JP2000160101A - 剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物 - Google Patents

剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物

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JP2000160101A
JP2000160101A JP33665198A JP33665198A JP2000160101A JP 2000160101 A JP2000160101 A JP 2000160101A JP 33665198 A JP33665198 A JP 33665198A JP 33665198 A JP33665198 A JP 33665198A JP 2000160101 A JP2000160101 A JP 2000160101A
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敦 冨樫
Taku Koyama
卓 小山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低速度で剥離した場合にも高速度で剥離した
場合にも剥離抵抗値の小さい剥離性硬化皮膜を形成し、
かつ、この剥離性硬化皮膜に粘着した粘着性物質の残留
接着率を低下させることのない、剥離性硬化皮膜形成用
シリコーン組成物を提供する。 【解決手段】 (A)25℃における動粘度が50〜5,000
mm2/sであり、式:R 3SiO0.5で表されるシロキ
サン単位と、式:R2SiOで表されるシロキサン単位
と、式:RVSiOで表されるシロキサン単位と、式:
RSiO1.5で表されるシロキサン単位からなる分岐状
のオルガノポリシロキサン(式中、Rはアルケニル基を
除く同一もしくは異種の一価炭化水素基であり、Vは炭
素原子数4以上のアルケニル基である。)、(B)25℃
における動粘度が1〜1,000mm2/sであり、一分子中
に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび(C)白金
系触媒からなることを特徴とする剥離性硬化皮膜形成用
シリコーン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヒドロシリル化反応
硬化型剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物に関す
る。詳しくは、各種紙材,合成樹脂フィルム,金属箔な
どの各種基材にオルガノポリシロキサンの硬化皮膜を形
成することにより、各種基材表面に粘着性物質に対する
剥離性を付与する剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物
は、粘着性物質に対して剥離性を示す硬化皮膜を形成す
るため、粘着テープや粘着シートの剥離ライナーに使用
されている。このような用途に使用されている剥離性硬
化皮膜は、粘着テープや粘着シートを硬化皮膜表面から
剥離する際に、低速度(約0.3m/分以下)で剥離した
場合だけでなく、高速度(約50m/分以上)で剥離した
場合にも、高速での巻き戻しやラベルのカスとりに対応
するために、その剥離抵抗値が小さいことが要求されて
いる。従来、このような剥離性硬化皮膜形成用シリコー
ン組成物としては、例えば、ジフェニルシロキサン単位
を0.5〜3.0モル%含有するジメチルシロキサン・メ
チルビニルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体
とジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合
体からなるジオルガノポリシロキサンの混合物、オルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンおよび白金系触媒から
なる組成物が提案されている(特開平2−187466
号公報参照)。しかしこの組成物は剥離抵抗値が大き
く、また、この剥離性硬化皮膜に粘着した粘着性物質の
残留接着率が低下する等の欠点があり、用途によっては
必ずしも満足できるものではなかった。また、生ゴム状
の両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン
・メチルヘキセニルシロキサン共重合体、オルガノハイ
ドロジェンポリシロキサン、白金系触媒および有機溶剤
からなる組成物も提案されている(特開平9−1250
04号公報、特開平10−158519号公報、特開平
2−145649号公報参照)。これらの組成物は、主
成分のヘキセニル基含有ジオルガノポリシロキサンが生
ゴム状の高分子量物であるために有機溶剤で希釈するこ
とが必要であるが、有機溶剤は作業者の健康に悪影響を
およぼすだけでなく、大気中への飛散を防止するための
手段の採用が必要となってコスト的に不利である等の問
題点があった。またこれらの組成物の硬化皮膜は、高速
度(約50m/分以上)で剥離した場合の剥離抵抗値がそ
れほど小さくないので、用途によっては必ずしも満足で
きるものではなかった。一方、有機溶剤を含有しない剥
離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物としては、分子鎖
両末端がトリアルキルシロキシ基で封鎖され、側鎖に2
個以上のビニル基を有するオルガノポリシロキサンを主
成分とする離型紙用シリコーン組成物(特開平7―25
8606号公報参照)や、分子中に炭素原子数6以上の
高級アルケニル基を有する直鎖状のポリジオルガノシロ
キサンを主成分とする剥離被覆用シリコーン組成物(特
開昭62−86061号公報参照)、末端のみにビニル
基を有する分岐状のオルガノポリシロキサンを使用した
剥離性組成物(特開昭63−251465号公報参照)
が提案されている。これらの組成物には、上記した有機
溶剤の使用による問題およびこの剥離性硬化皮膜に粘着
した粘着性物質の残留接着率の低下は見られないもの
の、高速度(約50m/分以上)で剥離した場合の剥離抵
抗値が大きいといった欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記欠点
を解消するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明の目的は、低速度で剥離した場合にも
高速度で剥離した場合にも剥離抵抗値の小さい剥離性硬
化皮膜を形成し、かつ、この剥離性硬化皮膜に粘着した
粘着性物質の残留接着率を低下させることのない、剥離
性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明は、(A)25℃における動粘度が50〜5,000mm2/sであり、 式:R3SiO0.5で表されるシロキサン単位と、 式:R2SiOで表されるシロキサン単位と、 式:RVSiOで表されるシロキサン単位と、 式:RSiO1.5で表されるシロキサン単位からなる分岐状のオルガノポリシロ キサン(式中、Rはアルケニル基を除く同一もしくは異種の一価炭化水素基であ り、Vは炭素原子数4以上のアルケニル基である。) 100重量部、 (B)25℃における動粘度が1〜1,000mm2/sであり、一分子中に少なくとも 3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 1〜50重量部 および (C)白金系触媒 触媒量 からなることを特徴とする剥離性硬化皮膜形成用シリコ
ーン組成物に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明組成物の主成分である(A)成分は、25℃
における動粘度が50〜5,000mm2/sであり、式:R3
SiO0.5で表されるシロキサン単位と、式:R2SiO
で表されるシロキサン単位と、式:RVSiOで表され
るシロキサン単位と、式:RSiO1.5で表されるシロ
キサン単位とからなる分岐状のオルガノポリシロキサン
である。上式中、Rはアルケニル基を除く同一もしくは
異種の一価炭化水素基であり、メチル基,エチル基,プ
ロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基等のアル
キル基;フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリー
ル基;ベンジル基,フェネチル基等のアラルキル基が例
示される。これらの中でもメチル基が好ましい。Vは炭
素原子数4以上のアルケニル基である。このアルケニル
基は、通常、ケイ素原子に結合しており、具体的には、ブ
テニル基,5−ヘキセニル基,オクテニル基,デセニル
基が挙げられる。これらの中でも、末端に脂肪族不飽和
結合を有する5−ヘキセニル基が好ましい。各シロキサ
ン単位について説明すると、式:R3SiO0.5で表され
るシロキサン単位は(A)成分のオルガノポリシロキサ
ンの末端を形成するものである。(A)成分中における
このシロキサン単位の割合は、0.5〜20モル%の範囲で
あることが好ましく、特に2〜10モル%の範囲であるこ
とが好ましい。式:R2SiOで表されるシロキサン単
位は(A)成分のオルガノポリシロキサンの線状部分を
形成するものである。(A)成分中におけるこのシロキ
サン単位の割合は他の3つのシロキサン単位の合計の残
りのモル数であり、通常、60〜98モル%の範囲である。
式:RVSiOで表されるシロキサン単位は(B)成分
との架橋反応を形成するものである。(A)成分中にお
けるこのシロキサン単位の割合は1〜10モル%の範囲で
あることが好ましく、特に2〜7モル%の範囲であること
が好ましい。これは、このシロキサン単位が1モル%未
満では高速度で剥離した場合にその剥離抵抗値が大きく
なるためであり、また、この値が10モル%を越えると低
速度で剥離した場合にも高速度で剥離した場合にもその
剥離抵抗値が大きくなるためである。式:RSiO1.5
で表されるシロキサン単位は、(A)成分のオルガノポ
リシロキサンに分岐を形成するものである。(A)成分
中におけるこのシロキサン単位の割合は、0.3〜10モル
%の範囲であることが好ましく、特に0.5〜3モル%の範
囲であることが好ましい。これは、このシロキサン単位
が10モル%を超えると(A)成分のオルガノポリシロキ
サンの合成が困難になるためである。このようなシロキ
サン単位から構成される(A)成分の25℃における動粘
度は、50〜5,000mm2/sの範囲であり、好ましくは10
0〜2,000mm2/sの範囲である。
【0006】本発明組成物に使用される(B)成分のオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンは、架橋剤として
作用する成分である。本成分は、一分子中に少なくとも
3個のケイ素原子結合水素原子を有するが、その結合位
置は特に限定されない。水素原子以外のケイ素原子に結
合する有機基としては、メチル基,エチル基,プロピル
基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基等のアルキル
基;フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリール
基;ベンジル基,フェネチル基等のアラルキル基のよう
な脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基が挙げ
られる。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの
分子構造としては、直鎖状、環状、分岐鎖状、レジン状
が挙げられる。またその25℃における動粘度は、1〜1,0
00mm2/sの範囲である。本成分の配合量は、(A)
成分100重量部に対して1〜50重量部の範囲であ
る。これは、本成分の配合量が1重量部未満であると本
発明組成物の硬化が不十分になるためであり、また、5
0重量部を越えると剥離性硬化皮膜の剥離抵抗値が経時
的に変化するためである。
【0007】本発明組成物に使用される(C)成分の白
金系触媒は、本発明組成物の硬化を促進するための触媒
である。本成分としては、白金担持シリカ,白金担持活
性炭等の白金、塩化白金酸,塩化白金酸のアルコール溶
液,塩化白金酸とオレフィンとの錯体,塩化白金酸とジ
ビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体等の白金系化
合物が例示される。本成分の配合量は触媒量であればよ
いが、好ましくは(A)成分と(B)成分の合計量に対
して、白金金属量が1〜1,000ppmとなるような量で
ある。
【0008】本発明組成物は上記(A)成分〜(C)成
分からなるものであるが、これらの成分に加えて、硬化
遅延剤,微粉末シリカ等の無機質充填剤,顔料,耐熱性
添加剤,有機樹脂粉末,染料等の剥離性硬化皮膜形成用
シリコーン組成物の添加剤として公知とされる成分を配
合することは、本発明の目的を損わない限り差し支えな
い。また、本発明組成物の25℃における動粘度は、塗工
性の面から50〜5,000mm2/sの範囲であることが好ま
しく、100〜2,000mm2/sの範囲であることがより好
ましい。
【0009】本発明組成物は、上記(A)成分〜(C)
成分を単に均一に混合することにより調製することがで
きる。この場合、(A)成分と(B)成分を混合した
後、(C)成分の白金系触媒を加えて混合することが好
ましい。
【0010】以上のような本発明組成物は、これを各種
紙材,ラミネート紙,合成樹脂フィルム,金属箔等の各
種基材に塗工して硬化させることにより、これらの基材
表面に粘着性物質に対する剥離性皮膜を形成するので、
剥離ライナ−や剥離性塗料として有用である。また本発
明組成物は、(A)成分のオルガノポリシロキサンが低
粘度であるために無溶剤型として使用できるという利点
を有する。さらに本発明組成物は、硬化後の剥離性皮膜
の低速度(約0.3m/分以下)における剥離抵抗値と、
高速度(約50m/分以上)における剥離抵抗値が共に小
さく、低速剥離および高速剥離のどちらでも極めて軽い
剥離を示すという特徴を有する。
【0011】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、実施例中の動粘度の値は、25℃において測
定した値である。Meはメチル基を表し、Hexは5−
ヘキセニル基を表し、Viはビニル基を表している。ま
た、剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物の硬化皮膜
の剥離抵抗値、シリコ−ン移行性および粘着性物質の残
留接着率(%)の測定は下記の方法に従って行った。 ○剥離抵抗値 剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物所定量を紙の表
面に塗工して硬化皮膜を形成させた。この皮膜上に、ア
クリル系粘着剤[東洋インキ(株)製,商品名:オリバ
インBPS5127]を塗布し、これを温度70℃、2
分間の条件で加熱乾燥した。次いでこれに貼合わせ紙を
貼り合わせ、20g/cm2の荷重をかけて、温度25℃、
湿度60%の条件下で24時間放置した。次にテンシロ
ンおよび高速剥離試験機を用いて、0.3m/分,50m/
分,100m/分の各速度において角度180度で貼合わ
せ紙を引張り、剥離に要した力(gf)を測定した。尚、試
料幅はすべて2.5cmとした。 ○シリコーン移行性 剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物所定量を紙の表
面に塗工して硬化皮膜を形成させて剥離紙を作成した。
この剥離紙面上に、清浄なポリエステルフィルムを貼合
わせ、プレスで100kg/cm2の荷重をかけて、25℃で
30分間放置した。次いで、ポリエステルフィルムをは
がし取り、そのポリエステルフィルムの剥離紙と接触し
ていた面にマジックインキ(登録商標)で線を書き、イ
ンキのはじきの程度を測定した。インキのはじきがなけ
ればシリコーン移行がないものとし、インキのはじきが
あればシリコーン移行があるものとした。 ○残留接着率 剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物所定量を紙の表
面に塗工して硬化皮膜を形成させた。この皮膜表面に、
粘着テープ[日東電工(株)製,商品名:ニットーポリ
エステル粘着テープ31B]を貼合わせ、20g/cm2
荷重をかけて70℃で20時間エージングした。次い
で、粘着テープをはがし、このはがした粘着テープをス
テンレス板に貼付け、20g/cm2の荷重をかけて25℃
で30分間放置した後、角度180度,速度0.3m/分
の条件で粘着テープを引張り、剥離に要した力(gf)を測
定した。また、ブランク試験として、テフロンシートに
粘着テ−プ[日東電工(株)製,商品名:ニットーポリ
エステル粘着テープ31B]を上記と同様に貼合わせ
て、この粘着テープの剥離に要した力(gf)を上記と同様
に測定した。これらの測定値から、次式に従って残留接
着率(%)を算出した。
【式1】
【0012】
【実施例1】式:Me3SiO0.5で表されるシロキサン
単位2.3モル%と、 式:Me2SiOで表されるシロキサン単位93モル%
と、 式:MeHexSiOで表されるシロキサン単位3.5
モル%と、 式:MeSiO1.5で表されるシロキサン単位1.2モ
ル%からなる動粘度420mm2/sの分岐状オルガノ
ポリシロキサン100重量部、動粘度30mm2/sの
ジメチルシロキサン単位30モル%,メチルハイドロジ
ェンシロキサン単位70モル%からなる分子鎖両末端ト
リメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハ
イドロジェンシロキサン共重合体6.5重量部および1
−エチニル−1−シクロヘキサノール0.3重量部を均
一に混合した。次いでこの混合物に、塩化白金酸とメチ
ルビニルシロキサンとの錯塩を白金金属量が200ppm
となるような量添加配合して、動粘度360mm2/s
の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。
得られた剥離性硬化皮膜形成用シリコ−ン組成物を、ポ
リエチレンラミネ−ト上質紙の表面に約1.0g/m2にな
るような量塗布し、次いで、これを130℃で20秒間
加熱処理して硬化皮膜を形成させた。この硬化皮膜の剥
離抵抗値,シリコーン移行性および残留接着率を測定し
た。これらの結果を表1に示した。
【0013】
【比較例1】実施例1において、分岐状オルガノポリシ
ロキサンの代わりに、 式:Me3SiO0.5で表されるシロキサン単位2.3モ
ル%と、 式:Me2SiOで表されるシロキサン単位93モル%
と、 式:MeViSiOで表されるシロキサン単位3.5モ
ル%と、 式:MeSiO1.5で表されるシロキサン単位1.2モ
ル%からなる動粘度390mm2/sの分岐状オルガノ
ポリシロキサンを配合した以外は実施例1と同様にし
て、動粘度350mm2/sの剥離性硬化皮膜形成用シ
リコーン組成物を調製した。得られた剥離性硬化皮膜形
成用シリコ−ン組成物を、ポリエチレンラミネ−ト上質
紙の表面に約1.0g/m2になるような量塗布し、次い
で、これを130℃で20秒間加熱処理して硬化皮膜を
形成させた。この硬化皮膜の剥離抵抗値,シリコーン移
行性および残留接着率を測定した。これらの結果を表1
に示した。
【0014】
【比較例2】実施例1において、分岐状オルガノポリシ
ロキサンの代わりに、 式:HexMe2SiO0.5で表されるシロキサン単位
1.2モル%と、 式:Me2SiOで表されるシロキサン単位96.4モ
ル%と、 式:MeHexSiOで表されるシロキサン単位2.4
モル%からなる動粘度370mm2/sの分子鎖両末端
ジメチルヘキセニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン
・メチルヘキセニルシロキサン共重合体を配合した以外
は実施例1と同様にして、動粘度330mm2/sの剥
離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。得ら
れた剥離性硬化皮膜形成用シリコ−ン組成物を、ポリエ
チレンラミネ−ト上質紙の表面に約1.0g/m2になるよ
うな量塗布し、次いで、これを130℃で20秒間加熱
処理して硬化皮膜を形成させた。この硬化皮膜の剥離抵
抗値,シリコーン移行性および残留接着率を測定した。
これらの結果を表1に示した。
【0015】
【実施例2】式:Me3SiO0.5で表されるシロキサン
単位3.8モル%と、 式:Me2SiOで表されるシロキサン単位90モル%
と、 式:MeHexSiOで表されるシロキサン単位3.8
モル%と、 式:MeSiO1.5で表されるシロキサン単位2.4モ
ル%からなる動粘度240mm2/sの分岐状オルガノ
ポリシロキサン100重量部、動粘度70mm2/sの
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキ
サン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ジメ
チルシロキサン単位30モル%,メチルハイドロジェン
シロキサン単位70モル%)7重量部および3−メチル
−1−ブチン−3−オール0.3重量部を均一に混合し
た。次いでこの混合物に、塩化白金酸とメチルビニルシ
ロキサンとの錯塩を白金金属量が200ppmとなるよう
な量添加配合して、動粘度220mm2/sの剥離性硬
化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。得られた剥
離性硬化皮膜形成用シリコ−ン組成物を、ポリエチレン
ラミネ−ト上質紙の表面に約1.0g/m2になるような量
塗布し、次いで、これを130℃で20秒間加熱処理し
て硬化皮膜を形成させた。この硬化皮膜の剥離抵抗値,
シリコーン移行性および残留接着率を測定した。これら
の結果を表1に示した。
【0016】
【比較例3】実施例2において、分岐状オルガノポリシ
ロキサンの代わりに、 式:ViMe2SiO0.5で表されるシロキサン単位3.
9モル%と、 式:Me2SiOで表されるシロキサン単位93.7モ
ル%と、 式:MeSiO1.5で表されるシロキサン単位2.4モ
ル%からなる動粘度230mm2/sの分岐状オルガノ
ポリシロキサンを配合した以外は実施例2と同様にし
て、動粘度210mm2/sの剥離性硬化皮膜形成用シ
リコーン組成物を調製した。得られた剥離性硬化皮膜形
成用シリコ−ン組成物を、ポリエチレンラミネ−ト上質
紙の表面に約1.0g/m2になるような量塗布し、次い
で、これを130℃で20秒間加熱処理して硬化皮膜を
形成させた。この硬化皮膜の剥離抵抗値,シリコーン移
行性および残留接着率を測定した。これらの結果を表1
に示した。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明の剥離性硬化皮膜形成用シリコー
ン組成物は上記(A)成分〜(C)成分からなり、特に
(A)成分として炭素原子数4以上のアルケニル基を有
する低粘度の分岐状オルガノポリシロキサンを含有して
いるため、硬化後の剥離性皮膜を低速度で剥離した場合
にも高速度で剥離した場合にも剥離抵抗値が共に小さ
く、かつ、剥離性硬化皮膜に粘着した粘着性物質の残留
接着率を低下させることがないという特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 DL031 DL042 DL111 HA066 HA236 JC38 KA03 KA04 MA15 NA10 PC02 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)25℃における動粘度が50〜5,000mm2/sであり、 式:R3SiO0.5で表されるシロキサン単位と、 式:R2SiOで表されるシロキサン単位と、 式:RVSiOで表されるシロキサン単位と、 式:RSiO1.5で表されるシロキサン単位からなる分岐状のオルガノポリシロ キサン(式中、Rはアルケニル基を除く同一もしくは異種の一価炭化水素基であ り、Vは炭素原子数4以上のアルケニル基である。) 100重量部、 (B)25℃における動粘度が1〜1,000mm2/sであり、一分子中に少なくとも 3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 1〜50重量部 および (C)白金系触媒 触媒量 からなることを特徴とする剥離性硬化皮膜形成用シリコ
    ーン組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分を構成する各シロキサン単位
    の割合が、 式:R3SiO0.5で表されるシロキサン単位:0.5〜20
    モル% 式:R2SiOで表されるシロキサン単位:60〜98モル
    % 式:RVSiOで表されるシロキサン単位:1〜10モル
    % 式:RSiO1.5で表されるシロキサン単位:0.3〜10モ
    ル% である請求項1記載の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン
    組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分中のアルケニル基が5−ヘキ
    セニル基である請求項1記載の剥離性硬化皮膜形成用シ
    リコーン組成物。
  4. 【請求項4】 有機溶剤を含有しない請求項1記載の剥
    離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物。
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