JP4294354B2 - フッ化カルシウムの製造方法とその利用 - Google Patents

フッ化カルシウムの製造方法とその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP4294354B2
JP4294354B2 JP2003096105A JP2003096105A JP4294354B2 JP 4294354 B2 JP4294354 B2 JP 4294354B2 JP 2003096105 A JP2003096105 A JP 2003096105A JP 2003096105 A JP2003096105 A JP 2003096105A JP 4294354 B2 JP4294354 B2 JP 4294354B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
fluorine
calcium fluoride
calcium
reaction solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003096105A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004299982A (ja
Inventor
智之 家田
悦二 立木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Environmental Systems and Engineering Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Environmental Systems and Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Environmental Systems and Engineering Co Ltd filed Critical Panasonic Environmental Systems and Engineering Co Ltd
Priority to JP2003096105A priority Critical patent/JP4294354B2/ja
Publication of JP2004299982A publication Critical patent/JP2004299982A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4294354B2 publication Critical patent/JP4294354B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/30Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies
    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

Landscapes

  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Weting (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ化カルシウムの製造技術に関し、特に、半導体製造工程などから排出されるフッ素含有排液からフッ化カルシウムを生成及び分離することにより、例えば、フッ化水素ガスの製造に都合のよい特性のフッ化カルシウム粉末を得るための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程などにおいては、特にエッチング工程や洗浄工程からフッ素含有排液が排出される。
各種フッ素含有排液は、一般的には、カルシウム塩などの水溶性カルシウム化合物などを添加してCaF2(沈殿物)を含有する汚泥を生成させ、その後、この汚泥を固液分離する方法が用いられている。この方法によれば、フッ素が、CaF2という固形分として水系から排除されることで、フッ素濃度が低減された処理水を得ることができる。この方法におけるCaF2の生成反応は、以下の式に示すとおりである。
Ca2++2F→CaF2
【0003】
このフッ素含有排液処理においては、近年、フッ素の排水基準がきびしくなり、環境面からもフッ素を効率的に回収することが要望されていると同時に、フッ素を純度の高いフッ化カルシウムとして回収することも試みられている。
例えば、純度の高いフッ化カルシウムを回収する方法が開示されている(特許文献1、2)。また、フッ素含有排液の排液処理工程から得られるフッ化カルシウム粉末は、最低でも直径300μm程度の結晶となるという報告(特許文献3)がある。また、ペレット状のフッ化カルシウムを回収する報告もあり(特許文献4)、この報告の方法によれば、数cm程度の寸法の板状体のフッ化カルシウムが得られることがわかっている。
回収したフッ化カルシウム粉末を何らかの有効な用途に使用するには、適度な粒度分布を有していることが求められる。フッ化水素ガスを製造させる場合は、フッ化カルシウムと硫酸を反応させることによって実施されるが、前記反応を安定して効率的に推進させるには粒度分布を基準範囲内に抑えることは重要な要素であるからである。
しかしながら、高い純度を有しかつ粒度分布が制御されたフッ化カルシウムを得ることは従来全く意図されておらず、また、上記した従来の技術からして、両者を同時に解決することは現実的には非常に困難であった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−212574号公報
【特許文献2】
特開平6−114382号公報
【特許文献3】
特開平6−253576号公報
【特許文献4】
特開2002−35768号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、リサイクル使用に適した純度と粒度分布を有するフッ化カルシウムの製造技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、フッ素含有排液に対して一定の排水処理工程を施した場合に回収されるフッ化カルシウムの純度と粒度分布と粒子サイズに着目し、上記した課題を一挙に解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供される。
【0007】
(1)フッ化カルシウムの製造方法であって、少なくとも、以下の反応工程:
シリコンウエハなどの半導体製造工程、プリント基板の製造工程、ステンレス鋼鈑製造工程、フッ化水素製造工程に関連して排出される、フッ素イオン濃度が5000mg/l以上30000mg/l以下のフッ素含有排液にカルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10を超え12.5以下に維持し、フッ素イオン濃度の下限を2700mg/l以上3300mg/l以下としてフッ素成分を残存させるように反応させる第1の反応工程と、
第1の反応工程によって得られる反応液中の少なくとも残存フッ素成分にカルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10を超え12.5以下に維持し、フッ素イオン濃度の下限を270mg/l以上330mg/l以下として前記第1の反応工程より低い濃フッ素成分を残存させるように反応させる第2の反応工程と、
最終反応工程の反応液を中和する工程と、
反応液からフッ化カルシウムを分離する工程、とを備える、方法。
(2)フッ化カルシウムの製造方法であって、少なくとも、以下の反応工程:
半導体製造工程におけるエッチング工程から発生する第1のフッ素含有排液にカルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10を超え12.5以下に維持し、前記第1のフッ素含有排液のフッ素イオン濃度に対して13〜70%に下限設定された濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる第1の反応工程と、
第1の反応工程によって得られる反応液中の少なくとも残存フッ素成分と、半導体製造工程における洗浄工程からの洗浄排液又はスクラバー系排液であって第1のフッ素含有排液よりも低濃度の第2のフッ素含有排液との混合物にカルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10を超え12.5以下に維持し、前記第2のフッ素含有排液のフッ素イオン濃度に対して5〜50%を下限値として前記第1の工程より低い濃フッ素成分を残存させるように反応させる第2の反応工程と、
最終工程の反応液を中和する工程と、
反応液からフッ化カルシウムを分離する工程、とを備える、方法。
(3)前記反応液中におけるフッ化カルシウムのメジアン径を1μm以上100μm以下とする、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)分離工程後に得られるフッ化カルシウムのメジアン径を1μm以上100μm以下とする、(1)又は(2)に記載の方法。
(5)前記分離工程は、脱水工程と、乾燥工程と、粉砕工程とを備える、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)前記粉砕工程は、気流式粉砕工程である、(5)に記載の方法。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法によって製造されたフッ化カルシウム粉末であって、
フッ素含有排液から水酸化カルシウムを添加して得られる反応液から回収され、
さらに、粒度分布において1μm以上200μm以下の粒度範囲にある粒子数が全体の95%以上である、粉末。
(8)前記フッ化カルシウム粉末は、さらに、以下に示す1種あるいは2種以上の特徴を有する、(7)に記載の粉末。
(a)メジアン径が6μm以上60μm以下である。
(b)CaF2以外のCa分の含有量が9.0重量%以下である。
(c)塩素イオン及び硝酸イオンの含有量の総量が1000mg/l以下である。
(d)固形分におけるフッ化カルシウム含量が90重量%以上である。
(9)用途がフッ化水素ガス製造用である、(7)又は(8)に記載の粉末。
(10)フッ化水素ガスの製造方法であって、
(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法によって製造された、(7)〜(9)のいずれかに記載のフッ化カルシウム粉末をフッ化水素原料の少なくとも一部として利用する、方法。
(11)フッ素の利用方法であって、
シリコンウエハなどの半導体製造工程、プリント基板の製造工程、ステンレス鋼鈑製造工程、フッ化水素製造工程において、フッ化水素ガスを凝縮させたフッ化水素酸としてエッチング用もしくは洗浄用として使用する工程と、
前記使用後に回収するフッ素含有排液から、(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法によって製造された、(7)〜(9)のいずれかに記載のフッ化カルシウム粉末として回収する工程と、
回収したフッ化カルシウム粉末を用いてフッ化水素ガスを合成する工程、
とを備える、方法。
(12)さらに、前記合成したフッ化水素ガスを凝縮させたフッ化水素酸をエッチング用もしくは洗浄用として利用する工程を備える、(11)に記載の方法。
(13)前記フッ化水素ガスを凝縮させたフッ化水素酸を半導体製造工程あるいは液晶製造工程あるいはPDP製造工程あるいは太陽電池製造工程のエッチング用や洗浄用に使用する、(11)又は(12)に記載の方法。
(14)フッ化カルシウムの製造装置であって、
フッ化カルシウム含有スラリーを脱水する手段と、脱水した固形分を乾燥する手段と、
乾燥した固形分を粉砕する手段、とを備え
前記脱水手段が遠心分離手段であり、
前記乾燥手段が、回転及び通気回転乾燥手段、流動層式乾燥手段,噴霧乾燥手段、気流乾燥手段、真空乾燥手段、凍結乾燥手段、赤外線乾燥手段、又は高周波乾燥手段であり、
前記粉砕手段は気流式粉砕手段であり、
フッ素含有液から前記フッ化カルシウム含有スラリーを取得する手段として、
第1の反応槽と、この反応槽内にカルシウム化合物を供給する手段と、この反応槽内の反応液のpHを検出する手段と、この反応槽内の反応液のフッ素イオン濃度を検出する手段、とを備える、第1の反応装置群と、
前記第1の反応槽の反応液の少なくとも一部が供給される第2の反応槽と、この反応槽内の反応液のpH検出手段と、この反応槽内にカルシウム化合物を供給する手段と、
この反応槽内の反応液のフッ素イオン濃度を検出する手段、とを備える第2の反応装置群と、
第2の反応槽の反応液を中和する手段と、
反応生成物を固液分離する固液分離手段、とを備える、装置。
【0008】
本発明のフッ化カルシウムの製造方法によれば、粒径1〜200μmの粒子が粒度分布の95%以上を占めるフッ化カルシウム粉末を容易に得ることができる。また、純度の高い(90%以上フッ化カルシウムである固形分)を得ることができる。
したがって、本製造方法によれば、純度は所定以上と粒径が一定範囲内に納まるフッ化カルシウム粒子を得ることができるため、そのまま、あるいは適宜加工することで、ほとんどそのままフッ化水素ガスの原料として使用することができる。このようなフッ化カルシウム粒子は例えばフッ化水素ガスなどの原料として有用である。
これらのフッ素含有排液処理方法よれば、最終的に固液分離して得られる固形分におけるCaF2含有量を増大させるとともに、CaF2以外のカルシウム分を低減することができる。このため、高純度のCaF2を得ることができる。
本発明のフッ化カルシウム粉末によれば、上記のとおり、有用なフッ化カルシウム粉末が提供される。
【0009】
さらに、本発明のフッ化水素ガスの製造方法によれば、フッ素含有排液から回収されたフッ化カルシウムを利用することにより、資源の有効利用を促進し、環境への負荷も低減することができる。
また、本発明のフッ素の利用方法によれば、エッチング用もしくは洗浄用として用いたフッ化水素酸を含む薬品を再び、フッ化水素ガスを経てフッ化水素酸に再生できるため、有効にフッ素資源を活用することができる。また、再生したフッ化水素酸を再び洗浄用に用いることにより、より有効な活用が可能となる。
また、本発明のフッ化カルシウムの製造装置によれば、フッ素含有排液から所定以上の純度と粒径が所定範囲内に納まるフッ化カルシウムを効率的に回収することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5を参照しながら詳細に説明する。
なお、図1〜図5に示す形態は、本発明の好ましい形態ではあっても本発明を限定するものではない。
【0011】
本発明のフッ化カルシウムの製造方法は、フッ素含有排液からフッ化カルシウムを生成させかつ回収するプロセスを含んでいる。また、当該生成・分離プロセスは、フッ化水素ガスの製造方法に含まれるフッ化カルシウム生成・分離工程の好ましい一形態である。また、当該生成及び分離プロセスは、本発明のフッ素の利用方法におけるフッ化カルシウム生成・回収工程の好ましい一形態である。また、当該プロセスは、本発明のフッ化カルシウム粉末を得るための好ましいフッ化カルシウム生成・分離工程でもある。
したがって、以下に、当該生成・分離プロセスについて説明し、もって本発明のフッ化カルシウムの製造方法及び製造装置を説明し、順次、フッ化カルシウム粉末、フッ化水素ガスの製造方法、並びにフッ素の利用方法について説明する。
【0012】
(フッ化カルシウム生成工程)
本発明におけるフッ化カルシウムの生成工程は、フッ素含有排液にカルシウム化合物を添加して得られる反応系のpHを10を超え12.5以下に維持し、所定濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる第1の反応工程と、第1の工程によって得られる反応液中の少なくとも残存フッ素成分にさらにカルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10を超え12.5以下に維持し、前記第1の反応工程より低い所定濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる第2の反応工程、とを備えている。
また、第1のフッ素含有排液にカルシウム化合物を添加して得られる反応系のpHを10を超え12.5以下に維持し、所定濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる第1の工程と、第1の工程によって得られる反応液中の少なくとも残存フッ素成分と前記第1のフッ素含有排液よりも低いフッ素濃度の第2のフッ素含有排液より低濃度のフッ素含有排液との混合物にさらにカルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10を超え12.5以下に維持し、前記第1の工程より低い所定濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる第2の反応工程、とを備えている。
すなわち、より高濃度のフッ素含有排液をフッ素成分を残存させながら反応させつつ、かつ残存するフッ素成分(カルシウム化合物との未反応分)をより低濃度側のフッ素含有排液と合わせて処理するという特徴を有している。
したがって、濃度差のあるフッ素濃度のフッ素含有排液がある場合には、少なくとも第1と第2の反応工程を実施し、必要に応じて、3工程以上の反応工程を実施することができる。
【0013】
また、本発明の装置は、図2に示すように、第1の反応槽2と、この反応槽2内にカルシウム化合物を供給する手段8と、この反応槽内の反応液のpHを検出する手段6と、この反応槽2内の反応液のフッ素イオン濃度を検出する手段10、とを備える、第1の反応装置群と、
前記第1の反応槽2の反応液の少なくとも一部が供給される第2の反応槽12と、この反応槽12内の反応液のpH検出手16段と、この反応槽12内にカルシウム化合物を供給する手段18と、この反応槽12内の反応液のフッ素イオン濃度を検出する手段20、とを備える第2の反応装置群と、第2の反応槽の反応液を中和する手段24と、反応生成物を固液分離する固液分離手段42、とを備えている。
【0014】
(フッ素含有排液)
これらの処理方法及び処理装置、すなわち、処理技術は、フッ素を含む排液処理に適用することができる。フッ素含有排液は、例えば、シリコンウエハなどの半導体製造工程、プリント基板の製造工程、ステンレス鋼鈑製造工程、フッ化水素製造工程に関連して排出されるフッ素含有排液に適用することができる。
【0015】
特に、半導体製造工程において発生するフッ素含有排液に好ましく適用することができる。なかでも、エッチング工程から発生する比較的高濃度にフッ素を含有する排液や洗浄工程から発生する比較的低濃度のフッ素含有排液である。前者は、例えば、フッ素濃度が10000〜15000mg/lであることがある。また、後者は、例えば、フッ素濃度が500〜1500mg/lであることがある。本発明においては、これらの濃度差のあるフッ素含有廃液は、混合して一括処理するよりも、高濃度フッ素含有排液を第1の反応工程に供給し、次いで第2の反応工程を実施し、低濃度フッ素含有排液を前記高濃度フッ素含有排液に対する第2の工程に供給し、前記高濃度フッ素含有排液由来の第1の工程の結果物とともに第2の工程を実施することが好ましい。このように濃度に応じて異なる工程に供給することにより、第1の工程での処理量の増大を抑制できる。また、第1の工程に供給するフッ素含有排液の濃度の変動を抑制することができるため、反応系中の余剰カルシウム量を一定値以下に保ちやすくなる。すなわち、フッ素含有排液のフッ素濃度が大きく変動すると、カルシウム化合物が過剰に反応系に添加されやすくなって余剰カルシウム量が反応系内に存在するようになると、最終的に得られる固形分においてもCaF以外のカルシウム塩の含有量が高くなる傾向にあるが、第1の工程の供給するフッ素含有排液の濃度が安定していると、固液分離後の固形分中のCaF含有量を高純度にすることができる。
【0016】
また、半導体製造工程などから発生するフッ素含有排液は、半導体材料であるSiOなどのSi系成分を同時に含有することが多い。本発明の処理技術においては、SiOとして5mg/l以下の範囲で含有するフッ素含有排液であることが好ましい。
【0017】
(カルシウム化合物)
本処理技術において、CaF生成のために用いることのできるカルシウム化合物(以下、固定化剤ともいう。)は特に限定しないで、この反応に従来使用されている化合物を使用することができる。例えば、CaCl、CaCO、生石灰(CaO)、Ca(NO、Ca(OH)などを用いることができる。最終的に得られる固形分の再利用を考慮すれば、好ましくは、Ca(OH)である。
【0018】
Ca(OH)を使用する場合には、粉末、溶液などの形態で反応系に供給することもできるが、好ましくは、水に懸濁したスラリー状として供給する。スラリーにおいては、濃厚なCa(OH)溶液にCa(OH)粒子が分散された状態となっている。スラリーを用いることにより、反応液中において接触反応させやすく、また、注入量の制御が容易という利点がある。したがって、余剰のCa(OH)2を発生させにくくすることができる。Ca(OH)のスラリー濃度は特に限定しないが、20〜40重量%程度とすることができる。
【0019】
以下、本発明のフッ化カルシウム生成工程を、図2を参照しながら具体的に説明する。
(第1の反応工程)
第1の反応工程は、フッ素含有排液にカルシウム化合物を添加して得られる反応液において、フッ素成分が残存するように反応させる工程である。具体的には、反応液のpHを10を超え12.5以下に維持して反応させる、及び/又は、フッ素イオン濃度を計測しながら所定濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる工程である。
この工程には、少なくとも1個の反応槽2を備えており、2以上の反応槽を備えることもできる。2以上の反応槽2を備える場合には、オーバーフローなどにより反応槽2間を反応液が移動するように構成することができる。なお、一つの槽が実質的に区画されて2以上の反応区画に分画されることで2以上の反応槽が構成されていてもよい。反応槽2は、必要に応じて貯留槽にもなる。
反応槽2には、比較的高濃度のフッ素含有排液Aが供給用配管などの供給手段4を介して供給されるようになっている。フッ素含有排液Aは、アンモニアを含んでいてもよい。
反応槽2は、槽内の反応系のpHを検出する手段6と、Ca(OH)などのカルシウム化合物を反応槽2に供給するための供給手段8とを備えることができる。さらに、反応槽2には、フッ素イオン濃度検出手段10を備えることもできる。フッ素イオン濃度検出手段10としては、公知のフッ素イオン濃度検出手段を用いることができる。好ましくは、反応槽2を始点及び終点とする循環経路10aを形成し、この循環経路にフッ素イオン濃度検出手段10を備えるようにする。反応槽2中の反応液には固形分も含有しているため、フッ素イオン濃度検出手段10に至る循環経路にはろ過手段11が備えられていることが好ましい。
【0020】
pH検出手段6により、反応槽2に供給された排液Aに対して、カルシウム化合物供給手段8によってカルシウム化合物が供給される。pH検出手段6は、反応槽2内の反応液のpHを測定可能に形成されていることが好ましく、カルシウム化合物も、反応槽2の前段側において供給されるようになっていることが好ましい。供給量の制御は、反応槽2内の反応系のpHによって行うが、pHが10を超える条件に維持することが好ましい。pHが10以下となると、Ca(OH)2の投入不足で未反応フッ素が顕著に増加するからである。また、上限は、12.5以下とすることが好ましい。12.5を超えると、Ca(OH)2の投入過剰で、顕著に不純物となるカルシウム化合物が増量するからである。pHによるカルシウム化合物の供給量制御によれば、簡易に過剰なカルシウム化合物の供給を回避できる。
また、反応槽2の反応液のフッ素イオン濃度が所定濃度以下あるいは当初排液濃度の所定割合以下、例えば約20%以下となった時点で反応槽2におけるカルシウム化合物の供給を停止するような制御をすることもできる。このような制御によれば、第2の反応工程あるいは固形分離工程に対して、一定のフッ素イオン濃度の処理液を供給することができる。あるいは、第1の工程でのフッ素イオン低下割合を一定することで、最終的に得られる固形分における純度が安定化される。特に、フッ素イオン濃度によるカルシウム化合物供給量制御によれば、無駄なカルシウム化合物の供給を確実に回避できる。
【0021】
例えば、第1の反応工程に供給するフッ素含有排液のフッ素濃度が5000mg/l以上30000mg/l以下の場合には、残存させるフッ素イオン濃度の下限を2700mg/l以上3300mg/l以下に設定することが好ましく、より好ましくは、約3000mg/lである。
また、当初フッ素濃度に応じて残存させるフッ素イオン濃度の上限を設定させる場合には、当初フッ素濃度の約13%以上約70%以下に下限設定することが好ましい。より好ましくは、約20%以上約50%以下である。
【0022】
第1の反応工程において、カルシウム化合物として、Ca(OH)スラリーを用い、上記pH制御を実施することにより、反応系における余剰のCaの存在を回避しつつ、効率よくCaFを沈殿させることができる。このため、かかる第1の反応工程を実施することにより、高い純度のCaFを得られやすくなる。特に、高濃度フッ素含有排液に対してこのような第1の工程を実施することで、効率的にCaFを沈殿させることができる。
【0023】
なお、このような第1の反応工程を採用することで、得られるフッ化カルシウムの粒子径を一定以下とし、また、粒度分布を一定範囲とすることが容易となっている。
【0024】
(第1の工程と第2の工程との中間工程)
第1の工程により得られる反応液のうち、少なくとも残存フッ素成分は、その後、第2の反応工程に供給される。例えば、第1の反応工程に供給されるフッ素含有排液がアンモニアを含有している場合には、第1の工程の実施後に、固液分離工程と、分離された液体についてのアンモニア除去工程を実施することができる。その後、固形分とアンモニア除去後の液体とを、第2の工程に供給することができる。アンモニアを含有したフッ素含有排液にこの処理を実施することで、第2の工程におけるアンモニア由来の不純物を低減することができる。当該固液分離工程は、特に手段を限定しないが、遠心分離機などの簡易的な固液分離手段30を使用することが好ましい。また、アンモニア除去工程としては、アルカリ下でアンモニアをガス化することにより除去することができる。このとき、pHは11以上とすることが好ましい。アルカリとしては、特に限定しないが、NaOHなどを使用できる。なお、アンモニア除去工程は必須ではない。
【0025】
(第2の反応工程)
第2の反応工程は、第1の反応工程によって得られる反応液中の少なくとも残存フッ素成分にカルシウム化合物を添加して、さらに低濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる工程である。具体的には、反応液のpHを10を超え12.5以下に維持して反応させる、及び/又は、フッ素イオン濃度を計測しながらより低い所定濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる工程である。
第2の反応工程には、第1の反応工程によって得られる反応液の全体を供給することもできるが、少なくとも当該反応液中の残存フッ素成分を含む部分、一般的には、第1の反応工程の反応液の固液分離後の液体を供給する。したがって、当該液体に加えて、さらに、固液分離後の固形分の一部あるいは全体も第2の反応工程の反応液に供給することもできる。
【0026】
さらに、第2の反応工程及びそれ以降の反応工程には、第1に反応工程に供給したフッ素含有排液よりもより濃度の低いフッ素含有排液を供給することができる。すなわち、第1の反応工程に供給したフッ素含有排液を第1のフッ素含有排液とすれば、この第2の反応工程に供給されるフッ素含有排液は第2のフッ素含有排液と言いかえることができる。
例えば、このようなフッ素含有排液としては、洗浄工程からの洗浄排液、あるいはスクラバーのブロー排液やスクラバーメンテナンス排液等のスクラバー系排液を挙げることができる。スクラバー系排液は大量に発生するため、フッ素濃度は極めて低濃度であるものの、含有される全フッ素量が多い。したがって、濃縮することが有効であり、また、他の半導体製造工程のフッ素含有排液の処理工程に合流させることによって効率的な排液処理が可能となっている。
【0027】
第2の工程には、少なくとも1個の反応槽12を備えており、2以上の反応槽を備えることもできる。
図1に示す形態では、第2の反応槽12が備えられている。反応槽12には、第1の工程と同様に、槽内の反応系のpHを検出する手段16と、Ca(OH)などのカルシウム化合物を反応槽12に供給するための供給手段18とを備えることができる。反応槽12には、フッ素含有排液Aより低濃度のフッ素含有排液Bが供給用配管などの供給手段14を介して供給されるようになっている。
また、反応槽12には、フッ素イオン濃度検出手段20も備えることができる。フッ素イオン濃度検出手段20は、第1の工程に備えられる手段10と同様に、循環経路20aとろ過手段21とを備えている。なお、フッ素イオン濃度は、反応工程以降の中和工程、凝集工程において変化することはないため、中和槽22や凝集槽32において検出することもできる。
【0028】
第2の反応工程におけるフッ素とカルシウム化合物との反応の制御は、第1の反応工程におけるのとほぼ同様であるが、残存させようとするフッ素成分の濃度においてのみ相違する。第2の反応工程では、第1の反応工程で制御したよりも低い濃度にまで残存フッ素成分を減少させるようにする。このような段階的な残存フッ素成分の濃度制御により、純度の高い固形分が得られる。また、例えば、半導体製造工程において、各種濃度のフッ素含有排液に対して、その排出濃度に応じて効率的な処理が可能となっている。
【0029】
第2の反応工程におけるフッ素イオン濃度の下限設定値は、例えば、270mg/l以上330mg/l以下とすることが好ましい。この範囲内の濃度を下限設定値として設定することにより、CaF2の回収率と純度とを確保しやすくなる。
例えば、第2の工程に供給されるフッ素含有排液のフッ素濃度が500mg/l以上5000mg/l未満の場合には、フッ素イオン濃度の下限値を270mg/l〜330mg/lに設定することが好ましく、より好ましくは、約300mg/lである。
また、第2の反応工程に供給されたフッ素含有排液のフッ素イオン濃度に対しては、その約5%〜約50%程度を下限値とすることが好ましい。より好ましくは、約20%〜約40%を下限値とする。
【0030】
このような第2の反応工程を有することにより、得られるフッ化カルシウムの粒子径を一定以下に容易に制御することができる。また、当該粒子の粒度分布を一定範囲とすることが容易となる。
【0031】
反応工程は、第1の反応工程と第2の反応工程のみならず、第3の反応工程以上を設けることもできる。排出されるフッ素含有排液濃度やその多様性に応じて適宜反応工程を増やすことができる。反応工程と反応工程との間には、固液分離工程などを設け、適宜、固形分を反応液から除去することができる。また、得られた固形分は、次段の反応工程のみならず、前段の反応工程に供給して、種晶として利用したり、再精製させることもできる。
【0032】
(中和工程)
なお、必須ではないが、全ての反応工程を終了して得られる反応液は、中和しておくことが好ましい。中和することによって、その後の固液分離工程を経て得られる固形分の取り扱いやすさや安全性を確保することができるとともに、処理水も安全に処理できるようになる。
中和工程では、特に、その反応系を中和する。中和剤は特に限定しないが、硫酸、硝酸、塩酸、炭酸などを用いることができる。好ましくは、硫酸を使用し、硝酸、塩酸、炭酸などは、最終的に得られるCaFからフッ化水素の製造工程における不純物となるため、使用しないことが好ましい。中和のpH制御は、少なくとも酸を加えることによって行う。好ましくは、酸を加えて7.5以上10以下とする。より好ましくは、pH8以上9以下とする。
【0033】
中和工程は、反応工程の反応液が供給される中和槽22にて行われることが好ましい。中和槽22には、中和剤を供給する手段24とpH検出手段26とが備えられている。
【0034】
本フッ化カルシウム生成技術によれば、第1の反応工程において、フッ素成分が残存するように反応させる。具体的には、CaF2生成反応において、pHに基づくカルシウム化合物の供給量制御により、反応系に存在する過剰な、すなわち、フッ素イオンに対して過剰なカルシウム供給が抑制されている。このため、最終的に得られる固形分における固定化剤やその他のカルシウム塩の含有量が低下されている。さらに、同時に、第1の工程においてフッ素イオン濃度に基づく固定化剤の供給量制御が実施されている場合には、より精密な固定化剤供給制御が達成できるため、最終固形分におけるCaF2含有量を高純度で安定化させることができる。
【0035】
また、本フッ化カルシウム生成技術によれば、次いで、第2の反応工程において、さらにフッ素濃度が低濃度側において、なおかつフッ素成分を残存させるように反応させる。このように、段階的に残存フッ素成分濃度を低くしていくことにより、過剰なカルシウム化合物の供給量を全体として低く押さえ、過剰な供給を回避できるため、CaF2純度の高い固形分を容易に得ることができる。
さらに、第2の反応工程や第2の反応工程に引き続くさらなる反応工程において、第1の反応工程に供給したフッ素含有排液よりも低濃度のフッ素含有排液をそれぞれ合流させ、混合して併合処理することもできる。これにより、半導体製造工程の様々な工程において発生する各種濃度のフッ素含有排液を効率的に処理することができる。また、引き続いて実施する反応工程に、前段の反応工程の反応生成物(CaF2含有固形分)の一部あるいは全体を供給することで、共沈などにより効率的にCaF2を生成させることもできる。
【0036】
なお、このようなカルシウム供給量の制御により、中和工程を実施した際においても添加する中和剤量を低減することができる。したがって、中和(酸の添加)によって生成するカルシウム塩などの不純物の生成を抑制し、最終固形分における不純物低減に寄与することができる。
【0037】
また、中和剤として硫酸のみを用い、硝酸、塩酸、炭酸、リン酸などを使用しないことにより、フッ化水素製造に好ましい原料を供給することができるようになる。例えば、硝酸イオン及び塩素イオンの総量が1000mg/l以下の固形分を得ることができる。
【0038】
さらに、本発明のフッ化カルシウム生成技術によれば、粒度分布が一定範囲に制御することができる。すなわち、粒子径が1〜200μmの範囲にあるフッ化カルシウム粒子が粒度分布の95%以上とすることができる。より好ましくは、98%以上とすることができる。
また、フッ化カルシウム粉末のメジアン径として1μm以上100μm以下とすることが好ましい。より好ましくは、6μm以上60μm以下とすることができ、さらに好ましくは、10μm以上45μm以下である。
なお、メジアン径や粒度分布は、たとえば、光透過型粒度測定装置を用いて測定することができる。かかる装置としては、HORIBA LA-920等を使用することができる。
【0039】
図1に示すフッ化カルシウム生成工程では、特に、フッ素及びアンモニア含有排液Aを第1の工程に供給し、第1の工程と第2の工程との中間工程でアンモニアを除去し、第2の工程でアンモニアが0.001重量%以下のフッ素含有排液をさらに供給している。このように、アンモニア除去処理の必要なフッ素含有排液とそうでない含有排液とを併せることなく、それぞれが分別された状態で、一つの処理工程の異なる段階で供給することにより、アンモニア除去効率を低下させることなく、フッ素含有排液処理を実施することができる。
【0040】
また、図1に示す生成工程では、高濃度フッ素含有排液を第1の工程に供給し、この第1の工程に引き続く第2の工程において、さらに、低濃度フッ素含有排液を供給している。このようにフッ素濃度の高い排液をそのまま高濃度で効率的に処理し、一旦、ある程度までフッ素を固定化し残存フッ素濃度を低下させた後に、第1の工程後の反応生成物と低濃度の排液とを合わせることで、フッ素濃度の変動を抑制し、過剰な固定化剤の供給を抑制しやすくなる。また、既に固定化されたCaF2を含有する固形分を含む反応系に、低濃度の排液が供給されることで、低濃度排液中のフッ素も共沈により、過剰の固定化剤を加えることなく固定化しやすくすることができる。
【0041】
(フッ化カルシウム分離工程)
このようなフッ化カルシウム生成工程により得られたフッ化カルシウム(生成工程後においてはフッ化カルシウム含有スラリーとして存在する)を、スラリーとしてあるいはフッ化カルシウム粉末として分離する工程について説明する。分離工程の一連の脱水〜乾燥までの工程の概略を図3に示す。
スラリー(水分約80重量%超)として分離するには、凝集及び/又は固液分離工程を実施すれば足りる。
また、ケーキ(水分約50重量%超え80重量%以下)を得るには、当該水分量となる程度に脱水工程を実施することができる。
また、粉末(水分約15重量%以下)を得るには、当該水分量になるように乾燥工程を実施し、必要に応じて粉砕工程を実施することが好ましい。また、脱水や固液分離工程も必要に応じて実施する。取り扱い面からは10〜15重量%が望ましい。
【0042】
(凝集工程)
反応工程後の反応液あるいは中和後の中和液は、高分子凝集剤などの凝集剤を添加して凝集させることが好ましい。凝集対象液に対して、凝集剤供給手段34をにより凝集剤を供給し、凝集させることができる。凝集には、別途凝集槽32を用いることが好ましい。効率的な固液分離工程を実施するには、凝集工程を予め実施することが好ましい。図2に示すように、中和槽22からオバーフローなどで凝集槽32に移送され、ここに、凝集剤が添加されて凝集反応が実施される。
【0043】
中和後のフッ化カルシウム含有スラリーをそのまま何らかの用途に使用することもできるが、適当な水分量のフッ化カルシウム含有スラリーとするには、後述するように適宜固液分離工程及び/又は乾燥工程とを行うことが好ましい。
なお、固液分離工程へのスラリー導入にあたっては、スラリーを適当な攪拌手段46により攪拌して均一化しておくことが好ましい。
【0044】
(固液分離工程)
固液分離工程では、反応工程後の反応液、中和工程後の中和液、あるいは凝集工程の凝集液を固液分離する。固液分離工程は、公知の固液分離手段52を用いて行うことができる。例えば、クラリファイヤーやシックナーなどを用いて行うことができる。固液分離工程において分離された液体は、必要に応じてさらなる排液処理工程に供給される。一方、分離された固形分は、先に示したCaF2を高純度に含有されているとともに、CaF2以外のCa塩などCa分が低減されている。本処理技術によれば、90重量%以上のCaF2を含有する固形分を得ることができる。かかる高純度CaF2は、フッ化水素ガス製造原料として再利用することができる。さらに、CaF2以外のカルシウム分が9.0重量%以下の固形分を得ることができる。
すなわち、本技術によれば、フッ素含有排液の処理のみならず、フッ化水素ガス製造原料への再生ないし再利用のための方法が提供される。したがって、半導体製造工程由来のフッ素含有排液を、フッ化水素ガスを経て、半導体製造工程のフッ化水素酸の製造原料として再利用する場合には、循環型の利用システムを構築することができる。
なお、当該固液分離工程に先んじて、反応工程間などにおいて必要に応じて行われた固液分離工程の分離固形分は、個別の固液分離工程において回収し再利用することもできるし、最終的に行われる固液分離工程で得られる固形分に合わせることもできる。
【0045】
なお、固液分離工程により得られた固形分は、再利用などする他、それ以前に実施した1種あるいは2種以上の反応工程の反応槽に返送することもできる。このように返送することにより、固形分中に残留した固定化剤を有効に再利用することができる。また、次に得られる固形分からの不純物としてのCa含有量を低減させることができる。さらに、固形分に含まれるCaF2は、沈殿生成反応のための種晶としての作用する。
【0046】
分離工程においては、固液分離等しないフッ化カルシウム含有スラリーや固液分離後のスラリー(かかるスラリーは、通常固形分5重量%程度、水分が約95重量%となっている)の水分をさらに調整し、ケーキやひいては粉末を得るために脱水工程や乾燥工程を実施することが好ましい。
【0047】
(脱水工程)
脱水工程は特に限定しないが、固形分の水分含量が50重量%超80重量%以下となるように、各種固液分離方法を採用できる。例えば、遠心分離、ろ過等を必要に応じて採用できる。好ましくは、遠心分離による。
遠心分離手段の中でも円筒型スクリューデカンターは小型で連続処理が可能であり、所望の水分含量を得るのに好ましい。
例えば、図3に示すように円筒型スクリューデカンターの遠心分離手段52は固液の密度差及び粒子径の二乗に比例し、母液の粘度に反比例するStokesの式に表される分離特性を有しているため、回転数を調整することにより、容易に適切な含水率を得ることができる。
【0048】
(乾燥工程)
乾燥工程は、特に、粉末を得る場合に用いる。粉末を得るには、各種の乾燥手段を用いることができる。例えば、熱風乾燥式、熱伝導式、放射加熱式、高周波加熱式などの各種の様式の乾燥手段を用いることができる。具体的には、回転及び通気回転乾燥、流動層式乾燥,噴霧乾燥、気流乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、赤外線乾燥、高周波乾燥等の各種手段を用いることができる。好ましくは、時間で乾燥状態を調整することができる、材料攪拌型を用いる。また、水分量を安定的にコントロールするには、外部ジャケット等による伝導加熱式を用いる。
【0049】
例えば、図3に示すように、外部ジャケット式の攪拌式乾燥手段62を用いることができる。乾燥手段62内で発生した蒸気は、凝縮手段72に導入するようにし、冷却水にて蒸気を凝縮させて得られた液体を、例えば、先の生成工程へ返送することができる。凝縮手段72を通過した空気は、排気することができる。凝縮手段72を備えることで、排気を浄化する一方、利用できる液体成分を再回収することができる。
【0050】
乾燥工程は、特に限定しないが、水分を約50〜80重量%程度に脱水した後、伝導加熱式乾燥手段62を用いて、水分を約15重量%以下までに乾燥する工程を実施する。15重量%以下まで乾燥すると、空気等による搬送が容易になるからである。また、貯留中や搬送中において粒子同士の凝集が生じ難いからである。ただし、乾燥し過ぎると逆に粉体の浮遊、飛散等によるの取り扱い上(特に車輸送の嵩を考慮した効率)の問題、周辺雰囲気汚染問題等があり、容易に浮遊しない適度な含水率が望ましい。好ましくは10〜15重量%がのぞましい。
かかる乾燥工程を実施する場合には、フッ化カルシウム粒子を適度に凝集させることができる。例えば、平均粒径が約1mm以上約5mm以下に凝集させることにより、この程度の凝集により、空気等のガスによる搬送が容易となる。したがって、後段への搬送が容易となるとともに、後段の粉砕工程において、気流式粉砕手段を用いる場合には、搬送と導入とを同期させることができて好ましい。さらに、適度に凝集させることは、例えば次工程での粉砕を効率化し、また、適度な粒径に粉砕することが容易となる。
好ましくは、乾燥手段62は、縦型の密閉状の箱型容器62aであり、周囲に伝導加熱のためのジャケット64を有し、内部には、駆動回転される攪拌羽根66を有するように構成する。また、容器62aの一部には、凝縮手段72に通じるガス排出口を備えている。
なお、乾燥工程を終えたフッ化カルシウムは、適宜ホッパ74に貯留され、必要に応じて、加圧送風源から接続された搬送管路を通じて粉砕工程へとガス搬送されることが好ましい。また、粉砕工程の直前においても適宜ホッパ76等に一旦貯留されることが好ましい。
さらに前記ホッパ76上部から排気側に接続された経路に浮遊する粉塵を捕獲するフィルター77を備え、外気への排出を防ぐことが望ましい。
また、粉砕工程の近傍に吸引源を設け、前記ホッパ76付近に吸気口を設けた吸引によるガス搬送も可能となる。
【0051】
なお、乾燥工程を熱風加熱などの直接加熱方式を用いると、一挙に水分が蒸発しやすく、結果として、フッ化カルシウム粒子の凝集の程度が乾燥手段内においてもまた乾燥条件によっても大きくばらつくことになる。一般に、ばらついた粒子範囲を有する粉体を粉砕して効率よく一定粒子径あるいは粒度分布に調整することは非常に困難である。
【0052】
(粉砕工程)
粉砕工程は必要に応じて実施される。各種粉砕手段を用いることができるが、たとえば、気流式粉砕手段82を好ましく用いることができる。
気流式粉砕手段82は、手段82の内部を被乾燥物が気流によって通過させるようにし、通過を遮断するように回転する羽根車83を粉体通過路に沿って配置する構成を有している。すなわち、本手段82は、外部に設けた吸引源により内部を吸引可能に設けられ、搬送に係わる空気導入も可能とする粉末導入口と、粉砕粉末を排出する排出口を有する箱状容器82aと、複数枚の羽根を有する羽根車83が吸引方向に沿って複数個所定一定間隔で配列されたロータ84をこの容器82a内に備えている。
この気流式粉砕手段82によれば、一旦乾燥工程で凝集した粒子を効率的に粉砕することができる。また、最終的な通過部分の間隔(容器の内壁部と羽根との間隔)設定と通過時間(速度)の調整により、粉砕程度の調節が容易である。また、気流式粉砕手段82は、連続的な乾燥が可能である点において、常時発生するフッ素含有排液からフッ化カルシウムを生成分離する工程に備えられる手段として好ましい。特に、前段の乾燥工程において、適度な粒子状の乾燥物が得られる攪拌式かつ外部熱伝導式乾燥手段62を用いた場合には、空気による被乾燥物の搬送と粉砕手段82は、バッチ式が基本となるが、適宜、乾燥工程の後段に中継用ホッパ74を設けることで、乾燥処理と粉砕処理への連携はスムーズに行うことが可能となる。
【0053】
乾燥工程が実施されたフッ化カルシウムは、気流式粉砕手段82を用いた場合には、当該手段82からの被乾燥物の排出のための気流に乗って、フッ化カルシウムの貯留タンク92へと搬送される。なお、気流式粉砕手段82を吸引する吸引源は、このタンク92の上方側に連通する排出経路の一部において設けられていることが好ましい。すなわち、当該タンク92を介して気流式粉砕手段82を吸引可能に備えられていることが好ましい。
さらに前記貯留タンク92上部のその吸引源(排気)に接続された経路に浮遊する粉塵を捕獲するフィルター87を備え、外気へ排出を防ぐことが望ましい。
【0054】
(フッ化カルシウム粉末)
このような乾燥工程を経て得られるフッ化カルシウム(粉末)は、水分が15重量%以下、好ましくは、10〜15重量%以下である。また、水分を除いては、生成工程で得られるフッ化カルシウム固形分と同様の品質を有するものが得ることができる。なお、SiO2は、1.0重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以下である。
【0055】
(フッ化水素ガスの製造)
このようにして得られたフッ化カルシウム(特に、粉末)は、一定の粒径特性を有し、また、純度も高いことから、各種フッ素含有製品の第1次製品であるフッ化水素ガス製造用の有用な原料となる。
フッ化水素ガスは、例えば、天然蛍石や合成蛍石を原料として硫酸などの酸とともに熱分解することにより工業的に生産されている。
本発明のフッ化カルシウムは、当該原料の一部あるいは全体として使用することができる。
フッ化水素ガス原料である蛍石等は予めよく混合するのであるが、その際、良好な混合均一性を得ることが効率的なフッ素ガス生産に有効である。混合均一性を得るには、メジアン径及び/又は粒度分布が一定範囲内であることが好ましく、また、天然原料と混合して用いる場合には、天然原料と同様のメジアン径及び/又は粒度分布を有していることが好ましい。
そういった観点から、本発明のフッ化カルシウムは純度も高く、かつ粒度分布の制御が容易である点において本用途に有用である。特に,メジアン径が6μm〜60μm及び/又は粒度分布が1〜200μmである場合には、入手容易な天然蛍石原料と混合したときに良好な混合均一性を得ることができる。
【0056】
本発明のフッ化カルシウムの生成・分離技術によれば、純度の他、粒径特性も制御し、所望の純度(高い純度)と粒径特性のフッ化カルシウムを得ることができるため、天然蛍石原料との混合均一性を確保し向上させるようなフッ化カルシウムを容易に提供することができる。すなわち、本発明の生成・分離技術は、予め、用途に適した特性を付与できる点において、リサイクルに直結しリサイクルをより効率化する技術であるといえる。
【0057】
(フッ素化水素ガスの用途とフッ素の循環利用)
本フッ化カルシウムを原料として製造したフッ化水素ガスは、薬品、樹脂、ゴム等の製品材料となるとともに、凝縮したフッ化水素酸は半導体基板等のエッチングや洗浄用として供給される。したがって、当該凝縮したフッ化水素ガスを再び洗浄用として用いることで、高度に最適化されたリサイクルが可能となる。加えて、かかる洗浄により発生するフッ素含有排液を本発明を用いてフッ化カルシウムとし、さらにフッ化水素ガスとし、凝縮後フッ化水素酸として再び洗浄用として用いることで、フッ素の高度な循環利用を実現できる。このようなフッ素のリサイクル利用及び循環利用は、半導体製造工程や液晶製造工程において大量かつ連続的に発生するフッ素含有排液の排水処理において高い有用性がある。
【0058】
【実施例】
以下に、本発明の処理技術の実施例について説明する。
試験プラントは、概略として図1に示すような装置構成を有している。試験プラントにおいては、排液供給手段4によりフッ化アンモニウム−フッ化水素含有排液(B−HF)(試料1)が、また、排液供給手段14により希薄フッ化水素含有排液(試料2)が供給されるようになっている。表1に、B−HF排液と、希薄フッ化水素含有排液の成分分析結果を示す。
【表1】
Figure 0004294354
【0059】
第1の工程の処理条件は、pHを上限10.25〜10.50の範囲に維持して、Ca(OH)2スラリー(Ca(OH)2(30wt%水懸濁液)を供給した。また、第1の工程の後段側においては、フッ素イオン濃度を測定し、下限を3000mg/lに設定して、3000mg/lに到達したらCa(OH)2スラリーの供給を停止するようにした。
続いて、遠心分離して固液分離し、液体に水酸化ナトリウムを加えてpHを11以上として、アンモニアをアンモニアガスとして除去した。固形分と、アンモニア除去後の液体とを第2の工程に供給し、そこで、試料2が供給された。
【0060】
第2の工程での処理条件は、まず、反応槽12で、pH制御に基づくCa(OH)2スラリー供給を行った。pHの制御範囲は、10.75〜11.00とした。次いで、中和槽22にて、pHが8〜9となるように中和剤として硫酸のみを使用して中和した。さらに、引き続いて、凝集槽32にて、高分子凝集剤を添加して、凝集生成させた。なお、実施例においては、凝集槽32においてフッ素イオン濃度を検出し制御した。凝集槽32における反応系でのフッ素イオン濃度を300mg/lを下限設定値として、この下限設定値に到達したら、反応槽12における固定化剤の供給を停止するようにした。
【0061】
第2の工程の反応生成物を固液分離手段に静置し、固形分を沈殿させて、脱水したものをサンプリングし、試料3とした。試料3の成分分析結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0004294354
【0062】
表2に示すように、この処理工程によれば、高純度のCaF2を得ることができた。また、その他のカルシウム分もよく低減された固形分を得ることができた。また、硫酸のみによって中和しているために、塩素イオンや硝酸イオンが良く低減された固形分を得ることができた。
【0063】
(実施例2)
スラリーの取得と粒度分布の測定
前記、フッ化カルシウム生成工程を経てフッ化カルシウム分離工程の固液分離手段42を経て攪拌装置46で得られたスラリーは、かさ密度が1.05kg/l、含水率95%であった。得られたスラリーは最終の所定品質範囲に収める必要上、脱水工程の必要性を再確認でき、スラリーとして取り扱い、脱水工程(遠心分離手段52)への移送最適条件等を再確認できた。
なお、このスラリーの粒度分布を図4に示す。この段階では、メジアン径が約9μmであり、粒度分布全体としても2〜50μmの範囲に納まることが分かった。
しかし、このような粒度分布のスラリーであっても、最終段階のフッ化カルシウム粉末として含水率と所定内に収めるために、乾燥工程(乾燥手段62)を実施すると、その乾燥後の粒径が約1mm以上約5mm以下に凝集する粒状となる。
【0064】
(実施例3)
粉砕物の取得と粒度分布の測定
前記、乾燥工程後の粒状のフッ化カルシウムを粉砕工程(気流式粉砕手段82)にて粉砕した粉末は、かさ密度が0.5kg/l、含水率:15%で得られた。
この段階の粉末は飛散浮遊性等を勘案し、含水率を10〜15%として、取り扱い性、衛生面に配慮した値とした。なお、乾燥工程と粉砕工程の連携により、最終粉末の含水率を設定可能とした。
この最終段階における粒度分布は、図5に示すように、メジアン径が約8μmであり、粒度分布全体としても1〜50μmの範囲に納めることができた。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、フッ素含有排液から高純度のCaF2を含有する固形分を得ることができる。更に、純度が高く粒度分布の安定したCaF2粉末を得ることができ、フッ化水素製造の原料にでき、フッ化水素ガス製造まで可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理技術の工程及び装置の概略を示す図である。
【図2】本発明に係るフッ化カルシウムスラリー生成の概略の工程を示す図である。
【図3】本発明に係るフッ化カルシウム粉末を得る概略の工程を示す図である。
【図4】スラリーにおける粒度分布の測定結果を示すグラフ図である。
【図5】粉砕後の乾燥粉末における粒度分布の測定結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
2、12 反応槽
4、14 フッ素含有排液供給手段
6、16 pH検出手段
8、18 カルシウム化合物供給手段
10、20 フッ素イオン濃度検出手段
10a、20a 循環経路
11、21 ろ過手段
22 中和槽
30、42 固液分離手段
32 凝集槽
46 攪拌手段
52 固液分離手段
62 乾燥手段
72 凝縮手段
74 ホッパー
76 ホッパー
77 フィルター
82 気流式粉砕手段
87 フィルター
92 貯留タンク

Claims (14)

  1. フッ化カルシウムの製造方法であって、少なくとも、以下の反応工程:
    シリコンウエハなどの半導体製造工程、プリント基板の製造工程、ステンレス鋼鈑製造工程、フッ化水素製造工程に関連して排出される、フッ素イオン濃度が5000mg/l以上30000mg/l以下のフッ素含有排液にカルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10を超え12.5以下に維持し、フッ素イオン濃度の下限を2700mg/l以上3300mg/l以下としてフッ素成分を残存させるように反応させる第1の反応工程と、
    第1の反応工程によって得られる反応液中の少なくとも残存フッ素成分にカルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10を超え12.5以下に維持し、フッ素イオン濃度の下限を270mg/l以上330mg/l以下として前記第1の反応工程より低い濃フッ素成分を残存させるように反応させる第2の反応工程と、
    最終反応工程の反応液を中和する工程と、
    反応液からフッ化カルシウムを分離する工程、
    とを備える、方法。
  2. フッ化カルシウムの製造方法であって、少なくとも、以下の反応工程:
    半導体製造工程におけるエッチング工程から発生する第1のフッ素含有排液にカルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10を超え12.5以下に維持し、前記第1のフッ素含有排液のフッ素イオン濃度に対して13〜70%に下限設定された濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる第1の反応工程と、
    第1の反応工程によって得られる反応液中の少なくとも残存フッ素成分と、半導体製造工程における洗浄工程からの洗浄排液又はスクラバー系排液であって第1のフッ素含有排液よりも低濃度の第2のフッ素含有排液との混合物にカルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10を超え12.5以下に維持し、前記第2のフッ素含有排液のフッ素イオン濃度に対して5〜50%を下限値として前記第1の工程より低い濃フッ素成分を残存させるように反応させる第2の反応工程と、
    最終工程の反応液を中和する工程と、
    反応液からフッ化カルシウムを分離する工程、
    とを備える、方法。
  3. 前記反応液中におけるフッ化カルシウムのメジアン径を1μm以上100μm以下とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 分離工程後に得られるフッ化カルシウムのメジアン径を1μm以上100μm以下とする、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記分離工程は、脱水工程と、乾燥工程と、粉砕工程とを備える、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記粉砕工程は、気流式粉砕工程である、請求項5に記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法によって製造されたフッ化カルシウム粉末であって、
    フッ素含有排液から水酸化カルシウムを添加して得られる反応液から回収され、
    さらに、粒度分布において1μm以上200μm以下の粒度範囲にある粒子数が全体の95%以上である、粉末。
  8. 前記フッ化カルシウム粉末は、さらに、以下に示す1種あるいは2種以上の特徴を有する、請求項7に記載の粉末。
    (a)メジアン径が6μm以上60μm以下である。
    (b)CaF2以外のCa分の含有量が9.0重量%以下である。
    (c)塩素イオン及び硝酸イオンの含有量の総量が1000mg/l以下である。
    (d)固形分におけるフッ化カルシウム含量が90重量%以上である。
  9. 用途がフッ化水素ガス製造用である、請求項7又は8に記載の粉末。
  10. フッ化水素ガスの製造方法であって、
    請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法によって製造された、請求項7〜9のいずれかに記載のフッ化カルシウム粉末をフッ化水素原料の少なくとも一部として利用する、方法。
  11. フッ素の利用方法であって、
    シリコンウエハなどの半導体製造工程、プリント基板の製造工程、ステンレス鋼鈑製造工程、フッ化水素製造工程において、フッ化水素ガスを凝縮させたフッ化水素酸としてエッチング用もしくは洗浄用として使用する工程と、
    前記使用後に回収するフッ素含有排液から、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法によって製造された、請求項7〜9のいずれかに記載のフッ化カルシウム粉末として回収する工程と、
    回収したフッ化カルシウム粉末を用いてフッ化水素ガスを合成する工程、
    とを備える、方法。
  12. さらに、前記合成したフッ化水素ガスを凝縮させたフッ化水素酸をエッチング用もしくは洗浄用として利用する工程を備える、請求項11に記載の方法。
  13. 前記フッ化水素ガスを凝縮させたフッ化水素酸を半導体製造工程あるいは液晶製造工程あるいはPDP製造工程あるいは太陽電池製造工程のエッチング用や洗浄用に使用する、請求項11又は12に記載の方法。
  14. フッ化カルシウムの製造装置であって、
    フッ化カルシウム含有スラリーを脱水する手段と、
    脱水した固形分を乾燥する手段と、
    乾燥した固形分を粉砕する手段、
    とを備え
    前記脱水手段が遠心分離手段であり、
    前記乾燥手段が、回転及び通気回転乾燥手段、流動層式乾燥手段,噴霧乾燥手段、気流乾燥手段、真空乾燥手段、凍結乾燥手段、赤外線乾燥手段、又は高周波乾燥手段であり、
    前記粉砕手段は気流式粉砕手段であり、
    フッ素含有液から前記フッ化カルシウム含有スラリーを取得する手段として、
    第1の反応槽と、
    この反応槽内にカルシウム化合物を供給する手段と、
    この反応槽内の反応液のpHを検出する手段と、
    この反応槽内の反応液のフッ素イオン濃度を検出する手段、
    とを備える、第1の反応装置群と、
    前記第1の反応槽の反応液の少なくとも一部が供給される第2の反応槽と、
    この反応槽内の反応液のpH検出手段と、
    この反応槽内にカルシウム化合物を供給する手段と、
    この反応槽内の反応液のフッ素イオン濃度を検出する手段、
    とを備える第2の反応装置群と、
    第2の反応槽の反応液を中和する手段と、
    反応生成物を固液分離する固液分離手段、
    とを備える、装置。
JP2003096105A 2003-03-31 2003-03-31 フッ化カルシウムの製造方法とその利用 Expired - Fee Related JP4294354B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003096105A JP4294354B2 (ja) 2003-03-31 2003-03-31 フッ化カルシウムの製造方法とその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003096105A JP4294354B2 (ja) 2003-03-31 2003-03-31 フッ化カルシウムの製造方法とその利用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004299982A JP2004299982A (ja) 2004-10-28
JP4294354B2 true JP4294354B2 (ja) 2009-07-08

Family

ID=33408266

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003096105A Expired - Fee Related JP4294354B2 (ja) 2003-03-31 2003-03-31 フッ化カルシウムの製造方法とその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4294354B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4747587B2 (ja) * 2005-01-27 2011-08-17 株式会社ニコン フッ化カルシウム焼結体の製造方法
JP2007095847A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Sanyo Electric Co Ltd デバイス製造方法およびデバイス製造装置
JP5255861B2 (ja) * 2008-02-22 2013-08-07 水ing株式会社 合成蛍石回収方法及び回収装置
JP2009207953A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Sanyo Electric Co Ltd 排水処理装置および排水処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004299982A (ja) 2004-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1849751B1 (en) Apparatus for treating wastewater and sludge
WO2006022230A1 (ja) フッ素含有廃水の処理方法およびフッ素含有廃水の処理設備
US9764963B2 (en) Method for the production of free flowing synthetic calcium fluoride and use thereof
JP6244799B2 (ja) 高純度蛍石の製造方法
JP4294354B2 (ja) フッ化カルシウムの製造方法とその利用
JP2006212471A (ja) 硝酸を含むフッ素含有排液の処理方法と再利用法ならびにそのリサイクル方法
US20110240561A1 (en) Configurations and Methods of Treatment of Silicate-Containing Waste Streams
KR20190062464A (ko) 잔사 폐기 방법 및 트리클로로실란의 제조 방법
JP2010207755A (ja) フッ素含有水の処理装置
CN107750236B (zh) 高纯度合成萤石、制备其的方法及设备
JP6079524B2 (ja) 再生フッ化カルシウムの製造方法
JP5058129B2 (ja) 晶析反応方法
JP2005132652A (ja) 回収フッ化カルシウムを用いたフッ化水素の製造方法
JPH10113673A (ja) 廃水処理装置及び方法
CN210084944U (zh) 一种磷酸铁的生产设备
CN110562987A (zh) 一种减少氟硅酸钠生产污水产生量和污水再利用的方法及设备
JP4169996B2 (ja) フッ素含有排水の処理方法及び装置
JP4546764B2 (ja) フッ化カルシウムの製造方法および製造装置
JP2010207797A (ja) フッ素の再資源化方法、およびフッ素含有排水処理設備
JP3681073B2 (ja) 造粒脱リン装置
CN108975371A (zh) 一种聚合氯化铝的制备方法
JP4309648B2 (ja) 高純度塩化アルミニウムの製造方法および高純度塩化アルミニウムの製造装置
JP2001038368A (ja) フッ素含有水の処理方法
JPH04228401A (ja) フッ化水素の製造方法
CN111115938A (zh) 一种活性炭再生气洗涤酸性废水处理装置及方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090310

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090408

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120417

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130417

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130417

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140417

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees