JP2011047061A - エアジェットルームにおける緯糸把持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ピストン48,49は、ピストンハウジング46,47内を圧力導入室54,55とばね収容室56,57とに区画しており、ばね収容室56,57には圧縮ばね58,59が収容されている。電磁三ポート弁63,66は、排出用エア供給チューブ68,70及び逆止弁69,71を介して緯入れ用エア供給チューブ29,32の途中に合流接続されている。電磁三ポート弁63が消磁状態では、圧力エアがピストン48を圧力導入室54側からばね収容室56側へ移動させながら圧力導入室54へ供給され、緯糸が把持される。電磁三ポート弁63が励磁状態では、圧力導入室54内の圧力エアが排出用エア供給チューブ68及び逆止弁69を介して緯入れ用エア供給チューブ29へ排出される。
【選択図】図1
Description
特許文献6に開示の装置では、緯入れ用メインノズルに付属する加速管が2分割されており、2分割された加速管を連結する受け台に緯糸把持レバーが押し付けられて緯糸把持が行われるようになっている。そのため、2分割された加速管の間には大気開放された空間が多く存在するため、緯入れ用噴射エアの一部がこの空間から漏れ出す。これは、分割されていない加速管を備える緯入れ用メインノズルに比べて、緯糸推進力の低下をもたらし、結果として空気消費量が増大するという問題がある。
好適な例では、前記微噴射通路は、前記加速管の管内に直通されており、前記微噴射通路の一部は、前記加速管の外周から内周へ貫設された斜め通路であり、前記斜め通路は、前記加速管の外周から内周へ向かうにつれて緯入れ方向に向かう形状である。
緯入れ開始前に加速管内へ把持用エアを排出する構成は、緯入れ直前の緯入れ用メインノズル内における緯糸の緩みを無くして、安定した緯入れの達成に寄与する。
好適な例では、前記貫通路は、前記加速管の外周から内周へ向かうにつれて緯入れ方向に向かう形状である。
好適な例では、前記第1把持用エア供給切り換え手段及び前記第2把持用エア供給切り換え手段は、三ポート弁型の制御弁を備えており、該制御弁は、前記圧力導入室へ把持用エアを供給する前記供給状態と前記圧力導入室からの把持用エアの排出を停止する前記排出停止状態とをとる第1切り換え状態と、前記圧力導入室への把持用エアの供給を停止する前記供給停止状態と前記圧力導入室から把持用エアを排出する前記排出状態とをとる第2切り換え状態とに切り換えられる。
好適な例では、前記把持機構は、前記加速管の内周壁面に前記緯糸を押接する把持部材と、前記把持部材によって前記圧力導入室から区画される背圧室とを備え、前記第1把持用エア供給切り換え手段及び前記第2把持用エア供給切り換え手段は、五ポート弁型の制御弁を備えており、該制御弁は、前記圧力導入室へ把持用エアを供給する前記供給状態と、前記圧力導入室からの把持用エアの排出を停止する前記排出停止状態と、前記背圧室からの解放用エアの放出を許容する背圧放出状態とをとる把持状態と、前記圧力導入室への把持用エアの供給を停止する前記供給停止状態と、前記圧力導入室から把持用エアを排出する前記排出状態と、前記背圧室へ解放用エアを供給する背圧供給状態とをとる把持解放状態とに切り換えられる。
好適な例では、前記制御弁の有効断面積は、1mm2〜3mm2に設定されている。
図1(a)に示すように、スレイ11は、織機駆動モータ(図示略)から駆動力を得て往復回動するロッキングシャフト12にスレイソード13を介して支持されている。スレイ11上には緯入れ用メインノズル14,15が支持台10を介して固定されており、スレイ11上には筬16及び複数の補助ノズル17が固定されている。スレイ11、緯入れ用メインノズル14,15、筬16及び複数の補助ノズル17は、ロッキングシャフト12の往復回動によって、ロッキングシャフト12を中心にして織機の前後方向へ揺動する。
図2に示すように、糸巻き付け管22の回転によって緯糸Y1,Y2が糸巻付面23上に巻き付けられる。糸巻付面23からの緯糸引き出し解舒は、電磁ソレノイド24の係止ピン241の出没動作によって制御される。電磁ソレノイド24の励消磁は、制御コンピュータCの指令制御によって行われ、制御コンピュータCは、緯糸解舒検出器25からの緯糸解舒検出情報に基づいて電磁ソレノイド24の励消磁を制御する。緯糸解舒検出器25は、糸巻付面23上の巻き糸の解舒を検出する。糸巻付面23上の巻き糸が所定巻数解舒されると、制御コンピュータCは、係止ピン241を突出して緯糸引き出し解舒を阻止するように電磁ソレノイド24を消磁する。
経糸Tの開口内へ緯入れされた緯糸Y1,Y2は、複数の補助ノズル17のリレー噴射によって緯糸案内通路162内を牽引される。緯入れされた緯糸〔図1(a)に図示の例ではY1〕は、筬16の筬打ち動作によって織布Wの織前W1に筬打ちされる。
ピストンハウジング46,47を構成する蓋60,61には導入口601,611が蓋60,61の外面に開口するように設けられていると共に、ガイド孔602,612が蓋60,61の内面に開口するように設けられている。ガイド孔602,612と導入口601,611とは、連通しており、ガイド孔602,612の径は、導入口601,611の径よりも大きくしてある。ガイドロッド50,51は、ガイド孔602,612にスライド可能に嵌合されている。ガイドロッド50,51は、ガイド孔602,612と導入口601,611との段差に当接可能である。ガイドロッド50,51内には連通路501,511が形成されている。連通路501,511は、圧力導入室54,55と導入口601,611とを連通している。
図1(c)に示すように、加速管26,27には出入り孔261,271が加速管26,27の管壁を貫通するように形成されており、加速管26,27の内周壁面260,270には凹部262,272が出入り孔261,271と対向するように凹み形成されている。把持ロッド52の先端面は、出入り孔261から加速管26の管内に突入して凹部262の底に面接触可能であり、把持ロッド53の先端面は、出入り孔271から加速管27の管内に突入して凹部272の底に面接触可能である。凹部262,272の底は、平面であり、把持ロッド52,53の先端面は、凹部262,272の底と平行な平面である。
図3(a)は、電磁三ポート弁63の消磁状態を示す。電磁三ポート弁63が消磁されると、空気供給タンク64内の圧力エアが把持用エア供給チューブ62A、電磁三ポート弁63及び共通エアチューブ62Bを経由してピストン48を圧力導入室54側からばね収容室56側へ移動させながら圧力導入室54へ供給され、緯糸Y1が把持ロッド52の先端と、加速管26の凹部262の底との間で把持される。
図5のグラフにおける曲線F1,F2は、圧力導入室54内の把持用エアを緯入れ用メインノズル14へ排出したときの緯入れ用メインノズル14における噴射圧力の変化を示す。電磁三ポート弁63における有効断面積は、2mm2である。曲線F1は、圧力導入室54内の最大圧力を0.3MPaに設定したときの圧力変化であり、曲線F2は、圧力導入室54内の最大圧力を0.5MPaに設定したときの圧力変化である。織機回転数は、曲線F1,F2のいずれの場合にも、800rpmである。曲線F1,F2は、最大圧力の設定の仕方によって、圧力導入室54から緯入れ用メインノズル14内への排出による微噴射の有効噴射期間が5ms〜15ms程度変化することを示している。5ms〜15msは、織機回転角度で示すと、24°〜72°である。本実施形態では、圧力導入室54内の把持用エアは、緯入れ開始時から織機回転角度24°〜72°前のうちのいずれかに圧力導入室54から排出開始される。
(1)圧力導入室54,55内の把持用エアを緯糸解放の際、且つ緯入れ直前に加速管26,27内へ排出して緯糸Y1,Y2に微噴射作用を与えるようにしたため、緯糸Y1,Y2を機械的に把持するために用いられた把持用エアは、無駄に捨てられることなく安定した緯入れの達成に有効利用できる。
(3)図6(a),(b)のグラフから明らかなように、圧力導入室54,55内の把持用エアを微噴射に利用する構成は、微噴射の期間を短くしてエア消費量の低減に寄与する。従来では、緯糸種類が増すほど緯入れ用メインノズル1本当たりの微噴射の期間が長くなるが、本実施形態では、緯糸種類が増しても緯入れ用メインノズル1本当たりの微噴射の期間を長くする必要が無く、エア消費量の大幅な低減が可能である。
(9)図5に示すように、圧力導入室54内の最大圧力の設定の仕方によって、圧力導入室54から緯入れ用メインノズル14内への排出による微噴射の有効噴射期間が24°〜72°程度変化する。従って、織機回転数が800rpmの場合には、圧力導入室54内の把持用エアの排出開始は、緯入れ開始時から織機回転角度24°〜72°前から行なうのが望ましい。
第2の実施形態では、電磁三ポート弁の代わりに、電磁五ポート弁72,73が用いられている。電磁五ポート弁72は、緯入れ用メインノズル14用であり、電磁五ポート弁73は、緯入れ用メインノズル15用である。電磁五ポート弁72,73は、制御コンピュータC〔図2参照〕の励消磁制御を受ける。
第3の実施形態では、加速管26,27の根元に通路形成リング78が装着されている。通路形成リング78には導入口781が形成されており、通路形成リング78と加速管26,27の外周面との間には環状通路782が形成されている。導入口781には排出用エア供給チューブ68,70が接続されている。環状通路782によって包囲される加速管26,27の外周面には複数の斜め通路263,273が加速管26,27の管壁を貫通して管内に開口するように形成されている。斜め通路263,273は、加速管26,27の外周面から内周面に向かうにつれて緯入れ方向Rに向かう形状である。
斜め通路263,273から加速管26,27内への把持用エアの排出は、加速管26,27内の緯糸Y1,Y2に微噴射を作用させることができ、緯入れ不良を防止して安定した緯入れが達成される。又、斜め通路263,273からのエア排出は、エジェクタ効果をもたらして緯入れ用メインノズル14,15内の緯糸通路内へ緯入れ用メインノズル14,15外からエアを吸引するため、緯糸推進力が高まる。
第4の実施形態では、加速管26,27の先端側における外周面には把持ロッド52,53の先端面と対向する位置に貫通路264,274が内周壁面260,270に開口するように貫設されている。取り付けブロック45の底壁451には導入口454,455が貫通路264,274に連通するように形成されている。導入口454,455には排出用エア供給チューブ68,70が接続されている。貫通路264,274は、加速管26,27の外周面から内周面に向かうにつれて緯入れ方向Rに向かう形状である。貫通路264,274は、把持ロッド52,53の先端面を指向している。
○第1,3,4の実施形態において、電磁三ポート弁として、励磁によって把持用エアを圧力導入室54,55に供給し、消磁によって圧力導入室54,55内の把持用エアを排出するようにした電磁三ポート弁を用いてもよい。
○加速管26,27よりも上流側で緯糸を把持するようにした緯糸把持装置に本発明を適用してもよい。
前記した実施形態から把握できる技術思想について以下に記載する。
(イ)前記圧力導入室から排出される把持用エアは、大気に排出される請求項10に記載のエアジェットルームにおける緯糸把持装置。
Claims (11)
- 加速管を備えた緯入れ用メインノズルの緯入れ用エアの噴射によって前記緯入れ用メインノズルから緯糸を射出して緯入れし、前記緯糸を機械的に把持する把持機構が設けられているエアジェットルームにおける緯糸把持装置において、
前記把持機構は、把持用エアを導入する圧力導入室を備え、
前記加速管の内部で前記緯糸に微噴射を作用させる微噴射通路が前記圧力導入室と前記加速管の内部との間に設けられており、
前記圧力導入室に対して把持用エアを供給する供給状態と、前記圧力導入室に対して把持用エアの供給を停止する供給停止状態とに切り換えられる第1把持用エア供給切り換え手段が設けられており、
前記圧力導入室内の把持用エアを前記微噴射通路へ排出する排出状態と、前記圧力導入室内の把持用エアの排出を停止する排出停止状態とに切り換えられる第2把持用エア供給切り換え手段が設けられており、
前記把持機構は、前記第1把持用エア供給切り換え手段が前記供給状態かつ前記第2把持用エア供給切り換え手段が前記排出停止状態では、前記緯糸を把持し、
前記把持機構は、前記第1把持用エア供給切り換え手段が前記供給停止状態かつ前記第2把持用エア供給切り換え手段が前記排出状態では、前記緯糸を解放するエアジェットルームにおける緯糸把持装置。 - 前記緯入れ用エアは、開閉弁を介して前記緯入れ用メインノズルへ供給され、前記微噴射通路は、前記開閉弁と前記緯入れ用メインノズルとを繋ぐ緯入れ用エア通路に合流する排出通路を備えており、前記排出通路における緯入れ用エアの逆流を防止する逆止弁が前記排出通路に設けられている請求項1に記載のエアジェットルームにおける緯糸把持装置。
- 前記微噴射通路は、前記加速管の管内に直通されており、前記微噴射通路の一部は、前記加速管の外周から内周へ貫設された斜め通路であり、前記斜め通路は、前記加速管の外周から内周へ向かうにつれて緯入れ方向に向かう形状である請求項1に記載のエアジェットルームにおける緯糸把持装置。
- 前記圧力導入室内の把持用エアは、緯入れ開始前に前記加速管内へ排出される請求項2及び請求項3のいずれか1項に記載のエアジェットルームにおける緯糸把持装置。
- 織機回転数をNrpmとすると、前記圧力導入室内の把持用エアは、緯入れ開始時から織機回転角度24°×Nrpm/800rpm〜72°×Nrpm/800rpm前に前記圧力導入室から排出開始され、前記圧力導入室からの把持用エアの排出と緯入れ用エアの噴射とが連続的に行われる請求項4に記載のエアジェットルームにおける緯糸把持装置。
- 前記把持機構は、前記加速管の内周壁面に前記緯糸を押接する把持部材を備え、前記把持部材は、前記圧力導入室へ把持用エアが供給されたときに、前記内周壁面に押接可能である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のエアジェットルームにおける緯糸把持装置。
- 前記微噴射通路は、前記加速管の管内に直通されており、前記微噴射通路の一部は、前記加速管の外周から内周へ貫設された貫通路であり、前記貫通路は、前記把持部材を指向し、前記貫通路から前記加速管内へ排出された把持用エアは、前記緯糸を解放する方向へ前記把持部材を付勢する請求項6に記載のエアジェットルームにおける緯糸把持装置。
- 前記貫通路は、前記加速管の外周から内周へ向かうにつれて緯入れ方向に向かう形状である請求項7に記載のエアジェットルームにおける緯糸把持装置。
- 前記第1把持用エア供給切り換え手段及び前記第2把持用エア供給切り換え手段は、三ポート弁型の制御弁を備えており、該制御弁は、前記圧力導入室へ把持用エアを供給する前記供給状態と前記圧力導入室からの把持用エアの排出を停止する前記排出停止状態とをとる第1切り換え状態と、前記圧力導入室への把持用エアの供給を停止する前記供給停止状態と前記圧力導入室から把持用エアを排出する前記排出状態とをとる第2切り換え状態とに切り換えられる請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のエアジェットルームにおける緯糸把持装置。
- 前記把持機構は、前記加速管の内周壁面に前記緯糸を押接する把持部材と、前記把持部材によって前記圧力導入室から区画される背圧室とを備え、前記第1把持用エア供給切り換え手段及び前記第2把持用エア供給切り換え手段は、五ポート弁型の制御弁を備えており、
該制御弁は、前記圧力導入室へ把持用エアを供給する前記供給状態と、前記圧力導入室からの把持用エアの排出を停止する前記排出停止状態と、前記背圧室からの解放用エアの放出を許容する背圧放出状態とをとる把持状態と、前記圧力導入室への把持用エアの供給を停止する前記供給停止状態と、前記圧力導入室から把持用エアを排出する前記排出状態と、前記背圧室へ解放用エアを供給する背圧供給状態とをとる把持解放状態とに切り換えられる請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のエアジェットルームにおける緯糸把持装置。 - 前記制御弁の有効断面積は、1mm2〜3mm2に設定されている請求項9及び請求項10のいずれか1項に記載のエアジェットルームにおける緯糸把持装置。
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