JP2011026173A - 合成石英ガラスの熱処理方法 - Google Patents

合成石英ガラスの熱処理方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】合成石英ガラスブロックを複数個積み重ねて、これらを雰囲気炉内で熱処理する合成石英ガラスの熱処理方法であって、上記合成石英ガラスブロックが多角柱又は円柱であって、その高さがこの多角柱の底面の対角線よりも短い又は円柱の底面の外径よりも短いものであり、これらブロック間に空隙を設けてブロック同士を接触させずに積み重ね、熱処理する合成石英ガラスの熱処理方法。
【効果】本発明によれば、例えば、エキシマレーザ、特にはArFエキシマレーザ用、更にはArF液浸技術等に使用されるフォトマスク用合成石英マスク基板材用途、所謂レチクル材用に使用され、良好な透過率及び均一な透過率分布を有し、しかも劣化の少ない上、更には複屈折率の低いエキシマレーザ用合成石英ガラス基板、また高精細ディスプレイ用の光部品用基板等の素材となる合成石英ガラスを提供できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、エキシマレーザ照射、特にArFエキシマレーザ照射、更にはArF液浸技術等にも使用されるフォトマスク用合成石英マスク基板等の石英ガラス基板用として好適な、光透過率、透過率均一性に優れ、かつ使用に際して光透過率変化が少なく、均一である合成石英ガラスを得るための合成石英ガラスの熱処理方法に関し、特には、より複屈折率の低い要求のある用途や、更に最近では大型テレビ等で高画質ディスプレイを作るための光部品用として、低複屈折率な石英ウェーハ基板用途等の素材になる合成石英ガラスの熱処理方法に関する。
近年、超LSIの高集積化に伴う露光パターンの微細化が進み、回路パターンを半導体ウェーハ上に描画するリソグラフィー装置(ステッパー装置)においても、露光光源はより短波長化が求められてきている。この結果、露光装置の光源として、従来のi線(波長365nm)からKrFエキシマレーザ(波長248nm)が主流となり、近年ではArFエキシマレーザ(波長193nm)の実用化が始まってきており、更に高NA化のための液浸技術の導入が始まっている。
このような光源の短波長化や、レンズの高NA化に伴い、露光装置に使用されるレンズ、ウインドウ、プリズム等の光学部品に加えて、IC回路の原版であるフォトマスク用合成石英マスク基板、所謂レチクルについても、より高精度なものが求められてきている。特にArFエキシマレーザに関しては、光源の偏光照明への切替により投影レンズ等の光学部品と同様に、高い紫外線透過性、透過性の高均一性、エキシマレーザ照射に対する透過率の安定性及び均一性等に加えて、更には低複屈折率・複屈折率の均一性といった極めて重要な課題が多数存在している。
一方、テレビ等のディスプレイ分野においては、液晶テレビ、プラズマテレビ、リアプロテレビ等で代表されるように、特に薄型化・大画面化が進む中、今後は高精細・高画質なディスプレイの開発が鋭意進められている。例えば、液晶表示をよりハイコントラストにするための光部品用に、低複屈折率である合成石英ガラスウェーハ基板の要求もある。
合成石英ガラス用基板の原料となる合成石英ガラスインゴットを製造する方法には、一般的に、シリカ原料を火炎加水分解して得られるシリカ微粒子を溶融しつつ堆積成長する直接法と、シリカ原料を火炎加水分解して得られるシリカ微粒子を堆積成長した後、透明ガラス化するスート法という2つの製造方法がある。
通常、紫外線吸収の原因となる金属不純物の混入を避けるために、例えば直接法では高純度の四塩化ケイ素等のシラン化合物や、シリコーン化合物の蒸気を直接酸水素火炎中に導入し、これを火炎加水分解させてシリカ微粒子を生成させ、直接回転する石英ガラス等の耐熱性基体上に堆積・溶融ガラス化させて、透明な合成石英ガラスとして製造される。
このようにして製造された透明な合成石英ガラスは、190nm程度の短波長領域まで良好な光透過性を示し、紫外線レーザ光、具体的にはi線の他、KrF(248nm)、XeCl(308nm)、XeBr(282nm)、XeF(351nm,353nm)、ArF(193nm)等のエキシマレーザ光及びYAGの4倍高調波(250nm)等についての透過材料として用いられてきた。
紫外線に対する透過率は、例えばArFエキシマレーザでは、使用波長である波長193.4nmの光に対する透過率が最も重要であるが、合成石英ガラスの場合、この波長領域の光に対する透過率は、不純物の含有量によって低下する。この不純物の代表的なものは、Na等のアルカリ金属とCu、Fe等の金属元素である。合成石英ガラスの場合、原料であるシラン類、シリコーン類の純度が極めて高純度のものを使用することにより、得られた合成石英ガラス中に含まれるこれら金属不純物の濃度を感度のよい検出装置で測定しても検出不可能なレベル(<1ppb)まで低減することが可能であるが、Na、Cuについては、合成石英ガラスに対する拡散係数が比較的大きいために、熱処理によって、外部から拡散し、混入することが多く、これらの処理はそのような汚染が生じにくいように特に注意が必要である。
また、上記不純物以外にも合成石英ガラス中に存在する固有欠陥も透過率に影響を与えることが知られている。この欠陥とは、合成石英ガラスを構成するSi−O−Si構造に対して酸素が過不足しているもの、例えば酸素欠損欠陥(Si−Si:245nmに吸収を有する)や、酸素過多欠陥(Si−O−O−Si:177nmに吸収を有する)が有名であるが、紫外線用途の合成石英ガラスの場合、このような欠陥が、少なくとも分光測定で測定できるレベルにあるものは最初から除外されているので、より微妙な欠陥、例えば極度に伸縮したり、圧縮したSi−O−Si結合であるとか、Si−O−Si結合角が安定領域から外れた状態等が問題になると言われている。
このようなより微妙な欠陥が、波長200nm以下の紫外線領域になると微小な吸収をもたらすと言われている。これらは、合成石英ガラスの製造方法に起因して生じるものと考えられており、例えば上記に記載したような直接法で製造した合成石英ガラスインゴットの成長方向に対して垂直な面における中心部と外周部とで微妙な透過率差が、例えばArFエキシマレーザの波長193.4nmにおいては、0.5%程存在する。これはシリカの成長溶融面の温度分布によると考えられ、外周部の方の表面温度が中心部より低いために微妙な不安定構造により外周部の紫外線透過率が低くなるものと考えられている。
特開平7−61823号公報(特許文献1)には、これら不安定構造を取り除くための手段として、直接法による合成石英の成長速度を2mm/hr以下に低減する方法が開示されている。この方法は有効な手段であると思われるが、成長速度が非常に遅いため、生産性が悪く経済的に問題がある。
インゴットの紫外線透過率を向上させる効果的な方法として、特許第2762188号公報(特許文献2)は、熱処理工程における合成石英ガラス成形体の汚染によって生じる200nm以下の波長の光の吸収が、波長150〜300nm、望ましくは180〜255nmの範囲内の波長の紫外線を照射することによって消失することも開示している。
次に、紫外線透過率と同様に重要な特性として、合成石英ガラスのエキシマレーザ照射に対する安定性がある。特にArFエキシマレーザの場合、KrFエキシマレーザに比べて5倍位ダメージが入り易いと言われており、非常に重要な要素である。
合成石英ガラスにArFエキシマレーザが照射された場合に生じる現象として、Si−O−Siの結合がレーザ光の非常に強いエネルギーによって開裂し、E’センター(イープライムセンター)と呼ばれる常磁性欠陥が生成し、215nmの吸収が生じる現象がある。これは合成石英ガラスの193.4nmに対する透過率低下をもたらす。また、構造的には合成石英ガラスの網目構造が再配列してガラス密度が上昇して屈折率が高くなるレーザコンパクションやレアファクションと呼ばれガラス中のOH基量に左右されると言われている密度低下を引き起こし、屈折率の低下現象を生じることとしてもよく知られている。
このような合成石英ガラスのレーザ照射に対する安定性を向上するためには、上記に記載したように合成石英ガラスの固有欠陥を低減すると同時に、合成石英ガラス中の水素分子濃度をあるレベル以上にすることが極めて効果的であると知られている。
また、エキシマレーザ照射による合成石英ガラスへのダメージを合成石英ガラス中の水素分子が阻害することは、特開平1−212247号公報(特許文献3)に示されて以来、熱心に研究されていてよく知られている事実である。
この水素分子は、特開平7−43891号公報(特許文献4)にも開示されているように、特にArFエキシマレーザを高エネルギー(100mJ/cm2・pulse)による加速的な照射試験をした場合に、水素分子が多いと、照射初期での波長193.4nmでの吸収が増大するが、その後長期的な照射を継続すると吸収は緩和される。逆に、水素分子が少ないと照射初期段階の193.4nmでの吸収は小さいが、長期的照射では吸収が増大する。従って、合成石英ガラス中に含有される水素分子濃度を適度に調整する必要がある。
特に生産性の追求、歩留まり向上を狙った直接法による合成石英ガラスインゴットは、その製法条件によって、酸水素ガスバランスでは水素が酸素量論量に比べて過剰な条件で作製されているために、作製された合成石英ガラスインゴット中に水素分子が非常に多く含有されており、上記ArFエキシマレーザを照射した際の照射初期吸収が増大し易い。
合成石英ガラス中に水素分子を適量含有させる方法には2通りある。一つは、合成石英ガラスインゴットの成長時に燃焼ガスである水素やプロパンと酸素の比率を適当に調節することにより、成長インゴット中に水素分子を含有させる方法である。この方法であれば、合成石英ガラスインゴット中の水素分子濃度を0〜2×1019分子数/cm3程度の範囲で調整することが可能である。
もう一つの方法は、合成石英ガラス体を水素雰囲気中で熱処理することにより水素分子を熱拡散する方法である。この方法は水素分子濃度を厳密に制御できるという利点を有する。
上述したように、合成石英ガラス部材の初期透過率や耐エキシマレーザ性については
各種提案がなされており、高特性なものを得る方法については適宜実施することができる。
特に最近では、例えばArFエキシマレーザの実際の使用において、レーザ照射初期吸収の抑制及び均一性に加えて、更に光部品、フォトマスク用合成石英ガラス基板中の残留複屈折率の存在や、レーザ照射中の複屈折率の変化が重要になってきている。
合成石英ガラス中の複屈折率は、一般的に上述した合成石英ガラスの製造方法から作製した合成石英ガラス、通常はインゴットの状態であるが、これを軟化温度以上に加熱して所望形状・大きさにする熱間成型処理をした際の冷却時に、主に残留熱応力起因の歪として検出される。
この残留熱応力起因である歪を除去して複屈折率の低減を図る方法として、例えば、光学部材の製造工程では、石英ガラス中の歪除去のために徐冷を伴う熱処理(アニール)を施すことが一般的とされており、これは石英ガラスの熱特性を考慮して実施する。この熱特性は、一般的にはLittletonの定義が広く用いられていて、15分間に歪が消失する温度を徐冷点(1×1012Pa・s)とし、ガラスの粘性流動が起こり得ない温度でこの温度以下ではガラス中の歪を除去できないとする歪点(4×1013Pa・s)として定義されている。
しかしながら、より低い複屈折率値を狙う場合は、上記熱処理における降温時に、被処理物の中央部分と外周部分とで温度分布を生じ、その温度分布が被処理物の密度の差として残り、これが屈折率分布や複屈折率を十分期待できるレベルまで改善できなかった。
これら熱処理も石英ガラスに関して色々な方法が提案されている。特に上述したエキシマレーザ光源を用いた露光機の投影用レンズ材などの熱処理方法として、例えば、特開2002−167227号公報(特許文献5)には、熱処理容器及び熱処理方法として扁平円柱状の合成石英ガラス体を収容し、隙間にSiO2粉を充填した状態で被処理物の中央部の放熱速度が周囲の放熱度より高く設定した屈折率分布及び複屈折率の改善方法が提案されている。
しかしながら、これらの方法で、被処理物の一部分、中央部で複屈折率値は1nm/cm以下まで低減できるが、外周部の方がまだ中央部よりも高くなる分布が残り、材料ロスになる。また、被処理物をSiO2粉中に充填する際のSiO2粉を純度的に高純度のものを使用する必要があり、コスト的にも作業効率的にも満足できるものではなかった。
特開平7−61823号公報 特許第2762188号公報 特開平1−212247号公報 特開平7−43891号公報 特開2002−167227号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、エキシマレーザ照射、特にArFエキシマレーザ照射、更にはArF液浸技術等にも使用されるレチクル、フォトマスク用合成石英マスク基板等の石英ガラス基板用として好適な、光透過率、透過率均一性に優れ、かつ使用に際して光透過率変化が少なく、均一である合成石英ガラス基板で、特に、より複屈折率の低い要求のある用途や、更に最近では大型テレビ等で高画質ディスプレイを作るための光部品用として低複屈折率石英ウェーハ基板用等の素材になる合成石英ガラスの熱処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、合成石英ガラスインゴットを軟化点以上の温度1700〜1900℃の範囲で所望の形状に熱間成型し、得られた合成石英ガラスブロックを例えば約50mmt以下の厚みのブロックに切出し、得られたブロックを熱処理(アニール)して、更にこのブロックに紫外線を一定時間照射した後、そのブロックを更にスライスして基板にして研磨し、透明な合成石英ガラス基板を製造する場合、合成石英ガラスインゴットの熱間成型後に切出したブロックを、多角柱又は円柱であって、その高さをこの多角柱の底面の対角線よりも短くするか、又は円柱の底面の外径よりも短くし、これらブロック間に空隙を設けてブロック同士を接触させずに複数個積み重ねて雰囲気炉内で熱処理することによって、複屈折率が2nm/cm以下、特に1nm/cm以下と低く、かつその切出したブロックからの複屈折率2nm/cm以下、特に1nm/cm以下の基板の取得率が高い合成石英ガラス基板を得ることが出来ると共に、この複屈折率の低い合成石英ガラス基板が、エキシマレーザ用、特にArFエキシマレーザ露光機用として用いられて、Siウェーハ上でのコントラストを高くできる、良好なフォトマスク用合成石英ガラス基板となること、及びこれらの低複屈折率基板をウェーハ状にして液晶用ディスプレイの高精細化を狙った光部品用の低複屈折率ウェーハ基板として使用すると高コントラストが得られることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記合成石英ガラスの熱処理方法を提供する。
請求項1:
合成石英ガラスブロックを複数個積み重ねて、これらを雰囲気炉内で熱処理する合成石英ガラスの熱処理方法であって、上記合成石英ガラスブロックが多角柱又は円柱であって、その高さがこの多角柱の底面の対角線よりも短い又は円柱の底面の外径よりも短いものであり、これらブロック間に空隙を設けてブロック同士を接触させずに積み重ね、熱処理することを特徴とする合成石英ガラスの熱処理方法。
請求項2:
1000〜1300℃まで昇温して、この温度を一定時間保持した後、800〜1000℃まで−20℃/hr以下の降温速度で冷却し、更に100〜300℃まで−40℃/hr以下の降温速度で冷却することを特徴とする請求項1記載の合成石英ガラスの熱処理方法。
請求項3:
合成石英ガラスインゴットを1700〜1900℃の範囲で熱間成型し、この成型した合成石英ガラスを厚さ50mm以下のブロックに切出した後、得られたブロックを熱処理し、このブロックを更にスライスして基板にして透明な合成石英ガラス基板を製造する際における上記熱処理工程として実施される請求項1又は2記載の合成石英ガラスの熱処理方法。
請求項4:
合成石英ガラスブロック間の空隙の幅が10〜100mmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の合成石英ガラスの熱処理方法。
請求項5:
最下段の合成石英ガラスブロックと炉底との間に空隙を設けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の合成石英ガラスの熱処理方法。
請求項6:
合成石英ガラスブロックの高さが、多角柱の場合は、底面の対角線の2分の1以下であり、円柱の場合は、底面の外径の2分の1以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の合成石英ガラスの熱処理方法。
請求項7:
合成石英ガラスブロック中の主面全面の複屈折率の最大値が2nm/cm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の合成石英ガラスの熱処理方法。
請求項8:
合成石英ガラス基板が、ArFエキシマレーザ照射用フォトマスクの製造用合成石英基板である請求項3乃至7のいずれか1項記載の熱処理方法。
本発明によれば、例えば、エキシマレーザ、特にはArFエキシマレーザ用、更にはArF液浸技術等に使用されるフォトマスク用合成石英マスク基板材用途、所謂レチクル材用に使用され、良好な透過率及び均一な透過率分布を有し、しかも劣化の少ない上、更には複屈折率の低いエキシマレーザ用合成石英ガラス基板、また高精細ディスプレイ用の光部品用基板等の素材となる合成石英ガラスを提供できる。
合成石英ガラスの製造装置の一例を示す概略図である。 合成石英ガラスブロックのセット方法を示す説明図である。 炉体内(炉体底部)へセットした合成石英ガラスブロックを示す平面図である。
まず、原料の合成石英ガラスインゴットの製造方法から説明すると、本発明における合成石英ガラスインゴットの製造法は、シリカ原料化合物を酸水素火炎によって気相加水分解又は酸化分解してシリカ微粒子をターゲット上に堆積させると共に、これを溶融ガラス化して合成石英ガラスインゴットを製造する方法(いわゆる直接法)である。
この場合、シリカ原料化合物としては有機ケイ素化合物を用い、好ましくは下記一般式(1)又は(2)で示されるシラン化合物、下記一般式(3)又は(4)で示されるシロキサン化合物が好適に用いられる。
nSiX4-n (1)
(式中、Rは水素原子又は脂肪族一価炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子又はアルコキシ基、nは0〜4の整数である。)
(R1kSi(OR24-k (2)
(式中、R1,R2は同一又は異種の脂肪族一価炭化水素基を示し、kは0〜3の整数である。)

(式中、R3は水素原子又は脂肪族一価炭化水素基を示し、mは1以上の整数、特に1又は2である。また、pは3〜5の整数である。)
ここで、R,R1,R2、R3の脂肪族一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜6のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等の炭素数2〜4のアルケニル基等が挙げられる。また、Xの加水分解性基としては、塩素基等のハロゲン基、−OCH3、−OCH2CH3等のアルコキシ基等が挙げられる。
具体的に上記一般式(1)又は(2)で示されるシラン化合物としては、SiCl4、CH3SiCl3、Si(OCH34、Si(OCH2CH34、CH3Si(OCH33等が挙げられ、一般式(3)又は(4)で示されるシロキサン化合物としては、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
そして、酸水素火炎を形成する石英製バーナーに原料のシラン又はシロキサン化合物、水素、一酸化炭素、メタン、プロパン等の可燃性ガス、酸素等の支燃性ガスの各々を供給する。
なお、シラン化合物、水素等の可燃性ガス、酸素等の支燃性ガスを供給するバーナーは、通常と同様に、中心部が多重管、特に三重管又は五重管バーナーを用いることができる。また、合成石英ガラスインゴットを製造する装置は、竪型又は横型でもいずれも使用することができる。
得られた合成石英ガラスインゴットから、本発明の複屈折率の低い合成石英ガラス基板を製造するには、
(i)温度1700〜1900℃の範囲で所望の形状に熱間成型し、
(ii)熱間成型した合成石英ガラスブロックを50mmt以下の厚みで切断し、
(iii)切断した50mmt以下の厚みの合成石英ガラスブロックを本発明の熱処理方法でアニールし、
(iv)アニールした合成石英ガラスブロックをスライスして基板にし、次いで研磨する
という各工程を経て透明な合成石英ガラス基板を製造する。
更に詳述すると、先述したように製造した合成石英ガラスインゴットの表面に付着した微細なシリカ粉(スート)を円筒研削機等で除去した後、表面に付着した汚れ等をフッ酸中でエッチングし、純水又は超純水でよく洗い流し、クリーンブース等で乾燥させる。次に、所望の形状にするための熱間成型を実施する。これは真空溶解炉で、高純度カーボン材等を型材として、型材と合成石英ガラスインゴットとの間に高純度カーボンシート材を介するように合成石英ガラスインゴットを型材の中に仕込み、炉内雰囲気がアルゴン等の不活性ガス下で大気圧よりも若干の減圧で温度1700〜1900℃の範囲で30〜120分間保持し、円柱状のインゴットを更に拡大して、例えば直径200〜320mmφ等の円柱状合成石英ガラスブロック、或いは形状を角柱状にして底面が130mm×130mm〜200mm×200mm角の四角柱等の多角柱状の合成石英ガラスブロックにする。
次に、この熱間成型により作製した合成石英ガラスブロックを、高さ方向で、多角柱の場合はその底面の対角線の2分の1以下とすることが好ましく、円柱の場合、底面の外径の2分の1以下とすることが好ましい。例えば、10〜50mmtの厚さの範囲、好ましくは30〜40mmtの厚さの範囲で順にスライスしてブロックとして切出す。10mmtよりも薄すぎると、次工程で実施するアニール処理において不純物等の拡散が内部中央部まで拡散する可能性がある。また、50mmtよりも厚過ぎると、次工程のアニール処理時に複屈折率を2nm/cm以下、特に1nm/cm以下まで低減することが難しくなる場合がある。
この合成石英ガラスブロックからスライスして切出したブロック中の残留熱応力による歪を除歪するため、所謂アニール処理を実施する。このアニール処理は、通常の高温雰囲気炉を使用する。本発明において、アニール炉内への合成石英ガラスブロックのセット方法は下記の通りである。
(1)50mmt以下の厚さの合成石英ガラスブロックを複数個重ねてセットする。このとき2個以上、好ましくは3〜5個として、使用する炉の大きさに合わせて積み重ねて個数を増やしてもよい。
(2)この合成石英ガラスブロックを積重ねる際に、合成石英ガラスブロック間に同じ合成石英ガラス部材、サイズとして、例えば幅10mm以下、厚さ10〜100mmの角ブロックないし10mmφ程度の円柱ブロックを上記ガラスブロックの主面の四隅に1つずつ、合計4個程度据えて、ブロック間に空隙を設ける。空隙の高さは10〜100mm、特に30〜60mm程度が好ましい。このとき、一番下のブロックと炉床との間にも同様な角又は円柱ブロックを据えて空隙を設けてもよい。なお、空隙とは、ブロック間に気体以外のものが存在していないことを意味する。
(3)この積重ねた合成石英ガラスブロックを複数個炉内に据える。炉の大きさにもよるが、例えば6個程度を2個お互いに並ぶように3列でセットすればよい。このようにして、12〜30個程度を炉内に据えることが好ましい。
この合成石英ブロック間の空隙の高さは、10mmより低い、ないしはブロック同士が重なったりすると、次工程のアニール処理時の冷却過程において、ブロック間相互で断熱効果が発生してしまい、ブロック内部の冷却過程とアニール炉内温度を制御する温度プログラムとの間にギャップが生じ、温度制御プログラムよりもブロック内部温度の冷却速度の方が遅れてしまうために、結果的に急冷状態になってしまい、残留熱応力となり歪の低減が困難になってしまうおそれがあることを本発明者らは知見した。一方、100mmより高いと炉内の高さから積み重ねるブロック数が制限されてしまい、効率的でない場合がある。
このように合成石英ガラスブロックをセットした後、大気中又は窒素等の不活性ガス雰囲気下でアニール温度1000〜1300℃の範囲内において5時間以上、特に5〜10時間保持した後、数時間以上、−20℃/hr以下、特に−1〜−15℃/hrの降温速度で、歪点温度付近の800〜1000℃の範囲までゆっくりと冷却する。これにより合成石英ガラスブロック中の複屈折率を5nm/cm以下に抑えることができる。更に、複屈折率をより低く下げる場合は、最高温度と歪点付近までの冷却速度の調整に加え、歪点以下の温度100〜300℃の温度範囲まで、−40℃/hr以下、特に−1〜−20℃/hrでゆっくり徐冷することによって、例えば2nm/cm以下、更には1nm/cm以下まで抑えることが可能である。なお、複屈折率の測定方法は、後述する通りである。
このとき降温速度をより低くすることが好ましく、アニール温度1000〜1300℃から歪点温度付近800〜1000℃の範囲までの降温速度は−5℃/hr以下、−2℃/hr以下がより好ましく、次いで100〜300℃までの降温速度は、−10℃/hr以下、特には−5℃/hr以下が好ましい。
これらは、上述したように、ブロック内部の温度とアニール炉内との温度ギャップが生じないように降温速度を調整するものである。この場合、上記合成石英ガラスブロックのセット方法と組合せることでブロック主面全面も複屈折率値を2nm/cm以下、特に1nm/cm以下にすることが可能になる。
このようにして作製した合成石英ガラスブロックを、例えばArFエキシマレーザ用フォトマスク基板用として使用する場合は、更にArFの波長193nmでの初期透過率を向上させるために、例えば紫外線照射等を実施してもよい。紫外線照射は、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、水銀キセノンランプ、エキシマランプ等を用いて、0.1〜50時間、特に5〜40時間行うことが好ましい。
また、合成石英ガラスブロックが直接法により製造されたものであれば、このアニール処理後のブロック中の水素分子濃度は5×1015〜5×1017分子数/cm3程度であり、これはArFエキシマレーザ照射時の初期耐性及び長期耐性に対しては適度な濃度に調整されている。なお、直接法の場合、水素分子濃度の調整は、合成石英ガラスインゴットを製造する際のシリカ原料化合物、水素等の可燃性ガス、酸素等の支燃性ガスの各々について、供給バランスを調整することにより行われる。水素分子濃度の測定方法は後述する通りである。
更に、例えばVAD法、OVD法、MCVD法等の所謂スート法の場合であれば、多孔質体から透明ガラス化された合成石英ガラス部材中には、上記の水素分子が含有されていないことから、上述のような熱処理後、スライス基板にて雰囲気炉内にて水素雰囲気で大気圧以上の圧力下、400℃以下の温度で数時間熱処理することで合成石英ガラス基板中に水素分子を5×1015〜5×1017分子数/cm3程度を含有させれば、耐ArFエキシマレーザ性が得られる。
アニール後の合成石英ガラスブロックは、各面を平面研削機によって研削すると同時に、各面を平行に仕上げる。次に、これをスライス加工、各辺の面取り加工、ラップ加工、プレ研磨加工、ファイナル研磨加工と従来の研磨加工工程を経て、例えばエキシマレーザ用合成石英ガラス基板用であれば、6インチ角で厚みが6.35mmtの所謂通常サイズである6025基板等を製造することができる。また、合成石英ガラスインゴットから熱間成型する際に円柱状に拡大成型することで、ウェーハ基板を作製することもできる。例えば8インチφの厚みを1mmt前後等のサイズの作製が可能でもあり、高精細・高コントラスト用の光部品用の低複屈折率な基板として使用できる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
なお、下記例で、内部透過率、水素分子濃度、複屈折率の測定方法は以下の通りである。
内部透過率:
紫外分光光度法(具体的には、VARIAN社製透過率測定装置(Cary400))により測定した。
水素分子濃度:
レーザーラマン分光光度法(具体的には、Zhurnal Priklandnoi Spektroskopii Vol.46 No.6 pp.987〜991,1987に示される方法)により測定した。使用機器は日本分光社製NRS−2100を用い、ホトンカウント法にて測定を行った。アルゴンレーザーラマン分光光度法による水素分子濃度の測定は検出器の感度曲線によっては値が変わってしまうことがあるので、標準試料を用いて値を校正した。
複屈折率:
複屈折測定装置(具体的には、UNIOPT社製複屈折測定装置(ABR−10A))を用いて室温(25〜28℃)における値を測定した。
[実施例1]
原料としてメチルトリクロロシラン3000g/hrを酸素12Nm3/hrと水素30Nm3/hrから火炎を形成している石英製バーナーに供給し、酸化又は燃焼分解させてシリカ微粒子を生成させ、これを回転している石英製ターゲット上に堆積すると同時に溶融ガラス化して合成石英ガラスインゴットを得た。
この場合、図1に示したように、回転する支台1上に石英ガラス製ターゲット2を取り付ける一方、原料蒸発器3内に入れたメチルトリクロロシラン4にアルゴンガス5を導入し、このアルゴンガス5にメチルトリクロロシラン4の蒸気を随伴させ、かつこれに酸素ガス6を混合した混合ガスを石英製バーナー7の中心ノズルに供給すると共に、このバーナー7には、更に上記混合ガスを中心にして順次内側から外側に酸素ガス8、水素ガス9、水素ガス10、酸素ガス11を供給し、バーナー7から上記原料メチルトリクロロシラン、酸水素火炎12をターゲット2に向けて噴出して、シリカ微粒子13をターゲット2に堆積させ、同時に溶融透明ガラス化させて合成石英ガラスインゴット14を得た。
合成石英ガラスインゴットは原料のメチルトリクロロシランを毎時一定流量になるように制御し、かつシリカの溶融成長面の形状を一定に維持させるようにバーナーセッティング調整やバーナー各ノズルより導入される酸水素ガス流量のバランス調整を実施した。これにより140mmφ×350mmの合成石英ガラスインゴットを切り出した。
次に、この合成石英ガラスインゴットの表面に付着した未溶融のシリカ(スート)を除去するため、円筒研削機にて表面を研削した後、表面洗浄のため、50質量%フッ酸溶液中に5時間浸漬させた後、純水槽内で洗い流し、クリーンブース内で乾燥した。
この表面処理された合成石英ガラスインゴットを真空溶解炉にて内側に高純度カーボンシートがセットされている高純度カーボン製型材の中に据えて、温度1780℃、アルゴンガス雰囲気下で40分間加熱して160mm×160mm×210mmLの合成石英ガラスブロックとした。なお、この合成石英ガラスブロックの水素分子濃度は、4×1018分子数/cm3であった。
合成石英ガラスブロックのバリ除去後、約40mmの厚みにスライスして、4ブロックとした。このようにして同じ形状・サイズのブロックを24ブロック作製した。
次に、この24ブロックを大気圧炉内にセットした。まず、ブロック間の隙間セット用冶具として合成石英ガラスで約10mm×30mm×60mmの表面が研削及びHF液によりエッチング処理されたものを幾つか準備した。続いて、大気圧炉床に合成石英ガラスの約10mmt前後の厚みの板を敷き、その上に、図2(a)に示すように、表1に記載の合成石英ガラスブロック間の空隙長となるよう隙間セット用冶具21を合成石英ガラスブロック22の主面の四隅にセットし、その上に上記合成石英ガラスブロックを載せ、更に隙間セット用冶具を上記と同様に載せて、図2(b)に示すように合成石英ガラスブロックを4段に積み重ねた。この積み重ねたブロック23を図3に示すヒーター24を具備した炉内に6箇所セットした。
セット後、大気圧雰囲気にて温度1150℃まで約5時間で昇温後、5時間保持した。900℃まで−2℃/hrの降温速度で徐冷後、更に200℃まで−5℃/hrの降温速度で徐冷し、電気炉の電源をOFFとした。
室温まで冷却後、電気炉のドアを開放して各ブロックを取り出した。これらブロックの6面を平面研削機にて直角度及び表面処理を実施し、6インチ角に仕上げた。
これらのブロックを上述した方法にてブロックの主面、6インチ角面の複屈折率を5mm間隔で測定して面内の分布を測定した。その結果、大気圧炉内に仕込んだ全24ブロックの複屈折率の最大値は1nm/cm以下であることが判った。
更に、これらの合成石英ガラスブロックに低圧水銀ランプを24時間照射した後、通常のスライス加工、面取り加工、ラップ加工、研磨加工を通して、6インチ角の厚み6.35mmの通常の代表サイズである合成石英ガラス基板を得た。
これら研磨された透明な合成石英ガラス基板の複屈折率を全面で測定した結果、ブロックでの測定結果と同様に全枚数において最大値が1nm/cm以下であることがわかった。
[実施例2〜4]
実施例1と同様に表1に示す条件で合成石英ガラスブロックを熱処理し、複屈折率を測定した。
[比較例1]
合成石英ガラスブロックの厚みを100mmとして重ねないで仕込んだ以外は実施例1と同様な処理を実施した。
[比較例2]
合成石英ガラスブロック間の隙間の間隔をなくし直接ブロック同士を重ねた以外は実施例2と同様な処理を実施した。
実施例1〜4及び比較例1,2の結果を表1中に示す。
また、実施例1で作製した合成石英ガラス基板から10mm×6.35mm×90mmのサンプルを切り出して、4面(10mm×90mmの2面、6.35mm×90mmの2面)を研磨して、水素分子濃度及びArFエキシマレーザ照射により波長215nmでの吸光度を測定した結果、波長193nmでの換算値で透過率変化は0.5%以下であった。また、この基板から30mm角のサンプルを切り出した後、30mm角の面に対する波長193.4nmでの透過率及び基板面内の透過率分布を実測した結果、内部透過率で99.60%〜99.85%、基板面内の透過率分布(ΔT%,波長193.4nm)も0.2%以下であった。
1 支台
2 石英ガラス製ターゲット
3 原料蒸発器
4 メチルトリクロロシラン
5 アルゴンガス
6 酸素ガス
7 バーナー
8 酸素ガス
9 水素ガス
10 水素ガス
11 酸素ガス
12 酸水素火炎
13 シリカ微粒子
14 合成石英ガラスインゴット
21 隙間セット用ガラス冶具
22 合成石英ガラスブロック
23 合成石英ガラスブロックの4段積み
24 炉内ヒーター

Claims (8)

  1. 合成石英ガラスブロックを複数個積み重ねて、これらを雰囲気炉内で熱処理する合成石英ガラスの熱処理方法であって、上記合成石英ガラスブロックが多角柱又は円柱であって、その高さがこの多角柱の底面の対角線よりも短い又は円柱の底面の外径よりも短いものであり、これらブロック間に空隙を設けてブロック同士を接触させずに積み重ね、熱処理することを特徴とする合成石英ガラスの熱処理方法。
  2. 1000〜1300℃まで昇温して、この温度を一定時間保持した後、800〜1000℃まで−20℃/hr以下の降温速度で冷却し、更に100〜300℃まで−40℃/hr以下の降温速度で冷却することを特徴とする請求項1記載の合成石英ガラスの熱処理方法。
  3. 合成石英ガラスインゴットを1700〜1900℃の範囲で熱間成型し、この成型した合成石英ガラスを厚さ50mm以下のブロックに切出した後、得られたブロックを熱処理し、このブロックを更にスライスして基板にして透明な合成石英ガラス基板を製造する際における上記熱処理工程として実施される請求項1又は2記載の合成石英ガラスの熱処理方法。
  4. 合成石英ガラスブロック間の空隙の幅が10〜100mmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の合成石英ガラスの熱処理方法。
  5. 最下段の合成石英ガラスブロックと炉底との間に空隙を設けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の合成石英ガラスの熱処理方法。
  6. 合成石英ガラスブロックの高さが、多角柱の場合は、底面の対角線の2分の1以下であり、円柱の場合は、底面の外径の2分の1以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の合成石英ガラスの熱処理方法。
  7. 合成石英ガラスブロック中の主面全面の複屈折率の最大値が2nm/cm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の合成石英ガラスの熱処理方法。
  8. 合成石英ガラス基板が、ArFエキシマレーザ照射用フォトマスクの製造用合成石英基板である請求項3乃至7のいずれか1項記載の熱処理方法。
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