JP4744046B2 - 合成石英ガラス材料の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線レーザー光の照射に対して優れた光透過性を有する光学用合成石英ガラス材料の製造方法に関し、具体的には、特に半導体チップ製造用のKrF、ArFエキシマレーザーを用いたリソグラフィー用の露光装置のレンズやその他の光学部品、また、その他エキシマレーザー光に使用される光学部材、レンズ、ビームスプリッター、プリズム、などに好適に使用される合成石英ガラス材料の製造方法に関する。
【0002】
【関連技術】
LSIの高集積度化に伴い、シリコンウエハー上に集積回路パターンを描画する光リソグラフィー技術においてもサブミクロン単位の描画技術が要求されてきている。大容量DRAM製造や高速のマイクロプロセッサーを製造するためには、半導体チップの回路パターンの描画をより微細に形成することが必要であり、このため、パターン描画用の露光装置も年々改良が加えられている。例えば、超解像技術の導入や露光機光源の短波長化といった改良が加えられてきた。
【0003】
最近では短波長光源としてKrFレーザーやArFレーザーといった紫外線エキシマレーザーが用いられている。光源がエキシマレーザーに変わることによって、露光装置に用いられるレンズなどの光学部品には従来のものより品質の高いものが要求されている。具体的には、光源の短波長化とともに、より優れた紫外線の光透過性、均質性、低い複屈折といった特性が強く要求されるようになってきた。
【0004】
特に光透過性は重要な特性であり、透過性が低いと、レジストを感光させる十分な光量が得られないためにスループットが低下したり、光吸収によるレンズの発熱によって、レンズの焦点距離やその他の特性を狂わせる要因となったり、といった深刻な問題が生じる。したがって、露光装置用の光学部材には非常に高い透過性が要求されている。また、これらの光学的な品質が長期的に安定していることも必要である。
【0005】
通常、KrFやArFレーザーを光源として用いた半導体製造用露光機のほとんどの光学部品には、合成石英ガラスや弗化カルシウム結晶が使用されている。特に193.4nmのArF露光機の場合、一般的には紫外線の透過性が高いと考えられている合成石英であるが、どのようなタイプのものでも良いというわけではなく、細心の注意を払った製造方法によって作成されたものでなければ、要求されている透過率を満足することはできない。
【0006】
これまで、193.4nmの透過性を満足させるために、製造方法の改良が行われてきた。石英ガラスの紫外線領域の透過性を低下させる原因は、主にNaなどの金属不純物による光吸収や、熱処理が不充分なために生じる構造欠陥に起因する吸収、散乱による損失である。
【0007】
特にNaによる吸収増加を抑制するために、石英ガラスの製造過程でのNa混入を防止する製造方法についてのいくつかの提案がなされている。例えば、特開平10−53432号公報は、石英ガラスの合成過程におけるNa混入の抑制方法が示されており、Na濃度を20ppbに抑えつつ、合わせてAlを微量混入させることにより、紫外線領域の高透過性を維持する石英ガラスの製造方法を提案している。また、特開平10−279322号公報では、合成後の熱処理工程時にNaが混入することを防ぐ方法が開示されている。
【0008】
通常、半導体製造用露光機に用いられる石英ガラスでは、高透過性だけではなく、同時に非常に高い均質性や低複屈折という光学特性が要求されるため、均質化や除歪のための長時間の熱処理を施すことが一般的である。上記特開平10−279322号公報は該熱処理時に混入するNaを効果的に抑制する方法を教示し、石英ガラスのマッフル中で熱処理することが示されている。
【0009】
このように紫外線、特にArFレーザーの波長領域の透過性を高く維持するためにはNaを極力混入させないようにする必要があり、これまで、前記したような高純度の石英ガラスの製造方法が提案されてきた。
【0010】
しかしながら、上記特開平10−279322号公報記載の方法は、石英ガラスの熱アニール処理時に外部雰囲気からNaが拡散混入するのを防ぐことが目的であり、この場合、熱アニール処理前の石英ガラス体にはNaが混入していないことが前提となっている。処理前の石英ガラス中にNaが混在していると、熱アニール処理によってそれらのNaが石英ガラス中にも熱拡散してしまい、結果的に透過率が悪化してしまうからである。
【0011】
一般的に紫外線レーザーリソグラフィー装置のレンズ材料となる石英ガラスは、四塩化珪素などの高純度珪素化合物から合成されている。特開平10−53432号公報の図1に示されている石英ガラス合成装置に基本的に類似した装置で合成されており、上記珪素化合物を原料として、これを酸素・水素火炎中に導入し、得られたシリカガラス体を耐熱性ターゲット上に堆積・加熱溶融させて、大きな石英ガラスインゴットを成長させる。
【0012】
この方法はバーナーで生成したシリカ微粒子を堆積しつつ、同時に酸素・水素火炎による熱量によって溶融させることから、直接火炎加水分解法(直接法)と呼ばれており、高純度な石英ガラスインゴットを得ることができる。
【0013】
他の方法として間接火炎加水分解法(スート法)と呼ばれる方法があり、代表的なものはVAD法がある。これは四塩化珪素などの原料を酸素・水素バーナー火炎中に導入してシリカ微粒子を耐熱性ターゲット上に堆積させるが、酸素・水素の火炎を調整して堆積面の温度を低く設定し、スートという多孔質の母材を一旦形成し、これを電気炉などで高温度に保持して透明ガラス化を行う方法で、主に光ファイバーのプリフォームを製造するときに用いられている。
【0014】
スート法の特徴は、多孔質母材の段階で各種の雰囲気処理を施すことによって、さまざまな物性を付加することができ、機能性の高い石英ガラス材料が得られることである。いずれにしても、このような方法で得られた石英ガラスインゴットは長い円柱状をしており、得られる外径と長さはバーナーから供給される熱量や装置のサイズによって制限される。
【0015】
もちろん装置を大型化することにより、大口径の石英ガラスインゴットも形状としては得られるが、前記特開平10−279322号公報にも記載されているように、露光装置用レンズ材料は初期透過率、均質性、歪などの光学特性の仕様も極めて厳しく、これらの仕様を全て満たす大きなサイズの石英インゴットを合成時に得ることは非常に困難である。
【0016】
特に最近では高い解像度を得るためにレンズの開口数(NA)を大きく設定する設計となっており、微細化要求の厳しい最新の露光機のNAは年々大きく、それに伴ってレンズの口径も大きくなってきている。
【0017】
このように大口径・大重量のものを得るためには、前記の合成された石英ガラスインゴットをカーボンなどの耐熱性の型枠に入れて加熱変形(成型)させて所望の形状を得ることが一般的である。このときの加熱温度は、石英ガラスを変形させるために軟化させる必要があるために、通常、1600℃以上の高温度で処理されることが多く、処理温度は前記特開平10−279322号公報に示されている均質化などの熱アニール処理温度と比べてかなり高い。
【0018】
また、直接カーボンなどの型枠と石英ガラスが接触するために、金属不純物によって表面が汚染されることが多い。もちろん、高純度カーボンを使用してNa汚染をできるだけ低減する試みがなされているが、今のところ、露光装置に用いることのできる低Na濃度の石英ガラス体を得るには至っていない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、半導体露光装置用に用いることのできる光学特性を備えた大口径の石英ガラス材料を、直接インゴット合成時に得ることは非常に困難である。したがって、大口径・大重量の半導体露光装置用の石英ガラス材を得るために、カーボンなどの耐熱性持具を型枠として熱成型することが一般的であるが、成型時に型枠に接触していた表面近傍に高い濃度でNaが混入してしまう。これを外部の汚染源から遮断された高純度の雰囲気で熱アニール処理を施しても、石英ガラスの表面近傍のNaは内部に拡散してしまい、結果的にガラス体内部の透過率の低下を引き起こし、半導体露光装置用の石英ガラス材料として用いることができなくなる。
【0020】
本発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、特に大口径・大重量の形状を得るために加熱変形により形成され、Naの混入を抑制し、高い紫外線レーザー透過性を維持しつつ、高い均質性、低い複屈折といった光学特性を兼ね備え、特に半導体露光装置に好適に用いられる紫外線レーザー用合成石英ガラス材料の製造方法及び合成石英ガラス材料を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の合成石英ガラス材料の製造方法は、合成石英ガラス体に対して耐熱性の型枠を用いて加熱変形を伴う熱処理を施す工程と、該熱処理を施した該合成石英ガラス体の表面から深さ5mm以上の領域を全表面にわたって取り除く除去工程と、光学的な均質性を向上させるために該表面領域を取り除いた合成石英ガラス体に対して大気雰囲気で800℃〜1300℃の温度範囲で熱処理を施す熱アニール工程と、を有することを特徴とする。
【0022】
特に型枠と接触している合成石英ガラス体の表面近傍のNa混入量は著しく高いため、この汚染部分をあらかじめ取り除いておくことにより、その後の均質化のための熱アニール処理を施してもNaが石英ガラス体中内部に拡散することなく、高純度・高透過性の光学用石英ガラス体を得ることができる。このようにして得られた石英ガラス体のNa含有量は10ppb以下となる。
【0023】
また、上記工程で得られた合成石英ガラス材料を、光学的な均質性を向上させるために800〜1300℃の温度範囲で、高純度を維持した炉中で熱アニール処理を施すことにより、高透過性、高均質性、低複屈折といった優れた光学特性を備えた大口径・大重量の紫外線レーザー用光学合成石英ガラス材料を得ることができる。
【0024】
上記した本発明方法を適用することによって、直径が250mmを超える口径であっても、632.8nmにおける屈折率の均質性が2E−6以下、複屈折が1nm/cm以下、厚さ10mmにおける193.4nmの内部透過率が99.7%以上、Naの含有量が10ppb以下である石英ガラス材料を得ることができる。
【0025】
このような合成石英ガラス材料は、紫外線レーザーを用いたNAの大きな高解像度向けの半導体露光装置のレンズ材として好適に用いることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明方法の実施の形態を添付図面中、図1に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0027】
図1は本発明の合成石英ガラス材料の製造方法の工程順の1例を示すフローチャートである。同図に示したように、まず本発明方法を適用する合成石英ガラス体を準備する(ステップ100)。この合成石英ガラス体に対して型枠を用いて加熱変形熱処理を施す(ステップ102)。この型枠の材質としては高純度カーボンが好適である。加熱変形熱処理の条件としては、石英ガラス体が加熱によって変形すればよく、例えばHe雰囲気中で1820℃まで加熱し、1820℃で一時間ホールドする。この熱処理を施され成形された石英ガラス体は冷却後型枠から取り出される(ステップ104)。この成形された合成石英ガラス体はその表面から深さ5mm以上の領域が全表面にわたって除去される(ステップ106)。さらに、所望により、光学的な均質性を向上させるために、前記表面から深さ5mm以上の領域を全表面にわたって除去した合成石英ガラス体を800℃〜1300℃の温度範囲で熱処理する(ステップ108)。この熱処理の雰囲気としては、例えば大気を用いればよい。このようにして、本発明の合成石英ガラス材料を得ることができる(ステップ110)。
【0028】
続いて、後記する実施例1において用いられる合成石英ガラスインゴットの製造装置を図2に基づいて説明する。この製造装置10は、チャンバー11を有し、該チャンバー11の下部には、原料ガス、酸素ガス及び水素ガスを導入するガス導入管15が設けられている。該ガス導入管15の先端には該チャンバー11内に位置する石英ガラス製バーナー13が取り付けられている。例えば、原料として高純度の四塩化珪素を用い、これを酸素・水素火炎(バーナー火炎)12中に導入し、シリカ微粒子を生成し、回転する耐熱性ターゲット16上に溶融・堆積させることによって、合成石英ガラスインゴットを製造する。なお、図2において、14は排気管である。
【0029】
さらに、後記する実施例3において用いられる合成石英ガラスインゴットの製造装置を図3に基づいて説明する。この製造装置20は、チャンバー21を有し、該チャンバー21の下部には、原料ガス、酸素ガス及び水素ガスを導入するガス導入管25が設けられている。該ガス導入管25の先端には石英ガラス製バーナー23が取り付けられ、該石英ガラス製バーナー23の先端部は該チャンバー21内に位置している。例えば、原料として四塩化珪素を用い、これを酸素・水素火炎(バーナー火炎)22中に導入し、シリカ微粒子をターゲット上に堆積させ、間接火炎加水分解法により、スート26を形成する。このスート26を高温で透明ガラス化を行い、石英ガラスインゴットとする。なお、図3において、24は排気管である。
【0030】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
【0031】
下記の実施例1〜3及び比較例1、2におけるNaの分析、透過率、均質性、複屈折といった各種物性値の評価方法を以下にまとめておく。
1)Na濃度の分析
ICP−AESによる湿式分析
【0032】
2)初期透過率
直径60mm、厚さ10mmのサンプルをVarian Cary4E分光光度計にて測定する。サンプルの両面は高精度の光学研磨を施し、超純水、IPAを用いて表面を洗浄し、表面汚染をなくしたものである。光学研磨の精度は研磨面の面粗さが5オングストローム(RMS)以下、平行度は10秒以内である。内部透過率は分光透過率計で測定された透過率(見かけ透過率)を理論透過率で除算した値を用いる。なお、厚さ10mmの場合、2面の反射損失を考慮して、理論透過率を90.87%に設定する。従って、内部透過率は、
内部透過率(%)=見かけ透過率(%)/90.87×100
で算出される。
【0033】
3)均質性の測定
屈折率の均質性はフィゾー型干渉計(商品名:Zygo Mark IV)を用いて測定する。均質性は屈折率の最も高い部分と最も低い部分の差(Δn)を算出し、評価する。
【0034】
4)複屈折測定装置
オーク製作所製ADR−200自動複屈折測定装置を使用した。
【0035】
(実施例1)
本実施例における実験手順及び各手順における合成石英ガラス体の形状を示す模式図をそれぞれ図4及び図5に示し、それらの図面とともに本実施例を説明する。図2に示した製造装置により、直径180mm、長さ300mmの石英ガラスインゴットを作成した。原料は高純度の四塩化珪素を用い、これを酸素・水素火炎中に導入し、シリカ微粒子を生成し、回転する石英ガラスターゲット上に溶融・堆積をさせて上記石英ガラスインゴットA1作成した。この石英ガラスインゴットA1の端部からサンプルを切り出し、Na濃度を分析したところ5ppb以下で、高純度な石英ガラスであることが確認された〔図4のステップ200及び図5(a)〕。次に、上記石英ガラスインゴットA1を内径300mmの高純度カーボン製の円柱形型枠B中に設置し、He雰囲気中にて1820℃まで加熱、1820℃で1時間ホールドし、加熱変形させて、直径300mm、高さ100mmの円盤状の成型石英ガラス体A2を得た〔図4のステップ202及び図5(b)〕。
【0036】
その後、得られた石英ガラス体を成型枠Bから取り出し〔図4のステップ204及び図5(c)〕、その上下面及び側面から10mmの深さまでカットし、取り除き、表面部分を取り除いて残った成型石英ガラス体A3を得た〔図4のステップ206及び図5(d)〕。取り除いた石英ガラス部分のNa濃度を分析したところ、30ppb以上検出され、特に表面近傍で著しいNa汚染があったことがわかった(図4のステップ208)。表面部分を取り除いて残った成型石英ガラス体A3を、高純度の雰囲気を有する加熱炉中で、均質性を向上させるために、熱アニールを施し、熱アニール石英ガラス体A4を得た〔図4のステップ210及び図5(e)〕。アニール条件は、1100℃まで2時間で昇温し、1100℃で50時間ホールドし、その後、2℃/min.の冷却速度で900℃まで降温した。なお、アニール雰囲気は大気である。
【0037】
得られた石英ガラス体A4の屈折率分布、複屈折を測定したところ、屈折率の均質性はΔnで1.5E−6以下であり、また、複屈折も1nm/cm以下であった(図4のステップ212)。この石英ガラス体A4ら透過率測定用及び分析用のサンプルを切り出し、測定を行ったところ、193.4nmにおける初期透過率は、内部透過率で99.75%、また、Na濃度は5ppb以下であった(図4のステップ212)。
【0038】
以上に示したように、高純度で高透過性を備えた、高均質、低複屈折の合成石英ガラス材料が得られ、半導体製造用露光機のレンズ材料として好適に用いられることがわかる。なお、実施例1〜3及び比較例1、2における処理条件及び得られた石英ガラス体の各種物性値の測定結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
Figure 0004744046
【0040】
(実施例2)
図2で示した製造装置によって直径200mm、長さ350mmの石英ガラスインゴットを作成した。なお、原料は四塩化珪素ではなく、テトラメトキシシラン〔Si(OCH34〕を用いた。この原料を実施例1と同様、酸素・水素火炎中に導入し、シリカ微粒子を生成し、回転する石英ガラスターゲット上に溶融・堆積をさせた。
【0041】
この石英ガラスインゴットの端部からサンプルを切り出し、Na濃度を分析したところ、5ppb以下で、高純度な石英ガラスであることが確認された。次に、上記石英ガラスインゴットを内径350mmの高純度カーボン製の円柱形型枠中に設置し、実施例1と同様の条件で加熱変形させ、直径350mm、高さ100mmの円盤状の成型石英ガラス体を得た。
【0042】
その後、得られた石英ガラス体の上下面及び側面から5mmの深さまでカットし、取り除いた。取り除いた石英ガラス部分のNa濃度を分析したところ、40ppb以上検出された。表面部分を取り除いて残った成型石英ガラス体部分を、実施例1と同様の条件で熱アニールを施した。得られた石英ガラス体の屈折率分布、複屈折を測定したところ、屈折率の均質性はΔnで2.0E−6以下、複屈折も1nm/cm以下であった。
【0043】
また、193.4nmにおける初期透過率は、内部透過率で99.70%、Na濃度は10ppb以下であった。以上に示したように、高純度で高透過性を備えた、高均質、低複屈折のガラス材料が得られ、このような材料はリソグラフィー用のレンズ材料として好適に用いられることがわかる。
【0044】
(実施例3)
図3に示した製造装置により、四塩化珪素を原料として、間接火炎加水分解法により、直径250mm、長さ450mmの多孔質スート母材を形成した。これをゾーンメルト加熱炉を用いて、温度1600℃、真空中にて透明ガラス化を行い、直径150mm、長さ350mmの石英ガラスインゴットを得た。実施例1及び2と同様に、この石英ガラスインゴットのNa分析を行ったところ、5ppb以下であった。
【0045】
次に、上記石英ガラスインゴットを内径250mmの高純度カーボン製の円柱形型枠中に設置し、実施例1と同様の条件で加熱変形させ、直径250mm、高さ120mmの円盤状の成型石英ガラス体を得た。その後、得られた石英ガラス体の上下面及び側面から10mmの深さまでカットし、取り除いた。取り除いた石英ガラス部分のNa濃度を分析したところ、30ppb以上検出された。表面部分を取り除いて残った成型石英ガラス体部分を、実施例1と同様の条件で熱アニールを施した。得られた石英ガラス体の屈折率分布、複屈折を測定したところ、屈折率の均質性はΔnで1.0E−6以下、複屈折も1nm/cm以下であった。また、193.4nmにおける初期透過率は、内部透過率で99.75%、Na濃度は5ppb以下であった。
【0046】
(比較例1)
実施例1と同様の合成石英ガラスインゴットを四塩化珪素原料から作成した。これを加熱変形後に表面をまったく取り除くことなく、実施例1と同じ処理を行い、直径300mm、厚さ100mmの石英ガラス体を得た。前記ガラス体は除歪の熱アニール処理を施しているため、均質性はΔnで1.5E−6以下、複屈折も1nm/cm以下と優れた光学特性を示したが、初期透過率は99.50%と非常に低い値であった。Na濃度を分析してみると、特に表面近傍で40ppb以上、また内部でも30ppb程度の濃度が検出され、ガラス体内部まで顕著な汚染が進んでいることが確認され、透過率の低下を引き起こしていることがわかった。
【0047】
このように、加熱変形した後に、外表面の汚染層を取り除かなかったため、熱アニールによってNaが内部まで拡散し、ひいては透過率の低下を引き起こすこととなり、紫外線レーザー用の光学材料として使用するには不適格なものであった。
【0048】
(比較例2)
加熱変形の熱処理後に、表面から取り除く深さを3mmにした以外、実施例1とまったく同じ方法で石英ガラス体を作成した。取り除いた表面3mmの部分のNa濃度を分析したところ、60ppb以上という高い濃度で検出された。すなわち加熱変形処理中にカーボン型に直接接触している部分で、極めて高濃度のNa汚染が観測されることがわかった。また、内部も25ppbのNaが検出されており、その結果、193.4nmにおける初期透過率も99.60%と低い値であった。均質性及び複屈折はそれぞれ1.5E−6、1nm/cm以下と優れた光学特性を示したが、初期透過率が悪く、紫外線レーザー用の光学材料としては不適当なものとなった。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明によれば、石英ガラスを加熱変形させるために、カーボンなどの耐熱性型枠に直接接触するような方法で行っても、熱処理後直ちにガラス体の全表面を少なくとも5mm以上の深さで取り除くことによって、表面近傍に局在していたNaがガラス内部に拡散していくことを効果的に抑制できるため、高い初期透過率を有する石英材料を得ることができる。
【0050】
また、本発明によれば、特に紫外線レーザーを用いた半導体露光装置用の石英ガラスは高い均質性、低い複屈折といった特性が厳しく要求されているため、均質化のための熱処理が不可欠であり、最近の大口径・大重量の材料を製造するために、カーボンなどの耐熱性を持つ型枠中で所望の大きさのガラス体を得るために加熱変形させたものであっても、全表面を深さ5mm以上取り除くことによって、均質化のための熱アニールを施しても、Naが内部に拡散することないため、高い透過性を有する大型の石英ガラス材料を得ることができる。
【0051】
このようにして得られた本合成石英ガラス材料は、高い透過性を維持しつつ、高均質で低複屈折を有する多面、特に紫外線レーザーを用いる半導体露光装置の石英ガラスとして好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法の工程順の1例を示すフローチャートである。
【図2】 実施例1において用いられる合成石英ガラスインゴットの製造装置の概略説明図である。
【図3】 実施例3において用いられる合成石英ガラスインゴットの製造装置の概略説明図である。
【図4】 実施例1における実験手順を示すフローチャートである。
【図5】 実施例1の各手順における合成石英ガラス体の形状を示す模式図である。
【符号の説明】
10,20:製造装置、11,21:チャンバー、13,23:石英ガラス製バーナー、14,24:排気管、15,25:ガス導入管、16:耐熱性ターゲット、26:スート、A1〜A4:石英ガラス体、B:成型枠。

Claims (1)

  1. 合成石英ガラス体に対して耐熱性の型枠を用いて加熱変形を伴う熱処理を施す工程と、該熱処理を施した該合成石英ガラス体の表面から深さ5mm以上の領域を全表面にわたって取り除く除去工程と、光学的な均質性を向上させるために該表面領域を取り除いた合成石英ガラス体に対して大気雰囲気で800℃〜1300℃の温度範囲で熱処理を施す熱アニール工程と、を有することを特徴とする合成石英ガラス材料の製造方法。
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