JP2021103277A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、より高い金属光沢感を表現することができ、光沢均一性に優れた金属光沢感を表現することができる加飾画像を得ることができる画像形成方法を提供することである。【解決手段】本発明の画像形成方法は、記録媒体上に形成された樹脂画像層に、粉体粒子を供給して表面及び内部に固着する画像形成方法であって、前記樹脂画像層の表面に固着された前記粉体粒子の下式(1)で規定する表面被覆率を、80%以上にすることを特徴とする。式(1)表面被覆率=(樹脂画像層の上面部より観察したときの露出している前記粉体粒子の総面積)/(上面部より観察したときの前記樹脂画像層の総面積)×100(%)【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂画像層に粉体粒子を固着する画像形成方法に関し、特に、金属光沢感を持つ粉体粒子を用い、光沢均一性に優れた金属光沢感を表現することができる画像形成方法に関する。
近年、オンデマンド印刷市場において、加飾印刷、高付加価値印刷の需要が高まっている。中でも、メタリック印刷に関する要望が特に大きく、多種多様な検討が行われてきた。ここでいうメタリック印刷とは、金属光沢感を有する画像の印刷をいう。
メタリック印刷方法の一つとして、トナー画像を利用して、金属箔や樹脂箔を転写する方法が検討されている。例えば、特許文献1では、記録媒体上にトナー画像を形成し、トナー部にのみ転写箔を接着する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、画像の一部にのみ箔を転写する場合、残りの転写箔はすべて無駄になるという問題があった。
一方で、トナー中に光輝性顔料を添加したメタリックトナーに関しての検討も行われている。例えば、特許文献2では、光輝性顔料をトナーに含有させることで、必要な部分にのみメタリック画像を形成する方法が提案されている。しかし、この方法では、要求されるメタリック感には到達していない。
そこで、メタリック感の高い画像を必要な部分に無駄なく形成することを目的として、粉体粒子を画像表面に接着し、メタリック感をもたせる技術が提案されている。例えば、特許文献3では、トナー画像を加熱することによってトナーを軟化させることで接着力(粘着力)を生じさせ、その接着力を用いて粉体粒子を接着、固定して、メタリック感を表現する方法が提案されている。
しかしながら、この方法は、固定した粉体の一つ一つが、それぞれ光を反射するため、粒子感が強調されすぎ、ギラギラした金属光沢感となってしまい、箔押しのような均一感があるメタリック感を表現することが困難であるという問題があった。
特開平01−200985号公報 特開2014−157249号公報 特開2013−178452号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、特に、金属光沢感を持つ粉体粒子を用い、光沢均一性に優れた金属光沢感を表現することができる画像形成方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、記録媒体上に、粉体粒子を供給して表面及び内部に固着させた樹脂画像層形成する画像形成方法で、前記樹脂画像層の表面に固着する粉体粒子の表面被覆率を高い表面被覆率とすることにより、光沢均一性に優れた金属光沢感を表現することができる画像形成方法を提供することができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.記録媒体上に形成された樹脂画像層に、粉体粒子を供給して表面及び内部に固着する画像形成方法であって、
前記樹脂画像層の表面に固着された前記粉体粒子の下式(1)で規定する表面被覆率を、80%以上にすることを特徴とする画像形成方法。
式(1)
表面被覆率=(樹脂画像層の上面部より観察したときの露出している前記粉体粒子の総面積)/(上面部より観察したときの前記樹脂画像層の総面積)×100(%)
2.前記樹脂画像層の表面及び内部に固着された前記粉体粒子の総個数のうち、40個数%以上の粉体粒子が、粒子の少なくとも一部分が前記樹脂画像層から露出するように表面近傍領域に固着することを特徴とする第1項に記載の画像形成方法。
3.前記樹脂画像層が、静電荷像現像用トナーを用いて形成されたトナー画像層であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の画像形成方法。
4.前記粉体粒子が、アスペクト比が5.0以上の扁平状粒子であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
5.前記粉体粒子の平均長軸粒子径が5〜500μmの範囲内であり、かつ、平均厚さが0.2〜5.0μmの範囲内であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
6.前記粉体粒子が、少なくとも金属又は金属酸化物を含有することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
本発明の上記手段により、より高い金属光沢感(具体的には、メタリックミラー感(乱反射の少ない金属光沢感))を表現することができ、光沢均一性に優れた金属光沢感を表現することができる画像を得ることができる画像形成方法を提供することができる。
なお、本発明の手段によれば、粉体粒子が露出していることにより、金属光沢を帯びていない粉体粒子を使用した場合では、粉体粒子の持つ色が損なわれない。また、粉体粒子の表面形状を加工して干渉色を持たせた粉体粒子の場合などでも、加飾性を損なわない効果を得ることができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
通常、粉体加飾画像を形成する樹脂画像層においては、粉体粒子の表面における固着状態として、表面側より観察した際の粉体粒子の表面被覆率(露出率)が80%未満であると、グリッター感(粒状感)が強くなりすぎ、均一感に乏しい金属光沢となってしまう。
すなわち、例えば、図9で示すように、従来の樹脂画像層においては、樹脂画像層102の総面積Aに対する、樹脂画像層102に存在する粉体粒子(101+101W)のうち、樹脂画像層102の表面から露出している粉体粒子の総面積Σ(S+S+S+S+S5+S、以下、ΣSともいう。)の樹脂画像層の総面積Aに対する比率(表面被覆率)が、80%未満である場合、散在している特定の露出している粉体粒子が強調され、粒状感が強くなり、粉体加飾画像としては均一感の乏しい金属光沢画像となってしまう。
加えて、図9で示すような粉体粒子分布状態では、多くの粉体粒子101Wが、層中に埋没した状態、例えば、表面に露出している粉体粒子101の比率が、40個数%未満となった場合にも、均一感の乏しい金属光沢画像となってしまうことが明らかになった。これは、表面の粉体と層中の粉体がそれぞれ異なる方向に反射するため、粉体が層中に埋没する状態で存在する割合が多くなると、均一感が失われると考えられる。
本発明者らは、上記問題に対し鋭意検討を進めた結果、樹脂画像層の表面に固着された粉体粒子の表面被覆率を、例えば、図2の(a)で示すように80%以上とすることにより、樹脂画像層表面をほぼ粉体粒子101により被覆することにより、光沢ムラの発生が抑制され、均一感のある金属光沢画像を得ることができる。
更には、図2の(b)で示すように、下層部に配置した粉体粒子間から染み出した樹脂(トナー)100、例えば、トナー上に粉体粒子101を固着させることにより、粉体加飾画像面にほぼ100%の比率で粉体粒子、好ましくは扁平状の粉体粒子を被覆させることにより、箔押し方法と同等の均一感のある金属光沢表現が可能となる。
更には、樹脂画像層102の内部に存在する粉体粒子101Wの比率を40個数%未満、すなわち、40個数%以上の粉体粒子が露出する様に、表面近傍領域に固着させることにより、均一感を有し、高い金属光沢感、具体的には、メタリックミラー感(乱反射の少ない金属光沢感)を表現することができる。
樹脂画像層における本発明に係る粉体粒子の分布状態の一例を示す概略断面図 本発明で規定する表面被覆率を説明するための概略断面図 本発明に係る粉体粒子の露出量の算出方法を説明するための概略断面図 本発明に係る粉体粒子の露出を説明するための概略断面図 本発明に係る粉体粒子の露出を説明するための他の概略断面図 本発明に係る粉体粒子の長軸粒子径、短軸粒子径及び厚さを説明するための模式図 本発明の粉体粒子を用いた画像形成方法で適用可能な粉体加飾画像形成装置の一例を示す概略構成図 本発明の画像形成方法における光沢画像形成工程の一例を示すフロー図 従来の粉体粒子(比較例)の固着状態を説明するための概略断面図
本発明の画像形成方法は、記録媒体上に形成された樹脂画像層に、粉体粒子を供給して表面及び内部に固着する画像形成方法であって、前記樹脂画像層の表面に固着された前記粉体粒子の前記式(1)で規定する表面被覆率を、80%以上にすることを特徴とする。
この特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記樹脂画像層の表面及び内部に固着された前記粉体粒子の総個数のうち、40個数%以上の粉体粒子が、粒子の少なくとも一部分が前記樹脂画像層から露出するように表面近傍領域に固着されていることが、より光沢均一性に優れ、金属光沢感を発現させることができる点で好ましい。
本発明でいう樹脂画像層の表面近傍領域とは、樹脂画像層の総膜厚に対し、表面部から深さで30%までの領域をいう。
また、前記樹脂画像層が、静電荷像現像用トナーを用いて形成されたトナー画像層であることが、既存の装置を用い、効率的に、より優れた光沢均一性を有し、高い金属光沢感を実現することができる点で好ましい。
また、前記粉体粒子が、アスペクト比が5以上の扁平状粒子であることが、粉体粒子の配向を制御することにより所望の加飾画像を得ることができる点で好ましい。
また、前記粉体粒子の平均長軸粒子径が5〜500μmの範囲内であり、かつ、平均厚さが0.2〜5.0μmの範囲内であることが好ましい。平均長軸粒子径を前記範囲内とすることで、高いメタリックミラー感を発現することができ、画像を擦った時に粉体粒子が離脱することもない。また、平均厚さを前記範囲内とすることで、樹脂画像層の表面に固着した粉体粒子の前記長軸粒子径及び短軸粒子径方向を含む粉体粒子の平面方向が、前記樹脂画像層の表面方向に実質的に沿う粉体粒子の良好な配向状態が十分に形成され、また、画像を擦った時に粉体粒子が離脱することもない。
前記粉体粒子が、少なくとも金属又は金属酸化物を含有することが、高いメタリックミラー感を発現することができる点で好ましい。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《本発明の画像形成方法の概要》
本発明の画像形成方法は、記録媒体上に形成された樹脂画像層に、粉体粒子を供給して表面及び内部に固着する画像形成方法であって、前記樹脂画像層の表面に固着された前記粉体粒子の下式(1)で規定する表面被覆率を、80%以上にすることを特徴とする。
式(1)
表面被覆率=(樹脂画像層の上面部より観察したときの露出している前記粉体粒子の総面積)/(上面部より観察したときの前記樹脂画像層の総面積)×100(%)
特に、本発明に係る樹脂画像層の断面を走査型電子顕微鏡で観察撮影した際に、樹脂画像層の表面に固着された本発明に係る粉体粒子の表面被覆率を80%以上となるように形成された領域が1層状になるように固着されていることが好ましい態様の一つである(実施形態1、図2の(a)参照。)。
また、下層部に配置した粉体粒子間から染み出した樹脂成分、例えば、トナー上に粉体粒子を固着させた2層構成とし、樹脂画像層の上面部より観察したときの粉体粒子の総面積比率をほぼ100%となるように固着されている構成も好ましい態様の一つである(実施形態2、図2の(b)参照。)。
図1は、樹脂画像層における本発明に係る粉体粒子の2層構成による分布状態の一例(実施形態2)を示す概略断面図である。
図1の(a)で示す樹脂画像層102において、その主成分としては樹脂(トナー)100で構成され、その表面近傍領域S1に、球形の粉体粒子101Sが2層構成で形成されている。下層のS1Aに粉体粒子101Sが配置され、粉体粒子101S間から染み出したトナー成分上に、更に球形の粉体粒子101Sが配置されて上層のS1Bを構成している。このような構成とすることにより、球形の粉体粒子101Sによる表面被覆率(%)を100%に近づけることができ、均一感のある金属光沢画像とすることができ、かつ樹脂画像層の表面の乱れを防止でき、画像品質を向上させることができる。
図1の(b)で示す樹脂画像層102においては、樹脂画像層102が、粉体粒子として扁平状の粉体粒子101Fを適用して、表面領域S1が下層S1Aと上層S1Bの2層により構成されている。
図1の(a)及び(b)においては、表面近傍領域S1以外にも、粉体粒子101Wが存在しているが、本発明においては、樹脂画像層102の表面及び内部に固着された粉体粒子の総個数のうち、40個数%以上の粉体粒子が、粒子の少なくとも一部分が樹脂画像層から露出するように表面近傍領域S1に固着していることが好ましい。
前述の様に、本発明でいう樹脂画像層の表面近傍領域S1とは、樹脂画像層の総膜厚に対し、表面部から深さで30%までの領域とする。
〔表面被覆率〕
本発明においては、樹脂画像層の表面に固着された前記粉体粒子の下式(1)で規定する表面被覆率を、80%以上にすることを特徴とする。好ましくは80〜100%の範囲内であり、更に好ましくは、83〜100%の範囲内である。
式(1)
表面被覆率=(樹脂画像層の上面部より観察したときの露出している前記粉体粒子の総面積)/(上面部より観察したときの前記樹脂画像層の総面積)×100(%)
上記で規定する条件を満たすことにより、均一感のある金属光沢を有する加飾画像とすることができる。
本発明に係る表面被覆率とは、加飾領域(粉体粒子を付着させたい領域)に対する粉体粒子による表面被覆率をいい、例えば、下記に記載の方法により求めることができる。
具体的に、表面被覆率は、キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−6000を用いて、倍率100倍で写真を任意の10視野について撮影し、株式会社ニレコ製LUSEX−APにて二値化処理を行い、前記式(1)により10視野における各表面被覆率を求め、これらの平均値を採用する。
なお、粉体粒子によって被覆されている箇所と、被覆されていない箇所は均一に分散していることが好ましい。
本発明で規定する表面被覆率について、更に図も交えて具体的に説明する。
図2は、本発明で規定する表面被覆率を説明するための概略断面図である。
図2の(a)は、粉体粒子が固着している表面近傍領域が1層(S1)で構成されている実施形態1における表面被覆率を説明する図であり、図2の(b)は、粉体粒子が固着している表面近傍領域が2層(S1A、S1B)で構成されている実施形態2における表面被覆率を説明する図である。
図2の(a)においては、樹脂画像層102は、層構成成分としてトナー100を有し、その表面近傍領域S1の表面部に、扁平状の粉体粒子101の少なくとも一部が露出した状態で固着されている。一部の粉体粒子101Wは層の内部に存在している実施形態1の構成である。
すなわち、本発明においては、樹脂画像層102の上面部より観察したときの総面積をAとし、樹脂画像層の上面部より観察したときの露出している粉体粒子のそれぞれの面積S1〜Snとし、その表面積の総和をΣSとしたとき、ΣS/A×100(%)が、80%以上であることを特徴とする。
図2の(b)においては、樹脂画像層102は、層構成成分としてトナー100を有し、その表面近傍領域S1の表面部に、トナー100の表面部に粉体粒子100が固着して形成されている下層S1Aと、粉体粒子101間から染み出したトナー100上に、更に粉体粒子101が配置されて上層のS1Bを構成している実施形態2の構成を示してある。
すなわち、本発明においては、樹脂画像層102の上面部より観察したときの総面積をAとし、樹脂画像層の上面部より観察したとき、表面近傍領域S1の下層S1A及び上層S1Bの表面に露出している粉体粒子のそれぞれ面積S1〜Snとし、その表面積の総和をΣSとしたとき、ΣS/A×100(%)が、80%以上であることを特徴とする。
更に、本発明においては、上層S1Bの表面に露出している粉体粒子が、下層S1A存在している粉体粒子表面及び染み出したトナー100を被覆し、トナー100が表面に露出しないように配置することにより、上面部より観察したときに、全て粉体粒子が観察される表面被覆率100%とすることができる。
また、本発明に係る樹脂画像層102においては、表面近傍領域S1に固着し、少なくとも一部が露出した状態にある粉体粒子101の粒子個数が、内部に存在している粉体粒子101Wを含めた総粉体粒子数の40%個数%以上であることが好ましい。
〔粉体粒子の露出量の算出〕
本発明に係る表面被覆率においては、総面積Aに対し、樹脂画像層の上面部より観察したときの露出している粉体粒子の総面積の比率として定義している。
本発明で「粉体粒子が樹脂画像層から露出している」とは、走査電子顕微鏡で観察した画像(二次元画像)において、粉体粒子の表面のみ露出している場合と、粉体粒子の表面及び側面が露出している場合とがある。これらの場合において、下記に示す方法で露出量を算出し、算出した露出量が0%より大きい場合に「樹脂画像層から露出する」とする。また、露出量が0%である場合に「樹脂画像層から露出していない」とする。
(露出量)
樹脂画像層の表面に粉体粒子が固着された粉体加飾画像を切り出して包埋樹脂で固め包埋した後、切削サンプルを切削し、イオンミリング加工装置により切削面をイオンミリング加工して、断面観察用のサンプルを作製する。
観察用サンプルを、例えば、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(S−4800、日立ハイテクノロジーズ社製)により、1視野内に樹脂画像層に付着した粉体粒子が10個見える倍率で観察する。観察した画像を株式会社ニレコ製LUSEX−APにて二値化処理を行い、下式(2)により、各粉体粒子の露出量を算出する。
式(2)
露出量=(断面画像における樹脂画像層から露出している粉体粒子の周長)/(断面画像における粉体粒子の全周長)×100(%)
ここで、露出している粉体粒子の周長(露出周長)とは、樹脂画像層から露出している部分の外周長さをいい、粉体粒子の全周長とは、粉体粒子の全周を実際に計測した長さで表す。
前記露出周長とは、例えば、図3における粉体粒子101Aの場合、破線部分の長さ(露出している上面+側面の長さMA)である。また、粉体粒子101Bの場合、破線部分の長さ(露出している上面+側面の長さMB)、粉体粒子101Cの場合、破線部分の長さ(露出している上面+側面の長さMC)である。
前記全周長とは、例えば、図3における粉体粒子101Aの場合、破線部分の長さの総長(ΣMA)と実線部分の非露出部の長さの総長(Σma)の和(ΣMA+Σma)である。また、粉体粒子101Bの場合、破線部分の長さの総長(ΣMB)と実線部分の長さの総長(Σmb)の和(ΣMB+Σmb)である。粉体粒子101Cの場合、破線部分の長さの総長(ΣMC)と実線部分の長さの総長(Σmc)の和(ΣMC+Σmc)である。
(粉体粒子の全個数のうちの露出割合の算出)
前記断面観察方法において、1視野内における粉体粒子の全個数と、前記露出量が0%より大きい粉体粒子の個数をカウントして、粉体粒子の全個数のうち、下式(3)で示す露出割合を算出する。これを任意の10視野において算出し、その平均値を採用する。なお、直径が3μm以上の粉体粒子についてカウントするものとした。
式(3)
露出割合=(樹脂画像層から露出している粉体粒子の個数)/(断面画像における粉体粒子の全個数)×100(%)
本発明では、上記の方法で算出した前記露出割合が0%より大きければ、露出しているとし、例えば、図4に示すように、粉体粒子101の一部分が樹脂画像層102で覆われている実施形態2に係る場合も露出した粒子とする。
本発明においては、図5に示すように、粉体粒子101の上面の一面のみ完全露出し、反対面(下面)と厚さ方向の面は、樹脂画像層102内に完全埋没した状態も好ましい一例である。
また、前記樹脂画像層の表面に固着された各粉体粒子の前記樹脂画像層からの平均露出量(3μm以上の各粉体粒子の露出量の平均値)が、10〜50%の範囲内であることが、高いメタリックミラー感を維持しつつ、樹脂画像層からの粉体粒子の離脱を防止できる点で好ましい。
前記樹脂画像層に固着された前記粉体粒子の全個数のうちの80%以上の粉体粒子のそれぞれが、少なくとも各粉体粒子の一部分を前記樹脂画像層から露出するように固着するためには、後述するように、樹脂画像層に対して加熱する加熱手段と、加熱により溶融又は軟化する樹脂画像層上に粉体粒子を供給する粉体供給手段と、粉体粒子が供給された樹脂画像層を摺擦して固着する摺擦・固着手段と、を備え、樹脂画像層に対する加熱温度や粉体粒子の供給量、摺擦速度や摺擦時間等の条件を制御することが好ましい。
《画像形成方法》
以下、本発明の画像形成方法の構成について説明する。
〔記録媒体〕
本発明に係る記録媒体としては、特に制限されず、例えば、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙又はコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙等の紙類;ポリプロピレン(略称:PP)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)フィルム、トリアセチルセルロース(略称:TAC)フィルム等の樹脂製フィルム;布などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、記録媒体の色は特に限定されず、種々の色の記録媒体を使用することができる。
〔樹脂画像層〕
樹脂画像層は、表面に粉体粒子を固着できるものであれば特に限定されず、例えば、加熱により軟化又は可塑化する樹脂を含有することが好ましい。更には、樹脂画像層が、電子写真方式で、静電荷像現像用トナーを用いて形成されたトナー画像層であることが、本発明の効果を顕著に発現できる点で好ましい。
本発明に係る樹脂画像層の形成に適用可能な樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂や熱溶融性樹脂が挙げられる。また、熱可塑性樹脂以外にも、着色剤、分散剤、界面活性剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤等の他の成分を含有し、トナー画像の形成が可能な構成であってもよい。
熱可塑性樹脂は、熱可塑性を有する公知の樹脂を用いることができ、特に制限されない。また、熱溶融性樹脂は、熱溶融性を有する公知の樹脂を用いることができ、特に制限されない。
熱可塑性樹脂又は熱溶融性樹脂は、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、オレフィン樹脂(環状オレフィン樹脂を含む)、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ハロゲン含有樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂など)、ポリスルホン樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)、ポリビニルエステル樹脂(ポリ酢酸ビニルなど)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリビニルアルコール樹脂及びこれらの誘導体樹脂、ゴム又はエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴムなど)などが挙げられる。上記熱可塑性樹脂及び熱溶融性樹脂は、単独でも又は2種以上組み合わせても使用することができる。
樹脂画像層の表面状態を制御しやすいという観点から、熱可塑性樹脂及び熱溶融性樹脂は、上述の樹脂の中でも、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン・アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいると好ましく、スチレン・アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
樹脂画像層に含有される前記樹脂の重量平均分子量は特に制限されないが、好ましくは2000〜1000000の範囲内であり、より好ましくは5000〜100000の範囲内であり、特に好ましくは10000〜50000の範囲内である。
樹脂画像層中における樹脂の含有量は特に制限されないが、樹脂画像層の表面を軟化させ、樹脂画像層の表面状態を制御しやすくするという観点から、樹脂画像層の総質量に対して、0質量%より多く95質量%以下の範囲であると好ましく、0質量%より多く50質量%以下の範囲であるとより好ましく、5〜50質量%の範囲内であるとさらに好ましく、10〜50質量%の範囲内であると特に好ましい。
一方、樹脂画像層が樹脂とともに他の成分(例えば、着色剤、離型剤等)を含む場合、当該他の成分の含有量は特に制限されないが、樹脂画像層の表面を溶融又は軟化させ、樹脂画像層の表面状態を制御しやすくするという観点から、樹脂画像層の総質量に対して3〜40質量%であると好ましく、5〜20質量%の範囲内であるとより好ましい。
上記他の成分としての着色剤は、特に制限されず、公知の染料及び顔料を用いることができる。このような着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラックなど;C.I.ソルベントイエロー19、同44などの染料;C.I.ピグメントイエロー14、同17などの顔料;C.I.ソルベントレッド1、同49などの染料;C.I.ピグメントレッド5、同122などの顔料;C.I.ソルベントブルー25、同36などの染料;C.I.ピグメントブルー1、同7などの顔料が挙げられるが、これらに制限されない。
また、上記他の成分としての離型剤は、特に制限されず、公知の離型剤を用いることができる。かような離型剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス;マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス;パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス;ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス;カルナウバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘニル、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1、18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス;エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックス等が挙げられるが、これらに制限されない。
本発明に係る樹脂画像層を、静電荷像現像用トナーを用いて形成されたトナー画像層とする場合には、従来公知の静電荷像現像用トナーを適用することができ、例えば、特開2012−8439号公報の段落(0039)〜(0149)に記載されている構成材料を適用することができる。
樹脂画像層の厚さは特に制限されないが、例えば、1〜100μmの範囲内であると好ましく、1〜50μmの範囲内であるとより好ましい。樹脂画像層の厚さが上記範囲であると、粉体粒子の配向をより制御しやすくなり、質感の調節が容易となる。
〔粉体粒子〕
本発明の画像形成方法において、粉体粒子は、加飾の目的や、所期の質感に応じて適宜選択することができる。ここで、粉体粒子の集合体を粉体といい、粉体とは、最終的な画像においても粉体としての状態で残存する物質をいう。
(粉体粒子の形状)
樹脂画像層上に供給される粉体粒子の形状、大きさ等は特に制限されず、所望の質感を達成するために適切な形状及び大きさを選択することが好ましい。
粉体粒子は、形状の観点から、球形(球形粉体粒子)と非球形(非球形粉体粒子、例えば、扁平状粉体粒子)に大別される。
ここで、「球形粉体粒子」とは、その断面形状又は投影形状の平均円形度が0.970以上である粉体粒子をいう(上限:1.000)。なお、当該平均円形度は、「Wadellの式」に従い求めることができるが、例えば、以下のフロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(Sysmex社製)を用いて測定した値であってもよい。具体的には、粉体粒子を界面活性剤水溶液に湿潤させ、超音波分散を1分間行って分散した後、「FPIA−3000」を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数4000個の適正濃度で測定を行う。円形度は下式(4)で計算される。
式(4)
円形度=(粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせ、測定した全粒子数で割った算術平均値である。
これに対し、「非球形粉体粒子」は、球形粉体粒子以外の粉体粒子であり、その断面形状又は投影形状の平均円形度が0.970未満である粉体粒子をいう。
中でも、粉体粒子の配向を制御することにより、所望の質感(特に、ミラー調)を達成することができるという観点から、粉体粒子の形状は、非球形であることが好ましい。すなわち、粉体粒子が非球形粉体粒子を含むことが好ましい。さらに同様の観点から、上記非球形粉体粒子は、扁平状粉体粒子(すなわち、扁平な形状を有する粉体粒子)を含むとより好ましい。
ここで、「扁平状」又は「扁平な形状」とは、例えば、図6の(a)及び(b)に示すように、当該粉体粒子101における最大長さを長軸粒子径L、当該長軸粒子径Lに交差する方向における最大長さを短軸粒子径w、上記長軸粒子径Lに直交する方向の最少長さを厚さtとしたときに、厚さtに対する短軸粒子径wの比(w/t)で表されるアスペクトの値が5以上である形状であることをいう。「扁平状」及び「扁平な形状」の用語には、例えば、フレーク状、鱗片状、板状、薄片状等と称される形状が包含される。
前記非球形粉体粒子は、非球形粉体粒子の配向した付着による外観効果を十分に発現させる観点から、平均長軸粒子径Lはおおむね3〜600μmの範囲内であり、5〜500μmの範囲内であることが好ましい。前記平均長軸粒子径Lを3μm以上とすることにより、反射面積が十分となり、良好な高いメタリックミラー感を発現することができる。一方、前記平均長軸粒子径Lを600μm以下とすることにより、画像をこすった時に樹脂画像層からの粉体粒子の離脱を防止することができる。
また、前記非球形粉体粒子は、平均厚さtはおおむね0.1〜10μmの範囲内であるが、0.2〜5.0μmの範囲内であることが好ましい。前記平均厚さを0.1μm以上とすることにより、前記樹脂画像層の表面に付着した非球形粉体の前記長軸粒子径方向及び前記短軸粒子径方向を含む非球形粉体の平面方向が前記樹脂画像層の表面方向に実質的に沿う非球形粉体の良好な配向状態が十分に形成される。一方、前記平均厚さを10μm以下とすることにより、画像をこすった時に樹脂画像層からの粉体粒子の離脱を防止することができる。
前記粉体粒子の平均厚さは、任意に100個の粉体粒子について測定した厚さの平均値であり、前記粉体粒子の平均長軸粒子径は、任意に100個の粉体粒子について測定した長軸粒子径の平均値である。また、個々の粉体粒子の厚さ、粒径(長軸粒子径、短軸粒子径を含む)は、粉体粒子を両面テープ上に振りかけて固着させ、その表面を、マイクロスコープVHX−6000を用いて粉体粒子の形状が確認できる倍率で観察し、観察した画像を株式会社ニレコ製LUSEX−APにて二値化処理を行い、任意に100個の粉体粒子について長軸粒子径L、短軸粒子径w、厚さtを測定し、その平均値を採用することにする。
(粉体粒子の構成材料)
粉体粒子を構成する材料は、特に限定されず、例えば、樹脂、ガラス、金属、金属酸化物等の種々の材料を用いることができる。中でも、粉体粒子は、金属又は金属酸化物を含むことが好ましい。金属又は金属酸化物を含んでいると、最終画像の外観として、パール長又はミラー調を発現させることができ、高いメタリックミラー感をえることができる。
また、粉体粒子を構成する材料は、1種単独であってもよいし、2種以上であってもよい。粉体粒子が2種以上の材料を含む場合は、均一に分散されている形態であってもよいし、一方の材料に他の材料が積層されてなる(被覆されてなる)形態であってもよい。例えば、非球形粉体粒子では、樹脂やガラス等からなる基材(コア)に対して金属又は金属酸化物からなる被膜(シェル)が積層した形態、金属又は金属酸化物からなる基材(コア)に対して樹脂やガラス等からなる被膜(シェル)が積層した形態;などが挙げられるが、これらに限定されない。
粉体粒子は、合成品であってもよいし市販品であってもよい。粉体粒子の例としては、メタシャイン(登録商標)(日本板硝子株式会社)、サンシャインベビー クロムパウダー、オーロラパウダー、パールパウダー(以上株式会社GGコーポレーション)、ICEGEL ミラーメタルパウダー(株式会社TAT)、ピカエース(登録商標) MCシャインダスト、エフェクトC(株式会社クラチ)、プリジェル(登録商標) マジックパウダー、ミラーシリーズ(有限会社プリアンファ)、Bonnail(登録商標)シャインパウダー(株式会社ケイズプランイング)、エルジーneo(登録商標)(尾池工業株式会社)等が挙げられる。また、球形粉体の例としては、高精度ユニビーズ(登録商標)(ユニチカ株式会社)、ファインスフィア(登録商標)(日本電気硝子株式会社)等のメタリックパウダーが挙げられる。
なお、樹脂画像層上に供給される粉体粒子は、1種のみであってもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
《画像形成方法》
(粉体粒子を固着した樹脂画像層の形成工程)
本発明の画像形成方法は、主には、記録媒体上に形成された樹脂画像層に対し、粉体粒子を供給する工程(粉体供給工程)と、摺擦・固着する工程(摺擦・固着工程)とを有する。
図7は、本発明の粉体粒子を用いた画像形成方法で適用可能な粉体加飾画像形成装置の一例を示す概略構成図である。以下、図を交えて説明する。
〈粉体供給工程〉
粉体供給工程は、記録媒体上にあらかじめ粉体粒子を供給する場合や、前記記録媒体上に形成された樹脂画像層(例えば、トナー画像層)上に粉体粒子を供給する場合のどちらでも適宜選択される。
粉体粒子の供給方法は特に制限されず、粉体供給工程において用いられる粉体供給手段としては、粉体の性状に応じて公知の装置を用いることができる。例えば、特開2013−178452号公報に記載されている粉末供給手段を、本発明に係る粉体供給手段として用いることができる。また、あらかじめ配向部材に配向した粉体粒子を樹脂画像層表面に転写する粉体転写工程であってもよい。
本発明の画像形成方法で適用可能な粉体供給手段の一例としては、図7に示すような、粉体粒子101を収容する粉体収容部11及び粉体供給ローラー12を備えた粉体供給装置10を挙げることができる。
粉体粒子の供給方法のさらに具体的な方法を、図7を交えて説明する。例えば、粉体粒子が絶縁性粉体である場合には、正又は負に帯電させた絶縁性粉体粒子を、粉体収容部11から導電性の粉体供給ローラー(導電性ローラー)12へ供給し、当該導電性ローラー12によって担持搬送される上記絶縁性の粉体粒子101を、記録媒体103に形成されている樹脂画像層102上に供給する方法が挙げられる。すなわち、粉体粒子101が絶縁性粉体粒子である場合には、粉体収容部11及び導電性の粉体供給ローラー(導電性ローラー)12を有する粉体供給装置(粉体供給手段)10を用いることが好ましい。
また、粉体粒子の供給方法の他の具体的な例として、粉体粒子が磁性粉体粒子である場合には、磁性粉体粒子を、粉体収容部11から磁性を有する粉体供給ローラー(マグネットローラー)12へ供給し、当該マグネットローラーによって担持搬送される磁性の粉体粒子101を樹脂画像層102上に供給する方法が挙げられる。すなわち、粉体粒子101が磁性粉体である場合には、粉体収容部11及び磁性を有する粉体供給ローラー(マグネットローラー)12を有する粉体供給装置(粉体供給手段)10を用いることが好ましい。
樹脂画像層102に対して供給される粉体粒子101の量は、特に制限されず、所望の質感を表現できる量であれば特に制限されない。
粉体粒子101は、樹脂画像層102上にのみ選択的に供給されてもよいし、樹脂画像層102上のみならず、樹脂画像層102が形成されていない部分も含む記録媒体103表面の全体に対して供給されてもよい。
また、粉体供給工程の前後、又は粉体供給時に樹脂画像層を加熱することが好ましい。加熱により、樹脂画像層を溶融又は軟化させ、樹脂画像層の表面及び内部に固着された粉体粒子の全個数のうちの80%以上の粉体粒子のそれぞれが、少なくとも各粉体粒子の一部分を前記樹脂画像層から露出するように表面に固着させることができる。
具体的には、図7に示すように、加熱ローラー13、ヒーター14(例えば、ホットプレート)及び後述する摺擦・固着工程で用いる加圧ローラー15等を用いることが好ましい。
加熱ローラー13は、樹脂画像層102の溶融・軟化手段として、樹脂画像層が形成された記録媒体103を搬送しつつ、樹脂画像層102を加熱溶融する。加熱ローラー13は、記録媒体103の搬送方向と垂直な方向に回転軸を有し、対向する補助ローラー(不図示)とともに記録媒体103を挟持して搬送する。加熱ローラー13は、ヒーターを内蔵しており、記録媒体103上の樹脂画像層102を加熱溶融して、樹脂画像層102に粘着性を付与する。なお、加熱ローラー13の表面は断熱部材により覆われていることが好ましい。
ヒーター14は、摺擦・固着工程の加圧ローラー15の下部に配置され、樹脂画像層102が加熱溶融されている記録媒体103の裏面を加熱する。記録媒体103の裏面が加熱されることにより、記録媒体103上の樹脂画像層102の温度低下が防止され、樹脂画像層102の粘着性が維持される。
加熱ローラー13やヒーター14による樹脂画像層102の加熱温度は、おおむね70〜200℃の範囲内であることが、高いメタリックミラー感を保ちつつ、粉体粒子101が十分な付着力で樹脂画像層102表面に付着し、離脱を防止できる点で好ましい。
なお、ここでは、加熱手段として、接触式の加熱ローラーやヒーター等を挙げたが、これらに限定されるものではなく、非接触式の加熱手段を用いてもよい。非接触式の加熱手段としては、例えば、ドライヤー、赤外線ランプ、可視光線ランプ、紫外線ランプ及び温風式オーブン等が挙げられる。
〈摺擦・固着工程〉
本発明の画像形成方法では、上記粉体供給工程に加え、さらに、粉体粒子101が供給された樹脂画像層102の表面を摺擦して、樹脂画像層102に粉体粒子101を固着する摺擦・固着工程を含むことが、樹脂画像層102の表面及び内部に、粉体粒子101の全個数のうちの80%以上の粉体が、その一部分を樹脂画像層102から露出する状態で固着でき、本発明の目的であるミラー調の質感を発現でき、かつ、粉体粒子101の離脱を防止できる点で好ましい。
図7で示すように、摺擦・固着工程では、粉体粒子101が付着した状態にある樹脂画像層102を、粉体粒子101の上から摺擦して粉体粒子101を固着する工程であり、前記粉体供給工程の後に行われる。ここで、「摺擦」とは、摺擦手段15(摺擦部材)が記録媒体103上の樹脂画像層102の表面に接触しながら、当該表面に沿って、上記樹脂画像層102に対して相対的に移動することをいう。すなわち、樹脂画像層102に対して押圧した状態で、それと同時に押圧している力に対して垂直方向(樹脂画像層102の表面に対しては平行方向)に力を加えることをいう。
このように粉体粒子101が付着した状態にある樹脂画像層102を、粉体粒子101の上から摺擦することにより、樹脂画像層102の表面に対して粉体粒子101の配向を揃えることができる。より具体的には、摺擦することにより、樹脂画像層102表面に対する粉体粒子101の配向角度が揃いやすくなるため、乱反射の少ないミラー調の質感を容易に形成することができる。特に、粉体が扁平状の粉体粒子である場合、扁平な面が樹脂画像層102表面に沿うように平行に配向するため、乱反射の少ないミラー調の質感の形成がより容易となる。
したがって、本発明の画像形成方法では、粉体供給工程の後に、粉体粒子101が供給された樹脂画像層102を摺擦する摺擦・固着工程を有する構成が好ましい。
また、上記「摺擦」操作では、樹脂画像層(粉体粒子101が付着した樹脂画像層102)の押圧を伴うことが好ましい。すなわち、摺擦・固着工程では、粉体粒子101が供給された樹脂画像層102を摺擦するとともに、押圧することを含むことが好ましい。樹脂画像層102を押圧することにより、粉体粒子101の一部が樹脂画像層102の内部に押し込まれるため、樹脂画像層102に対する粉体粒子101の接着を強くすることができる。よって、最終的に形成される光沢画像の強度を向上させられることに加え、形成される光沢画像におけるミラー調の外観を明瞭にすることができる。ここで、「押圧」とは、樹脂画像層102の表面に対して交差する方向(例えば、垂直方向)に樹脂画像層102の表面を押すことをいう。
摺擦・固着工程は、粉体粒子101が付着した樹脂画像層102を、摺擦手段を用いて摺擦することにより行う。具体的には、摺擦・固着工程は、粉体粒子101が付着した樹脂画像層102に対し、摺擦手段としての摺擦部材15を接触させ、樹脂画像層102に対して摺擦部材15を相対的に移動させることにより行う。このとき、摺擦部材15を移動させる方向は特に制限されず、一方向のみであってもよいし、往復運動させてもよいし、さらに多数の方向であってもよい。ただし、粉体粒子101の配向を制御しやすく、乱反射の少ないミラー調の質感を形成するためには、摺動部材15の移動方向は、一方向のみであることが好ましい。
上記のように、ミラー調の質感を発現させる目的から、摺擦条件を制御することが好ましい。ここでいう摺擦条件とは、例えば、摺擦時間、摺擦速度(樹脂画像層102表面に対する摺擦部材15の摺擦部分の相対速度)、押圧力などが含まれる。また、以下で説明するように、摺擦部材15として回転部材を用いる場合には、摺擦条件として、摺擦時間や回転速度を制御することが好ましい。
摺擦・固着工程において、摺擦部材15による摺擦時間は、2〜20秒の範囲内であることが、高いメタリックミラー感を保ちつつ、粉体粒子が十分な付着力で樹脂画像層に付着して離脱を防止することができる点で好ましい。
また、摺擦・固着工程において、樹脂画像層102表面に対する摺擦部材15の摺擦部分の相対的な速度は、特に制限されないが、5〜500mm/秒の範囲内であることが好ましい。5mm/秒以上であると、樹脂画像層102の表面に対して粉体の配向を十分に添わせることができる。また、500mm/秒以下であると、樹脂画像層102に対して十分な量の粉体粒子101を付着させることができ、最終的に形成される光沢画像におけるミラー調の外観を明瞭にすることができる。
また、摺擦・固着工程において、樹脂画像層102の表面に対する摺擦部材15の摺擦部分の接触幅は、特に制限されないが、樹脂画像層102の表面に付着する粉体の配向性及び記録媒体の搬送性という観点から、1〜200mmの範囲内であることが好ましい。接触幅が1mm以上であると、摺擦部材15が樹脂画像層102の表面に沿って移動する際に粉体粒子101の配向方向のばらつきを抑制でき、樹脂画像層102に付着する粉体粒子101の配向を十分に制御することができる。また、200mm以下であると、安定して容易に記録媒体103の搬送を行うことができる。なお、「接触幅」とは、樹脂画像層102に対する摺擦部材15の摺擦部分の移動方向の長さをいう。
また、摺擦とともに押圧を行う場合、押圧力は、特に制限されないが、樹脂画像層102の表面に対して1〜30kPaの範囲内であることが好ましい。押圧が1kPa以上であると、樹脂画像層に対する粉体粒子の付着強度を十分に得ることができる。また、30kPa以下であると、記録媒体上に形成された樹脂画像層を安定して保持することができる。
摺擦・固着工程において用いられる摺擦手段としては、特に制限されず、公知の装置を用いることができる。図7に示されるように、本発明の一形態に係る摺擦手段としての摺擦部材15は、記録媒体の搬送方向に対して、粉体供給装置10(粉体供給手段)の後に備えることが好ましい。これらの装置の配設順序は、各工程が行われる順序に応じて、適宜決定される。
摺擦手段に備えられる摺擦部材としては、例えば、図7に示すような回転部材であってもよいし、往復運動する部材や、固定されている部材のような非回転部材であってもよい。
より具体的には、摺擦部材15は、樹脂画像層の表面に供給された粉体粒子が樹脂画像層の内部に完全に埋没してしまわないように、樹脂画像層の表面と平行に近い水平方向からの力を加えて摺擦し固着可能な部材が好ましく、水平な表面を有する樹脂画像層の表面に接して水平方向に、当該表面に対して相対的に移動可能な部材であってもよいし、樹脂画像層の表面に接する回転自在なローラー(回転ローラー)や回転ブラシ(電動歯ブラシのような形態のもの)、ポリッシャー等であってもよい。なお、図7では、軸周りに回転可能な回転ブラシ15を例示している。
摺擦部材として回転部材(特に、回転ブラシや回転ローラー)を用いる場合、その回転速度は、特に制限されない。
上記摺擦部材は、樹脂画像層を押圧しながら、その表面が上記樹脂画像層の表面に対して相対的に移動自在に構成される回転ローラー、回転ブラシ又はポリッシャーとすることが好ましい。
摺擦部材によって押圧を行う場合、例えば、搬送されている記録媒体(樹脂画像層が形成された記録媒体)を、固定された摺擦部材で押圧することによって押圧を行ってもよい。又は、上記押圧は、記録媒体の搬送方向と同じ方向に回転し、かつ記録媒体の搬送速度よりも遅い速度で回転するローラーで摺擦することによって押圧を行ってもよいし、又は、記録媒体の搬送方向とは逆の方向に回転するローラーで摺擦することによって行ってもよいし、又は、記録媒体の搬送方向に対してその回転軸が斜めとなる向きに配置された回転自在なローラーで摺擦することによって押圧を行ってもよいし、又は、樹脂画像層の表面上を往復運動する部材で摺擦することによって押圧を行ってもよい。
よって、摺擦部材は、樹脂画像層の表面を押圧しながら記録媒体に対して相対的に異なる方向へ移動自在に構成されていることが好ましい。
また、上記摺擦部材は、柔軟性を有することが好ましい。摺擦部材の柔軟性は、例えば、摺擦時に、樹脂画像層の表面の形状に追従可能な程度に摺擦部材の表面が変形する程度の柔らかさであることが好ましい。すなわち、摺擦部材は、変形追従性を有していることが好ましい。このような柔軟性を有する摺擦部材としては、例えば、スポンジ、回転ブラシ等が挙げられるがこれらに制限されない。
また、摺擦部材の押圧により粉体粒子を記録媒体に供給・固着する工程(図8に記載のS4〜S7)は、数回繰り返して行ってもよい。また、あらかじめ配向部材に配向した粉体粒子を樹脂画像層表面に転写する粉体転写工程と組み合わせて行ってもよい。
〔画像形成方法におけるその他の工程〕
本発明の画像形成方法は、上記粉体供給工程及び摺擦・固着工程に加え、例えば、樹脂画像層形成工程、粉末除去工程、追い刷り印刷工程等、その他の工程を含んでいてもよい。
図8に、本発明の画像形成方法において、上記説明した粉体供給工程及び摺擦・固着工程を含む一連の加飾画像を形成するプロセスについて、フロー図で示す。
(樹脂画像層形成工程S2)
本発明の画像形成方法は、粉体供給工程(S3及びS4)の前に、樹脂画像層形成工程S2をさらに含んでいてもよい。
樹脂画像層形成工程S2では、記録媒体103上に樹脂画像層102を形成する。記録媒体上に樹脂画像層を形成する方法については、特に制限されない。例えば、加熱により軟化する化合物、樹脂及び任意で含まれる他の成分(例えば、着色剤等)を適当な溶媒に溶解させて得た溶液を、記録媒体の表面に塗布し、乾燥することにより形成することができる。この場合、樹脂画像層形成用塗工液の塗布は、一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布、ディップ塗布、スピンコート等の方法により行うことができる。
また、上記樹脂画像層は、インクジェット方式や、電子写真方式といった印刷方式で記録媒体上に印刷された画像であってもよい。インクジェット方式及び電子写真方式による画像の形成は、それぞれ公知の画像形成装置によって行うことができる。
本発明の効果をより得られやすいという観点から、樹脂画像層は、電子写真方式でトナー粒子により形成された画像であることが好ましい。電子写真方式では、感光体表面の静電潜像パターンへトナー粒子を付着させてトナー画像を形成し、当該トナー画像を紙などの記録媒体に転写する。ここで、トナー画像を形成するトナー粒子は、一般に、結着樹脂としての熱可塑性樹脂を含む。よって、電子写真方式で形成された画像(トナー画像)は、加熱にて軟化又は溶融しやすいことから、本発明の効果をより顕著に発揮することができると考えられる。
さらに、本発明の画像形成方法において、上記樹脂画像層は、記録媒体上に定着される前の画像(未定着画像)であってもよいし、定着された画像(定着画像)であってもよい。
樹脂画像層の表面に粉体粒子が付着しやすく、十分な光沢性を有する画像を形成しやすいという観点から、樹脂画像層は、記録媒体上に定着された定着画像であることが好ましい。すなわち、本発明の画像形成方法は、粉体供給工程の前に、定着画像形成工程をさらに含んでいることが好ましい。
定着画像形成工程は、公知の定着画像形成装置、特には、電子写真方式を利用した画像形成装置によって行うことができる。定着画像形成方法の一例として、トナー画像が転写された記録媒体に、定着手段にて熱及び圧力を加え、記録媒体上のトナー画像を記録媒体上に定着させる方法が採用されうる。
(粉体除去工程S7)
本発明の画像形成方法は、粉体供給工程又は摺擦・固着工程の後に、粉体除去工程S7をさらに含んでいてもよい。粉体除去工程S7では、樹脂画像層に付着しなかった粉体粒子を記録媒体上から除去する。このとき、記録媒体上から除去された粉体粒子を回収して再利用してもよい。すなわち、本発明の画像形成方法は、粉体供給工程S3、S4又は摺擦・固着工程S5、S6の後、樹脂画像層に付着しなかった粉体粒子を記録媒体上から回収する、粉体回収工程をさらに含んでいてもよい。このように、加飾に用いられなかった余分な粉体粒子を回収することは、経済性の観点及び環境負荷の軽減の観点から好ましい。
粉体粒子の除去又は回収方法は特に制限されず、公知の方法により行うことができる。例えば、刷毛やブラシ等の部材で掻きとる方法、粘着テープ等の粘着部材で除去する方法、粉体粒子を吸引又は吸着することができる集粉器等の公知の器械で吸引する方法等が挙げられる。このように、粉体粒子の除去又は回収工程を行うための粉体除去手段(部材)又は粉体回収手段(部材)としては、上述のように、刷毛やブラシ等の部材、粉体粒子に対して粘着性を有する粘着部材、粉体粒子を吸引する吸引部材を有する集粉器等を用いることができる。また、粉体粒子が磁性粉末である場合には、マグネット部材を有する集粉器を用いてもよい。
(追い刷り印刷工程S8)
本発明の画像形成方法は、粉体供給工程及び加熱工程の後、又は必要に応じて行われる摺擦・固着工程及び/又は粉体除去工程の後に、追い刷り印刷工程S8をさらに含んでいてもよい。追い刷り印刷工程S8では、粉体粒子の付着した樹脂画像層(すなわち、すでに加飾の施された光沢画像)を有する記録媒体上に、さらに画像を形成する。追い刷り印刷方法については、特に制限されず、公知の手法を用いることができ、例えば、インクジェット方式や、電子写真方式といった印刷方式を用いることができる。また、追い刷り印刷工程を行うための追い刷り印刷手段としては、公知の装置を用いることができる。印刷物の付加価値をさらに向上させるという観点からは、追い刷り印刷工程S8をさらに行うことが好ましい。
(定着工程S9)
本発明の画像形成方法は、粉体供給工程又は摺擦・固着工程、粉体除去工程及び/又は追い刷り印刷工程の後に、必要であれば定着工程S9を設けることも好ましい。
当該定着工程S9は特に制限されるものではなく、公知の定着画像形成装置、特には、電子写真方式を利用した画像形成装置によって行うことができる。定着画像形成方法の一例として、トナー画像が転写された記録媒体に、定着手段にて熱及び圧力を加え、記録媒体上のトナー画像を記録媒体上に定着させる方法が採用されうる。
さらには、当該定着工程は光照射によって定着させることも好ましい。その照射条件は適宜調整されうるものである。
また、上記工程においては、
《画像形成装置》
本発明の画像形成方法を行うための画像形成装置は、記録媒体上に形成され、加熱により溶融又は軟化する樹脂画像層上に粉体粒子を供給する粉体供給手段と、上記樹脂画像層に対して加熱する加熱手段と、粉体粒子が供給された樹脂画像層(粉体粒子が付着した樹脂画像層)を摺擦して固着する摺擦手段とを有していることが好ましい。さらに、必要に応じて、樹脂画像層に付着しなかった粉体粒子を記録媒体上から除去する粉体除去手段(好ましくは、粉体回収手段)、及び粉体粒子の付着した樹脂画像層(すなわち、すでに加飾の施された光沢画像)を有する記録媒体上に、さらに画像を形成する画像形成手段(追い刷り印刷手段)及び前記画像を定着する手段をさらに有していることが好ましい。
これら摺擦手段、粉体除去手段(好ましくは粉体回収手段)、画像形成手段(追い刷り印刷手段)及び定着手段は、単独で、又は2種以上を組み合わせて画像形成装置に備えられうる。なかでも、画像形成装置が上記画像形成手段(追い刷り印刷手段)をさらに有していると、高い付加価値を有する画像の生産性を高めるという観点から好ましい。
なお、上記の粉体供給手段、加熱手段、摺擦手段、粉体除去手段(粉体回収手段)、画像形成手段(追い刷り印刷手段)及び定着手段等の具体的な説明は、上記各工程に係る説明に記載のとおりである。
また、上記の画像形成装置は、前述した定着画像形成装置が設けられている筐体と同じ筐体内に設けられていてもよいし、定着画像形成装置が設けられている筐体の外部に設けられていてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
《トナーの作製》
〔黒色用分散液の調製〕
n−ドデシル硫酸ナトリウムの11.5質量部をイオン交換水160質量部に投入し、溶解及び撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に、黒色着色剤としてカーボンブラック(モーガルL)15質量部を徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8」(エムテクニック株式会社製、「クリアミックス」は同社の登録商標)を用いて分散処理を行った。こうして、黒色着色剤の微粒子が分散した黒色用分散液を調製した。
黒色用分散液中の黒色着色剤の微粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で220nmであった。なお、体積基準のメディアン径は、「MICROTRAC UPA−150」(HONEYWELL社製)を用い、下記の測定条件下で測定して求めた。
サンプル屈折率:1.59
サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
溶媒屈折率:1.33
溶媒粘度:0.797(30℃)、1.002(20℃)
0点調整:測定セルにイオン交換水を投入して調整した。
〔コア用樹脂粒子の作製〕
下記に示す第1段重合、第2段重合及び第3段重合を経て、多層構造を有するコア用樹脂粒子を作製した。
(a)第1段重合:樹脂粒子A1の調製
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウムの4質量部を、イオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤水溶液1を調製し、窒素気流下で230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、界面活性剤水溶液1の温度を80℃に昇温させた。
上記界面活性剤水溶液1中に、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液1を添加して、混合液を調製した。次いで、得られた混合液の温度を75℃に昇温させた後、下記の構成からなる単量体混合液1を1時間かけて上記混合液に滴下した。
〈単量体混合液1〉
スチレン 532質量部
n−ブチルアクリレート 200質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
上記単量体混合液1を滴下後、得られた反応液を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子A1を作製した。
(b)第2段重合:樹脂粒子A2の調製
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に、下記の構成からなる単量体混合液2を投入し、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋株式会社製)93.8質量部を添加し、90℃に加温して溶解させた。
〈単量体混合液2〉
スチレン 101.1質量部
n−ブチルアクリレート 62.2質量部
メタクリル酸 12.3質量部
n−オクチルメルカプタン 1.75質量部
一方、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウムの3質量部を、イオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤水溶液2を調製し、98℃に加熱した。
次いで、この界面活性剤水溶液2中に、上記調製した樹脂粒子A1を32.8質量部添加し、さらに、上記単量体混合液2を添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エムテクニック株式会社製)で8時間混合分散した。この混合分散により分散粒子径が340nmの乳化粒子を含有する乳化粒子分散液1を調製した。
次いで、この乳化粒子分散液1に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液2を添加し、得られた混合液を98℃にて12時間にわたり加熱撹拌を行うことで重合(第2段重合)を行い、樹脂粒子A2を作製し、当該樹脂粒子A2を含有する分散液を得た。
(c)第3段重合:コア用樹脂粒子の調製
上記樹脂粒子A2を含有する分散液に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液3を添加し、得られた分散液に、80℃の温度条件下で、下記の構成からなる単量体混合液3を1時間かけて滴下した。
〈単量体混合液3〉
スチレン 293.8質量部
n−ブチルアクリレート 154.1質量部
n−オクチルメルカプタン 7.08質量部
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌を行って重合(第3段重合)を行い、重合終了後、28℃に冷却してコア用樹脂粒子を作製した。
〔シェル用樹脂粒子の作製〕
上記コア用樹脂粒子の調製において、第1段重合で使用した単量体混合液1を、下記構成からななる単量体混合液4に変更した以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行ってシェル用樹脂粒子を作製した。
〈単量体混合液4〉
スチレン 624質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 120質量部
メタクリル酸 56質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
〔ブラックトナー粒子の作製〕
(a)コア部の作製
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた反応容器に、下記の構成成分を下記の量で投入及び撹拌して混合液を調製した。得られた混合液の温度を30℃に調整後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を当該混合液に添加して、そのpHを8〜11に調整した。
〈混合液〉
コア用樹脂粒子 420.7質量部
イオン交換水 900質量部
黒色用分散液 300質量部
次いで、塩化マグネシウム・6水和物の2質量部を、イオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を撹拌の下、30℃にて10分間かけて上記混合液に添加した。3分間放置後に混合液の昇温を開始し、上記混合液を60分間かけて65℃まで昇温させ、上記混合液中のコア用樹脂粒子の会合を行った。この状態で「マルチサイザー3」(コールター社製)を用いて会合粒子の粒子径測定を行い、会合粒子の体積基準メディアン径が5.8μmになった時に、塩化ナトリウムの40.2質量部を、イオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を上記混合液に添加して粒子の会合を停止させた。
会合停止後、さらに、熟成処理として液温を70℃にして1時間にわたり加熱撹拌を行うことにより、会合粒子の融着を継続させてコア部を形成した。コア部の平均円形度を「FPIA2100」(シスメック株式会社製、「FPIA」は同社の登録商標)で測定したところ、0.912だった。
(b)シェルの形成
次に、上記混合液を65℃にして、シェル用樹脂粒子50質量部を当該混合液に添加し、さらに、塩化マグネシウム・6水和物の2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を10分間かけて上記混合液に添加した。その後、上記混合液を70℃まで昇温させて1時間にわたり撹拌を行った。この様にして、コア部の表面にシェル用樹脂粒子を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行ってシェルを形成させた。
その後、塩化ナトリウムの40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加してシェルの形成を停止した。さらに、8℃/分の速度で30℃まで冷却した。生成した粒子をろ過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥することにより、コア部の表面を覆うシェルを有するブラックトナー母体粒子を作製した。
(c)外添剤添加工程
ブラックトナー母体粒子に下記外添剤を添加して、「ヘンシェルミキサ」(日本コークス工業株式会社製)にて外添処理を行い、ブラックトナー粒子を作製した。
ヘキサメチルシラザン処理したシリカ微粒子 0.6質量部
n−オクチルシラン処理した二酸化チタン微粒子 0.8質量部
なお、ヘンシェルミキサによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分の条件の下で行った。また、上記外添剤の上記シリカ微粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で12nmであり、上記二酸化チタン微粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で20nmであった。
〔ブラック現像剤の作製]
ブラックトナー粒子に、メチルメタクリレートとシクロヘキシルメタクリレートとの共重合体でその表面が被覆されている、体積平均粒子径40μmのフェライトキャリア粒子をトナー濃度が6質量%となる量で混合し、ブラック現像剤を作製した。
《粉体加飾画像の作製》
〔粉体加飾画像1の作製〕
〈トナー画像の形成〉
記録媒体として、王子製紙製PODグロスコート(坪量128g/m)を用い、「Accurio PressC2060」(コニカミノルタ株式会社製、「AccurioPress」は同社の登録商標)の改造機に、上記調製したブラック現像剤を収容し、当該改造機を用いて2cm×2cmの正方形のパッチ画像を記録媒体上に形成し、記録媒体上に当該パッチ画像を有するトナー画像(樹脂製画像)を出力した。
〈粉体粒子の付与・固着処理〉
次いで、90℃に加熱したホットプレートの上に、上記樹製脂画像を構成するパッチ画像を上に向けて置き、当該パッチ画像上に、扁平状の粉体粒子として、日本板硝子株式会社製のメタシャイン2025PS(ガラスフレーク表面を銀でコーティング、平均長軸粒子径:25μm、平均厚さ:2μm)を0.042g散布し、次いで上記樹脂製画像のパッチ画像表面を、図7で示す粉体加飾画像形成装置を用い、粉体供給装置10(粉体供給手段)より、粉体粒子101を供給し、摺擦手段15の回転ブラシで粉体粒子をなめすように20秒間摺擦して粉体粒子を固着し、余分な粉体粒子を除去した。
〈追加加熱処理〉
上記のように作製した粉体加飾画像を、下記の構成からなる追加加熱定着器に画像面が加熱ロール側に接触するように1回通紙し、追加加熱を行った。
1)加熱ロール:外径100mm、厚さ10mmのアルミニウム製基体上に、厚さ3mmのシリコーンゴム層を配置したもので、表面温度を150℃に設定
2)加圧ロール:外径80mm、厚さ10mmのアルミニウム製基体上に、厚さ3mmのシリコーンゴム層を配置したもので、表面温度を100℃に設定
3)熱源:加熱ロール及び加圧ロールの内部に、ハロゲンランプを各々配置(サーミスタにより温度制御)
4)加熱ロールと加圧ロールのニップ幅:7mm、
5)画像支持体搬送速度:70mm/秒
メイクパフを用いてシリコーンゴムシートに摺擦配向させたものを作製し、上記で形成した粉体加飾画像を、再度90℃に加熱したホットプレートの上に置き、粉体を配向したシリコーンゴムシート面を合わせるように重ねた。次いで、ゴムシートの上から20kPaで30秒間押圧し、シリコーンゴムシートを剥離して、粉体加飾画像1を作製した。
上記のようにして作製した粉体加飾画像1について、表面画像観察及び断面観察を行い、後述に記載の方法に従って、平均表面被覆率及び表面露出粉体粒子個数の測定を行った結果、平均表面被覆率は90%、表面露出粉体粒子個数は80%であった。
〔粉体加飾画像2の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、追加加熱処理時、ゴムシートの上からの押圧条件を20kPaで20秒間に変更した以外は同様にして、粉体加飾画像2を作製した。作製した粉体加飾画像2の平均表面被覆率は83%、表面露出粉体粒子個数は78%であった。
〔粉体加飾画像3の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、追加加熱処理時、ゴムシートの上からの押圧条件を20kPaで10秒間に変更した以外は同様にして、粉体加飾画像3を作製した。作製した粉体加飾画像3の平均表面被覆率は80%、表面露出粉体粒子個数は75%であった。
〔粉体加飾画像4の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、追加加熱処理時、ゴムシートの上からの押圧条件を20kPaで35秒間に変更した以外は同様にして、粉体加飾画像4を作製した。作製した粉体加飾画像4の平均表面被覆率は100%、表面露出粉体粒子個数は85%であった。
〔粉体加飾画像5の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、粉体粒子の付与・固着処理として、ホットプレート温度を90℃、画像パッチ上に日本板硝子株式会社製のメタシャイン2025PS(ガラスフレーク表面を銀でコーティング、平均長軸粒子径:25μm、平均厚さ:2μm)を0.042g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を15秒に変更して粉体加飾画像を作製し、追加加熱定着器を1回通紙した。上記で作製した画像を、再度90℃に加熱したホットプレートの上に置き、粉体を配向したシリコーンゴムシート面を合わせるように重ねた。ゴムシートの上から20kPaで30秒間押圧し、シリコーンゴムシートを剥離した以外は同様にして、粉体加飾画像5を作製した。
作製した粉体加飾画像5の平均表面被覆率は85%、表面露出粉体粒子個数は70%であった。
〔粉体加飾画像6の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、粉体粒子の付与・固着処理として、ホットプレート温度を90℃、画像パッチ上に日本板硝子株式会社製のメタシャイン2025PS(ガラスフレーク表面を銀でコーティング、平均長軸粒子径:25μm、平均厚さ:2μm)を0.042g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を15秒に変更して粉体加飾画像を作製し、追加加熱定着器の画像支持体搬送速度を210mm/sとし1回通紙した。
上記で作製した画像を、再度90℃に加熱したホットプレートの上に置き、粉体を配向したシリコーンゴムシート面を合わせるように重ねた。ゴムシートの上から20kPaで60秒間押圧し、シリコーンゴムシートを剥離した以外は同様にして、粉体加飾画像6を作製した。
作製した粉体加飾画像6の平均表面被覆率は98%、表面露出粉体粒子個数は98%であった。
〔粉体加飾画像7の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、粉体粒子の付与・固着処理として、ホットプレート温度を90℃、画像パッチ上に日本板硝子株式会社製のメタシャイン2025PS(ガラスフレーク表面を銀でコーティング、平均長軸粒子径:25μm、平均厚さ:2μm)を0.042g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を15秒に変更して粉体加飾画像を作製し、追加加熱定着器を1回通紙した。
上記で作製した画像を、再度90℃に加熱したホットプレートの上に置き、粉体を配向したシリコーンゴムシート面を合わせるように重ねた。ゴムシートの上から20kPaで10秒間押圧し、シリコーンゴムシートを剥離した以外は同様にして、粉体加飾画像7を作製した。
作製した粉体加飾画像7の平均表面被覆率は80%、表面露出粉体粒子個数は40%であった。
〔粉体加飾画像8の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、ホットプレート温度を100℃、画像パッチ上に日本板硝子株式会社製メタシャイン5480PSを篩分けして平均長軸粒子径が500μmとなるようにしたものを0.034g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を20秒として粉体加飾画像を作製し、追加加熱定着器を1回通紙した。
上記作製した画像を再度90℃に加熱したホットプレートの上に置き、粉体を配向したシリコーンゴムシート面を合わせるように重ねた。ゴムシートの上から20kPaで60秒間押圧し、シリコーンゴムシートを剥離した以外は同様にして、粉体加飾画像8を作製した。
作製した粉体加飾画像8の平均表面被覆率は83%、表面露出粉体粒子個数は94%であった。
〔粉体加飾画像9の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、ホットプレート温度を90℃、画像パッチ上に粉体粒子として特許第562564号公報の段落(0037)に記載の方法に準じて作製した平均長軸粒子径が5.0μm、平均厚さが0.5μmの粉体粒子を0.012g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を20秒として粉体加飾画像を作製し、追加加熱定着器を1回通紙した。
次いで、上記作製した画像を再度90℃に加熱したホットプレートの上に置き、粉体を配向したシリコーンゴムシート面を合わせるように重ねた。ゴムシートの上から20kPaで40秒間押圧し、シリコーンゴムシートを剥離した以外は同様にして、粉体加飾画像9を作製した。
作製した粉体加飾画像9の平均表面被覆率は93%、表面露出粉体粒子個数は82%であった。
〔粉体加飾画像10の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、ホットプレート温度を100℃、画像パッチ上に粉体粒子として、日本板硝子株式会社製メタシャイ5090PS(平均粒径長軸粒子径90μm、平均厚さ5.0μm)を0.034g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を20秒として粉体加飾画像を作製し、追加加熱定着器を1回通紙した。
次いで、上記作製した画像を再度90℃に加熱したホットプレートの上に置き、粉体を配向したシリコーンゴムシート面を合わせるように重ねた。ゴムシートの上から20kPaで60秒間押圧し、シリコーンゴムシートを剥離した以外は同様にして、粉体加飾画像10を作製した。
作製した粉体加飾画像10の平均表面被覆率は86%、表面露出粉体粒子個数は98%であった。
〔粉体加飾画像11の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、ホットプレート温度を90℃、画像パッチ上に粉体粒子として、特許第562564号公報の段落(0037)に記載の方法に準じて製造された平均長軸粒子径が21μm、平均厚さが0.2μmの粉体粒子を0.012g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を20秒として粉体加飾画像を作製し、追加加熱定着器を1回通紙した。
次いで、上記作製した画像を再度90℃に加熱したホットプレートの上に置き、粉体を配向したシリコーンゴムシート面を合わせるように重ねた。ゴムシートの上から20kPaで40秒間押圧し、シリコーンゴムシートを剥離した以外は同様にして、粉体加飾画像11を作製した。
作製した粉体加飾画像11の平均表面被覆率は94%、表面露出粉体粒子個数は62%であった。
〔粉体加飾画像12の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、ホットプレート温度を100℃、画像パッチ上に粉体粒子として、日本板硝子株式会社製メタシャイン5480PSを篩分けして、平均長軸粒子径が510μm、平均厚さが6μmとなるようにしたものを0.034g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を20秒として粉体加飾画像を作製し、追加加熱定着器を1回通紙した。
次いで、上記作製した画像を再度90℃に加熱したホットプレートの上に置き、粉体を配向したシリコーンゴムシート面を合わせるように重ねた。ゴムシートの上から20kPaで60秒間押圧し、シリコーンゴムシートを剥離した以外は同様にして、粉体加飾画像12を作製した。
作製した粉体加飾画像12の平均表面被覆率は94%、表面露出粉体粒子個数は62%であった。
〔粉体加飾画像13の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、ホットプレート温度を90℃、画像パッチ上に粉体粒子として、特許第562564号公報の段落(0037)に記載の方法に準じて製造された平均長軸粒子径が3.0μm、平均厚さが0.2μmの粉体粒子を0.012g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を20秒として粉体加飾画像を作製し、追加加熱定着器を1回通紙した。
次いで、上記作製した画像を再度90℃に加熱したホットプレートの上に置き、粉体を配向したシリコーンゴムシート面を合わせるように重ねた。ゴムシートの上から20kPaで40秒間押圧し、シリコーンゴムシートを剥離した以外は同様にして、粉体加飾画像13を作製した。
作製した粉体加飾画像13の平均表面被覆率は94%、表面露出粉体粒子個数は83%であった。
〔粉体加飾画像14の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、ホットプレート温度を120℃、画像パッチ上に粉体粒子として、特許第562564号公報の段落(0037)に記載の方法に準じて製造された平均長軸粒子径が90μm、平均厚さが6.0μmの粉体粒子を0.034g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を20秒として粉体加飾画像を作製し、追加加熱定着器を1回通紙した。
次いで、上記作製した画像を再度90℃に加熱したホットプレートの上に置き、粉体を配向したシリコーンゴムシート面を合わせるように重ねた。ゴムシートの上から20kPaで60秒間押圧し、シリコーンゴムシートを剥離した以外は同様にして、粉体加飾画像14を作製した。
作製した粉体加飾画像14の平均表面被覆率は87%、表面露出粉体粒子個数は97%であった。
〔粉体加飾画像15の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、ホットプレート温度を120℃、画像パッチ上に粉体粒子として、特許第562564号公報の段落(0037)に記載の方法に準じて製造された平均長軸粒子径が21μm、平均厚さが0.1μmの粉体粒子を0.012g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を20秒として粉体加飾画像を作製し、追加加熱定着器を1回通紙した。
次いで、上記作製した画像を再度90℃に加熱したホットプレートの上に置き、粉体を配向したシリコーンゴムシート面を合わせるように重ねた。ゴムシートの上から20kPaで40秒間押圧し、シリコーンゴムシートを剥離した以外は同様にして、粉体加飾画像15を作製した。
作製した粉体加飾画像15の平均表面被覆率は92%、表面露出粉体粒子個数は64%であった。
〔粉体加飾画像16の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、ホットプレート温度を90℃、画像パッチ上に粉体粒子として、特許第562564号公報の段落(0037)に記載の方法に準じて製造された平均長軸粒子径が15μm、平均厚さが8.0μmの非扁平粉体粒子を0.012g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を20秒として粉体加飾画像を作製し、追加加熱定着器を1回通紙した。
次いで、上記作製した画像を再度90℃に加熱したホットプレートの上に置き、粉体を配向したシリコーンゴムシート面を合わせるように重ねた。ゴムシートの上から20kPaで60秒間押圧し、シリコーンゴムシートを剥離した以外は同様にして、粉体加飾画像16を作製した。
作製した粉体加飾画像16の平均表面被覆率は88%、表面露出粉体粒子個数は86%であった。
〔粉体加飾画像17の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、ホットプレート温度を90℃、画像パッチ上に粉体粒子として、日本板硝子株式会社製メタシャイン2025PS(平均長軸粒子径:25μm、平均厚さ:2μm)を0.042g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を15秒として粉体加飾画像を作製し、追加加熱定着器を1回通紙した。
次いで、上記作製した画像を再度90℃に加熱したホットプレートの上に置き、粉体を配向したシリコーンゴムシート面を合わせるように重ねた。ゴムシートの上から20kPaで30秒間押圧し、シリコーンゴムシートを剥離した以外は同様にして、粉体加飾画像17を作製した。
作製した粉体加飾画像17の平均表面被覆率は83%、表面露出粉体粒子個数は37%であった。
〔粉体加飾画像18の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、ホットプレート温度を90℃、画像パッチ上に粉体粒子として、日本板硝子株式会社製メタシャイン2025PS(平均長軸粒子径:25μm、平均厚さ:2μm)を0.042g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を8秒として粉体加飾画像18を作製した。
作製した粉体加飾画像18の平均表面被覆率は77%、表面露出粉体粒子個数は45%であった。
〔粉体加飾画像19の作製〕
上記粉体加飾画像1の作製において、ホットプレート温度を90℃、画像パッチ上に粉体粒子として、日本板硝子株式会社製メタシャイン2025PS(平均長軸粒子径:25μm、平均厚さ:2μm)を0.042g散布し、回転ブラシでの摺擦時間を2秒として粉体加飾画像19を作製した。
作製した粉体加飾画像19の平均表面被覆率は60%、表面露出粉体粒子個数は40%であった。
《粉体加飾画像の特性値の測定》
上記作製した粉体加飾画像1〜19について求めた、平均表面被覆率及び表面露出粉体粒子個数は、下記の方法に値より測定した。
(平均表面被覆率の測定)
平均表面被覆率は、キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−6000を用いて倍率100倍で写真を任意の10視野について撮影し、株式会社ニレコ製LUSEX−APにて二値化処理を行い、下記式(1)により10視野における各表面被覆率を求め、これらの平均値を算出し、これを平均表面被覆率(%)として求めた。
式(1)
表面被覆率=(樹脂画像層の上面部より観察したときの露出している前記粉体粒子の総面積)/(上面部より観察したときの前記樹脂画像層の総面積)×100(%)
(表面露出粉体粒子個数の測定)
上記作製した各粉体加飾画像を断裁して包埋樹脂で固め包埋した後、当該サンプルの側面部を切削し、イオンミリング加工装置により切削面をイオンミリング加工して、断面観察用のサンプルを作製した。次いで、トリミングしたサンプルの側面部を、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(S−4800、日立ハイテクノロジーズ社製)を用い、1視野内に樹脂画像に付着した粉体粒子が3から10個程度見える倍率で観察する。観察した画像を株式会社ニレコ製LUSEX−APにより、樹脂製画像から、図3で示すように露出部分と埋没部分の粉体周長を算出することで露出量を求めた。
《粉体粒子の特性値の測定》
各粉体加飾画像の形成に用いた粉体粒子を両面テープ上に振りかけて固着させ、その表面を、マイクロスコープVHX−6000を用いて粉体粒子の形状が確認できる倍率で観察し、観察した画像を株式会社ニレコ製LUSEX−APにて二値化処理を行い、任意に100個の粉体粒子について、図6で示すように、長軸粒子径L、短軸粒子径w、厚さtを測定し、その平均値を算出した。
なお、粉体粒子における最大長さを長軸粒子径L、当該長軸粒子径Lに直交する方向における最大長さを短軸粒子径w、上記長軸粒子径Lに直交する方向の最少長さを厚さtとした。
さらに、粉体粒子の形状として、上記測定した厚さtに対する短軸粒子径wの比(w/t)の値が5.0以上である形状の場合には「扁平状」とし、5.0未満の場合には「非扁平状」と判定し、表Iに記載した。
した。
《粉体加飾画像の評価》
〔メタリック感の評価〕
上記作製した各粉体加飾画像について、ゴニオメーター装置(変角分光反射率測定器、村上色彩研究所製、ゴニオフォトメーターGP−5)で測定し、校正版としてミスミSUS板金パネルSFY−MTA/L110/X80を使用、入射角45°、あおり角0°として、受光角0〜90°を測定し、反射光量積分値及び半値幅を求め、下記の評価基準に従って、メタリック感の評価を行った。〇及び△であれば、実用上好ましい範囲の特性と判定した。ここで、ゴニオフォトメーターの反射光積分値とメタリック感の官能評価は相関性があることを事前確認した。
○:反射光量積分値が800以上で、かつ半値幅が4未満であり、充分なメタリック感を示し、肉眼においても均一で良好なメタリック感を有している
△:反射光量積分値が400以上、800未満であり、かつ半値幅が4以上、8未満であり、肉眼においても違和感のない均一感のある金属感を有している
×:反射光量積分値が400未満で、かつ半値幅が8以上であり、肉眼においても粒状性が認められ、違和感のある金属画像である。
〔メタリック感均一性の評価〕
上記作製した各粉体加飾画像を5cm×10cmのサイズに断裁し、粉体加飾を施したベタパッチ画像の状態を肉眼及び倍率が10倍のルーペで観察し、下記の基準に従ってメタリック感均一性の評価を行った。〇及び△であれば、実用上好ましい範囲の特性と判定した。
○:肉眼及びルーペ観察でも、ギラギラした粒状感がなく、良好で均一なメタリック感を有している画像である
△:ルーペ観察ではごく弱い粒状感が感じられるが、肉眼観察において均一感のあるメタリック感を有している画像である
×:ルーペ観察及び肉眼において、強いギラギラ感を感じ、均一なメタリック感を全く認識できない
以上により得られた結果を、表Iに示す。
Figure 2021103277
表Iに記載の結果より明らかなように、本発明で規定する条件を満たす粉体加飾画像は、比較例の粉体加飾画像に比べて、優れたメタリック感を有し、かつメタリック感均一性に優れた加飾画像であることが分かる。
10 粉体供給装置(粉体供給手段)
11 粉体収容部
12 粉体供給ローラー
13 加熱ローラー
14 ヒーター
15 摺擦部材(摺擦手段)
100 樹脂(トナー)
101、101A、101B、101C 粉体粒子
101S 球形粉体粒子
101F 扁平状粉体粒子
101W 内部固着粉体粒子
102 樹脂画像層
103 記録媒体
L 長軸粒子径
MA、MB、MC 粉体粒子の露出部
ma、mb、mc 粉体粒子の非露出部
S 樹脂画像層の全表面積
S1 表面近傍領域
S1A 下層
S1B 上層
t 厚さ
w 短軸粒子径

Claims (6)

  1. 記録媒体上に形成された樹脂画像層に、粉体粒子を供給して表面及び内部に固着する画像形成方法であって、
    前記樹脂画像層の表面に固着された前記粉体粒子の下式(1)で規定する表面被覆率を、80%以上にすることを特徴とする画像形成方法。
    式(1)
    表面被覆率=(樹脂画像層の上面部より観察したときの露出している前記粉体粒子の総面積)/(上面部より観察したときの前記樹脂画像層の総面積)×100(%)
  2. 前記樹脂画像層の表面及び内部に固着された前記粉体粒子の総個数のうち、40個数%以上の粉体粒子が、粒子の少なくとも一部分が前記樹脂画像層から露出するように表面近傍領域に固着することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記樹脂画像層が、静電荷像現像用トナーを用いて形成されたトナー画像層であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記粉体粒子が、アスペクト比が5.0以上の扁平状粒子であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記粉体粒子の平均長軸粒子径が5〜500μmの範囲内であり、かつ、平均厚さが0.2〜5.0μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記粉体粒子が、少なくとも金属又は金属酸化物を含有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
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