JP4510220B2 - ブリケットの製造方法およびブリケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製鋼精錬工程において用いられるブリケットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶銑、スクラップ、還元鉄等の鉄源から鋼を溶製する製鋼精錬工程において、酸化鉄、切削屑、磁選屑、鋼等を、鉄源や冷却材として精錬容器中の溶鋼に添加する際に、これらの粉体を樹脂等のバインダーで固めたブリケットとして溶鋼に添加することで酸化鉄等の飛散を防止する技術が知られている(特開平9−316512号公報)。この技術においては、酸化鉄等と、バインダーとして用いる熱可塑性樹脂とを高速混練機において混練するとともに、混練の際に発生する摩擦熱により樹脂を溶融させ、得られた混練物をプレスロールで圧縮・成形した後に樹脂を凝固させ、ブリケットを得るものである。
【0003】
一方、プラスチックはCおよびHを主体としており、燃焼の際に高い燃焼熱を発生するので製鋼精錬工程における熱源として利用することができ、また還元剤としても利用することができることが知られており、特開平10−140223号公報には、プラスチックをバインダーとして比重の大きいブリケットを製造し、このブリケットを精錬容器中に装入することにより、ブリケットにバインダーとして含まれるプラスチックを製鋼精錬反応の熱源または還元剤として有効に利用する技術が提案されている。特に、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル等のプラスチックはSを含有しないことから、精錬後に溶鋼中のSを増加させるおそれがなく、製鋼精錬反応における熱源または還元剤として好適である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ブリケットの原料に含まれるバインダーの割合が一定値(例えば、ポリエチレンの場合には約12%)を超えると、製造時に液状部分が多くなってブリケット化することが困難になる。このため、ブリケット中にバインダーとして配合することができるプラスチックの量には制限があり、プラスチックを熱源または還元剤として利用するために十分な量とすることができず、このようなブリケットを転炉等の精錬反応容器に装入することができる量には熱余裕上限界がある。特に、精錬反応容器内で還元可能な製鉄ダスト、ミルスケール、鉱石等といった酸化物は還元に要する熱量が大きいため、これら酸化物とプラスチックからなるブリケットを精錬反応容器内に装入する場合には、装入可能な量の上限が極めて低い。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、熱源または還元剤として利用することができるプラスチックを多く含有させることが可能なブリケットの製造方法およびそれによって得られるブリケットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、第1に、粉状の金属系原料および融点の異なる少なくとも2種類のプラスチックからなるプラスチック原料を混合および加熱してブリケットを製造する方法であって、前記金属系原料が原料全体の50〜97mass%、前記プラスチック原料のうち相対的に低融点のものが原料全体の3〜12mass%、前記プラスチック原料のうち相対的に高融点のものが原料全体の47mass%以下となるように配合割合を調整した上で、前記金属系原料の粒径および前記低融点のプラスチックの含有量によって決定される加熱温度で前記プラスチック原料のうち低融点のもののみを溶融させてバインダーとし、このバインダーにより前記金属系原料および前記プラスチック原料の残部を結合してブリケット化することを特徴とするブリケットの製造方法を提供する。
【0007】
また本発明は、第2に、上記方法によって製造されたことを特徴とするブリケットを提供する。
【0008】
本発明によれば、プラスチック原料のうち低融点のもののみを溶融させてバインダーとしてブリケット化するので、多量のプラスチックを含有させても液状の部分が多くなってブリケット化が困難になることがない。したがって、多量のプラスチックを含有させることができる。
【0009】
上記ブリケットの製造方法において、前記金属系原料としては、鉱石、ミルスケール、ダスト、切削屑、鋼、磁選屑のうちの少なくとも1種を用いることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
まず、本発明に係るブリケットの製造方法について説明する。
本発明においては、粉状の金属系原料およびプラスチック原料を混合および加熱して、前記プラスチック原料のうち低融点のもののみを溶融させてバインダーとし、このバインダーにより前記金属系原料および前記プラスチック原料の残部を結合してブリケット化する。
【0011】
金属系原料としては、鉄鉱石やMn鉱石等の鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト等のダスト、切削屑、鋼、磁選屑等が例示され、これらのうち1種以上を必要に応じて粉状に加工したものを用いることができる。
【0012】
プラスチック原料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロイド等のC,H,Oを主体としたプラスチックであれば特に制限はなく、また、製品プラスチックであっても廃プラスチックでもよく、必要に応じてこれらを粉状に加工したものを用いることができるが、コスト面および産業廃棄物の有効利用を図る観点から廃プラスチックを利用することが好ましい。
【0013】
なお、ここでの廃プラスチックとは、工場等での製造・加工時に生じる屑や不良品を含む所謂ゴミとしての廃棄物たるプラスチック類であり、その性質上プラスチック以外の異物(金属、紙、その他の無機物および有機物)が付着もしくは混入しているプラスチック類を含むものである。このような廃プラスチックの具体例としては、プラスチックボトル、プラスチック袋、プラスチック包み、プラスチックフィルム、プラスチックトレイ、プラスチックカップ、磁気カード、磁気テープ、ICカード、フレキシブルコンテナ、プリント基板、プリントシート、電線被覆材、事務機器または家電製品用ボディーおよびフレーム、化粧合板、パイプ、ホース、合成繊維および衣料、プラスチック成型ペレット、ウレタン材、梱包用シート、梱包用バンド、梱包用クッション材、電気用部品、玩具、文房具、トナー、自動車用部品(例えば、内装品、バンパー)、自動車または家電製品等のシュレッダーダスト、イオン交換樹脂、合成紙、合成樹脂接着樹剤、合成樹脂塗料、固形化燃料(廃棄プラスチック減容物)等が例示され、これらを廃棄物としての状態のまま、あるいは必要に応じて所定の処理を施したものを利用することができる。また、これら廃プラスチックと製品プラスチックとの混合物を利用してもよい。
【0014】
本発明においては、以上のような原料を混合および加熱して、前記プラスチック原料のうち低融点のもののみを溶融させるとともに、溶融したプラスチック原料と未溶融のプラスチック原料と金属系原料とを混合し、溶融したプラスチックにより前記未溶融のプラスチック原料と前記金属原料とを結合してブリケット化する。このようにプラスチック原料の一部のみを溶融させるので、多量のプラスチックを含有させても液状の部分が多くなってブリケット化が困難になることがない。したがって、ブリケットに多量のプラスチックを含有させることができる。
【0015】
前記金属系原料は原料全体の50〜97mass%、前記プラスチック原料は原料全体の3〜50mass%とすることが好ましい。前記プラスチック原料が3mass%未満ではバインダーが足りずにブリケット化が困難となり、前記金属系原料が50mass%未満ではブリケットの比重が軽くなって溶融スラグの表面に浮遊してしまうため、いずれの場合も好ましくない。
【0016】
溶融するプラスチックの量を調整する観点からプラスチック原料として融点の異なる少なくとも2種以上のものを混合することが好ましい。前記プラスチック原料をこのように構成した場合には、相対的に低融点のプラスチックの一部または全部が溶融する温度に加熱することにより、溶融したプラスチックをバインダーとすることができる。この場合に、相対的に低融点のプラスチックと相対的に高融点のプラスチックの配合割合を調整した上で、加熱温度を前記高融点プラスチックの融点以下とすれば、バインダーである前記低融点プラスチックのみを溶融させることにより、溶融するプラスチックの量を調整することが容易である。
【0017】
プラスチック原料を、例えば相対的に低融点のプラスチックと相対的に高融点のプラスチックの2種類とした場合には、相対的に低融点のプラスチックの量は3〜12mass%とすることが好ましい。主としてバインダーとなる低融点プラスチックの量が3mass%未満ではバインダーの量が不足であり、12mass%を超えるとバインダーの量が多くなりすぎて、いずれの場合もブリケットの製造が困難となる。このことと、前述したようにブリケットの比重を確保する観点より、高融点プラスチックの量は47mass%以下とすることが好ましい。このような低融点プラスチックとしてはポリエチレンを好適に用いることができ、これと組み合わせる高融点プラスチックとしてはポリプロピレンを用いることができる。
【0018】
また、相対的に低融点のプラスチックとして融点に幅を持ったものを用いた場合には、加熱する温度を昇降することによってもバインダー量を調節することができ、これにより低融点プラスチックの量を増減させた場合にもバインダー量を最適な量に調節することができる。このことを考慮すると、融点分布を有していれば、プラスチック原料は単一の種類のプラスチックからなっていてもよく、加熱温度を適宜設定することにより所望の量のプラスチックを溶融させることができる。融点が比較的高いプラスチックであっても融点分布を有する限り、加熱温度を調節することにより所望の量のプラスチックを溶融させることができる。
【0019】
以下、廃プラスチックから分類したポリエチレンおよびポリプロピレンをプラスチック原料とした場合を例にとって、より具体的に説明する。
図1は、このプラスチック原料における温度と溶融量との関係を示すグラフである。ポリエチレンは密度によって分類され、低密度品、中密度品、高密度品があり、その分子は(CH2)nで表されるが、nの数等により融点は95〜140℃の範囲にある。このためポリエチレンは図1に示すように広い温度範囲で溶融する。一方、ポリプロピレンの融点は168℃であり、図1に示すように融点付近の狭い温度範囲で溶融する。すなわち、このプラスチック原料を105〜145℃の温度範囲に加熱すれば、ポリエチレンの一部のみを溶融することができる。
【0020】
例えば、このプラスチック原料を図1に示した加熱温度に加熱すれば、図1の斜線を付した領域のポリエチレンは溶融するが、斜線を付さない領域のポリエチレンおよびポリプロピレンは溶融しない。このようにして溶融したポリエチレンをバインダーとして、未溶融のポリエチレンおよびポリプロピレンと金属系粒子とを結合してブリケット化することにより、多量のプラスチックを含有するブリケットを製造することができる。この場合にポリエチレンとポリプロピレンの配合割合を変化させることにより、また、加熱温度を変化させることにより、バインダー量を調節することができる。
【0021】
次に、以上のようなプラスチック原料を用いて、良好な性状のブリケットを製造するための条件について説明する。
加熱温度、プラスチック原料の量(低融点プラスチック原料の量)および原料性状(粒度、見かけ比重、嵩比重、材質)といった条件と、得られるブリケットの性状には密接な関係がある。良好な性状のブリケットを得るためには、混合および加熱する際にプラスチック原料を部分的に溶融させてバインダーとし、このバインダーを原料粒子の間に均一に行き渡らせ、かつ原料粒子間のバインダーの厚み(フィルム厚)を所定値以上にする必要があるが、原料が細かくなるほど原料粒子を均一にコーティングするのに時間を要し、また表面積が大きくなる分だけ必要なバインダー量が増加する。
【0022】
図2は、廃プラスチックから分類したポリエチレンおよびポリプロピレンをプラスチック原料とし、各種の金属系原料を用いてブリケットを製造し、粒子の表面がバインダーで均一に被覆された良好な性状のブリケットを製造することができた場合における、ポリエチレン含有量と加熱温度の関係を示すグラフである。図2に示すように、金属系原料の粒径により、好適な性状のブリケットを製造できる条件は異なっており、金属系原料が小径で比表面積が大きい場合には、ポリエチレン含有量および成形温度が高く、溶融するポリエチレン量が多い条件で良好な性状のブリケットが製造されている。一方、金属系原料が大径で比表面積が小さい場合には、ポリエチレン含有量および成形温度が低く、溶融するポリエチレン量が少ない条件で良好な性状のブリケットが製造されている。
【0023】
図2に示すように、原料の性状が同じ場合、良好な性状のブリケットを得るために必要なバインダーの量は実質的にはほぼ一定である。したがって、同じ金属系原料に対してポリエチレンの配合量を増やした場合には、加熱温度を下げることによってバインダー量が過剰になることを防ぎ、良好な性状のブリケットを製造することができる。ただし、溶融したポリエチレンをバインダーとしてブリケット化することが可能な加熱温度には下限があり、この下限値は金属系原料の粒度に応じて105℃以上の範囲で変化する。したがって、ブリケット化可能な下限の温度で溶融するポリエチレンの量がバインダーとして過剰な場合には、溶融するポリエチレンの量をそれよりも減らすことはできないため、良好な性状のブリケットを製造することができなくなる。このことからポリエチレン含有量の上限値が決まり、BHP焼結鉱を金属系粒子とする場合にはおよそ12%が上限値である。
【0024】
以上の方法により図3に示すような構造のブリケットが得られる。
図3は、本発明に係るブリケットの構造を示す模式図である。図3に示すように、本発明に係るブリケットは金属系粒子2と、プラスチック粒子3と、プラスチック粒子3をなすプラスチックよりも低融点プラスチックからなり、金属系粒子2およびプラスチック粒子3を結合するバインダー1とを有している。
【0025】
このブリケットは、前述した金属系原料からなる金属系粒子と、前述したプラスチック原料からなるプラスチック粒子およびバインダーを有しているので、精錬容器中に装入することにより、前記金属系粒子に含まれる金属元素を鉄源または合金元素源として製鋼精錬反応に供給するとともに、プラスチック粒子およびバインダーとして含まれるプラスチックを熱源として製鋼精錬反応に供給することができる。また、このブリケットは金属系粒子により比重が大きくされているので溶融スラグ表面から内部へ沈降することができ、プラスチックを製鋼精錬反応の熱源または還元剤として有効に利用することができる。
【0026】
このブリケットは、バインダーに加えてプラスチック粒子を含有しているので、バインダー量の上限を超える多量のプラスチックを含有することができる。このためブリケットに含まれるプラスチック量を、プラスチックを製鋼精錬反応の熱源または還元剤として利用するのに好適な量として、精錬容器内に装入した場合に生じる熱的余裕の損失を低減することができる。
【0027】
金属系粒子は、金属系原料について前述した通り、鉄鉱石やMn鉱石等の鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト等のダスト、切削屑、鋼、磁選屑等のうち1種以上が例示され、このうちFeを含有する鉄鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、切削屑、鋼、磁選屑等を用いれば製鋼精錬反応に鉄源を供給することができ、その他の金属元素(例えばMn)を含有する鉱石等を用いれば溶鋼に当該金属元素を供給することができる。また、プラスチック粒子およびバインダーをなすプラスチックは、プラスチック原料について前述した通り、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロイド等が例示される。
【0028】
前記金属系粒子の量と、プラスチック粒子およびバインダーの合計量との割合は、金属系原料とプラスチック原料との割合について前述したように、前記金属系粒子が50〜97mass%であり、前記プラスチック粒子および前記バインダーが合計で3〜50mass%であることが好ましい。
【0029】
次に、本発明に係るブリケットを精錬容器内に装入することができる量について説明する。
図4は、プラスチックおよびMn鉱石(BHP)からなりプラスチックが粒子部分とバインダー部分とで構成されている本発明のブリケットを転炉に挿入する場合における、ブリケット中のプラスチック配合量と、投入可能なMn鉱石量との関係を示すグラフである。図4に示すように、従来と同様にプラスチック配合量をバインダー量の上限に近い12.3mass%とした場合には、これによってMn鉱石を還元するためには7.7kg/TのMn鉱石に相当する量のブリケット(約8.8kg/T)しか投入することができなかったが、本発明によりプラスチック配合量を増大させた場合にはより多くのブリケットを投入することができ、結果的に投入することができるMn鉱石の量が増大する。例えば、本発明によりプラスチック配合量を20mass%とした場合には、図4に示すように、13.3kg/TのMn鉱石が投入可能であり、そのMn鉱石投入可能量に相当する16.6kg/Tのブリケットを投入することができる。
【0030】
図5は、図4と同様のブリケットを転炉に装入した場合における、プラスチック投入量およびMn鉱石投入量の関係、およびこれらの熱バランスを示すグラフである。図5中で、プラスチック:12.3mass%配合の実線(原点と点Aを通る直線)は、現状のブリケット製造方法におけるプラスチック配合の限界である12.3mass%配合したときのプラスチック投入量とMn鉱石投入量のマスバランスを示している。それに対し、本発明に従いプラスチック量を20mass%、30mass%と増大させた場合(図中破線で示す)には、Mn鉱石投入量に対してより多くのプラスチックを投入することができる。
【0031】
また、図中に点線で示すのはプラスチックの燃焼熱とMn鉱石(BHP)の還元熱および顕熱のバランスであり、点線より左上の領域はプラスチックの燃焼熱だけでは熱不足、点線より右下の領域ではMn鉱石を還元してもなお熱余裕のある領域である。なお、点線が2本あるのはプラスチックによって発熱量(燃焼熱)が異なるからであり、それぞれPE(ポリエチレン)の場合、PP(ポリプロピレン)の場合を示している。
【0032】
したがって、点Aにおいてはプラスチックによる発熱の効果は得られるもののそれ以外の熱源、例えば溶銑の顕熱や溶銑中炭素の燃焼熱も必要となるのに対し、点Bの領域に入るとプラスチックの発熱自体がMn鉱石を還元した上で更に熱余裕となる。
【0033】
プラスチックの投入量は多い方が熱余裕が大きく好ましいが、一方で精錬設備の排ガス処理能力によって上限が規制される。図5中には一般的な転炉に使用されるIDF(排ガス吸引装置)吸引能力に規制される上限の一例を示し、この場合にはプラスチック投入量の上限は4kg/Tとなる。ただし、この値は転炉の操業条件(送酸量等)や、IDF吸引能力等の条件によって変わるものである。
【0034】
次に、本発明に係るブリケットの製造方法を実施するための設備について述べる。
図6は、本発明に係るブリケットの製造方法を実施するための設備であって、廃プラスチックから分類した粉状のポリエチレンおよびポリプロピレンからなるプラスチック原料と、粉状のMn鉱石からなる金属系原料とからブリケットを製造する設備の概略図である。この設備は、主として、原料供給系11と、混練機20と、ブリケット成形機31を有している。
【0035】
前記原料供給系11は、粉状のポリエチレン、ポリプロピレン、Mn鉱石のそれぞれを所望量だけ切り出すことができるポリエチレンホッパー12a,ポリプロピレンホッパー12b,Mn鉱石ホッパー12cと、これらから切り出された原料を前記混練機20へ搬送するコンベア15とを有している。
【0036】
前記混練機20は、前記コンベア15により搬送された原料が装入される混練槽21を有し、混練槽21の周囲には混練槽21内を加熱するための水蒸気パイプ23が配されていて、前記混練槽21の内部には図示しないモーターにより回転駆動される攪拌翼22が設けられている。前記混練槽21の下部には、混練された原料を搬出するための搬出口が設けられていて、前記搬出口の出側には混練された原料を前記ブリケット成形機31に搬送するためのコンベア29が設けられている。
【0037】
前記ブリケット成形機31は、表面に成形孔が設けられた一組のプレスロール32を有し、このプレスロール32により前記コンベア29により搬送された原料からブリケットを圧縮・成形することができる。
【0038】
以下、上記構成の設備により本発明に係るブリケットの製造方法を実施する工程について説明する。
まず、前記ポリエチレンホッパー12a、前記ポリプロピレンホッパー12bおよび前記Mn鉱石ホッパー12cからポリエチレン、ポリプロピレンおよびMn鉱石を所定の配合になるように切り出し、前記コンベア15で前記混練機20の前記混練槽21に装入する。次いで、前記水蒸気パイプ23に水蒸気を供給するとともに、前記攪拌翼22を回転させ、原料の温度を105〜145℃にコントロールしながら混合混練し、ポリエチレンの一部のみが溶融した混練物とする。この際、前記攪拌翼22を回転させるモーター(図示せず)の電流値、トルク値等からポリエチレンが溶融した割合を間接的に測定し、溶融したポリエチレンの割合がバインダーとして好ましい範囲となるように、前記水蒸気パイプ23に供給する水蒸気の量を調節する。以上のようにして、溶融したポリエチレンを未溶融のポリエチレンおよび金属系原料の間に均一に行き渡らせた後、前記混練機21の搬出口より搬出された混練物28は前記コンベア29によって前記ブリケット成形機31の前記プレスロール32の間に搬送され、前記プレスロール32によりブリケットBQが成形される。
【0039】
なお、上記の設備では前記混練機20を用いて原料を混合混練することとしているが、本発明の製造方法はこのような設備を用いるものに限られるものではなく、プラスチック原料の一部を溶融させるとともに、溶融したプラスチック原料と未溶融のプラスチック原料と金属系原料とを混合させるものであれば、どのような設備を用いてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、プラスチック原料のうち低融点のもののみを溶融させてバインダーとし、未溶融のプラスチック原料および金属系原料を結合してブリケット化するので、ブリケットにバインダーとして含有できる量の上限を超えた多量のプラスチックを含有させることができる。これによりブリケットに含まれるプラスチックの量を精錬反応の熱源や還元剤として利用するために好適な量とすることができ、精錬容器内に大量に装入することができるブリケットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】廃プラスチックから分類したポリエチレンおよびポリプロピレンからなるプラスチック原料における温度と溶融量との関係を示すグラフ。
【図2】良好な性状のブリケットが得られた場合のポリエチレン含有量および混練温度の関係を示す図面
【図3】本発明に係るブリケットの構造を示す模式図。
【図4】プラスチック配合量と、投入可能なMn鉱石の量の関係を示すグラフ。
【図5】プラスチックの燃焼熱と、Mn鉱石の還元に要する熱とのバランスを示すグラフ。
【図6】本発明に係るブリケットの製造方法を実施するための設備の概略図。
【符号の説明】
1:バインダー
2:金属系粒子
3:プラスチック粒子
11:原料供給系
12a:ポロエチレンホッパー
12b:ポリプロピレンホッパー
12c:Mn鉱石ホッパー
15:コンベア
20:混練機
21:混練槽
22:攪拌翼
23:水蒸気パイプ
28:混練物
29:コンベア
31:ブリケット成形機
32:プレスロール
BQ:ブリケット
Claims (3)
- 粉状の金属系原料および融点の異なる少なくとも2種類のプラスチックからなるプラスチック原料を混合および加熱してブリケットを製造する方法であって、
前記金属系原料が原料全体の50〜97mass%、前記プラスチック原料のうち相対的に低融点のものが原料全体の3〜12mass%、前記プラスチック原料のうち相対的に高融点のものが原料全体の47mass%以下となるように配合割合を調整した上で、前記金属系原料の粒径および前記低融点のプラスチックの含有量によって決定される加熱温度で前記プラスチック原料のうち低融点のもののみを溶融させてバインダーとし、このバインダーにより前記金属系原料および前記プラスチック原料の残部を結合してブリケット化することを特徴とするブリケットの製造方法。 - 前記金属系原料は、鉱石、ミルスケール、ダスト、切削屑、鋼、磁選屑のうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のブリケットの製造方法。
- 請求項1または請求項2の方法によって製造されたことを特徴とするブリケット。
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