JP2011011964A - フッ化水素の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々のフッ化カルシウム源を使用でき、かつ、第二ペースティの発生を効果的に防止し得る、新規なフッ化水素製造方法を提供する。
【解決手段】フッ化カルシウムを硫酸と反応させてフッ化水素を製造する方法において、(a)平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子および硫酸を、硫酸/フッ化カルシウムのモル比が0.9〜1.1となる量で、0〜70℃の温度にて混合および反応させて、固体状反応混合物を得る工程、および(b)該固体状反応混合物を100〜200℃の温度に加熱して反応させ、フッ化水素を生成させて気相中に得る工程を実施する。
【選択図】なし

Description

本発明はフッ化水素の製造方法に関し、より詳細には、フッ化カルシウム粒子を硫酸と反応させてフッ化水素を製造する方法に関する。
フッ化水素(HF)の工業的製造方法は、一般に、蛍石(CaF)および硫酸(HSO)からフッ化水素(HF)を生成する反応を利用している(例えば特許文献1〜3を参照のこと)。このようなフッ化水素の製造方法のうち、ジャケット付き予備反応器と外熱式ロータリーキルンとを組み合せて用いて二段階の反応工程を実施するタイプの方法が知られている。このタイプの製造方法においては、予備反応器およびロータリーキルンにおける各反応工程を通じて3つの反応が起こることが知られている(例えば特許文献4および5を参照のこと)。以下、このような従来のフッ化水素の製造方法について図1を参照して説明する。
まず、蛍石(CaF)と、硫酸(HSO)(発煙硫酸と混合して100℃に予熱したもの)とをジャケット付き予備反応器1(例えば2軸ニーダ)に実質的に等モル量で別個に供給し、これらの固液混合物を約100℃の加熱下にて混練する。このような比較的低温条件下では以下の式(1)に示す反応が支配的に起こる。
Figure 2011011964
予備反応器1の出口でのCaF転化率は40〜60%であり得る。式(1)の反応により生成したフッ化水素(HF)は主に気相中に含まれ、誘導管3を通じて取り出される。中間生成物であるCa(HSOを含む残りの粘土状から固体状の反応混合物は外熱式ロータリーキルン5に移される。
ロータリーキルン5にて反応混合物を転動および回転軸方向に前進させながら昇温加熱する。ロータリーキルン5は約500℃の熱風をジャケットに流通させることにより加熱され、反応混合物の温度は、予備反応器1に連絡しているロータリーキルン5の入口で約100℃であり、その反対側に位置するロータリーキルン5の出口に向かって上昇し、最終的に出口では約300℃となる。このような高温条件下では、反応混合物中のCa(HSOは以下の式(2)の反応により分解する。この結果、式(1)の反応で一旦消費されたHSOが液状物の形態で再び現れると共に、副生成物として固形状の石膏(CaSO)を生じる。
Figure 2011011964
式(2)の反応により生じたHSOは反応混合物中に存在する未反応のCaFと反応するが、ロータリーキルン5におけるような高温条件下では、上記の式(1)に示す反応ではなく、以下の式(3)に示す反応が支配的に起こる。
Figure 2011011964
式(3)の反応により生成したフッ化水素(HF)は気相中に含まれ、誘導管3を通じて取り出される。残余の反応混合物は、副生成物である石膏(CaSO)を主に含み、これはロータリーキルン5の出口から取り出される。
以上のようにして、予備反応器およびロータリーキルンにおける二段階の反応工程により、目的のフッ化水素を得ることができる。
米国特許第2932557号明細書 米国特許第3825655号明細書 特開平4−40282号公報 特開2002−316805号公報 特開2004−352517号公報 特開2005−132652号公報 特開2007−112683号公報
従来、フッ化水素を製造するための原料として高品位(いわゆるアシッドグレード)の蛍石が使用されているが、高品位蛍石は偏在しており、そのほとんどが中国産である。このため資源枯渇の懸念があり、また、中国政府の輸出規制により価格が高騰してきている。このような状況下、中国産以外の蛍石や、化学プロセスから回収したフッ化カルシウム(例えば特許文献6および7を参照のこと)などの他のフッ化カルシウム源を産業規模で利用することができれば好都合である。しかしながら、高品位の中国産蛍石(平均粒径80〜100μm)を原料に使用している既存のフッ化水素製造プロセスにおいて、この原料を他のフッ化カルシウム源で単に置換すると、反応性などが異なるために問題が生じ得る。例えば、予備反応器における混合物の硬さが変化し、予備反応器の混練部材の駆動部等に過負荷がかかったり、混練部材や内壁に貼り付きを生じたりして、予備反応器の運転に支障をきたす。このため、厳しい原料スペック、例えば蛍石の品位および産地ならびにこれに添加可能な回収フッ化カルシウムの混合上限(例えば5%以下)などが実用上課されている。
また、従来のフッ化水素製造方法では、原料の蛍石と硫酸を予備反応器へ別個に供給しながら、混合と反応を同時に行っている。そのため、予備反応器の内部では、原料として供給されてきた液体の硫酸および固体の蛍石、これら原料が混ざったスラリー状の原料混合物、および式(1)の反応の進行度によりペースト状から固体状の反応混合物が、比較的低温とはいえ約100℃もの温度で混在している。このような温度条件下で硫酸が存在するため、予備反応器を著しく腐食させるという問題がある。
この予備反応器から取り出された反応混合物は一般的に固体状であるが、ロータリーキルンに移されると式(2)の反応が進行して再びペースト状となり、式(2)に加えて式(3)の反応が進行し、最終的には粉体状となる。この再びペースト状となる現象(以下、「第二ペースティ」と言う)は、低温条件から高温条件に移行した際に式(2)の反応が迅速に進行して大量の硫酸を生じることにより発生するものである。
第二ペースティの発生は種々の観点から好ましくない。第二ペースティでは反応混合物は高温条件下にて硫酸を多く含有するために腐食性が極めて高く、この結果、ロータリーキルンを著しく腐食させるという問題がある。また、第二ペースティが生じると、ペースト状の反応混合物がロータリーキルンの内壁面に貼り付くという問題もある。このため、装置に高耐食性材料を使用する必要があり、装置の整備周期を短く設定する必要がある。更に、反応混合物の貼り付き(またはスケール形成)は、ロータリーキルンの伝熱効率を低下させるという問題を招く。その分より高い温度の熱風をロータリーキルンのジャケットに流して伝熱効率の低下を補償する必要があり、エネルギーロスが大きい。
第二ペースティの発生を防止または低減すべく、いくつかの試みがなされているが(特許文献4および5を参照のこと)、いずれも従来のフッ化水素製造プロセスを根本的に変更するものではない。かかるプロセスは、運転可能な条件が狭く(運転状態が不安定で、高コストであり)、常時、反応系のどこかで第二ペースティが発生してしまう。
本発明の目的は、種々のフッ化カルシウム源を使用でき、硫酸による腐食の問題を緩和し、かつ、第二ペースティの発生を効果的に防止し得る、新規なフッ化水素製造方法を提供することにある。
本発明者らは、フッ化水素製造プロセスを根本的に見直して検討するものとした。フッ化カルシウムと硫酸からフッ化水素を生成する反応は、全体としては、以下の式(A)にて表わされる。
Figure 2011011964
本発明はいかなる理論によっても拘束されないが、実際には以下の素反応が起こっているものと仮定される。
Figure 2011011964
上記の式(1)の反応は比較的低温にて進み得、フッ化カルシウム粒子の粒径が小さいほど式(1)の反応速度が大きくなる。硫酸は液体で使用され、反応が進んで硫酸が消費されるにつれて、固体のCa(HSO(これは単独で固体となっていても、フッ化水素と共に固体となっていてもよい)を生じる。他方、上記の式(2)および(3)の反応は高温にて進み得る競争反応であり、フッ化カルシウム粒子の粒径が小さいほど式(3)の反応速度が大きくなる。式(3)の反応速度が式(2)の反応速度を超えると、式(2)の反応により硫酸が生じても、式(3)により直ちに消費されるので、見かけ上、第二ペースティを生じない。本発明者らは、かかる知見に基づいて、使用するフッ化カルシウム源によらず、第二ペースティの発生をなくすことのできる条件、具体的には、フッ化カルシウム粒子の粒径、反応の温度条件、原料モル比、混合操作のタイミングなどについて鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
本発明の第一の要旨によれば、フッ化カルシウムを硫酸と反応させてフッ化水素を製造する方法であって、
(a)平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子および硫酸を、硫酸/フッ化カルシウムのモル比が0.9〜1.1となる量で、0〜70℃の温度にて混合および反応させて、固体状反応混合物を得る工程、および
(b)該固体状反応混合物を100〜200℃の温度に加熱して反応させ、フッ化水素を生成させて気相中に得る工程
を含む方法が提供される。
尚、本発明において数値範囲を言うとき、その下限値および上限値を含むものとする(以下も同様である)。
上記工程(a)では、平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子を用い、0〜70℃の温度にて、このフッ化カルシウム粒子と硫酸を混合および反応させることにより、式(1)の反応を進行させることができる。そして、工程(a)では、硫酸/フッ化カルシウムのモル比が0.9〜1.1であり、式(1)の化学量論量に比べて約2倍モル量のフッ化カルシウムが存在するので、式(1)の反応が進行すると、やがて液体の硫酸が実質的になくなって、固体状の反応混合物を得ることができ、得られた固体状反応混合物中には、約1倍モル量の未反応の平均粒径1〜40μmフッ化カルシウム粒子が含まれることとなる。その後、工程(b)では、工程(a)で得られた固体状反応混合物を100〜200℃の温度に加熱して(固体状反応混合物の構成成分を)反応させることにより、式(2)および(3)の反応を、式(3)のほうがより大きい反応速度で進行させることができる。そして、工程(b)では、固体状反応混合物中に約1倍モル量の未反応の平均粒径1〜40μmフッ化カルシウム粒子が存在するので、式(2)の反応で生じた硫酸は、このフッ化カルシウム粒子と式(3)にて化学量論量で直ちに反応し、混合物は全体として固体状態を維持できる。これにより、第二ペースティの発生を効果的に防止しつつ、フッ化水素を生成させることができる。生成したフッ化水素は気相中に得られる。
本発明の第二の要旨によれば、フッ化カルシウムを硫酸と反応させてフッ化水素を製造する方法であって、
(c)平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子および硫酸を、硫酸/フッ化カルシウムのモル比が1.1〜2.2となる量で、0〜70℃の温度にて混合および反応させて、固体状反応混合物を得る工程、および
(d)該固体状反応混合物に平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子を、工程(c)および(d)の合計の硫酸/フッ化カルシウムのモル比が0.9〜1.1となる量で追加して混合し、その後、100〜200℃の温度に加熱して反応させ、フッ化水素を生成させて気相中に得る工程
を含む方法が提供される。
上記工程(c)では、上述の工程(a)と同様に、平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子を用い、0〜70℃の温度にて、このフッ化カルシウム粒子と硫酸を混合および反応させることにより、式(1)の反応を進行させることができる。工程(c)では、硫酸/フッ化カルシウムのモル比は1.1〜2.2であるが、式(1)の化学量論量に比べて過剰量のフッ化カルシウムが存在するので、式(1)の反応が進行すると、やがて液体の硫酸が実質的になくなって、固体状の反応混合物を得ることができ、得られた固体状反応混合物中には、硫酸/フッ化カルシウムのモル比に応じて約1倍モル量以下の未反応の平均粒径1〜40μmフッ化カルシウム粒子が含まれることとなり、硫酸/フッ化カルシウムのモル比が高い場合には、フッ化カルシウム粒子が実質的に存在しなくなっていてもよい。その後、工程(d)では、工程(c)で得られた固体状反応混合物に平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子を追加して混合しており、追加するフッ化カルシウム粒子の量を、工程(c)および(d)の合計の硫酸/フッ化カルシウムのモル比が0.9〜1.1となるようにしている。これにより得られた混合物(以下、追加混合物と言う)中には、工程(c)由来の未反応分と工程(d)の追加分を合わせて、約1倍モル量の平均粒径1〜40μmフッ化カルシウム粒子が存在することになる。更に工程(d)にて、この追加混合物を、100〜200℃の温度に加熱して(追加混合物の構成成分を)反応させることにより、式(2)および(3)の反応を、式(3)のほうがより大きい反応速度で進行させることができる。追加混合物中には約1倍モル量の平均粒径1〜40μmフッ化カルシウム粒子が存在するので、式(2)の反応で生じた硫酸は、このフッ化カルシウム粒子と式(3)にて化学量論量で直ちに反応し、混合物は全体として固体状態を維持できる。このように、追加するフッ化カルシウム粒子も平均粒径1〜40μmとすることにより、第二ペースティの発生を効果的に防止しつつ、フッ化水素を生成させることができる。生成したフッ化水素は気相中に得られる。
上記工程(a)または工程(c)において、フッ化カルシウム粒子と硫酸の混合を、反応前に十分に実施することが好ましい。工程(a)は、好ましくは、平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子および硫酸を、硫酸/フッ化カルシウムのモル比が0.9〜1.1となる量で、0〜40℃の温度にて原料混合し、その後、該原料混合の温度より高くかつ70℃以下の温度に加熱して反応させて、固体状反応混合物を得ることを含む。工程(c)は、好ましくは、平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子および硫酸を、硫酸/フッ化カルシウムのモル比が1.1〜2.2となる量で、0〜40℃の温度にて原料混合し、その後、該原料混合の温度より高くかつ70℃以下の温度に加熱して反応させて、固体状反応混合物を得ることを含む。これにより、工程(a)または工程(c)で均質な固体状反応混合物を得ることができ、ひいては、工程(b)または工程(d)での第二ペースティの発生をより一層効果的に防止することができる。
本発明のフッ化水素製造方法では、上記第一および第二の要旨のいずれにおいても、平均粒径が1〜40μmであることを満たす限り、任意のフッ化カルシウム源を使用することができる。例えば、フッ化カルシウム粒子として、蛍石、回収または合成したフッ化カルシウム、およびこれらの2種以上の混合物を使用してよい。
尚、本発明において「平均粒径」は、レーザー回折式粒度分布測定法によって測定される粒子の体積平均粒子径を意味し、2種以上のフッ化カルシウム粒子を混合する場合には、それぞれの平均粒径が1〜40μmの範囲に含まれていれば、混合物全体としての平均粒径も1〜40μmの範囲内にあるものと考えて差し支えない。
また、本発明において「蛍石」とは、フッ化カルシウム(CaF)を主成分とする鉱石または鉱物を意味するものとし、いずれの産地のものであってもよい。
本発明のフッ化水素製造方法によれば、従来の予備反応器における反応工程(約100℃)に比べて、工程(a)または工程(c)において非常に低い温度(0〜70℃)としているので、硫酸による腐食の問題を緩和することができる。
更に、本発明のフッ化水素製造方法によれば、上述した通り、第二ペースティの発生を効果的に防止することできる。よって、第二ペースティの発生に付随するさまざまな問題を実質的に解消することができる。
加えて、本発明のフッ化水素製造方法を実施するために必要な熱エネルギーは、工程(a)および工程(b)の温度条件、または工程(c)および(d)の温度条件から理解され得るように、従来のフッ化水素製造方法に要する熱エネルギーよりも小さく、省エネルギーである。
本発明のフッ化水素製造方法は、連続式およびバッチ式のいずれで実施してもよい。
本発明によれば、種々のフッ化カルシウム源を使用でき、かつ、第二ペースティの発生を効果的に防止し得る、新規なフッ化水素製造方法が提供される。
従来のフッ化水素製造方法を説明する模式図である。
(実施形態1)
本実施形態は、本発明の第一の要旨によるフッ化水素製造方法に関する。
最初に、フッ化カルシウム粒子を準備する。フッ化カルシウム粒子は、平均粒径1〜40μmを有するものとする。フッ化カルシウム粒子の平均粒径を1μm以上とすることによって、工程(a)にて反応混合物を適切な速さで固化させること(または過度に速く固化するのを防止して、均質な固体状反応混合物を得ること)ができ、40μm以下とすることによって、工程(b)にて第二ペースティの発生を効率的に防止できる。フッ化カルシウム粒子の平均粒径は、好ましくは5〜30μmであり、5μm以上とすることによって、反応速度が速くなり過ぎるのを防止でき、30μm以下とすることによって、第二ペースティの発生を確実に防止することができる。
フッ化カルシウム粒子には、このような平均粒径を有する限り、任意のフッ化カルシウム源を利用できる。例えば蛍石や、化学プロセスなどで回収または合成されたフッ化カルシウム粒子であってよく、精製および/または粉砕などの処理に付されたものであってよい。フッ化カルシウム粒子として蛍石を用いる場合、いずれの産地のものであってもよく、例えば中国産、メキシコ産、南アフリカ産などであってよい。フッ化カルシウム粒子は、フッ化カルシウムを主成分とするものであればよく、例えば二酸化ケイ素(SiO)、炭酸カルシウム(CaCO)、リン(P)、ヒ素(As)、塩化カルシウム(CaCl)などの不純物を含んでいてよい。フッ化カルシウム粒子の純度は、特に限定されないが、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上である。
硫酸としては、一般的には濃硫酸、例えば約98%以上の濃硫酸を用いることができる。しかし、これに限定されず、例えば、発煙硫酸(SOおよびHSO)と水、三酸化硫黄(SO)と水、発煙硫酸および三酸化硫黄(SO)と水の組合せを用いて硫酸を調製してもよい。
工程(a)
フッ化カルシウム粒子および硫酸を、硫酸/フッ化カルシウムのモル比が0.9〜1.1となる量で積極的に混合(または攪拌)する。フッ化カルシウム粒子の不純物の種類によっては、不純物による硫酸の消費を補償する目的で、硫酸および/またはSOを消費相当量分を過剰に仕込むようにしてよい。混合は、0〜70℃の温度にて実施するものであればよいが、原料混合の後に昇温することが好ましい。
原料混合は0〜40℃の温度で行い得る。0℃以上とすることによって、硫酸が凍結せずに液体状態で維持でき、40℃以下とすることによって、式(1)の反応速度を十分に遅くすることができる。これにより、式(1)の反応を抑制しつつ、実質的に均質なスラリー状の混合物を得ることができる。原料混合の温度は、より好ましくは0〜30℃であり、30℃以下とすることによって、混合の間に原料混合物が固化するのを防止することができる。原料混合は、すみやかに混合することが望ましく、その時間を20分以下とすることによって、固化する前に均一な原料混合物を調製することができる。
原料混合の後、得られたスラリー状混合物(原料混合物)を、原料混合の温度より高くかつ70℃以下の温度に加熱する。原料混合物を昇温することによって、式(1)の反応速度を増大させることができ、70℃以下とすることによって、硫酸による腐食リスクを低減しつつ、反応混合物を適切な速さで均質に固化させることができ、操作上も制御し易く好都合である。これにより、式(1)の反応が進行して、液体の硫酸が消費され、固体のCa(HSOが生成する。この間、原料混合物はスラリー状から固体状に変化するので、反応器に貼り付くのを防止するために掻き取り(または攪拌もしくは混合)するのが望ましい。加熱温度は、原料混合の温度にもよるが、より好ましくは20〜50℃であり、20℃以上とすることによって、実用上好ましい固化時間を得ることができ、50℃以下とすることによって、腐食をより一層抑制することができる。加熱時間は、例えば1〜40分であってよく、1分以上とすることによって、十分な固化時間を得ることができ、40分以下とすることによって、装置規模が過大になるのを回避できる。同時に生成するフッ化水素は、気相中に存在しても、固体混合物中に存在していてもよい。気相中に存在するフッ化水素は、回収して目的生成物として精製分離することが好ましい。
以上により、好ましくは均質な固体状反応混合物を得ることができる。得られた固体状反応混合物は、生成したCa(HSOと、未反応のCaFとを、ほぼ等モル量で含んで成る。このときのCaF転化率は、具体的な反応条件にもよるが、50%±5%程度であり得る。
工程(b)
上記の工程(a)により得られた固体状反応混合物を100〜200℃の温度に加熱する。100℃以上とすることによって、フッ化水素を十分な蒸発速度で気相中に得ることができ、200℃以下とすることによって、硫酸の熱分解や蒸発を防止することができる。固体状反応混合物に含まれるフッ化カルシウム粒子は平均粒径1〜40μmであり、混合により均質になっているので、このように従来より低い温度下であっても、式(2)および(3)の反応が進行し、かつ、式(3)のほうが式(2)よりも反応速度が速くなる。これにより、式(2)で生じた液体の硫酸は、反応混合物中に存在する未反応のフッ化カルシウムと直ちに反応して消費され、反応混合物は、全体として固体状態を維持し得る。この間、反応混合物を積極的に混合(または攪拌)すると気相中に不要な粉塵が舞ってフッ化水素に同伴され得るので好ましくないが、副生する石膏を流動性を有する(粉体)状態で得たい場合には混合(または攪拌)してもよい。加熱温度は、フッ化カルシウム粒子の平均粒径が1〜40μmの範囲で大きくなるにつれて、100〜200℃の範囲でより低くすることが好ましい。加熱温度は、より好ましくは100〜160℃であり、160℃以下とすることによって、腐食を抑制することができる。加熱時間は、例えば10〜60分であってよく、10分以上とすることによって、十分にフッ酸を蒸発させることができ、60分以下とすることによって、装置規模が過大になるのを回避できる。これにより生成したフッ化水素は気相中に得られ、回収して目的生成物として精製分離することが好ましい。
以上により、第二ペースティの発生を効果的に防止しつつ、フッ化水素を気相中に得ることができる。残余の反応混合物は固体状であり、副生成物である石膏を主に含み得る。このときのCaF転化率は、具体的な反応条件にもよるが、90%以上に達し得、好ましくは95%以上に達し得る。
(実施形態2)
本実施形態は、本発明の第二の要旨によるフッ化水素製造方法に関する。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明するものとし、特段説明のない限り、実施形態1と同様の説明が当て嵌まる。
本実施形態においても、平均粒径1〜40μmを有するフッ化カルシウム粒子を用い、このような平均粒径を有する限り、任意のフッ化カルシウム源を利用できる。
工程(c)
フッ化カルシウム粒子および硫酸を、硫酸/フッ化カルシウムのモル比が1.1〜2.2となる量で積極的に混合(または攪拌)する。混合は、0〜70℃の温度にて実施するものであればよいが、フッ化カルシウム粒子および硫酸を、硫酸/フッ化カルシウムのモル比が1.1〜2.2となる量で原料混合した後に昇温することが好ましい。硫酸/フッ化カルシウムのモル比は、好ましくは1.1〜2.0であり、2.0以下とすることにより、未反応硫酸を実質的に無くすことができる。その他については、実施形態1の工程(a)と同様である。
これにより、好ましくは均質な固体状反応混合物を得ることができる。得られた固体状反応混合物は、生成したCa(HSOと、未反応のCaFを含んで成り得るが、未反応のCaFの割合は原料の硫酸/フッ化カルシウムのモル比に応じて異なる。原料の硫酸/フッ化カルシウムのモル比が高い(例えば2.0〜2.2である)場合には、フッ化カルシウム粒子が実質的に存在しなくなっていてもよい。このときのCaF転化率は、特に原料の硫酸/フッ化カルシウムのモル比に応じて、約50%〜100%の範囲内である。
工程(d)
上記の工程(c)により得られた固体状反応混合物に、平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子を追加する。追加するフッ化カルシウム粒子の量は、工程(c)および(d)の合計の硫酸/フッ化カルシウムのモル比が0.9〜1.1となるように選択する。また、追加するフッ化カルシウム粒子は、工程(c)で用いたものと同じフッ化カルシウム源のものであっても、異なるものであってもよい。上記固体状反応混合物にフッ化カルシウム粒子を追加した後、これらを積極的に混合(または攪拌)し、好ましくは均質な混合物(追加混合物であり、これもまた固体状である)を得る。その後、得られた追加混合物を100〜200℃の温度に加熱する。その他については、実施形態1の工程(b)と同様である。
以上により、本実施形態においても、第二ペースティの発生を効果的に防止しつつ、フッ化水素を気相中に得ることができる。残余の反応混合物は固体状であり、副生成物である石膏を主に含み得る。このときのCaF転化率は、具体的な反応条件にもよるが、90%以上に達し得、好ましくは95%以上に達し得る。
(実施例1〜3)
本実施例1〜3は、本発明の第一の要旨によるフッ化水素製造方法に関する。
工程(a)
フッ化カルシウム(CaF)粒子として、表1に示すさまざまな平均粒径の中国産蛍石を用い、フッ化カルシウム粒子と硫酸とを、40℃に設定された恒温槽内に別個に静置して、恒温槽内温度になじませて準備した。使用したフッ化カルシウム粒子の重量および硫酸の重量(ひいては硫酸/フッ化カルシウムのモル比)は、実施例1〜3でほぼ同じである。
この恒温槽内で、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)製容器に、準備した蛍石を入れて硫酸をその上に静かに注いだ。
硫酸を注いだ後、攪拌棒を用いて、蛍石と硫酸とを攪拌して、スラリー状の均質な原料混合物とした。混合温度は恒温槽設定温度と考えて差し支えない。
スラリー状の原料混合物をそのまま静置し、(この間に反応が進行して)反応混合物が固化する(固体状反応混合物が得られる)か否かを目視で観察し、硫酸を注ぎ入れた時点から反応混合物が固化するまでの時間を初期固化時間tとして測定した。
工程(b)
工程(a)で得られた反応混合物を固化後速やかに、所定温度に調節したフッ素樹脂ライニング容器に移し入れ、攪拌棒を用いて攪拌した。
そのまま攪拌を続けながら、(この間に反応が進行して)反応混合物が、途中で再びペースト状になるか(第二ペースティが現れるか)否かを目視で観察した。
この間、反応混合物からフッ化水素が気相中に得られた。
実施例1につき、工程(a)で得られた反応混合物を容器に移し入れた時点から、反応混合物からフッ化水素の生成がなくなる時点までの時間を高温反応時間として測定したところ50分であった。
各実施例の実施条件および結果を表1に示す。表中、CaF粒子および硫酸の重量は、いずれもCaFおよびHSOの純量であり、「HSO/CaF(mol/mol)」は、工程(a)で用いた硫酸/フッ化カルシウムのモル比を意味する。「固化」するか否かの観察結果として、固化した場合は「○」、固化しなかった場合は「×」として示す。「第二ペースティ」が現れるか否かの観察結果として、現れた場合は「有」、現れなかった場合は「無」として示す。(他の表においても同様とする。)
実施例1〜3において、工程(a)にて固体状の反応混合物が得られ、工程(b)にて第二ペースティの発生は認められなかった。
(比較例1および2)
本比較例1および2は、本発明の第一の要旨によるフッ化水素製造方法に対する比較例であり、平均粒径が本発明範囲の上限値およびそれより大きいフッ化カルシウム粒子を用いたものである。
原料として使用したフッ化カルシウム粒子の平均粒径および工程(b)での加熱温度(反応温度)を異ならせたこと以外は、実施例1と同様の手順を実施した。使用したフッ化カルシウム粒子の重量および硫酸の重量(ひいては硫酸/フッ化カルシウムのモル比)は、実施例1とほぼ同じである。
これら比較例1および2の実施条件および結果を表1に示す。
比較例1では、工程(a)で平均粒径40μmのフッ化カルシウム粒子を用いており、工程(a)にて固体状の反応混合物が得られたが、工程(b)にて第二ペースティの発生が認められた。これは、工程(b)の加熱温度が高すぎるためである。
比較例2では、工程(a)において硫酸を注ぎ入れた時点から40分を経過しても反応混合物は固化しなかった。工程(b)において、工程(a)で得られた反応混合物をペースト状のままで、110℃に調節したフッ素樹脂ライニング容器に移し入れ、攪拌棒を用いて攪拌すると、反応混合物が固化した。工程(b)において、ペースト状の反応混合物を容器に移し入れた時点から固化するまでの時間を加熱後固化時間として測定したところ0.8分であった。このように固化した後、反応混合物が、途中で再びペースト状になるか(第二ペースティが現れるか)否かを目視で観察したところ、第二ペースティの発生が認められた。
(比較例3)
本比較例は、本発明の第一の要旨によるフッ化水素製造方法に対する比較例であり、工程(a)にて混合を行わなかったものである。
工程(a)において、硫酸を注いだ後、十分な攪拌を与えずにそのまま静置したことを除き、実施例1と同様の手順を実施した。使用したフッ化カルシウム粒子の重量および硫酸の重量(ひいては硫酸/フッ化カルシウムのモル比)は、実施例1とほぼ同じである。
本比較例の実施条件および結果を表1に示す。本比較例においては、工程(a)にて固体状の反応混合物が得られたが、工程(b)にて第二ペースティの発生が認められた。
Figure 2011011964
(実施例4)
本実施例は、実施例1の改変例であって、原料のフッ化カルシウム粒子の材料として、2種の粒子の混合物を使用したものである。
工程(a)において、フッ化カルシウム(CaF)粒子として、平均粒径34μmの中国産蛍石1.90gと平均粒径17μmの回収フッ化カルシウム粒子1.90gの混合物を用いた。この回収フッ化カルシウムは、含フッ素化合物を燃焼破壊したときに発生したフッ化水素(HF)を水に吸収させ、消石灰(Ca(OH))で中和することによりフッ化カルシウム(CaF)を生成させ、得られたスラリー溶液に凝集剤を添加してフッ化カルシウムを濃縮および沈殿させ、水と分離した後に乾燥することにより得られたものである。その他については実施例1と同様の手順を実施した。使用したフッ化カルシウム粒子の合計重量および硫酸の重量(ひいては硫酸/フッ化カルシウムのモル比)は、実施例1とほぼ同じである。
本実施例の実施条件および結果を表2に示す。本実施例においても、工程(a)にて固体状の反応混合物が得られ、工程(b)にて第二ペースティの発生は認められなかった。
Figure 2011011964
(実施例5)
本実施例は、本発明の第二の要旨によるフッ化水素製造方法に関する。
工程(c)として、フッ化カルシウム(CaF)粒子として、平均粒径13μmのフッ化カルシウム試薬1.95g(和光純薬工業株式会社製)と、硫酸5.40gを用い、温度を0℃とした。工程(c)で固化した反応混合物に、フッ化カルシウム(CaF)粒子として、平均粒径40μmの中国産蛍石1.95gを添加し、攪拌棒を用いて十分に攪拌した。これにより得られた反応混合物を、工程(d)において、120℃に調節したフッ素樹脂ライニング容器に移し入れ、攪拌棒を用いて攪拌した。その他については、工程(c)および工程(d)につき、それぞれ実施例1の工程(a)および工程(b)と同様の手順を実施した。
本実施例の実施条件および結果を表3に示す。表中、「合計HSO/CaF(mol/mol)」は、工程(c)および工程(d)で用いた合計の硫酸/フッ化カルシウムのモル比を意味する。本実施例においても、工程(c)にて固体状の反応混合物が得られ、工程(d)にて第二ペースティの発生は認められなかった。
(比較例4)
本比較例は、本発明の第一の要旨によるフッ化水素製造方法に対する比較例であり、工程(d)にて平均粒径の大きいフッ化カルシウム粒子を追加したものである。
工程(d)にて追加したフッ化カルシウム(CaF)粒子の平均粒径を異ならせて、加熱温度を160℃としたこと以外は、実施例5と同様の手順を実施した。工程(c)にて使用したフッ化カルシウム粒子の重量および硫酸の重量(ひいては硫酸/フッ化カルシウムのモル比)は、実施例1とほぼ同じである。
本比較例の実施条件および結果を表3に示す。本比較例においては、工程(c)にて固体状の反応混合物が得られたが、工程(d)にて第二ペースティの発生が認められた。
Figure 2011011964
本発明のフッ化水素製造方法は、従来のフッ化水素製造方法と置換して利用され得るものであり、フッ化カルシウム源および運転条件についての実用上の制約を大幅に緩和でき、第二ペースティの発生を効果的に防止できる。
1 予備反応器
3 誘導管
5 ロータリーキルン

Claims (5)

  1. フッ化カルシウムを硫酸と反応させてフッ化水素を製造する方法であって、
    (a)平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子および硫酸を、硫酸/フッ化カルシウムのモル比が0.9〜1.1となる量で、0〜70℃の温度にて混合および反応させて、固体状反応混合物を得る工程、および
    (b)該固体状反応混合物を100〜200℃の温度に加熱して反応させ、フッ化水素を生成させて気相中に得る工程
    を含む方法。
  2. 工程(a)が、平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子および硫酸を、硫酸/フッ化カルシウムのモル比が0.9〜1.1となる量で、0〜40℃の温度にて原料混合し、その後、該原料混合の温度より高くかつ70℃以下の温度に加熱して反応させて、固体状反応混合物を得ることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. フッ化カルシウムを硫酸と反応させてフッ化水素を製造する方法であって、
    (c)平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子および硫酸を、硫酸/フッ化カルシウムのモル比が1.1〜2.2となる量で、0〜70℃の温度にて混合および反応させて、固体状反応混合物を得る工程、および
    (d)該固体状反応混合物に平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子を、工程(c)および(d)の合計の硫酸/フッ化カルシウムのモル比が0.9〜1.1となる量で追加して混合し、その後、100〜200℃の温度に加熱して反応させ、フッ化水素を生成させて気相中に得る工程
    を含む方法。
  4. 工程(c)が、平均粒径1〜40μmのフッ化カルシウム粒子および硫酸を、硫酸/フッ化カルシウムのモル比が1.1〜2.2となる量で、0〜40℃の温度にて原料混合し、その後、該原料混合の温度より高くかつ70℃以下の温度に加熱して反応させて、固体状反応混合物を得ることを含む、請求項3に記載の方法。
  5. フッ化カルシウム粒子は、蛍石、回収または合成したフッ化カルシウム、およびこれらの2種以上の混合物を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
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