WO2013094749A1 - バイオマス炭化方法及びバイオマス炭化装置 - Google Patents

バイオマス炭化方法及びバイオマス炭化装置 Download PDF

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Abstract

バイオマス(M)を熱分解して従来より高い収率で炭化物(C)を得るバイオマス炭化方法及びバイオマス炭化装置(10)を提供することを目的とする。バイオマス炭化装置は、炭化炉(11)内の温度を制御する温度制御装置(16)を有し、温度制御装置は、バイオマスの充填移動層(P)の下部の温度をバイオマスを熱分解してタール蒸気を発生させるタール蒸気発生温度以上に制御し、前記充填移動層の上部の温度をタール蒸気を凝縮させるタール凝縮温度以下に制御する。炭化炉は、前記充填移動層の下部にて発生されたタール蒸気を前記上部にて凝縮させ液状タールとし、液状タールを前記充填移動層のバイオマスにより捕捉させ、捕捉された液状タールをバイオマスとともに共熱分解し炭化物に転化させる。

Description

バイオマス炭化方法及びバイオマス炭化装置
 本発明は、バイオマスを炭化して炭化物を得る為のバイオマス炭化方法及びバイオマス炭化装置に関する。
 地球温暖化の防止対策として、バイオマスエネルギーの利用が注目されている。化石資源ではない、再生可能な、生物由来の有機性資源をバイオマスと呼ぶ。植物由来のバイオマスを利用することは、植物の成長過程で光合成により二酸化炭素から変換された炭素資源を有効利用できることになるため、資源のライフサイクルの観点からすると大気中の二酸化炭素の増加につながらない。
 近年、バイオマスを熱分解してガス燃料や炭化物を製造することの促進が検討されている。バイオマスから製造された炭化物を燃料や製鉄用コークスの代替品として用いることにより、二酸化炭素排出量を削減出来る。
 特開2001-131557号公報(特許文献1)には、竪型炉を用いて都市ごみ等の熱分解可能廃棄物を不活性ガス雰囲気下で熱分解処理して炭化物と熱分解ガスを得て、得られた炭化物を石炭やコークスの代替燃料や活性炭の代替材とする技術が記載されている。特許文献1に記載の熱分解処理用の竪型炉を用いてバイオマスを熱分解して炭化物を得ることができる。
 特許文献1に記載の熱分解処理装置では、竪型炉に熱分解可能廃棄物を投入し、炉内に炉内を自重で降下する熱分解可能廃棄物の充填移動層を形成する。炉下部からこの充填移動層内へ加熱ガスを吹き込み、上昇する加熱ガスを炉内を下降する熱分解可能廃棄物に対し接触させて熱分解可能廃棄物を加熱し、熱分解可能廃棄物を熱分解して炭化物と熱分解ガスとを生成する。
特開2001-131557号公報
 バイオマス原料の重量に対する生成炭化物の重量の比率である炭化物収率を向上させることが常に要望されている。
 本発明は上述したような事情に鑑みてなされ、本発明の目的はバイオマスを熱分解して炭化物を従来よりも高い収率で得ることのできるバイオマス炭化方法及びバイオマス炭化装置を提供することである。
 上述した目的を達成する為に、本発明に従ったバイオマス炭化方法は、炭化炉の上部からバイオマスを供給して炭化炉内に炭化炉内を下降するバイオマスの充填移動層を形成し、炭化炉の下部から高温ガスを供給し高温ガスをバイオマスと接触させてバイオマスを熱分解して炭化物を生成するバイオマス炭化方法において:充填移動層の下部の温度をバイオマスを熱分解してタール蒸気を発生させるタール発生温度以上に制御し、充填移動層の上部の温度をタール蒸気を凝縮させるタール凝縮温度以下に制御し;充填移動層の下部にてバイオマスを熱分解して炭化物を生成させるとともにタール蒸気を発生させ;充填移動層の上部にて充填移動層の下部から上昇したタール蒸気を凝縮させ液状タールとし、液状タールをバイオマスにより捕捉させ;充填移動層内でバイオマスに捕捉された液状タールをバイオマスとともに共熱分解し炭化物に転化させる、ことを特徴としている。
 本発明に従ったバイオマス炭化方法においては、充填移動層の上部にて液状タールとして中質油及び重質油をバイオマスにより捕捉させることが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化方法においては、充填移動層の下部の温度を400℃以上700℃以下に制御し、充填移動層の上部の温度を60℃以上150℃以下に制御することが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化方法においては、充填移動層の下部の温度を500℃以上700℃以下に制御し、充填移動層の上部の温度を60℃以上150℃以下に制御することが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化方法においては、供給されるバイオマスが、目開き16mmの篩いを通過する量の割合が60重量%以上の粒径分布であるバイオマスであることが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化方法においては、供給されるバイオマスが、目開き20mmの篩いを通過する量の割合が70重量%以上の粒径分布であるバイオマスであることが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化方法においては:充填移動層の下部に温度がタール発生温度以上の所定温度範囲に制御される領域を設定し、充填移動層の上部に温度がタール凝縮温度以下の所定温度範囲に制御される領域を設定し;充填移動層の下部において温度をタール発生温度以上の所定温度範囲に制御する領域を、充填移動層の底から充填移動層の全体高さの10%程度上方の位置から40%程度上方の位置までとし;充填移動層の上部において温度をタール凝縮温度以下の所定温度範囲に制御する領域を、充填移動層の頂から充填移動層の全体高さ寸法の30%程度下方の位置から50%程度下方の位置までとする、ことが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化方法においては、充填移動層の上部の温度と充填移動層の下部の温度を計測し、充填移動層の上部の温度計測値と充填移動層の下部の温度計測値とに基づき、充填移動層の下部の温度はタール発生温度以上の所定温度範囲内に、また充填移動層の上部の温度はタール凝縮温度以下の所定温度範囲となるように、炭化炉へ供給するバイオマスの量、炭化炉へ供給する高温ガスの量及び充填移動層から抜き出す炭化物の量のうち少なくとも一つを制御することが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化方法においては、炭化炉において充填移動層内ではバイオマスが熱分解され炭化物(C)が生成されるとともに可燃性ガスが発生され、部分燃焼炉にて炭化炉から可燃性ガスの供給を受けこれを部分燃焼させて燃焼ガスを発生させ、上記燃焼ガスの少なくとも一部を高温ガスとして炭化炉の下部へ供給することが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化方法においては、充填移動層の上部と下部との間の中部における上方部分の温度を100℃以上300℃以下に制御するとともに下方部分の温度を200℃以上500℃以下に制御することが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化方法においては、充填移動層の中部に温度調整ガスを供給することにより充填移動層の中部の温度を制御することが好ましい。
 前述した目的を達成する為に、本発明に従ったバイオマス炭化装置は、炭化炉を備え、前記炭化炉の上部からバイオマスを供給して炭化炉内に炭化炉内を下降するバイオマスの充填移動層を形成し、炭化炉の下部から高温ガスを供給し高温ガスをバイオマスと接触させバイオマスを熱分解して炭化物を生成するバイオマス炭化装置であって;炭化炉内の温度を制御する温度制御装置を備えており;温度制御装置は、充填移動層の下部の温度をバイオマスを熱分解してタール蒸気を発生させるタール発生温度以上に制御し、充填移動層の上部の温度をタール蒸気を凝縮させるタール凝縮温度以下に制御し;炭化炉は、充填移動層の下部にてバイオマスを熱分解して炭化物を生成するとともにタール蒸気を発生させ、充填移動層の上部にて充填移動層の下部から上昇したタール蒸気を凝縮させ液状タールとし、液状タールをバイオマスにより捕捉させ、充填移動層内でバイオマスに捕捉された液状タールをバイオマスとともに共熱分解し炭化物に転化させる、ことを特徴としている。
 本発明に従ったバイオマス炭化装置においては、温度制御装置は、充填移動層の下部の温度を400℃以上700℃以下に制御し、充填移動層の上部の温度を60℃以上150℃以下に制御することが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化装置においては、温度制御装置は、充填移動層の下部の温度を500℃以上700℃以下に制御し、充填移動層の上部の温度を60℃以上150℃以下に制御することが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化装置においては、炭化炉に供給されるバイオマスが、目開き16mmの篩いを通過する量の割合が60重量%以上の粒径分布であるバイオマスであることが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化装置においては、炭化炉に供給されるバイオマスが、目開き20mmの篩いを通過する量の割合が70重量%以上の粒径分布であるバイオマスであることが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化装置においては、温度制御装置は、充填移動層の上部の温度を計測する上部温度計測手段と、充填移動層の下部の温度を計測する下部温度計測手段と、を備えており、充填移動層の上部で計測された温度と充填移動層の下部で計測された温度とに基づき、充填移動層の下部の温度はタール発生温度以上の所定温度範囲内に、また充填移動層の上部の温度はタール凝縮温度以下の所定の温度範囲となるように、炭化炉へ供給するバイオマスの量、炭化炉へ供給する高温ガスの量及び充填移動層から抜き出す炭化物の量のうち少なくとも一つを制御するように構成出来る。
 本発明に従ったバイオマス炭化装置においては、炭化炉において充填移動層内ではバイオマスが熱分解され炭化物(C)が生成されるとともに可燃性ガスが発生され、炭化炉から可燃性ガスの供給を受けこれを部分燃焼して燃焼ガスを発生する部分燃焼炉と、上記燃焼ガスの少なくとも一部を高温ガスとして上記炭化炉の下部へ供給する高温ガス供給手段とを、さらに備えていることが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化装置においては、充填移動層の上部と下部との間の中部における上方部分の温度を100℃以上300℃以下に制御するとともに下方部分の温度を200℃以上500℃以下に制御する中部温度制御装置をさらに備えることが好ましい。
 本発明に従ったバイオマス炭化装置おいては、中部温度制御装置は、充填移動層の中部に温度調整ガスを供給することにより充填移動層の中部の温度を制御することが好ましい。
 このような本発明に従ったバイオマス炭化方法そしてバイオマス炭化装置によると、炭化炉の上部から供給されたバイオマスは、炭化炉内で充填移動層を形成し自重で降下する間に、炉下部から吹き込まれて上昇する高温ガスと接触して加熱される。バイオマスは、充填移動層の上部で乾燥予熱され、充填移動層の下部で熱分解されて炭化物が生成され、これが灰分とともに炭化炉の下部から排出される。
 充填移動層の下部ではバイオマスが高温ガスにより加熱され、熱分解して炭化物とタール蒸気とガスが生成される。この生成されたタール蒸気は、従来は前記ガスとともに炭化炉から排出されていたが、本発明に従ったバイオマス炭化方法そしてバイオマス炭化装置によると、タール蒸気も炭化物に転化され、バイオマスからの炭化物収率を向上させる。
 このタール蒸気が炭化物に転化されるプロセスの原理は次のごとくである。
 (1).充填移動層の下部で高温ガスによりバイオマスが加熱されると、熱分解されて炭化物が生成するとともに、タール蒸気とガスが発生する。このタール蒸気は上昇する発生ガスと高温ガスに随伴され充填移動層の上部へ上昇する。
 (2).タール蒸気が充填移動層の上部へ達すると、タール蒸気は冷却されて凝縮して液状タールとなり、液状タールはバイオマスに吸着又は吸収され捕捉される。バイオマスは高い比表面積と油分捕捉能(膨潤能)を有しており、液状タールを捕捉することができる。
 (3).充填移動層の上部で液状タールを捕捉したバイオマスは、充填移動層の下部のバイオマスが熱分解され炭化物を生成し生成された炭化物が排出されることにより充填移動層内を順次降下する。
 (4).バイオマスに捕捉された液状タールは充填移動層の下部で高温ガスにより加熱され揮発し、タール蒸気は充填移動層の上部へ上昇する。
 (5).このようにタールが充填移動層内で上昇と下降を、そして揮発と凝縮を繰り返す過程で、バイオマスに捕捉されたタールは高温ガスにより加熱される度にタールの熱分解反応や重合反応が進み、バイオマスとともに共熱分解し炭化物に転化する。タールから生成された炭化物はバイオマスの炭化物の表面に付着している。タールから生成された炭化物はバイオマスの炭化物とともに炭化炉内をさらに下降して排出される。
 従来、タールは炭化炉内で発生した発生ガスとともに炭化炉外へ排出されていた。しかし本発明に従ったバイオマス炭化方法そしてバイオマス炭化装置では、タール蒸気を凝縮させバイオマスに捕捉させて、タールを炭化炉外へ排出させることなく炭化炉内で炭化物とすることができるので、バイオマスからの炭化物収率を増加させることができる。また、本発明に従ったバイオマス炭化方法そしてバイオマス炭化装置では、タールを炭化物に転化させる為に、特別な触媒を使うことなく、特別な反応装置を追加することなく、また、従来の触媒を用いるタールの炭化物転化反応に比べて比較的低温である700℃以下の温度雰囲気でタールを炭化物に転化させることができる。そのため、本発明に従ったバイオマス炭化方法そしてバイオマス炭化装置は、従来に比べ経済的に優れてタールを炭化物に転化させることが出来る。
 また、充填移動層の上部の温度を60℃以上150℃以下に制御することにより、タール蒸気に含まれている沸点が150℃より高い中質油及び重質油を凝縮させてバイオマスに捕捉させることができ、沸点が60℃以下と比較的低い軽質油は蒸気のまま炭化炉から排出させることができる。そのため炭化炉から副生成物として得られる軽質なバイオオイルを燃料及び化学原料として利用することが出来る。
図1は、本発明に従ったバイオマス炭化装置の一実施形態の全体の構成を示す概略図である。 図2の(A)は、図1に示されている本発明に従ったバイオマス炭化装置の一実施形態の炭化炉内の充填移動層内の好適な温度分布を示す図であり;そして、(B)は上記炭化炉内の充填移動層内の好適でない温度分布を示す図である。 図3は、本発明に従ったバイオマス炭化装置の一実施形態の炭化炉の変形例を示す図である。 図4は、本発明に従ったバイオマス炭化装置の一実施形態の炭化炉の別の変形例を示す図である。
 以下、添付の図面を参照しながら、本発明に従ったバイオマス炭化方法そしてバイオマス炭化装置の一実施形態を説明する。
 図1において、参照符号10は本発明に従ったバイオマス炭化方法を実施する為の本発明に従ったバイオマス炭化装置の一実施形態の全体を指摘している。バイオマス炭化装置10は、竪型の炭化炉11と、炭化炉11にバイオマスMを供給するバイオマス供給装置12と、炭化炉11内で発生するガスGに含まれている可燃性ガスを部分燃焼させる部分燃焼炉13と、炭化炉11内の温度を制御する温度制御装置16と、を備えている。
 竪型の炭化炉11の上部、この実施形態では上部の側壁、にバイオマス供給口11A及び発生ガス排出口11Bが設けられており、そして炭化炉11の下部、この実施形態では下端、に炭化物排出口11Cが設けられている。さらに、炭化炉11の下部、この実施形態では下部の側壁、に高温ガス送入口11Dが設けられている。
 バイオマス供給装置12は、炭化炉11の上部の側壁のバイオマス供給口11Aから炭化炉11の内部にバイオマスMを供給する。しかしながら、バイオマス供給装置12では、炭化炉11の上端にバイオマス供給口を設け前記上端のバイオマス供給口から炭化炉11の内部にバイオマスMを供給することも出来る。バイオマス供給装置12は、そこに収集されたバイオマスMを所定の量で切り出し、切り出した処理量のバイオマスMをバイオマス供給口11Aに供給する為にロータリバルブやスクリューフィーダなどを用いることができる。
 バイオマス供給装置12は、温度制御装置16からのバイオマス供給量調整指令にしたがって所定量ずつ炭化炉11へバイオマスMを供給する。炭化炉11内にはバイオマスMの充填移動層Pが形成される。充填移動層Pは、低温の上部でタール凝縮領域Aを形成し、そして高温の下部でタール蒸気発生領域Bを形成する。
 炭化炉11の上部の発生ガス排出口11Bは、気液分離器18に接続されている。気液分離器18は、炭化炉11から排出されたガスGを冷却し、凝縮された液分LとガスG´とに分離する。気液分離器18は、ファン等の送気装置14を経て部分燃焼炉13に接続されている。この部分燃焼炉13は、気液分離器18から送気装置14により送られてきたガスG´に含まれる可燃性ガスを部分燃焼させる。部分燃焼炉13で生じた燃焼ガスは、図示されていない次工程に向け部分燃焼炉13から排出されるが、排出された燃焼ガスの一部分がダンパ15を介して炭化炉11の下部の高温ガス送入口11Dへ送られる。気液分離器18で分離された液分Lにはタールと水が含まれており、このタールを水から分離し、分離したタールをバイオオイルとして燃料や化学原料に利用することができる。
 炭化炉11には、炉内の充填移動層Pの上部そして下部で温度を計測する上部温度計測手段17Aと下部温度計測手段17Bとが設けられている。温度制御装置16は、上部温度計測手段17Aそして下部温度計測手段17Bからの上部温度計測値の信号及び下温度計測値の信号を受けて、これらの信号にもとづき、バイオマス供給装置12によるバイオマス供給量を制御するとともに炭化炉11の下部の高温ガス送入口11Dに対する高温ガス供給量を制御するためにダンパ15の開度を制御する。
 このように構成されている本実施形態のバイオマス炭化装置10では、炭化炉11内に、炭化炉11の上部のバイオマス供給口11Aからバイオマス供給装置12により供給されたバイオマスMが充填移動層Pを形成しており、部分燃焼炉13で生成した燃焼ガスの少なくとも一部である高温ガスHGが炭化炉11の下部の高温ガス送入口11Dへ供給される。炭化炉11内でバイオマスMが充填移動層Pの上部から下部へ下降する間に、バイオマスMは上昇する高温ガスHGとの接触により、まず上部で乾燥・予熱され、下部でさらに加熱され熱分解されて炭化物Cが生成され、炭化物Pは炭化炉11の下端の炭化物排出口11Cから灰分Wとともに排出される。
 バイオマスMが熱分解する際には、炭化物C以外に可燃性ガスを含むガスGとタールが発生する。生じたタールは、炭化炉11内での後述するプロセスでバイオマスMと共熱分解して炭化物Cとなり、タールから生成された炭化物CはバイオマスMから熱分解により直接生成された炭化物Cとともに炭化炉11の下端の炭化物排出口11Cから排出される。また、前述した熱分解によって発生した可燃性ガスを含むガスGは、炭化炉11の上部の発生ガス排出口11Bから送気装置14により部分燃焼炉13に導かれる。
 炭化炉11内でのバイオマスMの熱分解・炭化反応においては、炭化物収率を最大化する条件下においても、ガスGが発生する。このガスGの主成分は水素、一酸化炭素、メタン等の炭化水素であり、可燃性ガスを含み燃料として発熱量をもつ。このガスGを部分燃焼炉13に送り、この部分燃焼炉13で部分燃焼炉13に供給された空気と部分燃焼されて、生じた高温の燃焼ガスの少なくとも一部を炭化炉11へ供給する高温ガスHGとして用いることが望ましい。
 以下、図1に示されているバイオマス炭化装置10に用いられている炭化炉11及びこれに接続されている種々の装置及び手段の動作、そしてこれらにおけるバイオマスMの挙動について詳述する。
 [炭化炉11]
 バイオマス炭化装置10における炭化炉11は竪型炉またはシャフト型炉であり、炭化炉11の上端または側壁の上部からバイオマスMが供給され、供給されたバイオマスMは炭化炉11内に充填移動層Pを形成する。炭化炉11内でバイオマスMが充填移動層Pの上部から下部へ下降する間に熱分解され、炭化物Cが生成される。
 炭化炉11の側壁の下部において、部分燃焼炉13から高温ガスHGの供給を受け、高温ガスHGが炭化炉11の充填移動層P内を上昇する(アップドラフト式)。充填移動層Pに高温ガスHGを流通させることで、降下するバイオマスMに高温ガスHGを接触させて加熱する。供給当初のバイオマスMは充填移動層Pの上部で乾燥されて水分を除去され、バイオマスMが充填移動層Pの上部から下部に下降する過程でも高温ガスHGと接触し続けてさらに加熱され、下部において熱分解されて炭化物Cとタールと可燃性ガスを含むガスGが生成される。
 炭化物Cは炭化炉11の下端に設けられた炭化物排出口11cから排出される。炭化物Cは、例えばスクリューフィーダの如き炭化物排出手段を用いて炭化物排出口11cから切り出されることが好ましい。前述した如く生成された可燃性ガスを含む発生ガスGは、炭化炉11の側壁の上部に設けられた発生ガス排出口11Bから排出される。
 <充填移動層P内でのタールの反応>
 炭化炉11内の充填移動層Pの下部の或る領域BでバイオマスMは、高温ガスHGにより加熱され熱分解されて炭化物Cとタールと可燃性ガスを含むガスGを生成する。充填移動層Pの下部の前記領域Bは、タール蒸気発生領域に相当する。タール蒸気発生領域Bではタール蒸気が発生し、タール蒸気は炭化炉11内を上昇する高温ガスHG及び同様に上昇する前述した如く発生されたガスGに随伴され充填移動層P内を上昇する。上昇したタール蒸気は、充填移動層Pの上部の比較的低い温度の領域Aで冷却され、凝縮して液状(正しくは蒸気よりは大きな液滴粒子状)タールになる。充填移動層Pの上部の前記領域Aは、タール凝縮領域に相当する。このタール凝縮領域で液状タールはバイオマスMに吸着又は吸収され捕捉される。充填移動層Pの下部のタール蒸気発生領域BにおけるバイオマスPの熱分解によるタール蒸気及び炭化物Cの生成と上記下部からの炭化物Cの排出に伴い、充填移動層Pの上部でタールを捕捉したバイオマスMが充填移動層P内を下降する。下降したバイオマスMは充填移動層Pの下部のタール蒸気発生領域Bで再び加熱されタール蒸気が発生する。タール蒸気は、前述した如く上昇する高温ガスHGと前述した如く発生され上昇するガスGに随伴され充填移動層P内を上昇し、充填移動層Pの上部のタール凝縮領域Aに運ばれる。このように、タールが充填移動層P内で上昇と下降を、そしてタール蒸気の発生と凝縮を繰り返す過程で、バイオマスに捕捉されたタールは繰り返し高温ガスHGにより加熱され次第にタールの熱分解反応や重合反応が進み、タールがバイオマスMと共熱分解され炭化物Cに転化する。
 充填移動層Pの下部において、タール蒸気発生領域Bとして温度を所定温度範囲に制御する領域の位置は、充填移動層Pの底から充填移動層Pの全体高さの10%程度上方の位置から40%程度上方の位置までの範囲とするのが好ましい。また、充填移動層Pの上部において、タール凝縮領域Aとして温度を所定温度範囲に制御する領域の位置は、充填移動層Pの上端から充填移動層Pの全体高さの30%程度下方の位置から50%程度下方の位置までの範囲とするのが好ましい。
 充填移動層Pの下部においてタール蒸気発生領域Bとして温度を所定温度範囲に制御する領域の位置及び充填移動層Pの上部においてタール凝縮領域Aとして温度を所定温度範囲に制御する領域の位置を、上記のように定める根拠は、以下のとおりである。すなわち、タール蒸気発生領域Bとして温度を所定温度範囲に制御する領域の位置が、上記のように定める範囲より下方に外れると、タール蒸気の発生が十分に行われず、上方に外れると、バイオマスMがガスGに熱分解される比率が多くなり炭化物の生成量が減少するため好ましくない。また、タール凝縮領域Aとして温度を所定温度範囲に制御する領域の位置が、上記のように定める範囲より下方に外れると、タールの凝縮が十分に行われず、タール蒸気のままでいる量が多くなり好ましくないからである。
 <高温ガスHGの供給手段>
 炭化炉11で発生したガスGは、気液分離器18で凝縮された液分Lと分離されガスG´として送気装置14により部分燃焼炉13に導かれる。気液分離器18を通った後に部分燃焼炉13に供給された前記ガスG´は、部分燃焼炉13で供給された空気と部分燃焼されて燃焼ガスを生成し、この燃焼ガスの少なくとも一部が、高温ガスHGとしてダンパ15を介し炭化炉11の下部、この実施形態では炭化炉11の側壁の下部、の高温ガス送入口11Dに送られる。
 高温ガス送入口11Dは炭化炉11の下部、この実施形態では炭化炉11の側壁の下部に、周方向に相互に等間隔に離間して配置された複数のノズルであることが好ましい。
 ダンパ15は部分燃焼炉13から炭化炉11へ供給する高温ガスHGの供給量を調整する。
 <炭化炉11内のガス流速>
 前述した如く炭化炉11の下部に供給された高温ガスHGは、炭化炉11内の充填移動層Pの下部でのバイオマスMの熱分解により生じるガスGとともに充填移動層P内を上昇するが、炭化炉11内のこれ等のガスの流速を適切な範囲とすることが必要である。ガス流速の調整は高温ガスHGの供給量を調整して行う。
 このガス流速が大きすぎると充填移動層Pを通過する前記ガスの圧力損失が大きくなりすぎるため、送気装置14の負荷が大きくなりすぎる。また、供給されたバイオマスMのうちの微粒が前記ガスにより炭化炉11内の上部に吹き上げられて炭化炉11内から発生ガス排出口11Bを介して排出され、その結果、バイオマスMを原料とした炭化物収率が低下する。
 とはいうものの前記ガス流速が小さすぎると、炭化炉11内の前記ガスの流れを均一にすることが難しくなる。
 そのため、前記ガス流速(線速度)を0.02Nm/sec以上で0.5Nm/sec未満とするように、高温ガス供給量を調整する。
 <炭化炉11内の温度>
 炭化炉11内に供給する高温ガスHGの条件(温度、供給量)、炭化炉11内に供給するバイオマスMの条件(種類、供給量)及び炭化炉11内から排出する炭化物Cの排出量を調整することにより、炭化炉11内における充填移動層Pの温度を好ましい範囲に調整することが出来る。この実施形態においてはバイオマス供給量と炭化物排出量とを調整することにより充填移動層P内におけるバイオマスMの移動速度が調整される。
 本発明の実施形態において充填移動層Pの温度とは、充填移動層Pに含まれている固体(バイオマスM、炭化物C)、気体(高温ガスHG、バイオマスMからの発生ガスG、タール蒸気)、液体(凝縮タール)の総合的な温度であり、充填移動層P内に設置した熱電対等の温度計測器による測定値を充填移動層Pの温度としてよい。
 充填移動層Pの下部の温度は400℃以上700℃以下に、好ましくは500℃以上700℃以下に、最も好ましくは500℃以上600℃以下に、制御する。充填移動層Pの下部の温度が上記下限値(400℃)より低いと前記下部におけるバイオマスMの熱分解、タール蒸気の発生が十分に進まず、また、バイオマスMの炭化とタールの炭化も進まず、炭化物収率が低くなる。また、充填移動層Pの下部の温度が上記上限値(700℃)より高いと前記下部におけるバイオマスMの熱分解反応が生成される炭化物の量の割にはガスGの発生の多い反応となり炭化物の収率が低下する。さらに充填移動層Pの下部の温度を上記上限値(700℃)より高くすることによって炭化炉11及びそれに付随する前述した如き種々の装置や手段の製造費用や運転費用が高くなる。
 充填移動層Pの上部の温度は60℃以上150℃以下に制御する。充填移動層Pの上部の温度が上記下限値(60℃)より低いと前記上部におけるバイオマスMの乾燥が十分に進まず充填移動層Pから水分が十分に排出されなくなる。また、充填移動層Pの上部の温度が上記上限値(150℃)より高いと充填移動層Pの上部でタールの凝縮が十分に行われず、タール蒸気が炭化炉11内を前述した如く上昇してきた前記ガスとともに炭化炉11内から発生ガス排出口11Bを介し排出されるため、タールを原料とした炭化物収率が低くなる。
 また、充填移動層Pの上部の温度を60℃以上150℃以下に制御することにより、タール蒸気に含まれる沸点が150℃より高い中質油及び重質油を凝縮させることが出来る。これら凝縮された中質油及び重質油はバイオマスMに捕捉させることができる。タール蒸気に含まれる沸点が中質油及び重質油より低い軽質油を蒸気のまま炭化炉11内から発生ガス排出口11Bを介し排出することができる。この軽質油の蒸気は、前述した如く充填移動層Pの下部のバイオマスMから生成され前記上部に上昇してきたガスGとともに、炭化炉11内から発生ガス排出口11Bを介し気液分離器18に送られ、前記ガスGとともに気液分離器18により気液分離され、分離された液分Lに軽質油が含まれる。この液分Lから水を分離して得られる副生成物がバイオオイルと呼ばれるが、重質な成分を含まず軽質化されており、加熱時に残渣を殆ど生成しないので、燃料及び化学原料として有用である。
 <充填移動層P内の好ましい温度分布>
 充填移動層Pの上部のタール凝縮領域Aと下部のタール蒸気発生領域Bとのそれぞれの領域内での温度変化は出来る限り小さく、また前記夫々の高さ方向範囲はできるだけ大きくすると、夫々の領域でのタール凝縮反応及びタール蒸気発生反応を促進させることが出来る。
 したがって、充填移動層P内の温度分布は、図2(A)に斜線で示す範囲になることが好ましい。図2の(A)に斜線で示されている温度分布範囲では、充填移動層Pの下部の温度が400℃以上700℃以下に制御され、充填移動層Pの上部の温度は60℃以上150℃以下に制御されていて、充填移動層Pの中部の上方部分の温度は100℃以上300℃以下に前記中部の下方部分の温度は200℃以上500℃以下に制御することが好ましい。
 図2の(B)の実線1により示す温度分布ではタール凝縮領域Aが少なく、実線2により示す温度分布ではタール蒸気発生領域Bが少なくなる。
 [温度制御装置16]
 炭化炉11内の充填移動層Pの温度分布を図2の(A)に示すような好ましい温度分布とするように、温度制御装置16は、図1中に示されている如く、充填移動層Pの上部の温度を計測する上部温度計測手段17Aと、充填移動層Pの下部の温度を計測する下部温度計測手段17Bとを備えている。上部温度計測手段17Aは充填移動層Pの上部に充填移動層Pの上部の平均温度を測定できるよう配置された複数の温度センサを含んでおり、また上部温度計測手段17Aは充填移動層Pの下部に充填移動層Pの下部の平均温度を測定できるよう配置された複数の温度センサを含んでいる。上部温度計測手段17A及び下部温度計測手段17Bは図1中に示されている如く温度制御装置16に計測した温度の値の信号を送る。
 前述した如く、炭化炉11内に供給する高温ガスHGの条件(温度、供給量)、炭化炉11内に供給するバイオマスMの条件(種類、供給量)及び炭化炉11内から排出する炭化物Cの排出量を調整することにより、炭化炉11内における充填移動層Pの温度を好ましい範囲に調整することが出来る。
 この実施形態の温度制御装置16はこのように計測された充填移動層Pの上部の温度と充填移動層Pの下部の温度とに基づき、充填移動層Pの上部と下部の温度分布を図2の(A)に示すような好ましい温度分布とするように、バイオマス供給装置12、高温ガス供給の為のダンパ15、そして炭化物排出口11cの前述した図示されていない炭化物排出手段の少なくとも1つの動作を制御して、炭化炉11へ供給するバイオマス供給量、炭化炉11へ供給する高温ガス供給量及び炭化炉11からの炭化物排出量のうち少なくとも一つを制御する。
 バイオマス供給量の制御は、バイオマス供給装置12によるバイオマス切出量を調整したり、バイオマス供給に用いられるロータリバルブやスクリューフィーダなどの回転数やバイオマス供給装置12から炭化炉11の上部の側壁のバイオマス供給口11Aまでのバイオマス供給路に設けられたダンパの開度を調整することにより行われる。高温ガス供給量の制御は、部分燃焼炉13から炭化炉11の下部の側壁の高温ガス送入口11Dまでの間の高温ガス供給ラインに設けたダンパ15の開度を調整することにより行われる。炭化物排出量の制御は、炭化炉11の炭化物排出口11Cに設けられている例えばスクリューフィーダの如き炭化物排出手段により炭化物排出量を調整することにより行われる。
 炭化炉11内の充填移動層Pに対する詳細な温度制御の手順を以下に説明する。
・充填移動層Pの上部の温度が前述した所定範囲より低い場合には、バイオマス供給量の減少、高温ガス供給量の増加及び炭化物排出量の減少のうち少なくとも一つの制御を行う。
・充填移動層Pの上部の温度が前述した所定範囲より高い場合には、バイオマス供給量の増加、高温ガス供給量の減少及び炭化物排出量の増加のうち少なくとも一つの制御を行う。
・充填移動層Pの下部の温度が前述した所定範囲より低い場合には、バイオマス供給量の減少、高温ガス供給量の増加及び炭化物排出量の減少のうち少なくとも一つの制御を行う。
・充填移動層Pの下部の温度が前述した所定範囲より高い場合には、バイオマス供給量の増加、高温ガス供給量の減少及び炭化物排出量の増加のうち少なくとも一つの制御を行う。
 <充填移動層Pの中部の温度制御>
 前述した如く、充填移動層P内での上部のタール凝縮領域Aと下部のタール蒸気発生領域Bとのそれぞれの領域内での温度変化は出来る限り小さく、また前記夫々の高さ方向範囲はできるだけ大きくすると、夫々の領域でのタール凝縮反応及びタール蒸気発生反応を促進させることが出来る。その為には、炭化炉11内の充填移動層P内の温度分布を図2(A)に斜線で示す範囲にすることが好ましい。そのためには、充填移動層Pの下部の温度を400℃以上700℃以下とし、充填移動層Pの上部の温度を60℃以上150℃以下とするとともに、充填移動層Pの中部の上方部分の温度を100℃以上300℃以下に、前記中部の下方部分の温度を200℃以上500℃以下にすることが好ましい。
 図1を参照しながら前述したこの発明の一実施形態に従ったバイオマス炭化装置10において炭化炉11内の充填移動層Pの中部の上方部分の温度をより適切に制御する為の変形例について図3を参照しながら以下に詳述する。
 この変形例においては、炭化炉11の充填移動層Pの中部Nに対応する炭化炉11の側壁の中部に中部温度調整ガス送入口11Eが設けられていて、中部温度調整ガス供給装置19から中部温度調整ガスを中部温度調整ガス送入口11Eを介して充填移動層Pの中部Nに供給し、充填移動層Pの中部Nにおける上方部分の温度を制御する。充填移動層Pの中部Nの上方部分と下方部分に対応する炭化炉11の側壁の中部の上方部分と下方に充填移動層Pの中部Nの上方部分と下方部分の温度を計測する中部上方及び下方温度計測手段20A,20B(図1を参照して前述した上部及び下部温度計測手段17A及び17Bの夫々と同様に公知の複数の温度センサを含む)が設けられていて、中部上方及び下方温度計測手段20A,20Bは夫々が計測した中部上方温度計測値及び中部下方温度計測値に対応した信号を中部温度制御装置21に送る。中部温度制御装置21は、中部上方温度計測値及び中部下方温度計測値に基づき中部温度調整ガス供給装置19を制御して、炭化炉11の側壁の中部の中部温度調整ガス送入口11Eを介し充填移動層Pの中部Nに供給する中部温度調整ガスの温度、成分(酸素濃度)及び供給量のうち少なくとも一つを調整して充填移動層Pの中部Nの上方部分の温度を制御する。
 充填移動層Pの中部Nのうち上方部分の温度を低下させる場合には、中部温度調整ガス供給装置19から中部温度調整ガスとして無酸素又は低酸素濃度(1vol%以下)の低温(例えば200℃以下)のガスを中部温度調整ガス送入口11Eを介して充填移動層Pの中部Nに供給する。無酸素又は低酸素濃度の低温ガスとしては、例えば図1を参照しながら前述した如く炭化炉11内の充填移動層Pの下部におけるバイオマスMの熱分解で発生し発生ガス排出口11Bから排出されたガスGを部分燃焼炉13で空気比1以下となるようにして部分燃焼させた500℃~1000℃の高温の燃焼ガスHGの一部を図示されていない冷却塔に導き例えば水スプレーなどにより冷却したガスを用いることができる。
 充填移動層Pの中部のうち上方部分の温度を低下させる場合、上記とは別に、以下の制御方法を用いてもよい。この別の制御方法においては中部温度調整ガスとして、上記のような無酸素又は低酸素濃度の低温ガスに、例えば図1を参照しながら前述した如く炭化炉11内の充填移動層Pの下部におけるバイオマスMの熱分解で発生し発生ガス排出口11Bから排出されたガスGから気液分離器18で分離された液分Lに含まれていて回収したタールを混合したガスを使用する。中部温度調整ガス中にタールを混合して充填移動層Pの中部に供給することにより、充填移動層Pの中部の温度制御とともに中部温度調整ガス中のタールを前述した如く炭化炉11内の充填移動層Pの下部におけるバイオマスMの熱分解で発生したタール蒸気と同様に炭化物Cに転化させこの変形例の炭化炉11における炭化物収率を図1を参照して前述した一実施形態に従った炭化炉11における炭化物収率よりもさらに向上させることができる。
 充填移動層Pの中部のうち上方部分の温度を上昇させる場合には、中部温度調整ガスとして無酸素又は低酸素濃度(1vol%以下)の高温(例えば500~1000℃)のガスを中部温度調整ガス送入口11Eを介して充填移動層Pの中部Nに供給する。無酸素又は低酸素濃度の高温ガスとしては、例えば図1を参照しながら前述した如く炭化炉11内の充填移動層Pの下部におけるバイオマスMの熱分解で発生し発生ガス排出口11Bから排出されたガスGを部分燃焼炉13で空気比1以下となるようにして部分燃焼させた500℃~1000℃の高温の燃焼ガスHGの一部を用いることができる。
 充填移動層Pの中部のうち上方部分の温度を上昇させる場合に、上記とはさらに別の以下の制御方法を用いてもよい。このさらに別の制御方法においては、中部温度調整ガス供給装置19から中部温度調整ガスとして酸素を含むガス、例えば空気を中部温度調整ガス送入口11Eを介して充填移動層Pの中部Nに供給する。酸素を含む中部温度調整ガスを充填移動層Pの中部に供給し、炭化炉11内の充填移動層Pの下部におけるバイオマスMの熱分解で発生したガスGに含まれている可燃性ガスを充填移動層Pの中部において燃焼させて、その燃焼熱で充填移動層Pの中部のうち上方部分の温度を上昇させる。
 しかしながら酸素を含むガスをこのように供給する場合、充填移動層Pの中部のうち上方部分の温度が300℃を超えないように酸素を含むガスの供給量を制御しなければならない。前記上方部分の温度が300℃を超えると充填移動層P内の上部のタール凝縮領域Aの高さが小さくなり、タール凝縮領域Aにおけるタール凝縮量が少なくなり、タールからの炭化物収率が低下する。
 さらに、充填移動層Pの中部の温度の制御は、図4に示す別の変形例でも行うことができる。この別の変形例について、図4を参照しながら以下に説明する。
 図4に示された別の変形例では、図3の炭化炉11において、下部の高温ガス送入口11Dより下方で炭化物排出口11Cよりは上方に、前記下部で生成された炭化物Cを冷却する為の炭化物冷却領域Dが形成されている。炭化物冷却領域Dに対応した炭化炉11の側壁の部分に設けた炉内ガス排出口11Fから炭化炉11内のガスGを抜き出し、抜き出したガスGを冷却手段22に導き例えば水スプレーにより冷却する。冷却後のガスGは、送風機23を介し、炭化物冷却領域Dに対応した炭化炉11の側壁の部分において炉内ガス排出口11Fよりも下方に設けられた冷却ガス送入口11Gから炭化物冷却領域Dに供給され、前記下部で生成された炭化物Cを炭化物排出口11Cに到達するまでに冷却する。冷却後のガスGの温度は200℃以下とすることが好ましく、100℃以下とすることがより好ましい。冷却後のガスGの一部を中部温度調整ガスとして中部温度調整ガス送入口11Eを介し充填移動層Pの中部Nに供給し、充填移動層Pの中部Nのうち上方部分の温度を低下させるように制御することも出来る。
 <炭化炉11内の雰囲気>
 炭化炉11内の雰囲気の酸素濃度は1vol%以下にすることが好ましい。雰囲気の酸素濃度が1vol%より高いとバイオマスMが燃焼して、熱分解されず炭化物収率が低くなる。
 <炭化炉11内の充填移動層Pの高さ>
 炭化炉11内の充填移動層Pの高さ(層高)を所定範囲とすることが好ましい。層高が小さいとタール蒸気が充填移動層Pの上部で凝縮し上記上部のバイオマスMに十分付着するのに十分な領域が確保できない。このため、前述した如く凝縮されずに充填移動層Pから吹き抜けたタール蒸気が、充填移動層Pの下部のバイオマスMから熱分解により生成され充填移動層P中を上昇してきたガスGに随伴され炭化炉11から発生ガス排出口11Bを介し排出されてしまい、炭化炉11の炭化物収率が低下する。このような現象の発生を阻止するため、充填移動層Pの層高を2m以上とすることが適当である。しかしながら、充填移動層Pの層高が大きすぎると充填移動層Pを通過するガスGの圧力損失が大きくなりすぎ、炭化炉11の継続的な運転に支障が生じる。そのため、前記層高は8m未満とすることが適当である。
 [部分燃焼炉13]
 部分燃焼炉13は、炭化炉11の充填移動層Pの下部のバイオマスMから熱分解により生成され充填移動層P中を上昇し炭化炉11から発生ガス排出口11Bを介し排出された可燃性ガスを含むガスGが気液分離器18を介して送られてきた後の可燃性ガスを含むガスG´に対して空気比1以下となるように空気を供給し、部分燃焼させて、500℃~1000℃の高温の燃焼ガスを発生させる。この高温の燃焼ガスの少なくとも一部は前述した如くダンパ15を介し炭化炉11の下部の高温ガス送込口11Dに供給する高温ガスHGとして用いられる。ここで、空気比とは可燃性ガスの燃焼に必要な理論空気量に対する実際に供給する空気量の比率をいう。
 [バイオマスM]
 熱分解して炭化物Cを生成するバイオマスMとして、木屑(木材チップ)、籾殻、アブラヤシ(パームヤシ)からパーム油を採取する際に生じる副生物(アブラヤシバイオマス)を用いることが好ましい。アブラヤシバイオマスには、アブラヤシ果房の数百個の直径数cmの小粒の果実を脱果した空果房(Empty Fruit Bunch, EFB)、アブラヤシ古木(Trunk)、果実から搾油した搾粕(Palm Kernel Shell,PKS)が含まれる。
 チップ状や粒子状に破砕されたバイオマスMを用いることができ、また、破砕したバイオマスMを加圧等により所望の寸法にした造粒物を用いることもできる。バイオマス造粒物からは所望の粒度の炭化物を得ることができ、取扱いや利用に便利である。
 [バイオマスMの好ましい粒径]
 凝縮したタールを捕捉しやすいバイオマスMとしては、粒径が小さいバイオマス粒子であることが望ましい。バイオマスMの粒径が小さいと、凝縮した液状タールがバイオマスMに吸着又は吸収される割合が高くなる。目開き16mmの篩いにより分級して篩い通過量の割合が60重量%以上となる粒径分布であるバイオマスMが好ましい。また、目開き20mmの篩いにより分級して篩い通過量の割合が70重量%以上の粒径分布であるバイオマスMが好ましい。
 また、凝縮した液状タールを捕捉しやすいバイオマスMとしては、体積あたりの表面積の比である比表面積がある一定値より大きいことが好ましい。ここで、表面積は幾何学的表面積のことであり、ガス吸着法(BET法)などで測定されるミクロレベルの凹凸まで含まれる表面積ではなく、物体の形状を測定した数値により計算した表面積である。
 バイオマスMの比表面積が、ある値より大きいと、バイオマスMに液状タールが吸着又は吸収されやすいため好ましい。具体的には、バイオマスMの比表面積(幾何学的表面積/幾何学的体積)が0.5mm-1 より大きいものが好ましい。 例えば、50mm×100mm程度の大きな木の塊では比表面積が0.15mm-1より小さい値となり、不適である。PKSは粒径が4mm程度であり。比表面積が2mm-1であり、EFBは繊維状なので比表面積が3mm-1程度であり、それぞれ好ましい比表面積であり、本発明に用いるバイオマスMとして好適である。
 [炭化炉11内の温度とバイオマスMの水分率の関係]
 充填移動層Pの上部でタール凝縮を行わせる60℃~150℃程度の温度のタール凝縮領域を存在させるために、バイオマス供給装置12から供給されるバイオマスMの含水率はある程度以上であることが好ましい。バイオマスMの含水率が10重量%以上であると、充填移動層Pの上部でバイオマスMの水分除去のために高温ガスHGの熱エネルギーが適度に用いられ、上部の温度を60~150℃程度の温度に制御することが容易にできるので、好ましい。しかしながら、含水率が高すぎるとバイオマスMの乾燥のために高温ガスHGの熱エネルギーが過剰に使われ、バイオマスMの熱分解、炭化のための熱エネルギーが不足するため、含水率は50重量%以下とすることが好ましい。したがって、バイオマス供給装置12から供給されるバイオマスMの含水率は10重量%以上50重量%以下であることが好ましい。
 <実施例1-1>
 図1に示すバイオマス炭化装置10を用いて、バイオマス炭化試験を実施した。炭化炉11は竪型円筒状で内径は0.3mであり、炭化炉11内の充填移動層Pの高さは4mである。炭化炉11の上部のバイオマス供給口11AにバイオマスMとしてカラマツの細粒物を供給した。カラマツの細粒物は、目開き16mm篩い下通過量の割合が95%であり、水分率12重量%である。カラマツの細粒物を40kg/時間の供給量で炭化炉11に供給し炭化炉11内に充填移動層Pを形成した。炭化炉11の下部の高温ガス送入口11Dに高温ガスHGを30Nm/hrの供給量(ガス流速は0.12Nm/sec)で供給し、充填移動層Pの上部の温度を80℃に、充填移動層Pの下部の温度を500℃に調整し、炭化物Cを生成した。
 炭化物収率(炭化物乾燥重量/原料バイオマス乾燥重量)と生成された炭化物Cの性状が下記の表1に示されている。充填移動層Pの下部でバイオマスMの熱分解によるタール蒸気の発生及び炭化物Cの生成が行われ、充填移動層Pの上部でタール蒸気の凝縮とバイオマスMによる凝縮されたタールの捕捉が行われる。充填移動層Pの上部で凝縮されたタールを捕捉したバイオマスMは、充填移動層Pの下部のバイオマスMが炭化され炭化物排出口11Cから順次排出されるのに伴い充填移動層Pの内部を下降し、充填移動層Pの下部でバイオマスMとともに捕捉したタールが熱分解されて炭化物Cとなる。充填移動層Pの下部では、バイオマスMととともにバイオマスMから発生されたタールをも炭化物Cとすることができ、炭化物収率は41重量%であり、後述する比較例1に比べて炭化物収率を向上させることができた。炭化物C中の固定炭素は81重量%であり、発電や製鉄に使用できる石炭(微粉炭)と同程度であり、炭化物Cの品質上も優れている。一方、液体収率(液体重量/原料バイオマス重量)は48重量%であった。
 <実施例1-2>
 バイオマスMとしてカラマツの木片を供給すること以外は、実施例1-1と同様の条件で、実施例1-2としてバイオマス炭化試験を実施した。カラマツの木片は、目開き16mm篩い下通過量の割合が40%であり、水分率12重量%である。炭化物収率、炭化物の性状が下記の表1に示されている。炭化物収率は37重量%であり、液体収率は52重量%であった。バイオマスMの粒子径が実施例1-1に比べて大きいため、充填移動層Pの上部で凝縮されたタール蒸気がバイオマスMにより捕捉される割合が少なくなり、タール蒸気のまま炭化炉11の上部の発生ガス排出口11Bから排出される量が多くなる。従って、充填移動層Pの下部でタールから生成される炭化物量が少なくなり充填移動層Pの下部でバイオマスMから生成される炭化物Cと合わせた炭化物収率が実施例1-1に比べて低いが、下記の比較例1に比べて炭化物収率を向上させることができた。
 <比較例1>
 充填移動層Pの高さを1mとし、高温ガスHGの供給量を60Nm/hrとし、炭化炉11内の充填移動層Pの上部の温度を300℃に調整した以外は、実施例1-1と同様の条件で、比較例1としてバイオマス炭化試験を実施した。炭化物収率、炭化物Cの性状が下記の表1に示されている。炭化物収率は34重量%であり、液体収率は55重量%であった。充填移動層Pの高さを1mとし、充填移動層Pの上部の温度を300℃としたので、充填移動層Pの上部でタール蒸気の凝縮は起こらず、タール蒸気は炭化炉11の上部の発生ガス排出口11Bから排出され気液分離器18で液体分の一部として回収されるため、タール蒸気からの炭化物Cが生成されにくかった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 <実施例2-1>
 実施例1-1と同様のバイオマス炭化装置10を用いて、バイオマス炭化試験を実施した。炭化炉11内の充填移動層Pの高さは4mである。炭化炉11の上部にバイオマスMとしてサクラの細粒物を供給する。サクラの細粒物は、目開き16mm篩い下通過量の割合が60%であり、水分率22重量%である。サクラの細粒物を炭化炉11の上部に40kg/時間の供給量で供給し炭化炉11内に充填移動層Pを形成し、炭化炉11の下部に高温ガスHGを35Nm/hrの供給量(ガス流速は0.14Nm/sec)で供給し、充填移動層Pの上部の温度を80℃に、充填移動層Pの下部の温度を500℃に調整し、充填移動層Pの下部で炭化物Cを生成した。
 炭化物収率(炭化物乾燥重量/原料バイオマス乾燥重量)と炭化物Cの性状が下記の表2に示されている。充填移動層Pの下部でバイオマスMの熱分解によるタール蒸気の発生及び炭化物Cの生成が行われ、充填移動層Pの上部でタール蒸気の凝縮と凝縮されたタールのバイオマスMによる捕捉が行われる。充填移動層Pの上部で凝縮されたタールを捕捉したバイオマスMは、充填移動層Pの下部のバイオマスMが炭化され炭化物排出口11Cから順次排出されるのに伴い充填移動層Pの内部を下降し、充填移動層Pの下部でバイオマスMとともに捕捉したタールが熱分解されて炭化物Cとなる。充填移動層Pの下部では、バイオマスMととともにバイオマスMから発生されたタールをも炭化物Cとすることができ、炭化物収率は36重量%であり、後述する比較例2に比べて炭化物収率を向上させることができた。炭化物C中の固定炭素は81重量%であり、炭化物Cの品質上も優れている。一方、液体収率は51重量%であった。
 <実施例2-2>
 バイオマスMとしてサクラの木片を用いた以外は、実施例2-1と同様の条件で、実施例2-2としてバイオマス炭化試験を実施した。サクラの木片は、目開き16mm篩い下通過量の割合が40%であり、水分率22重量%である。炭化物収率、炭化物の性状が下記の表2に示されている。炭化物収率は34重量%であり、液体収率は54重量%であった。バイオマスMの粒子径が実施例2-1に比べて大きいため、充填移動層Pの上部で凝縮されたタール蒸気がバイオマスMにより捕捉される割合が少なくなり、タール蒸気のまま炭化炉11の上部の発生ガス排出口11Bから排出される割合が多くなる。従って、充填移動層Pの下部でタールから生成される炭化物Cの量が少なくなり充填移動層Pの下部でバイオマスMから生成される炭化物Cと合わせた炭化物収率が実施例2-1に比べて低いが、下記の比較例2に比べて炭化物収率を向上させることができた。
 <比較例2>
 充填移動層Pの高さを1mとし、高温ガスHGの供給量を60Nm/hrとし、炭化炉11内の充填移動層Pの上部の温度を300℃に調整した以外は、実施例2-1と同様の条件で、比較例2としてバイオマス炭化試験を実施した。炭化物収率、炭化物Cの性状が下記の表2に示されている。炭化物収率は32重量%であり、液体収率は55重量%であった。充填移動層Pの高さを1mとし、充填移動層Pの上部の温度を300℃としたので、充填移動層Pの上部でタールの凝縮は起こらず、タール蒸気は炭化炉11の上部の発生ガス排出口11Bから排出され気液分離器18で液体分の一部として回収されるため、タール蒸気からの炭化物Cが生成されにくかった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 <実施例3>
 実施例1-1と同様のバイオマス炭化装置10を用いて、バイオマス炭化試験を実施した。炭化炉11内の充填移動層Pの高さは4mである。炭化炉11の上部にバイオマスMとしてPKSの細粒物を供給する。PKSの細粒物は目開き16mm篩い下通過量の割合が90%であり、水分率13重量%である。PKSの細粒物を炭化炉11の上部に70kg/時間の供給量で供給し充填移動層Pを形成し、炭化炉11の下部に高温ガスHGを45Nm/hrの供給量(ガス流速は0.18Nm/sec)で供給し、充填移動層Pの上部の温度を80℃に、充填移動層Pの下部の温度を580℃に調整し、充填移動層Pの下部で炭化物Cを生成した。
 炭化物収率(炭化物乾燥重量/原料バイオマス乾燥重量)と生成された炭化物Cの性状が下記の表3に示されている。充填移動層Pの下部でバイオマスMの熱分解によるタール蒸気の発生及び炭化物Cの生成が行われ、充填移動層Pの上部でタール蒸気の凝縮とバイオマスMによる凝縮されたタールの捕捉が行われる。充填移動層Pの上部で凝縮されたタールを捕捉したバイオマスMは、充填移動層Pの下部のバイオマスMが炭化され炭化物排出口11Cから順次排出されるのに伴い充填移動層Pの内部を下降し、充填移動層Pの下部でバイオマスMとともに捕捉したタールが熱分解されて炭化物Cとなる。充填移動層Pの下部では、バイオマスMととともにバイオマスMから発生されたタールをも炭化物Cとすることができ、炭化物収率は41重量%であり、後述する比較例3に比べて炭化物収率を向上させることができた。炭化物中の固定炭素は86重量%であり、炭化物の品質上も優れている。一方、液体収率は45重量%であった。
 <比較例3>
 充填移動層Pの高さを1mとし、高温ガスHGの供給量を80Nm/hrとし、炭化炉11内の充填移動層Pの上部の温度を300℃に調整した以外は、実施例3と同様の条件で、比較例3としてバイオマス炭化試験を実施した。炭化物収率、炭化物Cの性状が下記の表3に示されている。炭化物収率は35重量%であり、液体収率は50重量%であった。充填移動層Pの高さを1mとし、充填移動層Pの上部の温度を300℃としたので、充填移動層Pの上部でタールの凝縮は起こらず、タール蒸気は炭化炉11の上部の発生ガス排出口11Bから排出され気液分離器18で液体分の一部として回収されるため、タール蒸気からの炭化物Cが生成されにくかった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 <実施例4>
 実施例1-1と同様のバイオマス炭化装置を用いて、バイオマス炭化試験を実施した。炭化炉11内の充填移動層Pの高さは4mである。炭化炉11の上部にバイオマスMとしてEFB(Empty Fruit Bunch)の造粒物を供給する。EFBの造粒物は、EFBを破砕した後、造粒機で加圧造粒したもので、目開き16mm篩い下通過量の割合が60%であり、水分率は21重量%である。EFBの造粒物を炭化炉11の上部に40kg/時間の供給量で供給し充填移動層Pを形成し、炭化炉11の下部に高温ガスHGを35Nm/hrの供給量(ガス流速は0.14Nm/sec)で供給し、充填移動層Pの上部の温度を80℃に、充填移動層Pの下部の温度を500℃に調整し、充填移動層Pの下部で炭化物Cを生成した。
 炭化物収率(炭化物乾燥重量/原料バイオマス乾燥重量)と生成された炭化物Cの性状が下記の表4に示されている。充填移動層Pの下部でバイオマスMの熱分解によるタール蒸気の発生及び炭化物Cの生成が行われ、充填移動層Pの上部でタール蒸気の凝縮とバイオマスMによる凝縮されたタールの捕捉が行われる。充填移動層Pの上部で凝縮されたタールを捕捉したバイオマスMは、充填移動層Pの下部のバイオマスMが炭化され炭化物排出口11Cから順次排出されるのに伴い充填移動層Pの内部を下降し、充填移動層Pの下部でバイオマスMとともに捕捉したタールが熱分解されて炭化物Cとなる。充填移動層Pの下部では、バイオマスMととともに、バイオマスMから発生されたタールをも炭化物Cとすることができ、炭化物収率は34重量%であり、後述する比較例4に比べて炭化物収率を向上させることができた。炭化物中の固定炭素は78重量%であり、炭化物の品質上も優れている。一方、液体収率は52重量%であった。
 <比較例4>
 充填移動層Pの高さを1mとし、高温ガスHGの供給量を60Nm/hrとし、炭化炉11内の充填移動層Pの上部の温度を300℃に調整した以外は、実施例4と同様の条件で、比較例4としてバイオマス炭化試験を実施した。炭化物収率、炭化物Cの性状が下記の表4に示されている。炭化物収率は29重量%であり、液体収率は56重量%であった。充填層高さを1mとし、充填移動層Pの上部の温度を300℃としたので、充填移動層Pの上部でタールの凝縮は起こらず、タール蒸気は炭化炉11の上部の発生ガス排出口11Bから排出され気液分離器18で液体分の一部として回収されるため、タール蒸気から炭化物Cが生成されにくかった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 前述した種々の実施例のように充填移動層Pの上部と下部の夫々の温度を所定温度範囲とするように制御すれば、充填移動層Pの下部でバイオマスMからタール蒸気を発生させ、充填移動層Pの上部でタール蒸気を凝縮して液状タールとした後に液状タールをバイオマスMにより捕捉させ、そして、液状タールを捕捉したバイオマスMを充填移動層P内で下部に向かい下降させることができる。このようなタールの蒸発と凝縮とが繰り返えされる過程で、タールの熱分解反応や重合反応を進ませタールを炭化物に転化させることが出来る。バイオマスMを熱分解して炭化物Cを得ることが出来るとともに、熱分解したバイオマスMから生成されたタールからも炭化物Cを得ることが出来るので、バイオマスMから高い収率で炭化物Cを得ることができ、バイオマスMからの炭化物収率を増加させることができることを確認した。
 [バイオマスからの炭化物収率の増加方法]
 本発明に従ったバイオマス炭化方法及びバイオマス炭化装置について述べたが、本発明をバイオマスからの炭化物収率の増加方法の観点から以下に記載する。本発明のバイオマス炭化物収率の増加方法は、炭化炉の上部からバイオマスを供給して炭化炉内に炭化炉内を下降するバイオマスの充填移動層を形成し、炭化炉の下部から高温ガスを供給し高温ガスをバイオマスと接触させてバイオマスを熱分解して炭化物を生成するバイオマス炭化プロセスにおける、バイオマス原料重量に対する炭化物の生成量である炭化物収率を増加させるバイオマス炭化物収率の増加方法であって:充填移動層の下部の温度をバイオマスを熱分解してタール蒸気を発生させるタール発生温度以上に制御し;充填移動層の上部の温度をタール蒸気を凝縮させるタール凝縮温度以下に制御し;充填移動層の下部にてバイオマスを熱分解して炭化物を生成させるとともにタール蒸気を発生させ;充填移動層の上部にて充填移動層の下部から上昇したタール蒸気を凝縮させ液状タールとし、液状タールをバイオマスにより捕捉させ;充填移動層内でバイオマスに捕捉された液状タールをバイオマスとともに共熱分解し炭化物に転化させることを特徴としている。
 バイオマス炭化物収率の増加方法においては、充填移動層の下部の温度を500℃以上700℃以下に制御し、充填移動層の上部の温度を60℃以上150℃以下に制御することが好ましい。
 バイオマス炭化物収率の増加方法において、供給されるバイオマスは、目開き16mmの篩いを通過する量の割合が60重量%以上の粒径分布であるバイオマスであることが好ましい。
 バイオマス炭化物収率の増加方法において、供給されるバイオマスは、目開き20mmの篩いを通過する量の割合が70重量%以上の粒径分布であるバイオマスであることが好ましい。
 10…バイオマス炭化装置、11…炭化炉、11A…バイオマス供給口、11B…発生ガス排出口、11C…炭化物排出口、11D…高温ガス送入口、11E…中部温度調整ガス送入口、11F…炉内ガス排出口、12…バイオマス供給装置、13…部分燃焼炉、14…送気装置、15…ダンパ、16…温度制御装置、17A…上部温度計測手段、17B…下部温度計測手段、18…気液分離器、19…中部温度調整ガス供給装置、20A…中部上方温度計測手段、20B…中部下方温度計測手段、21…中部温度制御装置、22…冷却手段、23…送風機、M…バイオマス、G…ガス、G´…ガス、L…液分、P…充填移動層、A…タール凝縮領域、B…タール蒸気発生領域、N…中部、HG…高温ガス、W…灰分、C…炭化物、D…炭化物冷却領域。

Claims (18)

  1.  炭化炉(11)の上部からバイオマス(M)を供給して炭化炉内に炭化炉内を下降するバイオマスの充填移動層(P)を形成し、炭化炉の下部から高温ガス(HG)を供給し高温ガスをバイオマスと接触させてバイオマスを熱分解して炭化物(C)を生成するバイオマス炭化方法において、
     充填移動層(P)の下部の温度をバイオマス(M)を熱分解してタール蒸気を発生させるタール発生温度以上に制御し、充填移動層の上部の温度をタール蒸気を凝縮させるタール凝縮温度以下に制御し、
     充填移動層の下部にてバイオマスを熱分解して炭化物を生成させるとともにタール蒸気を発生させ、
     充填移動層の上部にて充填移動層の下部から上昇したタール蒸気を凝縮させ液状タールとし、液状タールをバイオマスにより捕捉させ、
     充填移動層内でバイオマスに捕捉された液状タールをバイオマスとともに共熱分解し炭化物に転化させる、
     ことを特徴とするバイオマス炭化方法。
  2.  充填移動層(P)の上部にて液状タールとして中質油及び重質油をバイオマスにより捕捉させる、ことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス炭化方法。
  3.  充填移動層(P)の下部の温度を400℃以上700℃以下に制御し、充填移動層の上部の温度を60℃以上150℃以下に制御する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバイオマス炭化方法。
  4.  充填移動層(P)の下部の温度を500℃以上700℃以下に制御し、充填移動層の上部の温度を60℃以上150℃以下に制御する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバイオマス炭化方法。
  5.  供給されるバイオマス(M)が、目開き16mmの篩いを通過する量の割合が60重量%以上の粒径分布であるバイオマスである、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載のバイオマス炭化方法。
  6.  供給されるバイオマス(M)が、目開き20mmの篩いを通過する量の割合が70重量%以上の粒径分布であるバイオマスである、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載のバイオマス炭化方法。
  7.  充填移動層(P)の下部に温度がタール発生温度以上の所定温度範囲に制御される領域を設定し、
     充填移動層(P)の上部に温度がタール凝縮温度以下の所定温度範囲に制御される領域を設定し、
     充填移動層(P)の下部において温度をタール発生温度以上の所定温度範囲に制御する領域を、充填移動層の底から充填移動層の全体高さの10%程度上方の位置から40%程度上方の位置までとし、
     充填移動層(P)の上部において温度をタール凝縮温度以下の所定温度範囲に制御する領域を、充填移動層の頂から充填移動層の全体高さ寸法の30%程度下方の位置から50%程度下方の位置までとする、
     ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載のバイオマス炭化方法。
  8.  充填移動層(P)の上部の温度と充填移動層の下部の温度を計測し、充填移動層の上部の温度計測値と充填移動層の下部の温度計測値とに基づき、充填移動層の下部の温度はタール発生温度以上の所定温度範囲内に、また充填移動層の上部の温度はタール凝縮温度以下の所定温度範囲となるように、炭化炉(11)へ供給するバイオマス(M)の量、炭化炉へ供給する高温ガス(HG)の量及び充填移動層から抜き出す炭化物(C)の量のうち少なくとも一つを制御する、
     ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載のバイオマス炭化方法。
  9.  炭化炉(11)において充填移動層(P)内ではバイオマスが熱分解され炭化物(C)が生成されるとともに可燃性ガスが発生され、
     部分燃焼炉(16)にて炭化炉(11)から可燃性ガスの供給を受けこれを部分燃焼させて燃焼ガスを発生させ、上記燃焼ガスの少なくとも一部を高温ガス(HG)として炭化炉の下部へ供給する、
     ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一つに記載のバイオマス炭化方法。
  10.  充填移動層(P)の上部と下部との間の中部(N)における上方部分の温度を100℃以上300℃以下に制御するとともに下方部分の温度を200℃以上500℃以下に制御する、
     ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のバイオマス炭化方法。
  11.  充填移動層(P)の中部(N)に温度調整ガスを供給することにより充填移動層の中部の温度を制御する、
     ことを特徴とする請求項10に記載のバイオマス炭化方法。
  12.  炭化炉(11)を備え、前記炭化炉の上部からバイオマス(M)を供給して炭化炉内に炭化炉内を下降するバイオマスの充填移動層(P)を形成し、炭化炉の下部から高温ガス(HG)を供給し高温ガスをバイオマスと接触させバイオマスを熱分解して炭化物(C)を生成するバイオマス炭化装置(10)であって、
     炭化炉(11)内の温度を制御する温度制御装置(16)を備えており、
     温度制御装置(16)は、充填移動層(P)の下部の温度をバイオマス(M)を熱分解してタール蒸気を発生させるタール発生温度以上に制御し、充填移動層の上部の温度をタール蒸気を凝縮させるタール凝縮温度以下に制御し、
     炭化炉(11)は、
     充填移動層(P)の下部にてバイオマス(M)を熱分解して炭化物(C)を生成するとともにタール蒸気を発生させ、
     充填移動層(P)の上部にて充填移動層の下部から上昇したタール蒸気を凝縮させ液状タールとし、液状タールをバイオマス(M)により捕捉させ、
     充填移動層(P)内でバイオマス(M)に捕捉された液状タールをバイオマスとともに共熱分解し炭化物(C)に転化させる、
     ことを特徴とするバイオマス炭化装置。
  13.  温度制御装置(16)は、充填移動層(P)の下部の温度を400℃以上700℃以下に制御し、充填移動層の上部の温度を60℃以上150℃以下に制御する、ことを特徴とする請求項12に記載のバイオマス炭化装置。
  14.  温度制御装置(16)は、充填移動層(P)の下部の温度を500℃以上700℃以下に制御し、充填移動層の上部の温度を60℃以上150℃以下に制御する、ことを特徴とする請求項12に記載のバイオマス炭化装置。
  15.  温度制御装置(16)は、充填移動層(P)の上部の温度を計測する上部温度計測手段(17A)と、充填移動層(P)の下部の温度を計測する下部温度計測手段(17B)と、を備えており、
     充填移動層(P)の上部で計測された温度と充填移動層の下部で計測された温度とに基づき、充填移動層の下部の温度はタール発生温度以上の所定温度範囲内に、また充填移動層の上部の温度はタール凝縮温度以下の所定の温度範囲となるように、炭化炉(11)へ供給するバイオマス(M)の量、炭化炉へ供給する高温ガス(HG)の量及び充填移動層から抜き出す炭化物(C)の量のうち少なくとも一つを制御する、
     ことを特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれか一つに記載のバイオマス炭化装置。
  16.  炭化炉(11)において充填移動層(P)内ではバイオマスが熱分解され炭化物(C)が生成されるとともに可燃性ガスが発生され、
     炭化炉(11)から可燃性ガスの供給を受けこれを部分燃焼して燃焼ガスを発生する部分燃焼炉(13)と、上記燃焼ガスの少なくとも一部を高温ガスとして上記炭化炉(11)の下部へ供給する高温ガス供給手段(15)とを、さらに備えている、
     ことを特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれか一つに記載のバイオマス炭化装置。
  17.  充填移動層(P)の上部と下部との間の中部(N)における上方部分の温度を100℃以上300℃以下に制御するとともに下方部分の温度を200℃以上500℃以下に制御する中部温度制御装置(21)をさらに備える、
     ことを特徴とする請求項12ないし請求項16のいずれか一つに記載のバイオマス炭化装置。
  18.  中部温度制御装置(21)は、充填移動層(P)の中部(N)に温度調整ガスを供給することにより充填移動層の中部の温度を制御する、ことを特徴とする請求項17に記載のバイオマス炭化装置。
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