JP2006231245A - シリコンスラッジの処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリコンウエハ製造会社や半導体製造会社から排出されるシリコンスラッジの回収とその有効利用を図るために、シリコンスラッジと水とを水和反応させて、ろ過性のよいシリコン結晶を高選択率に分離処理すると共に水素を回収する方法を提供する。
【解決手段】 アルカリ金属又はアルカリ土金属の水酸化物あるいは炭酸塩などの塩基触媒存在下にシリコンスラッジと水との水和反応をさせて生成した(1)式で示されるシリコン化合物を分離処理すると共に発生する水素を回収する方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シリコンウエハ半導体製造時に発生するシリコンスラッジの処理方法に関する。
シリコンウエハ製造会社や半導体製造会社から排出されるシリコンスラッジの回収とその有効利用については、既に多くの用途に向けて検討されている。例えば、太陽電池原料、半導体製造用治具材、Liイオン二次電池、高熱伝導性樹脂フィラー、研摩材(SiC)、耐火物原料、合金原料、化学原料等々がよく知られている。通常、半導体基板原料のシリコン単結晶は、シリカの還元、モノシランを経て製造される。更に、半導体基板であるシリコンチップは、シリコン単結晶をスライスしてシリコンウエハとして、次いでラッピング、ポリッシングの工程を経て、最後にダイシングして得る。
ところが、ここで問題なのは、シリコン単結晶を100部としたとき、シリコンチップへの歩留まりが僅か30部しかないことである。その残り70部は、別途の用途として用いられるが、多くの量はシリコンスラッジとして産廃処分されるところにある。シリコンスラッジの種類としては、発生場所によって大きくは三つに区分される。すなわちシリコンインゴット生産段階での両端切断加工、インゴット粗研摩工程、スライス工程および両取り工程などから発生するスラッジ、次に、ウエハ加工段階での鏡面研摩工程、バックグランド工程などから発生するスラッジ、更には、半導体組立て段階でのダウシング工程で発生するスラッジなどがある。これらシリコンスラッジは、一つ一つの単結晶の粒径が数ミクロンのオーダーで、極めて微粒子からなる。従って、一旦水などに浮遊させたスラッジは取扱いが困難なものである。特にウエハ加工段階での鏡面研摩工程、バックグランド工程などから発生するスラッジは、水中に懸濁しているが、このものを長時間、静置の状態で保存しても、その一部は自然沈降して底部に堆積するものもあるが、その多くの量は、液中にいつまでも懸濁した形で浮遊する。このように1μm(10−4cm)以下の微粒子からなる浮遊スラリー(コロイド)で、脱水ろ過等の手段では分離が難しく、工業的に取扱いづらいものとなっている。
この解決手段として、懸濁液中に硫酸、塩酸、フッ酸、硝酸などの無機酸、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄などの水溶性無機塩等を添加して、粒子を大きくさせてから固液分離する方法が、特許文献1に記載されている。しかし、これらの凝集剤の使用による他の金属イオンの混入は、ますますシリコンスラッジの再生利用の阻害要因となっている。
また、半導体製造工程で排出されるシリコンウエハの研磨廃水に含有される粒径0.09〜2.6μmのシリコン粒子の利用方法として、これに水酸化カルシウムを添加して得られるフロック状のシリコン粒子を懸濁液から回収し、このシリコン粒子を活性汚泥と混合する、活性汚泥の沈降促進方法が、特許文献2に記載されている。
更に排水処理の手段として、半導体工場から排水されるフッ素排水には、主成分としてのフッ酸の他、硝酸、アンモニア水、リン酸、過酸化水素、有機物、有機物としての界面活性剤等の各種の成分が混合されており、それらも同時に処理する必要がある。しかし従来は、フッ素排水は、シリコンスラッジと別個に、消石灰や炭酸カルシウム鉱物等のカルシウム剤を添加して、撹拌機や空気撹拌等の撹拌手段によって、排水中のフッ素とカルシウム剤中のカルシウムを化学反応させて排水処理していた。特許文献3はこれらを一挙に処理する方法の提案であり、過酸化水素含有フッ素排水をシリコン汚泥からなるアルカリ汚泥で中和する方法の発明である。この特許文献3には、また、従来のシリコン汚泥の処理方法として、凝集剤としてのポリ塩化アルミニウムと中和剤としての苛性ソーダが添加され、シリコンフロックが形成されて上澄液としての処理水が固液分離される。この凝集沈澱法によって、シリコンと処理水を分離し、処理水は、超純水製造装置の原水として再利用することが記載されている。
特開平6−87607号公報(請求項3、[0014]、[0016]) 特開平8−309379号公報(請求項1、[0009]) 特開2000−218280号公報(請求項8、請求項10、[0004]、[0005]、[0015]、[0016])
一般的には、シリコンスラッジを処理する方法において、特許文献1記載のように、凝集剤等を添加して粒子を大きくさせてから固液分離する方法が考えられる。しかしながら実際的にはかなりの量の凝集剤を添加する必要がある。そればかりか、例えばアルミニウム塩、鉄塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等、無機凝集剤の添加の場合には、それだけ反応後に回収するシリコン純度を低下させることになる。これによって回収したシリコンのリサイクル使用が出来なくなるケースもある。また、蒸発乾固法は、原理的には簡単であるが、配管の詰り、蒸発缶への付着、粉塵発生等、作業上やっかいな問題を生じ、設備的にも複雑になり実際的ではない。
その点を改良したものが、特許文献3記載のように、ほかの酸性スラッジを利用してアルカリ性のシリコンスラッジをも処理して、余分の無機凝集剤の使用を抑える処理方法に進展している。しかしながら、これらは、いずれも水分除去により取り扱いを容易にする廃棄埋立処分の前段処理でしかなかったのである。
本発明者らは、上記の如き課題を有するシリコンスラッジの処置の方法について鋭意検討した結果、アルカリ触媒存在下に、水との水和反応を行って、固液分離し易いシリコン結晶物にすることによって、目的とする操作性のよい処理方法を見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、シリコンスラッジを処理するにあたり、塩基性触媒下にシリコンスラッジと水とを水和反応させることを特徴とするシリコンスラッジの処理方法である。
ここで、塩基性触媒にアルカリ金属又はアルカリ土金属の水酸化物あるいは炭酸塩を用い、その塩基性触媒濃度が処理液中0.5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%の範囲で処理する。
水和反応で生成するのは(I)式で示されるシリコン化合物であり、これを分離回収して処理する。
Figure 2006231245
塩基性触媒下での水和反応では、シリコンスラッジから(I)式で示されるシリコン化合物(ここでn数の同定はできていないが、おそらくn=3〜5の範囲であろう)の生成と同時に発生する気体中から水素ガスを分離回収する。気体の組成は反応条件によって、若干異なるが、水素含有量は95vol%以上であり、不純物は大部分が炭酸ガス、炭化水素ガスである。
本発明によれば、シリコンスラッジの処理方法において、塩基性触媒下で水和反応することで、目的とするシリコン化合物及び水素を効率よく、回収することができる。特に、原料のシリコンスラッジはきわめて水切り性が悪く始末に困るものであるが、本発明の水和反応後のものは、微細コロイド粒子が凝集して、著しいろ過性の向上がみられ、シリコン化合物の回収が容易となる。
回収したシリコン化合物は、耐火物原料、冶金原料、その他化学原料用として有用な用途がある。一方、水素は化学合成原料、溶接、酸水素焔用、燃料電池源等々、多岐にわたる用途に利用することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例とともに更に詳細に説明する。本発明における水和反応に用いられる塩基性触媒は、アルカリ金属又はアルカリ土金属の水酸化物あるいは炭酸塩である。これらの塩はナトリウム、カリウム、カルシウム、リチウム、及びアンモニウム塩の何れでもよい。回収したシリコンの使用目的によっては、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどもよいが、一般的には、水酸化ナトリウムか炭酸ナトリウムが好ましい。
塩基性触媒の使用量は、重量比で0.5〜10%である。0.5%以下であると反応が遅くなり、また10%以上であると、反応後の回収したケイ素含有率を低下させるし、経済的でない。好ましい添加量範囲は、重量比で2〜7%である。
塩基性触媒の添加方法は、一括又は分割して入れてもよい。分割投入の方法として、例えば、水和反応を数段に分け、1段目反応槽に炭酸ソーダ、2段目以降は反応槽に水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムなどを何段かに分けて添加する方法でもよい。特にスラリー濃度が20%以下の稀薄なシリコンスラッジを反応させるときは、分割投入が好ましい。一括投入では、反応が急激に進むとガス発生に伴って、反応缶から反応液が噴出す危険性がある。また、逆の反応形態として、ある所定濃度に保った塩基性水溶液の中にシリコンスラッジを一定速度で添加する方法も有効である。
本発明における水和反応は、バッチ式、セミ・バッチ式、連続式のいずれの方法でもよい。また、反応系内の圧力は、常圧、減圧、加圧系のいずれでもよい。反応中の撹拌は反応前にシリコンスラッジとアルカリをよく混練しておけば、撹拌をしても、しなくてもよい。特にスラリー濃度が高く、1万センチポイズ以上の高粘度質のシリコンスラッジにおいては、実質的に撹拌することは困難を伴う。こうした場合には、初期の混練のみで、撹拌をしないでも反応させることができる。
また、手触りとしてバサバサの感じがする粉体状で、30wt%以下の含水量が少ないシリコンスラッジを原料とする場合では、所定量の水又は水蒸気を予め反応前に加えて置くか、または、反応中に所定量の水又は水蒸気を加えながら反応を進めることが好ましい。特に、強制的に撹拌をするときには、水又は水蒸気を加えなかったならば、撹拌することで水の蒸発逸散を大きくし、結果として、水和反応での水不足が起り、反応が完結しないケースがある。
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、上記の条件に適合すれば、これらの実施例に限定されるものではない。なお以下の実施例及び比較例において、目的とするケイ素の回収率は、仕込んだシリコンスラッジに対するケイ素化合物の回収量の比率である。また、(%)の表示は、特に断らない限り、wt%である。
実施例1
温度計、ガス排気ノズル、混練撹拌機を付した内容積2Lの4つ口セパラブルフラスコにシリコンスラッジ1kg(水分27.0%)と水150gを加え、含有水分36.5%として錨型羽撹拌機で混練りした。混練後のシリコン泥の粘度は39、800センチポイズであった。このシリコンスラッジを湯浴中で60℃まで加熱し、炭酸ナトリウム(98%)を30g加え、再び5分間、混練して均一なスラッジ液とした。この混練後のスラッジ液を撹拌せず、そのまま静置した。静置後8分を経過した時点で、スラッジ液温度の上昇と共にガスの発生が観察された。この時点を反応開始点とした。このときの温度は68℃であった。ガスの発生は15分から25分をピークに、その後は徐々に減少し45分後には出なくなった。この間、温度は最高112℃まで上昇した。また、発生ガス量をガスメーターで測定した。この時点までの発生ガス量は0.065Nmであった。ここで一旦、40℃になるまで放冷した。
次に、残存した固形分の中に、更に水300gと水酸化ナトリウム水溶液(24%)20gを加えて混練した。これを外部熱源で55℃まで加熱した。静置後3分を経過した時点で、再びスラッジ液温度の上昇と共にガスの発生が観察された。このガスの発生は10分から23分をピークにして、徐々に減少し、30分後には出なくなった。この間、温度は最高114℃まで上昇した。このときの発生ガス量は、0.17Nmであった。従って、前段反応までの発生ガス量と合わせると、総量で0.235Nmとなる。
この発生ガス全量を混ぜ合わせ、水分を除いた後にガス分析を行なった結果、その組成は、水素97.5vol%、炭酸ガス2.5vol%であった。ここで得られた反応固形分量は、950gであった。この結晶形態は作業上取扱い易いパサパサした結晶で、その成分は酸化ケイ素化合物であった。次に、この全量に対して、水1Lを加え、20分間、撹拌した。これを、吸引ろ過装置を用いて固液分離した。固液分離の操作性は良好で、ろ過は容易であった。得られたケーキをステンレス容器に入れ、減圧下、110℃条件下で3時間、掻き混ぜながら乾燥し、ケーキ710gを取得した。ケイ素回収率は71%であった。
また、その成分組成率はケイ素(Si)71%、炭素(C)18%、ナトリウム(Na)0.6%、鉄(Fe)9%、銅(Cu)0.1%、カルシウム(Ca)0.2%、亜鉛(Zn)0.1%、マンガン(Mn)0.1%であった。
実施例2
実施例1で用いたシリコンスラッジ1kg(水分27.0%)の中に、水90g、水酸化ナトリウム水溶液(48%)10gを加えて混練した。この内、10gを素早くステンレス製(316L)内容積100mlのオートクレーブに仕込み密封した。オートクレーブ内を充分に窒素ガスで置換をした後、更にアスピレータで吸引して、真空に保った。
次に、外部の電熱ヒータによって熱を加えて、オートクレーブ内の温度を50℃にした。その間の所要時間は3.5分であった。この時点で電熱ヒータの電源を切り、保温カバーを取り付けたままの状態にした。その後の反応に伴う温度は、次のように推移した。6分後75℃、10分後90℃、15分後105℃、20分後98℃、30分後91℃であった。
35分間の反応後、オートクレーブを水中に浸し、常温(20℃)まで冷却した。その時点での圧力は2.5Mpaであった。反応後、オートクレーブ内の固形分を水で流し出し、グラスフィルタを用いて吸引ろ過して固液分離した。このときの分離は容易であった。
このケーキを真空乾燥器、110℃/3時間の条件で乾燥させ、7.6gの乾燥ケーキを得た。元素分析の結果、ケイ素(Si)73%、炭素(C)16%、ナトリウム(Na)1%、鉄(Fe)8%、銅(Cu)0.3%、カルシウム(Ca)0.2%、亜鉛(Zn)0.1%、マンガン(Mn)0.1%、不明1.3%であった。また、一方、生成ガス分析の結果、水素98.5vol%、炭酸ガス0.5vol%、不明1.0vol%であった。
実施例3
ガス排気口を設けた、内容積2.5Lのニーダ式混練型反応機の中に実施例1と同じ組成のシリコンスラッジ1kg(水分27.0%)とソーダ灰(主成分、98%炭酸ナトリウム)35gを仕込み、ここに110℃の水蒸気を15g/分、連続して吹き込み、混練しながら90分間、反応させた。反応後、反応機内の固形分ケーキを掻き出した。このケーキを真空乾燥器で、110℃/3時間、乾燥させ、780gを得た。このケーキを元素分析した結果、その組成は、実施例1で得られたものとほぼ同等であった。一方、この反応での発生ガス量は0.18Nmで、水分を除去、乾燥した後に組成分析を行なった結果、水素97.5vol%、炭酸ガス1.5vol%、不明1.0vol%であった。
実施例4
内容積15L、スチーム加熱式のジャケット付ニーダの中にシリコンスラッジ、3.8kg(水分29.2%)と水6kgを入れ、10分間、混練した。次にスチーム加熱によって、65℃まで加温した後に、98%炭酸カリウム0.15kgを加え、10分間混練した。このものを別途、内容積25Lの3つ口ステンレス反応器に移し入れ、加温することなく、また撹拌せず静置した。静置後、13分を経過した時点から反応が始まり、泥液の温度上昇と共にガスの発生が観察された。この発生ガスはガスメーターを経由して大気に放出した。ガスの発生は23〜38分をピークにその後、徐々に減少し60分後には出なくなった。この間、温度は最高125℃まで上昇した。このとき得られた反応固形ケーキ分量は3.25kgで、その結晶状態は、パサパサの粉末状の結晶であった。また、この反応に伴って発生したガス量は0.17Nmであった。
次に、この固形ケーキの全量を、先に用いた内容積15L、スチーム加熱式のジャケット付ニーダの中に戻し、水8kgと水酸化ナトリウム水溶液(24%)0.4kgを加えて混練し、加温して80℃にした。これを再び内容積25Lの3つ口ステンレス反応器に移し入れ、加温することなく、また撹拌せず静置した。静置後、12分後スラッジ液の温度上昇と共にガスの発生が観察された。このガスの発生は18分から35分をピークにして、徐々に減少し、50分後には出なくなった。この間、温度は最高114℃であった。このときの発生ガス量を測定した結果、0.28Nmであった。従って、前段反応までの発生ガス量と合わせると、総量で0.45Nmとなった。この発生ガス全量を混ぜ合わせ、水分を除いた後にガス分析を行なった結果、その組成は、水素96.8vol%、炭酸ガス1.5vol%であった。
続いて、ここで得た残存固形分の全量を内容積20Lのポリ容器に移し入れ、この中に水15Lを加えて、30分間、撹拌機で撹拌した。その後、遠心清浄機(SC-60D型)(アメロイド製)を用いて固液を分離した。得られたケーキをステンレス容器に入れ、減圧下、120℃条件下で5時間、掻き混ぜながら乾燥した。乾燥ケーキの取得量は2.63kgであった。ここでのシリコン回収率は69.2%であった。また、その組成は、実施例2で得られたものとほぼ同等であった。
実施例5
触媒として、水酸化ナトリウム水溶液(48%)12gを3回に分けて添加し、反応時間を70分としたほかは、実施例3と同様な装置、原料シリコンスラッジ及び反応操作、固液分離、乾燥操作を行なった。反応時での発生ガス量は0.21Nmで、主成分が水素であった。反応後、反応機内の固形分ケーキを掻き出した。このケーキを真空乾燥器で110℃/3時間、乾燥させ、ケーキ718gを得た。ここでのシリコン回収率は71.8%であった。また、その組成は、実施例2で得られたものと同等であった。
実施例6
触媒として、粉末状の水酸化カルシウム(97%)40gを使用し、反応時間を120分、反応開始温度を90℃としたほかは、実施例3と同様な装置、原料シリコンスラッジ及び反応操作、固液分離、乾燥操作を行なった。乾燥ケーキの取得量は689gであった。また、反応時のガス発生量は0.096Nmで、その主成分は水素であった。ここでのシリコン回収率は68.9%であった。その組成は、実施例2で得られたものと同等であった。
実施例7
内容積2Lの反応缶(加温−冷却インナーコイル、温度計、温度センサー、ジムロート型コンデンサー、ガス排気ライン、窒素ガス置換ノズル、アルカリ添加ロート、撹拌付き5つ口フラスコ)にスラリー濃度20%の稀薄なシリコンスラッジ1kgを仕込み、この液温を80℃にした後、撹拌下に炭酸ナトリウム水溶液(25%)100gを30分掛けて添加した。次に水酸化ナトリウム水溶液(24%)20gを15分掛けて添加した。反応温度は加温−冷却インナーコイルを用いて制御し、85〜90℃の範囲を保ちながら、1.5時間反応した。加温はスチーム、冷却は冷凍機(チラー)を用いて5℃の冷水を流した。
この水和反応で生成したガスは、水封式のガスホールダーに貯めた。反応後、フラスコ内の固形分を水で流し出し、グラスフィルタを用い、吸引ろ過して固液分離した。このときの分離は容易であった。ケーキを真空乾燥器、110℃/3時間、乾燥させ、763gを得た。元素分析の結果、その組成は、実施例2で得られたものと同等であった。また、水封式ガスホールダーに貯めたガスの総量は0.19Nmで、その組成分析の結果、水素99.2vol%、炭酸ガス0.3vol%、不明0.5vol%であった。
比較例1(ろ過性難易度判定)
実施例1と同一のシリコンスラッジ100gを水和反応することなく、そのまま水300gの中に入れ、よく掻き混ぜて均一なスラリー状の液とした。一方、実施例2〜7同様の方法によって得た、乾燥前のスラッジ100gに水300gを入れ、よく掻き混ぜて、同じように均一なスラリー状の液とした。
次に、この各々の液400gを、真空度200Torr/温度25℃の一定条件下で、メンブレンフィルタ孔0.2μm、50Φのグラスフィルタを用いて、ろ過テストを行ない、ろ過性の難易度を判定した。その結果、次の表1のようであった。
Figure 2006231245
表1の結果から明らかなように、水和反応後のシリコン化合物は、ろ過完了までに数分も要しないが、原料のシリコンスラッジは120分経過しても、懸濁屐の1/3量がフィルター上部に残存し、しかも、ろ過液の透明度も悪いものであった。このように、原料シリコンスラッジはきわめて水切り性が悪く始末に困るものであるが、本発明の水和反応後のものは、微細コロイド粒子が凝集して、著しいろ過性の向上がみられ、シリコン化合物の回収が容易となる。

Claims (6)

  1. シリコンスラッジを処理するにあたり、塩基性触媒下にシリコンスラッジと水とを水和反応させることを特徴とするシリコンスラッジの処理方法。
  2. 塩基性触媒にアルカリ金属又はアルカリ土金属の水酸化物あるいは炭酸塩を用いる請求項1記載のシリコンスラッジの処理方法。
  3. 塩基性触媒濃度が処理液中0.5〜10重量%で処理する請求項1又は2記載のシリコンスラッジの処理方法。
  4. 水和反応で生成する(I)式で示されるシリコン化合物を分離回収して処理する請求項1記載のシリコンスラッジの処理方法。
    Figure 2006231245
  5. 水和反応で発生する気体中から水素ガスを分離回収する請求項1記載のシリコンスラッジの処理方法。
  6. 塩基性触媒下で水和反応を行ない、(I)式で示されるシリコン化合物を分離して回収処理すると共に発生する水素を回収する請求項1記載のシリコンスラッジの処理方法。
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