JP3704887B2 - 内燃機関の故障診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
吐出量可変の燃料供給ポンプから吐出された加圧燃料をコモンレール内に供給し、コモンレール内に供給された加圧燃料を各気筒の燃料噴射弁に分配供給し、コモンレール内の燃料圧を燃料圧センサにより検出してコモンレール内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料供給ポンプの吐出量を制御するようにした内燃機関において、燃料圧センサの出力電圧が通常ではとり得ない極度に低い電圧或いは極度に高い電圧となったときには燃料圧センサが故障したと判断し、コモンレール内の燃料圧をオープンループ制御するようにした内燃機関が公知である(特開平4−272445号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら燃料圧センサの故障の中には燃料圧センサの出力電圧が単に正規の出力電圧からずれるだけであって通常とり得る電圧の範囲内にある故障もあり、このような故障を生じた場合には上記内燃機関におけるような簡単な方法では燃料圧センサの故障を見付け出すことはできない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで1番目の発明では、吐出量可変の燃料供給ポンプから吐出された加圧燃料をコモンレール内に供給し、コモンレール内に供給された加圧燃料を各気筒の燃料噴射弁に分配供給し、コモンレール内の燃料圧を燃料圧センサにより検出してコモンレール内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料供給ポンプの吐出量を制御するようにした内燃機関において、質量流量検出器により検出された吸入空気の質量流量と空燃比センサにより検出された空燃比から各燃料噴射弁より実際に噴射された実噴射量を検出する実噴射量検出手段と、各燃料噴射弁から噴射すべき燃料量の指令値と実噴射量検出手段により検出された実噴射量との差、燃料圧センサにより検出された燃料圧変化、および機関回転数の変動量に基づいて燃料が実際に漏洩しているか或いは燃料圧センサが故障しているか否かを判断する判断手段とを具備し、この判断手段は、実噴射量が噴射すべき燃料量の指令値よりも予め定められた噴射量以上多くかつ機関回転数の変動量が予め定められた変動量よりも小さいときには燃料圧センサが故障していると判断し、実噴射量が噴射すべき燃料量の指令値よりも予め定められた噴射量以上多くかつ機関回転数の変動量が予め定められた変動量よりも大きいときには燃料が燃料噴射弁から燃焼室内に漏洩していると判断する。
また、2番目の発明では1番目の発明において、判断手段は、燃料圧センサにより検出された燃料噴射前後における燃料圧変化と、燃料噴射量に基づき算出された燃料噴射による燃料圧変化の予測値とに基づいて燃料がコモンレールから又は燃料供給ポンプよりコモンレールを経て燃料噴射弁に至る配管から漏洩しているか否かを判断し、実噴射量が噴射すべき燃料量の指令値よりも予め定められた燃料量以上少なくかつ燃料がコモンレール又は配管から漏洩していないと判断されたときには燃料圧センサが故障していると判断し、実噴射量が噴射すべき燃料量の指令値とほぼ同じか又は指令値よりも少なくかつ燃料がコモンレール又は配管から漏洩していると判断されたときには燃料が実際にコモンレール又は配管から漏洩していると判断する。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、1はディーゼル機関本体、2は各気筒の燃焼室、3は各燃焼室2内に向けて燃料を噴射するための電気制御式燃料噴射弁を夫々示す。各燃焼室2は対応する吸気枝管4を介して共通のサージタンク5に接続され、サージタンクは吸気ダクト6を介してエアクリーナ7に連結される。吸気ダクト6内には質量流量検出器8が配置される。また、各燃焼室2は共通の排気マニホルド9に連結され、排気マニホルド9の集合部には空燃比センサ10が配置される。
【0011】
各燃料噴射弁3は対応する燃料供給管11を介して共通の燃料リザーバ、いわゆるコモンレール12に連結される。燃料タンク13内の燃料は低圧ポンプ14により吐出量可変の燃料供給ポンプ、即ち電気制御式高圧ポンプ15に供給され、高圧ポンプ15から吐出された加圧燃料がコモンレール12内に供給される。コモンレール12内の加圧燃料は燃料供給管11を介して各燃料噴射弁3に分配供給され、各燃料噴射弁3から対応する燃焼室2内に噴射される。コモンレール12の一端部には燃料圧センサ16が取付けられる。
【0012】
電子制御ユニット20はディジタルコンピュータからなり、双方向性バス21を介して相互に接続されたROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ランダムアクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセッサ)24、入力ポート25および出力ポート26を具備する。質量流量検出器8は各気筒に供給される吸入空気の質量流量に比例した出力電圧を発生し、この出力電圧が対応するAD変換器27を介して入力ポート25に入力される。燃料圧センサ16はコモンレール12内の燃料圧に比例した出力電圧を発生し、この出力電圧が対応するAD変換器27を介して入力ポート25に入力される。
【0013】
また、空燃比センサ10の出力信号が対応するAD変換器27を介して入力ポート25に入力される。アクセルペダル30にはアクセルペダル30の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ31が接続され、負荷センサ31の出力電圧は対応するAD変換器27を介して入力ポート25に入力される、クランク角センサ32はクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスは入力ポート25に入力される。この出力パルスから各気筒のクランク角および機関回転数が算出される。一方、出力ポート26は対応する駆動回路28を介して高圧ポンプ15および各燃料噴射弁3に接続される。
【0014】
燃料噴射量Qは機関回転数Nおよびアクセルペダル30の踏込み量から定まり、これらの関係が図2に示されている。なお、図2において各実線はアクセルペダル30の同一踏込み量(最大踏込み量に対するパーセンテージで示されている)を表わしている。
コモンレール12内の目標燃料圧Pcは機関回転数Nおよび燃料噴射量Qから定まり、これらの関係が図3に示されている。図1に示される実施例では燃料圧センサ16により検出されたコモンレール12内の燃料圧が図3に示される目標燃料圧Pcとなるように高圧ポンプ15の吐出量が制御される。
【0015】
各燃料噴射弁3から噴射すべき燃料量Qの指令値は出力ポート26に出力され、出力ポート26に出力された噴射量Qの指令値に基づいて各燃料噴射弁3から燃料が噴射される。燃料噴射弁3および燃料圧センサ16が正常に作動しておりかつコモンレール12から燃料が漏洩していない限り、噴射量Qの指令値に基づいて各燃料噴射弁3から燃料噴射を行うと各燃料噴射弁3から噴射される燃料量Qは図2に示される燃料量となる。なお、この燃料量Qの指令値は実際には噴射時間で与えられており、この噴射時間TPは図4に示されるように噴射量Qおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM22内に記憶されている。しかしながら発明を理解しやすくするために本願明細書では、噴射量Qの指令値というときは図2に示される噴射量を表わしているものとする。
【0016】
ところで燃料圧センサ16の出力信号が異常となるか、或いはコモンレール12から燃料が漏洩すると実際の噴射量が噴射量Qの指令値と異なってしまい、意図した燃焼が得られるなく。従って燃料圧センサ16の出力信号が異常になったか否か、或いはコモンレール12から燃料が漏洩しているか否かをできるだけ早く検出する必要がある。ところが燃料圧センサ16の出力信号が異常になっても、コモンレール12から燃料が漏洩しても燃料噴射量に同様な変化が表われ、これらを簡単に区別することはできない。そこで本発明による実施例では噴射量Qの指令値と実噴射量との差、およびコモンレール12からの燃料漏れの判定、および機関回転数の変動から燃料圧センサ16の出力信号が異常になっているか否か、或いはコモンレール12から燃料が漏洩しているか否かを判断するようにしている。
【0017】
下に示す表1は故障形態をNo. 1からNo. 4の4つの形態に分類し、各故障形態における燃料噴射量の変化、燃料漏れの判定および機関回転数の変動を示している。
【0018】
【表1】
Figure 0003704887
【0019】
次にこの表1に従って各故障形態から順次説明する。
まず始めに故障形態No. 1およびNo. 2について説明する。図5(A)の実線Xは燃料圧センサ16が正常に作動しているときの燃料圧センサ16の出力電圧Vとコモンレール12内の燃料圧Pcとの関係を示している。これに対して図5(B)はゲインが変化することによって出力電圧Vが正常値Xからずれた場合(YおよびZ)を示しており、図5(C)は零点がドリフトすることによって出力電圧Vが正常値Xからずれた場合(YおよびZ)を示している。
【0020】
図5(B)および図5(C)のYで示される場合には同一の燃料圧Pcに対して出力電圧Vが正常値Xよりもくなっており、この場合が表1の故障形態No. 1である。一方、図5(B)および図5(C)のZで示される場合には同一の燃料圧Pcに対して出力電圧Vが正常値Xよりも高くなっており、この場合が表1の故障形態No. 2である。即ち、表1の故障形態No. 1およびNo. 2は燃料圧センサ16が故障した場合を示している。
【0021】
一方、表1の故障形態No. 3およびNo. 4はコモンレール12からの燃料漏れが発生している場合を示している。即ち、故障形態No. 3はコモンレール12から、或いはコモンレール12と高圧ポンプ15間の配管等から外部に燃料が漏洩している場合を示している。これに対して故障形態No. 4は燃料噴射弁3から燃焼室2内に燃料が漏洩している場合を示している。例えばいずれかの燃料噴射弁3が開弁し放しとなって燃料が噴射され放しになるような場合である。
【0022】
次に表1の燃料噴射量の欄について説明する。この欄では噴射量Qの指令値と実噴射量とが比較される。そこでまず初めに実噴射量の算出方法について説明する。図6は空燃比センサ10の出力電流Iと空燃比A/Fとの関係を示している。図6に示されるように空燃比センサ10の出力電流Iは空燃比A/Fに応じて変化し、従って空燃比センサ10の出力電流Iから空燃比A/Fを検出することができる。一方、各気筒内に供給される吸入空気の質量流量は質量流量検出器8により検出されており、この質量流量検出器8により検出された吸入空気の質量流量と空燃比センサ10により検出された空燃比A/Fから実噴射量が算出される。
【0023】
故障形態No. 1では燃料圧センサ16の出力電圧Vが正常値よりも低くなっている。このときこの低い出力電圧Vに基いてコモンレール12内の燃料圧が図3に示される目標燃料圧Pcに制御されるのでコモンレール12内の燃料圧は目標燃料圧Pcよりも高くなる。その結果、燃料噴射量が正規の噴射量よりも多くなるために実噴射量が噴射量Qの指令値よりも大きくなる。
【0024】
一方、故障形態No. 2では燃料圧センサ16の出力電圧Vが正常値よりも高くなっている。このときこの高い出力電圧Vに基いてコモンレール12内の燃料圧が図3に示される目標燃料圧Pcに制御されるのでコモンレール12内の燃料圧は目標燃料圧Pcよりも低くなる。その結果、燃料噴射量が正規の噴射量よりも少なくなるために実噴射量が噴射量Qの指令値よりも小さくなる。
【0025】
故障形態No. 3は例えばコモンレール12から燃料が外部に漏洩している場合である。コモンレール12から燃料が漏洩すると燃料圧センサ16の出力信号に基づいてコモンレール12内の燃料圧が目標燃料圧となるように高圧ポンプ15から燃料が補給される。従って高圧ポンプ15から燃料が補給されるまでの間はコモンレール12内の燃料圧は目標燃料圧Pcよりも若干低くなっており、従って故障形態No. 3では実噴射量が噴射量Qの指令値とほぼ同じか、噴射量Qの指令値よりも少しばかり小さくなっている。
【0026】
故障形態No. 4では例えばいずれかの気筒の燃料噴射弁3から燃料が吹き放しになる。従ってこのときには実噴射量が噴射量Qの指令値よりも大きくなる。
次に表1の漏れ判定の欄について説明する。図7(A)はコモンレール12から燃料が漏洩していないときのコモンレール12内の燃料圧Pcの変化を示している。図7(A)に示されるように噴射が行われるとコモンレール12内の燃料圧PcがΔPだけ低下し、次いで暫らくすると低下した燃料分だけ燃料が高圧ポンプ15からコモンレール12内に供給される。
【0027】
上述したように噴射が行われるとコモンレール12内の燃料圧PcがΔPだけ低下する。この低下量ΔPは次式に基づいて噴射量Qから予測することもできる。
ΔP=(ΔV/V)・K
上式は体積変化ΔVと圧力変化ΔPとの関係を示す一般式であってVは全体の体積を示し、Kは体積弾性率を示している。上式をコモンレール12内の圧力変化に適用するとVはコモンレール12の容積、ΔVは噴射量Q、ΔPは噴射による燃料圧低下量の予測値を表わすことになる。なお、図7(B)に示されるように体積弾性率Kはコモンレール12内の燃料圧Pcが高くなるにつれて大きくなる。本発明による実施例では図7(A)において噴射前のa点における燃料圧を燃料圧センサ16により検出すると共に噴射後におけるb点における燃料圧を燃料圧センサ16により検出し、これらの燃料圧の差を低下量の実測値ΔPとしている。コモンレール12からの燃料漏れがない場合には実測値ΔPと予測値ΔPとはほぼ等しくなり、これに対して燃料漏れが発生すると実測値ΔPが予測値ΔPよりも大きくなる。このことを利用してコモンレール12からの燃料漏れの判定を行っている。
【0028】
図8(A),(B),(C)において破線は燃料圧センサ16が正常でありかつコモンレール12からの燃料漏れがないときの噴射前後におけるコモンレール12内の燃料圧の変化を示している。
一方、図8(A)において実線は故障形態No. 1のときの噴射前後におけるコモンレール12内の燃料圧の変化を示している。故障形態No. 1のときには前述したようにコモンレール12内の燃料圧が目標燃料圧よりも高くなっている。コモンレール12内の燃料圧が高くなっていると体積弾性率Kが大きくなり、斯くしてこのとき実線で示される燃料圧低下量の実測値ΔPは破線で示される燃料圧低下量とほぼ等しい予測値ΔPよりも大きくなる。従ってこの場合にはコモンレール12からの燃料漏れが生じていないにもかかわらずに燃料漏れが生じていると判断される。
【0029】
一方、図8(B)において実線は故障形態No. 2のときの噴射前後におけるコモンレール12内の燃料圧の変化を示している。故障形態No. 2のときには前述したようにコモンレール12内の燃料圧が目標燃料圧よりも低くなる。コモンレール12内の燃料圧が低くなると体積弾性率Kが小さくなり、斯くしてこのとき実線で示される燃料圧低下量の実測値ΔPは破線で示される燃料圧低下量とほぼ等しい予測値ΔPよりも小さくなる。従ってこの場合にはコモンレール12からの燃料漏れが生じていないと判断される。
【0030】
一方、図8(C)の実線は故障形態No. 3およびNo. 4のときの噴射前後におけるコモンレール12内の燃料圧変化を示している。燃料漏れを生じているときにはコモンレール12内の燃料圧は燃料が補給されるまで低下し続け、斯くしてこのとき実線で示される燃料圧低下量の実測値ΔPは破線で示される燃料圧低下量とほぼ等しい予測値ΔPよりも大きくなる。従ってこの場合にはコモンレール12からの燃料漏れが生じていると判断される。
【0031】
次に表1の回転変動の欄について説明する。本発明による実施例ではクランク角センサ32の出力信号に基づいて各気筒の爆発上死点から爆発下死点までの180クランク角度の経過時間が算出され、爆発行程が連続する二つの気筒間における経過時間差から回転数変動量が求められる。図9には経過時間の変化の二つのパターンAおよびBが示されている。なお、図9において#1,#2,#3,#4は夫々1番気筒、2番気筒、3番気筒、4番気筒を示している。
【0032】
故障形態No. 1のように実噴射量が噴射量Qの指令値より多い場合であっても、故障形態No. 2のように実噴射量が噴射量Qの指令値より少ない場合であっても各燃料噴射弁3から噴射される燃料量にはほとんどばらつきがない。また、コモンレール12から燃料が漏洩している場合であっても故障形態No. 3のように外部に燃料が漏洩している場合には各燃料噴射弁3から噴射される燃料量にはほとんどばらつきがない。従って故障形態No. 1からNo. 3の場合には爆発行程の経過時間が図9のAのように変化し、機関回転数の変動量は極めて小さくなる。
【0033】
これに対して故障形態No. 4のようにいずれか一つの燃料噴射弁3から燃料が吹き放しになった場合には燃料が吹き放しになっている気筒の爆発行程の経過時間のみが他の気筒の経過時間に比べて短かくなる。図9のBは3番気筒#3の燃料噴射弁3から燃料が吹き放しになった場合を示している。この場合には爆発行程が連続する気筒間、例えば1番気筒#1と3番気筒#3間の経過時間の差が大きくなり、斯くして機関回転数の変動量が大きくなる。
【0034】
表1において故障形態No. 1とNo. 4ではいずれも実噴射量が噴射量Qの指令値よりも多くなるが故障形態No. 1では回転変動が正常な小さな範囲にあるのに対して故障形態No. 4では回転変動が大きくなる。即ち、故障形態No. 1とNo. を比較するに当って回転変動の大きさが実際にコモンレール12から燃料が漏洩しているか否かの判断の基準となっている。即ち、実噴射量が噴射量Qの指令値よりも多い場合において回転変動が小さければ実際に燃料が漏洩していないと判断され、従ってこの場合には燃料圧センサ16が故障していると判断される。これに対し実噴射量が噴射量Qの指令値よりも多い場合において回転変動が大きければ実際に燃料が漏洩していると判断され、従ってこの場合には燃料噴射弁3から燃焼室2内に燃料が漏洩していると判断される。
【0035】
一方、実噴射量が噴射量Qの指令値よりも少ない場合には故障形態がNo. 2かNo. 3のいずれかの故障が発生していることになる。この場合、コモンレール12から燃料が漏洩していないと判断されたときには燃料圧センサ16が故障していると判断され、コモンレール12から燃料が漏洩しているときにはコモンレール12から燃料が外部に漏洩していると判断される。また、実噴射量と噴射量Qの指令値とがほぼ等しくても燃料漏れがあると判断された場合にはコモンレール12から燃料が外部に漏洩していると判断される。
【0036】
図10に異常判定ルーチンを示す。図10を参照するとまず初めにステップ40において実噴射量Qrが算出される。次いでステップ41では実噴射量Qrが噴射量Qの指令値に一定値αを加算した値(Q+α)よりも大きいか否かが判別される。Q+α<Qrのときにはステップ42に進んでQ+α<Qrであることを示すフラグQ1がセットされる。一方、Q+α≧Qrのときにはステップ43に進んで実噴射量Qrが噴射量Qの指令値から一定値αを減算した値(Q−α)よりも小さいか否かが判別される。Q−α>Qrのときにはステップ44に進んでQ−α>Qrであることを示すフラグQ2がセットされる。これに対してQ−α≦Qrのときにはステップ45に進んでフラグQ1,Q2がリセットされる。
【0037】
ステップ46では燃料圧センサ16の出力信号に基づいてコモンレール12内の燃料圧低下量の実測値ΔPが算出される。次いでステップ47では噴射量Qおよび体積弾性率Kを用いてコモンレール12内の燃料圧低下量の予測値Pd(=予測値ΔP)が算出される。次いでステップ48では実測値ΔPが予測値Pdに一定値βを加算した値(Pd+β)よりも大きいか否かが判別される。ΔP>Pd+βのときにはステップ49に進んで燃料が漏洩していることを示すフラグLがセットされる。これに対してΔP≦Pd+βのときにはステップ50に進んでフラグLがリセットされる。
【0038】
ステップ51では爆発行程が連続する二つの気筒間の爆発行程の経過時間差の平均値である回転数変動値Fが算出される。次いでステップ52では回転数変動値Fが設定値F0 よりも大きいか否かが判別される。F>F0 のときにはステップ53に進んで回転変動が大きいことを示すフラグFがセットされる。これに対してF≦F0 のときにはステップ54に進んでフラグFがリセットされる。
【0039】
図11に故障判定ルーチンを示す。図11を参照するとステップ60においてフラグQ1がセットされているか否かが判別される。フラグQ1がセットされているときにはステップ61に進んでフラグFがセットされているか否かが判別される。フラグFがセットされていないときにはステップ62に進んで燃料圧センサ16が故障していると判断される。これに対してフラグFがセットされているときにはステップ63に進んでコモンレール12内から燃焼室2内に燃料が漏洩していると判断される。
【0040】
一方、ステップ60においてフラグQ1がセットされていないと判断されたときにはステップ64に進んでフラグQ2がセットされているか否かが判別される。フラグQ2がセットされているときにはステップ65に進んでフラグLがセットされているか否かが判別される。フラグLがセットされていないときにはステップ66に進んで燃料圧センサ16が故障していると判断される。これに対してフラグLがセットされているときにはステップ67に進んでコモンレール12内から外部に燃料が漏洩していると判断される。
【0041】
一方、ステップ64においてフラグQ2がセットされていないと判別されたときにはステップ68に進んでフラグLがセットされているか否かが判別される。フラグLがセットされているときにはステップ67に進んでコモンレール12内から外部に燃料が漏洩していると判断される。
【0042】
【発明の効果】
燃料圧センサが故障したことを確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディーゼル機関の全体図である。
【図2】燃料・噴射量Qを示す図である。
【図3】コモンレール内の目標燃料圧を示す図である。
【図4】噴射時間TPのマップを示す図である。
【図5】燃料圧センサの出力電圧を示す図である。
【図6】空燃比センサの出力を示す図である。
【図7】コモンレール内の燃料圧変化を示す図である。
【図8】コモンレール内の燃料圧変化を示す図である。
【図9】各気筒の爆発行程の経過時間を示す図である。
【図10】異常判定を行うためのフローチャートである。
【図11】故障判定を行うためのフローチャートである。
【符号の説明】
2…燃焼室
3…燃料噴射弁
12…コモンレール
16…燃料圧センサ

Claims (2)

  1. 吐出量可変の燃料供給ポンプから吐出された加圧燃料をコモンレール内に供給し、コモンレール内に供給された加圧燃料を各気筒の燃料噴射弁に分配供給し、コモンレール内の燃料圧を燃料圧センサにより検出してコモンレール内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料供給ポンプの吐出量を制御するようにした内燃機関において、質量流量検出器により検出された吸入空気の質量流量と空燃比センサにより検出された空燃比から各燃料噴射弁より実際に噴射された実噴射量を検出する実噴射量検出手段と、各燃料噴射弁から噴射すべき燃料量の指令値と実噴射量検出手段により検出された実噴射量との差、上記燃料圧センサにより検出された燃料圧変化、および機関回転数の変動量に基づいて燃料が実際に漏洩しているか或いは燃料圧センサが故障しているか否かを判断する判断手段とを具備し、該判断手段は、上記実噴射量が噴射すべき燃料量の指令値よりも予め定められた噴射量以上多くかつ機関回転数の変動量が予め定められた変動量よりも小さいときには燃料圧センサが故障していると判断し、上記実噴射量が噴射すべき燃料量の指令値よりも予め定められた噴射量以上多くかつ機関回転数の変動量が予め定められた変動量よりも大きいときには燃料が燃料噴射弁から燃焼室内に漏洩していると判断する内燃機関の故障診断装置。
  2. 上記判断手段は、燃料圧センサにより検出された燃料噴射前後における燃料圧変化と、燃料噴射量に基づき算出された燃料噴射による燃料圧変化の予測値とに基づいて燃料がコモンレールから又は上記燃料供給ポンプよりコモンレールを経て燃料噴射弁に至る配管から漏洩しているか否かを判断し、上記実噴射量が噴射すべき燃料量の指令値よりも予め定められた燃料量以上少なくかつ燃料がコモンレール又は上記配管から漏洩していないと判断されたときには燃料圧センサが故障していると判断し、上記実噴射量が噴射すべき燃料量の指令値とほぼ同じか又は該指令値よりも少なくかつ燃料がコモンレール又は上記配管から漏洩していると判断されたときには燃料が実際にコモンレール又は上記配管から漏洩していると判断する請求項1に記載の内燃機関の故障診断装置。
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