JP5846289B2 - 転炉用昇熱材 - Google Patents

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Description

本発明は、カーボンニュートラルなパームヤシ由来などの植物系バイオマスを原料とした炭化物を製造し、前記炭化物にバインダーを加えて成型した、硫黄含有量が低い転炉用昇熱材に関する。
製鋼工程において、転炉は酸素吹錬によって、炭素をはじめとする不純物を酸化物として除去する。
一方、転炉の前工程である溶銑予備処理において、鉄鋼製品の材料特性面の要求から溶銑中のS、Pなどを除く処理を行っているが、処理により溶銑温度が低下する。また、二酸化炭素排出量削減の観点から転炉に投入するスクラップを増やし、溶銑配合率を低下させることを指向した操業が試みられている。
このため、転炉では、従来は溶銑に含まれている炭素分の酸化熱を利用していた熱量が不足し、石炭、コークス粉、黒鉛、電極粉、SiCなどを成型した固形物を昇熱材として投入し、不足する熱量を補っている。
そのような転炉用昇熱材については、以下のような技術が開示されている。
たとえば、特許文献1では、特定粒度分布の石炭、コークス粉、黒鉛などの炭素粉とバインダーとを、特定水分率に調湿して混練後、高圧成形、乾燥することにより、炭素粉を十分な強度の固形物に成型することを可能としている。
また、特許文献2では、炭素粉を高温で焼成された電極又は電極屑から得られたものに限定することで、硫黄分を0.01質量%以下とすることを可能としている。
特開平2−270922号公報 特開平8−269523号公報
しかしながら、特許文献1に記載された石炭、コークス粉などの炭素粉を用いた転炉用昇熱材は、硫黄の含有量が0.5質量%前後と多いので、鉄鋼製品の材料特性面の要求から決定される溶鋼中の硫黄の含有量の上限を考慮すれば、使用量が制限される。
逆に、所望の昇熱量を得るのに必要な昇熱材量を加えたことによって、結果的に溶鋼中の硫黄の含有量の上限を超える量の硫黄が溶鋼中に存在する場合には、転炉の後工程でRH真空脱ガス設備などにより脱硫する必要が生じ経済性に劣る。
また、特許文献2に記載されたように、使用する炭素粉を電極または電極屑に限定する場合には、廃棄される電極及び電極屑の発生量を超えては昇熱材を製造することができない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、カーボンニュートラルなバイオマスを転炉用昇熱材の主原料とすることによって、従来原料として用いられてきた、石炭、コークス、黒鉛等の化石資源に由来するCO発生量を削減することが可能であり、かつ硫黄含有量が低く、しかも必要量を安定して製造することが可能な転炉用昇熱材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明では、植物系バイオマスを原料とした炭化物を製造し、その炭化物にバインダーと水を加えて所定の形状の固形物に成型することによって、化石資源由来のCO発生量を削減することが可能であり、なおかつ硫黄含有量が低い転炉用昇熱材を得るようにしている。
ここで、原料にする植物系バイオマスは、例えば、木質系および草本系の植物系バイオマスである。特に好適な植物系バイオマスとしては、主としてマレーシア、インドネシア両国のプランテーションで栽培されているパームヤシ(アブラヤシ)から粗パーム油を製造する過程で排出されるパームヤシ由来のバイオマスを使用する。
より詳しく述べると、パームヤシ由来のバイオマスとは、パームヤシのPKS(Palm Kernel Shell、やし殻)、EFB(Empty Fruit Bunch、空果房)、トランク(幹)、剪定屑(剪定した枝や葉など)などである。
以上のことに基づいて、本発明は以下のような特徴を有している。
[1]植物系バイオマスを炭化して炭化物を製造し、前記炭化物にバインダーおよび水分を加えて成型した転炉用昇熱材であって、水分を除いた乾燥状態での組成が、固定炭素分70質量%以上、揮発成分20質量%以下、硫黄分0.1質量%以下、残部灰分であり、別途水分が前記水分を除いた乾燥状態での質量の5質量%以下である、転炉用昇熱材。
[2]植物系バイオマスを炭化して炭化物を製造し、前記炭化物を主原料として、石炭とコークスとからなるグループから選択された少なくとも一つを混合して混合物を製造し、前記混合物にバインダーおよび水分を加えて成型した転炉用昇熱材であって、水分を除いた乾燥状態での組成が、固定炭素分70質量%以上、揮発成分20質量%以下、硫黄分0.1質量%以下、残部灰分であり、別途水分が前記転炉用昇熱材の乾燥状態での質量の5質量%以下である、転炉用昇熱材。
[3]前記転炉用昇熱材が、50kgf/個以上の圧潰強度を有する、[1]または[2]に記載の転炉用昇熱材。
[4]前記植物系バイオマスが、パームヤシのやし殻、空果房、幹と剪定屑のグループから選択された少なくとも一つである、[1]または[2]に記載の転炉用昇熱材。
[5]前記バインダーが、澱粉、カルボキシメチルセルロースとコーンスターチのグループから選択された少なくとも一つである、[1]または[2]に記載の転炉用昇熱材。
[6]前記バインダーが、前記炭化物の質量の1質量%〜15質量%の添加量を有する[1]または[2]に記載の転炉用昇熱材。
[7]前記圧潰強度が、50〜116kgf/個である、[3]に記載の転炉用昇熱材。
[8]前記転炉用昇熱材の原料とする炭化物が3mm以下の粒径を有する、[1]または[2]に記載の転炉用昇熱材。
[9]前記固定炭素分が70〜86質量%である、[1]または[2]に記載の転炉用昇熱材。
[10]前記揮発成分が5〜20質量%である、[1]または[2]に記載の転炉用昇熱材。
[11]前記副原料が主原料に対して10〜15質量%である、[2]に記載の転炉用昇熱材。
本発明においては、カーボンニュートラルなパームヤシ由来などの植物系バイオマスを原料とした炭化物を製造し、その炭化物を主原料にしてバインダーを加えて成型した、硫黄含有量が0.1質量%以下と低い転炉用昇熱材によって、従来用いられてきた、石炭、コークス、黒鉛等の化石資源を原料とする転炉用昇熱材を代替することにより、化石資源消費量を低減し、温室効果ガスであるCOの発生を低減させ、地球温暖化問題の解決に寄与する。
ちなみに、近年、地球温暖化防止の観点から二酸化炭素の排出量削減が緊急の課題であり、二酸化炭素排出量削減の方法として、以下の技術開発が行われている。
・インプットの炭素量を削減する。
・アウトプットの二酸化炭素を回収する。
・従来の石炭・石油等をカーボンニュートラルな炭素源に代替する。
ここで、上記のカーボンニュートラルの炭素源としては、植物系バイオマスが知られている。日本国内で収集可能な植物系バイオマスとしては、建築家屋の解体で発生する木材廃棄物、製材所発生の木質系廃棄物、森林等での剪定廃棄物、農業系廃棄物などがある。
しかし、建築家屋の解体で発生する木材廃棄物、製材所発生の木質系廃棄物は発生源が集中しており、また収集ルートが確立されているものが多いため用途開発が進み、需要が供給を上回ってきており、エネルギー源としての利用可能な量は制約を受ける状況にある。また、森林等での剪定廃棄物、農業系廃棄物などは発生源が広く国内に分布しており搬出、収集にコストが発生するため価格面からエネルギー源としての利用が困難な状況にある。
これに対して、パーム油は、世界で年間約3,600万トン生産され、そのうちの約9割をマレーシアとインドネシアの2カ国で生産される農産物である。パーム油はパームヤシの実から製造され大豆油等と比較し安価であることから、食用油のほか洗剤など工業用途にも多用されている。パーム油を採取するパーム果実はBunch(房)と呼ばれている塊状の繊維の集合体に結実する。パーム果実を搾油し粗パーム油を得るが、その際にパーム果実の殻であるPKSが粉砕された状態で副生する。
パーム果実を採取した後のBunchはEFB(Empty Fruit Bunch、空果房)と呼ばれている。EFBはアルカリ含有量、特にKの含有量が高く、そのまま燃料として使用すると、揮発したKがボイラの熱交換器でクリンカを生じ、運転の妨げとなる場合があり、一般的には燃料として利用されていない。また、工業原料としての用途も開発されていないため、現状ではほとんどの場合、パームオイル工場の周辺域で放置されており、腐食によるメタンガスなど温室効果ガスの発生による地球温暖化促進が懸念される。
このため、PKS、EFB、トランク(幹)、剪定枝などのパームヤシ由来のバイオマス原料から製造したカーボンニュートラルな炭化物を成型した固形物を、石炭、コークス粉、黒鉛、電極粉、SiCなどを成型した固形物に替えて転炉用昇熱材として使用することは地球温暖化防止の観点から非常に重要である。
パーム油の製造工程において、パーム果実が実ったパームヤシの房は搾油のためにパームオイル工場に集積される。そのため、パームヤシ由来のバイオマス原料の中でも、特に、PKS及びEFBは、収集費用を別途必要とすることなく、パームオイル工場内に集積される。収集費用を必要としない安価な原料を使用することで、安価な炭化物を製造することが可能となる。
上述したように、転炉用昇熱材中の炭素源として植物系バイオマスを炭化して得られる炭化物のみを用いるのが、転炉用昇熱材中の硫黄含有量を少なくする点と、石炭、コークス、黒鉛等の化石資源を代替してCO発生量を削減する点の両方の点から最も好ましいが、転炉用昇熱材中の硫黄含有量が0.1質量%以下となる範囲内で、植物系バイオマスを炭化して得られる炭化物の一部を石炭やコークスに置き換えて成型しても良い。
また、わずかながら添加することとなる硫黄分を効率良く脱硫するために、さらに脱硫剤を加えて転炉用昇熱材を成型しても良い。
本発明の一実施形態において用いる外熱式ロータリーキルン炉を示す図。 本発明の一実施形態において用いる炭化実験装置を示す図。 本発明の一実施形態において用いるミキサーとロール式成形機を示す図。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態においては、原料である植物系バイオマスを炭化装置によって炭化して炭化物を製造し、その炭化物を主原料にしてバインダーと水を加えて成型装置によって成型することで、転炉用昇熱材を得るようにしている。
その際に、原料の植物系バイオマスとしては、主にパームヤシのPKS(やし殻)やEFB(空果房)等を用いる。そして、その植物系バイオマスから製造した炭化物を用いて成型した転炉用昇熱材の組成は、水分を除いた乾燥状態で、固定炭素分70質量%以上、揮発成分20質量%以下、残部灰分であるとともに、硫黄分0.1質量%以下であり、成型後に、別途水分が前記乾燥状態での質量の5質量%以下となるまで乾燥するようにして製造する。ちなみに、乾燥状態とは、105℃の高温槽に入れて乾燥し、恒量となった状態を言う。転炉用昇熱材の組成は、この乾燥状態のものを工業分析および成分分析で求める。
ここで、転炉用昇熱材の組成は、水分を除いた乾燥状態で、固定炭素分75質量%以上、揮発成分12質量%以下、残部灰分であるとともに、硫黄分0.1質量%以下であれば、質量あたりの熱量が増加するため、より望ましい。また、水分が前記乾燥状態での質量の1質量%以下となるまで乾燥すれば、強度が上昇するので、より望ましい。
なお、転炉用昇熱材(乾燥後のブリケット)の圧潰強度が50kgf/個以上となるように、炭化物の粒径は3mm以下とするのが好ましい。炭化物の粒径が2mm以下、さらには1.5mm以下であれば、強度が上昇するので、より望ましい。
そして、植物系バイオマスを炭化する炭化装置としては、ロータリーキルン炉(外部から炭化に必要な熱を得る外熱式ロータリーキルン炉、原料の一部を燃焼して炭化に必要な熱を得る内熱式ロータリーキルン炉)、バッチ式の炉、シャフト式の炉などを使用する。
図1は、炭化装置10として、外熱式ロータリーキルン炉11を用いた場合を示しており、外熱式ロータリーキルン炉11に投入されたバイオマス原料(植物系バイオマス)1が、燃焼炉12からの高温ガスの熱によって炭化されて炭化物2となり、炭化物貯留槽13に貯留される。なお、バイオマス原料1が炭化する際に発生したタールはタール回収槽14に回収される。
また、マレーシアでは地面を掘り下げ、空気の流れを限定することで酸素の供給を制限しながらPKSを炭化し、炭化物を製造する方法も実施されている。
ここで、製造した炭化物の組成については、炭化物貯留槽13に貯留された炭化物2をサンプリング調査してもよいが、場合によっては、図2に示すような、反応管17と加熱炉18を備えた炭化実験装置16で得られた炭化物で分析してもよい。
そして、上記のようにして製造された炭化物2について、粒径が3mmを超えているものが含まれている場合(例えば、粒径が約1mm〜約10mmの範囲に分布)、成型装置による成型の前処理として、3mmスクリーンの篩を用いて、粒径が3mm以下のものだけを選別する。必要に応じて、製造された炭化物2をカッターミルにて破砕してから、3mmスクリーンの篩を用いて、粒径が3mm以下のものだけを選別する。
この時に、メジアン粒径D50が2mm以下であることが好ましい。ここで、メジアン粒径D50とは、粒径のふるい目を通過した量の質量百分率(%)を縦軸に、粒径を対数目盛の横軸にしてプロットしたグラフにおいて質量百分率50%にあたる粒径を読み取って定める。
なお、転炉用昇熱材の原料としては、主原料である炭化物2以外に、必要に応じて副原料として石炭等(石炭または/およびコークス)を混合してもよい。ただし、転炉用昇熱材に成型した後の硫黄含有量が0.1質量%以下とする。転炉用昇熱材に成型した後の硫黄含有量を0.1質量%以下とするには、低硫黄含有炭材である炭化物2の使用比率を、転炉用昇熱材の乾燥状態での質量の80質量%以上とすることが好ましい。また、必要に応じて、精錬剤(脱硫材)を混合しても良い。
その際に、転炉用昇熱材(乾燥後のブリケット)の圧潰強度が50kgf/個以上となるように、炭化物2および混合した副原料(石炭等)を篩って粒径を3mm以下とするのが好ましい。炭化物2および混合した副原料(石炭等)の粒径が2mm以下、さらには1.5mm以下であれば、強度が上昇するので、より望ましい。
次に、図3(a)に示すように、粒径が3mm以下のものだけになった炭化物2に対して、あるいは、必要に応じて炭化物2に石炭等(石炭または/およびコークス)22を混合した混合物に対して、所定量のバインダー24と水23を加えて、ミキサー25(撹拌翼26)で攪拌した後、得られた原料粉末2Aに対して、図3(b)に示すようなロール式成型機20を使用し、ロール21間の線圧を所定の値(例えば、2tf/cm)にして、ブリケット3に成型する。そして、成型後のブリケット3を所定の雰囲気温度(例えば、105℃)の恒温槽に入れ、恒量となるまで乾燥して、転炉用昇熱材を得る。
その際に、得られた転炉用昇熱材(乾燥後のブリケット3)の圧潰強度が50kgf/個以上を1級合格品とする。これは、圧潰強度が50kgf/個程度あれば、実操業上でのハンドリングが容易になることと、転炉で昇熱材として使用した際に割れて飛散し有効利用されない比率を小さくできるからである。
なお、上記のバインダーとしては、転炉昇熱材に成型した後の硫黄含有量が0.1質量%以下であれば、硫黄分を含んでいるものを用いてもかまわない。より望ましくは、硫黄分を含まない澱粉、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチなどを用いる。
これらはベントナイトなどの無機系のバインダーと比較すると、CやHが主成分でありバインダーからも昇熱材としての熱量を得られること、またSiOを含まない点で優れている。
バインダーの添加量は炭化物の形状、粒度によって適切な量が異なるが、炭化物の質量に対して1質量%以上、15質量%以下であることが望ましい。バインダーの添加量が1質量%以下の場合には、ブリケット3の強度が50kgf/個を下回り、ハンドリングが難しくなる。また、バインダーの添加量が15質量%を超えた場合には、成型用のロールから成型体の型離れが悪くなり、生産性が低下する。
このようにして、この実施形態においては、化石資源由来のCO発生量を削減することが可能で、かつ硫黄含有量が低い転炉用昇熱材を安定して必要量製造することができる。
本発明の実施例を述べる。
まず、製造された転炉用昇熱材(転炉昇熱材)の組成の比較を行った。
その際に、本発明例として、上記の本発明の実施形態に基づいて、図2に示した炭化実験装置を用いて、パームヤシのPKS(やし殻)の植物系バイオマスを原料にして炭化物を製造し、得られた炭化物を篩って、粒径を3mm以下に調整し、その炭化物に必要に応じて石炭等(石炭または/およびコークス)を混合し、炭化物と石炭等を合わせた質量の4質量%の澱粉(アルファー化処理されたもの)を加え、さらに、炭化物と石炭等を合わせた質量の14質量%の水分を加えてミキサーで攪拌・混合し、44mm角のマセック型の成型体が得られるロール式成型機を用いてブリケットを成型し、成型後に乾燥炉にて105℃の温度で、水分がブリケット質量の1質量%以下となるまで乾燥し、転炉昇熱材を製造した。そして、製造後の転炉昇熱材の組成を分析した。
また、従来例として、従来から転炉用昇熱材に用いられている炭化物(石炭、コークス)を原料として粒径を3mm以下に調整し、成型した転炉昇熱材の組成も調査した。
その結果を表1に示す。
Figure 0005846289
表1において、従来例1は、石炭を原料として成型した転炉昇熱材の組成の一例を示している。また、従来例2は、コークスを原料として成型した転炉昇熱材の組成の一例を示している。コークスを原料とした転炉昇熱材は石炭を原料とした場合(従来例1)と比較して固定炭素が多く昇熱効果が期待できる。
しかし、従来例1及び従来例2は硫黄分が多いため、鉄鋼製品の材料特性面の要求から決定される溶鋼中の硫黄の含有量の上限を超える量を昇熱材として溶鋼中に加えることはできない。
これに対して、本発明例1として、パームヤシ系バイオマスのPKSを窒素雰囲気中で800℃で1時間炭化して得られた炭化物(PKS炭)を原料として成型した転炉昇熱材の組成を示している。
また、本発明例2として、パームヤシ系バイオマスのPKSを窒素雰囲気中で600℃で1時間炭化して得られた炭化物(PKS炭)を原料として成型した転炉昇熱材の組成を示している。
また、本発明例3として、パームヤシ系バイオマスのEFBを窒素雰囲気中で700℃で1時間炭化して得られた炭化物(EFB炭)を原料として成型した転炉昇熱材の組成を示している。
また、本発明例4として、パームヤシ系バイオマスの幹を窒素雰囲気中で600℃で1時間炭化して得られた炭化物(パーム幹炭)を原料として成型した転炉昇熱材の組成を示している。
また、比較例1として、パームヤシ系バイオマスのPKSを窒素雰囲気中で400℃で1時間炭化して得られた炭化物(PKS炭)を原料として成型した転炉昇熱材の組成を示している。
表1に示すとおり、本発明例1〜4に示す、パームヤシ系バイオマス原料を600℃以上800℃以下の温度で炭化して得られた炭化物を原料として成型した転炉昇熱材は、その組成が固定炭素75質量%以上、揮発分12質量%以下、硫黄0.1質量%以下となっている。特に、固定炭素の含有量が石炭を原料として成型した転炉昇熱材(従来例1)の固定炭素の含有量と同等以上であり、石炭と同等以上の熱量を発生することが期待できる。また、硫黄分は0.1質量%未満であり石炭およびコークスを原料として成型した転炉昇熱材(従来例1及び従来例2)に比較すると4分の1以下であり、石炭及びコークスを原料として成型した転炉昇熱材(従来例1および従来例2)の代わりに転炉用昇熱材として使用した場合に、4倍に相当する量を加えた場合においても、溶鋼中の硫黄分が上昇する恐れはない。
一方、比較例1に示す、パームヤシ系バイオマス原料を400℃で炭化して得られた炭化物を原料として成型した転炉昇熱材は、固定炭素の含有量が68.1質量%であり、石炭よりも劣るため、同等の熱量を得るためには、石炭よりも多量に加える必要がある。
さらに、本発明例11として、パームヤシ系バイオマスのPKSを窒素雰囲気中で800℃で1時間炭化して得られた炭化物と石炭を原料とし、その配合率を90:10として成型した転炉昇熱材の組成を示している。
また、本発明例12として、パームヤシ系バイオマスのPKSを窒素雰囲気中で800℃で1時間炭化して得られた炭化物と石炭を原料とし、その配合率を85:15として成型した転炉昇熱材の組成を示している。
また、本発明例13として、パームヤシ系バイオマスのPKSを窒素雰囲気中で800℃で1時間炭化して得られた炭化物とコークスを原料とし、その配合率を85:15として成型した転炉昇熱材の組成を示している。
また、比較例11として、パームヤシ系バイオマスのPKSを窒素雰囲気中で800℃で1時間炭化して得られた炭化物と石炭を原料とし、その配合率を50:50として成型した転炉昇熱材の組成を示している。
表1に示すとおり、本発明例11〜13に示す、パームヤシ系バイオマスのPKSを窒素雰囲気中で800℃で1時間炭化して得られた炭化物と石炭またはコークスを原料とし、植物系バイオマスを炭化して製造した炭化物の配合率を80質量%以上として成型した転炉昇熱材は、その組成が固定炭素75質量%以上、揮発分12質量%以下、硫黄0.1質量%以下となっている。特に、固定炭素の含有量が、石炭を原料として成型した転炉昇熱材(従来例1)の固定炭素の含有量と同等以上であり、石炭と同等以上の熱量を発生することが期待できる。また、硫黄分は0.1質量%以下であり、石炭およびコークスを原料として成型した転炉昇熱材(従来例1および従来例2)に比較すると4分の1以下であり、石炭およびコークスを原料として成型した転炉昇熱材(従来例1および従来例2)の代わりに転炉昇熱材として使用した場合に、4倍に相当する量を加えた場合においても、溶鋼中の硫黄分が上昇する恐れはない。
一方、比較例11に示す、パームヤシバイオマスのPKSを窒素雰囲気中で800℃で1時間炭化して得られた炭化物と石炭を原料とし、その配合率を50:50として成型した転炉昇熱材は、硫黄分が0.2質量%含まれており、本発明例11および本発明例12と比較すると、溶鋼中の硫黄分の上昇を同等に止めるためには、昇熱材として使用可能な量が半減する。また、本発明例11と比較すると、同等の量を使用した場合に削減できる化石資源由来のCO発生量が5分の1に止まる。
なお、パームヤシ系バイオマス原料を800℃以上の温度で炭化しても、固定炭素の高い炭化物を得ることができるが、炭化炉の温度維持のためのエネルギーが多く必要となり、一定量の炭化物製造に必要なエネルギー効率が低下することが考えられる。
また、パームヤシ系バイオマスのEFBを炭化物の原料とした場合には、原料のEFBのKの含有量が高いため、EFB炭化物のK含有量が高くなる。これは、炭化前のEFB原料の水洗、あるいは炭化後のEFB炭化物の水洗により0.1質量%以下に抑制することが可能であることを確認している。
乾燥後のブリケットは保管中に吸湿して、水分が1〜3質量%となる場合があるが、特に使用上の問題はない。しかし、雨ざらしになるなどして水分含有量が著しく増加した場合には、使用時に水の顕熱及び潜熱に奪われる熱量が増加し、またブリケットの強度が低下するため保管には倉庫や屋根のあるヤードが望ましい。
次に、本発明例2に示すPKSの炭化物を原料として成型した転炉昇熱材(乾燥後のブリケット)を用いて、圧潰強度を調査した。
その際に、本発明例2に示す転炉昇熱材に使用したPKSの炭化物は、粒径を調整する前の時点では、肉眼で観察したところ、粒径が約1mmから約10mm以下の炭化物の混合物であった。
その結果を表2に示す。
Figure 0005846289
表2において、本発明例5では、ロール式成型機20による成型の前処理として、炭化物をスクリーンサイズ3mmの篩を通過する粒径に調整した。このとき、メジアン粒径D50は2.34mmであった。そして、上記のPKSの炭化物の質量の4質量%に相当する澱粉(アルファー化処理されたもの)をバインダーとして添加し、14質量%に相当する水を加えた混合物をミキサーで攪拌し、図3に示したロール式成型機を使用し、ロール間の線圧を2tf/cmとして、44mm角マセック型のロールを使用してブリケットに成型した。成型後のブリケットを雰囲気温度105℃の恒温槽に入れ、恒量となるまで乾燥した。
乾燥後のブリケット10個について圧潰強度を測定し、平均値を求めたところ80kgf/個であった。前述したように、圧潰強度が50kgf/個程度あれば、実操業上でのハンドリングが可能となることが経験的にわかっており、本発明例5に示すブリケットは使用に耐える十分な圧潰強度を持つと判断できる。
また、本発明例6では、ロール式成型機20による成型の前処理として、PKSの炭化物をカッターミルにて破砕し、スクリーンサイズ3mmの篩を通過する粒径に調整した。このとき、メジアン粒径D50は1.56mmであった。上記のPKSの炭化物100質量%に対して本発明例5と同様のバインダーと水を加えた混合物とし、本発明例5と同様の手順によってブリケットを成型・乾燥して、その圧潰強度を求めたところ、116kg/個であった。ブリケットの強度が上がると、ブリケット同士の衝突による粉化が抑制され、ハンドリング中の発塵が低下し、作業環境が向上することが経験的に知られている。ただし、カッターミルによる破砕によって一工程増加することは、ブリケットコストの上昇につながるため、必要に応じてその採用の要否を決定すればよい。また、バインダーの添加量を、上記のPKSの炭化物の質量の6質量%に相当する澱粉(アルファー化処理されたもの)をバインダーとして添加した場合のブリケットの成型・乾燥後の圧潰強度は最大で180kg/個であった。ただし、バインダー添加量の増加は、ブリケットコストの上昇につながり、圧潰強度は116kg/個を確保すれば、ブリケットの破壊などのハンドリング中の問題は生じないため必要に応じてバインダーの添加量を決定すればよい。
一方、本発明例7では、ロール式成型機20による成型の前処理としてのスクリーンサイズ3mmの篩を通過する粒径に調整する工程を省略した炭化物(粒径が約1mmから約10mm以下の炭化物の混合物)100質量%に対して本発明例5と同様のバインダーと水を加えた混合物とし、本発明例5と同様の手順によってブリケットを成型・乾燥して、圧潰強度を求めたところ、16kgf/個であった。
このように、炭化物の粒径を3mm以下に調整しない場合には、炭化物一粒あたりの体積に対してバインダーが付着した接触面積が小さくなり、転炉用昇熱材として好ましい圧潰強度(50kgf/個)が得られなかった。
したがって、本発明例7においては、搬送中にブリケットが破損し、転炉に全量を投入するためには、搬送中に破損したブリケットを回収する余分な工程が必要となるため、本発明例5及び6に示す圧潰強度をもつブリケットのほうが望ましい。
さらに、本発明例11に示す配合率に調整したPKSの炭化物と石炭を原料として成型した転炉昇熱材(乾燥後のブリケット)を用いて、圧潰強度を調査した。
その際に、本発明例11に示す転炉昇熱材に使用したPKSの炭化物は、粒径を調整する前の時点では、肉眼で観察したところ、粒径が約1mmから約10mm以下の炭化物の混合物であった。
その結果も表2に示す。
表2において、本発明例11では、ロール式成型機20による成型の前処理として、PKSの炭化物と石炭をスクリーンサイズ3mmの篩を通過する粒径に調整した。このとき、メジアン粒径D50は2.47mmであった。そして、上記のPKSの炭化物と石炭の質量の4質量%に相当する澱粉(アルファー化処理されたもの)をバインダーとして添加し、14質量%に相当する水を加えた混合物をミキサーで攪拌し、図3に示したロール式成型機を使用し、ロール間の線圧を2tf/cmとして、44mm角マセック型のロールを使用してブリケットに成型した。成型後のブリケットを雰囲気温度105℃の恒温槽に入れ、恒量となるまで乾燥した。乾燥後のブリケット10個について圧潰強度を測定し、平均値を求めたところ78kgf/個であった。
また、本発明例14では、ロール式成型機20による成型の前処理として、PKSの炭化物と石炭をカッターミルにて破砕し、スクリーンサイズ3mmの篩を通過する粒径に調整した。このとき、メジアン粒径D50は1.47mmであった。そして、上記のPKSの炭化物と石炭に対して本発明例11と同様の手順によってブリケットを成型・乾燥した。乾燥後のブリケット10個について圧潰強度を測定し、平均値を求めたところ、112kg/個であった。
前述したように、圧潰強度が50kgf/個程度あれば、実操業上でのハンドリングが可能となることが経験的にわかっており、本発明例14に示すブリケットは使用に耐える十分な圧潰強度を持つと判断できる。
また、ブリケットの強度が上がると、ブリケット同士の衝突および破壊による粉化が抑制され、ハンドリング中の発塵が低下し、作業環境が向上することが経験的に知られている。ただし、カッターミルによる破砕によって一工程増加することは、ブリケットコストの上昇につながるため、必要に応じてその採用の要否を決定すればよい。
一方、本発明例15では、ロール式成型機による成型の前処理としてのスクリーンサイズ3mmの篩を通過する粒径に調整する工程を省略した炭化物(粒径が約1mmから約10mm以下の炭化物の混合物)およびスクリーンサイズ3mmの篩を通過した石炭に対して本発明例13と同様のバインダーと水を加えた混合物とし、本発明例11と同様の手順によってブリケットを成型・乾燥して、圧潰強度を求めたところ、19kgf/個であった。
このように、PKS炭化物の粒径を3mmに調整しない場合には、炭化物一粒あたりの体積に対してバインダーが付着した接触面積が小さくなり、転炉昇熱材として好ましい圧潰強度(50kgf/個)が得られなかった。
したがって、本発明例15においては、搬送中にブリケットが破損し、転炉に全量を投入するためには、搬送中に破損したブリケットを回収する余分な工程が必要となるため、本発明例11および14に示す圧潰強度をもつブリケットのほうが望ましい。
上記の実施例1によって得られた転炉昇熱材を転炉設備に適用した。その結果を実施例2として以下に述べる。
使用した上底吹き型転炉は、転炉容量は1チャージ(ch)約250トンで、底吹きガスは攪拌用としてArガスを用いた。溶銑は機械攪拌式脱硫装置を用い、脱硫処理を施してある。冷鉄源としては、製鉄所で発生する鉄スクラップ(鋳片や鋼板のクロップ屑など)を使用した。
この実施例2における転炉操業条件および代表的な溶銑成分の例を表3に示す。そして、表3に示す操業条件で転炉操業を行った操業結果を表4に示す。
なお、転炉昇熱材の投入量は、固定炭素85質量%の昇熱材を2500kg/ch投入した場合と同等の固定炭素が投入される量とした。また、本発明の効果を確認するために、装入溶銑温度を1330℃の一定の条件とし、さらに、スクラップ量と造滓材装入量も一定の条件とした。
Figure 0005846289
Figure 0005846289
本発明例11〜13は、3mmの篩で篩った篩下を原料として成型したブリケットを転炉昇熱材として投入したものであり、表4に示すように、出鋼時の温度は1610〜1630℃の範囲であるとともに、硫黄濃度上昇量は0.001質量%であり、問題なく操業することができた。
これに対して、本発明例14では、出鋼時の温度が1630〜1650℃となり、本発明例11〜13に比べて約20℃高くなった。これは、ブリケットの圧潰強度が100kgf/個以上と高強度であったことから、転炉に投入した際の飛散による着熱効率の低下が減ったためであり、溶鋼温度が高くなった分、より多くのスクラップを溶解できるので、より好ましい。
また、本発明例15では、出鋼温度が1595〜1615℃となり、本発明例11〜13に比べて約15℃低くなった。これは、昇熱材を転炉に装入した際に、搬送過程での割れに加え、装入時の熱衝撃で容易に割れて飛散し、着熱効率が低下したためと考えられる。
なお、本発明例15では、出鋼時の温度が低目となったが、添加量を増量することで出鋼時の温度1610〜1630℃の範囲を保つことができる。
一方、比較例11および従来例1、2の場合には、出鋼時の温度を1610〜1630℃に保ちつつ、硫黄濃度上昇量を許容量である0.001質量%以内に抑えることはできなかった。
本発明においては、パームヤシ由来などの植物系バイオマスを原料とした炭化物を製造し、その炭化物を主原料にしてバインダーを加えて成型した、化石資源由来のCO発生量を削減することが可能で、なおかつ硫黄含有量が低い転炉用昇熱材によって、製鉄所で使用される化石資源を原料とする転炉用昇熱材を代替することにより、化石資源消費量を低減し、温室効果ガスの発生を低減させ、地球温暖化問題の解決に寄与するものである。また、パームオイル産業の収益性の向上、パームヤシ栽培地の環境改善などを通じて、マレーシア、インドネシアを中心とするパームオイル産業国の発展にも寄与するものである。
1 バイオマス原料(植物系バイオマス)
2 炭化物
2A 原料粉末
3 ブリケット
10 炭化装置
11 外熱式ロータリーキルン炉
12 燃焼炉
13 炭化物貯留槽
14 タール回収槽
16 炭化実験装置
17 反応管
18 加熱炉
20 ロール式成型機
21 ロール
22 石炭等(石炭または/およびコークス)
23 水
24 バインダー
25 ミキサー
26 攪拌翼

Claims (10)

  1. 植物系バイオマスを炭化し炭化物と、バインダーとで成型してなる転炉用昇熱材であって、乾燥状態での組成が、固定炭素分70質量%以上、揮発成分20質量%以下、硫黄分0.1質量%以下、残部灰分であり、前記炭化物は3mm以下の粒径を有する、転炉用昇熱材。
  2. 植物系バイオマスを炭化し炭化物を主原料として、石炭とコークスとからなるグループから選択された少なくとも一つを副原料として混合し混合物、バインダーとで成型してなる転炉用昇熱材であって、乾燥状態での組成が、固定炭素分70質量%以上、揮発成分20質量%以下、硫黄分0.1質量%以下、残部灰分であり、前記炭化物は3mm以下の粒径を有する、転炉用昇熱材。
  3. 前記転炉用昇熱材が、50kgf/個以上の圧潰強度を有する、請求項1または2に記載の転炉用昇熱材。
  4. 前記植物系バイオマスが、パームヤシのやし殻、空果房、幹と剪定屑のグループから選択された少なくとも一つである、請求項1または2に記載の転炉用昇熱材。
  5. 前記バインダーが、澱粉、カルボキシメチルセルロースとコーンスターチのグループから選択された少なくとも一つである、請求項1または2に記載の転炉用昇熱材。
  6. 植物系バイオマスを炭化して炭化物を製造し、前記炭化物にバインダーおよび水分を加えて成型する転炉用昇熱材の製造方法であって、水分を除いた乾燥状態での前記転炉用昇熱材の組成が、固定炭素分70質量%以上、揮発成分20質量%以下、硫黄分0.1質量%以下、残部灰分であり、前記水分は、前記転炉用昇熱材の乾燥状態での質量の5質量%以下であり、前記炭化物は3mm以下の粒径を有する、転炉用昇熱材の製造方法。
  7. 植物系バイオマスを炭化して炭化物を製造し、前記炭化物を主原料として、石炭とコークスとからなるグループから選択された少なくとも一つを副原料として混合した混合物を製造し、前記混合物にバインダーおよび水分を加えて成型する転炉用昇熱材の製造方法であって、水分を除いた乾燥状態での前記転炉用昇熱材の組成が、固定炭素分70質量%以上、揮発成分20質量%以下、硫黄分0.1質量%以下、残部灰分であり、前記水分は、前記転炉用昇熱材の乾燥状態での質量の5質量%以下であり、前記炭化物は3mm以下の粒径を有する、転炉用昇熱材の製造方法。
  8. 前記転炉用昇熱材が、50kgf/個以上の圧潰強度を有する、請求項6または7に記載の転炉用昇熱材の製造方法。
  9. 前記植物系バイオマスが、パームヤシのやし殻、空果房、幹と剪定屑のグループから選択された少なくとも一つである、請求項6または7に記載の転炉用昇熱材の製造方法。
  10. 前記バインダーが、澱粉、カルボキシメチルセルロースとコーンスターチのグループから選択された少なくとも一つである、請求項6または7に記載の転炉用昇熱材の製造方法。
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