JP6142765B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヤシ核殻炭の製造方法及び製造されたヤシ核殻炭を用いた焼結鉱の製造方法
に関する。特に、所定の粒径のヤシ核殻炭を得るためのヤシ核殻の粒径調整に関する。
製鉄所における高炉は、原料として主に焼結鉱を使用する。焼結鉱は、粉鉱石(粒径略5mm以下)を炭材である粉コークスで焼き固め、高炉の使用に適した粒径(略5〜35mm)にしたものである。
焼結鉱製造プロセスは、鉄鉱石及び焼結工場系内、外で発生する篩下粉、ダスト、ミルスケール等の鉄分を含む原料(雑鉄源)並びに石灰石などの造滓材(副原料)を焼結原料とする。前記焼結原料に燃料として粉コークス等の炭材、および返鉱(成品粒度を満足しなかったため再度焼結処理されるもの)を加えて配合原料とする。現在、一般に行われているドワイトロイド(DL)式焼結機の焼結鉱製造プロセスでは、前記配合原料からなる充填層の下方を負圧とし、上方から下方に空気を流通させて配合原料中の炭材を燃焼させる。発生した燃焼熱により焼結原料を焼結して塊成化した焼結鉱を製造する。
製鉄所におけるコークスは、篩分けられ、篩上は、高炉の使用に適した塊コークスとなり、篩下は、焼結鉱の製造に用いられる粉コークス(粒径略3mm以下)となる。
近年、高炉のコークス比の低下により、焼結鉱が使用する粉コークスは、バランス上、不足する傾向にある。粉コークス量を補完する炭材として、無煙炭の使用も進められてきた。粉コークスを補完又は代替する他の新たな炭材の開発が望まれている。
製鉄所の焼結鉱製造プロセスで、炭材が燃焼するとCOの他にSOx, NOx, 煤塵といった有害物質を含んだ焼結排ガスが大量に発生する。したがって、新たな炭材は、有害物質の排出を抑えるため、硫黄、窒素が少ないことが必要である。
焼結鉱が使用する粉コークスを補完する炭材として、安価な低品位炭を300℃―900℃で加熱・乾留して製造する石炭チャーが開示されている(特許文献1)。しかし、当該チャーは、チャー中の水素分を利用することによりCO削減を主とするものであり、焼結鉱の生産性についての記載は無い。また、当該石炭チャーは、高価な粘結炭の使用を抑制するものの、SOx, NOx等の有害物質が排出することを抑えることはできない。
焼結鉱製造用の燃料として、バイオマスの利用が考えられる。バイオマスとしては、製材所発生の木質系廃棄物を破砕したチップや、農業系の副産物(ヤシ核殻等)などがある。バイオマスは、炭素、水素、酸素を主元素とし、石炭、石油に例を見る化石燃料と成分としての差異はないが、発熱量が低く、水分を多く含むものが多いなど、燃焼性や、コストに影響するエネルギー転換効率などがネックとなり、その利用に工夫が必要である。
バイオマスは、カーボンニュートラルな材料である。カーボンニュートラルとは、その使用に際してCO排出をカウントしなくてもよいという考え方をいう。即ち、植物(茎・葉・根など)は全て有機化合物で出来ている。その植物が種から成長するとき、光合成により大気中の二酸化炭素の炭素原子を取り込んで有機化合物を作り、植物のからだを作る。そのため植物を燃やして二酸化炭素を発生させても、空気中に排出される二酸化炭素の中の炭素原子はもともと空気中に存在した炭素原子を植物が取り込んだものであるため、大気中の二酸化炭素総量の増減には影響を与えないからである。
したがって、焼結鉱製造において、粉コークスに替えてバイオマスを利用することができれば、地球温暖化対策としての寄与が大きい。
また、バイオマスは、石炭に比べ、一般的に硫黄及び窒素の含有量が少なく、粉コークスに替えてバイオマスを利用することができれば、地球環境対策としての寄与が大きい。
しかし、焼結鉱製造プロセスでは、揮発分の高い炭材の使用ができない。揮発分の高い炭材は、その燃焼により発生するタールその他の副生物が、焼結原料層の下部で再凝固し燃焼時の通気性を悪化させる原因と成り、又、焼結機の排気系統に付着し、支障をきたすからである。
以上、焼結鉱製造において、粉コークスに替えてバイオマスを利用する際の問題としては、(1)発熱量が低く、水分を多く含むものが多いこと、(2)揮発分が高いこと、でありバイオマスをそのまま焼結鉱製造に用いることはできない。
そこで、バイオマスを加熱・乾留し、炭化してバイオマス炭を製造し、焼結鉱製造に用いることが研究されてきた。バイオマスを事前に加熱・乾留してバイオマス炭とすれば、上記(1)、(2)の問題点をある程度解決できる。しかし、バイオマス炭は、焼結鉱製造に用いられてきた粉コークスとは、その特性値に、相違点がある。特に、焼結鉱製造用に適したバイオマス炭の粒径について、各種の研究が開示されている。
特許文献2では、焼結工程において、炭材として使用するコークスの一部を硫黄分や窒素分の少ないバイオマス炭化物により代替し、コークス燃焼時に発生するNOxやSOxを低減する技術が提案されている。
特許文献3では、大半が炭素と有機分からなる下水汚泥を乾留して得られるカーボンニュートラル材としての下水汚泥由来炭化物を粉コークス代替として利用する技術が開示されており、その下水汚泥炭化物の粒度として、3mm未満が望ましいとしている。また乾留前の下水汚泥は、基本的に微細粒子からなるため、乾留後も微細粒子が主体となるとしている。すなわち、下水汚泥炭化物の粒度は、粉コークス並みの3mm以下の微細粒子が望ましいとしている。
特許文献4では、石炭を回転キルンにより加熱乾留して焼結用固体燃料としてのチャーを製造するに際し、理論燃焼空気量を調整し、0.25mm以下の微粉粒子を燃焼処理する技術が開示されている。
特許文献5では、コークス乾式消火設備(CDQ)で木質系バイオマスを乾留し、焼結用炭材を製造する方法が開示されており、焼結用に適した1〜3mmの粒径を得るには、乾留前のバイオマスは3mm以上粒子が80質量%以上にすることが望ましいとしている。
特開平5−230558号公報 特開2003−328044号公報 特開2011−127184号公報 国際公開2011−115262号公報 特開2004−231690号公報
しかしながら、特許文献2に記載の発明は、使用したバイオマス炭化物については、化学組成および水分が開示されているのみであり、適正粒度や粒度の調整方法については記載がない。
また、特許文献3に記載の発明は、焼結工程に使用するバイオマス炭化物の粒径は、従来の粉コークスと同じ3mm以下であるとする。しかし、従来の粉コークスに比べ、強度が小さなバイオマス炭化物の粒径を従来コークスと同じとするのは、妥当性に欠く。
また、特許文献4に記載の発明は、従来の粉コークスや無煙炭と同様に、平均粒径が0.5〜2mm程度に調整する前提で、微粉粒子のみを燃焼させる技術であり、乾留後のチャーの平均粒径を制御することについては検討されていない。
また、特許文献5に記載の発明は、焼結用に適した粒径は、従来の粉コークスと同じ1〜3mmであることを前提に、原料であるバイオマスの粒径調整を規定するが、粉コークスとは特性が相違するバイオマス炭材の焼結用に適した粒径が検討されていない。
また、特許文献5に記載の発明は、バイオマス炭化物の適正粒度が既存炭材であるコークスと同様の1〜3mmを目標にしていることに加え、5mm以上の粗大バイオマスは生焼けになりやすいと指摘しており、上限を5mm程度にすることが望ましいとしている。本来、バイオマス炭化物は、その種類に応じて適正粒度が存在すると考えられる。従って、当該技術は、木質系バイオマスをCDQで乾留する場合であり、さらにバイオマス炭も1〜3mmを目標としており、その他の乾留プロセスで3mm以上のバイオマス炭を得る方法に関しては適応できない。
本発明者等は、バイオマス資源の中でも東南アジアで大量に発生するヤシ核殻(Palm Kernel Shell)に着目して、焼結鉱製造用のヤシ核殻炭の開発に取り組んできた。
ヤシ核殻を原料とした焼結鉱製造用のヤシ核殻炭は、比表面積が大きいことから、燃焼速度が速いという特性がある。その結果、ヤシ核殻炭を焼結鉱製造に用いると、焼結歩留が低下するという問題がある。その対応策として、燃焼速度を調整するため、ヤシ核殻炭の粒径を大きくすることを考えた。
しかし、ヤシ核殻炭を既存の焼結プロセスで破砕・篩分けにより所望の粒度に調整しようとしても、ヤシ核殻炭は、粉砕され微細粒となり、適切な粒度調整が難しいという問題がある。
そこで、本発明者は、ヤシ核殻炭を破砕することではなく、原料であるヤシ核殻の粒度を事前に調整し、製品であるヤシ核殻炭の粒径を調整する方法を考えた。
本発明の目的は、破砕・篩分けによることなく、原料(ヤシ核殻)の粒度を調整することにより、適切な粒径に製造したヤシ核殻炭を用い、生産性の高い焼結鉱の製造方法を提供することである。
本発明者等は、既存の焼結破砕機では、ヤシ核殻炭が粉々になってしまい、所望の粒度を得られないことが分かった。そして、原料(ヤシ核殻)の粒度を調整することにより、所望の粒径のヤシ核殻炭を得ることができるという知見を得た。本発明は、これらの知見に基づくものである。
本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)ヤシ核殻炭を固形燃料に用いる焼結鉱の製造方法であって、
原料として平均粒径(D)のヤシ核殻を用い
製品であるヤシ核殻炭の平均粒径(D)が2.7mm―6.0mmであり、
ヤシ核殻の平均粒径(D)に対するヤシ核殻炭の平均粒径(D)の割合α%(粒径縮小割合)が、45.9%−66.9%に粒径を調整したヤシ核殻を加熱・乾留してヤシ核殻炭を製造する工程と、
前記工程で製造されたヤシ核殻炭を破砕処理することなく焼結用の固形燃料に用いる工程を実施することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
ここで、D=100×D/αである。
(2)ヤシ核殻を加熱・乾留する設備が、外部加熱の連続乾留方式であって、
前記α%(粒径縮小割合)が、45.9%−51.9%に粒径を調整したヤシ核殻を加熱・乾留したヤシ核殻炭を用いることを特徴とする(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
(3)ヤシ核殻を加熱・乾留する設備が、内部加熱の連続乾留方式であって、
前記α%(粒径縮小割合)が、46.6%−56.1%に粒径を調整したヤシ核殻を加熱・乾留したヤシ核殻炭を用いることを特徴とする(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
(4)ヤシ核殻を加熱・乾留する設備が、外部加熱のバッチ乾留方式であって、
前記α%(粒径縮小割合)が、50.9%に粒径を調整したヤシ核殻を加熱・乾留したヤシ核殻炭を用いることを特徴とする(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
(5)ヤシ核殻を加熱・乾留する設備が、内部加熱のバッチ乾留方式であって、
前記α%(粒径縮小割合)が、58.7%−66.9%に粒径を調整したヤシ核殻を加熱・乾留したヤシ核殻炭を用いることを特徴とする(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
本発明によれば、破砕・篩分けによることなく、原料(ヤシ核殻)の粒度を調整することにより、適切な粒径に製造したヤシ核殻炭を用い、生産性の高い焼結鉱の製造方法を提供することができる。
ヤシ核殻及びヤシ核殻炭の外形を示す。図1(A)は、ヤシ核殻、図1(B)は、ヤシ核殻炭である。 ヤシ核殻炭の粒径を示す図である。 焼結鍋試験によるヤシ核殻炭の粒径と焼結生産率を示す図である。 焼結シミュレータ実験装置によるヤシ核殻炭の粒径と焼結生産率を示す図である(炭材の70%をヤシ核殻炭に置換)。 焼結シミュレータ実験装置によるヤシ核殻炭の粒径と焼結生産率を示す図である(炭材の40%をヤシ核殻炭に置換)。
(ヤシ核殻について)
ヤシ核殻は、油ヤシからパーム油を製造する際に発生する残渣である。油ヤシの果実の外側は油分を含んだ柔らかい部分で、これを高温蒸気で種子から分離してプレス機で絞り、パーム油を抽出する。果実の内部に核があり、核を取り除かれた後に残る殻がヤシ核殻である。
図1(A)にヤシ核殻、図1(B)にヤシ核殻炭の外形を示す。ヤシ核殻は特殊な形状をしており、その乾留物であるヤシ核殻炭も同様の形状を留めている。
表1に2種類のヤシ核殻の粒度分布を示す。ヤシ核殻の平均粒径は7mm〜8mmである。産地により、ヤシ核殻の粒径が異なる。ヤシ核殻は、パームオイルを絞った残渣であり、パームオイルを絞る過程で破砕される。破砕後のヤシ核殻の粒度は、ヤシの粒径や核殻の強度が異なると異なり、同一のヤシを使用しても絞る工程によって異なることが十分予想される。
ヤシ核殻の表1に示したヤシ核殻A及びヤシ核殻Bを加熱・乾留して製造したヤシ核殻炭の工業分析、元素分析及び発熱量を既存の焼結用炭材と比較して表2に示す。ヤシ核殻は固定炭素及び発熱量は、既存の炭材と同程度である。また、ヤシ核殻は既存炭材に比べ、窒素、硫黄の含有量が少ない。
ヤシ核殻炭の基礎性状を既存の焼結用炭材と比較して表3に示す。
ヤシ核殻炭の比表面積は、既存炭材の65倍〜88倍であり、ヤシ核殻炭は、燃焼性が非常に高い。ここで、比表面積は、粒径2.0mm〜4.0mmの炭材をもちいてBETにより測定したものである。
ヤシ核殻炭の平均粒径は、4〜5mmであり既存炭材より粗粒である。また、ヤシ核殻炭Aの粒度構成を図2に示す。既存炭材は、粒径1.0mm以下の比率が略50%程度であるが、ヤシ核殻炭は、粒径1.0mm以下の比率が略ゼロであるという特徴がある。
ヤシ核殻炭を焼結用炭材として用いるには、表2及び表3に示す特性より、既存炭材(粉コークス、無煙炭)とは異なる要件が必要である。
(焼結用炭材としてのヤシ核殻炭の最適粒径)
本発明者等は、ヤシ核殻炭の粒径が、焼結生産率に及ぼす影響を焼結鍋試験により調査した。焼結用炭材として用いられる無煙炭を基準とし、平均粒径が0.5mm、2.0mm、4.0mm、又は、6.0mmのヤシ核殻炭を配合した原料をスリットバー方式により充填層の上層に細粒、下層に粗粒を充填し、焼成して焼結生産率を測定した。
図3にヤシ核殻炭の平均粒径と焼結生産率の関係を示す。ここで焼結生産率とは、下記の式(1)により算出されるものである。

図3において、ヤシ核殻炭の平均粒径が、2.7mm―6.0mmで、焼結生産率が基準の無煙炭より大きい。ヤシ核殻炭の平均粒径が、4±0.4mmの場合、焼結生産率が特に高い。
焼結用炭材として用いられる粉コークス又は無煙炭の平均粒径は、0.5mm―2mmである。ヤシ核殻炭の平均粒径が粉コークス等の平均粒径より大きいと焼結生産率が高くなる理由は以下であると考える。即ち、ヤシ核殻炭は、粉コークス等に比べ比表面積が大きく、燃焼速度が速い(表2)。焼結工程で燃焼速度が速いヤシ核殻炭を用いるとフレームフロントスピード(FFS)が速くなり、生産速度が速くなる。しかし、FFSが速すぎると、下方に吸引するドワイトロイド(DL)式焼結機では、炭材の燃焼により発生した充填層上層の熱が、下層原料へ伝達される時間が短縮され、熱不足により、焼成が不十分となり、焼結歩留が低下し生産性が阻害されると考える。そこで、ヤシ核殻炭の燃焼速度が速すぎることによる歩留低下を抑制するために、平均粒径を粉コークス等よりも大きくする方が、焼結生産率を高めるものと考えられる。また、焼結では、スリットバー方式等の装入装置で、充填層の高さ方向に原料粒度が偏析しており、カーボン濃度も異なる。 具体的には、熱が不足する上層のカーボン濃度が高く、蓄熱する下層のカーボン濃度が低くなるようにしている。ヤシ核殻炭は、特殊な形状であり、粗粒化することにより、粉コークスや無煙炭と同様の高さ方向のカーボン濃度分布を作り込めることも見出した。
なお、焼結歩留とは、「焼結鉱製品歩留」であり、粒径5mm以上の焼結鉱の質量を元の焼結ケーキの質量で除した値を意味し、下記(2)式により算出される。
(ヤシ核殻炭の破砕・篩分けによる粒度調整)
ヤシ核殻炭を2.7mm―6.0mmの粒度に調整することにより焼結生産性を高めることができ、特に、4±0.4mmで、焼結生産率が高いことが分かった。
ここで、ヤシ核殻炭を破砕・篩分けにより粒度を調整する方法を考えた。
ヤシ核殻を乾留して得られるヤシ核殻炭の粒度は、平均粒径4mm―5mm程度である(表3)。そこで、実機の焼結破砕機(ロッドミル)を用いて、ヤシ核殻炭を破砕して所望の粒度を得ることを試みた。表4に、その前後の粒度変化を示す。破砕前のヤシ核殻炭は平均粒径が4.4mmであるのに対し、破砕後のヤシ核殻炭は平均粒径が0.6mmとなり、2mm以下が96.5%、1mm以下が80.7%であった。このように、既存の焼結破砕機では、ヤシ核殻炭が粉々になってしまい、所望の粒度を得られないことが判明した。
ヤシ核殻炭が、破砕機により微粉砕される理由は以下であると考える。即ち、焼結鉱製造工程で用いられる従来の粉コークスは、粘結炭を主原料にし、略1000℃―1100℃で加熱・乾留されて製造される。これに対し、ヤシ核殻炭は、粘結成分のないヤシ核殻を原料として略800℃に加熱・乾留されて製造される。高温で粘結成分により焼き固められた粉コークスに比べ、バイオマス炭の強度は小さいと推定される。強度が小さいヤシ核殻炭は、破砕機により容易に粉砕されると考えられる。また、ヤシ核殻炭は、特殊な形状であり、ロッドミルなどで応力がかかると粉砕され易いことも起因していると考えられる。
(粒度調整したヤシ核殻を、加熱・乾留して製造したヤシ核殻炭を破砕処理することなく、焼結鉱を製造すること)
ヤシ核殻炭を破砕により、所望の粒度を得ようとすると、微粉砕される。そこで、本発明者等は、ヤシ核殻乾留時の収縮や粉化による粒度低下代を予め予測し、乾留後のヤシ核殻炭が焼結に適した粒径になるように、乾留前のヤシ核殻の粒度を調整することにより焼結鉱製造に適したヤシ核殻炭を得ることにより、ヤシ核殻炭を破砕処理することなく、焼結鉱を製造する方法を考えた。即ち、原料であるヤシ核殻の粒度を事前に調整し、ヤシ核殻炭を破砕することなく、焼結鉱を製造する方法である。
(実施例1)
乾留条件を変更してヤシ核殻を加熱・乾留し、ヤシ核殻炭を製造した。乾留方式は、バッチ外熱式、バッチ内熱式、連続外熱式及び連続内熱式の4方式とした。外熱式は、ロータリーキルン(内径90mm、長さ800mm)を用いた。乾留の雰囲気は、外熱式はAir、内熱式はNの吹き込みによった。加熱・乾留温度は、800℃である。ヤシ核殻の処理速度は、内熱式で111g/min,外熱式で153g/minとした。
表1に示すヤシ核殻A及びヤシ核殻Bを上記の各加熱乾留方式の設備により加熱・乾留してヤシ核殻炭を製造した結果を表5に示す。
乾留方式によって若干収縮率が異なるが、乾留前のヤシ核殻に対して乾留後のヤシ核殻炭は、平均粒径が45.9%―66.9%になることを見出した。
外熱式よりも内熱式の方が、ヤシ核殻炭の平均粒径が小さいのは、ヤシ核殻の一部が燃焼しているためである。また連続処理がバッチ処理よりもヤシ核殻炭の平均粒径が一般的に小さいのは、連続処理をした場合、急速昇温されるので、ヤシ核殻の一部が破砕されるためであると考えられる。
以上のことより、ヤシ核殻の平均粒径(D)に対するヤシ核殻炭の平均粒径(D)の割合α%(粒径縮小割合)が、45.9%〜66.9%であることを予定して、ヤシ核殻の平均粒径(D)を事前に調整すれば、ヤシ核殻炭を破砕することなく所望の平均粒径(D)のヤシ核殻炭を得ることができることを確認した。
また、ヤシ核殻を加熱・乾留する設備が、外部加熱の連続乾留方式の際は、前記α%(粒径縮小割合)を、45.9%―51.9%であることを予定して、ヤシ核殻の平均粒径(D)を事前に調整すれば、所望の平均粒径(D)のヤシ核殻炭を得ることができる。
更に、ヤシ核殻を加熱・乾留する設備が、内部加熱の連続乾留方式の場合は、前記α%(粒径縮小割合)を、46.6%〜56.1%であることを予定して、ヤシ核殻の平均粒径(D)を事前に調整すれば、所望の平均粒径(D)のヤシ核殻炭を得ることができる。
更に、ヤシ核殻を加熱・乾留する設備が、外部加熱のバッチ乾留方式の場合は、前記α%(粒径縮小割合)を、50.9%であることを予定して、ヤシ核殻の平均粒径(D)を事前に調整すれば、所望の平均粒径(D)のヤシ核殻炭を得ることができる。
また、ヤシ核殻を加熱・乾留する設備が、内部加熱のバッチ乾留方式の場合は、前記α%(粒径縮小割合)を、58.7%―66.9%であることを予定して、ヤシ核殻の平均粒径(D)を事前に調整すれば、所望の平均粒径(D)のヤシ核殻炭を得ることができる。
以上より、ヤシ核殻の加熱・乾留方式により、それぞれの方式に対応したα%(粒径縮小割合)に応じて、ヤシ核殻を事前に粒径調整することにより、焼結鉱製造に適したヤシ核殻を得ることができることを確認した。
(実施例2―1、実施例2―2)
本発明により製造されたヤシ核殻炭を用いた焼結鉱の製造試験を実施した。試験は、焼結シミュレータ実験装置を用いた。焼結シミュレータ実験装置は、長さ0.8m、幅0.4mのパレットを3枚連結して焼結できるように構成されたDL型焼結機の模型装置で、パレット内に原料を偏析させた状態で装入し焼成することが可能となっている。
表6に、配合を示す。比較例は、炭材として、従来の粉コークスと無煙炭を用いた場合である。実施例(2―1)は、炭材の70%を占める無煙炭を全量、ヤシ核殻炭(平均粒径4.9mm)に置換した。実施例(2―2)は、炭材の70%を占める無煙炭を全量、ヤシ核殻炭(平均粒径4.2mm)に置換した。なお、本実験のヤシ核殻炭は、バッチ処理外熱式で乾留したヤシ核殻炭を使用した。またヤシ核殻炭は、原料であるヤシ核殻の粒径(D)を事前に調整することにより、ヤシ核殻炭を破砕することなく作成した。
焼結生産率の結果を図4に示す。既存炭材を使用した比較例1では、焼結生産率が31.8t/d/m2であったが、実施例(2―1)および実施例(2―2)では、それぞれ焼結生産率が34.4t/d/mと32.6t/d/mとなり、それぞれ8%と3%向上することを確認した。
(実施例2―3、実施例2―4)
表7に、配合を示す。比較例は、炭材として、従来の粉コークスと無煙炭を用いた場合である。実施例(2―3)は、炭材の40%を占める無煙炭を全量、ヤシ核殻炭(平均粒径3.4mm)に置換した。実施例(2―4)は、炭材の40%を占める無煙炭を全量、ヤシ核殻炭(平均粒径3.0mm)に置換した。なお、本実験のヤシ核殻炭は、バッチ処理外熱式で乾留したヤシ核殻炭を使用した。またヤシ核殻炭は、破砕することなく作成した。
焼結生産率の結果を図5に示す。既存炭材を使用した比較例では、焼結生産率が29.7t/d/mであったが、実施例(2―3)および実施例(2―4)では、それぞれ焼結生産率が33.9t/d/mと32.0t/d/mとなり、それぞれ14%と8%向上することを確認した。
以上より、ヤシ核殻の平均粒径を事前に調整して製造したヤシ核殻炭を破砕することなく、焼結鉱製造に用いることにより、焼結鉱の生産性が向上することを確認した。
破砕・篩分けによることなく、原料(ヤシ核殻)の粒度を調整することで、適切な粒径に製造したヤシ核殻炭を用い、生産性の高い焼結鉱の製造方法に利用することができる。

Claims (5)

  1. ヤシ核殻炭を固形燃料に用いる焼結鉱の製造方法であって、
    原料として平均粒径(D)のヤシ核殻を用い
    製品であるヤシ核殻炭の平均粒径(D)が2.7mm―6.0mmであり、
    ヤシ核殻の平均粒径(D)に対するヤシ核殻炭の平均粒径(D)の割合α%(粒径縮小割合)が、45.9%−66.9%に粒径を調整したヤシ核殻を加熱・乾留してヤシ核殻炭を製造する工程と、
    前記工程で製造されたヤシ核殻炭を破砕処理することなく焼結用の固形燃料に用いる工程を実施することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
    ここで、D=100×D/αである。
  2. ヤシ核殻を加熱・乾留する設備が、外部加熱の連続乾留方式であって、
    前記α%(粒径縮小割合)が、45.9%−51.9%に粒径を調整したヤシ核殻を加熱・乾留したヤシ核殻炭を用いることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. ヤシ核殻を加熱・乾留する設備が、内部加熱の連続乾留方式であって、
    前記α%(粒径縮小割合)が、46.6%−56.1%に粒径を調整したヤシ核殻を加熱・乾留したヤシ核殻炭を用いることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. ヤシ核殻を加熱・乾留する設備が、外部加熱のバッチ乾留方式であって、
    前記α%(粒径縮小割合)が、50.9%に粒径を調整したヤシ核殻を加熱・乾留したヤシ核殻炭を用いることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  5. ヤシ核殻を加熱・乾留する設備が、内部加熱のバッチ乾留方式であって、
    前記α%(粒径縮小割合)が、58.7%−66.9%に粒径を調整したヤシ核殻を加熱・乾留したヤシ核殻炭を用いることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
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