JP3678794B2 - 転炉用溶鋼昇熱材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、転炉スラグや溶鋼成分に影響を与えず、且つ転炉で精錬中の溶鋼に混入することがない熱効率の極めて高い溶鋼昇熱材に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶銑予備処理,転炉,二次精錬,連続鋳造機からなる製鋼工程において、転炉は、酸素吹錬によって溶鋼中の炭素を初めとする不純物を酸化除去すると共に、連続鋳造機に至る後工程で必要な熱を補償する極めて重要な工程である。従来、この熱源は、溶銑中に含まれている炭素分の酸化熱で十分足りていた。
しかし、近年、鉄鋼製品に求められる材料特性が高度化しており、S,P等を極力低下する必要性が増し、転炉の前工程である溶銑予備処理の負荷が大きくなってきている。そのため、転炉に装入される溶銑の温度は、従来に比較して30〜50℃も低くなっており、製品として炭素含有量の多い特殊鋼や、転炉で合金鉄を添加する必要のある合金鋼等では、溶銑中に含まれる炭素分の酸化熱だけでは後工程で必要な熱を補償できなくなっている。そこで、不足する熱を補償するのに必要な炭素分を転炉内に供給する溶鋼昇熱材の重要性が増加している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
転炉では、炭素を主成分とする溶鋼昇熱材が従来から使用されている。従来の昇熱材は、天然の土状黒鉛,コークス等を原料として使用しているため、不可避的な不純物成分として13〜20重量%程度の灰分や0.02〜0.50重量%程度の硫黄分を含んでいる。灰分は、主としてシリカ等である。このような昇熱材を多量に投入すると、不純物を除去するために調整されている転炉スラグの塩基度CaO/SiO2 が目標値から大きく低下する。その結果、転炉精錬における脱燐,脱硫効率が低下するばかりでなく、転炉耐火物の溶損が促進され、品質及び製造原価の双方に大きな不利益を与えていた。
また、硫黄分は、転炉における酸化精錬では除去しにくい成分であり、おおむね前工程である溶銑予備処理工程で製品レベルにまで除去されている。脱硫自体としては、転炉の後工程に当るRH真空脱ガス設備又は取鍋精錬炉等の二次精錬工程で溶鋼脱硫処理も行われている。しかし、一般的に脱硫は溶銑段階で行った方が安価に実施できるため、溶鋼昇熱材の増量に起因した硫黄を除去する工程を二次精錬工程に負担させる方式は経済的でない。
【0004】
したがって、硫黄分を含む従来の溶鋼昇熱材を多量に使用する場合には、溶銑予備処理工程で大量の脱硫剤をインジェクションし、溶銑を十分に脱硫処理する必要がある。その結果、転炉工程に移された転炉装入用溶銑の温度が非常に低くなり、その熱補償のためにも更に多量の溶鋼昇熱材を添加する必要が生じる。このようなことは、溶銑予備処理工程の能力を阻害するばかりか、原価的にも不利益となる。
従来の溶鋼昇熱材使用時に使用量に応じて転炉に装入されるCaOの添加量を増量するならば、転炉スラグの組成変化を抑制することができる。しかし、この場合にもCaO増量分に相当する熱補償のために、多量の溶鋼昇熱材を使用する必要があり、原価における問題に対しては未解決のままである。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、特定成分の原料を製団することにより、各工程の能力を妨げることなく、また品質に悪影響を及ぼすことなく、更には安価に解決できる転炉用溶鋼昇熱材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の転炉用溶鋼昇熱材は、その目的を達成するため、炭素分が95重量%以上,揮発成分が4重量%以下,灰分が1重量%以下,硫黄分が0.01重量%以下の組成を持ち、かつ粒径1mm以上のものが10〜25重量%,粒径0.15mm以下のものが15〜30重量%の粒度分布を持つ炭素粉が、25〜55mmの粒径に製団されていることを特徴とする。
炭素粉には、高温で焼成した電極又は電極屑から得られたものが使用される。製団に際しては、バインダーとして澱粉2〜4重量%を添加することができる。
本発明の転炉用溶鋼昇熱材は、炭素分を95重量%以上としている。これは、バインダー等から製造上不可避的に混入する不純物が約3〜5重量%あるためで、可能な限り多量の炭素分が含まれることが望ましい。
【0006】
揮発成分は、転炉内のような高温雰囲気に曝されたとき気化して炎を上げることから、作業の安全性を確保するために4重量%以下に規制される。
成形時のバインダー添加量も、同様に最大4重量%に規制される。しかし、2重量%を下回るバインダー添加量では、十分な製団強度が得られず、溶鋼昇熱材の主成分である炭素が完全に被処理溶鋼中に溶解する前に昇熱材自体が熱分解し、十分な昇熱効果が得られない。
灰分は、転炉スラグ成分に影響を与えないため、主成分であるSiO2 を極力少なくする必要があることから、含有量の上限が1重量%に規制される。硫黄分は、転炉溶鋼に悪影響を与えないように0.01重量%以下に規制される。灰分及び硫黄分がこのように規制された昇熱材の原料としては、バラツキの多い天然素材よりも、一度焼成した電極や電極屑等を炭素源として使用することが好ましい。
【0007】
しかしながら、一度焼成した炭素源は、濡れ性が低いために製団が非常に困難である。そこで、炭素粉の焼結が促進されるように、充填率が適正範囲になるように粒度分布を調整する必要がある。このようなことから、使用する炭素粉の粒度分布を、粒径1mm以上のものが10〜25重量%,粒径0.15mm以下のものが15〜30重量%の粒度分布と規定した。
以上の成分調整で配合された原料を、粒径25〜55mmに製団する。この粒径をもつ昇熱材は、効率よく転炉内溶鋼に添加することができる。粒径が25mmに達しないと、ハンドリング時に粉化し易く、転炉装入時に排ガス設備に吸引され、見掛けの昇熱効率が悪化する。逆に55mmを超える大きな粒径では、溶鋼への溶解に時間がかかり、転炉の能力が阻害される。
【0008】
【実施例】
実施例1:
灰分1重量%以下,硫黄分0.01重量%以下の電極屑を使用し、バインダーの種類及び添加量を変えながら昇熱材サンプルを試作した。得られた昇熱材サンプルを900℃の高温雰囲気に曝し、発炎高さを調査した。調査結果を示す図1にみられるように、本発明で規定した澱粉として、たとえばコーンスターチを2〜4重量%配合した昇熱材では、火炎の高さが何れも100mm未満であった。これに対し、ポリビニルアルコールをバインダーとして使用した昇熱材では、火炎の高さが200〜300mmに達する場合もあり、作業の安全性に問題があることが判った。
【0009】
灰分1重量%以下及び硫黄分0.01重量%以下の電極屑を、バインダーとして澱粉3重量%を使用して製団した。このとき、炭素粉の粒度分布による影響を調査するため、粒度分布を変化させた電極屑を使用して、昇熱材サンプルを作製した。得られた昇熱材サンプルを900℃の高温雰囲気に3分間保持した後、圧縮耐力試験に供した。試験結果を示す図2にみられるように、本発明で規定した粒径1mm以上が10〜25重量%,粒径0.15mm以下が15〜30重量%に粒度分布があるとき、炭素粉から得られた昇熱材は、強度の目安である60kgfを超えており、実炉に用いる際に強度不足に起因した分解や粉化が生じないものと考えられた。他方、前述した粒度分布を外れる場合には、得られた昇熱材の強度が低く、実炉での使用時に分解や粉化する虞れがあることが判った。
【0010】
実施例2:
表1に示す成分及び粒度分布をもつ炭素粉を粒径45mmに製団し、溶銑予備処理された溶銑が収容されている90トン/チャージの複合吹錬転炉に投入した。そして、昇熱材添加前後における溶鋼温度,スラグ塩基度及びS濃度を測定し、昇熱材添加による溶鋼着熱量,スラグの塩基度変化及び[S]ピックアップ量をそれぞれ求めた。得られた結果を表2に示す。なお、着熱量は、昇熱材10kg/トン−溶鋼当りの温度上昇分で表した。表2にみられるように、本発明に従った昇熱材は、溶鋼成分やスラグ塩基度に悪影響を与えることなく、溶鋼温度だけを効果的に上昇させていることが判る。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の溶鋼昇熱材は、揮発成分,灰分及び硫黄分を低く規制するとともに粒度分布を規制した炭素粉を25〜55mmの粒径に製団しているので、溶鋼成分やスラグ塩基度に悪影響を及ぼすことなく、転炉内溶鋼の温度を効果的に上げることができる。そのため、転炉炉内における精錬効果が向上し、精錬中の溶鋼に不純物を混入させることがないので、極めて良質の溶鋼が得られ、後工程に必要な熱補償が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 昇熱材に添加されるバインダーの種類及び添加量が火炎の高さに及ぼす影響を表したグラフ
【図2】 炭素粉の粒度分布によって昇熱材の強度が変わることを表したグラフ
Claims (3)
- 炭素分が95重量%以上,揮発成分が4重量%以下,灰分が1重量%以下,硫黄分が0.01重量%以下の組成を持ち、かつ粒径1mm以上のものが10〜25重量%,粒径0.15mm以下のものが15〜30重量%の粒度分布を持つ炭素粉が、25〜55mmの粒径に製団されている転炉用溶鋼昇熱材。
- 炭素粉が、高温で焼成された電極又は電極屑から得られたものである請求項1記載の転炉用溶鋼昇熱材。
- バインダーとして澱粉2〜4重量%を添加した請求項1又は2記載の転炉用溶鋼昇熱材。
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JP9306895A Expired - Lifetime JP3678794B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 転炉用溶鋼昇熱材 |
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1995
- 1995-03-27 JP JP9306895A patent/JP3678794B2/ja not_active Expired - Lifetime
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