JP3892248B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶状態で加熱温度に応じた干渉色を呈するコレステリック液晶材料を主成分とする、トナーやインク等の着色材料を用いて、転写材等の記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に関するものであり、より詳しくは、プリンタ、複写機、ファクシミリ等、電子写真方式、インクジェット方式、オフセット印刷等の出力方式を用いた印刷システムにおいてマルチカラーまたはフルカラー等の多色画像を形成することができる画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラー画像形成装置としては、一般的には、(1)着色剤を樹脂に溶解または混練分散してなる着色トナーを用いてカラー画像を形成するものや、(2)無色染料を含有したトナーで粒子像を形成した後、発色反応によって粒子像に応じたカラー画像を形成するものが知られている。
【0003】
しかしながら、上記(1)の装置においては着色剤によって特定された色に限定され、また、着色剤として染料や顔料が使用されることから退色する虞れがある。一方、(2)の装置においては、発色のために電子受容性物質をトナーと反応させなければならず、工程数が増加し、また、(1)の装置同様、色が限定されたり、退色する虞れがある等の問題点を有している。
【0004】
そこで、これらの問題点を解決するために、特開平2−135466号公報には、高分子コレステリック液晶を主成分とし、温度によって任意に呈色するトナーを用いてカラー画像を得る電子写真装置が開示されている。
【0005】
上記電子写真装置においては、上記トナーを使用し、感光体からこのトナーを用いたトナー像が転写された転写紙を、表面温度が設定温度に制御された定着ローラを通過させることで、一種類のトナーで任意のカラー画像を得ることができるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平2−135466号公報に記載の電子写真装置においては、トナーの加熱手段として、定着ローラ等の通常の定着器を使用し、その表面温度が設定温度よりも低いか高いかで定着ローラ内のランプをON/OFFして定着器の温度制御を行っている。このため、異なる色のカラー画像に対して同じトナーを使用してカラー画像を得ることはできるものの、基本的に、単色のカラー画像しか得ることができない。
【0007】
このため、上記特開平2−135466号公報に記載の電子写真装置を用いて多色のカラー画像を得るためには、上記電子写真装置によるコピー後、得られた単色のカラー画像に対し、別の加熱手段を用いて部分的に再加熱する必要があり、位置ずれ等の問題を生じる虞れがあり、高精細なフルカラー画像を得ることは困難である。また、マルチカラーあるいはフルカラー等の多色画像を得るに際し、構成要素や工程数が増大し、容易にマルチカラーあるいはフルカラー等の多色画像を得ることができず、また、構造が複雑となることから印刷システム全体が大型化するという問題点を有している。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、上記従来の問題点を解決し、簡単な構造で、高精細なマルチカラー画像またはフルカラー画像を得ることができる画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる画像形成装置は、上記の課題を解決するために、液晶状態で加熱温度に応じた干渉色を呈し、冷却することにより、上記加熱温度に応じた干渉色にて固定されるコレステリック液晶材料を主成分とする着色材料(例えばトナーやインク等)を用いて記録媒体(例えば紙等の転写材等)上に画像を形成する画像形成装置において、上記記録媒体上に上記着色材料を供給する着色材料供給手段(例えばトナー供給部における現像槽、像担持体、転写体等)と、上記記録媒体上に供給された着色材料を、局部毎、好適にはドット毎に加熱する加熱手段(例えば半導体レーザ等のレーザ光照射手段)と、上記加熱手段により加熱された着色材料を冷却して、該着色材料を加熱温度に応じた干渉色にて上記記録媒体上に定着させる冷却手段(例えばペルチェ素子を用いた冷却ローラ等)と、上記加熱手段による上記着色材料の定着時の加熱温度を制御する制御手段(例えばCPU等からなる制御部)とを備え、上記加熱手段による上記着色材料の定着時の加熱温度が、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すように上記加熱手段による加熱局部毎、好適にはドット毎に制御され、上記加熱手段がレーザ光照射手段であり、上記レーザ光照射手段によるレーザ光の照射時間を該レーザ光照射手段による加熱局部毎に制御することで上記着色材料の加熱温度が上記加熱局部毎に制御されていることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、当該画像形成装置が上記した加熱手段および冷却手段を備え、上記加熱手段による上記着色材料の定着時の加熱温度が、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すように加熱局部毎、好適にはドット毎に制御されていることで、上記着色材料の定着時に、局部毎に、画像情報に基づく所望の色に呈色された高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができる。
【0011】
しかも、上記の構成によれば、コレステリック液晶材料を用いてカラー画像を得る従来の電子写真装置等の画像形成装置のように、マルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成するために、一旦得られたカラー画像を再加熱する必要がない。このため、従来、このような画像形成装置で得られたカラー画像に対してマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を得るために必要とされる別の加熱手段等を必要とせず、簡単な構成でマルチカラーもしくはフルカラー画像を得ることができる。このため、装置の小型化、低価格化を図ることができる。
【0012】
また、染料や顔料等の着色剤を用いてカラー画像を得る従来のカラー画像形成装置においては、マルチカラーあるいはフルカラー画像を得るためには、各色毎に例えば4つの現像槽が必要であり、そのため、装置本体が大きくなり、コストが高くなってしまうのに対して、上記の構成によれば、液晶状態で加熱温度に応じた干渉色を呈するコレステリック液晶材料を主成分とする着色材料を用いることで、該着色材料を、加熱温度によって任意の色に呈色させることができ、複数の現像槽(各色毎、例えば4つの現像槽)を必要とせず、1種類の着色材料でマルチカラーあるいはフルカラーに対応することができ、現像槽も一つですむため、染料や顔料を用いた従来の画像形成装置に比べて装置を大幅に簡素化、小型化することができる。
【0013】
また、上記着色材料の加熱にレーザ光照射手段を用いることで、上記記録媒体上の着色材料を非接触で加熱することができ、しかも高解像度化も可能となる。また、同時に、上記記録媒体上への着色材料の定着のための着色材料の溶融を行うことができる。
【0014】
この場合、上記着色材料の加熱に、レーザ光照射手段として半導体レーザを使用することにより、より一層、装置の小型化、低コスト化を図ることができる。また、上記着色材料の加熱に、短波長のレーザ、例えば青色の波長のレーザを用いることで、レーザビームを小さく絞りこむことが可能となり、より解像度が高い画像形成装置を提供することができる。
【0015】
また、上記加熱局部毎、好適にはドット毎にレーザ光の照射時間を変化させることで、上記加熱局部毎、好適にはドット毎に加熱温度を変化させることができる。このため、上記の構成によれば、上記加熱局部毎、好適にはドット毎に上記着色材料を任意に呈色させることができるため、簡単な構造で高精細なフルカラー印字を可能とする画像形成装置を提供することができる。
【0016】
また、上記加熱手段が上記着色材料をドット毎に加熱可能であり、上記加熱手段による上記着色材料の定着時の加熱温度が、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すようにドット毎に制御されていることで、より高精細なフルカラー印字を行うことが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0017】
本発明にかかる画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記冷却手段がペルチェ素子を備えていることを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、上記冷却手段にペルチェ素子を用いることにより、簡易な構成で、加熱した着色材料を上記コレステリック液晶材料のガラス転移温度以下の温度、例えば0℃まで冷却することができる。
【0019】
本発明にかかる画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記着色材料供給手段は、静電潜像に上記着色材料を付与して表面に上記着色材料からなる像を形成する像担持体(例えば感光体ドラム)と、上記像担持体表面に形成された着色材料からなる像を上記記録媒体に転写する転写手段(例えば転写ローラや転写ベルト等の転写体)とを備え、上記加熱手段は、上記記録媒体上に転写された上記着色材料からなる像を、画像情報に基づいて局部毎、好適にはドット毎に加熱することを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、上記着色材料の定着時に、局部毎、好適にはドット毎に、画像情報に基づく色に呈色された高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができると共に、簡単な構成でマルチカラーもしくはフルカラー画像を得ることができる、電子写真式のフルカラー対応の画像形成装置を提供することができる。上記画像形成装置は、1種類の着色材料で高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができ、従来の電子写真装置等の電子写真式の画像形成装置に比べて装置を大幅に簡素化、小型化することができる。
【0021】
本発明にかかる画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記着色材料供給手段は、上記着色材料を上記記録媒体の記録領域全面に転写する転写手段(例えば転写ローラや転写ベルト等の転写体)を備え、上記加熱手段は、上記記録媒体上に転写された上記着色材料を、画像情報に基づいて局部毎、好適にはドット毎に加熱することを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、上記着色材料供給手段が、上記着色材料の加熱に先立って予め上記着色材料を上記記録媒体の記録領域全面に転写し、上記加熱手段が、この記録媒体の記録領域全面に転写された着色材料を、画像情報に基づいて局部毎、好適にはドット毎に加熱することで、像担持体や、画像情報を記録するための光学装置等を用いずに、簡単な構造で、高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができる。このため、上記の構成によれば、像担持体や、画像情報を記録するための光学装置等を無くすことを可能にし、装置本体を大幅に小型化することができる。
【0023】
本発明にかかる画像形成方法は、上記の課題を解決するために、液晶状態で加熱温度に応じた干渉色を呈し、冷却することにより、上記加熱温度に応じた干渉色にて固定されるコレステリック液晶材料を主成分とする着色材料を用いて記録媒体上に画像を形成する画像形成方法において、上記記録媒体上に上記着色材料を供給する着色材料供給工程と、上記記録媒体上に供給された着色材料を局部毎、好適にはドット毎に加熱する着色材料加熱工程と、上記着色材料加熱工程において加熱された着色材料を冷却して、該着色材料を、加熱温度に応じた干渉色にて上記記録媒体上に定着させる着色材料冷却工程とを備え、上記着色材料加熱工程における上記着色材料の加熱温度は、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すように、加熱局部毎、好適にはドット毎に制御され、上記着色材料加熱工程では、上記着色材料の加熱が、レーザ光照射手段によるレーザ光の走査により行われ、上記レーザ光照射手段によるレーザ光の照射時間を該レーザ光照射手段による加熱局部毎に制御することで上記着色材料の加熱温度が上記加熱局部毎に制御されていることを特徴としている。
【0024】
上記の方法によれば、上記記録媒体上に供給された着色材料を、画像情報に基づいて、所望の干渉色を示す温度まで局部毎、好適にはドット毎に加熱し、この加熱された着色材料を冷却して、該着色材料を加熱温度に応じた干渉色にて上記記録媒体上に定着させることで、上記着色材料の定着時に、局部毎、好適にはドット毎に、画像情報に基づく色に呈色された高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができる。
【0025】
しかも、上記の方法によれば、コレステリック液晶材料を用いてカラー画像を得る従来の電子写真装置等の画像形成装置を用いる場合のように、多色カラー画像を形成するために、例えばコピー後、得られたカラー画像を再加熱する必要がなく、コレステリック液晶材料を用いて、従来よりも簡単にマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができる。また、上記の方法によれば、コレステリック液晶材料を用いた従来の画像形成装置を用いて多色カラー画像を得る場合に必要になる別の加熱手段や、染料や顔料を用いた従来の画像形成装置を用いて多色カラー画像を得る場合に必要になる、各色に対応する複数の現像槽を必要とせず、画像形成装置の小型化並びに低価格化を図ることができる。
【0026】
また、上記着色材料の加熱がドット毎に行われ、上記着色材料の定着時の加熱温度は、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すようにドット毎に制御されていることで、より高精細なフルカラー印字を行うことができる。
【0027】
また、上記着色材料の加熱を、レーザ光照射手段によるレーザ光の走査により行うことで、上記着色材料を非接触で加熱することができ、しかも高解像度化も可能となる。また、同時に、上記記録媒体上への着色材料の定着のための着色材料の溶融を行うことができる。
【0028】
本発明にかかる画像形成方法は、上記の課題を解決するために、上記着色材料の加熱が、複数のレーザ光照射手段を用いて行われることを特徴としている。
【0029】
上記の方法によれば、複数のレーザ光照射手段を用いて、例えば同時に1ドットライン毎にずらして同時に上記着色材料を加熱することにより、加熱時間の短縮化図ることができる。
【0030】
本発明にかかる画像形成方法は、上記の課題を解決するために、上記着色材料供給工程では、上記記録媒体上で上記着色材料が付着される面積が、上記画像情報に基づいて画像が定着される面積よりも大きくされることを特徴としている。
【0031】
上記の方法によれば、予め、マージンとして、上記画像情報に対する着色材料量よりも多い量の着色材料を上記記録媒体に供給することで、着色材料と加熱領域、例えばレーザ出力位置との位置ずれの許容範囲を広げることができ、安定した発色を得ることができる。
【0032】
本発明にかかる画像形成方法は、上記の課題を解決するために、上記着色材料供給工程では、上記着色材料が上記記録媒体の記録領域全面に供給されることを特徴としている。
【0033】
上記の方法によれば、上記着色材料の加熱に先立って予め上記着色材料を上記記録媒体の記録領域全面に供給し、この記録媒体の記録領域全面に供給された着色材料を、画像情報に基づいて局部毎、好適にはドット毎に加熱することで、像担持体や、画像情報を記録するための光学装置等を用いずに、簡素な構成にて、容易かつ安価に高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができる。また、上記の方法によれば、像担持体や、画像情報を記録するための光学装置等を無くすことを可能にし、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明にかかる実施の一形態について、図1〜図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、本発明にかかる画像形成装置を電子写真方式のプリンタに適用した場合を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
本実施の形態にかかる画像形成装置は、図1に示すように、トナー11(着色材料)による画像が形成される転写材としての転写紙P(記録媒体)をストックして供給する図示しない給紙部と、トナー11を転写紙Pに供給するトナー供給部10(着色材料供給手段)と、転写紙Pに供給されたトナーを融着させて該転写紙Pに定着させる定着部20とを備えている。
【0036】
上記給紙部は、プリント命令、例えば、外部に接続された図示しないホストコンピュータあるいは外部スイッチ等によりプリント命令を受けると、上記トナー供給部10に、上記転写紙Pを一枚ずつ給送するようになっている。
【0037】
上記トナー供給部10は、表面にトナー像が形成される感光体1(像担持体)と、上記感光体1に圧接して設けられ、上記感光体1表面に形成されたトナー像を上記転写紙Pに転写する転写ローラ2(転写手段)とを備えている。
【0038】
上記感光体1は、矢印方向に回転駆動されるドラム形状をなす感光体ドラムである。図1は、感光体1の周囲の構成を拡大して示している。感光体1の周囲には、上記感光体1にレーザ光を照射する露光手段としての光学系3が設けられ、図示しないスキャナ部(原稿読取部)あるいは外部に接続された図示しないホストコンピュータ等より入力される画像情報もしくは通信等により送られるFAX情報等の画像情報を示すデジタルデータ(画像信号)に基づいて、上記感光体1表面にレーザを照射し、これにより、画像形成のための静電潜像を形成するようになっている。
【0039】
また、上記感光体1の周囲には、上記光学系3からのレーザ光の照射位置から、感光体1の回転方向に、現像装置4、除電装置5、クリーニング装置6、帯電装置7が、この順に配されている。
【0040】
上記現像装置4は、上記トナー11を感光体1に供給する現像ローラ4aと、この現像ローラ4aにトナー11を供給するためのトナー汲み上げローラ4b(トナー供給ローラ)と、上記現像ローラ4aの近傍に設けられ、現像ローラ4aに供給するトナー11を収容すると共に、上記トナー汲み上げローラ4bを格納する現像槽4cとを備えている。これにより、上記現像装置4は、上記光学系3によるレーザ光の露光により形成された感光体1表面の静電潜像にトナー11(現像剤)を付与して、可視像(トナー像)に現像するようになっている。
【0041】
また、上記除電装置5は、トナー像転写後の感光体1上に残留している電荷を除去し、クリーニング装置6は、トナー像転写後の感光体1表面に残留しているトナーを除去し、帯電装置7は、残留電荷が除去された感光体1表面を所定の電位に帯電させるようになっている。
【0042】
本実施の形態にかかる画像形成装置において用いられる上記トナー11は、液晶状態で加熱温度に応じた干渉色を呈し、冷却することにより、上記加熱温度に応じた干渉色にて固定されるコレステリック液晶材料を主成分として含む着色材料であり、具体的には、高分子または中分子のコレステリック液晶性化合物を主成分として含む着色材料である。
【0043】
コレステリック液晶性化合物は、液晶状態で、配向ベクトルが可視光の波長の周期でねじれている螺旋構造を有するコレステリック相を示し、液晶状態で干渉色を呈する。この干渉色は、コレステリック液晶性化合物における螺旋状の周期構造を有する分子配列による反射光に基づくものであり、温度変化によって、螺旋周期、すなわち、螺旋状の周期構造のピッチの大きさが可視光の波長オーダーになったとき、光の選択散乱、円偏光2色性、旋光分散等、ピッチに対応した特定波長の光を選択的に反射あるいは通過することにより呈色する。
【0044】
コレステリック液晶材料の色を記録に応用するためには、螺旋周期が部分的に異なる状態で分子配列を固定する必要がある。
【0045】
しかしながら、一般的に知られている低分子のコレステリック液晶材料は、その液晶状態での螺旋周期が、液晶分子の化学構造、成分の混合比、不純物の量、外部環境で決まってしまい、かつ、流動性があるために、イメージを固定することができない。
【0046】
そこで、本実施の形態では、例えば、高分子化したり、架橋構造をもたせたコレステリック液晶材料を使用することで、螺旋状の分子配列を固定し、任意の呈色状態を作り出している。
【0047】
螺旋状の分子配列を固定する方法としては、(1) コレステリック液晶材料を液晶温度に保って螺旋状の配列を得た後にガラス転移温度以下の温度まで冷却する方法、(2) リオトロピックステリック液晶性高分子の濃厚溶液をキャスト、乾燥して得る方法、(3) コレステリック液晶材料をコレステリック液晶状態で光重合する方法がある。そのなかでも、熱によって制御可能な温度転移型の高分子液晶材料であるサーモトロピック高分子コレステリック液晶材料を液晶温度に保って螺旋状の配列を得た後にガラス転移温度以下の温度まで冷却する方法が本発明に適している。
【0048】
このようにコレステリック液晶材料を高分子化したり、架橋構造をもたせることで、流動性を失わせると同時に、分子運動の自由度が制限され、急冷して螺旋周期(螺旋ピッチ)を変化させて螺旋周期が部分的に異なる状態で分子配列を固定することにより、任意の呈色状態を作り出すことができる。また、例えば、少なくとも2つのコレステリル基を有する中分子のコレステリック液晶材料を用いてもよい。
【0049】
本実施の形態において用いられる上記高分子または中分子のコレステリック液晶材料としては、1000以上、50,000以下の平均重量分子量を有するコレステリック液晶材料が望ましい。
【0050】
また、上記コレステリック液晶材料のガラス転移温度は、好適には35℃以上、より好適には40℃以上であり、その上限値は100℃程度である。
【0051】
上記コレステリック液晶材料は、主鎖もしくは側鎖に相当する屈曲鎖中に光学活性単位が含まれてさえいればよく、従来公知のコレステリック液晶材料を使用することができる。
【0052】
このようなコレステリック液晶材料を以下に例示する。例えば、主鎖型液晶高分子としては、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリカーボネート等の単独重合体または共重合体等が挙げられる。側鎖型液晶高分子としては、ビニル系高分子等の単独重合体または共重合体等が挙げられる。剛直主鎖型液晶高分子としては、ポリペプチド等の単独重合体または共重合体等が挙げられる。
【0053】
本実施の形態において用いられる上記トナー11は、上記コレステリック液晶材料以外の構成成分として、例えば、トナーの帯電性を制御するための帯電制御剤;それらを保護し、転写紙Pへの定着特性にも寄与する熱可塑性樹脂;等を含んでいるが、上記コレステリック液晶材料以外の構成成分は、特に限定されるものではない。
【0054】
また、上記トナー11として湿式トナーを用いる場合、非水系非極性溶媒を用いた液体現像剤での分散安定のためには、トナー11の帯電による静電気的な反発力だけでは不十分であることから、一般的には、可溶性高分子をトナー11に吸着させることにより、トナー11同士の凝集を防ぐための分散剤、およびキャリア液等も使用される。
【0055】
上記帯電制御剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、正帯電用に用いられる帯電制御剤としては、四級アンモニウム塩類、アミノピリン、ピリジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン類、イミダゾール金属錯体類等が挙げられる。負帯電用に用いられる帯電制御剤としては、オイルブラックやスピロンブラック等の油溶性染料、含金属アゾ染料、ナフテン酸金属塩、脂肪酸石鹸、樹脂酸石鹸、サリチル酸金属錯体や塩類、有機ホウ素塩類等が挙げられる。
【0056】
また、熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えば、スチレンとアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルとの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等のスチレン/アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレンアクリロニトリル共重合体、スチレンハロゲン化ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコン樹脂、ケトン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
【0057】
また、液体電子写真現像の場合、いわゆるキャリア液が用いられる。該キャリア液としては、非極性で高絶縁性のものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、エクソン杜製のアイソパー(商品名)、シリコンオイル、脂肪酸エステル、ヘキサン、デカン、オクタン、フッ素オイル、n−パラフィンの何れか1種または2種以上が用いられる。
【0058】
また、液体トナーをキャリア液によく分散させるためには、分散剤や界面活性剤が用いられる。該分散剤としては、具体的には、例えば、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、パラフィンワックス、天然ろう等が用いられる。また、界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、両性、ノニオン系のものが使用できる。
【0059】
上記トナー11は、例えば、上記コレステリック液晶材料を主成分として含むと共に、上記コレステリック液晶材料以外の上記した各成分を必要に応じて含む組成物を熱溶融混練して粉砕・分級する方法;高分子コレステリック液晶材料の原料モノマーまたはさらに熱可塑性樹脂のモノマーを含むモノマー組成物を液中にて重合させる方法;ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機を用いて、上記した組成物を適当な粒径(好適には、平均粒径0.2μm以上、1μm以下)になるまで分散させる方法;例えば顔料を含む有機溶媒中で、上記コレステリック液晶材料等のポリマーを加熱溶解した溶液を冷却することにより、顔料をコアにしてポリマーを析出させる、温度差を利用した相分離法;上記組成物を溶剤に溶解させた液を噴霧乾燥させる方法;等により製造することができる。
【0060】
加熱させることで得られる上記トナー11の色は、含有させるコレステリック液晶材料の構造と上記組成物の組成(混合組成)およびその加熱温度で任意に変えることができる。
【0061】
このため、上記トナー11は、1種類でマルチカラーあるいはフルカラーに対応することができる。このため、上記画像形成装置は、染料や顔料を用いた従来のマルチカラーあるいはフルカラー対応の画像形成装置のように複数の現像槽、例えば用いられるトナーの色の数、具体的にはイエロー,マゼンタ、シアン,ブラックの4つの現像槽を必要とせず、現像槽として、1つの現像槽4cのみが設けられている構造を有している。このため、上記画像形成装置は、染料や顔料を用いた従来の画像形成装置に比べて装置を大幅に簡素化、小型化することができる。
【0062】
上記画像形成装置は、後述する定着部20において加熱温度によって任意の色に呈色させることができ、染料や顔料を用いた従来のマルチカラーあるいはフルカラー対応の画像形成装置のように、マルチカラーあるいはフルカラー画像を得るに際し、一色毎に帯電・露光・現像・転写を繰り返すのではなく、色数に関係なく、1つの画像に対し、1回のみ帯電・露光・現像・転写が行われるようになっている。
【0063】
上記感光体1上のトナー像が転写紙Pに転写される転写位置の該転写紙P搬送方向下流側には、図1に示すように、転写紙P上に転写されたトナー像を熱により定着させるための定着部20が設けられている。なお、説明の便宜上、転写紙Pの流れ出し側(給紙側)を「上流」、排紙側を「下流」として説明する。
【0064】
上記定着部20には、転写紙P搬送方向に沿って、上流側から順に、レーザ光照射装置21(加熱手段)、冷却ローラ22(冷却手段)が設けられている。
【0065】
上記レーザ光照射装置21は、上記転写紙P上にトナー像として転写されることで上記転写紙P上に供給されたトナー11を局部毎、例えばドット毎に加熱するようになっている。また、上記冷却ローラ22は、上記レーザ光照射装置21により加熱された上記トナー11を冷却して、該トナー11を加熱温度に応じた干渉色にて上記転写紙P上に固定、定着させるようになっている。
【0066】
上記画像形成装置では、トナー像として上記転写紙P上に転写された上記トナー11の定着時の加熱をレーザ光照射装置21を用いて行うことで、上記トナー11を、上記トナー11に含まれるコレステリック液晶材料が液晶状態、すなわち、コレステリック相を示す温度範囲内で部分的に加熱することができる。
【0067】
トナー加熱用の上記レーザ光照射装置21としては、例えば半導体レーザが好適に用いられる。上記レーザ光照射装置21として半導体レーザを使用することにより、より一層、上記画像形成装置の小型化、低コスト化を図ることができる。また、上記トナー11の加熱に、できるだけ波長が短いレーザ、好適には波長400nm〜450nmのレーザ、具体的には、青色の波長のレーザを用いることで、レーザビームを小さく絞りこむことが可能となり、より解像度を高めることができる。
【0068】
上記レーザ光照射装置21により加熱される加熱局部の大きさは、レーザ光の強度や波長、スポット径等を調節することにより、容易に変更することができる。
上記レーザ光照射装置21により加熱される加熱局部の大きさは、上記加熱がドット毎に行われる場合、10μm以上、80μm以下であることが好ましく、20μm以上、40μm以下であることがより好ましい。上記レーザ光照射装置21を用いて所定の条件下で加熱することで、ドット毎に加熱を行うことができる。
【0069】
また、上記レーザ光照射装置21による加熱温度は、レーザ光の照射時間、すなわち、加熱時間を変更することにより、容易に変更することができる。つまり、上記レーザ光照射装置21によるレーザ光の照射時間をレーザ光照射装置21による加熱局部毎、例えばドット毎に制御することで上記トナー11の加熱温度を、上記加熱局部毎に制御することができる。
【0070】
これにより、上記の画像形成装置においては、トナー像として上記転写紙P上に転写された上記トナー11の加熱温度を、上記コレステリック液晶材料が液晶状態(コレステリック相)を示す温度範囲内において、部分的に、つまり、上記加熱局部毎に変化させることができ、上記トナー11を、上記加熱局部毎に任意の色に呈色させることができる。
【0071】
上記トナー11の加熱は、図示しないスキャナ部(原稿読取部)あるいは外部に接続された図示しないホストコンピュータ等より入力される画像情報もしくは通信等により送られるFAX情報等の画像情報を示すデジタルデータ(画像信号)に基づいて、上記トナー11が上記画像情報(画像信号)に基づく所望の干渉色を示すように制御される。
【0072】
上記画像形成装置には、図2に示すように、上記レーザ光照射装置21による上記トナー11の定着時の加熱温度を制御する、CPU(Central Processing Unit :中央演算処理装置)等からなる制御部31(制御手段)が設けられている。また、上記画像形成装置には、上記スキャナ部あるいは外部に接続された図示しないホストコンピュータ等より入力される画像情報もしくは通信等により送られるFAX情報等の画像情報(画像データ)等を一時的に記憶する画像メモリ32等が設けられ、上記制御部31は、例えば、上記画像メモリ32に格納された画像情報(画像データ)に基づく画像信号により、上記レーザ光照射装置21を制御する。
【0073】
なお、上記画像メモリ32には、例えば、外部から入力された画像データに対して画像処理を施した画像情報(画像データ)等が入力されていてもよく、該画像情報(画像データ)に基づいて上記レーザ光照射装置21の制御、つまり、定着時の加熱条件の制御が行われるようになっていてもよい。
【0074】
なお、上記スキャナ部や通信部、並びに給紙部等は、必要に応じて設けられていればよく、上記画像形成装置に分離可能に構成されたオプション装置であってもよく、分離不可能な構成を有していてもよい。
【0075】
上記画像形成装置によれば、上記レーザ光照射装置21による上記トナー11の定着時の加熱温度が、上記トナー11が画像情報に基づく所望の干渉色を示すように加熱局部毎、好適にはドット毎に制御されていることで、上記トナー11の定着時に、加熱局部毎に、画像情報に基づく所望の色に呈色された高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができる。そして、この場合、上記加熱温度が、ドット毎に制御されていることで、より高精細なマルチカラーもしくはフルカラー印字を行うことが可能であり、より高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができる。
【0076】
上記トナー11の加熱は、ドット部毎に行われることが好ましいが、例えば隣接領域を同じ色に呈色させる場合、さらには例えば広範囲に渡ってトナー11を同じ色に呈色させる場合、上記画像情報に基づいて、加熱時間のみならず、前記したように例えばレーザ光の強度等を調節して加熱局部の大きさを変更することにより、上記制御を行ってもよい。この場合でも、より高精細な多色カラー画像を得るためには、上記制御がドット毎に行われることが好ましく、また、より厳密な加熱制御を行うためには、上記トナー11の加熱もまた、全てドット毎に行われることがより好ましい。
【0077】
以上のように、上記トナー11の加熱にレーザ光照射装置21を用いることで、上記転写紙P上のトナー11を非接触で加熱することができる。しかも、上記トナー11の加熱にレーザ光照射装置21を用いることで、トナー11をドット毎に加熱することが可能であり、高解像度化が可能となる。また、同時に、上記転写紙P上へのトナー11の定着のためのトナー11の溶融を行うことができる。
【0078】
上記レーザ光照射装置21は、上記転写紙P上のトナー11、つまり、上記転写紙P上に転写されたトナー像を、定着ローラを用いた従来の定着装置のように加熱加圧して溶融する代わりに、上記転写紙P上に転写されたトナー像を、局部毎、好適にはドット毎に加熱し、溶融する。
【0079】
上記レーザ光照射装置21により加熱、溶融されたトナー11は、定着ローラを用いた従来の定着装置とは異なり、冷却手段として例えば上記冷却ローラ22を用いて、上記レーザ光照射装置21により加熱、溶融されたトナー11を冷却することにより、上記転写紙P上に定着される。
【0080】
コレステリック液晶材料は、熱に対して可逆的に構造を変化させる。このため、上記コレステリック液晶材料を、所望の干渉色にて固定するためには、急冷が必要である。
【0081】
上記レーザ光照射装置21により加熱、溶融されたトナー11を、上記コレステリック液晶材料のガラス転移温度以下の温度まで急冷することで、相転移が生じ、この結果、前記したように、液晶状態での上記コレステリック液晶材料の加熱温度に応じた螺旋状の分子配列にて上記コレステリック液晶材料を固定することができ、上記コレステリック液晶材料の加熱温度に応じた任意の呈色状態を作り出すことができる。
【0082】
なお、コレステリック液晶材料は、熱に対して可逆的に構造を変化させることから、所望の色を得るためには、できるだけ短時間で上記コレステリック液晶材料のガラス転移温度以下の温度まで冷却を行うことが好ましい。従って、上記冷却速度は、コレステリック液晶材料の種類等にもよるが、10℃/秒以上であることが好ましく、100℃/秒以上であることがより好ましい。
【0083】
また、コレステリック液晶材料は、熱に対して可逆的に構造を変化させることから、上記レーザ光照射装置21による加熱位置と上記冷却ローラ22による冷却位置とは、できるだけ近接して設けられていることが望ましく、加熱から冷却までの時間は、できるだけ短いことが好ましく、加熱終了から冷却開始までの時間が、好適には、20秒以下、より好適には5秒以下となる位置に、上記冷却ローラ22が設けられていることが望ましい。
【0084】
本実施の形態では、上記冷却ローラ22に、ペルチェ素子を用いている。上記冷却ローラ22にペルチェ素子を用いることにより、簡易な構成で、加熱した上記トナー11を、該トナー11に用いられているコレステリック液晶材料のガラス転移温度以下の温度、例えば0℃まで容易に冷却することができる。
【0085】
ペルチェ素子は、p型の熱電半導体とn型の熱電半導体とを金属電極で接合し、複数並べたものをセラミックスで挟んだ構造になっている。
【0086】
上記冷却ローラ22として、ペルチェ素子をローラに当接させたものを使用し、熱を吸収する方向にペルチェ素子に電流を流すことによって冷却されたローラを、トナー11に接触させることにより、任意の温度に加熱したトナー11を、該トナー11に用いられているコレステリック液晶材料のガラス転移温度以下の温度まで容易に冷却することができる。
【0087】
ここで、上記トナー11として、下記成分をアトライターにより40℃で3時間分散して得られた電子写真液体トナーを用いて、トナー11の急速冷却開始温度とその干渉色との関係を測定した結果を以下に示す。
【0088】
以下の測定において、コレステリック液晶材料には2つのコレステリル基を有する中分子の白色のコレステリック液晶材料(重量平均分子量1000)を用いた。また、キャリアには、エクソン社製の「アイソパーH」(商品名)を用いた。さらに、熱可塑性樹脂としてはスチレン−ブタジエン樹脂を用いた。
【0089】
コレステリック液晶材料 30重量部
スチレン−ブタジエン樹脂 100重量部
オクテン酸マンガン 3重量部
キャリア 400重量部
上記のようにして得られたトナー11を85℃から115℃の温度範囲で加熱して0℃まで急冷したときの上記トナー11の急速冷却開始温度とその干渉色との関係を図3に示す。
【0090】
図3から判るように、上記トナー11を加熱して急冷すると、急冷開始温度によって連続して変化する干渉色が見られた。なお、このように、コレステリック液晶高分子または中分子を加熱することによって螺旋状態の配列を得た後にガラス転移温度以下まで冷却することにより、トナー11を任意の色に呈色することができるが、この急冷開始温度と呈色する色との関係、並びに、何℃まで急冷する必要があるかは、使用するコレステリック液晶材料に応じて決定されるものであり、特に限定されない。
【0091】
ここで、上記の構成の画像形成装置における画像形成プロセスについて、図1を参照しながら以下に説明する。
【0092】
まず、転写紙Pが図示しない給紙部から自動あるいは手動で供給されると、転写紙Pは、一枚ずつ上記トナー供給部10に搬送され、転写ローラ2と感光体1との圧接部である転写ポイントまで搬送され、感光体1上に形成されたトナー11の電荷と転写紙P表面の電荷との電位差により転写紙Pに上記のトナー像が転写される(着色材料供給工程)。
【0093】
このとき、感光体1では、画像情報から書込み信号を受け取り、上記光学系3によるレーザ光の露光により形成された感光体1表面の静電潜像に上記現像装置4からトナー11が付与され、可視像(トナー像)に現像される。転写紙Pは、転写ローラ2に吸着されたままで、転写ローラ2上で回転し、これにより、上記転写紙Pに、上記感光体1表面に形成されたトナー像が転写される。
【0094】
上記光学系3によって形成される静電潜像に応じたトナー像が転写された転写紙Pは、続いて、定着部20に搬送され、ここで、上記転写紙P上へのトナー11の定着が行われる。
【0095】
定着部20では、例えば半導体レーザを用いたレーザ光照射装置21から上記転写紙P上のトナー像に、レーザ光がドット毎に照射され、転写紙P上のトナー11の加熱が行われる(着色材料加熱工程)。加熱温度は、前記制御部31等によりレーザ光照射装置21の加熱時間にて制御され、ドット毎に加熱時間を制御することで、任意の温度に加熱される。
【0096】
上記レーザ光照射装置21にて加熱されたトナー11は、転写紙P上に融着され、その後、上記冷却ローラ22に接触することで上記コレステリック液晶材料のガラス転移温度以下の温度まで急速に冷却され、固定、定着される(着色材料冷却工程)。本実施の形態においては、昇温されたトナー11を上記冷却ローラ22により急激に0℃まで冷却することにより、多色カラー画像を得ることができた。このようにして上記トナー11が定着された上記転写紙Pは、図示しない排出ローラにより画像形成装置外部に排出される。
【0097】
以上のように、本実施の形態にかかる画像形成装置は、液晶状態で加熱温度に応じた干渉色を呈し、冷却することにより、上記加熱温度に応じた干渉色にて固定されるコレステリック液晶材料を主成分とする着色材料を用いて記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、上記着色材料を用いてマルチカラーまたはフルカラーの画像を得ることを特徴とするものであり、上記記録媒体上に上記着色材料を供給する着色材料供給手段と、上記記録媒体上に供給された着色材料を局部毎に加熱する加熱手段と、上記加熱手段により加熱された着色材料を冷却して、該着色材料を加熱温度に応じた干渉色にて上記記録媒体上に固定、定着させる冷却手段とを備え、上記加熱手段による上記着色材料の定着時の加熱温度は、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すように上記加熱手段による加熱局部毎に制御されている構成を有している。
【0098】
より具体的には、上記画像形成装置は、上記記録媒体上に上記着色材料を供給する着色材料供給手段と、上記記録媒体上に供給された着色材料をドット毎に加熱する加熱手段と、上記加熱手段により加熱された着色材料を冷却して、該着色材料を加熱温度に応じた干渉色にて上記記録媒体上に固定、定着させる冷却手段と、上記加熱手段による上記着色材料の定着時の加熱温度を制御する制御手段とを備え、上記制御手段により、上記加熱手段による上記着色材料の定着時の加熱温度が、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すようにドット毎に制御されている構成を有している。
【0099】
また、本実施の形態にかかる画像形成方法は、液晶状態で加熱温度に応じた干渉色を呈し、冷却することにより、上記加熱温度に応じた干渉色にて固定されるコレステリック液晶材料を主成分とする着色材料を用いて記録媒体上に画像を形成する画像形成方法において、上記記録媒体上に上記着色材料を供給する着色材料供給工程と、上記記録媒体上に供給された着色材料を局部毎、好適にはドット毎に加熱する着色材料加熱工程と、上記着色材料加熱工程において加熱された着色材料を冷却して、該着色材料を、加熱温度に応じた干渉色にて上記記録媒体上に定着させる着色材料冷却工程とを備え、上記着色材料加熱工程における上記着色材料の加熱温度は、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すように、加熱局部毎、好適にはドット毎に制御されている方法である。
【0100】
上記の構成並びに方法によれば、記録媒体上に供給された着色材料、本実施の形態によれば転写紙P上に供給されたトナー11を、画像情報に基づいて、所望の干渉色を示す温度まで局部毎、好適にはドット毎に加熱し、この加熱された着色材料を冷却して、該着色材料を加熱温度に応じた干渉色にて上記記録媒体上に定着させることで、上記着色材料の定着時に、局部毎、好適にはドット毎に、画像情報に基づく色に呈色された高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができる。
【0101】
しかも、上記の構成並びに方法によれば、コレステリック液晶材料を用いてカラー画像を得る従来の電子写真装置等の画像形成装置を用いる場合のように、マルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成するために、例えばコピー後、得られたカラー画像を再加熱する必要がなく、コレステリック液晶材料を用いて、従来よりも簡単にマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができる。また、上記の構成並びに方法によれば、コレステリック液晶材料を用いた従来の画像形成装置を用いて多色カラー画像を得る場合に必要になる別の加熱手段や、染料や顔料を用いた従来の画像形成装置を用いて多色カラー画像を得る場合に必要になる、各色に対応する複数の現像槽を必要とせず、画像形成装置の小型化並びに低価格化を図ることができる。
【0102】
また、特に本実施の形態によれば、上記着色材料供給手段が、静電潜像に上記着色材料を付与して表面に上記着色材料からなる像を形成する像担持体と、上記像担持体表面に形成された着色材料からなる像を上記記録媒体に転写する転写手段とを備え、上記加熱手段は、上記記録媒体上に転写された上記着色材料からなる像を、画像情報に基づいて局部毎、好適にはドット毎に加熱することで、上記着色材料の定着時に、局部毎、好適にはドット毎に、画像情報に基づく色に呈色された高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができると共に、簡単な構成でマルチカラーもしくはフルカラー画像を得ることができる、電子写真式のフルカラー対応の画像形成装置を提供することができる。上記画像形成装置は、1種類の着色材料で高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができ、従来の電子写真装置等の電子写真式の画像形成装置に比べて装置を大幅に簡素化、小型化することができる。
【0103】
なお、本実施の形態では、上記転写手段として転写ローラ2を用いたが、これに限定されるものではなく、転写ベルトあるいは転写チャージャ等を用いてもよい。
【0104】
また、本実施の形態では、定着時における上記トナー11の加熱手段としてレーザ光照射装置21を用いたが、上記加熱手段としては、加熱ヘッド等、局部的な加熱が可能なものであれば、特に限定されるものではない。上記加熱手段として加熱ヘッド等、レーザ光照射装置21以外の加熱装置を用いる場合においても、使用する加熱装置の加熱局部、つまり、加熱位置に応じて加熱温度等の加熱条件を制御することにより、上記転写紙Pへのトナー11の定着時に、局部毎に、画像情報に基づく所望の色に呈色された高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができる。
【0105】
また、本実施の形態では、上記冷却手段として、ペルシェ素子を備えた冷却ローラ22を用いたが、上記冷却手段としては、上記レーザ光照射装置21により加熱されたトナー11を冷却し、定着させることができるものであれば特に限定されるものではない。例えば、ペルチェ素子によって冷却されたローラの代わりに、ペルチェ素子によって冷却されたベルトタイプの冷却装置を用いてもよく、冷却ヘッドや冷却ガス等を用いても構わない。
【0106】
本実施の形態においては、上記画像形成装置を、電子写真方式によるプリンタに適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、インクジェット方式やオフセット印刷等の出力方式にも応用可能であり、プリンタ、複写機、ファクシミリ等、電子写真方式、インクジェット方式、オフセット印刷等の出力方式を用いた印刷システム全般に適用することができる。
【0107】
したがって、上記着色材料としては、トナーのみならず、インクジェット方式やオフセット印刷等の出力方式を用いる場合に用いられるインクであってもよく、上記したコレステリック液晶材料を主成分として含み、温度によって任意に呈色する着色材料であれば、特に限定されない。
【0108】
例えばインクジェット方式にて上記着色材料としてのインクを紙等の記録媒体上に供給するには、例えば、上記インクを含んだインクヘッドで、紙にインクを噴射する方法を採用すればよい。
【0109】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図1に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において、実施の形態1における構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。本実施の形態では、前記実施の形態1との相違点について説明するものとする。
【0110】
本実施の形態では、実施の形態1に記載の画像形成装置において、トナーを加熱させるために設置されるレーザ光照射装置21に、青色の短波長のレーザ(波長400nm)を使用し、所定の条件下で転写紙P上に転写されたトナー像の加熱を行った。これにより得られたレーザビームのスポット径は30μmであり、上記レーザ光照射装置21に、青色の短波長のレーザを用いることで、レーザビームのスポット径を絞ることができた。
【0111】
また、本実施の形態では、上記レーザ光照射装置21に、青色の短波長のレーザを用いることで、隣り合うドット同士のトナー11の溶融混合を防止することが可能となり、解像度を高めることができた。
【0112】
また、転写紙Pに転写されたトナー像において、トナー11と、レーザ出力位置、つまり、加熱局部との位置ずれの許容範囲を広げるために、予め、マージンとして、上記画像情報に対するトナー量よりも10%多い量のトナー11を上記転写紙Pに載せた。より具体的には、感光体1においてトナー11の現像時に、通常の画像情報(原稿情報)よりも多く印字を行うことで、上記転写紙Pへのトナー像の転写に際し、転写紙Pにおいてトナー11が付着した面積の割合を、上記画像情報に対してトナー11が付着されるよりも10%大きくした。これにより、画像の安定化を図ることができた。
【0113】
以上のように、本実施の形態によれば、着色材料供給工程において、画像情報に対するトナー量よりも多い量のトナー量が転写紙Pに供給されることで、トナー11と加熱領域、例えばレーザ出力位置との位置ずれの許容範囲を広げることができ、安定した発色を得ることができる。
【0114】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について、図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において、実施の形態1、2における構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。本実施の形態では、前記実施の形態1、2との相違点について説明するものとする。
【0115】
本実施の形態にかかる画像形成装置は、実施の形態1または2に記載の画像形成装置において、定着部20に、レーザ光照射装置21に代えて、レーザ光出力部に2つの半導体レーザ42・42(加熱手段)を備えたマルチレーザとしてのレーザ光照射装置41を備えている。
【0116】
これにより、本実施の形態では、転写ローラ2によって転写紙P上に転写されたトナー11を、2つの半導体レーザ42・42によって同時に1ドットライン毎にずらして同時に加熱を行った。この結果、加熱時間を半分に短縮することができ、加熱時間の短縮化(高速化)を図ることができた。
【0117】
なお、本実施の形態では、加熱手段として、2つの半導体レーザ42・42を用いたが、本発明は、これに限定されるものではなく、3つあるいはそれ以上の半導体レーザを用いてもよい。
【0118】
このように上記トナー11の加熱が、複数のレーザ光照射手段を用いて、例えば同時に1ドットライン毎にずらして同時に行われることにより、加熱時間の短縮化図ることができる。
【0119】
なお、本実施の形態でも、上記加熱手段としては、半導体レーザに限定されるものではなく、例えば加熱ヘッド等、局部的な加熱が可能なものであれば、特に限定されるものではない。また、加熱方法としては、異なる部位(局部)を同時に加熱することができればよく、必ずしも1ドットライン毎にずらすものに限定されない。但し、コレステリック液晶材料は、熱に対して可逆的に構造を変化させることから、所望の色を得るためには、できるだけ短時間で上記コレステリック液晶材料のガラス転移温度以下の温度まで冷却を行うことが好ましく、複数の加熱手段を用いる場合であっても、加熱から冷却までの時間ができるだけ短くなるように、上記加熱手段と冷却手段との位置関係並びに加熱方法や加熱位置が設定されることが望ましい。
【0120】
また、上記転写紙Pへのトナー11の定着時に、局部毎に、トナー11を所望の色に呈色させる方法としては、前記実施の形態1同様、レーザ光の照射時間を加熱局部毎に制御してもよく、例えば、レーザ出力の異なる複数の半導体レーザ(レーザ光照射手段)でそれぞれ異なる熱量を加えることで、加熱局部毎に温度制御を行い、これによりフルカラー画像を得てもよい。
【0121】
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施の形態について、図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において、実施の形態1〜3における構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。本実施の形態では、前記実施の形態1〜3との相違点、特に、実施の形態1、2との相違点について説明するものとする。
【0122】
本実施の形態にかかる画像形成装置は、実施の形態1または2に記載の画像形成装置において、トナー供給部10から、感光体1、光学系3、除電装置5、クリーニング装置6、帯電装置7を除いた簡素な構成を有している。
【0123】
本実施の形態にかかる画像形成装置は、着色材料供給手段としてのトナー供給部10が、トナー11を転写紙Pの記録領域全面に転写する、中間転写体としての転写ローラ2(転写手段)を備え、該転写ローラ2の周囲に、現像ローラ4a、トナー汲み上げローラ4b、および現像槽4cを備えた現像装置4が設けられた構成を有し、上記現像装置4は、上記転写ローラ2全面にトナー11(現像剤)を付与して、可視像に現像するようになっている。
【0124】
これにより、本実施の形態にかかる画像形成装置では、現像装置4から中間転写体である転写ローラ2全面にトナー11が現像され、該転写ローラ2から転写紙Pの記録領域全面に転写されたトナー11に対して、所定の画像信号に基づいて、レーザ光照射装置21にて、局部、例えばドット毎に任意の加熱時間にてトナー11の加熱が行なわれ、その後、ペルチェ素子を用いた冷却ローラ22で冷却が行なわれる。
【0125】
上記の画像形成装置を用いて上記した方法により画像形成を行なったところ、本実施の形態においても、高精細な多色のカラー画像を得ることができた。なお、このときの加熱・冷却条件は、実施の形態1と同様に設定した。
【0126】
上記の画像形成装置を用いれば、露光を必要とせず、レーザ光照射装置21による加熱により上記トナー11を画像情報(画像信号)に基づいて任意に呈色することで、露光なしに画像を得ることができる。
【0127】
なお、本実施の形態では、上記転写手段として転写ローラ2を用いたが、これに限定されるものではなく、本実施の形態でも、上記転写ローラに代えて、転写ベルトあるいは転写チャージャ等を用いてもよい。
【0128】
以上のように、本実施の形態にかかる画像形成装置は、着色材料供給手段が、着色材料を記録媒体の記録領域全面に転写する転写手段を備え、加熱手段は、上記記録媒体上に転写された上記着色材料を、画像情報に基づいて局部毎、好適にはドット毎に加熱する構成を有している。
【0129】
また、本実施の形態にかかる画像形成方法は、着色材料供給工程では、上記着色材料が記録媒体の記録領域全面に供給される方法である。
【0130】
上記の構成並びに方法によれば、上記着色材料の加熱に先立って予め上記着色材料を、上記記録媒体の記録領域全面に供給し、この記録媒体の記録領域全面に供給された着色材料を、画像情報に基づいて局部毎、好適にはドット毎に加熱することで、感光体1や、画像情報を記録するための光学系3や帯電装置7等の、像担持体や、画像情報を記録するための光学装置等を用いずに、簡素な構成にて、容易かつ安価に高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができる。また、上記の構成並びに方法によれば、上記像担持体や、画像情報を記録するための光学装置等を無くすことを可能にし、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0131】
なお、本発明は、実施の形態1〜3に記載した事項のみに限定されるものではなく、実施の形態1〜3に記載した各構成を、適宜、組み合わせて用いることができる。
【0132】
【発明の効果】
本発明にかかる画像形成装置は、以上のように、液晶状態で加熱温度に応じた干渉色を呈し、冷却することにより、上記加熱温度に応じた干渉色にて固定されるコレステリック液晶材料を主成分とする着色材料を用いて記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、上記記録媒体上に上記着色材料を供給する着色材料供給手段と、上記記録媒体上に供給された着色材料を局部毎に加熱する加熱手段と、上記加熱手段により加熱された着色材料を冷却して、該着色材料を加熱温度に応じた干渉色にて上記記録媒体上に固定、定着させる冷却手段とを備え、上記加熱手段による上記着色材料の定着時の加熱温度は、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すように上記加熱手段による加熱局部毎に制御され、上記加熱手段がレーザ光照射手段であり、上記レーザ光照射手段によるレーザ光の照射時間を該レーザ光照射手段による加熱局部毎に制御することで上記着色材料の加熱温度が上記加熱局部毎に制御されている構成である。
【0133】
上記の構成によれば、当該画像形成装置が上記した加熱手段および冷却手段を備え、上記加熱手段による上記着色材料の定着時の加熱温度が、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すように加熱局部毎に制御されていることで、上記着色材料の定着時に、局部毎に、画像情報に基づく所望の色に呈色された高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができるという効果を奏する。
【0134】
しかも、上記の構成によれば、コレステリック液晶材料を用いてカラー画像を得る従来の電子写真装置等の画像形成装置のように、マルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成するために、一旦得られたカラー画像、例えばコピー後のカラー画像を再加熱する必要がなく、また、染料や顔料等の着色剤を用いてカラー画像を得る従来のカラー画像形成装置のように複数の現像槽を必要としないことから、簡単な構成でマルチカラーもしくはフルカラー画像を得ることができる。このため、装置の小型化、低価格化を図ることができるという効果を併せて奏する。
【0135】
また、上記加熱手段がレーザ光照射手段であるため、上記記録媒体上の着色材料を非接触で加熱することができ、しかも高解像度化も可能となる。また、同時に、上記記録媒体上への着色材料の定着のための着色材料の溶融を行うことができるという効果を奏する。 また、上記レーザ光照射手段によるレーザ光の照射時間を該レーザ光照射手段による加熱局部毎に制御することで上記着色材料の加熱温度が上記加熱局部毎に制御されている。それゆえ、上記加熱局部毎に上記着色材料を任意に呈色させることができるため、簡単な構造で高精細なフルカラー印字を可能とする画像形成装置を提供することができるという効果を奏する。
【0136】
本発明にかかる画像形成装置は、以上のように、上記加熱手段は上記着色材料をドット毎に加熱可能であり、上記加熱手段による上記着色材料の定着時の加熱温度は、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すようにドット毎に制御されている構成である。
【0137】
上記の構成によれば、上記制御がドット毎に行なわれることから、より高精細なフルカラー印字を行うことが可能な画像形成装置を提供することができるという効果を奏する。
【0138】
本発明にかかる画像形成装置は、以上のように、上記冷却手段がペルチェ素子を備えている構成である。
【0139】
上記の構成によれば、上記冷却手段にペルチェ素子を用いることにより、簡易な構成で、加熱した着色材料を上記コレステリック液晶材料のガラス転移温度以下の温度、例えば0℃まで冷却することができるという効果を奏する。
【0140】
本発明にかかる画像形成装置は、以上のように、上記着色材料供給手段は、静電潜像に上記着色材料を付与して表面に上記着色材料からなる像を形成する像担持体と、上記像担持体表面に形成された着色材料からなる像を上記記録媒体に転写する転写手段とを備え、上記加熱手段は、上記記録媒体上に転写された上記着色材料からなる像を、画像情報に基づいて局部毎、好適にはドット毎に加熱する構成である。
【0141】
上記の構成によれば、上記着色材料の定着時に、局部毎、好適にはドット毎に、画像情報に基づく色に呈色された高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができると共に、簡単な構成でマルチカラーもしくはフルカラー画像を得ることができる、電子写真式のフルカラー対応の画像形成装置を提供することができるという効果を奏する。また、上記画像形成装置は、1種類の着色材料で高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができ、従来の電子写真装置等の電子写真式の画像形成装置に比べて装置を大幅に簡素化、小型化することができるという効果を奏する。
【0142】
本発明にかかる画像形成装置は、以上のように、上記着色材料供給手段は、上記着色材料を上記記録媒体の記録領域全面に転写する転写手段を備え、上記加熱手段は、上記記録媒体上に転写された上記着色材料を、画像情報に基づいて局部毎、好適にはドット毎に加熱する構成である。
【0143】
それゆえ、像担持体や、画像情報を記録するための光学装置等を用いずに、簡単な構造で、高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができるので、像担持体や、画像情報を記録するための光学装置等を無くすことを可能にし、装置本体を大幅に小型化することができるという効果を奏する。
【0144】
本発明にかかる画像形成方法は、以上のように、液晶状態で加熱温度に応じた干渉色を呈し、冷却することにより、上記加熱温度に応じた干渉色にて固定されるコレステリック液晶材料を主成分とする着色材料を用いて記録媒体上に画像を形成する画像形成方法において、上記記録媒体上に上記着色材料を供給する着色材料供給工程と、上記記録媒体上に供給された着色材料を局部毎、好適にはドット毎に加熱する着色材料加熱工程と、上記着色材料加熱工程において加熱された着色材料を冷却して、該着色材料を、加熱温度に応じた干渉色にて上記記録媒体上に定着させる着色材料冷却工程とを備え、上記着色材料加熱工程における上記着色材料の加熱温度は、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すように、加熱局部毎、好適にはドット毎に制御され、上記着色材料加熱工程では、上記着色材料の加熱が、レーザ光照射手段によるレーザ光の走査により行われ、上記レーザ光照射手段によるレーザ光の照射時間を該レーザ光照射手段による加熱局部毎に制御することで上記着色材料の加熱温度が上記加熱局部毎に制御されている方法である。
【0145】
上記の方法によれば、上記記録媒体上に供給された着色材料を、画像情報に基づいて、所望の干渉色を示す温度まで局部毎、好適にはドット毎に加熱し、この加熱された着色材料を冷却して、該着色材料を加熱温度に応じた干渉色にて上記記録媒体上に定着させることで、上記着色材料の定着時に、局部毎、好適にはドット毎に、画像情報に基づく色に呈色された高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができるという効果を奏する。
【0146】
しかも、上記の方法によれば、コレステリック液晶材料を用いてカラー画像を得る従来の電子写真装置等の画像形成装置を用いる場合のように、多色カラー画像を形成するために、例えばコピー後、得られたカラー画像を再加熱する必要がなく、コレステリック液晶材料を用いて、従来よりも簡単にマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができる。また、上記の方法によれば、コレステリック液晶材料を用いた従来の画像形成装置を用いて多色カラー画像を得る場合に必要になる別の加熱手段や、染料や顔料を用いた従来の画像形成装置を用いて多色カラー画像を得る場合に必要になる、各色に対応する複数の現像槽を必要とせず、画像形成装置の小型化並びに低価格化を図ることができるという効果を併せて奏する。
【0147】
また、上記着色材料の加熱が、レーザ光照射手段によるレーザ光の走査により行われる方法であるため、上記着色材料を非接触で加熱することができ、しかも高解像度化も可能となる。また、同時に、上記記録媒体上への着色材料の定着のための着色材料の溶融を行うことができるという効果を奏する。
【0148】
また、上記の画像形成方法は、以上のように、上記着色材料の加熱がドット毎に行われ、上記着色材料加熱工程における上記着色材料の加熱温度は、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すようにドット毎に制御されている方法である。
【0149】
上記の方法によれば、上記着色材料の定着時の加熱温度が、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すようにドット毎に制御されていることで、より高精細なフルカラー印字を行うことができるという効果を奏する。
【0150】
本発明にかかる画像形成方法は、以上のように、上記着色材料の加熱が、複数のレーザ光照射手段を用いて行われる方法である。
【0151】
上記の方法によれば、複数のレーザ光照射手段を用いて、例えば同時に1ドットライン毎にずらして同時に上記着色材料を加熱することにより、加熱時間の短縮化図ることができるという効果を奏する。
【0152】
本発明にかかる画像形成方法は、以上のように、上記着色材料供給工程では、上記記録媒体上で上記着色材料が付着される面積が、上記画像情報に基づいて画像が定着される面積よりも大きくされる方法である。
【0153】
上記の方法によれば、予め、マージンとして、上記画像情報に対する着色材料量よりも多い量の着色材料を上記記録媒体に供給することで、着色材料と加熱領域、例えばレーザ出力位置との位置ずれの許容範囲を広げることができ、安定した発色を得ることができるという効果を奏する。
【0154】
本発明にかかる画像形成方法は、以上のように、上記着色材料供給工程では、上記着色材料が上記記録媒体の記録領域全面に供給される方法である。
【0155】
上記の方法によれば、上記着色材料の加熱に先立って予め上記着色材料を上記記録媒体の記録領域全面に供給し、この記録媒体の記録領域全面に供給された着色材料を、画像情報に基づいて局部毎に加熱することで、像担持体や、画像情報を記録するための光学装置等を用いずに、簡素な構成にて、容易かつ安価に高精細なマルチカラーもしくはフルカラー等の多色カラー画像を形成することができる。また、上記の方法によれば、像担持体や、画像情報を記録するための光学装置等を無くすことを可能にし、画像形成装置の小型化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態にかかる画像形成装置の主要部の構成を模式的に示す概略構成図である。
【図2】 上記画像形成装置におけるレーザ光照射装置の制御について説明するブロック図である。
【図3】 本発明の実施の一形態において用いたトナーの急速冷却開始温度とその干渉色との関係を示すグラフである。
【図4】 本発明の他の実施の形態にかかる画像形成装置の主要部の構成を模式的に示す概略構成図である。
【図5】 本発明のさらに他の実施の形態にかかる画像形成装置の主要部の構成を模式的に示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
2 転写ローラ(転写手段)
3 光学系
4 現像装置
4a 現像ローラ
4b トナー汲み上げローラ
4c 現像槽
5 除電装置
6 クリーニング装置
7 帯電装置
10 トナー供給部(着色材料供給手段)
11 トナー(着色材料)
20 定着部
21 レーザ光照射装置(加熱手段)
22 冷却ローラ(冷却手段)
31 制御部
32 画像メモリ
41 レーザ光照射装置
42 半導体レーザ(加熱手段)
P 転写紙(記録媒体)
Claims (10)
- 液晶状態で加熱温度に応じた干渉色を呈し、冷却することにより、上記加熱温度に応じた干渉色にて固定されるコレステリック液晶材料を主成分とする着色材料を用いて記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
上記記録媒体上に上記着色材料を供給する着色材料供給手段と、
上記記録媒体上に供給された着色材料を局部毎に加熱する加熱手段と、
上記加熱手段により加熱された着色材料を冷却して、該着色材料を加熱温度に応じた干渉色にて上記記録媒体上に固定、定着させる冷却手段とを備え、
上記加熱手段による上記着色材料の定着時の加熱温度は、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すように上記加熱手段による加熱局部毎に制御され、
上記加熱手段がレーザ光照射手段であり、上記レーザ光照射手段によるレーザ光の照射時間を該レーザ光照射手段による加熱局部毎に制御することで上記着色材料の加熱温度が上記加熱局部毎に制御されていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記加熱手段は上記着色材料をドット毎に加熱可能であり、
上記加熱手段による上記着色材料の定着時の加熱温度は、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すようにドット毎に制御されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 上記冷却手段がペルチェ素子を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 上記着色材料供給手段は、
静電潜像に上記着色材料を付与して表面に上記着色材料からなる像を形成する像担持体と、
上記像担持体表面に形成された着色材料からなる像を上記記録媒体に転写する転写手段とを備え、
上記加熱手段は、上記記録媒体上に転写された上記着色材料からなる像を、画像情報に基づいて局部毎に加熱することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。 - 上記着色材料供給手段は、上記着色材料を上記記録媒体の記録領域全面に転写する転写手段を備え、
上記加熱手段は、上記記録媒体上に転写された上記着色材料を、画像情報に基づいて局部毎に加熱することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。 - 液晶状態で加熱温度に応じた干渉色を呈し、冷却することにより、上記加熱温度に応じた干渉色にて固定されるコレステリック液晶材料を主成分とする着色材料を用いて記録媒体上に画像を形成する画像形成方法において、
上記記録媒体上に上記着色材料を供給する着色材料供給工程と、
上記記録媒体上に供給された着色材料を局部毎に加熱する着色材料加熱工程と、
上記着色材料加熱工程において加熱された着色材料を冷却して、該着色材料を、加熱温度に応じた干渉色にて上記記録媒体上に定着させる着色材料冷却工程とを備え、
上記着色材料加熱工程における上記着色材料の加熱温度は、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すように、加熱局部毎に制御され、
上記着色材料加熱工程では、上記着色材料の加熱が、レーザ光照射手段によるレーザ光の走査により行われ、上記レーザ光照射手段によるレーザ光の照射時間を該レーザ光照射手段による加熱局部毎に制御することで上記着色材料の加熱温度が上記加熱局部毎に制御されていることを特徴とする画像形成方法。 - 上記着色材料の加熱がドット毎に行われ、
上記着色材料加熱工程における上記着色材料の加熱温度は、上記着色材料が画像情報に基づく所望の干渉色を示すようにドット毎に制御されていることを特徴とする請求項6記載の画像形成方法。 - 上記着色材料の加熱が、複数のレーザ光照射手段を用いて行われることを特徴とする請求項6記載の画像形成方法。
- 上記着色材料供給工程では、上記記録媒体上で上記着色材料が付着される面積が、上記画像情報に基づいて画像が定着される面積よりも大きくされることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 上記着色材料供給工程では、上記着色材料が上記記録媒体の記録領域全面に供給されることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の画像形成方法。
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