優先権の主張
本出願は、2007年5月25日に出願された米国特許仮出願第60/931731号「Methods and Apparatus for Abating Effluent Gases Using Modular Treatment Components」(代理人整理番号12073/L)に基づく優先権を主張し、この出願は引用により全ての目的のため全体として本出願に組み込まれる。
また、本出願は、2008年2月5日に出願された米国特許仮出願第61/026432号「Abatement Systems」(代理人整理番号13208/L2)に基づく優先権を主張し、この出願は引用により全ての目的のため全体として本出願に組み込まれる。
発明の分野
本発明は概して、電子デバイス製造方法及びシステムに関し、より詳細にはこのようなシステムを組み立てる及び運転するための方法及び装置に関する。
発明の背景
処理ツール及び除害(abatement)ツール等の電子デバイス製造システムは、サブシステム又は構成部品の複雑な集合体である場合があり、各構成部品それ自体が複雑なシステムであることもある。典型的には、電子デバイス製造システムの組み立てには非常に時間がかかる。加えて、使用を開始する前に、組み立てたシステム及び多くのサブシステムを別々に試験して、それぞれが工業規格を満たすか否かを判定しなくてはならない。電子デバイス製造システムを納品するまでに必要な期間は、この認証過程によって更に長くなる。
更に、このようなシステムでは高価な製品を製造する。システムの構成部品又は支援サブシステムにメンテナンスの必要があることでシステムを停止させてしまうと、システム停止中は製品が製造されないことから、製造業者はかなりの収益を逃すことになる。同じことが、新しいシステムの納品を待っている製造業者についても言える。
電子デバイス製造システムの組み立てを単純化し、組み立て/試験時間を短縮し、構成部品又はサブシステムを停止させる必要があっても、このようなシステムを稼動させ続けるための方法及び装置が望ましい。
一態様において、1つ以上の電子デバイス製造システムの運転方法が提供され、本方法は(1)処理ツールにより一連の電子デバイス製造方法工程を実行し、ここで処理ツールにより副生成物として流出物が発生し、(2)除害ツールにより流出物を除害し、(3)第1除害資源供給源から除害ツールに除害資源を供給し、(4)第1除害資源供給源から第2除害資源供給源へと除害資源供給源を切り替え、ここで除害資源供給源の切り替えは(i)第1除害資源供給源からの除害資源の流れを中断し、(ii)第2除害資源供給源からの除害資源の流れを開始することを含み、(5)除害資源供給源を切り替える最中に及びその後に、処理ツールによる一連の処理工程の実行を継続する工程を含む。
第2の態様において、電子デバイス製造システムの組み立て方法が提供され、本方法は、(1)1つ以上の事前認証済みのモジュール方式の電子デバイス製造システムの構成部品をストックし、(2)電子デバイス製造システムの性能要件を特定し、(3)この性能要件を満たすためにストックされた構成部品の1つ以上を選択し、(4)ストックされた構成部品の1つ以上を含む構成部品から電子デバイス製造システムを構築し、(5)構築された電子デバイス製造システムを認証する工程を含む。
第3の態様において、電子デバイス製造システムが提供され、本システムは、(1)処理ツールと、(2)除害ツールと、(3)除害資源を収容する第1除害資源供給源と、(4)除害資源を収容する第2除害資源供給源とを含み、第2除害資源供給源は、第1除害資源供給源からの除害資源の流れが中断された後に除害資源を除害ツールに流すように構成されている。
本発明のこれら及びその他の態様から無数のその他の態様が得られる。本発明のその他の構成及び態様は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び添付図面からより十分に明らかとなる。
本発明の電子デバイス製造システムの第1の実施形態の概略図である。
図1の電子デバイス製造システムの設計及び構築方法を表すフローチャートである。
本発明の電子デバイス製造システムの第2の実施形態の概略図である。
図3の電子デバイス製造システムの運転方法を表すフローチャートである。
本発明の電子デバイス製造システムの第3の実施形態の概略図である。
図5の電子デバイス製造システムの運転方法を表すフローチャートである。
本発明の電子デバイス製造システムの第4の実施形態の概略図である。
図7の電子デバイス製造システムの運転方法を表すフローチャートである。
詳細な説明
上述したように、電子デバイス製造システムは複雑なアセンブリである場合がある。典型的には、システムは、堆積、エピタキシャル成長、エッチング、洗浄等の処理工程を実行する処理チャンバを有する処理ツール及び除害ツールを含む。除害ツールは、様々な除害機能を実行するように設計されたサブシステム又は構成部品の組み合わせから成る。サブシステムや構成部品という用語は、本明細書においては同じ意味で使用される。除害ツールを構築するサブシステムには、サーマルリアクタ、燃焼室、触媒ユニット、プラズマユニット、フィルタ、水スクラバ、吸収及び吸着ユニット、酸ガススクラバ等が含まれるが、これらに限定されない。
顧客のためにシステムを構築する1つの方法には、顧客が求めるシステムの性質を見極め、そのシステムを構築するのに必要となるサブシステムを特定し、サブシステムを構築し、次にそのサブシステムからシステムを構築することを含む。これは時間のかかる工程であり、使用前に電子デバイス製造システム及びサブシステムが受けなくてはならない厳しい認証試験を踏まえるとなおさらである。当然のことながら、システムが顧客にただちに納品されるようにシステムを事前に組み立てることは可能だが、取り扱っているシステムの多様さとシステムの高コストさとが相まって、そのような実践は極めて高くつく。
顧客がシステムの使用を開始した後、システムを構成するサブシステムが定期メンテナンス、トラブルシューティング又は何か別の理由によるシステムからの取り外しを必要とする時がいずれはやってくる。サブシステムのメンテナンス及び/又はトラブルシューティングを実行するための1つの既知の方法が、システム全体を停止させることにより、安全且つ汚染することなくサブシステムのメンテナンス又は点検を実行することである。一旦問題が判明して修理が終了したら又はサブシステムに予防保全を施したら、システムの運転を再開する。しかしながら、システムの停止中、顧客はそのシステムで製品の製造ができない。このため、サブシステムがオフラインでも、システムの運転を継続可能であることが望ましい。
本発明は、顧客のニーズを確認し、その顧客に適切なシステムを納品するまでの時間を短縮する方法及び装置を提供する。本発明により、顧客は、システムを停止させて製造を中断する必要なくサブシステムをシステムから取り外し、サブシステムを修理又は交換することができるようにもなる。
本発明の一部の実施形態において、電子デバイス製造システムの製造業者は、システムに組み込まれることが多い多数のサブシステムを特定し、次に適当な数のシステムを組み立て、事前認証し、ストックする。顧客が発注し、顧客のニーズを確認したら、次に製造業者はより短期間でシステムを構築することができるが、これはこのシステムに必要なサブシステムの1つ以上がストックされ且つ事前認証されるため、製造業者は単にこれらのサブシステムをシステムフレームに接続するだけだからである。本発明のこれら及びその他の実施形態において、サブシステムはモジュール方式であってよく、例えば、標準的な位置において標準的なコネクタで構築されているため、様々な構成に簡単且つ迅速に組み立てることができる。
本発明の一部の実施形態において、システムは、そのサブシステムの1つ以上を、システムを停止させる必要なくシステムから切り離すことができるように構築される。例えば、システムには、典型的には、水等の資源が供給される。これらの実施形態の一部において、水供給源からシステムに水を送るパイプには、バルブ及びコネクタが含まれる。バルブ及びコネクタにより、オペレータは、水供給源をシステムから切り離すことができ、また水が供給源から流れ出す又はシステムから逆流するのを防止することができる。これらの実施形態において、システムには代替の水供給源を設置しても、或いは水供給源がなくても、新しい水供給源を接続するのに十分な時間にわたってシステムが動作するように設計してもよい。
図1は、本発明の電子デバイス製造システム100の概略図である。システム100は、処理ツール102を含む。処理ツール102は、1つ以上の処理チャンバ104を含む。実際、処理ツール102は、典型的には最高6個以上の処理チャンバ104を含む。処理チャンバ104は、処理チャンバ104によって典型的に実行される機能(例えば、堆積、エピタキシャル成長、エッチング、洗浄等を含む)のいずれを実行してもよい。各処理チャンバ104からは流出物が発生し、流出物は、導管108を通して真空ポンプ106により処理チャンバ104から送り出される。処理チャンバ104から送り出される流出物は、導管110を通して除害ツール112、より具体的には除害ツール112の除害モジュール114に送り出される。処理チャンバ104により発生する流出物の性質は、以下でより詳細に説明する。
除害ツール112は、1つ以上の除害モジュール114、116、118から成る。除害ツール112は3つの除害モジュールを有するものとして図示されているが、使用するモジュールの数はこれより少なくても多くてもよいと理解すべきである。
除害モジュール114、116、118は、同一又は異なる除害装置又はサブシステムであり、例えばサーマルリアクタ、燃焼室、触媒ユニット、プラズマユニット、フィルタ、水スクラバ、吸収及び吸着ユニット、冷却チャンバ、酸ガススクラバ等又は使用可能な若しくは入手し得るその他いずれの適切な除害装置である。除害モジュールを選択し、次に1つ以上の処理チャンバ104で発生する流出物の除害を実行するのに適当な順序で連結する。1つ以上の処理チャンバ14により発生する流出物には、金属、酸、可燃性又は爆発性ガス、温室効果ガス及びその他の有毒、危険又は別の理由で望ましくない化合物が含まれる。電子デバイス製造システムの流出物の除害の分野における当業者なら、1つ以上の処理チャンバ104から排出される流出物を効果的に除害するための、除害モジュールの適当な組み合わせ及び順番を選択することができる。
除害モジュール114、116、118は、導管120、122により互いに接続される。除害モジュール118は、導管124により更に別の除害システム(図示せず)、屋内排気システム(図示せず)又は大気に接続される。
電子デバイス製造システム100は、除害資源接続システム126を更に含み、システム126は接続パネル128及び除害資源導管130、132、134を含む。除害資源パネル128は除害資源コネクタ136を含み、コネクタ136には除害資源供給源(図示せず)に接続された導管(図示せず)が接続される。除害資源パネル128は3つの導管130、132、134と連通した3つのコネクタを有するものとして図示されているが、除害資源パネル128が有するコネクタの数はこれより少なくても多くてもよいことを理解すべきである。例えば、典型的な除害システムは、燃料又は電力、水、1つ以上の試薬、清浄で乾燥した空気、不活性ガス等の除害資源を必要とする。同じことが、除害モジュール114、116、118等の個々の除害モジュールにも言える。特定の除害モジュールの性質に応じて、上で挙げた除害資源の1つ以上が必要となる。
除害資源パネル128は、多数の異なる構成を有し得る。例えば、除害システム112の外側になる除害資源パネル128の一面に、除害資源パネル128は、除害システム112で使用する除害資源のタイプのそれぞれにつき1つの除害資源コネクタを有する。或いは、除害資源パネル128は、その外面に各除害資源につき3つの除害資源コネクタを有し、例えば、除害システム112が使用する各除害資源について、各除害モジュールについて1つのコネクタである。除害システム112の内側に、除害資源パネル128は、除害資源パネル128の外側に接続された各除害資源のための、導管130、132、134のそれぞれについてのコネクタ(図示せず)を有している。このため、例えば、特定の除害システム112を3つの除害資源に接続すると、除害資源パネル128の外側には3つの除害資源コネクタ136があり、3x3、すなわち9つのコネクタ(図示せず)が除害資源パネル128の内面にはある。除害システム112には3つより多い又は少ない除害モジュールが含まれ得るのと同様に、除害システム112が使用する除害資源の数は3つより多くても少なくてもよいと理解すべきである。
運転中、処理ツール102は、処理チャンバ104内で電子デバイス製造工程を実行する。製造工程の最中に及びその後に、流出物は、真空ポンプ106により処理チャンバ104から排出されて除害システム112に導入される。除害システム112内で、流出物は、最終的な大気への放出が容認可能な状態へと除害モジュール114、116、118により処理される。例えば、除害モジュール114、116、118を使用して流出物から粒子状物質を除去し、酸ガスを中和し、危険、有害又は望ましくない化合物を酸化し、更なる処理のために水溶性化学物質を液体の形態で除去する。その他の適切な処理を利用してもよい。除害ツール112での処理に続いて、流出物は、上述したように導管124を通過する。除害モジュール114、116、118における流出物の除害中、除害モジュールは、接続パネル128及び導管130、132、134を通して除害資源を除害資源供給源(図示せず)から受け取る。除害モジュール114、116、118は、除害資源を使用して流出物を除害する。
図2は、図1の電子デバイス製造システムを設計する及び構築するための方法200を表すフローチャートである。方法200は、工程202から始まる。工程204において、電子デバイス製造システム製造業者は、除害システムに組み込まれることが多い1つ以上の除害サブシステムを選択し、1つ以上の各選択された除害サブシステムを構築し、各構築された除害サブシステムを認証し、認証済みの除害サブシステムをストックする。別の実施形態において、電子デバイス製造システム構築業者(除害サブシステムの組み立てはしない)は、1つ以上の事前認証済みの除害サブシステムを購入し、ストックする。工程206において、製造業者又は構築業者は、顧客の除害システムに対するニーズを見極める。工程208において、製造業者又は構築業者は、適当な除害サブシステムを選択する。工程210において、製造業者又は構築業者は、少なくとも1つのストックされた、事前認証済みの除害サブシステムを用いて選択された除害サブシステムを組み立て、次に構築された除害システムを認証する。工程212において、除害システムは顧客に納品される。方法200は、工程214で終了する。認証済みの除害サブシステムをストックすることにより、製造業者は、除害システムをより短期間で納品することができるようになる。
図3は、本発明の電子デバイス製造システム300の第2の実施形態の概略図である。システム300は、導管304を通して真空ポンプ306に接続された処理ツール302を含む。真空ポンプ306は次に、導管308を通して除害ツール310に接続されている。除害ツール310は、導管314、バルブアセンブリ316及び導管318を通して除害資源供給源312と流体接続される。バルブアセンブリ316は、2つの遮断バルブ320、322を含み、この2つのバルブはコネクタ324により連結されている。このバルブ設計により、オペレータは、導管314を通した除害資源供給源312からの流体流れを防止することができ、除害ツール310からの導管318を通した流体の逆流も防止することができる。コネクタ324により、オペレータは、除害資源供給源312をシステム300から切り離すことができるようになる。いずれの適切なバルブアセンブリを利用してもよい。
システム300はバックアップ除害資源供給源326も含み、バックアップ除害資源供給源326は除害資源供給源312と同じ除害資源を収容する。バックアップ除害資源供給源326は、導管328、バルブアセンブリ330及び導管332を通して除害ツール310に流体接続されている。バルブアセンブリ330は、バルブアセンブリ316と同様に、2つの遮断バルブ334、336を含み、この2つのバルブはコネクタ338により連結されている。除害ツール310は、導管340を通して更に別の処理(図示せず)、屋内排気装置(図示せず)又は直接、大気に接続される。
運転中、処理ツール302は、導管304、真空ポンプ306、導管308を通して、流出物を除害するように構成された除害ツール310へと流出物を排出する。除害ツール310は、除害資源供給源312から除害資源を受け取る。除害資源は除害資源供給源312から、導管314、バルブアセンブリ316、導管318を通って除害ツール310に流れ込む。除害された流出物は次に、除害ツール310から導管340を通って屋内排気装置(図示せず)、更に別の処理(図示せず)又は直接、大気に流れ込む。バックアップ除害資源供給源326は、除害資源供給源312と同じ除害資源を収容する。除害資源供給源312からの除害資源が除害ツール310に供給されなくなると、除害ツール310は除害資源をバックアップ除害資源供給源326から受け取る。バックアップ除害資源供給源326からの除害資源は、導管328、バルブアセンブリ330及び導管332を通って除害ツール310に流れ込む。バルブアセンブリ316及び330の機能は、図4を参照しながら以下にてより詳細に説明する。
図4は、図3の電子デバイス製造システム300の運転方法400を表すフローチャートである。一部の実施形態においては、方法400により、処理ツール302の運転を中断することなく除害資源供給源312をバックアップ除害資源供給源326と置き換えるための方法が得られる。一部の実施形態において、システム300はバックアップ除害資源供給源326を含み、バックアップ除害資源供給源326は、除害資源供給源312の予備供給源となることだけを目的としてシステム300に存在する。
方法400は、工程402から始まる。工程404において、処理ツール302を運転して電子デバイスの製造における一連の工程を実行する。工程406において、除害資源は除害資源供給源312から除害ツール310に流れ、バックアップ除害資源供給源326は供給源312の予備として待機させたままである。除害資源は、処理ツール302からの流出物を除害するために除害ツール310により使用される。
工程408において、除害資源供給源を、除害資源供給源312からバックアップ除害資源供給源326に切り替える。処理ツール302及び除害ツール310の運転中、除害資源供給源312に問題が生じたり、除害資源供給源312を予防保全又はその他の理由により停止させなくてはならない時がいずれはやってくる。除害資源供給源312を停止させる必要が生じた場合、オペレータ又はコントローラは、除害資源供給源312を除害ツール310から切り離し、バックアップ除害資源供給源326を接続することにより、除害ツール310への除害資源の供給が中断されないようにする。
除害資源供給源を切り離す工程408には、以下の工程が含まれる。図3を参照して説明すると、バルブ320、322を閉鎖位置に回すことにより、導管314からの除害資源の更なる流入を防止し且つ除害資源又は除害ツール310のその他の内容物の導管318を通っての逆流を防止する。同時に又はほぼ同時に、バルブ334、336を開放することにより、バックアップ除害資源供給源326を除害ツール310に接続する。バルブ320、322を閉鎖した後、コネクタ324は切り離され、修理及び/又はトラブルシューティングのために除害資源供給源312を取り外す。その他の適切な方法を用いて除害資源供給源312の切り離し及びバックアップ除害資源供給源326の接続を行ってもよい。
工程410において、除害資源供給源312を切り離し、代替の除害資源供給源326を接続する工程の間、処理ツール302の運転は中断されない。工程412において、方法400は終了する。
図5は、本発明の電子デバイス製造システム500の第3の実施形態の概略図である。システム500は、処理ツール502、502aを含む。処理ツール502、502aは、導管506、506aにより除害ツール504、504aにそれぞれ接続される。除害資源供給源508、508aはそれぞれ、除害ツール504、504aへの1次除害資源供給源である。一部の実施形態において、除害資源供給源508は、除害資源を1次導管510を通して除害ツール504に供給する。同様に、除害資源供給源508aは、1次導管510aを通して同じ除害資源を除害ツール504aに供給する。
2次導管512は、除害資源供給源508を除害ツール504aに接続する。同様に、2次導管512aは、除害資源供給源508aを除害ツール504に接続する。
1次導管510、510a及び2次導管512、512aのそれぞれは、バルブアセンブリ514、514a及び516、516aをそれぞれ含む。バルブアセンブリ及びバルブアセンブリレベルでのその操作は、図3を参照して詳細に説明済みであり、バルブアセンブリレベルの説明は、図5に図示のバルブアセンブリにも等しくあてはまる。
図5では、並行な処理ツール/除害ツール/除害資源供給源ラインを2つしか備えていないシステム500が描かれているが、3つ以上の並行処理ツール/除害ツール/除害資源供給源ラインも利用し得ると理解すべきである。
一部の除害資源では、除害資源を除害ツールに送る各導管について、戻り導管があるはずであることが理解される。戻り導管は、本明細書においては、より判り易くするためにいずれの図面においても省略されている。
運転中、システム500の処理ツール502、502aからは流出物が発生し、流出物は、導管506、506aをそれぞれ通って除害ツール504、504aにそれぞれ流れ込み、除害ツールで除害される。次に、除害ツール504、504aは、除害資源供給源508、508aから除害資源をそれぞれ受け取る。除害資源供給源508、508aは、除害資源供給源の1つが稼動しなくなった際に、残りの動作可能な除害資源供給源を選択して除害資源を除害ツール504、504aの両方に供給できるに十分な容量でもって設計されている。このため、稼動していない除害資源供給源を交換又は修理している間も、処理ツール502、502aは運転し続けることが可能になる。
一部の実施形態において、通常の運転中、2次導管512、512aは選択されず閉鎖されたままとなるため、除害資源は2次導管を流れない。除害資源供給源508、508aの1つが使用不能となった状況下では、依然として使用可能な除害資源供給源を、1次除害資源供給源が使用不能になった除害ツールに接続している2次導管が選択される。選択すると、2次導管のバルブアセンブリが開放されて、2次導管を通して除害資源が流れるようになる。例えば、除害資源供給源508aが使用不能になったとすると、2次導管512が選択され、バルブアセンブリ516は開放配置におかれる。これらの操作により、除害資源を除害資源供給源508から除害ツール504aに導管512を通して流すことが可能になる。
除害資源供給源の1つをシステム500から取り外さなくてはならない場合、その除害資源供給源から延びる1次及び2次導管のバルブアセンブリは閉鎖配置におかれ、バルブアセンブリのコネクタ部が切り離される。バルブアセンブリの操作の説明については図3を参照のこと。例えば、除害資源供給源508をシステム500から取り外さなくてはならない場合、バルブアセンブリ514及びバルブアセンブリ516は閉鎖配置におかれる。その後、バルブアセンブリを切り離して、除害資源供給源508をシステム500から取り外す。当然のことながら、除害資源供給源508の取り外しに先行して、バルブアセンブリ516aを開放配置におくことにより、除害資源供給源508aから導管512aを通して除害資源を除害ツール504に供給してもよい。
図6は、図5の電子デバイス製造システムの運転方法600を表すフローチャートである。方法600は、システム500の構成を利用しており、資源供給源508、508aに追加の容量を盛り込むことにより、資源供給源の1つが使用不能となっても、もう一方の資源供給源を、システム500におけるもう一方の除害ツールのバックアップ用資源とすることができる。上述したように、システム500は、3つ以上の並行ラインを含んでいてもよい。
方法600は、工程602から始まる。工程604において、専用の除害ツール504、504aを有する処理ツール502、502aを運転することにより、電子デバイスの製造における工程を実行する。工程606において、各除害ツールは、その除害ツールにとっての1次供給源であるところの除害資源供給源から除害資源の供給をうける。例えば、図5において、除害ツール504は除害資源供給源508から1次供給をうけ、除害ツール504aは除害資源供給源508aから1次供給をうける。これはバルブ514、514aを開放位置に配置して、バルブ516、516aを閉鎖位置に配置することにより達成される。
工程608において、第1除害資源供給源は、第1除害資源供給源が1次供給を行うところの除害ツールから切り離される。同時に又はほぼ同時に、第2除害資源供給源が両方の除害ツールに接続される。除害資源供給源には容量に余裕があるため、供給源の1つによる2つの除害ツールへの供給が少なくともある限定された時間にわたって可能となる。工程610において、除害資源供給源を切り離し及びもう一方の除害資源供給源を接続する工程の最中もその後も、処理ツール502、502aは稼動している。方法600は、工程612で終了する。
図7は、本発明の電子デバイス製造システム700の第4の実施形態の概略図である。システム700は処理ツール702、702aを含み、これらは導管706、706aにより除害ツール704、704aに接続されている。一部の実施形態において、どの特定の除害資源についても、各除害ツールはその除害資源についての1次除害資源供給源を有している。図7において、例えば、除害ツール704は除害資源を除害資源供給源708から導管710、バルブアセンブリ712及びバルブ714を通して受け取る。同様に、除害ツール704aは除害資源を除害資源供給源708aから導管710a、バルブアセンブリ712a及びバルブ714aを通して受け取る。資源供給源708bはバックアップ除害資源供給源として構成されており、除害ツール704及び704aの両方にそれぞれ導管716、716aを通して接続されている。
運転中、処理ツール702、702aからは流出物が発生し、流出物は導管706、706aを除害ツール704、704aへと流れ込み、除害ツールにおいて除害される。除害ツール704、704aは、1次除害資源供給源708、708aにより供給された除害資源をそれぞれ使用する。通常の動作環境下において、除害資源供給源708bはどの除害ツールとも流体接続の状態にはなく、予備の除害資源供給源と見なされる。「流体接続の状態にない」とは、例えば、バルブアセンブリ712b、712cが閉鎖配置にあること又はバルブ714及び714aが、除害資源供給源708bからの流体流れを阻止するように配置されていることを意味する。しかしながら、1つ以上の1次除害資源供給源708、708aが動作不能になる又は別の理由で停止する場合、除害資源供給源708bは、1次除害資源供給源を利用できなくなった1つ以上の除害ツールに接続される。選択及びある除害資源供給源から別の除害資源供給源への切り替えは、バルブアセンブリ712、712a、712b及び712c等の一連のバルブ並びに3方バルブ714及び714aの組み合わせによって達成される。このため、例えば、除害資源供給源708が使用不能になると、バルブを操作して除害資源供給源708を除害ツール704との流体連通から切り離し、除害資源供給源708bを除害ツール704と流体連通させる。これはバルブアセンブリ712を閉鎖配置におき、バルブアセンブリ712bを開放配置におき、3方バルブ714を、導管716を流れる除害資源が除害ツール704に流れ込めるような配置におくことにより達成される。除害資源供給源708をシステム700から切り離している間、除害資源供給源708を修理する又はメンテナンスに供する。
図8は、図7の電子デバイス製造システムの運転方法800を表すフローチャートである。方法800はバックアップ除害資源供給源708bを利用しており、バックアップ除害資源供給源708bは、2つ以上の除害ツール704、704bに接続されている。通常の運転中、バックアップ除害ツール708bは待機しており、接続先の除害ツール704、704bのどちらのバックアップ除害資源供給源としても使用可能である。並行な処理ツール/除害ツール/除害資源供給源ラインを2つしか備えていないシステム700が描かれているが、3つ以上の並行処理ラインも利用し得ると理解すべきである。
方法800は、工程802から始まる。工程804において、専用の除害ツール704、704aを有する処理ツール702、702aを運転することにより電子デバイス製造方法における工程を実行する。工程806において、各除害ツール704、704aは、1次除害資源供給源から除害資源をそれぞれ受け取る。工程808において、バックアップ除害資源供給源は、1次除害資源供給源が使用不能になった場合のために設置されているが、バックアップ資源供給源として必要になるまで待機させたままである。工程810において、除害資源供給源は1次除害資源供給源708、708aの1つからバックアップ除害資源供給源708bに切り替えられる。工程812において、1次除害資源供給源を切り離して予備の除害資源供給源を除害ツールに接続する工程810の最中もその後も、処理ツールを運転して電子デバイス製造方法工程を実行する。方法800は、工程814で終了する。
先の説明は本発明の例示的な実施形態しか開示していない。本発明の範囲に含まれる上記にて開示の装置及び方法の改変は、当業者に極めて明白である。例えば、本発明を除害システム構成部品について説明してきたが、その他の電子デバイス製造システム及びサブシステム(ブロワ、ポンプ、冷却装置、プロセス薬品送出システム、除害システム全体、冷却塔、クライオポンプ等を含むが、これらに限定されない)で実践してもよい。これらのシステム及びサブシステムを、バックアップに使用できるように容量に余裕を持たせても、専用のバックアップ装置を有するように二重にしても、或いは同様の構成部品群のバックアップ装置として作動するようにしてもよい。
従って、本発明をその例示的な実施形態と関連させて開示してきたが、以下の特許請求の範囲に基づいて定められるように、その他の実施形態も本発明の精神及び範囲に含まれ得ることを理解すべきである。