JP2011030486A - コラーゲンペプチド含有ゼリー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コラーゲンペプチド、酵母エキス、植物由来カテキン、タンニン及びゆずポリフェノールからなる群より選ばれる1種類以上、乳酸菌で発酵させた寒天分解物及び/又はコンニャク分解物、ならびにゲル化剤を含有することを特徴とするゼリー。
【選択図】 なし
Description
前述したコラーゲン臭あるいは不快味のマスキング方法は、コラーゲン飲食物にエタノールを添加する方法であり、味のバランスを調整する方法として手軽に行うことが可能である。しかしながら、エタノールは飲食品の味をも左右してしまうことから不十分な点も残る。
但し、前述したコラーゲン含有飲料に関する文献はコラーゲン臭のマスキングに関する目的のものではなく、さらにマスキングを行うための手段としては全く好ましくない。
(1) コラーゲンペプチド、
酵母エキス、
植物由来カテキン、タンニン及びゆずポリフェノールからなる群より選ばれる1種類以上、
乳酸菌で発酵させた寒天分解物及び/又は乳酸菌で発酵させたコンニャク分解物、ならびに
ゲル化剤
を含有することを特徴とするゼリー(以下、コラーゲン含有ゼリーともいう)、
(2) 前記ゼリー中に含まれるコラーゲンペプチドに分子量2,700以下のコラーゲンペプチドが50%(w/w)以上含まれる前記(1)に記載のゼリー、
(3) 前記ゼリー中に含まれる寒天分解物及び/又はコンニャク分解物に6糖以下の分解物を80%(w/w)以上含有した乳酸発酵寒天分解物及び/又は乳酸発酵コンニャク分解物が含まれる前記(1)又は(2)に記載のゼリー、
(4) 前記(1)〜(3)いずれかに記載のゼリーを焼き菓子ではさみこむことを特徴とするゼリー複合菓子、
(5) 水又は緩衝液にコラーゲンペプチド及び酵母エキスを添加し、その後植物由来カテキン、タンニン及びゆずポリフェノールからなる群より選ばれる1種類以上を添加してコラーゲンペプチド溶液を調製する工程、
寒天及び/又はコンニャクを加水分解した後に乳酸菌によって発酵させた乳酸発酵寒天分解物及び/又は乳酸発酵コンニャク分解物を調製する工程、
ゲル化剤を溶解後に上記の二種の工程で調製されたコラーゲンペプチド溶液と、乳酸発酵寒天分解物及び/又は乳酸発酵コンニャク分解物とゲル化剤とを混合する工程、
を含むことを特徴とする前記(1)〜(3)いずれかに記載のゼリーの製造方法
に関する。
本発明のコラーゲンペプチド含有ゼリーは、
コラーゲンペプチド、
酵母エキス、
植物由来カテキン、
タンニン及びゆずポリフェノールからなる群より選ばれる1種類以上、
乳酸菌で発酵させた寒天分解物及び/又は乳酸菌で発酵させたコンニャク分解物、ならびに
ゲル化剤
を含有することを特徴とする。
中でも、本発明では、コラーゲンペプチドに対して酵母エキスと、タンニン及びゆずポリフェノールからなる群より選ばれる1種類以上とを併用することにより、コラーゲンペプチド由来の臭いを顕著に減少させることができるという優れた効果が奏される。さらに、乳酸菌で発酵させた寒天分解物及び/又はコンニャク分解物を併用することで、コラーゲンペプチド由来の臭いをより一層顕著に減少させることができ、また、整腸作用を向上するという効果も期待される。
本発明に用いられるコラーゲンペプチドは、コラーゲンあるいはゼラチン等の変性コラーゲンを酸やアルカリあるいは酵素等で加水分解させることで得られる。現在コラーゲンは豚、牛、鶏、魚等多様な動物から抽出されたものを食品として用いている。何れのコラーゲンも特有のコラーゲン臭が存在することが明らかである。中でも、コラーゲンを酵素等で加水分解させたものを用いた場合には、分解物中に存在するコラーゲン、コラーゲンペプチド、及びゼラチンによる様々な生理活性効果が期待されるので好ましい。
前記酵母エキスとは、酵母を原料とした食品添加物であり、例えば、酵母由来の旨味成分(イノシン酸、グアニル酸)を多く含んだものや補足的に核酸あるいは乳酸菌等の他種類の菌主に由来する旨味物質を含有しても良い。酵母エキスが持つ旨味に関してはコラーゲンペプチド含有ゼリーの味調整においてあまり影響が無ければ、酵母の種類や特に酵母エキス中の旨味構成成分の組成の違いによる酵母エキスの種類は限定されない。近年、「乾燥酵母」という呼び名で呈味やマスキング作用を持つものも市販されているが、本発明で用いられる酵母エキスの中にはこのような乾燥酵母も含まれる。
本発明のコラーゲンペプチド含有ゼリー中に含有される酵母エキスの量としては、0.01〜1重量%であり、さらにマスキング効果に優れていながらコラーゲンペプチド含有ゼリーの風味が向上し、且つ酵母特有の風味を過剰に出現させないためには、0.1〜1重量%が好ましい。
本発明のコラーゲンペプチド含有ゼリーにおいては、植物由来カテキン、タンニン及びゆずポリフェノールからなる群より選ばれる一種類以上を必須成分としている。これらの成分はいずれも単独ではコラーゲン臭の低減効果はほとんどみられないが、前記酵母エキスと併用することで、優れたコラーゲン臭の低減効果が奏される。
例えば、タンパク質とタンニン(カテキンを含む)とが結合することに関しては渡辺らの研究(T. Watanabe, Y. Matuo, T. Mori, R. Sano, T. Tosa, I. Chibata, J. Solid−Phase Biochemistry, 3, 161(1978)、渡辺泰三,土佐哲也,坂田信行,布川弥太郎,推木 敏,三上重明,日本醸造協会雑誌,79, 193(1983))がある。
一方、ゆずポリフェノールは、タンパク質及び/又はペプチド間と結合することは技術的に知られておらず、ゆずポリフェノールに含まれるナリンジンの苦味成分が酵母エキスと共にコラーゲン臭の低減に作用していることが考えられる。
また、タンニンは、植物の幹、皮、葉、実等から抽出される天然物であり、環境に優しい物質である。タンニンには、ピロガロール系の加水分解型タンニンとカテコール系の縮合型タンニンがある。
カテキン、タンニンの原料となる植物としては、柿、茶、ゆず、イモ、ワイン、リンゴ、ブルーベリー、バナナ、栗皮、タマリンド、ミモザ、五倍子等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明で用いられる寒天分解物は、部分加水分解作用を有する酸及び/又は酵素水溶液中で寒天を膨潤・液化させることで得られる。
また、加水分解時に用いられる酸としては、寒天を部分加水分解できるものであればよく、例えば、塩酸等の強酸、及び酢酸、クエン酸、フマル酸等の弱酸及びこれらの酸の混合物が挙げられるが、特に酸の種類については限定されない。また、酵素による加水分解を行ってもよく、その場合に用いられる酵素として、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、アガラーゼ、ガラクトシダーゼ等の食品用の加水分解酵素を使用することが可能である。
以上のようにして得られる部分加水分解寒天は、部分加水分解処理した際に、pH4〜10、50℃の状態では完全にゲル化しておらず液状であること、及び1%の部分加水分解寒天溶液の粘度がB型粘度計で測定した場合(20rpm、30℃)に3.5Pa・s以下であるものが好ましい。
前記乳酸菌としては、ガラクトースを資化することができ、かつアガロオリゴ糖及び寒天を資化することが実質的にできないという資化性を兼ね備えた種あるいは株であればよい。なお、糖の資化とは、菌体が必要な炭素源として前記糖を用いて生育できることをいう。また、資化することができない寒天としては、通常の前記紅藻類由来の素材から作製されたものであり、アガロースとアガロペクチンを含むものであればよく、部分加水分解等の低分子化処理を施されたものも含まれる。
したがって、本発明は、乳酸菌飲料に寒天類を入れたものや、寒天培地から乳酸菌を採取して乳酸発酵させて得られる乳酸菌飲料と比べて、整腸効果及び製造し易さの点で、優れた効果を発現する。
エンテロコッカス(Enterococcus)属に属する菌: エンテロコッカス・マロドラタス (E. malodoratus)、フェシウム (E. faecium)、フェカーリス(E. faecalis)、デューランス(E. durans)、ラクトバチルス(Lactobacillus) 属に属する菌: ラクトバチルス・プランタラム(L. plantarum)、サリバリウス (L. salivarius)、ビフィダス (L. bifidus)、L.ブルガリカス (L. bulgaricus)、カゼイ(L. casei)、アシドフィルス (L. acidphilus)、ガセリ (L. gasseri)、ファーメンタム (L. fermentum)、ヘルベティカス (L. helveticus)、ユーグルティ (L. jugurti)、デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス (L. delbrueckii sub. bulgaricus)、デルブルッキー (L. delbrueckii)、ラムノーサス (L. rhamnosus)、ストレプトコッカス (Streptococcus)属に属する菌: ストレプトコッカス・サーモフィルス (S. thermophilus)、ボビス (S. bovis)、ミュータンス (S. mutans)、サンギス (S. sanguis)、クレモリス (S. cremoris)、ラクチス (S. lactis)、ラクトコッカス (Lactococcus)属に属する菌: ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・ラクチス (Lactococcus lactis sub. lactis)、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・クレモリス (Lactococcus lactis sub. cremoris)、ラクトコッカス・ラクチス (Lactococcus lactis)、ロイコノストック(Leuconostoc)属に属する菌: ロイコノストック・メセンテロイデス (Leuconostoc mesenteroides)、ロイコノストック・デキストラニカム (Leuconostoc dextranicum)、ペジオコッカス(Pediococcus)属に属する菌: ペジオコッカス・ペントサセウス (Pediococcus pentosaceus)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する菌:ビフィドバクテリウム・ロンガム(B. longum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B. breve)。
本発明においては、これらの乳酸菌群から選択される1種又は2種以上の菌体を用いて発酵を行うことが可能である。
前記乳酸発酵の条件(培養時の部分加水分解寒天のpH、培養温度等)は、乳酸菌の種類によって適宜調整すればよい。
中でも、寒天の効能をより向上させるという観点から、乳酸発酵時には、前記部分分解寒天を用いる以外は、乳酸菌の糖原となるような糖質を添加せずに発酵させることが好ましい。即ち、加水分解処理によって生じた寒天由来のガラクトースによって乳酸菌が十分に増殖可能となり、これにより本発明の効果が好適な乳酸発酵の状態となることが確認されている。また、乳酸菌によってはホモ発酵あるいはヘテロ発酵に分けられるが、細胞外多糖等の乳酸菌生成物や場合によっては二酸化炭素や乳酸や酢酸も含み、さらに乳酸菌体も腸内改善に役立つことから、特に乳酸菌の発酵方法又は代謝産物の違いによって乳酸菌の種類は限定されない。
本発明で用いるコンニャク分解物は、コンニャクマンナンを、部分加水分解作用を有する酵素水溶液中で膨潤・液化させることで得られる。
前記コンニャクマンナンとしては、あらかじめ80%(v/v)以上のエタノールで脱色・脱臭し乾燥するか、あるいはエタノール洗浄・乾燥しない市販のコンニャク粉を使用する。
また、酵素水溶液に用いる酵素としては、コンニャクマンナンを部分加水分解できるものであればよく、例えば、セルラーゼ、へミセルラーゼ、ペクチナーゼ、及びこれらの酵素を混合する粗酵素等が挙げられるが、特に限定はない。また、水溶液の媒体としては、水又は酢酸バッファー等の緩衝液が用いられる。
なお、酵素反応前に、予め、コンニャク粉を0.5%以上の濃度で温水中に溶解すると、酵素の最適温度である50℃前後の温度帯にした場合にゲル化してしまい、引き続き酵素処理をするときには酵素液の拡散や酵素反応を阻害する(固体なので酵素反応が低下する)要因となるため、好ましくない。
以上のようにして得られる部分加水分解コンニャクマンナンは、前記のような部分加水分解処理した際に、pH4〜10、50℃の状態では完全にゲル化しておらず液状であること、及び1%の部分加水分解コンニャク溶液の粘度がB型粘度計で測定した場合(20rpm、50℃)に3.5Pa・s以下であるものが好ましい。
前記乳酸菌としては、グルコース、マンノース及びセロビオースを資化することができ、かつマンノオリゴ糖、コンニャクマンナンを資化することが実質的にできないという資化性を兼ね備えた種あるいは株であればよい。なお、糖の資化とは、菌体が必要な炭素源として前記糖を用いて生育できることをいう。
前記乳酸発酵の条件(培養時の部分加水分解コンニャクマンナンのpH、培養温度等)は、乳酸菌の種類によって適宜調整すればよい。
中でも、コンニャクマンナンの効能をより向上させるという観点から、乳酸発酵時には、前記コンニャクマンナンを用いる以外は、乳酸菌の糖原となるような糖質を添加せずに発酵させることが本発明の大きな特徴のひとつである。即ち、加水分解処理によって生じたコンニャクマンナン由来の一部の糖質(単糖及び二糖)によって乳酸菌が十分に増殖可能となり、これにより本発明の効果が奏される好適な乳酸発酵の状態となることが確認されている。また、乳酸菌によってはホモ発酵あるいはヘテロ発酵に分けられるが、細胞外多糖等の乳酸菌生成物や場合によっては二酸化炭素や乳酸や酢酸も含み、さらに乳酸菌体も腸内改善に役立つことから、特に発酵代謝方法についての違いによって乳酸菌の種類は限定されない。
なお、一般的な乳酸菌は、特殊な糖原を加えた場合を除き、部分加水分解コンニャクマンナン以外の他の糖原を添加して乳酸発酵させた場合、乳酸菌がヒトにとって有益な物質を精製してくれることや増殖が著しく促進することは考え難い。しかも、他の糖原を添加することで、この添加した糖原の量だけコンニャクマンナン由来の単糖類や二糖類が残存してしまう。したがって、本発明では、コンニャクマンナンを高度利用する観点から、部分加水分解コンニャクマンナン以外の糖原を添加せずに乳酸発酵を行う。
本発明に用いられるゲル化剤としては、寒天、ファーセレラン、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、ペクチン、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、澱粉、キサンタンガム、カードラン、ジェランガム、大豆多糖類、アルギン酸等が挙げられる。
前記ゲル化剤の配合量は、コラーゲンペプチド含有ゼリー中において0.5〜3.0重量%が好ましく、0.8〜1.5重量%がより好ましい。
また、本発明のコラーゲンペプチド含有ゼリーには、所望の味を付与する観点から、糖類及び/又は果汁・酸味料等を含有することができる。
また、本発明のコラーゲンペプチド含有ゼリーには、必要に応じて、その風味に悪影響を及ぼさない程度に、下記の任意成分を添加することができる。
前記の構成を有する本発明のコラーゲンペプチド含有ゼリーは、
水又は緩衝液にコラーゲンペプチド及び酵母エキスを添加し、その後植物由来カテキン、タンニン及びゆずポリフェノールからなる群より選ばれる1種類以上を添加してコラーゲンペプチド溶液を調製する工程、
寒天及び/又はコンニャクを加水分解した後に乳酸菌によって発酵させた乳酸発酵寒天分解物及び/又は乳酸発酵コンニャク分解物を調製する工程、
ゲル化剤を溶解後に上記の二種の工程で調製されたコラーゲンペプチド溶液と、乳酸発酵寒天分解物及び/又は乳酸発酵コンニャク分解物とゲル化剤とを混合する工程
を経ることで製造することができる。
ここで、コラーゲンペプチドと酵母エキスの添加順序については、別々に添加しても、同時に添加してもよく、特に限定はない。また、コラーゲンペプチドと酵母エキスとは水又は緩衝液中に溶解した後、植物由来カテキン、タンニン又はゆずポリフェノールを添加することが好ましい。
ゼラチンの加水分解には、前記酵素を用いればよく、分解処理の程度としては、得られるゼラチン分解物中におけるコラーゲンペプチドに、分子量2,700以下のコラーゲンペプチドが50%以上含まれるまで行えばよい。また、分解処理条件としては、使用する酵素の最適な条件を選択すればよい。
なお、溶液状態の混合物は、所望の形状の容器に流しこんだ後、冷却することでゼリーとして固めることができる。
本発明は、前記コラーゲンペプチド含有ゼリーを焼き菓子ではさみこむことを特徴とするゼリー複合菓子に関する。
前記焼き菓子としては、マカロン、クッキー、マフィン、ビスケット、ケーキ、パイ等が挙げられる。
前記コラーゲンペプチド含有ゼリーを焼き菓子ではさみこむことでゼリー複合菓子を得ることができる。はさみこむ手段としては、コラーゲンペプチド含有ゼリーをはさんだ焼き菓子を適当な力で押圧すればよく、コラーゲンペプチド含有ゼリーと焼き菓子との接着性を高めるために、でん粉、砂糖、酵素(例えばトランスグルタミナーゼ)等をコラーゲンペプチド含有ゼリー又は焼き菓子の接着面に塗布してもよい。
得られるゼリー複合菓子は、焼き菓子の香ばしさとゼリーのフルーティーな香りを兼ね備え、かつ食感差が味わえるという風味を有するものである。
あらかじめ分子量分布を測定した際に50%以上が分子量2,700以下である豚由来コラーゲンペプチド(SCP−3100;新田ゼラチン社製)を使用した。10mM以下のクエン酸バッファー溶液(クエン酸は酸味料に含まれる)にコラーゲンペプチド(分子量2,700以下のコラーゲンペプチド含有量65%)を溶解し、その後、酵母エキス(SK酵母エキスHU;日本製紙ケミカル社製)を添加した。最終的にゼリー中にコラーゲンペプチド水溶液及び香料・酸味料・水飴・果汁を添加してゼリーを作製した。なおゼリーの組成を表1に示す。また、酵母エキスの量としてはゼリー中に、「0.001%」(比較例1)、「0.01%」(比較例2)、「0.1%」(比較例3)、「1.0%」(比較例4)となるように添加した。
ゼリーの風味に対する評価基準
評点:内容
A:ゼリーとして良好な味である。
B:ゼリーとしては良好であるが、コラーゲン臭が微かに感じられる。
C:ゼリーとして普通に味わえるが、コラーゲン臭が感じられる。
D:ゼリー中にコラーゲン臭を強く感じるが、食べることが出来る。
E:ゼリーの味よりもコラーゲン臭が強く、不味い。
評点:内容
A:コラーゲン臭がほとんど感じられない。
B:コラーゲン臭が若干感じられる。
C:コラーゲン臭が感じられる。
D:コラーゲン臭がかなり感じられる。
E:コラーゲン臭及びそれ以外の不快臭がかなり感じられる。
あらかじめ塩酸溶液(0.5% 塩化水素)を85℃から95℃までの温度帯で恒温にした。攪拌しながら3%溶液になるように粉末寒天(伊奈寒天(株);S−6)を前記塩酸溶液に加えた。全て加えた後に1時間恒温で攪拌しながら放置した。1時間後、寒天水溶液が液化していることを確認した後に温度を50℃以下に下げた。さらにクエン酸ナトリウムを加えてpH7.0に中和した。その後、乳酸菌Lactobacillus acidophilusを1x108個/mlの濃度になるように添加し、38℃で8時間静置培養した。培養完了後に85℃で15分間の加熱によって酵素反応を停止させた。最終的に乳酸菌の密度は5x108〜5x1010個/mlになった。以後このようにして得られた組成物を乳酸発酵寒天分解物と呼ぶ。6糖以下の成分の含有量は、陽イオン交換カラムを用いたゲルろ過クロマトグラフィー(GFC)によって測定したところ、95%(w/w)であった。
比較例1〜4と同様に、10mM以下のクエン酸バッファー溶液に豚由来コラーゲンペプチドを溶解し、その後、酵母エキス(SK酵母エキスHU;日本製紙ケミカル社製)を添加してから完全に溶解した。さらに、茶カテキンを前記コラーゲンペプチド溶液に添加した(組成を表3に示す)。このコラーゲンペプチド溶液に前記乳酸発酵寒天分解物を添加し、ゲル化剤としてカラギーナンの水溶液を添加し、さらに香料・クエン酸(酸味料)、水飴、果汁を添加し、冷却してコラーゲンペプチド含有ゼリーを作製した。コラーゲンペプチド含有ゼリーの組成を表3に示す。また、酵母エキスの含有量も比較例1〜4と同様に4段階に調整した。
実施例1と同様に、10mM以下のクエン酸バッファー溶液にコラーゲンペプチドを溶解し、その後、0.1%の酵母エキス(SK酵母エキスHU;日本製紙ケミカル社製)を添加してから完全に溶解した。さらに、茶カテキン、ゆずポリフェノール、ブドウ種子抽出物(タンニン含有)をそれぞれ0.01〜100ppmの濃度になるように前記コラーゲンペプチド溶液に添加した。このコラーゲンペプチド溶液を用いて、実施例1と同様にしてコラーゲンペプチド含有ゼリーを作製した。
得られたコラーゲンペプチド含有ゼリーについて、コラーゲン臭に対するマスキング効果及びゼリーの風味を実施例1と同様に調べた。その結果を表5〜7に示す。
あらかじめアスペルギルス・ニガー由来の粗酵素であるヘミセルラーゼ「アマノ90」(天野エンザイム社製)0.6gを10mMクエン酸バッファー溶液(pH4.5)1L中に溶解した。酵素溶解後に40℃から50℃までの温度帯で恒温にした。その後、コンニャク粉100gを三等分(40g・30g・30g)にして8分おきに攪拌しながら前記酵素水溶液に加えた。全て加えた後に1時間恒温で攪拌しながら放置した。1時間後、コンニャク粉(コンニャクマンナン)が膨潤・液化していることを確認した後に温度を38℃に下げた。さらにクエン酸ナトリウムを加えてpH6.5に引き上げた。その後、乳酸菌Lactobacillus acidophilusを1x108個/mlの濃度になるように添加し、38℃で8時間静置培養した。培養完了後に85℃で15分間の加熱によって酵素反応を停止させた。最終的に乳酸菌の密度は5x108〜5x1010個/mlになった。以後このようにして得られた組成物を乳酸発酵コンニャク分解物と呼ぶ。6糖以下の成分の含有量は、陽イオン交換カラムを用いたゲルろ過クロマトグラフィー(GFC)によって測定したところ、85%(w/w)であった。
前記乳酸発酵コンニャク分解物を用いて、コラーゲンペプチド及び発酵コンニャクを含有するゼリーを実施例1と同じように作製した。その組成を表8で示す。実施例1との違いは乳酸菌で発酵させた寒天分解物ではなく、その代わりに乳酸発酵コンニャク分解物を使用していることである。
実施例3で得られたコラーゲンペプチド含有ゼリーの官能評価したところ、ゼリーの風味及びコラーゲン臭の評価がいずれも「A」であった。
Claims (5)
- コラーゲンペプチド、
酵母エキス、
植物由来カテキン、タンニン及びゆずポリフェノールからなる群より選ばれる1種類以上、
乳酸菌で発酵させた寒天分解物及び/又は乳酸菌で発酵させたコンニャク分解物、ならびに
ゲル化剤
を含有することを特徴とするゼリー。 - 前記ゼリー中に含まれるコラーゲンペプチドに分子量2,700以下のコラーゲンペプチドが50%(w/w)以上含まれる請求項1に記載のゼリー。
- 前記ゼリー中に含まれる寒天分解物及び/又はコンニャク分解物に6糖以下の分解物を80%(w/w)以上含有した乳酸発酵寒天分解物及び/又は乳酸発酵コンニャク分解物が含まれる請求項1又は2に記載のゼリー。
- 請求項1〜3いずれかに記載のゼリーを焼き菓子ではさみこむことを特徴とするゼリー複合菓子。
- 水又は緩衝液にコラーゲンペプチド及び酵母エキスを添加し、その後植物由来カテキン、タンニン及びゆずポリフェノールからなる群より選ばれる1種類以上を添加してコラーゲンペプチド溶液を調製する工程、
寒天及び/又はコンニャクを加水分解した後に乳酸菌によって発酵させた乳酸発酵寒天分解物及び/又は乳酸発酵コンニャク分解物を調製する工程、
ゲル化剤を溶解後に上記の二種の工程で調製されたコラーゲンペプチド溶液と、乳酸発酵寒天分解物及び/又は乳酸発酵コンニャク分解物とゲル化剤とを混合する工程、
を含むことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のゼリーの製造方法。
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