JP2011031771A - 車両用パワーユニットの補器配置構造 - Google Patents

車両用パワーユニットの補器配置構造 Download PDF

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Abstract

【課題】緩衝空間をパワーユニットケース側方に配置して、配線結線部等内燃機関補器の保護とメンテナンス性を良好にする。
【解決手段】内燃機関18のパワーユニットケース20に備えられたクランク軸35、クランク軸の後方にVベルト式変速機33の従動軸37、従動軸の後方に出力軸43が配置され、クランク軸方向の一方側にVベルト式変速機、他方側に発電機カバー68および出力軸端の出力スプロケット44が配置され、クランク軸が車幅方向を向くよう車両に搭載される車両用パワーユニット17の補器配置構造において、緩衝空間147が、クランク軸方向に見てVベルト40の回転軌跡と重なり且つパワーユニットケースの他方側の側壁20Laに隣接し、しかも、発電機カバーの後方で、出力スプロケット前方に配置された。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば自動二輪車用の単気筒4ストロークサイクル内燃機関を備えたパワーユニット、特に、パワーユニットケースの車幅方向の一方側に、Vベルト式の無段変速機構を収容する変速機ケースを備えたパワーユニットに関し、その構造およびその内燃機関補器の配置に関する。
二輪自動車用パワーユニットでは、クランク軸を車幅方向に配向し、パワーユニットケースの車幅方向の一方側に、Vベルト式の無段変速機構を収容する変速機ケースが備えられる場合がある。例えば特許文献1には、クランク軸に駆動プーリが支持され、クランク軸の後方に配置された従動軸に従動プーリが支持され、駆動プーリと従動プーリとの間をVベルトを介して動力伝達する変速機が示され、従動軸の動力が、同従動軸と同心に設けられた出力軸から、チェーンを介して後輪に伝達される構造が開示されている。
しかしながら、上記のようなパワーユニットの場合、パワーユニットケース(上記特許文献1では「エンジンケース」という)の一方側の側壁が短軸間のVベルト式の変速機ケースで占められているうえ、パワーユニットケースの他方側の側壁においても、クランク軸、出力軸およびキック軸の位置が互いに近くにあるため、パワーユニットケース側方に内燃機関補器を配置する空間が得難くなるという問題があった。
国際公開番号WO2003/085241公報(図1〜図5)
本発明は、内燃機関補器としての配線結線部をパワーユニットケース側方に配置でき、かつ配線結線部の保護とメンテナンス性を良好にする車両用パワーユニットの補器配置構造を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内燃機関のパワーユニットケースに備えられたクランク軸、前記クランク軸の後方にVベルト式変速機の従動軸、同従動軸の後方に出力軸が配置され、前記クランク軸方向の一方側に前記Vベルト式変速機、他方側に発電機カバーおよび出力軸端の出力スプロケットが配置され、前記クランク軸が車幅方向を向くよう車両に搭載される車両用パワーユニットの補器配置構造において、緩衝空間が、前記クランク軸方向に見て前記Vベルト式変速機のVベルトの回転軌跡と重なり且つ前記パワーユニットケースの他方側の側壁に隣接し、しかも、前記発電機カバーの後方且つ前記出力スプロケット前方に配置されたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用パワーユニットの補器配置構造において、前記緩衝空間には、前記車両の電気配線の結線部を配置したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の車両用パワーユニットの補器配置構造において、前記出力スプロケットと前記緩衝空間とを外方から覆う後部カバーを備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3記載の車両用パワーユニットの補器配置構造において、キック軸が、前記緩衝空間内であって、前記クランク軸と前記出力軸より下方に配置され、前記結線部は前記キック軸の上方に配置されたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれか記載の車両用パワーユニットの補器配置構造において、前記パワーユニットケースの他方側の側壁の下部が外方に突出してオイルパン拡幅部が形成され、同オイルパン拡幅部の上方に前記結線部が配置されたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3ないし請求項5のいずれか記載の車両用パワーユニットの補器配置構造において、前記後部カバーで発電機の配線を前記パワーユニットケース内から外へ引き出す開口を覆ったことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項3ないし請求項6のいずれか記載の車両用パワーユニットの補器配置構造において、エンジンブリーザのホース接続部を前記後部カバーで覆ったことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれか記載の車両用パワーユニットの補器配置構造において、乗員用ステップが側面視で前記緩衝空間内に配置され、前記後部カバーは、前記乗員用ステップより後方に外方突出部を備えたことを特徴とする。
請求項1の発明の車両用パワーユニットの補器配置構造によれば、クランク軸の後方にVベルト式変速機の従動軸が配置され、さらに同従動軸の後方に出力軸が配置されたので、クランク軸に支持された発電機の発電機カバーと出力軸端に支持された出力スプロケットとの間の間隔を広く取れるため、クランク軸方向に見て、パワーユニットケースの一方側に配置されたVベルト式変速機のVベルトの回転軌跡と重なり、且つパワーユニットケースの他方側の側壁に隣接して、緩衝空間を配置することができる。
また、パワーユニットケースの他方側の側壁に沿って、発電機カバーの突出と出力スプロケットの突出との間に緩衝空間が配置されたことで、緩衝空間内に配置される内燃機関補器が保護される。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、内燃機関補器としての車両の電気配線の結線部が発電機に近接して配置されたので、発電機の配線を短くできる。また、結線部がパワーユニット側方に配置されたので、結線部が保護されるとともにそのメンテナンス性が向上する。
請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2の発明の効果に加え、出力スプロケットを覆う後部カバーが緩衝空間も覆うので、部品点数を削減できる。また、後部カバーを外すだけで緩衝空間内に配置された内燃機関補器のメンテナンスが可能となる。そしてさらに、短軸間のVベルト式変速機を備える車体の車体レイアウトを良好とするとともに、パワーユニット側面の外観形状の流麗性、乗員の安全保護性も向上する。
請求項4の発明によれば、請求項2または請求項3の発明の効果に加え、発電機カバー、出力スプロケット、キック軸で囲まれた緩衝空間に結線部が配置されたので、後部カバーの小型化を図りつつ結線部の保護をより向上させることができる。
請求項5の発明によれば、請求項2ないし請求項4のいずれかの発明の効果に加え、発電機カバー、出力スプロケット、オイルパン拡幅部で囲まれた空間に結線部が配置されたことで、後部カバーの小型化を図りつつ結線部の保護をより向上させることができる。また、パワーユニットケースの他方側の側壁の下部が外方に突出してオイルパン拡幅部が形成されたので、オイルパン拡幅部をクランク室の下部に設けられるオイルパン室に追加される容積として利用できるため、十分且つ最適なオイル量とオイルレベルを確保することができる。
請求項6の発明によれば、請求項3ないし請求項5のいずれかの発明の効果に加え、発電機の配線のための開口が後部カバーで覆われたので、パワーユニットケース内に泥水等が入ることが防止される。
請求項7の発明によれば、請求項3ないし請求項6のいずれかの発明の効果に加え、エンジンブリーザのホース接続部が前記後部カバーで覆われたので、ブリーザ開口に泥水等が入ることが防止される。
請求項8の発明によれば、請求項1ないし請求項7のいずれかの発明の効果に加え、乗員のくるぶしの当たる位置に後部カバーの外方突出部が備えられたので、乗員の足をパワーユニットケースから遠ざけることができ、熱、振動の影響を低減できる。
本発明の一実施形態に係るパワーユニットを搭載した自動二輪車の側面図である。 本実施形態のパワーユニットの右面図である。 本実施形態のパワーユニットの左面図である。 図3のIV−IV断面展開図である。 図3のV−V断面展開図である。 本実施形態のパワーユニットの、一部を切り欠いて示す左面外観図であり、主要回転軸、Vベルト、後輪駆動スプロケット、発電機カバー、後部カバー、緩衝空間の位置関係の説明図である。 本実施形態のパワーユニットの、後部カバー等一部部品を除いて示す、自動二輪車左後方から見た斜視図であり、配線結線部等の取り付け状態の説明図である。 本実施形態のパワーユニットの左面外観図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車1の側面図である。この自動二輪車1の車体フレーム2は、車体前部のヘッドパイプ3から後方へ斜め下向きに傾斜して1本のメインフレーム4が延出し、同メインフレーム4の後部に左右一対のピボットブラケット5、5が下方に延出して固着されている。メインフレーム4の後部でピボットブラケット5、5の固着位置付近から左右一対のシートレール6、6が後方へ斜め上向きに延出し途中で屈曲して後端に至っている。このシートレール6、6の中央部とピボットブラケット5、5との間にミドルフレーム7、7が介装されている。
なお、本明細書において、方向について「前」、「後」、「左」、「右」とは、自動二輪車1の搭乗者の向きを基準にしたものである。
また、本発明において「(クランク軸方向の)一方側」、「他方側」とは、図4に図示するシリンダボア中心線(または、シリンダ軸線)X−Xに対する横方向(クランク軸方向)での右方側、左方側をいい、本明細書の実施形態では「一方側」は「右方側」、「他方側」は「左方側」として記載されるが、その逆とすることを否定するものではない。
車体フレーム2の左右一対のシートレール6、6間に収納ボックス8等が架設され、収納ボックス8等の上方をシート9が開閉自在に覆っている。車体前部下方にヘッドパイプ3に軸支されたフロントフォーク10が延び、その下端に前輪11が軸支され、フロントフォーク10の上方には、操向ハンドル12が設けられている。車体中央のピボットブラケット5、5に設けられたピボット軸13により、リヤフォーク14が前端を軸支されて後方に延び、その後端部に後輪15が軸支されている。ピボット軸13を中心に上下に揺動するリヤフォーク14の後部とシートレール6、6との間にリヤクッション16、16が介装されている。メインフレーム4の下方でかつピボットブラケット5、5の前方にパワーユニット17が搭載されている。パワーユニット17はメインフレーム4に設けられた支持ブラケット29に支軸30を介して吊設されると共に、ピボットブラケット5、5の上部と下部で支軸31によって支持されている。車体フレーム2は、各部に分割された合成樹脂製のカバー部材32によって覆われている。150はサイドスタンドである。
パワーユニット17は前部の内燃機関18と後部の動力伝達装置19から構成されている。内燃機関18は、単気筒の4ストロークサイクル内燃機関で、パワーユニットケース(「エンジンケース」とも言う。クランクケースを兼ねる。)20の前面から、シリンダブロック21、シリンダヘッド22およびシリンダヘッドカバー23(以上が本発明における「シリンダ」)が重ねられて略水平に近い状態にまで大きく前傾した姿勢で突出して取り付けられている。シリンダヘッド22の上方に延出した吸気管24にスロットルボディ25とエアクリーナ26が接続されている。また、シリンダヘッド22の下方に延出し後方へ屈曲した排気管27は、後方へ延びて後輪15の右側のマフラー28に接続されている。
図2は上記パワーユニット17の右面図である。動力伝達装置19の殻体については図4に関して後述するが、パワーユニットケース20は左右割りの、左パワーユニットケース20Lと右パワーユニットケース20Rとを備えており、図4に示すように、左パワーユニットケース20Lと右パワーユニットケース20Rとを合わせ面Yで一体化結合することで、パワーユニット17が構成される。図2には右パワーユニットケース20Rが示されている。図2において、動力伝達装置19はVベルト式無段変速機(本発明における「Vベルト式変速機」)33と減速歯車機構34から構成されている。
図2には、この動力伝達装置19の各回転軸の位置や歯車群が示されている。パワーユニットケース20の前部に内燃機関18のクランク軸35が設けられている。クランク軸35の右方延長部がVベルト式無段変速機33の駆動プーリ軸36となっている。Vベルト式無段変速機33の従動プーリ軸(本発明における「従動軸」)37はパワーユニットケース20の後部に設けられている。上記駆動プーリ軸36に設けられた駆動プーリ38と、従動プーリ軸37に設けられた従動プーリ39に、Vベルト40が掛け回され、Vベルト式無段変速機33が構成されている。
上記Vベルト式無段変速機33の従動プーリ軸37の左側部分37L(以下、図4も参照)に従動プーリ39とほぼ同径の湿式遠心クラッチ41が設けられており、さらにこの従動プーリ軸37の左側部分37Lは減速歯車機構34の入力軸となっている。減速歯車機構34の回転軸は、上記従動プーリ軸37の左側部分37L、減速歯車機構中間軸110、及び出力軸43を備え、これらの軸に設けられた歯車群によって減速歯車機構34が構成されている。上記出力軸43は左パワーユニットケース20Lの後部から左方に突出している。パワーユニット17の回転駆動力は上記出力軸43を介して出力される。図1に示されるように、上記出力軸43に嵌着された後輪駆動スプロケット(本発明における「出力スプロケット」)44と後輪15に一体に設けられた後輪従動スプロケット45との間に動力伝達チェーン46が架渡され、パワーユニット17の回転駆動力が後輪15に伝達される。
図3は上記パワーユニット17の左面図である。図示されている動力伝達装置19の外殻は、右パワーユニットケース20Rの左側面である。上記パワーユニット17には、モータ始動機構47とキック始動機構51が具備されている。モータ始動機構47は、スタータモータ48の駆動ピニオン48a、モータ始動機構中間軸49、同中間軸49に設けられた大小のギヤ、及びクランク軸35の左部(図4も参照)に設けられたモータ始動機構従動ギヤ50によって構成されている。モータ始動機構47は減速機構である。なお、スタータモータ48は、図示のようにクランク軸35の中心を通る鉛直線Cより前方に配置されている。
キック始動機構51は、キック軸52、キックアーム52a、キックペダル52b(図1)、第1中間軸53a、第2中間軸53b、これらの軸に設けられた歯車群、及びクランク軸35の右部に設けられたキック始動機構従動ギヤ54、などから構成される。キック始動機構51は増速機構である。なお、キック軸52は、クランク軸35と出力軸43との間であって、これら2軸より下方に配置されている。
図4は、図3のIV−IV線に沿うパワーユニット17の断面展開図である。パワーユニットケース20の前方には、順にシリンダブロック21、シリンダヘッド22、シリンダヘッドカバー23が取り付けられている。シリンダブロック21のシリンダボア55内を往復動するピストン56とクランク軸35とが、ピストンピン57とクランクピン58とを介してコンロッド59により連結されている。なお、図4中、X−X線はシリンダボア中心線であり、パワーユニット1が自動二輪車に搭載されたとき自走二輪車1の前後方向を指向するように配置される。
この内燃機関18は、SOHC型式のバルブシステムを採用しており、シリンダヘッドカバー23内には動弁機構60が設けてある。動弁機構60に動力伝達を行うカムチェーン61が、クランク軸35の左方延長部35Lに嵌着されたカムチェーン駆動スプロケット62と、カムシャフト63の左端に嵌着されたカムチェーン従動スプロケット64との間に架設されている。そのためのカムチェーン室65が、左パワーユニットケース20L、シリンダブロック21、シリンダヘッド22に連通して設けられている。シリンダヘッド22のシリンダブロック21側の端面に燃焼室66が形成され、シリンダヘッド22の右外側から燃焼室66に向かって点火プラグ67が嵌入されている。
このパワーユニット17の動力伝達装置19の殻体は、左パワーユニットケース20Lと右パワーユニットケース20Rの合体により形成されるパワーユニットケース20、左パワーユニットケース20Lの左側に設けてある発電機カバー68、右パワーユニットケース20Rの右側に設けてある変速機ケース69、変速機ケース69の右側を覆う変速機カバー70、後輪駆動スプロケット44の左側を外方から覆う後部カバー141からなっている。後部カバー141は、キック軸52周辺より上方の左パワーユニットケース20Lの左側上部壁面20Laを、クランク軸35方向で左側から見て、発電機カバー68の後縁に続いて後輪駆動スプロケット44まで覆い、その後端は動力駆動チェーン46が通過できるように形成されている(図1、6)。
パワーユニットケース20の内部空間にクランク室71と減速歯車室72が形成されている。クランク軸35は左右パワーユニットケース20L、20Rの各々にベアリング73A、73Bを介して回転自在に支持されている。クランク軸35は車幅方向(左右方向)に指向して配置されている。減速歯車室72には、減速歯車機構34の一部が収容されている。
左パワーユニットケース20Lと発電機カバー68との間は発電機室74となっており、ここへ延出したクランク軸左方延長部35Lには、カムチェーン駆動スプロケット62、モータ始動機構従動ギヤ50、および交流発電機(本発明における「発電機」)76が設けてある。なお、本実施形態では交流発電機76を示すが、直流発電機等、同様に回転駆動される発電機であれば、本発明において発電機の種類を限定するものではない。
クランク軸35の左方延長部35Lにおいて、カムチェーン駆動スプロケット62の左隣りにモータ始動機構従動ギヤ50が回転自在に軸支され、さらにその左隣りに交流発電機76のアウタボス部77が嵌着され、モータ始動機構従動ギヤ75とアウタボス部77との間に一方向クラッチ78が介装されている。交流発電機76は、椀状をしたアウタロータ79がアウタボス部77に固着されており、アウタロータ79の内周面に周方向に亘って配設される磁石80の内側に、ステータコイルを備えたステータ81が発電機カバー68の内面に固定されている。発電機カバー68は、アウタロータ79を覆い、左パワーユニットケース20Lの側壁の開口部周壁82に取り付けられている。
右パワーユニットケース20Rと変速機ケース69との間は遠心クラッチ室83となっており、変速機ケース69と変速機カバー70との間は変速機室84となっている。クランク軸35は、右パワーユニットケース20Rのベアリング73Bの右隣のシール部材85を貫通して遠心クラッチ室83へ延出し、さらに変速機ケース69のシール部材86を貫通して変速機室84へ延出している。クランク軸35の、遠心クラッチ室83へ延出した部分にはキック始動機構被動ギヤ54がスプライン嵌合して設けてある。クランク軸35の、変速機室84へ延出した部分はVベルト式無段変速機33の駆動プーリ軸36となっており、Vベルト式無段変速機33の駆動プーリ38が一体に設けてある。
Vベルト式無段変速機33の従動プーリ軸37は、右パワーユニットケース20Rと変速機ケース69に、ベアリング87A、87Bを介して支持されており、従動プーリ軸37の、変速機室84内の部分にはVベルト式無段変速機33の従動プーリ39が設けてある。従動プーリ軸37の遠心クラッチ室83内の部分には湿式遠心クラッチ41とクラッチ出力ギヤ88が設けてある。上記従動プーリ軸37がベアリング87Bを介して貫通する変速機ケース69の軸受開口にはシール部材89が介装されている。
Vベルト式無段変速機33が収容される変速機室84は、変速機ケース69により遠心クラッチ室83と液密に仕切られ、遠心クラッチ室83と連通する開口部は、上記のようにシール部材86、89によりシールされ、遠心クラッチ室83の潤滑オイルが変速機室84に漏れるのを防止している。
Vベルト式無段変速機33の駆動プーリ38は、固定プーリ半体91と可動プーリ半体92とからなっている。固定プーリ半体91は、駆動プーリ軸36に一体に固定され、その左側の可動プーリ半体92は、駆動プーリ軸36に嵌合されるカムプレート93を固定するためのスリーブ94に軸方向に摺動可能に支持されている。カムプレート93の外周端に設けたスライドピース93aが可動プーリ半体92の外周端に軸方向に形成されたスライドピース摺動用突部92aに軸方向摺動自在に係合し、これによって、カムプレート93と可動プーリ半体92とが一体回転するようになっている。したがって、可動プーリ半体92は駆動プーリ軸36とともに回転し、かつ軸方向に摺動して固定プーリ半体91に接近・離反することができる。両プーリ半体91、92間にはVベルト40が巻き掛けられる。
可動プーリ半体92のカムプレート93側の側面は、カムプレート93に向けて傾斜しており、この傾斜面の内側とカムプレート93との間にウェイトローラ95が収容されている。したがって駆動プーリ軸36の回転速度が増加すると、ウェイトローラ95が、遠心力により遠心方向に移動し、可動プーリ半体92はウェイトローラ95に押されて右方に移動して固定プーリ半体91に接近し、両プーリ半体91、92間に挟まれたVベルト40を遠心方向に移動させ巻き掛け径を大きくする。
Vベルト式無段変速機33の従動プーリ軸37の、変速機室84内の部分に右方から嵌合されたスリーブ96が、ナット97の締結によりベアリング87Bのインナレースとの間で締め付けられて従動プーリ軸37と一体に固定され、同スリーブ96に固定プーリ半体98が嵌着されている。同固定プーリ半体98の右側において、可動プーリ半体99が、環状スライダ100を介してスリーブ96に軸方向に摺動可能に支持され、かつスプリング101により左方に付勢されている。従動プーリ39は上記の両プーリ半体98、99から構成されており、両プーリ半体98、99に前記Vベルト40が挟持される。
Vベルト式無段変速機33は、以上のように構成されているので、駆動プーリ軸36(即ちクランク軸35)の動力をVベルト40を介して従動プーリ軸37に伝達する。駆動プーリ軸36の回転速度が増加するに従い、ウェイトローラ95の遠心方向の移動により駆動プーリ38の可動プーリ半体92が固定プーリ半体91に接近し、両半体91、92間に挟まれたVベルト40の巻き掛け径が大きくなり、反対に従動プーリ軸37上の従動プーリ39の固定プーリ半体98と可動プーリ半体99に挟まれたVベルト40の巻き掛け径が小さくなる。これによって、自動的に無段変速がなされる。
遠心クラッチ室83内にある従動プーリ軸37の左側部分37Lには、湿式遠心クラッチ41が設けてある。湿式遠心クラッチ41は、クラッチインナ103の基端を保持するインナボス部104が従動プーリ軸37にスプライン嵌合され、クラッチインナ103の外周端側に突設された複数の支軸105にそれぞれクラッチウエイト106が回動自在に枢支されている。クラッチアウタ107は、その円筒部の内周面をクラッチウエイト106に対向させて、クラッチインナ103を覆っている。
従動プーリ軸37の左側部分37Lの端に、クラッチ出力ギヤ88がニードルベアリング108を介して相対回転可能に支持され、同クラッチ出力ギヤ88のボス部に上記クラッチアウタ107の基端部が溶接固定されている。従動プーリ軸37の回転速度が所定速度を越えると、クラッチウエイト106の傾動が増してクラッチアウタ107に作用してクラッチが係合し、クラッチアウタ107が回転を始め、これと共に、クラッチ出力ギヤ88も回転を始める。
Vベルト式無段変速機33の従動プーリ軸37とその後方に配置された出力軸43との間に、減速歯車機構34が設けてある。減速歯車機構34の中間軸110は、左右パワーユニットケース20L、20Rにベアリング111A、111Bを介して支持され、その遠心クラッチ室83内の部分には中間軸大径ギヤ112Lが嵌設され、その減速歯車室72内の部分には中間軸小径ギヤ112Sが削設してある。上記中間軸110の大径ギヤ112Lは前記クラッチ出力ギヤ88に噛合している。
出力軸43は、左右パワーユニットケース20L、20Rにベアリング113A、113Bを介して支持されている。その減速歯車室72内の部分には出力軸大径ギヤ114Lが嵌設され、左パワーユニットケース20Lの左方へ延出した部分には後輪駆動スプロケット44が嵌設してある。出力軸43の大径ギヤ114Lは、上記減速歯車機構中間軸110の小径ギヤ112Sに噛合している。
減速歯車機構34は、以上のように構成されており、クラッチ出力ギヤ88の回転が、中間軸大径ギヤ112Lとの噛合により減速歯車機構中間軸110に減速伝達され、減速歯車機構中間軸110の回転が中間軸小径ギヤ112Sと出力軸大径ギヤ114Lとの噛合により出力軸43に減速伝達される。出力軸43の左パワーユニットース20Lを貫通して外部に突出した左端に嵌着された後輪駆動スプロケット44の減速回転動力が動力伝達チェーン46(図1も参照)を介して後輪15を回転させて自動二輪車1を走行させる。
左パワーユニットケース20Lは、その下部の後述するオイルパン拡幅部140(図5)より上部の左側上部壁面20Laが、発電機カバー68の後縁から後輪駆動スプロケット44まで、クランク軸35方向で左側から見て、後部カバー14によって覆われている。後部カバー141は、ボルト142によって左パワーユニットケース20Lに取り付けられ、その後端部は動力駆動チェーン46が通過できるように開口部143を形成している(図1、6も参照)。
図5は、図2及び図3のV−V断面であり、図2及び図3のパワーユニットケース20の側面視において下部に示してあるキック始動機構51の始動開始前の断面展開図である。図3において、キック軸52は、クランク軸35(駆動プーリ軸36)と出力軸43との間で、それら2軸の下方に、また、Vベルト式無段変速機33の従動プーリ軸37の下方に配置されている。クランク軸35と湿式遠心クラッチ41(図4)との中間下方にキック始動機構歯車室115が設けられ、キック始動機構歯車室115はクランク室71と連通している。そのような配置となっているので、キック始動機構歯車室115の容積を、クランク室71の下部に設けられるオイルパン室に追加される容積として利用できる。
特に、本実施形態においては、図5に示されるように、左パワーユニットケース20Lのキック軸52周りの左側下部壁面20Lbが左外方に突出して、オイルパン拡幅部140が形成されている。したがって、クランク室71の下部のオイルパン室に追加される容積として利用されるキック始動機構歯車室115の容積は、オイルパン拡幅部140の拡幅巾140aだけ増大し、十分且つ最適なオイル量とオイルレベルを確保することができる。
図5に示されるように、キック軸52は、左右パワーユニットケース20L、20Rに回動可能に軸支され、主要部はキック始動機構歯車室115の中に設けられている。キック軸52の左端は左パワーユニットケース20Lのオイルパン拡幅部140に設けられた軸受部120を貫通して左方に突出している。キック軸52の左端にキックアーム52aの基端部が嵌着されている。キックアーム52aの先端部にはキックペダル52bが倒伏自在に取り付けられている。キック軸52の右端は、右パワーユニットケース20Rの右方膨出部に軸支され、この膨出部内に収容されたリターンスプリング121がキック軸52に巻回されている(図3も参照)。リターンスプリング121の外端は右パワーユニットケースから突出したスプリング係止部116に係止されている。このリターンスプリング121により、キック軸52は、始動終了後に、キックアーム52aとともに操作開始位置へ戻るよう付勢されている。
キック軸52の軸受部120は、オイルパン拡幅部140に設けられたので、キック軸52のオーバーハング量を少なくでき、キック軸52の支持が良好となる。
キック軸52の右端部にはストッパ部材122がスプライン嵌合されており、ストッパ部材122の突起が右パワーユニットケース20Rに設けられた突起123に当接して、リターンスプリング121により付勢されたキックアーム52aを所定の操作開始位置に保持する。
キック軸52には、大径のキック軸大径ギヤ124Lがセレーション嵌合されている。キック軸52の前方に短尺の第1中間軸53aが左右パワーユニットケース20L、20Rに軸受部133、134を介して回転自在に軸支されている。
さらに第1中間軸53aの前方に長尺の第2中間軸53bが、左右パワーユニットケース20L、20Rと変速機ケース69に軸受部135、136、137を介して回転自在に軸支されている。第2中間軸53bは、右パワーユニットケース20Rを貫通して、クランク室71と遠心クラッチ室83とにまたがって設けられている。
特に、第1中間軸53a、第2中間軸53bの左パワーユニットケース20L側の軸受部133,135は、オイルパン拡幅部140よりも内側に設けており、このため、各軸の軸受間隔を狭めることができ、軸長を短縮することができる。
第1中間軸53aには、第1中間軸小径ギヤ125Sが削設されるとともに第1中間軸大径ギヤ125Lがセレーション嵌合しており、上記第1中間軸小径ギヤ125Sは前記キック軸大径ギヤ124Lに噛合している。
第2中間軸53bの左端の軸支部近傍に第2中間軸小径ギヤ126Sが形成され、前記第1中間軸大径ギヤ125Lに噛合している。第2中間軸53aの遠心クラッチ室83内の部分は、外周に3条の雄ネジ127を備えている。この部分に第2中間軸大径ギヤ126Lが螺合している。
第2中間軸大径ギヤ126Lは、円筒状ボス部128を有しその内部に設けられた雌ネジ129によって上記雄ネジ127に螺合している。第2中間軸大径ギヤ126Lは右パワーユニットケース20R側からコイルばね130によって変速機ケース69の壁面側へ押されて第2中間軸53bの軸受部に当接している。第2中間軸大径ギヤ126Lの円筒状ボス部128の外周の溝128a(図2も参照)には、フリクションスプリング131のスプリング部131aが嵌合して締め付け、第2中間軸大径ギヤ126Lの回転を制動している。フリクションスプリング131のスプリング部131aの一部から外方に延びた柄部131bの先端の溝内摺動部131cは右パワーユニットケース20Rの固定部に形成された左右方向の溝132(図2も参照)に摺動自在に嵌合している。
キック始動機構51は、以上のように構成されており、キックペダル52bが踏み込まれ、キック軸52がリターンスプリング121に抗して回転すると、キック軸52と一体のキック軸大径ギヤ124Lが回転し、同キック軸大径ギヤ124Lと第1中間軸小径ギヤ125Sの噛合により第1中間軸53aが増速回転し、同第1中間軸53aと一体に回転する第1中間軸大径ギヤ125Lが第2中間軸53bの第2中間軸小径ギヤ126Sと噛合して第2中間軸53bをさらに増速回転する。この方向の回転を「正転」と呼び、後述の「逆転」と区別する。
第2中間軸53bが正転すると、外周の3条雄ネジ127も正転するが、3条雄ネジ127に螺合している第2中間軸大径ギヤ126Lはフリクションスプリング131によって回転が制動されている。フリクションスプリング131の制動力に比して、3条雄ネジ127から加わる正転方向の摩擦力は大きいので、第2中間軸大径ギヤ126Lは完全には制動されず、第2中間軸51の正転速度より遅い速度で正転しながら左方へ移動して、クランク軸35に設けてあるキック始動機構被動ギヤ54と噛合する。第2中間軸大径ギヤ126Lは所定の移動停止位置であるストッパ133に達すると、第2中間軸53bと同速で正転して被動ギヤ54に回転を伝え、クランク軸35が強制的に回転させられ内燃機関18が始動する。
キックペダル52bの踏み込みを止めキックペダル52bを解放すると、リターンスプリング121(図5)によりキック軸52はキックアーム52aとともに、元の操作開始位置に戻るので、第1中間軸53aおよび第2中間軸53bは逆転し、3条雄ネジ127も逆転する。しかし、第2中間軸大径ギヤ126Lはクランク軸35と一体回転しているキック始動機構被動ギヤ52に噛合しているので、始動回転方向の正転を維持する。即ち、第2中間軸53bと第2中間軸大径ギヤ126Lとは互いに逆方向に回転するので、第2中間軸大径ギヤ126Lは急速に右方へ移動し、キック始動機構被動ギヤ54から離脱し、噛合は解除される。
噛合解除後の状態において、第2中間軸大径ギヤ126Lに加わる力は、逆転中の第2中間軸51の3条雄ネジ127から加わる逆転方向の力、フリクションスプリング131の制動力、及びコイルばね130の軸方向力である。3条雄ネジ127から第2中間軸大径ギヤ126Lに加わる逆転方向の摩擦力はフリクションスプリング131の制動力より大きいので、第2中間軸大径ギヤ126Lは完全には制動されず、第2中間軸51の逆転速度より遅い速度で逆転しながら右方へ移動する。コイルばね130の軸方向力は、第2中間軸大径ギヤ126Lの右方移動を助け、第2中間軸大径ギヤ126Lは図5の状態に戻る。
図6に、本実施形態のパワーユニット17における、主要回転軸35、37、43、52、Vベルト40、後輪駆動スプロケット44、発電機カバー68、後部カバー140、緩衝空間147、内燃機関補器としての配線結線部144の位置関係が示される。図示のように、本実施形態のパワーユニット17は、その左パワーユニットケース20Lの左側面において上記オイルパン拡幅部140より上部の左側上部壁面20Laが、発電機カバー68の後縁から後輪駆動スプロケット44まで、後部カバー141で覆われている。後部カバー141は、ボルト142によって左パワーユニットケース20Lに取り付けられ、その後端部は動力駆動チェーン46が通過できるように開口部143を形成している(図4も参照)。
後輪駆動スプロケット44を支持する出力軸43は、クランク軸35の後方に配置されたVベルト式無段変速機33の従動プーリ軸37より、さらに後方に配置されているので、クランク軸35に支持された交流発電機76の発電機カバー68と後輪駆動スプロケット44との間の左側上部壁面20Laの間隔を広く設けることができる。
したがって、クランク軸35方向に見て、パワーユニットケース20の右側(クランク軸35方向の一方側)に設けられたVベルト式無段変速機33のVベルト40の回転軌跡と重なり、且つ、パワーユニットケース20の左側(クランク軸35方向の他方側)の側壁に隣接する緩衝空間147内に、配線結線部144を配置することができる。すなわち、Vベルト40によって車体前後方向にVベルト式無段変速機33の長い側壁が形成され、その側壁に配線結線部144を配置できないパワーユニットケース20右側に代えて、クランク軸35方向に見た同位置に、パワーユニットケース20左側において、配線結線部144をパワーユニット17の側方に設置する場所が得られる。
また、本実施形態では、上記の発電機カバー68と後輪駆動スプロケット44との間の間隔に配線結線部144が、左側上部壁面20Laに隣接して緩衝空間147中に配置されている。そのように、左パワーユニットケース20Lの左側上部壁面20Laに沿いつつ、発電機カバー68の突出と後輪駆動スプロケット44の突出との間の緩衝空間147中に配線結線部144を配置することで、無駄なスペースの発生を防止し、且つ、内燃機関補器144を保護することができるものとなる。
図7に示されるように、本実施形態における内燃機関補器としての配線結線部144は、交流発電機76の配線76aを含む複数の結線部を備えるハーネス結線集合部(本発明における「車両の電気配線の結線部」)である。なお、配線結線部144としては、ハーネス結線集合部に限られず、例えば、電子制御装置(ECU)、バッテリ、燃料ポンプ、制御用モータ、サイドスタンドスイッチ151からのサイドスタンドスイッチ用配線152との接続部を含む。また、配線結線部に限らず、燃料フィルタ、エバポキャニスタ、二次エア用リードバルブ等、適宜のものを緩衝空間147内に配置し、その保護とメンテナンス作業を容易にすることができる。
例えば、パワーユニットケース20の内圧を大気圧にするためエアクリーナ26と接続するブリーザホース(本発明における「エンジンブリーザ」)145のブリーザホース接続部(本発明における「ホース接続部」)146を、後部カバー141で覆えば、ブリーザホース接続部146が後部カバー141で覆われたことにより、ブリーザ開口に泥水等が入ることが防止される。
本実施形態のように、配置する配線結線部144を、交流発電機76の配線76aを含むハーネス結線集合部とした場合は、ハーネス結線集合部が交流発電機76に近接して配置されるので、交流発電機76の配線76aを短くできる。また、ハーネス結線集合部がパワーユニットケース20の側方に配置されているので、ハーネス結線集合部が保護されるとともに、そのメンテナンス性が向上する。
そして、後部カバー141で、発電機用ハーネス148をパワーユニットケース20内から外へ引き出す開口を覆えば、パワーユニットケース20内に泥水等が入ることが防止される。
また、本実施形態の後部カバー141は、図8にその外観が示されるように、パワーユニット17の左側面において、発電機カバー68の後縁から後輪駆動スプロケット44まで覆うので、従来は後輪駆動スプロケット44のみを覆っていた後部カバー141で、配線結線部144も覆うことができ、部品点数を削減できる。また、後部カバー141を外すだけで配線結線部144のメンテナンスが可能となる。
また、乗員用ステップ155が側面視で緩衝空間147内に配置され、乗員用ステップ155より後方において、後部カバー141に外方突出部149が備えられている。そのため、乗員のくるぶしの当たる位置に外方突出部149が位置するので、乗員の足をパワーユニットケース20から遠ざけることができ、熱、振動の影響を低減できる。
そしてさらに、短軸間のVベルト式無断変速機33を備える車体の車体レイアウトを良好とするとともに、パワーユニット17側面の外観形状の流麗性、乗員の安全保護性も向上する。
また、キック軸52が、クランク軸35とパワーユニット出力軸43との間にあって、これら2軸より下方に配置され、配線結線部144はキック軸52の上方に配置されるので、配線結線部144が、発電機カバー68、後輪駆動スプロケット44、キック軸52で囲まれた空間に配置されることにより、後部カバー141の小型化を図りつつ配線結線部144の保護をより向上させることができる。
さらに、本実施形態においては、左パワーユニットース20Lのキック軸52周りの左側下部壁面20Lbが左外方に突出して、オイルパン拡幅部140が形成されている。したがって、発電機カバー68、後輪駆動スプロケット44、オイルパン拡幅部140で囲まれた空間に配線結線部144が配置されることで、配線結線部144の保護をより向上させることができるほか、後部カバー141は、オイルパン拡幅部140より上部をのみを覆うものとでき、後部カバー141の小型化が図れる。
また、オイルパン拡幅部140の形成によって、クランク室71の下部のオイルパン室に追加される容積として利用されるキック始動機構歯車室115の容積が増大し、十分且つ最適なオイル量とオイルレベルを確保することができる。
以上、本発明の実施形態として自動二輪車1のパワーユニット17に係り説明したが、本発明は、上記の実施形態のような自動二輪車の車両用パワーユニットに限らず、3輪または4輪のバギー車のような、同様のパワーユニットを用いる車両の車両用パワーユニットの補器配置構造として適用し、実施できる。
1…自動二輪車、2…車体フレーム、17…パワーユニット、18…内燃機関、19…動力伝達装置、20…パワーユニットケース、20L…左パワーユニットケース、20La…左側上部壁面、20Lb…左側下部壁面、20R…右パワーユニットケース、21…シリンダブロック、22…シリンダヘッド、23…シリンダヘッドカバー、33…Vベルト式無段変速機(Vベルト式変速機)、35…クランク軸、36…駆動プーリ軸、37…従動プーリ軸(従動軸)、40…Vベルト、43…出力軸、44…後輪駆動スプロケット(出力スプロケット)、48…スタータモータ、52…キック軸、55…シリンダボア、68…発電機カバー、71…クランク室、76…交流発電機(発電機)、76a…配線、115…キック始動機構歯車室、133〜137…軸受部、140…オイルパン拡幅部、140a…拡幅巾、141…後部カバー、142…ボルト、143…開口部、144…配線結線部(車両の電気配線の結線部)、145…ブリーザホース(エンジンブリーザ)、146…ブリーザホース接続部(ホース接続部)、147…緩衝空間、148…発電機用ハーネス、149…外方突出部、150…サイドスタンド、151…サイドスタンドスイッチ、152…サイドスタンドスイッチ用配線、155…乗員用ステップ

Claims (8)

  1. 内燃機関のパワーユニットケースに備えられたクランク軸、前記クランク軸の後方にVベルト式変速機の従動軸、同従動軸の後方に出力軸が配置され、前記クランク軸方向の一方側に前記Vベルト式変速機、他方側に発電機カバーおよび出力軸端の出力スプロケットが配置され、前記クランク軸が車幅方向を向くよう車両に搭載される車両用パワーユニットの補器配置構造において、
    緩衝空間が、前記クランク軸方向に見て前記Vベルト式変速機のVベルトの回転軌跡と重なり且つ前記パワーユニットケースの他方側の側壁に隣接し、しかも、前記発電機カバーの後方且つ前記出力スプロケット前方に配置されたことを特徴とする車両用パワーユニットの補器配置構造。
  2. 前記緩衝空間には、前記車両の電気配線の結線部を配置したことを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニットの補器配置構造。
  3. 前記出力スプロケットと前記緩衝空間とを外方から覆う後部カバーを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用パワーユニットの補器配置構造。
  4. キック軸が、前記緩衝空間内であって、前記クランク軸と前記出力軸より下方に配置され、
    前記結線部は前記キック軸の上方に配置されたことを特徴とする請求項2または請求項3記載の車両用パワーユニットの補器配置構造。
  5. 前記パワーユニットケースの他方側の側壁の下部が外方に突出してオイルパン拡幅部が形成され、
    同オイルパン拡幅部の上方に前記結線部が配置されたことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか記載の車両用パワーユニットの補器配置構造。
  6. 前記後部カバーで発電機の配線を前記パワーユニットケース内から外へ引き出す開口を覆ったことを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか記載の車両用パワーユニットの補器配置構造。
  7. エンジンブリーザのホース接続部を前記後部カバーで覆ったことを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれか記載の車両用パワーユニットの補器配置構造。
  8. 乗員用ステップが側面視で前記緩衝空間内に配置され、前記後部カバーは、前記乗員用ステップより後方に外方突出部を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか記載の車両用パワーユニットの補器配置構造。
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