JP2006192346A - フッ素除去剤 - Google Patents

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義夫 太田
Tetsuji Choji
哲治 丁子
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Abstract

【課題】 溶液中のフッ素を環境基準値は0.8mg/L以下にまで効率よく除去することが可能なフッ素除去剤を提供する。
【解決手段】 炭酸ガス化合法により工業的に生産されている通常の炭酸カルシウムの製造工程における炭酸化工程の途中で、リン酸を混合することにより製造される水酸アパタイトと炭酸カルシウムからなる複合粒子を有効成分とするフッ素除去剤である。好ましくは、複合粒子は、炭酸ガスの導入を開始し、懸濁液がpH=7-8となる予定炭酸化終了時間の50-80%経過した時点で炭酸ガスの導入を止めた後、または炭酸ガスの導入しながら、リン酸を混合することにより製造される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、液中に含まれるフッ素を除去するためのフッ素除去剤に関する。
フッ素の工業的使用量は、先端産業の発展とともに増えており、それに伴って発生するフッ素を含む廃棄物の量も増加傾向にある。1999年4月より環境基準にフッ素の項目が追加され、その基準値は0.8mg/Lとなり(平成11年環境庁告示第14号)、さらに2001年6月に環境省の省令により、水質汚濁防止法におけるフッ素の排出基準が15mg/Lから8mg/Lに変更され、同年7月より施行された(水質汚濁防止法施行令)。また、自治体によってはさらに厳しい上乗せ基準を設けていることもあり、フッ素化合物を含む廃水の処理に関してより効率の高い処理方法、すなわち高度処理技術の開発が必要となっている。
廃水に含まれるフッ素の処理方法としては、消石灰と反応させてフッ化カルシウムを生成させ、沈殿分離させる方法が一般的であるが、この方法では、処理済液に含まれるフッ素濃度は10〜30mg/L程度にまでしか低減しないとされている。そこで、新たに環境基準値以下にまでフッ素を除去するための薬剤や処理方法の研究開発が進められている。
例えば、比表面積20m2/g以上の水酸化カルシウム(特開2002−254086)、リン酸類および/又はリン酸化合物(特開2002−370093)、水酸化カルシウムとリン酸カルシウムとからなる塩基性塩であり、化学式(3Ca3(PO4)2・Ca(OH)2)で表される物質のスラリー(特開2003−24953)、酸化カルシウム及び/又は炭酸カルシウムを飽和リン酸水素カリウム溶液とジルコニウム溶液で処理して表面にリン酸カルシウムとジルコニウムとが配位されているフッ素吸着材(特開2003−62457)などがフッ素除去剤として提案されている。
特開2002−254086 特開2002−370093 特開2003−24953 特開2003−62457
本発明の目的は、溶液中のフッ素を環境基準値は0.8mg/L以下にまで効率よく除去することが可能なフッ素除去剤を提供することにある。
炭酸カルシウムは、通常、水に生石灰を加えて調製する石灰乳に炭酸ガスを吹き込む炭
酸ガス化合法により工業的に生産されている。この製法によれば炭酸カルシウムと水のみ
が生成され、環境及び資源の有効利用の点から有用な方法と考えられる。
本発明は、この製法における炭酸化工程の途中でリン酸を混合することで、水酸アパタイトと炭酸カルシウムからなるフッ素除去剤を生成させるものである。
例えば、タービン羽根で撹拌(周速度:約1.6m/s)されている消石灰スラリー(濃度:1.5mol/L)12Lに炭酸ガスを3L/minの流量で吹き込むと、4時間程で炭酸化終了(pH=7-8)することが予め判っていたので、予定炭酸化終了時間(4時間)の75%に当たる3時間吹き込んだところで炭酸ガスの導入を止め、リン酸(濃度:1mol/L)を流量0.1L/minで6L加えることで、容易に水酸アパタイトと炭酸カルシウムからなる複合粒子が得られる。この粒子5gをフッ化物イオン溶液(F-濃度:10mg/L)0.5Lに投入、撹拌し、1時間後のフッ素濃度を測定した結果、0.49mg/Lを示した。
本発明によれば、炭酸ガス化合法により工業的に生産されている通常の炭酸カルシウム
の製造工程を利用して、フッ素を環境基準値は0.8mg/L以下にまで効率よく除去することが可能なフッ素除去剤を提供できる。
本発明の好ましい実施の形態によれば、以下のような工程を経ることにより、フッ素除去剤を製造することができる。
生石灰塊と水を混合・連続消化して調製された消石灰スラリー(温度:約70℃、濃度:約1.5mol/L)22m3に、石灰焼成炉より排出される排ガス(CO2濃度:約23vol%)を約20m3/hの流量で3時間45分吹き込んで炭酸カルシウムを製造する工程において、吹き込み開始約2-3時間後に炭酸化反応槽より未炭酸化の消石灰を含むスラリーをリン酸化反応槽へ必要量分取する。分取されたスラリー(pH>12)にリン酸をpH=7-8となるまで加えることで、水酸アパタイトと炭酸カルシウムからなる複合粒子を生成させる。このスラリーがpH=7-8となった時点でリン酸の混合を止めず、引き続き、リン酸を混合すれば、水酸アパタイト含量がより多い複合粒子となるため、リン酸の混合量を適宜調整して廃水処理条件に適したフッ素除去剤とすることができる。また、リン酸を混合する際、分取せずに吹き込み開始約2-3時間後の炭酸化反応槽に直接リン酸を加えてもよく、その際、排ガスの吹き込みは止めても止めなくてもよく、都合のよい製造工程が選択できる。
排ガス導入開始後、消石灰スラリーがpH=7-8となる炭酸化終了時間の50-80%経過した時点で、リン酸の混合を開始するのが好ましい。排ガスの導入開始以前や同時、または短い時間しか経過していない時点でリン酸の混合を開始すると、炭酸カルシウムの生成が不十分で、消石灰が多く存在している状態であるため、水酸アパタイトと炭酸カルシウムからなる複合粒子を効率よく生成することができない。一方、炭酸化終了後にリン酸を混合すると、板状のリン酸水素カルシウム二水和物が析出し、水酸アパタイトと炭酸カルシウムからなる複合粒子を生成することができない。
以上のような工程により生成された複合粒子は、複合粒子のみ、または他の成分と混合された状態でフッ素除去剤として使用される。他の成分は、例えば複合粒子の生成工程で生じてそのまま混在している単独の水酸アパタイト粒子や炭酸カルシウム粒子である。あるいはフッ素除去性能を助長または補強する等の目的のために他の適当な成分を意図的に混合することもできる。
このようにして生成された水酸アパタイトと炭酸カルシウムからなる複合粒子は、従来の代表的な水酸アパタイト合成法である沈殿反応法により合成された水酸アパタイト粒子が非常に微細なサブミクロン粒子であるために通常の乾燥・粉砕処理では強固に団結した不定形塊状の2次粒子になり、取り扱いが面倒であるのに対し、炭酸カルシウムと複合化させて数ミクロン粒子とすることにより、懸濁液の粉末化等の取り扱いが容易となり、かつ水酸アパタイトのフッ素除去機能を保持している。
さらに、複合化により水酸アパタイトの含量を変化させ、用途に適した粒子とすることができ、かつ必要量だけの水酸化アパタイトを生成させるので安価に製造することが可能となる。
以下、本発明に係るフッ素除去剤の製造方法とフッ素除去の実施例について説明する。以下の実施例についての説明は本発明をより深く理解するためのものであって、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
メジアン径はレーザー回折式粒度分布測定装置LA-500(堀場製作所)により測定した。形態は走査型電子顕微鏡(SEM)S-570(日立製作所)により観察した。結晶相の同定にはX線回折装置XRD-6100(島津製作所)で得られたX線回折パターンを用いた。La-ALC法により、F-濃度を測定した。
(実施例1)
消石灰スラリー(濃度:1.5mol/L、温度:68℃)22m3に、石灰焼成炉より排出される排ガス(CO2濃度:約23vol%)を約20m3/hの流量で3時間45分吹き込む炭酸カルシウム製造工程において、排ガスが約2時間30分吹き込まれたところでスラリーを採集した。タービン羽根で撹拌(周速度約1.4m/s)されている25℃の採集したスラリー2Lにリン酸(濃度:1mol/L)を流量5ml/minで1L加えた。生成物をろ過して回収し、約105℃で乾燥させて試料1を得た。図1に試料1のSEM写真を示す。図3(a)のX線回折パターンに示されるように、炭酸カルシウムのピークに加えてブロードな水酸アパタイトのピークが認められた。メジアン径8.1μmの水酸アパタイトと炭酸カルシウムからなる粒子である試料1が得られた。
特級試薬NaF(和光純薬)から調製した溶液(F-濃度:10mg/L、温度:室温25℃付近)0.5Lに試料1を5g投入し、撹拌した。種々の時間経過後、溶液をサンプリングしてF-濃度を測定した。図4(a)に試料1のF-濃度変化を示す。試料1は、10分で環境基準以下の0.59mg/Lに低下させるフッ素除去能力を示した。
(比較例1)
消石灰スラリー(濃度:1.5mol/L、温度:68℃)22m3に、石灰焼成炉より排出される排ガス(CO2濃度:約23vol%)を約20m3/hの流量で3時間45分吹き込んで炭酸化が完了した炭酸カルシウムスラリーを採集した。タービン羽根で撹拌(周速度約1.4m/s)されている25℃の採集したスラリー2Lにリン酸(濃度:1mol/L)を流量5ml/minで1L加えた。生成物をろ過して回収し、約105℃で乾燥させて試料2を得た。図2に試料2のSEM写真を示す。図3(b)のX線回折パターンに示されるように、炭酸カルシウムとリン酸水素カルシウム二水和物のピークが認められた。紡錘状炭酸カルシウムと板状リン酸水素カルシウム二水和物が混合した試料2が得られた。
特級試薬NaF(和光純薬)から調製した溶液(F-濃度:10mg/L、温度:室温25℃付近)0.5Lに試料2を5g投入し、撹拌した。種々の時間経過後、溶液をサンプリングしてF-濃度を測定した。図4(b)に試料2のF-濃度変化を示す。試料2は1時間では環境基準以下に低下させることはできなかった。
以上、本発明の実施の形態及び実施例について説明したが、本発明は上記実施の形態及
び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、適宜変形実施が可
能であることは言うまでもない。
図1は、実施例1により得られた粒子を示すSEM写真である。 図2は、比較例2により得られた粒子を示すSEM写真である。 図3は、図1,2に示した粒子のX線回折パターンである。 図4は、図1,2に示した粒子のF-濃度と時間の関係を示す図である。

Claims (4)

  1. 水酸アパタイトと炭酸カルシウムとの複合粒子を有効成分とすることを特徴とするフッ素除去剤。
  2. 複合粒子は、消石灰スラリーに炭酸ガスを導入し炭酸カルシウムを析出させる工程中にリン酸を混合して製造された請求項1に記載のフッ素除去剤。
  3. 複合粒子は、炭酸ガスの導入を開始し、懸濁液がpH=7-8となる予定炭酸化終了時間の50-80%経過した時点で炭酸ガスの導入を止めた後、リン酸を混合して製造された請求項2に記載のフッ素除去剤。
  4. 複合粒子は、炭酸ガスの導入を開始し、懸濁液がpH=7-8となる予定炭酸化終了時間の50-80%経過した時点で炭酸ガスの導入しながら、リン酸を混合して製造された請求項2に記載のフッ素除去剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008188483A (ja) * 2007-01-31 2008-08-21 Onoda Chemical Industry Co Ltd フッ素除去剤とその製造方法
CN108996630A (zh) * 2018-06-25 2018-12-14 湖南烯富环保科技有限公司 一种基于竹质物的除氟材料制备方法

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