JP5306109B2 - 圧力センサの異常診断装置及び異常診断方法並びに蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

圧力センサの異常診断装置及び異常診断方法並びに蓄圧式燃料噴射装置 Download PDF

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本発明は、蓄圧式燃料噴射装置の低圧系に備えられた圧力センサの異常を検出する圧力センサの異常診断装置及び異常診断方法並びに蓄圧式燃料噴射装置に関するものである。特に、燃料タンク内の燃料を高圧ポンプに圧送する低圧ポンプとして、圧力センサのセンサ値に基づいてフィードバック制御される電動低圧ポンプを備えた蓄圧式燃料噴射装置における圧力センサの異常診断装置及び異常診断方法、並びにそのような異常診断装置を備えた蓄圧式燃料噴射装置に関するものである。
従来、ディーゼルエンジンをはじめとする内燃機関の気筒内に燃料を噴射する装置として、複数の燃料噴射弁が接続された蓄圧器(コモンレール)を備えた蓄圧式燃料噴射装置が用いられている。蓄圧式燃料噴射装置では、燃料タンク内の燃料が低圧ポンプによって高圧ポンプに圧送され、高圧ポンプにおいて燃料が加圧される。加圧された高圧燃料はコモンレールに圧送されるとともに各燃料噴射弁に供給され、この状態で燃料噴射弁の開弁時期や開弁時間が制御されることで、内燃機関への様々な燃料噴射パターンが実現可能となっている。
このような蓄圧式燃料噴射装置において、低圧ポンプから高圧ポンプの加圧室に燃料を導く低圧燃料供給通路や、高圧ポンプ、コモンレール及び燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を燃料タンクや低圧燃料供給通路に戻すためのリターン通路等の燃料低圧系に圧力センサが備えられる場合がある。この圧力センサによって検出される圧力値は、低圧ポンプの制御や燃料噴射弁の制御等に利用されるため、圧力センサに異常が生じた場合には、この異常を確実に、かつ、早期に検出する必要がある。
ここで、蓄圧式燃料噴射装置に備えられた圧力センサの異常を検出する方法として、内燃機関が停止してから所定期間経過後には蓄圧式燃料噴射装置内の圧力が大気圧相当程度まで低下することを利用して実行される方法が開示されている。(特許文献1や特許文献2参照)。
特開2003−222045号公報(全文、全図) 特開2006−329033号公報(全文、全図)
ここで、圧力センサの異常は、図9の破線Bに示すように、検出値が実際の圧力値に対してオフセットして現れる異常(以下「オフセットドリフト異常」と称する。)の他に、図9の破線Cに示すように、実際の圧力値が大きくなるにつれて実際の圧力値と検出値との差が大きくなる異常(以下「傾きドリフト異常」と称する。)がある。
特許文献1や特許文献2に記載の方法では、レール圧が大気圧相当にまで低下した領域でのみ圧力センサの異常診断が行われる。そのため、特許文献1や特許文献2に記載の方法では、オフセットドリフト異常については容易に検出することができるものの、傾きドリフト異常についてはその異常の検出が困難であるという問題がある。
また、特許文献1や特許文献2に記載の方法では、レール圧が大気圧相当にまで低下しなければ圧力センサの異常診断が行われない。そのため、特許文献1や特許文献2に記載の方法では、蓄圧式燃料噴射装置の制御系が完全にオフにされた場合にしか異常診断が行われず、異常診断の実行頻度が限られる。そのため、圧力センサに異常が生じているとしても、蓄圧式燃料噴射装置の制御系が完全にオフにされるまではその異常を検出することができないという問題もある。
そこで、本発明の発明者は鋭意努力し、電動低圧ポンプに所定の診断用電圧を印加したときの、燃料タンクに戻されるリターン燃料の還流流量から推定されるリターン通路又は低圧燃料供給通路内の圧力の推定値と、圧力センサにより検出される圧力の検出値とを比較して圧力センサの異常の有無を判定することによりそのような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は、燃料低圧系に備えられた圧力センサの異常を確実に、かつ、早期に検出することができる圧力センサの異常診断装置及び異常診断方法並びに蓄圧式燃料噴射装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、燃料の吐出流量が制御可能であり燃料タンク内の燃料を圧送する電動低圧ポンプと、燃料を加圧するとともに複数の燃料噴射弁が接続されたコモンレールに燃料を圧送する高圧ポンプと、燃料を電動低圧ポンプから高圧ポンプの加圧室に導く低圧燃料供給通路と、高圧ポンプ、コモンレール及び燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を燃料タンク又は低圧燃料供給通路に戻すためのリターン通路と、を備えた内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置における、低圧燃料供給通路又はリターン通路に備えられた圧力センサの異常を検出するための圧力センサの異常診断装置において、電動低圧ポンプに所定の診断用電圧を印加する印加電圧制御部と、燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射流量を検出する噴射流量検出部と、電動低圧ポンプに診断用電圧が印加された状態での吐出流量及び噴射流量に基づき、燃料タンクに戻される燃料の還流流量を算出する還流流量演算部と、算出された還流流量をもとに推定される、低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力の推定値を、圧力センサによって検出される低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力の検出値と比較することにより、圧力センサの異常の有無を判定する異常判定部と、を備えることを特徴とする圧力センサの異常診断装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
より具体的には、燃料の吐出流量が印加される電圧に応じて制御可能であり燃料タンク内の燃料を圧送する電動低圧ポンプと、燃料を加圧するとともに複数の燃料噴射弁が接続されたコモンレールに燃料を圧送する高圧ポンプと、燃料を電動低圧ポンプから高圧ポンプの加圧室に導く低圧燃料供給通路と、高圧ポンプ、コモンレール及び燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を燃料タンク又は低圧燃料供給通路に戻すためのリターン通路と、を備えた内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置における、低圧燃料供給通路又はリターン通路に備えられた圧力センサの異常を検出するための圧力センサの異常診断装置において、電動低圧ポンプに所定の診断用電圧を印加する印加電圧制御部と、燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射流量を検出する噴射流量検出部と、電動低圧ポンプに診断用電圧が印加された状態での吐出流量及び噴射流量に基づき、燃料タンクに戻される燃料の還流流量を算出する還流流量演算部と、算出された還流流量をもとに推定される、低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力の推定値を、圧力センサによって検出される低圧燃料供給通路又はリターン通路内の圧力の検出値と比較することにより、圧力センサの異常の有無を判定する異常判定部と、を備えることを特徴とする圧力センサの異常診断装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明の圧力センサの異常診断装置を構成するにあたり、リターン燃料がすべて燃料タンクに戻される場合に、還流流量演算部は、吐出流量から噴射流量を減算することにより還流流量を算出することが好ましい。
また、本発明の圧力センサの異常診断装置を構成するにあたり、リターン燃料の一部が低圧燃料供給通路に戻される場合に、還流流量演算部は、低圧燃料供給通路に戻される燃料の流量を算出するとともに、吐出流量から噴射流量及び低圧燃料供給通路に戻される燃料の流量を減算することにより還流流量を算出することが好ましい。
また、本発明の圧力センサの異常診断装置を構成するにあたり、圧力センサが燃料タンクに連通するリターン通路に備えられている場合には、異常判定部は、還流流量をもとに推定される燃料タンクに連通するリターン通路内の圧力の推定値を算出し、圧力の推定値と圧力の検出値との比較を行うことが好ましい。
また、本発明の圧力センサの異常診断装置を構成するにあたり、低圧燃料供給通路には、低圧燃料供給通路内の圧力と燃料タンクに連通するリターン通路内の圧力との差が所定の調圧値を上回ったときに開弁する圧力調整弁が備えられており、圧力センサが低圧燃料供給通路又は低圧燃料供給通路に連通するリターン通路に備えられている場合に、異常判定部は、還流流量をもとに推定される燃料タンクに連通するリターン通路内の圧力に調圧値を加算して圧力の推定値を算出し、圧力の推定値と圧力の検出値との比較を行うことが好ましい。
また、本発明の圧力センサの異常診断装置を構成するにあたり、異常判定部は、還流流量が異なる状態での圧力の推定値及び圧力の検出値を複数求め、それぞれの圧力の推定値及び圧力の検出値の差分が予め規定された閾値以上であるときに圧力センサのオフセットドリフト異常を検出することが好ましい。
また、本発明の圧力センサの異常診断装置を構成するにあたり、異常判定部は、それぞれ異なる還流流量で検出された複数の圧力の検出値をもとに還流流量に対する圧力の検出値の傾きを求め、還流流量に対する圧力の検出値の傾きが予め規定された所定範囲外にあるときに圧力センサの傾きドリフト異常を検出することが好ましい。
また、本発明の圧力センサの異常診断装置を構成するにあたり、還流流量演算部は、診断用電圧及び低圧燃料供給通路内の圧力に応じて求められる吐出流量を用いて還流流量を算出することが好ましい。
また、本発明の別の態様は、燃料の吐出流量が制御可能であり燃料タンク内の燃料を圧送する電動低圧ポンプと、燃料を加圧するとともに複数の燃料噴射弁が接続されたコモンレールに燃料を圧送する高圧ポンプと、燃料を電動低圧ポンプから高圧ポンプの加圧室に導く低圧燃料供給通路と、高圧ポンプ、コモンレール及び燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を燃料タンク又は低圧燃料供給通路に戻すためのリターン通路と、を備えた内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置における、低圧燃料供給通路又はリターン通路に備えられた圧力センサの異常を検出するための圧力センサの異常診断方法において、電動低圧ポンプに所定の診断用電圧を印加し、診断用電圧が印加された状態での燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射流量と電動低圧ポンプの吐出流量とを用いて燃料タンクに還流するリターン燃料の還流流量を算出するとともに、還流流量をもとにリターン通路又は低圧燃料供給通路内の圧力の推定値を求め、圧力の推定値を圧力センサにより検出されるリターン通路又は低圧燃料供給通路内の圧力の検出値と比較することにより、圧力センサの異常の有無を判定することを特徴とする圧力センサの異常診断方法である。
より具体的には、燃料の吐出流量が印加される電圧に応じて制御可能であり燃料タンク内の燃料を圧送する電動低圧ポンプと、燃料を加圧するとともに複数の燃料噴射弁が接続されたコモンレールに燃料を圧送する高圧ポンプと、燃料を電動低圧ポンプから高圧ポンプの加圧室に導く低圧燃料供給通路と、高圧ポンプ、コモンレール及び燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を燃料タンク又は低圧燃料供給通路に戻すためのリターン通路と、を備えた内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置における、低圧燃料供給通路又はリターン通路に備えられた圧力センサの異常を検出するための圧力センサの異常診断方法において、電動低圧ポンプに所定の診断用電圧を印加し、診断用電圧が印加された状態での燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射流量と電動低圧ポンプの吐出流量とを用いて燃料タンクに還流するリターン燃料の還流流量を算出するとともに、還流流量をもとにリターン通路又は低圧燃料供給通路内の圧力の推定値を求め、圧力の推定値を圧力センサにより検出されるリターン通路又は低圧燃料供給通路内の圧力の検出値と比較することにより、圧力センサの異常の有無を判定することを特徴とする圧力センサの異常診断方法である。
また、本発明のさらに別の態様は、燃料の吐出流量が制御可能であり燃料タンク内の燃料を圧送する電動低圧ポンプと、燃料を加圧するとともに複数の燃料噴射弁が接続されたコモンレールに燃料を圧送する高圧ポンプと、燃料を電動低圧ポンプから高圧ポンプの加圧室に導く低圧燃料供給通路と、高圧ポンプ、コモンレール及び燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を燃料タンク又は低圧燃料供給通路に戻すためのリターン通路と、を備え、電動低圧ポンプが低圧燃料供給通路又はリターン通路に備えられた圧力センサのセンサ値に基づいてフィードバック制御される内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置において、電動低圧ポンプに所定の診断用電圧を印加し、診断用電圧が印加された状態での燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射流量と電動低圧ポンプの吐出流量とを用いて燃料タンクに還流するリターン燃料の還流流量を算出するとともに、還流流量をもとにリターン通路又は低圧燃料供給通路内の圧力の推定値を求め、圧力の推定値を圧力センサにより検出されるリターン通路又は低圧燃料供給通路内の圧力の検出値と比較することにより、圧力センサの異常の有無を判定する異常診断装置を備えることを特徴とする内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置である。
より具体的には、燃料の吐出流量が印加される電圧に応じて制御可能であり燃料タンク内の燃料を圧送する電動低圧ポンプと、燃料を加圧するとともに複数の燃料噴射弁が接続されたコモンレールに燃料を圧送する高圧ポンプと、燃料を電動低圧ポンプから高圧ポンプの加圧室に導く低圧燃料供給通路と、高圧ポンプ、コモンレール及び燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を燃料タンク又は低圧燃料供給通路に戻すためのリターン通路と、を備え、電動低圧ポンプが低圧燃料供給通路又はリターン通路に備えられた圧力センサのセンサ値に基づいてフィードバック制御される内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置において、電動低圧ポンプに所定の診断用電圧を印加し、診断用電圧が印加された状態での燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射流量と電動低圧ポンプの吐出流量とを用いて燃料タンクに還流するリターン燃料の還流流量を算出するとともに、還流流量をもとにリターン通路又は低圧燃料供給通路内の圧力の推定値を求め、圧力の推定値を圧力センサにより検出されるリターン通路又は低圧燃料供給通路内の圧力の検出値と比較することにより、圧力センサの異常の有無を判定する異常診断装置を備えることを特徴とする内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置である。
本発明の圧力センサの異常診断装置及び異常診断方法によれば、電動低圧ポンプに所定の診断用電圧が印加され、この状態で燃料タンクに戻されるリターン燃料の還流流量をもとにして、圧力センサが備えられたリターン通路又は低圧燃料供給通路内の圧力が推定される。そして、本発明の圧力センサの異常診断装置及び異常診断方法では、推定された圧力の推定値と圧力センサによる圧力の検出値とを比較することにより圧力センサの異常の有無が判定される。したがって、圧力センサのオフセットドリフト異常だけでなく、傾きドリフト異常も検出することができるため、圧力センサの異常が確実に検出される。
また、このような圧力センサの異常診断装置及び異常診断方法であれば、内燃機関が運転状態にあっても適時実行可能であるため、蓄圧式燃料噴射装置の制御系が完全にオフにされたときに異常診断が行われる場合と比較して、異常診断の実行頻度を増やすことが容易になる。したがって、圧力センサに生じた異常を早期に検知することができる。
また、本発明の圧力センサの異常診断装置において、リターン燃料がすべて燃料タンクに戻される場合に、還流流量演算部が吐出流量から噴射流量を減算することで還流流量を算出することにより、還流流量が容易に求められる。
また、本発明の圧力センサの異常診断装置において、リターン燃料の一部が低圧燃料供給通路に戻される場合に、還流流量演算部が吐出流量から噴射流量及び低圧燃料供給通路に戻される燃料の流量を減算することで還流流量を算出することにより、還流流量が容易に求められる。
また、本発明の圧力センサの異常診断装置において、圧力センサが燃料タンクに連通するリターン通路に備えられている場合には、異常判定部が、還流流量をもとに推定される燃料タンクに連通するリターン通路内の圧力を、圧力センサによる圧力の検出値と比較することで、圧力センサの異常の有無が容易に判定される。
また、本発明の圧力センサの異常診断装置において、低圧燃料供給通路内の圧力と燃料タンクに連通するリターン通路内の圧力との差が所定の調圧値を上回ったときに開弁する圧力調整弁が低圧燃料供給通路に備えられ、圧力センサが低圧燃料供給通路又は低圧燃料供給通路に連通するリターン通路に備えられている場合には、還流流量をもとに推定される燃料タンクに連通するリターン通路内の圧力に調圧値を加算して得られる圧力の推定値を、圧力センサによる圧力の検出値と比較することで、圧力センサの異常の有無が容易に判定される。
また、本発明の圧力センサの異常診断装置において、異常判定部が、還流流量が異なる状態それぞれの圧力の推定値及び圧力の検出値を比較することにより、圧力センサのオフセットドリフト異常が容易に検出される。
また、本発明の圧力センサの異常診断装置において、異常判定部が、還流流量に対する圧力の推定値の傾き及び圧力の検出値の傾きを互いに比較することにより、圧力センサの傾きドリフト異常が容易に検出される。
また、本発明の圧力センサの異常診断装置において、還流流量演算部が、診断用電圧及び低圧燃料供給通路内の圧力に基づいて求められる電動低圧ポンプの吐出流量を用いて還流流量を算出することにより、低圧燃料供給通路内の圧力の違いに起因する電動低圧ポンプの吐出流量のばらつきに起因した検出精度の低下が防止される。
また、本発明の内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置によれば、所定の方法で異常診断を実行可能な圧力センサの異常診断装置を備えているので、圧力センサに発生した傾きドリフト異常やオフセットドリフト異常が確実に、かつ、早期に検出される。したがって、圧力センサによって検出される圧力に基づく電動低圧ポンプの制御や燃料噴射弁の制御が適切に行われていない状態で蓄圧式燃料噴射装置が使用され続けるおそれが低減される。
本発明の第1の実施の形態にかかる蓄圧式燃料噴射装置の構成例を示す全体図である。 本発明の圧力センサの異常診断装置の構成例を説明するためのブロック図である。 還流流量とリターン通路内の圧力との関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる圧力センサの異常診断方法の一例を示すフロー図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる圧力センサの異常診断方法の一例を示すフロー図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる蓄圧式燃料噴射装置の構成例を示す全体図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる蓄圧式燃料噴射装置の構成例を示す全体図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる蓄圧式燃料噴射装置の構成例を示す全体図である。 圧力センサの異常状態について説明するための図である。
以下、適宜図面を参照して、本発明の圧力センサの異常診断装置及び異常診断方法並びに蓄圧式燃料噴射装置に関する実施の形態について具体的に説明する。ただし、以下の実施の形態は本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものは同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
[第1の実施の形態]
1.蓄圧式燃料噴射装置
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる蓄圧式燃料噴射装置50の構成例を示している。この蓄圧式燃料噴射装置50は、車両のディーゼルエンジンの気筒内に燃料を噴射するための装置であり、燃料タンク1と、電動低圧ポンプ2と、フィルタ4と、高圧ポンプ5と、コモンレール10と、燃料噴射弁13等を主たる要素として備えている。
電動低圧ポンプ2とフィルタ4は低圧燃料供給通路18aで接続され、フィルタ4と高圧ポンプ5のカム室16は低圧燃料供給通路18bで接続され、高圧ポンプ5のカム室16と高圧ポンプ5の加圧室5aは低圧燃料供給通路18cで接続されている。低圧燃料供給通路18cの途中には、加圧室5aに供給される燃料の流量を制御する流量制御弁8が備えられている。また、流量制御弁8よりも上流側の低圧燃料供給通路18cには圧力調整弁14を介して第1のリターン通路30aが接続されており、第1のリターン通路30aの他端側は燃料タンク1に接続されている。第1のリターン通路30aには圧力センサが備えられている。
高圧ポンプ5とコモンレール10、コモンレール10と燃料噴射弁13は、それぞれ高圧燃料通路37、39で接続されている。コモンレール10には第2のリターン通路30bが接続され、燃料噴射弁13には第3のリターン通路30cが接続されている。第2のリターン通路30bにはコモンレール10から排出する燃料の流量を制御するための圧力制御弁12が備えられている。また、第2のリターン通路30b及び第3のリターン通路30cは第1のリターン通路30aに接続されている。また、コモンレール10にはレール圧センサ21が備えられている。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50を構成する燃料タンク1は、その内部にサブタンク1aを備えており、このサブタンク1a内に電動低圧ポンプ2が配置されている。サブタンク1aの下部は一部開口しており、その開口部分に燃料導入通路3aが設けられている。この燃料導入通路3aはテーパ部分3aaを有しており、テーパ部分3aa内には第1のリターン通路30aの端部がテーパ部分3aaの内周面との間に隙間を設けて配設されている。
第1のリターン通路30aの端部側にはオリフィス3bが設けられている。これらの第1のリターン通路30aの端部と燃料導入通路3aとによってジェットポンプ3が構成され、第1のリターン通路30aから燃料が流出する際の吸引力を利用して、サブタンク1a外の燃料がサブタンク1a内に導入されるようになっている。そのため、車両の傾きや走行時の加速、減速によって、燃料タンク1内の燃料の液面が傾いたとしても、電動低圧ポンプ2の吸込口が常時燃料中に浸漬され、電動低圧ポンプ2のエアの吸い込みが生じにくくなっている。
なお、燃料タンク1の構成は上述した例に限られるものではなく種々の変更が可能である。例えば、燃料タンク1内にサブタンク1aを設けるとともにジェットポンプ3によって燃料をサブタンク1a内に吸引導入して電動低圧ポンプ2のエアの吸い込みを防止する構成以外に、例えば燃料タンクの底面に燃料の滞留部を設け、この滞留部に電動低圧ポンプ2の吸込口を配設するように構成することによっても、電動低圧ポンプ2のエアの吸い込みを防止することができる。この場合、第1のリターン通路30aの端部にオリフィスを設ける必要はない。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50を構成する電動低圧ポンプ2は、制御装置40によって印加される電圧の制御が行われ、電圧に応じた吐出流量で燃料を吐出する。本実施形態では、電動低圧ポンプ2に印加する電圧は第1のリターン通路30aに備えられた圧力センサ11によって検出される圧力に基づいてフィードバック制御される。このとき、圧力センサ11によって検出される第1のリターン通路30a内の圧力は、第1のリターン通路30aからのリターン燃料の流出によって、サブタンク1a外の燃料をサブタンク1a内に吸引導入することが可能な程度の吸引力を発生させることができる還流流量が得られるような圧力値で維持されるように制御される。このように電動低圧ポンプ2の吐出流量を制御することで、リターン燃料の還流流量が最小限に抑えられ、電動低圧ポンプ2の出力をできる限り小さく抑えることができる。
なお、電動低圧ポンプ2は、サブタンク1a内に設けられたインタンク式のポンプに限られるものではなく、吸入口がサブタンク1a内に設けられていれば電動低圧ポンプ2は燃料タンク1の外部に設けられるものであってもよい。
また、本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50においては、第1のリターン通路30aの端部側にオリフィス3bが設けられることで、第1のリターン通路30a内の圧力が電動低圧ポンプ2の吐出流量の変化に伴って感度を示すようになっている。
このようなオリフィスを有しない構成の蓄圧式燃料噴射装置であっても、第1のリターン通路30a自体の径が比較的小さい場合には、第1のリターン通路30a内の圧力が電動低圧ポンプ2の吐出流量の変化に伴って感度を示すため、第1のリターン通路30a内の圧力に基づく電動低圧ポンプ2のフィードバック制御が可能となる。
低圧燃料供給通路18cと第1のリターン通路30aとの間に設けられた圧力調整弁14は、低圧燃料供給通路18c内の圧力と、第1のリターン通路30a内の圧力との差が所定の調圧値P1を越えたときに開弁されるオーバーフローバルブが用いられている。このため、電動低圧ポンプ2によって燃料が圧送されている状態においては、低圧燃料供給通路18a〜18c内の圧力が、第1のリターン通路30a、第2のリターン通路30b及び第3のリターン通路30c内の圧力に対して、調圧値P1分上回るようになっている。
コモンレール10に接続された第2のリターン通路30bに備えられた圧力制御弁12は、例えば供給されるパルス電圧の大きさによって弁体のストローク量が可変である電磁比例式の制御弁が用いられる。内燃機関の回転数やアクセル操作量に応じて求められるレール圧の目標値に応じて圧力制御弁12が制御されることで、コモンレール10から第2のリターン通路30bに排出される高圧燃料の排出量が調節され、レール圧が目標値に制御される。コモンレール10から排出される燃料は、第2のリターン通路30b及び第1のリターン通路30aを介して燃料タンク1に戻される。
燃料噴射弁13は、背圧制御弁への通電制御によって、噴射孔を閉塞するノズルニードルの後端側に作用する背圧が逃されて噴射孔が開かれ、燃料が内燃機関に噴射される。この燃料噴射弁13には第3のリターン通路30cが接続されており、燃料噴射弁13から逃される背圧は第3のリターン通路30c及び第1のリターン通路30aを介して燃料タンク1に還流される。第3のリターン通路30cには、背圧燃料以外に燃料噴射弁13内の低圧部からのリーク燃料も流出する。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50における燃料の流れについて説明する。燃料タンク1内の燃料は、電動低圧ポンプ2によって低圧燃料供給通路18a〜18bを介して高圧ポンプ5のカム室16内に流れ込み、そこからさらに低圧燃料供給通路18cを介して加圧室5aに送られる。このとき、加圧室5a側に圧送される低圧燃料の余剰分は、圧力調整弁14及び第1のリターン通路30aを介して燃料タンク1に戻される。
加圧室5a内でプランジャ7によって加圧され吐出される燃料は高圧燃料通路37を介してコモンレール10に蓄積されるとともに、高圧燃料通路39を介して接続された複数の燃料噴射弁13に供給される。そして、燃料噴射弁13への通電制御によって燃料が内燃機関の気筒内に噴射される。コモンレール10及び燃料噴射弁13から排出される燃料は、それぞれ第2のリターン通路30b又は第3のリターン通路30cから第1のリターン通路30aに流されて、燃料タンク1に戻される。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50では、電動低圧ポンプ2から吐出された燃料は、燃料噴射弁13から噴射されない限り、第1のリターン通路30aや第2のリターン通路30b、第3のリターン通路30cを介して燃料タンク1に戻される。
なお、本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50の例では、第2のリターン通路30bや第3のリターン通路30cの合流部分よりも燃料タンク1側の第1のリターン通路30aに圧力センサ11が備えられているが、リターン通路内は圧力的に連通した状態であるため、圧力センサ11はリターン通路のいずれかの位置に備えられていればよい。ただし、本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50における圧力センサ11の取付位置以外の位置に圧力センサを取り付ける場合には、各リターン通路の圧力損失や、各リターン通路を流れるリターン燃料の流量を考慮して、燃料タンク1へのリターン燃料の還流流量が十分であるかを推定する必要がある。したがって、本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50における圧力センサ11の取付位置が最も好ましい態様である。
2.制御装置(圧力センサの異常診断装置)
(1)全体構成
図2は、本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50の制御を行う制御装置40のうち、圧力センサ11の異常診断に関する部分を機能的なブロックで表した構成例を示している。制御装置40は、蓄圧式燃料噴射装置50に設けられたあらゆるセンサ等の情報だけでなく、燃料噴射量や噴射タイミング、回転数Ne等をはじめとする、内燃機関の運転状態に関する情報が読み込み可能になっている。
本実施形態の制御装置40は、公知の構成からなるマイクロコンピュータ(図示せず)を中心に構成されており、診断開始判定部61と、圧力検出部62と、ポンプ駆動制御部63と、レール圧制御部64と、燃料噴射弁制御部65と、還流流量演算部66と、圧力推定部67、異常判定部68とを備えている。各部はマイクロコンピュータによるプログラムの実行によって実現される。また、制御装置40には図示しないRAM(Random Access Memory)等の記憶部が備えられ、各種の読み込んだ情報や演算結果が記憶される。
(2)診断開始判定部
診断開始判定部61は、所定の診断開始条件が成立したか否かを判定し、診断開始条件が成立したときにポンプ駆動制御部63、還流流量演算部66、圧力推定部67及び異常判定部68に対して診断開始信号Sdを出力する。診断開始条件は制限されるものではないが、本実施形態では、燃料温度Tf及び冷却水温度Twがそれぞれ所定の範囲内であること、内燃機関の回転数Neが所定値以上であることが条件とされている。
(3)圧力検出部
圧力検出部62は、圧力センサ11のセンサ値S1を継続的に読み込み第1のリターン通路30a内の圧力の検出値Psensorを求める。
(4)ポンプ駆動制御部
ポンプ駆動制御部63は、本発明における印加電圧制御部としての機能を有している。ポンプ駆動制御部63は、圧力センサ11の異常診断を実行しない状態においては、圧力センサ11によって検出される圧力の検出値Psensorが所定の基準値P0となるように、電動低圧ポンプ2に印加する電圧Vekpを制御し、電動低圧ポンプ2の吐出流量Fekpを調節する。圧力の基準値P0は、第1のリターン通路30aからのリターン燃料の流出によって、サブタンク1a外の燃料をサブタンク1a内に吸引導入することが可能な程度の吸引力を発生させることができる還流流量Freturnが得られるような圧力値に設定される。
一方、ポンプ駆動制御部63は、診断開始信号Sdを受け取ると圧力センサ11によって検出される圧力の検出値Psensorに基づく電動低圧ポンプ2のフィードバック制御を中断し、電動低圧ポンプ2に所定の診断用電圧Vdigを継続的に印加する。この状態では、診断用電圧Vdigに応じた一定の吐出流量Fekp0で、電動低圧ポンプ2から燃料が吐出される。
上述の診断用電圧Vdigは、燃料噴射量Qinjが想定される最大値となる場合であっても第1のリターン通路30a内の圧力が基準値P0を下回らないような還流流量Freturnが確保される電圧であればよい。診断用電圧Vdigは固定値である必要はないが、少なくとも、圧力センサ11の異常の有無の判定がされるまでの期間中においては、診断用電圧Vdigを一定の値とすることが好ましい。なお、そのような条件を満たす診断用電圧Vdigとして比較的小さい電圧が設定されていれば、異常診断時における燃料の利用効率の低下や電動低圧ポンプ2の電力消費量の増大が抑制される。
(5)レール圧制御部
レール圧制御部64は、内燃機関の回転数Neやアクセル操作量Acc等の情報をもとに目標レール圧Ptgtを算出するとともに、圧力検出部62で検出されるレール圧Psensorが目標レール圧Ptgtとなるように圧力制御弁12及び流量制御弁8のうちの少なくとも一方の制御を行う。レール圧の制御は、流量制御弁8を全開にするとともに圧力制御弁12を開閉制御してコモンレール10からの燃料排出量を調節したり、圧力制御弁12を全閉するとともに流量制御弁8を開閉制御してコモンレール10への高圧燃料の流量を調節したり、さらには、これらの排出量制御及び供給量制御を併用したりすることによって行われる。
(6)燃料噴射弁制御部
燃料噴射弁制御部65は、本発明の噴射流量検出部としての機能を有している。燃料噴射弁制御部65は、内燃機関の回転数Neやアクセル操作量Acc、圧力検出部62で検出されるレール圧Psensor等の情報をもとに目標噴射量Qtgtを算出するとともに燃料噴射弁13への通電量及び通電時間等を求め、燃料噴射弁13の通電制御を行う。目標噴射量Qtgtは内燃機関の回転数Neやアクセル操作量Acc等の関係においてあらかじめ定められた演算式によって算出される。
(7)還流流量演算部
還流流量演算部66は、診断開始信号Sdを受け取ると、診断期間中に燃料噴射弁13から噴射される燃料の噴射流量Finjに関する情報を読み込み、診断用電圧Vdigに応じた吐出流量Fekp0から噴射流量Finjを減算することにより、燃料タンク1に還流する燃料の還流流量Freturnを算出する。本実施形態では、高圧ポンプ5、コモンレール10及び燃料噴射弁13から流出する燃料がすべて燃料タンク1に戻されるように構成されているため、還流流量Freturnは、吐出流量Fekp0及び噴射流量Finjのみに依存している。したがって、吐出流量Fekp0から噴射流量Finjを減算することで還流流量Freturnを算出することが可能になっている。また、噴射流量Finjは、燃料噴射弁制御部65で算出される目標噴射量Qtgtに基づき得られる。
(8)圧力推定部
圧力推定部67は、診断開始信号Sdを受け取ると、還流流量演算部66で算出された還流流量Freturnを読み込み、この還流流量Freturnをもとに第1のリターン通路30a内の圧力を推定する。
圧力推定部67には、図3の破線で示すような還流流量Freturnと第1のリターン通路30a内の圧力との関係を示すマップ情報map1が予め格納されている。圧力推定部67は、このマップ情報map1を参照して、算出された還流流量Freturnをもとに、圧力センサ11が備えられた第1のリターン通路30a内の圧力の推定値Pestを求める。
(9)異常判定部
異常判定部68は、診断開始信号Sdを受け取ると、圧力センサ11によって検出される圧力の検出値Psensorを読み込むとともに、圧力の検出値Psensorが求められた時点における圧力推定部67で推定された圧力の推定値Pestを読み込み、これらの圧力の検出値Psensor及び圧力の推定値Pestを用いて圧力センサ11の異常の有無の診断を行う。
具体的に、異常判定部68は、圧力の検出値Psensorと圧力の推定値Pestとを比較し、圧力の検出値Psensorと圧力の推定値Pestとの差分ΔPが所定範囲内となっているか否かを判別することで、圧力センサ11の異常を検出する第1の判定を行う。
また、異常判定部68は、還流流量Freturnが異なる複数の状態においてそれぞれ検出される圧力の検出値Psensorが所定数そろったときに、読み込まれた複数の圧力の検出値Psensorと還流流量Freturnとの関係から、還流流量Freturnに対する圧力の検出値Psensorの傾きαを求める(図3の実線を参照)。還流流量Freturnが異なる状態は、燃料噴射弁13からの噴射流量Finjが異なる状態と言い換えることができる。したがって、電動低圧ポンプ2に診断用電圧Vdigが印加されている状態において、異なる噴射流量Finjで燃料の噴射が行われたときに求められる複数の圧力の検出値Psensorが所定数そろえばよい。
ただし、還流流量Freturnに対する圧力の検出値Psensorの傾きαをできるだけ正確に求めたいのであれば、フル加速時等の噴射流量Finjができるだけ多い状態と、オーバーラン時やアイドル時等の噴射流量Finjができるだけ少ない状態とを含む複数の状態で、それぞれ圧力の検出値Psensorを求めることが好ましい。
そして、異常判定部68は、求められた傾きαが予め規定された所定範囲内にあるか否かを見ることによって、圧力センサ11の異常を検出する第2の判定を行う。この第2の判定を行う基準となる傾きの比の範囲は、例えば、電動低圧ポンプ2の製造時の加工精度のバラツキによる電動低圧ポンプ2からの燃料の吐出流量Fekpのバラツキを考慮して、電動低圧ポンプ2に対して診断用電圧Vdigを印加したときに想定される、還流流量Freturnに対する第1のリターン通路30a内の圧力の傾きの最小値及び最大値によって規定することができる。この範囲は、診断用電圧Vdigの大きさによって異なるものであり、実際に使用する診断用電圧Vdigに応じて、あらかじめ求められて記憶される。
異常判定部68は、第2の判定において、傾きαが所定範囲外であるときに圧力センサ11に傾きドリフト異常が生じていると判定する。また、傾きαが所定範囲内の場合であっても、第1の判定において圧力センサ11の異常が検出されているときには、異常判定部68は圧力センサ11にオフセットドリフト異常が生じていると判定する。
このように、還流流量Freturnに対する圧力の推定値Pestの傾きαが所定範囲内にあるか否かによって圧力センサ11の異常診断を行うことで、圧力センサ11に異常が生じているか否かだけでなく、圧力センサ11に生じた異常がオフセットドリフト異常であるか傾きドリフト異常であるかを特定することができるようになる。
3.圧力センサの異常診断方法
次に、図2に示す本実施形態の制御装置40によって実行される圧力センサ11の異常診断方法の一例について、図4及び図5のフローに基づいて具体的に説明する。
まず、スタート後のステップS11で、診断開始条件が成立したか否かが判別される。診断開始条件が成立するまではステップS11が繰り返し行われる。診断開始条件が成立すると、ステップS12で電動低圧ポンプ2に対して診断用電圧Vdigが印加される。その後、ステップS13で電動低圧ポンプ2に印加されている電圧Vekpを読み込むとともに、ステップS14で印加されている電圧Vekpと診断用電圧Vdigとの差分ΔVが所定の範囲内の差になっているか否かが判別される。
ステップS14で、印加される電圧Vekpが診断用電圧Vdigに対して所定の範囲内の差になっていると判別された場合にはステップS15に進む一方、所定の範囲を超える差になっていると判別された場合には、ステップS13に戻り、印加される電圧Vekpが診断用電圧Vdigに対して所定の範囲内の差になるまでステップS13〜ステップS14が繰り返される。
印加される電圧Vekpが診断用電圧Vdigに対して所定の範囲内の差になったステップS15ではタイマが作動され、ステップS16で、タイマがタイマ値を経過したか否かが判別される。このステップS16は、タイマがタイマ値を経過するまで繰り返される。タイマ値を経過するまで待機させる理由は、電動低圧ポンプ2に印加される電圧Vekpが診断用電圧Vdigに到達した直後では、電動低圧ポンプ2の吐出流量Fekp0が第1のリターン通路30a内の圧力に反映されないおそれがあるからである。
タイマがタイマ値を経過すると、ステップS17で燃料噴射弁13からの噴射流量Finjが求められる。具体的には、燃料噴射弁13から噴射する燃料の目標噴射量Qtgtの値から噴射流量Finjが読み込まれる。次いで、ステップS18では、診断用電圧Vdigに対応する電動低圧ポンプ2の吐出流量Fekp0から、ステップS17で求められた噴射流量Finjを減算することにより、燃料タンク1への還流流量Freturnが算出される。次いで、ステップS19では、求められた還流流量Freturnに基づいて、還流流量Freturnと第1のリターン通路30a内の圧力との関係を表すマップ情報map1を参照して、第1のリターン通路30a内の圧力の推定値Pestが求められる。
次いで、ステップS20で、ステップS19で圧力の推定値Pestを求めた時期に圧力センサ11によって検出された圧力の検出値Psensorを読み込んだ後、ステップS21で、ステップS19で求められた圧力の推定値PestとステップS20で求められた圧力の検出値Psensorとの差分ΔPが所定範囲内であるか否かが判別される。圧力の推定値Pestと圧力の検出値Psensorとの差分ΔPが所定範囲内であればそのままステップS23に進む一方、圧力の推定値Pestと圧力の検出値Psensorとの差分ΔPが所定範囲を超えていればステップS22で第1の判定エラーフラグを立てた後、ステップS23に進む。
ステップS23では、還流流量Freturnが異なる状態での複数の圧力の検出値Psensorが記憶されているか否かが判別される。圧力の検出値Psensorが記憶されている数が予め設定された数N以上であるときにはステップS24に進む一方、記憶されている圧力の検出値Psensorの数が設定された数N未満であるときにはスタートに戻り、圧力の検出値Psensorの検出が繰り返される。なお、上述したように、記憶されている圧力の検出値Psensorの数が設定値N未満のときに再度圧力の推定値Pest及び圧力検出値Psensorを求める場合、診断用電圧Vdigは一定の値が用いられる。
設定された数N以上の圧力の検出値Psensorが記憶されている場合には、ステップS24で、還流流量Freturnに対する圧力の検出値Psensorの傾きαが求められる。その後、ステップS25では、求められた傾きαがあらかじめ規定された所定範囲外にあるか否かが判別される。還流流量Freturnに対する圧力の検出値Psensorの傾きαが所定範囲外にある場合にはステップS26に進み、圧力センサ11に傾きドリフト異常が生じていると判定しステップS27に進む。一方、還流流量Freturnに対する圧力の検出値Psensorの所定範囲内にある場合には、ステップS28で第1の判定エラーフラグが立てられているか否かが判別される。第1の判定エラーフラグが立てられている場合にはステップS29に進み、圧力センサ11にオフセットドリフト異常が生じていると判定しステップS27に進む。
ステップS26で圧力センサ11に傾きドリフト異常が生じていると判定され、また、ステップS29で圧力センサ11にオフセットドリフト異常が生じていると判定されて進んだステップS27では、それぞれの異常を知らせる警告手段を作動させて本ルーチンを終了する。なお、圧力センサ11に異常が生じていると判定された後は、電動低圧ポンプ2の制御をフィードバック制御からオープン制御に切り替える等の対応を行うことが可能である。
一方、ステップS28で第1の判定エラーフラグが立てられていない場合には、圧力センサ11に異常が見られないことから、ステップS30で圧力センサ11の異常無しと判定し、ステップS31で圧力の検出値Psensorの記憶数をリセットした後スタートに戻り、再びステップS11以降のステップが繰り返される。記憶カウンタ数がリセットされた後においては、診断用電圧Vdigの値を異ならせてもよい。
このように、本実施形態の圧力センサ11の異常診断装置及び異常診断方法によれば、内燃機関の運転状態において電動低圧ポンプ2に所定の診断用電圧Vdigを印加したときに圧力センサ11によって検出される圧力の検出値Psensorを、還流流量Freturnから推定される第1のリターン通路30a内の圧力の推定値Pestと比較することで、内燃機関が運転中であっても圧力センサ11の異常診断を実行することができる。したがって、圧力センサ11の異常診断の実行頻度が増え、圧力センサ11の異常が早期に検出されるようになる。
また、本実施形態の圧力センサ11の異常診断装置及び異常診断方法では、電動低圧ポンプ2に所定の診断用電圧Vdigを印加したときに圧力センサ11によって検出される圧力の検出値Psensorの、還流流量Freturnに対する傾きαを求めて圧力センサ11の異常診断も実行されるため、圧力センサ11のオフセットドリフト異常及び傾きドリフト異常が確実に検出されるようになる。
4.応用例
電動低圧ポンプ2は、製造時の加工精度だけでなく、吐出側の圧力によってもその吐出流量Fekpが変化する特性を有しており、同じ値の診断用電圧Vdigを印加した場合であっても、吐出側の圧力に応じて電動低圧ポンプ2の吐出流量Fekpにバラツキが生じる場合がある。このような吐出流量Fekpのバラツキまで考慮して圧力センサ11の異常診断を実施したいのであれば、電動低圧ポンプ2の吐出側の圧力である低圧燃料供給通路18a〜18c内の圧力に基づいて、還流流量Freturnの演算に用いる吐出流量Fekp0を求めるようにしてもよい。
この吐出流量Fekp0は、例えば、吐出側の圧力と実際の吐出流量との関係を、印加する電圧Vekpごとに求めたマップ情報map2を格納しておくことで求めることができるようになる。本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50において、電動低圧ポンプ2の吐出側の圧力である低圧燃料供給路18a〜18c内の圧力は、第1のリターン通路30a内の圧力の推定値Pestあるいは圧力の検出値Psensorに対して圧力調整弁14の調圧値P1を加算することにより算出することができる。電動低圧ポンプ2の吐出側の圧力を考慮した吐出流量Fekpを用いて還流流量Freturnを算出することにより、圧力センサ11の異常診断結果の信頼性の向上が図られる。
また、上述した本実施形態においては、燃料タンクへの燃料の還流流量に基づいて推定される圧力の推定値と、圧力センサによって検出される圧力の検出値とを用いて行われる圧力センサの異常診断方法についてのみ述べているが、この異常診断方法と併せて、公知の圧力センサの異常診断を実施するようにしてもよい。公知の異常診断方法としては、例えば、蓄圧式燃料噴射装置の制御系が完全にオフにされてから所定期間経過後の蓄圧式燃料噴射装置内の圧力と大気圧を比較するゼロ点テストを実施することができる。また、別の例としては、圧力センサのセンサ値としての出力電圧が所定範囲内にあるか否かを判定するシグナルレンジテストを実施することができる。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態は、蓄圧式燃料噴射装置を構成するリターン通路のうち、コモンレールに接続された第2のリターン通路が、第1のリターン通路ではなく電動低圧ポンプとフィルタとの間の低圧燃料供給通路に連通している蓄圧式燃料噴射装置における第1のリターン通路に備えられた圧力センサの異常診断を実行可能な異常診断装置及び異常診断方法並びに蓄圧式燃料噴射装置である。
以下、本実施形態の圧力センサの異常診断装置及び異常診断方法並びに蓄圧式燃料噴射装置について、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
1.蓄圧式燃料噴射装置
図6は、本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置150の構成例を示している。この蓄圧式燃料噴射装置150において、コモンレール10に接続された第2のリターン通路30b´が第1のリターン通路30aではなく低圧燃料供給通路18aに接続されている。本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置150においても、圧力センサ11は第3のリターン通路30cの接続部分よりも下流側の第1のリターン通路30aに備えられている。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置150においても、第1のリターン通路30a及び第3のリターン通路30cであれば圧力センサ11の配置位置は特に制限されない。
2.制御装置(圧力センサの異常診断装置)
本実施形態の制御装置40は、基本的に第1の実施の形態の制御装置と同様の演算部分を備えているものの、蓄圧式燃料噴射装置150の第2のリターン通路30b´の構成の違いから、還流流量演算部において還流流量Freturnを算出する際の演算方法が第1の実施の形態の制御装置での演算方法とは異なっている。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置150では、コモンレール10から排出される燃料が燃料タンク1ではなく低圧燃料供給通路18aに戻されるため、吐出流量Fekpから噴射流量Finj及び低圧燃料供給通路18aに戻される燃料の流量Fdrvが減算されることによって、還流流量Freturnが算出されるようになっている。
低圧燃料供給通路18aに戻される燃料の流量Fdrvは、コモンレール10から流出する燃料の流量であり、例えば、高圧ポンプ5の吐出量から、燃料噴射弁13の噴射量と、第3のリターン通路18cに流出する燃料噴射弁13の背圧燃料及びリーク燃料の量とを減算することによって求めることができる。低圧燃料供給通路18aに戻される燃料の流量Fdrvは、レール圧Prailと圧力制御弁12の開弁時間とに基づいて求めることもできる。ただし、圧力制御弁12が閉じられる一方、流量制御弁8によって高圧ポンプ5の加圧室5aに供給する燃料の流量を調節し、コモンレール10に供給する高圧燃料の流量を調節することによってレール圧の制御が行われる状態においては、コモンレール10から流出する燃料の流量はゼロとなる。
本実施形態においては、還流流量Freturnが異なる状態での圧力センサ11による圧力の検出値Psensorを複数得たい場合に、燃料噴射弁13からの噴射流量Finjが変化しない場合であっても、流量制御弁8の開度を変化させることによって、圧力調整弁14を介して第1のリターン通路30aに戻されるリターン燃料の流量を変化させ、還流流量Freturnを変化させることができる。
このように、本実施形態の圧力センサ11の異常診断装置及び異常診断方法によれば、内燃機関の運転状態において電動低圧ポンプ2に所定の診断用電圧Vdigを印加したときの還流流量Freturnを利用することにより、内燃機関が運転中であっても圧力センサ11の異常診断を実行することができる。また、本実施形態の圧力センサ11の異常診断装置及び異常診断方法では、還流流量Freturnに対する圧力の検出値Psensorの傾きαを利用した圧力センサ11の異常診断も実行される。したがって、圧力センサ11のオフセットドリフト異常及び傾きドリフト異常が確実に、かつ、早期に検出されるようになる。
なお、燃料噴射弁13から第3のリターン通路30cを介して戻される燃料の流量についても把握できるのであれば、第3のリターン通路30cが低圧燃料供給通路18aに接続されている場合であっても圧力センサ11の異常診断を実行することができる。この場合には、電動低圧ポンプ2の吐出流量Fekpから、燃料噴射弁13による燃料の噴射流量Finj、コモンレール10から低圧燃料供給通路18aに戻される燃料の流量Fdrv、及び燃料噴射弁13から低圧燃料供給通路18aに戻される燃料の流量を減算することで、還流流量Freturnが求められる。
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態は、基本的な構成が第1の実施の形態の蓄圧式燃料噴射装置及び第2の実施の形態の蓄圧式燃料噴射装置と同様であるが、診断対象の圧力センサ11がリターン通路ではなく低圧燃料供給通路に備えられている蓄圧式燃料噴射装置における圧力センサの異常診断を実行可能な異常診断装置及び異常診断方法並びに蓄圧式燃料噴射装置である。
以下、本実施形態の圧力センサの異常診断装置及び異常診断方法並びに蓄圧式燃料噴射装置について、第1の実施の形態又は第2の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
1.蓄圧式燃料噴射装置
図7及び図8は、本実施形態にかかる蓄圧式燃料噴射装置250、251の構成例を示している。図7に示す蓄圧式燃料噴射装置250の基本的な構成は、圧力センサ11の配置位置以外は第1の実施の形態の蓄圧式燃料噴射装置と同様である。また、図8に示す蓄圧式燃料噴射装置251の基本的な構成は、圧力センサ11の配置位置以外は第2の実施の形態の蓄圧式燃料噴射装置と同様である。本実施形態において、診断対象である圧力センサ11は低圧燃料供給通路18aに備えられている。ただし、圧力センサ11は低圧燃料供給通路18a〜18cのどの位置に備えられていても構わない。
第1の実施の形態において述べたように、高圧ポンプ5のカム室16と加圧室5aとを結ぶ低圧燃料供給通路18cには、圧力調整弁14を介して第1のリターン通路30aが接続されているため、電動低圧ポンプ2によって燃料が圧送されている状態では、低圧燃料供給通路18a〜18c内の圧力が第1のリターン通路30a内の圧力に対して圧力調整弁14の調圧値P1分高く維持されるようになっている。
2.制御装置(圧力センサの異常診断装置)
図7に示す蓄圧式燃料噴射装置250に備えられた制御装置40は、基本的に第1の実施の形態の制御装置と同様の演算部分を備えている。また、図8に示す蓄圧式燃料噴射装置251に備えられた制御装置40は、基本的に第2の実施の形態の制御装置と同様の演算部分を備えている。ただし、いずれの制御装置40も、圧力センサ11の配置位置に対応して、異常判定部における圧力の推定値の演算方法が第1の実施の形態及び第2の実施の形態の制御装置40とは異なっている。
本実施形態の制御装置40の異常判定部は、第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態でそれぞれ説明したように燃料タンク1への還流流量Freturnをもとに第1のリターン通路30a内の圧力を推定するとともに、この圧力の推定値に調圧値P1を加算することにより、圧力センサ11が備えられた低圧燃料供給通路18a内の圧力の推定値Pest’を算出する。異常判定部は、このようにして求められた圧力の推定値Pest’を、圧力センサ11によって検出される圧力の検出値Psensorと比較することによって、圧力センサ11の異常を検出する第1の判定を行う。
また、異常判定部は、還流流量Freturnが異なる複数の状態においてそれぞれ検出される圧力の検出値Psensorが所定数そろったときに、読み込まれた複数の圧力の検出値Psensorと還流流量Freturnとの関係から、還流流量Freturnに対する圧力の検出値Psensorの傾きαを求め、この傾きαが予め規定された所定範囲内にあるか否かを見ることによって、圧力センサ11の異常を検出する第2の判定を行う。低圧燃料供給通路18a内の圧力は、第1のリターン通路30a内の圧力に圧力調整弁14の調圧値P1を加算した値であるため、本実施形態における第2の判定に用いられる還流流量Freturnに対する圧力の検出値Pest’の傾きの範囲は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で述べた範囲と同様に設定することができる。
このように、本実施形態の圧力センサ11の異常診断装置及び異常診断方法によれば、圧力センサ11が低圧燃料供給通路18a〜18cに備えられている場合であっても、内燃機関の運転状態において電動低圧ポンプ2に所定の診断用電圧Vdigを印加したときの還流流量Freturnを利用することにより、内燃機関が運転中であっても圧力センサ11の異常診断を実行することができる。また、本実施形態の圧力センサ11の異常診断装置及び異常診断方法では、還流流量Freturnに対する圧力の検出値Psensorの傾きαを利用した圧力センサ11の異常診断も実行される。したがって、圧力センサ11のオフセットドリフト異常及び傾きドリフト異常が確実に、かつ、早期に検出されるようになる。
1:燃料タンク、1a:サブタンク、2:電動低圧ポンプ、3:ジェットポンプ、3a:燃料導入通路、3aa:テーパ部分、3b:オリフィス、4:フィルタ、5:高圧ポンプ、5a:加圧室、7:プランジャ、8:流量制御弁、10:コモンレール、11:圧力センサ、12:圧力制御弁、13:燃料噴射弁、14:圧力調整弁(オーバーフローバルブ)、16:カム室、18a・18b・18c:低圧燃料供給通路、21:レール圧センサ、30a・30b・30b´・30c:リターン通路、37・39:高圧燃料通路、40:制御装置、50・150・250・251:蓄圧式燃料噴射装置、61:診断開始判定部、62:圧力検出部、63:ポンプ駆動制御部、64:レール圧制御部、65:燃料噴射弁制御部、66:還流流量演算部、67:圧力推定部、68:異常判定部

Claims (12)

  1. 燃料の吐出流量が印加される電圧に応じて制御可能であり燃料タンク内の燃料を圧送する電動低圧ポンプと、前記燃料を加圧するとともに複数の燃料噴射弁が接続されたコモンレールに前記燃料を圧送する高圧ポンプと、前記燃料を前記電動低圧ポンプから前記高圧ポンプの加圧室に導く低圧燃料供給通路と、前記高圧ポンプ、前記コモンレール及び前記燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を前記燃料タンク又は前記低圧燃料供給通路に戻すためのリターン通路と、を備えた内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置における、前記低圧燃料供給通路又は前記リターン通路に備えられた圧力センサの異常を検出するための圧力センサの異常診断装置において、
    前記電動低圧ポンプに所定の診断用電圧を印加する印加電圧制御部と、
    前記燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射流量を検出する噴射流量検出部と、
    前記電動低圧ポンプに前記診断用電圧が印加された状態での前記吐出流量及び前記噴射流量に基づき、前記燃料タンクに戻される燃料の還流流量を算出する還流流量演算部と、
    算出された前記還流流量をもとに推定される、前記低圧燃料供給通路又は前記リターン通路内の圧力の推定値を、前記圧力センサによって検出される前記低圧燃料供給通路又は前記リターン通路内の圧力の検出値と比較することにより、前記圧力センサの異常の有無を判定する異常判定部と、
    を備えることを特徴とする圧力センサの異常診断装置。
  2. 前記リターン燃料がすべて前記燃料タンクに戻される場合に、
    前記還流流量演算部は、前記吐出流量から前記噴射流量を減算することにより前記還流流量を算出することを特徴とする請求項1に記載の圧力センサの異常診断装置。
  3. 前記圧力センサが前記燃料タンクに連通するリターン通路に備えられている場合には、
    前記異常判定部は、前記還流流量をもとに推定される前記燃料タンクに連通するリターン通路内の圧力の推定値を算出し、前記圧力の推定値と前記圧力の検出値との比較を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力センサの異常診断装置。
  4. 前記低圧燃料供給通路には、前記低圧燃料供給通路内の圧力と前記燃料タンクに連通する前記リターン通路内の圧力との差が所定の調圧値を上回ったときに開弁する圧力調整弁が備えられており、前記圧力センサが前記低圧燃料供給通路又は前記低圧燃料供給通路に連通するリターン通路に備えられている場合に、
    前記異常判定部は、前記還流流量をもとに推定される前記燃料タンクに連通するリターン通路内の圧力に前記調圧値を加算して前記圧力の推定値を算出し、前記圧力の推定値と前記圧力の検出値との比較を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力センサの異常診断装置。
  5. 前記異常判定部は、前記還流流量が異なる状態での前記圧力の推定値及び前記圧力の検出値を複数求め、それぞれの前記圧力の推定値及び前記圧力の検出値の差分が予め規定された閾値以上であるときに前記圧力センサのオフセットドリフト異常を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧力センサの異常診断装置。
  6. 前記異常判定部は、それぞれ異なる前記還流流量で検出された複数の前記圧力の検出値をもとに前記還流流量に対する前記圧力の検出値の傾きを求め、前記還流流量に対する前記圧力の推定値の傾きと前記圧力の検出値の傾きとの差が予め規定された閾値以上であるときに前記圧力センサの傾きドリフト異常を検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧力センサの異常診断装置。
  7. 前記還流流量演算部は、前記診断用電圧及び前記低圧燃料供給通路内の圧力に応じて求められる前記吐出流量を用いて前記還流流量を算出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の圧力センサの異常診断装置。
  8. 燃料の吐出流量が制御可能であり燃料タンク内の燃料を圧送する電動低圧ポンプと、前記燃料を加圧するとともに複数の燃料噴射弁が接続されたコモンレールに前記燃料を圧送する高圧ポンプと、前記燃料を前記電動低圧ポンプから前記高圧ポンプの加圧室に導く低圧燃料供給通路と、前記高圧ポンプ、前記コモンレール及び前記燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を前記燃料タンク又は前記低圧燃料供給通路に戻すためのリターン通路と、を備えた内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置における、前記低圧燃料供給通路又は前記リターン通路に備えられた圧力センサの異常を検出するための圧力センサの異常診断装置において、
    前記電動低圧ポンプに所定の診断用電圧を印加する印加電圧制御部と、
    前記燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射流量を検出する噴射流量検出部と、
    前記電動低圧ポンプに前記診断用電圧が印加された状態での前記吐出流量及び前記噴射流量に基づき、前記燃料タンクに戻される燃料の還流流量を算出する還流流量演算部と、
    算出された前記還流流量をもとに推定される、前記低圧燃料供給通路又は前記リターン通路内の圧力の推定値を、前記圧力センサによって検出される前記低圧燃料供給通路又は前記リターン通路内の圧力の検出値と比較することにより、前記圧力センサの異常の有無を判定する異常判定部と、
    を備えるとともに、
    前記リターン燃料の一部が前記低圧燃料供給通路に戻される場合に、
    前記還流流量演算部は、前記低圧燃料供給通路に戻される燃料の流量を算出するとともに、前記吐出流量から前記噴射流量及び前記低圧燃料供給通路に戻される燃料の流量を減算することにより前記還流流量を算出することを特徴とする圧力センサの異常診断装置。
  9. 燃料の吐出流量が印加される電圧に応じて制御可能であり燃料タンク内の燃料を圧送する電動低圧ポンプと、前記燃料を加圧するとともに複数の燃料噴射弁が接続されたコモンレールに前記燃料を圧送する高圧ポンプと、前記燃料を前記電動低圧ポンプから前記高圧ポンプの加圧室に導く低圧燃料供給通路と、前記高圧ポンプ、前記コモンレール及び前記燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を前記燃料タンク又は前記低圧燃料供給通路に戻すためのリターン通路と、を備えた内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置における、前記低圧燃料供給通路又は前記リターン通路に備えられた圧力センサの異常を検出するための圧力センサの異常診断方法において、
    前記電動低圧ポンプに所定の診断用電圧を印加し、前記診断用電圧が印加された状態での前記燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射流量と前記電動低圧ポンプの前記吐出流量とを用いて前記燃料タンクに還流するリターン燃料の還流流量を算出するとともに、前記還流流量をもとに前記リターン通路又は前記低圧燃料供給通路内の圧力の推定値を求め、前記圧力の推定値を前記圧力センサにより検出される前記リターン通路又は前記低圧燃料供給通路内の圧力の検出値と比較することにより、前記圧力センサの異常の有無を判定することを特徴とする圧力センサの異常診断方法。
  10. 燃料の吐出流量が制御可能であり燃料タンク内の燃料を圧送する電動低圧ポンプと、前記燃料を加圧するとともに複数の燃料噴射弁が接続されたコモンレールに前記燃料を圧送する高圧ポンプと、前記燃料を前記電動低圧ポンプから前記高圧ポンプの加圧室に導く低圧燃料供給通路と、前記高圧ポンプ、前記コモンレール及び前記燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を前記燃料タンク又は前記低圧燃料供給通路に戻すためのリターン通路と、を備えた内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置における、前記低圧燃料供給通路又は前記リターン通路に備えられた圧力センサの異常を検出するための圧力センサの異常診断方法において、
    前記電動低圧ポンプに所定の診断用電圧を印加し、前記診断用電圧が印加された状態での前記燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射流量と前記電動低圧ポンプの前記吐出流量とを用いて前記燃料タンクに還流するリターン燃料の還流流量を算出するとともに、前記還流流量をもとに前記リターン通路又は前記低圧燃料供給通路内の圧力の推定値を求め、前記圧力の推定値を前記圧力センサにより検出される前記リターン通路又は前記低圧燃料供給通路内の圧力の検出値と比較することにより、前記圧力センサの異常の有無を判定するとともに、
    前記リターン燃料の一部が前記低圧燃料供給通路に戻される場合に、
    前記低圧燃料供給通路に戻される燃料の流量を算出するとともに、前記吐出流量から前記噴射流量及び前記低圧燃料供給通路に戻される燃料の流量を減算することにより前記還流流量を算出することを特徴とする圧力センサの異常診断方法。
  11. 燃料の吐出流量が印加される電圧に応じて制御可能であり燃料タンク内の燃料を圧送する電動低圧ポンプと、前記燃料を加圧するとともに複数の燃料噴射弁が接続されたコモンレールに前記燃料を圧送する高圧ポンプと、前記燃料を前記電動低圧ポンプから前記高圧ポンプの加圧室に導く低圧燃料供給通路と、前記高圧ポンプ、前記コモンレール及び前記燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を前記燃料タンク又は前記低圧燃料供給通路に戻すためのリターン通路と、を備え、前記電動低圧ポンプが前記低圧燃料供給通路又は前記リターン通路に備えられた圧力センサのセンサ値に基づいてフィードバック制御される内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置において、
    前記電動低圧ポンプに所定の診断用電圧を印加し、前記診断用電圧が印加された状態での前記燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射流量と前記電動低圧ポンプの前記吐出流量とを用いて前記燃料タンクに還流するリターン燃料の還流流量を算出するとともに、前記還流流量をもとに前記リターン通路又は前記低圧燃料供給通路内の圧力の推定値を求め、前記圧力の推定値を前記圧力センサにより検出される前記リターン通路又は前記低圧燃料供給通路内の圧力の検出値と比較することにより、前記圧力センサの異常の有無を判定する異常診断装置を備えることを特徴とする内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置。
  12. 燃料の吐出流量が制御可能であり燃料タンク内の燃料を圧送する電動低圧ポンプと、前記燃料を加圧するとともに複数の燃料噴射弁が接続されたコモンレールに前記燃料を圧送する高圧ポンプと、前記燃料を前記電動低圧ポンプから前記高圧ポンプの加圧室に導く低圧燃料供給通路と、前記高圧ポンプ、前記コモンレール及び前記燃料噴射弁のうちの少なくとも一つから流出するリターン燃料を前記燃料タンク又は前記低圧燃料供給通路に戻すためのリターン通路と、を備え、前記電動低圧ポンプが前記低圧燃料供給通路又は前記リターン通路に備えられた圧力センサのセンサ値に基づいてフィードバック制御される内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置において、
    前記電動低圧ポンプに所定の診断用電圧を印加し、前記診断用電圧が印加された状態での前記燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射流量と前記電動低圧ポンプの前記吐出流量とを用いて前記燃料タンクに還流するリターン燃料の還流流量を算出するとともに、前記還流流量をもとに前記リターン通路又は前記低圧燃料供給通路内の圧力の推定値を求め、前記圧力の推定値を前記圧力センサにより検出される前記リターン通路又は前記低圧燃料供給通路内の圧力の検出値と比較することにより、前記圧力センサの異常の有無を判定するとともに、
    前記リターン燃料の一部が前記低圧燃料供給通路に戻される場合に、
    前記低圧燃料供給通路に戻される燃料の流量を算出するとともに、前記吐出流量から前記噴射流量及び前記低圧燃料供給通路に戻される燃料の流量を減算することにより前記還流流量を算出する異常診断装置を備えることを特徴とする内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置。
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