JP2010517749A5 - - Google Patents

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空気ろ過用の濾材積層体
本発明は、空気を清浄にするフィルタエレメントを形成するのに使用できる空気ろ過用の濾材積層体に関する。本発明は、さらに、フィルタエレメント、空気ろ過用の濾材、製造方法および使用方法に関する。
関連出願への相互参照
本出願は、米国以外の全ての国を指定国とする出願人である米国国内企業であるドナルドソン会社と、米国のみを指定国とする出願人である米国人のゲーリー J. ロックライズ、ミン オウヤング、アニタ M.マシューの名において、国際特許出願として2008年2月4日に出願されたものであり、2007年2月2日出願された米国仮特許出願第60/899,311号の優先権を主張するものであり、この出願は本明細書中に引用により合体される。
背景技術
空気や液体などの流体流は、その中に汚染物質物質を含む。多くの例では、流体流から汚染物質物質の少しまたは全てをろ過することは好ましい。例えば、動力車または発電装置のエンジンへの空気流、ガスタービンシステムへのガス流れ、および様々な燃焼炉への空気流は、その中にろ過すべき粒子状汚染物質を含む。また、エンジン潤滑油システム、液圧システム、冷却システムまたは燃料システムの液体流は、ろ過すべき汚染物質を含み得る。そのようなシステムに対して、選択された汚染物質物質を流体から除去する(または流体中のレベルを低減する)ことは好ましい。汚染物質削減のためにさまざまな流体フィルタ(空気あるいは液体フィルタ)構成物が開発されてきた。
米国特許第5,562,825号 米国特許第5,049,326号 米国特許第4,925,561号 国際特許出願公開第97/40,918号
しかしながら、一般に、継続的な改良が求められる。一般に、Z型濾材は、流体が濾材の第1面上の流路に入って、濾材の第2面の流路から出るひだ付濾材(fluted filtering media)の一種である。一般に、Z型濾材の複数の面は濾材の対向する端部に提供される。流体は、1つの面の開いている流路(flute)を通って入り、他の面の開いている流路を通って出る。第1面と第2面との間のいくつかのポイントで、流体は、1つの流路から別の流路を通ってろ過される。
Z型濾材の初期形態は、濾材積層体の特徴が段ボール箱業界で採用されたので、しばしば波形濾材(corrugated media)と呼ばれた。しかしながら、段ボール箱板は、一般に、積載物を運ぶように設計されていた。従って、流路の設計は、改良された濾材性能を提供するように段ボール箱業界の規格とサイズから離れる方向に変更され得る。
Z型濾材の流路の形態を変更するように様々な開示が提供された。例えば、米国特許第5,562,825号は、(波形側部を有する)狭いV字形の出口流路に隣接する半円形状(断面)の入口流路を利用する波形パターンを記載する(米国特許第5,562,825号の図1と図3参照)。松本他の米国特許第5,049,326号では、複数の半管を有する別のシートに取付けられた複数の半管を有するシートによって画定された円状(断面)または、管状の複数の流路が結果として得られる平行でまっすぐな流路の状態で示されている。米国特許第5,049,326号の図2が参照される。石井他の米国特許第4,925,561号(図1)では、複数の流路が長さ方向にテーパ状の矩形断面を持つように折り曲げられている流路が示されている。国際特許出願公開第97/40918号(図1)では、(隣接する曲がった凸状と凹状の谷(trough)から)カーブした波形パターンを有しかつ長さ方向にテーパ状となっている複数の流路または平行な波形物を示す。また、国際特許出願公開第97/40918号では、波状パターンを有しかつ異なる大きさの複数の尾根(ridge 細長い隆起部)と谷(trough)とを有する流路を示す。
概要
本発明に基づく空気ろ過用の濾材積層体を提供する。空気ろ過用濾材積層体は、対面濾材シートの片側のみにひだ付き濾材シートが積層された複数の片側積層物層を含む。片側積層物層は、ひだ付きシートと、対面シートと、前記ひだ付きシートおよび前記対面シートの間に伸びている複数の流路とを有し、前記流路が前記空気ろ過用濾材積層体の第1面から前記空気ろ過用濾材積層体の第2面まで伸びている長さを有する。前記濾材積層体の第1面または第2面のうちの1つの面から空気が中に入って、前記濾材積層体の前記第1面または前記第2面のうちの他の面から空気が外に出て空気をろ過するように、前記複数の流路の第1部分は、ろ過されていない空気が複数の流路の第1部分の中へ流れ込まないように閉じており、前記複数の流路の前記第2部分は、ろ過されていない空気が前記複数の流路の第2部分から外に流れ出ないように閉じている。前記ひだ付きシートは、前記対面シートに対面して繰り返す内向きの頂点(peak)と、前記対面シートから離れて繰り返す外向きの頂点(peak)とを含む。さらに、前記ひだ付きシートは、内向きの頂点(peak)と隣接する外向きの頂点(peak)との間で流路長さの少なくとも一部に沿って伸びる少なくとも1つの尾根(ridge 細長い隆起部)を含む流路(flute)の繰り返しパターンを有する。好ましくは、前記複数の流路の繰り返しパターンは、内向きの頂点(peak)と隣接する外向きの頂点(peak)との間で流路長さの少なくとも50%の長さ伸びる少なくとも1つの尾根(ridge)を有する。
前記複数の流路の繰り返しパターンは、いかなる数の繰り返し数も含むことができる。流路の数は、1つ、2つ、3つ、4つなどの流路の数を含むことができる。繰り返しパターン内の位置に、内向きの頂点(peak)と隣接する外向きの頂点(peak)との間で伸びている少なくとも1つの尾根(ridge)がある。各内向きの頂点(peak)と隣接する外向きの頂点(peak)との間で伸びている尾根(ridge)があることは可能であるが、このことは、必須ではない。繰り返しパターンは、内向きの頂点(peak)と隣接する外向きの頂点(peak)との間で伸びている尾根(ridge)を含まない流路または流路の一部を含むことができる。ひだ付きシートが、流路の周期の間、内向きの頂点(peak)と隣接する外向きの頂点(peak)との間で伸びている尾根(ridge)を有する流路を含む場合には、その流路の周期は、「低接触(low contact)」形状を有すると呼ぶ。ひだ付きシートが流路の期間に対して内向きの頂点(peak)と隣接する外向きの頂点(peak)との間に伸びている2つの尾根(ridge)を含むとき、流路の周期の形状は、「ゼロ歪(zero strain)」と呼ぶ。各隣接する頂点(peak)間に伸びている尾根(ridge)を提供することは好ましいが、それは必須でない。繰り返しパターンは、隣接する頂点(peak)間に伸びている1つまたは多くの尾根(ridge)と、尾根(ridge)を含んでいない隣接する頂点(peak)間の1つまたは多くの領域とを有することが可能である。
隣接する頂点(peak)間に伸びている尾根(ridge)を有する利益を得るために、流路長さの少なくとも20%の長さ伸びる尾根(ridge)を有することは好ましい。好ましくは、尾根(ridge)は、流路長さの少なくとも40%、流路長さの少なくとも50%、または流路長さの少なくとも80%の長さ伸びる。
本発明に基づいて供給される空気ろ過用濾材積層体は、複数の流路が隣接する流路の間で増強された濾材量を含む流路を含むZ型濾材として特徴付けられる。隣接する頂点(peak)間の濾材量を特徴付けるための技術は、濾材うねり率(mediacord percentage)の引用と流路の幅高さ比の引用とを含む。本発明に基づくろ過用濾材積層体に対して、濾材うねり率は少なくとも約6.2%であり、流路の幅高さ比(flute width height ratio)は、約2.2より大きいかまたは約0.45未満であり得る。さらに、本発明に基づくろ過用濾材積層体は、前記濾材積層体の1つの側面の体積が前記濾材積層体の別の側面の体積より少なくとも10%大きい体積を有し、かつ流路の幅高さ比が、約2.2より大きいかまたは約0.45未満であるものとして特徴付けられる。
本発明に基づくひだ付き濾材シートが提供される。ひだ付き濾材シートは、内向きの頂点(peak)と外向きの頂点(peak)とを含む流路の繰り返しパターンを含む。流路の繰り返しパターンは、内向きの頂点(peak)と隣接する外向きの頂点(peak)との間で流路長さの少なくとも50%の長さ並んで伸びている少なくとも1つの尾根(ridge)を含む。ひだ付き濾材シートは、流体をろ過するためにセルロース基濾材を含む。
空気ろ過用濾材積層体を形成する方法、空気ろ過用濾材積層体を使用する方法が提供される。
先行技術による例示のZ型濾材の部分概略斜視図である。 図1で示された先行技術の濾材の一部の部分拡大断面図である。 様々な波形形状の濾材の定義を示す概略図である。 幅高さ比を示す濾材の一部の拡大概略断面図である。 本発明に基づく濾材の一部の拡大概略断面図である。 図5aに基づく巻いた濾材積層体の端部を示す図である。 図6で示される濾材中に充填したダストを示す斜視図であり、ひだ付きシートの一部がダストケーキを示すために剥がされた図である。 図5bに基づく濾材のテーパ状のひだ付きシートの斜視図である。 図5bと5cに基づくテーパ状濾材の一連の断面図である。 本発明に基づく非対称な濾材の一部の拡大概略断面図である。 逆(inverter)ホイールとの接触後で流路を封止する折り曲げホイールの接触前の流路の断面図である。 図11の線12-12に沿って得られる流路の断面図である。 図11の線13-13に沿って得られる流路の断面図である。 折り曲げホイールとの接触後の流路の断面図である。 図14の線15-15に沿って得られる流路の断面図である。 図14の線16-16に沿って得られる流路の断面図である。 図14の線17-17に沿って得られる流路の断面図である。 図14で図示される折り曲げられた流路の端面図である。 本発明に基づく空気ろ過用濾材積層体を含むフィルタエレメントを含む例示のエアクリーナの断面図である。 本発明に基づく空気ろ過用濾材積層体を含むフィルタエレメントの部分断面図である。 本発明に基づく空気ろ過用濾材積層体を含むフィルタエレメントの斜視図である。 本発明に基づく空気ろ過用濾材積層体を含むフィルタエレメントの斜視図である。 図22のフィルタエレメントの下部の斜視図である。 図22と図23のフィルタエレメントのセンサー板の側面図である。 本発明に基づく空気ろ過用濾材積層体を含むフィルタ構成物の部分断面図である。 本発明に基づく空気ろ過用濾材積層体を含むフィルタエレメントを含むエアクリーナの部分断面図である。 本発明に基づく空気ろ過用濾材積層体を含む例示のフィルタエレメントの斜視図である。 本発明に基づく空気ろ過用濾材積層体を含む例示のフィルタエレメントの斜視図である。
ひだ付濾材
ひだ(縦溝流路)付濾材(fluted filter media)は、流体フィルタ構造物をさまざまな方法で提供するために使用できる。よく知られた1つの形態は、Z型フィルタ構造物である。本明細書に使用される用語「Z型フィルタ構造物(z-filter construction)」または「Z型濾材(z-filtermedia)」は、フィルタ構造物を指すことを意味し、この構造物では、波形に加工した、折り曲げた、ひだ付きの、または、別の方法で形成されたフィルタ流路のうちの1つの流路を、濾材を通過する流体流の長手方向フィルタの流路を画定するために使用することを意味し、流体は、濾材の流入端部と流出端部(または、流れ面)の間の流路に沿って流れる。Z型濾材のいくつかの実施例は、米国特許第5,820,646号、米国特許第5,772,883号、米国特許第5,902,364号、米国特許第5,792,247号、米国特許第5,895,574号、米国特許第6,210,469号、米国特許第6,190,432、米国特許第6,350,296号、米国特許第6,179,890号、米国特許第6,235,195号、意匠第399,944号、意匠第428,128号、意匠第396,098号、意匠第398,046号、意匠第437,401号で提供される。これら15の引用文献は、引用により本明細書に合体する。
ある種類のZ型濾材は、互いに結合された2つの特定の濾材コンポーネントを使用して濾材積層体を形成する。2つのコンポーネントとは、(1)ひだ(例えば、波形)付き濾材シート(fluted media sheet)と(2)対面濾材シート(facingmedia sheet)である。対面濾材シートは通常は波形でないが、例えば、2005年8月25日に発行され、引用により本明細書に合体される国際特許出願公開第2005/077487号に記載されたように、流路方向に垂直な波形である。あるいはまた、対面シートはひだ(例えば、波形)付き濾材シートであり、流路または波形は、ひだ付き濾材シートに一直線上に、あるいはある角度で並んでいる。対面濾材シートは、ひだ付きかまたは波形であり得えるが、ひだ付きまた波形でもない形態で提供できる。そのような形態は、平らなシートを含み得る。対面濾材シートが流路でない場合、非ひだ付き濾材あるいは非ひだ付きシートと呼ばれる。
濾材積層体を形成するために、互いに結合されたひだ付き濾材シート(縦溝流路付き濾材シート)と対面濾材シートの2つの濾材コンポーネントを使用するZ型濾材のタイプを片側積層物(single facer media)と呼ぶ。あるZ型濾材では、片側積層物(ひだ付き濾材シートと対面濾材シート)は、平行な入口と出口の流路を有する濾材を画定するために使用できる。いくつかの例では、ひだ付きシートとひだ付でないシートとは互い固定された後に、コイル状に巻き付けられてZ型濾材を形成する。このような濾材は、例えば、引用により本明細書に合体される米国特許第6,235,195号と同6,179,890号に記述されている。その他のいくつかの構造物では、平らな濾材に固定されたひだ付き濾材のコイル状に巻き付けていない部分を互いに積層して、フィルタ構造物を形成する。この例は、引用により本明細書に合体される米国特許第5,820,646号の図11に記述されている。一般に、Z型濾材がコイル状に巻き付けらている構成物を渦巻状濾材積層体と呼び、Z型濾材積み重ねられている構成物を積み重ね濾材積層体と呼ぶ。巻き付けられた濾材積層体かまたは積み重ねられた濾材積層体を有するフィルタエレメントを供給できる。
コイル状に巻いた濾材積層体を形成するために、通常は、ひだ付きシートと対面シートの組み合わせ(例えば、片側積層物)を対面シートを外に向けてコイル状に巻く。コイル状に巻く技術は、その内容が引用により本明細書に合体される2004年9月30日に出願された国際特許出願第2004/082795号に記載されている。その結果、コイル状に巻いた構成物は、通常は、濾材積層体の外部表面として、対面シートの一部を有している。
媒体内の構造を示すために本明細書で使用される用語「波形加工された(corrugated)」は、2本の波形ローラーの間、すなわち、2つのローラーの間のニップまたはバイト内に濾材を通過することで得られるひだ付き構造(flute structure)を指すことを意味しており、各波形ロールは、得られる濾材中に波形状の効果を起こさせるために適した表面特性を有する。用語「波形:corrugation」は、複数の波形ローラーの間のバイト内へ濾材の流路を含まない技術で形成される流路(flute)を指すことを意味しない。しかしながら、用語「波形加工された」は、波形を形成した後に、例えば2004年1月22日に国際公開され本明細書に引用により合体される国際出願公開第2004/007054号に記述されるような折り曲げ技術によって、濾材が更に修正または変形される場合にも適用されることを意味する。
波形加工された濾材は、ひだ付き濾材の1つの特定の形態である。ひだ付き濾材(fluted media)は、濾材を横切って延びる個々の流路(例えば、波形加工または折り曲げ加工で形成される)を有する濾材である。ひだ付き濾材は、所望の流路形状を提供できるいかなる技術によっても調整できる。波形加工は、特定のサイズを有する流路を成形するための有用な技術であり得る。流路の高さ(高さは頂点(peak)間の高さである)を増加させることが好ましい場合、波形加工技術は実用的でなく、濾材を折り曲げるかまたはひだをつけることが好ましい。一般に、濾材にひだを付けることは、濾材を折り曲げることの結果として提供できる。ひだ(プリーツ)を付けるために濾材を折り曲げる例示の技術は、ひだを付けるために刻み目を入れるまたは圧力を用いることを含む。
Z型濾材を使用するフィルタエレメントまたはフィルタカートリッジ形状はときどき「真っ直ぐに通る流れの形状(straight through flow configuration)」またはこの変形として呼ぶ。一般にこの文脈において、点検整備可能なフィルタエレメントが一般に流入端部(または面)と対向する流出端部(または面)とを有し、流れがフィルタカートリッジにほぼ同一のまっすぐに流れる方向で流入および流出することを意味する。用語「真っ直ぐに通る流れの形状」は、この定義に対して、濾材積層体から対面濾材の最外側の巻き付け(wrap)を通過する空気流を無視する。いくつかの例では、それぞれの各流入端部と各流出端部は、一般に平らまたは平面であり、2つは互いに平行である。しかしながら、これからの変形、例えば、平らでない面もまたいくつかの応用において使用可能である。さらに、流入面と対抗する流出面の特徴は、流入面と流出面が平行であることを必要としない。所望であれば、流入面と流出面を互いに平行として提供できる。あるいはまた、流入面と流出面は、流入面と流出面とが平行でないある角度で提供できる。さらに、平らでない複数の面は非平行な複数のであると考えられる。
真っ直ぐに通る流れの構造物は、流れが一般に、点検整備可能なフィルタカートリッジを通過するときに実質的に旋回する、例えば、米国特許第6,039,778号に示される円筒状のひだ付きフィルタカートリッジとは対照的なものである。すなわち、米国特許第6,039,778号のフィルタでは、流れは円筒状の側面を通って円筒状のフィルタカートリッジの内部に入り、次に、旋回して前進する流れシステムの端面を通って外に流れる。逆流システムでは、流量は、端面を通して点検可能な筒状のカートリッジに入って、次に、筒状のフィルタカートリッジの側部を通って出るために旋回する。そのような逆流れ系の実施例は米国特許第5,613,992号に示されている。
フィルタエレメントあるいはフィルタカートリッジは、点検可能なフィルタエレメントあるいはフィルタカートリッジと呼ぶことができる。この文脈において、用語「点検可能である」は、このような関係においては対応するエアクリーナから定期的に除去されて、取り替えられるフィルタカートリッジを含む濾材を参照することになっている。点検可能なフィルタエレメントかまたはフィルタカートリッジを含むエアクリーナは、フィルタエレメントかあるいはフィルタカートリッジの取外しと交換を提供するように構成されている。一般に、エアクリーナは、ハウジングとアクセスカバーを含み、アクセスカバーは使用されたフィルタエレメントの取外しと新しいまたは洗浄された(修理された)フィルタエレメントの挿入を提供する。
本明細書で使用されるとき、用語「Z型濾材構造物(Z-filtermedia construction)」とその変形は、濾材を通るろ過流路無しに1つの流れ面から別の流れ面までの空気流を禁じるための適切なシールを持つひだ付き濾材シートと対面シートを含む片側積層物か、および/または、コイル巻きされたか、積層されたか、または流路の三次元的ネットワークとして形成または作製された片側積層物か、および/または、片側積層物を含むフィルタ構成物か、および/または、流路の三次元的ネットワークとして形成または作製された(折り曲げられたまたはひだ付けられた)流路濾材のうちのいずれか、またはそれらの全てを指すことを意味する。一般に、流路封止構成物を提供することは好ましい。1つの側部(側面)中に流れるろ過されていない空気が、濾材を出るろ過された空気流の一部として濾材の他の側部(側面)から外に流れることを防ぐ流路封止構成物を提供することは好ましい。多くの構造物において、Z型濾材構造物は、入口および出口の流路のネットワークの形成のために構成されており、入口流路が入口面に隣接する領域で開き、出口面に隣接する領域で閉じ、出口流路が入口面に隣接して閉じており、出口面に隣接して開いている。しかしながら、代替のZ型濾材構成物は可能である。例えば、2006年5月4日に公開されたバルドウィンフィルタ会社の米国特許第2006/0091084A1号が参照され、それもまた、濾材積層体を通るろ過されていない空気の流れを妨げるためのシール構成物を有する、対向する流れ面の間に延びている流路を有している。本発明の基づくZ型濾材構造物において、接着剤または密封剤は流路を閉じるために使用でき、ろ過していない空気が濾材の一つの面から濾材の他の面に流れるのを防ぐための適切なシール構成物を提供する。封止(plug)、濾材の折り曲げまたは濾材をつぶすことは、ろ過していない空気の流れが濾材の一側部(面)から濾材の他側部(面)に流れるのを防ぐための流路封止(closure)を提供するための技術として使用できる。
代替のZ型フィルタ構成物は、ひだ付き濾材シートを利用することで提供できる。例えば、流入面と流出面で封止(closure)を形成するためにひだ付き濾材シートを折り曲げることができる。この種類の構成物の実施例は、例えば、AAF−マックウェイ社への米国特許出願第2006/0151383号およびフリートガード社の国際特許出願公開第2006/13271号に見ることができ、それらは、流路の端部をシールするため流路の方向に垂直に折り目を付けるかまたは曲げることを記載している。
図1を参照すると、Z型濾材として使用可能な例示の濾材1が示されている。濾材1は先行技術の濾材を代表しているが、濾材1を説明するために用いられる用語の多くは、また本発明に基づく濾材の一部を説明できる。濾材1はひだ付(実施例では波形)シート3と対面シート4から形成される。一般に、ひだ付波形板3は、一般に、通常の、波形の、流路または波形7の、波状パターンを有するものとして本明細書で特徴付けられる一般的なものである。この文脈で用語「波状パターン(wave pattern)」は、谷(trough)7bと丘(hill)7aとが交互にくる流路あるいは波形パターンを指すことを意味する。この文脈で用語「規則的(regular)」は、谷(trough)と丘(hill)(7b,7a)の組がほぼ同じ繰り返しの波形(または、流路)形状とサイズで交互に形成されることを指すことを意味する。(また、一般に規則的な構造において、各谷(trough)7bは、実質的に各丘(hill)7aの逆形状である。)従って、用語「規則的」は、波形(または流路)パターンが、流路長さの少なくとも70%に沿って実質的に変わらない波形形状とサイズで、繰り返す各組(隣接した谷(trough)と丘(hill)を有する)をもつ谷(trough)と丘(hill)を有することを意味する。この文脈で用語「実質的(substantial)」は、濾材シート3が可撓性であることからのわずかな変動とは異なり、波形加工シートあるいはひだ付きシートを形成するために使用されるプロセスまたは形態における違いの結果としての変更を指す。繰り返しパターンの特徴に関して、所与のフィルタ構造物において、等しい数の谷(trough)と丘(hill)とが必ずしも存在することを意味するものではない。例えば、濾材1は、谷(trough)と丘(hill)を含む1組の間で、あるいは、谷(trough)と丘(hill)を含む1組に部分的にそって終端とすることができる。(例えば、図1で断片的に図示される濾材1は、8つの完全な丘(hill)7aと7つの完全な谷(trough)7bとを備える。)また、対向する流路の複数の端部(谷(trough)と丘(hill)の端部)は、互いに異なり得る。このような端部での変動は、特に述べない限り、これらの定義において無視される。すなわち、流路の端部における変動が、上記の定義によって保護されることを意味するものである。
ひだ付濾材の文脈において、特に、例示の濾材1において、丘(hill)7aと谷(trough)7bとを特徴付けられる。すなわち、丘(hill)7aの最高点は頂点(peak)として特徴付けられるし、谷(trough)7bの最低点は頂点(peak)として特徴付けられる。ひだ付きシート(fluted sheet)3と対面シート(facing sheet)4の組合せを片側積層物5と呼ぶ。谷(trough)7bに形成される頂点(peak)は、片側積層物5の対面シート3に向かう方向に面するので内向きの頂点(peak)と呼ばれる。丘(hill)7aに形成される頂点(peak)は、片側積層物5を形成する対面シート3から離れる方向に面するので外向きの頂点(peak)として特徴付けられる。片側積層物5に対して、ひだ付きシート3は、7bに内向きの頂点(peak)の繰り返しと、対面シート4から離れる方向に面している7aに外向きの頂点(peak)の繰り返しを含む。
用語「規則的(regular)」が流路を特徴付けるために使用する場合、「テーパ状」になっている濾材を特徴付けることを意図しない。一般に、テーパ状は流路長さに沿って流路のサイズの減少あるいは増加を指す。一般に、テーパ状濾材は、濾材の第1端部から濾材の第2端部にサイズが縮小する第1の流路のセット、および濾材の第1端部から濾材の第2端部にサイズが増加する第2の流路のセットを指す。一般に、テーパ状パターンは規則的パターンであると考えられていない。しかしながら、Z型濾材は、流路長さに沿って規則的と考えられる領域と、規則正しくないと考えられる領域を含むことができることを理解すべきである。例えば、流路の第1セットは流路長さの距離、例えば、1/4の距離〜3/4の距離に沿って規則的と考えられ、そして次に、流路長さの残りの量は、テーパ状が出現する結果として規則正しくないと考えられる。別の可能な流路の構成物は、例えば、流路が第1面から予め選択された領域までテーパ状となっており、次に、流路が第2の予め決められた領域まで規則正しくなっており、次に、流路は第2面にまでテーパ状となっている、テーパ状−規則的−テーパ状の構成物を有する。別の代替の構成物は、規則的−テーパ状−規則的または、規則的−テーパ状構成物を提供し得る。所望に応じて様々な代替構成物を構成できる。
Z型濾材の文脈において、一般に、2つのタイプの「非対称」がある。1つのタイプの非対称は、面積非対称と呼び、別のタイプの非対称は体積非対称と呼ぶ。一般に、面積非対称は、流路の断面積の非対称を示し、テーパ状流路によって示すことができる。例えば、面積非対称は、流路長さに沿ってある位置の流路面積が、流路長さに沿った別の位置の流路面積と異なる場合に存在する。流路面積は、ひだ付きシートと対面シートとの間の面積を指す。テーパ状流路は、面積非対称であり、濾材積層体の第1位置(例えば、端部)から第2位置(例えば、端部)まで大きさの減少を示すか、または、濾材積層体の第1位置(例えば、端部)から第2位置(例えば、端部)まで大きさの増加を示す。この非対称(例えば、面積の非対称)は、テーパーから生じる一種の非対称であり、その結果、このタイプの非対称を有する濾材は、規則的でないと言うことができる。別のタイプの非対称は、体積非対称と呼ばれ、さらに詳細に説明する。体積非対称は、濾材積層体中の汚れた側部体積と清浄な側部体積との差を指す。体積非対称を示す濾材は、波状パターンが規則的であるなら規則的として特徴付けることができ、波状パターンが規則的でないなら規則的でないとして特徴付けられる。
接着剤またはシール剤による封止(plug)を提供する以外の技術によって流路の少なくとも一部がろ過されていない空気の通路に対して閉じられているZ型濾材を提供できる。例えば、封止(closure)を提供するために流路の端部を折り曲げるかまたは押しつぶされる。流路を閉じるために規則的でかつ一貫した折り目パターンを提供する1つの技術は、「ダーツ付け(darting)」と呼ばれる。ダーツ付け流路またはダーツ付けは、一般に、流路の封止(closure)を指し、そこでは、封止は、押しつぶしによってよりもむしろ封止を提供するために、対面シートに向かって流路を折り曲げるように、規則的な折り目パターンを生成するために流路をへこませるおよび流路を折り曲げることによって起こる。一般に、ダーツ付けは、流路の封止が一般に一貫していて制御されているように、流路の一部を折り曲げた結果として流路の端部を閉じるためのシステマティックなアプローチを含む。例えば、米国特許出願第2006/0163150号A1は、流路の端部でダーツ付け構成物を有する流路を開示している。ダーツ付け構成物は、シールを提供するのに必要なシール剤量の低減とシールの有効性に対する安全性の増加と流路のダーツ付けられた端部上の好ましい流れパターンとを含む利点を提供し得る。Z型濾材は、ダーツ付け端部を含むことができ、米国特許出願第2006/0163150号A1の全ての開示は引用により本明細書に合体される。流路の端部におけるダーツの存在は、濾材を規則的でないようにさせないことが理解される。
「カーブした(curved)」波状パターンを特徴付ける文脈において、用語「カーブした」は、濾材に提供される折り曲げられた、あるいは、折り目を付けられた形状の結果ではなく、むしろ各丘(hill)7aの頂点と各谷(trough)7bの底部が半曲カーブ(radiused curve)に沿って形成されるパターンを指すことを意味する。代替手段は可能であるが、そのようなZ型濾材の典型的な半径は、少なくとも0.25mmであり、通常は、3mmを超えない。上の定義において波形加工されていない濾材もまた、使用可能である。例えば、「カーブした」と考えられないような十分鋭い半径を有する頂点(peak)を提供することは好ましい。半径は、0.25mm未満、または0.20mm未満であり得る。マスキングを抑えるために、ナイフエッジを有する頂点(peak)を提供することは好ましい。頂点(peak)でナイフエッジを提供する能力は、濾材を形成するために使用する装置、濾材自身、および濾材が使用される条件によって制限され得る。例えば、濾材を切るまたは引き裂かないことは好ましい。従って、頂点(peak)を形成するためにナイフエッジを使用することは、ナイフエッジが濾材中に切り傷あるいは裂け目を引き起こす場合には好ましくない。また、濾材は、切断または裂け目無しに十分に波形加工されていない頂点(peak)を提供するために、軽過ぎるまたは重過ぎる場合がある。また、処理中の空気湿度は、頂点(peak)を形成するとき、隙間がより少ない半径を形成するのを助けるように強めることができる。
図1に示される波形シート3に対する特定の規則的にカーブした波形パターンの更なる特徴は、曲率が反転する遷移領域が、各谷(trough)7bと隣接する各丘(hill)7aの間のほぼ中点30に、流路7長さに概ね沿って配置されることである。たとえば、図1の裏側または前側面3aを見ると、谷(trough)7bは凹形の領域にあり、丘(hill)7aは凸形の領域にある。もちろん前側部または前側面3bに向かってみると、側部3bの谷(trough)は丘(hill)を形成し、前側面3aを参照すると、濾材1が、例えば、コイル巻きあるいは積層して濾材積層体中に組み丘(hill)7aは谷(trough)を形成する。いくつかの例では、領域30は、点の代わりに、部分30の端部で曲率が反転する直線部分30であってもよい。
図1に示される、特別に規則的なカーブした波形パターンの波形シート3の特徴は、個々の波形が概ね直線的であることである。この文脈で、「直線的」とは、端部8と端部9間の長さの少なくとも50%、好ましくは70%(通常は少なくとも80%)にわたって、丘(hill)7aと谷(trough)7bの断面形状が実質的に変化しないことを意味する。図1で示される波形パターンに関する用語「直線的」は、引用により本明細書に合体される2003年6月12日に公開された国際特許出願公開第97/40918号および同第03/47722号の図1に記載された波形加工された濾材のテーパ状流路のパターンと部分的に異なっている。例えば、国際特許出願公開第97/40918号の図1のテーパ状流路は、波形加工された波パターンではあるが、本明細書で使用されている用語のような「規則的な」パターンあるいは直線的な流路のパターンではない。
本明細書の図1を参照すると、上記参照したように、濾材1は対向する第1端部8と第2端部9とを有する。図示された例示に対して、濾材1がコイル巻きされて濾材積層体に形成されるとき、通常、第2端部9が濾材積層体の入口端部を形成し、第1端部8が濾材積層体の出口端部を形成するが、ある応用では逆の配置もまた可能である。
図示された例において、隣接する端部8には、密封材が、この例では密封材ビード(sealant bead)10の形態でひだ付きシート3と対面シート4とを一緒にシールする。密封材ビード10は、波形シート3と対面シート4との間のビードであり、片側積層物1を形成するので、時には「片側積層物用ビード」と呼ばれる。密封材ビード10は、端部8に隣接する各流路11の空気通路を閉じてシールする。
図示された例において、密封材が、この例では密封材ビード14の形態で隣接する端部9に供給される。密封材ビード14は、通常は、端部9に隣接してそこを通る未濾過の流体の通路に対して流路15を閉じる。密封材ビード14は、通常は、波形加工されたシート3が内部に向けられた状態で、濾材1がそれ自身の周りにコイル状に巻かれている場合に適用される。したがって、密封材ビード14は、対面シート4の裏面17と、波形シート3の側面18との間でシールを形成する。細長片1をコイル巻きにしてコイル状濾材積層体にするときに、密封材ビード14を通常適用するので、密封材ビード14は、ときどき「巻き付けビード」と呼ばれる。コイル巻きの代わりに、濾材2が細長片に切断され積層される場合には、密封材ビード14は、「積層ビード」と呼ばれる。
図1を参照すると、濾材1が例えばコイル巻き又は積み重ねによって濾材積層体に組み込まれると、濾材1は以下のように作動し得る。最初に、空気は矢印12の方向で端部9に隣接する開いた流路11に入る。端部8は密封材ビード10によって閉じているので、空気は、矢印13で示される方向に濾材を通過する。次に、空気は、濾材積層体の端部8に隣接した流路15の開いた端部15aを通る通路によって濾材積層体から外に出る。もちろん、上記と逆方向の空気流とすることもできる。
より一般的な用語において、Z型濾材は、対面濾材に固定され、第1と第2の対向する流れ面の間で延びている濾材積層体の複数の流路中に構成されたひだ付き濾材を有する。密封材またはシール構成物は、第1上流端部で空気が入ってくる流路が、濾材を通過するろ過通路を用いずに下流の端部から濾材積層体を出ないことを確実にするように、濾材積層体内に提供されている。1つおきに言うと、Z型濾材は、流入面と流出面との間で、通常はシール剤構成物または他の構成物によってそこを通るろ過されていない空気の通路が閉じられる。この追加の代替の特徴は、空気をろ過するために空気が濾材積層体の第1面と第2面のうちの1つの面の中に入り、第1面と第2面のうちの他の面から外に出るように、流路の第1部分は、ろ過されていない空気が流路の第1部分に流れ込むのを防ぐように閉じられるかまたはシールされ、かつ、流路の第2部分は、ろ過されていない空気が流路の第2部分から外に流れ出るのを防ぐように閉じられるかまたはシールされることである。
本明細書の図1に示された特定の構造に対し、平行な波形7a、7bは、端部8から端部9まで、通常は、濾材を真っ直ぐに完全に横切る。真っ直ぐな流路または波形構成物は、選択された位置、特に端部で、変形または折り曲げることができる。この流路の端部での封止の変形は、通常は、上記の「規則的に」「カーブした」「波パターン」の定義から外れる。
一般に、濾材は、相対的に柔軟な材料、通常は、(セルロースファイバ、合成ファイバまたは両方の)不織布ファイバ質材料であり、しばしば樹脂を含み、時には追加の材料で処理される。したがって、濾材は、容認できないような濾材の損傷を受けずに、例えば、波形加工されたパターンなどの種々の流路に加工または構成できる。また更に、濾材積層体は、容認できないような濾材の損傷を受けずに、使用のためにコイル状に巻く、あるいは他の使用形状に容易にすることができる。もちろん、濾材は、使用中に、所望の流路(例えば、波形加工された)構造を維持するような性質を持ち得る。
波形加工または流路の形成工程では、非弾性変形が濾材に生じる。これによって、濾材が元の形状に戻ることを防ぐ。しかしながら、この工程で張力が解放されると、流路あるいは波形形状は、スプリング・バックを起こし、伸びと曲がり部分の少なくとも一部が回復しやすい。対面シートは、時には、縦溝シートにおけるスプリング・バックを禁じるために、ひだ付きシート(または、波状シート)に鋲で留められる。
また、通常は、濾材は、樹脂を含む。波形状形成工程で、濾材は樹脂のガラス転移点以上の温度に加熱され得る。樹脂が次に冷却されると、樹脂は流路の形状を維持するように作用する。
波形シート3、対面シート4またはその両方の濾材は、例えば、参照として本明細書に合体される米国特許第6,955,755号、同第6,673,136号、同第7,270,693に記載されているように、その一側面または両側面上に、微細なファイバ材料を提供できる。一般に、ファインファイバは重合体のファインファイバ(マイクロファイバとナノファイバ)と呼ばれ、ろ過性能を向上するための濾材を提供できる。濾材上にファインファイバが存在する結果として、所望のろ過性を獲得しかつ重量や厚みを低減した濾材を提供することは可能でありまたは好ましい。従って、濾材上にファインファイバが存在すると、ろ過特性を高める、より軽い濾材を提供できる、またはその両方を提供できる。ファインファイバとして特徴付けられるファイバは、約0.001μm〜約10μm、約0.005μm〜約5μm、または約0.01μm〜約0.5μmの直径を持つことができる。ナノファイバは、200nmまたは0.2μm未満の直径を有するファイバを指す。マイクロファイバは、0.2μmより大きいが10μmより大きくない直径を有するファイバを指す。ファインファイバを形成するために使用できる例示の物質は、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニル・アルコール重合体、ナイロン6、ナイロン4,6、ナイロン6,6、ナイロン6,10など様々なナイロンを含む共重合体、それらの共重合体、ポリ塩化ビニル、PVDC(ポリ二塩化ビニル)、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PVDF、ポリアミド、およびそれらの混合物を含む。
更に、図1を参照すると、20でタックビードが、波形状シート3と対面シート4との間に配置されて、一緒に固定するために示されている。タックビード20は、例えば、接着剤の不連続な線であり得る。また、タックビード20は、濾材シートが一緒に溶接された点であり得る。
上記から、図示された例示の波形シート3は、通常は、2つが接する頂点(peak)に沿って対面シートに連続的に固定されていない。従って、空気は、濾材を通過する通路無しに、隣接する入口の複数の流路の間と、交互の隣接する出口の複数の流路との間を流れることができる。しかしながら、入口面で流路中に入った空気は、少なくとも1つのろ過する濾材シートを通過せずに出口流路から出ることができない。
次に、図2に着目すると、ひだ付(この例では、規則的な、曲げられた、波形パターン、波形加工された)シート43と、波形加工されていない平らな対面シート44とを使用するZ型濾材構造40が示される。点50と点51の間の距離D1は、与えられた流路53の下にある領域52中の対面する濾材44の範囲を画定する。点50と点51は、ひだ付きシート43の内向きの頂点(peak)46,48の中央点として提供される。さらに、点45はひだ付きシート43の外向きの頂点(peak)49の中央点として特徴付けられる。距離D1は、濾材構成物40の周期的長さまたはインターバルを画定する。距離D2は、同じ距離D1上で、流路53に対する弓形の濾材長さを画定し、流路53の形状によるD1より当然長い。先行技術によるひだ付きフィルタの応用において使用される通常の規則的な形状の濾材では、D2の長さのD1に対する比は、1.2〜2.0の範囲内である。エアーフィルタの共通の例示構成物では、D2は、D1の約1.25〜1.35倍の構成物を有する。そのような濾材は、例えば、ドナルドソン社のPowercore(登録商標)Zフィルタ構造物において商業的に使用されている。ここで比D2/D1は、時として濾材に対する流路/平坦部比(flute/flat ratio)、または濾材しぼり(media draw)として特徴付けられる。
流路の高さJは平らな対面シート44からひだ付きシート43の最高点までの距離である。1つおきに述べると、流路高さJはひだ付きシート43の繰り返しの頂点(peak)57と頂点(peak)58の間の外側の高度差である。頂点(peak)57(対面シート44に向う方向の頂点(peak))を内向きの頂点(peak)と呼び、頂点(peak)58(対面シート44から離れる方向の頂点(peak))を外向きの頂点(peak)と呼ぶ。距離D1、D2、およびJは、図2に示された特定のひだ付き濾材構成物に適用されるが、これらの距離はひだ付き濾材の他の構成物に適用することができ、そこでは、D1は流路の周期長さまたは所定の流路の下方の平らな濾材の距離を指し、D2は、下方頂点(peak)から下方頂点(peak)までのひだ付き濾材の長さを指し、Jは流路の高さを指す。
別の計測はうねり長さ(cord length CL)と呼ばれる。うねり長さは頂点(peak)57の中点50から頂点(peak)58の中点45までの直線距離を指す。濾材厚さが距離値に影響を与えるならば、特別な濾材厚さと距離測定を始めるまたは終える方向は、距離値に影響する。例えば、うねり長さ(CL)は、距離が内向きの頂点(peak)の底部から外向きの頂点(peak)の底部まで測定されるかどうかに依存して、または、距離が内向きの頂点(peak)の底部から外向きの頂点(peak)の頂部まで測定されるかどうかに依存して、異なる値を持ち得る。距離におけるこの差は、濾材厚さが距離測定に影響を与えるかの例である。濾材厚さの影響を最小にするために、うねり長さに対する計測は、濾材中の中点で決定される。うねり長さCLと濾材長さD2の間の関係は、濾材うねり率として特徴付けられる。濾材うねり率(media cord percentage)は、
濾材うねり率=((1/2)D2−CL×100)/CL
の式によって決定できる。
段ボール業界では、様々な規格の流路が定められている。例えば、規格Eの流路、規格Xの流路、規格Bの流路、規格Cの流路、および規格Aの流路などである。図3は、以下の表Aとの組み合わせて、これらの流路の定義を提供する。
本特許の譲受人であるドナルドソン株式会社(DCI)社は、様々なZフィルタ構成物内における規格Aと規格Bの流路の変形を使用してきた。ドナルドソン株式会社の規格Bの流路は、約3.6%の濾材うねり率を有する。ドナルドソン株式会社の規格Aの流路は、約6.3%の濾材うねり率を有する。さまざまな流路は、また、表Aおよび図3で画定される。図2は、ひだ付きシート43として規格Bの流路を使用するZ型濾材構造物40を示している。
Figure 2010517749
一般に、段ボール箱業界からの規格の流路の形状は、波形状濾材の波形状または概略波形状を画定するために使用できる。流路の構成物またはろ過性能を高める構造物を提供することによって、濾材の性能を改善することがきる。段ボール業界では、流路の大きさまたは波形の幾何形状は、荷重を処理するのに適した構造を提供するように選択される。段ボール業界における流路の幾何学的形状は規格Aまたは規格Bの流路形状を発展させた。そのような流路の構成物は荷重を取り扱うのに好ましいが、ろ過性能は、流路の幾何学形状を変更することによって高めることができる。ろ過性能を改良する技術は、一般に、ろ過性能を改良し、かつ選択されたろ過条件下でろ過性能を改良する幾何学形状と外形を選択することを含む。ろ過性能を改良するために変更できる例示の流路の幾何学形状と外形は、流路のマスキング流路の形状、流路の幅高さ比、流路の非対称性を含む。流路の幾何学形状と外形の広い選択を考慮すると、流路のエレメントは、ろ過性能を改良するために様々な流路の幾何学形状と外形を考慮して所望のフィルタエレメントの幾何学形状と外形で構成され得る。
マスキング
Z型濾材の文脈において、マスキングは、濾材を使用するとき、有用な濾材の不足をもたらすかなりの圧力差の不足がある、ひだ付きシートと対面シートとの間の近接領域を指す。一般に、マスキングされた濾材は、濾材のろ過性能を実質的に高めるのに有用ではない。従って、マスキングを低減して、それによりろ過に利用できる濾材量を増加すること、それにより濾材容量を増加すること、濾材のスループットを増加すること、濾材の圧力損失を低減すること、またはこれらのいくつかまたは全部を行うことは、好ましい。
図2に示されるような頂点(peak)で広い円弧を有するパターンに配置されたひだ付きシートの場合に、ひだ付きシートと対面シートとの接触領域の最も近くに一般にろ過に有用でない濾材のかなり大きな領域が存在する。マスキングは、ひだ付きシートと対面シートとの間の接触点または頂点(peak)の円弧を(例えば、より鋭角の接点を提供して)減少させることによって抑えられる。マスキングは、一般に、濾材が(例えば、空気ろ過の間に)加圧下にあるとき濾材ゆがみを考慮に入れる。かなり大きい半径は、ひだ付き濾材の多くが対面シートに向かう方向へのゆがみをもたらす。鋭角頂点(peak)または接点(例えば、小さい半径)を提供することによって、マスキングを抑えられる。
ひだ付きシートと対面シートとの間の接触する円弧を減少させる試みがなされた。例えば、Winter他の米国特許第6,953,124号が参照される。円弧を減少させる例は、図4aに示され、そこでは、ひだ付きシート70は、比較的鋭い頂点(peak)で対面シート72および対面シート73と接触する、すなわち、ひだ付きシート70中の接点74と接点75と接触する。図1に示されているカーブした波形パターンなどのカーブした波形パターンは、一般に、少なくとも0.25mmの頂点(peak)半径、通常は3mmを超えない頂点(peak)半径を有するひだ付きシートを提供する。比較的鋭い頂点(peak)または接点は、0.25mm未満の半径を有する頂点(peak)として特徴付けられる。好ましくは、約0.20mm未満の半径を有する相対的な頂点(peak)を提供できる。さらに、約0.15mm未満、および好ましくは約0.10mm未満の半径を有する頂点(peak)を提供することによって、マスキングを抑えられる。半径を持たないまたは約0mmの半径を本質的に有する頂点(peak)を提供できる。比較的鋭い頂点(peak)または接点を示すひだ付き濾材を提供する例示の技術は、比較的急なエッジを提供するために充分な方法でひだ付き濾材を圧印加工する、曲げる、折り曲げる、または折り目を付けることを含む。鋭いエッジを提供する能力は、濾材自身の組成物、圧印加工する、曲げる、折り曲げる、または折り目を付けるために使用される処理装置を含む多くの因子に依存することが理解される。一般に、比較的急な接点を提供する能力は、濾材の重さと、濾材の引き裂きまたは切断に対する抵抗を有するファイバを含むかどうかに依存する。一般に、曲げる、折り曲げる、または折り目を付ける間に濾材積層体を切断しないことが好ましい。
マスキングを抑えるために頂点(peak)(内向きの頂点(peak)または外向きの頂点(peak))の半径を減少させることが好ましいが、頂点(peak)のすべてがマスキングを減少させるために減少した半径を有する必要はない。濾材の設計によって、低減した半径を有する外向きの頂点(peak)を提供するか、または低減した半径を有する内向きの頂点(peak)を提供するか、または減少した半径を有する外向きの頂点(peak)と内向きの頂点(peak)の両方を提供することにより十分にマスキングを減少させることができる。
濾材の表面積の増加
ろ過性能は、ろ過に利用可能な濾材量を増加させることによって高めることができる。マスキングを低減することは、ろ過に利用可能な濾材表面積を増加させる技術であると考えられる。ここで図4aを参照すると、ひだ付きシート70は、正三角形に類似する断面積を有する流路を提供すると考えられる。濾材が可撓性であるので、濾材がろ過中に圧力がかかると、ひだ付きシート70がゆがむことが予想される。さらに、図2のひだ付きシート43は、三角形形状に類似する流路を有すると考えられる。一般に、流路が正三角形に類似するひだ付き濾材では、他の流路設計と比べてろ過に利用可能な濾材量は最も少なく、そこでは、周期長さまたはインターバルD1は互いに増加または減少する、あるいは流路の高さJは増加または低下する。
ここで、図4bと4cを参照すると、図4bはひだ付きシート80が対面シート82と対面シート83との間で伸びている濾材を示す。図4cは、ひだ付きシート90が対面シート92と対面93との間で伸びている濾材を示す。ひだ付きシート80は、図4aに示されるひだ付きシート70より長い流路の周期を有する。従って、ひだ付きシート80は、図4aで示される濾材構成物と比べて流路高さJに対して比較的長い周期D1を持って提供される。ここで、図4cを参照すると、ひだ付きシート90は、図4aのひだ付きシート70より短い流路周期を有する。ひだ付きシート90は、図4aに示される濾材構成物と比べて周期D1に対して比較的大きい流路高さJを有する。
ひだ付き濾材の構成物は、流路の幅高さ比(flute width heightratio)で特徴付けられる。流路の幅高さ比は、流路の周期長さD1の流路高さJに対する比である。流路の幅高さ比は、
流路の幅高さ比=D1/J
の式で表わされる。
流路の周期長さD1や流路高さJなどの測定距離は、平均が濾材のために各流路の端部から20%以内で流路長さに沿って濾材の平均値として特徴付けられる。従って、距離は、流路の端部から離れて測定できる。流路の端部は、通常は、シール剤または封止を有する。流路の封止で計算された流路の幅高さ比は、ろ過が行われているところの流路の幅高さ比を必ずしも表すものではない。従って、流路の幅高さ比の測定は、流路が端部近くで閉じられている場合、流路の封止の影響を除去するために、流路の端部付近の流路長さの20%を除いた流路の全長さの平均値として提供される。「規則的な」濾材では、流路の周期長さD1と流路高さJが、流路長さに沿って比較的一定になると予想される。比較的一定であることによって、流路の幅高さ比は、流路の封止設計が、幅高さ比に影響を与える場合、各端部での20%の長さを除いた流路の全長さの約10%以内で変動し得ることを意味する。さらに、テーパ状流路を有する濾材などの規則的でない濾材の場合に、流路の幅高さ比は、流路の全長さにわたって変動するかほぼ同じままで残り得る。理論的な正三角形状から離れた流路形状を調整することによって、ろ過に利用可能な濾材量を増加できる。従って、少なくとも約2.2、少なくとも約2.5、少なくとも2.7、または少なくとも3.0の流路の幅高さ比を有する流路は、ろ過に利用可能な濾材の表面積を増加させることができる。さらに、約0.45未満、約0.40未満、約0.37未満、または約0.33未満の流路の幅高さ比を有する流路の設計を提供することにより、ろ過に利用可能な濾材面積の増加を提供できる。
流路形状
流路形状を変更することによって、濾材の性能を高めることができる。ろ過に利用可能な濾材量を増加させる流路形状を提供すると、性能が向上する。ろ過に利用可能な濾材量を増加させる1つの技術は、隣接する頂点(peak)間で尾根(ridge)を形成することである。上記説明したように、隣接する頂点(peak)は、内向きの頂点(peak)(対面シートに向う方向に面している)と外向きの頂点(peak)(対面シートから離れる方向に面している)を指す。図5a〜図5cにろ過性能を高めるための例示の流路の形状を示す。図5aに示す流路形状は、「低接触(low contact)」流路形状と呼ぶことができる。図5bと図5cに示された流路形状は、「ゼロ歪(zero strain)」と呼ぶことができる。一般に、「低接触」は、規格Aと規格Bのひだ付き濾材と比べてひだ付きシートと対面シートとの間の接触(例えば、マスキング)の量を減少させて、対面濾材シート間のひだ付き濾材シート量を増やす能力を指す。「ゼロ歪み」の名は、濾材上に好ましくないレベルの歪みを導入せずに流路長さに沿ってテーパ状にする流路形状の能力を指す。一般に、濾材中の好ましくないレベルの歪み(または、伸張)は、濾材に裂け目を引き起こすひずみ量、または、より高いレベルの歪みに耐えられる特別な濾材の使用を必要とするひずみ量を指す。一般に、約12%より大きい歪みに耐えられる濾材は、通常は、特別な濾材と考えられ、約12%までの歪みに耐えられる濾材よりも高価である。ゼロ歪みのひだ付きシートは、さらに、ひだ付きシートと対面シートとの間での接触を減少させるように提供できる。
ここで、図5a-5cを参照すると、濾材110は、対面シート111と対面シート113の間にひだ付きシート112を含み、濾材120は、対面シート121と対面シート123の間にひだ付きシート122を含み、濾材140は、対面シート141と対面シート143との間にひだ付きシート142を含む。ひだ付きシート112と対面シート113との組合せを片側積層物117と呼び、ひだ付きシート122と対面シート123との組合せを片側積層物137と呼び、ひだ付きシート142と対面シート143の組合せを片側積層物147と呼ぶ。片側積層物117、137、または147を巻くかまたは積層する場合、積み重ね濾材積層体では対面シート111、121、または141は、別の片側積層物から、渦巻状濾材積層体では同じ片側積層物から提供される。
濾材110、120、および140は、空気などの流体を洗浄するためのフィルタエレメントを供給するように配置され得る。フィルタエレメントは、渦巻状エレメントまたは積層エレメントとして配置され得る。一般に、渦巻状エレメントは、渦巻状構造物を提供するために巻くひだ付き濾材シートと対面濾材シートとを含む。丸い、ほぼ丸い、競馬場の形状で特徴付けられる形状を有する渦巻状構成物を提供し得る。一般に、積層構造物は、対面濾材シートに接着したひだ付き濾材シートを含む濾材の交互層を含む。図5a〜5cに示される濾材110、120、および140は、記載された形状に対してひだ付きシートの断面形状を示すために濾材を横切って得られる断面図である。流路長さに並んで伸びている断面形状を提供できることが理解される。その上、流路は、濾材がZ型濾材として機能するように封止またはシールされている。所望であれば、接着剤あるいは密封剤として封止(plug)またはシールが提供される。
図5aでは、距離D1は、内向きの頂点(peak)114の中点から外向きの頂点(peak)116の中点まで測定される。各周期長さD1に対してまたは濾材の長さD2に沿って2つの尾根(ridge)118を持つひだ付き濾材110が示されている。流路長さの少なくとも一部に沿って伸びている2つの尾根(ridge)118が提供される。一般に、各尾根(ridge)118は、ひだ付き濾材118aの比較的平らな部分が、ひだ付き濾材118bの比較的急な部分と接触する一般領域として特徴付けられる。尾根(ridge)(例えば、頂点(peak)でない尾根)は、異なる傾斜の濾材部分の間の交線と考えられる。尾根(ridge)は、その位置で濾材の変形の結果として形成されえる。濾材に圧力をかけることの結果、尾根(ridge)で濾材を変形できる。濾材は、濾材に圧力をかけた結果として尾根(ridge)で変形され得る。尾根(ridge)を形成する技術は、圧印加工、折り目付け、曲げ、折り曲げを含む。好ましくは、尾根(ridge)は、波形ロールが尾根(ridge)を形成するために濾材に圧力をかける波形加工工程の間に圧印加工することの結果として提供される。ひだ付きシートと単一スペーサ媒体を形成するための例示の技術は、2008年2月4日に出願された米国特許庁に出願された米国特許出願第61/025999号に記載されている。米国特許出願第61/025999号の開示全体は、引用により本明細書中に合体される。
例示のひだ付きシート112に対して、ひだ付き濾材118aの比較的平らな部分は、外向きの頂点(peak)115と尾根(ridge)118の間に伸びているひだ付き濾材の一部として図5aに見ることができる。外向きの頂点(peak)115から尾根(ridge)118までのひだ付き濾材118aの比較的平らな部分の平均角度は、45°未満として特徴付けることができ、対面シート113に対して約30°未満で提供され得る。内向きの頂点(peak)116から尾根(ridge)118に伸びている濾材のその一部としてひだ付き濾材118bの比較的急な部分を特徴付けられる。ひだ付き濾材118bの比較的急な部分は、内向きの頂点(peak)116から尾根(ridge)118まで伸びている濾材の一部として特徴付けられる。一般に、ひだ付き濾材118bの比較的急な部分の角度は、内向きの頂点(peak)116と尾根(ridge)118の間に伸びているとして特徴付けられるとき、45°より大きく、対面シート113に対して約60°より大きい。ひだ付き濾材118aの比較的平らな部分とひだ付き濾材118bの比較的急な部分の間の角度差は、尾根(ridge)118の存在を特徴付けられる。ひだ付き濾材118aの比較的平らな部分の角度ひだ付き濾材118bの比較的急な部分の角度は、濾材部分の端部ポイントを形成するポイント間の平均角度として決定でき、その角度は対面シートから測定されることが理解され得る。
尾根(ridge)118は、ひだ付き濾材12の形成の間に、ひだ付きシート112の長さに沿って圧印加工、折り目付け、曲げ、折り曲げの結果として提供される。ひだ付き濾材112を形成する工程の間に尾根(ridge)118を付ける工程を設けることは好ましいが必ずしも必要ではない。例えば、尾根(ridge)118は、熱処理、湿気処理またはその組合せによって付けることができる。さらに、尾根(ridge)118は、尾根(ridge)を付ける追加工程無しに尾根(ridge)を形成するために、圧印加工する、折り目を付ける、曲げる、または折り重ねることの結果として存在し得る。その上、尾根(ridge)118の特徴は、ひだ付きシートの外向きの頂点(peak)115または外向きの頂点119と、ひだ付きシートの内向きの頂点(peak)116または内向きの頂点114とを混同しないことである。一般により平らな部分118aと一般により急な部分118bの特徴は、尾根(ridge)の存在を特徴付ける方法として意図される。一般に、より平らな部分118aとより急な部分118bとは曲線を示すと予想される。すなわち、より平らな部分118aと、より急な部分118bとは、特に、空気流などの流体がろ過中に濾材を通る場合は、完全に平らではないと予想される。それにもかかわらず、濾材の角度は、濾材のその一部の平均角度を提供するために尾根(ridge)から対応する隣接する頂点(peak)まで測定できる。
図5aで示された濾材形状を低接触形状(low contact shape)と呼ぶ。一般に、低接触形状は、ひだ付きシート112と対面シート111の間の比較的低い接触領域を言う。尾根(ridge)118の出現は、頂点(peak)115と頂点119でマスキングの低減を提供することを補助する。尾根(ridge)118は、ひだ付きシート112を変形する結果として存在し、その結果、頂点(peak)115と頂点119で濾材の内部応力を減少させる。尾根(ridge)118がないと、頂点(peak)115と頂点119でより大きい半径が形成され、それによりマスキングを増加させるひだ付きシート112中にある内部張力が存在する。その結果として、尾根(ridge)118の存在は、隣接する頂点(peak)(例えば、頂点(peak)115と頂点114)の間で存在する濾材量を増加させるのを助けるし、かつ、尾根(ridge)がないときに頂点(peak)において伸ばすかまたは平らにさせるひだ付きシート112の張力をある程度軽減する結果として頂点(peak)(例えば、頂点(peak)115)半径を減少させるのを助ける。
尾根(ridge)118の存在は目視によって検出できる。図6は、フィルタエレメントの端部の写真であり、ひだ付き濾材が低接触形状を有するものとして特徴付けられる。低接触形状の存在は、ひだ付き濾材の端部を見ると特に明白ではないが、フィルタエレメントに切り込みを入れて、流路長さに沿って伸びている尾根(ridge)の存在を見ることができる。さらに、尾根(ridge)の存在は、フィルタエレメントがほこりに充填され、ひだ付き濾材上の尾根(ridge)に対応する尾根(ridge)を有するダストケーキを明らかにするためにひだ付きシートが対面シートから剥ぎ取られた図7の写真によって示される技術によって確認できる。一般に、ダストケーキ上の尾根(ridge)は、異なる平均角度を有するダスト表面の別の部分と交差する平均角度を有するダスト表面の一部を反映している。ダスト表面ケーキの2つの部分の交点は、尾根(ridge)を形成する。流路中にダストケーキを提供するように流路を満たすために濾材を充填するのに使用されるダストはISOのファインテストダストとして特徴付けられる。
ここで図5aを参照すると、ひだ付きシート112は、距離D2の2つの尾根(ridge)118を含む。ここで、距離D2は、頂点(peak)の中点114から頂点(peak)116の中点までのひだ付きシート112の長さを指し、尾根(ridge)は頂点(peak)114、頂点115、頂点116、または頂点119ではない。頂点(peak)114と頂点116は内向きの頂点(peak)と呼び、頂点(peak)115と頂点119は外向きの頂点(peak)と呼ぶが、頂点(peak)は追加的に対面シート頂点(peak)として特徴付けられる。一般に、濾材は、巻き付けまたは積層などの異なる構成で配置され、流路は、内向きと外向きの特徴が対面シート頂点(peak)として頂点(peak)の特徴の使用に有利なように注意を払わないように特に配置される。用語「内向きと外向き(internal and external)」の使用は、図に示された流路を説明する時に都合がよい。各長さD2に沿って2つの尾根(ridge)118を持つひだ付きシート112が提供されるが、所望であれば、各周期長さD2に沿って1つの尾根(ridge)を有するひだ付きシート112が提供され、かつ周期のいくつかが少なくとも1つの尾根(ridge)を示す、いくつかの周期が2つの尾根(ridge)を示す、およびいくつかの周期には尾根(ridge)が無い、またはそれらの組合せの構成物が提供される。ひだ付きシートは、繰り返しパターン中に少なくとも1つの尾根(ridge)を有する流路の繰り返しパターンを持つものとして特徴付けられる。流路の繰り返しパターンは、波状パターンが流路の方向を横切る方向に繰り返しパターンを示すことを意味する。繰り返しパターンは、隣接する頂点(peak)ごと、1つおきに隣接する頂点(peak)ごと、3つおきに隣接する頂点(peak)ごとなど、または濾材のパターンとして知覚できる何らかの変化である。
尾根(ridge)の存在の特徴は、尾根(ridge)が流路長さに沿って存在することを意味すると理解すべきである。一般に、尾根(ridge)は、得られる濾材が所望の性能をもって提供するために充分な長さで流路長さ方向に沿って提供される。尾根(ridge)が流路全長に伸びている場合において、流路の端部の影響の結果として尾根(ridge)が流路全長に伸びていない可能性がある。例示の影響は、流路の端部で流路の封止(例えば、ダーツ)と封止(plug)の存在を含む。好ましくは、尾根(ridge)は流路長さの少なくとも20%の長さ伸びる。一例として、尾根(ridge)は、流路長さの少なくとも30%の長さ、流路長さの少なくとも40%の長さ、流路長さの少なくとも50%の長さ、流路長さの少なくとも60%の長さ、または流路長さの少なくとも80%の長さまで伸びる。流路の端部は、何らかの方法で閉じられ、封止の結果として、1面から濾材積層体を見ると、尾根(ridge)の存在を検出できるまたはできない。従って、流路長さに沿って伸びている尾根(ridge)の存在の特徴は、尾根(ridge)が流路の全長に沿って伸びなければならないことを意味しない。その上、尾根(ridge)は流路の端部で検出できない。ここで図6の写真を注目すると、尾根(ridge)の存在は流路の端部からある距離で濾材中に検出されるので、流路の端部で尾根(ridge)の存在を検出することは難しい。
ここで図5bを参照すると、ひだ付き濾材120は対面シート121と123の間に提供されるひだ付きシート122を含む。ひだ付きシート122は、内向きの頂点(peak)124と外向きの頂点(peak)125の間に少なくとも2つの尾根(ridge)128と尾根129を含む。長さD2に沿って、濾材122は、4つの尾根(ridge)128と尾根129を含む。濾材の一つの周期長さは4つの尾根(ridge)を含む。尾根(ridge)128と尾根129は、対面シート頂点(peak)と呼ばれる頂点(peak)124、頂点125、または頂点126ではないことが理解される。濾材122は、隣接頂点(peak)(例えば、頂点(peak)125と頂点126)間に2つの尾根(ridge)128と尾根129があるように提供される。また、ひだ付きシート122は、他の隣接頂点(peak)間に1つの尾根(ridge)または尾根(ridge)がないように提供されることができる。隣接する頂点(peak)間に2つの尾根(ridge)がある必要はない。尾根(ridge)代替物の存在があるあるいは隣接する頂点(peak)間に所与の間隔で提供されることが好ましい場合、頂点(peak)間に尾根(ridge)がなくてもよい。
尾根(ridge)128は、ひだ付き濾材128aの比較的平らな部分がひだ付き濾材128bの比較的急な部分と結合する領域として特徴付けられる。ひだ付き濾材128aの比較的平らな部分は、尾根(ridge)128と尾根(ridge)129の間で対面シート123に対して測定される角度が、一般に、45°未満、好ましくは約30°未満の角度としてを特徴付けられる。ひだ付き濾材128bの比較的急な部分は、尾根(ridge)128と尾根(ridge)129で、対面シート123に対して測定される角度が、一般に、45°以上、好ましくは約30°以上の角度であるとしてを特徴付けられる。尾根(ridge)129は、ひだ付き濾材129aの比較的平らな部分とひだ付き濾材129bの比較的急な部分の交差する結果として提供される。一般に、ひだ付き濾材の比較的平らな部分129aは、尾根(ridge)128から尾根(ridge)129までであり、かつ対面シート123に対して伸びている濾材の一部の角度に対応している。一般に、ひだ付き濾材129aの比較的平らな部分は、45°未満、好ましくは約30°未満の傾斜を有するものとして特徴付けられる。ひだ付き濾材129bの比較的急な部分は、尾根(ridge)129と頂点(peak)125の間に伸びている濾材の一部として特徴付けられ、尾根(ridge)129と頂点(peak)125の間で、対面シート123に対してある角度の測定を持つものとして特徴付けられる。一般に、ひだ付き濾材129bの比較的急な部分は、45°以上、好ましくは約60°以上の角度を持つものとして特徴付けられる。
ここで、図5cを参照すると、ひだ付き濾材140は、対面シート141と対面シート143との間に提供されるひだ付きシート142を含む。ひだ付きシート142は内向きの頂点(peak)144と外向きの頂点(peak)145との間で少なくとも2つの尾根(ridge)148と尾根(ridge)149を含む。長さD2に沿って、濾材140は4つの尾根(ridge)148と尾根149を含む。一つの濾材の周期長さは4つの尾根(ridge)を含む。尾根(ridge)148と尾根149は、頂点(peak)144と頂点145でないことが理解される。濾材140は、隣接する頂点(peak)(例えば、頂点(peak)144と145)の間に2つの尾根(ridge)148と頂点149があるように提供される。さらに、ひだ付きシート140は、他の隣接している頂点(peak)間で、1つの尾根(ridge)、2つの尾根(ridge)、または尾根(ridge)が無いように提供される。各隣接する頂点(peak)間で、2つの尾根(ridge)があるという必要性は全くない。尾根(ridge)が存在することの代わりが好ましい場合かまたは隣接する頂点(peak)間を予め決められたインターバル(間隔)で提供することが好ましい場合には頂点(peak)間に尾根(ridge)がないことがあり得る。一般に、流路のパターンは隣接する頂点(peak)間で繰り返しかつ尾根(ridge)の存在を含む流路のパターンを提供する。
尾根(ridge)148と尾根(ridge)149は、ひだ付きシートの比較的平らな部分がひだ付きシートの比較的急な部分と結合する領域として特徴付けられる。尾根(ridge)148の場合、ひだ付きシート148aの比較的平らな部分は、ひだ付きシート148bの比較的急な部分と結合する。尾根(ridge)149の場合、ひだ付きシート149aの比較的平らな部分は、ひだ付きシート149bの比較的急な部分と結合する。ひだ付き濾材の比較的急な部分は、対面シート143に対して濾材のその一部に対して測定される場合、45°以上、好ましくは約60°以上の角度を持つものとして特徴付けられる。比較的平らな部分は、対面シート143に対して濾材の一部に対して45°未満、好ましくは約30°未満の傾斜を有するものとして特徴付けられる。
ひだ付きシート142は、ひだ付きシート142の巻き付け角度がひだ付きシート122の巻き付け角度より少ないので、ひだ付きシート122に対する調整より有利であると考えられる。一般に、巻き付け角度はひだ付け工程で濾材の回転をもたらす角度の合計を指す。ひだ付き濾材142の場合、濾材は、ひだ付きシート122と比較してひだ付けの間に少なく巻かれる。結果として、ひだ付きシート142を形成するためにひだ付けによる濾材の要求される引張り強度は、ひだ付きシート122と比べて低い。
ひだ付きシート112、122、および142は、頂点(peak)から頂点(peak)まで比較的対称なものとして示される。すなわち、ひだ付きシート112、122、および142に対し、隣接する頂点(peak)間で同じ数の尾根(ridge)を有する流路を繰り返す。隣接する頂点(peak)は、ひだ付き濾材長さに対して互いに並んでいる頂点(peak)を指す。例えば、ひだ付きシート112に対して、頂点(peak)114と頂点(peak)115は、隣接する頂点(peak)と考えられる。しかしながら、濾材の周期は、隣接する頂点(peak)間で同じ数の尾根(ridge)を持つ必要はない。この場合の濾材は非対称的であると特徴付けられる。すなわち、周期の1つの半分上に尾根(ridge)を有し、周期のもう1つの半分上に尾根(ridge)を持たない濾材を調整できる。
ひだ付き濾材の隣接する頂点(peak)間に単一の尾根(ridge)または複数の尾根(ridge)を提供することによって、距離D2を規格Aや規格Bの流路などの先行技術の濾材に対して増加させることができる。1つの尾根(ridge)または複数の尾根(ridge)の存在の結果として、例えば、規格Aや規格Bの流路と比べてろ過に利用可能なより多くの濾材を有するフィルタを提供することが可能である。前に説明された濾材うねり率の測定は、隣接する頂点(peak)間に提供された濾材量を特徴付けるために使用できる。長さD2は、ひだ付きシート112、ひだ付きシート122、およびひだ付きシート142の周期に対して、ひだ付きシート112、ひだ付きシート122、およびひだ付きシート142の長さとして画定される。ひだ付きシート112の場合、距離D2は、下側頂点(peak)114から下側頂点(peak)116までのひだ付きシートの長さである。この距離は2つの尾根(ridge)118を含む。ひだ付きシート122の場合、下側頂点(peak)124から下側頂点(peak)126までの長さのD2はひだ付きシート122の距離である。この距離は少なくとも4つの尾根(ridge)128と尾根129を含む。一つまたはそれ以上の尾根(ridge)を隣接する頂点(peak)間に提供することの結果として、隣接する頂点(peak)間での増加する濾材の存在は、濾材うねり率によって特徴付けられる。前に説明したように、規格Bおよび規格Aの流路は、それぞれ約3.6%と約6.3%の濾材うねり率を有する。一般に、図5aに示される流路設計などの低接触流路は約6.2%〜約8.2%までの濾材うねり率を示すことができる。図5bと図5cに示される流路設計では、約7.0%〜約16%の濾材うねり率を提供できる。
図5bと図5cの濾材120と140では、濾材中に歪みを生み出さずに流路長さに沿って流路をテーパ状にする能力を提供する追加の利点を有する。この結果として、図5bと図5cで示される流路形状は、ゼロ歪みの流路形状といえる。ここで図8と図9aを参照すると、テーパ状構成物のひだ付きシート122が示される。図9aには、外形122aから外形122dまでテーパ状になっているひだ付きシート122が示される。テーパ状の結果として、ひだ付き濾材は122bと122cとして示される外形を含む。ひだ付き濾材が122aから122dまでテーパ状となると、尾根(ridge)128と尾根(ridge)129は下側頂点(peak)126に近づき、上側頂点(peak)125から離れる方向に動く。従って、ひだ付き濾材122が122aから122dまでテーパ状となると、ひだ付きシート122と対面シート123との間の断面積は減少する。この断面積の減少に対応して、ひだ付きシート122によって形成される対応する流路と上側頂点(peak)125に接触する対面シートは、断面積が増加する。さらに、テーパが122aと122dで示される端部外形に向かって移動すると、尾根(ridge)が一緒に合体するかまたは互いから識別可能でなくなる傾向となることがわかる。122aで示される外形は、低接触形状により似る傾向がある。さらに、ひだ付き濾材が122dから122aまでテーパ状となると、尾根(ridge)128と尾根(ridge)129は上側頂点(peak)125に近づくことがわかる。
ひだ付きシート122が尾根(ridge)128と尾根(ridge)129を含む濾材120を使用する利点は、過度の歪みを生み出さずに流路をテーパ状にする能力と、12%以上の歪みを示さない濾材を使用する能力である。一般に、歪みは、以下の式
歪み=((D2max−D2min)/D2min)×100
で特徴付けられる。
D2minは、濾材がゆるんだまたは歪が無い状態のときの濾材距離を指し、D2maxは裂ける直前の歪みにおける濾材距離を指す。最大約12%の歪み量に耐えられる濾材は、ろ過産業で比較的一般的に使用されている。一般的に使用される濾材は、セルロースベースのものとして特徴付けられる。濾材が耐えられる歪み量を増加させるために、合成ファイバを濾材に追加できる。その結果として、12%以上の歪み量に耐えられる濾材を使用することは、比較的高価である。従って、濾材の歪みを最小にしてかつ12%より多い歪み量を可能にする、高価な濾材を使用せずに流路をテーパー状にする流路構成物を利用することは好ましい。
ここで図9bを参照すると、図5cのひだ付きシート142は、位置142aから位置142bまで、そして次に位置142cまで伸びるテーパ状構成物として示される。流路が、小さい領域(ひだ付きシート142と対面シート143の間の領域)でテーパ状となる場合、尾根(ridge)148と尾根(ridge)149は頂点(peak)145に近づく。逆もまたいえる。すなわち、流路領域が増加すると、尾根(ridge)148と尾根(ridge)149は頂点(peak)144に近づく。
図5a-5cに例示された流路形状は、規格Aと規格Bの流路と比べて頂点(peak)でマスクされる濾材の領域を減少させるのを補助する。さらに、図5a-5cに例示される形状は、規格Aと規格Bの流路と比べてろ過に利用可能な濾材量を増加させるのを補助する。図5aでは、対面シート113からひだ付き濾材112を見ると、尾根(ridge)118が凹形を有する流路を提供することがわかる。対面シート111の斜視図から、尾根(ridge)118は、凸形を有する流路を提供することがわかる。ここで、図5bを参照すると、尾根(ridge)128と尾根129は、頂点(peak)から隣接する頂点(peak)までひだ付き濾材122のどちらの側からも凹形と凸状の両方を提供するこがわかる。流路は尾根(ridge)の存在を考慮すると、実際に凹状または凸状でないことが理解され得る。従って、尾根(ridge)は曲面に遷移部かまたは不連続部を提供する。尾根(ridge)の存在を特徴付ける別の方法は、不連続が存在しない規格の流路Aと規格Bの濾材の曲部で不連続部を観測することである。また、図5a〜5cと図9a〜9bで示された流路形状はいくらか誇張されていることを理解すべきである。すなわち、ひだ付き濾材を形成した後に、濾材は垂れさがるかまたは曲がるように濾材中に記憶されるかまたは弾性変形する。また、濾材を通過する流体(例えば、空気)への応用では、濾材は歪む。その結果として、この記載に基づいて調整された実際の濾材は、図5a-5cと図9a-9bで示された図に沿って必ずしも正確に従うものではない。
所望であれば、図5a-5cに示される片側積層物は、逆にすることができる。例えば、片側積層物117は、ひだ付きシート112と対面シート113とを含む。所望であれば、片側積層物は、ひだ付きシート112と対面シート111とを含むように構成できる。所望であれば、同様に、図5bと図5cに示される片側積層物を逆にすることができる。図5a〜5cに示される片側積層物の特徴は、本発明を説明する目的のために提供され得る。片側積層物が図5a-5cで示されるのと本質的に反対の方法で対面シートにひだ付きシートを結合することによって調整されることを理解できる。すなわち、ひだ付きシートに流路を付ける工程の後に、ひだ付きシートは、ひだ付きシートのどちらかの側部に対面シートを結合できる。
流路体積の非対称
流路体積の非対称は、上流側体積と下流側体積の間でフィルタエレメントあるいはフィルターカート尾根(ridge)中の体積差を指す。上流側体積は、ろ過されていない空気を受け入れる濾材体積を指し、下流側体積は、ろ過された空気を受け入れる濾材体積を指す。フィルタエレメントは、汚れた空気側と清浄な空気側とを持つものとしてさらに特徴付けられる。一般に、濾材の汚れた空気側は、ろ過されていない空気を受け入れる濾材体積を指す。清浄な空気側は、汚れた空気側からろ過通路を通過するろ過された空気を受け入れる濾材体積を指す。清浄な空気側あるいは下流側体積より大きい汚れた空気側あるいは上流側体積を有する濾材を提供することが好ましい場合がある。空気中の微粒子は汚れた空気側で堆積し、それにより、濾材容量は汚れた空気側の体積によって決定されることが観測される。体積の非対称を提供することによって、汚れた空気を受け取るのに利用可能な濾材体積を増加させ、それにより、濾材積層体容量を増加させることは可能である。
上流側体積と下流側体積の差が10%以上ある場合に、流路体積が非対称を有する濾材が存在する。流路体積の非対称は、次式
体積の非対称=((体積上流−体積下流)/体積下流)×100
によって表現できる。
好ましくは、体積の非対称を示す濾材は、約20%以上の濾材体積、好ましくは、約40%〜約200%の濾材体積の非対称を有する。濾材寿命を最大にすることが好ましい場合、一般に、上流側体積が下流側体積より大きいことは好ましい。あるいはまた、下流側体積に対して上流側体積を最小にするのが好ましい状況がある。例えば、安全エレメントの場合に、濾材が満杯となり破壊が上流側フィルタエレメント中で起こったことを指示として比較的素早く流れを止めるように、比較的低い上流側体積を有する安全エレメントを提供することが好ましい。
体積の非対称は、流路の断面を示す写真から流路の断面積を測定することによって計算できる。流路が通常パターンを形成する場合、この計測は流路体積の非対称をもたらす。流路が通常でない場合(例えば、テーパになっている)、濾材をいくつかに分けて、内挿法または外挿法を使用して流路体積の非対称を計算できる。
流路の設計は、ろ過機能を向上する流路の非対称を供給するように調整できる。一般に、流路の非対称は、上流側体積と下流側体積が異なるように、狭い頂点(peak)と広いアーチ形の谷(trough)または逆の形状を有する流路を指す。対称形状の流路の例は、ワグナー他の米国特許出願公開第2003/0121845号によって提供される。米国特許出願公開第2003/0121845号の開示は引用により本明細書に合体される。
ここで、図10aと10bを参照すると、非対称の流路は、濾材150、濾材160に示される。濾材150は、対面シート154と対面シート155の間にひだ付きシート152を示す。ひだ付きシート152は、ひだ付きシート152と対面シート155によって画定される体積よりもひだ付きシート152と対面シート154の間でより大きい体積を提供するように構成されている。上流側体積または汚れた側の体積を最大にすることが好ましい場合、結果として得られるひだ付きシート152と対面シート154の間の領域によって画定される体積は、上流側体積、または、汚れた側の体積として提供される。濾材160は、対面シート164と対面シート165の間にひだ付きシート162を示す。ひだ付きシートは、ひだ付きシート162と対面シート165の間でより大きい体積を提供するように構成されている。所望であれば、流路シート162と対面シート165の間の領域は、上流側体積あるいは汚れた側の体積として特徴付けられる。
ダーツ付き流路
図11〜18は、流路の端部を封止する技術を例示する。この技術はダーツ付けと呼ばれ、流路をダーツ付ける一般的な技術は、2006年7月27日に発行された米国特許出願公開第2006/0163150号に記載されている。米国特許出願公開第2006/0163150号の全体は、引用により本明細書に合体される。
本発明に基づく濾材で流路を封止するために使用できる例示のダーツ付け技術は、図11〜図18に示されている。図11〜18に提供されるダーツ付け技術は、先行技術の濾材の内容を示すが、このダーツ付け技術は、本発明に基づくひだ付き濾材に適用できる。例えば、図5a〜5cで示されるひだ付き濾材は、図11〜18に示される技術によりダーツ付けできる。
一般に、ダーツ付けは、ひだ付きシート204を対面シート206に固定するために片側積層物用ビード190を用いた後で、封止するために行われる。一般に、米国特許出願公開第2006/0163150号に記載されているように、刻み目を付けるまたはダーツ付けホイールは、図11〜13に示される流路200を形成するのに使用でき、折り曲げホイールは、図14〜18に示されている流路200を形成するために使用できる。図11〜13に示されているように、ダーツ付きホイールは、刻み目を付けるまたは逆さにすることにより上側頂点(peak)204の部分202を変形させる。「逆にする(inverting)」とその変形により、上側頂点(peak)204に刻み目を付けるまたは対面シート206に向かう方向の内側に曲げることを意味する。図12はダーツ付けホイールによって生み出される逆部210の中央に沿った断面図である。逆部210は、ダーツ付け工程の結果として生み出される1組の頂点(peak)212、214の間である。頂点(peak)212、214は、一緒に流路のダブル頂点(peak)216を形成する。流路のダブル頂点(peak)216の頂点(peak)212,214は、逆にする前の上側頂点(peak)204の高さより短い高さである。図13は、ダーツ付けホイールに係合せず、それにより変形されない流路200の部分で流路200の断面を示す。図13でわかるように、流路200の部分は元の形状を保持する。
ここで、図14〜18に注目する。図14〜18は、折り曲げホイールと係合した後のダーツ付け部198の部分を示す。図18は断面図でダーツ付け部198の端面図を特に示している。折り目構成物218は、4つの折り目221a、221b、221c、221dを有するダーツ付き流路(darted flute)220を形成することが理解できる。折り目構成物218は、対面シート64に固定される平らな第1層222を含む。第2層224は第1層222に対して押し付けられて示される。第2層224は好ましくは第1層222の対向する外側端部を折り曲げて形成される。
また図18を参照すると、2つの折り返しまたは折り目221a、221bは、一般に「上側の、内側に向けられた」折り返しまたは折り目と本明細書で呼ぶ。この文脈で、用語「上側」は、折り目220が図11の方向で見るとき、折り目が全体の折り目220の上側にあることを意味する。用語「内側に向けられた」は、各折り目221a、折り目221bの折り目ラインがもう片方の方向に向けられることを意味する。
図18において、折り目221c、折り目221dは、本明細書で「下側の、外側に向けられた」折り目と呼ぶ。この文脈で用語「下側」は、折り目221c、折り目221dが図14の方向でみるとき、頂部に配置されていないことを指す。用語「外側に向けられた」は、折り目221c、折り目221dの折り目ラインが互いに離れる方向に向くことを意味する。
この文脈で使われる用語「上側」と「下側」は、図18の配向において、特に折り目220を指す。すなわち、折り目120が使用のために実際の製品中に配向される場合、別の方向を示すことを意味しない。
図18の特徴とレビューに基づいて、この開示において図18による好ましい通常の折り目構成物218は、少なくとも2つの「上側の内側に向かう折り目」を含む構成物であると考えられる。これらの内側に向かう折り目はユニークであり、折り曲げが隣接する流路上にかなりの食い込みを引き起こさない総合的な構成物を提供するのを補助する。これらの2つの折り目は、折り目先端212、折り目先端214から図18の互いに向う方向からの部分をもたらす。
また、第3層228は、第2層224に対して押しつけられているのがわかる。第3層228は、第3層228の対抗する内側端部230から折り曲げられて形成される。ある好ましい実施例では、対面シート206は、折り目構成物218から対向する端部に沿ってひだ付きシート196に固定される。
折り目の構成物218を見る別の方法は、波形シート196の頂点(peak)204と谷(trough)205を交互にする幾何学的形状に関する。第1層222は逆さの頂点(peak)210を含む。第2層224は、好ましい構成物では、逆さの頂点(peak)210に対して折り曲げられる方向に折り曲げられるダブル頂点(peak)216に対応する。第2層224に対応する逆さ頂点(peak)210とダブル頂点(peak)216は尾根(ridge)204の反対側の谷(trough)205の外側にあることに注意すべきである。図示された実施例において、2つ頂点(peak)216の折り曲げられた端部230、231から伸びている第3層がある。
図15〜17は異なる部分の流路200の形状を示している。図17は流路200の変形していない部分を示している。逆さの頂点(peak)210が対面シート206(図18)に係合しているところからもう存在しない点(図17)まで伸びている逆さ頂点(peak)210を図15と16で見ることができる。図15と16では、逆さ頂点(peak)210は対面シート206から異なる長さで間隔をあけて配置されている。
図11〜18に基づくダーツを提供するために使用される工程は、「中央刻み目付け(centeridenting)」、「逆さ中央(center inverting)」、「中央ダーツ付け(center darting)」または「中央変形(center deformation)」と呼ばれる。また、この文脈で用語「中央」によって、刻み目またはダーツ付けホイールに係合した刻み目または逆さ頂点(peak)が関連する上側頂点(peak)80の頂点または中央で起こることを意味する。変形または刻み目は、尾根(ridge)の中央から3mm以内で起こる限り、通常は、本明細書では中央刻み目と考えられる。ダーツ付けの文脈において、用語「折り目(crease)」「折り目(fold)」、または「折り目ライン」は、濾材の部分間を密封剤または接着剤と共にまたは無しに濾材積層体を折り曲げることによって形成される端部を示すことを意味する。
図11〜18の内容で説明された封止技術は、図18で示されるような流路の封止をもたらし得るが、ダーツ付けの間、濾材の柔軟性と濾材が動く速度の結果として、刻み目の工程は、波形シート196の頂点または頂点(peak)で正確に起こらない可能性がある。その結果として、折り目先端212と折り目先端214は対称として示されない。実際、折り目先端212と折り目先端214の1つは、片方のチップが折り曲げられる間、いくらか平らにされる。また、ある流路設計では、刻み目工程をスキップすることが好ましい。例えば、流路は、十分に小さい高さ(J)を有し、流路刻み目を入れる工程を必要とせずに繰り返し折り目パターンを提供するために加圧されて閉じられる。
封止(プラグ)長さと流路の高さ
Z型濾材は、入口面から出口面まで伸びている流路を有するものとして特徴付けらる、流路の第1部分は入口流路として特徴付けられ、流路の第2部分は出口流路として特徴付けられる。入口流路は、出口面の近くで封止(plug)またはシールとともに提供され、出口流路は入口面に隣接する封止(plug)またはシールとともに提供される。もちろん、この構成物の代替手段は可能である。例えば、シールまたは封止(plug)は、入口面または出口面にまたは隣接してを提供される必要はない。シールまたは封止(plug)は、所望に応じて、入口面または出口面から離れた方向に提供できる。シールまたは封止(plug)として熱溶融接着剤を使用する場合、封止(plug)は通常少なくとも約12mmの長さを有する。出願人は、封止(plug)長さを減少することによって、容量、低い初期圧力低下、濾材量の低減、またはそれらの組合せを含む濾材の好ましい特性を増加させることが可能であることを見いだした。約10mm未満、好ましくは約8mm未満、より好ましくは約6mm未満である封止(plug)長さを提供することは好ましい。
流路高さ(J)は、ろ過条件によって所望に応じて調整できる。例えば、規格Bの流路を使用する従来のフィルタエレメントの代用品として使用される本発明に基づく濾材を利用するフィルタエレメントの場合、高さJは、約0.075インチから約0.150インチである。例えば、規格Aの流路を使用する従来のフィルタエレメントの代用品として使用される本発明に基づく濾材を利用するフィルタエレメントの場合、高さJは、約0.15インチから約0.25インチである。
フィルタエレメント
ここで、図19〜28を参照すると、フィルタエレメントは、空気ろ過用濾材積層体を含むことが記載されている。空気ろ過用濾材積層体は、本明細書に記載されるように、片側積層物を含み得る。
空気ろ過用濾材積層体は、例えば、その開示が引用により本明細書に合体される米国特許第6,350,291号、米国特許出願第2005/0166561号、および国際特許出願公開第2007/056589号に記載されたように、半径方向シールを含むフィルタエレメントの一部として供給できる。例えば、図19を参照すると、フィルタエレメント300は、片側積層物を巻いた濾材積層体302として提供され、第1面304と第2面306を含む空気ろ過濾材積層体301を含む。フレーム308は、濾材積層体310の第1端部上に提供され、第1面304を超えて伸びることができる。その上、フレーム308は、第1面304を超えて伸びる周辺部312と支持材314に階段または減少部を含むことができる。シール部材316は支持材314上に提供される。フィルタエレメント301がハウジング320中に挿入されると、シール部材316は、ハウジングシール表面322に係合し、ろ過されていない空気が空気ろ過用濾材積層体300を迂回しないようにシールを提供する。シール部材316は、シールを提供するために半径方向にハウジングシール表面322と係合するシール表面317を含むので、半径方向シールとして特徴付けすることができる。さらに、フレーム308は、濾材積層体のクロスブレースあるいは支持体構造物324を含み、フレーム308を支え、空気ろ過用濾材積層体300のはめ込みを減少するのを助けることができる。アクセスカバー324は、ハウジング320中でフィルタエレメント300の囲いを提供できる。
空気ろ過用濾材積層体は、半径方向シール構成物の変形を有するフィルタエレメントの一部として供給できる。図20に示されるように、シール330は、フレーム332を濾材積層体334に保持するのを補助することができる。図19に示されるように、フレーム308は濾材積層体301に接着剤で取付けられる。図20に示されるように、フレーム332は、追加の接着剤を使用せずに第1面336とシール330に隣接して提供され、濾材積層体334上に支持材332を保持することができる。シール330は、第1端部340で濾材積層体334の外部表面上にかつシール支持材338の両側に沿って伸びているオーバモールドシールとして特徴付けられる。
空気ろ過用濾材積層体は、その全体の開示が引用により本明細書中に合体される米国特許第6,235,195号によるフィルタエレメントの一部として提供できる。ここで図21を参照すると、フィルタエレメント350は、長方形または競馬場形状と、濾材積層体の外部に外接する端部に取り付けられた軸方向のピンチシール354を有する、巻いた濾材積層体352を含む。示される軸方向ピンチシール354は、濾材積層体の第1面356と第2面358の間に提供される。軸方向ピンチシール354は、基部360とフランジ部362とを含む。一般に、フランジ部362は、2つの表面の間にはさまれてシールを形成する。表面の1つは、フィルタエレメント350を含むハウジングの表面であり得る。さらに、フランジ部362をはさむ他の構造は、シールを維持するのを助けるハウジング中に提供されるアクセスカバーあるいは別の構造であり、ろ過されていない空気は、濾材積層体を迂回せずに濾材積層体を通過する。フィルタエレメント350は、第1面356から軸方向に延びているハンドル364を含み得る。所望であれば、第2面358から軸方向に伸びているハンドルを提供できる。ハンドル364は、ハウジングからフィルタエレメント350を引きだすかまたは除去するハンドルを可能にする。
ここで図22〜24を参照すると、フィルタエレメントは参照番号400で示される。フィルタエレメント400は、巻いた濾材積層体402、ハンドル構成物404、およびシール構成物406を含む。フィルタエレメント構造物の詳細は、米国特許第6,348,084号に記載され、その全体の開示は引用により本明細書に合体する。前に記載した片側積層物は、フィルタエレメント400を調製するために使用できる。
ハンドル構成物404は、中央ボード408、ハンドル410、およびフック構造物412を含む。片側積層物は、ハンドル410が濾材積層体402の第1面414から軸方向に伸びるように、中央ボード408の周囲で巻き上げられている。フック構成物412は、濾材積層体402の第2面416から伸びている。ハンドル410は、オペレータがハウジングからフィルタエレメント400を除去するのを可能にする。フック構造物412は、クロスブレースまたは支持体構造物420への取り付け具を提供する。フック構造物412は、クロスブレースまたは支持体構造物420と係合するフック部材422とフック部材424を含む。クロスブレースまたは支持体構造物420は、第2面426から伸びかつシール支持材部材432を含むシール支持体構造物430の一部として提供され得る。シール434は、フィルタエレメント400とハウジングの間にシールを供給するために、シール支持材部材432上に提供できる。シール434は、シールが半径方向の対面シール面436とハウジングシール面の接触の結果としてシールを提供することを意図されている場合、半径方向シールとして特徴付けられる。
空気ろ過用濾材積層体は、その全体の開示が引用により本明細書中に合体される米国特許第6,348,085号に示されるガスタービンシステムの一部として提供され得る。例示のガスタービン用ろ過エレメントは、図25の参照番号450で示される。フィルタエレメント450は、第1フィルタエレメント452と第2フィルタエレメント454とを含み得る。第2フィルタエレメント454は、安全フィルタエレメントと呼ばれる。メイン・フィルタエレメント452は、前に本明細書で記載されたように空気ろ過用濾材積層体として提供できる。空気ろ過用濾材積層体は、片側積層物を巻いた結果として、または、片側積層物積み重ねの結果として、提供され得る。第1フィルタエレメント452と第2フィルタエレメント454は、スリーブ部材460中に固定される。スリーブ部材460は、シール464を含むフランジ462を含む。取り付け時に、フィルタエレメント450は、支持材466に隣接してかつ適所でクランプ200によって支えられるように提供され、フランジ462とシール464は、シール464がろ過されていない空気がフィルタエレメント450を迂回しないように十分なシールを提供する。
空気ろ過用濾材積層体を利用できる別のフィルタエレメントは、その全体の開示が引用により本明細書に合体される米国特許第6,610,126号に記載されている。ここで、図26を参照すると、フィルタエレメント500は、空気ろ過濾材積層体502、半径方向シール構成物504、およびダストシール構成物506を含む。フィルタエレメント500は、エアクリーナハウジング510中に提供され、フィルタエレメント500の下流に、安全または二次フィルタエレメント512を含むことができる。その上、アクセスカバー514はエアクリーナハウジング510を囲むために提供できる。エアクリーナハウジング510とアクセスカバー514は、ダストシール506がピンチシールとして特徴付けられるようにダスト・シール506をはさむことができる。
空気ろ過用濾材積層体は、その開示が引用により本明細書に合体される国際特許出願公開第2006/076479号と国際特許出願公開第2006/076456号に基づく積層濾材積層体として提供できる。ここで図27を参照すると、フィルタエレメントは、積層されブロック化された濾材積層体602を含む参照番号600で示される。積層されブロック化された濾材積層体602は、長方形または直角(普通)の平行四辺形濾材積層体として特徴付けられる。濾材積層体602の対向する端部をシールするために、側部パネル604と606が配置される。側部パネル604と側部パネル606は、それぞれ積層された片側積層物のリード端部と末端部を閉じる。濾材積層体602は、対抗する流れ面610と流れ面612を有する。また、空気が濾材積層体602の濾材を通過し、それによりろ過されるのを必要としない流れ面610と流れ面612との間の流路が提供されないことが指摘される。周辺部の周囲ハウジングシールリング614は、空気フィルタエレメント600中に配置される。図示された特定のシールリング614は、軸方向ピンチシールリングである。所望であれば、保護シートまたはパネルを濾材積層体表面620と622上に提供できる。
空気ろ過用濾材積層体は、その全体の開示が引用により本明細書中に合体される国際特許出願公開第2007/133635号に基づく積層濾材積層体構成物として提供され得る。ここで、図28を参照すると、フィルタエレメントは参照番号650で示される。フィルタエレメント650は、第1入口面、この場合、入口面654と、対抗する第2出口面、この場合、出口面656を有する積層Z型濾材構成物652を含む。さらに、フィルタエレメント650は、上側側部660と、下側側部662と、対向する側部端部664と側部端部666とを含む。一般に、積層Z型濾材積層体構成物652は、各細長片が対面シートに固定されたひだ付きシートを含む片側積層物の細長片の1つまたはそれ以上の積層体を含む。細長片は、入口面654と出口面656との間に流路が伸びた状態で構成される。図示されたフィルタエレメント650は、2つの積層された濾材積層体670と濾材積層体672を含む積層されたZ型フィルタ濾材積層体構成物を含む。シール部材680は濾材積層体中に成形加工され得る。
例示の図19〜27を考慮すると、空気ろ過用濾材積層体は、増強された性能を提供し、次に様々なハウジング構成物中で使用できるフィルタエレメントを形成するために、様々な構成物に提供できることが理解される。
実施例
様々な流路設計を含む濾材を有するフィルタエレメントは、濾材性能のモデルソフトウェアを使用して比較された。フィルタエレメントは、この実施例のために製造されて試験されなかった。代わりに、フィルタエレメントとフィルタエレメントコンポーネントの寸法、フィルタエレメントとフィルタエレメントコンポーネントの性質と特徴、使用条件、およびろ過される空気の特徴が濾材性能をモデル化するコンピュータプログラムに入力された。濾材性能のモデリングソフトウェアは、実際のドナルドソン会社の濾材のテストランに基づいて確認された。コンピュータソフトウェアのモデリングの結果は、約10%以内の誤差を有すると予想される。異なる濾材設計の代替物を評価する目的のために、約10%以内の誤差値は、モデリングソフトウェアがいろいろな設計オプションを評価できるのに十分低いものであると信じられている。
表2〜5は、フィルタエレメントの特徴とコンピュータで発生させた結果を含む。表は、濾材性能のモデルソフトウェアを使用して評価されたエレメントのサイズを特定する。エレメントサイズは、エレメントの全体の大きさを指す。表2、表4、および表5では、エレメントは、8インチ×12インチ×5インチのサイズを有する積層されたパネルのZ型濾材エレメントである。表3では、エレメントは、17インチ径×12インチ深さのサイズを有する渦巻状Z型濾材エレメントである。
Figure 2010517749
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Figure 2010517749
Figure 2010517749
上記の仕様、実施例、およびデータは、本発明のフィルタエレメントと濾材の使用方法および製造方法の完全な記載を提供する。本発明の精神及び範囲から逸脱すること無しに本発明の多くの変形をなし得ることができるので、本発明は、添付の特許請求の範囲に記載されるものである。

Claims (9)

  1. 空気ろ過用の濾材積層体であって、
    (a)前記濾材積層体は、ひだ付きシートが対面シートの片側のみに積層されて前記ひだ付きシートおよび前記対面シートの間に伸びている複数の流路とを有する複数の片側積層物を有し前記流路が前記濾材積層体の第1面から前記濾材積層体の第2面まで伸びる長さを有
    (b)前記濾材積層体前記濾材積層体の第1面または第2面のうちの1つの面から空気が中に入って、前記濾材積層体の第1面または第2面のうちの他の面から空気が外に出て空気をろ過するように、ろ過されていない空気が前記複数の流路の第1部分に流れ込まないように閉じている前記複数の流路の第1部分と、ろ過されていない空気が前記複数の流路の第2部分から外に流れ出さないように閉じている前記複数の流路の前記第2部分とを有し、
    (c)前記ひだ付きシートは、
    (i)前記対面シートに対面して繰り返す内向きの頂点(peak)と、前記対面シートから離れて繰り返す外向きの頂点(peak)と、
    (ii)隣接する頂点(peaks)間で流路長さの少なくとも一部に沿って伸びている少なくとも1つの尾根(ridge)を含む流路の繰り返しパターンと、
    を有し、前記尾根は、隣接する頂点間で前記ひだ付きシートの湾曲に不連続部を有することを特徴とする濾材積層体
  2. 前記少なくとも1つの尾根(ridge)は、前記ひだ付き濾材の比較的急な部分と、前記ひだ付き濾材の比較的平らな部分との連結点であることを特徴とする請求項1に記載の濾材積層体
  3. 前記ひだ付き濾材の比較的平らな部分は、平均30°未満の角度で前記対面シートに面していることを特徴とする請求項2に記載の濾材積層体
  4. 前記少なくとも1つの尾根(ridge)は、隣接する頂点(peaks)間で前記流路の長さの少なくとも20%の長さ伸びていることを特徴とする請求項1に記載の濾材積層体
  5. テーパ状の複数の流路を有することを特徴とする請求項1に記載の濾材積層体
  6. 前記濾材積層体は、前記濾材積層体の一方の側面上の体積が前記濾材積層体の他方の側面上の体積よりも少なくとも10%大きい非対称な体積の構成物を有することを特徴とする請求項1に記載の濾材積層体
  7. 前記濾材積層体は、前記濾材積層体の一方の側面上の体積が前記濾材積層体の他方の側面上の体積よりも約40%〜約200%大きい非対称な体積の構成物を有することを特徴とする請求項1に記載の濾材積層体
  8. 前記内向きの頂点(peak)または前記外向きの頂点(peak)は、0.25mm未満の曲率半径を持つことを特徴とする請求項1に記載の濾材積層体
  9. 前記ひだ付きシートは、約6.2%より大きい濾材うねり率(media cord percentage)を提供することを特徴とする請求項1に記載の濾材積層体
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