JP7106464B2 - 剥離剤組成物及び剥離シート - Google Patents
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Description
また、無溶剤タイプの剥離紙用オルガノポリシロキサン組成物から得られる硬化物において、低速(例えば0.3m/min)でテープを硬化皮膜から剥離した場合の剥離力(低速剥離力)は、架橋密度が高いほど重くなる。ここで架橋密度とは、組成物中のビニル基とSiH基が反応してできるシルエチレン結合よる分岐密度、及び、前記Q単位のようなオルガノポリシロキサンの三次元構造の密度を意味する。一方で、高速(例えば50m/min)で硬化皮膜から剥離した場合の剥離力(高速剥離力)は、架橋密度が高いほど軽くなる。一般的に、重剥離効果の高い剥離紙用オルガノポリシロキサン組成物は架橋密度が高いため、低速剥離力は重くなるが、高速剥離力が軽くなってしまう場合がある。そのため、低速剥離力と高速剥離力が共に重くなり、かつ低速剥離と高速剥離の剥離力の差が小さい組成物も求められている。
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有する直鎖状オルガノポリシロキサン:該(A)成分及び下記(B)成分の合計100質量部に対して30~65質量部
(B)R’3SiO1/2単位、及び、SiO4/2単位及び/又はR’SiO3/2単位を有する、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン(前記各式において、R’は不飽和結合を有してよい、置換又は非置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基である):前記(A)成分及び該(B)成分の合計100質量部に対して35~70質量部、
該(B)成分は、下記(B1)成分15~69質量部と下記(B2)成分1~20質量部との組合せ(但し、合計が35~70質量部となる量である)である
(B1)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有する、前記三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン
(B2)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有さない、前記三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン
(C)25℃で液状のオレフィン:(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して0.1~20質量部、
(D)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分中のアルケニル基の合計個数に対して該(D)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数比が0.5~5となる量、及び
(E)白金族金属系触媒:触媒量。
[(A)アルケニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン]
(A)成分は、組成物の粘度及び硬化物の剥離力を調整させるための成分である。(A)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個、好ましくは2~50個、より好ましくは2~40個有する直鎖状オルガノポリシロキサンである。該オルガノポリシロキサンは、25℃における粘度5,000mPa・s以下、好ましくは3,000mPa・s以下、より好ましくは1,500mPa・s以下を有するのがよい。主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、直鎖状の分子構造を有するオルガノポリシロキサンであればよい。粘度が上記上限値を超えると、硬化物の架橋密度を低下させる要因となるおそれがあり、目標とする重剥離効果を得ることが困難となる場合があるため好ましくない。下限値は特に制限されないが、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは5mPa・s以上であるのがよい。
さらには組成物の粘度が著しく高くなるといった問題が生じるおそれがある。なお、本発明において粘度の測定は、25℃におけるB型回転粘度計により測定される絶対粘度の値である(以下、同様)。
(B)成分は、重剥離効果を付与するための成分であり、一般式R’3SiO1/2(M単位)及び一般式SiO4/2(Q単位)及び/又は一般式R’SiO3/2(T単位)を含む、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサンである。前記において、R’は置換又は非置換の炭素数1~12の1価炭化水素基である。(B)成分は25℃において蝋状もしくは固体であることが好ましい。ここで「蝋状」とは、25℃において、10,000Pa・s以上、特に100,000Pa・s以上の、ほとんど自己流動性を示さないガム状(生ゴム状)を意味する。
(B1)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有する、前記三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン
(B2)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有さない、前記三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン
(B1)成分は、下記平均組成式(2)で表される、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンである。ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、及び、T単位及び/又はQ単位を必須に有する。
(R5 3SiO1/2)l(R4R5 2SiO1/2)m(R4R5SiO)n(R5 2SiO)p(R4SiO3/2)q(R5SiO3/2)r(SiO4/2)s (2)
(式中、R4は互いに独立に、炭素数2~8のアルケニル基であり、R5は互いに独立に、アルケニル基でない、非置換または置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基であり、但し、全R5の少なくとも80モル%はメチル基であり、l、m、n、p、q、r及びsは、互いに独立に、0以上の数であり、但し、m+n+q>0、q+r+s>0であり、かつ、l+m+n+p+q+r+s=1である)。
(Me3SiO1/2)l(ViMe2SiO1/2)m(SiO4/2)s
(ViMe2SiO1/2)m(SiO4/2)s
(ViMeSiO)n(Me2SiO)p(MeSiO3/2)r
(ViMe2SiO1/2)m(Me2SiO)p(ViSiO3/2)q
(ViMe2SiO1/2)m(Me2SiO)p(MeSiO3/2)r
(Me3SiO1/2)l(ViMe2SiO1/2)m(Me2SiO)p(MeSiO3/2)r
(Me3SiO1/2)l(ViMe2SiO1/2)m(Me2SiO)p(ViMeSiO)n(MeSiO3/2)r
(式中、Meはメチル基であり、Viはビニル基であり、l、m、n、p、q、r及びsは、上記の通りである)
中でも、特にMe3SiO1/2、ViMe2SiO1/2及びSiO4/2単位で構成されたオルガノポリシロキサンがより好ましい。このようなオルガノポリシロキサンを用いることで、得られる硬化物の架橋密度が十分高いものとなり、所望する重剥離効果を得ることが可能となる。尚、(B1)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(B2)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を有さない、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサンであり、下記平均組成式(3)で表され、T単位及び/又はQ単位を必須に含有するものが挙げられる。
(R6 3SiO1/2)t(R6 2SiO)u(R6SiO3/2)v(SiO4/2)w (3)
(式中、R6は互いに独立に、アルケニル基でない、非置換または置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基であり、但し、全R6の少なくとも80モル%はメチル基であり、t、u、v及びwは、互いに独立に0以上の数であり、但し、v+w>0であり、かつ、t+u+v+w=1である)。
(Me3SiO1/2)t(MeSiO3/2)v
(Me3SiO1/2)t(SiO4/2)w
(Me2SiO)u(MeSiO3/2)v
(Me3SiO1/2)t(Me2SiO)u(MeSiO3/2)v
(Me3SiO1/2)t(Me2SiO)u(SiO4/2)w
(Me3SiO1/2)t(Me2SiO)u(MeSiO3/2)v(SiO4/2)w
(式中、Meはメチル基であり、t、u、v及びwは、上記の通りである)
中でも特に、Me3SiO1/2及びSiO4/2単位で構成されたオルガノポリシロキサンがより好ましい。このようなオルガノポリシロキサンを用いることで、高い重剥離効果を得ることが可能となる。尚、(B2)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(C)成分は、少量添加で組成物を低粘度化できる、いわゆる減粘剤である。25℃で液状の形態を有しているオレフィンであれば特に限定されず、公知のオレフィンの中から適宜選択すればよいが、特にはモノオレフィンが好ましい。例えばジオレフィンの場合、架橋密度が高くなりすぎるため剥離時に剥離音が生じる恐れがある。好ましくは、炭素原子数10~18の直鎖状モノオレフィン又は炭素原子数10以上の分岐状モノオレフィンであるのがよい。
これに対し、25℃で液状のオレフィン(特に好ましくは、炭素原子数10~18の直鎖状又は炭素数10以上の分岐状モノオレフィン)は、オルガノポリシロキサン組成物に対する減粘効果が高いため少量で低粘度化が可能であり、重剥離効果を損なうことがない。また、オルガノポリシロキサン組成物(特にSiH)との反応性基(特にオレフィン部位)を有しているため、硬化皮膜に取り込まれ、揮発したり、テープへ移行することがない。従って、剥離剤組成物の粘度をコントロールする上で、非常に有用である。
(D)成分は、ケイ素原子に結合した水素原子(以下、SiH基という)を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、付加反応型シリコーン組成物に使用される公知のオルガノハイドロジェンシロキサンであればよい。例えば、下記平均組成式(1):
R1 aHbSiO(4-a-b)/2・・・(1)
(式中、R1は独立にアルケニル基を含まない、非置換または置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基を表し、但し、全R1の少なくとも50モル%はメチル基であり、a及びbは、0.7≦a≦2.1、0.001≦b≦1.0、かつ0.8≦a+b≦3.0を満たす数である。)
で表される。
(E)成分の白金族金属系触媒は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分と(D)成分の付加反応を促進するための触媒であり、いわゆるヒドロシリル化反応を促進するものとして当業者に公知のものはいずれも使用することができる。このような白金族金属系触媒としては、例えば白金系、パラジウム系、ロジウム系、ルテニウム系等の触媒が挙げられ、これらの中で特に白金系触媒が好ましく用いられる。この白金系触媒としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液又はアルデヒド溶液、塩化白金酸の各種オレフィン又はビニルシロキサンとの錯体、白金の各種オレフィン又はビニルシロキサンとの錯体等が挙げられる。
本発明の剥離剤組成物には、上記(A)~(E)成分以外にも、その他の任意の成分を配合することができる。例えば以下の成分が挙げられる。これらその他の成分は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物には、(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外にも、(D)成分と付加反応するアルケニル基含有化合物を、本発明の効果を損ねない範囲において適宜配合してもよい。(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外のこのようなアルケニル基含有化合物としては、硬化物の形成に関与するものが好ましく、1分子あたり少なくとも1個のアルケニル基を有する(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外のオルガノポリシロキサンが挙げられる。その分子構造は、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等、いずれでもよい。
ポットライフを確保するために、付加反応制御剤を本発明組成物に配合することができる。付加反応制御剤は、上記(E)白金族金属系触媒に対して硬化抑制効果を有する化合物であれば特に限定されず、従来公知のものであればよい。例えば、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレンアルコール類(例えば、1-エチニルシクロヘキサノール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール)等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体などが挙げられる。付加反応制御剤による硬化抑制効果の度合は、その化学構造によって異なる。よって、使用する付加反応制御剤の各々について、その添加量は従来公知の方法に従い、適宜調整すればよい。付加反応制御剤を適量添加することにより、剥離剤組成物は室温での長期貯蔵安定性及び加熱硬化性により優れたものとなる。
更に、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて、公知の酸化防止剤、顔料、安定剤、帯電防止剤、消泡剤、密着向上剤、増粘剤、又はシリカ等の無機充填剤を配合することができる。配合量は従来技術に従い適宜選択されればよい。
本発明の組成物は、25℃における粘度50~500mPa・sを有するのが好ましい。より好ましくは80~450mPa・sである。粘度が上記範囲外では、基材上に硬化皮膜を形成する際に塗工できない、又は塗工できたとしても均一な皮膜とならない等の問題を生じることがある。本発明の組成物は溶媒を必要としないことから、無溶媒型剥離剤組成物とすることができる。
本発明の剥離剤組成物の製造方法は特に制限されるものでないが、上記(A)~(D)成分及び任意成分を予め均一に混合した後、(E)触媒を使用直前に添加する方法が、ポットライフの面で望ましい。
本発明は、更にシート状基材と、該基材表面の片面又は両面に上記剥離剤組成物を硬化して成る硬化皮膜とを有する剥離シートを提供する。塗工方法は特に制限されないが、例えば、本発明の組成物を、コンマコーター、リップコーター、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、キスコーター、グラビアコーター、及びワイヤーバーコーター等による塗工、スクリーン塗工、浸漬塗工、又はキャスト塗工等の塗工方法を用いて、紙、フィルム等のシート状基材の片面又は両面上に、0.01~100g/m2塗工した後、50~200℃の範囲の温度で1~120秒間加熱することにより、基材上に硬化皮膜を形成させることができる。基材の両面に剥離層を作る場合は、基材の片面ずつ硬化皮膜の形成操作を行なうことが好ましい。
(A)成分
(A1)(ViMe2SiO1/2)2(Me2SiO)40
ビニル価:0.063mol/100g、粘度:50mPa・s
(A2)(ViMe2SiO1/2)2(Me2SiO)80
ビニル価:0.033mol/100g、粘度:120mPa・s
(A3)(ViMe2SiO1/2)2(Me2SiO)210
ビニル価:0.013mol/100g、粘度:940mPa・s
(A4)(ViMe2SiO1/2)2(Me2SiO)6
ビニル価:0.317mol/100g、
粘度:7.0mPa・s(低粘度オルガノポリシロキサン成分)
(B)成分
(B1)(Me3SiO1/2)0.38(ViMe2SiO1/2)0.06(SiO4/2)0.56
ビニル価:0.086mol/100g、25℃で固体
(B2-1)(Me3SiO1/2)0.41(SiO4/2)0.59
ビニル基無し、25℃で固体
(B2-2)(Me3SiO1/2)0.52(SiO4/2)0.48
ビニル基無し、25℃で固体
(C)成分
(C1)1-ヘキサデセン(出光興産株式会社製リニアレン16)
(C2)下記構造で表される分岐状オレフィン(豊国製油株式会社製HSダイマーA-20)
(D1)(Me3SiO1/2)2(MeHSiO)50
SiH基含有量:1.58mol/100g、粘度:20mPa・s
(D2)(Me3SiO1/2)2(MeHSiO)50(Me2SiO)20
SiH基含有量:1.08mol/100g、粘度:44mPa・s
(E)成分
(E)触媒:白金-ビニルシロキサン錯体
(F)成分(その他の成分)
(F)付加反応制御剤(ポットライフ延長剤):1-エチニルシクロヘキサノール
上記(A1)平均式:(ViMe2SiO1/2)2(Me2SiO)40で表される直鎖状ジメチルポリシロキサンと、上記(B1)平均式(Me3SiO1/2)0.38(ViMe2SiO1/2)0.06(SiO4/2)0.56で表されるオルガノシロキサンのキシレン溶液とを、固形分換算で質量比45.9/45.9の割合で混合した。該混合液から150℃で20mmHg以下の減圧下でキシレンを除去し、冷却した後に、上記(C1)1-ヘキサデセン2.0部、上記(D1)平均式:(Me3SiO1/2)2(MeHSiO)50で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン6.0部、上記(F)1-エチニルシクロヘキサノール0.2部を混合し、透明液体を得た。(上記(A1)、(B1)及び(C1)成分中のアルケニル基の合計個数に対する(D1)成分中のSiH基の個数比、すなわちH/Viは1.2である)。
上記で得た混合物に、上記(E)触媒を上記(A1)、(B1)、(C1)及び(D1)成分の合計質量に対して白金質量換算で100ppmになるよう添加し、撹拌混合することで、粘度290mPa・sの透明な組成物を得た。
参考例1と同じ手順にて、下記表1~3に示す組成で、(A)成分と(B)成分を混合した後に、減圧留去にて(B)成分中のキシレンを除去し、次いで(C)成分、(D)成分、及び(F)成分を混合した後、(E)白金触媒を混合し、参考例2~5、実施例6~8及び比較例1~6の組成物を得た。下記表1~3に各成分の配合量を示す。得られた組成物を用いて後述の方法で塗工品(剥離シート)を作製し、評価した。
・低速及び高速剥離試験:
得られた組成物を厚さ65μmのグラシン紙の表面に1.0~1.1g/m2塗布し、150℃の熱風式乾燥機中で30秒間加熱して硬化皮膜を形成した。得られた硬化皮膜を70℃で1日間セパレーターエージング後、硬化皮膜表面に50mm幅のポリエステル粘着テープ(NO.31B75ハイ、日東電工製商品名)を貼り合わせ、25℃下荷重50gf/cm2で1日間貼り合わせエージングさせた。その後、該テープの一端を剥がし、該端部を、基材であるグラシン紙に対して180°の角度の方向に、剥離速度0.3m/min、または剥離速度50m/minで引張り、剥離力(N/50mm)を引張試験機を用いて測定した。なお引張試験機は、剥離速度0.3m/minの場合は株式会社島津製作所AGS-50G型を、剥離速度60m/minの場合はテスター産業株式会社TE-702 高速剥離試験機300mTYPEを使用した。
上記セパレーターエージング後の硬化皮膜表面に、25mm幅のポリエステル粘着テープ(NO.31B35ハイ、日東電工製商品名)を貼り合わせ、70℃下荷重20gf/cm2で1日間貼り合わせエージングさせた。そのテープを硬化皮膜から剥がし、50μmのPETフィルムに貼り合わせ、2kgのテープローラーで1往復圧着後、引張試験機を用いて180°の角度で0.3m/分で剥離し、剥離させるのに要する力F(N/25mm)を測定した。比較として、硬化皮膜の代わりにテフロン(登録商標)板に貼り合わせた上記ポリエステル粘着テープについて、上記と同様にして、剥離させるのに要する力F0(N/25mm)を測定した。剥離層から剥離した後の上記ポリエステル粘着テープには、テフロン(登録商標)板から剥離した上記ポリエステル粘着テープと比較して何%の接着力が残っているか(残留接着率(%))を、式:F/F0×100により計算した。結果を表1~3に示す。
Claims (9)
- 下記(A)~(E)成分を含む、剥離剤組成物。
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有する直鎖状オルガノポリシロキサン:該(A)成分及び下記(B)成分の合計100質量部に対して30~65質量部
(B)R’3SiO1/2単位、及び、SiO4/2単位及び/又はR’SiO3/2単位を有する、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン(前記各式において、R’は不飽和結合を有してよい、置換又は非置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基である):前記(A)成分及び該(B)成分の合計100質量部に対して35~70質量部、
該(B)成分は、下記(B1)成分15~69質量部と下記(B2)成分1~20質量部との組合せ(但し、合計が35~70質量部となる量である)である
(B1)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有する、前記三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン
(B2)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有さない、前記三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン
(C)25℃で液状のオレフィン:(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して0.1~20質量部、
(D)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分中のアルケニル基の合計個数に対して該(D)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数比が0.5~5となる量、及び
(E)白金族金属系触媒:触媒量。 - (B1)成分が下記平均組成式(2)で表され、(B2)成分が下記平均組成式(3)で表される、請求項1記載の剥離剤組成物
[化1]
(R5 3SiO1/2)l(R4R5 2SiO1/2)m(R4R5SiO)n(R5 2SiO)p(R4SiO3/2)q(R5SiO3/2)r(SiO4/2)s (2)
(式中、R4は互いに独立に炭素数2~8のアルケニル基であり、R5は互いに独立に、アルケニル基でない、非置換または置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基であり、但し、全R5の少なくとも80モル%はメチル基であり、l、m、n、p、q、r及びsは、互いに独立に、0以上の数であり、但し、m+n+q>0、q+r+s>0であり、かつ、l+m+n+p+q+r+s=1である)
[化2]
(R6 3SiO1/2)t(R6 2SiO)u(R6SiO3/2)v(SiO4/2)w (3)
(式中、R6は互いに独立に、アルケニル基でない、非置換または置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基であり、但し、全R6の少なくとも80モル%はメチル基であり、t、u、v及びwは、互いに独立に0以上の数であり、但し、v+w>0であり、かつ、t+u+v+w=1である)。 - (C)成分が、炭素原子数10~18の直鎖状モノオレフィン、又は炭素原子数10以上の分岐状モノオレフィンである、請求項1又は2記載の剥離剤組成物。
- (D)成分が、下記式(1)で表される、請求項1~3のいずれか1項記載の剥離シート用組成物
[化3]
R1 aHbSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、R1は互いに独立に、アルケニル基でない、非置換または置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基であり、但し、全R1の少なくとも50モル%はメチル基であり、a及びbは、0.7≦a≦2.1、0.001≦b≦1.0、かつ0.8≦a+b≦3.0を満たす数である)。 - 25℃での粘度50~500mPa・sを有する、請求項1~4のいずれか1項記載の剥離剤組成物。
- 溶剤を含まない、請求項1~5のいずれか1項記載の剥離剤組成物。
- シート状基材と、該基材表面の片面又は両面に、請求項1~6のいずれか1項記載の剥離剤組成物を硬化して成る硬化皮膜とを有する剥離シート。
- 前記硬化皮膜に50mm幅のポリエステル粘着テープを貼り付けて、180°の角度、剥離速度0.3m/分で測定した低速剥離力0.3N/50mm以上を有し、かつ、180°の角度、剥離速度50m/分で測定した高速剥離力0.5N/50mm以上を有する、請求項7記載の剥離シート。
- 請求項8記載の低速剥離力と高速剥離力の差が0.3N/50mm以下である、請求項7又は8記載の剥離シート。
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