JP2009109811A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効果的に除電を行いつつも、ネガゴーストの発生を有効に抑制することができる画像形成装置及びそれを用いた画像形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも結着樹脂と、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、を含む感光層を有した正帯電単層型電子写真感光体を備えるとともに、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、除電手段と、を備えた画像形成装置及び画像形成方法であって、電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニンを用いるとともに、感光層の膜厚を20〜50μmの範囲内の値とし、かつ、除電手段から照射される除電光の波長を800nm以上の値とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関する。特に、除電工程を実施することにより発生しやすくなるネガゴーストの発生を有効に抑制できる画像形成装置及び画像形成方法に関する。
従来、複写機やプリンタ等の電子写真方式を採用した画像形成装置においては、安全性や加工容易性の観点から、有機材料からなる感光層を備えた有機感光体が広く用いられている。
かかる有機感光体には、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送剤を含有する電荷輸送層と、を積層してなる積層型電子写真感光体と、同一層内に電荷発生剤及び電荷輸送剤を含有してなる単層型電子写真感光体と、が存在する。
また、上述した電荷輸送剤には、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、が存在するが、電子輸送剤においては、未だ十分な電子輸送能力を有する化合物が開発されていない。
したがって、一般的に積層型電子写真感光体は、電荷輸送剤として正孔輸送剤を使用することとなるため、その帯電型は負帯電型となる。
ところが、電子写真感光体を負帯電させる場合、正帯電させる場合と比較して、著しくオゾン等が発生することとなるため、感光層の劣化が生じやすくなったり、人体への悪影響等が生じやすくなったりするという問題が見られる。
この点、単層型電子写真感光体であれば、感光層に対して正孔輸送剤及び電子輸送剤を含有させることができることから、容易に正帯電させることができるため、このような帯電時におけるオゾン発生の問題を、効果的に解決することができる。
しかしながら、このような正帯電単層型電子写真感光体においては、電子輸送剤の電子輸送能が不十分であることに起因して、感光層内に残留電荷が発生しやすくなるため、帯電電位が低下したり、露光メモリが発生しやすくなったりするという問題が見られた。
そこで、かかる残留電荷を効率的に除去するための除電方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
すなわち、特許文献1では、所定の単層型電子写真感光体の除電において、感光層の可視部極大吸収波長±10nmの光を発光する発光ダイオード光の照射を用いることを特徴とする方法が開示されている。
また、特許文献2では、除電手段から発せられる光の波長を、感光体膜、または感光体膜に含まれる電荷発生材料の吸光度特性における最大吸光度の半値幅の範囲にある波長とすることを特徴とする方法が開示されている。
さらに、特許文献3では、所定の単層型電子写真感光体の除電において、露光光源の波長λ0と、除電光波長λ1とが、λ0−200nm≦λ1≦780nmの関係を満足することを特徴とする方法が開示されている。
そして、確かに、これらの特許文献1〜3に開示された除電方法であれば、除電効率を向上させて、帯電電位の低下や露光メモリの発生をある程度抑制することができる。
特許3257910号公報(特許請求の範囲) 特開平7−234618号公報(特許請求の範囲) 特開2001−350329号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献1〜3に開示された除電方法であっても、感光層の深層における残留電荷を除去することは困難であった。
その結果、特に、感光層の膜厚を厚く構成した場合や、画像形成速度が高速化された場合には、除電光によって発生した電荷が、感光層の深層における残留電荷によって移動しにくくなり、感光層における帯電電位が不均一となるという問題が生じていた。
そして、感光層における帯電電位が不均一となる結果、形成画像における対応箇所において、画像濃度が僅かに低下する現象(以下、ネガゴーストと称する)が発生しやすくなり、特にフルカラー画像を形成した場合には、かかるネガゴーストが目立ちやすくなるという問題が、新たに生じていた。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、正帯電単層型電子写真感光体を搭載した画像形成装置において、電荷発生剤として特定の化合物を用いるとともに、感光層の膜厚を所定の範囲とし、かつ、除電手段から照射される除電光の波長を所定の範囲とすることによって、効果的に除電を行うことができる一方で、ネガゴーストの発生についても効果的に抑制することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の目的は、効果的に除電を行いつつも、ネガゴーストの発生を有効に抑制することができる画像形成装置及びそれを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明によれば、少なくとも結着樹脂と、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、を含む感光層を有した正帯電単層型電子写真感光体を備えるとともに、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、除電手段と、を備えた画像形成装置であって、電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニンを用いるとともに、感光層の膜厚を20〜50μmの範囲内の値とし、かつ、除電手段から照射される除電光の波長を800nm以上の値とすることを特徴とする画像形成装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、除電光の波長を、特定の電荷発生剤における吸収ピークよりも長波長側である800nm以上の値とすることにより、露光により発生した残留電荷を効果的に除電しつつも、除電光自体により発生する電荷の分布を均一化して、ネガゴーストの発生を有効に抑制することができる。
したがって、残留電荷が発生しやすい正帯電単層型電子写真感光体であって、感光層の膜厚が所定の厚さであるにもかかわらず、効果的に除電を行いつつも、ネガゴーストの発生を有効に抑制することができる。
また本発明の画像形成装置を構成するにあたり、感光層における除電光に対する吸光度の値(X)と、露光光に対する吸光度の値(Y)とが、下記関係式(1)を満足することが好ましい。
0.05≦X/Y≦0.5 (1)
このように構成することにより、感光層の深層にまで除電光を到達させつつも、電荷発生剤から除電に十分な量の電荷を発生させることができる。
したがって、効果的に除電を行いつつも、ネガゴーストの発生をより有効に抑制することができる。
また、本発明の画像形成装置を構成するにあたり、除電光の照射量を1〜10μJ/cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、除電効果と、ネガゴーストの抑制効果と、のバランスを、さらに向上させることができる。
また、本発明の画像形成装置を構成するにあたり、除電手段において使用される除電光源が、LEDであることが好ましい。
このように構成することにより、除電光の波長を容易に所定の範囲内の値に調節することができる。
また、本発明の画像形成装置を構成するにあたり、露光手段から照射される露光光の波長を550〜790nmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、電荷発生剤から電荷を効率的に発生させて、感光層表面において鮮明な静電潜像を形成することができる。
一方、電荷が効率的に発生することから、必然的に残留電荷も発生しやすくなるが、本発明であれば、かかる残留電荷にかかわらず、ネガゴーストの発生を効果的に抑制することができる。
また、本発明の画像形成装置を構成するにあたり、感光層におけるX型無金属フタロシアニンの添加量を、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、除電効果と、ネガゴーストの抑制効果と、のバランスを、さらに向上させることができるばかりか、より鮮明な静電潜像を形成することができる。
また、本発明の画像形成装置を構成するにあたり、基体の外径を10〜40mmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、電子写真感光体の回転数が増加して、ネガゴーストが発生しやすくなるものの、本発明であれば、かかるネガゴーストの発生を有効に抑制することができる。
したがって、画像形成装置の小型化に資することができる。
また、本発明の画像形成装置を構成するにあたり、画像形成装置が、フルカラー画像形成装置であることが好ましい。
このように構成することにより、形成画像における色の濃淡が目立ちやすくなる結果、ネガゴーストが発生しやすくなるが、本発明であれば、かかるネガゴーストの発生を有効に抑制することができる。
したがって、高品質なフルカラー画像を安定的に形成することができる。
また、本発明の別の態様は、少なくとも結着樹脂と、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、を含む感光層を有した正帯電単層型電子写真感光体に対して、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と、除電工程と、を実施することにより、被転写体に対して画像を形成するための画像形成方法であって、電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニンを用いるとともに、感光層の膜厚を20〜50μmの範囲内の値とし、かつ、除電工程において照射される除電光の波長を800nm以上の値とすることを特徴とする画像形成方法である。
すなわち、本発明の画像形成方法であれば、特定の電荷発生剤を含有するとともに、所定の膜厚を有する正帯電単層型電子写真感光体に対して、除電工程として、所定の波長を有する除電光を照射することから、効果的に除電を行いつつも、ネガゴーストの発生を有効に抑制することができる。
また本発明の画像形成方法を実施するにあたり、感光層における除電光に対する吸光度の値(X)と、露光光に対する吸光度の値(Y)とが、下記関係式(1)を満足することが好ましい。
0.05≦X/Y≦0.5 (1)
このように実施することにより、感光層の深層にまで除電光を到達させつつも、電荷発生剤から除電に十分な量の電荷を発生させることができる。
したがって、効果的に除電を行いつつも、ネガゴーストの発生をより有効に抑制することができる。
また、本発明の画像形成方法を実施するにあたり、正帯電単層型電子写真感光体の線速を150〜300mm/sec.の範囲内の値とすることが好ましい。
このように実施することにより、電子写真感光体の回転数が増加して、ネガゴーストが発生しやすくなるものの、本発明であれば、かかるネガゴーストの発生を有効に抑制することができる。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態は、少なくとも結着樹脂と、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、を含む感光層を有した正帯電単層型電子写真感光体を備えるとともに、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、除電手段と、を備えた画像形成装置であって、電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニンを用いるとともに、感光層の膜厚を20〜50μmの範囲内の値とし、かつ、除電手段から照射される除電光の波長を800nm以上の値とすることを特徴とする画像形成装置である。
以下、第1の実施形態としての画像形成装置について、各構成要件ごとに、具体的に説明する。
1.基本的構成
画像形成装置は、少なくとも後述する正帯電単層型電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、除電手段から構成してある。
以下、具体例として、図1に示すフルカラー画像形成装置10を挙げて、本発明の画像形成装置における基本的構成を説明する。
すなわち、フルカラー画像形成装置10は、無端状ベルト(搬送ベルト)15を備えており、この無端状ベルト15は給紙カセット18から給紙された記録紙を定着手段20に向かって搬送するように構成されている。また、無端状ベルト15の上側には、マゼンタ用現像手段11M、シアン用現像手段11C、イエロー用現像手段11Y、及びブラック用現像手段11BKが、それぞれ記録紙の搬送方向に沿って配置されている。
また、現像ローラ12M〜12BKに対面して、それぞれ正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BKが配置されている。また、これら正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BKの周囲には、それぞれ正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BKの表面を帯電させるための帯電手段14M〜14BK及び正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BK表面に静電潜像を形成するための露光手段15M〜15BK等が配置されている。
したがって、各色に対応した正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BK上に形成された静電潜像は、各色に対応した現像手段11M〜11BKによってそれぞれ現像されることとなる。
また、無端状ベルト15で搬送されてくる記録紙上に、順次、各色現像剤像を転写するための転写手段16M〜16BKが、無端状ベルト15を介してそれぞれの正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BKの反対側に配置されている。
次いで、各色現像剤像を転写した後の正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BK上に残留した未転写現像剤を除去するためのクリーニングブレード22M〜22BK、を有するクリーニング装置23M〜23BKが、像担持体13M〜13BKの周囲に配置されている。
さらに、クリーニング手段23M〜23BKの下流側には、静電潜像を形成した際に、正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BKの感光層中に発生した残留電荷を除電するための除電手段24M〜24BKが配置されている。
このように、画像形成装置をフルカラー画像形成装置として構成した場合、形成画像における色の濃淡が目立ちやすくなる結果、ネガゴーストが発生しやすくなるが、後述するように、本発明であれば、かかるネガゴーストの発生を有効に抑制することができる。
したがって、高品質なフルカラー画像を安定的に形成することができる。
2.除電手段
(1)除電光の波長
本発明においては、図1に示す除電手段24M〜24BKから照射される除電光の波長を800nm以上の値とすることを特徴とする。
この理由は、除電光の波長を、電荷発生剤としてのX型無金属フタロシアニンの吸収ピークよりも長波長側である800nm以上の値とすることにより、露光光により感光層中に生じた残留電荷を効果的に除電しつつも、除電光自体により感光層中において発生する電荷の分布を均一化して、ネガゴーストの発生を有効に抑制することができるためである。
すなわち、除電光の波長を所定の範囲とすることにより、除電光が電荷発生剤に過度に吸収されることなく、感光層の深層にまで到達することができるためである。
したがって、露光光による残留電荷を除電しつつも、感光層の表層から深層に至るまで、電荷の分布を均一化することができる。
その結果、感光層の深層における残留電荷と、除電光により感光層の表層から中層において発生した電荷と、の相互作用によって引き起こされると考えられているネガゴーストの発生を有効に抑制することができる。
次いで、図2及び3を用いて、ネガゴーストの発生機構、及び抑制機構について、具体的に説明する。
まず、図2(a)は、従来の除電を行った場合の感光層内における電荷の分布を示している。
すなわち、従来の除電では、除電効率を向上させるために、電荷発生剤による吸収が大きい波長の除電光を用いていた。
例えば、図3においては、電荷発生剤としてのX型無金属フタロシアニンの光吸収スペクトルを示しているが、かかる化合物において効率的に吸収される波長は、550〜790nmの範囲であることがわかる。
したがって、従来の除電では、電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニンを用いた場合であれば、例えば、図2(a)に示すように、630nmの除電光を用いて除電を行っていた。
しかしながら、このような波長の除電光を用いた場合、除電光が電荷発生剤に吸収されやすいため、除電光を感光層の深層にまで到達させることは困難となる。
したがって、図2(a)に示すように、除電光により発生する電荷312は、感光層304の表層から中層に限られることとなる。
もちろん、露光光による残留電荷310は、一般に感光層304の表層から中層において発生するため、従来の除電であっても十分に除電効果を得ることは可能である。
したがって、一般に露光光による残留電荷310及び除電光により発生した電荷312は、感光層表面への帯電により、均一に打ち消されるとともに、感光層表面が均一に正帯電されることとなる。
しかしながら、露光光の一部は、感光層304の深層にまで到達して、残留電荷310´を感光層304の深層において発生させる場合があることが知られている。
そして、感光層304の深層における残留電荷310´は、除電光により発生した正電荷を打ち消すため、除電光により発生した負電荷312が感光層の表面に移動することを阻害する。
その結果、特に、感光層の膜厚を厚く構成した場合や、画像形成速度が高速化された場合には、感光層表面への帯電によっても、感光層表面を均一に正帯電させることが困難となるため、中でも形成画像における色の濃淡が目立ちやすくなるフルカラー画像においては、ネガゴーストが発生しやすくなるものと考えられている。
一方、図2(b)に示すように、除電光の波長を800nm以上の値、例えば、880nmとした場合には、除電光が電荷発生剤に過度に吸収されることなく、感光層304の深層にまで到達することができる。
その結果、感光層304の表層から深層に至るまで、電荷310、310´及び312の分布を均一化することができる。
したがって、感光層表面への帯電によって、感光層表面を均一に正帯電させることができ、ネガゴーストの発生を抑制することができる。
なお、図2(a)〜(b)中、感光層中の正電荷については、正孔輸送剤が電子輸送剤よりも電荷輸送能に優れることから、比較的効率的に移動させることができるため、便宜的に記載を省略し、感光層中に残留して残留電荷となりやすい負電荷のみを記載している。
また、ネガゴーストが発生した画像の模式図を、図4に示す。
すなわち、形成画像501において、電子写真感光体における前周回形成画像502に相当する部分の画像濃度が僅かに低下し、ネガゴースト503が発生することとなる。
これは、図2(a)を用いて説明したように、前周回画像形成における露光光により発生した感光層の深層における残留電荷と、その後の除電光により発生した電荷との相互作用により、感光層表面の帯電状態が不均一となることが原因であると考えられている。
(2)照射量
また、除電光の照射量を1〜10μJ/cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、除電光の照射量をかかる範囲とすることにより、除電効果と、ネガゴーストの抑制効果と、のバランスを、さらに向上させることができるためである。
すなわち、除電光の照射量が1μJ/cm2未満の値となると、除電光が感光層の深層にまで到達しにくくなる場合があるためである。一方、除電光の照射量が10μJ/cm2を超えた値となると、除電光により発生する電荷が過度に多くなって、電子写真感光体の感度特性が低下する場合があるためである。
したがって、除電光の照射量を1.5〜9μJ/cm2の範囲内の値とすることがより好ましく、2〜8μJ/cm2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)種類
本発明において使用される除電手段の種類は、特に制限されるものではなく、例えば、以下に示すような種類の除電手段を使用することができる。
・LEDチップアレイタイプ(長手方向にLEDチップを複数個並べたもの)
・ヒューズランプタイプ(白色光)
・ライトガイドタイプ
なお、除電手段において使用される除電光源が、LEDであることが、より好ましい。
この理由は、LEDであれば、除電光の波長を容易に所定の範囲に調節することができるばかりか、安価であり、経済的にも有利となるためである。
したがって、上述した除電手段の種類のうち、LEDチップアレイタイプの除電手段を使用することがより好ましい。
また、発光ダイオードとしては、GaAs、GaAs1-x、Px、GaP、Alx、Ga1-x、As等のPN接合型ダイオードの内、任意の発光ダイオードを使用することができる。
3.電子写真感光体
(1)種類
本発明の画像形成装置においては、図1に示す電子写真感光体13M〜13BKが、正帯電単層型電子写真感光体であることを特徴とする。
この理由は、単層型電子写真感光体であれば、一般に積層型電子写真感光体においては困難な帯電型である、正帯電型として構成することができ、帯電工程におけるオゾン等の発生を効果的に抑制することができるためである。
一方、正帯電単層型電子写真感光体においては、未だ電子輸送剤の電子輸送能が不十分であることに起因して、感光層内に残留電荷が発生しやすい傾向があるため、従来の除電方法を実施した場合には、ネガゴーストが発生しやすくなる。
この点、本発明においては、除電手段の項において詳述したように、除電光の波長を所定の範囲としていることから、電子写真感光体として正帯電単層型電子写真感光体を採用しているにもかかわらず、ネガゴーストの発生を有効に抑制することができる。
(2)基本的構成
図5(a)に示すように、本発明における正帯電単層型電子写真感光体13は、基体302上に単一の感光層304を設けたものである。
また、かかる感光層は、少なくとも結着樹脂と、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、を含んでいる。
また、本発明の単層型電子写真感光体は、図5(b)に示すように、基体302と感光層304との間に、感光体の特性を阻害しない範囲で中間層306が形成されている正帯電単層型電子写真感光体13´でもよい。
(3)基体
また、基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば、アルミニウム等の金属、金属が蒸着等されたプラスチック材料、あるいはカーボンブラック等の導電性微粒子を分散してなるプラスチック材料等が挙げられる。
また、基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよい。
また、基体の形状をドラム状とする場合には、その外径を、10〜40mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、基体の外径をかかる範囲とすることにより、電子写真感光体の回転数が増加して、ネガゴーストが発生しやすくなるものの、本発明であれば、かかるネガゴーストの発生を有効に抑制することができるためである。
したがって、基体の外径を15〜30mmの範囲内の値とすることがより好ましく、20〜25mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)感光層
本発明においては、感光層に含有される電荷発生剤として、下記式(1)で表されるX型無金属フタロシアニンを用いることを特徴とする。
この理由は、電荷発生剤の種類をX型無金属フタロシアニンに限定し、かつ、除電手段の項において詳述したように、除電光の波長を所定の範囲とすることにより、電荷発生剤により吸収される除電光の割合を調節して、感光層の深層にまで除電光を到達させることができるためである。
また、言うまでもなく、X型無金属フタロシアニンであれば、露光光によって、効率的に電荷を発生させることができるため、感光層表面において鮮明な静電潜像を形成することができる。
また、電荷発生剤以外の感光層の構成材料については、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の材料を用いることができる。
例えば、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂及びポリアリレート樹脂等が挙げられる。
また、正孔輸送剤としては、例えば、トリフェニルアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物及びエナミン系化合物等が挙げられる。
さらに、電子輸送剤としては、例えば、キノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、フルオレノン系化合物等が挙げられる。
また、電荷発生剤としてのX型無金属フタロシアニンの添加量を、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、電荷発生剤としてのX型無金属フタロシアニンの添加量をかかる範囲とすることにより、除電効果と、ネガゴーストの抑制効果と、のバランスを、さらに向上させることができるためである。
すなわち、X型無金属フタロシアニンの添加量が0.5重量部未満の値となると、除電光が感光層の深層にまで到達しやすくなって、ネガゴーストを抑制しやすくなるものの、十分な電荷を発生させることが困難となって、鮮明な静電潜像を形成することが困難となったり、残留電荷の除電効果が不十分となったりする場合があるためである。一方、X型無金属フタロシアニンの添加量が10重量部を超えた値となると、除電光が感光層の深層にまで到達することが困難となって、ネガゴーストを抑制することが困難となる場合があるためである。
したがって、電荷発生剤としてのX型無金属フタロシアニンの添加量を、結着樹脂100重量部に対して1〜7重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、2〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、正孔輸送剤及び電子輸送剤の添加量は、それぞれ結着樹脂100重量部に対して1〜120重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
また、感光層の膜厚を20〜50μmの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、感光層の膜厚をかかる範囲、特に30μm以上の値とした場合、感光層中における電荷の移動距離が大きくなることから、残留電荷が発生しやすくなって、ネガゴーストが発生しやすくなる傾向がある。
一方、本発明であれば、除電手段の項において詳述したように、かかるネガゴーストの発生を有効に抑制することができる。
なお、感光層の膜厚が過度に小さくなると、均等な感光層を形成することが困難となったり、皮膜欠損が生じやすくなる場合がある。逆に、感光層の膜厚が過度に大きくなると、残留電荷が過度に蓄積して、所定の電気特性を得ることが困難となる場合がある。
したがって、感光層の膜厚を22〜40μmの範囲内の値とすることがより好ましく、25〜35μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、感光層の光吸収スペクトルを図示した図6に示すように、感光層における除電光に対する吸光度の値(X)と、露光光に対する吸光度の値(Y)とが、下記関係式(1)を満足することが好ましい。
0.05≦X/Y≦0.5 (1)
この理由は、除電光及び露光光と、感光層の光吸収特性と、の関係が、かかる関係を満足することによって、感光層の深層にまで除電光を到達させつつも、電荷発生剤から除電に十分な量の電荷を発生させることができるためである。
したがって効果的に除電を行いつつも、ネガゴーストの発生を有効に抑制することができるためである。
すなわち、X/Yの値が0.05未満の値となると、除電光が電荷発生剤に対して過度に吸収されにくくなって、除電に必要な電荷を発生させることが困難となるためである。一方、X/Yの値が0.5を超えた値となると、除電光が電荷発生剤に対して過度に吸収されやすくなって、除電光を感光層の深層にまで到達させることが困難となる場合があるためである。
したがって、X/Yの値が、下記関係式(1´)を満足することがより好ましく、下記関係式(1´´)を満足することがさらに好ましい。
0.1≦X/Y≦0.4 (1´)
0.15≦X/Y≦0.35 (1´´)
4.帯電手段
また、図1に示す帯電手段14M〜14BKは放電ワイヤーを含み、正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BKの上方に設置されており、正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BKを一様に帯電させるための装置である。
より具体的には、かかる帯電手段14M〜14BKの種類は、放電ワイヤーを含むスコロトロン、またはコロトロン等の非接触型の帯電装置が挙げられる。
5.露光手段
また、図1に示す露光手段15M〜15BKは、図示しない画像データ入力部から読み取った原稿画像に基づいて、正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BK上に静電潜像を形成させるための装置である。
また、露光手段から照射される露光光の波長は、特に制限されるものではなく、例えば、540nm以下の値や、800nmを超えた値等、電荷発生剤としてのX型無金属フタロシアニンの光吸収効率が比較的低い波長であってもよい。
しかしながら、露光光の波長が過度にX型無金属フタロシアニンの吸収ピークから外れた値となると、電荷発生剤から電荷を効率的に発生させることが困難となるばかりか、露光光によって感光層の深層において発生する残留電荷が増加しやすくなって、ネガゴーストの発生を抑制することが困難となる場合がある。
したがって、露光手段から照射される露光光の波長を550〜790nmの範囲内の値として、除電光の波長範囲である800nm以上の値とは異なる値とすることが好ましい。
すなわち、露光光の波長をかかる範囲とすることにより、電荷発生剤から電荷を効率的に発生させて、感光層表面において鮮明な静電潜像を形成することができる。
一方、電荷が効率的に発生することから、必然的に残留電荷も発生しやすくなるが、本発明であれば、かかる残留電荷にかかわらず、ネガゴーストの発生を効果的に抑制することができる。
したがって、露光手段から照射される露光光の波長を600〜785nmの範囲内の値とすることがより好ましい。
6.現像手段
また、図1に示す現像手段11M〜11BKは、静電潜像が形成された正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BK表面にトナーを供給してトナー像を形成させる装置である。
なお、現像手段は、タンデム型に限定されるものではない。
7.転写手段
また、図1に示す転写手段16M〜16BKは、正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BKのトナー像を用紙に転写するための装置であって、中間転写ベルト15及び転写ローラ16M〜16BKを備えていることが好ましい。
8.クリーニングブレード
また、図1に示すクリーニングブレード22M〜22BKは、正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BKに残留した残留トナーなどの付着物をクリーニングするための装置であって、硬度60〜80度のゴム(例えば、ウレタンゴムなど)からなるブレードが線圧10〜40N/mで正帯電単層型電子写真感光体に圧接していることが好ましい。
9.定着手段
また、定着手段20は、転写されたトナー像を用紙に定着させるための装置である。
すなわち、定着手段20は、紙等の転写部材に対して転写されたトナーを、ヒートロールによって熱融着させる装置である。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、少なくとも結着樹脂と、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、を含む感光層を有した正帯電単層型電子写真感光体に対して、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と、除電工程と、を実施することにより、被転写体に対して画像を形成するための画像形成方法であって、電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニンを用いるとともに、感光層の膜厚を20〜50μmの範囲内の値とし、かつ、除電工程において照射される除電光の波長を800nm以上の値とすることを特徴とする画像形成方法である。
以下、第2の実施形態としての画像形成方法について、フルカラー画像形成装置を用いたフルカラー画像形成方法を例にとって、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
まず、図1に示す画像形成装置10の正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BKを、矢印で示す方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転させた後、その表面を帯電手段14M〜14BKによって所定電位に帯電させる。
次いで、露光手段15M〜15BKにより、画像情報に応じて光変調されながら反射ミラー等を介して、正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BKの表面を露光する。この露光により、正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BKの表面に各色ごとの静電潜像が形成される。
次いで、これらの静電潜像に基づいて、現像手段11M〜11BKにより潜像現像が行われる。この現像手段11M〜11BKの内部にはそれぞれ各色(マゼンタ、シアン、イエロー及び黒色)の現像剤が収納されており、この現像剤が正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BK表面の静電潜像に対応して付着することで、現像剤像が形成される。
また、記録紙は、所定の転写搬送経路に沿って、正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BK下部まで搬送される。このとき、正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BKと転写手段16M〜16BKとの間に、所定の転写バイアスを印加することにより、記録材上に現像剤像を転写することができる。
次いで、現像剤像が転写された後の記録紙は、分離手段(図示せず)によって正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BK表面から分離され、搬送ベルト15によって定着手段20に搬送される。次いで、この定着手段20によって、加熱、加圧処理されて表面に現像剤像が定着された後、排出ローラによって画像形成装置10の外部に排出される。
一方、現像剤像転写後の像担持体13M〜13BKはそのまま回転を続け、正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BK表面に残留した未転写現像剤が、クリーニング手段23M〜23BKに備えられたクリーニングブレード22M〜22BKによって掻き取られる。
また、正帯電単層型電子写真感光体13M〜13BKの感光層中における残留電荷は、除電手段24M〜24BKから照射される除電光によって除去される。この際、本発明においては、第1の実施形態において詳述したように、感光層中における電荷分布が均一となるように制御されているため、ネガゴーストの発生についても有効に抑制することができる。
また、本発明の画像形成方法を実施するにあたり、正帯電単層型電子写真感光体の線速を150〜300mm/sec.の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、正帯電単層型電子写真感光体の線速をかかる範囲とすることにより、電子写真感光体の回転数が増加して、ネガゴーストが発生しやすくなるものの、本発明であれば、かかるネガゴーストの発生を有効に抑制することができるためである。
したがって、正帯電単層型電子写真感光体の線速を160〜250mm/sec.の範囲内の値とすることがより好ましく、165〜200mm/sec.の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、言うまでもないが、以下の説明は本発明を例示するものであり、特に理由なく、本発明の範囲は、以下の説明に限定されるものではない。
[実施例1]
1.正帯電単層型電子写真感光体の製造
撹拌容器内に、電荷発生物質としての式(1)で表されるX型無金属フタロシアニン2.7重量部と、正孔輸送剤としての下記式(2)で表されるスチルベンアミン化合物50重量部と、電子輸送剤としての下記式(3)で表されるキノン系化合物35重量部と、結着樹脂としての平均分子量30000のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂100重量部と、溶剤としてのテトラヒドロフラン700重量部と、を収容した後、ボールミルで50時間混合分散し、塗布液を作成した。次いで、得られた塗布液をアルミ素管からなる基体上にディップコート法にて塗布した後、130℃、45分間の条件で熱風乾燥し、膜厚30μm、直径30mmの正帯電単層型電子写真感光体を得た。
2.吸光度の測定
感光層における除電光に対する吸光度(X)及び露光光に対する吸光度(Y)の測定を行った。
すなわち、正帯電単層型電子写真感光体の製造の際に作成した感光層用の塗布液を、OHPシートに対して膜厚10μmとなるように塗布して、測定資料とした。
次いで、得られた測定資料における除電光(波長:820nm)に対する吸光度(X)及び露光光(波長:780nm)に対する吸光度(Y)を、それぞれ分光光度計(HITACHI(株)製、U−3000 Spectrometer)を用いて測定するとともに、X/Yを算出した。得られた結果を表1に示す。
3.ネガゴーストの評価
得られた正帯電単層型電子写真感光体を用いて、ネガゴーストの評価を行った。
すなわち、得られた正帯電単層型電子写真感光体を、プリンタ(京セラミタ(株)製、LS−5030改造機)に対して組み付け、以下の条件にて、図7に示す黒色画像パターン510を10枚連続で印刷した。
ドラム線速 :168mm/sec
ドラム :φ30正帯電単層型OPC
帯電 :スコロトロン帯電
露光 :レーザスキャナー
現像 :タッチダウン現像
転写 :中間転写方式
クリーニング :カウンタブレード方式
除電 :LED光除電
ドラム帯電電位 :420V
レーザ :レーザ波長780nm、レーザ露光量0.9μJ/cm2
除電 :LED波長820nm、LED露光量4.0μJ/cm2
発光ダイオード :GaAs
次いで、最後に得られた画像において、ネガゴーストが発生しているか否かを、目視にて確認し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表1に示す。
0:ネガゴーストが確認されない
1:極僅かにネガゴーストが確認される
2:僅かにネガゴーストが確認される
3:ややネガゴーストが確認される
4:ネガゴーストが確認される
5:はっきりとネガゴーストが確認される
[実施例2]
実施例2では、除電光の波長を880nmに変えたほかは、実施例1と同様にネガゴーストの評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[比較例1]
比較例1では、除電光の波長を630nmに変えたほかは、実施例1と同様にネガゴーストの評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例2では、除電光の波長を730nmに変えたほかは、実施例1と同様にネガゴーストの評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例3では、除電光の波長を780nmに変えたほかは、実施例1と同様にネガゴーストの評価を行った。得られた結果を表1に示す。
本発明にかかる画像形成装置及び画像形成方法であれば、電子写真感光体において使用される電荷発生剤として、特定の化合物を用いるとともに、除電手段から照射される除電光の波長を所定の範囲とすることによって、効果的に除電を行うことができる一方で、ネガゴーストの発生についても効果的に抑制することができるようになった。
その結果、電子写真感光体として残留電荷が発生しやすい性質を有する正帯電単層型電子写真感光体を使用し、かつ、その膜厚を所定の厚さとした場合であっても、効果的に除電を行いつつ、ネガゴーストの発生を有効に抑制することができるようになった。
したがって、本発明にかかる画像形成装置及び画像形成方法は、複写機やプリンター等の各種画像形成装置における高速化や、形成画像における高品質化に著しく寄与することが期待される。
図1は、本発明の画像形成装置の構成を説明するために供する図である。 図2(a)〜(b)は、ネガゴーストの発生機構及び抑制機構を説明するために供する図である。 図3は、X型無金属フタロシアニンの光吸収スペクトルを説明するために供する図である。 図4は、ネガゴーストの模式図を説明するための図である。 図5(a)〜(b)は、本発明における正帯電単層型電子写真感光体の構成を説明するために供する図である。 図6は、感光層の光吸収スペクトルを説明するために供する図である。 図7は、ネガゴーストの発生を評価するための画像パターンを説明するための図である。
符号の説明
10:フルカラー画像形成装置、11M〜11BK:現像手段、12M〜12BK:現像ローラ、13M〜13BK:正帯電単層型電子写真感光体、14M〜14BK:帯電手段、15M〜15BK:露光手段、16M〜16BK:転写手段、18:給紙カセット、20:定着手段、22M〜22BK:クリーニングブレード、23M〜23BK:クリーニング手段、24M〜24BK:除電手段、302:基体、304:感光層、306:中間層、500:ネガゴースト画像、501:形成画像、502:前周回形成画像、503:ネガゴースト、510:ネガゴースト評価用画像パターン

Claims (11)

  1. 少なくとも基体上に、結着樹脂と、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、を含む感光層を有した正帯電単層型電子写真感光体を備えるとともに、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、除電手段と、を備えた画像形成装置であって、
    前記電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニンを用いるとともに、前記感光層の膜厚を20〜50μmの範囲内の値とし、かつ、
    前記除電手段から照射される除電光の波長を800nm以上の値とすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記感光層における除電光に対する吸光度の値(X)と、露光光に対する吸光度の値(Y)とが、下記関係式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
    0.05≦X/Y≦0.5 (1)
  3. 前記除電光の照射量を1〜10μJ/cm2の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記除電手段において使用される除電光源が、LEDであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記露光手段から照射される露光光の波長を550〜790nmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記感光層におけるX型無金属フタロシアニンの添加量を、前記結着樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記基体の外径を10〜40mmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記画像形成装置が、フルカラー画像形成装置であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 少なくとも結着樹脂と、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、を含む感光層を有した正帯電単層型電子写真感光体に対して、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と、除電工程と、を実施することにより、被転写体に対して画像を形成するための画像形成方法であって、
    前記電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニンを用いるとともに、前記感光層の膜厚を20〜50μmの範囲内の値とし、かつ、
    前記除電工程において照射される除電光の波長を800nm以上の値とすることを特徴とする画像形成方法。
  10. 前記感光層における除電光に対する吸光度の値(X)と、露光光に対する吸光度の値(Y)とが、下記関係式(1)を満足することを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
    0.05≦X/Y≦0.5 (1)
  11. 前記正帯電単層型電子写真感光体の線速を150〜300mm/sec.の範囲内の値とすることを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成方法。
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