JP5471536B2 - 定着装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
特許文献1記載のレーザ定着装置は、シート上に担持された未定着のトナーによって形成された像(以下、トナー像と呼ぶ)にレーザ光を照射することによりトナー像をシート上に定着させるもので、レーザの照射量を走査位置に対応付けられるランクデータで制御することが開示されている。このランクデータとは画像濃度をあらわしており、画像濃度(=トナー量)に応じて必要な強度でレーザ光を照射することにより、最適レベルの定着をすることを目的としている。
また、特許文献2記載の定着装置は、シート上に担持された未定着トナー像にレーザ光を照射することによりトナー像をシート上に定着させるもので、レーザ光をそれぞれ発生させる複数のレーザ光源を有するレーザ光発生手段と、前記複数のレーザ光源から発生されたレーザ光により、シートを主走査方向及び副走査方向に走査してトナー像をシートに溶融固着させる走査手段とを備え、前記複数のレーザ光源は、レーザ光を副走査方向に沿って並べた状態で1つのラインを主走査すると共に、副走査方向下流側のレーザ光がトナーに付与する熱量よりも、副走査方向上流側のレーザ光がトナーに付与する熱量が多くなるように設定されている。
特開昭57−2069号公報 特開2008−89828号公報(発明を実施するための最良の形態、図2、図5)
本発明が解決しようとする課題は、画像情報に応じて画素ごとに照射する光エネルギをコントロールせずに、また複数種類の異なる照射エネルギの光源を用いずとも、記録媒体に形成されるトナー像の画像濃度の高い部分又は画像濃度の低い部分の双方を定着させる定着装置及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
請求項1に係る発明は、記録媒体の表面に、レーザ光源から発生される複数のレーザ光が、それぞれ相対的に一方向に照射位置が移動するように照射されるレーザ光照射部を備え、前記複数のレーザ光を前記記録媒体に形成されたトナー像に照射して該記録媒体上に前記トナー像を定着させる際に、前記複数のレーザ光は、以下の条件、
(A)前記複数のレーザ光は、それぞれの光出力及び照射領域の前記一方向における幅が同じであること、
(B)前記複数のレーザ光は、前記トナー像に対し独立して照射されること、
(C)前記トナー像が複数のトナー層を有する場合に、前記記録媒体の表面との界面部分のトナーの温度が、前記複数のレーザ光の照射にて最初の照射を除く少なくとも最終の照射ではトナーの定着温度に達すること、
を満たす定着装置である。
請求項2に係る発明は、前記複数のレーザ光のそれぞれが、一列に並べられた複数のレーザ光発生素子から照射された光の集合であり、前記記録媒体に対して前記複数のレーザ光発生素子が並ぶ方向と交差する方向に相対的に照射位置が移動するように照射されることを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
請求項3に係る発明は、前記複数のレーザ光のそれぞれが、前記照射位置が移動する方向に予め定めた量だけ絞り込む光束調整部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の定着装置である
請求項に係る発明は、記録媒体にトナー像を形成する画像形成部と、前記画像形成部で形成されたトナー像を前記記録媒体上に定着させる請求項1からのいずれかに記載の定着装置とを備えた画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、画像情報に応じて画素ごとに照射する光エネルギをコントロールせずに、また複数種類の異なる照射エネルギの光源を用いずとも、記録媒体に形成されるトナー画像の画像濃度の高い部分又は画像濃度の低い部分の双方を定着させることができる。
請求項2に係る発明によれば、直線状に伸びるレーザ光を照射することができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有しない場合と比べ、照射位置が移動する方向に対し、単位領域あたりの照射エネルギを高めることができる
請求項に係る発明によれば、画像情報に応じて画素ごとに照射する光エネルギをコントロールせずに、また複数種類の異なる照射エネルギの光源を用いずとも、記録媒体に形成されるトナー画像の画像濃度の高い部分又は画像濃度の低い部分の双方を定着させることが可能な定着装置を含む画像形成装置を構成することができる。
本発明による定着装置の実施の形態の概要を示す説明図であり、(a)は記録媒体の搬送方向に交差する方向から見た側面図であり、(b)は記録媒体の搬送方向に沿った方向から見た正面図である。 本実施形態による定着装置により記録媒体の幅方向に一直線状に伸びて形成された2本のレーザ照射領域を示す平面図である。 前記定着装置のレーザ光照射部から照射されるレーザ光の記録媒体の搬送方向に交差する幅方向の光強度を示すグラフである。 本実施形態による定着装置が適用された画像形成装置の第1の実施形態を示す全体構成の説明図である。 第1の実施形態による定着装置を示す斜視図である。 前記定着装置におけるレーザ光照射部を示す拡大断面図である。 第1及び第2のレーザ光照射部から画像濃度の高いトナー像にレーザ光を照射したときのトナーの温度変化と照射時間との関係を示すグラフである。 本実施形態又は比較形態において、第1及び第2のレーザ光照射部から照射されるレーザ光の光出力(光強度)と照射時間との関係を示すグラフである。 第1及び第2のレーザ光照射部から画像濃度の低いトナー像にレーザ光を照射したときのトナーの温度変化と照射時間との関係を示すグラフである。 第2の実施形態による画像形成装置を示す全体構成の説明図である。 実施例と比較例により得られた記録媒体に対する画像(トナー像)の定着性を評価した結果を示す表である。
本発明は、以下に示す実施の形態や実施例に具現化されるものであるが、必ずしもこれらの態様に限定されるものではなく、適宜設計変更可能であることは勿論である。
〔実施の形態の概要〕
図1は本発明による定着装置の実施の形態の概要を示す説明図であり、(a)は記録媒体の搬送方向に交差する方向から見た側面図であり、(b)は記録媒体の搬送方向に沿った方向から見た正面図である。
この実施形態による定着装置1は、矢印Cで示す方向に搬送される記録媒体(例えば記録紙)2の表面から距離dだけ離れて配置され、レーザ光源3a,3bから発生されるレーザ光4a,4bを前記記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅方向に沿って予め定めた量だけ拡散させると共に、前記搬送方向Cにて前後に予め定めた量だけ絞り込んで照射し、前記記録媒体2の搬送方向Cにて前後に間隔fで配置された複数のレーザ光照射部5a,5bを備え、前記複数のレーザ光照射部5a,5bからのレーザ光4a,4bを前記記録媒体2に形成されたトナー像7,8に照射して該記録媒体2上にトナー像を定着させる際に、前記複数のレーザ光照射部5a,5bは、以下の条件、
(A)前記複数のレーザ光4a,4bは、それぞれの光出力及び照射領域の前記一方向における幅が同じであること、
(B)前記複数のレーザ光4a,4bは、前記トナー像7,8に対し独立して照射されること、
(C)前記トナー像7,8が複数のトナー層を有する場合に、前記記録媒体2の表面との界面部分のトナーの温度が、前記複数のレーザ光4a,4bの照射にて最初の照射を除く少なくとも最終の照射ではトナーの定着温度に達すること、
を満たすものである。
なお、上記(B)における「独立して照射されること」とは、レーザ光4aの照射の後にレーザ光4bが連続的に照射されるのではなく、レーザ光4aとレーザ光4bとの間に非照射時間を有するように間欠的に照射されることを意味する。
このような実施形態において、第1のレーザ光照射部5aは、一のレーザ光源3aから発生されるレーザ光4aを記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅方向に沿って予め定めた量だけ拡散させると共に、前記搬送方向Cにて前後に予め定めた量だけ絞り込んで照射するもので、前記記録媒体2の表面から距離dだけ離れて配置されている。
また、第2のレーザ光照射部5bは、他のレーザ光源3bから発生されるレーザ光4bを記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅方向に沿って予め定めた量だけ拡散させると共に、前記搬送方向Cにて前後に予め定めた量だけ絞り込んで照射するもので、前記記録媒体2の表面から距離dだけ離れて配置されると共に、前記第1のレーザ光照射部5aとの間に記録媒体2の搬送方向Cにて間隔fで配置されている。すなわち、第2のレーザ光照射部5bは、第1のレーザ光照射部5aよりも記録媒体2の搬送方向Cの後方側に間隔fで位置している。
そして、第1及び第2のレーザ光照射部5a,5bからのレーザ光4a,4bを記録媒体2に形成されたトナー像7,8に照射して該記録媒体2上にトナー像を定着させるようになっている。このとき、本実施形態において、複数のレーザ光照射部5a,5bは、以下の三つの条件を満たす。
条件1は、第1のレーザ光照射部5aから照射されるレーザ光4aの光出力をW1、その照射領域の前記一方向における幅(以下、照射領域の幅という)をA1とし、第2のレーザ光照射部5bから照射されるレーザ光4bの光出力をW2、その照射領域の幅をA2とすると、それぞれのレーザ光4a,4bの光出力W1とW2、及び照射領域の幅A1とA2は、同じである(W1=W2,A1=A2)。ここで、それぞれのレーザ光4a,4bの光出力及び照射領域の幅が同じとは、例えば第1及び第2のレーザ光照射部5a,5bの製造において、設計上はレーザ光4a,4bの光出力及び照射領域の幅は同一とされているが、その製造過程において生じた光出力及び照射領域の幅の誤差があっても、その誤差は「同じ」の範囲に含まれることを意味している。
条件2は、第1及び第2のレーザ光照射部5a,5bからのレーザ光4a,4bが前記搬送される記録媒体2に形成されたトナー像7,8に対し予め定めた時間間隔(例えば5ms)で複数回照射されることである。そのため、図示省略の搬送機構により、前記記録媒体2を搬送方向Cに予め定めた搬送速度V(例えば500mm/s)で搬送するようになっている。このとき、第1及び第2のレーザ光照射部5a,5bからのレーザ光4a,4bは、その光出力や照射領域の幅が同じであるため、記録媒体2の単位面積あたりに照射する照射強度及び照射時間(すなわち記録媒体上のトナー像がレーザ光により照射される時間)が等しくなる。
条件3は、前記記録媒体2に形成されたトナー像7,8において該記録媒体2の表面との界面部分のトナーの加熱温度が、前記レーザ光4bの照射にてトナーの定着温度に達することである。
ここで、図1(a)において、トナー像7は画像濃度が高い領域に転写された未定着のトナー像(以下「画像濃度の高いトナー像」という)を示し、トナー像8は画像濃度が低い領域に転写された未定着のトナー像(以下「画像濃度の低いトナー像」という)を示している。そして、前記第1及び第2のレーザ光照射部5a,5bから、上述の3条件が揃ったレーザ光4a,4bを前記記録媒体2に形成された画像濃度の高いトナー像7、画像濃度の低いトナー像8に照射して該記録媒体2上にトナー像を定着させるようになっている。これにより、記録媒体2に形成される画像において画像濃度の高い部分又は画像濃度の低い部分にかかわらず該記録媒体2上に未定着トナー像が定着される。
なお、画像濃度の高いトナー像とは、ベタ画像に代表される多数のトナーが凝集して存在している状態を意味し、画像濃度の低いトナー像とは文字部分やハーフトーンに代表されるトナー粒子が1個又は数個程度集まって存在している状態を意味している。また、かぶり(現像操作によって本来トナーが付着すべきでない非画像部にトナーが付着してしまう現象)などによって発生する孤立したトナー粒子が付着している状態も、画像濃度が低いトナー像に含む。
また、図1(b)において、第1のレーザ光照射部5aのレーザ光源3aは、記録媒体2の搬送方向C(図1(a)参照)に交差する幅r方向(例えば記録紙の紙幅方向)に沿って間隔pで一列に並べられた複数のレーザ光発生素子9,9,…を備えたものである。この場合、各レーザ光発生素子9から照射されるレーザ光4aの記録媒体2への照射領域は、幅r方向において隣接する素子間で互いに重なり合うようになっている。なお、図1(b)では図示していないが、第2のレーザ光照射部5bのレーザ光源3bも、上記と同じに構成されている。これにより、記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅r方向に沿ってそれぞれ一直線状に伸びるレーザ光が照射される。その結果、図2に示すように、記録媒体2の幅r方向に一直線状に伸びる2本のレーザ照射領域6a,6bが形成される。
このとき、図3に示すように、前記レーザ光照射部5a,5bから照射されるレーザ光4a,4bの光強度は、前記記録媒体2の幅方向(r)において予め定めた略均一な強度となるように調整されている。
なお、図1において、第1及び第2のレーザ光照射部5a,5bのレーザ光放出部に細長い直線状に伸びる切欠き部を有するスリットを配置し、このスリットを介して一直線状に伸びるレーザ光を照射するようにしてもよい。
次に、第1及び第2のレーザ光照射部5a,5bの他の実施形態について説明する。
図1(a)において、第1のレーザ光照射部5aは、レーザ光4aを発生するレーザ光源3aと、該レーザ光源3aからのレーザ光4aを記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅方向に沿って予め定めた量だけ拡散させると共に前記搬送方向Cにて前後に予め定めた量だけ絞り込む光束調整部材(例えばコリメートレンズ)10aとを備えた形態が好ましい。なお、第2のレーザ光照射部5bも、第1のレーザ光照射部5aと同じに、レーザ光源3bと光束調整部材(例えばコリメートレンズ)10bとを備えた形態とされている。
この形態によれば、レーザ光源3a,3bからのレーザ光4a,4bを光束調整部材10a,10bを介して、記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅r方向に沿って予め定めた量だけ拡散させると共に前記搬送方向Cにて前後に予め定めた量だけ絞り込んで複数本照射する。この場合も、図2に示すように、記録媒体2の幅r方向に一直線状に伸びる2本のレーザ照射領域6a,6bが形成される。
また、第1のレーザ光照射部5aは、1枚の基板端部に複数のレーザ光発生素子9を予め定めた間隔で一列に並べたレーザ光源3aと、該レーザ光源3aからのレーザ光4aの放出端部に組み合わされ、前記レーザ光源3aからのレーザ光4aを記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅r方向に沿って予め定めた量だけ拡散させると共に前記搬送方向Cにて前後に予め定めた量だけ絞り込む光束調整部材(例えばコリメートレンズ)10aとを備えた形態としてもよい。なお、第2のレーザ光照射部5bも、第1のレーザ光照射部5aと同じに、1枚の基板端部に複数のレーザ光発生素子9を予め定めた間隔で一列に並べたレーザ光源3bと、該レーザ光源3bからのレーザ光4bの放出端部に組み合わされた光束調整部材(例えばコリメートレンズ)10bとを備えた形態とされている。
この形態によれば、1枚の基板端部に複数のレーザ光発生素子9を一列に並べたレーザ光源3a,3bからのレーザ光4a,4bを、該レーザ光4a,4bの放出端部に組み合わされた光束調整部材10a,10bを介して、記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅r方向に沿って予め定めた量だけ拡散させると共に前記搬送方向Cにて前後に予め定めた量だけ絞り込んで一直線状に伸びるレーザ光4a,4bを複数本照射する。この場合も、図2に示すように、記録媒体2の幅r方向に一直線状に伸びる2本のレーザ照射領域6a,6bが形成される。
また、本実施形態による定着装置が適用される画像形成装置は、記録媒体2にトナー像を形成する画像形成部と、前記画像形成部で形成されたトナー像を前記記録媒体2上に定着させる前記各実施形態の定着装置1とを備えたものである。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
図4は本実施形態による定着装置が適用された画像形成装置の第1の実施形態を示す全体構成の説明図である。この画像形成装置20は、記録媒体にトナー像を形成し、この形成されたトナー像を該記録媒体に転写させ、この転写されたトナー像を前記記録媒体上に定着させるもので、画像形成部21と、転写装置22と、定着装置1とを備えて成る。
前記画像形成部21は、記録紙などの記録媒体2に例えば電子写真方式によりトナー像を形成するもので、複数色の色成分トナー像を形成するために例えば4色分の画像形成部を備えている。具体的には、黒色画像形成部21K、シアン画像形成部21C、マゼンタ画像形成部21M、イエロー画像形成部21Yとで構成されている。各色の画像形成部21K,21C,21M,21Yは、使用されるトナーの色を除き同じ構成を有している。なお、各色成分のトナーの定着に用いるレーザ光に関する吸収率は、実質的に同じであることが望ましい。この場合は、定着装置1において、複数のレーザ光照射部から照射するレーザ光の照射強度及び照射時間を同じとしてトナー像を定着させるのが容易となる。
前記4色分の画像形成部について、代表的に黒色画像形成部21Kを例に説明を行う。この黒色画像形成部21Kは、表面に図示しない感光層を有して矢印A方向に回転可能な円筒状の感光体23を具備している。この感光体23の周囲には、帯電装置24と、露光装置25と、現像装置26とが配設されている。このうち帯電装置24は、感光体23の感光層を予め定めた電位に帯電する。露光装置25は、図示しないレーザ光源を備えており、前記帯電装置24よって予め定めた電位に帯電された感光体23の感光層に選択的にレーザ光を照射することで静電潜像を形成する。現像装置26は、対応する色成分(ここでは黒色)のトナーを現像剤として収容しており、このトナーによって感光体23の感光層上の静電潜像を可視像化する。
転写装置22は、各色の画像形成部21K,21C,21M,21Yで形成されたトナー像を記録媒体2に転写させるもので、前記感光体23の表面に圧力を加えた状態で回転可能に接触して配置された円筒状又は円柱状の転写部材を備えており、この転写部材と感光体23との間に転写バイアスを印加することで、感光体23上のトナー像を記録媒体2上に転写させるようになっている。
さらに、前記感光体23の周囲には、感光体清掃器27が配設されている。この感光体清掃器27は、前記転写装置22で記録媒体2にトナー像を転写した後に感光体23上に付着している残留トナーを取り除くものである。
なお、図4において、制御部28は、前記各色の画像形成部21K,21C,21M,21Y及び転写装置22並びに後述の定着装置1を制御するものである。また、画像処理部29は、記録媒体2に画像を形成するための処理を実行するものである。
ここで、図4の実施形態においては、記録媒体2として芯材に巻き取られた連続記録紙又は予め定めた大きさに折り畳まれた連続記録紙を用いている。すなわち、記録媒体2は、画像形成装置20の機外に設置された用紙供給装置30に装填されており、同じく機外に設置された用紙巻取り装置31によって巻き取られるようにされている。そして、用紙供給装置30から供給された連続記録紙は、前述の各色の画像形成部21K,21C,21M,21Yへと搬送され黒、シアン、マゼンタ、イエローの順にトナー像が転写される。その後、定着装置1へと搬送され、レーザ光の照射により前記トナー像が定着されて、機外の用紙巻取り装置31に巻き取られる。
前記連続記録紙は、その連続記録紙が通過する経路に設けられた複数の位置調整ロール32,33,34,35により用紙搬送中の位置がずれないようにその位置が調整される。この連続記録紙の位置調整は、記録媒体2に画像が転写される前に実施される工程である。また、最終段の張力付与ロール36は、連続記録紙の搬送時の張力が予め定めた強さとなるように図示しない付勢部材によって矢印B方向に移動可能に支持されている。この張力付与ロール36により、連続記録紙は破れることなく巻き取り時の位置が調整される。
ここで、図4に示す転写装置22で転写されたトナー像を前記記録媒体2上に定着させる定着装置1の具体的な構成について、図5及び図6を参照して説明する。
図5において、第1の実施形態による定着装置1は、複数個、例えば3個のレーザ光照射部5a,5b,5cを備えている。各レーザ光照射部5a,5b,5cは、内部から発生されるレーザ光4a,4b,4cを記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅r方向に沿って予め定めた量だけ拡散させると共に、前記搬送方向Cにて前後に予め定めた量だけ絞り込んで照射するもので、1枚の基板11端部に複数のレーザ光発生素子(例えば半導体レーザ素子)9を間隔p(図1(b)参照)で一列に並べたレーザ光源3と、図6に示すように該レーザ光源3のレーザ光発生素子9からのレーザ光4の放出端部に組み合わされた光束調整部材10とを備えて成る。なお、この光束調整部材10は、前記レーザ光発生素子9からのレーザ光4を記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅r方向に沿って予め定めた量だけ拡散させると共に前記搬送方向Cにて前後に予め定めた量だけ絞り込むもので、例えば基板11の幅方向に円筒状に伸びるコリメートレンズから成る。
そして、前記レーザ光照射部5a,5b,5cは、矢印C方向に搬送される記録媒体2の表面から距離d(図1(a)参照)だけ離れて配置されると共に、前記記録媒体2の搬送方向Cにて前後に間隔f(図1(a)参照)で配置されている。この結果、図5に示すように、記録媒体2の幅r方向に一直線状に伸びる3本のレーザ照射領域6a,6b,6cが形成される。p、d、fの各数値は適宜設定する。
なお、前記記録媒体2は、図示省略の2個の搬送ロールと該2個の搬送ロール間に掛け回された搬送ベルトとから成る搬送機構により、前記搬送ベルトに載せられて矢印C方向に搬送されるようになっている。
また、図5においては、3枚の基板11を予め定めた間隔で積層し3個のレーザ光照射部5a,5b,5cを備えたものを図示したが、本発明はこれに限られず、レーザ光照射部は2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
次に、このように構成された定着装置1の動作について説明する。ここでは、説明を簡明にするために、図5に示す定着装置1が2個のレーザ光照射部5a,5bを備えた実施形態について説明する。
図5において、図示外の転写装置22から定着装置1へ送られてきた記録媒体2は、搬送機構により矢印C方向へ搬送され、該記録媒体2に転写された画像濃度の高いトナー像7や画像濃度の低いトナー像8(図1及び図2参照)に対して、第1及び第2のレーザ光照射部5a,5bからレーザ光4a,4bが照射される。ここで、第1のレーザ光照射部5aから照射されるレーザ光4aの光出力はW1とされ、その照射領域の幅はA1とされる。また、第2のレーザ光照射部5bから照射されるレーザ光4bの光出力はW2とされ、その照射領域の幅はA2とされる。このとき、W1=W2,A1=A2の条件を満たしてレーザ光4a,4bが照射される(条件1)。そして、図5に示すように、記録媒体2の表面には、その幅r方向に一直線状に伸びる2本のレーザ照射領域6a,6bが形成される。
また、前記記録媒体2は、図示省略の搬送機構により予め定めた搬送速度V(例えば500mm/s)で搬送されるので、第1及び第2のレーザ光照射部5a,5bから2本のレーザ光4a,4bが照射されている状態では、該記録媒体2に形成されたトナー像7,8に対してはレーザ光が予め定めた時間間隔(例えば5ms)で2回照射される(条件2)。すなわち、図2において、記録媒体2の表面に形成される2本のレーザ照射領域6a,6bに対して、画像濃度の高いトナー像7や画像濃度の低いトナー像8が予め定めた時間間隔で進入し、通過して行く。このとき、レーザ光照射部5a,5bからのレーザ光4a,4bは、上述の通りW1=W2,A1=A2の条件を満たしているため、記録媒体2の単位面積あたりに対する照射強度と照射時間も同じ条件で照射される。
そして、上述のようなレーザ光4a,4bの照射によって、前記記録媒体2に形成されたトナー像7,8において該記録媒体2の表面との界面部分のトナーの加熱温度が、複数回のレーザ光4a,4bの照射にて1回目を除く少なくとも最終回(例えば光源が2つの場合は2回目)の照射ではトナーの定着温度に達するようにされる(条件3)。これにより、画像濃度の高いトナー像7も画像濃度の低いトナー像8も記録媒体2上に定着される。
ここで、前記第1及び第2のレーザ光照射部5a,5bから画像濃度の高いトナー像7や画像濃度の低いトナー像8にレーザ光4a,4bを照射したときのトナーの温度変化と照射時間との関係を図示すると、図7及び図9に示すグラフのようになる。
図7は、第1及び第2のレーザ光照射部5a,5bから画像濃度の高いトナー像7にレーザ光4a,4bを照射したときのトナーの温度変化と照射時間との関係を示すグラフである。このときのトナー像7は、シアン、マゼンタ、イエローの順にトナー像を複数層重ねて転写したブラック画像である。このブラック画像に対して、第1のレーザ光照射部5aにより1回目のレーザ光4aを予め定めた光出力(W1)にて1msの照射時間(t1)で照射し、その後2msだけレーザ光の照射がなく、さらにその後第2のレーザ光照射部5bにより2回目のレーザ光4bを1回目のレーザ光4aと同じ光出力(W2)にて同じく1msの照射時間(t2)で照射したものである。
図7において、記録媒体2に形成されたトナー像7の表層部分のトナー温度を実線の変化曲線12で表し、前記記録媒体2の表面との界面部分のトナー温度を破線の変化曲線13で表し、トナーの定着温度を一点鎖線14で表している。ここでは、トナーの定着温度は115℃としている。図7に示されるように、第1のレーザ光照射部5aによる1回目のレーザ光4aの照射では、トナー像7の表層部分のトナー温度はトナーの定着温度を超える(実線の変化曲線12)が、記録媒体2との界面部分のトナー温度はその定着温度を超えない(破線の変化曲線13)。
その後、2msだけレーザ光の照射がない間に、トナー像7の表層部分のトナー温度も、記録媒体2との界面部分のトナー温度も共に、トナーの定着温度よりも冷えてしまう(実線の変化曲線12、破線の変化曲線13)。したがって、この1回目のレーザ光4aの照射では、トナー像7は全体としては定着しない。
さらにその後、第2のレーザ光照射部5bによる2回目のレーザ光4bの照射により、前記1回目のレーザ光4aの照射後に冷えた状態から加熱されて、トナー像7の表層部分のトナー温度は再びトナーの定着温度を超え(実線の変化曲線12)、記録媒体2との界面部分のトナー温度もその定着温度を超える(破線の変化曲線13)。すなわち、この2回目のレーザ光4bの照射により、トナー像7は表層部分から記録媒体2との界面部分までの全体がトナーの定着温度に達する。したがって、前記1回目のレーザ光4a及び2回目のレーザ光4bの照射を経て、2回目(最終回)のレーザ光4bの照射により、トナー像7は全体として定着することになる。
図8は、前記第1及び第2のレーザ光照射部5a,5bから照射されるレーザ光について、記録媒体2上のトナー像がレーザ光により照射される光出力(光強度)と記録媒体2上のトナー像がレーザ光により照射される照射時間との関係を示すグラフである。図8(a)は、本実施形態において、図7に示すように、1回目のレーザ光4aの照射(照射時間t1)と、2回目のレーザ光4bの照射(照射時間t2)とを予め定めた時間間隔(例えば2ms)をあけて照射した場合を示すグラフである。この場合は前述のように、1回目のレーザ光4a及び2回目のレーザ光4bの照射を経て、トナー像7は全体として定着される。
図8(b)は、比較形態1において、同じ光出力(光強度)の1回目のレーザ光4aの照射と、2回目のレーザ光4bの照射とを時間間隔をあけずに連続して照射した場合(光源を1つにし照射時間を倍にした場合に同じ)を示すグラフである。この場合は、トナー像7の表層部分の温度と記録媒体2との界面部分に大きな温度の差が生じ、内層部分に空洞ができて画像欠陥が発生するおそれがある。このような現象は、図8(c)のように、光の強度を上げて短時間の照射で定着させようとすると、発生頻度が高くなる。
また、図8(d)は、比較形態2において、1回目のレーザ光4aの照射強度を0.5倍、照射時間を2倍として1回だけ照射した場合を示すグラフである。この場合は、トナー像7の定着は良好だが、トナー像8の記録媒体2との界面部分の温度は定着温度まで上がらず、十分に定着しきれない可能性がある。
さらに、図8(e)は、比較形態3において、1回目のレーザ光4aの照射と2回目のレーザ光4bの照射とを予め定めた時間間隔をあけて、1回目のレーザ光4aよりも2回目のレーザ光4bの照射強度を大きくして照射した場合を示すグラフである。この場合は、1回目のレーザ光4aの照射と2回目のレーザ光4bの照射とで照射強度を変化させるための手段を必要とし、構成が複雑になる。また、2回目の大きい光出力(光強度)のレーザ光4bの照射により、トナー像7の表層部分の温度と記録媒体2との界面部分の温度との差が生じて、定着が良好に行われないことがある。
次に、図9は、第1及び第2のレーザ光照射部5a,5bから画像濃度の低いトナー像8にレーザ光4a,4bを照射したときのトナーの温度変化と照射時間との関係を示すグラフである。このときのトナー像8は、トナー粒子が1個又は2,3個程度の未定着のトナー像である。このトナー像8に対して、第1のレーザ光照射部5aにより1回目のレーザ光4aを予め定めた光出力(W1)にて1msの照射時間(t1)で照射し、その後2msだけレーザ光の照射がなく、さらにその後第2のレーザ光照射部5bにより2回目のレーザ光4bを1回目のレーザ光4aと同じ光出力(W2)にて同じく1msの照射時間(t2)で照射したものである。
図9において、記録媒体2に形成されたトナー像8の表層部分のトナー温度を実線の変化曲線15で表し、前記記録媒体2の表面との界面部分のトナー温度を破線の変化曲線16で表し、トナーの定着温度を一点鎖線14で表している。ここでは、トナーの定着温度は115℃としている。図9に示されるように、第1のレーザ光照射部5aによる1回目のレーザ光4aの照射により、トナー像8の表層部分のトナー温度はトナーの定着温度を超え(実線の変化曲線15)、記録媒体2との界面部分のトナー温度もその定着温度を超える(破線の変化曲線16)。この場合、この1回目のレーザ光4aの照射により、トナー像8は定着する。
その後、2msだけレーザ光の照射がない間に、トナー像8の表層部分のトナー温度も、記録媒体2との界面部分のトナー温度も共に、1回目のレーザ光4aの照射以前の状態まで下がる(実線の変化曲線15、破線の変化曲線16)。これは、トナー粒子が1個又は2,3個程度の画像濃度の低いトナー像では、個々のトナー粒子の空気との接触面積が大きいため放熱量が増大するからである。
さらにその後、第2のレーザ光照射部5bによる2回目のレーザ光4bの照射により、前記1回目のレーザ光4aの照射と同じに、トナー像8の表層部分のトナー温度はトナーの定着温度を超え(実線の変化曲線15)、記録媒体2との界面部分のトナー温度もその定着温度を超える(破線の変化曲線16)。したがって、この2回目のレーザ光4bの照射によっても、トナー像8は定着する。
なお、以上の動作説明においては、図5に示す定着装置1が2個のレーザ光照射部5a,5bを備えた実施形態について述べたが、3個以上のレーザ光照射部を備えた場合においても、上述と同じに動作する。例えば、図5において3個のレーザ光照射部5a,5b,5cを備えた場合は、画像濃度の高いトナー像7について、図7に示すトナーの温度変化と照射時間との関係を示すグラフにおいて、1回目を除く少なくとも最終回(3回目)のレーザ光の照射では、トナー像7の表層部分のトナー温度はトナーの定着温度を超え、記録媒体2との界面部分のトナー温度もその定着温度を超える。
このとき、レーザ光の光出力及び照射時間の大きさによっては、例えば2回目のレーザ光の照射により、トナー像7は表層部分から記録媒体2との界面部分までの全体がトナーの定着温度に達し、トナー像7が全体として定着する場合も含まれる。すなわち、1回目を除く少なくとも最終回(3回目)のレーザ光の照射により、トナー像7は表層部分から記録媒体2との界面部分までの全体がトナーの定着温度に達し、トナー像7が全体として定着することになる。
この場合、画像濃度の低いトナー像8については、図9に示すトナーの温度変化と照射時間との関係を示すグラフにおいて、1回目から3回目のいずれかのレーザ光の照射により、トナー像8の表層部分のトナー温度はトナーの定着温度を超え、記録媒体2との界面部分のトナー温度もその定着温度を超える。
このとき、レーザ光の光出力及び照射時間の大きさによっては、例えば2回目又は3回目のレーザ光の照射により、トナー像8は表層部分から記録媒体2との界面部分までの全体がトナーの定着温度に達し、トナー像8が全体として定着する場合も含まれる。すなわち、少なくとも最終回(3回目)のレーザ光の照射により、トナー像8は表層部分から記録媒体2との界面部分までの全体がトナーの定着温度に達し、トナー像8が全体として定着することになる。
〔第2の実施形態〕
図10は第2の実施形態による画像形成装置を示す全体構成の説明図である。図4に示す画像形成装置20は、記録媒体2として芯材に巻き取られた連続記録紙又は予め定めた大きさに折り畳まれた連続記録紙を用いるものであるが、本発明はこれに限られず、A4判又はB4判等の予め定めた大きさに切断された枚葉記録紙を用いるものであってもよい。この実施形態による画像形成装置40は、図10に示すように、例えば4色分の画像形成部(黒色画像形成部21K、シアン画像形成部21C、マゼンタ画像形成部21M、イエロー画像形成部21Y)と、各色の画像形成部21K,21C,21M,21Yで形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト41上に順次転写する1次転写装置42と、前記中間転写ベルト41に転写された重ね画像を記録媒体2に一括転写させる2次転写装置43と、この2次転写装置43で転写された画像を記録媒体2に定着させる定着装置1とを備えて成る。
なお、図10において、符号44は枚葉記録紙から成る複数の記録媒体2を収容する記録紙収容部を示し、符号45は記録紙収容部44から記録媒体2を取り出して搬送する搬送ロールを示し、符号46は2次転写装置43で転写後の記録媒体2を定着装置1側へ搬送する搬送ベルトを示し、符号47は定着装置1で定着された後の記録媒体2を外部へ排出する排出ロールを示している。また、符号28は前記各色の画像形成部21K,21C,21M,21Y、1次転写装置42及び2次転写装置43、定着装置1を制御する制御部を示し、符号29は記録媒体2に画像を形成するための処理を実行する画像処理部を示している。
以下、定着装置を試作し、記録媒体上にトナー像を定着させる定着実験を行った実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明する。
〔実施例1〕
まず、画像形成装置としては富士ゼロックス製DocuColor 1256GA(電子写真装置)を使用した。この画像形成装置に、画像形成材料として下記のレーザ定着用トナーを用い、未定着のトナー像を転写した記録媒体を作製した。
このレーザ定着用トナーには、イエロー、マゼンタ、シアンの各色成分のトナーに、レーザ光を吸収するようにそのレーザ光の波長付近の光を吸収する赤外線吸収剤を0.5%添加した画像形成材料を用いた。例えば、ペリミジン系スクアリリウム色素を含有する画像形成材料である。この赤外線吸収剤は、400nm以上750nm未満の可視光波長領域における吸光度が低く、かつ、750nm以上1000nm未満の近赤外光波長領域における吸光度が高いものである。本実施例では、下記構造式(I)で表されるペリミジン系スクアリリウム色素を赤外線吸収剤として用いた。この材料は、特願2008-055291に記載の方法で得ることができる。

Figure 0005471536

そして、定着装置1のレーザ光照射装置としては、コヒーレント製9001-60-808(波長808nm、光出力60W)の半導体レーザアレイを備えたもの2基(図1に示す符号5a,5bに対応する)を用いた。記録媒体2の搬送速度は500mm/sとした。
この状態で、記録媒体2を搬送する移動ステージの上方に、図2に示すレーザ照射領域6a,6bが、記録媒体2の搬送方向Cに沿う方向のビーム幅が0.5mm、搬送方向Cに交差する幅方向のビーム長が10mm、両レーザ照射領域間の間隔が2mmとなるようにしてレーザ光照射部5a,5bを配置し、未定着のトナー像7,8を転写した記録媒体2を前記移動ステージに装填した。そして、各レーザ光照射部5a,5bの光出力を30Wに調整し、レーザ光を照射しながら移動ステージを搬送速度500mm/sで移動させて、記録媒体2上の未定着のトナー像7,8にレーザ光を照射し、定着を行った。
〔実施例2〕
実施例2では、画像形成装置及びレーザ定着用トナーは、実施例1と同じものを用い、定着装置1は以下のものを用いた。
この定着装置1のレーザ光照射装置としては、コヒーレント製9001-60-808(波長808nm、光出力60W)の半導体レーザアレイを2枚(図5に示す符号5a,5bに対応する)積層したスタック状のレーザ光照射部を用いた。記録媒体2の搬送速度は500mm/sとした。
この状態で、記録媒体2を搬送する移動ステージの上方に、図2に示すレーザ照射領域6a,6bが、記録媒体2の搬送方向Cに沿う方向のビーム幅が0.5mm、搬送方向Cに交差する幅方向のビーム長が10mm、両レーザ照射領域間の間隔が1mmとなるようにしてレーザ光照射部5a,5bを配置し、未定着のトナー像7,8を転写した記録媒体2を前記移動ステージに装填した。そして、各レーザ光照射部5a,5bの光出力を30Wに調整し、レーザ光を照射しながら移動ステージを搬送速度500mm/sで移動させて、記録媒体2上の未定着のトナー像7,8にレーザ光を照射し、定着を行った。
〔比較例1〕
比較例1では、画像形成装置及びレーザ定着用トナーは、実施例1と同じものを用い、定着装置は以下のものを用いた。
この定着装置としては、実施例1における定着装置1のうち半導体レーザアレイを備えたレーザ光照射部を1基(図1に示す符号5aに相当)備え、記録媒体2を搬送する移動ステージの上方に、図2に示すレーザ照射領域6aが、記録媒体2の搬送方向Cに沿う方向のビーム幅が1mm、搬送方向Cに交差する幅方向のビーム長が10mmとなるようにしてレーザ光照射部を配置し、未定着のトナー像7,8を転写した記録媒体2を前記移動ステージに装填した。そして、レーザ光照射部の光出力を60Wに調整し、レーザ光を照射しながら移動ステージを搬送速度500mm/sで移動させて、記録媒体2上の未定着のトナー像7,8にレーザ光を照射し、定着を行った。
〔比較例2〕
比較例2では、画像形成装置及びレーザ定着用トナーは、実施例1と同じものを用い、定着装置は以下のものを用いた。
この定着装置としては、実施例1における定着装置1のうち半導体レーザアレイを備えたレーザ光照射部を1基(図1に示す符号5aに相当)備え、記録媒体2を搬送する移動ステージの上方に、図2に示すレーザ照射領域6aが、記録媒体2の搬送方向Cに沿う方向のビーム幅が5mm、搬送方向Cに交差する幅方向のビーム長が10mmとなるようにしてレーザ光照射部を配置し、未定着のトナー像7,8を転写した記録媒体2を前記移動ステージに装填した。そして、レーザ光照射部の光出力を60Wに調整し、レーザ光を照射しながら移動ステージを搬送速度500mm/sで移動させて、記録媒体2上の未定着のトナー像7,8にレーザ光を照射し、定着を行った。
〔実施例と比較例の評価〕
以上の実施例1,2と比較例1,2により得られた記録媒体2に対する画像(トナー像)の定着性を評価した結果を図11の表に示す。なお、図11の表に示す画像領域(画像濃度の高い部分)の定着性及び非画像領域(画像濃度の低い部分)の定着性の評価方法及び評価基準は以下の通りである。
まず、記録媒体2の画像領域については、画像領域の或る個所で画像を内側にして記録紙を二つ折りに折り曲げた後に元に戻し、綿布で擦って折曲げ部の画像(トナー像)が剥がれるか否か、および画質欠陥があるか否かを目視により観察し、以下の基準で評価した。
A:折曲げ部において、画像(トナー像)の剥がれ無く、画質欠陥もない。
B:折曲げ部において、折曲げ線に沿って画像(トナー像)の剥がれが見られる。
C:折曲げ部において、折曲げ線の周辺にも画像(トナー像)の剥がれ有る、あるいは顕著な画質欠陥がある。
次に、記録媒体2の非画像領域(画像濃度の低い部分)については、画像濃度10%の画像面を予め定めた荷重をかけた綿布で擦り、その擦り前後の画像濃度の変化の比較を目視により観察し、以下の基準で評価した。
A:擦り前後の画像濃度の変化無し。
B:擦り前後において画像濃度の変化が見られる。
C:擦り前に対して擦り後の画像濃度が明らかに低下している。
〔評価結果〕
以上のような評価方法及び評価基準による定着性評価の結果は、図11の表に示すようになった。
実施例1は、画像領域及び非画像領域ともトナー像の剥がれが無く良好な定着性であった。
実施例2は、画像領域及び非画像領域ともトナー像の剥がれが無く良好な定着性であった。
比較例1は、画像領域及び非画像領域ともトナー像の剥がれは無いが、画像領域においては内層部分に空洞ができて画質欠陥が発生しており、画像領域の定着性は不良であった。
比較例2は、画像領域においてはトナー像の剥がれが無いが、非画像領域においては剥がれが顕著に発生しており、非画像領域の定着性は不良であった。
1…定着装置、2…記録媒体、3a,3b…レーザ光源、4a,4b…レーザ光、5a,5b…レーザ光照射部、9…レーザ光発生素子、10a,10b…光束調整部材、11…基板、20…画像形成装置、21K…黒色画像形成部、21C…シアン画像形成部、21M…マゼンタ画像形成部、21Y…イエロー画像形成部、22…転写装置、30…用紙供給装置、31…用紙巻取り装置、40…画像形成装置、44…記録紙収容部

Claims (4)

  1. 記録媒体の表面に、レーザ光源から発生される複数のレーザ光が、それぞれ相対的に一方向に照射位置が移動するように照射されるレーザ光照射部を備え、
    前記複数のレーザ光を前記記録媒体に形成されたトナー像に照射して該記録媒体上に前記トナー像を定着させる際に、
    前記複数のレーザ光は、以下の条件、
    (A)前記複数のレーザ光は、それぞれの光出力及び照射領域の前記一方向における幅が同じであること、
    (B)前記複数のレーザ光は、前記トナー像に対し独立して照射されること、
    (C)前記トナー像が複数のトナー層を有する場合に、前記記録媒体の表面との界面部分のトナーの温度が、前記複数のレーザ光の照射にて最初の照射を除く少なくとも最終の照射ではトナーの定着温度に達すること、
    を満たすことを特徴とする定着装置。
  2. 前記複数のレーザ光のそれぞれは、一列に並べられた複数のレーザ光発生素子から照射された光の集合であり、前記記録媒体に対して前記複数のレーザ光発生素子が並ぶ方向と交差する方向に相対的に照射位置が移動するように照射されることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記複数のレーザ光のそれぞれは、前記照射位置が移動する方向に予め定めた量だけ絞り込む光束調整部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の定着装置。
  4. 記録媒体にトナー像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部で形成されたトナー像を前記記録媒体上に定着させる請求項1からのいずれかに記載の定着装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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