JP2011039290A - 定着装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録媒体2上に形成された画像形成材料による可視的な像(トナー像7,8)にレーザ光4aを照射する第1のレーザ光照射部5と、前記第1のレーザ光照射部5でレーザ光4aを照射した後に前記トナー像7,8にレーザ光4bを照射する第2のレーザ光照射部6とを含み、W1<W2,t1>t2(W1:第1のレーザ光照射部5から照射される単位領域あたりのレーザ光の光出力、W2:第2のレーザ光照射部6から照射される単位領域あたりのレーザ光の光出力、t1:第1のレーザ光照射部5から照射されるレーザ光の単位領域あたりの照射時間、t2:第2のレーザ光照射部6から照射されるレーザ光の単位領域あたりの照射時間)の条件を満たしてレーザ光を照射しトナー像7,8を記録媒体2上に定着させるものである。
【選択図】図1
Description
W1<W2,t1>t2
ここで、W1:第1のレーザ光照射部から照射される単位領域あたりのレーザ光の光出力、
W2:第2のレーザ光照射部から照射される単位領域あたりのレーザ光の光出力、
t1:第1のレーザ光照射部から照射されるレーザ光の単位領域あたりの照射時間、
t2:第2のレーザ光照射部から照射されるレーザ光の単位領域あたりの照射時間、
の条件を満たしてレーザ光を照射し前記可視的な像を前記記録媒体上に定着させるものである。
請求項2に係る発明は、前記第1のレーザ光照射部と前記第2のレーザ光照射部が、一つのレーザ光源から出射されたレーザ光を利用していることを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
請求項3に係る発明は、前記第1のレーザ光照射部と前記第2のレーザ光照射部が、一つのレーザ光源から出射された、前記記録媒体の前記可視的な像が形成される面に対して傾けられたレーザ光からなることを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
請求項4に係る発明は、前記レーザ光源からのレーザ光を一旦集束させて拡散させる光学系を備えたことを特徴とする請求項3記載の定着装置である。
請求項5に係る画像形成装置は、記録媒体にトナー像を形成する画像形成部と、前記画像形成部で形成されたトナー像を前記記録媒体上に定着させる請求項1から4のいずれかに記載の定着装置とを備えたものである。
請求項2に係る発明によれば、一つのレーザ光源によって、請求項1の効果を達成することができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、簡易な構成で、一つのレーザ光源によって連続的に光を照射して請求項1の効果を達成することができる。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、レーザ光源の傾斜角度を小さくすることができる。
請求項5に係る発明によれば、レーザ光を照射して未定着トナー像を記録媒体上に定着させる装置において、本発明の構成を有しない場合に比べて、画像の画像濃度に応じて照射するレーザ光の強度を調整せずとも記録媒体に形成される画像の画像濃度の高い部分と低い部分の双方とも該記録媒体上に未定着トナー像を良好に定着させることが可能な定着装置を含む、画像形成装置を構成することができる。
図1は本発明による定着装置の実施の形態の概要を示す説明図であり、(a)は記録媒体の搬送方向に交差する方向から見た側面図であり、(b)は記録媒体の搬送方向に沿った方向から見た正面図である。
この実施形態による定着装置1は、予め定めた方向(矢印C)に搬送される記録媒体(例えば記録紙)2の表面から予め定めた距離dだけ離れて配置され、レーザ光源3aから発光されるレーザ光4aを記録媒体2の搬送方向Cにて前後に予め定めた量だけ拡がる拡がり領域E1に照射する第1のレーザ光照射部5と、該第1のレーザ光照射部5よりも記録媒体2の搬送方向Cの下流側に位置し、前記と同一又は他のレーザ光源3bから発光されるレーザ光4bを記録媒体2の搬送方向Cにて前記拡がり領域E1よりも絞り込んだ絞り領域E2に照射する第2のレーザ光照射部6とを含み、前記第1のレーザ光照射部5及び第2のレーザ光照射部6からのレーザ光4a,4bを記録媒体2に形成された画像形成材料による可視的な像(以下「トナー像」という)7,8に照射して該記録媒体2上にトナー像を定着させる際に、
W1<W2,t1>t2
(ここで、W1は第1のレーザ光照射部5から照射される単位領域あたりのレーザ光4aの光出力、W2は第2のレーザ光照射部6から照射される単位領域あたりのレーザ光4bの光出力、t1は第1のレーザ光照射部5から照射されるレーザ光4aの単位領域あたりの照射時間、t2は第2のレーザ光照射部6から照射されるレーザ光4bの単位領域あたりの照射時間を意味する。)の条件を満たしてレーザ光4a,4bを照射するものである。
また、第2のレーザ光照射部6は、他のレーザ光源3bから発光されるレーザ光4bを記録媒体2の搬送方向Cにて前記拡がり領域E1よりも絞り込んだ絞り領域E2に集束させて照射するもので、前記記録媒体2の表面から予め定めた距離dだけ離れて配置されると共に、前記第1のレーザ光照射部5よりも記録媒体2の搬送方向Cの下流側に位置している。
上記画像濃度の高いトナー像7に対しては、記録媒体2が矢印C方向に搬送されることで、第1のレーザ光照射部5で拡散されたレーザ光4aが光出力W1及び照射時間t1で照射されて、W1×t1=J1の熱量でトナー粒子が溶融し、画像濃度の高いトナー像7が定着される。このとき、前記光出力W1及び照射時間t1は、例えばカラーのベタ画像などの画像濃度が高い領域について予め定めた長さの時間(t1)をかけてトナー粒子を溶融できる出力(W1)に決められている。この状態では、画像濃度の低いトナー像8が引き続いてレーザ光4aの照射領域に入っても、トナー粒子が1個又は数個程度の画像濃度の低いトナー像では、個々のトナー粒子の空気との接触面積が大きいため放熱量が増大して前記光出力W1ではトナー粒子が溶融せず、画像濃度の低いトナー像8は定着されにくい。
これにより、記録媒体2に形成される画像の画像濃度の高い部分と低い部分の双方について該記録媒体2上に未定着トナー像が定着される。
なお、図1において、第1のレーザ光照射部5及び第2のレーザ光照射部6のレーザ光放出部に細長い直線状に伸びる切欠き部を有するスリットを配置し、このスリットを介して一直線状に伸びる第1のレーザ光及び第2のレーザ光を照射するようにしてもよい。
図1(a)において、第1のレーザ光照射部5は、一つのレーザ光源3aと該レーザ光源3aからのレーザ光4aを拡散させる光束拡散部材10とを備え、第2のレーザ光照射部6は、他のレーザ光源3bと該レーザ光源3bからのレーザ光4bを集束させる光束集束部材11とを備え、前記第1のレーザ光照射部5と第2のレーザ光照射部6とを、記録媒体2の搬送方向Cにて前後に予め定めた間隔fをおいて配置している。この形態によれば、記録媒体2の搬送方向Cにて前後に予め定めた間隔をおいて第1のレーザ光及び第2のレーザ光として照射する。
〔第1の実施形態〕
図2は本実施形態による定着装置が適用された画像形成装置の第1の実施形態を示す全体構成の説明図である。この画像形成装置20は、記録媒体に可視的な像であるトナー像を形成し、この形成されたトナー像を該記録媒体に転写させ、この転写されたトナー像を前記記録媒体上に定着させるもので、画像形成部21と、転写装置22と、定着装置1とを備えて成る。
この黒色画像形成部21Kは、表面に図示しない感光層を有して矢印A方向に回転可能な円筒状の感光体23を具備している。この感光体23の周囲には、帯電装置24と、露光装置25と、現像装置26とが配設されている。このうち帯電装置24は、感光体23の感光層を予め定めた電位に帯電する。露光装置25は、図示しないレーザ光源を備えており、前記帯電装置24よって予め定めた電位に帯電された感光体23の感光層に選択的にレーザ光を照射することで静電潜像を形成する。現像装置26は、対応する色成分(ここでは黒色)のトナーを現像剤として収容しており、このトナーによって感光体23の感光層上の静電潜像を可視像化する。
図3において、第1の実施形態による定着装置1は、第1のレーザ光照射部5と、第2のレーザ光照射部6とを備えている。前記第1のレーザ光照射部5は、第1のレーザ光源3aと該レーザ光源3aからのレーザ光を拡散させる光束拡散部材10(例えば凹レンズ)とから構成されており、当該レーザ光照射部5から照射されるレーザ光4aを記録媒体2の搬送方向Cにて拡がり領域E1(図1(a)参照)に拡散させて照射するものであり、矢印C方向に搬送される記録媒体2の表面から距離d(図1(a)参照)だけ離れて配置されている。
図8は第2の実施形態による定着装置を示す説明図であり、記録媒体2の搬送方向Cに交差する方向から見た側面図である。この実施形態の定着装置1は、共通の一つのレーザ光源3と、該レーザ光源3からのレーザ光のうち記録媒体2の搬送方向Cの上流側に含まれるレーザ光4aを拡散させる光束拡散部材(例えば凹レンズ)10と、前記レーザ光源3からのレーザ光のうち記録媒体2の搬送方向Cの下流側に含まれるレーザ光4bを集束させる光束集束部材(例えば凸レンズ)11とを備えている。ここで、前記光束拡散部材10と光束集束部材11とは、例えば凹レンズと凸レンズとを記録媒体2の搬送方向Cの前後に隣接して組み合わせた特殊レンズから成る。そして、前記レーザ光源3と光束拡散部材10とで第1のレーザ光照射部5を構成し、前記レーザ光源3と光束集束部材11とで第2のレーザ光照射部6を構成している。これにより、前記第1のレーザ光照射部5と第2のレーザ光照射部6とが、前記記録媒体2の搬送方向Cにて前後に隣接して配置されている。
図9は第3の実施形態による定着装置を示す説明図であり、記録媒体2の搬送方向Cに交差する方向から見た側面図である。この実施形態の定着装置1は、共通の一つのレーザ光源3と、該レーザ光源3からのレーザ光の一部を透過し他の部分を側方へ反射して光を2分割するハーフミラー12と、該ハーフミラー12で反射されたレーザ光をさらに反射して光経路を記録媒体2の方へ向ける全反射ミラー13と、該全反射ミラー13で反射されたレーザ光を拡散させる光束拡散部材(例えば凹レンズ)10と、前記ハーフミラー12を透過したレーザ光4bを集束させる光束集束部材(例えば凸レンズ)11とを備えている。ここで、前記ハーフミラー12と全反射ミラー13とは、記録媒体2の搬送方向Cの前後に隣接して配置されている。そして、前記レーザ光源3とハーフミラー12と全反射ミラー13と光束拡散部材10とで第1のレーザ光照射部5を構成し、該第1のレーザ光照射部5からレーザ光4aを記録媒体2上に照射する。また、前記レーザ光源3とハーフミラー12と光束集束部材11とで第2のレーザ光照射部6を構成しており、該第2のレーザ光照射部6からレーザ光4bを記録媒体2上に照射している。ここで、前記第1のレーザ光照射部5と第2のレーザ光照射部6とは、前記記録媒体2の搬送方向Cに対して前後に隣接して配置されている。
図10は第4の実施形態による定着装置を示す説明図であり、記録媒体2の搬送方向Cに交差する方向から見た側面図である。この実施形態の定着装置1は、一つのレーザ光源3を備え、該レーザ光源3から発光されるレーザ光の光軸14を記録媒体2の搬送方向Cの下流側に予め定めた角度α(例えば40度から50度の範囲、好ましくは45度)だけ傾けて配置されている。この場合は、レーザ光の光軸14を記録媒体2の搬送方向Cの下流側に予め定めた角度αだけ傾けて配置された一つのレーザ光源3により、第1のレーザ光照射部5及び第2のレーザ光照射部6が構成される。そして、前記レーザ光源3から発生されるレーザ光のうち前記記録媒体2の搬送方向Cの上流側に含まれるレーザ光4aは該搬送方向Cにて前後に拡がる拡がり領域E1に照射し、前記記録媒体2の搬送方向Cの下流側に含まれるレーザ光4bは該搬送方向Cにて前記拡がり領域E1よりも絞り込んだ絞り領域E2に照射するようになる。
この実施形態において、画像濃度が高い領域でトナー像を定着できる領域がE1であり、前記拡がり領域E1に照射されるレーザ光4aの光出力の平均をW1とし、その照射時間をt1とする。また、画像濃度が低い領域でトナー像を定着できる領域がE2であり、前記絞り領域E2に照射されるレーザ光4bの光出力の平均をW2とし、その照射時間をt2とする。
図11は第5の実施形態による定着装置を示す説明図であり、記録媒体2の搬送方向Cに交差する方向から見た側面図である。この実施形態の定着装置1は、一つのレーザ光源3と該レーザ光源3からのレーザ光を一旦集束させて拡散させる光学系としての光束調整部材(例えば集光レンズ)15とを備え、前記レーザ光源3から発光されるレーザ光の光軸14を記録媒体2の搬送方向Cの下流側に予め定めた角度α(例えば40度から50度の範囲、好ましくは45度)だけ傾けて配置されている。この場合は、レーザ光の光軸14を記録媒体2の搬送方向Cの下流側に予め定めた角度αだけ傾けて配置された一つのレーザ光源3と光束調整部材15とにより、第1のレーザ光照射部5及び第2のレーザ光照射部6が構成される。そして、前記レーザ光源3及び光束調整部材15から放出されるレーザ光のうち前記記録媒体2の搬送方向Cの上流側に含まれるレーザ光4aは該搬送方向Cにて前後に予め定めた量だけ拡がる拡がり領域E1に照射し、前記記録媒体2の搬送方向Cの下流側に含まれるレーザ光4bは該搬送方向Cにて前記拡がり領域E1よりも絞り込んだ絞り領域E2に照射するようになる。
この実施形態において、画像濃度が高い領域でトナー像を定着できる領域がE1であり、前記拡がり領域E1に照射されるレーザ光4aの光出力の平均をW1とし、その照射時間をt1とする。また、画像濃度が低い領域でトナー像を定着できる領域がE2であり、前記絞り領域E2に照射されるレーザ光4bの光出力の平均をW2とし、その照射時間をt2とする。
図13は他の実施形態による画像形成装置を示す全体構成の説明図である。図2に示す画像形成装置20は、記録媒体2として心材に巻き取られた連続記録紙又は予め定めた大きさに折り畳まれた連続記録紙を用いるものであるが、本発明はこれに限られず、A4判又はB4判等の予め定めた大きさに切断された枚葉記録紙を用いるものであってもよい。この実施形態による画像形成装置40は、図13に示すように、例えば4色分の画像形成部(黒色画像形成部21K、シアン画像形成部21C、マゼンタ画像形成部21M、イエロー画像形成部21Y)と、各色の画像形成部21K,21C,21M,21Yで形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト41上に順次転写する1次転写装置42と、前記中間転写ベルト41に転写された重ね画像を記録媒体2に一括転写させる2次転写装置43と、この2次転写装置43で転写された画像を記録媒体2に定着させる定着装置1とを備えて成る。
〔実施例1〕
まず、画像形成装置としては富士ゼロックス製DocuColor 1256GA(電子写真装置)を使用した。この画像形成装置に下記のレーザ定着用トナーを装填した。
このレーザ定着用トナーには、定着のために照射するレーザ光を吸収するように、810nm付近の波長の光を強く吸収する顔料を0.5%添加した画像形成材料を用いた。例えば、ペリミジン系スクアリリウム色素を含有する画像形成材料である。この画像形成材料は、400nm以上750nm未満の可視光波長領域における吸光度が低く、かつ、750nm以上1000nm未満の近赤外光波長領域における吸光度が高いものである。
そして、定着装置1としては、コヒーレント製9001-80-808(波長808nm、光出力80W)の半導体レーザを2列備えたもの(図3に対応する)を用いた。記録媒体2の搬送速度は1000mm/sとした。
この状態で、一つの列を第1のレーザ光照射部5として、記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅方向のビーム幅が10mm、搬送方向Cに沿う方向のビーム幅が10mmのレーザ光を、記録媒体2上の未定着トナー像に照射した。また、もう一方の列を第2のレーザ光照射部6として、記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅方向のビーム幅を10mm、搬送方向Cに沿う方向のビーム幅を2mmとして、レーザ光を記録媒体2に照射した。
実施例2では、画像形成装置及びレーザ定着用トナーは、実施例1と同じものを用い、定着装置1は以下のものを用いた。
この定着装置1としては、コヒーレント製9001-80-808(波長808nm、光出力80W)を基として光出力を160Wに向上した半導体レーザを1列備え、該半導体レーザからのレーザ光の一部を透過し他の部分を側方へ反射して光を2分割するハーフミラーと、該ハーフミラーで反射されたレーザ光をさらに反射して光経路を記録媒体2の方へ向ける全反射ミラーとを備えたもの(図9に対応する)を用いた。記録媒体2の搬送速度は1000mm/sとした。
この状態で、前記半導体レーザとハーフミラーと全反射ミラーとを有する系を第1のレーザ光照射部5として、記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅方向のビーム幅が10mm、搬送方向Cに沿う方向のビーム幅が10mmのレーザ光を、記録媒体2上の未定着トナー像に照射した。また、前記半導体レーザとハーフミラーとを有する系を第2のレーザ光照射部6として、記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅方向のビーム幅を10mm、搬送方向Cに沿う方向のビーム幅を2mmとして、レーザ光を記録媒体2に照射した。
実施例3では、画像形成装置及びレーザ定着用トナーは、実施例1と同じものを用い、定着装置1は以下のものを用いた。
この定着装置1としては、コヒーレント製9001-80-808(波長808nm、光出力80W)を基として光出力を160Wに向上した半導体レーザを1列備え、該半導体レーザから発光されるレーザ光の光軸を記録媒体2の搬送方向Cの下流側に45度だけ傾けて配置したもの(図10に対応する)を用いた。記録媒体2の搬送速度は1000mm/sとした。
この状態で、搬送方向Cに交差する幅方向のビーム幅が10mmのレーザ光を、記録媒体2上の未定着トナー像に照射した。
比較例1では、画像形成装置及びレーザ定着用トナーは、実施例1と同じものを用い、定着装置は以下のものを用いた。
この定着装置としては、実施例1における定着装置1のうち第1のレーザ光照射部5に相当する半導体レーザを1列備え、記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅方向のビーム幅が10mm、搬送方向Cに沿う方向のビーム幅が10mmのレーザ光を、記録媒体2上の未定着トナー像に照射した。
比較例2では、画像形成装置及びレーザ定着用トナーは、実施例1と同じものを用い、定着装置は以下のものを用いた。
この定着装置としては、実施例1における定着装置1のうち第2のレーザ光照射部6に相当する半導体レーザを1列備え、記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅方向のビーム幅を10mm、搬送方向Cに沿う方向のビーム幅を2mmとして、記録媒体2上の未定着トナー像に照射した。
以上の実施例1,2,3と比較例1,2により得られた記録媒体2に対する画像(トナー像)の定着性を評価した結果を図14の表に示す。なお、図14の表に示す定着性評価の評価方法及び評価基準は以下の通りである。
まず、記録媒体2の画像濃度の高いトナー像の領域については、画像領域の或る個所で記録紙を二つ折りにして、その記録紙から画像(トナー像)が剥がれるか否かで評価した。
○:画像(トナー像)の剥がれ無し
×:画像(トナー像)の剥がれ有り
次に、記録媒体2の画像濃度の低いトナー像の領域については、その領域を顕微鏡で観察し、トナー粒子が1個又は2,3個程度の箇所を探し、画像濃度の低いトナー像を例えば綿棒で擦って記録紙から剥がれるか否かで評価した。
○:画像濃度の低いトナー像の剥がれ無し
×:画像濃度の低いトナー像の剥がれ有り
さらに、画像濃度の高い領域において、レーザ照射によりトナー温度が高くなり過ぎる場合に生じるボイドという画像欠陥の発生について目視で観察し評価した。
○:画像欠陥の発生無し
×:画像欠陥の発生有り
以上のような評価方法及び評価基準による定着性評価の結果は、図14の表に示すようになった。
実施例1は、画像濃度の高い領域・画像濃度の低い領域ともトナー像の剥がれが無く、画像欠陥の発生も無かった。
実施例2も、画像濃度の高い領域・画像濃度の低い領域ともトナー像の剥がれが無く、画像欠陥の発生も無かった。
実施例3も、画像濃度の高い領域・画像濃度の低い領域ともトナー像の剥がれが無く、画像欠陥の発生も無かった。
比較例1は、画像濃度の高いトナー像の剥がれが無く画像欠陥の発生も無かったが、画像濃度の低いトナー像の剥がれが有った。
比較例2は、画像濃度の高い領域・画像濃度の低い領域ともトナー像の剥がれは無かったが、画像濃度の高い領域において画像欠陥の発生が有った。
Claims (5)
- 記録媒体上に形成された画像形成材料による可視的な像にレーザ光を照射する第1のレーザ光照射部と、前記第1のレーザ光照射部でレーザ光を照射した後に前記可視的な像にレーザ光を照射する第2のレーザ光照射部とを含み、
W1<W2,t1>t2
ここで、W1:第1のレーザ光照射部から照射される単位領域あたりのレーザ光の光出力、
W2:第2のレーザ光照射部から照射される単位領域あたりのレーザ光の光出力、
t1:第1のレーザ光照射部から照射されるレーザ光の単位領域あたりの照射時間、
t2:第2のレーザ光照射部から照射されるレーザ光の単位領域あたりの照射時間、
の条件を満たしてレーザ光を照射し前記可視的な像を前記記録媒体上に定着させることを特徴とする定着装置。 - 前記第1のレーザ光照射部と前記第2のレーザ光照射部は、一つのレーザ光源から出射されたレーザ光を利用していることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記第1のレーザ光照射部と前記第2のレーザ光照射部は、一つのレーザ光源から出射された、前記記録媒体の前記可視的な像が形成される面に対して傾けられたレーザ光からなることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記レーザ光源からのレーザ光を一旦集束させて拡散させる光学系を備えたことを特徴とする請求項3記載の定着装置。
- 記録媒体にトナー像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で形成されたトナー像を前記記録媒体上に定着させる請求項1から4のいずれかに記載の定着装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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