JP3470523B2 - 鋼の転炉精錬方法 - Google Patents
鋼の転炉精錬方法Info
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Description
内に装入し、プラスチックの含有する炭化水素を熱源と
して利用した鋼の転炉精錬方法に関するものである。
プとし、この溶銑の有する顕熱と溶銑中に含まれる
〔C〕や〔Si〕の酸化による発熱とを熱源として、次
工程の要求する溶鋼温度を確保している。そして、主原
料中の溶銑の比率(溶銑配合率という)を、生産量の変
動やスクラップ価格の変動等から常時最適条件となるよ
うに変動させている。
における熱源が減少し、その結果、次工程の要求する溶
鋼温度の確保が困難となる場合には、熱源としてFe−
Si合金やコークス等の炭材を炉内に追加装入し、熱源
の不足を補ってきた。特に、近年の脱珪や脱燐を目的と
した溶銑予備処理による溶銑中〔C〕や〔Si〕の低下
に伴って、転炉精錬における熱源の不足が一層顕著とな
ってきた。
ラグ中のSiO2 量を増加させる。このSiO2 の増加
分に対応してスラグの塩基度(CaO/SiO2 )を調
整するために、生石灰やドロマイト等のフラックス装入
量が増大する。その結果、炉内スラグ量の増加を招き、
Fe歩留りの低下等が発生する。又、コークス等炭材の
追加装入は、炭材中に含有される〔S〕及び〔N〕の溶
鋼への汚染があり、対象鋼種や使用量が制限される。
のに、都合のよい装入物や精錬方法はなく、止むなく溶
銑配合率を高め、生産量の確保は断念した操業が行なわ
れてきた。
水素系物質の廃物回収処理が社会問題となっており、そ
の処理方法について鉄鋼精錬においても種々の試みがな
されている。
は、転炉精錬初期に石灰石等の熱分解によりCO2 ガス
を発生する物質と同時にプラスチックを添加し、発生す
るCO2 ガスの還元剤としてプラスチックを利用する方
法や、特開平2−225610号公報には、転炉を用い
てコークスの燃焼熱でスクラップを溶解する際に、プラ
スチックをコークスの助燃剤として利用する方法や、特
開平7−11320号公報には溶銑予備処理の際、酸素
含有ガスと共に廃プラスチック及び廃ゴムを溶銑中にイ
ンジェクションし、廃プラスチック及び廃ゴムの燃焼熱
を利用する方法が開示されているが、未だ十分に有効利
用されていないのが現状である。
クが燃焼する際に高発熱量(4,000〜10,000
kcal/kg)の燃焼熱を有していることと、及び、
ポリプロピレンやポリエチレン等のプラスチックは、主
成分が〔C〕と〔H〕であり〔S〕を含有していないこ
とに着目して成されたもので、その目的とするところ
は、プラスチックを安価に廃物処理すると共に、プラス
チックをFe−Si合金やコークス等炭材に替わる熱源
として有効利用した鋼の転炉精錬法を提供することであ
る。
錬方法は、溶銑を酸素吹錬する鋼の転炉精錬方法におい
て、鉄鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、磁選粉、鋼の
切削屑のいずれか1種以上の精錬用冷却材とプラスチッ
クとからなり、プラスチックの重量比が11wt%以上
である混合物を酸素吹錬中に転炉炉口から転炉内に装入
することを特徴とするものである。その際に、転炉とし
て上底吹き型転炉を用いること、又、混合物を、プラス
チックをバインダーとしたブリケットとすることが好ま
しい。
レン、ポリエチレン、ポリスチレン等の〔S〕を含有せ
ず、且つ熱可塑性のプラスチックであれば特に制限はな
く、廃物回収されたプラスチック(廃プラスチック)で
あっても何ら支障はない。これらプラスチックは
〔C〕、〔H〕、〔O〕から構成されるものが主であ
る。
ップの他に、副原料として、生石灰、蛍石、ドロマイト
等の造滓材と、鉄鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、磁
選粉、及び機械工場で発生する鋼の切削屑等の温度調整
用の冷却材と、更に成分調整用の各種合金鉄とを使用す
る。これらの副原料とプラスチックとの比重を比較する
と、プラスチックの比重が0.9〜1.0に対して、生
石灰は3.0〜3.2、鉄鉱石、ミルスケール、及び製
鉄ダスト等の酸化鉄形状の冷却材は4.8〜5.3、磁
選粉や切削屑の金属鉄形状の冷却材は6.5〜7.5で
あり、又、炉内のスラグは約3.0程度であり、プラス
チックの比重が相対的に小さいことが分る。
グ又は溶銑に有効に着熱させなければ、プラスチックの
炉内装入の効果は発揮されない。プラスチックを単体で
装入すると、プラスチックは比重が小さいため、溶融ス
ラグ上で浮遊して燃焼してしまい、溶融スラグ又は溶銑
への着熱は期待できず、溶銑の熱源不足の解消にはなら
ない。そこで溶融スラグより比重の大きい上記冷却材と
共に転炉炉口より投入して装入することで、プラスチッ
クは冷却材と共に溶融スラグ中に巻き込まれ、溶融スラ
グ中で燃焼するので、溶融スラグへの着熱効果が高くな
る。そして、上底吹き型転炉の場合には、溶融スラグは
底吹きガスにより溶銑と攪拌されているので、溶融スラ
グの熱は溶銑に迅速に伝達され、熱源不足が迅速に補わ
れる。又、転炉精錬後の溶鋼中〔S〕の増加を殆ど考慮
する必要がなく熱源不足を補うことができる。
等であり、溶融スラグ中を貫通する推進力が小さく、
又、合金鉄は酸素吹錬終了後に炉内に装入されるので、
どちらもプラスチックを装入する媒体とするには不適当
である。
t%以下の場合は、プラスチックの含有量が少なく、昇
熱効果が期待できない。又、プラスチックの重量比が高
くなると、混合物の見掛け比重が小さくなり、上記の理
由で着熱効果が低下するので、プラスチックの重量比の
上限は、95wt%程度とすることが望ましい。
ックとの混合物を、プラスチックをバインダーとしたブ
リケットとしても良い。
いるので、プラスチックと冷却材とを混練することで、
混練の際に発生する摩擦熱を利用してプラスチックを溶
融させ、容易にブリケットとすることができる。ブリケ
ット化することで、ミルスケール、製鉄ダスト等の粉体
状の冷却材の飛散ロスが減少し、装入歩留りが向上する
と共に、ブリケットはプラスチック単体の比重より大き
くなるので、プラスチック燃焼熱の着熱効率も向上す
る。
型転炉設備の縦断面の概要図である。以下図面に基づき
本発明を説明する。
ら転炉1内へと上下移動可能な上吹き酸素ランス3と、
炉口2を覆うダクト7を介して転炉1からの発生ガスを
回収する図示せぬガス回収装置と、ホッパー8、8a、
切り出し装置9、9a及びシュート10にその一部を示
す原料装入装置とから構成される。尚、シュート10は
ダクト7を貫通して炉口2の直上に至り、炉口2から原
料が炉内に装入される。そして転炉1には、炉底を貫通
する底吹き羽口4と、側壁を貫通する出鋼口6とが設置
されている。底吹き羽口4からは、ガス導入管5を介し
てArガスや窒素ガス等の攪拌用ガスや精錬用酸素ガス
が底吹きガスとして吹き込まれる。
スクラップとを装入する。溶銑11は必要に応じて脱
硫、脱燐の予備処理を実施する。そして、生石灰、蛍
石、ドロマイト等の造滓材を図示せぬ原料装入装置より
装入し、炉内に溶融スラグ12を形成する。更に、必要
に応じて、ホッパー8に収納されたプラスチックとホッ
パー8aに収納された冷却材とを、切り出し装置9、9
aにより各々所定量切り出し、プラスチックと冷却材と
の混合物として、シュート10を介して炉口2より炉内
に装入する。その後、上吹き酸素ランス3から酸素ガス
を吹きつけ、底吹き羽口4から底吹きガスを吹き込ん
で、酸素吹錬を開始する。そして、酸素吹錬中において
も、プラスチックと冷却材との混合物の所定量を、シュ
ート10を介して炉口2より適宜炉内に装入する。
スト、磁選粉、及び機械工場で発生する鋼の切削屑のい
ずれか1種以上を適宜選択して使用する。プラスチック
は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等の
〔S〕を含有せず、且つ熱可塑性のプラスチックであれ
ば特に制限はなく、これらの混合物であっても、又、廃
プラスチックであっても、勿論構わず使用できる。尚、
冷却材は炉内で還元されFeとなるので、資源の有効活
用がなされる。
スチックの重量比は11wt%以上の範囲で、転炉精錬
の操業条件に合った任意の値に選択して決めれば良い。
それは、転炉精錬の熱バランスの観点から見れば、プラ
スチックの重量比が低い場合は、冷却材代替となり、重
量比が高い場合はFe−Si合金等の昇熱材代替となる
からである。
冷却材による冷却効果とプラスチックの燃焼熱による昇
熱効果とがバランスする重量比とすることで、転炉精錬
の熱収支に全く影響を及ぼすことなく、プラスチックと
冷却材との混合物を装入することができる。この重量比
は、上記プラスチックの場合、約33wt%である。こ
の場合は、転炉精錬での熱バランスを考慮する必要がな
いので、混合物の増装入が可能となる。そして、増装入
の際に冷却材として粉体状の製鉄ダストを用いた場合に
は、資源の有効活用が推進する。但し、増装入により混
合物を溶解・燃焼するために酸素吹錬時間が延長するの
で、操業条件と照らし合わせて行なう必要がある。
いるので、炉内装入後、分解して水素ガスが発生する。
転炉1からの発生ガスを燃焼ガスとして回収する場合に
は、ガス組成が爆発範囲に入らないようにするため、精
錬中の脱炭反応によるCOガスの発生量が多く、発生ガ
ス中のCOガス濃度が高位安定し、酸素ガス濃度が低下
した時期に、混合物を装入することが必要となる。従来
より、水素ガスに対する臨界酸素ガス濃度は5vol%
であることは知られており、酸素ガス濃度が5vol%
以下であれば問題はない。又、ガスを回収せず、燃焼さ
せる場合には混合物の装入時期を制限する必要はない。
じて図示せぬ原料装入装置からFe−Mn合金やSi−
Mn合金等を装入し、その後図示せぬ傾動装置にて転炉
1を傾動させ、出鋼口6より溶鋼と溶融スラグとを排出
して転炉精錬を終了する。
ット化して使用する場合には、例えば、ホッパー8には
プラスチックの重量比が15wt%のブリケット(ブリ
ケットA)を、ホッパー8aにはプラスチックの重量比
が80wt%のブリケット(ブリケットB)を収納し、
冷却材として使用する場合にはブリケットAを、昇熱材
として使用する場合にはブリケットBを使用して、使い
分けることが望ましい。又、ブリケットAとブリケット
Bとを所定の比率で切り出し装置9、9aにて切り出
し、混合して使用すれば、前述した冷却効果と昇熱効果
とがバランスする範囲に調整することもできる。このよ
うに、プラスチックの重量比が高いブリケットと低いブ
リケットを2種類使用することで、種々の操業条件に対
処できるので望ましい。
を混練し、摩擦熱にてプラスチックを溶融させ、プラス
チックをバインダーとすることで容易になされる。更
に、昇温したガスを混練機に導入すれば、ブリケット化
が促進される。ブリケットのサイズは5mm〜100m
m程度とすれば良い。
を以下に説明する。
の設備仕様を表1に示す。転炉容量は1チャージ(以
下、「ch」と記す)約250トンで、底吹きガスは攪
拌用としてArガスを用いた。
表的な溶銑成分の例を表2に示す。溶銑は機械攪拌式脱
硫装置を用い、脱硫処理を施してある。
に、転炉操業条件のうち表2に示すように、装入溶銑温
度を1330℃、出鋼溶鋼温度を1640℃、溶銑配合
率を90wt%の一定の条件とし、更に、造滓材装入
量、及び合金鉄装入量も一定の条件とした。これに伴
い、プラスチックの発熱量とバランスさせるために鉄鉱
石の使用量を変化させた。
された高密度ポリエチレンの成分例を示す。本実施例で
は冷却材として、製鉄ダストの1つである転炉排ガスダ
スト(以下、「OGダスト」と記す)、鉄鉱石、切削屑
及びミルスケールを使用した。表4に冷却材として主に
使用したOGダストの成分例を示す。
は、実施例1〜6では単にプラスチックと冷却材とを混
ぜ合わせたもの(以下「混合体」と呼ぶ)とし、実施例
7〜13では予めブリケット化したものを用いた。そし
て、混合物中のプラスチックの重量比は15〜85wt
%の範囲で変更した。このプラスチックの重量比の調整
は、混合体とした実施例1〜6ではプラスチックと冷却
材とを別々に収納する各ホッパーからの切り出し量を調
節して所定の配合とした。又、ブリケットの場合は以下
に示す2方法で行なった。実施例7〜11ではプラスチ
ックの重量比が15wt%と85wt%の2種類のブリ
ケットを用意し、各ホッパーの切り出し量を調整して所
定の配合とし、又、実施例12〜13は予め目標とする
プラスチックを配合したブリケットを作成し、これを用
いた。
ックと冷却材とを混練し、更にプレスロールにて圧縮・
成形して製造した。ブリケットの粒度は20mmを標準
として、5mm、50mmも製造した。
転炉への混合物の装入時期は、酸素吹錬開始から約5分
後の発生ガス中のCOガス濃度が約78vol%で酸素
ガス濃度が1vol%になった時点とし、混合物を約1
トン/minの速度で装入し、混合物の装入量は1トン
/ch、2トン/ch、及び5トン/chの3水準で実
施した。
す。尚、表5に示す鉄歩留向上量とは、鉄鉱石や混合物
中の冷却材として装入される鉄源の従来例に対する増装
入分が還元され、Feとなった量を示したものである。
は従来例に比較して鉄歩留りの向上及びガス回収増が得
られた。そして混合物中のプラスチック重量比が33w
t%を境として、33wt%未満では鉄鉱石の装入量が
従来例に比較して減少し、逆に33wt%を超えると増
加すること、即ち、プラスチックの重量比が33wt%
を境に、混合物は冷却材と昇熱材との異なる機能を有す
ることが分る。
は、鋼中〔S〕及び〔N〕のピックアップは全く認めら
れなかった。
及び〔H〕を燃焼させるため酸素ガスを余分に使用した
結果、操業に支障のない範囲での酸素吹錬時間の延長が
あったものの、鉄歩留りが向上し且つガス回収が増加す
るので、ブリケットの製造コストと照らし合わせてもメ
リットがある結果となった。
〔N〕のピックアップを懸念することなく転炉精錬にお
ける溶鋼温度の制御を行なうことが可能となり、鉄歩留
りの向上や排ガスの回収増が達成され、合わせてプラス
チックの廃物処理も行なえるので、極めて有用な発明で
ある。
の概要図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 溶銑を酸素吹錬する鋼の転炉精錬方法に
おいて、鉄鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、磁選粉、
鋼の切削屑のいずれか1種以上の精錬用冷却材とプラス
チックとからなり、プラスチックの重量比が11wt%
以上である混合物を酸素吹錬中に転炉炉口から転炉内に
装入することを特徴とする鋼の転炉精錬方法。 - 【請求項2】 前記転炉が上底吹き型転炉であることを
特徴とする請求項1に記載の鋼の転炉精錬方法。 - 【請求項3】 前記混合物を、プラスチックをバインダ
ーとしたブリケットとすることを特徴とする請求項1又
は請求項2に記載の鋼の転炉精錬方法。
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JP29237396A JP3470523B2 (ja) | 1996-11-05 | 1996-11-05 | 鋼の転炉精錬方法 |
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JP29237396A JP3470523B2 (ja) | 1996-11-05 | 1996-11-05 | 鋼の転炉精錬方法 |
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JP29237396A Expired - Fee Related JP3470523B2 (ja) | 1996-11-05 | 1996-11-05 | 鋼の転炉精錬方法 |
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JP6172095B2 (ja) * | 2014-09-10 | 2017-08-02 | Jfeスチール株式会社 | 植物系バイオマス由来の転炉用昇熱材の製造方法および使用方法 |
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1996
- 1996-11-05 JP JP29237396A patent/JP3470523B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10140223A (ja) | 1998-05-26 |
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