JP2011006560A - 色素化合物、これを用いた光電変換素子及び色素増感型太陽電池 - Google Patents
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Abstract
Description
上記の点に鑑み本発明は、ルテニウムのような資源的制約が大きくかつ高価な材料ではなく、上記従来のものを超える光電度換反率を達成し、しかも入手に係る大きな制約のない安価な色素化合物の提供を目的とし、またこれを用いた光電変換素子及び太陽電池の提供を目的とする。
本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
<2>前記一般式(I)で表される色素化合物が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする<1>に記載の色素化合物。
<3>前記一般式(I)または(II)で表される色素化合物が、下記一般式(III)で表されることを特徴とする<1>または<2>に記載の色素化合物。
<4>前記一般式(III)で表される色素化合物のA1で形成される含窒素複素環が、5員環又は7員環であることを特徴とする<3>に記載の色素化合物。
<5>前記一般式(III)で表される色素化合物のA1で形成される含窒素複素環が、7員環であることを特徴とする、<3>又は<4>に記載の色素化合物。
<6><1>〜<5>のいずれかに記載の色素化合物を増感色素として有する光電変換素子。
<7><6>記載の光電変換素子を備えて構成された色素増感型太陽電池。
本発明の色素化合物は前記一般式(I)で表される。このうち好ましくは一般式(II)又は(III)で表される化合物であり、さらに好ましくは一般式(III)で表される化合物である。一般式(III)で表される色素化合物のうち、好ましくはA1で形成される含窒素複素環が5員環〜7員環のいずれかのものであり、さらに好ましくは5員環又は7員環のものであり、特に好ましくは7員環の色素化合物である。当該色素化合物は光電変換素子ないし色素増感型太陽電池において増感色素として作用するものとして特に適する。太陽電池用増感色素の設計において、アクセプター構造(例えばアシル基)は通常色素性能に大きく影響を及ぼす。本発明においては、アクセプター構造(例えばアシル基)を有し、そのアクセプター及びそれが結合する基以外にフッ素原子を有する特定の置換基を導入することで(好ましくはアクセプターに結合する基が飽和フッ素置換アルキル以外のものであることで)変換効率の大幅アップが見られた。
アリーレン基は例えば、ベンゼン環フラン環、ピロール環もしくはこれらが縮環した2価の環であり、アルケニレン基は例えば、エテニレン基が挙げられる。アルキニレン基は、エチニレン基とことである。L1の例として例えば、下記式で挙げたものなどが挙げられる。
本発明においては該B1がフッ素原子を有さないことを特徴とする。
(−I効果)
・-O+R2 > -N+R3
・-N+R3 > -P+R3 > …
・-O+R2 > -S+R2 > …
・-N+R3 > -NO2 > -SO2R > -SOR
・-SO2R > -SO3R
・-N+R3 > -NR2
・-O+R2 > -OR
・-S+R2 > -SR
・-F > -Cl > -Br > -I
・=O > =NR > =CR2
・=O > -OR
・≡N > ≡CR
・≡N > =NR > -NR2
・-C≡CR > -CR=CR2 > -CR2CR3
メソメリー効果
(−M効果)
・=N+R3 > =NR
・=O > =NR > =CR2
・=S > =O > ≡N
この項の説明においてRはアルキル基を意味する。
上記置換基(以下、置換基Wとする。)としては例えば下記に示すものが挙げられる。
・ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
・アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。上記で説明した置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、
・アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、
・アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、
・芳香族性基(例えば、ベンゼン環、フラン環、ピロール環、ピリジン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、ピリミジン環、ピラジン環もしくはこれらが縮環した環)
・ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、
・シアノ基、・ヒドロキシル基、・ニトロ基、・カルボキシル基、
・アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、
・アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、
・シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、
・ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
・アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、
・カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、
・アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、
・アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
・アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、
・アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、
・アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、
・アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、
・アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、
・スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、
・アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、
・メルカプト基、
・アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、
・アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、
・ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、
・スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、
・スルホ基、
・アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、
・アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、
・アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、
・アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、
・アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、
・カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
・アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、
・イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、
・ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、
・ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、
・ホスフィニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、
・ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、
・シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)。
また、置換基は更に置換されていてもよい。その際、置換基の例としては、上述の置換基Wを挙げることができる。
前記一般式(II)中、R4、R5、及びR10は一般式(I)のR1と同義である。R10は一般式(I)のR3と同義である。R6〜R9はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロ環基、又はハロゲン原子を表し、置換基を有していてもよい。R4とR5、R4とR6、R5とR9、R6とR7、またはR8とR9とは互いに結合して環を形成していてもよい。R6〜R9のうち環を形成していないものは、水素原子、アルキル基、又はアルコキシ基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。L2及びB2はそれぞれ一般式(I)のL1及びB1と同義である。
前記一般式(III)中、R11はアルキル基又は一般式(IV)を表し、Rfを含む。好ましくはアルキル基である。Rfは、一般式(I)におけるRfと同義である。R12〜R14はそれぞれ独立に一般式(II)のR6と同義である。A1は含窒素複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、好ましくは5員環〜7員環のいずれか、さらに好ましくは5員環または7員環、特に好ましくは7員環である。A1は縮環していても良く置換されていてもよい。さらに置換基を有していてもよい。縮環の例としてベンゼン環、ピリジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環等が挙げられる。L3及びB3は一般式(I)のL1及びB1と同義である。R15は、一般式(I)のR3と同義である。
本発明の一実施形態に係る光電変換素子10(図1参照)は、導電性支持体1、導電性支持体1上に設置される上記本発明の色素化合物21により増感した半導体膜(感光層)2、正孔輸送層3、及び対極4からなる。半導体膜を設置した導電性支持体は光電変換素子において作用電極として機能する。本実施形態においては、この光電変換素子10を外部回路6で仕事をさせる電池用途に使用できるようにした太陽電池として示している。
(例示化合物D−1の調製)
下記のスキーム1の方法に従って例示化合物D−1を調製した。
4−ヨードフェノール10.0gと4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11―ヘプタデカフルオロウンデシルヨージド24.3gとをDMF100mlに室温で攪拌溶解し、これに炭酸セシウム14,8gを添加し室温で4時間攪拌した。水とヘキサンを加えて分液し、有機層を濃縮、カラムクロマトグラフィーで精製することで化合物D−1−a27.3gを得た。
(ii)D−1−bの調製
インドリン5.3g、化合物D−1−a27.3g、tert−ブトキシナトリウム4.6g、トリ−tert−ブチルホスフィン155mgおよびトリスジベンジリデンジパラジウム(0)232gをトルエン300ml中で攪拌し、内温90℃で1時間攪拌し、放冷後、水及び酢酸エチルを加え、分液した。有機層を濃縮し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物D−1−b25.0gを得た。
(iii)化合物D−1−cの調製
DMF60mlに氷冷下オキシ塩化リン8mlを加え15分攪拌し、化合物D−1−b10.0gをこれに加え室温で3時間攪拌した。反応液に水を加え攪拌し、さらに10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、1時間撹拌した。酢酸エチルで抽出、濃縮後、MeOHから再結晶することで化合物D−1−c9.58gを得た。
(iv)例示色素D−1の調製
化合物D−1−c1.0g、シアノ酢酸243mg及びピペリジン0.2mlをアセトニトリル15mlに攪拌溶解し、外設80℃で3時間攪拌した。室温で攪拌し、沈殿物をろ過し、メタノールで再結晶することで化合物D−1 992mgを得た。得られた化合物D−1の構造はNMR測定により確認した。以下で調製した例示化合物についても同様であり、化合物D−1及びD−2のみそのスペクトルデータを示した。
(i)例示色素D−2の調製
下記のスキーム1の方法に従って例示化合物D−3を調製した。
10,11-ジヒドロ―5H―ジベンズ[b,f]アゼピン8.6g、化合物D−1−a27.3g、tert−ブトキシナトリウム4.6g、トリ−tert−ブチルホスフィン155mgおよびトリスジベンジリデンジパラジウム(0)232gをトルエン300ml中で攪拌し、内温90℃で1時間攪拌し、放冷後、水及び酢酸エチルを加え、分液した。有機層を濃縮し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物D−3−a28.8gを得た。
(ii)化合物D−3−bの調製
DMF60mlに氷冷下オキシ塩化リン8mlを加え15分攪拌し、化合物D−3−a10.0gをこれに加え室温で2時間攪拌した。反応液に水を加え攪拌し、さらに10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、30分撹拌した。酢酸エチルで抽出、濃縮後、MeOHから再結晶することで化合物D−3−b9.85gを得た。
(iii)例示色素D−3の調製
化合物D−3−b1.0g、シアノ酢酸219mg及びピペリジン0.2mlをアセトニトリル15mlに攪拌溶解し、外設80℃で3時間攪拌した。室温で攪拌し、沈殿物をろ過し、メタノールで再結晶することで化合物D−3 1.0gを得た。
化合物D−3−b1.0g、3−カルボキシメチルロダニン250mg及びピペリジン0.2mlをアセトニトリル15mlに攪拌溶解し、外設80℃で3時間攪拌した。室温で攪拌し、沈殿物をろ過し、メタノールで再結晶することで化合物D−4 1.0gを得た。
60%水素化ナトリウム1.70gをDMF100m中氷冷下で攪拌し、10,11-ジヒドロ-5H―ジベンズ[b,f]アゼピン7.55gを添加した。その後4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロウンデシルヨージド25.0gを添加した後、80℃で4時間攪拌した。水とヘキサンを加えて分液し、有機層を濃縮、カラムクロマトグラフィーで精製することで化合物D−5−a 24.6gを得た。
(ii)化合物D−5−bの調製
DMF60mlに氷冷下オキシ塩化リン8mlを加え15分攪拌し、化合物D−5−a10.0gをこれに加え室温で2時間攪拌した。反応液に水を加え攪拌し、さらに10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、30分撹拌した。酢酸エチルで抽出、濃縮後、MeOHから再結晶することで化合物D−5−b 9.91gを得た。
(iii)例示色素D−5の調製
化合物D−3−b1.0g、シアノ酢酸249mg及びピペリジン0.2mlをアセトニトリル15mlに攪拌溶解し、外設80℃で3時間攪拌した。室温で攪拌し、沈殿物をろ過し、メタノールで再結晶することで化合物D−1 1.01gを得た。
化合物D−5−b1.0g、3−カルボキシメチルロダニン271mg及びピペリジン0.2mlをアセトニトリル15mlに攪拌溶解し、外設80℃で3時間攪拌した。室温で攪拌し、沈殿物をろ過し、メタノールで再結晶することで化合物D−6 1.12gを得た。
化合物D−5−b 20.0g、メチルトリフェニルホスホニウムヨージド23.7gをDMF150mlに室温で攪拌した後、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液11.8gを滴下した。反応液は外設60℃に加温し2時間攪拌した。その後、放冷し室温にした後、水を滴下し、ヘキサンで抽出し、有機層を濃縮、カラムクロマトグラフィーで精製することで化合物D−7−a 18.9gを得た。
(ii)化合物D−7−bの調製
DMF60mlに氷冷下オキシ塩化リン8mlを加え15分攪拌し、化合物D−7−a10.0gをこれに加え室温で2時間攪拌した。反応液に水を加え攪拌し、さらに10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、30分撹拌した。酢酸エチルで抽出、濃縮後、MeOHから再結晶することで化合物D−7−b 9.89gを得た。
(iii)例示色素D−7の調製
化合物D−7−b1.0g、シアノ酢酸249mg及びピペリジン0.2mlをアセトニトリル15mlに攪拌溶解し、外設80℃で3時間攪拌した。室温で攪拌し、沈殿物をろ過し、メタノールで再結晶することで化合物D−7 1.09gを得た。
化合物D−7−b1.0g、3−カルボキシメチルロダニン297mg及びピペリジン0.2mlをアセトニトリル15mlに攪拌溶解し、外設80℃で3時間攪拌した。室温で攪拌し、沈殿物をろ過し、メタノールで再結晶することで化合物D−8 1.18gを得た。
ガラス基板上に、透明導電膜としてフッ素をドープした酸化スズをスパッタリングにより形成し、これをレーザーでスクライブして、透明導電膜を2つの部分に分割した。このうち一方の導電膜上にアナターゼ型酸化チタン粒子(平均粒径:50nm)を焼結して受光電極を作製した。その後、受光電極上にシリカ粒子とルチルとを40:60(質量比)で含有する分散液を塗布及び焼結して絶縁性多孔体を形成した。次いで対極として炭素電極を形成させた。
次に、下記表1に記載された増感色素のエタノール溶液(3×10−4モル/l)に48時間浸漬した。増感色素の染着したガラスを4−tert−ブチルピリジンの10%エタノール溶液に30分間浸漬した後、エタノールで洗浄し自然乾燥させた。このようにして得られる感光層の厚さは10μmであり、半導体微粒子の塗布量は20g/m2とした。増感色素の塗布量は、増感色素の種類に応じ、適宜0.1〜10ミリモル/m2の範囲から選択した。
500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光をAM1.5Gフィルター(Oriel社製)およびシャープカットフィルター(KenkoL−42、商品名)を通すことにより紫外線を含まない模擬太陽光を発生させた。この光の強度は89mW/cm2であった。作製した光電変換素子にこの光を照射し、発生した電気を電流電圧測定装置(ケースレー238型、商品名)にて測定した。これにより求められた光電気化学電池の変換効率を測定した結果を下記表1に示した。結果は、変換効率が5%以上のものを◎、2.5%以上5%未満のものを○、0.5%以上2.5%未満のものを△、0.5%未満のものを×として評価した。
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実施例 増感色素 波長(nm)*1 変換効率
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1 D−1 421nm ◎
2 D−2 482nm ◎
3 D−3 384nm ◎
4 D−4 438nm ◎
5 D−5 392nm ◎
6 D−6 448nm ◎
7 D−7 398nm ◎
8 D−8 458nm ◎
9 D−9 472nm ◎
10 D−11 399nm ◎
11 D−12 408nm ◎
12 D−14 483nm ◎
13 D−16 479nm ○
14 D−17 365nm ○
比較例1 増感色素A 636nm △
比較例2 増感色素B − △
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*1:吸収極大波長(測定方法:エタノール溶媒に色素を溶解し、分光光度計(U−4100〔商品名〕,日立ハイテク製)を用いて分光吸収を測定した。)
(ITO膜上のFTOを積層)
1.ITO膜用原料化合物溶液の調製
塩化インジウム(III)四水和物5.58gと塩化スズ(II)二水和物0.23gとをエタノール100mlに溶解して、ITO膜用原料化合物溶液とした。
塩化スズ(IV)五水和物0.701gをエタノール10mlに溶解し、これにフッ化アンモニウム0.592gの飽和水溶液を加え、この混合物を超音波洗浄機に約20分間かけ、完全に溶解して、FTO膜用原料化合物溶液とした。
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試料No. TCO 用いた色素 変換効率 備考
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1 ITOのみ 例示色素D−1 ○ 本発明
2 FTOのみ 例示色素D−1 〇 本発明
3 ITO+FTO 例示色素D−1 ◎ 本発明
4 ITOのみ 例示色素D−5 ○ 本発明
5 FTOのみ 例示色素D−5 〇 本発明
6 ITO+FTO 例示色素D−5 ◎ 本発明
7 ITOのみ 例示色素D−7 ○ 本発明
8 FTOのみ 例示色素D−7 ◎ 本発明
9 ITO+FTO 例示色素D−7 ◎ 本発明
10 ITOのみ 増感色素A × 比較例
11 FTOのみ 増感色素A × 比較例
12 ITO+FTO 増感色素A △ 比較例
13 ITOのみ 増感色素B × 比較例
14 FTOのみ 増感色素B × 比較例
15 ITO+FTO 増感色素B △ 比較例
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(集電電極)
(試験セル(i))
100×100mmのFTO膜付きガラスの表面に、エッチング法により深さ5μmの溝を格子回路パターン状に形成した。エッチングは、フォトリソにてパターン形成した後に、フッ酸を用いて行った。これに、めっき形成を可能とするためにスパッタ法により金属導電層(シード層)を形成し、更にアディティブめっきにより金属配線層3を形成した。金属配線層3は、透明基板2表面から凸レンズ状に3μm高さまで形成した。回路巾は60μmとした。この上から、遮蔽層5としてFTO膜を400nmの厚さでSPD法により形成して、電極基板(i)とした。なお、電極基板(i)の断面形状は、特開2004-146425中の図2に準ずるものとなっている。
電極基板(i)上に平均粒径25nmの酸化チタン分散液を塗布・乾燥し、450℃で1時間加熱・焼結した。これを本発明の色素のエタノール溶液中に40分間浸漬して色素担持した。50μm厚の熱可塑性ポリオレフィン樹脂シートを介して白金スパッタFTO基板と対向して配置し、樹脂シート部を熱溶融させて両極板を固定した。予め、白金スパッタ極側に電解液の注液口を開けておき、電極間に0.5Mのヨウ化塩と0.05Mのヨウ素とを主成分に含むメトキシアセトニトリル溶液を注液した。更に、周辺部及び電解液注液口をエポキシ系封止樹脂を用いて本封止し、集電端子部に銀ペーストを塗布して試験セル(i)とした。AM1.5の疑似太陽光により、試験セル(i)の光電変換特性を評価した。結果を表3に示した。
100mm角のFTOガラス基板上に、アディティブめっき法により金属配線層3(金回路)を形成した。金属配線層3(金回路)は基板表面に格子状に形成し、回路巾50μm、回路厚5μmとした。この表面に厚さ300nmのFTO膜を遮蔽層5としてSPD法により形成して電極基板(iv)とした。電極基板(iv)の断面をSEM、EDXを用いて確認したところ、配線底部でめっきレジストの裾引きに起因すると思われる潜り込みがあり、影部分にはFTOが被覆されていなかった。
電極基板(iv)を用い、上述の要領で試験セル(iv)を作製した。AM1.5の疑似太陽光により試験セル(iv)の光電変換特性を評価し、結果を表3に示した。結果は、変換効率が5%以上のものを◎、2%以上5%未満のものを○、0.5%以上2%未満のものを△、0.5%未満のものを×として表示した。
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試料No. 試験セル 用いた色素 変換効率 備考
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1 (i) 例示色素D−1 ◎ 本発明
2 (iv) 例示色素D−1 〇 本発明
3 (i) 例示色素D−5 ◎ 本発明
4 (iv) 例示色素D−5 〇 本発明
5 (i) 例示色素D−6 ◎ 本発明
6 (iv) 例示色素D−6 〇 本発明
7 (i) 例示色素D−7 ◎ 本発明
8 (iv) 例示色素D−7 ○ 本発明
9 (i) 例示色素D−14 ◎ 本発明
10 (iv) 例示色素D−14 ○ 本発明
11 (i) 増感色素A △ 比較例
12 (iv) 増感色素A × 比較例
13 (i) 増感色素B △ 比較例
14 (iv) 増感色素B × 比較例
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(ペルオキソチタン酸から酸化チタン微粒子を生成)
(光電池セル(A)の作成)
5gの水素化チタンを1リットルの純水に懸濁し、濃度5重量%の過酸化水素液400gを30分かけて添加し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン酸の溶液を調製した。この溶液の全量から90容積%を分取し、濃アンモニア水を添加してpH9に調整し、オートクレーブに入れ、250℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行ってチタニアコロイド粒子(A)を調製した。得られたチタニアコロイド粒子は、X線回折により結晶性の高いアナターゼ型酸化チタンであった。
分光増感色素の吸着
次に、分光増感色素として本発明の色素の濃度3×10−4モル/リットルのエタノール溶液を調製した。この分光増感色素溶液をrpm100スピナーを用いて、金属酸化物半導体膜(A)上へ塗布して乾燥した。この塗布および乾燥工程を5回行った。
アセトニトリルと炭酸エチレンとを体積比(アセトニトリル:炭酸エチレン)が1:5となるように混合した溶媒に、テトラプロピルアンモニウムアイオダイドを0.46モル/リットル、ヨウ素を0.07モル/リットルの濃度となるように溶解して電解質溶液を調製した。
紫外線を照射してペルオキソ酸を分解させ、膜を硬化させた後、Arガスのイオン照射(日新電気製:イオン注入装置、2003eVで10時間照射)を行った以外は金属酸化物半導体膜(A)と同様にして金属酸化物半導体膜(B)を形成した。
分光増感色素の吸着
酸化チタン膜(A)と同様にして酸化チタン膜(B)に分光増感色素の吸着を行った。
光電気セルの作成
実施例1と同様にして光電気セル(B)を作成し、Voc、Joc、FFおよびηを測定した。結果を表4に示す。
18.3gの4塩化チタンを純水で希釈して、TiO2換算で1.0重量%含有する水溶液を得た。この水溶液を撹拌しながら、濃度15重量%のアンモニア水を添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを濾過洗浄し、TiO2換算で、10.2重量%の水和酸化チタンゲルのケーキを得た。このケーキと濃度5%過酸化水素液400gを混合し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン酸の溶液を調製した。この溶液全量から90体積%を分取し、これに濃アンモニア水を添加してpH9に調整し、オートクレーブに入れ、250℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行ってチタニアコロイド粒子(C)を調製した。
金属酸化物半導体膜(A)と同様にして分光増感色素の吸着を行った。
光電気セル(A)と同様にして光電気セル(C)を作成し、Voc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表4に示した。
18.3gの4塩化チタンを純水で希釈してTiO2換算で1.0重量%含有する水溶液を得た。これを撹拌しながら、濃度15重量%のアンモニア水を添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを濾過洗浄した後、純水に懸濁してTiO2として濃度0.6重量%の水和酸化チタンゲルのスラリーとし、これに塩酸を加えてpH2とした後、オートクレーブに入れ、180℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行ってチタニアコロイド粒子(D)を調製した。
金属酸化物半導体膜(A)と同様にして分光増感色素の吸着を行った。
光電気セル(A)と同様にして光電気セル(D)を作成し、ηを測定した。結果を表4に示す。結果は、変換効率が5%以上のものを◎、2%以上5%未満のものを○、0.5%以上2%未満のものを△、0.5%未満のものを×として表示した。
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試料No. 試験セル 用いた色素 変換効率 備考
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1 (A) 例示色素D−2 ◎ 本発明
2 (B) 例示色素D−2 ◎ 本発明
3 (C) 例示色素D−2 ◎ 本発明
4 (D) 例示色素D−2 〇 本発明
5 (A) 例示色素D−7 ◎ 本発明
6 (B) 例示色素D−7 ◎ 本発明
7 (C) 例示色素D−7 ◎ 本発明
8 (D) 例示色素D−7 〇 本発明
9 (A) 増感色素A △ 比較例
10 (B) 増感色素A △ 比較例
11 (C) 増感色素A △ 比較例
12 (D) 増感色素A × 比較例
13 (A) 増感色素B △ 比較例
14 (B) 増感色素B △ 比較例
15 (C) 増感色素B △ 比較例
16 (D) 増感色素B × 比較例
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(ブルーカイト型酸化チタン)
(1)熱処理法による酸化チタンの調製
酸化チタン1(ブルーカイト型)、比較酸化チタン1(アナターゼ型)、比較酸化チタン2(ルチル型)
市販のアナターゼ型酸化チタン(石原産業(株)製、商品名ST−01)を用い、これを約900℃に加熱してブルーカイト型の酸化チタンに変換し、さらに約1,200℃に加熱してルチル型の酸化チタンとした。
酸化チタン2(ブルーカイト型)
蒸留水954mlを還流冷却器付きの反応槽に装入し、95℃に加温する。撹拌速度を約200rpmに保ちながら、この蒸留水に四塩化チタン(Ti含有量:16.3質量%、比重1.59、純度99.9%)水溶液46mlを約5.0ml/minの速度で反応槽に滴下した。このとき、反応液の温度が下がらないように注意した。その結果、四塩化チタン濃度が0.25mol/リットル(酸化チタン換算2質量%)であった。反応槽中では反応液が滴下直後から、白濁し始めたがそのままの温度で保持を続け、滴下終了後さらに昇温し沸点付近(104℃)まで加熱し、この状態で60分間保持して完全に反応を終了した。
三塩化チタン水溶液(Ti含有量:28質量%、比重1.5、純度99.9%)を蒸留水で希釈し、チタン濃度換算で0.25モル/Lの溶液とした。このとき、液温が上昇しないよう氷冷して、50℃以下に保った。次に、この溶液を還流冷却器付きの反応槽に500ml投入し、85℃に加温しながらオゾンガス発生装置から純度80%のオゾンガスを1L/minでバブリングし、酸化反応を行なった。この状態で2時間保持し、完全に反応を終了した。得られたゾルをろ過、真空乾燥し、粉末とした。この粉末をX線回折法により定量分析した結果、(ブルーカイト型121面のピーク強度)/(三本が重なる位置でのピーク強度)比は0.85、(ルチル型のメインピーク強度)/(三本が重なる位置でのピーク強度)比は0であった。これらから求めると二酸化チタンは、ブルーカイト型が約98質量%、ルチル型が0質量%、アナターゼ型が0質量%であり、約2%は無定形であった。また、透過型電子顕微鏡でこの微粒子を観察したところ、1次粒子の平均粒径は0.05μmであった。
硫酸チタン溶液(Ti:30%、比重1.65)145mlを蒸留水855mlに加えた。この時の硫酸チタン濃度は1.5モル/lであった。これを100℃に加熱して加水分解させ白色沈殿を得た。この沈殿をろ過洗浄し、次いで60℃の真空乾燥器を用いて乾燥し粉末とした。X線回折により解析した結果、アナターゼ型であった。また、透過電子顕微鏡での1次粒子の平均粒子径は0.025μmであった。
常法により硫酸チタニル溶液を加熱分解し、濾過洗浄した含水酸化チタンスラリー950g(TiO2換算100gに相当)に、48%NaOH溶液80gを撹拌しながら投入し、95℃で4時間加熱した。次いで、この処理物を十分洗浄して得たスラリー2kgに、30質量%塩酸600gを撹拌しながら投入し、98℃で5時間加熱し、チタニアゾルを作成した。このチタニアゾルは、X線回折でルチル型の結晶構造を示した。このようにして得られたルチル型の結晶構造をもった微粒子酸化チタンの平均粒子径は0.012μmであった。
上記の酸化チタン1、2および3、ならびに比較酸化チタン1〜4で調製した酸化チタンを半導体として特開2000−340269の図1に示す構成を有する光電変換素子を次のように作製した。ガラス基板上にフッ素ドープの酸化錫をコートし、導電性透明電極とした。電極面上にそれぞれの酸化チタン粒子を原料としたペーストを作成し、バーコート法で厚さ50μmに塗布した後、500℃で焼成して膜厚約20μmの薄層を形成した。次にルテニウム錯体であるRuL2(SCN)2(L=2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)の3×10−4モル濃度のエタノール溶液を調製し、これに上記の酸化チタンの薄層を形成したガラス基板を浸漬し、12時間室温で保持した。その結果、酸化チタンの薄層上に上記錯体が付着された。
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試料No. 酸化チタン 用いた色素 変換効率 備考
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1 酸化チタン1 例示色素D−2 〇 本発明
2 比較酸化チタン1 例示色素D−2 〇 本発明
3 酸化チタン2 例示色素D−2 ◎ 本発明
4 酸化チタン3 例示色素D−2 ◎ 本発明
5 比較酸化チタン2 例示色素D−2 〇 本発明
6 比較酸化チタン3 例示色素D−2 〇 本発明
7 酸化チタン1 例示色素D−7 ◎ 本発明
8 比較酸化チタン1 例示色素D−7 〇 本発明
9 酸化チタン2 例示色素D−7 ◎ 本発明
10 酸化チタン3 例示色素D−7 ◎ 本発明
11 比較酸化チタン2 例示色素D−7 〇 本発明
12 比較酸化チタン3 例示色素D−7 〇 本発明
13 酸化チタン1 増感色素A △ 比較例
14 比較酸化チタン1 増感色素A × 比較例
15 酸化チタン2 増感色素A △ 比較例
16 酸化チタン3 増感色素A △ 比較例
17 比較酸化チタン2 増感色素A × 比較例
18 比較酸化チタン3 増感色素A × 比較例
19 酸化チタン1 増感色素B △ 比較例
20 比較酸化チタン1 増感色素B × 比較例
21 酸化チタン2 増感色素B △ 比較例
22 酸化チタン3 増感色素B △ 比較例
23 比較酸化チタン2 増感色素B × 比較例
24 比較酸化チタン3 増感色素B × 比較例
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(サイズの異なる酸化チタン積層1)
[ペーストの調製]先ず、光電極を構成する半導体電極の半導体層又は光散乱層形成するためのペーストを以下の手順で調製した。
球形のTiO2粒子(アナターゼ、平均粒径;25nm、以下、球形TiO2粒子1という)とを硝酸溶液に入れて撹拌することによりチタニアスラリーを調製した。次に、チタニアスラリーに増粘剤としてセルロース系バインダーを加え、混練してペーストを調製した。
球形TiO2粒子1と、球形のTiO2粒子(アナターゼ、平均粒径;200nm、以下、球形TiO2粒子2という)とを硝酸溶液に入れて撹拌することによりチタニアスラリーを調製した。次に、チタニアスラリーに増粘剤としてセルロース系バインダーを加え、混練してペースト(TiO2粒子1の質量:TiO2粒子2の質量=30:70)を調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;100nm、アスペクト比;5、以下、棒状TiO2粒子1という)を混合し、棒状TiO2粒子1の質量:ペースト1の質量=10:90のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状TiO2粒子1を混合し、棒状TiO2粒子1の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状TiO2粒子1を混合し、棒状TiO2粒子1の質量:ペースト1の質量=50:50のペーストを調製した。
ペースト1に、板状のマイカ粒子(直径;100nm、アスペクト比;6、以下、板状マイカ粒子1という)を混合し、板状マイカ粒子1の質量:ペースト1の質量=20:80のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;30nm、アスペクト比;6.3、以下、棒状TiO2粒子2という)を混合し、棒状TiO2粒子2の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;50nm、アスペクト比;6.1、以下、棒状TiO2粒子3という)を混合し、棒状TiO2粒子3の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;75nm、アスペクト比;5.8、以下、棒状TiO2粒子4という)を混合し、棒状TiO2粒子4の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;130nm、アスペクト比;5.2、以下、棒状TiO2粒子5という)を混合し、棒状TiO2粒子5の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;180nm、アスペクト比;5、以下、棒状TiO2粒子6という)を混合し、棒状TiO2粒子6の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;240nm、アスペクト比;5、以下、棒状TiO2粒子7という)を混合し、棒状TiO2粒子7の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;110nm、アスペクト比;4.1、以下、棒状TiO2粒子8という)を混合し、棒状TiO2粒子8の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;105nm、アスペクト比;3.4、以下、棒状TiO2粒子9という)を混合し、棒状TiO2粒子9の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
以下に示す手順により、特開2002−289274記載の図5に示した光電極12と同様の構成を有する光電極を作製し、更に、光電極を用いて、当該光電極以外は色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する10×10mmのスケールの色素増感型太陽電池1を作製した。
半導体電極の製造を以下のようにして行ったこと以外は、色素増感太陽電池1と同様の手順により特開2002−289274記載の図1に示した光電極10及び特開2002−289274記載の図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池2を作製した。
半導体電極の製造に際して、ペースト1を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト4を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、色素増感太陽電池1と同様の手順により図5に示した光電極10及び特開2002−289274記載の図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池3を作製した。なお、半導体電極は、受光面の面積;10mm×10mm、層厚;10μm、半導体層の層厚;5μm、光散乱層の層厚;5μm、光散乱層に含有される棒状TiO2粒子1の含有率;30質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト6を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、色素増感太陽電池1と同様の手順により図5に示した光電極10及び特開2002−289274記載の図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池4を作製した。なお、半導体電極は、受光面の面積;10mm×10mm、層厚;10μm、半導体層の層厚;6.5μm、光散乱層の層厚;3.5μm、光散乱層に含有される板状マイカ粒子1の含有率;20質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト8を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、色素増感太陽電池1と同様の手順により光電極及び色素増感型太陽電池5を作製した。なお、半導体電極の光散乱層に含有される棒状TiO2粒子3の含有率;30質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト9を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、色素増感太陽電池1と同様の手順により光電極及び色素増感型太陽電池6を作製した。なお、半導体電極の光散乱層に含有される棒状TiO2粒子4の含有率;30質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト10を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、色素増感太陽電池1と同様の手順により光電極及び色素増感型太陽電池7を作製した。なお、半導体電極の光散乱層に含有される棒状TiO2粒子5の含有率;30質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト11を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、色素増感太陽電池1と同様の手順により光電極及び色素増感型太陽電池8を作製した。なお、半導体電極の光散乱層に含有される棒状TiO2粒子6の含有率;30質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト13を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、色素増感太陽電池1と同様の手順により光電極及び色素増感型太陽電池9を作製した。なお、半導体電極の光散乱層に含有される棒状TiO2粒子8の含有率;30質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト14を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、色素増感太陽電池1と同様の手順により光電極及び色素増感型太陽電池10を作製した。なお、半導体電極の光散乱層に含有される棒状TiO2粒子9の含有率;30質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2のみを用いて半導体層のみからなる半導体電極(受光面の面積;10mm×10mm、層厚;10μm、)を作製したこと以外は、色素増感太陽電池1と同様の手順により光電極及び比較色素増感太陽電池1を作製した。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト7を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、色素増感太陽電池1と同様の手順により光電極及び比較色素増感太陽電池2を作製した。なお、半導体電極の光散乱層に含有される棒状TiO2粒子2の含有率;30質量%であった。
電池特性試験を行ない、色素増感太陽電池1〜色素増感太陽電池10、比較色素増感太陽電池1〜比較色素増感太陽電池7の色素増感型太陽電池なエネルギー変換効率ηを測定した。電池特性試験は、ソーラーシミュレータ(WACOM製、WXS−85H)を用い、AM1.5フィルターを通したキセノンランプから1000W/m2の疑似太陽光を照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、エネルギー変換効率(η/%)を求めた。その結果を表6に示す。結果は、変換効率が5%以上のものを◎、2%以上5%未満のものを○、0.5%以上2%未満のものを△、0.5%未満のものを×として表示した。
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試料No. 太陽電池 用いた色素 変換効率 備考
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1 色素増感太陽電池1 例示色素D−1 〇 本発明
2 色素増感太陽電池2 例示色素D−1 ◎ 本発明
3 色素増感太陽電池3 例示色素D−1 ◎ 本発明
4 色素増感太陽電池4 例示色素D−1 ◎ 本発明
5 色素増感太陽電池5 例示色素D−1 ◎ 本発明
6 色素増感太陽電池6 例示色素D−1 〇 本発明
7 色素増感太陽電池7 例示色素D−1 ◎ 本発明
8 色素増感太陽電池8 例示色素D−1 ◎ 本発明
9 色素増感太陽電池9 例示色素D−1 ◎ 本発明
10 色素増感太陽電池10 例示色素D−1 ◎ 本発明
11 色素増感太陽電池1 例示色素D−7 ◎ 本発明
12 色素増感太陽電池2 例示色素D−7 ◎ 本発明
13 色素増感太陽電池3 例示色素D−7 ◎ 本発明
14 色素増感太陽電池4 例示色素D−7 ◎ 本発明
15 色素増感太陽電池5 例示色素D−7 ◎ 本発明
16 色素増感太陽電池6 例示色素D−7 ◎ 本発明
17 色素増感太陽電池7 例示色素D−7 ◎ 本発明
18 色素増感太陽電池8 例示色素D−7 ◎ 本発明
19 色素増感太陽電池9 例示色素D−7 ◎ 本発明
20 色素増感太陽電池10 例示色素D−7 ◎ 本発明
21 色素増感太陽電池1 増感色素A △ 比較例
22 色素増感太陽電池2 増感色素A △ 比較例
23 色素増感太陽電池3 増感色素A △ 比較例
24 色素増感太陽電池4 増感色素A △ 比較例
25 色素増感太陽電池5 増感色素A △ 比較例
26 色素増感太陽電池6 増感色素A △ 比較例
27 色素増感太陽電池7 増感色素A △ 比較例
28 色素増感太陽電池8 増感色素A △ 比較例
29 色素増感太陽電池9 増感色素A △ 比較例
30 色素増感太陽電池10 増感色素A △ 比較例
31 比較色素増感太陽電池1 増感色素A × 比較例
32 比較色素増感太陽電池2 増感色素A × 比較例
33 色素増感太陽電池1 増感色素B △ 比較例
34 色素増感太陽電池2 増感色素B △ 比較例
35 色素増感太陽電池3 増感色素B △ 比較例
36 色素増感太陽電池4 増感色素B △ 比較例
37 色素増感太陽電池5 増感色素B △ 比較例
38 色素増感太陽電池6 増感色素B △ 比較例
39 色素増感太陽電池7 増感色素B △ 比較例
40 色素増感太陽電池8 増感色素B △ 比較例
41 色素増感太陽電池9 増感色素B △ 比較例
42 色素増感太陽電池10 増感色素B △ 比較例
43 比較色素増感太陽電池1 増感色素B × 比較例
44 比較色素増感太陽電池2 増感色素B × 比較例
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表6の通り、本発明の色素は変換効率が高いことがわかった。
〔多孔質膜形成用の原料〕
金属酸化物微粒子としては、酸化チタンを用いた。
酸化チタンは、30%ルチル、70%アナターゼ、平均粒径25nmのDegussa社製P25(商品名)粉末を用いた。
金属酸化物微粒子をあらかじめ熱処理することで表面の有機物と水分を除去した。
上記に関連し、金属酸化物微粒子に含まれる水分量を計測した。熱重量測定における重量減少、及び粉体を300℃に加熱したときに脱着する水分量のカールフィッシャー滴定により定量した。測定には温度26℃、湿度72%の環境に保存されていた酸化チタン(P25)粉末を用いた。
導電性基板へのペーストの塗布方法は、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法などを用いることが可能であり、適当なペースト粘度は塗布方法によって適宜選択した。ここでは簡便にガラス棒で塗布する方法(ドクターブレード法に類似)を用いた。この場合、適当なペースト粘度を与える金属酸化物微粒子の濃度は概ね5〜30質量%の範囲となった。
これよりも加える金属アルコキシドの量が少ない場合、金属酸化物微粒子同士の接着及び多孔質膜の基板に対する接着が不十分となって、多孔質膜の機械的強度が不足し、剥離しやすくなる。これよりも加える金属アルコキシドの量が多い場合、製膜は可能であるが、金属酸化物微粒子表面に厚いアモルファス層が形成されて、膜が非ポーラス構造となり、電荷輸送特性も悪化して電極としての機能が低下してしまうため、膜を水熱処理する必要が生じる。
スズドープ酸化インジウム(ITO)導電膜付きポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム基板(20Ω/sq.)又はFドープSnO2(FTO)導電膜付きガラス基板(10Ω/sq.)にスペーサーとなるスコッチテープ2枚を一定間隔で平行に貼り付けたものに、上記の方法に従って調製した各ペーストをガラス棒を用いて均一に塗布した。
生成したアモルファス金属酸化物が金属酸化物微粒子同士及び膜と基板を接着する役割を果たすため、風乾するのみで機械的強度と付着性に優れた多孔質膜が得られた。
上記のプロセスによって得られた多孔質膜そのままでも太陽電池用光電極として用いることが出来るが、膜中に残留する有機成分をUVオゾンクリーナーによって除去することで一層その性能が向上する。
UVオゾン処理には日本レーザー電子社製のNL−UV253UVオゾンクリーナーを用いた。UV光源には185nmと254nmに輝線を持つ4.5W水銀ランプ3個を備えており、試料は光源から約6.5センチの距離に水平に置かれる。チャンバー中に酸素気流を導入することでオゾン発生する。本実施例においてはこのUVオゾン処理を2時間行なった。なお、このUVオゾン処理によるITO膜の導電性の低下は全く見られなかった。
増感色素には本発明の色素を用い、0.5mMのエタノール溶液を調製した。本実施例では上記のプロセスで作製した多孔質膜を100℃のオーブンで1時間乾燥した後に増感色素の溶液に浸漬し、そのまま室温で50分間放置して酸化チタン表面に増感色素を吸着した。増感色素吸着後の試料はエタノールで洗浄し、風乾した。なお、増感色素を水溶液から吸着する場合など、用いる増感色素によってはこの乾燥処理は必ずしも必要ではない。
増感色素吸着後の多孔質膜が形成された導電性基板を光電極とし、これと白金微粒子をスパッタリングにより修飾したITO/PETフィルムあるいはFTO/ガラス対極を対向させて、サンドイッチ型の太陽電池を試作した。上記光電極の実効面積は約0.2cm2とした。電解質溶液には0.5M LiI,0.05M I2,0.5Mt−buthylpyridineを含む3−メトキシプロピオニトリルを用い、毛管現象によって両電極間のギャップに導入した。
吸着水の影響は明らかではないが、金属アルコキシド溶液と混合した際に、ペースト中で金属アルコキシドの加水分解が進行するおそれがある。
そこで、金属酸化物微粒子粉末は金属アルコキシドとの混合前に450℃のオーブンで30分間熱処理し、冷却後デシケーター中に保存して用いた。
上記の方法に従って、FTO/ガラス基板及びITO/PETフィルム基板上に作製したポーラス酸化チタン厚膜を光電極とするサンドイッチセル(色素増感型太陽電池)を構成した(試料1〜8)。そして、その諸特性(η(変換効率))を評価した。
作製した色素増感型太陽電池は、多孔質膜の膜厚さが約10μm、有効電極面積が0.2cm2である。光源には分光計器社製CEP−2000型のAM1.5ソーラーシミュレータ(光強度100mWcm−2)を用いた。
得られた出力特性値を表にまとめた。結果は、変換効率が3%以上のものを◎、2%以上5%未満のものを○、0.5%以上2%未満のものを△、0.5%未満のものを×として表示した。
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試料 TCO基板 TiO2 用いた色素 UV UV 乾燥 変換 備考
No. 注1 オゾン 効率
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1 FTO/GL あり 例示色素D−2 〇 × 〇 ◎ 本発明
2 FTO/GL あり 例示色素D−2 × 〇 〇 ◎ 本発明
3 FTO/GL あり 例示色素D−2 × × 〇 〇 本発明
4 FTO/GL あり 例示色素D−2 × × × 〇 本発明
5 FTO/GL なし 例示色素D−2 × × 〇 〇 本発明
6 FTO/GL あり 例示色素D−2 〇 × 〇 ○ 本発明
7 ITO/PET あり 例示色素D−2 〇 × 〇 ◎ 本発明
8 ITO/PET あり 例示色素D−2 × × 〇 〇 本発明
9 FTO/GL あり 例示色素D−14 〇 × 〇 ◎ 本発明
10 FTO/GL あり 例示色素D−14 × 〇 〇 ◎ 本発明
11 FTO/GL あり 例示色素D−14 × × 〇 〇 本発明
12 FTO/GL あり 例示色素D−14 × × × 〇 本発明
13 FTO/GL なし 例示色素D−14 × × 〇 ◎ 本発明
14 FTO/GL あり 例示色素D−14 〇 × 〇 ○ 本発明
15 ITO/PET あり 例示色素D−14 〇 × 〇 ◎ 本発明
16 ITO/PET あり 例示色素D−14 × × 〇 〇 本発明
17 FTO/GL あり 増感色素A 〇 × 〇 △ 比較例
18 FTO/GL あり 増感色素A × 〇 〇 △ 比較例
19 FTO/GL あり 増感色素A × × 〇 △ 比較例
20 FTO/GL あり 感色素A × × × △ 比較例
21 FTO/GL なし 増感色素A × × 〇 × 比較例
22 FTO/GL あり 増感色素A 〇 × 〇 × 比較例
23 ITO/PET あり 増感色素A 〇 × 〇 △ 比較例
24 ITO/PET あり 増感色素A × × 〇 × 比較例
25 FTO/GL あり 増感色素B 〇 × 〇 △ 比較例
26 FTO/GL あり 増感色素B × 〇 〇 △ 比較例
27 FTO/GL あり 増感色素B × × 〇 △ 比較例
28 FTO/GL あり 増感色素B × × × △ 比較例
29 FTO/GL なし 増感色素B × × 〇 × 比較例
30 FTO/GL あり 増感色素B 〇 × 〇 × 比較例
31 ITO/PET あり 増感色素B 〇 × 〇 △ 比較例
32 ITO/PET あり 増感色素B × × 〇 △ 比較例
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注1:GL=ガラス
また、試料6は、高TTIP濃度(P25:TTIPのモル比が1:0.356)のペーストを用いた試料を表す。他の試料(試料1〜5,7,8)は全てP25:TTIP=1:0.0356のペーストを用いている。
得られた光電変換素子に、Xeランプを光源として強度100mW/cm2の光を照射した。表8に得られた開放電圧と光電変換効率を示した。開放電圧は、7.0V以上のものを◎、6.5V以上7.0V未満のものを○、6.0V以上6.5V未満のものを△、6.0V未満のものを×として表示した。変換効率が3%以上のものを◎、2%以上5%未満のものを○、0.5%以上2%未満のものを△、0.5%未満のものを×として表示した。
なお、表中には、比較例として、ベンズイミダゾール系化合物を加えていない電解液を用いた光電変換素子の結果も示した。
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試料No. BI化合物注1 用いた色素 開放電圧/V 変換効率 備考
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1 No.1 例示色素D−3 ◎ ◎ 本発明
2 No.2 例示色素D−3 ◎ ◎ 本発明
3 No.3 例示色素D−3 ◎ ◎ 本発明
4 No.4 例示色素D−3 ◎ ◎ 本発明
5 No.5 例示色素D−3 ◎ ◎ 本発明
6 No.6 例示色素D−3 ◎ ◎ 本発明
7 No.7 例示色素D−3 〇 ○ 本発明
8 No.8 例示色素D−3 〇 〇 本発明
9 なし 例示色素D−3 〇 〇 本発明
10 No.1 例示色素D−9 ◎ ◎ 本発明
11 No.2 例示色素D−9 ◎ ◎ 本発明
12 No.3 例示色素D−9 ◎ ◎ 本発明
13 No.4 例示色素D−9 ◎ ◎ 本発明
14 No.5 例示色素D−9 ◎ ◎ 本発明
15 No.6 例示色素D−9 ◎ ◎ 本発明
16 No.7 例示色素D−9 〇 ◎ 本発明
17 No.8 例示色素D−9 〇 ◎ 本発明
18 なし 例示色素D−9 ○ 〇 本発明
19 No.1 増感色素A △ △ 比較例
20 No.2 増感色素A △ △ 比較例
21 No.3 増感色素A △ △ 比較例
22 No.4 増感色素A △ △ 比較例
23 No.5 増感色素A △ △ 比較例
24 No.6 増感色素A △ △ 比較例
25 No.7 増感色素A △ △ 比較例
26 No.8 増感色素A △ △ 比較例
27 なし 増感色素A × × 比較例
28 No.1 増感色素B △ △ 比較例
29 No.2 増感色素B △ △ 比較例
30 No.3 増感色素B △ △ 比較例
31 No.4 増感色素B △ △ 比較例
32 No.5 増感色素B △ △ 比較例
33 No.6 増感色素B △ △ 比較例
34 No.7 増感色素B △ △ 比較例
35 No.8 増感色素B × △ 比較例
36 なし 増感色素B × × 比較例
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注1:ベンズイミダゾール系化合物
(色素増感型太陽電池1)
以下に示す手順により、特開2004−152613記載の図1に示した光電極10と同様の構成を有する光電極(ただし、半導体電極2を2層構造とした。)を作製し、更に、この光電極を用いた以外は特開2004−152613記載の図1に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(半導体電極2の受光面F2の面積:1cm2)を作製した。なお、2層構造を有する半導体電極2の各層について、透明電極1に近い側に配置される層を「第1の層」、多孔体層PSに近い側に配置される層を「第2の層」という。
液状電解質におけるヨウ化亜鉛の濃度を50mmol/Lとしたこと以外は、色素増感型太陽電池1と同様の手順及び条件で色素増感型太陽電池を作製した。
液状電解質におけるヨウ化亜鉛の代わりにヨウ化リチウムを添加し、液状電解質におけるヨウ化リチウムの濃度を20mmol/Lとしたこと以外は、色素増感型太陽電池1と同様の手順及び条件で色素増感型太陽電池を作製した。
液状電解質におけるヨウ化亜鉛の代わりにヨウ化リチウムを添加し、液状電解質におけるヨウ化リチウムの濃度を100mmol/Lとしたこと以外は、色素増感型太陽電池1と同様の手順及び条件で色素増感型太陽電池を作製した。
以下の手順により電池特性評価試験を行ない、色素増感型太陽電池1、色素増感型太陽電池2、比較色素増感型太陽電池1及び比較色素増感型太陽電池2の色素増感型太陽電池の光電変換効率(η(%))を測定した。
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試料 太陽電池注1 用いた色素 変換効率 備考
No. flesh 300h後
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1 1 例示色素D−2 5.5 5.0 本発明
2 2 例示色素D−2 5.7 4.8 本発明
3 比較1 例示色素D−2 5.6 4.5 本発明
4 比較2 例示色素D−2 5.7 4.3 本発明
5 1 例示色素D−7 5.7 5.2 本発明
6 2 例示色素D−7 5.7 5.0 本発明
7 比較1 例示色素D−7 5.6 4.4 本発明
8 比較2 例示色素D−7 5.6 4.1 本発明
9 1 増感色素A 2.9 1.1 比較例
10 2 増感色素A 2.8 0.9 比較例
11 比較1 増感色素A 2.9 0.4 比較例
12 比較2 増感色素A 2.9 0.3 比較例
13 1 増感色素B 3.2 1.4 比較例
14 2 増感色素B 3.1 1.2 比較例
15 比較1 増感色素B 2.9 0.5 比較例
16 比較2 増感色素B 3.0 0.6 比較例
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注1:色素増感型太陽電池の番号
1.二酸化チタン分散液の調製
内側をテフロン(登録商標)コーティングした内容積200mlのステンレス製容器に二酸化チタン微粒子(日本アエロジル(株)製,DegussaP−25)15g、水45g、分散剤(アルドリッチ社製、TrironX−100)1g、直径0.5mmのジルコニアビーズ(ニッカトー社製)30gを入れ、サンドグラインダーミル(アイメックス社製)を用いて1500rpmで2時間分散処理した。得られた分散液からジルコニアビーズを濾別した。得られた分散液中の二酸化チタン微粒子の平均粒径は2.5μmであった。なお粒径はMALVERN社製のマスターサイザーにより測定した。
フッ素をドープした酸化スズを被覆した20mm×20mmの導電性ガラス板(旭ガラス(株)製,TCOガラス−U,表面抵抗:約30Ω/m2)を準備し、その導電層側の両端(端から3mmの幅の部分)にスペーサー用粘着テープを張った後で、導電層上にガラス棒を用いて上記分散液を塗布した。分散液の塗布後、粘着テープを剥離し、室温で1日間風乾した。次にこの半導体塗布ガラス板を電気炉(ヤマト科学(株)製マッフル炉FP−32型)に入れ、450℃で30分間焼成した。半導体塗布ガラス板を取り出し冷却した後、表10に示す色素のエタノール溶液(濃度:3×10−4mol/L)に3時間浸漬した。色素が吸着した半導体塗布ガラス板を4−tert−ブチルピリジンに15分間浸漬した後、エタノールで洗浄し、自然乾燥させた。このようにして得られた色素増感TiO2微粒子層の厚さは10μmであり、TiO2微粒子の塗布量は20g/m2であった。また色素の吸着量は、その種類に応じて0.1〜10mmol/m2の範囲内であった。
表1に示す溶媒を使用して、0.5mol/Lの電解質塩および0.05mol/Lのヨウ素を含んだ溶液を調製した。この溶液に表10に記載の重量組成比(溶媒+窒素含有高分子化合物+塩を100質量%とした場合の重量組成比)で窒素含有高分子化合物(1−1)を加え、さらに表10に記載のモル比(窒素含有高分子化合物の反応性窒素原子に対する求電子部位のモル比)で求電子剤(2−6)を混合し、均一な反応溶液とした。
(2)窒素含有高分子1−1は以下の化合物を示す。
MHIm:1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウムのヨウ素塩
MBIm:1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムのヨウ素塩
(4)溶媒
AN:アセトニトリル。
PC:プロピレンカーボネート。
NMO:3−メチル−2−オキサゾリジノン。
(5)用いた求電子剤は下記である。
(1)比較用光電気化学電池A
前述のようにして本発明の色素により色素増感されたTiO2微粒子層からなる電極A(20mm×20mm)を同じ大きさの白金蒸着ガラス板にスペーサーを介して重ねあわせた。次に両ガラス板の隙間に毛細管現象を利用して電解液(アセトニトリルと3−メチル−2−オキサゾリジノンとの体積比90/10の混合物を溶媒としたヨウ素0.05mol/L、ヨウ化リチウム0.5mol/Lの溶液)を浸透させて、比較用光電気化学電池Aを作成した。
前述のようにして本発明の色素により色素増感されたTiO2微粒子層からなる電極A(20mm×20mm)上に、電解液を塗布し、含浸させた。なお電解液は、ヘキサエチレングリコールメタクリル酸エステル(日本油脂化学(株)製,ブレンマーPE−350)1gと、エチレングリコール1gと、重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロバン−1−オン(日本チバガイギー(株)製,ダロキュア1173)20mgを含有した混合液に、ヨウ化リチウム500mgを溶解し10分間真空脱気することにより得た。次に前記混合溶液を含浸させた多孔性TiO2層を減圧下に置くことにより、多孔性TiO2層中の気泡を除き、モノマーの浸透を促した後、紫外光照射により重合して高分子化合物の均一なゲルを多孔性TiO2層の微細空孔内に充填した。このようにして得られたものをヨウ素雰囲気に30分間曝して、高分子化合物中にヨウ素を拡散させた後、白金蒸着ガラス板を重ね合わせ、比較用光電気化学電池Bを得た。
500Wのキセノンランプ(ウシオ電機(株)製)の光をAM1.5フィルター(Oriel社製)およびシャープカットフィルター(KenkoL−42)を通すことにより、紫外線を含まない模擬太陽光とした。光強度は89mW/cm2に調整した。
2 感光層
21 色素化合物
22 半導体微粒子
23 電解質
3 正孔輸送層
4 対極
5 受光電極
6 回路
Claims (7)
- 下記一般式(I)で表される色素化合物。
- 前記一般式(I)で表される色素化合物が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1に記載の色素化合物。
- 前記一般式(I)または(II)で表される色素化合物が、下記一般式(III)で表されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の色素化合物。
- 前記一般式(III)で表される色素化合物のA1で形成される含窒素複素環が、5員環又は7員環であることを特徴とする請求項3に記載の色素化合物。
- 前記一般式(III)で表される色素化合物のA1で形成される含窒素複素環が、7員環であることを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の色素化合物。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の色素化合物を増感色素として有する光電変換素子。
- 請求項6記載の光電変換素子を備えて構成された色素増感型太陽電池。
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