JP2000170057A - ジェットルームにおける緯糸張力付与装置 - Google Patents

ジェットルームにおける緯糸張力付与装置

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JP2000170057A
JP2000170057A JP10349869A JP34986998A JP2000170057A JP 2000170057 A JP2000170057 A JP 2000170057A JP 10349869 A JP10349869 A JP 10349869A JP 34986998 A JP34986998 A JP 34986998A JP 2000170057 A JP2000170057 A JP 2000170057A
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weft
nozzle
eliminating
air
catching
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JP10349869A
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Shoichi Maeda
昭一 前田
Motoaki Toda
元章 戸田
Yoichi Makino
洋一 牧野
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Toyota Industries Corp
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エア消費量を増やすことなく緯糸捕捉通路内か
ら緯糸を排除する。 【解決手段】スレイ11の前面に取り付けられたストレ
ッチノズル16からの噴射エアは、緯入れ通路121を
横切って緯糸Yの先端部を緯糸捕捉パイプ17内に吹き
入れる。緯糸排除ノズル19は、緯糸捕捉パイプ17の
出口175の延長領域Eから変形筬12側の側方に外れ
た位置に配設されている。緯糸排除ノズル19は出口1
75を指向する。ストレッチノズル16はエア供給管路
26及び電磁三方弁20を介して圧力エア源に接続され
ている。緯糸排除ノズル19はエア供給管路27及び電
磁三方弁20を介してエア供給管路16に接続されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緯糸捕捉通路内へ
ストレッチノズルからエアを吹き込んで緯糸を捕捉する
ジェットルームにおける緯糸張力付与装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】品質の良い織布を製織するためには、緯
入れされた緯糸に対して筬打ち時に適度な張力を付与す
ることが必要である。緯糸に対して筬打ち時に張力を付
与するため、例えば実開昭49−15257号公報、特
開昭49−35659号公報、実開昭63−89988
号公報、特開平4−308252号公報等では、織機の
スレイ上の緯入れ末端側に緯糸張力付与装置が設けられ
ている。緯入れされた緯糸の先端部は、ストレッチノズ
ルから噴射されるエアによって緯糸捕捉通路内へ吹き入
れられ、ストレッチノズルからのエア流が前記緯糸に張
力を付与する。このような張力付与作用を得るために
は、緯糸捕捉通路内に捕捉される緯糸の捕捉長さを適度
に長くする必要がある。特に、伸縮し易い緯糸について
は捕捉長さを長くする必要がある。しかし、捕捉長さが
長くなると、筬打ち後においても筬打ちされた緯糸の先
端部が緯糸捕捉通路内に残るおそれがある。このような
残糸は緯糸捕捉及び張力付与の機能を低下させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ストレッチノズルへの
エアの供給及び停止を制御する弁機構を開状態から閉状
態へ切り換えたとき、前記弁機構からストレッチノズル
に至るエア供給経路内に残留する圧力エアがストレッチ
ノズルから噴射する。このような残留噴射が長引くと、
緯糸の先端部が緯糸捕捉通路内に残り易くなる。前記弁
機構として排気ポートを備えた三方弁を用いれば前記残
留噴射が短くなるが、緯糸の先端部を緯糸捕捉通路内に
残さないためには三方弁の採用のみでは不十分である。
【0004】特開平4−308252号公報の従来装置
では、緯糸捕捉通路である糸案内ダクト内の緯糸先端部
を糸案内ダクトから取り去るための吹き出し装置がスト
レッチノズルの近傍に装着されている。しかし、この吹
き出し装置は新たなエア消費部となり、エア消費量が増
大する。
【0005】本発明は、エア消費量を増やすことなく緯
糸捕捉通路内から緯糸を排除することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、緯
糸捕捉通路内へ圧力エアを吹き込むストレッチノズル、
及び前記ストレッチノズルに圧力エアを供給する供給状
態と、前記ストレッチノズルに圧力エアを供給しない供
給停止状態とに切り換えられる緯糸捕捉用切り換え手段
を備え、前記緯糸捕捉用切り換え手段を供給状態にして
前記緯糸捕捉通路内へ前記ストレッチノズルから圧力エ
アを吹き込んで緯糸を捕捉する緯糸張力付与装置を対象
とし、請求項1の発明では、前記緯糸捕捉用切り換え手
段を供給状態から供給停止状態に切り換えたときの前記
緯糸捕捉用切り換え手段から前記ストレッチノズルに至
るエア供給経路内の残留圧力エアから緯糸排除用エア流
を生成する緯糸排除用エア流生成手段を備えた緯糸張力
付与装置を構成し、前記緯糸捕捉通路内に捕捉された緯
糸を前記緯糸排除用エア流生成手段によって生成された
緯糸排除用エア流によって前記緯糸捕捉通路内から排除
するようにした。
【0007】緯糸捕捉用切り換え手段からストレッチノ
ズルに至るエア供給経路内の残留圧力エアを利用して緯
糸捕捉通路内に捕捉された緯糸を緯糸捕捉通路内から排
除する構成は、圧力エアの消費量を増やすことなく緯糸
捕捉通路内から緯糸を排除可能である。
【0008】請求項2の発明では、請求項1において、
前記残留圧力エアを噴射する緯糸排除ノズルと、前記緯
糸捕捉用切り換え手段を供給状態から供給停止状態に切
り換えたときの前記緯糸捕捉用切り換え手段から前記ス
トレッチノズルに至るエア供給経路内の残留圧力エアを
前記緯糸排除ノズルに供給する供給状態と、前記エア供
給経路内の圧力エアを前記緯糸排除ノズルに供給しない
供給停止状態とに切り換えられる緯糸排除用切り換え手
段とを備えた前記緯糸排除用エア流生成手段を構成し
た。
【0009】前記緯糸捕捉用切り換え手段を供給状態か
ら供給停止状態に切り換えたときには、緯糸排除用切り
換え手段が供給状態となり、緯糸捕捉用切り換え手段か
らストレッチノズルに至るエア供給経路内の残留圧力エ
アが緯糸排除ノズルに供給される。緯糸排除ノズルは、
前記エア供給経路から供給された残留圧力エアを噴射し
て緯糸排除用エア流を発生させる。前記エア供給経路内
の残留圧力エアを利用して緯糸排除用エア流を生成する
構成は、エア消費量を増やすことなく緯糸捕捉通路内か
ら緯糸を排除する。
【0010】請求項3の発明では、請求項2において、
前記緯糸捕捉用切り換え手段及び緯糸排除用切り換え手
段は、入力ポート、出力ポート及び排気ポートを備えた
単一の三方弁によって構成し、前記圧力エアは前記出力
ポートを介して前記ストレッチノズルへ供給し、前記残
留圧力エアは前記排気ポートを介して前記緯糸排除ノズ
ルへ供給するようにした。
【0011】三方弁は、入力ポートと出力ポートとを連
通する状態と、出力ポートと排気ポートとを連通する状
態とのいずれかをとる。入力ポートと出力ポートとを連
通した状態は、緯糸捕捉用切り換え手段を供給状態と
し、かつ緯糸排除用切り換え手段を供給停止状態とした
状態である。この状態ではストレッチノズルがエアを噴
射し、緯糸排除ノズルは緯糸排除用エア流を発生しな
い。出力ポートと排気ポートとを連通した状態は、緯糸
捕捉用切り換え手段を供給停止状態とし、かつ緯糸排除
用切り換え手段を供給状態とした状態である。入力ポー
トと出力ポートとを連通する状態から出力ポートと排気
ポートとを連通した状態へ移行したときにはストレッチ
ノズル及び緯糸排除ノズルが残留噴射を行なう。
【0012】請求項4の発明では、請求項2及び請求項
3のいずれか1項において、前記ストレッチノズルから
の緯糸捕捉用エアの前記緯糸捕捉通路内における流れ方
向とは逆方向に流れる緯糸排除用エア流を前記緯糸捕捉
通路内に発生させる緯糸排除ノズルを備えた緯糸張力付
与装置を構成した。
【0013】緯糸排除用エア流は緯糸捕捉通路内を掃過
し、緯糸捕捉通路内の緯糸先端部は効果的に排除され
る。請求項5の発明では、請求項4において、前記緯糸
排除ノズルは、前記緯糸捕捉通路の出口へ前記緯糸排除
用エア流を吹き込むようにした。
【0014】緯糸捕捉通路の出口から緯糸排除用エア流
を吹き込む構成は、緯糸排除の上で最も効果的であり、
かつ簡便である。請求項6の発明では、請求項2乃至請
求項5のいずれか1項において、前記緯糸排除ノズルの
噴射口における通過断面積を前記ストレッチノズルの噴
射口径における通過断面積よりも大きくした。
【0015】このような通過断面積設定は、緯糸排除ノ
ズル側の残留圧力エアの噴射流をストレッチノズル側の
残留圧力エアの噴射流よりも強くする。請求項7の発明
では、請求項2乃至請求項6のいずれか1項において、
前記緯糸排除用切り換え手段から前記緯糸排除ノズルに
至るエア供給経路は、前記緯糸捕捉用切り換え手段から
前記ストレッチノズルに至るエア供給経路よりも短くし
た。
【0016】このようなエア供給経路の設定は、緯糸排
除ノズル側へ残留圧力エアを迅速に供給する上で有効で
ある。請求項8の発明では、請求項5において、前記緯
糸排除ノズルは、前記緯糸捕捉通路の出口側の延長領域
から側方に外れた位置に配置した。
【0017】緯糸捕捉通路を通過した緯糸捕捉用エア流
は、緯糸排除ノズルと殆ど干渉しない。このような干渉
の回避は緯糸捕捉通路内の緯糸捕捉用エア流の円滑化に
寄与する。
【0018】請求項9の発明では、請求項4及び請求項
5のいずれか1項において、前記緯糸捕捉通路の途中に
屈曲部を設け、前記屈曲部から出口に至る前記緯糸捕捉
通路の緯糸が押接される側の壁面部に前記緯糸排除ノズ
ルを指向させた。
【0019】緯糸排除ノズルからの残留圧力エア流は、
緯糸捕捉通路内の緯糸を前記屈曲部の凹部側の壁面部に
向けて付勢し、前記屈曲部の存在が緯糸捕捉作用を高め
る。緯糸が押接される側の壁面部に緯糸排除ノズルを指
向させる構成は、緯糸排除効果を高める上で有効であ
る。
【0020】請求項10の発明では、請求項9におい
て、前記緯糸捕捉通路は筬羽の列と交差する方向に指向
する導入口を備えた緯糸捕捉パイプ内に形成し、前記緯
糸捕捉パイプは、前記筬羽の列と交差する方向の部分
と、前記屈曲部と、前記筬羽の列に略平行に沿った部分
とからなり、前記緯糸排除ノズルの先端部は、前記屈曲
部から出口に至る前記緯糸捕捉通路の緯糸が押接される
側の壁面部を指向するように屈曲させた。
【0021】緯糸捕捉パイプは筬羽の列の後ろ側に配置
されるが、筬羽の列の後ろには綜絖があり、綜絖と筬羽
の列との間の間隔は少ない。緯糸排除ノズルの先端部を
屈曲させる構成は、このようなスペースに余裕のない所
での採用に好適である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した第1の
実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0023】図1に示すようにスレイ11上には変形筬
12が立設されている。変形筬12はスレイ11上の支
持溝111内に楔部材13の締め付け作用によって固定
されている。図示しない緯入れ用メインノズルから射出
された緯糸Yは、緯入れ用補助ノズル14の噴射作用に
よって変形筬12前面の緯入れ通路121内を飛走す
る。スレイ11の前面には緯糸検出器15が緯入れ方向
の取り付け位置調整可能に取り付け固定されている。緯
糸検出器15は緯糸Yの到達有無を検出する。
【0024】スレイ11の前面にはストレッチノズル1
6が緯入れ方向の取り付け位置調整可能に締め付け固定
されている。ストレッチノズル16の噴射口161は緯
入れ通路121と直交する方向を指向しており、ストレ
ッチノズル16からの噴射エアは緯入れ通路121を横
切る。
【0025】変形筬12の後ろ側には緯糸捕捉パイプ1
7が配設されている。緯糸捕捉パイプ17は、図示しな
い掛け止め部材を介して変形筬12の上枠122に掛け
止め支持されている。図3に示すように、緯糸捕捉パイ
プ17は、変形筬12の筬羽123の列と交差する方向
の導入部171と、屈曲部172と、筬羽123の列に
略平行に沿った吹き流し部173とからなる。緯糸捕捉
パイプ17の導入部171には差し込み突起18が止着
されている。差し込み突起18は変形筬12の筬羽12
3間に差し込まれ、この差し込みによって筬羽123間
が拡開される。緯糸捕捉パイプ17の導入口174は前
記拡開された筬羽123間に対向する。緯糸捕捉パイプ
17は変形筬12に対して緯入れ方向の任意位置に取り
付け可能である。
【0026】図2に示すように、導入口174はストレ
ッチノズル16の噴射口161と対向しており、ストレ
ッチノズル16からの噴射エアは導入口174を介して
緯糸捕捉パイプ17内に吹きこまれる。ストレッチノズ
ル16の噴射は、緯糸Yの先端部が導入口174の前方
に到達する前に開始される。緯入れ通路121を飛走し
て導入口174の前方に到達した緯糸Yの先端部は、ス
トレッチノズル16の噴射によって緯糸捕捉パイプ17
内に吹き入れられる。
【0027】図1に示すように、楔部材13上には緯糸
排除ノズル19が装着されている。楔部材13は緯入れ
方向の取り付け位置調整可能である。緯糸検出器15、
ストレッチノズル16及び緯糸捕捉パイプ17は、織布
Wの織幅変更に応じて緯入れ方向の取り付け位置を変更
されるが、これらの取り付け位置変更に応じて緯糸排除
ノズル19の取り付け位置も変更することができる。
【0028】図3に示すように、緯糸排除ノズル19
は、緯糸捕捉パイプ17の出口175の延長領域Eから
変形筬12側の側方に外れた位置に配設されている。緯
糸排除ノズル19の先端部191は、延長領域E側に向
けて屈曲しており、緯糸排除ノズル19は出口175を
指向する。即ち、緯糸排除ノズル19は、屈曲部172
の凹部176から出口175に至る緯糸捕捉パイプ17
の凹部176側の内壁面部177を指向するストレッチ
ノズル16及び緯糸排除ノズル19は、いずれも電磁三
方弁20を介して図示しない圧力エア源に接続されてい
る。図3に示すように、電磁三方弁20は、入力ポート
201と出力ポート202と排気ポート203とを備え
ている。入力ポート201はエア供給管路21を介して
前記圧力エア源に接続されている。出力ポート202は
エア供給管路26を介してストレッチノズル16に接続
されており、排気ポート203はエア供給管路27を介
して緯糸排除ノズル19に接続されている。エア供給管
路27はエア供給管路26よりも短くしてある。
【0029】図3では電磁三方弁20は消磁状態にあ
り、出力ポート202と排気ポート203とが連通して
いる。図4では電磁三方弁20は励磁状態にあり、入力
ポート201と出力ポート202とが連通している。電
磁三方弁20は図5の曲線V1で示すように励磁され
る。曲線P1は電磁三方弁20の励磁に伴うストレッチ
ノズル16の噴射流量を示し、曲線P2は電磁三方弁2
0の消磁に伴う緯糸排除ノズル19の残留圧力エア噴射
流量を示す。横軸θは織機回転角度を表す。織機回転角
度θ=0°(=360°)は筬打ち角度である。電磁三
方弁20が励磁されると、ストレッチノズル16が圧力
エアを噴射し、緯糸Yの先端部はストレッチノズル16
からの圧力エア流によって緯糸捕捉パイプ17内に吹き
入れられて捕捉される。電磁三方弁20が励磁状態から
消磁状態に切り換えられると、エア供給管路26内の残
留圧力エアの一部が出力ポート202、排気ポート20
3及びエア供給管路27を介して緯糸排除ノズル19へ
流れる。そのため、ストレッチノズル16及び緯糸排除
ノズル19が共に残留圧力エアを噴射する。ストレッチ
ノズル16からの残留圧力エア流は緯糸捕捉パイプ17
内を導入口174側から出口175側へ流れようとす
る。緯糸排除ノズル19からの残留圧力エア流は緯糸捕
捉パイプ17内を出口175側から導入口174側へ流
れようとする。
【0030】緯糸排除ノズル19の噴射口192におけ
る通過断面積は、ストレッチノズル16の噴射口161
における通過断面積よりも大きくしてある。従って、緯
糸捕捉パイプ17内を出口175側から導入口174側
へ流れようとする残留圧力エア流は、緯糸捕捉パイプ1
7内を導入口174側から出口175側へ流れようとす
る残留圧力エア流よりも強い。その結果、残留圧力エア
流は、出口175側から導入口174側に向けて緯糸捕
捉パイプ17内の緯糸捕捉通路を掃過する。緯糸捕捉パ
イプ17内に残っている緯糸Yの先端部は、緯糸捕捉パ
イプ17内を掃過する残留圧力エア流によって導入口1
74側から排除される。
【0031】第1の実施の形態では以下の効果が得られ
る。 (1-1)電磁三方弁20及びエア供給管路27と共に緯
糸排除用エア流生成手段を構成する緯糸排除ノズル19
は、エア供給管路26内の残留圧力エアの一部を噴射し
て緯糸排除用エア流を発生させる。電磁三方弁20から
ストレッチノズル16に至るエア供給経路となるエア供
給管路26内の残留圧力エアを利用して緯糸排除用エア
流を生成する構成は、エア消費量を増やすことなく緯糸
捕捉パイプ17内から緯糸Yを排除する。 (1-2)電磁三方弁20が励磁された状態は、ストレッ
チノズル16に圧力エアを供給する状態、かつ緯糸排除
ノズル19に残留圧力エアを供給しない状態である。電
磁三方弁20が消磁された状態は、ストレッチノズル1
6に圧力エアを供給しない状態、かつ緯糸排除ノズル1
9に残留圧力エアを供給可能な状態である。入力ポート
201と出力ポート202との連通及び遮断の切り換え
手段は、緯糸捕捉用切り換え手段であり、出力ポート2
02と排気ポート203との連通及び遮断の切り換え手
段は、緯糸排除用切り換え手段である。電磁三方弁20
は単一で緯糸捕捉用切り換え手段及び緯糸排除用切り換
え手段を構成している。緯糸捕捉用切り換え手段及び緯
糸排除用切り換え手段を単一の電磁三方弁20で兼用す
る構成は簡便である。 (1-3)ストレッチノズル16からの緯糸捕捉用エア流
の緯糸捕捉パイプ17内における流れ方向とは逆方向に
流れて緯糸捕捉パイプ17内のほぼ全体を掃過する緯糸
排除用エア流は、緯糸捕捉パイプ17内の緯糸先端部の
ほぼ全体に作用し、緯糸捕捉パイプ17内の緯糸先端部
の全体が導入口174側へ効率良く付勢される。 (1-4)緯糸捕捉パイプ17の出口175から残留圧力
エア流を吹き込む構成は、緯糸捕捉パイプ17内のほぼ
全体を緯糸排除用エア流が掃過することになって緯糸排
除の上で最も効果的である。又、緯糸捕捉パイプ17の
出口175から残留圧力エア流を吹き込む構成は、緯糸
捕捉パイプ17の特別な細工を必要としない簡便な構成
である。 (1-5)ストレッチノズル16及び緯糸排除ノズル19
が同等の残留圧力エア噴射を行なうと、緯糸捕捉パイプ
17内の緯糸Yを排除することができない。緯糸排除ノ
ズル19の噴射口192における通過断面積をストレッ
チノズル16の噴射口161における通過断面積よりも
大きくした構成は、緯糸排除ノズル19側の残留圧力エ
アの噴射流をストレッチノズル16側の残留圧力エアの
噴射流よりも強くする。このような強弱設定は緯糸捕捉
パイプ17内の緯糸Yの排除を可能にする。 (1-6)残留圧力エアが緯糸排除ノズル19側に供給さ
れる前にストレッチノズル16の高圧残留噴射が長引く
と、緯糸排除ノズル19側に供給された残留圧力エアの
圧力が大きく低下する。このような残留圧力低下は、緯
糸捕捉パイプ17内の緯糸Yの排除を困難にする。電磁
三方弁20から緯糸排除ノズル19に至るエア供給経路
となるエア供給管路27の長さを電磁三方弁20からス
トレッチノズル16に至るエア供給管路26よりも短く
した構成は、緯糸排除ノズル19側へ圧力低下の少ない
残留圧力エアを迅速に供給する上で有効である。 (1-7)緯糸捕捉パイプ17の出口175に近い延長領
域E上に障害物があると、出口175からの緯糸捕捉用
エア流の吹き出しの円滑性が阻害され、緯糸捕捉パイプ
17内における緯糸捕捉用エア流の流速が低下する。こ
のような流速低下は緯糸捕捉パイプ17内における緯糸
捕捉作用の効率低下をもたらす。緯糸排除ノズル19
は、緯糸捕捉パイプ17の出口175側の延長領域Eか
ら側方に外れた位置に配置されている。そのため、緯糸
捕捉パイプ17内を通過した緯糸捕捉用エア流は、緯糸
排除ノズル19と殆ど干渉しない。このような干渉の回
避は緯糸捕捉パイプ17内の緯糸捕捉用エア流による緯
糸捕捉作用の効率低下の抑制に寄与する。 (1-8)緯糸捕捉用エア流は、緯糸捕捉パイプ17内の
緯糸Yを屈曲部172の凹部176側の内壁面部177
側に向けて付勢する。従って、導入口174で屈曲させ
られた緯糸Yは、屈曲部172で再び屈曲された状態で
吹き流し部173の内壁面部177に押接され、屈曲部
172の存在が緯糸捕捉作用を高める。内壁面部177
側を指向する緯糸排除ノズル19からの残留圧力エア流
は、緯糸捕捉作用を高めるように内壁面部177側に押
接された緯糸Yの部位に効率良く作用する。従って、凹
部176側の内壁面部177に残留圧力エア流を向けた
構成は、緯糸排除効果の向上に寄与する。 (1-9)緯糸捕捉パイプ17は筬羽123の列の後ろ側
に配置されるが、筬羽123の列の後ろには綜絖(図示
略)があり、綜絖と筬羽123の列との間の間隔は少な
い。緯糸排除ノズル全体を傾けて緯糸排除ノズルを内壁
面部177に指向させる構成は、前記のようなスペース
に余裕のない所では実現困難である。緯糸排除ノズル1
9の先端部を屈曲させて内壁面部177に緯糸排除ノズ
ル19を指向させる構成は、前記のような設置スペース
の問題の回避に有効である。
【0032】次に、図6〜図9の第2の実施の形態を説
明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が
付してある。この実施の形態では、入力ポート281及
び出力ポート282を備えた電磁開閉弁28がエア供給
管路21とエア供給管路26との間に介在されている。
電磁開閉弁28の出力ポート282には分配管283が
接続されており、分配管283にはエア供給管路26が
接続されている。エア供給管路27は電磁開閉弁29を
介して分配管283に接続されている。電磁開閉弁29
の入力ポート291は分配管283に接続されており、
電磁開閉弁29の出力ポート292はエア供給管路27
に接続されている。
【0033】図7の状態では電磁開閉弁28が励磁され
ていると共に、電磁開閉弁29が消磁されており、図8
の状態では電磁開閉弁28が消磁されていると共に、電
磁開閉弁29が励磁されている。電磁開閉弁28は図9
の曲線V2で示すように励磁され、電磁開閉弁29は曲
線V3で示すように励磁される。曲線P3は電磁開閉弁
28の励磁に伴うストレッチノズル16の噴射流量を示
し、曲線P4は電磁開閉弁29の消磁に伴う緯糸排除ノ
ズル19の残留圧力エア噴射流量を示す。電磁開閉弁2
8は緯糸捕捉用切り換え手段となり、電磁開閉弁29は
緯糸排除用切り換え手段となる。
【0034】第2の実施の形態では、第1の実施の形態
における(1-2)項以外の効果と同じ効果が得られる。
図10に示すように、電磁開閉弁28が消磁される直前
から電磁開閉弁29を励磁するようにした第3の実施の
形態も可能である。このような励消磁タイミングの設定
は、残留圧力エアの圧力低下を遅らせるのに寄与する。
【0035】次に、図11の第4の実施の形態を説明す
る。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。この実施の形態では、緯糸捕捉パイプ17の吹
き流し部173の外周面に環状のノズルハウジング22
が取り付けられており、電磁三方弁20に繋がるエア供
給管路27がノズルハウジング22に接続されている。
ノズルハウジング22によって包囲される緯糸捕捉パイ
プ17の周面には複数の噴射口178が形成されてい
る。エア供給管路27からノズルハウジング22に供給
された残留圧力エアは噴射口178から緯糸捕捉パイプ
17内に噴射し、緯糸捕捉パイプ17内の緯糸Yの排除
が行われる。ノズルハウジング22と共に緯糸排除ノズ
ルを構成する噴射口178が出口175に近いほど、噴
射口178から噴射される緯糸排除用エア流によって掃
過される緯糸捕捉パイプ17内の容積が増え、緯糸排除
効果が高くなる。
【0036】次に、図12の第5の実施の形態を説明す
る。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。この実施の形態では、緯糸排除ノズル19は緯
糸捕捉パイプ17の出口175の延長領域E内にある
が、緯糸排除ノズル19の先端部193は円錐形状とな
っている。先端部193の円錐形状は出口175からの
緯糸捕捉用エア流の吹き出しの円滑性阻害の抑制に有効
である。緯糸捕捉用エア流の吹き出しの円滑性の阻害の
回避は、緯糸捕捉パイプ17内の緯糸捕捉用エア流によ
る緯糸捕捉作用の効率低下の抑制に寄与する。
【0037】次に、図13及び図14の第6の実施の形
態を説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ
符号が付してある。図13に示すように、変形筬12の
隣には緯糸捕捉ブロック24が立設されている。緯糸捕
捉ブロック24は支持溝111内に楔部材13の締め付
け作用によって固定されている。緯糸捕捉ブロック24
の前面には緯糸導入凹部241が形成されている。緯糸
導入凹部241は緯入れ通路121の延長線上にある。
図14に示すように緯糸捕捉ブロック24内にはストレ
ッチノズル25が緯糸導入凹部241の下面に開口する
ように形成されている。ストレッチノズル25は電磁三
方弁20を介して図示しない圧力エア供給源に接続され
ている。
【0038】緯糸捕捉ブロック24には緯糸捕捉パイプ
17が取り付けられている。緯糸捕捉パイプ17の導入
口174は緯糸導入凹部241の上面を貫通して開口し
ており、導入口174とストレッチノズル25の噴射口
251とは対向している。ストレッチノズル25からの
緯糸捕捉用エア流は緯糸捕捉パイプ17の導入口174
に向けて噴射する。緯糸導入凹部241に到達した緯糸
Yの先端部は、ストレッチノズル25からの緯糸捕捉用
エア流によって緯糸捕捉パイプ17内へ吹き入れられ
る。緯糸捕捉パイプ17内へ吹き入れられた緯糸Yは、
ストレッチノズル25からの緯糸捕捉用エア流の引き取
り作用によって張力を付与される。
【0039】緯糸捕捉ブロック24の隣には支持台23
が立設されており、支持台23上には緯糸排除ノズル1
9が設置されている。緯糸排除ノズル19は緯糸捕捉パ
イプ17の出口175の延長領域Eから下方に外れた位
置に配置されている。緯糸排除ノズル19の先端部19
1は上側に向けて屈曲しており、緯糸排除ノズル19か
らの緯糸排除用エア流は吹き流し部173の内壁面部1
77を指向する。
【0040】この実施の形態においても、第1の実施の
形態における(1-1)項〜(1-8)項と同じ効果が得ら
れる。本発明では以下のような実施の形態も可能であ
る。 (1)第1の実施の形態及び第6の実施の形態におい
て、複数の緯糸排除ノズル19を用いること。 (2)スレイ11上に緯糸排除ノズルを装着する代わり
に、スレイ11の揺動に伴う緯糸捕捉パイプ17の出口
175の揺動軌跡の側方に緯糸排除ノズルを固定配置す
ること。 (3)緯糸捕捉通路である糸案内ダクト内の緯糸先端部
を糸案内ダクトから取り去るための吹き出し装置をスト
レッチノズルの近傍に装着した特開平4−308252
号公報の装置に本発明を適用すること。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように本発明では、緯糸捕
捉用切り換え手段から前記ストレッチノズルに至るエア
供給経路内の残留圧力エアを利用して緯糸捕捉通路内に
捕捉された緯糸を緯糸捕捉通路内から排除するようにし
たので、圧力エアの消費量を増やすことなく緯糸捕捉通
路内から緯糸を排除し得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す斜視図。
【図2】一部省略要部拡大正断面図。
【図3】要部拡大平断面図。
【図4】電磁三方弁が励磁状態にある要部拡大平断面
図。
【図5】ストレッチノズル16と緯糸排除ノズル19と
の噴射タイミング関係を示すタイミングチャート。
【図6】第2の実施の形態を示す要部拡大平断面図。
【図7】電磁開閉弁28のみ励磁状態にある要部拡大平
断面図。
【図8】電磁開閉弁29のみ励磁状態にある要部拡大平
断面図。
【図9】ストレッチノズル16と緯糸排除ノズル19と
の噴射タイミング関係を示すタイミングチャート。
【図10】第3の実施の形態におけるストレッチノズル
16と緯糸排除ノズル19との噴射タイミング関係を示
すタイミングチャート。
【図11】第4の実施の形態を示す要部拡大平断面図。
【図12】第5の実施の形態を示す要部拡大平断面図。
【図13】第6の実施の形態を示す斜視図。
【図14】要部拡大側断面図。
【符号の説明】
16,25…ストレッチノズル、17…緯糸案内通路を
形成する緯糸捕捉パイプ、171…筬羽の列と交差する
方向の部分となる導入部、172…屈曲部、173…筬
羽の列に略平行に沿った部分となる吹き流し部、174
…導入口、175…出口、176…凹部、177…内壁
面部、19…緯糸排除ノズル、191…先端部、20…
電磁三方弁、22…緯糸排除ノズルを構成するノズルハ
ウジング、178…緯糸排除ノズルを構成する噴射口、
26,27…エア供給管路、28,29…電磁開閉弁、
Y…緯糸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 洋一 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 4L050 AA15 AB03 CB13 CB20 CB85 CC06 ED02 ED12 EE14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緯糸捕捉通路内へ圧力エアを吹き込むスト
    レッチノズル、及び前記ストレッチノズルに圧力エアを
    供給する供給状態と、前記ストレッチノズルに圧力エア
    を供給しない供給停止状態とに切り換えられる緯糸捕捉
    用切り換え手段を備え、前記緯糸捕捉用切り換え手段を
    供給状態にして前記緯糸捕捉通路内へ前記ストレッチノ
    ズルから圧力エアを吹き込んで緯糸を捕捉するジェット
    ルームにおける緯糸張力付与装置において、 前記緯糸捕捉用切り換え手段を供給状態から供給停止状
    態に切り換えたときの前記緯糸捕捉用切り換え手段から
    前記ストレッチノズルに至るエア供給経路内の残留圧力
    エアから緯糸排除用エア流を生成する緯糸排除用エア流
    生成手段を備え、 前記緯糸捕捉通路内に捕捉された緯糸を前記緯糸排除用
    エア流生成手段によって生成された緯糸排除用エア流に
    よって前記緯糸捕捉通路内から排除するようにしたジェ
    ットルームにおける緯糸張力付与装置。
  2. 【請求項2】前記緯糸排除用エア流生成手段は、前記残
    留圧力エアを噴射する緯糸排除ノズルと、前記緯糸捕捉
    用切り換え手段を供給状態から供給停止状態に切り換え
    たときの前記緯糸捕捉用切り換え手段から前記ストレッ
    チノズルに至るエア供給経路内の残留圧力エアを前記緯
    糸排除ノズルに供給する供給状態と、前記エア供給経路
    内の圧力エアを前記緯糸排除ノズルに供給しない供給停
    止状態とに切り換えられる緯糸排除用切り換え手段とを
    備えている請求項1に記載のジェットルームにおける緯
    糸張力付与装置。
  3. 【請求項3】前記緯糸捕捉用切り換え手段及び緯糸排除
    用切り換え手段は、入力ポート、出力ポート及び排気ポ
    ートを備えた単一の三方弁によって構成されており、前
    記圧力エアは前記出力ポートを介して前記ストレッチノ
    ズルへ供給され、前記残留圧力エアは前記排気ポートを
    介して前記緯糸排除ノズルへ供給される請求項2に記載
    のジェットルームにおける緯糸張力付与装置。
  4. 【請求項4】前記緯糸排除ノズルは、前記ストレッチノ
    ズルからの緯糸捕捉用エアの前記緯糸捕捉通路内におけ
    る流れ方向とは逆方向に流れる緯糸排除用エア流を前記
    緯糸捕捉通路内に発生させる請求項2及び請求項3のい
    ずれか1項に記載のジェットルームにおける緯糸張力付
    与装置。
  5. 【請求項5】前記緯糸排除ノズルは、前記緯糸捕捉通路
    の出口へ前記緯糸排除用エア流を吹き込む請求項4に記
    載のジェットルームにおける緯糸張力付与装置。
  6. 【請求項6】前記緯糸排除ノズルの噴射口における通過
    断面積は、前記ストレッチノズルの噴射口における通過
    断面積よりも大きい請求項2乃至請求項5のいずれか1
    項に記載のジェットルームにおける緯糸張力付与装置。
  7. 【請求項7】前記緯糸排除用切り換え手段から前記緯糸
    排除ノズルに至るエア供給経路は、前記緯糸捕捉用切り
    換え手段から前記ストレッチノズルに至るエア供給経路
    よりも短い請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載
    のジェットルームにおける緯糸張力付与装置。
  8. 【請求項8】前記緯糸排除ノズルは、前記緯糸捕捉通路
    の出口側の延長領域から側方に外れた位置に配置されて
    いる請求項5に記載のジェットルームにおける緯糸張力
    付与装置。
  9. 【請求項9】前記緯糸捕捉通路は途中に屈曲部を持ち、
    前記緯糸排除ノズルは前記屈曲部から出口に至る前記緯
    糸捕捉通路の緯糸が押接される側の壁面部を指向する請
    求項4及び請求項5のいずれか1項に記載のジェットル
    ームにおける緯糸張力付与装置。
  10. 【請求項10】前記緯糸捕捉通路は、筬羽の列と交差す
    る方向に指向する導入口を備えた緯糸捕捉パイプ内に形
    成されており、前記緯糸捕捉パイプは、前記筬羽の列と
    交差する方向の部分と、前記屈曲部と、前記筬羽の列に
    略平行に沿った部分とからなり、前記緯糸排除ノズルの
    先端部は、前記屈曲部から出口に至る前記緯糸捕捉通路
    の緯糸が押接される側の壁面部を指向するように屈曲し
    ている請求項9に記載のジェットルームにおける緯糸張
    力付与装置。
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