JPH08245887A - 離型用シリコーンエマルジョン組成物 - Google Patents

離型用シリコーンエマルジョン組成物

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JPH08245887A
JPH08245887A JP7821095A JP7821095A JPH08245887A JP H08245887 A JPH08245887 A JP H08245887A JP 7821095 A JP7821095 A JP 7821095A JP 7821095 A JP7821095 A JP 7821095A JP H08245887 A JPH08245887 A JP H08245887A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】2液性で使用し易いにもかかわらず、硬化性、
剥離性及び残留接着性に優れる上、安全衛生上及び環境
対策上からも優れた、付加反応型の離型用シリコーンエ
マルジョン組成物を提供する。 【構成】成分〜成分からなる組成物A及び成分〜
からなる組成物Bの所定量を組合せてなる離型用シリ
コーンエマルジョン組成物。 :下記式(I)で表されるオルガノポリシロキサン又
は該オルガノポリシロキサンの1部が下記式(II)で表
されるオルガノポリシロキサンで置換されたオルガノポ
リシロキサン混合物:100重量部; :下記式IIIで表される一分子中にけい素原子に直結
する水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロ
ジェンポリシロキサン1〜50重量部、 :ノニオン系界面活性剤、:水、:白金系錯体含
有ポリシロキサン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、離型用シリコーンエマ
ルジョン組成物に関し、特に、安全衛生上のみならず環
境対策上有利な、付加反応型の離型用シリコーンエマル
ジョン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、紙、プラスチックフィルムな
どの基材と粘着性物質との間の粘着や固着を防止するた
めに、離型用シリコーン組成物が使用されてきた。現
在、離型用シリコーン組成物の主流をなすものは、有機
溶剤溶液の形で提供され汎用されている。
【0003】しかしながら、この種の有機溶剤溶液タイ
プのものは、その主剤が、取り扱い難い高分子量の生ゴ
ム状のオルガノポリシロキサンである上、多量の溶剤が
使用されるために大気汚染の原因となるという不利があ
り、更に、安全衛生上でも好ましくないという欠点があ
った。かかる欠点に対する対応として、離型用シリコー
ン組成物の使用時に溶剤を回収することも考えられる
が、回収装置を設置するには多額の投資を必要とすると
いう欠点がある。
【0004】また、溶剤を全く使用しない無溶剤型の離
型用シリコーン組成物も知られているが、現在使用され
ている塗工装置を適用することができないために設備を
更新することが必要となる上、均一に薄膜塗工するため
には高度な技術が必要とされるという欠点があった。か
かる欠点を解決することのできるものとしてエマルジョ
ンタイプの離型用シリコーン組成物が知られており、こ
の場合のシリコーン組成物の硬化タイプとしては、縮合
反応型と付加反応型が知られている。
【0005】これらのうち、縮合反応型のものは、前記
の有機溶剤型の場合と同様に古くから使用されている
が、ポットライフがきわめて短いという欠点があり、ご
く特殊な用途にのみ使用されている。また、付加反応型
のものは、特公昭第57─53143号、特開昭第54
─52160号及び特公平第6─47624号等に開示
されている。
【0006】特公昭第57─53143号に開示された
エマルジョンは、オルガノビニルポリシロキサン、白金
化合物、乳化剤及び水からなるエマルジョン、並びに、
オルガノハイドロジェンポリシロキサン、乳化剤及び水
からなるエマルジョンを製造し、この2種類のエマルジ
ョンを混合して離型用シリコーン組成物を製造するもの
であるが、混合して得られる組成物の硬化速度が遅いと
いう欠点がある。
【0007】また、特開昭第54─52160号に開示
されたエマルジョンは、乳化重合法により離型紙用組成
物を製造するものであり、特に、乳化重合法によって製
造した組成物の残留接着率を改良したものであるが、こ
の方法によって得られる特性は、未だ機械的乳化法の場
合に及ばない上、剥離力が相対的に悪くなるという欠点
があった。
【0008】一方、特公平第6─47624号に記載さ
れたエマルジョンの場合には、オルガノビニルポリシロ
キサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、乳化
剤及び水とからなるエマルジョン、並びに、白金系化合
物と乳化剤を混合した自己乳化型の触媒を用いることに
特徴があり、本方法により製造した離型用シリコーン組
成物は、安定性に優れかつ剥離性に優れている。
【0009】しかしながら、この場合に使用する触媒は
2液タイプであり、使用時に予め攪拌して自己乳化させ
なければならない上、可使用時間も短いという欠点があ
った。更に、この場合には、全体としては3液構成とな
るために、主エマルジョンへの触媒の分散性が、得られ
る組成物の特性に大きく影響を与えるという欠点があっ
た。また、一般的に、白金系化合物と乳化剤を混合した
ものは、経時的に触媒能力が低下するという欠点があっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、保存安定性が良好である上、硬化性、剥離性、残留
接着性に優れる離型用シリコーンエマルジョン組成物に
ついて鋭意検討した結果、オルガノビニルポリシロキサ
ン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、界面活性
剤、触媒等として特定のものを使用すると共に、特定の
乳化剤を用いた白金系触媒の乳化物をシリコーンエマル
ジョンの触媒として用いることにより、上記の不利益を
克服することができることを見出し本発明に到達した。
従って、本発明の目的は、2液性で使用し易いにもかか
わらず、硬化性、剥離性及び残留接着性に優れる上、安
全衛生上及び環境対策上からも優れた、付加反応型の離
型用シリコーンエマルジョン組成物を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
次に示す成分〜成分を含有する組成物A及び成分
〜を含有する組成物Bとからなり、使用時に組成物A
及び組成物Bを、成分が成分100重量部に対し
て、0.5〜5重量部となるように混合して使用するこ
とによって達成された。
【0012】(組成物A) 下記化4で表されるオルガノポリシロキサン100重
量部、
【化4】 (式中、R2 は、同一でも異なっていてもよく、脂肪族
不飽和結合を含まない一価の炭化水素基、b及びcは、
全有機基の1〜10モル%がビニル基であり、かつ25
℃における粘度が30〜10,000csとなる整数を
示す。)
【0013】下記化6で表される一分子中にけい素原
子に直結する水素原子を少なくとも3個有するオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサン 1〜50重量部、
【化5】 (式中、R3 は、同一でも異なっていてもよく、脂肪族
不飽和結合を含まない一価の炭化水素基、R4 は、水素
原子又は脂肪族不飽和結合を含まない一価の炭化水素
基、d及びeは、けい素原子に直結する全基の20〜9
5モル%が水素基であり、かつ25℃における粘度が5
〜200csとなる整数を示す。) HLBが10〜15、pHが6.5以下、かつイオン
電導度が30μモー/cm以下であるノニオン系界面活
性剤 1〜10重量部、 水 80〜230重量部;
【0014】(組成物B) 25℃における粘度が10〜500csの白金系錯体
含有ポリシロキサン100重量部、 HLBが10〜15、pHが6.5以下、かつイオン
電導度が30μモー/cm以下であるノニオン系界面活
性剤 10〜100重量部、 水 300〜390重量部。
【0015】前記組成物Aの第1成分の一部は、下記化
6で表されるオルガノポリシロキサンで置換することが
できる。
【化6】 (式中、R1 は、同一でも異なっていてもよく、脂肪族
不飽和結合を含まない一価の炭化水素基であって、全R
1 の少なくとも80モル%がメチル基であり、aは25
℃における粘度が25〜2,000csとなる整数を示
す。)
【0016】化6で表されるオルガノポリシロキサン
は、分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され
ている。置換基R1 は、脂肪族不飽和結合を含まない一
価の炭化水素基であり、その具体例としては、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキ
ル基、フェニル基、トリル基などのアリール基、シクロ
ヘキシル基などのシクロアルキル基、およびこれらの基
の炭素原子に結合している水素原子の一部または全部を
ハロゲン原子、シアノ基、アルコシキ基などで置換した
一価の炭化水素基等が挙げられる。
【0017】置換基R1 は、同一であっても異なってい
てもよいが、R1 と整数aは、実用上の観点から、全R
1 の80%以上がメチル基であり、かつ25℃における
粘度が25〜2,000csとなるように選択される。
この条件を満足するaは、およそ10〜300の範囲の
整数である。
【0018】また、化4で表されるオルガノポリシロキ
サンは、分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖
されており、かつ側鎖にビニル基を有するものである。
置換基R2 は、化6における置換基R1 の場合と同様
に、脂肪族不飽和結合を含まない一価の炭化水素基であ
り、その具体例としても、R1 の場合と全く同様のもの
を挙げることができる。
【0019】置換基R2 は、同一であっても異なってい
てもよいが、R2 と整数b及びcは、全有機基の1〜1
0モル%がビニル基であり、かつ25℃における粘度が
30〜10,000csとなるように選択される。この
条件を満足するb+cは、およそ20〜600の範囲の
整数、好ましくは、50〜300の整数であり、cは1
〜60の整数である。
【0020】化4で表されるオルガノポリシロキサン
は、両末端にビニル基を有する他、側鎖にもビニル基を
有しているため、100cs以上の粘度であっても硬化
性がよく、残留接着率も良好であり、被粘着物質にも悪
い影響を与えない。更に、驚くことに、このオルガノポ
リシロキサンを、第2成分であるオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンと共に界面活性剤を用いて水中に乳化
したとき、そのエマルジョンの安定性が優れていること
が判明した。
【0021】なお、25℃での粘度が10,000cs
を超えると、一般に知られている乳化技術を用いて乳化
物を作製した場合、エマルジョンは二層分離し易く、安
定性が低下するため好ましくない。また、化4で表され
るオルガノポリシロキサンのビニル基の含有量が1モル
%未満であると硬化性が劣り、10モル%を超えると剥
離力が不安定となる。
【0022】組成物Aの第2成分としては、前記化5で
表される1分子中にけい素原子に直結する水素原子を少
なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキ
サンが使用される。置換基R3 は、前記置換基R1 の場
合と同様に、脂肪族不飽和結合を含まない一価の炭化水
素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基など
のアリール基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル
基、およびこれらの基の炭素原子に結合している水素原
子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基、アルコ
シキ基などで置換した一価の炭化水素基が挙げられる。
【0023】置換基R4 は、水素原子または脂肪族不飽
和結合を含まない一価の炭化水素基であり、置換基R3
と同種の炭化水素基を例示することができるが、特にメ
チル基が好ましく、実用上からすれば、少なくとも80
モル%がメチル基であることが好ましい。置換基R
3 は、同一であっても異なっていてもよいが、R3 並び
に整数d及びeは、全有機基の20〜95モル%が水素
原子であり、かつ25℃における粘度が5〜200cs
となるように選択される。
【0024】上記の条件を満足するd+eは、およそ1
0〜200の範囲の整数であり、特に好ましくは、20
〜150までの整数である。更に、d/(d+e)は
0.2〜0.9であり、好ましくは0.4〜0.8であ
る。従って、eは1以上の整数でなければならない。e
が0の場合には、第1成分及び第2成分を乳化剤を用い
て水に乳化した場合に得られるエマルジョンの安定性が
極端に悪くなる。
【0025】組成物Aの第3成分としては、HLBが1
0〜15でpHが6.5以下、且つイオン電導度が30
μモー/cm以下であるノニオン系界面活性剤が使用さ
れる。この第3成分は、前記した第1成分、第2成分、
および水との混合物を乳化するために使用され、組成物
Bにおける白金系化合物を乳化させるために使用される
第6成分と実質的に同一のものである。
【0026】本発明で使用されるノニオン系界面活性剤
としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等の
アルキルアリルエーテル型のもの、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエー
テル等のアルキルエーテル型のもの、ポリオキシエチレ
ンオレエート、ポリオキシエチレンラウレート等のアル
キルエステル型のもの等が挙げられる。
【0027】HLBが10〜15、及びpHが6.5以
下で、かつイオン電導度が30μモー/cm以下のもの
でない界面活性剤を使用した場合には、第1成分、第2
成分及び水との乳化物は、時間の経過により脱水素反応
を起こして変質する。また、組成物Aに使用される第4
成分、及び組成物Bで使用される第7成分としては水が
使用される。
【0028】組成物Bの第5成分としては、白金系錯体
(ポリシロキサンと白金または白金系化合物との錯体、
塩化白金酸と各種オレフィン類との錯塩等)含有ポリシ
ロキサンが使用される。この第5成分は、前記した第1
成分と第2成分を付加反応させるための触媒として使用
されるものであり、25℃における粘度が10〜500
csであることが必要であるが、特に50〜400cs
であることが好ましい。粘度が10cs未満の場合に
は、第6成分の乳化剤による乳化が不完全となるので、
保存安定性及びポットライフの面で不満足となり、ひい
ては使用時の硬化が不十分なものとなる。
【0029】第1成分を100重量部とした場合の第2
成分〜第7成分の配合量は、次の通りである。第2成分
であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量
は、第1成分中に含有されるビニル基の量に応じたもの
とすればよく、通常は、硬化皮膜形成及び剥離性能から
みて1〜50重量部の範囲である。
【0030】第3成分であるノニオン系界面活性剤の配
合量は、1〜10重量部、特に好ましくは3〜7重量部
である。配合量が1重量部未満では乳化が難しくなり、
かつ得られるエマルジョンが安定性に欠けるものとな
る。一方、配合量が10重量部を超えると硬化性及び残
留接着率が著しく低下するのみならず、この組成物から
作られる硬化皮膜と接した接着物質に対して悪い影響を
与える場合も生ずる。
【0031】第4成分である水の配合量は、80〜23
0重量部であることが好ましい。水の配合量は、前記し
た第1成分及び第2成分としてのオルガノポリシロキサ
ン、並びに、第3成分としての乳化剤の均質混合を可能
にする量とすればよい。従って、この配合量は臨界的な
ものではなく、この組成物中の固形分を所望の範囲に調
整するのに必要な量添加すればよい。
【0032】また、第5成分である白金系錯体含有ポリ
シロキサンの添加量は、0.5〜5重量部である。第5
成分の添加量が0.5重量部未満では、秤量のばらつき
が実際の使用時に大きく影響する上、使用時に組成物B
を組成物Aに加えた時に、分散不良が生ずる。また5重
量部を超えるとポットライフが不十分となると共に、経
済的にも不利となる。第6成分であるノニオン系界面活
性剤の配合量は、0.05〜5重量部(第5成分の10
0重量部に対して10〜100重量部)、好ましくは
0.075〜2.5重量部(第5成分の100重量部に
対して15〜50重量部)である。
【0033】第7成分である水の配合量は、1.5〜1
9.5重量部(第5成分の100重量部に対して300
〜390重量部)であることが好ましい。水の配合量
は、前記第5成分としての白金系錯体含有ポリシロキサ
ン及び第6成分としてのノニオン系界面活性剤の均質混
合を可能とする量とすれば良いので、この配合量は臨界
的なものではなく、この組成物B中の有効成分を、所望
の範囲に調整することができるように添加すればよい。
【0034】水系のエマルジョン組成物Aは、第1成分
〜第4成分の所定量を均一に混合したのち、ホモジナイ
ザーなどで乳化することによって得られる。なお、この
組成物には、白金系錯体触媒の活性を抑制する目的で、
必要に応じてポットライフ延長剤として、各種の有機窒
素化合物、有機りん化合物、アセチレン系化合物などの
活性抑制剤を添加しても良い。
【0035】防腐を目的として、ソルビン酸、ソルビン
酸塩、酢酸等を添加することも、また、ポーラスな基材
への浸透性を防止したり剥離力を重くするために、例え
ば、メチルセルロース、ソジウムカルボキシメチルセル
ロース、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を添加す
ることもできる。更に、使用目的に応じて、塗布時のレ
ベリングを改善するためのレベリング剤や少量の溶剤等
の他、すべり性付与剤として少量の非反応性オルガノポ
リシロキサンを加えてもよい。
【0036】本発明における水系エマルジョン組成物A
は、性能的に極めて安定であり、40℃で1か月間放置
した後、あるいは、一度凍結や解凍した後であっても、
組成物Bを添加することにより、充分な硬化皮膜を形成
する能力を有する。次に、水系のエマルジョン組成物B
の製造方法であるが、これは、組成物Aの場合と同様
に、第5成分〜第7成分の所定量を均一に混合した後、
ホモジナイザー等を用いて乳化することによって得られ
る。この組成物Bの性能及び保存性は極めて安定してい
る。
【0037】本発明のシリコーン組成物は、使用直前
に、第1成分〜第4成分からなる水系のエマルジョン組
成物Aに、第5成分〜第7成分からなる所定量の水系の
エマルジョン組成物Bを添加し、混合攪拌して使用され
る。本発明のシリコーン組成物の基材に対する塗布は、
任意の方法、例えばロール塗布、グラビヤ塗布、エアー
ナイフ塗布、ワイヤー塗布、ドクター塗布、ブラシ塗布
などで行えばよい。
【0038】本発明のシリコーン組成物を、紙、フィル
ム等の柔軟な薄膜材料に、固形分で0.1〜5g/m2
の厚さに塗工し、加熱ロール、加熱ドラム又は循環熱風
乾燥機を用いて、80〜200℃で5秒間〜3分間処理
することにより硬化皮膜が形成される。
【0039】
【発明の効果】本発明のシリコーンエマルジョン組成物
は、有機溶剤がないため安全衛生上のみならず環境対策
上有利である上に、保存安定性が良好であるにもかかわ
らず硬化性が良好である。また、硬化後の皮膜は、剥離
性及び残留接着性に優れている。更に、従来の塗工機を
そのまま使える二液タイプであるので、作業性にも優
れ、経済的でもある。また、水溶性樹脂と併用して、ポ
ーラスな基材へ適用することもできる。
【0040】
【実施例】次に本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。な
お、実施例及び比較例中の粘度は、全て25℃における
測定値を示す。また、実施例及び比較例において用いた
本発明品及び比較品の硬化性、離型性(剥離抵抗)、並
びに残留接着性(残留接着率)は、次に示す方法により
評価した。
【0041】〔硬化性〕離型用組成物を、PE(ポリエ
チレン)ラミネート紙(秤量90g/m2 )の表面に、
シリコーン固形分で約1.0g/m2 になるようにワイ
ヤーバーを用いて塗布した後、150℃の熱風循環式乾
燥炉中で処理して硬化皮膜を形成させた。硬化性の判定
は、塗工面を指でこすっても塗工面が脱落せず、かつ曇
らない状態が維持できる程度に硬化するまでの時間(秒
数)を測定して行った。なお、試験は、組成物処理浴を
調製してから1時間以内の組成物と、この処理浴を25
℃で1日保存した後の組成物について行った。
【0042】〔剥離抵抗〕離型用組成物をPEラミネー
ト紙(秤量90g/m2 )の表面に、シリコーン固形分
で約1.0g/m2 になるように塗布したのち、150
℃の熱風循環式乾燥炉中で処理して硬化皮膜を形成させ
た。硬化時間は、各組成物の最低硬化秒数とした。
【0043】次いで、この硬化皮膜面にアクリル系溶剤
型粘着剤BPS−5127〔東洋インキ製造(株)製の
商品名〕を塗布して100℃で3分間加熱処理した後、
この処理面に64g/m2 の上質紙を貼り合わせた。得
られたシートを25℃で20時間エイジングさせてから
5cm巾に切断して試験片を作製した。この試験片につ
いて、引っ張り試験機を用い、上質紙を180°の角度
で、剥離速度0.3m/分の条件で引っ張り、剥離に要
する力(g)を測定した。
【0044】〔残留接着率〕剥離抵抗試験の場合と同様
にして、PEラミネート紙上に硬化性皮膜を形成させ
た。この硬化皮膜面にポリエステルテープ〔ルミラー3
1B:日東電工(株)製の商品名〕を貼り合わせ、70
℃で20時間、20g/cm2 の荷重をかけて加熱処理
してから、ポリエステルテープ(25mm巾)を剥がし
て前記硬化皮膜面をステンレス板に張りつけた。
【0045】次いで、このテープを、180°の角度で
剥離速度0.3m/分の条件で剥がし、その剥離に要す
る力(g)を測定した。一方、テフロン板にポリエステ
ルテープ(ルミラー31B)を貼り合わせ、70℃で2
0時間、20g/m2 の荷重をかけて同様に加熱処理し
てから、ポリエステルテープ(25mm巾)を剥がして
ステンレス板に貼り付け、同様に、ステンレス板から剥
離するのに要する力(g)を測定した。前者の力の後者
の力に対する百分率をもって残留接着率とした。
【0046】実施例1.分子鎖両末端がジメチルビニル
シリル基で封鎖されかつ側鎖がジメチルシロキサン単位
のみである、粘度1,000cs(ビニル基含有量;
0.7モル%)のメチルビニルポリシロキサン100部
と、メチルシロキサン単位が70モル%で粘度が50c
sのメチルハイドロジェンポリシロキサン3重量部、下
記化7で示される反応抑制剤1重量部、防腐剤としてソ
ルビン酸0.2重量部とポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテル〔日本乳化剤(株)製の商品名:ニュー
コール865:HLB13.6、PH5.4、イオン電
導度9.8μモー/cm〕7重量部、及び、水240重
量部とを容器に入れ、各成分をホモミキサーで混合した
後、ホモジナイザーを使用して均質なエマルジョン組成
物(組成物A)を得た。
【0047】
【化7】 組成物Aの粘度は80csであった。次に、380cs
の粘度を持つ白金−ビニルシロキサンの錯塩(白金換算
で5,000ppm含有)20重量部と、4重量部のニ
ューコール865及び水76重量部とを、組成物Aの場
合と同様に、ホモミキサー及びホモジナイザーを用いて
乳化し、組成物Bを得た。
【0048】組成物Aの100重量部に組成物Bの2重
量部を加え、均一に攪拌混合し、乳白色のエマルジョン
組成物(本発明品1)を得た。なお、ここで得られた組
成物A及びBは安定であり、25℃で1年間経っても何
ら変化することなく、初期の特性を維持することが確認
された。本発明品1について、その硬化性、剥離抵抗、
および残留接着率を試験した結果は表1に示した通りで
ある。
【0049】実施例2.実施例1の組成物Bで使用した
乳化剤ニューコール865を10重量部に増量する一
方、組成物Bで使用した水を70重量部に減少させた他
は、実施例1の組成物Bの調製の場合と全く同様に乳化
を行い、組成物Cを得た。得られた組成物Cの2重量部
を、実施例1で使用した組成物Aの100重量部に加
え、充分攪拌して本発明品2を得た。本発明品2につい
て、その硬化性、剥離抵抗、および残留接着率を試験し
た結果は表1に示した通りである。
【0050】比較例1.実施例1の組成物Bで使用した
白金−ビニルシロキサンの錯塩の代わりに、粘度が1.
5csで白金含量が1,000ppmのものを用いた他
は、実施例1の組成物Bの調製の場合と全く同様にして
乳化を試みたが、全く乳化することができなかった。
【0051】比較例2.実施例1の組成物Bで使用した
白金−ビニルシロキサンの錯塩(粘度380cs、白金
含量5,000ppm)の代わりに、粘度が600cs
の白金−シロキサン錯体(白金含量5,000ppm)
を使用した他は、実施例1の組成物Bの調製の場合と全
く同様に乳化を行って乳化物(組成物D)を得たが、こ
の場合には粘度が非常に高くなった。得られた組成物D
の2重量部を実施例1で得た組成物Aの100重量部に
加え、攪拌混合して比較品2を得たが、分散が悪く均質
なエマルジョンを得ることはできなかった。
【0052】比較例3.380csの白金−ビニルシロ
キサン錯体20重量部(白金含量5,000ppm)
と、3重量部のニューコール865及び水77重量部と
を、実施例1の組成物Bの場合と全く同様にホモミキサ
ー及びホモジナイザーを用いて乳化し、組成物Eを得
た。この組成物Eの2重量部を実施例1の組成物Aの1
00重量部に加え、充分攪拌して比較品3を得た。比較
品2及び3について、その硬化性、剥離抵抗、および残
留接着率を試験した結果は表1に示した通りである。
【0053】実施例3.分子鎖両末端がジメチルビニル
シリル基で封鎖されていると共に側鎖がジメチルシロキ
サン単位のみである、粘度が95cs(ビニル基が約
3.0モル%)のメチルビニルシロキサン80重量部;
分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されると
共に、側鎖が、メチルビニルシロキサン単位が2.0モ
ル%、ジメチルシロキサン単位が98モル%であり、粘
度が550csのメチルビニルシロキサン20重量部;
分子鎖末端がジメチルハイドロシリル基で封鎖され、メ
チルハイドロジェンシロキサン単位が60モル%、ジメ
チルシロキサン単位が40モル%で粘度が20csであ
るメチルハイドロジェンポリシロキサン15重量部;
【0054】及び下記化8で表される制御剤0.2重量
部、並びにポリオキシエチレントリデシルエーテル(日
本乳化剤(株)製の商品名:ニューコールN−130
5:HLBが10.5、pHが6.0、イオン電導度が
14.5μモー/cm)7重量部と、水300重量部と
をホモミキサーで混合した後、ホモジナイザーを使用し
て均質な組成物Fを得た。
【0055】
【化8】 次に、実施例1で作製した組成物Bの2重量部をこの組
成物Fの100重量部に添加して均一なエマルジョン組
成物(本発明品3)を得た。本発明品3について、その
硬化性、剥離抵抗、および残留接着率を試験した結果
は、表1に示した通りである。
【0056】
【表1】
【0057】表1から分かる様に、本発明品1、2及び
3は、比較品2、3に比べてはるかに優れた特性を有す
ることが確認された。尚、表中の保存安定性は、実施例
については、A、B、C及びFの組成物についてのもの
であり、比較例については、組成物D及び組成物Eにつ
いての結果である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分〜成分を含有する組成物
    A、及び、下記成分〜を含有する組成物Bとからな
    ることを特徴とする離型用シリコーンエマルジョン組成
    物; (組成物A) 下記化1で表されるオルガノポリシロキサン100重
    量部、 【化1】 (式中、R2 は、同一でも異なっていてもよく、脂肪族
    不飽和結合を含まない一価の炭化水素基であって、b及
    びcは、全有機基の1〜10モル%がビニル基であり、
    かつ25℃における粘度が30〜10,000csとな
    る整数を表す。) 下記化2で表される一分子中にけい素原子に直結する
    水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェ
    ンポリシロキサン1〜50重量部、 【化2】 (式中、R3 は、同一でも異なっていてもよく、脂肪族
    不飽和結合を含まない一価の炭化水素基、R4 は、水素
    原子又は脂肪族不飽和結合を含まない一価の炭化水素
    基、d及びeは、けい素原子に直結する全基の20〜9
    5モル%が水素基であり、かつ25℃における粘度が5
    〜200csとなる整数を表す。)、 HLBが10〜15、pHが6.5以下、かつイオン
    電導度が30μモー/cm以下であるノニオン系界面活
    性剤1〜10重量部、 水 80〜230重量部; (組成物B) 25℃における粘度が10〜500csの白金系錯体
    含有ポリシロキサン100重量部、 HLBが10〜15、pHが6.5以下、かつイオン
    電導度が30μモー/cm以下であるノニオン系界面活
    性剤10〜100重量部、 水300〜390重量部。
  2. 【請求項2】 化1で表されるオルガノポリシロキサン
    の一部が、下記化3で表されるオルガノポリシロキサン
    で置換されている、請求項1に記載された離型性用シリ
    コーンエマルジョン組成物。 【化3】 (式中、R1 は、同一でも異なっていてもよく、脂肪族
    不飽和結合を含まない一価の炭化水素基であって、全R
    1 の少なくとも80モル%がメチル基であり、aは25
    ℃における粘度が25〜2, 000csとなる整数を表
    す。)
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された組成物A及び組成
    物Bを、組成物A中の成分100重量部に対して組成
    物B中の成分が0.5〜5重量部となるように混合し
    てなる離型用シリコーンエマルジョン組成物。
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