JP6172095B2 - 植物系バイオマス由来の転炉用昇熱材の製造方法および使用方法 - Google Patents

植物系バイオマス由来の転炉用昇熱材の製造方法および使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、カーボンニュートラルなパームヤシ由来などの植物系バイオマスを主原料として製造した、硫黄含有量が低い転炉用昇熱材に関する。
製鋼工程において、転炉は酸素吹錬によって、炭素をはじめとする不純物を酸化物として除去する。
一方、転炉の前工程である溶銑予備処理において、鉄鋼製品の材料特性面の要求から溶銑中のS、Pなどを除く処理を行っているが、処理により溶銑温度が低下する。また、二酸化炭素排出量削減の観点から転炉に投入するスクラップを増やし、溶銑配合率を低下させることを指向した操業が試みられている。
このため、転炉では、従来は溶銑に含まれている炭素分の酸化熱を利用していた熱量が不足し、石炭、コークス粉、黒鉛、電極粉、SiCなどを成型した固形物を昇熱材として投入し、不足する熱量を補っている。
そのような転炉用昇熱材については、以下のような技術が開示されている。
たとえば、特許文献1では、特定粒度分布の石炭、コークス粉、黒鉛などの炭素粉とバインダーとを、特定水分率に調湿して混練後、高圧成形、乾燥することにより、炭素粉を十分な強度の固形物に成型することを可能としている。
また、特許文献2では、炭素粉を高温で焼成された電極又は電極屑から得られたものに限定することで、硫黄分を0.01質量%以下とすることを可能としている。
特開平2−270922号公報 特開平8−269523号公報 国際公開WO2013/128786号
しかしながら、特許文献1に記載された石炭、コークス粉などの炭素粉を用いた転炉用昇熱材は、硫黄の含有量が0.5質量%前後と多いので、鉄鋼製品の材料特性面の要求から決定される溶鋼中の硫黄の含有量の上限を考慮すれば、使用量が制限される。
逆に、所望の昇熱量を得るのに必要な昇熱材量を加えたことによって、結果的に溶鋼中の硫黄の含有量の上限を超える量の硫黄が溶鋼中に存在する場合には、転炉の後工程でRH真空脱ガス設備などにより脱硫する必要が生じ経済性に劣る。
また、特許文献2に記載されたように、使用する炭素粉を電極または電極屑に限定する場合には、廃棄される電極及び電極屑の発生量を超えては昇熱材を製造することができない。
これに対して、本発明者らは、特許文献3において、カーボンニュートラルな植物系バイオマスを転炉用昇熱材の主原料とすることによって、従来、転炉用昇熱材の原料として用いられてきた、石炭、コークス、黒鉛等の化石資源に由来するCOの発生量を削減することが可能であり、かつ硫黄含有量が低く、しかも必要量を安定して製造することが可能な転炉用昇熱材を開示している。
ただし、転炉で使用される昇熱材は、製造条件、スクラップの使用量に左右されるものの、多い場合には年間で数千t以上に達する場合があり、前記特許文献3に示した植物系バイオマスを主原料とする転炉用昇熱材(バイオマス由来昇熱材)については、その最初の工程である、植物系バイオマスを炭化して炭化物(バイオマス炭化物)を製造する工程において、工業的に得られるバイオマス炭化物の製造量が少ない間は、従来用いられてきた化石資源に由来する転炉用昇熱材(化石資源由来昇熱材)と併用されることが考えられる。
すなわち、パームヤシ由来などの植物系バイオマスを原料とする炭化物は灰分が低く、化石資源由来炭化物と比較すると炭素含有量が多いため発熱量が高く昇熱効果が高いので、バイオマス炭化物を使用することでチャージあたりの昇熱材の使用量が削減できるコストメリットが発生するが、バイオマス炭化物の供給量(製造量)が少ない間は、バイオマス炭化物専用に供給用のホッパーを増設することは投資効果の面から困難であり、工程管理面からも煩雑になってしまう。そのため、実際の使用においては、バイオマス由来昇熱材と化石資源由来昇熱材を区別することなく利用される可能性がある。
そのように、バイオマス由来昇熱材と化石資源由来昇熱材を区別することなく利用する際に、転炉用昇熱材の使用量を化石資源由来昇熱材の熱量で決定する場合(言い換えれば、バイオマス由来昇熱材も化石資源由来昇熱材と同じものと見なして、転炉用昇熱材の使用量をその質量(重量)で管理する場合)は、発熱量が高いバイオマス由来昇熱材を使用した分は、必要とされる以上の熱量を転炉に供給することとなり、発熱量が高く昇熱効果の高いバイオマス由来昇熱材の経済的なメリットを活用できない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、植物系バイオマスを主原料とする転炉用昇熱材について、従来の化石資源に由来する転炉用昇熱材と区別することなく利用される場合でも、不必要な熱量を転炉に供給することを抑制することができる転炉用昇熱材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明では、植物系バイオマスを原料とした炭化物を製造し、その炭化物に鉄分を含んだダストを混合し、その混合物にバインダーと水を加えて所定の形状の固形物に成型することによって、化石資源由来のCO発生量を削減することが可能であり、なおかつ硫黄含有量が低い転炉用昇熱材を得るようにしている。
このように、本発明の転炉用昇熱材は、鉄分を含んだダストを混合することによって、単位質量当りの発熱量が抑えられているので、従来の化石資源に由来する転炉用昇熱材と区別することなく利用される場合でも、不必要な熱量を転炉に供給することを抑制することができるとともに、ダスト中の鉄分を鉄源として利用することができる。
ここで、原料にする植物系バイオマスは、例えば、木質系および草本系の植物系バイオマスである。
特に好適な植物系バイオマスとしては、主としてマレーシア、インドネシア両国のプランテーションで栽培されているパームヤシ(アブラヤシ)から粗パーム油を製造する過程で排出されるパームヤシ由来のバイオマスを使用する。
より詳しく述べると、パームヤシ由来のバイオマスとは、パームヤシのPKS(Palm Kernel Shell、やし殻)、EFB(Empty Fruit Bunch、空果房)、トランク(幹)、剪定屑(剪定した枝や葉など)などである。
以上のことに基づいて、本発明は以下のような特徴を有している。
[1]植物系バイオマスを炭化して炭化物を製造し、その炭化物を主原料として、鉄分を含んだダストを混合し、その混合物にバインダーおよび水分を加えて成型したことを特徴とする転炉用昇熱材。
[2]化石資源に由来する転炉用昇熱材と併用されて、その化石資源に由来する転炉用昇熱材と単位質量当りの昇熱効果量が同等であることを特徴とする前記[1]に記載の転炉用昇熱材。
[3]圧潰強度が50kgf/個以上であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の転炉用昇熱材。
[4]前記植物系バイオマスが、パームヤシのやし殻、空果房、幹、剪定屑の中から選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の転炉用昇熱材。
[5]前記バインダーが、澱粉、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチの中から選ばれた1種または2種以上からなることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の転炉用昇熱材。
[6]前記バインダーの添加量が、前記炭化物の質量の1質量%〜15質量%であることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれかに記載の転炉用昇熱材。
本発明の転炉用昇熱材は、鉄分を含んだダストを混合することによって、単位質量当りの発熱量が抑えられているので、従来の化石資源に由来する転炉用昇熱材と区別することなく利用される場合でも、不必要な熱量を転炉に供給することを抑制することができるとともに、ダスト中の鉄分を鉄源として利用することができる。
なお、転炉用昇熱材中の炭素源として植物系バイオマスを炭化して得られる炭化物のみを用いるのが、転炉用昇熱材中の硫黄含有量を少なくする点と、石炭、コークス、黒鉛等の化石資源を代替してCO発生量を削減する点の両方の点から最も好ましいが、転炉用昇熱材中の硫黄含有量が0.1質量%以下となる範囲内で、植物系バイオマスを炭化して得られる炭化物の一部を石炭やコークスに置き換えて成型しても良い。
また、わずかながら添加することとなる硫黄分を効率良く脱硫するために、さらに脱硫剤を加えて転炉用昇熱材を成型しても良い。
本発明の一実施形態において用いる外熱式ロータリーキルン炉を示す図。 本発明の一実施形態において用いる炭化実験装置を示す図。 本発明の一実施形態において用いるミキサーとロール式成形機を示す図。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態においては、原料である植物系バイオマスを炭化装置によって炭化して炭化物を製造し、その炭化物を主原料にして、その炭化物に鉄分を含んだダストを所定の割合で混合し、その混合物にバインダーと水を加えて成型装置によって成型することで、転炉用昇熱材を得るようにしている。
その際に、原料の植物系バイオマスとしては、主にパームヤシのPKS(やし殻)やEFB(空果房)等を用いる。そして、その植物系バイオマスから製造した炭化物を用いて成型した転炉用昇熱材の組成は、水分を除いた乾燥状態で、硫黄分0.1質量%以下であり、成型後に、別途水分が前記乾燥状態での質量の5質量%以下となるまで乾燥するようにして製造する。ちなみに、乾燥状態とは、105℃の恒温槽に入れて乾燥し、恒量となった状態を言う。転炉用昇熱材の組成は、この乾燥状態のものを工業分析および成分分析で求める。
ここで、転炉用昇熱材の組成は、水分が前記乾燥状態での質量の1質量%以下となるまで乾燥すれば、強度が上昇するので、より望ましい。
なお、転炉用昇熱材(乾燥後のブリケット)の圧潰強度が50kgf/個以上となるように、炭化物の粒径は3mm以下とするのが好ましい。炭化物の粒径が2mm以下、さらには1.5mm以下であれば、強度が上昇するので、より望ましい。
そして、植物系バイオマスを炭化する炭化装置としては、ロータリーキルン炉(外部から炭化に必要な熱を得る外熱式ロータリーキルン炉、原料の一部を燃焼して炭化に必要な熱を得る内熱式ロータリーキルン炉)、バッチ式の炉、シャフト式の炉などを使用する。
図1は、炭化装置10として、外熱式ロータリーキルン炉11を用いた場合を示しており、外熱式ロータリーキルン炉11に投入されたバイオマス原料(植物系バイオマス)1が、燃焼炉12からの高温ガスの熱によって炭化されて炭化物(バイオマス炭化物)2となり、炭化物貯留槽13に貯留される。なお、バイオマス原料1が炭化する際に発生したタールはタール回収槽14に回収される。
また、マレーシアでは地面を掘り下げ、空気の流れを限定することで酸素の供給を制限しながらPKSを炭化し、炭化物を製造する方法も実施されている。
ここで、製造した炭化物の組成については、炭化物貯留槽13に貯留された炭化物2をサンプリング調査してもよいが、場合によっては、図2に示すような、反応管17と加熱炉18を備えた炭化実験装置16で得られた炭化物で分析してもよい。
そして、上記のようにして製造された炭化物2について、粒径が3mmを超えているものが含まれている場合(例えば、粒径が約1mm〜約10mmの範囲に分布)、成型装置による成型の前処理として、3mmスクリーンの篩を用いて、粒径が3mm以下のものだけを選別する。必要に応じて、製造された炭化物2をカッターミルにて破砕してから、3mmスクリーンの篩を用いて、粒径が3mm以下のものだけを選別する。
この時に、有効粒径D50が2mm以下であることが好ましい。ここで、有効粒径D50とは、粒径のふるい目を通過した量の質量百分率(%)を縦軸に、粒径を対数目盛の横軸にしてプロットしたグラフにおいて質量百分率50%にあたる粒径を読み取って定める。
その際に、転炉用昇熱材(乾燥後のブリケット)の圧潰強度が50kgf/個以上となるように、炭化物2を篩って粒径を3mm以下とすることが好ましい。炭化物2の粒径が2mm以下、さらには1.5mm以下であれば、強度が上昇するので、より望ましい。
次に、図3(a)に示すように、粒径が3mm以下のものだけになった炭化物2に対して、鉄分を含む転炉ダスト22を所定の割合で混合し(「所定の割合」については、後述する実施例にて説明)、その混合物に対してバインダー24と水23を加えて、ミキサー25(撹拌翼26)で攪拌した後、得られた原料粉末2Aに対して、図3(b)に示すようなロール式成型機20を使用し、ロール21間の線圧を所定の値(例えば、2tf/cm)にして、ブリケット3に成型する。そして、成型後のブリケット3を所定の雰囲気温度(例えば、105℃)の恒温槽に入れ、恒量となるまで乾燥して、転炉用昇熱材を得る。
その際に、得られた転炉用昇熱材(乾燥後のブリケット3)の圧潰強度が50kgf/個以上を1級合格品とする。これは、圧潰強度が50kgf/個程度あれば、実操業上でのハンドリングが容易になることと、転炉で昇熱材として使用した際に割れて飛散し有効利用されない比率を小さくできるからである。
なお、上記のバインダーとしては、転炉昇熱材に成型した後の硫黄含有量が0.1質量%以下であれば、硫黄分を含んでいるものを用いてもかまわない。より望ましくは、硫黄分を含まない澱粉、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチなどを用いる。
これらはベントナイトなどの無機系のバインダーと比較すると、CやHが主成分でありバインダーからも昇熱材としての熱量を得られること、またSiOを含まない点で優れている。
バインダーの添加量は炭化物の形状、粒度によって適切な量が異なるが、炭化物の質量に対して1質量%以上、15質量%以下であることが望ましい。バインダーの添加量が1質量%以下の場合には、ブリケット3の強度が50kgf/個を下回り、ハンドリングが難しくなる。また、バインダーの添加量が15質量%を超えた場合には、成型用のロールから成型体の型離れが悪くなり、生産性が低下する。
このようにして、この実施形態においては、化石資源由来のCO発生量を削減することが可能で、かつ硫黄含有量が低い転炉用昇熱材を安定して必要量製造することができる。
そして、この実施形態における転炉用昇熱材は、鉄分を含んだダストを混合することによって、単位質量当りの発熱量が抑えられているので、化石資源に由来する転炉用昇熱材と区別することなく利用される場合でも、不必要な熱量を転炉に供給することを抑制することができるとともに、ダスト中の鉄分を鉄源として利用することができる。
本発明の実施例(本発明例)について述べる。
この実施例(本発明例)では、バイオマス炭化物2に鉄分を含む転炉ダスト(以下、単に「転炉ダスト」ともいう)22を加えることによって、化石資源に由来の転炉用昇熱材(化石資源由来昇熱材)と単位質量あたりの昇熱効果量が同等な転炉用昇熱材(バイオマス由来昇熱材)を製造することにした。
まず、前述したように、炭化物(バイオマス炭化物)2に対して転炉ダスト22を混合する際の混合割合について説明する。
なお、表1に、転炉ダストの成分例(転炉ダスト1、転炉ダスト2)を示すが、通常、転炉ダストは主としてFe(金属鉄:M.Fe)とFeOからなっており、前述したように、鉄分を含む転炉ダストを混合することで鉄源供給のメリットがある。その他の酸化物としてはSiO、CaO、MgO、MnO、Pなども含まれているが、その量は少ない。したがって、熱量を計算する場合にはFe、FeOについて計算すればよい。ちなみに、FeOの分解熱は900kcal/kgであるため計算に含める。
Figure 0006172095
ここで、転炉での酸素吹錬温度は1570℃とし、転炉ダストを1570℃まで昇温するために必要な熱量をA(kcal/kg)と表すとする。
転炉ダストに含まれるM.Fe、FeOの含有量をそれぞれm1(質量%)およびm2(質量%)とすると、M.FeとFeOを1570℃まで昇温するために必要な顕熱は、表1に示すとおり、それぞれ326kcal/kgと302kcal/kgであることから、上記の必要な熱量A(kcal/kg)は、下記の(1)式で表される計算式で簡易的に求められる。
A=(326×m1/100)+(302×m2/100) ・・・(1)
そして、化石資源由来昇熱材に含まれる化石資源由来炭化物による昇熱効果量と、バイオマス由来昇熱材に含まれるバイオマス炭化物による昇熱効果量を、それぞれB(kcal/kg)およびC(kcal/kg)とする。
化石資源由来炭化物とバイオマス炭化物に含まれるF.C.(固定炭素)の含有量をそれぞれm3(質量%)およびm4(質量%)とすると、表2に示すとおり、F.C.が酸化されるときに発熱する酸化熱が2200kcal/kgで、化石資源由来炭化物およびバイオマス炭化物を1570℃まで昇温するための顕熱をいずれも350kcal/kgとした場合、化石資源由来炭化物の昇熱効果量Bとバイオマス炭化物による昇熱効果量Cは、それぞれ発熱量から顕熱分を引いて、下記の(2)式と(3)式で表される計算式で簡易的に求められる。
B=(2200×m3/100)−350 ・・・(2)
C=(2200×m4/100)−350 ・・・(3)
前述したとおり、バイオマス炭化物は化石資源由来炭化物よりも灰分の含有量が低いため、m3<m4である。表2に、バイオマス炭化物の一例としてパームヤシ殻を原料としたPKS炭のF.C.含有量(m3=86質量%)および化石資源由来炭化物の一例として石炭のF.C.含有量(m4=75質量%)を示す。
Figure 0006172095
そして、バイオマス炭化物と転炉ダストをそれぞれm5(質量%)と(100−m5)(質量%)の割合で混合した混合物の昇熱効果量D(kcal/kg)は、下記の(4)式で表される計算式で簡易的に求められる。
D=(C×m5/100)−(A×(100−m5)/100) ・・・(4)
その上で、上記の(4)式のバイオマス炭化物と転炉ダストの混合物の昇熱効果量Dが、上記の(2)式の化石資源由来炭化物の昇熱効果量Bと等しくなるように(すなわち、下記の(5)式を満足するように)、下記の(6)式、(7)式によって、バイオマス炭化物の混合量m5(質量%)を定める。
B=D ・・・(5)
B=(C×m5/100)−(A×(100−m5)/100) ・・・(6)
m5=((A+B)/(A+C))×100 ・・・(7)
そして、バイオマス炭化物の混合量m5(質量%)が定まれば、転炉ダストの混合量(100−m5)(質量%)も定まる。
これによって、化石資源由来昇熱材と単位質量あたりの昇熱効果量が同等なバイオマス由来昇熱材を製造することが可能となる。
なお、ここでは、バイオマス炭化物と転炉ダストの混合物の昇熱効果量Dが化石資源由来炭化物の昇熱効果量Bと等しくなるようにしている(B=D)が、B≒D(例えば、0.9≦D/B≦1.1)も昇熱効果量が同等の範囲内であると見なす。
また、ここでは、昇熱材の単位質量あたりの昇熱効果量の算定の際には、昇熱材に含まれている灰分や水分等の他の成分については除いているが、必要であれば、それらの成分も考慮して昇熱材の単位質量あたりの昇熱効果量を算定してもよい。
このようにして、化石資源由来昇熱材と単位質量あたりの昇熱効果量が同等なバイオマス由来昇熱材を得ることができるので、このバイオマス由来昇熱材を化石資源由来昇熱材を区別することなく同一のホッパーに貯留し、同一の操業管理(質量管理、重量管理)の下で使用しても、不必要な熱量を転炉に供給することを抑制することができるとともに、転炉ダスト中の鉄分を鉄源として利用することができる。
次に、本発明例において、バイオマス炭化物と転炉ダストを所定の割合で混合した後の成形手順について述べる。
本発明例では、ロール式成型機20による成型の前処理として、炭化物をスクリーンサイズ3mmの篩を通過する粒径に調整した。このとき、有効粒径D50は2.34mmであった。そして、PKSおよび転炉ダストの質量の4質量%に相当する澱粉(アルファー化処理されたもの)をバインダーとして添加し、14質量%に相当する水を加えた混合物をミキサーで攪拌し、図3に示したロール式成型機を使用し、ロール間の線圧を2tf/cmとして、44mm角マセック型のロールを使用してブリケットに成型した。成型後のブリケットを雰囲気温度105℃の恒温槽に入れ、恒量となるまで乾燥した。
乾燥後のブリケット10個について圧潰強度を測定し、平均値を求めたところ80kgf/個であった。前述したように、圧潰強度が50kgf/個程度あれば、実操業上でのハンドリングが可能となることが経験的にわかっており、本発明例に示すブリケットは使用に耐える十分な圧潰強度を持つと判断できる。
本発明においては、パームヤシ由来などの植物系バイオマスを原料とした炭化物を製造し、その炭化物を主原料にして、鉄分を含んだダストを混合し、バインダーを加えて成型した、化石資源由来のCO発生量を削減することが可能で、なおかつ硫黄含有量が低い転炉用昇熱材によって、製鉄所で使用される化石資源を原料とする転炉用昇熱材を代替することにより、化石資源消費量を低減し、温室効果ガスの発生を低減させ、地球温暖化問題の解決に寄与するものである。また、パームオイル産業の収益性の向上、パームヤシ栽培地の環境改善などを通じて、マレーシア、インドネシアを中心とするパームオイル産業国の発展にも寄与するものである。
1 バイオマス原料(植物系バイオマス)
2 炭化物
2A 原料粉末
3 ブリケット
10 炭化装置
11 外熱式ロータリーキルン炉
12 燃焼炉
13 炭化物貯留槽
14 タール回収槽
16 炭化実験装置
17 反応管
18 加熱炉
20 ロール式成型機
21 ロール
22 鉄分を含む転炉ダスト
23 水
24 バインダー
25 ミキサー
26 攪拌翼

Claims (6)

  1. 植物系バイオマスを炭化して炭化物を製造し、その植物系バイオマス由来の炭化物を主原料として、鉄分を含んだダストを混合し、その混合物にバインダーおよび水分を加えて成型した植物系バイオマス由来の転炉用昇熱材の製造方法であって、化石資源由来の炭化物を含有した転炉用昇熱材を予め選定しておき、前記植物系バイオマス由来の炭化物の混合量m5(質量%)と前記鉄分を含んだダストの混合量(100−m5)(質量%)を下記の式で求めることを特徴とする植物系バイオマス由来の転炉用昇熱材の製造方法
    m5=((A+α×B)/(A+C))×100
    0.9≦α≦1.1
    ここで、
    Aは、前記鉄分を含んだダストを転炉の酸素吹錬温度まで昇温するために必要な単位質量当りの熱量(kcal/kg)
    Bは、前記化石資源由来の炭化物を含有した転炉用昇熱材の単位質量当りの昇熱効果量(kcal/kg)
    Cは、前記植物系バイオマス由来の炭化物の単位質量当りの昇熱効果量(kcal/kg)
  2. 圧潰強度が50kgf/個以上であることを特徴とする請求項1に記載の植物系バイオマス由来の転炉用昇熱材の製造方法
  3. 前記植物系バイオマスが、パームヤシのやし殻、空果房、幹、剪定屑の中から選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の植物系バイオマス由来の転炉用昇熱材の製造方法
  4. 前記バインダーが、澱粉、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチの中から選ばれた1種または2種以上からなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の植物系バイオマス由来の転炉用昇熱材の製造方法
  5. 前記バインダーの添加量が、前記炭化物の質量の1質量%〜15質量%であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の植物系バイオマス由来の転炉用昇熱材の製造方法
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の植物系バイオマス由来の転炉用昇熱材の製造方法によって製造した植物系バイオマス由来の転炉用昇熱材を、前記化石資源由来の炭化物を含有した転炉用昇熱材と区別することなく使用することを特徴とする植物系バイオマス由来の転炉用昇熱材の使用方法。
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