JP5636317B2 - 金属錯体色素、金属錯体色素組成物、光電変換素子及び光電気化学電池 - Google Patents

金属錯体色素、金属錯体色素組成物、光電変換素子及び光電気化学電池 Download PDF

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Description

本発明は、変換効率が高く、耐久性に優れた金属錯体色素、金属錯体色素組成物、光電変換素子及び光電気化学電池に関する。
光電変換素子は各種の光センサー、複写機、光電気化学電池(例えば太陽電池)等に用いられている。この光電変換素子には金属を用いたもの、半導体を用いたもの、有機顔料や色素を用いたもの、あるいはこれらを組み合わせたものなどの様々な方式が実用化されている。中でも、非枯渇性の太陽エネルギーを利用した太陽電池は、燃料が不要であり、無尽蔵なクリーンエネルギーを利用したものとして、その本格的な実用化が大いに期待されている。この中でも、シリコン系太陽電池は古くから研究開発が進められてきた。各国の政策的な配慮もあって普及が進んでいる。しかし、シリコンは無機材料であり、スループット及び分子修飾には自ずと限界がある。
そこで色素増感型太陽電池の研究が精力的に行われている。特に、スイスのローザンヌ工科大学のGraetzel等がポーラス酸化チタン薄膜の表面にルテニウム錯体からなる色素を固定した色素増感型太陽電池を開発し、アモルファスシリコン並の変換効率を実現した。これにより、色素増感型太陽電池が一躍世界の研究者から注目を集めるようになった。
特許文献1には、この技術を応用し、ルテニウム錯体色素によって増感された半導体微粒子を用いた色素増感光電変換素子が記載されている。また、廉価な有機色素を増感剤として用いた光電変換素子が報告されている。しかし、変換効率の高い光電変換素子を得るという点については十分といえない。
また、特許文献2には、特定の構造の金属錯体色素と、それを用いた光電変換素子及び光電池が報告されている。
また、光電変換素子には、長期にわたる使用中も変換効率の低下が少なく耐久性に優れることが必要とされる。耐久性という点では、特許文献1、2記載の光電変換素子では十分とはいえない。
米国特許第5463057号明細書 特開2001−291534号公報
本発明の課題は、変換効率が高く、耐久性に優れた金属錯体色素、金属錯体色素組成物、光電変換素子及び光電気化学電池を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、配位子としてシアノ基を必須の配位子として有する特定構造の金属錯体色素が耐久性に優れ、耐久性に優れた光電変換素子及び光電気化学電池を提供することができることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
<1>下記一般式(1)で表されることを特徴とする金属錯体色素。
(LLm1(LLm2(CN)m3(X1)m4・CI 一般式(1)
一般式(1)において、は金属原子を表し、LLは下記一般式(2)で表される2座の配位子であり、LLは下記一般式(3)で表される2座の配位子である。
m1及びm2はともに1を表す。m3は1又は2である。m4は0又は1である。
X1は配位子を表し、イソチオシアネート基、イソシアネート基、イソセレノシアネート基、水、ハロゲン原子、ジメチルホルムアミド基から選ばれた少なくとも1種である。
CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
Figure 0005636317
[ 一般式(2)において、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基、アミノ基、ヘテロ環基を表す。L及びLは独立にエテニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基からなる群から選ばれた少なくとも1種の2価の連結基を表す。n1は0又は1を表す。R及びRは独立、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびアリール基から選択されるに置換基を表し、b1及びb2は0から3の整数を表す。b1が1以上のときRはLと連結して環を形成していてもよく、b2が1以上のときRはLと連結して環を形成していてもよい。b1が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよい。b2が2以上のときR同士は同一でも異なっていてもよい。b1及びb2がともに1以上のときRとRが連結して環を形成していてもよい。]
Figure 0005636317
[ 一般式(3)において、A及びAは独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基およびホスホニル基から選択される酸性基またはそれらの塩を表す。L及びLは独立に単結合、エテニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基からなる群から選ばれた少なくとも1種の2価の連結基を表す。n2及びn3は独立に0〜3の整数を表し、少なくとも一方は1以上である。R及びRは独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびアリール基から選択される置換基を表す。b3及びb4は独立に0から3の整数を表す。b3が1以上のときRはLと連結して環を形成していてもよく、b4が1以上のときRはLと連結して環を形成していてもよい。b3が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよいが、互いに連結して環を形成しない。b4が2以上のときR同士は同一でも異なっていてもよいが、互いに連結して環を形成しない。b3及びb4がともに1以上のときRとRが連結して環を形成していてもよい。]
<2>前記一般式(1)におけるMがRuであることを特徴とする<1>記載の金属錯体色素。
<3>前記金属錯体色素が、下記一般式(4)又は一般式(5)で表されることを特徴とする<1>または<2>記載の金属錯体色素。
Figure 0005636317
[ 一般式(4)において、R71〜R73及びR81〜R83は、独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。ただし、R71〜R73及びR81〜R83の少なくとも1つは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。
一般式(5)において、R91〜R93及びR101〜R103は、独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。ただし、R91〜R93及びR101〜R103の少なくとも1つは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。
一般式(4)および(5)において、Xは独立にS、O、Se、NR110を表し、R110は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基であり、A〜A、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基およびホスホニル基から選択される酸性基又はそれらの塩を表す。]
<4>前記金属錯体が、下記一般式(6)又は一般式(7)で表されることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項記載の金属錯体色素。
Figure 0005636317
[ 一般式(6)及び一般式(7)において、R111〜R114は独立にアルキル基、アルキニル基またはアルコキシ基を表す。A〜A10はカルボキシル基またはそれらの塩を表す。]
<5>前記<1>〜<4>のいずれか1項記載の金属錯体色素と、下記一般式(8)で表される金属錯体色素を含むことを特徴とする金属錯体色素組成物。
(LLm21(LLm22(X2)m23・CI ・・・一般式(8)
[ 一般式(8)において、Mは一般式(1)におけるMと同義である。LLは、一般式(1)におけるLLと同義である。LLは、一般式(1)におけるLLと同義である。X2は、一般式(1)におけるX1と同義である。CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。CIは、一般式(1)におけるCIと同義である。m21とm22はともに1である。m23は1または2である。]
<6>前記一般式(8)において、MがMと同じであり、LLがLLと同じ構造であり、LLがLLと同じ構造であり、CIがCIと同じであることを特徴とする<5>記載の金属錯体色素組成物。
<7>前記金属錯体を増感色素として用いることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<8>前記<7>記載の光電変換素子を備えることを特徴とする光電気化学電池。
本発明により、変換効率が高く、耐久性に優れた金属錯体色素、金属錯体色素組成物、光電変換素子及び光電気化学電池を提供することができる。
本発明によって製造される光電変換素子の一実施態様について模式的に示した断面図である。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、配位子としてシアノ基を必須の配位子として有する特定構造の金属錯体色素は、従来の金属錯体色素の配位子として用いられていたものよりも、電子供与性が低いため、HOMOが低く、電解液からの還元(電子受け渡し)を円滑にできるため、変換効率の高い光電変換素子及び光電気化学電池を提供でき、電子供与性が低いため、耐久性に優れることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
本発明の光電変換素子の好ましい実施態様を、図1の模式的断面図を参照して説明する。
図1に示すように、光電変換素子10は、導電性支持体1、導電性支持体1上にその順序で配された、感光体層2、電荷移動体層3、及び対極4からなる。上記導電性支持体1と感光体層2とにより受光電極5を構成している。その感光体層2は半導体微粒子22と増感色素(以下、単に、色素ともいう。)21とを有している。増感色素21はその少なくとも一部において半導体微粒子22に吸着している(増感色素21は吸着平衡状態になっており、一部電荷移動体層3に存在していてもよい。)。電荷移動体層3は、例えば正孔(ホール)を輸送する正孔輸送層として機能する。感光体層2が形成された導電性支持体1は、光電変換素子10において作用電極として機能する。この光電変換素子10を外部回路6で仕事をさせるようにして、光電気化学電池100として作動させることができる。
上記受光電極5は、導電性支持体1及び導電性支持体1上に塗設される増感色素21の吸着した半導体微粒子22の感光体層2(半導体膜)よりなる電極である。感光体層2(半導体膜)に入射した光は色素を励起する。励起色素はエネルギーの高い電子を有している。そこでこの電子が増感色素21から半導体微粒子22の伝導帯に渡され、さらに拡散によって導電性支持体1に到達する。このとき増感色素21の分子は酸化体となっている。電極上の電子が外部回路6で仕事をしながら酸化体に戻ることにより、光電気化学電池100として作用する。この際、受光電極5はこの電池の負極として働く。
上記感光体層2は、後述の色素が吸着された半導体微粒子22の層からなる多孔質半導体層で構成されている。この色素は一部電解質中に解離したもの等があってもよい。感光体層2は目的に応じて設計され、多層構造からなる。
上述したように感光体層2には、特定の色素が吸着した半導体微粒子22を含むことから、受光感度が高く、光電気化学電池100として使用する場合に、高い光電変換効率を得ることができ、さらに高い耐久性を有する。
(A)金属錯体色素
上記感光体層2では、多孔質半導体層が下記一般式(1)で表される少なくとも1つの色素21で増感されている。一般式(1)において、Mは金属原子を表す。
(LLm1(LLm2(CN)m3(X1)m4・CI ・・・(1)
(A1)金属原子M
は金属原子を表す。Mは好ましくは4配位又は6配位が可能な金属であり、より好ましくはRu、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、Re、Mn又はZnである。特に好ましくは、Ru、Os、Fe又はCuであり、最も好ましくはRuである。
(A2)配位子シアノ基
一般式(1)で表される金属錯体色素は、必須配位子としてシアノ基を有する。シアノ基の数であるm3は1又は2である。耐光性の観点から好ましくは、m3は2である。一方、長波という観点からはm3は1であることが好ましい。シアノ基は電子供与性が低いため、HOMOが低く、電解液からの還元(電子受け渡し)を円滑に行うことができる。配位子としてシアノ基を有することにより、光照射により励起された場合の溶液中での耐光性と、一電子酸化状態の安定性が向上したことにより半導体微粒子層に吸着された場合の耐光性を向上させることができる。また、シアノ基は電解液中の求核種に対する安定性が高く、酸化されにくいため耐光性に優れる。後述の一般式(1)で表される金属錯体色素中の構造とあいまって、耐久性に優れるという効果を奏することができる。
(A3)配位子LL
配位子LLは、下記一般式(2)により表される2座の配位子である。配位子LLの数を表すm1は1である。
Figure 0005636317
一般式(2)中のR及びRはそれぞれ独立に、アルキル基、アミノ基、ヘテロ環基を表す。これらの官能基は、さらに後述の置換基Wで置換されていてもよい。アルキル基としては、好ましくは、炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、1−エチルヘキシル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)を挙げることができる。アミノ基としては、好ましくは炭素原子数4〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジヘキシルアミノ基、N−エチルアミノ、アニリノ等、さらに好ましくは炭素原子数4〜16のアミノ基、特に好ましくは炭素数6〜16のアミノ基である。ヘテロ環基としては、好ましくは、炭素原子数1〜30のヘテロ環基、例えば、2−チエニル、2−ピロリル、2−イミダゾリル、1−イミダゾリル、4−ピリジル、3−インドリル)であり、好ましくは1〜3個の電子供与基を有するヘテロ環基であり、より好ましくはチエニルが挙げられる。該電子供与基はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基又はヒドロキシル基であるのが好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基又はヒドロキシル基であるのがより好ましく、アルキル基であるのが特に好ましい。
ここでL及びLはそれぞれ独立に、単結合、エテニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基からなる群から選ばれた少なくとも1種の2価の連結基を表す。なお、ヘテロアリーレン基とは、2価の芳香族へテロ環基である。L及びLはそれぞれ独立に、エテニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基からなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、さらに好ましくはエテニレン基、ヘテロアリーレン基からなる群から選ばれた少なくとも1種である。これらの基は、R又はRと、ピリジン環とともに共役しており、共役していることにより、共役系伸張によるε向上の効果を奏することができる。エテニレン基が置換基を有する場合、該置換基はアルキル基であるのが好ましく、メチルであるのがより好ましい。L及びLはそれぞれ独立に、炭素原子数2〜8個の共役鎖であるのが好ましく、エテニレン、ブタジエニレン、エチニレン、ブタジイニレン、メチルエテニレン又はジメチルエテニレンがより好ましく、エテニレン又はブタジエニレンが特に好ましく、エテニレンが最も好ましい。LとLは同じであっても異なっていてもよいが、同じであるのが好ましい。なお、共役鎖が炭素―炭素二重結合を含む場合、各二重結合はトランス体であってもシス体であってもよく、これらの混合物であってもよい。n1は0又は1を表し、n1は1が好ましい。
ただし、本発明では、L 及びL は独立にエテニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基からなる群から選ばれた少なくとも1種の2価の連結基である。
一般式(2)中、R、Rはそれぞれ独立に置換基を表す。置換基としては、疎水性の基であることが好ましい。置換基は、好ましくはアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)である。R、Rを疎水性の基とし、後述のように、LLに酸性基を有することにより、LLを半導体微粒子側に配向させ、R、Rを半導体微粒子層とは反対側の電解質側に配置させ、水などの求核剤の接近を抑制し、半導体微粒子に吸着した本発明の金属錯体色素の脱着を起しにくくし、耐久性の高い光電変換素子及び光電気化学電池を得ることができる。
ただし、本発明では、R 及びR は独立、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびアリール基から選択されるに置換基である。
b1及びb2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、0〜2の整数であるのが好ましく、さらに好ましくは0または1である。b1が1以上のときRはLと連結して環を形成していてもよく、b2が1以上のときRはLと連結して環を形成していてもよい。b1が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよく、R同士で環を形成しても良い。b2が2以上のときR同士は同一でも異なっていてもよく、R同士で環を形成してもよい。b1及びb2がともに1以上のときRとRが連結して環を形成していてもよい。形成する環の好ましい例としては、ベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、ピロール環、シクロヘキサン環、シクロペンタン環等が挙げられる。
(A4)配位子LL
一般式(1)中、配位子LLは2座の配位子を表す。配位子LLの数を表すm2は1である。
配位子LLは、下記一般式(3)で表される2座の配位子である。
Figure 0005636317
一般式(3)中、A及びAは独立に酸性基またはそれらの塩を表す。A及びAとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基(好ましくは炭素原子数1〜20のヒドロキサム酸基、例えば―CONHOH、―CONCHOH等)、ホスホリル基(例えば―OP(O)(OH)等)又はホスホニル基(例えば―P(O)(OH)等)又はこれらの塩を挙げることができる。A及びAは、好ましくは、カルボキシル基、ホスホリル基若しくはホスホニル基等の酸性基又はこれらの塩、さらに好ましくはカルボキシル基若しくはホスホニル基又はこれらの塩であり、より好ましくはカルボキシル基又はその塩である。
ただし、本発明では、A 及びA は独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基およびホスホニル基から選択される酸性基またはそれらの塩である・
及びLはそれぞれ独立に、単結合、エテニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基からなる群から選ばれた少なくとも1種の2価の連結基を表す。L及びLはそれぞれ独立に、単結合、またはエテニレン基及びヘテロアリーレン基からなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、さらに好ましくは単結合である。L及びLは、LLにおけるL及びLと同様のものを挙げることができる。n2及びn3は独立に0〜3の整数を表し、少なくとも一方は1以上であり、好ましくはn2及びn3は共に1である。
一般式(3)中、R、Rはそれぞれ独立に置換基を表す。置換基としては、この置換基としては、後述の置換基Wを挙げることができる。
ただし、本発明では、R 及びR は独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびアリール基から選択される置換基である。
b3及びb4は独立に0から3の整数を表す。b3が1以上のときRはLと連結して環を形成していてもよく、b4が1以上のときRはLと連結して環を形成していてもよい。b4が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよいが、互いに連結して環を形成しない。b4が2以上のときR同士は同一でも異なっていてもよいが、互いに連結して環を形成しない。b3及びb4がともに1以上のときRとRが連結して環を形成していてもよい。
配位子LLは、下記一般式(9−1)または(9−2)により表されるのが好ましい。
Figure 0005636317
なお、一般式(9−1)または(9−2)中のR201〜R204は図示の都合上1つの環上に置換したように描写しているが、その環上にあっても、または図示されたものとは異なる環状に置換していてもよい。
一般式(9−1)及び(9−2)中、R201及びR203はそれぞれ独立に酸性基を表す。R201及びR203は、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基(好ましくは炭素原子数1〜20のヒドロキサム酸基、例えば―CONHOH、―CONCHOH等)、ホスホリル基(例えば―OP(O)(OH)等)若しくはホスホニル基(例えば―P(O)(OH)等)又はこれらの塩を表す。R201及びR203は、好ましくはカルボキシル基、ホスホリル基若しくはホスホニル基等又はこれらの塩、さらに好ましくはカルボキシル基若しくはホスホニル基又はこれらの塩であり、より好ましくはカルボキシル基又はその塩である。
ただし、本発明において、上記酸性基は、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基およびホスホニル基から選択される酸性基又はそれらの塩である。
一般式(9−1)及び(9−2)中、R202及びR204はそれぞれ独立に置換基を表し、好ましくはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基又はアシルアミノ基である。
ただし、本発明では、R 202 及びR 204 は独立、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびアリール基から選択されるに置換基である。
一般式(9−1)及び(9−2)中、R201〜R204は環上のどの位置に結合していてもよい。またe1〜e4はそれぞれ独立に1〜3の整数を表し、好ましくは1〜3の整数を表し、さらに好ましくは2を表す。
e1〜e4が2以上のとき、R201〜R204はそれぞれ同じでも異なっていてもよいが、互いに環を形成しない。
(A5)配位子X1
一般式(1)中、配位子X1は1座の配位子を表す。配位子X1の数を表すm4は0又は1である。
配位子X1は、イソチオシアネート基、イソシアネート基、イソセレノシアネート基、水、ハロゲン原子、ジメチルホルムアミド基から選ばれた少なくとも1種である。X1は好ましくは、イソチオシアネート基、イソシアネート基、イソセレノシアネート基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは、イソチオシアネート基、ハロゲン原子であり、特に好ましくはイソチオシアネート基である。
(A6)対イオンCI
一般式(1)中のCIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。一般に、色素が陽イオン又は陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を有するかどうかは、色素中の金属、配位子及び置換基に依存する。
置換基が解離性基を有することなどにより、一般式(1)の色素は解離して負電荷を持ってもよい。この場合、一般式(1)の色素全体の電荷は対イオンCIにより電気的に中性とされる。
対イオンCIが正の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機又は有機のアンモニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン等)、アルカリ金属イオン又はプロトンである。
対イオンCIが負の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機陰イオンでも有機陰イオンでもよい。例えば、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとして、イオン性ポリマーあるいは色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよく、金属錯イオン(例えばビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III)等)も使用可能である。
(A7)結合基
一般式(1)で表される構造を有する色素は、半導体微粒子の表面に対する適当な結合基(interlocking group)を少なくとも1つ以上有する。この結合基を色素中に1〜6個有するのがより好ましく、1〜4個有するのがさらに好ましく、1または2個有するのが特に好ましい。カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基(例えば―CONHOH等)、ホスホリル基(例えば―OP(O)(OH)等)、ホスホニル基(例えば―P(O)(OH)等)等の酸性基(解離性のプロトンを有する置換基)を色素中に有することが好ましい。
ただし、本発明において、上記結合基は、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基およびホスホニル基から選択される酸性基又はそれらの塩である。
金属錯体色素は、下記一般式(4)又は一般式(5)で表されることが好ましい。一般式(4)において、R71〜R73及びR81〜R83は、独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。ただし、R71〜R73及びR81〜R83の少なくとも1つは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。なお、ヘテロアリール基とは芳香族へテロ環基である。
一般式(5)において、R91〜R93及びR101〜R103は、独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。ただし、R91〜R93及びR101〜R103の少なくとも1つは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。
一般式(4)および(5)において、Xは独立にS、O、Se、NR110を表し、R110は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基であり、A〜Aは酸性基又はそれらの塩を表す。下記一般式(4)又は一般式(5)の構造の金属錯体色素は、電子供与性の高い複素5員環とビピリジンが共役しているため、Ru原子に対して電子供与性が高い。これはイソチオシアナト基と比較して、電子供与性の低いCNリガンドの欠点を補強し、色素のHOMOレベルの低下を抑制し、短波化を抑制する効果を奏することができる。
ただし、A 〜A は、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基およびホスホニル基から選択される酸性基又はそれらの塩である。

Figure 0005636317
金属錯体色素は、下記一般式(6)又は一般式(7)で表されることが好ましい。一般式(6)及び一般式(7)において、R111〜R114は独立にアルキル基、アルキニル基またはアルコキシ基を表す。A〜A10はカルボキシル基またはそれらの塩を表す。下記一般式(4)又は一般式(5)の構造の金属錯体色素は、 チオフェンの高い電子供与性による色素の長波化、チオフェンの求核種に対する安定性、疎水性基を有することで水の接近を抑制し、色素の脱着を抑制できる等の効果を奏することができる。
Figure 0005636317
金属錯体色素と、下記一般式(8)で表される金属錯体色素を含む金属錯体色素組成物とすることが好ましい。下記一般式(8)において、Mは一般式(1)におけるMと同義である。LLは、一般式(1)におけるLLと同義である。LLは、一般式(1)におけるLLと同義である。X2は、一般式(1)におけるX1と同義である。CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。CIは、一般式(1)におけるCIと同義である。
(LLm21(LLm22(X2)m23・(CI)m24 ・・・一般式(8)
これらの色素を含む金属錯体色素組成物は、酸化物半導体上に吸着した際、性能低下につながるような不都合な会合を抑制する効果を奏することができる。前記一般式(8)において、MがMと同じであり、LLがLLと同じ構造であり、LLがLLと同じ構造であり、CIがCIと同じとすることにより、類似の構造を有する色素の混合物であることで、吸着状態で会合しやすく、性能低下につながる不都合な会合を抑制する効果が高まる。
本発明において前記一般式(1)で表される色素の含有量は特に限定されないが、半導体微粒子1gに対して、0.001〜1ミリモルであることが好ましく、0.1〜0.5ミリモルであることがより好ましい。上記下限値以上とすることで、半導体における増感効果を十分に得るができ、上記上限値以下とすることで色素の脱着による増感効果の低減を抑制するができる。
前記一般式(1)で表される色素の量(S)は、前記一般式(8)で表される金属錯体色素の量(R)との関係は特に限定はされないが、添加量を調節することが好ましい。具体的にモル比においてR/Sが200〜30であることが好ましく、150〜30であることがより好ましく、100〜30であることが特に好ましい。なお、本発明においては上記一般式(1)で表される色素を2種以上用いてもよい。
一般式(1)、(8)で表される色素は、溶液中における極大吸収波長が、500〜700nmの範囲であり、より好ましくは500〜650nmの範囲である。
一般式(1)で表される色素は、特開2001−291534号公報を参考に、従来の方法で調製することができる。これらの色素は、下記スキームに示されるように、CN源としてM11CNを用いて、Ru原子にCN基を導入するとともに、M10X1を用いて、RuにX1を導入することにより調製することができる。M11CN、M10X1を導入する順番は特に限定されず、同時に反応液に入れてもよい。M10とM11と同義であり、M10及びM11としては、無機もしくは有機のアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン等が挙げられる。一般式(8)の色素も同様の方法で調製することができる。
Figure 0005636317
本発明で用いる一般式(1)で表される構造を有する色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。ただし、色素D−2、D−3は参考例である。
なお、下記具体例における色素がプロトン解離性基を有する配位子を含む場合、該配位子は必要に応じて解離しプロトンを放出し、対塩を形成してもよい。また、二重結合部位に基づく幾何異性対や、錯体の配位子に基づく構造異性体が存在する場合は、それらはどちらでもよく、混合物であっても良い。
Figure 0005636317
Figure 0005636317
(置換基W)
ここで、本願明細書で使用する置換基(以下、置換基Wと称す)を説明する。
すなわち、本願明細書で、単に置換基と記載されている置換基や、置換してもよい等の特定の基に置換基してもよい置換基において、特に断りがない限り、これらは置換基Wを示し、下記に記載されている各基において好ましい範囲もそのまま適用されるものである。
置換基(置換基W)としては例えば下記に示すものが挙げられる。
・アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。上記で説明した置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。〕、
・アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、
・アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
・アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、4−メトキシフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、
・ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、
・シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)。
・ヒドロキシル基、
・アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ、2−エチルヘキシルオキシ)、
・アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、4−ヘキシルフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、
・ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
・シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、
・アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、
・カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、
・アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、
・アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
・アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、
・アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、
・アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、
・アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、
・アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、
・イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、
・アリール若しくはヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、
・メルカプト基、
・アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、
・アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、
・ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、
・スルホ基、
・アルキル若しくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、
・スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、
・スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、
・スルフィノ基、
・アルキル若しくはアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、
・アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、
・アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、
・カルボキシル基、
・アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、
・アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、
・カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
・ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、
・ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、
・ホスフィニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、
・ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、
・ホスフォ基
・ホスフォニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフォニル基、例えば、ホスフォニル、オクチルオキシホスフィニル、メトキシホスフォニル、エトキシホスフィニル)、
・ホスフォニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフォニルオキシ基、例えば、フェノキシホスフォニルオキシ、オクチルオキシホスフォニルオキシ、エトキシホスフォニルオキシ)、
・ホスフォニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフォニルアミノ基、例えば、メトキシホスフォニルアミノ、ジメチルアミノホスフォニルアミノ)、
・シアノ基、
・ニトロ基、及び
・ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)。
また、置換基は更に置換されていてもよい。その際、置換基の例としては前述の置換基Wを挙げることができる。
(B)電荷移動体
本発明の光電変換素子10に用いられる電解質組成物には、酸化還元対として、例えばヨウ素とヨウ化物(例えばヨウ化リチウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム等)との組み合わせ、アルキルビオローゲン(例えばメチルビオローゲンクロリド、ヘキシルビオローゲンブロミド、ベンジルビオローゲンテトラフルオロボレート)とその還元体との組み合わせ、ポリヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン、ナフトハイドロキノン等)とその酸化体との組み合わせ、2価と3価の鉄錯体(例えば赤血塩と黄血塩)の組み合わせ等が挙げられる。これらのうちヨウ素とヨウ化物との組み合わせが好ましい。
ヨウ素塩のカチオンは5員環又は6員環の含窒素芳香族カチオンであるのが好ましい。特に、一般式(1)により表される化合物がヨウ素塩でない場合は、再公表WO95/18456号公報、特開平8−259543号公報、電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)等に記載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等のヨウ素塩を併用するのが好ましい。
本発明の光電変換素子10に使用される電解質組成物中には、ヘテロ環4級塩化合物と共にヨウ素を含有するのが好ましい。ヨウ素の含有量は電解質組成物全体に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5質量%であるのがより好ましい。
本発明の光電変換素子10に用いられる電解質組成物は溶媒を含んでいてもよい。電解質組成物中の溶媒含有量は組成物全体の50質量%以下であるのが好ましく、30質量%以下であるのがより好ましく、10質量%以下であるのが特に好ましい。
溶媒としては低粘度でイオン移動度が高いか、高誘電率で有効キャリアー濃度を高めることができるか、又はその両方であるために優れたイオン伝導性を発現できるものが好ましい。このような溶媒としてカーボネート化合物(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、複素環化合物(3−メチル−2−オキサゾリジノン等)、エーテル化合物(ジオキサン、ジエチルエーテル等)、鎖状エーテル類(エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等)、ニトリル化合物(アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ビスシアノエチルエーテル等)、エステル類(カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等)、非プロトン性極性溶媒(ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルフォラン等)、水、特開2002−110262記載の含水電解液、特開2000−36332号公報、特開2000−243134号公報、及び再公表WO/00−54361号公報記載の電解質溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は二種以上を混合して用いてもよい。
また、電解質溶媒として、室温において液体状態であり、及び室温よりも低い融点を有する電気化学的に不活性な塩を用いても良い。例えば、1−エチルー3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチルー3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート等にイミダゾリウム塩、ピリジニウム塩などの含窒素ヘテロ環四級塩化合物、又はテトラアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
本発明の光電変換素子に用いられる電解質組成物には、ポリマーやオイルゲル化剤を添加したり、多官能モノマー類の重合やポリマーの架橋反応等の手法によりゲル化(固体化)してもよい。
ポリマーを添加することにより電解質組成物をゲル化させる場合、Polymer Electrolyte Reviews−1及び2(J. R. MacCallumとC. A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLIED SCIENCE)に記載された化合物等を添加することができる。この場合、ポリアクリロニトリル又はポリフッ化ビニリデンを用いるのが好ましい。
オイルゲル化剤を添加することにより電解質組成物をゲル化させる場合は、オイルゲル化剤としてJ.Chem.Soc.Japan,Ind.Chem.Soc.,46779(1943)、J.Am.Chem.Soc.,111,5542(1989)、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,390(1993)、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,35,1949(1996)、Chem.Lett.,885,(1996)、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,545,(1997)等に記載された化合物を使用することができ、アミド構造を有する化合物を用いるのが好ましい。
多官能モノマー類の重合によって電解質組成物をゲル化する場合は、多官能モノマー類、重合開始剤、電解質及び溶媒から溶液を調製し、キャスト法、塗布法、浸漬法、含浸法等の方法により色素を担持した電極上にゾル状の電解質層を形成し、その後多官能モノマーのラジカル重合によってゲル化させる方法が好ましい。多官能モノマー類はエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物であることが好ましく、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等が好ましい。
ゲル電解質は上記多官能モノマー類の他に単官能モノマーを含む混合物の重合によって形成してもよい。単官能モノマーとしては、アクリル酸又はα−アルキルアクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等)或いはそれらのエステル又はアミドやビニルエステル類(酢酸ビニル等)、マレイン酸又はフマル酸又はそれらから誘導されるエステル類(マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチル等)、p−スチレンスルホン酸のナトリウム塩、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジエン類(ブタジエン、シクロペンタジエン、イソプレン等)、芳香族ビニル化合物(スチレン、p−クロロスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム等)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メタクリルスルホン酸ナトリウム、ビニリデンフルオライド、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエーテル類(メチルビニルエーテル等)、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン、N−フェニルマレイミド等が使用可能である。
多官能モノマーの配合量は、モノマー全体に対して0.5〜70質量%とすることが好ましく、1.0〜50質量%であるのがより好ましい。上述のモノマーは、大津隆行・木下雅悦共著「高分子合成の実験法」(化学同人)や大津隆行「講座重合反応論1ラジカル重合(I)」(化学同人)に記載された一般的な高分子合成法であるラジカル重合によって重合することができる。本発明で使用するゲル電解質用モノマーは加熱、光又は電子線によって、或いは電気化学的にラジカル重合させることができるが、特に加熱によってラジカル重合させるのが好ましい。この場合、好ましく使用できる重合開始剤は2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオクトエート等の過酸化物系開始剤等である。重合開始剤の好ましい添加量はモノマー総量に対し0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%である。
ゲル電解質に占めるモノマーの重量組成範囲は0.5〜70質量%であるのが好ましい
。より好ましくは1.0〜50質量%である。ポリマーの架橋反応により電解質組成物をゲル化させる場合は、組成物に架橋可能な反応性基を有するポリマー及び架橋剤を添加するのが好ましい。好ましい反応性基はピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環等の含窒素複素環であり、好ましい架橋剤は窒素原子が求核攻撃できる官能基を2つ以上有する化合物(求電子剤)であり、例えば2官能以上のハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イソシアネート等である。
本発明の電解質組成物には、金属ヨウ化物(LiI、NaI、KI、CsI、CaI等)、金属臭化物(LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr 2等)、4級アンモニウム臭素塩(テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等)、金属錯体(フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオン等)、イオウ化合物(ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等)、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等を添加してよい。これらは混合して用いてもよい。
また、本発明ではJ.Am.Ceram.Soc.,80,(12),3157−3171 (1997)に記載のt−ブチルピリジンや、2−ピコリン、2,6−ルチジン等の塩基性化合物を添加してもよい。塩基性化合物を添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05〜2Mである。
また、本発明の電解質としては、正孔導体物質を含む電荷輸送層を用いても良い。正孔導体物質として、9,9’−スピロビフルオレン誘導体などを用いることができる。
また、電極層、感光体層(光電変換層)、電荷移動体層(ホール輸送層)、伝導層、対極層を順次に積層することができる。p型半導体として機能するホール輸送材料をホール輸送層として用いることができる。好ましいホール輸送層としては、例えば無機系又は有機系のホール輸送材料を用いることができる。無機系ホール輸送材料としては、CuI、CuO,NiO等が挙げられる。また、有機系ホール輸送材料としては、高分子系と低分子系のものが挙げられ、高分子系のものとしては、例えばポリビニルカルバゾール、ポリアミン、有機ポリシラン等が挙げられる。また、低分子系のものとしては、例えばトリフェニルアミン誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体、フェナミン誘導体等が挙げられる。この中でも有機ポリシランは、従来の炭素系高分子と異なり、主鎖のSiに沿って非局化されたσ電子が光伝導に寄与し、高いホール移動度を有するため、好ましい(Phys. Rev. B, 35, 2818(1987))。
上記伝導層は、導電性のよいものであれば特に限定されないが、例えば無機導電性材料、有機導電性材料、導電性ポリマー、分子間電荷移動錯体等が挙げられる。中でもドナー材料とアクセプター材料とから形成された分子間電荷移動錯体が好ましい。この中でも、有機ドナーと有機アクセプターとから形成されたものを好ましく用いることができる。
この伝導層の厚みは、特に限定されないが、多孔質を完全に埋めることができる程度が好ましい。
上記ドナー材料は、分子構造内で電子がリッチなものが好ましい。例えば、有機ドナー材料としては、分子のπ電子系に、アミン基、水酸基、エーテル基、セレン又は硫黄原子を有するものが挙げられ、具体的には、フェニルアミン系、トリフェニルメタン系、カルバゾール系、フェノール系、テトラチアフルバレン系材料が挙げられる。アクセプター材料としては、分子構造内で電子不足なものが好ましい。例えば、有機アクセプター材料としては、フラーレン、分子のπ電子系にニトロ基、シアノ基、カルボキシル基又はハロゲン基等の置換基を有するものが挙げられ、具体的にはPCBM、ベンゾキノン系、ナフトキノン系等のキノン系、フロオレノン系、クロラニル系、ブロマニル系、テトラシアノキノジメタン系、テトラシアノンエチレン系等が挙げられる。
(C)導電性支持体
図1に示すように、本発明の光電変換素子には、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に増感色素21が吸着された感光体層2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子の分散液を導電性支持体に塗布・乾燥後、本発明の色素溶液に浸漬することにより、感光体層2を製造することができる。
導電性支持体1としては、金属のように支持体そのものに導電性があるものか、又は表面に導電膜層を有するガラスや高分子材料を使用することができる。導電性支持体1は実質的に透明であることが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、80%以上が特に好ましい。導電性支持体1としては、ガラスや高分子材料に導電性の金属酸化物を塗設したものを使用することができる。このときの導電性の金属酸化物の塗布量は、ガラスや高分子材料の支持体1m2当たり、0.1〜100gが好ましい。透明導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。好ましく使用される高分子材料の一例として、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAR)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等を挙げることができる。導電性支持体1上には、表面に光マネージメント機能を施してもよく、例えば、特開2003−123859記載の高屈折膜及び低屈性率の酸化物膜を交互に積層した反射防止膜、特開2002−260746記載のライトガイド機能が上げられる。
この他にも、金属支持体も好ましく使用することができる。その一例としては、チタン、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス、銅を挙げることができる。これらの金属は合金であってもよい。さらに好ましくは、チタン、アルミニウム、銅が好ましく、特に好ましくは、チタンやアルミニウムである。
導電性支持体1上には、紫外光を遮断する機能を持たせることが好ましい。例えば、紫外光を可視光に変えることが出来る蛍光材料を透明支持体中又は、透明支持体表面に存在させる方法や紫外線吸収剤を用いる方法も挙げられる。
導電性支持体1上には、さらに特開平11−250944号公報等に記載の機能を付与してもよい。
好ましい導電膜としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、もしくは導電性の金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)が挙げられる。
導電膜の厚さは0.01〜30μmであることが好ましく、0.03〜25μmであることが更に好ましく、特に好ましくは0.05〜20μmである。
導電性支持体1は表面抵抗が低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲としては50Ω/cm2以下であり、さらに好ましくは10Ω/cm2以下である。この下限に特に制限はないが、通常0.1Ω/cm2程度である。
導電膜の抵抗値はセル面積が大きくなると大きくなる為、集電電極を配置してもよい。導電性支持体1と透明導電膜の間にガスバリア膜及びイオン拡散防止膜のどちらか一方又は両方を配置しても良い。ガスバリア層としては、樹脂膜や無機膜を使用することができる。
また、透明電極と多孔質半導体電極光触媒含有層を設けてもよい。透明導電膜は積層構造でも良く、好ましい方法としてたとえば、ITO上にFTOを積層することができる。
(D)半導体微粒子
図1に示すように、本発明の光電変換素子10には、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に増感色素21が吸着された感光体層2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子22の分散液を前記導電性支持体1に塗布・乾燥後、上述の色素溶液に浸漬することにより、感光体層2を製造することができる。
半導体微粒子22としては、好ましくは金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)又はペロブスカイトの微粒子が用いられる。金属のカルコゲニドとしては、好ましくはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、もしくはタンタルの酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。ペロブスカイトとしては、好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。これらのうち酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンが特に好ましい。
半導体には伝導に関わるキャリアーが電子であるn型とキャリアーが正孔であるp型が存在するが、本発明の素子ではn型を用いることが変換効率の点で好ましい。n型半導体には、不純物準位をもたず伝導帯電子と価電子帯正孔によるキャリアーの濃度が等しい固有半導体(例えば真性半導体)の他に、不純物に由来する構造欠陥により電子キャリアー濃度の高いn型半導体が存在する。本発明で好ましく用いられるn型の無機半導体は、TiO、TiSrO、ZnO、Nb、SnO、WO、Si、CdS、CdSe、V、ZnS、ZnSe、SnSe、KTaO、FeS、PbS、InP、GaAs、CuInS、CuInSeなどである。これらのうち最も好ましいn型半導体はTiO、ZnO、SnO、WO、ならびにNbである。また、これらの半導体の複数を複合させた半導体材料も好ましく用いられる。
半導体微粒子22の作製法としては、作花済夫の「ゾル・ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)等に記載のゲル・ゾル法が好ましい。またDegussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解により酸化物を作製する方法も好ましい。半導体微粒子22が酸化チタンの場合、上記ゾル・ゲル法、ゲル・ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の「酸化チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997年)に記載の硫酸法及び塩素法を用いることもできる。さらにゾル・ゲル法として、バルべ等のジャーナル・オブ・アメリカン・セラミック・ソサエティー,第80巻,第12号,3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、バーンサイドらのケミストリー・オブ・マテリアルズ,第10巻,第9号,2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
この他に、半導体微粒子の製造方法として、例えば、チタニアナノ粒子の製造方法として好ましくは、四塩化チタンの火炎加水分解による方法、四塩化チタンの燃焼法、安定なカルコゲナイド錯体の加水分解、オルトチタン酸の加水分解、可溶部と不溶部から半導体微粒子を形成後に可溶部を溶解除去する方法、過酸化物水溶液の水熱合成、又はゾル・ゲル法によるコア/シェル構造の酸化チタン微粒子の製造方法が挙げられる。
チタニアの結晶構造としては、アナターゼ型、ブルッカイト型、又は、ルチル型があげられ、アナターゼ型、ブルッカイト型が好ましい。
チタニアナノチューブ・ナノワイヤー・ナノロッドをチタニア微粒子に混合してもよい。
チタニアは、非金属元素などによりドーピングされていても良い。チタニアへの添加剤としてドーパント以外に、ネッキングを改善する為のバインダーや逆電子移動防止の為に表面へ添加剤を用いても良い。好ましい添加剤の例としては、ITO、SnO粒子、ウイスカー、繊維状グラファイト・カーボンナノチューブ、酸化亜鉛ネッキング結合子、セルロース等の繊維状物質、金属、有機シリコン、ドデシルベンゼンスルホン酸、シラン化合物等の電荷移動結合分子、及び電位傾斜型デンドリマーなどが挙げられる。
チタニア上の表面欠陥を除去するなどの目的で、色素吸着前にチタニアを酸塩基又は酸化還元処理しても良い。エッチング、酸化処理、過酸化水素処理、脱水素処理、UV−オゾン、酸素プラズマなどで処理してもよい。
(E)半導体微粒子分散液
本発明においては、半導体微粒子以外の固形分の含量が、半導体微粒子分散液全体の10質量%以下よりなる半導体微粒子分散液を前記導電性支持体1に塗布し、適度に加熱することにより、多孔質半導体微粒子塗布層を得ることができる。
半導体微粒子分散液を作製する方法としては、前述のゾル・ゲル法の他に、半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま使用する方法、微粒子に超音波などを照射して超微粒子に粉砕する方法、又はミルや乳鉢などを使って機械的に粉砕しすり潰す方法、等が挙げられる。分散溶媒としては、水及び各種の有機溶媒のうちの一つ以上を用いることができる。有機溶媒としては、メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール,シトロネロール,ターピネオールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ジクロロメタン、アセトニトリル等が挙げられる。
分散の際、必要に応じて例えばポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのようなポリマー、界面活性剤、酸、又はキレート剤等を分散助剤として少量用いてもよい。しかし、これらの分散助剤は、導電性支持体上へ製膜する工程の前に、ろ過法や分離膜を用いる方法、あるいは遠心分離法などによって大部分を除去しておくことが好ましい。半導体微粒子分散液は、半導体微粒子以外の固形分の含量が分散液全体の10質量%以下とすることができる。この濃度は好ましくは5%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは1%以下である。さらに好ましくは0.5%以下であり、特に好ましくは0.2%である。すなわち、半導体微粒子分散液中に、溶媒と半導体微粒子以外の固形分を半導体微分散液全体の10質量%以下とすることができる。実質的に半導体微粒子と分散溶媒のみからなることが好ましい。
半導体微粒子分散液の粘度が高すぎると分散液が凝集してしまい製膜することができず、逆に半導体微粒子分散液の粘度が低すぎると液が流れてしまい製膜することができないことがある。したがって分散液の粘度は、25℃で10〜300N・s/mが好ましい。さらに好ましくは、25℃で50〜200N・s/mである。
半導体微粒子分散液の塗布方法としては、アプリケーション系の方法としてローラ法、ディップ法等を使用することができる。またメータリング系の方法としてエアーナイフ法、ブレード法等を使用することができる。またアプリケーション系の方法とメータリング系の方法を同一部分にできるものとして、特公昭58−4589号に開示されているワイヤーバー法、米国特許2681294号明細書等に記載のスライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が好ましい。また汎用機を使用してスピン法やスプレー法で塗布するのも好ましい。湿式印刷方法としては、凸版、オフセット及びグラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等が好ましい。これらの中から、液粘度やウェット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。また本発明の半導体微粒子分散液は粘度が高く、粘稠性を有するため、凝集力が強いことがあり、塗布時に支持体とうまく馴染まない場合がある。このような場合に、UVオゾン処理で表面のクリーニングと親水化を行うことにより、塗布した半導体微粒子分散液と導電性支持体1表面の結着力が増し、半導体微粒子分散液の塗布が行い易くなる。
半導体微粒子層全体の好ましい厚さは0.1μm〜100μmである。半導体微粒子層の厚さはさらに1μm〜30μmが好ましく、2μm〜25μmがより好ましい。半導体微粒子の支持体1m当りの担持量は0.5g〜400gが好ましく、5g〜100gがより好ましい。
塗布した半導体微粒子の層に対し、半導体微粒子同士の電子的接触の強化と、支持体との密着性の向上のため、また塗布した半導体微粒子分散液を乾燥させるために、加熱処理が施される。この加熱処理により多孔質半導体微粒子層を形成することができる。
また、加熱処理に加えて光のエネルギーを用いることもできる。例えば、半導体微粒子22として酸化チタンを用いた場合に、紫外光のような半導体微粒子22が吸収する光を与えることで表面を活性化してもよいし、レーザー光などで半導体微粒子22表面のみを活性化することができる。半導体微粒子22に対して該微粒子が吸収する光を照射することで、粒子表面に吸着した不純物が粒子表面の活性化によって分解され、上記の目的のために好ましい状態とすることができる。加熱処理と紫外光を組み合わせる場合は、半導体微粒子22に対して該微粒子が吸収する光を照射しながら、加熱が100℃以上250℃以下あるいは好ましくは100℃以上150℃以下で行われることが好ましい。このように、半導体微粒子22を光励起することによって、微粒子層内に混入した不純物を光分解により洗浄するとともに、微粒子の間の物理的接合を強めることができる。
また、半導体微粒子分散液を前記導電性支持体1に塗布し、加熱や光を照射する以外に他の処理を行ってもよい。好ましい方法として例えば、通電、化学的処理などが挙げられる。
塗布後に圧力をかけても良く、圧力をかける方法としては、特表2003−500857号公報等が挙げられる。光照射の例としては、特開2001−357896号公報等が挙げられる。プラズマ・マイクロ波・通電の例としては、特開2002−353453号公報等が挙げられる。化学的処理としては、例えば特開2001−357896号公報が挙げられる。
上述の半導体微粒子22を導電性支持体1上に塗設する方法は、上述の半導体微粒子分散液を導電性支持体1上に塗布する方法のほか、特許第2664194号公報に記載の半導体微粒子22の前駆体を導電性支持体1上に塗布し空気中の水分によって加水分解して半導体微粒子膜を得る方法などの方法を使用することができる。
前駆体として例えば、(NHTiF、過酸化チタン、金属アルコキシド・金属錯体・金属有機酸塩等が挙げられる。
また、金属有機酸化物(アルコキシドなど)を共存させたスラリーを塗布し加熱処理、光処理などで半導体膜を形成する方法、無機系前駆体を共存させたスラリー、スラリーのpHと分散させたチタニア粒子の性状を特定した方法が挙げられる。これらスラリーには、少量であればバインダーを添加しても良く、バインダーとしては、セルロース、フッ素ポリマー、架橋ゴム、ポリブチルチタネート、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
半導体微粒子22又はその前駆体層の形成に関する技術としては、コロナ放電、プラズマ、UVなどの物理的な方法で親水化する方法、アルカリやポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸などによる化学処理、ポリアニリンなどの接合用中間膜の形成などが挙げられる。
半導体微粒子22を導電性支持体1上に塗設する方法として、上述の(1)湿式法とともに、(2)乾式法、(3)その他の方法を併用しても良い。(2)乾式法として好ましくは、特開2000−231943号公報等が挙げられる。(3)その他の方法として、好ましくは、特開2002−134435号公報等が挙げられる。
乾式法としては、蒸着やスパッタリング、エアロゾルデポジション法などが挙げられる。また、電気泳動法・電析法を用いても良い。
また、耐熱基板上でいったん塗膜を作製した後、プラスチック等のフィルムに転写する方法を用いても良い。好ましくは、特開2002−184475号公報記載のEVAを介して転写する方法、特開2003−98977号公報記載の紫外線、水系溶媒で除去可能な無機塩を含む犠牲基板上に半導体層・導電層を形成後、有機基板に転写後、犠牲基板を除去する方法などが挙げられる。
半導体微粒子22は多くの増感色素21を吸着することができるように表面積の大きいものが好ましい。例えば半導体微粒子22を導電性支持体1上に塗設した状態で、その表面積が投影面積に対して10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。この上限には特に制限はないが、通常5000倍程度である。好ましい半導体微粒子22の構造としては、特開2001−93591号公報等が挙げられる。
一般に、半導体微粒子層の厚みが大きいほど単位面積当たりに担持できる増感色素21の量が増えるため光の吸収効率が高くなるが、発生した電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大きくなる。半導体微粒子層の好ましい厚みは素子の用途によって異なるが、典型的には0.1μm〜100μmである。光電気化学電池として用いる場合は1μm〜50μmであることが好ましく、3μm〜30μmであることがより好ましい。半導体微粒子は、支持体に塗布した後に粒子同士を密着させるために、100℃〜800℃の温度で10分〜10時間加熱してもよい。支持体としてガラスを用いる場合、製膜温度は400℃〜600℃が好ましい。
支持体として高分子材料を用いる場合、250℃以下で製膜後に加熱することが好ましい。その場合の製膜方法としては、(1)湿式法、(2)乾式法、(3)電気泳動法(電析法を含む)の何れでも良く、好ましくは、(1)湿式法、又は(2)乾式であり、更に好ましくは、(1)湿式法である。
なお、半導体微粒子22の支持体1m当たりの塗布量は0.5g〜500g、さらには5g〜100gが好ましい。
半導体微粒子22に増感色素21を吸着させるには、溶液と本発明にかかる色素よりなる色素吸着用色素溶液の中に、よく乾燥した半導体微粒子22を長時間浸漬するのが好ましい。色素吸着用色素溶液に使用される溶液は、本発明にかかる増感色素21が溶解できる溶液なら特に制限なく使用することができる。例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、トルエン、t-ブタノール、アセトニトリル、アセトン、n−ブタノールなどを使用することができる。その中でも、エタノール、トルエンを好ましく使用することができる。
溶液と本発明の色素よりなる色素吸着用色素溶液は必要に応じて50℃ないし100℃に加熱してもよい。増感色素21の吸着は半導体微粒子22の塗布前に行っても塗布後に行ってもよい。また、半導体微粒子22と増感色素21を同時に塗布して吸着させてもよい。未吸着の増感色素21は洗浄によって除去する。塗布膜の焼成を行う場合は増感色素21の吸着は焼成後に行うことが好ましい。焼成後、塗布膜表面に水が吸着する前にすばやく増感色素21を吸着させるのが特に好ましい。吸着する増感色素21は上記の色素A1の1種類でもよいし、さらにほかの色素を混合してもよい。光電変換の波長域をできるだけ広くするように、混合する色素が選ばれる。色素を混合する場合は、すべての色素が溶解するようにして、色素吸着用色素溶液とすることが好ましい。
増感色素21の使用量は、全体で、支持体1m当たり0.01mmol〜100mmolが好ましく、より好ましくは0.1mmol〜50mmol、特に好ましくは0.1mmol〜10mmolである。この場合、本発明にかかる増感色素21の使用量は5mol%以上とすることが好ましい。
また、増感色素21の半導体微粒子22に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して0.001mmol〜1mmolが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5mmolである。
このような色素量とすることによって、半導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分となり、色素量が多すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
また、会合など色素同士の相互作用を低減する目的で無色の化合物を共吸着させてもよい。共吸着させる疎水性化合物としてはカルボキシル基を有するステロイド化合物(例えばコール酸、ピバロイル酸)等が挙げられる。
増感色素21を吸着した後に、アミン類を用いて半導体微粒子22の表面を処理してもよい。好ましいアミン類としては4−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。これらは液体の場合はそのまま用いてもよいし有機溶媒に溶解して用いてもよい。
対極4は、光電気化学電池の正極として働くものである。対極4は、通常前述の導電性支持体1と同義であるが、強度が十分に保たれるような構成では対極の支持体は必ずしも必要でない。ただし、支持体を有する方が密閉性の点で有利である。対極4の材料としては、白金、カーボン、導電性ポリマー、などがあげられる。好ましい例としては、白金、カーボン、導電性ポリマーが挙げられる。
対極4の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。好ましい例としては、特開平10−505192号公報などが挙げられる。
受光電極5は酸化チタンと酸化スズ(TiO/SnO)などの複合電極を用いても良く、チタニアの混合電極として例えば、特開2000−113913号公報等が挙げられる。チタニア以外の混合電極として例えば、特開2001−185243号公報、特開2003−282164号公報等が挙げられる。
また、光電変換素子の構成としては、第1電極層、第1光電変換層、導電層、第2光電変換層、第2電極層を順次積層した構造を有していても良い。この場合、第1光電変換層と第2光電変換層に用いる色素は同一又は異なっていてもよく、異なっている場合には、吸収スペクトルが異なっていることが好ましいい。
受光電極5は、入射光の利用率を高めるなどのためにタンデム型にしても良い。好ましいタンデム型の構成例としては、特開2000−90989、特開2002−90989号公報等に記載の例が挙げられる。
受光電極5の層内部で光散乱、反射を効率的に行う光マネージメント機能を設けてもよい。好ましくは、特開2002−93476号公報に記載のものが挙げられる。
導電性支持体1と多孔質半導体微粒子層の間には、電解液と電極が直接接触することによる逆電流を防止する為、短絡防止層を形成することが好ましい。好ましい例としては、特開平06−507999号公報等が挙げられる。
受光電極5と対極4の接触を防ぐ為に、スペーサーやセパレータを用いることが好ましい。好ましい例としては、特開2001−283941号公報が挙げられる。
セル、モジュールの封止法としては、ポリイソブチレン系熱硬化樹脂、ノボラック樹脂、光硬化性(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、アイオノマー樹脂、ガラスフリット、アルミナにアルミニウムアルコキシドを用いる方法、低融点ガラスペーストをレーザー溶融する方法などが好ましい。ガラスフリットを用いる場合、粉末ガラスをバインダーとなるアクリル樹脂に混合したものでもよい。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(金属錯体色素の調製)
<例示色素D−16の調整>
前記具体例に示した一般式(1)の金属錯体色素のうち、D−16を、特開2001−291534号公報記載の方法を参考に、以下に示す方法で調製した。
Figure 0005636317
<リガンド合成>
(i)化合物d−1−2の調製
25gのd−1−1、3.8gのPd(dba) 、トリフェニルホスフィン8.6g、ヨウ化銅2.5g、1−へプチン25.2gをトリエチルアミン70mL、テトラヒドロフラン50mLに室温で攪拌し、80℃で4.5時間攪拌した。濃縮後カラムクロマトグラフィーで精製することで26.4gの化合物d−1−2を得た。
(ii)d−1−4の調製
6.7gのd−1−3を窒素雰囲気下、−15℃でTHF(テラヒドロフラン)200mLに溶解し、別途調整したLDA(リチウムジイソプロピルアミド)をd−1−3の2.5等量を滴下し、75分攪拌した。その後、15gのd−1−2をTHF30mLに溶解した溶液を滴下し0℃で1時間攪拌し、室温で終夜攪拌した。濃縮後、水150mLを加え、塩化メチレン150mLで分液・抽出し、塩水で有機層を洗浄し、有機層を濃縮した。得られた結晶はメタノールで再結晶後、18.9gのd−1−4を得た。
(iii)化合物d−1−5の調製
13.2gのd−1−4、PPTS(ピリジニウムパラトルエンスルホン酸)1.7gを、トルエン1000mLに加え、窒素雰囲気下で5時間加熱還流を行った。濃縮後、飽和重曹水及び塩化メチレンで分液を行い、有機層を濃縮した。得られた結晶はメタノール及び塩化メチレンで再結晶後、11.7gのd−1−5を得た。
<錯体化>
(iv)例示色素D−16の調製
3.0gの化合物d−1−5、1.64gのd−1−6をDMF35mLに加え暗所で70℃で90分攪拌した。その後1.3gのd−1−7を加え、DMF270mLを加え、160℃で150分加熱攪拌した。その後、407mgのチオシアン酸アンモニウム及びシアン化カリウム348mgを加え130℃で5時間攪拌した。濃縮後、水300mL加え、ろ過し、ジエチルエーテルで洗い、粗精製物を得た。これをTBAOH(水酸化テトラブチルアンモニウム)と共にメタノール溶液に溶解し、SephadexLH−20カラムで精製した。主層の分画を回収し濃縮後硝酸0.2Mを添加して、沈殿物を得た。ろ過後水及びジエチルエーテルで洗い、1.6gのD−16を得た。
得られた化合物D−16の構造は、NMR測定及びMS測定を行い、以下の結果を得ることにより確認した。
H−NMR(DMSO−d、400MHz):δ(ppm)in aromatic regions:9.35(1H,d),9.09(1H,d),9.03(1H,s)、8.88(2H),8.72(1H,s),8.24(1H,d),8.08−7.97(2H),7.85−7.73(2H),7.60(1H,d),7.43−7.32(2H),7.32−7.11(5H,m),6.90(1H,d)
MS−ESI m/z : 991.162 (M+H)
また、テトラヒドロフラン:水=63:37(0.1%トリフルオロ酢酸)の溶媒中に上記D−16の色素の濃度が8.5μmol/Lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は540nmであった。
<例示色素D−17の調製>
D−16の調製時の(iv)で、チオシアン酸アンモニウムを使用せず、シアン化カリウムをRu原子に対して35当量使用すること以外は同様にして、D−17を調製した。
MS−ESI m/z : 959.193 (M+H)+
また、テトラヒドロフラン:水=63:37(0.1%トリフルオロ酢酸)の溶媒中に上記D−17の色素の濃度が8.5μmol/Lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は515nmであった。
<例示色素D−14の調製>
Figure 0005636317
25gのd−2−1を500mLのテトラヒドロフランに溶解し氷冷し、1.05等量のn−ブチルリチウム(1.6mol/Lヘキサン溶液)を滴下した。その後ジメチルホルムアミドを1.5等量滴下し、室温で1時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を滴下し、分液・抽出し、濃縮後、減圧蒸留で精製することで化合物25.6gのd−2−2を得た。
その後、D−16を調製するときに使用したd−1−2をd−2−2に変更すること以外は同様にして、D−15を得た。さらに0.2N硝酸を用いて、系内を強酸性にすることでD−14を得た。
MS−ESI m/z : 971.193 (M+H)+
また、テトラヒドロフラン:水=63:37(0.1%トリフルオロ酢酸)の溶媒中に上記D−14の色素の濃度が4.25μmol/Lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は539nmであった。
<例示色素D−12、D−13の調製>
D−17を調製するときに使用したd−1−2をd−2−2に変更すること以外は同様にして、D−13を得た。さらに0.2N硝酸を用いて、系内を強酸性にすることでD−12を得た。
MS−ESI m/z : 939.221(M+H)+
また、テトラヒドロフラン:水=63:37(0.1%トリフルオロ酢酸)の溶媒中に上記D−13の色素の濃度が4.25μmol/Lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は513nmであった。
<例示色素D−9の調製>
d−3−1(4,4’−ジブロモ−2,2’−ビピリジル(東京化成工業株式会社製))からd−3−2をTetrahedron Letters,1998,vol.39,p.3689−3692に記載の方法で調製した。D−14を調製するときに使用したd−1−7をd−3−2に変更すること以外は同様にして、D−9を得た。さらに0.2N硝酸を用いて、系内を強酸性にすることでD−9を得た。
MS−ESI m/z : 1041.132 (M+H)+
Figure 0005636317
<例示色素D−3の調製>
D−16を調製するときに使用したd−1−2をd−4−1(4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジル(東京化成工業株式会社製))に変更すること以外は同様にして、D−3を得た。MS−ESI m/z : 839.284(M+H)+
Figure 0005636317
(金属錯体色素組成物の調製)
<比較例1の色素調製>
D−12の調製時に、シアン化カリウムを使用せず、チオシアン酸アンモニウムをRu原子に対して35当量使用すること以外は同様にして、比較例1の色素を調製した。
MS−ESI m/z : 1003.174 (M+H)+
<金属錯体色素組成物 E−1の調製>
比較例1の色素と、比較例1の色素に対してモル比で1.0%のD−14の色素を、10%TBAOHメタノール溶液に溶解し、0.1Nの硝酸を滴下してpHを5.0に調製し、ろ過後の残渣を水及びジエチルエーテルで洗い、金属錯体色素組成物1を調製した。
<比較例3の色素調製>
D−17の調製時に使用したシアン化カリウムを使用せず、チオシアン酸アンモニウムをRu原子に対して35当量使用すること以外は同様にして、比較例3の色素を調製した。
MS−ESI m/z : 1023.145 (M+H)+
<金属錯体色素組成物 E−2の調製>
比較例3の色素と、比較例3の色素に対してモル比で1.5%のD−17の色素を、10%TBAOHメタノール溶液に溶解し、0.1Nの硝酸を滴下してpHを5.1に調製し、ろ過後の残渣を水及びジエチルエーテルで洗い、金属錯体色素組成物2を調製した。
(金属錯体色素の評価)
調製した金属錯体色素の性能について、以下の方法で評価した。
1.色素の極大吸収波長の測定
用いた色素の最大吸収波長を測定した。その結果を表1に示す。測定は、分光光度計(U−4100(商品名)、日立ハイテク社製)によって行い、溶液はTHF:水=60:40を用い、濃度が2μMになるように調整した。
Figure 0005636317
2.金属錯体色素溶液の耐光性試験
各色素の0.05mMメトキシプロピオニトリル溶液を調製し、金属錯体色素溶液の耐光性試験を実施した。この試験は、吸着状態の色素が電解液に微量溶け出したときの安定性を模擬した試験であり、溶液中、すなわち分子分散状態での励起状態の安定性を示す試験である。色素が半導体微粒子に吸着した状態と電解液への色素が溶解した状態は平衡であるので、そのどちらでも安定であることが必要である。
500Wのキセノンランプ(ウシオ電機(株)製)の光をAM1.5フィルター(Oriel社製)およびシャープカットフィルター(Kenko L−42)を通すことにより、紫外線を含まない模擬太陽光とした。光強度は89mW/cmとした。
測定:HPLCで50時間後の各色素の残存量を定量し、残存率を求めた。残存率が 85〜100%をA、75〜85%をB、65〜75%をC、65%以下をDとし、A及びBを耐光性合格とした。
HPLC測定の条件は以下である。
使用機器:システムコントローラー SCL−10AVP
カラムオーブン CTO−10ASVP
検出器 SPD−10AVVP
デガッサ DGU−14AM
送液ユニット LC−10ADVP
(商品名 島津社製)
カラム : YMC−Pack ODS−AM、型番AM−312,サイズ150×6.0mmI.D.(YMC Co., Ltd. Japan製)
流量 :0.75ml/min
溶離液 :THF/水=63/37 0.1%トリフルオロ酢酸含有
温度 :40℃
検出波長:254nm
3.金属錯体色素に添加剤を加えた溶液の暗所での安定性試験
0.1M LiI、0.05M I2、0.6M 1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、0.5M t−ブチルピリジン、5mM 水を含有するアセトニトリル及びバレロニトリル1:1の溶液に、各色素を0.02mMとなるように調液し、暗所で80℃で1000時間後の経時安定性を評価した。この試験は電解質中に存在する求核種に対する安定性の試験である。
測定は、2.と同じHPLCを用いて、色素の残存率を求めることにより、色素電解液中に存在する求核種などの添加物に対する安定性試験を行った。各色素の残存率が99〜100%をA、98〜99%をB、95〜98%をC、95%以下をDとし、A、B及びCを耐光性合格とした。
4.色素溶液に半導体微粒子電極を浸漬して色素を吸着した状態での耐光性試験
(半導体微粒子電極の作製)
ガラス基板上に、透明導電膜としてフッ素をドープした酸化スズをスパッタリングにより形成し、これをレーザーでスクライブして、透明導電膜を2つの部分に分割した。
次に、水とアセトニトリルの容量比4:1からなる混合溶媒100mlにアナターゼ型酸化チタン(日本アエロジル社製のP−25(商品名))を32g配合し、自転/公転併用式のミキシングコンディショナーを使用して均一に分散、混合し、半導体微粒子分散液を得た。この分散液を透明導電膜に塗布し、500℃で加熱して半導体微粒子電極を作製した。
その後、同様にシリカ粒子とルチル型酸化チタンとを40:60(質量比)で含有する分散液を作製し、この分散液を前記の受光電極に塗布し、500℃で加熱して絶縁性多孔体を形成した。次いで対極として炭素電極を形成した。
次に、一般式(1)であらわされる増感色素と一般式(2)で表される増感色素の両方を含むエタノール溶液(各色素の濃度は表1に示す)に、上記の絶縁性多孔体が形成されたガラス基板を12時間浸漬した。増感色素の染着したガラスを4−tert−ブチルピリジンの10%エタノール溶液に30分間浸漬した後、エタノールで洗浄し自然乾燥させた。このようにして得られる感光層の厚さは10μmであり、半導体微粒子の塗布量は20g/mであった。
(吸着耐光性試験)
上記の方法で作製した半導体微粒子電極を、暗所、40℃で3時間、各色素溶液に浸漬した。色素吸着後の半導体微粒子電極を、10%TBAOHメタノール溶液を用いて色素を脱着し、HPLCで各色素の初期吸着量を定量した。その後、同様にして調製した色素吸着後の半導体微粒子電極について、吸着耐光性試験を実施した。
吸着耐光性試験の光源としては、Xeランプ光源を用い、シャープカットフィルター(Kenko L−42)を用いた。420時間照射後の各色素の残存率を、HPLCで定量することで求めた。
色素は光を吸収し励起後、フェムト秒オーダーで非常にはやく電子が半導体微粒子層に注入される。一方、レドックス系(例えばヨウ素)からの色素の還元はピコ秒オーダーで非常に遅い。そのため、色素増感太陽電池内での色素の存在状態として、一電子酸化状態で存在する時間が長いので安定であることが求められる。そこで、色素の一電子酸化状態の安定性について、上記の方法で評価を行った。各420時間後の各色素の残存率が96%以上〜100%以下をA、93%以上〜96%未満をB、90%以上〜93%未満をC、87%以上〜90%未満をDとし、87%未満をEとした。A及びBを吸着耐光性合格とした。
5.光電変換素子の評価
(色素溶液の調液)
調製した金属錯体色素及び金属錯体色素組成物をを0.1mMとなるように暗所でトルエン/メタノール=1:1の混合溶媒に25℃で超音波をあて調液した。なお、金属錯体色素組成物は含量の多いほうの金属錯体色素の分子量を用いて計算し、0.1mM溶液を調液した。
(半導体微粒子電極への色素の吸着)
上記の「4.色素溶液に半導体微粒子電極を浸漬した状態での耐光性試験」で作製した半導体微粒子電極を、暗所、40℃で3時間、それぞれの色素溶液に浸漬させた。その後、半導体微粒子電極を50μm厚の熱可塑性ポリオレフィン樹脂シートを介して白金スパッタFTO基板と対向して配置し、樹脂シート部を熱溶融させて両極板を固定した。
なおあらかじめ白金スパッタ極側に開けておいた電解液の注液口から、電解液を注液し、電極間に満たした。さらに周辺部及び電解液注液口をエポキシ系封止樹脂を用いて本封止し、集電端子部に銀ペーストを塗布して光電変換素子とした。
電解液は、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム(0.5mol/L)、ヨウ素(0.1mol/L)のメトキシプロピオニトリル溶液を用いた。
(1)光電変換素子の耐光性評価
500Wのキセノンランプ(ウシオ電機(株)製)の光をAM1.5フィルター(Oriel社製)およびシャープカットフィルター(Kenko L−42)を通すことにより、紫外線を含まない模擬太陽光とした。光強度は89mW/cmとした。
前述の光電気化学電池の導電性ガラス板10と白金蒸着ガラス板40にそれぞれワニ口クリップを接続し、各ワニ口クリップを電流電圧測定装置(ケースレーSMU238型(商品名))に接続した。これに導電性ガラス板10側から模擬太陽光を照射し、発生した電気を電流電圧測定装置により測定した。これにより求められた光電気化学電池の変換効率の初期値を基にして、500時間後の変換効率の相対値を表1に示す。相対値が0.90以上を合格とした。
上記の電流電圧装置により測定した初期値の変換効率:電流電圧測定装置により測定した初期値の変換効率:η(%)、短絡電流密度:Jsc(mA/cm)、開放電圧:Voc(V)を用いてフィルファクターを下記式より算出した。
FF=η/(Jsc×Voc)
通常、色素は光を吸収し励起後、フェムト秒オーダーで非常にはやく電子が酸化物半導体に注入される。一方、レドックス系(例えばヨウ素など)からの色素の還元はピコ秒オーダーで非常に遅い。電池の電子移動サイクルのなかで最も遅く律速になるのが、この色素カチオンの還元工程である。この色素カチオンの還元工程がスムーズに進行するためには、レドックス系の電位よりも色素のHOMOの電位が十分低くする必要がある。この影響を反映する評価項目として、光電変換素子のフィルファクターを評価した。
(2)光電変換素子のフィルファクター評価
500時間後のフィルファクターの値で0.74以上をAとし、0.72以上0.74未満をBとし、0.70以上0.72未満をCとし、0.70未満をDとし、A及びBを合格とした。
Figure 0005636317
比較例としては、以下の金属錯体色素を用いた。
Figure 0005636317
表2からわかるように、配位子にシアノ基を有してない場合は、光電変換素子の500時間後の耐光性が初期値に対して0.8以上であっても、フィルファクター値が低く、色素溶液での耐光性、安定性、吸着耐光性に劣るものであった。これに対して、本発明の金属錯体色素を用いた場合は、いずれの特性もすべて合格レベルで、優れた特性を示した。
1 導電性支持体
2 感光体層
21 増感色素
22 半導体微粒子
3 電荷移動体層
4 対極
5 受光電極
6 外部回路
10 光電変換素子
100 光電気化学電池

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする金属錯体色素。
    (LLm1(LLm2(CN)m3(X1)m4・CI 一般式(1)
    一般式(1)において、は金属原子を表し、LLは下記一般式(2)で表される2座の配位子であり、LLは下記一般式(3)で表される2座の配位子である。
    m1及びm2はともに1を表す。m3は1又は2である。m4は0又は1である。
    X1は配位子を表し、イソチオシアネート基、イソシアネート基、イソセレノシアネート基、水、ハロゲン原子、ジメチルホルムアミド基から選ばれた少なくとも1種である。
    CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
    Figure 0005636317
    [ 一般式(2)において、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基、アミノ基、ヘテロ環基を表す。L及びLは独立にエテニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基からなる群から選ばれた少なくとも1種の2価の連結基を表す。n1は0又は1を表す。R及びRは独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびアリール基から選択される置換基を表し、b1及びb2は0から3の整数を表す。b1が1以上のときRはLと連結して環を形成していてもよく、b2が1以上のときRはLと連結して環を形成していてもよい。b1が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよい。b2が2以上のときR同士は同一でも異なっていてもよい。b1及びb2がともに1以上のときRとRが連結して環を形成していてもよい。]
    Figure 0005636317
    [ 一般式(3)において、A及びAは独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基およびホスホニル基から選択される酸性基またはそれらの塩を表す。L及びLは独立に単結合、エテニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基からなる群から選ばれた少なくとも1種の2価の連結基を表す。n2及びn3は独立に0〜3の整数を表し、少なくとも一方は1以上である。R及びRは独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびアリール基から選択される置換基を表す。b3及びb4は独立に0から3の整数を表す。b3が1以上のときRはLと連結して環を形成していてもよく、b4が1以上のときRはLと連結して環を形成していてもよい。b3が2以上のとき、R同士は同じでも異なっていてもよいが、互いに連結して環を形成しない。b4が2以上のときR同士は同一でも異なっていてもよいが、互いに連結して環を形成しない。b3及びb4がともに1以上のときRとRが連結して環を形成していてもよい。]
  2. 前記一般式(1)におけるMがRuであることを特徴とする請求項1記載の金属錯体色素。
  3. 前記金属錯体色素が、下記一般式(4)又は一般式(5)で表されることを特徴とする請求項1または2記載の金属錯体色素。
    Figure 0005636317
    [ 一般式(4)において、R71〜R73及びR81〜R83は、独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。ただし、R71〜R73及びR81〜R83の少なくとも1つは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。
    一般式(5)において、R91〜R93及びR101〜R103は、独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。ただし、R91〜R93及びR101〜R103の少なくとも1つは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアミノ基を表す。
    一般式(4)および(5)において、Xは独立にS、O、Se、NR110を表し、R110は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基であり、A〜A、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基およびホスホニル基から選択される酸性基又はそれらの塩を表す。]
  4. 前記金属錯体が、下記一般式(6)又は一般式(7)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の金属錯体色素。
    Figure 0005636317
    [ 一般式(6)及び一般式(7)において、R111〜R114は独立にアルキル基、アルキニル基またはアルコキシ基を表す。A〜A10はカルボキシル基またはそれらの塩を表す。]
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の金属錯体色素と、下記一般式(8)で表される金属錯体色素を含むことを特徴とする金属錯体色素組成物。
    (LLm21(LLm22(X2)m23・CI ・・・一般式(8)
    [ 一般式(8)において、Mは一般式(1)におけるMと同義である。LLは、一般式(1)におけるLLと同義である。LLは、一般式(1)におけるLLと同義である。X2は、一般式(1)におけるX1と同義である。CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。CIは、一般式(1)におけるCIと同義である。m21とm22はともに1である。m23は1または2である。]
  6. 前記一般式(8)において、MがMと同じであり、LLがLLと同じ構造であり、LLがLLと同じ構造であり、CIがCIと同じであることを特徴とする請求項5記載の金属錯体色素組成物。
  7. 前記金属錯体を増感色素として用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の光電変換素子。
  8. 請求項7に記載の光電変換素子を備えることを特徴とする光電気化学電池。
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