JP7151261B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成方法に関する。
近年、オンデマンド印刷市場において、特色印刷、高付加価値印刷の需要が高まっている。なかでも、メタリック印刷やパール印刷に関する要望は特に大きく、メタリック調、パール調といった、金属様の質感(光沢感)を付与することができる印刷技術について、多種多様な検討が行われてきた。
その方法の一つとして、トナーを接着層として利用し、金属箔、樹脂箔といった箔体を転写する方法が検討されてきた。たとえば、特許文献1では、トナー画像を形成し、トナー画像部にのみ転写箔を接着する技術が提案されている。この方法では、画像の一部のみに選択的に箔体を転写する場合、転写されない部分の箔体はすべて破棄され、経済上好ましくないという問題があった。また、ミラー調およびグリッター調の組み合わせなど、複数の異なる光沢感を有する光沢画像を印刷する場合、それぞれの質感に合わせ、複数種類の箔体を準備する必要があった。
また、トナー中に光輝性顔料を添加する技術に関する検討も行われてきた。たとえば、特許文献2では、光輝性顔料を含むトナー粒子を用いることで、必要な画像部分にのみ光輝性を付与し、金属様の質感を有する画像を形成する技術が提案されている。しかし、この方法では、光輝性顔料がトナー中に埋没してしまい、メタリック感やパール感といった光沢感を十分に得ることが難しい。
さらに、上記の各方法とは異なる方法として、トナー画像に塗料粉末を付着させることにより、金属様の光沢画像を形成する技術が提案されている(特許文献3)。かような技術によれば、十分なメタリック感やパール感を、必要な部分にのみ効率的に付与することができる。
特開平1-200985号公報 特開2014-157249号公報 特開2013-178452号公報
しかしながら、特許文献3の技術を以ってしても、複数の異なる質感を有する光沢画像を形成するためには、異なる種類の塗料粉末を用いる必要があった。すなわち、特許文献3の技術では、光沢画像の形成において、同一の塗料粉末で、質感の異なる複数の加飾表現を達成することは困難であった。
そこで、本発明の目的は、光沢画像を形成する際、同一の塗料粉末を用いて、複数の加飾表現を有する画像を形成することができる手段を提供することにある。また、本発明の他の目的は、異なる質感の光沢感を有する画像を簡便な方法で形成することができる手段を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を積み重ねた。その結果、光により軟化する樹脂層に粉体を供給する粉体供給工程と、上記樹脂層に対して光を照射して当該樹脂層を軟化させる光照射工程と、を含む画像形成方法により、上記課題の少なくとも一つが解決することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の上記課題の少なくとも一つを解決するための一形態は、記録媒体上に形成され、光により軟化する樹脂層に粉体を供給する粉体供給工程と、前記樹脂層に対して光を照射して前記樹脂層を軟化させる光照射工程と、を含む、画像形成方法である。
本発明によれば、光沢画像を形成する際、同一の塗料粉末を用いて、複数の加飾表現を有する画像を形成することができる手段が提供される。また、本発明によれば、異なる質感の光沢感を有する画像を簡便な方法で形成することができる手段が提供される。
本発明の実施例に係る画像形成方法を説明するための図である。 本発明の他の実施例に係る画像形成方法を説明するための図である。 本発明の他の実施例に係る画像形成方法を説明するための図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、本明細書において、範囲を示す「X~Y」は、XおよびYを含み、「X以上Y以下」を意味する。さらに、本明細書において、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)/相対湿度40~50%RHの条件で行う。
本発明の一形態に係る画像形成方法は、記録媒体上に形成され、光により軟化する樹脂層に粉体を供給する粉体供給工程と、前記樹脂層に対して光を照射して前記樹脂層を軟化させる光照射工程と、を含む。かような画像形成方法によれば、光沢画像を形成する際、同一の塗料粉末を用いて、複数の加飾表現を有する画像を形成することができる。また、上記画像形成方法によれば、異なる質感の光沢感を有する画像を簡便な方法で形成することができる。
本発明の一形態に係る画像形成方法により、上記効果が得られる理由の詳細は不明であるが、以下のメカニズムによるものと考えられる。ただし、下記メカニズムは推測によるものであり、その正誤が本形態の技術的範囲に影響を及ぼすものではない。
上述した特許文献3に記載の画像形成方法では、予めヒーター等の加熱手段により溶融された、粘着性を持つトナー像上に粉体を供給する。これにより、トナー像上に粉体を付着させることで、金属様の光沢画像を形成することができる。しかしながら、上述のように、特許文献3の技術では、質感の異なる複数の加飾表現を達成するために、複数の種類の塗料粉末を用いる必要がある。また、上記技術では、ヒーター等の加熱手段によってトナーを加熱し、粘着性を有する部分(トナー像部分)を形成する。しかしながら、このような方法では、粘着性を付与する部分(粉体が付着する部分)を細かく設定することが難しいため、微細な範囲に加飾表現を達成することが難しいという側面もある。
一方、本発明の一形態に係る画像形成方法では、光により軟化する樹脂層に対して光を照射することにより、当該樹脂層の表面を軟化させる。この際、樹脂層表面に配置された粉体の配向は、樹脂層表面の状態(軟らかさ)に依存して変化する。したがって、本発明では、光の照射量(積算光量)に依存して、樹脂層表面の状態を制御することにより、粉体の配向を制御することができ、粉体による反射特性を種々変更できる。よって、光の照射量、照射範囲を制御することにより、同一の粉体で異なる質感の光沢感を有する画像を形成することができる。
また、光照射により加飾の質感および加飾範囲を制御することができるため、例えば特許文献1、特許文献2等の技術のように、異なる質感の光沢感を付与するために箔体やトナーを変更する必要がない。よって、本発明によれば、異なる質感の光沢感を有する画像を簡便な方法で形成することができ、また、画像形成装置の構成や制御が簡便になる。
さらに、本発明の一形態に係る画像形成方法では、光照射により樹脂層表面の状態を制御するため、加飾部分(粉体を配置する部分)と非加飾部分(粉体を配置しない部分)とを微細に作り分けることができる。加えて、一つの画像上において、樹脂層表面の状態を微細に、且つ連続的に変化させることも可能となるため、より表現力に優れた画像形成が可能となるという利点も有する。
[画像形成方法]
本発明の一形態に係る画像形成方法は、(I)記録媒体上に形成され、光により軟化する樹脂層に粉体を供給する粉体供給工程(本明細書中、単に「粉体供給工程」とも称する)、および(II)樹脂層に対して光を照射して樹脂層を軟化させる光照射工程(本明細書中、単に「光照射工程」とも称する)を含む。(II)光照射工程は、上記(I)粉体供給工程の前に行われてもよいし、後に行われてもよいし、また、同時に行われてもよい。
本発明の一形態に係る画像形成方法は、上記(I)粉体供給工程および(II)光照射工程に加え、任意で(III)粉体が供給された樹脂層を摺擦する摺擦工程(本明細書中、単に「摺擦工程」とも称する)をさらに含んでいてもよい。
以下、各工程について説明する。
<(I)粉体供給工程>
粉体供給工程では、記録媒体上に形成され、光により軟化する樹脂層(本明細書中、単に「樹脂層」とも称する)に粉体を供給する。すなわち、本工程は、記録媒体上に形成されてなる樹脂層上に粉体を供給する工程であって、当該樹脂層は、光により軟化する。
《樹脂層》
樹脂層は、光照射工程において、光により軟化する層であり、樹脂を含む。樹脂層は、樹脂以外にも、着色剤、分散剤、界面活性剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤等の他の成分を含んでいてもよい。
樹脂層に含まれる樹脂は、当該樹脂層に光を照射することにより軟化または可塑化するものであればよい。かような樹脂として、たとえば、光照射により生じる熱によって可塑化する熱可塑性樹脂や、光照射によって生じる熱によって溶融する熱溶融性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、熱可塑性を有する公知の樹脂を用いることができ、特に制限されない。また、熱溶融性樹脂は、熱溶融性を有する公知の樹脂を用いることができ、特に制限されない。
熱可塑性樹脂または熱溶融性樹脂の例としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン-アクリル樹脂、オレフィン樹脂(環状オレフィン樹脂を含む)、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ハロゲン含有樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂など)、ポリスルホン樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)、ポリビニルエステル樹脂(ポリ酢酸ビニルなど)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリビニルアルコール樹脂およびこれらの誘導体樹脂、ゴムまたはエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエンゴム、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴムなど)などが挙げられる。上記熱可塑性樹脂および熱溶融性樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。なお、本明細書中、「(メタ)アクリル」とは、「アクリルおよび/またはメタクリル」を示すものである。
熱可塑性樹脂および熱溶融性樹脂は、共重合体であってもよい。熱可塑性樹脂が共重合体である場合の共重合体の形態は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体のいずれでもよい。
また、熱可塑性樹脂および熱溶融性樹脂としては、合成品を用いてもよいし市販品を用いてもよい。これらの熱可塑性樹脂および熱溶融性樹脂を合成するための重合方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、高圧ラジカル重合法、中低圧重合法、溶液重合法、スラリー重合法、塊状重合法、乳化重合法、気相重合法等を挙げることができる。また、重合時に使用するラジカル重合開始剤や触媒も特に制限はなく、例えば、アゾ系またはジアゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤といったラジカル重合開始剤;過酸化物触媒、チーグラー-ナッタ触媒、メタロセン触媒といった重合触媒;等を用いることができる。
光照射工程における樹脂層の表面状態を制御しやすいという観点から、熱可塑性樹脂および熱溶融性樹脂は、上述の樹脂の中でも、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン-アクリル樹脂およびポリエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含んでいると好ましく、スチレン-アクリル樹脂を含むとより好ましい。
本発明でいうスチレン-アクリル樹脂とは、少なくともスチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体とを用いて、重合を行うことにより形成されるものである。ここで、スチレン単量体とは、CH=CH-Cの構造式で表されるスチレンの他、スチレン構造中に公知の側鎖や官能基を有する構造のものも含まれる。
また、(メタ)アクリル酸エステル単量体とは、エステル結合を有する官能基を側鎖に有するものである。具体的には、CH=CHCOOR(Rはアルキル基)で表されるアクリル酸エステル単量体の他、CH=C(CH)COOR(Rはアルキル基)で表されるメタクリル酸エステル単量体などのビニル系エステル化合物が含まれる。
また、スチレン-アクリル樹脂には、上述したスチレン単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体のみで形成された共重合体の他に、一般のビニル単量体(オレフィン類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、N-ビニル化合物類など)をさらに用いて形成される共重合体も含まれる。
さらに、スチレン-アクリル樹脂には、スチレン単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体およびその他の一般のビニル単量体の他、多官能性ビニル単量体や、側鎖にイオン性解離基(カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基など)を有するビニル単量体を用いて形成される共重合体も含まれる。かようなビニル単量体の例としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などがある。
樹脂層に含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されないが、35~70℃の範囲が好ましく、40~60℃の範囲がより好ましい。かような範囲であれば、光照射工程における樹脂層の表面状態が制御しやすくなり、加飾表現の質感の調節が容易となるという利点がある。なお、樹脂のガラス転移温度(Tg)は、実施例に記載の方法により測定することができる。
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、樹脂を構成する単量体の種類の選択や、単量体の共重合比(質量比)および分子量の調節等によって、制御することができる。たとえば、スチレン-アクリル樹脂を例にとると、単量体全体に対し、ガラス転移温度の低いn-ブチルアクリレートの共重合比(質量比)を大きくすることによりガラス転移温度(Tg)を低くすることができる。また、ガラス転移温度の高いスチレンの共重合比(質量比)を大きくすることにより、ガラス転移温度(Tg)を高くすることができる。
樹脂層に含まれる樹脂の重量平均分子量は特に制限されないが、好ましくは2,000~1,000,000であり、より好ましくは5,000~100,000であり、特に好ましくは10,000~50,000である。
樹脂層中における樹脂の含有量は特に制限されないが、光照射工程において樹脂層の表面を軟化させ、樹脂層の表面状態を制御しやすくするという観点から、樹脂層の総質量に対して60~100質量%であると好ましく、75~95質量%であるとより好ましい。
一方、樹脂層が樹脂と共に他の成分(例えば、着色剤、離型剤等)を含む場合、当該他の成分の含有量は特に制限されないが、光照射工程において樹脂層の表面を軟化させ、樹脂層の表面状態を制御しやすくするという観点から、樹脂層の総質量に対して3~40質量%であると好ましく、5~25質量%であるとより好ましい。
上記他の成分としての着色剤は、特に制限されず、公知の染料および顔料を用いることができる。かような着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラックなど;C.I.ソルベントイエロー19、同44などの染料;C.I.ピグメントイエロー14、同17などの顔料;C.I.ソルベントレッド1、同49などの染料;C.I.ピグメントレッド5、同122などの顔料;C.I.ソルベントブルー25、同36などの染料;C.I.ピグメントブルー1、同7などの顔料が挙げられるが、これらに制限されない。
また、上記他の成分としての離型剤は、特に制限されず、公知の離型剤を用いることができる。かような離型剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス;マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス;パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス;ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス;カルナウバワックス、モンタンワックス、ベヘニルベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1、18-オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス;エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックス等が挙げられるが、これらに制限されない。
樹脂層の厚さは、粉体が保持されるのであれば、特に制限されない。樹脂層の厚さは、均一であってもよいし、不均一であってもよい。樹脂層の厚みの目安として、例えば、樹脂層がトナーにより形成される場合(樹脂層がトナー像である場合)、トナーの付着量が、0.1g/m~25.0g/mであると好ましく、1.0g/m~20.0g/mであるとより好ましい。
《記録媒体》
本発明の一形態に係る画像形成方法において、上記樹脂層は、記録媒体上に形成されている。
記録媒体としては、特に制限されず、例えば、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙またはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙等の紙類;ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等のプラスチックフィルム;布などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、記録媒体の色は特に限定されず、種々の色の記録媒体を使用することができる。
一方で、記録媒体は、光照射工程で照射される光に対して耐性(すなわち、耐光性)を有するものが好ましい。なお、「耐光性」とは、光、特に紫外光の照射前と後とで、記録媒体の表面状態の変化、化学変化、物理的変化のいずれもが小さいことを意味する。
樹脂層が熱可塑性樹脂または熱溶融性樹脂を含む形態である場合には、記録媒体は、耐熱性を有するものであると好ましい。このような記録媒体を用いることにより、樹脂層および当該樹脂層上に配置される粉体が安定的に保持され、得られる光沢画像の耐久性が向上する。なお、「耐熱性」とは、光照射工程において光が照射された際に到達する最も高い記録媒体の表面温度に対し、記録媒体の表面状態の変化、化学変化、物理的変化のいずれもが小さいことを意味する。
なお、記録媒体上に樹脂層を形成する方法については、後述する。
《粉体》
本発明の一形態に係る画像形成方法において、粉体は、加飾の目的や、所期の質感に応じて適宜選択することができる。
樹脂層に供給される粉体の形状、大きさは特に制限されず、所期の質感を達成するために適切な形状および大きさを選択することが好ましい。
粉体は、形状の観点から、球形(球形粉体)、非球形(非球形粉体)に大別される。ここで、「球形粉体」とは、その断面形状または投影形状の平均円形度が0.970以上である粉体をいう(上限:1.000)。なお、当該平均円形度は、公知の方法によって求めることができる。また、「非球形粉体」は、球形粉体以外の粉体であり、その断面形状または投影形状の平均円形度が0.970未満である粉体をいう。非球形粉体の平均円形度の下限は特に制限されないが、0.001以上であると好ましい。
なかでも、粉体の配向を制御することにより所期の質感(特に、ミラー調・パール調・マット調からグリッター調・グロス調まで)を達成するという観点から、粉体の形状は、非球形であると好ましい。すなわち、粉体が非球形粉体を含むと好ましい。このとき、粉体の全量に対する非球形粉体の含有量は多いほど好ましい。具体的には、粉体の総質量に対する非球形粉体の含有量が50~100質量%であると好ましく、70~100質量%であるとより好ましい。さらに同様の観点から、上記非球形粉体は、扁平状粉体(すなわち、扁平な形状を有する粒子)を含むとより好ましい。このとき、非球形粉体の全量に対する扁平状粉体の含有量は多いほど好ましい。具体的には、非球形粉体の総質量に対する扁平状粉体の含有量が50~100質量%であると好ましく、70~100質量%であるとより好ましい。ここで、「扁平状」または「扁平な形状」とは、当該粉体(粒子)における最大長さを長径L、当該長径Lに直交する方向における最大長さを短径l、上記長径Lに直交する方向の最少長さを厚みt、とするときに、厚みtに対する短径lの比率(l/t)が5以上である形状であることをいう。「扁平状」および「扁平な形状」の用語には、例えば、フレーク状、鱗片状、板状、薄片状等と称される形状が包含される。
上記扁平状粉体の平均厚みは特に制限されないが、当該粉体の配向の制御による、光沢の質感の調節を行いやすくするという観点から、0.2~10μmであることが好ましく、0.2~3.0μmであることがより好ましい。上記平均厚みを0.2μm以上とすることで、良好な配向状態を形成することができる。具体的には、扁平状粉体の扁平な面(すなわち、上記長径L方向および上記短径l方向を含む平面)が樹脂層表面に対して沿った形態となるように制御しやすくなる。一方、上記平均厚みを10μm以下とすることで、形成される最終画像が摩擦された際、樹脂層からの粉体の脱落を抑制することができる。
粉体の平均粒径(粉体が非球形粉体である場合には、直線距離で最も長い部分の長さの平均値)は、0.5~1000μmであると好ましく、1~500μmであるとより好ましく、5~150μmであると特に好ましい。かような範囲であれば、十分な光沢を有する画像において、ミラー調・パール調・マット調(乱反射の少ない金属光沢)からグリッター調・グロス調(乱反射の多い金属光沢)といった幅広い質感を発現させることができる。また、粉体の平均粒径が小さいほど、ミラー調・パール調・マット調の質感を、粉体の平均粒径が大きいほど、グリッター調・グロス調の質感を表現することができる。
上記粉体の平均厚みは、任意に100個の粉体粒子について測定した厚みの平均値であり、上記粉体の平均粒径は、任意に100個の粉体粒子について測定した粒径の平均値である。また、個々の粉体粒子の厚み、粒径(長径、短径を含む)は、例えば、走査型電子顕微鏡観察により測定できる。また、扁平状粉体の長径、短径および厚みの値は、上記方法により測定された値の平均値を採用する。
粉体の材料は、特に限定されず、例えば、樹脂、ガラス、金属、金属酸化物等の種々の材料を用いることができる。なかでも、粉体は、金属および金属酸化物の少なくとも一方を含むと好ましい。金属または金属酸化物を含んでいると、十分な光沢を有する画像において、ミラー調・パール調・マット調(乱反射の少ない金属光沢)からグリッター調・グロス調(乱反射の多い金属光沢)といった幅広い質感を発現させることができる。
また、粉体を構成する材料は、1種単独であってもよいし、2種以上であってもよい。粉体が2種以上の材料を含む場合は、均一に分散されている形態であってもよいし、一方の材料に他の材料が積層されてなる(被覆されてなる)形態であってもよい。かような形態として、例えば、樹脂やガラス等からなる基材(コア)に対して金属および/または金属酸化物からなる被膜(シェル)が積層した形態;金属および/または金属酸化物からなる基材(コア)に対して樹脂やガラス等からなる被膜(シェル)が積層した形態;などが挙げられるが、これらに限定されない。
上記粉体は、合成品であってもよいし市販品であってもよい。非球形粉体の例としては、メタシャイン(登録商標)(日本板硝子株式会社)、サンシャインベビー クロムパウダー、オーロラパウダー、パールパウダー(株式会社GGコーポレーション)、ICEGEL ミラーメタルパウダー(株式会社TAT)、ピカエース(登録商標) MCシャインダスト、エフェクトC(株式会社クラチ)、プリジェル(登録商標) マジックパウダー、ミラーシリーズ(有限会社プリアンファ)、Bonnail(登録商標)シャインパウダー(株式会社ケイズプランイング)、エルジーneo(登録商標)(尾池工業株式会社)等が挙げられる。また、球形粉体の例としては、高精度ユニビーズ(登録商標)(ユニチカ株式会社)、ファインスフィア(登録商標)(日本電気硝子製)等が挙げられる。
なお、樹脂層に供給される粉体は、1種のみであってもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
《粉体供給方法》
(I)粉体供給工程では、記録媒体上に形成された上記樹脂層に粉体を供給する。粉体の供給方法は特に制限されない。粉体供給工程において用いられる粉体供給手段としては、粉体の性状に応じて公知の装置を用いることができる。例えば、特開2013-178452号公報(上記特許文献3)に記載された粉末供給手段を、本発明に係る粉体供給手段として用いることができる。また、本発明の一形態に係る粉体供給手段は、図1~図3に示すような、粉体収容部11および粉体供給ローラー12を備えた粉体供給装置10であってもよい。
樹脂層に対して供給される粉体の量は、特に制限されず、所期の質感を表現できる量であれば特に制限されない。
粉体は、樹脂層が形成された部分にのみ選択的に供給されてもよいし、当該樹脂層が形成された部分のみならず、樹脂層が形成されていない部分も含む記録媒体表面の全体に対して供給されてもよい。さらに、樹脂層上において光が照射される部分(すなわち、光沢感を付与する部分)のみに粉体を供給してもよいし、光が照射される部分のみならず、光が照射されない部分も含む樹脂層表面の全体に対して供給されてもよい。
本発明の一形態に係る画像形成方法では、光照射工程により、光が照射された部分の樹脂層のみが軟化し、当該部分に対して選択的に粉体を付着させることができる。したがって、光が照射されない部分には粉体が付着しないため、光沢感を付与する部分以外に粉体が供給されても、容易に粉体を除去または回収することができる。
<(II)光照射工程>
光照射工程は、上記(I)粉体供給工程の前に行われてもよいし、上記(I)粉体供給工程の後に行われてもよいし、上記(I)粉体供給工程と同時に行われてもよい。光照射工程では、樹脂層に対して光を照射して樹脂層を軟化(溶融)させる。
樹脂層に照射される光は、少なくとも樹脂層の表面を軟化させることができるものであれば特に制限されず、紫外光、可視光、赤外光等を用いることができる。なかでも、取り扱いが容易で、樹脂層を十分な速度で軟化させることができるという観点から紫外光を用いることが好ましい。特に、樹脂層がトナー像である場合、異なる色のトナーを含む樹脂層を容易に軟化できるという観点で、光照射工程において照射する光は、紫外光であると好ましい。具体的には、光照射工程において照射する光の波長範囲は、好ましくは10~480nmであり、より好ましくは300~420nmであり、さらに好ましくは350nm以上400nm未満である。
照射する光の積算光量(光照射エネルギーの総量)は、特に制限されず、所期の質感を有する光沢画像を形成するために適宜調節される。このとき、光の積算光量が大きくなるほど樹脂層表面が軟化しやすいことから、樹脂層に付着する粉体の配向が不規則となり、光の反射分布が広がる傾向がある。その結果、乱反射の多いグリッター調・グロス調の質感を表現しやすくなる。一方、光の積算光量が小さくなるほど樹脂層表面が軟化する程度が小さくなることから、樹脂層上の粉体は、樹脂層表面に沿うように配向しやすくなり、光の反射分布が狭くなる傾向がある。その結果、乱反射の少ないパール調、ミラー調またはマット調の質感を表現しやすくなる。
効率よく所期の質感(特に、ミラー調・パール調・マット調からグリッター調・グロス調まで)を達成するため、粉体の配向を制御しやすくするという観点から、照射する光の積算光量(光照射エネルギーの総量)は、例えば、0.01~100J/cmであると好ましく、0.1~50J/cmであるとより好ましく、0.5~15J/cmであると特に好ましい。照射する光の積算光量を大きくすると樹脂層が軟化しやすくなり、樹脂層表面に対する樹脂層上の粉体(特に、扁平状粉体)の角度のバラつきが大きくなる。その結果、乱反射が多いグリッター調・グロス調の質感を形成することができる。他方、照射する光の積算光量を小さくすると樹脂層が軟化しにくくなり、樹脂層表面に対する樹脂層上の粉体(特に、扁平状粉体)の角度のバラつきが小さくなる。その結果、乱反射が少ない、パール調、ミラー調またはマット調の質感を形成することができる。
上記のように、光照射工程では、所期の質感を得るために、光の積算光量を制御することが好ましい。換言すると、本発明の一形態に係る画像形成方法は、光の積算光量を制御することにより、同一の粉体を用いて非常に幅広い質感を表現することができる。このような積算光量の制御は、例えば、光の強度(最大照射強度)、照射時間、光源から樹脂層までの距離などを適宜調節することにより行うことができる。
照射される光の強度(照度)は、上記積算光量と同様に、所期の質感を達成するために適宜調節される。効率よく所期の質感(特に、ミラー調・パール調・マット調からグリッター調・グロス調まで)を達成するため、粉体の配向を制御しやすくするという観点から、照射する光の最大照射強度(照度)は、例えば、0.5~50.0W/cmであると好ましく、1.0~30.0W/cmであるとより好ましく、1.5~15W/cmであると特に好ましい。
光の照射時間は特に制限されないが、作業効率の観点から、0.01~30秒であると好ましく、0.1~15秒であるとより好ましく、0.5~5秒であると特に好ましい。
光源から樹脂層までの距離などは特に制限されないが、エネルギー効率の観点から、0.05~10.0cmであると好ましく、0.1~5.0cmであるとより好ましい。
上記の積算光量の制御には、一の樹脂層中において、積算光量を段階的にまたは連続的に変化させることが含まれうる。すなわち、光照射工程は、樹脂層上の部分ごとに異なる積算光量で光を照射することを含むと好ましい。例えば、一の樹脂層において、段階的に積算光量を変化させる場合、ある部分はパール調の質感が形成され、他の部分はグリッター調の質感が形成されるといったように、部分ごとに異なる質感を形成できる。このように、本発明の一形態に係る画像形成方法によれば、積算光量を変化させることにより、ワンパスで複数の質感を形成することができるという利点がある。
また、上記積算光量の制御には、一の樹脂層に対して部分的に光を照射することも含まれうる。このように、一の樹脂層に対して部分的に光を照射することで、光沢を付与したい部分と、そうでない部分とを、効率よく作り分けることができる。
光照射工程において用いられる光照射手段としては、特に制限されず、公知の装置を用いることができる。図1~図3に示されるように、本発明の一形態に係る光照射手段としての光照射装置20は、記録媒体の搬送方向に対して、粉体供給装置(粉体供給手段)10の前に備えられていてもよいし、粉体供給装置(粉体供給手段)10の後に備えられていてもよい。これらの装置の配設順序は、(I)粉体供給工程および(II)光照射工程の行われる順序に応じて、適宜決定される。また、粉体の供給と光照射を同時に実施できる設備を備えた装置を用いることにより、(I)粉体供給工程および(II)光照射工程を同時に行うことができる。
光を照射する光照射手段としての光照射装置20(本明細書中、「光源」とも称することがある)は、樹脂層を軟化させる光を照射できるものであれば、特に制限されない。例えば、発光ダイオード(LED)ランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ハロゲンランプ、水銀-キセノンランプ、カーボンアークランプ、アルゴンレーザー、エキシマーレーザーが挙げられる。なかでも、光量が制御しやすいという観点から、上記各レーザー、またはLEDランプが好ましい。
光の照射は、樹脂層が形成された記録媒体を静置した状態で行ってもよいし、移動させながら行ってもよい。記録媒体を移動させながら光を照射する方法としては、例えば、記録媒体をベルトコンベア等の搬送手段によって移動させながら光を照射する方法が挙げられる。このとき、記録媒体の移動(搬送)速度は特に制限されない。生産性および所期の質感の得やすさなど考慮して、適宜設定することができる。
また、光の照射は、1回であってもよいし、2回以上行ってもよい。すなわち、樹脂層上のある部分に対し、1回のみ光を照射する形態であってもよいし、2回以上光を照射する形態であってもよい。さらに、2回以上光を照射する場合、(II)光照射工程は、(I)粉体供給工程の前、後、および(I)粉体供給工程と同時、の中から複数回にわたって行ってもよい。例えば、(II)光照射工程を、(I)粉体供給工程の前および後に行う形態であってもよい。
<(III)摺擦工程>
本発明の一形態に係る画像形成方法は、上記(I)粉体供給工程および上記(II)光照射工程に加え、さらに、粉体が供給された樹脂層を摺擦する摺擦工程を含んでいてもよい。ミラー調・パール調・マット調(乱反射の少ない金属光沢)からグリッター調・グロス調(乱反射の多い金属光沢)といった幅広い質感を発現させるという観点から、すなわち、質感の制御範囲を広くするという観点から、本発明の一形態に係る画像形成方法は、摺擦工程をさらに含んでいることが好ましい。なお、「質感の制御範囲が広い」とは、具体的には、画像からの反射光(受光)角度の分布を測定して得られるピークの半値幅の値や、画像の光沢度の値をそれぞれ広い範囲にわたって制御できることをいう。例えば、上記半値幅が5~20°である場合と、10~15°である場合とでは、前者の方が質感の制御幅が広いと言える。なお、上記ピークの半値幅および画像の光沢度は、実施例に記載の方法により測定される。
摺擦工程は、粉体が付着した状態にある樹脂層を、粉体の上から摺擦する工程であり、上記(I)粉体供給工程および上記(II)光照射工程の後に行われる。ここで、「摺擦」とは、摺擦手段(摺擦部材)が記録媒体上の樹脂層の表面に接触しながら、当該表面に沿って、上記樹脂層に対して相対的に移動することをいう。
このように粉体が付着した状態にある樹脂層を、粉体の上から摺擦することにより、樹脂層の表面に対して粉体の配向を揃えることができ、質感の制御が容易となる。より具体的には、摺擦することにより、樹脂層表面に対する粉体の角度が揃いやすくなるため、乱反射の少ないミラー調、パール調やマット調といった所期の質感を容易に形成することができる。特に、粉体が扁平状粉体である場合、扁平な面が樹脂層表面に沿うように配向を整えられるため、乱反射の少ないミラー調、パール調やマット調といった所期の質感の形成がより容易となる。
したがって、本発明の一形態に係る画像形成方法は、(I)粉体供給工程および(II)光照射工程の後に、粉体が供給された樹脂層を摺擦する摺擦工程をさらに含むと好ましい。
また、上記「摺擦」は、樹脂層(粉体が付着した樹脂層)の押圧を伴うことが好ましい。すなわち、摺擦工程では、粉体が供給された樹脂層を摺擦すると共に、押圧することを含むと好ましい。樹脂層を押圧することにより、粉体の一部が樹脂層の内部に押し込まれるため、樹脂層に対する粉体の接着を強くすることができる。よって、最終的に形成される光沢画像の強度を向上させられることに加え、形成される光沢画像におけるミラー調、パール調やマット調などの所期の外観を明瞭にすることができる。ここで、「押圧」とは、樹脂層の表面に対して交差する方向(例えば垂直方向)に樹脂層の表面を押すことをいう。
摺擦工程は、粉体が付着した樹脂層を、摺擦手段を用いて摺擦することにより行う。具体的には、摺擦工程は、粉体が付着した樹脂層に対し、摺擦手段としての摺擦部材を接触させ、当該樹脂層に対して摺擦部材を相対的に移動させることにより行う。このとき、摺擦部材を移動させる方向は特に制限されず、一方向のみであってもよいし、往復運動させてもよいし、さらに多数の方向であってもよい。ただし、粉体の配向を制御しやすく、乱反射の少ないミラー調、パール調やマット調といった質感を形成するためには、摺動部材の移動方向は、一方向のみであると好ましい。
制御工程では、上記のように、ミラー調・パール調・マット調からグリッター調・グロス調といった幅広い質感を発現させる目的から、摺擦条件を制御することが好ましい。この時、摺擦条件とは、摺擦速度(樹脂層表面に対する摺擦部材の摺擦部分の相対速度)、押圧力などが含まれる。また、以下で説明するように、摺擦部材として回転部材を用いる場合には、摺擦条件として、回転速度を制御すると好ましい。
摺擦工程において、樹脂層表面に対する摺擦部材の摺擦部分の相対的な速度は、特に制限されないが、5~1000mm/秒であることが好ましい。5mm/秒以上であると、樹脂層の表面に対して粉体の配向を十分に添わせることができる。また、1000mm/秒以下であると樹脂層に対し、十分に粉体を付着させることができ、最終的に形成される光沢画像におけるミラー調、パール調やマット調などの所期の外観を明瞭にすることができる。
また、摺擦工程において、樹脂層の表面に対する摺擦部材の摺擦部分の接触幅は、特に制限されないが、樹脂層の表面に付着する粉体の所期の配向性および記録媒体の搬送性という観点から、1~200mmであると好ましい。1mm以上であると、摺擦部分が樹脂層の表面に沿って移動する際に粉体の向きのばらつきを抑制でき、樹脂層に付着する粉体の配向を十分に制御することができる。また、200mm以下であると、安定して容易に記録媒体の搬送を行うことができる。なお、「接触幅」とは、樹脂層に対する摺擦部材の摺擦部分の移動方向の長さをいう。
また、摺擦と共に押圧を行う場合、押圧力は、特に制限されないが、樹脂層の表面に対して1~30kPaであると好ましい。1kPa以上であると、樹脂層に対する粉体の付着強度を十分に得ることができる。また、30kPa以下であると、記録媒体上に形成された樹脂層を安定して保持することができる。
摺擦工程において用いられる摺擦手段としては特に制限されず、公知の装置を用いることができる。図2~図3に示されるように、本発明の一形態に係る摺擦手段としての摺擦部材30は、記録媒体の搬送方向に対して、粉体供給装置(粉体供給手段)10の後に、または、光照射装置(光照射手段)20の後に備えられうる。これらの装置の配設順序は、各工程が行われる順序に応じて、適宜決定される。
摺擦手段に備えられる摺擦部材としては、例えば、図2~図3に示すような回転部材であってもよいし、往復運動する部材や、固定されている部材のような非回転部材であってもよい。より具体的には、摺擦部材は、水平な表面を有する樹脂層の表面に接して水平方向に、当該表面に対して相対的に移動可能な部材であってもよいし、樹脂層の表面に接する回転自在なローラー(回転ローラー)であってもよい。なかでも、作業効率の観点から、摺擦部材は、回転部材であると好ましく、回転自在なローラー(回転ローラー)であるとより好ましい。
上記摺擦部材は、樹脂層を押圧しながら、その表面が上記樹脂層の表面に対して相対的に移動自在に構成されると好ましい。摺擦部材によって押圧を行う場合、例えば、搬送されている記録媒体(樹脂層が形成された記録媒体)を、固定された摺擦部材で押圧することによって押圧を行ってもよい。あるいは、上記押圧は、記録媒体の搬送方向と同じ方向に回転し、且つ記録媒体の搬送速度よりも遅い速度で回転するローラーで摺擦することによって押圧を行ってもよいし、あるいは、記録媒体の搬送方向とは逆の方向に回転するローラーで摺擦することによって行ってもよいし、あるいは、記録媒体の搬送方向に対してその回転軸が斜めとなる向きに配置された回転自在なローラーで摺擦することによって押圧を行ってもよいし、あるいは、樹脂層の表面上を往復運動する部材で摺擦することによって押圧を行ってもよい。
よって、摺擦部材は、樹脂層の表面を押圧しながら記録媒体に対して相対的に異なる方向へ移動自在に構成されていると好ましい。
また、上記摺擦部材は、柔軟性を有することが好ましい。摺擦部材の柔軟性は、例えば、摺擦時に、樹脂層の表面の形状に追従可能な程度に摺擦部材の表面が変形する程度の柔らかさであると好ましい。すなわち、摺擦部材は、変形追従性を有していると好ましい。このような柔軟性を有する摺擦部材としては、例えば、スポンジ、ブラシ等が挙げられるがこれらに制限されない。
<その他の工程>
本発明の一形態に係る画像形成方法は、上記(I)粉体供給工程および(II)光照射工程ならびに任意で行われる(III)摺擦工程に加え、例えば、樹脂層形成工程、粉末除去工程、追い刷り印刷工程等、その他の工程を含んでいてもよい。
《樹脂層形成工程》
本発明の一形態に係る画像形成方法は、(I)粉体供給工程および(II)光照射工程の前に、樹脂層形成工程をさらに含んでいてもよい。
樹脂層形成工程では、記録媒体上に樹脂層を形成する。記録媒体上に樹脂層を形成する方法については、特に制限されない。たとえば、光により軟化する樹脂および任意で含まれる他の成分(例えば、着色剤等)を適当な溶媒に溶解させて得た溶液を、記録媒体の表面に塗布し、乾燥することにより形成することができる。この場合、樹脂層の塗布は、一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布、ディップ塗布、スピンコート等の方法により行うことができる。
また、上記樹脂層は、インクジェット方式や、電子写真方式といった印刷方式で記録媒体上に印刷された画像であってもよい。インクジェット方式および電子写真方式による画像の形成は、それぞれ公知の画像形成装置によって行うことができる。
本発明の効果をより得られやすいという観点から、樹脂層は、電子写真方式によって形成された画像であると好ましい。電子写真方式では、感光体表面の静電潜像パターンへトナー粒子を付着させてトナー像を形成し、当該トナー像を紙などの記録媒体に転写する。ここで、トナー像を形成するトナー粒子は、一般に、結着樹脂としての熱可塑性樹脂を含む。よって、電子写真方式で形成された画像(トナー像)は、光照射工程にて照射される光により軟化または溶融しやすいことから、本発明の効果をより顕著に発揮することができると考えられる。
さらに、本発明の一形態に係る画像形成方法において、上記樹脂層は、記録媒体上に定着される前の画像(未定着画像)であってもよいし、定着された画像(定着画像)であってもよい。樹脂層の表面に粉体を配置しやすく、十分に光沢性を有する画像を形成しやすいという観点から、樹脂層は、記録媒体上に定着された定着画像であると好ましい。すなわち、本発明の一形態に係る画像形成方法は、(I)粉体供給工程および(II)光照射工程の前に、定着画像形成工程をさらに含んでいると好ましい。定着画像は、その表面が均一に平滑に整えられているため、樹脂層中への粉体の埋没が抑制され、光沢性の高い画像を形成することができる。また、粉体の埋没を抑制しつつ樹脂層の表面に粉体を配置することができるため、多量の粉体を使用する必要がなく、経済性の観点からも好ましい。
定着画像形成工程は、公知の定着画像形成装置、特には、電子写真方式を利用した画像形成装置によって行うことができる。定着画像形成方法の一例として、トナー像が転写された記録媒体に、定着手段にて熱および圧力を加え、記録媒体上のトナー像を記録媒体上に定着させる方法が採用されうる。当該方法により形成されるトナー像を樹脂層として、本発明の一形態に係る画像形成方法を行うことにより、上述のように、樹脂層中への粉体の埋没が抑制でき、光沢性に優れた画像を形成することができる。
《粉体除去工程》
本発明の一形態に係る画像形成方法は、(I)粉体供給工程および(II)光照射工程の後、ならびに必要に応じて行われる(III)摺擦工程の後に、粉体除去工程をさらに含んでいてもよい。粉体除去工程では、樹脂層に付着しなかった粉体を記録媒体上から除去する。このとき、記録媒体上から除去された粉体を回収して再利用してもよい。すなわち、本発明の一形態に係る画像形成方法は、(I)粉体供給工程および(II)光照射工程の後、または必要に応じて行われる(III)摺擦工程の後、樹脂層に付着しなかった粉体を記録媒体上から回収する、粉体回収工程をさらに含んでいてもよい。このように、加飾に用いられなかった余分な粉体を回収することは、経済性の観点および環境負荷の軽減の観点から好ましい。
粉体の除去または回収方法は特に制限されず、公知の方法により行うことができる。例えば、刷毛やブラシ等の部材で掻きとる方法、粘着テープ等の粘着部材で除去する方法、粉体を吸引または吸着することができる集粉器等の公知の器械で吸引する方法等が挙げられる。このように、粉体の除去または回収工程を行うための粉体除去手段(部材)または粉体回収手段(部材)としては、上述のように、刷毛やブラシ等の部材、粉体に対して粘着性を有する粘着部材、粉体を吸引する吸引部材を有する集粉器等を用いることができる。また、粉体が磁性粉末である場合には、マグネット部材を有する集粉器を用いてもよい。
《追い刷り印刷工程》
本発明の一形態に係る画像形成方法は、(I)粉体供給工程および(II)光照射工程の後、ならびに必要に応じて行われる(III)摺擦工程および/または粉体除去工程の後に、追い刷り印刷工程をさらに含んでいてもよい。追い刷り印刷工程では、粉体の付着した樹脂層(すなわち、すでに加飾の施された光沢画像)を有する記録媒体上に、さらに画像を形成する。追い刷り印刷方法については、特に制限されず、公知の手法を用いることができ、たとえば、インクジェット方式や、電子写真方式といった印刷方式を用いることができる。また、追い刷り印刷工程を行うための追い刷り印刷手段としては、公知の装置を用いることができる。追い刷り印刷工程をさらに有することで、多様な付加価値を有する印刷物を得ることができ、多様なニーズに応えることができるため、有用である。
<各工程の順序>
本発明の一形態に係る画像形成方法は、(I)粉体供給工程および(II)光照射工程を含み、これらの各工程の順序は特に制限されない。すなわち(II)光照射工程は、(I)粉体供給工程の前に行ってもよいし、後に行ってもよいし、また、同時に行ってもよい。
《(I)粉体供給工程の後に(II)光照射工程を行う画像形成方法》
本発明の一形態に係る画像形成方法は、(I)粉体供給工程の後に(II)光照射工程を行ってもよい。(II)光照射工程によって樹脂層を軟化させた後に樹脂層上に粉体を供給すると、樹脂層の軟化から粉体の供給までの間に、樹脂層が硬化し、粉体が樹脂層に付着しにくくなることがある。したがって、(II)光照射工程を先に行う場合には、樹脂層に対して照射する光の積算光量を比較的大きくする必要がある。これに対し、(I)粉体供給工程を先に行うことにより、樹脂層上に粉体がある状態で光が照射されて樹脂層が軟化されるため、積算光量を最小限とすることができる。さらに、(I)粉体供給工程から(II)光照射工程までの間の時間が長くなっても加飾部分を形成することができるため、プロセス速度を高速にする必要もない。したがって、エネルギー効率の観点からは、上記の順で各工程を行うことが好ましい。
《(II)光照射工程の後に(I)粉体供給工程を行う画像形成方法》
本発明の一形態に係る画像形成方法は、(II)光照射工程の後に(I)粉体供給工程を行ってもよい。
樹脂層上に粉体が配置された状態で光を照射すると、光照射により生じる熱が粉体によって拡散することがある。これに対し、(II)光照射工程を先に行うことにより、このような熱拡散を抑制することができ、光沢を付与する部分の端部をより明瞭に形成することができる。すなわち、光沢を付与する部分のエッジをシャープに形成することができる。また、粉体に対して光照射を行わないため、例えば耐光性の低い粉体であっても使用でき、種々の粉体を用いることができる。したがって、より多様な質感の画像を形成することができる。
《(I)粉体供給工程および(II)光照射工程を同時に行う画像形成方法》
本発明の一形態に係る画像形成方法は、(I)粉体供給工程および(II)光照射工程を同時に行ってもよい。具体的には、樹脂層に粉体を供給する位置に対して、少なくとも粉体が供給されている間に光を照射する手法を用いてもよい。本形態では、少なくとも(I)粉体供給工程が行われている間に(II)光照射工程が行われていればよく、例えば、(I)粉体供給工程の開始直前に(II)光照射工程が開始され、(I)粉体供給工程の終了と共に(II)光照射工程を終了する形態であってもよい。また、(II)光照射工程は、(I)粉体供給工程の終了直後に終了してもよい。
このように、(I)粉体供給工程および(II)光照射工程を同時に行う形態とすることで、エネルギー(熱)の損失を少なくすることができ、光沢を付与する部分のエッジをシャープに形成することができるという利点がある。
《好ましい形態》
上述のように、本発明に係る画像形成方法は、上記(I)および(II)の工程の後に、(III)摺擦工程をさらに行うと好ましい。したがって、本発明に係る画像形成方法の好ましい一形態は、(I)粉体供給工程と、(II)光照射工程と、(III)摺擦工程と、この順に行うことを含む。また、本発明に係る画像形成方法の他の好ましい一形態は、(II)光照射工程と、(I)粉体供給工程と、(III)摺擦工程と、をこの順に行うことを含む。さらに、本発明に係る画像形成方法の他の好ましい一形態は、(I)粉体供給工程と、(II)光照射工程と、を同時に行った後、(III)摺擦工程をさらに行うことを含む。
また、上述のように、これらの(I)~(III)の工程の前に、樹脂層形成工程を行うと好ましく、当該樹脂層形成工程は、定着画像形成工程であると好ましい。すなわち、本発明に係る画像形成方法の好ましい一形態は、定着画像形成工程と、(I)粉体供給工程と、(II)光照射工程と、(III)摺擦工程と、をこの順に行うことを含む。また、本発明に係る画像形成方法の他の好ましい一形態は、定着画像形成工程と、(II)光照射工程と、(I)粉体供給工程と、(III)摺擦工程と、をこの順に行うことを含む。さらに、本発明に係る画像形成方法の他の好ましい一形態は、定着画像形成工程の後、(I)粉体供給工程と、(II)光照射工程と、を同時に行い、その後、(III)摺擦工程をさらに行うことを含む。
さらに、上述のように、上記(I)~(III)の工程の後、さらに粉体除去工程(好ましくは、粉体回収工程)および/または追い刷り印刷工程を行ってもよい。
<画像形成装置>
本発明の一形態に係る画像形成方法を行うための画像形成装置は、記録媒体上に形成され、光により軟化する樹脂層上に粉体を供給する粉体供給手段、および上記樹脂層に対して光を照射する光照射手段を有していると好ましい。また、本発明の一形態に係る画像形成方法を行うための画像形成装置は、樹脂層上に粉体を供給すると共に光を照射する、粉体供給および光照射手段を有していてもよい。さらに、上記画像形成装置は、必要に応じて、粉体が供給された樹脂層(粉体が付着した樹脂層)を摺擦する摺擦手段、樹脂層に付着しなかった粉体を記録媒体上から除去する粉体除去手段(好ましくは、粉体回収手段)、および粉体の付着した樹脂層(すなわち、すでに加飾の施された光沢画像)を有する記録媒体上に、さらに画像を形成する画像形成手段(追い刷り印刷手段)をさらに有していると好ましい。これら摺擦手段、粉体除去手段(好ましくは粉体回収手段)、画像形成手段(追い刷り印刷手段)は、単独で、または2種以上を組み合わせて画像形成装置に備えられうる。なかでも、画像形成装置が上記画像形成手段(追い刷り印刷手段)をさらに有していると、高い付加価値を有する画像の生産性を高めるという観点から好ましい。
なお、上記の粉体供給手段、光照射手段、摺擦手段、粉体除去手段(粉体回収手段)、画像形成手段(追い刷り印刷手段)等の具体的な説明は、上記各工程に係る説明に記載の通りである。
また、上記の画像形成装置は、前述した定着画像形成装置が設けられている筐体と同じ筐体内に設けられていてもよいし、定着画像形成装置が設けられている筐体の外部に設けられていてもよい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
なお、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)および重量平均分子量(Mw)は、下記の方法により測定した。
<ガラス転移温度(Tg)の測定方法>
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて測定した。まず、測定試料(樹脂)3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、「ダイヤモンドDSC」のサンプルホルダーにセットした。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。そして、昇温速度10℃/分で0℃から200℃まで昇温する第1昇温過程、冷却速度10℃/分で200℃から0℃まで冷却する冷却過程、および昇温速度10℃/分で0℃から200℃まで昇温する第2昇温過程をこの順に経る測定条件(昇温・冷却条件)によってDSC曲線を得た。この測定によって得られたDSC曲線に基づいて、その第2昇温過程における第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移温度(Tg)とした。
<重量平均分子量(Mw)>
装置「HLC-8320GPC」(東ソー株式会社製)およびカラム「TSKguardcolumn」1本および「TSKgelSuperHZ-M」3本(いずれも東ソー株式会社製)を連結して用いた。カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/分で流した。測定試料(樹脂)は、濃度1mg/mLになるようにテトラヒドロフランに溶解させた。当該溶液の調製は、超音波分散機を用いて、室温にて5分間処理を行うことにより行った。次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒とともに装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出した。単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成された検量線に基づいて、測定試料の分子量分布を算出した。検量線は東ソー株式会社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A-500」、「F-1」、「F-10」、「F-80」、「F-380」、「A-2500」、「F-4」、「F-40」、「F-128」、「F-700」の10サンプルから作製した。なお、試料解析におけるデータ収集間隔は300msとした。
[トナーの作製]
<トナーK1の作製>
《非晶性樹脂粒子分散液(VD-1)の作製》
(第1段重合)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム0.65質量部をイオン交換水95質量部に溶解させた溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム0.47質量部をイオン交換水18質量部に溶解させた溶液を添加し、再度内温を80℃とした。下記モノマー混合液1を1時間かけて滴下し、その後、80℃で2時間加熱後、攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子(1H)を調製した;
・モノマー混合液1
スチレン 30質量部
アクリル酸n-ブチル 7質量部
メタクリル酸 2質量部。
(第2段重合)
下記モノマー混合液2を攪拌しながら90℃に加熱し、この混合液に離型剤(W-1)としてパラフィンワックス(HNP-51;日本精蝋株式会社製)68質量部を溶解させ、離型剤を含有したモノマー混合液3を調製した;
・モノマー混合液2
スチレン 280質量部
アクリル酸n-ブチル 78質量部
n-オクチル-3-メルカプトプロピオネート 5.5質量部
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム5質量部を、イオン交換水780質量部に溶解させた溶液を仕込んだ。次いで、当該溶液を98℃に加熱後、上記モノマー混合液3を添加し、循環経路を有する機械式分散機(CLEARMIX(登録商標);エム・テクニック株式会社)で1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
次いで、上記分散液を、樹脂粒子(1H)39質量部(固形分換算)とイオン交換水1000質量部とが添加され、攪拌回転数90rpm、内温82℃に設定した反応容器(攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入装置が取り付けられている反応容器)に投入した。その後、この分散液に、過硫酸カリウム4.55質量部をイオン交換水87質量部に溶解させた開始剤溶液を添加した。そして、この系を82℃にて1時間にわたって加熱攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子(1HM)を得た。
(第3段重合)
上記で得られた樹脂粒子(1HM)を含む分散液に、過硫酸カリウム6.07質量部をイオン交換水120質量部に溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下で、下記モノマー混合液4を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱攪拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却して、離型剤とビニル樹脂粒子とを含有する非晶性樹脂(ビニル樹脂)粒子分散液(VD-1)を得た。得られた非晶性樹脂(ビニル樹脂)粒子分散液(VD-1)中のビニル樹脂粒子の分散径は、マイクロトラックUPA-150(日機装株式会社)を用いて測定したところ、体積基準のメジアン径で187nmであった。また、得られたビニル樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は56℃であり、重量平均分子量(Mw)は34,000であった;
・モノマー混合液4
スチレン 205質量部
アクリル酸n-ブチル 100質量部
メタクリル酸 18質量部
n-オクチル-3-メルカプトプロピオネート 4.4質量部。
《着色剤粒子分散液1(ブラックトナー用)の調製》
n-ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加し、攪拌して溶解した。この溶液を攪拌しながら、カーボンブラック(リーガル(登録商標)330R;キャボット社)420質量部を徐々に添加した。次いで、攪拌装置(クレアミックス(登録商標);エム・テクニック株式会社)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液1を調製した。着色剤粒子分散液1中の着色剤粒子の分散径を、マイクロトラックUPA-150(日機装株式会社)を用いて測定したところ、体積基準のメジアン径で117nmであった。
《トナーの作製》
(凝集・融着工程)
攪拌装置、冷却管および温度センサーを備えた容量5Lのステンレス製反応器に、上記非晶性樹脂粒子分散液(VD-1)500質量部(固形分換算)と、着色剤粒子分散液1を40質量部(固形分換算)とを投入し、さらにイオン交換水380質量部を投入した。次いで、攪拌しながら5(モル/L)の水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを10に調整した。その後、攪拌しながら、塩化マグネシウム・六水和物40質量部をイオン交換水40質量部に溶解した塩化マグネシウム水溶液を10分間かけて滴下した。内温を75℃まで昇温させ、Multisizer 3(ベックマン・コールター株式会社、アパチャー径;50μm)を用いて粒径を測定し、体積基準のメジアン径が6.0μmに到達した時点で、塩化ナトリウム160質量部をイオン交換水640質量部に溶解させた塩化ナトリウム水溶液を加えた。さらに、加熱攪拌を続けて、フロー式粒子像測定装置(FPIA-2100;シスメックス株式会社)を用い、平均円形度が0.960になった時点で10℃/分の冷却速度で内温を25℃まで冷却し、トナー母体粒子の分散液を得た。
(洗浄・乾燥工程)
凝集・融着工程にて得られたトナー母体粒子の分散液を、バスケット型遠心分離機を用いて、固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。このウェットケーキを、上記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後、フラッシュジェットドライヤー(株式会社セイシン企業)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して、トナー母体粒子を得た。
(外添剤添加工程)
トナー母体粒子の100質量部に対して、外添剤として、シリカ微粒子A(NAX50;日本アエロジル株式会社)1.7質量部と、シリカ微粒子B(R805;日本アエロジル株式会社)0.3質量部と、酸化チタン粒子A(1次数平均粒径85nm;イソブチルトリメトキシシランで表面処理したもの)0.15質量部と、酸化チタン粒子B(1次数平均粒径20nm;ヘキシルトリメトキシシランで表面処理したもの)0.15質量部とを添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、トナーK1を得た。
<トナーM1の作製>
上記<トナーK1の作製>の《トナーの作製》において、着色剤粒子分散液1 40質量部(固形分換算)の代わりに、以下の手順で調製した着色剤粒子分散液2 60質量部(固形分換算)を添加したこと以外は、上記<トナーK1の作製>と同様にして、トナーM1を作製した。
《着色剤粒子分散液2(マゼンタトナー用)の調製》
上記《着色剤粒子分散液1(ブラックトナー用)の調製》において、カーボンブラックをC.I.Pigment Red 122(キナクリドン)に変更したこと以外は、上記《着色剤粒子分散液1(ブラックトナー用)の調製》と同様にして着色剤粒子分散液2を作製した。
[現像剤の作製]
<2成分現像剤DK-1の作製>
上記<トナーK1の作製>にて得られたトナーK1に対し、体積平均粒径38μmのフェライトキャリア粒子を、トナー濃度が6質量%となるように混合し、2成分現像剤DK-1を作製した。混合は、V型混合機を用いて30分間行った。
<2成分現像剤DM-1の作製>
上記<2成分現像剤DK-1の作製>において、トナーK1の代わりに、トナーM1を用いたこと以外は、上記<2成分現像剤DK-1の作製>と同様にして2成分現像剤DM-1を作製した。
[実施例1:画像ごとに光量を変化させる方法(光照射工程→粉体供給工程;摺擦工程なし)]
本実施例に係る画像形成方法の手順について、図1に図示される装置構成の概略に基づいて説明する。
市販の複合機「AccurioPress C2060」(コニカミノルタ株式会社)を改造したものを出力機として用い、上記<2成分現像剤DK-1の作製>で得た2成分現像剤DK-1を用いて2cm×2cmの正方形パッチの定着画像2を複数枚得た。このとき、記録媒体1としてリンテック株式会社製ニューカラーRゆきを用いた。また、このとき、樹脂層としてのトナー像(トナー)の付着量は、11.0g/mとした。
定着画像2が形成された記録媒体1を、図1に概説する装置の左側に設置し、右側にこれを移動させながら、光照射装置20(光源:LED光源、発光波長:365nm±10nm)によって、積算光量が2J/cmとなるように光を照射した(光照射工程)。このとき、最大照射強度を4W/cmとし、照射時間を0.9秒として光を照射した。なお、上記積算光量は、光量計にて確認した(以下、同様)。
次に、図1中の粉体収容部11および粉体供給ローラー12からなる粉体供給装置10を用いて、定着画像2に、粉体Pとしてのメタシャイン(登録商標)シルバーコート2025PS(日本板硝子株式会社)を散布した(粉体供給工程)。なお、上記メタシャイン(登録商標)シルバーコート2025PSは、フレーク形状のガラス基材の表面に銀をコーティングしてなる非球形粉体(扁平状粉体)であり、平均粒径(長径)が25μm、平均厚み2μmである。
その後、上記定着画像2を室温にて冷却した後、刷毛によって粉体を除去した。得られた画像は、ミラー調の光沢を有する画像であった。
光沢が付された定着画像とは別の定着画像に対し、積算光量を4J/cm(最大照射強度は8W/cm、照射時間は0.9秒)、6J/cm(最大照射強度は12W/cm、照射時間は0.9秒)となるようにそれぞれ変更したこと以外は、上記と同様にして画像表面の質感を観察して評価した。その結果を以下の表1に示す。
また、上記手順で得られた各画像について、反射光の分布測定を以下の手順で行った。
(反射光の分布測定)
入射角度20°における反射光(受光)角度を測定する反射測定を、変角光度計「GP-5」(株式会社村上色彩技術研究所)を用いて、-10~50°の受光角度の範囲で行い、ピークの半値幅を求めた。結果を以下の表1に示す。なお、上記半値幅は、小さいほど明確なミラー調またはパール調の質感を呈していることを意味する。
Figure 0007151261000001
上記表1より、本発明に係る画像形成方法によれば、同一の粉体を用いても、同一画像中において異なる質感の加飾表現を達成することができた。具体的には、積算光量を2J/cm、4J/cm、6J/cmとしてそれぞれ変化させることで、ミラー調からグリッター調までの幅広い質感を制御することが可能であった。
[実施例2:画像ごとに光量を変化させる方法(粉体供給工程→光照射工程→摺擦工程)]
<実施例2-1:ブラックトナー>
本実施例に係る画像形成方法の手順について、図2に図示される装置構成の概略に基づいて説明する。
市販の複合機「AccurioPress C2060」(コニカミノルタ株式会社)を改造したものを出力機として用い、上記<2成分現像剤DK-1の作製>で得た2成分現像剤DK-1を用いて2cm×2cmの正方形パッチの定着画像2を複数枚得た。このとき、記録媒体1としてリンテック株式会社製ニューカラーRゆきを用いた。また、このとき、樹脂層としてのトナー像(トナー)の付着量は、11.0g/mとした。
定着画像2が形成された記録媒体1を、図2に概説する装置の左側に設置し、右側にこれを移動させながら、図2中の粉体収容部11および粉体供給ローラー12からなる粉体供給装置10を用いて、定着画像2に、粉体Pとしてのメタシャイン(登録商標)シルバーコート2025PS(日本板硝子株式会社)を散布した(粉体供給工程)。次に、光照射装置20(光源:LED光源、発光波長:365nm±10nm)によって、積算光量が1J/cm(最大照射強度は2W/cm、照射時間は0.9秒)となるように光を照射し(光照射工程)、スポンジローラー(図2中の摺擦部材30)で摺擦した(摺擦工程)。
その後、上記定着画像2を室温にて冷却した後、刷毛によって粉体を除去した。得られた画像は、ミラー調の光沢を有する画像であった。
光沢が付された定着画像とは別の定着画像に対し、積算光量を2J/cm(最大照射強度は4W/cm、照射時間は0.9秒)、3J/cm(最大照射強度は6W/cm、照射時間は0.9秒)となるようにそれぞれ変更したこと以外は、上記と同様にして画像表面の質感を観察して評価した。その結果を以下の表2に示す。
また、上記手順で得られた各画像に対する反射光の分布測定を、実施例1と同様の方法で行った。その結果を以下の表2に示す。
<実施例2-2:ブラックトナー>
粉体供給工程において、粉体Pとしてのメタシャイン(登録商標)シルバーコート2025PS(日本板硝子株式会社)の代わりに、ユニビーズ(登録商標)「UBS-0010E」(ユニチカ株式会社)を用いたこと以外は、実施例2-1と同様にして画像表面の質感を評価した。また、以下の手法を用いて各画像の光沢度を評価した。その結果を以下の表2に示す。なお、上記ユニビーズ(登録商標)「UBS-0010E」は、ホウケイ酸ガラスビーズであり、その粒子形状はほぼ球形状(球形粉体)であり、その平均粒径は10μm以下であり、その平均円形度は0.99である。
(光沢度)
上記実施例2-2で得られた各画像について、光沢測定器「マイクロ-グロス75°」(株式会社テツタニ)を用いて光沢度を測定した。結果を以下の表2に示す。なお、上記光沢度は、高いほどグロスな外観を呈し、低いほどマットな外観を呈する。
<実施例2-3:マゼンタトナー>
2成分現像剤DK-1の代わりに、2成分現像剤DM-1を用い、積算光量を2J/cm(最大照射強度は4W/cm、照射時間は0.9秒)、3J/cm(最大照射強度は6W/cm、照射時間は0.9秒)、4J/cm(最大照射強度は8W/cm、照射時間は0.9秒)となるようにそれぞれ変更したこと以外は、実施例2-1と同様にして画像表面の質感を評価し、また、画像に対する反射光の分布測定を行った。その結果を以下の表2に示す。
Figure 0007151261000002
上記表2より、光照射工程における積算光量を変化させることにより、同一の粉体を用いても、異なる質感の加飾表現を達成することができた。具体的には、積算光量を1J/cm、2J/cm、3J/cmとして、または2J/cm、3J/cm、4J/cmとしてそれぞれ変化させることで、ミラー調もしくはパール調からグリッター調まで、また、マット調からグロス調までの幅広い質感を制御することが可能であった。また、上記表2より、トナー色に関わらず、積算光量を制御することで、種々の質感の加飾表現を達成することができることが示された。さらに、上記表2より、粉体の種類を変更しても、積算光量を制御することで、種々の質感の加飾表現を達成することができることが示された。
[実施例3:一枚の画像上で光量を変化させる方法(粉体供給工程→光照射工程→摺擦工程)]
複数の記録媒体上に形成された画像の代わりに、一枚の記録媒体上に形成された画像に対して積算光量を変化させながら光を照射したこと以外は、上記実施例2-2と同様にして、画像を形成した。手順の詳細は以下の通りである。また、下記手順を行った装置構成の概略を図2に示す。
市販の複合機「AccurioPress C2060」(コニカミノルタ株式会社)を改造したものを出力機として用い、上記<2成分現像剤DM-1の作製>で得た2成分現像剤DM-1を用いてA4用紙のほぼ全面(19cm×27cm)にベタ画像を形成し、定着画像2を得た。このとき、記録媒体1としてリンテック株式会社製ニューカラーRゆきを用いた。また、このとき、樹脂層としてのトナー像(トナー)の付着量は、11.0g/mとした。
定着画像2(ベタ画像)が形成された記録媒体1を、図2に概説する装置の左側に設置し、右側にこれを移動させながら、図2中の粉体収容部11および粉体供給ローラー12からなる粉体供給装置10を用いて、定着画像2に、粉体Pとしてのメタシャイン(登録商標)シルバーコート2025PS(日本板硝子株式会社)を散布した(粉体供給工程)。次に、上記記録媒体1を、さらに図2の右側へ移動させながら、光照射装置20(光源:LED光源、発光波長:365nm±10nm)によって、積算光量が2J/cm(最大照射強度は4W/cm、照射時間は0.9秒)、3J/cm(最大照射強度は6W/cm、照射時間は0.9秒)、4J/cm(最大照射強度は8W/cm、照射時間は0.9秒)と順に変化するように光を照射した(光照射工程)。その後、上記記録媒体1を、さらに図2の右側へ移動させながら、スポンジローラー(図2中の摺擦部材30)で摺擦した(摺擦工程)。
その後、上記定着画像2を室温にて冷却した後、刷毛によって粉体を除去した。得られた画像を観察したところ、照射した光の積算光量に依存して、3段階で質感の異なる部分が形成されていた。積算光量とこれに対応する部分の質感を評価した。その結果を以下の表3に示す。
また、上記手順で得られた画像に対する反射光の分布測定を、実施例1と同様の方法で行った。その結果を以下の表3に示す。
Figure 0007151261000003
上記表3より、光照射工程における積算光量を変化させることにより、同一の粉体を用いても、同一画像中において異なる質感の加飾表現を達成することができた。具体的には、積算光量を2J/cmから4J/cmまで段階的に変化させることで、同一画像中においてパール調からグリッター調までの幅広い質感を制御することが可能であった。
[実施例4:一枚の画像上で光量を変化させる方法(光照射工程→粉体供給工程→摺擦工程)]
粉体供給工程および光照射工程の順を入れ替え、積算光量を以下の通り変更したこと以外は、上記実施例3と同様にして、画像を形成した。手順の詳細は以下の通りである。また、下記手順を行った装置構成の概略を図3に示す。
市販の複合機「AccurioPress C2060」(コニカミノルタ株式会社)を改造したものを出力機として用い、上記<2成分現像剤DM-1の作製>で得た2成分現像剤DM-1を用いてA4用紙のほぼ全面(19cm×27cm)にベタ画像を形成し、定着画像2を得た。このとき、記録媒体1としてリンテック株式会社製ニューカラーRゆきを用いた。また、このとき、樹脂層としてのトナー像(トナー)の付着量は、11.0g/mとした。
定着画像2(ベタ画像)が形成された記録媒体1を、図3に概説する装置の左側に設置し、右側にこれを移動させながら、光照射装置20(光源:LED光源、発光波長:365nm±10nm)によって、上記定着画像2に積算光量が3J/cm(最大照射強度は6W/cm、照射時間は0.9秒)、5J/cm(最大照射強度は10W/cm、照射時間は0.9秒)、7J/cm(最大照射強度は14W/cm、照射時間は0.9秒)と順に変化するように光を照射した。次に、上記記録媒体1を、さらに図3の右側へ移動させながら、図3中の粉体収容部11および粉体供給ローラー12からなる粉体供給装置10を用いて、粉体Pとしてのメタシャイン(登録商標)シルバーコート2025PS(日本板硝子株式会社)を散布した(粉体供給工程)。さらに、上記記録媒体1を、さらに図3の右側へ移動させながら、スポンジローラー(図3中の摺擦部材30)で摺擦した(摺擦工程)。
その後、上記定着画像2を室温にて冷却した後、刷毛によって粉体を除去した。得られた画像を観察したところ、照射した光の積算光量に依存して、3段階で質感の異なる部分が形成されていた。積算光量とこれに対応する部分の質感を評価した。その結果を以下の表4に示す。
また、上記手順で得られた画像に対する反射光の分布測定を、実施例1と同様の方法で行った。その結果を以下の表4に示す。
Figure 0007151261000004
上記表4より、光照射工程および粉体供給工程の実施される順序に関係なく、積算光量を変化させることにより、同一の粉体を用いても、同一画像中において異なる質感の加飾表現を達成することができた。具体的には、積算光量を3J/cmから7J/cmまで段階的に変化させる光照射工程を行った後、粉体供給工程を行うという手順であっても、パール調からグリッター調までの幅広い質感を制御することが可能であった。
また、上記表1~表4に示されるように、実施例1(摺擦工程未実施、積算光量2~6J/cm)では、光学画像の反射光分布を測定した際、ピークの半値幅が9.8~15.0°であり、最大値と最小値との差Δが5.2°という結果であった。他方、摺擦工程を行った実施例2-1(積算光量1~3J/cm)、実施例2-3(積算光量2~4J/cm)、実施例3(積算光量2~4J/cm)、実施例4(積算光量3~7J/cm)では、上記ピークの半値幅の最大値と最小値との差Δがいずれも約10°という大きな値となった(実施例2-1のΔ=10.2°;実施例2-3のΔ=10.1、実施例3のΔ=10.2°、実施例4のΔ=9.4°)。したがって、摺擦工程をさらに含むことにより、幅広い質感を制御することができるといえる。
1 記録媒体
2 定着画像
10 粉体供給装置(粉体供給手段)
11 粉体収容部
12 粉体供給ローラー
20 光照射装置(光照射手段)
30 摺擦部材(摺擦手段)

Claims (11)

  1. 記録媒体上に形成され、光により軟化する樹脂層に粉体を供給する粉体供給工程と、
    前記樹脂層に対して光を照射して前記樹脂層を軟化させる光照射工程と、を含み、
    前記光照射工程は、前記光の積算光量を調節して前記樹脂層の軟化の程度を変化させて前記粉体の配向を制御することを含み、
    前記光照射工程において照射する前記光の積算光量は、0.1~50J/cm である、画像形成方法。
  2. 前記樹脂層は、前記記録媒体上に定着された定着画像である、請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記粉体供給工程および前記光照射工程の後に、前記粉体が供給された前記樹脂層を、摺擦部材を用いて摺擦する摺擦工程をさらに含む、請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記摺擦部材は、スポンジまたはブラシである、請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 前記光照射工程において照射する光は、紫外光である、請求項1~のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 前記粉体が非球形粉体を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 前記非球形粉体が扁平状粉体を含む、請求項に記載の画像形成方法。
  8. 前記扁平状粉体の平均厚みが0.2~3.0μmである、請求項に記載の画像形成方法。
  9. 前記粉体は、金属および金属酸化物の少なくとも一方を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  10. 前記光照射工程は、前記樹脂層上の部分ごとに異なる積算光量で光を照射することを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  11. 前記光照射工程において照射する光は、最大照射強度が0.5~50.0W/cm であり、
    前記光照射工程における光の照射時間は、0.1~5秒である、請求項1~10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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