステップS6〜ステップS9の算出処理、すなわち、インジェクタ定常リーク量(QI)の算出処理、インジェクタスイッチングリーク量(QS)の算出処理、圧力変化相当量(QP)の算出処理、燃料漏れ量(QL)の算出処理を停止する(ステップS21)。その後に、図6のルーチンを抜ける。あるいはステップS20の判定結果がYESとなるまで、ステップS20の判定処理を繰り返しても良い。
【0059】
また、ステップS20の判定結果がYESの場合には、定常運転時であると判断して、ステップS6〜ステップS9の算出処理に進み、第1実施形態と同様に、インジェクタ定常リーク量(QI)、インジェクタスイッチングリーク量(QS)、圧力変化相当量(QP)、燃料漏れ量(QL)を算出する。そして、ステップS9で燃料漏れ量(QL)を算出した後に、ステップS13の判定処理に進み、ステップS9で算出した燃料漏れ量(QL)がしきい値範囲内であるか否かを判定する。
【0060】
次に、ステップS13の判定結果がYESの場合には、第1実施形態と同様に、ステップS14の処理に進み、正常であると認識する。その後に、図6のルーチンを抜ける。また、ステップS13の判定結果がNOの場合には、第1実施形態と同様に、ステップS15の処理に進み、蓄圧式燃料噴射システムのシステム異常故障、つまり燃料漏れ故障等の異常故障と診断して、メモリに記憶すると共に、異常警告ランプを点灯してドライバーに知らせるようにする。その後に、図6のルーチンを抜ける。
【0061】
以上のように、本実施形態の蓄圧式燃料噴射システムにおいては、短時間に過ぎる過渡運転時にのみ、ステップS6〜ステップS9の算出処理、特に燃料漏れ量(QL)の算出処理を停止させ、過渡運転時以外の大半の時間では、ステップS6〜ステップS9の算出処理、特に燃料漏れ量(QL)の算出処理を実行できる。
【0062】
したがって、ECU10と他の制御ユニットとの間でCAN通信されるエンジントルクの増減要求が成されて、エンジン1の運転状態または運転条件の変化、つまり指令噴射量(QFIN)の所定値以上の変化、あるいは目標燃料圧力(PFIN)の所定値以上の変化を認識した過渡運転時には、燃料漏れ量(QL)の算出処理を停止させることにより、過渡運転時において生じ易い、蓄圧式燃料噴射システムのシステム異常故障、つまり燃料漏れ故障等の異常故障の誤判定または誤検出を防止することができる。
【0063】
[第3実施形態]
図7は本発明の第3実施形態を示したもので、ECU10の燃料漏れロジックによる故障診断方法を示したフローチャートである。このフローチャートは、第1実施形態と同様に、エンジン1の回転に同期して実行される割り込みルーチンである。なお、図7のフローチャートを、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)となった後に、所定のタイミング毎に実施するようにしても良い。
【0064】
本実施形態では、ステップS1〜ステップS9は、第1実施形態のステップS1〜ステップS9の処理と同一であるので説明を省略する。ステップS9の算出処理を実行した後に、ステップS13の判定処理に進み、ステップS9で算出した燃料漏れ量(QL)がしきい値範囲内であるか否かを判定する。そして、ステップS13の判定結果がYESの場合には、第1実施形態と同様に、ステップS14の処理に進み、正常であると認識する。その後に、図7のルーチンを抜ける。
【0065】
また、ステップS13の判定結果がNOの場合には、第1実施形態と同様に、ステップS15の処理に進み、蓄圧式燃料噴射システムのシステム異常故障、つまり燃料漏れ故障等の異常故障と診断する。その後にステップS16の判定処理に進み、他の制御ユニットからのエンジントルクを変更(低減)する旨の要求が成された過渡運転状態であるか否かを判定する。すなわち、エンジン1の運転状態または運転条件が安定状態であるか否かを判定する。
【0066】
ステップS16の判定結果がYESの場合には、燃料漏れ故障等の異常故障の判定が有効であると判断して、燃料漏れ故障等の異常故障を、メモリに記憶すると共に、異常警告ランプを点灯してドライバーに知らせるようにした後に、図7のルーチンを抜ける。また、ステップS16の判定結果がNOの場合には、他の制御ユニットからのエンジントルクを変更(低減)する旨の要求が成された過渡運転時であると判断して、ステップS17の処理に進み、ステップS15の異常判定、つまり燃料漏れ故障等の異常故障のメモリへの記憶および異常警告ランプの点灯を実行しないで、その異常判定を無効化する。その後に、図7のルーチンを抜ける。
【0067】
以上のように、本実施形態の蓄圧式燃料噴射システムにおいては、燃料漏れ故障等の異常故障と診断されても、この異常判定を、他の制御ユニットからのエンジントルクを変更(低減)する旨の要求が成された過渡運転時にのみ無効とすることにより、過渡運転時において生じ易い、蓄圧式燃料噴射システムのシステム異常故障、つまり燃料漏れ故障等の異常故障の誤判定または誤検出を防止することができる。
【0068】
[第4実施形態]
図8は本発明の第4実施形態を示したもので、ECU10の燃料漏れロジックによる故障診断方法を示したフローチャートである。このフローチャートは、第1実施形態と同様に、エンジン1の回転に同期して実行される割り込みルーチンである。なお、図8のフローチャートを、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)となった後に、所定のタイミング毎に実施するようにしても良い。
【0069】
本実施形態では、ステップS1〜ステップS10は、第1実施形態のステップS1〜ステップS10の処理と同一であるので説明を省略する。ステップS10の判定結果がNOの場合には、他の制御ユニットからのエンジントルクを変更(低減)する旨の要求が成された過渡運転時であると判断して、ステップS22の処理に進み、過渡運転を認識する直前の燃料漏れ量(QL)を所定時間継続して保持する。なお、ステップS9の算出処理を実施する毎に、定常運転時の燃料漏れ量(QL)をメモリに格納しておくことが必要である。この場合には、ステップS22の処理に進むと、ステップS9で算出した燃料漏れ量(QL)をキャンセルして、過渡運転を認識する直前の燃料漏れ量(QL)をメモリより読み込むことになる。
【0070】
また、ステップS10の判定結果がYESの場合には、定常運転時であると判断して、ステップS13の判定処理に進む。さらに、ステップS22の処理を実行した後に、ステップS13の判定処理に進み、ステップS9で算出した燃料漏れ量(QL)、あるいは過渡運転を認識する直前の燃料漏れ量(QL)がしきい値範囲内であるか否かを判定する。
【0071】
次に、ステップS13の判定結果がYESの場合には、第1実施形態と同様に、ステップS14の処理に進み、正常であると認識する。その後に、図8のルーチンを抜ける。また、ステップS13の判定結果がNOの場合には、第1実施形態と同様に、ステップS15の処理に進み、蓄圧式燃料噴射システムのシステム異常故障、つまり燃料漏れ故障等の異常故障と診断して、メモリに記憶すると共に、異常警告ランプを点灯してドライバーに知らせるようにする。その後に、図8のルーチンを抜ける。
【0072】
以上のように、本実施形態の蓄圧式燃料噴射システムにおいては、ECU10と他の制御ユニットとの間でCAN通信されるエンジントルクの増減要求が成されて、エンジン1の運転状態または運転条件の変化、つまり指令噴射量(QFIN)の所定値以上の変化、あるいは目標燃料圧力(PFIN)の所定値以上の変化を認識した過渡運転時にのみ、異常判断値である燃料漏れ量(QL)を、過渡運転を認識する直前の燃料漏れ量(QL)のまま所定時間だけ保持させることにより、過渡運転時において生じ易い、蓄圧式燃料噴射システムのシステム異常故障、つまり燃料漏れ故障等の異常故障の誤判定または誤検出を防止することができる。
【0073】
[他の実施形態]
本実施形態では、目標通電開始時期(TF)に基づいて燃料供給ポンプ吐出量(QT)を計算したが、燃料供給ポンプ3のカムプロフィールまたはカム位相またはプランジャ位置とポンプ圧送開始位相とポンプ圧送終了位相とから燃料供給ポンプ吐出量(QT)を幾何学的に計算しても良い。また、エンジン回転速度(NE)と吸入調量弁7の弁開度(開口面積)または吸入調量弁7へのポンプ駆動電流値とコモンレール圧力(NPC)とから燃料供給ポンプ吐出量(QT)を計算しても良い。
【0074】
また、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とコモンレール圧力(NPC)と燃料温度(THF)とからインジェクタリーク量(QLEAK)を計算し、燃料供給ポンプ吐出量(QT)と指令噴射量(QFIN)とインジェクタリーク量(QLEAK)とから、高圧配管経路からの燃料漏れ量(QL)を計算しても良い。
【0075】
本実施形態では、本発明の内燃機関用故障診断装置によるエンジン制御システムの異常状態、特にエンジン制御システムのシステム異常故障として、燃料供給ポンプ3の加圧室からインジェクタ2のシート部までの高圧配管経路からの燃料漏れ量を検出するようにしているが、燃料圧力センサ18や吸入空気量センサ44やEGRバルブ用リフトセンサ46等の特性異常や、インジェクタ2の電磁弁や燃料供給ポンプ3より吐出される燃料の圧送量を調節する吸入調量弁7やスロットルバルブ39を駆動するアクチュエータ40やEGR量を調節するEGRバルブ42等のアクチュエータ異常故障を検出するようにしても良い。
【0076】
本実施形態では、他の制御ユニットからECU10へのエンジントルクを変更(低減または増加、増減)する旨の要求、あるいは他の制御ユニットからECU10への燃料噴射量を変更(増量または減量、増減)する旨の要求が成されて、エンジン1の運転状態または運転条件の変化を認識、つまり指令噴射量(QFIN)の所定値以上の変化、あるいは目標燃料圧力(PFIN)の所定値以上の変化を認識した過渡運転時を、システム異常故障(例えばコモンレールシステムからの燃料漏れ)のしきい値の定常運転時から過渡運転時への切り替えを実施するためのトリガ条件としたが、上記のエンジン1の過渡運転時に、システム異常故障(例えばコモンレールシステムからの燃料漏れ)のしきい値を、他の制御ユニットからのエンジントルク変更要求値または燃料噴射量変更要求値に応じて連続的または段階的に可変するようにしても良い。
【0077】
また、エンジン1の過渡運転時を、他の制御ユニットからECU(エンジン制御ユニット)10への燃料吐出量を変更(増量または減量、増減)する旨の要求、あるいは他の制御ユニットからエンジン制御ユニットへの燃料噴射圧力を変更(昇圧または減圧、増減)する旨の要求、あるいは他の制御ユニットからエンジン制御ユニットへのコモンレール17内の燃料圧力を変更(昇圧または減圧、増減)する旨の要求が成されて、エンジン1の運転状態または運転条件の変化を認識した時としても良い。
【0078】
また、エンジン1の過渡運転時を、機関発生トルク(エンジントルク)を変更する旨を要求する上記のTCM51または上記のABS/TCS52またはACC53のうちのいずれか1つ以上のトルク変更要求手段から、ECU(エンジン制御ユニット)10へエンジントルクを変更する旨の要求が成されて、エンジン1の運転状態または運転条件の変化を認識した時としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓄圧式燃料噴射システムの全体構成を示した概略構成図である(第1実施形態)。
【図2】ECUと他の制御ユニットとの接続状態を示したブロック図である(第1実施形態)。
【図3】燃料漏れロジックによる故障診断方法を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図4】(a)は正常時のポンプ吐出量に対する圧力変化相当量、インジェクタリーク量、噴射量等の割合を示した対応図で、(b)は燃料漏れ発生時のポンプ吐出量に対する圧力変化相当量、インジェクタリーク量、噴射量等の割合を示した対応図である(第1実施形態)。
【図5】指令噴射量、コモンレール圧力、燃料漏れ判定値、燃料漏れ演算値の推移を示したタイミングチャートである(第1実施形態)。
【図6】燃料漏れロジックによる故障診断方法を示したフローチャートである(第2実施形態)。
【図7】燃料漏れロジックによる故障診断方法を示したフローチャートである(第3実施形態)。
【図8】燃料漏れロジックによる故障診断方法を示したフローチャートである(第4実施形態)。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
2 インジェクタ(電磁式燃料噴射弁)
3 燃料供給ポンプ
6 フィードポンプ
7 吸入調量弁(アクチュエータ)
10 ECU(内燃機関用故障診断装置、エンジン制御ユニット、運転状態検出手段、異常判断値算出手段、システム異常検出手段、判定値変更手段)
17 コモンレール
51 TCM(自動変速機制御ユニット)
52 ABS/TCS
53 ACC

Claims (10)

  1. 内燃機関の運転状態または運転条件を検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態検出手段によって検出された前記内燃機関の運転状態または運転条件に基づいて、燃料噴射量または燃料吐出量または燃料噴射圧力またはエンジントルクを調節するアクチュエータを含んで構成されるエンジン制御システムの異常状態を検出するエンジン制御ユニットと、
    車両の走行状態の変化に対応して、前記燃料噴射量または前記燃料吐出量または前記燃料噴射圧力または前記エンジントルクの変更要求を、前記エンジン制御ユニットに出力する他の制御ユニットと
    を備えた内燃機関用故障診断装置において、
    前記エンジン制御ユニットは、
    (a)前記運転状態検出手段によって検出された前記内燃機関の運転状態または運転条件に対応して、前記エンジン制御システムが異常状態であるか否かの判定を行なうための異常判断値を算出する異常判断値算出手段と、
    (b)予め設定された所定の判定値と前記異常判断値とを比較することによって、前記エンジン制御システムが異常状態であるか否かを検出するシステム異常検出手段と、
    (c)前記他の制御ユニットからの前記燃料噴射量または前記燃料吐出量または前記燃料噴射圧力または前記エンジントルクの変更要求が成されて、前記内燃機関の運転状態または運転条件の変化を認識した過渡運転時に、前記判定値を、前記エンジン制御システムの異常検出条件が緩くなるように変更する判定値変更手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関用故障診断装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関用故障診断装置において、
    前記エンジン制御システムは、前記内燃機関に駆動されて、吸入した燃料を加圧して高圧化する燃料供給ポンプと、この燃料供給ポンプより吐出された高圧燃料を蓄圧するコモンレールと、このコモンレール内に蓄圧された高圧燃料を前記内燃機関の気筒内に噴射供給する燃料噴射弁とを備えた蓄圧式燃料噴射システムであり、
    前記異常判断値とは、前記燃料供給ポンプより吐出される燃料吐出量、前記コモンレール内の燃料圧力の変化量、前記燃料噴射弁から噴射される燃料噴射量、前記燃料供給ポンプや前記燃料噴射弁より燃料系の低圧側に溢流される燃料リーク量の高圧部の燃料収支より算出される、前記蓄圧式燃料噴射システムからの燃料漏れ量、あるいは前記燃料供給ポンプの加圧室から前記燃料噴射弁のシート部までの高圧配管経路からの燃料漏れ量であることを特徴とする内燃機関用故障診断装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関用故障診断装置において、
    前記アクチュエータは、前記エンジン制御ユニットからのポンプ駆動信号によって制御されることにより、フィードポンプから前記燃料供給ポンプの加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調節する吸入調量弁であり、
    前記エンジン制御ユニットは、前記内燃機関の運転状態または運転条件に応じて指令噴射圧力を算出し、この指令噴射圧力を達成するために、前記吸入調量弁へのポンプ駆動信号を調整して、前記内燃機関の運転状態または運転条件を制御することを特徴とする内燃機関用故障診断装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の内燃機関用故障診断装置において、
    前記アクチュエータは、前記エンジン制御ユニットからの噴射弁駆動信号によって制御されることにより、前記燃料噴射弁のノズルニードルを開弁方向に駆動するための圧力制御室内の燃料圧力を調整する電磁弁であり、
    前記エンジン制御ユニットは、前記内燃機関の運転状態または運転条件に応じて指令噴射量および指令噴射時期を算出し、前記指令噴射量と前記コモンレール内の燃料圧力とに応じて指令噴射期間を算出し、前記指令噴射時期から前記指令噴射期間が経過するまでの間、前記噴射弁駆動信号を前記電磁弁に印加して、前記内燃機関の運転状態または運転条件を制御することを特徴とする内燃機関用故障診断装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の内燃機関用故障診断装置において、
    前記判定値変更手段は、定常運転時に前記判定値を第1判定値に設定し、前記過渡運転時に前記判定値を、前記第1判定値よりも前記エンジン制御システムの異常検出条件が緩くなる第2判定値に変更することを特徴とする内燃機関用故障診断装置。
  6. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の内燃機関用故障診断装置において、
    前記判定値変更手段は、前記燃料噴射量または前記燃料吐出量または前記燃料噴射圧力または前記エンジントルクの変化量が大きい程、前記判定値を、前記エンジン制御システムの異常検出条件が緩くなるように変更することを特徴とする内燃機関用故障診断装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の内燃機関用故障診断装置において、
    前記エンジン制御ユニットは、前記内燃機関の運転状態または運転条件に応じて指令噴射量を算出する噴射量決定手段、および前記内燃機関の運転状態または運転条件に応じて指令噴射圧力を算出する燃料圧力決定手段を有し、
    前記他の制御ユニットとは、自動変速機制御ユニットであり、
    前記過渡運転時とは、前記自動変速機制御ユニットから前記エンジン制御ユニットへの要求トルクが低下した時、あるいはトルクダウン要求が存在して、前記指令噴射量または前記指令噴射圧力が所定値以上に低下した時であることを特徴とする内燃機関用故障診断装置。
  8. 内燃機関の運転状態または運転条件を検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態検出手段によって検出された前記内燃機関の運転状態または運転条件に基づいて、燃料噴射量または燃料吐出量または燃料噴射圧力またはエンジントルクを調節するアクチュエータを含んで構成されるエンジン制御システムの異常状態を検出するエンジン制御ユニットと、
    車両の走行状態の変化に対応して、前記燃料噴射量または前記燃料吐出量または前記燃料噴射圧力または前記エンジントルクの変更要求を、前記エンジン制御ユニットに出力する他の制御ユニットと
    を備えた内燃機関用故障診断装置において、
    前記エンジン制御ユニットは、
    (a)前記運転状態検出手段によって検出された前記内燃機関の運転状態または運転条件に対応して、前記エンジン制御システムが異常状態であるか否かの判定を行なうための異常判断値を算出する異常判断値算出手段と、
    (b)予め設定された所定の判定値と前記異常判断値とを比較することによって、前記エンジン制御システムが異常状態であるか否かを検出するシステム異常検出手段とを備え、
    前記他の制御ユニットからの前記燃料噴射量または前記燃料吐出量または前記燃料噴射圧力または前記エンジントルクの変更要求が成されて、前記内燃機関の運転状態または運転条件の変化を認識した過渡運転時にのみ、前記異常判断値算出手段の作動を停止させることを特徴とする内燃機関用故障診断装置。
  9. 内燃機関の運転状態または運転条件を検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態検出手段によって検出された前記内燃機関の運転状態または運転条件に基づいて、燃料噴射量または燃料吐出量または燃料噴射圧力またはエンジントルクを調節するアクチュエータを含んで構成されるエンジン制御システムの異常状態を検出するエンジン制御ユニットと、
    車両の走行状態の変化に対応して、前記燃料噴射量または前記燃料吐出量または前記燃料噴射圧力または前記エンジントルクの変更要求を、前記エンジン制御ユニットに出力する他の制御ユニットと
    を備えた内燃機関用故障診断装置において、
    前記エンジン制御ユニットは、
    (a)前記運転状態検出手段によって検出された前記内燃機関の運転状態または運転条件に対応して、前記エンジン制御システムが異常状態であるか否かの判定を行なうための異常判断値を算出する異常判断値算出手段と、
    (b)予め設定された所定の判定値と前記異常判断値とを比較することによって、前記エンジン制御システムが異常状態であるか否かを検出するシステム異常検出手段とを備え、
    前記他の制御ユニットからの前記燃料噴射量または前記燃料吐出量または前記燃料噴射圧力または前記エンジントルクの変更要求が成されて、前記内燃機関の運転状態または運転条件の変化を認識した過渡運転時にのみ、前記システム異常検出手段により行なわれる前記エンジン制御システムが異常状態であるか否かの判定を無効とすることを特徴とする内燃機関用故障診断装置。
  10. 内燃機関の運転状態または運転条件を検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態検出手段によって検出された前記内燃機関の運転状態または運転条件に基づいて、燃料噴射量または燃料吐出量または燃料噴射圧力またはエンジントルクを調節するアクチュエータを含んで構成されるエンジン制御システムの異常状態を検出するエンジン制御ユニットと、
    車両の走行状態の変化に対応して、前記燃料噴射量または前記燃料吐出量または前記燃料噴射圧力または前記エンジントルクの変更要求を、前記エンジン制御ユニットに出力する他の制御ユニットと
    を備えた内燃機関用故障診断装置において、
    前記エンジン制御ユニットは、
    (a)前記運転状態検出手段によって検出された前記内燃機関の運転状態または運転条件に対応して、前記エンジン制御システムが異常状態であるか否かの判定を行なうための異常判断値を算出する異常判断値算出手段と、
    (b)予め設定された所定の判定値と前記異常判断値とを比較することによって、前記エンジン制御システムが異常状態であるか否かを検出するシステム異常検出手段とを備え、
    前記他の制御ユニットからの前記燃料噴射量または前記燃料吐出量または前記燃料噴射圧力または前記エンジントルクの変更要求が成されて、前記内燃機関の運転状態または運転条件の変化を認識した過渡運転時にのみ、前記異常判断値は、前記過渡運転を認識する直前のまま所定時間だけ保持することを特徴とする内燃機関用故障診断装置。
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