JP5790343B2 - 定着装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
従来における定着装置としては、例えば特許文献1,2に記載のものが既に知られている。
特許文献1は、レーザー装置が半導体レーザーであり、集光光学系が、それぞれの半導体レーザーに対応したレンズ部を有するレンズアレイであり、半導体レーザーから出射されたレーザービームをレンズアレイにより記録紙上に集光し、それによって未定着トナー像を定着させるようにしたものである。
特許文献2は、副走査方向下流側に配置した出力が小さい第1のレーザ光と、上流側に配置した出力が大きい第2のレーザ光とを主走査方向に順次主走査することで、複数のラインを形成し、先行するラインの第1のレーザ光が走査した領域を、後続のラインの第2のレーザ光が再度走査することで、トナー像を段階的に加熱するようにしたものである。
特許第3016685号公報(実施例,図1) 特開2008−89828号公報(発明を実施するための最良の形態,図2)
本発明が解決しようとする技術的課題は、レーザ光を用い、画像を所望の光沢度で定着可能な加熱定着処理を実現する定着装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、移動する記録材上に形成された加熱定着可能な作像材料による未定着像に対し、予め決められた強度の第1のレーザ光を予め決められた加熱定着可能な時間だけ照射する第1のレーザ光照射部と、前記未定着像に対し、予め決められた強度の第2のレーザ光を前記第1のレーザ光照射部の照射時間に比べて長い時間照射する第2のレーザ光照射部と、前記記録材上の未定着像の画像に求められる光沢度を判定する判定手段と、この判定手段にて判定された光沢度に基づいて少なくとも第2のレーザ光照射部の照射エネルギを変化させるように前記第1のレーザ光照射部及び前記第2のレーザ光照射部を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする定着装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る定着装置において、前記制御手段は、前記判定手段にて判定された光沢度が予め決められた水準以下の低い光沢度であるときには前記第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射動作を行い、前記判定手段にて判定された光沢度が前記低い光沢度に比べて高い光沢度であるときには前記第1のレーザ光照射部及び前記第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射動作を行うように、第1のレーザ光照射部及び第2のレーザ光照射部を制御することを特徴とする定着装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る定着装置において、第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射領域の開始位置は、第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射領域の開始位置に比べて少なくとも記録材の移動方向の上流側に位置することを特徴とする定着装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る定着装置において、第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射領域は第2のレーザ光照射部による第2のレーザ光の照射領域内に少なくとも一部含まれることを特徴とする定着装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る定着装置において、前記判定手段は、複数の水準に分かれた高い光沢度を判定可能であり、前記制御手段は、複数の水準の高い光沢度のうち光沢度が高い水準ほど第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度を強くする又は前記レーザ光の照射時間を長くするの少なくともいずれか一方若しくは両方を実施するように、前記第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度又は照射時間の少なくともいずれか一方若しくは両方が可変調整可能な調整部を有することを特徴とする定着装置である。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る定着装置において、前記判定手段は、複数の水準に分かれた低い光沢度を判定可能であり、前記制御手段は、複数の水準の低い光沢度のうち光沢度が高い水準ほど第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度を強くするように、前記第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度が可変調整可能な調整部を有することを特徴とする定着装置である。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6いずれかに係る定着装置において、前記判定手段は、複数の水準に分かれた高い光沢度を判定可能であり、前記制御手段は、前記判定手段が複数の水準の高い光沢度のうち高い水準に属する光沢度を判定するとき、前記第1のレーザ光照射部及び第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射動作を行い、前記判定手段が複数の水準の高い光沢度のうち低い水準に属する光沢度を判定するとき、前記第1のレーザ光照射部を用いずに前記第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射動作を行うように、前記第1のレーザ光照射部及び第2のレーザ光照射部を制御するものであることを特徴とする定着装置である。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7いずれかに係る定着装置において、前記判定手段は、記録材上の未定着像に関する画像情報を取得する画像情報取得手段を有し、この画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて前記記録材上の未定着像の画像に求められる光沢度を判定することを特徴とする定着装置である。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る定着装置において、前記制御手段は、前記画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて求められる光沢度が予め決められた水準に比べて高い光沢度である画像に対しては、前記第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射動作に加えて前記第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射動作を行うように、前記第1のレーザ光照射部及び前記第2のレーザ光照射部を制御することを特徴とする定着装置である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る定着装置において、前記制御手段は、前記画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて求められる光沢度が予め決められた水準に比べて高い光沢度である画像に対しては、前記光沢度が高いほど前記第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度を強くする又は前記レーザ光の照射時間を長くするの少なくともいずれか一方若しくは両方を実施することを特徴とする定着装置である。
請求項11に係る発明は、請求項8に係る定着装置において、前記判定手段は、前記画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて画像部と非画像部とを判別し、画像部に対して求められる光沢度を判定するものであり、前記制御手段は、判定手段にて判別された画像部に対しては判定手段にて判定された光沢度に基づいて第1のレーザ照射部及び第2のレーザ照射部を制御し、判定手段にて判別された非画像部に対しては第2のレーザ光照射部を用いずに第1のレーザ照射部によるレーザ光の照射動作を行うように第1のレーザ照射部及び第2のレーザ照射部を制御することを特徴とする定着装置である。
請求項12に係る発明は、請求項11に係る定着装置において、前記制御手段は、前記画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて判別された画像部のうち求められる光沢度が予め決められた水準に比べて高い光沢度である画像部に対しては、前記光沢度が高いほど前記第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度を強くする又は前記レーザ光の照射時間を長くするの少なくともいずれか一方若しくは両方を実施することを特徴とする定着装置である。
請求項13に係る発明は、請求項11又は12に係る定着装置において、前記制御手段は、前記第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度に関し、画像部と非画像部とに対する照射強度が異なるように前記第1のレーザ光照射部を制御することを特徴とする定着装置である。
請求項14に係る発明は、請求項13に係る定着装置において、前記制御装置は、前記第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度に関し、画像部に比べて非画像部に対する照射強度が弱くなるように前記第1のレーザ光照射部を制御することを特徴とする定着装置である。
請求項15に係る発明は、請求項1ないし7いずれかに係る定着装置において、前記判定手段は、記録材が高光沢な表面部を有する種類であるか否かを判別し、記録材が高光沢な表面部を有する種類であるときに画像に求められる光沢度を予め決められた水準に比べて高い光沢度として判定することを特徴とする定着装置である。
請求項16に係る発明は、記録材を搬送する搬送手段と、この搬送手段で搬送される記録材上に加熱定着可能な作像材料による未定着像を形成する作像手段と、この作像手段にて作像された前記未定着像を加熱定着する請求項1ないし15いずれかに係る定着装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、レーザ光を用い、画像を所望の光沢度で定着可能な加熱定着処理を実現することができる。
請求項2に係る発明によれば、レーザ光を用い、高い光沢度が求められる画像及び低い光沢度が求められる画像の両方に対応可能な加熱定着処理を実現することができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、単位面積当たりの作像材料の量が多い画像に対し高光沢を付与する場合でも、過剰加熱による画像の表面の荒れを有効に防止することができる。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、高い光沢度が求められる画像に対し、第1のレーザ光及び第2のレーザ光を用いて、熱損失の少ない加熱定着処理を実現することができる。
請求項5に係る発明によれば、高い光沢度が求められる画像の光沢度を変えることができる。
請求項6に係る発明によれば、低い光沢度が求められる画像の光沢度を変えることができる。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、第1のレーザ光照射部及び第2のレーザ光照射部の使用組合せを工夫するだけで、高い光沢度が求められる画像の光沢度を簡単に変えることができる。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、未定着像の画像情報を把握することで、画像に求められる光沢度を判定することができる。
請求項9に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、未定着像の画像情報を把握することで、画像を所望の光沢度で定着可能な加熱定着処理を実現することができる。
請求項10に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、未定着像の画像情報を把握することで、高い光沢度が求められる画像に対し、光沢度を容易に変えることができる。
請求項11に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、未定着像の画像情報を把握することで、画像部と非画像部とを判別し、画像部を所望の光沢度で定着可能な加熱定着処理を実現すると共に、非画像部内の孤立の作像材料の未定着状態を有効に回避することができる。
請求項12に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、未定着像の画像情報を把握することで、画像部と非画像部とを判別し、高い光沢度が求められる画像部に対して複数の水準の光沢度で定着可能な加熱定着処理を実現すると共に、非画像部内の孤立の作像材料の未定着状態を有効に回避することができる。
請求項13に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、画像部の面状につながる作像材料及び非画像部の孤立の作像材料の未定着状態を有効に回避することができる。
請求項14に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、少ない照射エネルギにて非画像部の孤立の作像材料の未定着状態を有効に回避することができる。
請求項15に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、未定着像が形成される記録材の種類を把握することで、画像に求められる光沢度を記録材に合わせて判定することができる。
請求項16に係る発明によれば、レーザ光を用い、画像を所望の光沢度で定着可能な加熱定着処理を実現することができる定着装置を含む画像形成装置を容易に構築することができる。
(a)は本発明が適用される定着装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)の定着装置を組み込んだ画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図である。 (a)は図1(a)に示す定着装置による低い光沢度が求められる画像についての加熱定着処理を示す説明図、(b)は図1(a)示す定着装置による高い光沢度が求められる画像についての加熱定着処理を示す説明図である。 本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1の全体構成を示す説明図である。 実施の形態1で用いられる定着装置を示す説明図である。 (a)は実施の形態1に係る定着装置の要部を示す説明図、(b)は第1のレーザ光、第2のレーザ光の照射時間とトナーから見た照射強度とを模式的に示す説明図である。 (a)は第1のレーザ光照射部を図4のVI方向から見た矢視図、(b)は第2のレーザ光照射部を図4のVI方向から見た矢視図である。 第1の光照射部、第2の光照射部による記録材の幅方向における照射エネルギを示す説明図である。 実施の形態1で用いられる画像形成装置の制御系を模式的に示す説明図である。 図8の制御装置による定着装置の加熱定着制御処理を示すフローチャートである。 (a)はコート紙上の画像種及び各画像種に対する光沢モードを示す説明図、(b)は普通紙上の画像種及び各画像種に対する光沢モードを示す説明図である。 (a)は普通紙に対する低光沢モードの加熱定着処理を模式的に示す説明図、(b)はコート紙に対する高光沢モードの加熱定着処理を模式的に示す説明図、(c)はコート紙に対する低光沢モードの加熱定着処理を模式的に示す説明図である。 実施の形態2に係る定着装置の要部を示す説明図である。 実施の形態2で用いられる第1のレーザ光照射部、第2のレーザ光照射部の照射条件を示す説明図である。 (a)は実施の形態2に係る定着装置の第2のレーザ光照射部の変形形態を示す説明図、(b)は(a)に示す第2のレーザ光照射部の動作過程を示す説明図である。 実施の形態3に係る定着装置の要部を示す説明図である。 (a)〜(c)は実施の形態3の定着装置の加熱定着処理を模式的に示す説明図である。 (a)は実施の形態4に係る定着装置の要部を示す説明図、(b)(c)は実施の形態4に係る定着装置の変形形態を示す説明図である。 (a)は実施の形態5に係る定着装置の要部を示す説明図、(b)は定着対象となる記録材上の未定着像の一例を示す説明図である。 実施の形態5に係る定着装置における制御装置による加熱定着制御処理を示すフローチャートである。 (a)は記録材上の未定着像のうち画像部領域に対する加熱定着処理を模式的に示す説明図、(b)は記録材上の未定着像のうち非画像部領域に対する加熱定着処理を模式的に示す説明図である。 画像部の面画像及び非画像部の孤立トナーに対する定着可能条件に関し、第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射時間と照射エネルギとの関係を示す説明図である。 (a)は孤立トナーに対する第1のレーザ光照射部によるレーザ光の熱伝達状態を模式的に示す説明図、(b)は面画像に対する第1のレーザ光照射部によるレーザ光の熱伝達状態を模式的に示す説明図である。 図21に示す定着可能条件において、面画像に比べて孤立トナーに対する照射エネルギが大きい例を示す説明図である。 図21に示す定着可能条件において、面画像に比べて孤立トナーに対する照射エネルギが小さい例を示す説明図である。 実施例1に係る定着装置を用い、記録材種、照射方式に伴う光沢度変化の測定結果を示す説明図である。
◎実施の形態の概要
本実施の形態に係る画像形成装置は、図1(b)に示すように、記録材5を搬送する搬送手段6と、この搬送手段6で搬送される記録材5上に加熱定着可能な作像材料による未定着像TGを形成する作像手段7と、この作像手段7にて作像された前記未定着像TGを加熱定着する定着装置8とを備えている。
ここで、記録材5としては、搬送方向に連続する連続記録材に限られるものではなく、所定サイズ毎に切断された切断記録材をも含むほか、記録材種としては、紙繊維からなる基材の表面に平滑なコート層を塗布したものや、紙繊維からなる基材としての普通紙など適宜選定して差し支えない。
また、作像手段7としては、加熱定着可能な作像材料(例えばトナー等)を用いて記録材5上に画像を作製するものを広く含み、作製する画像としてはカラー画像、黒画像など適宜選定して差し支えない。
更に、本実施の形態では、定着装置8は、図1(a)に示すように、移動する記録材5上に形成された加熱定着可能な作像材料による未定着像TGに対し、予め決められた強度の第1のレーザ光を予め決められた加熱定着可能な時間tだけ照射する第1のレーザ光照射部1と、前記未定着像TGに対し、予め決められた強度の第2のレーザ光を前記第1のレーザ光照射部1の照射時間tに比べて長い時間t照射する第2のレーザ光照射部2と、前記記録材5上の未定着像TGの画像に求められる光沢度を判定する判定手段3と、この判定手段3にて判定された光沢度に基づいて少なくとも第2のレーザ光照射部2の照射エネルギを変化させるように前記第1のレーザ光照射部1及び前記第2のレーザ光照射部2を制御する制御手段4と、を備えたものである。
このような技術的手段において、第1のレーザ光照射部1、第2のレーザ光照射部2としては、所定数のレーザ光源1a,2aと、このレーザ光源1a,2aと別体若しくは一体的に設けられて当該レーザ光源1a,2aから照射されたレーザ光を照射領域に集光させる集光部(例えば集光レンズ等)1b,2bとを含む態様が多く用いられる。これらのレーザ光照射部1,2は、これ以外の機能要素を含んでいてもよく、例えば記録材5上の照射領域で反射された光を熱源として再利用するための反射部材などを付加する態様などがある。
また、第1のレーザ光照射部1による第1のレーザ光の強度については、予め決められた加熱定着時間にて少なくとも加熱定着処理が可能な程度の強度であることを要する。
更に、第2のレーザ光照射部2は、第2のレーザ光の照射時間tが第1のレーザ光の照射時間tよりも長く設定されていればよく、第2のレーザ光の強度については第1のレーザ光のそれよりも強く設定されていてもよいし、同等若しくは弱く設定されていてもよい。
但し、第1のレーザ光の強度が第2のレーザ光の強度よりも小さいとしても、記録材5上の照射領域では、照射時間の短い第1のレーザ光の強度が照射時間の長い第2のレーザ光に比べて大きくなることは起こり得る。
更に、第1のレーザ光照射部1、第2のレーザ光照射部2の配置については適宜選定して差し支えなく、第1のレーザ光の照射領域と第2のレーザ光の照射領域との配置関係は、間隙を空けて前後に配置するようにしてよいが、加熱定着エネルギの無駄を少なくするという観点からすれば、間隙を空けずに隣接して配置したり、一部が重なるように配置する態様が好ましい。
また、判定手段3としては、未定着像TGの画像に求められる光沢度を判定するものであればよく、ユーザの希望に応じて光沢を指示可能に選択したことを判定するようにしてもよいが、夫々の画像にふさわしい光沢度を判定するという観点からすれば、未定着像TGの画像情報に基づいて画像領域毎に光沢度を判定するようにしたり、あるいは、記録材5の種類に応じて例えば所謂コート紙等の高光沢な表面部を有する種類については原則として高い光沢度Aが求められるものと判定するようにすることが好ましい。
更に、制御手段4としては、判定手段3にて判定した画像に求められる光沢度に応じて前記第1のレーザ光照射部1及び前記第2のレーザ光照射部2を制御すればよいが、この制御方式に当たっては、少なくとも第2のレーザ光照射部2の照射エネルギを変化させるようにすることが必要である。ここで、「第2のレーザ光照射部2の照射エネルギを変化させる」とは、予め決められた照射強度のレーザ光をオンオフする態様に限られるものではなく、レーザ光の照射強度を変化させたり、レーザ光の照射時間を変化させる態様をも含む。
次に、本実施の形態で用いられる各構成要素の代表的態様や好ましい態様について説明する。
先ず、制御手段4の代表的態様としては、前記判定手段3にて判定された光沢度が予め決められた水準以下の低い光沢度Bであるときには前記第1のレーザ光照射部1によるレーザ光の照射動作を行い、前記判定手段3にて判定された光沢度が前記低い光沢度Bに比べて高い光沢度Aであるときには前記第1のレーザ光照射部1及び前記第2のレーザ光照射部2によるレーザ光の照射動作を行うように、第1のレーザ光照射部1及び第2のレーザ光照射部2を制御する態様が挙げられる。
この場合において、制御手段4については、判定手段3にて判定された光沢度が高い光沢度Aであるか低い光沢度Bであるかによって、使用する第1、第2のレーザ光照射部1,2を変更するものであればよく、低い光沢度Bでよい場合(表面部が粗い所謂普通紙への印刷、モノクロの単色画像印刷、孤立画像の多いハイライト画像印刷など)には、第1のレーザ光照射部(短時間照射)1によるレーザ光の照射動作を行い、図2(a)に示すように、第1のレーザ光照射部1によるレーザ光の照射動作(短時間照射)を行うようにすれば足り、加熱定着処理に必要な最小限の熱エネルギであるとしても、未定着像TGは加熱定着され、かつ、その表面部は平滑ではない粗い面mbになることから低光沢な定着像TG(B)として得られる。
一方、高い光沢度Aを要する場合(表面部が高光沢な所謂コート紙への印刷、カラー画像印刷など)には、図2(b)に示すように、第1のレーザ光照射部1及び第2のレーザ光照射部2によるレーザ光の照射動作(短時間照射+長時間照射)を行い、未定着像TGの画像部をゆっくり時間をかけて溶融して、画像部の表面を平滑な面maにすることで高光沢な定着像TG(A)を得るようにすればよい。
また、第1のレーザ光照射部1、第2のレーザ光照射部2の好ましい配置例としては、第2のレーザ光照射部2によるレーザ光の照射領域の開始位置は、第1のレーザ光照射部1によるレーザ光の照射領域の開始位置に比べて少なくとも記録材5の移動方向の上流側に位置するものが挙げられる。本例では、第1のレーザ光照射部1、第2のレーザ光照射部2の両方を使用する場合に、第2のレーザ光による照射が第1のレーザ光の照射よりも先に開始される。この場合、仮に、単位面積当たりの作像材料の量が多いときに、強い強度の第1のレーザ光が短時間照射されると、過剰加熱により画像の表面が荒れ易い傾向が見られるが、本例のような態様ではこのような傾向は見られない。尚、小径の作像材料を用いて単位面積当たりの作像材料の量を下げるようにすれば、仮に、強い強度の第1のレーザ光を第2のレーザ光よりも先に短時間照射したとしても、上述したような過剰加熱による画像の表面の荒れは見られない。
更に、第1、第2のレーザ光照射部1,2の両方を使用する場合には、熱損失を有効に抑えるという観点からすれば、第1のレーザ光照射部1によるレーザ光の照射領域は第2のレーザ光照射部2による第2のレーザ光の照射領域内に少なくとも一部含まれる態様が好ましい。
また、光沢度については、予め一義的に設定してもよいが、必要に応じて光沢度を調整するようにしてもよい。
例えば高光沢画像の光沢度を調整する代表的態様としては、判定手段3は、複数の水準に分かれた高い光沢度Aを判定可能であり、制御手段4は、複数の水準の高い光沢度Aのうち光沢度が高い水準ほど第2のレーザ光照射部2によるレーザ光の照射強度を強くする又はレーザ光の照射時間を長くするの少なくともいずれか一方若しくは両方を実施するように、第2のレーザ光照射部2によるレーザ光の照射強度又は照射時間の少なくともいずれか一方若しくは両方が可変調整可能な調整部を有するものが挙げられる。本態様では、第2のレーザ光の照射強度又は照射時間の少なくとも一方若しくは両方を可変調整することで、高い光沢度Aが求められる画像に対して付与される熱エネルギが増減し、これに伴って、画像の光沢度が増減するものである。ここで、照射時間を可変調整可能な調整部としては、レーザ光の照射範囲を可変調整する光学系や、別のレーザ光源を追加使用の有無を調整する態様などが挙げられる。
更に、高光沢画像の光沢度を調整する別の代表的態様としては、判定手段3は、複数の水準に分かれた高い光沢度Aを判定可能であり、制御手段4は、判定手段3が複数の水準の高い光沢度Aのうち高い水準に属する光沢度を判定するとき、第1のレーザ光照射部1及び第2のレーザ光照射部2によるレーザ光の照射動作を行い、判定手段3が複数の水準の高い光沢度Aのうち低い水準に属する光沢度を判定するとき、第1のレーザ光照射部1を用いずに第2のレーザ光照射部2によるレーザ光の照射動作を行うように、第1のレーザ光照射部1及び第2のレーザ光照射部2を制御するものが挙げられる。本態様では、高光沢画像の光沢度として、光沢度の高い水準では第1のレーザ光照射部1及び第2のレーザ光照射部2を用いて熱エネルギを充分に確保し、光沢度の低い水準では第1のレーザ光照射部1を用いずに第2のレーザ光照射部2のみを用いて熱エネルギを幾分抑えるものである。
また、低光沢画像の光沢度を調整する代表的態様としては、判定手段3は、複数の水準に分かれた低い光沢度Bを判定可能であり、制御手段4は、複数の水準の低い光沢度Bのうち光沢度が高い水準ほど第1のレーザ光照射部1によるレーザ光の照射強度を強くするように、第1のレーザ光照射部1によるレーザ光の照射強度が可変調整可能な調整部を有するものが挙げられる。本態様では、第1のレーザ光の照射強度を可変調整することで、低い光沢度Bが求められる画像に対して付与される熱エネルギが増減し、これに伴って、画像の光沢度が増減するものである。ここで、第1のレーザ光については、照射時間はもともと短いため、第1のレーザ光を可変調整するパラメータとしては照射強度だけを対象とするようにしたものである。
また、判定手段3の代表的態様としては、記録材5上の未定着像TGに関する画像情報を取得する画像情報取得手段(図示せず)を有し、この画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて記録材5上の未定着像TGの画像に求められる光沢度を判定するものが挙げられる。
これは、未定着像TGの画像情報に着目し、画像に求められる光沢度を判定するものであり、例えば高い光沢度Aが求められる画像か低い光沢度Bが求められる画像かを判別し、画像に求められる光沢度を判定する。
このような態様の判定手段3を使用する際の制御手段4の代表的態様としては、画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて求められる光沢度が予め決められた水準に比べて高い光沢度Aである画像に対しては、第1のレーザ光照射部1によるレーザ光の照射動作に加えて第2のレーザ光照射部2によるレーザ光の照射動作を行うように、第1のレーザ光照射部1及び第2のレーザ光照射部2を制御するようにすればよい。
そして、この場合における制御手段4の好ましい態様としては、画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて求められる光沢度が予め決められた水準に比べて高い光沢度Aである画像に対しては、光沢度が高いほど第2のレーザ光照射部2によるレーザ光の照射強度を強くする又はレーザ光の照射時間を長くするの少なくともいずれか一方若しくは両方を実施する態様が挙げられる。
更に、この種の判定手段3及び制御手段4の好ましい態様としては、判定手段3が、画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて画像部と非画像部とを判別し、画像部に対して求められる光沢度を判定するものであり、制御手段4が、判定手段3にて判別された画像部に対しては判定手段3にて判定された光沢度に基づいて第1のレーザ照射部1及び第2のレーザ照射部2を制御し、判定手段3にて判別された非画像部に対しては第2のレーザ光照射部2を用いずに第1のレーザ照射部1によるレーザ光の照射動作を行うように第1のレーザ照射部1及び第2のレーザ照射部2を制御するものが挙げられる。
本態様では、未定着像TGの画像情報に基づいて画像部と非画像部とを判別し、画像部について求められる光沢度を判定し、画像部に対して光沢度に基づいたレーザ光の照射制御を行う。一方、非画像部については、本来的に画像部が存在しないものの、一部浮遊の作像材料等が孤立の作像材料として単発で付着する懸念がある。この孤立の作像材料が未定着のままで残ると、記録材の汚れや、画像乱れの要因になる虞れがあるため、この孤立の作像材料を定着させることが好ましい。この際、この孤立の作像材料に対してレーザ光を低エネルギにて長時間照射してもあまり実効がないので、非画像部については第1のレーザ照射部1によるレーザ光を用いて高エネルギにて短時間照射する方式を採用することにしたものである。
本態様において、制御手段4の画像部に対する好ましい態様としては、画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて判別された画像部のうち求められる光沢度が予め決められた水準に比べて高い光沢度Aである画像部に対しては、光沢度が高いほど第2のレーザ光照射部2によるレーザ光の照射強度を強くする又はレーザ光の照射時間を長くするの少なくともいずれか一方若しくは両方を実施する態様が挙げられる。
更に、制御手段4の非画像部に対する好ましい態様としては、第1のレーザ光照射部1によるレーザ光の照射強度に関し、画像部と非画像部とに対する照射強度が異なるように第1のレーザ光照射部1を制御する態様が挙げられる。
本態様では、画像部と非画像部とに対し、第1のレーザ光照射部1によるレーザ光を照射するときに、非画像部の孤立の作像材料を定着させる照射エネルギ条件と、画像部の面画状につながる作像材料を定着させる照射エネルギ条件とは通常異なることが多い。このとき、夫々の照射エネルギ条件に適して画像部と非画像部とに対する照射強度を異なるように選定することが好ましい。
ここで、制御装置4のより好ましい態様としては、第1のレーザ光照射部1によるレーザ光の照射強度に関し、画像部に比べて非画像部に対する照射強度が弱くなるように第1のレーザ光照射部1を制御する態様が挙げられる。
非画像部の孤立の作像材料を定着するに当たり、画像部の面状につながる作像材料の場合に比べて、外気に触れる面積が広いため、照射強度を強く設定するという手法が採用されることが多い。しかしながら、より照射時間の短い短時間照射方式を採用する場合には、面状につながる作像材料よりも孤立の作像材料を定着する照射エネルギを小さくすることができ、その分、照射強度を弱く設定することが可能である。この理由は、照射エネルギが小さい場合には、孤立の作像材料の受ける熱量が周辺に伝達する熱量を上回ることで、作像材料が高温で低粘度状態に至り、定着可能になる。一方、面状につながる作像材料では単位面積当たりの作像材料の重量、即ち、熱容量が大きいため、孤立の作像材料で定着可能な照射エネルギでは定着することができない事態が生ずる。
また、判定手段3の別の代表的態様としては、記録材5が高光沢な表面部を有する種類であるか否かを判別し、記録材5が高光沢な表面部を有する種類であるときに画像に求められる光沢度を予め決められた水準に比べて高い光沢度Aとして判定する態様が挙げられる。
これは、未定着像TGが形成される記録材5の種類に着目し、未定着像TGに求められる光沢度を判定するものであるが、これに限られるものではなく、この記録材5の種類による光沢度の判定方式と前述した画像情報に基づいて光沢度を判定する方式とを適宜組み合わせた態様を用いるようにしてもよいことは勿論である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
−全体構成−
図3は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1の全体構成を示す。
同図において、画像形成装置20は、記録材10を搬送する搬送装置30と、この搬送装置30にて搬送される記録材10にカラー画像又は黒画像からなる未定着像を形成する作像装置21と、この作像装置21にて形成された未定着像を加熱定着する定着装置40とを備えている。
本実施の形態では、記録材10としては、芯材に巻き取られた連続記録紙又は予め定めた大きさに折り畳まれた連続記録紙が用いられている。
−搬送装置−
ここで、搬送装置30は、記録材10が装填されて順次供給可能な記録材供給装置31と、この記録材供給装置31とは作像装置21及び定着装置40を挟んで反対側に設けられ且つ画像形成された記録材10が巻き取られる記録材巻取装置32と、記録材供給装置31から供給された記録材10が作像装置21及び定着装置40を経て記録材巻取装置32に至る予め決められた搬送経路に沿って搬送可能になるように、搬送経路中に適宜間隔毎に設けられる適宜数の搬送部材とを備えている。
本例において、搬送部材としては、搬送経路中に適宜数の搬送ロール33〜37が用いられ、記録材巻取装置32の直前の搬送ロール37は、記録材10としての連続記録紙の搬送時の張力が予め定めた強さとなるように図示しない付勢部材によって移動可能に位置調整され、連続記録紙が破れることなく記録材巻取装置32の巻き取り時の位置が調整されるようになっている。
更に、本例では、定着装置40に対向する部位には記録材10を予め決められた直線軌跡に沿って搬送する搬送ベルト38が配設されている。
−作像装置−
本実施の形態において、作像装置21は、複数の色成分(本例では、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))のトナー像を作製し、それぞれ記録材10に転写する複数の画像形成部22(具体的には22Y,22M,22C,22K)を有している。尚、本例では、ブラックの画像形成部22Kが最終段に配設されているが、画像形成部22の配列順は図示したものに限られるものではなく、適宜選定して差し支えない。
本例では、各画像形成部22の基本的構成は、いずれも電子写真方式を採用したものであり、例えば表面に感光層が形成され且つ予め決められた方向に回転可能なドラム状の感光体23を有し、この感光体23の周囲には、当該感光体23を予め帯電する例えばコロトロンなどの帯電装置24と、この帯電装置24にて帯電された感光体23上に光で静電潜像を書き込むレーザ走査装置などの潜像書込装置25と、この潜像書込装置25にて書き込まれた静電潜像を各色成分トナーにて現像する現像装置26と、この現像装置26にて現像されたトナー像を記録材10に転写する例えば転写バイアスが印加された転写ロールなどの転写装置27と、感光体23上の残留トナーを清掃する清掃装置28とを順次配設したものである。
このとき、各画像形成部22は記録材10に対し未定着なトナー像(未定着像)を順次形成することになり、これらの未定着像が搬送経路の後段に位置する定着装置40へと移動する。
−定着装置−
本実施の形態では、定着装置40は、例えば図4及び図5(a)に示すように、第1のレーザ光Lを照射する第1のレーザ光照射部41と、第2のレーザ光Lを照射する第2のレーザ光照射部42とを備えている。尚、搬送ベルト38は例えば一対の張架ロール39a,39b間に掛け渡されている。
ここで、第1のレーザ光照射部41は、予め決められた照射強度のレーザ光源41aと、このレーザ光源41aからのレーザ光を記録材10に向けて集束させる集光レンズ41bとを備えている。そして、レーザ光源41aは、図6(a)に示すように、記録材10の搬送方向X(図4参照)に交差する幅方向Yに沿って予め決められた間隔pにおいて一列に並べられた複数のレーザ素子からなり、それぞれのレーザ素子に対応して集光レンズ41bが設けられている。
本例では、レーザ光源41aは予め決められた照射強度のレーザ光を予め決められた照射幅で発光するものであり、集光レンズ41bは、図5(a)(b)に示すように、記録材10の搬送方向X(図4参照)に対しては絞り込んだ照射領域、具体的には記録材10上のトナー像に対して短い照射時間t(例えば0.5〜数ms)で照射される照射領域Rにトナー像からみた照射強度がWになるような第1のレーザ光Lを集束させるようにしたものである。つまり、図5(a)に示すように、本例の集光レンズ41bの焦点距離をf、集光レンズ41bの中心面位置と記録材10表面との距離をhとすれば、焦点距離fがhよりもわずかに大きくなる例えば凸レンズからなる集光レンズ41bを選定して配置し、前記照射領域R(照射時間t,照射強度W)を確保するようにすればよい。
一方、集光レンズ41bは、図6(a)に示すように、記録材10の幅方向Yに対してはレーザ光源41aからのレーザ光を隣接するレーザ光源41aのものと相互に重なり合う程度に拡散させ、図7に示すように、記録材10の幅方向Yに対し略均一な照射強度Wを確保するようになっている。
尚、本例では、第1のレーザ光Lの照射領域Rの各要件(照射時間t,照射強度W)は、記録材10上の未定着像TGが少なくとも加熱定着されることを満たすように選定されている。
また、第2のレーザ光照射部42は、第1のレーザ光照射部41に対し記録材10の搬送方向Xの上流側に配置されており、予め決められた照射強度のレーザ光源42aと、このレーザ光源42aからのレーザ光を記録材10に向けて拡散させる集光レンズ42bとを備えている。そして、第1のレーザ光照射部41と同様に、レーザ光源42aは、図6(b)に示すように、記録材10の幅方向Yに沿って予め決められた間隔pにおいて一列に並べられた複数のレーザ素子からなり、それぞれのレーザ素子に対応して集光レンズ42bが設けられている。
本例では、レーザ光源42aは、例えば第1のレーザ光照射部41のレーザ光源41aの照射強度に比べて強い予め決められた照射強度のレーザ光を予め決められた照射幅で発光するものであり、集光レンズ42bは、図5(a)(b)に示すように、記録材10の搬送方向Xに対しては第1のレーザ光照射部41の照射領域Rに比べて十分に広く拡散させた照射領域、具体的には記録材10上のトナー像に対して長い照射時間t(例えば10〜数10ms)で照射される照射領域Rにトナー像からみた照射強度がW(本例ではW<W)になるような第2のレーザ光Lを拡散させるようにしたものである。つまり、図5(a)に示すように、本例の集光レンズ42bの焦点距離をf、集光レンズ42bの焦点位置と記録材10表面との距離をfとすれば、焦点距離f<fの関係を満たす例えば焦点距離の短い凸レンズからなる集光レンズ42bを選定して配置し、前記照射領域R(照射時間t,照射強度W)を確保するようにすればよい。
一方、集光レンズ42bは、第1のレーザ光照射部41と同様に、図6(b)に示すように、記録材10の幅方向Yに対してはレーザ光源42aからのレーザ光を隣接するレーザ光源42aのものと相互に重なり合う程度に拡散させ、図7に示すように、記録材10の幅方向Yに対し略均一な照射強度Wを確保するようになっている。
更に、本実施の形態では、第1のレーザ光照射部41の照射領域Rと第2のレーザ光照射部42の照射領域Rとの間に非照射領域Rが存在するが、加熱定着処理による熱損失を少なく抑えるという観点からすれば、非照射領域Rができるだけ少ない方がよく、非照射領域Rが存在しない態様が好ましい。
尚、本例では、集光レンズ42bとして凸レンズを用いているが、これに限られるものではなく、凹レンズ、あるいは、凹レンズと凸レンズとの組み合わせを用いるようにしてもよい。
−制御系−
次に、本実施の形態で用いられる画像形成装置の制御系について図8を用いて説明する。
同図において、符号50は作像装置21及び定着装置40を制御する制御装置、符号61は制御装置50に対し作像装置21で作像すべき画像データを入力する画像データ入力装置であり、例えば本実施の形態に係る画像形成装置とネットワーク接続されるクライアントマシンや、各種記録媒体内に記録された画像データを読み込む画像読込装置などが挙げられる。更に、符号62は記録材10が表面に平滑な塗工層などのコート層を有するコート紙か、あるいは、表面に塗工層などのコート層を有しておらず且つ紙繊維が表面に露呈したままの普通紙かを選択する記録材選択スイッチである。
そして、制御装置50は、画像データ入力装置61及び記録材選択スイッチ62からの入力信号に基づいて、作像制御処理に関する制御プログラム及び加熱定着処理に関する制御プログラム(図10参照)を実行し、作像装置21及び定着装置40に対し所定の制御信号を送出するようになっている。尚、符号TGは記録材10上に形成された未定着像を示す。
−画像形成装置の動作例−
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の動作例について説明する。
図示外の作像モード選択スイッチにてカラー画像(ここではフルカラー画像)又は黒画像のいずれかの作像モードを選択すると、制御装置50は、カラー画像の作像モードを選択した場合には、作像装置21のすべての画像形成部22(22Y〜22K)を作像のために稼働させて作像制御処理を実行し、一方、黒画像の作像モードを選択した場合には、作像装置21のうちブラック用の画像形成部22(22K)のみを作像のために稼働させて作像制御処理を行うようにすればよい。
また、制御装置50は、図9のフローチャートに従って加熱定着制御処理を実行する。
具体的には、制御装置50は、記録材選択スイッチ62からの入力信号に基づいて記録材10がコート紙であるか否かを判別し、記録材10がコート紙であるときには高光沢モードを選択し、一方、記録材10が普通紙であるときには、画像種(画像の種類)を判別しない条件を予め設定しておけば、低光沢モードを選択する。
ここで、高光沢モードを選択した場合には、制御装置50は、第1のレーザ光照射部41及び第2のレーザ光照射部42の両方を用いて加熱定着処理を実施し、一方、低光沢モードを選択した場合には、第1のレーザ光照射部41を用いて加熱定着処理を実施する。
更に、本実施の形態では、記録材10が普通紙である場合には画像種を判別せず、画像種記録材10がコート紙である場合には画像種を判別する方式が採用されている。
つまり、制御装置50は、記録材10がコート紙である場合には原則として高光沢モードを選択するが、更に、画像データ入力装置61から入力された画像データに基づいて記録材10上に形成される画像種を判別し、カラー画像領域があるか否かをチェックし、カラー画像領域が存在しない場合には低光沢モードに決定し、更に、カラー画像領域が存在する場合には、予め決められた画像密度の少ないハイライト画像(孤立した画像も含む)又は黒画像の領域があるか否かを判別し、カラー画像領域TG(A)及びハイライト画像領域TG(B)(又は黒画像領域(TG(C)))が存在する場合には、図10(a)に示すように、ハイライト画像領域TG(B)(又は黒画像領域(TG(C))は低光沢モードLG、カラー画像領域TG(A)については高光沢モードHGに決定する。また、ハイライト画像領域TG(B)(又は黒画像領域(TG(C))が存在しない場合には、カラー画像領域TG(A)だけが存在するものとして全ての領域について高光沢モードに決定する。
尚、図10(b)に示すように、記録材10が普通紙である場合には、記録材10上にいかなる種類の画像種が存在したとしても、低光沢モードLGが選択される。
このように、制御装置50による加熱定着制御処理が行われると、図11に示すような定着装置40による加熱定着処理が実施される。
先ず、図11(a)に示すように、記録材10が普通紙の場合には、記録材10上の未定着像TGがいかなる画像種であったとしても、低光沢モード(第1のレーザ光照射部41だけ使用)が実行される。このため、加熱定着処理された定着像は低光沢に保持されることから、ぎらつくことのない例えば黒の文字画像などは見やすいものとして出力される。
また、図11(b)に示すように、記録材10がコート紙であって、未定着像のカラー画像領域TG(A)については、高光沢モード(第1のレーザ光照射部41及び第2のレーザ光照射部42を使用)が実行される。このため、コート紙上のカラー画像は高光沢になるため、コート紙の光沢に負けない高光沢なカラー画像が得られる。
特に、本実施の形態では、記録材10上の未定着像TGは、先に第2のレーザ光照射部42の第2のレーザ光にて長時間照射を受けた後に、第1のレーザ光照射部41の第1のレーザ光にて短時間照射を受けるため、未定着像TGを構成するトナーとして大径のものや、小径のもののいずれを使用したとしても、過剰加熱に伴って未定着像TGの表面が粗くなるという懸念はない。
更に、図11(c)に示すように、記録材10がコート紙であっても、未定着像のハイライト画像領域TG(B)又は黒画像領域TG(C)については、低光沢モード(第1のレーザ光照射部41だけを使用)が実行される。このため、カラー画像領域TG(A)であってもハイライト画像領域TG(B)や黒画像領域TG(C)については、高光沢にしないで画像が見やすい方がよいという要請に沿った画質が得られる。
尚、本実施の形態では、画像種に対する光沢モードの決定方式については、本実施の形態で示した方式に限られるものではなく、コート紙に対してハイライト画像や黒画像が存在しても高光沢モードを選択するようにしたり、普通紙に対してカラー画像が存在する場合に高光沢モードを選択するなど適宜選定して差し支えない。
◎実施の形態2
図12は実施の形態2に係る定着装置の概要を示す説明図である。
同図において、定着装置40の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、制御装置50の制御方式が実施の形態1と異なる。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。以下の実施の形態についても同様である。
本実施の形態では、制御装置50は、高光沢モードHGが複数のグレード(本例ではG,G,G,G)に分かれており、これらのグレードに基づいて、第1のレーザ光照射部41のレーザ光源41aからの照射強度Wを一定レベル(例えばグレードD)に保ち、かつ、第2のレーザ光照射部42のレーザ光源42aの照射強度Wを可変設定するようにしたものである。
更に、本実施の形態では、制御装置50は、低光沢モードLGが複数のグレード(本例ではD,D)に分かれており、これらのグレードに基づいて、第1のレーザ光照射部41のレーザ光源41aからの照射強度Wを可変設定するようにしたものである。
ここで、第1のレーザ光照射部41、第2のレーザ光照射部42の各レーザ光源41a,42a(以下必要に応じて第1のレーザ光源41a,第2のレーザ光源42aという)について、照射エネルギと照射時間との関係を調べたところ、図13に示す結果が得られた。尚、図13の縦軸は各レーザ光源41a,42aの照射強度と照射時間との積に基づく照射エネルギを指し、横軸の照射時間は対数スケールにて表記している。
同図によれば、例えば第1のレーザ光源41aの照射条件については、黒画像を加熱定着する上で必要最小限の照射エネルギはLb、カラー画像を加熱定着する上で必要最小限の照射エネルギはLc(Lc>Lb)であり、更に、照射エネルギと照射時間とについては、照射時間の短い側の領域で曲線状に増加する境界線Uよりも左側の領域にて、ハイライト画像(ここでは、印字率5%の黒文字画像)の定着が可能であることが確認された。
また、第2のレーザ光源42aについては、照射時間の長い領域にて、同じ照射時間では照射エネルギの増減に伴って高光沢(高グロス)の光沢度が変化することが理解され、照射エネルギが増加するにつれて光沢度がG〜Gへと順に増加することが確認された。
本実施の形態では、このような特性に基づいて高光沢モードを複数のグレードG〜Gに分け、記録材10の種類や画像種によって、光沢度をより細かく調整することが可能である。
また、本実施の形態では、例えば低光沢モードについても、例えば画像種として、黒画像又はカラー画像の間で定着に必要な照射エネルギを代えるグレードD,Dで切り替えるようにすることが可能である。
◎変形の形態2−1
図14(a)(b)は第2のレーザ光照射部42のレーザ光源42aによる照射エネルギを可変にする方式として、レーザ光源42aによる照射時間tを変更するものである。
これは、第2のレーザ光照射部42の集光レンズ42bのホルダ43を昇降装置44にて昇降支持し、この集光レンズ42bを昇降動させ、レーザ光源42aによる照射時間tを基準位置(本例では図14(a)の照射時間tを得るための位置)よりも記録材10に近づけることで短い照射時間t’とし、逆に、基準位置よりも記録材10から遠ざけることで長い照射時間t”とするものである。
尚、第2のレーザ光照射部42のレーザ光源42aによる照射エネルギを可変にする方式としては、レーザ光源42aによる照射強度W及び照射時間tの両方を変更するようにしてもよいことは勿論である。
◎実施の形態3
図15は実施の形態3に係る定着装置の概要を示す説明図である。
同図において、定着装置40の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、制御装置50の制御方式が実施の形態1と異なる。
本実施の形態では、制御装置50は、高光沢モードHGが複数のグレード(本例ではG,G)に分かれており、これらのグレードに基づいて、第1のレーザ光照射部41のレーザ光源41aからの照射強度Wを一定レベルに保ち、かつ、第2のレーザ光照射部42のレーザ光源42aの照射強度Wを一定レベルに保ちながら、高光沢モードHGの照射エネルギを可変設定するようにしたものである。
本実施の形態では、低光沢モードLGを選択した場合には、図16(a)に示すように、第1のレーザ光照射部41だけを用い、未定着像TGを加熱定着する。
また、高光沢モードHGのうち光沢度の高いグレードGが選択された場合には、図16(b)に示すように、第1のレーザ光照射部41及び第2のレーザ光照射部42を用い、未定着像TGを加熱定着する。
更に、高光沢モードHGのうち光沢度の低いグレードGが選択された場合には、図16(c)に示すように、第2のレーザ光照射部42だけを用い、グレードGよりも、第1のレーザ光照射部41の照射エネルギ分を抑えた照射エネルギにて、未定着像TGを加熱定着する。
本態様によれば、高光沢モードHGについては、第1のレーザ光照射部41及び第2のレーザ光照射部42を組み合わせて使用することで、特に、第2のレーザ光源42aの照射エネルギを変えることなく、高光沢モードの光沢度を可変調整することができる。
尚、本実施の形態の態様と実施の形態2の態様とを組み合わせて使用するようにしてもよいことは勿論である。
◎実施の形態4
図17(a)は実施の形態4に係る定着装置の概要を示す説明図である。
同図中、第1のレーザ光照射部41による照射領域Rは、第2のレーザ光照射部42による照射領域R内の記録材10の搬送方向の下流側に含まれるものである。
本態様によれば、高光沢モードHGを選択したときに、第1のレーザ光照射部41と第2のレーザ光照射部42からの各レーザ光が間を開けることなく記録材10上の未定着像TGに照射されるため、加熱定着に要する熱損失が抑えられる点で好ましい。
また、第1のレーザ光照射部41と第2のレーザ光照射部42とのレイアウト例については、図17(a)に示す態様に限定されるものではなく、図17(b)に示すように、例えば記録材10の搬送方向に対して第1のレーザ光照射部41を角度θだけ傾斜させて配置し、第2のレーザ光照射部42の照射領域R内の中央付近に第1のレーザ光照射部41の照射領域Rを含ませるように配置してもよい。
更に、実施の形態1〜4では、いずれも第1のレーザ光照射部41に対し記録材10の搬送方向Xの上流側に第2のレーザ光照射部42を配設しているが、これに限られるものではなく、図17(c)に示すように、第1のレーザ光照射部41に対し記録材10の搬送方向Xの下流側に第2のレーザ光照射部42を配設してもよい。この場合、図17(c)に示すように、第1のレーザ光照射部41の照射領域Rと第2のレーザ光照射部42の照射領域Rとは間を開けることなく隣接するか、あるいは、図17(a)(b)に示すように、両方の照射領域R,Rを少なくとも一部もしくは全部重なるように配置することが好ましい。
◎実施の形態5
図18(a)は実施の形態5に係る定着装置の概要を示す説明図である。
同図において、定着装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、制御装置50の制御方式が実施の形態1と異なる。
本実施の形態では、制御装置50は、実施の形態1と同様に、画像データ入力装置61によって作像装置21で作像すべき画像データを入力し、この画像データに基づいて画像部/非画像部判別処理51を実行する。
この画像部/非画像部判別処理51は、例えば図18(b)に示すように、記録材10上に形成される未定着像TGのうち、トナーによる像が存在する画像部をTG,TGとし、トナーによる像が存在しない非画像部をN〜Nとすれば、図19に示すように、画像データ入力装置61から入力された画像データを読み込み、画像データの有無に応じて画像部TG,TGと非画像部N〜Nとを判別するものである。
そして、制御装置50は、図19に示すように、画像部について更に光沢度判定処理52を実行し、例えば画像部TGがカラー画像領域であるとすれば高い光沢度を要すると判定し、高光沢モードHGに決定する一方、例えば画像部TGがハイライト画像又は黒画像の領域であるとすれば低い光沢度でよいと判定し、低光沢モードLGに決定する。
一方、制御装置50は、図19に示すように、非画像部N〜Nについては低光沢モードLGに決定する。
従って、本実施の形態によれば、記録材10上の未定着像TGのうち画像部TG,TGに対しては、判定された光沢度に応じて高光沢モードHGを選択した場合には、図20(a)に実線で示すように、第1のレーザ光照射部41及び第2のレーザ光照射部42を用いたレーザ光による照射動作(短時間照射+長時間照射)を行い、また、低光沢モードLGを選択した場合には、図20(a)に点線で示すように、第1のレーザ光照射部41のみを用いたレーザ光による照射動作(短時間照射)を行い、画像部TG,TGを加熱定着する。
一方、記録材10上の未定着像TGのうち非画像部N〜Nに対しては、低光沢モードLGを選択するようにしたので、図20(b)に示すように、第1のレーザ光照射部41のみを用いたレーザ光による照射動作(短時間照射)を行い、非画像部N〜N上に付着した孤立トナーT’を加熱定着する。
本例では、画像部TG,TG、非画像部N〜Nに対する低光沢モードLGは、第1のレーザ光照射部41によるレーザ光がいずれに対しても定着可能な照射強度又は照射時間を有するものとして選定されるのであれば、両者ともに同レベルに設定してもよいし、異なるレベルに設定しても差し支えない。
<非画像部の孤立トナーについての定着可能条件>
今、第1のレーザ光照射部41によるレーザ光について、照射時間(ms)及び照射エネルギ密度(J/cm)を変化させ、非画像部の孤立トナーが定着可能な条件を調べたところ、図21に示すように、照射時間の短い領域から照射時間の長い領域に向かって曲線状に増加する境界Eの左側の領域で孤立トナーが定着可能であることが確認された。
一方、画像部の面状につながるトナー群による面画像について低光沢モードで定着可能な条件を調べたところ、照射時間によらず略一定の照射エネルギに沿う境界線Sの上側の領域で前記面画像が定着可能であることが確認された。
図21において、例えば第1のレーザ光照射部41によるレーザ光の照射時間が例えば約1ms以上の点線で囲む領域Iでは、孤立トナーの定着可能な境界線Kが面画像の定着可能な境界線Qよりも照射エネルギが高い関係になっており、逆に、第1のレーザ光照射部41によるレーザ光の照射時間が例えば約1msよりも短い一点鎖線で囲む領域IIでは、孤立トナーの定着可能な境界線Kが面画像の定着可能な境界線Qよりも照射エネルギが低い関係になっている。
このように、領域Iと領域IIとで、孤立トナーと面画像とに対する定着可能条件が異なっているのは以下のように推測される。
図22(a)に示すように、記録材10上の孤立トナーT’は外気に触れる面積が広いため、例えば第1のレーザ光照射部41によるレーザ光の熱量Qは孤立トナーT’に働く熱量Qのほかに、周囲の外気に消費される熱量ΔQがある。つまり、Q≒Q+ΔQの関係を満たす。
ここで、第1のレーザ光照射部41によるレーザ光として照射時間が比較的長い短時間照射方式(図21中の領域I)を採用する場合には、周囲の外気に消費される熱量ΔQが増加することから、第1のレーザ光照射部41によるレーザ光の熱量Qを多く必要とし、その分、第1のレーザ光照射部41によるレーザ光の照射エネルギW11を高く設定することが必要である。
一方、第1のレーザ光照射部41によるレーザ光として照射時間が短い短時間照射方式(図21中の領域II)を採用する場合には、前記の領域IIの場合に比べて、照射エネルギW11のうち周囲の外気に消費される熱量ΔQが少なくなり、照射エネルギW11が低くても、孤立トナーT’の受ける熱量Qが周囲の外気に消費される熱量ΔQを上回ることから、孤立トナーが高温で低粘度状態に至って定着可能になる。
これに対し、図22(b)に示すように、記録材10上の面画像TGに対して第1のレーザ光照射部41によるレーザ光を照射する場合には、第1のレーザ光照射部41によるレーザ光の熱量Qは面画像TGのうち照射対象領域に存在するトナーに働く熱量Qのほかに、周囲に伝達される熱量Qがある。つまり、Q≒Q+Qの関係を満たす。
ここで、第1のレーザ光照射部41によるレーザ光として照射時間が比較的長い短時間照射方式(図21中の領域I)を採用する場合には、第1のレーザ光照射部41によるレーザ光の熱量Qは面画像TG対して直接若しくは間接的に有効利用されることから、第1のレーザ光照射部41によるレーザ光の照射エネルギW12は孤立トナーT’に対して必要な照射エネルギW11よりも低いレベルで足りる。
一方、第1のレーザ光照射部41によるレーザ光として照射時間が短い短時間照射方式(図21中の領域II)を採用する場合には、孤立トナーT’に対して必要な照射エネルギW11を低く設定することは可能であるが、面画像TGの場合には、単位面積当たりの熱容量が大きいので、孤立トナーT’で定着可能な照射エネルギW11では定着できないケースも起こり得る。このため、面画像TGに対して必要な照射エネルギW12としては孤立トナーT’に対して必要な照射エネルギW11よりも高いレベルを選定することが好ましい。
従って、例えば図23に示すように、図21の領域Iの照射時間条件では、孤立トナー及び面画像に対する第1のレーザ光照射部41によるレーザ光の定着可能条件を選定する場合には、孤立トナーに対する照射エネルギを面画像に対する照射エネルギよりも高い値を選定するようにすればよい。
一方、例えば図24に示すように、図21の領域IIの照射時間条件では、孤立トナー及び面画像に対する第1のレーザ光照射部41によるレーザ光の定着可能条件を選定する場合には、孤立トナーに対する照射エネルギを面画像に対する照射エネルギよりも低い値を選定するようにすればよい。
また、本実施の形態では、制御装置50による定着装置の加熱定着制御処理については、画像データに基づいて画像部/非画像部を判別し、画像部について光沢度判定処理を施すようにしているが、画像部についての光沢度判定処理についてはこれに限られるものではなく、実施の形態1〜4に示す態様を適宜選定してもよいことは勿論である。
例えば実施の形態1に示すように、前記画像部の光沢度判定処理を行うに当たり、予め記録材の種類を考慮するようにしてもよい。
また、実施の形態2や変形の形態2−1に示すように、高光沢モード、低光沢モードにつき複数のグレード分けするようにしてもよい。このとき、第1のレーザ光照射部41についてはレーザ光の照射強度を可変にするようにすればよく、一方、第2のレーザ光照射部42についてはレーザ光の照射強度を可変にしてもよいし、レーザ光の照射時間を可変にしてもよい。
更に、実施の形態3に示すように、高光沢モードをグレード分けするに当たり、水準の高い光沢度に対しては第1のレーザ光照射部41及び第2のレーザ光照射部42の両方を用い、水準の低い光沢度に対しては第2のレーザ光照射部42のみを用いるようにしてもよい。
尚、低光沢モードをグレード分けした態様にあっては、非画像部については水準の低い光沢度に対応した条件で第1のレーザ光照射部41を用いるようにすればよい。
◎実施例1
実施の形態1に係る定着装置を実施例1として用い、記録材10がコート紙(本例では
富士ゼロックス株式会社製のOKTC+027紙)と、普通紙(富士ゼロックス株式会社製J紙)とに対し、低光沢モードの条件として、第1のレーザ光照射部41を1ms0.8J/cmにて照射し、高光沢モードの条件として、第1のレーザ光照射部41を1ms0.8J/cm+第2のレーザ光照射部42を24ms2.0J/cmにて照射したところ、図25に示す結果が得られた。尚、本例での加熱定着対象は被覆率100%の画像である。
図25によれば、コート紙の場合には、低光沢モードと高光沢モードとでは、光沢度が約6倍程度も上昇しているのに対し、普通紙の場合には、低光沢モードと高光沢モードとでは、光沢度が約2倍程度しか変化しないことが理解される。
このため、記録材10がコート紙のような平滑な光沢紙である場合には、本願の方式は高光沢モードではきわめて有効であることが理解される。
1…第1のレーザ光照射部,1a…レーザ光源,1b…集光部,2…第2のレーザ光照射部,2a…レーザ光源,2b…集光部,3…判定手段,4…制御手段,5…記録材,6…搬送手段,7…作像手段,8…定着装置,A…高い光沢度,B…低い光沢度,TG…未定着像,t…第1のレーザ光の照射時間,t…第2のレーザ光の照射時間

Claims (16)

  1. 移動する記録材上に形成された加熱定着可能な作像材料による未定着像に対し、予め決められた強度の第1のレーザ光を予め決められた加熱定着可能な時間だけ照射する第1のレーザ光照射部と、
    前記未定着像に対し、予め決められた強度の第2のレーザ光を前記第1のレーザ光照射部の照射時間に比べて長い時間照射する第2のレーザ光照射部と、
    前記記録材上の未定着像の画像に求められる光沢度を判定する判定手段と、
    この判定手段にて判定された光沢度に基づいて少なくとも第2のレーザ光照射部の照射エネルギを変化させるように前記第1のレーザ光照射部及び前記第2のレーザ光照射部を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1記載の定着装置において、
    前記制御手段は、前記判定手段にて判定された光沢度が予め決められた水準以下の低い光沢度であるときには前記第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射動作を行い、前記判定手段にて判定された光沢度が前記低い光沢度に比べて高い光沢度であるときには前記第1のレーザ光照射部及び前記第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射動作を行うように、第1のレーザ光照射部及び第2のレーザ光照射部を制御することを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2記載の定着装置において、
    第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射領域の開始位置は、第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射領域の開始位置に比べて少なくとも記録材の移動方向の上流側に位置することを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1ないし3いずれかに記載の定着装置において、
    第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射領域は第2のレーザ光照射部による第2のレーザ光の照射領域内に少なくとも一部含まれることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1ないし4いずれかに記載の定着装置において、
    前記判定手段は、複数の水準に分かれた高い光沢度を判定可能であり、
    前記制御手段は、複数の水準の高い光沢度のうち光沢度が高い水準ほど第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度を強くする又は前記レーザ光の照射時間を長くするの少なくともいずれか一方若しくは両方を実施するように、前記第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度又は照射時間の少なくともいずれか一方若しくは両方が可変調整可能な調整部を有することを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1ないし5いずれかに記載の定着装置において、
    前記判定手段は、複数の水準に分かれた低い光沢度を判定可能であり、
    前記制御手段は、複数の水準の低い光沢度のうち光沢度が高い水準ほど第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度を強くするように、前記第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度が可変調整可能な調整部を有することを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1ないし6いずれかに記載の定着装置において、
    前記判定手段は、複数の水準に分かれた高い光沢度を判定可能であり、
    前記制御手段は、前記判定手段が複数の水準の高い光沢度のうち高い水準に属する光沢度を判定するとき、前記第1のレーザ光照射部及び第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射動作を行い、前記判定手段が複数の水準の高い光沢度のうち低い水準に属する光沢度を判定するとき、前記第1のレーザ光照射部を用いずに前記第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射動作を行うように、前記第1のレーザ光照射部及び第2のレーザ光照射部を制御するものであることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1ないし7いずれかに記載の定着装置において、
    前記判定手段は、記録材上の未定着像に関する画像情報を取得する画像情報取得手段を有し、この画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて前記記録材上の未定着像の画像に求められる光沢度を判定することを特徴とする定着装置。
  9. 請求項8記載の定着装置において、
    前記制御手段は、前記画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて求められる光沢度が予め決められた水準に比べて高い光沢度である画像に対しては、前記第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射動作に加えて前記第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射動作を行うように、前記第1のレーザ光照射部及び前記第2のレーザ光照射部を制御することを特徴とする定着装置。
  10. 請求項9記載の定着装置において、
    前記制御手段は、前記画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて求められる光沢度が予め決められた水準に比べて高い光沢度である画像に対しては、前記光沢度が高いほど前記第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度を強くする又は前記レーザ光の照射時間を長くするの少なくともいずれか一方若しくは両方を実施することを特徴とする定着装置。
  11. 請求項8記載の定着装置において、
    前記判定手段は、前記画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて画像部と非画像部とを判別し、画像部に対して求められる光沢度を判定するものであり、
    前記制御手段は、判定手段にて判別された画像部に対しては判定手段にて判定された光沢度に基づいて第1のレーザ照射部及び第2のレーザ照射部を制御し、
    判定手段にて判別された非画像部に対しては第2のレーザ光照射部を用いずに第1のレーザ照射部によるレーザ光の照射動作を行うように第1のレーザ照射部及び第2のレーザ照射部を制御することを特徴とする定着装置。
  12. 請求項11記載の定着装置において、
    前記制御手段は、前記画像情報取得手段にて取得した画像情報に基づいて判別された画像部のうち求められる光沢度が予め決められた水準に比べて高い光沢度である画像部に対しては、前記光沢度が高いほど前記第2のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度を強くする又は前記レーザ光の照射時間を長くするの少なくともいずれか一方若しくは両方を実施することを特徴とする定着装置。
  13. 請求項11又は12に記載の定着装置において、
    前記制御手段は、前記第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度に関し、画像部と非画像部とに対する照射強度が異なるように前記第1のレーザ光照射部を制御することを特徴とする定着装置。
  14. 請求項13記載の定着装置において、
    前記制御装置は、前記第1のレーザ光照射部によるレーザ光の照射強度に関し、画像部に比べて非画像部に対する照射強度が弱くなるように前記第1のレーザ光照射部を制御することを特徴とする定着装置。
  15. 請求項1ないし7いずれかに記載の定着装置において、
    前記判定手段は、記録材が高光沢な表面部を有する種類であるか否かを判別し、記録材が高光沢な表面部を有する種類であるときに画像に求められる光沢度を予め決められた水準に比べて高い光沢度として判定することを特徴とする定着装置。
  16. 記録材を搬送する搬送手段と、
    この搬送手段で搬送される記録材上に加熱定着可能な作像材料による未定着像を形成する作像手段と、
    この作像手段にて作像された前記未定着像を加熱定着する請求項1ないし15いずれかに記載の定着装置と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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