JP5531906B2 - 燃料圧力センサ診断装置 - Google Patents

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本発明は、燃料圧力センサの異常が判定できる燃料圧力センサ診断装置に関する。
ディーゼルエンジンや高圧直噴ガソリンエンジンでは、コモンレールシステムによる筒内直接噴射を行っている。図7に示されるように、コモンレールシステム101は、燃料タンク102から吸い上げた燃料を調量可能に供給するサプライポンプ103と、サプライポンプ103の出口に接続されサプライポンプ103から供給された燃料を貯留する燃料レール(蓄圧室、コモンレールとも言う)104と、燃料レール104の燃料をエンジン内に噴射するインジェクタ105と、燃料レール104内の燃料圧力(レール圧とも言う)を検出する燃料圧力センサ106と、燃料圧力調整のため燃料レール104の燃料を抜き出す燃料圧力調整弁107と、サプライポンプ103、インジェクタ105、燃料圧力調整弁107の各部からの戻り燃料を燃料タンク102に戻す回収ライン108と、各部を電子制御することで、燃料噴射時期、燃料噴射量、燃料圧力などを制御する電子制御回路(ECM;Engine Control Module、ECU;Electronical Control Unitなど、以下、ECMと言う)109とを備える。
インジェクタ105から燃料をエンジン内に噴射するとき、エンジン内は圧縮行程によって高圧となっているため、燃料レール104内の燃料圧力は、エンジン内圧力に抗して噴射できる好適な高い圧力に蓄圧される。噴射に好適な燃料圧力は、騒音性能や排気ガス性能を考慮すると、エンジン状態によって異なる。そこで、いくつかのエンジンパラメータ、例えば、エンジン回転速度と燃料噴射量で参照される燃料圧力指示値マップに燃料圧力指示値が設定される。一方、サプライポンプ103では、燃料レール104に対して燃料を等量ずつ繰り返し動作で圧送して供給するが、1回の動作で供給する量を電子制御で調節できるようになっている。これを調量という。ECM109は、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力が燃料圧力指示値となるようにサプライポンプ103を調量制御する。
このようにして、サプライポンプ103が燃料レール104に燃料を供給することで燃料レール104内の燃料圧力が上昇し、インジェクタ105による燃料消費によって燃料レール104内の燃料圧力が低下する。また、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力が燃料圧力指示値を上回るときは、燃料圧力調整弁107により燃料レール104の燃料を抜き出して回収ライン108から燃料タンク102に戻すことで燃料レール104内の燃料圧力を燃料圧力指示値まで下げることができる。
インジェクタ105からの燃料噴射量を指示する燃料噴射量指示値は、エンジン回転速度やアクセル開度等のエンジンパラメータに基づいてマップを参照して決定されるが、これはエンジン制御に関する従来公知の技術であるので、詳しい説明は省く。ECM109では、インジェクタ105から燃料が燃料噴射量指示値どおり噴射されるよう、燃料圧力と燃料噴射量指示値に応じてインジェクタ105の駆動量を制御する。インジェクタ105の駆動量は、インジェクタ105のアクチュエータ構造により異なるが、駆動時間(通電時間)、印加電圧値、印加電流値等により制御される。以下では、駆動量は通電時間で表すものとする。
特開2007−40113号公報 特許第4466509号公報
エンジンの運転中に、実際にエンジン内に噴射される燃料噴射量を測定することは困難である。そこで、従来より、図8の特性をマップにしておき、このマップによって実際に噴射される燃料噴射量が燃料噴射量指示値通りとなるように制御する。すなわち、このマップを燃料噴射量指示値と燃料圧力で参照すれば、必要なインジェクタ通電時間が求まる。
図8の特性は、燃料圧力が一定であるとすると通電時間を長くしたとき燃料噴射量が増加し、通電時間が一定であるとすると燃料圧力を大きくしたとき燃料噴射量が増加するようになっている。このような特性のマップを使用しているため、従来のコモンレールシステム101は、燃料圧力センサ106を改造して不正なエンジントルクの向上を図られてしまう虞がある。具体的には、燃料圧力センサ106とECM109との間に、抵抗素子、増幅器などを付加することで、実際の燃料圧力よりも低い燃料圧力に相当する信号がECM109に入るようにすることでECM109を誤認識させるのである。
図9に示されるように、改造によってECM109が実際の燃料圧力(実線)よりも低い燃料圧力(一点鎖線)を認識しているとする。ECM109が燃料圧力指示値と認識している燃料圧力に応じて通電時間を求めインジェクタ105を駆動すると、実際の燃料圧力が高くなっているため、実際の燃料噴射量はECM109が認識する燃料噴射量(=燃料噴射量指示値)よりも多くなる。
しかし、このような改造は、排気ガス性能を悪化させると共に、エンジンの寿命を縮めてしまう。例えば、排気ガス性能や寿命の観点から望ましい燃料噴射量の範囲を表す噴射量制約値(破線)があったとすると、ECM109は噴射量制約値の範囲内で制御を行っているつもりでも、実際には噴射量制約値の範囲外で制御が行われていることになる。ECM109による燃料噴射制御は、排気ガス性能や燃費や出力トルク性能はもとより、エンジンの信頼性や騒音等の対環境性能が最適になるように、あらかじめ燃料噴射量のマップを設定して行っているため、実際の燃料噴射量が増加してしまうと、諸性能が悪化し、信頼性も維持できなくなる。
ECM109を改造して燃料噴射量指示値を多くさせたり、インジェクタ105を改造して燃料噴射量指示値に対する実際の燃料噴射量を多くさせたりすることは、容易とは言えないが、燃料圧力センサ106の改造は比較的容易であるため、改造の対象とされやすい。
燃料圧力センサ106の改造に限らず、燃料圧力センサ106の故障によって燃料圧力センサ106の読み値が実際より高いあるいは低いというように不正確になると、燃料噴射量が正しく制御できなくなり、問題である。
この課題に対し、特許文献1の技術は、出力トルクの増加から燃料噴射量の増加を検出することで燃料圧力センサの異常を判定しているが、出力トルクを検出するために、勾配センサあるいは酸素濃度センサといった比較的高価なセンサを搭載する必要があり、車両のコスト上昇を招いてしまう。
特許文献2の技術は、燃料圧力センサに異常判定用の電気回路を付加しているが、このような電気回路の追加とこれに対応するECM側のインターフェースの追加が必要となり、車両のコスト上昇を招くと共に既存の車両への適用が難しい。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、燃料圧力センサの異常が判定できる燃料圧力センサ診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、燃料を調量可能に供給するサプライポンプと、前記サプライポンプから供給された燃料を貯留する燃料レールと、前記燃料レールの燃料をエンジン内に噴射するインジェクタと、前記インジェクタから噴射時にバックリークする燃料を回収する回収ラインと、前記燃料レール内の燃料圧力を検出する燃料圧力センサとを備えたコモンレールシステムに適用される燃料圧力センサ診断装置であって、前記インジェクタから燃料が燃料噴射量指示値どおり噴射されるよう燃料圧力と燃料噴射量指示値に応じて前記インジェクタの駆動量を制御するインジェクタ制御部と、前記燃料圧力センサが検出する燃料圧力が燃料圧力指示値となるように前記サプライポンプを調量制御する調量制御部と、前記回収ラインに設置されて回収される燃料の温度であるバックリーク温度を検出するバックリーク温度センサと、現在の燃料圧力とバックリーク温度との関係が過去の燃料圧力とバックリーク温度との関係から閾値以上乖離しているとき、前記燃料圧力センサの異常と判定する異常判定部とを備えたものである。
燃料噴射量指示値と前記燃料圧力センサが検出する燃料圧力とにより、エンジン運転条件を判定する運転条件判定部と、エンジン運転条件ごとの燃料圧力とバックリーク温度との関係を記憶する実績学習部とを備え、前記異常判定部は、現在のあるエンジン運転条件での燃料圧力とバックリーク温度との関係を前記実績学習部に記憶されている過去の同じエンジン運転条件での燃料圧力とバックリーク温度との関係に照らし合わせて燃料圧力指標の乖離を求めてもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)燃料圧力センサの異常が判定できる。
本発明の一実施形態を示す燃料圧力センサ診断装置の構成図である。 燃料レールの燃料圧力に対するインジェクタのバックリーク温度の特性図である。 インジェクタの噴射開始前の概略断面図である。 インジェクタの噴射中の概略断面図である。 本発明のバックリーク温度センサを設置したコモンレールシステムの構成図である。 本発明の燃料圧力センサ診断装置における学習と異常判定の手順を示すフローチャートである。 コモンレールシステムの構成図である。 燃料圧力をパラメータとしインジェクタの通電時間に対する燃料噴射量を示した特性図である。 燃料圧力センサの改造により燃料噴射量が増加することを説明する通電時間対燃料噴射量特性図である。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示されるように、本発明に係る燃料圧力センサ診断装置1は、図7で説明したコモンレールシステム101に適用される。
燃料圧力センサ診断装置1は、インジェクタ105から燃料が燃料噴射量指示値どおり噴射されるよう燃料圧力と燃料噴射量指示値に応じてインジェクタ105の駆動量を制御するインジェクタ制御部2と、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力が燃料圧力指示値となるようにサプライポンプ103を調量制御する調量制御部3と、回収ライン108に設置されて回収される燃料の温度であるバックリーク温度を検出するバックリーク温度センサ4と、現在の燃料圧力とバックリーク温度との関係が過去の燃料圧力とバックリーク温度との関係から閾値以上乖離しているとき、燃料圧力センサ106の異常と判定する異常判定部5とを備える。
燃料圧力センサ診断装置1は、燃料噴射量指示値と燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力とにより、エンジン運転条件を判定する運転条件判定部6と、エンジン運転条件ごとの燃料圧力とバックリーク温度との関係を記憶する実績学習部7とを備える。異常判定部5は、現在のあるエンジン運転条件での燃料圧力とバックリーク温度との関係を実績学習部7に記憶されている過去の同じエンジン運転条件での燃料圧力とバックリーク温度との関係に照らし合わせて燃料圧力指標の乖離を求めることになる。
インジェクタ制御部2、調量制御部3は、従来より使用されているものである。インジェクタ制御部2の制御は図8の特性を設定したマップに従う。バックリーク温度センサ4は、公知の温度センサでよい。異常判定部5、運転条件判定部6、実績学習部7は、本発明の特徴部分をなすものであり、これらの詳しい動作は後に図6により説明する。
インジェクタ制御部2、調量制御部3、異常判定部5、運転条件判定部6、実績学習部7は、ECM109が実行するソフトウェアで実現される。
ここで、燃料レール104の燃料圧力とインジェクタ105におけるバックリーク温度との関係及びバックリークが生じるインジェクタ105の構造と動作を説明しておく。
図2に示されるように、バックリーク温度(回収ライン108における燃料温度)は燃料圧力に依存する。燃料圧力が低いときには、バックリーク温度は低いが、燃料圧力が高くなると、バックリーク温度は高くなる。これは、燃料圧力が高くなるとバックリークの量が増えるからである。燃料は、燃料レール104において例えば100MPaもの高圧にされて高温となるため、バックリークの量が多いと、それだけ回収ライン108の燃料温度が上昇することになる。
図3に示されるように、インジェクタ105は、先端に噴射口31が形成され後端にバックリーク出口32が形成された筐体33に、噴射口31に接して連通すると共に燃料入口34に連通するニードル室35、ニードル室35の後端側に位置するスプリング室36、スプリング室36の後端側に位置してスプリング室36に先端側が連通するコマンドシリンダ37、コマンドシリンダ37の後端側に位置し、コマンドシリンダ37の後端側に対して排出オリフィス38を介して連通すると共にコマンドシリンダ37の先端側にはスプリング室36を介して連通し、燃料入口34に対して導入オリフィス39を介して連通し、バックリーク出口32に接して連通し、スプリング室36に連通する制御室40、ニードル室35内に移動可能に収納され、先端が噴射口31を開閉するニードルバルブ41、スプリング室36内に収納され、ニードルバルブ41を先端方向に付勢するスプリング42、コマンドシリンダ37内に移動可能に収納され、ニードルバルブ41と一体的に連結されたコマンドピストン43、制御室40内に電磁力によって移動可能に収納され排出オリフィス38を開閉する制御弁44、制御弁44に臨ませて配置されたソレノイド45、制御弁44を先端方向に付勢する制御弁スプリング46を有する。
コマンドシリンダ37は、コマンドピストン43によって、先端側と後端側に分離されており、後端側をコマンド室47と呼ぶ。排出オリフィス38と導入オリフィス39は、コマンド室47に配置されている。コマンドピストン43の受圧面積は、ニードルバルブ41の受圧面積よりも大きい。
図3は、噴射開始前の状態を示している。ソレノイド45に駆動電流が流れていないため、制御弁44が制御弁スプリング46によって先端方向に押されて排出オリフィス38を閉鎖している。燃料入口34に燃料レール104からの高圧の燃料が圧送されるので、コマンド室47には、燃料入口34から導入オリフィス39を介して燃料が導入される。同様に、ニードル室35には、燃料入口34からの燃料が導入される。コマンドピストン43のほうがニードルバルブ41より受圧面積が大きいこと及びスプリング42がニードルバルブ41を先端方向に押していることにより、コマンドピストン43及びニードルバルブ41は最も先端寄りに位置している。このため、ニードルバルブ41が噴射口31を閉鎖している。
図4に示されるように、ソレノイド45に駆動電流が流れると、制御弁44が電磁力により吸引されて後端方向に移動するため、排出オリフィス38が開放される。コマンド室47の高圧の燃料が排出オリフィス38から制御室40に排出される。これにより、コマンド室47の圧力が低下するため、コマンドピストン43及びニードルバルブ41がニードル室35の圧力によって後端方向に移動する。この結果、ニードルバルブ41が噴射口31を開放し、噴射口31から燃料が噴射される。ニードル室35には継続して燃料入口34からの燃料が導入されるので、噴射が継続される。
ソレノイド45の駆動電流を停止すると、制御弁44が先端方向に戻り、排出オリフィス38を閉鎖する。導入オリフィス39を介してコマンド室47に燃料が徐々に導入され、コマンド室47が高圧になると、コマンドピストン43のほうがニードルバルブ41より受圧面積が大きいことにより、コマンドピストン43及びニードルバルブ41は先端方向に戻り始める。ニードルバルブ41が噴射口31を閉鎖すると、噴射は止まる。このようにして図3の状態に戻る。
図4で説明したように、燃料噴射時に排出オリフィス38を介して制御室40に燃料が排出されるため、バックリークが生じる。燃料圧力が高ければバックリークの量が増え、その結果、バックリーク温度が上昇する。
図5に示されるように、本発明では、回収ライン108にバックリーク温度センサ4を設ける。また、図示しないが燃料タンク102に温度センサが内蔵されており、この温度センサが検出する温度をサプライポンプ103の燃料入口温度とする。また、大気温度を参照する場合は、従来よりECM109に大気温度センサが内蔵されているので、これを利用するとよい。
次に、本発明に係る燃料圧力センサ診断装置1の動作を説明する。
燃料圧力センサ診断装置1は、定期的あるいは何かのイベントごとに図6の処理を実行して、燃料圧力とバックリーク温度との関係について演算や学習をするようになっている。これを判定という。工場出荷時には燃料圧力指標のデフォルトが設定されており、ユーザが使用する間に判定が繰り返される。以下では、一回の運転ごと(例えば、キーオンごと)に判定を行うものとし、これの繰り返しのうち2回の判定について、前回運転時の判定と今回運転時の判定として説明する。
図6に示されるように、前回運転時のステップS1にて、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力とバックリーク温度センサ4が検出するバックリーク温度とを入力する。このとき、他の要素も加味してバックリーク温度を補正するとよい。
燃料タンク102の温度センサ(図示せず)によりサプライポンプ103の入口における燃料入口温度を検出する。燃料入口温度が高いと燃料レール104の燃料温度が高くなり、バックリーク温度に影響を与える。また、ECM109に内蔵の大気温度センサにより大気温度を検出する。大気温度が高くなると、燃料タンク102の燃料温度が高く、あるいは燃料タンク102からサプライポンプ103までの配管において大気温度によって燃料温度が上昇するので、大気温度もバックリーク温度に影響を与える。燃料入口温度、大気温度について、補正量を各々マップに設定しておき、これらのマップを参照してバックリーク温度を補正して、インジェクタ105におけるバックリーク温度とする。
ステップS2にて、運転条件判定部6では、エンジン運転条件を判定する。これは、エンジン運転条件が異なると燃料圧力とバックリーク温度との関係が異なるからである。燃料レール104の燃料圧力は、サプライポンプ103からの燃料供給で上昇し、インジェクタ105の燃料噴射で低下する。したがって、インジェクタ105における燃料噴射量(=燃料噴射量指示値)がエンジン運転条件の要素となる。
エンジン運転条件は、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力も要素となる。さらに、いくつかのエンジンパラメータを加味して判定する。エンジン運転条件を判定する要素となるエンジンパラメータとしては、エンジン回転速度、燃料温度、大気温度などがある。これらの要素を用い、同じエンジン運転条件で燃料圧力とバックリーク温度との関係が比較できるよう、複数の離散的なエンジン運転条件をあらかじめ設定しておく。
ステップS3にて、実績学習部7では、エンジン運転条件ごとの燃料圧力とバックリーク温度との関係を記憶する。例えば、エンジン回転速度が1000rpm、燃料噴射量指示値0.01cm3/回転で、燃料圧力が100MPaのとき、バックリーク温度が80℃だったとする。このエンジン運転条件に対応させて燃料圧力とバックリーク温度との関係を記憶することになる。
図6の中段に当該エンジン運転条件について工場出荷時に設定されていたデフォルトラインに対して燃料圧力とバックリーク温度の組が不一致であるので、デフォルトラインに対して横軸に平行移動したラインが演算結果を含むように新しいラインを学習する。
この学習したラインは、あるエンジン運転条件においてどれくらいの燃料圧力であればバックリーク温度がどれくらいとなるかを表している。ただし、工場出荷時のデフォルトラインから大きく異なることはなく、図は誇張して示してある。デフォルトラインは車両の個体差を無視し、代表的な車両による実験データをもとにロットで一律に設定したものであり、出荷後に学習したラインは当該個体の特性に基づくものとなる。エンジン運転条件が変わるごとに、そのエンジン運転条件の学習マップに、学習したラインが記憶されることになる。
今回運転時は、ステップS1、S2、S3と同様の動作を行なう。これにより、現在のエンジン運転条件での燃料圧力とバックリーク温度との関係が得られる。
ステップS4にて、異常判定部5は、現在のエンジン運転条件での燃料圧力とバックリーク温度との関係を実績学習部7に記憶されている過去の同じエンジン運転条件での燃料圧力とバックリーク温度との関係に照らし合わせて両者の乖離を求める。この乖離が閾値以上のとき、燃料圧力センサ106の異常と判定する。
図6の下段に示すように、学習マップには、前回運転時の演算結果で学習した当該エンジン運転条件での学習ラインが記憶されている。この学習ラインに対し、今回運転時の演算結果が大きく乖離していることが分かる。乖離の大きさを定量的に判断するために、前回運転時に学習した学習ラインと今回運転時の演算結果との距離(好ましくは、同じ燃料圧力におけるバックリーク温度間の距離)を乖離と定義し、あらかじめ閾値を設定しておく。
前回運転時と今回運転時とで、同じエンジン運転条件、同じ燃料圧力であれば、バックリーク温度は同じになるはずであるが、図示例のように、前回運転時と今回運転時とで燃料圧力とバックリーク温度との関係の乖離が閾値以上となるのには、原因があると判断できる。
例えば、前回運転時にバックリーク温度が80℃であったのに、同じ運転条件かつ同じ燃料圧力での今回運転時のバックリーク温度が120℃に上昇していたとすると、燃料圧力が高くなっていることが推定できる。なぜなら、図2で説明したように、燃料圧力が高くなると、バックリーク温度が高くなるからである。
このように、バックリーク温度の上昇から燃料圧力が上昇したことが推定できる。これにもかかわらず、燃料圧力センサ106が検出する燃料圧力は前回運転時と同じであるから、燃料圧力センサ106の読み値が実際より低くなる変化が前回運転時と今回運転時の間に生じたと推定できる。よって、燃料圧力センサ106の異常と判定することになる。
異常の判定に対しては、ただちに運転者に警告を行うか、あるいは燃料圧力センサ106に異常が起きたことをECM109に記憶しておき、検査・修理工場での診断時に読み出せるようにしておくとよい。なお、ここで判定される異常は、単純な断線や短絡といった故障ではなく、運転者によって燃料圧力センサ106に改造がなされた場合も含むので、あえて運転者には警告を出さずにECM109に記憶するだけでもよい。いったん燃料圧力センサ106の異常が判定された後は、学習は行わないようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の燃料圧力センサ診断装置1は、回収ライン108においてバックリーク温度を検出し、現在の燃料圧力とバックリーク温度との関係が過去の燃料圧力とバックリーク温度との関係から閾値以上乖離しているとき、燃料圧力センサ106の異常と判定するようにしたので、燃料圧力センサ106を診断することができる。
また、本発明の燃料圧力センサ診断装置1は、特別な部材(高価なセンサや新規な回路)を付加する必要がなく、既存のコモンレールシステム101に対してECM109に搭載するソフトウェアを変更し、安価な燃料温度センサを付加するだけで済むので、車両のコスト上昇を招くことがない。
1 燃料圧力センサ診断装置
2 インジェクタ制御部
3 調量制御部
4 バックリーク温度センサ
5 異常判定部
6 運転条件判定部
7 実績学習部

Claims (2)

  1. 燃料を調量可能に供給するサプライポンプと、
    前記サプライポンプから供給された燃料を貯留する燃料レールと、
    前記燃料レールの燃料をエンジン内に噴射するインジェクタと、
    前記インジェクタから噴射時にバックリークする燃料を回収する回収ラインと、
    前記燃料レール内の燃料圧力を検出する燃料圧力センサとを備えたコモンレールシステムに適用される燃料圧力センサ診断装置であって、
    前記インジェクタから燃料が燃料噴射量指示値どおり噴射されるよう燃料圧力と燃料噴射量指示値に応じて前記インジェクタの駆動量を制御するインジェクタ制御部と、
    前記燃料圧力センサが検出する燃料圧力が燃料圧力指示値となるように前記サプライポンプを調量制御する調量制御部と、
    前記回収ラインに設置されて回収される燃料の温度であるバックリーク温度を検出するバックリーク温度センサと、
    現在の燃料圧力とバックリーク温度との関係が過去の燃料圧力とバックリーク温度との関係から閾値以上乖離しているとき、前記燃料圧力センサの異常と判定する異常判定部とを備えたことを特徴とする燃料圧力センサ診断装置。
  2. 燃料噴射量指示値と前記燃料圧力センサが検出する燃料圧力とにより、エンジン運転条件を判定する運転条件判定部と、
    エンジン運転条件ごとの燃料圧力とバックリーク温度との関係を記憶する実績学習部とを備え、
    前記異常判定部は、現在のあるエンジン運転条件での燃料圧力とバックリーク温度との関係を前記実績学習部に記憶されている過去の同じエンジン運転条件での燃料圧力とバックリーク温度との関係に照らし合わせて燃料圧力指標の乖離を求めることを特徴とする請求項1記載の燃料圧力センサ診断装置。
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