JP5025024B2 - 離型用シリコーンエマルジョン組成物及びそれを用いてなる離型性基材 - Google Patents
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Description
しかしながら、この種の有機溶剤溶液タイプのものは、その主剤が、取り扱い難い高分子量の生ゴム状オルガノポリシロキサンである上、多量の溶剤が使用されるために、大気汚染の原因となるという不利があるだけでなく安全衛生上でも好ましくないという欠点があった。かかる欠点に対する対応として、離型用シリコーン組成物の使用時に溶剤を回収することも考えられるが、回収装置を設置するには多額の投資を必要とするという欠点がある。
一方、特許文献3に記載された自己乳化型の触媒を用いるエマルジョンの場合には、安定性及び剥離性に優れているものの、2液タイプの触媒を使用するため、使用時に予め攪拌して自己乳化させなければならない上、使用可能な時間も短いという欠点があった。更に、この場合には、全体としては3液構成となるために、主エマルジョンへの触媒の分散性が、得られる組成物の特性に大きく影響を与えるという欠点がある上、一般的に、白金系化合物と乳化剤を混合した組成物における触媒能力は、経時的に低下するという欠点があった。
本発明の第2の目的は、特に加熱ロールを塗工面と接触させることによって、効率よく水を蒸発させるのに適した、硬化性を有する離型用シリコーンエマルジョン組成物を提供することにある。
更に本発明の第3の目的は、加熱ロール乾燥時における、硬化途中あるいは硬化したシリコーンエマルジョンの微小な破片が発生し難い離型用シリコーンエマルジョン組成物を提供することである。
A)下記化1及び/又は化2で表されるオルガノポリシロキサン100質量部、
B)下記化3で表される、ケイ素原子に直結する水素基と有機基の全合計(以下単に全置換基とする)中の31〜50モル%が水素基であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン1〜50質量部、
C)下記化4で表される、全置換基中の10〜30モル%が水素基であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン1〜50質量部、
D)HLBが10〜15でpHが6.5以下、且つイオン電導度が30μS/cm以下であるノニオン系界面活性剤0.5〜10質量部、
E)ケン化度が86〜98モル%で、4%水溶液の20℃における粘度が4〜100mPa・sであるポリビニルアルコール1〜20質量部、
F)水80〜1000質量部、及び、
G)白金系錯体を白金として0.001〜0.05重量部;
但し、上式中のR1は、脂肪族不飽和結合と芳香族置換基を含まない炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基であって、各R1は同一でも異なっていても良い。a1、a2及びb2は、ケイ素原子に直結した全有機基中の0.2〜5モル%がビニル基であり、且つ25℃におけるオルガノポリシロキサンの粘度が30〜10,000mPa・sとなる整数を表す。
上記の条件を満足するa3+b3は、およそ10〜200の範囲の整数であり、特に20〜150までの整数であることが好ましい。更に、a3/(a3+b3)は0.63〜1であることが好ましく、特に0.7〜0.9であることが好ましい。また、b3が0であると、乳化して得られるエマルジョンの安定性が低下する事があるので、b3は1以上の整数であることが好ましい。
G−1:白金系化合物100質量部、
G−2:HLBが10〜15、pHが6.5以下、かつイオン電導度が30μS/cm以下であるノニオン系界面活性剤0.5〜10質量部、
G−3:ケン化度86〜98モル%で4%水溶液の20℃における粘度が4〜100mPa・sであるポリビニルアルコール1〜20質量部、
G−4:水370〜399質量部。
上記のG−2成分は前記したD成分の中から適宜選択することが好ましく、G−3成分としては前記E成分と実質的に同じ成分を使用することが好ましい。
また、上記白金系化合物は白金錯体含有ポリシロキサンとして使用される事が好ましく、特に、25℃における粘度が10〜500mPa・sの白金系錯体含有ポリシロキサンを使用することが好ましい。
G成分をエマルジョン組成物として配合する理由は、本発明で使用する他の成分からなるエマルジョン組成物に触媒を容易且つ速やかに均一分散させることができ、その結果、硬化皮膜の良好な性能を安定して得ることができるからである。またG成分をエマルジョン組成物として配合する事は、シェルフライフやポットライフの向上にも有効である。
調製した、主剤からなるエマルジョン組成物(以下、Em組成物とする)及び白金系錯体含有ポリシロキサンEm組成物を目視で観察し、良好なものを○、浮遊物が見られるものを△、分離しているものを×とした。
エマルジョンの安定性を評価するために調製した、主剤からなるEm組成物及び白金系錯体含有ポリシロキサンEm組成物を、3000rpmで10分間遠心分離機にかけ、上層と下層の不揮発分を測定するために、105℃で3時間処理して上層と下層の各固形分重量を測定し、上層と下層の重量差を測定した。上層と下層の不揮発分の重量差が2%以下であってエマルジョンの安定性に特に優れるものを◎、上層と下層の不揮発分の重量差が2%を越え5%以下であってエマルジョンの安定性に優れるものを○、上層と下層の不揮発分の重量差が5%を超え10%以下のものを△、10%を超えるものを×とした。
主剤からなるEm組成物100質量部と白金系錯体含有ポリシロキサンEm組成物2質量部を混合して調製した離型用シリコーンEm組成物を、グラシン紙(秤量60g/m2)の表面に、シリコーン固形分で約1.0g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗布した後、150℃の熱風循環式乾燥炉中で20秒間処理して硬化皮膜を形成させた。
塗工性の判定は、硬化皮膜の外観を目視で観察し、良好なものを○、特に滑らかで綺麗なものを◎、曇り、ハジキ、ゆず肌などの異常が見られるものを×とした。
一方、硬化性の判定は、塗工面を指でこすっても塗工面が良好なものを○、脱落や曇りが見られるものを×とした。試験は、組成物の処理浴を調製してから1時間以内の組成物について行った。
主剤からなるEm組成物100質量部と白金系錯体含有ポリシロキサンEm組成物2質量部を混合して得た離型用シリコーンEm組成物を、グラシン紙(秤量60g/m2)の表面に、シリコーン固形分で約1.0g/m2となるように塗布したのち、170℃の熱風循環式乾燥炉中で30秒間処理して硬化皮膜を形成させた。次いで、この硬化皮膜面にアクリル系溶剤型粘着剤BPS−5127〔東洋インキ製造(株)製の商品名〕を塗布して100℃で3分間加熱処理した後、この処理面に64g/m2の上質紙を貼り合わせた。得られたシートを25℃で20時間エイジングさせてから5cm巾に切断して試験片を作製した。この試験片について、引っ張り試験機を用い、上質紙を180°の角度で、剥離速度0.3m/分の条件で引っ張り、剥離に要する力(N)を測定した。又、剥離異常が生じた場合を×で示した。
剥離力試験の場合と同様に硬化皮膜を形成させた。この硬化皮膜面にポリエステルテープ〔ニットー31B:日東電工(株)製の商品名〕を貼り合わせ、70℃で20時間、20g/cm2の荷重をかけて加熱処理してから、ポリエステルテープ(25mm巾)を剥がして、前記硬化皮膜面をステンレス板に張りつけた。次いで、このテープを、180°の角度で、剥離速度0.3m/分の条件で剥がし、その剥離に要する力(N)を測定した。一方、テフロン板にポリエステルテープ(ニットー31B)を貼り合わせ、70℃で20時間、20g/m2の荷重をかけて同様に加熱処理してから、ポリエステルテープ(25mm巾)を剥がしてステンレス板に貼り付け、同様に、ステンレス板から剥離するのに要する力(N)を測定した。後者の力に対する前者の力の百分率を、残留接着率とした。
主剤からなるEm組成物100質量部と白金系錯体シロキサンEm組成物2質量部を混合して得た、離型用シリコーンEm組成物を25℃で24時間放置し、外観、塗工性、硬化性及び残留接着率が、初期のそれらとくらべても極端に悪化していなかったものを○、顕著な悪化が見られたものを×とした。
調製した、主剤からなるEm組成物及び白金系錯体含有ポリシロキサンEm組成物を密栓し、25℃で6ヶ月放置した後、外観を判定した。
下記のようにして、ステンレス板をロールに見立てて抄紙工程の加熱ロールを用いた乾燥を実験的に再現し、ロール(ステンレス板)上への付着物、及びそれらの飛散浮遊物であるダストの発生防止効果を評価した。
主剤からなるEm組成物100質量部と白金系錯体含有ポリシロキサンEm組成物2質量部を混合して得た離型用シリコーンEm組成物を、グラシン紙(秤量60g/m2)の表面に、シリコーン固形分で約1.0g/m2となるように塗布した後、100℃の熱風循環式乾燥炉中で30秒間処理して半硬化皮膜を形成させた。次いで、前記半硬化皮膜を形成した面に接触するようにステンレス板(SUS304)を重ね合わせ、10kgf/cm2の加圧下、100℃で30秒間加熱プレスした後ステンレス板から半硬化皮膜を剥がし、剥がしたステンレス板表面に付着したシリコーンを目視で観察した。ステンレス板に殆ど何も付着しない場合を○、部分的に付着が見られる場合を△、全面に付着が見られる場合を×とした。
表1に、各成分の配合割合と得られた主剤からなるEm組成物の外観、遠心分離機試験の結果、及びシェルフライフの結果を示した。
A成分として、分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位のみである、粘度4000mPa・s(全有機中のビニル基含有量;0.3モル%、0.008モル/100g)のメチルビニルポリシロキサン100質量部、
B成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位からなる、粘度が50mPa・s(ケイ素原子に直結する水素基含有量;47モル%、1.6モル/100g)のメチルハイドロジェンポリシロキサン2質量部、
C成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位からなる、粘度が50mPa・s(ケイ素原子に直結する水素基含有量;29モル%、0.9モル/100g)のメチルハイドロジェンポリシロキサン2質量部、
D成分として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤(HLB13.6、PH5.4、イオン電導度9.8μS/cm)2質量部、
E成分として、ケン化度90モル%であって4%水溶液の20℃における粘度が20mPa・sであるポリビニルアルコールと、50mPa・sであるポリビニルアルコールをそれぞれ2.5質量部、
F成分として水444質量部、
及び、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノール0.5質量部とを容器に入れ、各成分をホモミキサーで混合した後、ホモジナイザーを使用して均質なEm組成物を得た。得られた組成物のシリコーン含有量は20質量%であり、粘度は80mPa・sであった。
A成分として、分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位のみである、粘度200mPa・s(全有機中のビニル基含有量;1.0モル%、0.02モル/100g)のメチルビニルポリシロキサン100質量部、
B成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位からなる、粘度が50mPa・s(ケイ素原子に直結する水素基含有量;40モル%、1.3モル/100g)のメチルハイドロジェンポリシロキサン3質量部、
C成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位から成る、粘度が50mPa・s(ケイ素原子に直結する水素基含有量;20モル%、0.60モル/100g)のメチルハイドロジェンポリシロキサン3質量部、
D成分として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤(HLB13.6、PH5.4、イオン電導度9.8μS/cm)2質量部、
E成分として、ケン化度が90モル%であって4%水溶液の20℃における粘度が20mPa・sであるポリビニルアルコールと、50mPa・sであるポリビニルアルコールをそれぞれ2.5質量部、
F成分として水452質量部、
及び、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノール0.5質量部とを容器に入れ、各成分をホモミキサーで混合した後、ホモジナイザーを使用して均質なEm組成物を得た。得られた組成物のシリコーン含有量は20質量%であり、粘度は60mPa・sであった。
A成分として、分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とメチルビニルシロキサン単位とからなる、粘度が50mPa・s(全有機中のビニル基含有量;4モル%、0.11モル/100g)のメチルビニルポリシロキサン100質量部、
B成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位からなる、粘度が50mPa・s(ケイ素原子に直結する水素基含有量;33モル%、1.0モル/100g)のメチルハイドロジェンポリシロキサン25質量部、
C成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位からなる、粘度が50mPa・s(ケイ素原子に直結する水素基含有量;15モル%、0.44モル/100g)のメチルハイドロジェンポリシロキサン25質量部、
D成分としてポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤(HLB13.6、PH5.4、イオン電導度9.8μS/cm)2質量部、
E成分としてケン化度が90モル%であって4%水溶液の20℃における粘度が、20mPa・sであるポリビニルアルコールと50mPa・sであるポリビニルアルコールをそれぞれ2.5質量部、
F成分として水628質量部、
及び、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノール0.5質量部とを容器に入れ、各成分をホモミキサーで混合した後、ホモジナイザーを使用して均質なEm組成物を得た。得られた組成物のシリコーン含有量は20質量%、粘度は50mPa・sであった。
調製例2の成分に、更にH成分として平均重合度が50の下記平均組成式を満たすMQレジンを5質量部配合すると共に、F成分として水を472質量部配合したこと以外は、調製例2と同様に調製してEm組成物を得た。
但し、上式中のViはビニル基を表し、ビニル基含有量が0.07モル/100g、シラノール基含有量が0.07モル/100gのMQレジンである。
調製例2の成分に、更にH成分として平均重合度が200の下記平均組成式を満たすMQレジン(ビニル基を持たず、シラノール基含有量は0.04モル/100gである。)を5質量部配合すると共に、F成分として水472質量部を配合したこと以外は、調製例2と同様に調製してEm組成物を得た。
調製例5で使用したH成分のMQレジンを18質量部配合すると共に、F成分として水542質量部を配合したこと以外は、調製例5と同様に調製してEm組成物を得た。
調製例2で配合した成分に加えて、更にI成分として分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とジフェニルシロキサン単位で構成され、粘度が200mPa・s(ビニル基含有量;1モル%、フェニル基含有量10モル%)のメチルビニルフェニルポリシロキサン10質量部を配合し、F成分としての水を492質量部配合したこと以外は、調製例2と同様に調製してEm組成物を得た。
調製例4で配合した成分に加えて、更にI成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位、メチルハイドロジェンシロキサン単位、及びジフェニルシロキサン単位で構成された、粘度が100mPa・s(ケイ素原子に直結する水素基含有量;20モル%、フェニル基含有量20モル%)のメチルハイドロジェンフェニルポリシロキサン2質量部を配合すると共に、F成分としての水を480質量部配合したこと以外は、調製例4と同様に調製してEm組成物を得た。
調製例2に配合した成分に加えて、H成分として更に、平均重合度が100の下記平均組成式を満たすMQレジンを5質量部配合すると共に、F成分としての水を472質量部配合したこと以外は、調製例2と同様に調製してEm組成物を得た。
但し、上式中のViはビニル基を表し、ビニル基含有量が0.07モル/100g、シラノール基含有量が0.01モル/100gのMQレジンである。
A成分として、分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とメチルビニルシロキサン単位とからなる、粘度が50mPa・s(全有機中のビニル基含有量;6モル%、0.16モル/100g)のメチルビニルポリシロキサン100質量部、
B成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位からなる、粘度が50mPa・s(ケイ素原子に直結する水素基含有量;47モル%、1.6モル/100g)のメチルハイドロジェンポリシロキサン20質量部、
C成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位からなる、粘度が50mPa・s(ケイ素原子に直結する水素基含有量;29モル%、0.9モル/100g)のメチルハイドロジェンポリシロキサン20質量部、
D成分として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤(HLB13.6、PH5.4、イオン電導度9.8μS/cm)2質量部、
E成分として、ケン化度が90モル%であって4%水溶液の20℃における粘度が、20mPa・sであるポリビニルアルコールと50mPa・sであるポリビニルアルコールをそれぞれ2.5質量部、
F成分として水588質量部、
及び、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノール0.5質量部とを容器に入れ、各成分をホモミキサーで混合した後、ホモジナイザーを使用して均質なEm組成物を得た。得られた組成物のシリコーン含有量は20質量%であり、粘度は50mPa・sであった。
調製例2で配合したB成分の代わりに、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位からなる、粘度が50mPa・s(ケイ素原子に直結する水素基含有量;40モル%)のメチルハイドロジェンポリシロキサンを5質量部配合し、C成分を配合せず、F成分としての水を448質量部配合したこと以外は、調製例2と同様に調製してEm組成物を得た。
調製例2で使用したB成分を配合せず、C成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位からなる、粘度が50mPa・s(ケイ素原子に直結する水素基含有量;20モル%)のメチルハイドロジェンポリシロキサン6質量部を配合すると共に、F成分としての水を452質量部配合したこと以外は、調製例2と同様に調製してEm組成物を得た。
調製例3で使用したB成分の代わりに、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位からなる、粘度が50mPa・s(ケイ素原子に直結する水素基含有量;33モル%、1.0モル/100g)のメチルハイドロジェンポリシロキサン60質量部を配合すると共に、C成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され且つ側鎖がジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位からなる、粘度が50mPa・s(ケイ素原子に直結する水素基含有量;15モル%、0.44モル/100g)のメチルハイドロジェンポリシロキサン60質量部、及びF成分として水を908質量部配合したこと以外は、調製例3と同様にしてEm組成物を得た。得られた組成物のシリコーン含有量は20質量%、粘度は50mPa・sであった。
調製例2で配合したD成分である、ポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤(HLB13.6、PH5.4、イオン電導度9.8μS/cm)を配合せず、F成分としての水を444質量部配合したこと以外は、調製例2と同様に調製してEm組成物を得た。
調製例2で使用したE成分である、ケン化度が90モル%であって4%水溶液の20℃における粘度が20mPa・sであるポリビニルアルコールと50mPa・sであるポリビニルアルコールを配合せず、F成分としての水を432質量部配合したこと以外は、調製例2と同様に調製してEm組成物を得た。
<調製例10>
G1成分として、白金−ビニルシロキサンの錯塩(白金含有量は白金換算5,000ppm)100質量部、
G2成分として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤(HLB13.6、PH5.4、イオン電導度9.8μS/cm)2質量部、
G3成分として、ケン化度が90モル%であって4%水溶液の20℃における粘度が30mPa・sであるポリビニルアルコールを5質量部、及び、
G4成分として水393質量部、
をホモミキサーで混合した後、ホモジナイザーを使用して均質なEm組成物を得た。
実施例及び比較例に用いた離型用シリコーンEm組成物の配合は、表1及び2に示す組合せに従った。また、主剤からなるEm組成物の100質量部に対して白金系錯体含有ポリシロキサンEm組成物の2質量部を加え、均一に攪拌混合して離型用シリコーンEm組成物を調製した。得られた離型用シリコーンEm組成物について、加熱圧着試験、ポットライフ、塗工性、硬化性、剥離特性、および残留接着率を評価した。その結果を表3及び4に示した。
Claims (6)
- 下記A成分〜G成分を含有することを特徴とする離型用シリコーンエマルジョン組成物;
(A)下記化1及び/又は化2で表されるオルガノポリシロキサン100質量部、
(B)下記化3で表される、全置換基中の31〜50モル%が水素基であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン1〜50質量部、
(C)下記化4で表される、全置換基中の10〜30モル%が水素基であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン1〜50質量部、
(D)HLBが10〜15でpHが6.5以下、且つイオン電導度が30μS/cm以下であるノニオン系界面活性剤0.5〜10質量部、
(E)ケン化度が86〜98モル%で、4%水溶液の20℃における粘度が4〜100mPa・sであるポリビニルアルコール1〜20質量部、
(F)水80〜1000質量部
及び
(G)白金系錯体を白金として0.001〜0.05重量部。
但し、上式中のR1は、脂肪族不飽和結合と芳香族置換基を含まない炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基であって、各R1は同一でも異なっていても良い。a1、a2及びb2は、ケイ素原子に直結した全有機基中の0.2〜5モル%がビニル基であり、且つ25℃におけるオルガノポリシロキサンの粘度が30〜10,000mPa・sとなる整数を表す。
- 更に(I)成分として、下記化7〜化9で表されるフェニル基含有オルガノポリシロキサンから選択される少なくとも一種を、0質量部を含まない50質量部以下含有する、請求項1又は2に記載された離型用シリコーンエマルジョン組成物;
但し、化7、化8中のR4は、同一でも異なっていてもよく、R1と同じ炭素数1〜10の一価の炭化水素基又はフェニル基であって、これらは同一であっても異なっていても良い。また、a7、a8及びb8は、ケイ素原子に直結した全有機基中の0.2〜5モル%がビニル基、5〜50モル%がフェニル基であり、且つ25℃における粘度が30〜10,000mPa・sとなる整数を表す。
- I成分のフェニル基含有オルガノポリシロキサンが0.5〜50質量部含有される、請求項3に記載された離型用シリコーンエマルジョン組成物。
- G成分の白金系錯体が、下記G1〜G4成分を主成分とするエマルジョン組成物として調製され、別に調製されたA〜F成分から成るエマルジョン組成物と配合される、請求項1〜4のいずれかに記載された離型用シリコーンエマルジョン組成物;
G1)25℃における粘度が10〜500mPa・sの白金系錯体含有ポリシロキサン100質量部、
G2)HLBが10〜15、pHが6.5以下、かつイオン電導度が30μS/cm以下であるノニオン系界面活性剤0.5〜10質量部、
G3)ケン化度が86〜98モル%であって4%水溶液の20℃における粘度が4〜100mPa・sであるポリビニルアルコール1〜20質量部、
G4)水370〜399質量部。 - 薄葉基材の少なくとも片面に、請求項1〜5のいずれかに記載された離型用シリコーンエマルジョン組成物の硬化皮膜を形成させてなることを特徴とする離型性基材。
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