JP2005132652A - 回収フッ化カルシウムを用いたフッ化水素の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】
フッ素含有排液をカルシウム化合物で処理することにより得られるフッ化カルシウム固形物を、乾燥し、凝縮固化する。そして、ブロックを生じたものについて、粒径数mm以下に砕いてフッ化水素製造用原料として使用する。このフッ化カルシウム固形物を硫酸または発煙硫酸と反応させる際、一段目で加温せずに十分混合し、二段目で加熱する。
【効果】
硫酸または発煙硫酸と十分混合することにより、揮発性不純物の大部分をフッ化水素発生が始まる前に取り除くことができる。また、反応温度を低くすることにより、装置材料の腐食を和らげることができるだけでなく、副生物として発生する無水硫酸カルシウムの形態を従来品と変えることができ、産業的に利用価値の高い2水和物に変換し易いものにすることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フッ素固定化処理で多量に排出されているフッ化カルシウムを主成分とする固形物を、フッ化水素製造用の原料として利用するための方法、ならびに、フッ化水素製造で副生する無水の硫酸カルシウムを、商品価値が高い硫酸カルシウムの2水和物に容易に変換する方法に関するものである。
通常、フッ素イオンを含む排水は、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム化合物と反応させ、難溶性のフッ化カルシウムとして固定化することにより処理している。
このようにして回収されたフッ化カルシウムは、粒径が細かく、そのままでは濾過できないために凝集剤を用いてフロックにし、シックナーなどで沈降分離したのち、フィルタープレスなどの濾過を行っている。そのため、水分が50〜60%もあり、さらに、塩素などの不純物を多量に含むために産業用として再利用できないだけでなく、そのボリュームも大きいためにその処分が問題となっている。
粒径を大きくするために粒度を揃えた天然炭酸カルシウムにフッ素排水を通すことにより、天然炭酸カルシウムの骨格をほぼ保ったままフッ化カルシウムを生成させる試み(例えば、特許文献1参照)がなされている。この際、発生する炭酸ガスが抜けたり、フッ化カルシウムフロックが生成されたり、炭酸カルシウムの中心部が未反応で残るなどの問題があるが、この方法で回収したフッ化カルシウムを蛍石と混ぜて処理した報告例(例えば、非特許文献1参照)もある。
特開平6−63561号公報(出願人:栗田工業株式会社および橋本化成株式会社、発明の名称:フッ素含有水用処理装置) 新エネルギー・産業技術総合開発機構 「平成13年度成果報告書 51101125 平成13年度地球温暖化防止関連技術開発 HFC−23破壊技術の開発」 平成14年3月報告 (委託先:社団法人産業環境管理協会)
数百ppmの希薄な含フッ素廃液については、フッ化カルシウムの結晶を成長させて大きな粒径にする技術(例えば、非特許文献2参照)もあるが、スケールの割には処理量が少ないこと、回収したフッ化カルシウムの粒径が0.5mmから1mmと大きいために減量化にはなるが、その回収物の再利用技術が未だ確立されておらず、今のところ産業廃棄物として処理されている。
オルガノ株式会社 橋本貴行著、「クリーンテクノロジー」5月号、日本工業出版株式会社、2001年5月、第40〜42頁
粒を揃えた炭酸カルシウムから得られた回収フッ化カルシウムや結晶成長により得られた回収フッ化カルシウムを、フッ化水素製造原料である蛍石と混ぜて使用する試みもなされているが、製品フッ化水素中の不純物が増加するために、せいぜい数パーセント混ぜて処理しているに過ぎない。
回収フッ化カルシウムは、平均粒径が小さく2次凝集していること、比表面積が非常に大きいこと、嵩密度が小さいこと、塩素などの不純物が多いこと等の問題がある。そのため、乾燥時の粉塵の問題や蛍石との混ざり具合が悪く、硫酸との反応性が高いこと、塩素不純物が増加するなどの理由により、フッ化水素製造用原料としてはほとんど利用されていない。
蛍石と発煙硫酸との反応でフッ化水素を製造するプラントでは、蛍石の反応性が悪いために、反応を完結させるのにロータリーキルンにて400℃〜500℃の高い温度で6時間〜12時間保持している。このため、副生する無水硫酸カルシウムは不溶性の「死石膏」と呼ばれる利用価値の少ないものであり、産業的に利用価値が高い2水和物に変換するのに長い期間をかけて熟成させる必要があり、特に、夏場の熟成は遅く、その保管場所の問題がある。
本発明の目的は、天然の蛍石に混ぜることなしに、回収フッ化カルシウムのみをフッ化水素製造原料として使用できる条件および製造したフッ化水素の純度を高める方法を見出すことにより、資源的に乏しい天然のフッ化カルシウム(蛍石)を使用せずにフッ化水素を製造する方法を提供することである。また、フッ化水素製造時に副生する硫酸カルシウムの形態を調製することにより、産業的に利用価値の高い結晶性の良い硫酸カルシウムの2水和物に変換する方法を提供することである。
本発明者等は、かかる目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、蛍石は硫酸又は発煙硫酸と混合してもゆるやかに発熱・反応するのに対して、回収フッ化カルシウムは、硫酸又は発煙硫酸と混合するだけでかなりの発熱が見られ、一部が反応することを見出した。その際、不純物の塩素分は塩酸として、シリカ分は4フッ化珪素として、また、炭酸カルシウムは硫酸カルシウムと炭酸ガスになり、揮発分として排出されることが分かった。さらに、フッ化水素の発生は、80℃以下ではほとんど起こらないことが分かった。
このことにより、不純物の多い回収フッ化カルシウムを、フッ化水素製造用の原料として使用できるようになった。高濃度のフッ素含有廃液を石灰乳や塩化カルシウム水溶液で処理すると、粒子が非常に細かい回収フッ化カルシウムを生じる。これらを凝集剤を用いて沈降させたのち、フィルタープレスで脱水して、水分が40〜60%も含有する糊状の物質が得られる。これらを乾燥すると、凝縮固化してブロックとなるが、それらを数mm以下の粒径に粉砕することにより、問題なくフッ化水素製造用の原料に使用できることを見出した。
回収フッ化カルシウムが蛍石と比べて細かい結晶の集合体であるために、硫酸や発煙硫酸との反応性が非常に高く、反応温度が300℃以下でも反応が十分に完結することが分かった。
このことにより、水との反応性が良い可溶性の無水硫酸カルシウム生成領域の温度内で止め、水と反応させて結晶性の良い硫酸カルシウムの2水和物を簡便に生成させることができることを確認し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、回収フッ化カルシウムを乾燥し、凝縮固化してブロックを生じたものについて、粒径数mm以下に砕いてフッ化水素製造用原料に供することを特徴とする。
また、本発明は、回収フッ化カルシウムを硫酸または発煙硫酸と反応させる際、一段目で加温せずに十分混合することにより、不純物の塩素分、シリカ分、炭酸カルシウム分などを分解して、塩酸、4フッ化珪素、炭酸ガスなどの揮発分として取り除き、二段目で加熱してフッ化水素のみを発生させることを特徴とする。一段目で反応熱による昇温によりフッ化水素の発生を押さえるために、冷却して100℃以下、好ましくは80℃以下に保持することが好ましい。また、二段目で不溶性の無水硫酸カルシウムを生成しない領域の350℃以下、好ましくは250℃〜350℃の範囲で反応させることが好ましい。
さらに、本発明は、このようにして得られた硫酸カルシウムを水で処理・熟成することにより、容易に結晶性の良い粒度の整った硫酸カルシウムの2水和物を得ることを特徴とする。
本発明をさらに具体的に説明する。
イオン性フッ素を含有している排水を処理するに当っては、通常、生石灰、消石灰、塩化カルシウムなどの水溶性のカルシウム化合物と反応させ(式(1)参照)、難溶性のフッ化カルシウムとして大部分のフッ素を固定化している。
このようにしてフッ化カルシウムを固定化処理する場合において、前者の水溶性のカルシウム化合物をフッ素化したとき、粒径が非常に細かいフッ化カルシウムが生成され、そのままでは濾過できないために凝集剤を用いてフロックにした後、沈降分離・フィルタープレス濾過を行っている。そのため、水分が40〜60%もあり、産業用として再利用できないだけでなく、そのボリュームも大きいためにその処分が問題となっている。
この問題を解決するために、適度の粒径に揃えた天然炭酸カルシウムとフッ化水素を反応させ(式(2)参照)、炭酸カルシウムの骨格をほぼ保ったままフッ化カルシウムを生成させる試みがなされている。この際、大部分の炭酸カルシウムが粒径を保持したままフッ化カルシウムとして回収されるが、発生する炭酸ガスが抜け難くさらなる反応の進行を阻害したり、炭酸ガスの発生に伴い微粒子のフッ化カルシウムフロックが生成されたり、炭酸カルシウムの中心部が未反応の炭酸カルシウムが残るなどの問題がある。
フッ化水素製造用原料に使用されている蛍石は、フッ化カルシウムの結晶を砕いて平均粒径30μm程度に粉砕したもので、3〜150μm、モード径約70μmの粉体で(その一例のSEM写真を、図3に示す)、飛散防止のため6〜10%の水分を含ませた状態で全量を海外から輸入している。結晶性の良い蛍石と硫酸との反応(式(3)参照)は、蛍石の表面から徐々に進み、生成した硫酸カルシウムで被覆されるために、十分に混和させた後400〜500℃に加熱されたロータリーキルンにて6〜8時間かけて行われているが、100μm以上の大きな粒子の場合には、芯部のフッ化カルシウムは完全に反応せずに残る。
一方、フッ素含有排水などからフッ素の固定化で得られたフッ化カルシウムは、微細な結晶が集まった多孔体である(その一例のSEM写真を、図4に示す)。このために、表面積が蛍石と比べて数倍〜数十倍と大きく、嵩比重が半分程度と嵩高いため、結晶体である蛍石と比べて式(3)の反応がスムーズに起こる。また、硫酸や発煙硫酸との混合が非常にやりやすく、混合するだけで蛍石と比べて大きな発熱による昇温が観測された。この際、塩素分、シリカ分、炭酸塩などの不純物を多く含むものは、硫酸や発煙硫酸を滴下すると同時に塩化水素、4フッ化珪素、炭酸ガスなどの激しい発泡が見られたが、混合物の温度が80℃以下ではフッ化水素の同伴は少ないことが分かった。
そこで、発熱が大きい場合には、硫酸または発煙硫酸の添加速度を調整したり、外部から強制的に冷却しながら、80℃以下を保持して十分に混合を行うことにより、不純物ガスを系外に取り除くことができた。この操作により、後段の加熱によるフッ化水素発生時のフッ化水素の純度を高めることができた。
この操作を連続プロセスで行う場合は、混合ゾーンと反応ゾーンのオフガスの出口を分割させることにより容易に達成できる。
加熱時のフッ化水素の発生は、100℃を越えた付近から徐々に起こり、200℃以下でも時間を掛ければ完結するが、式(3)の反応を短時間にかつ完全に完結させるためには、最終温度を高い温度に保持した方が良い。副生する無水硫酸カルシウムの可溶性(I型)から不溶性(II型)への相転移が350℃付近で起こることから、反応温度は350℃以下、好ましくは250℃〜350℃で行うのが良い。
フッ素の固定化で回収したフッ化カルシウムは、蛍石の主な不純物であるシリカ分をほとんど含まないために、現在、フッ化水素の製造メーカーサイドで多量に発生してその処理に困っているケイフッ化水素酸を、ほとんど生成しない利点をも有する。
使用する硫酸および発煙硫酸の量は、回収したフッ化カルシウムのフッ化カルシウムの含量および水分による。実際のフッ化カルシウム量に対して、当量またはわずかに少ない量を使用するのが良い。過剰量の硫酸は生成した硫酸カルシウムの中に残留したり、反応機の腐食や分解してフッ化水素中の不純物SOxの増加をもたらす。
フッ化水素の回収率および装置の耐食性を高めるために、反応系に存在する水分を極力避ける必要がある。このため、硫酸中の水分と回収フッ化カルシウム中の残留水分量に見合う発煙硫酸を使用する。あらかじめ発煙硫酸と硫酸を混合して2〜8%程度の発煙硫酸を調製しておくのも良い。
式(3)で得られた無水硫酸カルシウムは、通常のフッ化水素製造プラントで生成する無水硫酸カルシウムと形態が異なり、水と容易に反応して硫酸カルシウムの半水和物および2水和物を生成する。その課程において、温度を巧みに調整することにより、工業的価値が高い粒の揃った2水和物の大きな結晶を回収することができる。
例えば、250℃〜350℃に加熱された後、排出される無水硫酸カルシウムを100℃〜150℃まで空気で冷やして、攪拌しながら水に投入してスラリー状にし、スラリーの温度を40〜80℃に保持して硫酸カルシウム2水和物の結晶成長を促進させる。この条件下では、硫酸カルシウムの半水和物と2水和物の溶解度の差が大きく、大きな2水和物の結晶を得ることができる。
請求項1記載の発明によれば、粒度が非常に細かく、取扱いにくく、廃棄し難い回収フッ化カルシウムでも、フッ化水素製造用原料に使用できる効果がある。
請求項2記載の発明によれば、回収フッ化カルシウム中の不純物の中で、硫酸との反応により生じる揮発性不純物をあらかじめ除去することができ、純度の高いフッ化水素を回収できる効果がある。
請求項3記載の発明によれば、フッ化水素の損失をできるだけ少なく、効果的に揮発性不純物を除去できる効果がある。
請求項4記載の発明によれば、フッ化水素製造においてエネルギーコストを大きく低減することができると共に利用価値が高い硫酸カルシウムを回収できる効果がある。
請求項5記載の発明によれば、産業的に利用価値が高い粒度の揃った硫酸カルシウムの2水和物を簡便に得ることができる効果がある。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
フロン破壊装置で発生した塩酸およびフッ酸を水酸化ナトリウムで中和した溶液に、塩化カルシウムを加えてフッ素の固定化処理を行い、生成した固形物を高分子凝集剤を加えて凝集沈殿させた後、フィルタープレスで脱水し(糊状、水分58.4%)、それを120℃エアーバスにて一晩乾燥させた。乾燥して凝集してブロック状になった固形分を、回転式粉砕機にて2mm以下に粉砕したもの〔フッ素含量36.03%(フッ化カルシウムとして74.0%)、塩素含量4.7%、ナトリウム3.5%、灼熱減量(500℃1時間加熱時の減量、以下、同じ)2.1%〕2160gを、図1に示すSUS316L製の反応容器(i)に入れた。硫酸滴下容器(ii)に濃硫酸と25%発煙硫酸を混ぜて調合した5%発煙硫酸2310gを入れ、攪拌しながら反応容器内の温度が80℃以下を保持するように5%発煙硫酸の滴下速度を調整した。その間、塩化水素など多量のガスが発生した。これらのガスは冷却器(iii)を通さずにスクラバー(iv)に導き、そこで吸収させ、ガスの発生が止まったら、反応容器内および配管系内に残った塩化水素を追い出すために、反応容器内に窒素ガスを少量吹き込んだ。反応容器に電気炉(v)を取り付け、発生ガスが冷却器を通ってスクラバーに入るようにバルブを切り替えた。電気炉にて反応容器を加熱し、反応容器内の温度を徐々に昇温した。約3時間で300℃まで上げてから加熱を止めた。1時間後、反応容器内および配管系内に残ったフッ化水素を追い出すために、反応容器内に窒素ガスを少量吹き込んだ。反応容器から電気炉を取り外して冷却後、反応容器内に生成した無水硫酸カルシウム3525gを回収した。フッ化水素回収容器(vi)には、772gのフッ化水素(塩化水素分20ppm以下)が回収され、スクラバーの液中には塩化水素105g、フッ化水素38gが溶解していた。回収した無水硫酸カルシウムを熱水に入れてスラリー状にし、攪拌しながら徐々に温度を下げ、60℃に保ちながら5時間熟成したのち、濾過して、結晶粒径が0.3mm〜0.8mmの硫酸カルシウムの2水和物4398gを回収した。
(実施例2)
フロン破壊装置で発生した塩酸およびフッ酸を水酸化ナトリウムで中和した溶液に、塩化カルシウムを加えてフッ素の固定化処理を行うに当たり、フッ化カルシウムの結晶の生成が起こりやすい条件で調製して粒径30μm程度に成長させた回収フッ化カルシウムを、遠心脱水機にて脱水・水洗浄し(水分23.5%)、それを120℃エアーバスにて一晩乾燥させた。乾燥品〔フッ素含量42.8%(フッ化カルシウムとして87.8%)、塩素含量0.1%、ナトリウム0.5%、灼熱減量1.7%〕2322gと5%発煙硫酸2560gを用いて実施例1と同様の操作を行った。そして、反応容器内に生成した無水硫酸カルシウム3865gを回収した。フッ化水素回収容器には、977gのフッ化水素(塩化水素分20ppm以下)が回収され、スクラバーの液中には塩化水素3gおよびフッ化水素7gが溶解していた。回収した無水硫酸カルシウムを熱水に入れてスラリー状にし、攪拌しながら徐々に温度を下げ、60℃に保ちながら5時間熟成したのち、濾過して、結晶粒径が0.3mm〜0.8mmの硫酸カルシウム2水和物4393gを回収した。
(実施例3)
フッ化水素含有廃液に硫酸を加えて液性を強酸性にしてから、水酸化カルシウムスラリーを加えてフッ素の固定化処理を行い、生成した固形物を高分子凝集剤を加えて凝集沈殿させた後、フィルタープレスで脱水し(糊状、水分48.6%)、それを120℃エアーバスにて一晩乾燥させた。乾燥品〔フッ素含量28.3%(フッ化カルシウムとして58.1%)、塩素含量1.1%、硫酸カルシウム32.7%、灼熱減量3.1%〕2573gと5%発煙硫酸1875gを用いて実施例1と同様の操作を行った。そして、反応容器内に生成した無水硫酸カルシウム3755gを回収した。フッ化水素回収容器には、633gのフッ化水素(塩化水素分20ppm以下)が回収され、スクラバーの液中には塩化水素29gとフッ化水素16gが溶解していた。回収した無水硫酸カルシウムを熱水に入れてスラリー状にし、攪拌しながら徐々に温度を下げ、60℃に保ちながら5時間熟成したのち、濾過して、結晶粒径が0.3mm〜0.8mmの硫酸カルシウム2水和物4336gを回収した。
(実施例4)
フッ化水素含有廃液に、10μm〜100μmの粒度範囲に調整した天然炭酸カルシウム粉末を加えてフッ素の固定化処理を行い、生成したフッ化カルシウムを遠心脱水機にて脱水・水洗浄し(水分18.2%)、それを120℃エアーバスにて一晩乾燥させた。乾燥品〔フッ素含量43.2%(硫酸カルシウムとして88.7%)、塩素含量0.2%、炭酸カルシウム9.3%、灼熱減量1.8%〕2505gと5%発煙硫酸3147gを用いて実施例1と同様の操作を行った。そして、反応容器内に生成した無水硫酸カルシウム4398gを回収した。フッ化水素回収容器には、1059gのフッ化水素(塩化水素分20ppm以下)が回収され、スクラバーの液中には塩化水素1gとフッ化水素6gが溶解していた。回収した無水硫酸カルシウムを熱水に入れてスラリー状にし、攪拌しながら徐々に温度を下げ、60℃に保ちながら5時間熟成したのち、濾過して、結晶粒径が0.3mm〜0.8mmの硫酸カルシウム2水和物5106gを回収した。
(実施例5)
フロン破壊装置で発生した塩酸およびフッ酸を含む水溶液を消石灰を用いてフッ化カルシウムの結晶の生成が起こりやすい条件で調製して平均粒径20μm程度に成長させた回収フッ化カルシウムを、遠心脱水機にて脱水・水洗浄し(水分12.2%)、それを120℃エアーバスにて一晩乾燥させた。乾燥品〔フッ素含量44.8%(フッ化カルシウムとして92.1%)、塩素含量0.2%、シリカ分0.2%、酸化カルシウム6.5%、灼熱減量0.9%〕2125gと5%発煙硫酸2624gを用いて実施例1と同様の操作を行った。そして、反応容器内に生成した無水硫酸カルシウム3678gを回収した。フッ化水素回収容器には、953gのフッ化水素(塩化水素分20ppm以下)が回収され、スクラバーの液中には塩化水素3g、フッ化水素12gおよびケイフッ化水素酸3gが溶解していた。回収した無水硫酸カルシウムを熱水に入れてスラリー状にし、攪拌しながら徐々に温度を下げ、60℃に保ちながらで5時間熟成したのち、濾過して、結晶粒径が0.3mm〜0.8mmの硫酸カルシウム2水和物4186gを回収した。
(実施例6)
フロン破壊装置で発生した塩酸およびフッ酸を含む水溶液を消石灰を用いてフッ化カルシウムの結晶の生成が起こりやすい条件で調製して平均粒径20μm程度に成長させた回収フッ化カルシウムを、遠心脱水機にて脱水・水洗浄し(水分12.2%)、それを120℃エアーバスにて一晩乾燥させた。乾燥品〔フッ素含量44.8%(フッ化カルシウムとして92.1%)、塩素含量0.2%、シリカ分0.2%、酸化カルシウム6.5%、灼熱減量0.9%〕21.3kgおよび5%発煙硫酸2700gを、図2に示す鉄製の混合機(i)に間歇的に仕込み、容器内の温度が80℃以下を保持するようにジャケット部を水で冷却しながら、十分に混合した後、反応機(ii)に仕込んだ。この間に発生する塩化水素などのガスは直接スクラバー(iv)に導いた。反応機は電気炉にて300〜320℃に保持した。反応機で発生したガスは冷却器(iii)で凝縮されてフッ素回収容器(vii)に溜まる。反応機内の反応物は、反応機のパドルにてゆっくり掻き混ぜることにより、反応を促進するとともに、ゆっくりと硫酸カルシウム排出機(vi)の方へ移動する。反応で生成した硫酸カルシウムは、間歇的に硫酸カルシウム排出機にて抜き出す。ガスの発生が止まったら、混合機、反応機および配管系内に残った塩化水素およびフッ化水素を追い出すために、窒素ガスを吹き込んだ。そして、無水硫酸カルシウム37.8gを回収し、フッ化水素回収容器(vii)には、9.6kgのフッ化水素(塩化水素分20ppm以下)が回収され、スクラバーの液中には塩化水素30g、フッ化水素48gおよびケイフッ化水素酸29gが溶解していた。回収した無水硫酸カルシウムを熱水に入れてスラリー状にし、攪拌しながら徐々に温度を下げ、60℃に保ちながら5時間熟成したのち、濾過して、結晶粒径が0.3mm〜0.8mmの硫酸カルシウムの2水和物43.9kgを回収した。
ベンチ試験に使用したフッ化水素発生装置の一例を示す全体図である。 パイロット試験に使用したフッ化水素発生装置の一例を示す全体図である。 蛍石のSEM写真の一例を示す。 回収フッ化カルシウムのSEM写真の一例を示す。

Claims (5)

  1. 回収フッ化カルシウムを乾燥し、凝縮固化してブロックを生じたものについて、粒径数mm以下に砕いてフッ化水素製造用原料に供する方法。
  2. 回収フッ化カルシウムを硫酸または発煙硫酸と反応させる際、一段目で加温せずに十分混合することにより、不純物の塩素分、シリカ分、炭酸カルシウム分などを分解して、塩酸、4フッ化珪素、炭酸ガスなどの揮発分として取り除き、二段目で加熱してフッ化水素のみを発生させる方法。
  3. 請求項2において、一段目で反応熱による昇温によりフッ化水素の発生を押さえるために、冷却して100℃以下、好ましくは80℃以下に保持する方法。
  4. 請求項2において、二段目で不溶性の無水硫酸カルシウムを生成しない領域の350℃以下、好ましくは250℃〜350℃の範囲で反応させる方法。
  5. 請求項4記載の方法により得られた硫酸カルシウムを水で処理・熟成することにより、容易に結晶性の良い粒度の整った硫酸カルシウムの2水和物を得る方法。
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