JP2011026640A - 金属添加シリコン脱酸剤の製造方法とその方法で製造された金属添加シリコン脱酸剤 - Google Patents

金属添加シリコン脱酸剤の製造方法とその方法で製造された金属添加シリコン脱酸剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2011026640A
JP2011026640A JP2009171664A JP2009171664A JP2011026640A JP 2011026640 A JP2011026640 A JP 2011026640A JP 2009171664 A JP2009171664 A JP 2009171664A JP 2009171664 A JP2009171664 A JP 2009171664A JP 2011026640 A JP2011026640 A JP 2011026640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
metal
added
weight
sludge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009171664A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5550861B2 (ja
Inventor
Katsumi Mizumoto
勝美 水本
Masato Tanaka
正人 田中
Masahiro Kurita
政廣 栗田
Katsuhiko Hattori
勝彦 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SOGO TECHNO KK
SOSEI MINERAL KK
TANAKA SHUNSETSU KOGYO KK
Original Assignee
SOGO TECHNO KK
SOSEI MINERAL KK
TANAKA SHUNSETSU KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SOGO TECHNO KK, SOSEI MINERAL KK, TANAKA SHUNSETSU KOGYO KK filed Critical SOGO TECHNO KK
Priority to JP2009171664A priority Critical patent/JP5550861B2/ja
Publication of JP2011026640A publication Critical patent/JP2011026640A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5550861B2 publication Critical patent/JP5550861B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

【課題】
本発明は、シリコンウェハー切断工程から出る、水分や切削油、砥粒、切削粉などを含むシリコンスラッジを有効活用して製鋼用にに利用できる金属添加シリコン脱脱酸剤の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、シリコンスラッジの含水率を金属シリコンの消耗をさせずに下げ、成形固化して、粉塵の発生の少ない金属添加シリコン脱酸剤の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、空気中の水分との反応が少なく長期保存が可能で、製鋼炉の保護作用も期待できる金属シリコン脱酸剤を提供することを目的とする。
【解決手段】
シリコンスラッジに酸化マグネシウムを添加混合して含水率を下げる含水率低減工程と、次いでその混合物に高分子ポリマーを添加・混練して成形体とする成形工程と、次いで前記成形体をさらに乾燥し乾燥状態で保存する保存工程と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物として排出されるシリコンスラッジを有効活用して、転炉や電気炉での製鋼工程で使用される金属添加シリコン脱酸剤の製造方法とその方法で製造された金属添加シリコン脱酸剤に関するものである。
半導体や太陽電池の原材料であるシリコンウェハー製造工場ではシリコンインゴットの整形切断工程やスライシング工程などから多種多様なシリコンを含む残渣が発生する。シリコンの破片や不良インゴットのスクラップなど金属シリコンだけからなり、粒径の大きなものは集めて多結晶シリコンの原料として利用される。ワイヤーソーやバンドソーによる切断工程からは、クーラント(冷却材)とともにシリコンのより細かい破砕粉末が集められる。クーラントから遠心分離でシリコン粉末を集めたものがシリコンスラッジ、圧縮膜分離でシリコン粉末を集めたものがシリコンケーキと呼ばれている。シリコンスラッジと、シリコンケーキとのどちらもクーラントと砥粒と切断刃の砕粉と水とを混入物として含む。切断刃の砕粉としてFeやCuがシリコンに混入するとそれをシリコンから除くことが困難であるためこの切断工程から出る、シリコンスラッジやシリコンケーキのほとんどは廃棄物として埋め立て処理されてきた。
金属シリコンは製鋼の過程での脱酸剤として使うことができることから、シリコンスラッジを脱酸剤として利用することは環境省の再生利用認定制度で認定対象として指定されている。例えば(非特許文献1)参照。
また(非特許文献2)では金属シリコンそのものをシリコンスラッジから回収する技術が検討されている。
製鋼の過程において炭素やケイ素、リンなどの不純元素を除くために、溶鋼中に酸素を吹き込む酸化精錬が一般的に実施される。この酸素が溶鋼中に残るのを防ぐために投入されるのが脱酸剤である。
脱酸剤には、フェロシリコンやけい素マンガン、フェロマンガン、シリコンカルシウムなどの他、アルミニウム地金、 アルミスラグ、アルミ鉱滓などが用いられている。脱酸剤の原料はほぼ全て海外からの輸入に頼っているため国内から供給できる脱酸剤の開発が望まれている。
シリコンスラッジを利用する従来の技術としては、例えば(特許文献1)に、乾燥して脱酸剤として利用する方法が提案されている。
また(特許文献2)には、シリコンスラッジを利用して水素を生産する方法が提案されている。
特開2004−169166 特開2004−307328
環境省「再生利用認定制度申請の手引き」[online]インターネット<URL:http://www.env.go.jp/recycle/waste/sai-nin/manual.pdf>、平成20年4月改訂版 平成17年度〜平成19年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構共同研究成果報告書 新エネルギー技術研究開発 太陽光発電システム実用化加速型技術開発「シリコン回収及び再生技術開発」平成20年3月 株式会社 新菱[online]インターネット<URL:http://www.tech.nedo.go.jp/PDF/100012104.pdf>、2008年10月10日掲載
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(非特許文献1)、(非特許文献2)、(特許文献1)及び(特許文献2)に記載の技術は固形分として金属シリコンだけを含み、金属シリコン含有量の高いシリコンスラッジだけを対象としている。凝集剤や油などの不純物を含む多くのシリコンスラッジについては利用することができないという課題を有していた。
(2)(特許文献1)に記載の技術は、焼結により含水率を下げ固形化するため、水分の多いシリコンスラッジから含水率を効率よく下げてシリコン脱酸剤とすることができないという課題を有していた。
(3)また、水分を多く含むシリコンスラッジをそのまま加熱すると金属シリコンと水が反応して金属シリコン含量が下がってしまうため焼結による成形・固形化ができないという課題を有していた。
(4)さらに、水分を多く含むシリコンスラッジをそのまま乾燥させても、出来上がったシリコン脱酸剤は脆く崩れ粉塵を発生しやすいという課題を有していた。
(5)さらに、出来上がったシリコン脱酸剤が空気中の水分と反応して劣化するという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、不純物を含み、水分の多いシリコンスラッジから効率よく含水率を下げて、一定形状に成形されたシリコン脱酸剤とすることができ、低原価で量産できる金属添加シリコン脱酸剤の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、脱酸性能に優れ、経時的安定性に優れ、低原価で量産できる、崩れにくく粉塵を発生しにくい金属添加シリコン脱酸剤を提供することを目的とする。
シリコンウェハー製造時に切断工程から出るシリコンスラッジやシリコンケーキは、クーラントや砥粒、水、切断時の切削歯由来の粉体を含むために有効利用する方法がなくほとんどが埋立処理されてきた。このシリコンウェハー製造において切断工程から出るシリコンスラッジやシリコンケーキを有効活用する方法を、鋭意検討した結果、本発明の金属添加シリコン脱酸剤の製造方法とその方法で製造された金属添加シリコン脱酸剤に至ったものである。
なお、シリコンウェハー製造時に切断工程から出るこのシリコンスラッジとシリコンケーキの総称として、以下ではシリコンスラッジと記載する。
上記従来の課題を解決するために本発明の金属添加シリコン脱酸剤の製造方法とその方法で製造された金属添加シリコン脱酸剤は、以下の構成を有している。
請求項1に記載の金属添加シリコン脱酸剤の製造方法は、シリコンスラッジに酸化マグネシウムを添加混合して含水率を下げる含水率低減工程と、次いで前記工程で得られた混合物に高分子ポリマーを添加・混練して成形体とする成形工程と、次いで前期成形体をさらに乾燥しの乾燥状態で保存する乾燥保存工程と、を含む構成をしている。この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)添加混合された酸化マグネシウムはスラッジ中の水と化学的に反応して水酸化物となることで含有水分を下げる。
(2)水との反応で生成した水酸化マグネシウムは水に難溶性であり、結晶水として水を取り込む。このため未反応で残った酸化マグネシウムと残存する水分を取り合って水分子を金属シリコン粒子から離すため、加圧しても金属シリコンと水が爆発的な反応をしなくなり、加圧成型が可能となる。また含水率を下げるための焼結が不要となる。
(3)添加された高分子ポリマーが粉体粒子間を接着して混合体の粘度を上げて賦型性を高めるとともに、出来上がった成形体が崩れずに形状保持することのできる強度を混合体に与え、固化して成形体とするための焼結が不要となる。
(4)高分子ポリマーが金属シリコン粒子の表面を覆うことで、空気中の水蒸気と金属シリコン粒子が接触して反応することを妨げ、保存中の製品劣化を防ぐ。
(5)マグネシウムは製鋼において炉の内壁保護のための添加剤に用いられている成分であり、スラグとして排出されるので製鋼を妨げない上に炉壁の保護効果が期待できる。
(6) 出来上がった成形体の含水率は低いものではあるが、完全に無水ではない。また保存中や輸送中に空気中から水分を吸う可能性もある。乾燥保存工程によって含有水分を1重量%以下に保つことで、製鋼炉に投入した時に水蒸気爆発する危険や輸送時の積み重ねで圧力が掛かかり水素を発生して爆発する危険を防ぐ。
ここで、酸化マグネシウムは軽焼マグネシウムとして工業用に市販されているものが使用できる。酸化マグネシウムの添加量は含水率の2倍〜3倍とする。シリコンスラッジに酸化マグネシウムを添加して30分間混練することによってシリコンスラッジの含水率は2重量%〜15重量%から1.5重量%以下に下げられる。また、酸化マグネシウムと同様に酸化カルシウムを添加しても、水と反応して含水率を下げる効果を示す。しかし酸化カルシウムを使用した場合は空気中の二酸化炭素との反応による劣化が早期に起こるため好ましくない。
高分子ポリマーとしては、金属粉や磁性粉の成形に広く用いられている、ポリビニルアルコールやその誘導体、ポリアクリルアミドやその誘導体、ポリビニルブチラールやその誘導体などが利用できる。粘着力により粉体粒子を結び付ける働きをし、賦型性を向上する。アルコールやアセトンなどの有機溶剤に溶かして使用するか、粉体のままで直接添加・混練して使用することができる。固形分に対して0.2重量%〜5重量%添加して使用する。
成形には加圧成形が利用できる。加圧成形の圧力は200kg/cm〜1000kg/cmとすることが好ましい.
金属シリコンとはメタリックシリコンと呼ばれる純度の高いケイ素単体の結晶およびその破砕物のことであり、シリコンの酸化物であるシリカ(二酸化ケイ素)や炭化物である炭化珪素とは異なるものである。シリコンスラッジは金属シリコンを主成分とするもので、半導体や太陽電池の原材料であるシリコンウエハ製造の切断工程でクーラントから遠心分離あるいは圧縮膜分離によって回収されたものが利用される。シリコンスラッジはその発生源によりその組成がほぼ一定しているので、受け入れ時の簡単な成分検査を経て、それらを適宜混合することで年間を通じでほぼ一定の成分組成をもつシリコンスラッジを得ることができる。シリコンスラッジ中に含まれるクーラントは有機油であり、炉に投入されてすぐに燃焼するため製鋼を妨げない。シリコンスラッジ中の砥粒や切削歯由来の粉体もその主成分はFe、SiC、Cu、SiOであり製鋼を妨げない。
乾燥保存工程の乾燥には真空乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥、乾燥空気による通気乾燥などを用いることができる。乾燥後の保存には密閉して外気の水分を遮断できる袋に詰める方法や乾燥室に保管する方法を用いることができる。製鋼炉投入時の水蒸気爆発を防ぐため含水率1%以下にすることが望ましい。
請求項2に記載の金属添加シリコン脱酸剤の製造方法は請求項1に記載の金属添加シリコン脱酸剤の製造方法であって、前記成形工程において繊維性連結強化剤を添加・混練することを含む構成をしている。
この構成により、請求項1の作用に加えて、以下のような作用が得られる。
(1)添加された繊維性連結強化剤と高分子ポリマーとが粉体粒子間を接着して粘度を上げて全体の均一な混練作業を容易にするとともに賦型性を高める。
(2)全体に分散した繊維と繊維の間を高分子ポリマーが接着することで複雑に絡み合った網目構造を形成し、その中に粉体粒子が捕捉された状態となり、製品からの粉体の脱落が低減し、製品からの粉塵の発生を抑え、15mの高さから製鋼炉に投下しても粉砕しない強度を製品に与える。
ここで繊維性連結強化剤は押出成形品などの増粘と賦型性向上、造粒性向上などのため建材や医薬、食品の分野で広く使われている工業製品の中から選ぶことができる。例えばメチルセルロースやカルボキシメチルセルロース、ヒブロメロースなどのセルロース誘導体などやロックウールなどが使用できる。尚、酸化マグネシウムを加える前記含水率低減工程で少量加えても粘度が増して均一な混練がし易くなり好適である。繊維性連結強化剤は粉体のまま添加・混練使用することができる。高分子ポリマーと繊維性連結強化剤の合計量で全固形分に対して0.2重量%〜5重量%添加して使用する。
請求項3に記載の金属添加シリコン脱酸剤は含水率1重量%以下、金属シリコンを30重量%〜94重量%、水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムを合計量で5重量%〜15重量%、金属粉体成型用高分子ポリマーと繊維性連結強化剤を合計量で1重量%〜5重量%、含有することを備えた構成をしている。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)含水率1重量%を超えると製鋼炉投入時に水蒸気爆発する恐れがあり好ましくない。
(2)金属シリコンが30重量%以上含まれるものは、現在、製鋼工場で脱酸剤として使われている実績がある。一方94重量%を超えると空気中の水分を吸って爆発する危険があり、保存や運搬が難しい。また30重量%未満では脱酸剤として使われている実績がないために商品価値がない。
(3)水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムは金属添加シリコン脱酸剤が吸収した空気中の水と反応してこれを奪うので脱酸剤の含水率を低いまま維持することができる。水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムの合計量が5重量%未満では含有水分を低く保つ効果に乏しい。水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムの合計量が15重量%を超えると空気中の炭酸ガスを吸って炭酸化物に変化することにより体積が膨張し、製品形状が崩れることによる品質の低下を起こしやすくなり好ましくない。
(4)高分子ポリマーと繊維性連結強化剤とが粉体を纏めて成形状態を保っている。これにより輸送、投入などでのよい作業性が与える。金属粉体成型用高分子ポリマーと繊維性連結強化剤の合計量が1重量%未満では粉体の保持機能が低くなり、輸送中や炉への投入作業中の粉塵が多くなり作業性が低下する。金属粉体成型用高分子ポリマーと繊維性連結強化剤の合計量が5重量%を超えると比重が下がり体積が増えて、重量あたりの脱酸性能が低下するので好ましくない。
以上のように、本発明の金属添加シリコン脱酸剤の製造方法とその方法で製造された金属添加シリコン脱酸剤によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)シリコンスラッジ中の金属シリコンを消耗せず、加熱蒸発させずに含水率の低い成形体とすることができるので、従来よりも金属シリコンの濃度が低いシリコンスラッジやクーラントや高分子ポリマー等の水分の蒸発を妨げる物質を含んでいるシリコンスラッジなどこれまで廃棄物として埋め立て処理しかなかったシリコンスラッジを有効活用して、原料として利用できる金属添加シリコン脱酸剤の製造方法を提供することができる。
(2)含水率を下げるのに加熱がいらないことから省エネルギー性に優れ、また、空気中の水分との反応が抑えられ長期保存ができるので計画的に生産しやすい、金属添加シリコン脱酸剤の製造方法を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、
(1)保管や輸送中の粉塵の生成が少なく、作業性に優れる金属添加シリコン脱酸剤の製造方法を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、
(1)金属シリコンが水分子と離されているので、積み重ねにより加圧されても爆発し難く安全性に優れた金属添加シリコン脱酸剤を提供することができる。
(2)空気中の水分と金属シリコンの反応が抑えられるので、保管中の劣化が少なく在庫管理しやすい金属添加シリコン脱酸剤を提供することができる。
(3)水酸化マグネシウムは製鋼炉の高温に晒されると分解して酸化マグネシウムとなる。酸化マグネシウムは製鋼炉の炉壁を保護する目的で添加されている物質である。よって製鋼炉壁を保護する作用を持つ金属添加シリコン脱酸剤を提供することができる。
作業工程模式図 実施例1によって作成された金属添加シリコン脱酸剤
図1は本発明を実施するための作業工程を示す模式図である。
(原料調製工程)シリコンスラッジは受入毎に含まれる金属シリコンの量を測定し、適宜調合ブレンドして金属シリコン含有量を一定とし原料シリコンスラッジとする。
(含水率低減工程)原料となるシリコンスラッジを混練機1に移し、混練する。全体が均一になったところで、酸化マグネシウムの粉体を少しづつ加えてさらに混練し、水との反応を行わせる。約30分間混練を続けることで水との反応が進んで含水率1.5%以下となる。
(成形工程)高分子ポリマーと繊維性連結強化剤を添加してさらに混練する。全体の粘度が上り、状態が均一になったら、混練機の内容物を移送コンベア2で加圧成形機3に移す。それを加圧成形機3で加圧成形し、成形体4を移送コンベア5で受け皿6に移す。
(乾燥保存工程)受け皿6に受けた成形体4を乾燥皿に並べ、乾燥機7で110℃〜130℃で6時間〜12時間乾燥することで、含水率1%以下とし、金属添加シリコン脱酸剤の製品8とする。水蒸気を通さない密閉袋9につめて保存する。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)金属シリコン含量が65重量%のシリコンスラッジの100重量部に対して1重量部のヒブロメロースと、8重量部の酸化マグネシウム(工業用軽焼マグネシウム)とを縦型万能混合攪拌機(品川工業所製)で30分間、混合・撹拌した。
(2)次いで(1)の混合物に、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製PVA117)0.5重量部とポリビニルアルコール(株式会社クラレ製PVA105)0.5重量部を加えて、さらに15分間混練を続ける。次いでポリビニルブチラール(クラレ社製モビタールB60H)の10%エタノール溶液を5重量部加えて10分間混合・攪拌を続ける。
(3)縦型万能混合攪拌機の内容物を加圧成形機(GONZO、発売元伊藤商会株式会社)でC90ローラーを使って、面圧400kg/cmで加圧成形し、成形体とする。
(4)成形体を乾燥網に並べて110℃〜130℃で6時間温風乾燥し製品とする。
出来上がった製品の写真を図2に示す。図2の手前の略四角形の固形体11が実施例1による製品である。この実施例1の製品の成分分析をしたところ金属シリコンの含有量は平均52重量%であった。金属シリコン含量30%以上が製品として実績があるので、実施例1の製品は脱酸剤として有効に使えることが示された。
(実施例2)
(1)金属シリコン含量80重量%のシリコンスラッジを40重量部に対して、金属シリコン含量60重量%のシリコンスラッジを20重量部と、金属シリコン含量50重量%のシリコンスラッジ40重量部を縦型万能混合攪拌機(品川工業所製)で混合し原料シリコンスラッジ100重量部を調製する。
(2)この原料シリコンスラッジ100重量部に対して、8重量部の酸化マグネシウム(工業用軽焼マグネシウム)、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製PVA105)1重量部と、ポリビニルブチラール(クラレ社製モビタールB60H)を10%エタノール溶液にしたもの5重量部と、ヒブロメロース1重量部と、を(1)で混合調製したシリコンスラッジに加えて、さらに30分間混合攪拌するする。
(3)縦型万能混合攪拌機の内容物を加圧成形機(三庄インダストリー製)を使って、面圧400kg/cmで加圧成形し、直径100mm高さ50mmの円柱状の成形体とする。
(4)成形体を乾燥網に並べて110〜130℃で6時間温風乾燥し製品とする。
出来上がった製品の写真を図2に示す。図2の奥側の円柱状の固形体12が実施例2による製品である。金属シリコン含量は平均48%であり、製品として有効に使えることが示された。
(比較例1)
(酸化マグネシウムと高分子ポリマー、繊維性連結強化剤を加えない場合)
(1)実施例2と同様にして原料シリコンスラッジを調製する。
(2)原料シリコンスラッジを升目型(升部100mm×150mm、深さ30mm)に流し込み、型ごと乾燥網に並べて110〜130℃で48時間温風乾燥する。
比較例1では24時間の乾燥では水分含量が下がらず、型から出すと崩れてしまった。48時間の乾燥後では、型から出すと形は保っていたが、脆くすぐ砕けてしまい、脱酸剤として使用するには不適であることが示された。
(比較例2)
(酸化マグネシウムを加えない場合)
(1)実施例2と同様にして原料シリコンスラッジを調製する。
(2)原料シリコンスラッジ100重量部に対して、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製PVA105)1重量部を加えて縦型万能混合攪拌機(品川工業所製)で15分間混合攪拌を続ける。さらにポリビニルブチラール(クラレ社製モビタールB60H)を10%エタノール溶液にしたもの5重量部とヒブロメロース1重量部を加えて10分間混合攪拌する。これを型に移して、乾燥網に並べて130度で60時間温風乾燥する。
比較例2では48時間の乾燥では型から出すと崩れてしまった。60時間の乾燥後では型から取り出すことができた。しかし、金属シリコンの含有量は30重量%にまで低下していた。乾燥に時間を要したために、含有水分と金属シリコンが反応したためと考えられる。
(比較例3)高分子ポリマーを加えない場合
金属シリコン含量が65重量%のシリコンスラッジ100重量部に対してヒブロメロース1重量部と酸化マグネシウム(工業用軽焼マグネシウム)8重量部を加え縦型万能混合攪拌機(品川工業所製)で混合攪拌する。30分間混合攪拌した後、これを升目型(升部100mm×150mm、深さ30mm)に移し、乾燥網に並べて130度で6時間温風乾燥する。
比較例3では乾燥によって成形体を取り出すことができた。乾燥後の金属シリコン含有量は平均42重量%であった。乾燥前に酸化マグネシウムにより含水率が下げられているため、乾燥による金属シリコンの消耗は少なかったものと考えられる。
実施例1の製品と比較例3の製品を大気中に2ヶ月常温放置して、乾燥重量中の金属シリコン含有量を測定した。2ヶ月の間に実施例1では金属シリコン含有量が平均48重量%から平均43重量%に下がったのに対して、比較例3では金属シリコン含有量が平均42重量%から平均26重量%まで下がっていた。実施例1では高分子ポリマーが製品表面を覆い、空気中の水分と製品中の金属シリコンが反応することを抑制したためと考えられる。
本願の請求項1乃至2の発明により、これまで埋立処理されていたシリコンスラッジが有効活用し、製鋼で用いることができる金属添加シリコン脱酸剤の製造方法が提供される。本願の請求項3の発明による金属添加シリコン脱酸剤は国内の原料から安価に安定して生産できる上に製鋼に必要な性能を持つために、製鋼業の安定生産に寄与できる。
1 混練機
2 移送コンベア
3 加圧成形機
4 成形体
5 移送コンベア
6 受け皿
7 乾燥機
8 金属添加シリコン脱酸剤
9 保存袋
11 実施例1による略四角形の固形体
12 実施例2による円柱状の固形体

Claims (3)

  1. シリコンスラッジに酸化マグネシウムを添加混合して含水率を下げる含水率低減工程と、次いで前記工程で得られた混合物に高分子ポリマーを添加・混練して成形体とする成形工程と、次いで前期成形体をさらに乾燥し乾燥状態で保存する乾燥保存工程と、を備えることを特徴とする金属添加シリコン脱酸剤の製造方法。
  2. 前記成形工程において繊維性連結強化剤を添加・混練することを特徴とする請求項1に記載の金属添加シリコン脱酸剤の製造方法。
  3. 含有水分1重量%以下、金属シリコンを30重量%〜94重量%、水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムを合計量で5重量%〜15重量%、金属粉体成型用高分子ポリマーと繊維性連結強化剤を合計量で1重量%〜5重量%、含有すること、を特徴とする金属添加シリコン脱酸剤。
JP2009171664A 2009-07-22 2009-07-22 金属添加シリコン脱酸剤の製造方法とその方法で製造された金属添加シリコン脱酸剤 Expired - Fee Related JP5550861B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009171664A JP5550861B2 (ja) 2009-07-22 2009-07-22 金属添加シリコン脱酸剤の製造方法とその方法で製造された金属添加シリコン脱酸剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009171664A JP5550861B2 (ja) 2009-07-22 2009-07-22 金属添加シリコン脱酸剤の製造方法とその方法で製造された金属添加シリコン脱酸剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011026640A true JP2011026640A (ja) 2011-02-10
JP5550861B2 JP5550861B2 (ja) 2014-07-16

Family

ID=43635708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009171664A Expired - Fee Related JP5550861B2 (ja) 2009-07-22 2009-07-22 金属添加シリコン脱酸剤の製造方法とその方法で製造された金属添加シリコン脱酸剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5550861B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160123042A (ko) * 2015-04-15 2016-10-25 (주)서륭정밀금속 질석함유 브리켓형 탈산제 및 그 제조방법
CN112981094A (zh) * 2019-12-13 2021-06-18 商丘市商鼎耐火材料有限公司 一种炼钢用硅铁复合球及其制备方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08260074A (ja) * 1995-03-23 1996-10-08 Keihan:Kk 金属含有物粉体成型組成物、及びその製造方法
JPH08260020A (ja) * 1995-03-23 1996-10-08 Keihan:Kk 転炉用合金鉄粉成型組成物、及びその製造方法
JP2002194416A (ja) * 2000-12-21 2002-07-10 Mettsu Corporation:Kk 製鋼用助剤及びその製造法
JP2003082410A (ja) * 2001-09-14 2003-03-19 Nippon Steel Corp 製鋼精錬用スラグフォーミング抑制材
JP2004169166A (ja) * 2002-11-22 2004-06-17 Kawatetsu Techno Res Corp 廃シリコンスラッジの利用方法
JP2006231245A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Uchida Kogyo Kk シリコンスラッジの処理方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08260074A (ja) * 1995-03-23 1996-10-08 Keihan:Kk 金属含有物粉体成型組成物、及びその製造方法
JPH08260020A (ja) * 1995-03-23 1996-10-08 Keihan:Kk 転炉用合金鉄粉成型組成物、及びその製造方法
JP2002194416A (ja) * 2000-12-21 2002-07-10 Mettsu Corporation:Kk 製鋼用助剤及びその製造法
JP2003082410A (ja) * 2001-09-14 2003-03-19 Nippon Steel Corp 製鋼精錬用スラグフォーミング抑制材
JP2004169166A (ja) * 2002-11-22 2004-06-17 Kawatetsu Techno Res Corp 廃シリコンスラッジの利用方法
JP2006231245A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Uchida Kogyo Kk シリコンスラッジの処理方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160123042A (ko) * 2015-04-15 2016-10-25 (주)서륭정밀금속 질석함유 브리켓형 탈산제 및 그 제조방법
KR101672927B1 (ko) * 2015-04-15 2016-11-04 (주)서륭정밀금속 질석함유 브리켓형 탈산제 및 그 제조방법
CN112981094A (zh) * 2019-12-13 2021-06-18 商丘市商鼎耐火材料有限公司 一种炼钢用硅铁复合球及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5550861B2 (ja) 2014-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101343699B (zh) 一种铝硅合金精炼剂及其制造方法
CN101913599A (zh) 一种石墨烯纳米带的制备方法
KR20010072589A (ko) 입자상 금속 조성물을 사용하는 불필요한 물질의 열분해방법
JP5550861B2 (ja) 金属添加シリコン脱酸剤の製造方法とその方法で製造された金属添加シリコン脱酸剤
CN109704343A (zh) 一种混合料、熔化方法、金属硅及其回收方法
KR101622295B1 (ko) 제강공정에서 이용되는 승열 및 성분조절용 브리켓 제조 방법
CN101423221A (zh) 采用粉末冶金的硅真空熔炼提纯方法
JP5019347B2 (ja) マグネシウム合金切削屑の処理方法
JP2840592B2 (ja) 冶金目的用添加剤としてのシリコン含有残渣を包含してなる団鉱及びその製造方法
JPH0814009B2 (ja) 極低酸素チタンの製造方法
CN110217797A (zh) 一种金刚线切割单晶硅废料在线制造高纯工业硅的方法
JP5846289B2 (ja) 転炉用昇熱材
KR20130133376A (ko) 자전연소합성법을 이용한 저산소 티타늄 분말 제조방법
KR20130034752A (ko) 성형 실리콘 탈산제 제조방법
US9228245B1 (en) Pelletized composition for molten metal de-oxidation and method of making same
CN111453960B (zh) 一种钢铁厂水处理污泥调理剂及其使用方法
KR101181376B1 (ko) 페로망간 합금철 제련부산물로부터 페로망간 합금철 원료 제조 방법
CN106939366A (zh) 用于碳钢的复合发热剂
CN112779432A (zh) 一种用于铝镁系合金真空熔炼的熔体净化剂及其制备方法
JP2015057506A (ja) 製鋼用フォーミング抑制材
JP2009074135A (ja) ブリケット及びその製造方法
JP2007301424A (ja) 廃石綿の処理方法
JP2010269959A (ja) 精製装置および精製方法
WO2014020567A1 (en) An inert material, a production method thereof from waste materials and industrial uses thereof
JP2004225108A (ja) 転炉内及び溶滓鍋内のフォーミングスラグ鎮静材

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120808

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140521

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5550861

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees