JP2011006661A - 付加硬化型シリコーンエマルジョン組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】使用に際して混合される下記のエマルジョンAとエマルジョンBとからなり、〔エマルジョンAの分散粒子の数平均粒子径〕/〔エマルジョンBの分散粒子の数平均粒子径〕の比が0.4〜2.0である硬化型エマルジョン組成物。
・エマルジョンA:特定のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、特定のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ノニオン系界面活性剤、ポリビニルアルコールおよび水を含み、分散粒子の数平均粒子径が300〜1000nmである。
・エマルジョンB:特定のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、白金系錯体、ノニオン系界面活性剤、ポリビニルアルコールおよび水を含み、分散粒子の数平均粒子径が300〜1000nmである。
【選択図】なし
Description
に、従来、離型用シリコーン組成物が使用されてきた。その一つの形態としてエマルジョンタイプのシリコーン組成物が知られており、このシリコーン組成物の硬化型としては、縮合反応型と付加反応型が知られている。
成物は、ポットライフがきわめて短いという欠点があり、ごく特殊な用途にのみ使用されている。一方、付加反応型のシリコーン組成物としては、2種類のエマルジョンを混合して離型用シリコーン組成物を製造するもの(特許文献1)、乳化重合法により離型紙用組成物を製造するもの(特許文献2)、および、2液タイプの触媒を使用するもの(特許文献3)等が提案されている。
使用に際して混合される下記のエマルジョンAとエマルジョンBとからなり、〔エマルジョンAの分散粒子の数平均粒子径〕/〔エマルジョンBの分散粒子の数平均粒子径〕の比が0.4〜2.0である硬化型エマルジョン組成物。
下記の成分(a)〜(e)を含み、動的光散乱法により測定される数平均粒子径が300〜1000nmであるシリコーンエマルジョンA 30〜70質量部
(a)下記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンI:100質量部、
(d) ポリビニルアルコール 1〜20質量部、および
(e) 水、
下記の成分(f)〜(j)を含み、動的光散乱法により測定される数平均粒子径が300〜1000nmであるシリコーンエマルジョンB 30〜70質量部
(h) ノニオン系界面活性剤 0.5〜10質量部、
(i) ポリビニルアルコール 1〜20質量部、および
(j) 水。
<(a)オルガノポリシロキサンI>
まず、本発明のシリコーンエマルジョンAの成分(a)のオルガノポリシロキサンIは下記式(1)で示される。
(b)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンIは下記式(2)で示される。
(c)成分としては、ノニオン系界面活性剤であればよく、また、シリコーンエマルジョンBの成分(h)も実質的にこの(c)成分と同一のものである。このものは、前記した成分(a)、(b)および水との混合物を乳化するために使用される。
(d)成分としては、ポリビニルアルコール(以下PVAと略記)であればよく、このPVAは(c)成分の界面活性剤とともに乳化を促進し形成されたエマルジョンの状態を安定化させる助剤として必須の成分である。また、シリコーンエマルジョンBの成分(i)も実質的にこの(d)成分と同一のものである。
(e)成分の水は分散媒となる。水は適量使用される。具体的には、エマルジョンAの固形分濃度が1〜70質量%となるような量の水が用いられる。
<(f)オルガノポリシロキサンII>
シリコーンエマルジョンBの成分(f)であるオルガノポリシロキサンIIは下記式(3)で表される。
(g)成分としては、白金系錯体(特に、ポリシロキサンと白金または白金系化合物との錯体、塩化白金酸と各種オレフィン類との錯塩等)が使用される。特にポリシロキサンを含む白金系錯体の場合は25℃における粘度が10〜500mP・sであることが好ましい。
(h)成分としては成分(c)について上述したノニオン系界面活性剤を同様に使用することができる。
(i)成分としては成分(d)について上述したポリビニルアルコールを同様に使用することができる。
(j)成分の水は分散媒となる。水は適量使用される。具体的には、エマルジョンBの固形分濃度が1〜70質量%となるような量の水が用いられる。
これらのエマルジョンAおよびBには、本発明の効果を阻害しない範囲で各種添加剤を配合してもよい。例えば白金系錯体触媒の活性を抑制する目的で、必要に応じてポットライフ延長剤として、各種の有機窒素化合物、有機リン化合物、アセチレン系化合物などの活性抑制剤;防腐を目的として、ソルビン酸、ソルビン酸塩、酢酸等;ポーラスな基材への浸透性を防止したり剥離力を重くするために、メチルセルロース、ソジウムカルボキシメチルセルロース等の水溶性樹脂;塗布時のレベリングを改善するためのレベリング剤や少量の溶剤等の他、すべり性付与剤として少量の非反応性オルガノポリシロキサンを加える事は任意とされる。
調製したシリコーンエマルジョンの分散粒子の数平均粒子径を、動的光散乱相関法を測定原理としたBECKMAN COULTER製Submicron Particle Seizer COULTER N4 Plusを用い測定した。
シリコーンエマルジョンAとBをそれぞれ50質量部ずつ混合し、シリコーン分の濃度が5質量%となるように水で希釈してシリコーンエマルジョン組成物を調製した。該組成物をグラシン紙(秤量60g/m2)の表面に、シリコーン固形分で約1.0g/m2になるようにワイヤーバーを用いて塗布した後、150℃の熱風循環式乾燥炉中で15秒、18秒、20秒または25秒間放置し、その後乾燥機より取り出し、その塗工面(硬化面)を指で10往復擦り塗工面の変化により硬化性を評価した。即ち、擦り跡が残らないものを表1に○と示し、わずかに擦り跡が残るものを△と示し、脱落や曇りが見られるものを×と示す。
(a)成分として分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されている以外、主鎖がジメチルシロキサン単位のみからなる、粘度400mPa・sでビニル価が0.018mol/100gのメチルビニルポリシロキサン100質量部、(b)成分として分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されている以外、主鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位から成る粘度50mPa・sで、SiH価は1.1mol/100gであるメチルハイドロジェンポリシロキサン5.8質量部、(c)成分としてポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤(HLB13.6、pH5.4、イオン電導度9.8μs/cm)1.1質量部、(d)成分としてケン化度90モル%、4質量%水溶液の20℃における粘度が20mPa・sであるポリビニルアルコール8.0質量部、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノール0.3質量部とを容器に入れた。容器内の混合物を温度10〜40℃でホモミキサーを用い回転数5000rpmで混合しながら、(e)成分としての水152.0質量部のうち、6.0質量部を添加し、転相(エマルジョン化)を確認した後、続けてホモミキサーで80分間攪拌したあと、残りの水全量を添加し、30MPaの条件でホモジナイザー処理をして均質なシリコーンエマルジョンA−1を得た。このエマルジョンの分散粒子の数平均粒子径は470nmであった。
(a)成分として分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されている以外、主鎖がジメチルシロキサン単位のみからなる、粘度400mPa・sでビニル価が0.018mol/100gのメチルビニルポリシロキサン100質量部、(b)成分として分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されている以外、主鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位から成る粘度50mPa・sで、SiH価は1.1mol/100gであるメチルハイドロジェンポリシロキサン5.8質量部、(c)成分としてポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤(HLB13.6、pH5.4、イオン電導度9.8μs/cm)1.1質量部、(d)成分としてケン化度90モル%、4質量%水溶液の20℃における粘度が20mPa・sであるポリビニルアルコール8.0質量部、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノール0.3質量部とを容器に入れた。容器内の混合物を温度10〜40℃でホモミキサーを用い回転数5000rpmで混合しながら、(e)成分としての水152.0質量部のうち、12.0質量部を添加し、転相(エマルジョン化)を確認した後、続けてホモミキサーで40分間攪拌したあと、残りの水全量を添加し、30MPaの条件でホモジナイザー処理をして均質なシリコーンエマルジョンA−2を得た。このエマルジョンの分散粒子の数平均粒子径は750nmであった。
(a)成分として分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されている以外、主鎖がジメチルシロキサン単位のみからなる、粘度400mPa・sでビニル価が0.018mol/100gのメチルビニルポリシロキサン100質量部、(b)成分として分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されている以外、主鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位から成る粘度50mPa・sで、SiH価は1.1mol/100gであるメチルハイドロジェンポリシロキサン5.8質量部、(c)成分としてポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤(HLB13.6、pH5.4、イオン電導度9.8μs/cm)1.1質量部、(d)成分としてケン化度90モル%、4質量%水溶液の20℃における粘度が20mPa・sであるポリビニルアルコール8.0質量部、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノール0.3質量部とを容器に入れた。容器内の混合物を温度10〜40℃でホモミキサーを用い回転数5000rpmで混合しながら、(e)成分としての水152.0質量部のうち、15.0質量部を添加し、転相(エマルジョン化)を確認した後、続けてホモミキサーで10分間攪拌をしたあと、残りの水全量を添加し、30MPaの条件でホモジナイザー処理をして均質なシリコーンエマルジョンA−3を得た。このエマルジョンの分散粒子の数平均粒子径は1200nmであった。
(f)成分として分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されている以外、主鎖がジメチルシロキサン単位のみからなる、粘度400mPa・sでビニル価が0.018mol/100gのメチルビニルポリシロキサン100質量部、(g)成分として白金−ビニルシロキサンの錯塩(白金含有量は白金換算5000ppm)2.1質量部、(h)成分としてポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤(HLB13.6、pH5.4、イオン電導度9.8μs/cm)1.1質量部、(i)成分としてケン化度90モル%、4質量%水溶液の20℃における粘度が20mPa・sであるポリビニルアルコール8.0質量部を容器に入れた。容器内の混合物をホモミキサーで混合しながら、温度10〜40℃でホモミキサーを用い回転数5000rpmで混合しながら、(j)成分としての水146.0質量部のうち、6.0質量部を添加し、転相(エマルジョン化)を確認した後、続けてホモミキサーで80分間攪拌をしたあと、残りの水全量を添加し、30MPaの条件でホモジナイザー処理をして均質なシリコーンエマルジョンB−1を得た。このエマルジョンのシリコーン量に対する白金含有量は約103ppmであり、分散粒子の数平均粒子径は490nmであった。
(f)成分として分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されている以外、主鎖がジメチルシロキサン単位のみからなる、粘度400mPa・sでビニル価が0.018mol/100gのメチルビニルポリシロキサン100質量部、(g)成分として白金−ビニルシロキサンの錯塩(白金含有量は白金換算5000ppm)2.1質量部、(h)成分としてポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤(HLB13.6、pH5.4、イオン電導度9.8μs/cm)1.1質量部、(i)成分としてケン化度90モル%、4質量%水溶液の20℃における粘度が20mPa・sであるポリビニルアルコール8.0質量部を容器に入れた。容器内の混合物を温度10〜40℃でホモミキサーを用い回転数5000rpmで混合しながら、 (j)成分としての水146.0質量部のうち、12.0質量部を添加し、転相(エマルジョン化)を確認した後、続けてホモミキサーで40分間攪拌したあと、残りの水全量を添加し、30MPaの条件でホモジナイザー処理をして均質なシリコーンエマルジョンB−2を得た。このエマルジョンのシリコーン量に対する白金含有量は約103ppmであり、分散粒子の数平均粒子径は800nmであった。
シリコーンエマルジョンA−1:50質量部とシリコーンエマルジョンB−1:50質量部を混合して本発明のシリコーンエマルジョン組成物を調製した。該組成物のシリコーン量に対する白金含有量は約51ppm。該組成物の硬化性の評価を上記の方法で行った。その結果を表1に示す。
シリコーンエマルジョンA−1:50質量部とシリコーンエマルジョンB−2:50質量部を混合して本発明のシリコーンエマルジョン組成物を調製した。該組成物のシリコーン量に対する白金含有量は約51ppm。該組成物の硬化性の評価を上記の方法で行った。その結果を表1に示す。
シリコーンエマルジョンA−2:50質量部とシリコーンエマルジョンB−1:50質量部を混合して本発明のシリコーンエマルジョン組成物を調製した。該組成物のシリコーン量に対する白金含有量は約51ppm。該組成物の硬化性の評価を行った。その結果を表1に示す。
シリコーンエマルジョンA−2:50質量部とシリコーンエマルジョンB−2:50質量部を混合して本発明のシリコーンエマルジョン組成物を調製した。該組成物のシリコーン量に対する白金含有量は約51ppm。該組成物の硬化性の評価を上記の方法で行った。その結果を表1に示す。
シリコーンエマルジョンA−3:50質量部とシリコーンエマルジョンB−1:50質量部を混合してシリコーンエマルジョン組成物を調製した。該組成物のシリコーン量に対する白金含有量は約51ppm。該組成物の硬化性の評価を上記の方法で行った。その結果を表1に示す。
シリコーンエマルジョンA−3:50質量部とシリコーンエマルジョンB−2:50質量部を混合してシリコーンエマルジョン組成物を調製した。該組成物のシリコーン量に対する白金含有量は約51ppm。該組成物の硬化性の評価を上記の方法で行った。その結果を表1に示す。
Claims (4)
- 使用に際して混合される下記のエマルジョンAとエマルジョンBとからなり、〔エマルジョンAの分散粒子の数平均粒子径〕/〔エマルジョンBの分散粒子の数平均粒子径〕の比が0.4〜2.0である硬化型エマルジョン組成物。
〔エマルジョンA〕
下記の成分(a)〜(e)を含み、動的光散乱法により測定される数平均粒子径が300〜1000nmであるシリコーンエマルジョンA 30〜70質量部
(a)下記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンI:100質量部、
ここで、R1は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜10の1価炭化水素基であり、少なくとも2個はアルケニル基である。また、n、mおよびpは正数であり、qは0〜10の範囲の数であり、但しn、m、pおよびqは該オルガノポリシロキサンIの25℃における粘度が30〜10000mPa・sとなる数である。
(b)下記式(2)で表される、一分子中にケイ素原子に直結する水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンI:1〜50質量部、
ここで、R2はおのおの独立に非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10の1価炭化水素基または水素原子であり、少なくとも3個は水素原子である。また、r、sおよびtは正数であって、uは0〜10の範囲の数であり、但しr、s、tおよびuは該オルガノハイドロジェンポリシロキサンIの25℃における粘度が5〜2000mPa・sとなる数である。
(c)ノニオン系界面活性剤 0.5〜10質量部、
(d)ポリビニルアルコール 1〜20質量部、および
(e)水、
〔エマルジョンB〕
下記の成分(f)〜(j)を含み、動的光散乱法により測定される数平均粒子径が300〜1000nmであるシリコーンエマルジョンB 30〜70質量部
(f)下記式(3)で表されるオルガノポリシロキサンII:100質量部、
ここで、R3はおのおの独立に非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10の1価炭化水素基であり、少なくとも2個はアルケニル基である。また、v、w、およびxは正数であり、yは0〜10の範囲の数であり、但しv、w、x、およびyは該オルガノポリシロキサンIIの25℃における粘度が30〜10000mPa・sとなる数である。
(g)白金系錯体 白金元素として0.001〜0.05質量部、
(h)ノニオン系界面活性剤 0.5〜10質量部、
(i)ポリビニルアルコール 1〜20質量部、および
(j)水。 - 成分(c)及び(h)成分のどちらか一方または両方が、HLB10〜15、pH6.5以下、かつイオン電導度30μS/cm以下であるノニオン系界面活性剤である請求項1に係る硬化型エマルジョン組成物。
- 成分(d)及び(i)成分のどちらか一方または両方が、ケン化度70〜95モル%で4質量%水溶液の20℃における粘度が4〜100mPa・sであるポリビニルアルコールである請求項1または2に係る硬化型エマルジョン組成物。
- 成分(g)の白金元素として量が本組成物中のシリコーン成分全量に対して100ppm以下である請求項1、2または3に係る硬化型エマルジョン組成物。
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