JP2846195B2 - 硬化性シリコーンエマルジョン組成物 - Google Patents

硬化性シリコーンエマルジョン組成物

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JP2846195B2 JP29389892A JP29389892A JP2846195B2 JP 2846195 B2 JP2846195 B2 JP 2846195B2 JP 29389892 A JP29389892 A JP 29389892A JP 29389892 A JP29389892 A JP 29389892A JP 2846195 B2 JP2846195 B2 JP 2846195B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬化性シリコーンエマル
ジョン組成物、特には硬化性、安定性のすぐれた剥離紙
用に有用とされる硬化性シリコーンエマルジョン組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、紙、プラスチックなどの基材と
粘着性物質との間の粘着や固着を防ぐ目的においては各
種の離型用シリコーン組成物が使用されており、この離
型用シリコーン組成物としては多量の有機溶剤を用いる
溶剤タイプのものが主流とされているが、このもは有機
溶剤が大気汚染の原因となり、安全衛生上も好ましくな
いし、また回収に高価な装置が必要とされるという不利
がある。
【0003】そのため、この離型性シリコーン組成物に
ついては有機溶剤を使用しないエマルジョンタイプのも
のが作られ、これには硬化反応別に縮合性のものと付加
反応型のものが知られているが、縮合型タイプのものは
ポットライフが短いという欠点があるために特殊な用途
にしか用いることができず、付加反応型のものについて
はポットライフが比較的永いことから、これにはビニル
ポリシロキサン、白金化合物、乳化剤および水からなる
エマルジョンとオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン、乳化剤および水からなるエマルジョンとの混合物か
ら製造されるもの(特公昭57-53143号公報参照)、乳化
重合法による製造されるもの(特開昭54-52160号公報参
照)また特定の乳化剤を用いてビニルシロキサンとオル
ガノハイドロジェンポリシロキサンを乳化し、これに白
金系触媒のエマルジョンを混合する方法(特開昭 63-31
4275号公報参照)などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この公知の前
者の方法にはこの方法で得られた離型用シリコーンエマ
ルジョン組成物はポットライフ、シェルフライフ、硬化
性が必ずしも満足すべきものではないという問題点があ
り、この公知の後者の方法には純度の高い乳化剤が必要
であり、さらに使用できる乳化剤に制限があるという不
利がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、問題点を解決した硬化性シリコーンエマルジョン組
成物に関するものであり、これは一般式(1)
【化5】 と一般式(2)
【化6】 (ここにR1は非置換または置換の脂肪族1価飽和炭化水
素基、R2はR1と同じ基または脂肪族1価不飽和炭化水素
基、mは3〜10、nは0〜40、aは1〜3の数)で示さ
れるシリコーンオリゴマーをアニオン系乳化剤と水の混
合物で均質化したのち乳化重合させて、一般式 R2 bSiO
4-b/2(bは2〜3の正数)で示される1分子中に脂肪
族不飽和基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロ
キサンを水中に分散してなるシリコーンエマルジョン、
(ロ)一般式 R2 cHdSiO4-c-d/2(ここにR2は前記に同
じ、c、dは正数でc+d≦3)で示されるオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンをアニオン系またはノニオ
ン系の乳化剤を用いて水に分散してなるシリコーンエマ
ルジョン、(ハ)白金系触媒とからなり、pHが5以下で
あることを特徴とするものである。
【0006】すなわち、本発明者らは前記したような不
利、問題点を解決できる硬化性シリコーンエマルジョン
組成物を開発すべく種々検討した結果、これについては
付加反応型のものとするけれども、この脂肪族1価の不
飽和基を含有するシリコーンエマルジョンについてはこ
れを脂肪族不飽和炭化水素基を含有するシリコーンオリ
ゴマーを乳化重合させたものとし、これにオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンのシリコーンエマルジョンと
白金系触媒を添加したものとすれば、これがポットライ
フ、シェルフライフのすぐれたものとなるし、白金系触
媒による付加反応の硬化性もよくなることを見出すと共
に、この場合には特に純度の高い乳化剤を使用する必要
もないので目的とする硬化性シリコーンエマルジョン組
成物を容易に、かつ安価に得ることができることを確認
して本発明を完成させた。以下にこれをさらに詳述す
る。
【0007】
【作用】本発明は硬化性シリコーンエマルジョン組成物
に関するものであり、これは前記したように(イ)一般
式(1)、(2)からなるシリコーンオリゴマーをアニ
オン系乳化剤と水の混合物で均質化したのち乳化重合さ
せたシリコーンエマルジョンに、(ロ)オルガノハイド
ロジェンポリシロキサンをアニオン系またはノニオン系
の乳化剤を用いて水に分散してなるシリコーンエマルジ
ョンと(ハ)白金系触媒を添加してなる、pHが5以下で
あるものであるが、このものはポットライフ、シェルフ
ライフがすぐれており、白金系触媒による付加反応の硬
化性もよくなるという特性をもつものになるという有利
性が与えられるというものである。
【0008】本発明の硬化性シリコーンエマルジョン組
成物を構成する(イ)成分としてのシリコーンエマルジ
ョンは、一般式(1)で示されるオルガノシロキサンと
一般式(2)で示されるオルガノシロキサンとからなる
シリコーンオリゴマーをアニオン系乳化剤と水との混合
物で均質化してのち、乳化重合させたものとされる。こ
の一般式(1)、一般式(2)におけるR1はメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、フ
ェニル基、トリル基などのアリール基、またはこれらの
基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をハ
ロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、
トリフルオロプロピル基、シエノエチル基などから選択
される非置換または置換の脂肪族1価飽和炭化水素基、
R2はR1と同じか、またはビニル基、アリル基、ヘキセニ
ル基、エチニル基などの脂肪族1価不飽和炭化水素から
選択される基、aは1〜3の数とされるものとされる。
【0009】このシリコーンオリゴマーの乳化重合は、
シリコーンオリゴマー 100重量部にアニオン系乳化剤
0.1〜20重量部、水40〜2,000 重量部を加え、ホモミキ
サーおよびホモジャイザーを用いて均質化したのち、5
〜90℃の温度で重合させればよい。ここに使用するアニ
オン系乳化剤としては乳化剤と重合触媒の二つの役目を
する酸型のものとすることがよく、したがってこれには
アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニル硫酸エステル、アルキンベンゼンスルホン酸、ア
ルキルナフタレンスルホン酸などが例示されるが、この
添加量はシリコーンオリゴマー 100重量部に対して 0.1
重量部より少ないと乳化が困難で重合も進行しずらくな
るし、20重量部より多くすると後記する白金触媒に対し
悪影響が及ぼされるので 0.1〜20重量部の範囲とするこ
とが必要とされるが、この好ましい範囲は 0.3〜3重量
部とされる。なお、このものは通常単独で用いられる
が、2種以上を併用してもよいし、ノニオン系乳化剤と
併用してもよい。
【0010】また、ここに使用する水の量はこの系が水
中油型となる量であればよいが、製造の効率からはシリ
コーンオリゴマー 100重量部に対して40〜2,000 重量部
の範囲とすればよい。また、この重合は温度5〜90℃で
行えばよく、この重合停止は酸型アニオン系界面活性剤
を塩基性物質により中和すればよいが、この塩基性物質
は白金触媒に対し被毒作用の少ない炭酸ソーダ、炭酸水
素ナトリウムを用いてpHを3〜7とすることが好まし
い。
【0011】この乳化重合により分子鎖末端がR1 aR2 3-a
SiO1/2単位で封鎖された、一般式R2 bSiO4-b/2 (bは2
以上の正数)で示される1分子中に脂肪族1価不飽和炭
化水素基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキ
サンが水中に分散したシリコーンエマルジョンが得ら
れ、この末端を封鎖しているオルガノシロキシ基はジメ
チルビニルシロキシ基、ジアリルメチルシロキシ基、ト
リビニルシロキシ基が例示されるが、硬化性の点からは
トリビニルシロキシ基とすることが望ましく、粘着物質
の剥離を容易にするということからはR2の少なくとも80
%がメチル基であるものとすることがよい。
【0012】このオルガノポリシロキサンにおける脂肪
族1価不飽和水素基の含有量は全有機基に対し0.05モル
%未満では組成物硬化速度が遅くなって実用的でなくな
るし、30モル%より多くするとこの組成物から作られる
シリコーン皮膜の離型性が低下するようになるので、0.
05〜30モル%の範囲とする必要があるが、これは好まし
くは 0.4〜4モル%の範囲とすることがよい。
【0013】また、このオルガノポリシロキサンは分子
鎖末端基としてのオルガノシロキシ基が脂肪族1価不飽
和炭化水素基が2個または3個のものとすることによっ
てすぐれた剥離性が与えられるのであるが、この効果は
分子中における不飽和炭化水素基の含有量の少ない程大
きくなる。なお、このオルガノポリシロキサンの25℃に
おける粘度は 100cp未満ではグラシン紙などのようにし
み込み易い基材を処理したときに基材表面にシリコーン
が存在しにくくなるので、 100cp以上のものとすること
が必要とされるが、この粘度の調整はシリコーンオリゴ
マーを構成する前記した一般式(1)で示されるシロキ
サンと一般式(2)で示されるシロキサンの比率を変え
て行なえばよく、特にこの一般式(2)で示されるシロ
キサンを100/2 以上とすればよい。
【0014】つぎに本発明の硬化性シリコーンエマルジ
ョン組成物を構成する(ロ)成分としてのシリコーンエ
マルジョンは、オルガノハイドロジェンポリシロキサン
100重量部にノニオン系またはアニオン系乳化剤 0.3〜
30重量部と水40〜2,000 重量部を添加し、常法で均質混
合することによって得たものとすればよい。ここに使用
されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは一般式
R2 cHdSiO4-c-d/2(ここにR2は前記に同じ、c、dは正
数でc+d≦3)で示される、直鎖状、分子鎖状または
部分的に交又結合をもつもの、さらにはこれらの混合物
からなるものとすればよいが、これは1分子中にけい素
原子に結合した水素原子(≡SiH )を少なくとも3個含
むものととすることがよく、この≡SiH 結合は 0.1〜95
モル%、好ましくは30〜80モル%であるものとすること
がよいが、このもの粘度は3〜500cp のものとすればよ
い。
【0015】また、ここに使用される乳化剤はノニオン
系たはアニオン系のものとされるが、このノニオン系の
ものとしては例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエー
テル等のアルキルアリルエーテル型のもの:ポリオキシ
エチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデ
シルエーテル等のアルキルエーテル型のもの:ポリオキ
シエチレンオレエート、ポリオキシエチレンラウレート
等のアルキルエステル型のものなどが挙げられ、これら
は一種単独または2種以上を組み合わせて用いることが
できるが、これらは混合後のHLBが10〜15であるもの
とすることがよい。また、このアニオン系のものとして
はアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩などが
例示される。
【0016】しかし、このエマルジョンについては≡Si
H 基の安定性を確保するために酢酸などの酸を微量添加
してpHを3〜5に調整することが望ましい。なお、この
(ロ)成分の前記した(イ)成分としてのオルガノポリ
シロキサンを水中に分散したシリコーンエマルジョンに
対する添加量は(イ)成分 100重量部に対し(ロ)成分
が 0.5重量部未満では硬化性が損なわれ、30重量部より
多くすると剥離力が重くなりすぎるという欠点が生ずる
ので、0.5 〜30重量部の範囲とすることがよい。
【0017】また、本発明の硬化性シリコーンエマルジ
ョン組成物を構成する(ハ)成分としての白金系触媒は
脂肪族不飽和基とけい素原子に結合した水素原子との付
加反応に用いられる公知の触媒でよく、これには例え
ば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白
金酸のアルデヒド溶液、塩化白金酸と各種オレフィン化
合物、ビニルシロキサンとの錯塩等が挙げられるが、各
種オレフィン化合物との錯塩を使用する場合にはノニオ
ン系乳化剤と混合すればエマルジョンに添加したとの分
散性を向上させることができる。なお、この(ハ)成分
の添加量は(イ)成分と(ロ)成分との付加反応を進行
させるのに必要な量とすればよいが、通常これは前記し
た(イ)成分中のオルガノポリシロキサンに対し10〜50
0ppmの範囲とすればよい。
【0018】本発明の硬化性シリコーンエマルジョン組
成物は上記した(イ)成分に(ロ)成分と(ハ)成分の
所定量を添加し、均一に混合することによって得ること
ができ、この組成物はこれを各種基材に塗布すればこれ
に剥離性を与えるのであるが、この基材が多乳性のもの
であるときには、浸透防止や得られる硬化物の剥離力を
調整するために水溶性樹脂、メチルセルロース、ナトリ
ウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル等を添加してもよい。また、この組成物には本発明の
硬化を妨げない範囲であれば必要に応じて、レベリング
剤、少量の溶剤、滑り性を付与するため、さらには粘着
性物質の剥離を容易にするために、分子中にビニル基、
けい素原子に結合した水素原子のいずれも有しないオル
ガノポリシロキサンを水分散させたのち添加してもよ
い。
【0019】本発明の組成物を基材に塗布するには、適
宜な方法、例えば、ロール塗布、グラビア塗布、エアー
ナイフ塗布、ワイヤードクター塗布、ブラシ塗布などが
用いられる。このときの本発明の組成物の塗布量は、特
に制限はないが、通常、シリコーン固形分で 0.1〜5g/
m2程度とすればよい。本発明の組成物が塗布される基材
としては、特に制限はなく、これにはグラシン紙、セミ
グラシン紙、パーメント紙、ポリエチレンラミネート
紙、ポバールアンダーコート紙、アート紙、クラフト紙
等の紙類が挙げられ、また、紙類の他にポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート等のフィルム状のものも挙げら
れる。
【0020】この組成物はこれを塗布後、これを塗布し
た基材を例えば熱風循環乾燥機などを用いて80〜200 ℃
で5秒〜3分間程度加熱すれば、この基材上にシリコー
ンの硬化皮膜が形成され、これによってこの基材にはす
ぐれた剥離性が付与されるが、この塗膜の硬化は赤外
線、紫外線の照射で行なってもよく、これらの各方法を
併用すればその硬化効率を向上させることもできる。
【0021】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげるが、
例中の部は重量部を、粘度は25℃での測定値を示したも
のであり、例中における各測定値は下記による値を示し
たものである。
【硬化性】グラシン紙(秤量60g/m2)の表面に、組成物
をシリコーン固定分で約 1.0g/m2となるように塗布し、
180 ℃の熱風循環式乾燥炉中で硬化皮膜を形成した。硬
化性の判定は、皮膜面を指でこすっても皮膜が脱落せ
ず、かつ曇らなくなるまでに要した硬化時間(秒後)で
評価したが、これについてはエマルジョン製造1日後の
ものと室温で60日間経過後のものについて測定した。
【0022】
【剥離性】グラシン紙(秤量60g/m2)の表面に、組成物
をシリコーン固定分で約 1.0g/m2となるように塗布し、
180 ℃の熱風循環式乾燥炉中で硬化皮膜膜形成した。硬
化皮膜の形成の時間は、各組成物の最小硬化秒数として
測定を行なった。皮膜面に市販のクラフトテープ(日東
電工(株)製)を貼りつけ、50℃で 20g/cm2の圧力下、
20時間圧着した後、25℃で1時間エイジングさせてから
5cm巾に切断して試験片を作成し、引張り試験機を用い
て 180℃の角度、剥離速度 0.3m/分でテープを引張り、
剥離に要する力(g)を測定した。
【0023】
【残留接着性】剥離性の測定と同様にして、試験片を作
成した。皮膜面にポリエステルテープ(商品名ルミラー
31B、日東電工(株)製)を貼り合わせ、70℃で2時間
加熱処理してから、ポリエステルテープを剥してステン
レス板に張りつけた後、ポリエステルテープを 180℃の
角度、剥離速度 0.3m/分で剥し、剥離に要する力(g)
を測定すると共に、未処理の標準ポリエステルテープを
ステンレス板に張りつけた後、剥離に要する力(g)を
測定し、この未処理の標準ポリエステルテープの剥離に
要する力(g)に対する百分率で表わした。
【0024】実施例 オクタメチルテトラシクロシロキサン 1,000部、ヘキサ
ビニルジシロキサン10.6部、ドデシルベンゼンスルホン
酸10部および水664gをホモミキサーを用いて分に分散
後、316kg/cm2 の圧力でホモジナイザー中を通して均質
化した。ついで、このものを60℃で8時間加熱したのち
20℃に冷却し、10%炭酸ソーダ水を用いてpH4に調節し
たところ、平均粒径が 0.2μmであるシリコーンエマル
ジョン[I]が得られた。
【0025】また、分子鎖両末端がトリメチルシリル基
で封鎖されていて、主鎖が、CH3Si(H)O 単位70モル%、
(CH3)2SiO 単位30%からなり、粘度が50cpであるメチル
ハイドロジェンポリシロキサン 1,000部に、オリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル・NS−210 [日本油
脂(株)製商品名]80部、水 587部および酢酸1部を添
加し、ホモミキサー、ホモジナイザーを用いて均質化し
て、pHが4で平均粒径が0.25μmであるシリコーンエマ
ルジョン[II]を作った。
【0026】さらに、白金系触媒については白金−ビニ
ルシロキサン錯塩(白金含有量1%)20部に、ポリオキ
シエチレンオクチルフェニルエーテル・OP−3[日本
油脂(株)製商品名]20部を混合して自己乳化型白金型
触媒[III] を作った。
【0027】ついで、このシリコーンエマルジョン
[I] 950部とシリコーンエマルジョン[II]50部を混
合し、水 5,250部で希釈したものに、白金触媒[III] 40
部を添加して塗工液を調整し、これをワイヤーバー No.
3を用いてグラシン紙に塗工したところ、ハジキもなく
均一に塗工することができたので、このものの硬化性、
剥離力および残留接着率を白金触媒III 添加1時間後の
ものと、ギャーポンプ・MD−30R[イワキ(株)製商
品名]を用いて25リットル/分の速度で循環8時間後の
ものについてしらべたところ、後記する表1に示したと
おりの結果が得られた。
【0028】比較例 分子鎖両末端がトリビニルシロキシ基で封鎖されている
粘度が 1,500cpのジメチルポリシロキサン60部、分子鎖
両末端がトリメチルシリル基で封鎖されていて主鎖が C
H3Si(H)O単位70モル%、(CH3)2SiO 単位30モル%からな
り、粘度が50cpであるメチルハイドロジェンポリシロキ
サン3部、式HC≡C(CH3)2OSi(CH3)3で示される付加反応
制御剤1部、界面活性剤・ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル・NS− 210(前出)4.0 部および水33
部をホモミキサー、ホモナイザーを用いて転相乳化を行
ない、平均粒径が 0.3μmでpHが7である水中油型シリ
コーンエマルジョン[IV]を作り、これに実施例で作製
した白金系触媒[III] を添加してシリコーンエマルジョ
ン組成物を作った。ついで、このものを実施例と同じよ
うにグラシン紙に塗布し、これについての硬化性、剥離
力および残留接着率を調べたところ、つぎに表1に示し
たとおりの結果が得られた。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明は硬化性シリコーンエマルジョン
組成物に関するものであり、これは前記したように
(イ)一般式(1)で示されるシロキサンと一般式
(2)で示されるシロキサンとからなるシリコーンオリ
ゴマーをアニオン性乳化剤と水との混合物で均質化した
のち、乳化重合させて得た、1分子中に脂肪族1価不飽
和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンが
水中に分散したシリコーンエマルジョン、(ロ)オルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンをアニオン系またはノ
ニオン系乳化剤を用いて水に分散したシリコーンエマル
ジョン、(ハ)白金系触媒とからなり、pHが5以下であ
ることを特徴とするものであるが、このものは粒径が細
かく、濡れ性がすぐれており、ギャーポンプ循環でもエ
マルジョン破壊のない機械的安定性のすぐれたエマルジ
ョンで、ポットライフ、シェルフライフもすぐれてお
り、白金系触媒による硬化性も良好で、これを塗布した
基材にはすぐれた剥離性が与えられるという有利性をも
つものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中里 森三 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 83/04 C08L 83/05 C08L 83/07

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)式 【化1】 と 【化2】 (ここにR1は非置換または置換の脂肪族1価飽和炭化水
    素基、R2はR1と同じ基または脂肪族1価不飽和炭化水素
    基、mは3〜10、nは0〜40、aは1〜3の数)で示さ
    れるシリコーンオリゴマーをアニオン系乳化剤と水の混
    合物で均質化したのち乳化重合させて、一般式 R2 bSiO
    4-b/2(bは2〜3の正数)で示される1分子中に脂肪
    族不飽和基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロ
    キサンを水中に分散してなるシリコーンエマルジョン、
    (ロ)一般式 R2 cHdSiO4-c-d/2(ここにR2は前記に同
    じ、c、dは正数でc+d≦3)で示されるオルガノハ
    イドロジェンポリシロキサンをアニオン系またはノニオ
    ン系の乳化剤を用いて水に分散してなるシリコーンエマ
    ルジョン、(ハ)白金系触媒とからなり、pHが5以下で
    あることを特徴とする硬化性シリコーンエマルジョン組
    成物。
  2. 【請求項2】(イ)式 【化3】 と式 【化4】 (ここにR1は非置換または置換の脂肪族1価飽和炭化水
    素基、R2はR1と同じ基または脂肪族1価不飽和炭化水素
    基、mは3〜10、nは0〜40)で示されるシリコーンオ
    リゴマーをアニオン系乳化剤と水の混合物で均質化した
    のち乳化重合させて、一般式 R2 bSiO4-b/2(bは2〜3
    の正数)で示される1分子中に脂肪族不飽和基を少なく
    とも6個含有するオルガノポリシロキサンを水中に分散
    してなるシリコーンエマルジョン、 (ロ)一般式 R2 cHdSiO4-c-d/2(ここにR2は前記に同
    じ、c、dは正数でc+d≦3)で示されるオルガノハ
    イドロジェンポリシロキサンをアニオン系またはノニオ
    ン系の乳化剤を用いて水に分散してなるシリコーンエマ
    ルジョン、 (ハ)白金系触媒 とからなり、pHが5以下であることを特徴とする硬化性
    シリコーンエマルジョン組成物。
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