JP2010509775A - 有機電子デバイス - Google Patents

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Abstract

ドーパント材料とホスト材料とを含有する活性層が提供され、ここで、ホスト材料は、少なくとも99.9%のHPLC純度および0.01以下の不純物吸光度を有する。活性層を含有する電子デバイスも提供される。

Description

本開示は、一般に、有機電子デバイスに使用するための光活性層に関する。特に、本開示は、溶液処理によって形成される光活性層に関する。
OLEDディスプレイを構成する有機発光ダイオード(「OLED」)などの有機電子デバイスにおいて、OLEDディスプレイ中では有機活性層が電気接触層の間に挟まれている。OLEDにおいて、有機活性層は、電気接触層の両端に電圧を印加すると、光透過性電気接触層を透過する光を発する光活性層である。
発光ダイオード中の光活性成分として有機エレクトロルミネッセンス化合物が使用されることが知られている。単純な有機分子、共役ポリマー、および有機金属錯体が使用されている。光活性材料を使用するデバイスは、多くの場合、光活性(たとえば、発光)層と接触層(正孔注入接触層)との間に配置される1つまたは複数の電荷輸送層を含む。1つのデバイスは2つ以上の接触層を含むことができる。光活性層と正孔注入接触層との間に正孔輸送層を配置することができる。正孔注入接触層はアノードと呼ばれる場合もある。光活性層と電子注入接触層との間には電子輸送層を配置することができる。電子注入接触層はカソードと呼ばれる場合もある。
改良された性能、特に改良された寿命を有する電子デバイスが引き続き必要とされている。
ドーパント材料とホスト材料とを含む活性層が提供され、ここで、前記ホスト材料は、少なくとも99.9%のHPLC純度および0.01以下の不純物吸光度を有する。
上記の活性層と正孔輸送層とを含む電子デバイスも提供される。
上記の活性層と、正孔輸送層と、導電性ポリマーおよびフッ素化酸ポリマーを含むバッファ層とを含む電子デバイスも提供される。
アノードおよびカソードを含み、かつそれらの間に有機層を有する有機電子デバイスも提供され、ここで、有機層は、順に、
導電性ポリマーとフッ素化酸ポリマーとを含むバッファ層;
正孔輸送層;
ドーパント材料とホスト材料とを含む光活性層であって、前記ホスト材料が、少なくとも99.9%のHPLC純度および0.01以下の不純物吸光度を有する光活性層;および
電子輸送層
である。
以上の概要および以下の詳細な説明は、単に例示的および説明的なものであり、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明を限定するものではない。
本明細書において提示される概念の理解を進めるために、添付の図面において実施形態を説明する。
有機電子デバイスの一例の図を含む。
当業者であれば理解しているように、図面中の物体は、平易かつ明快にするために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。たとえば、実施形態を理解しやすいようにするために、図面中の一部の物体の寸法が他の物体よりも誇張されている場合がある。
ドーパント材料とホスト材料とを含む活性層が提供され、ここで、前記ホスト材料は、少なくとも99.9%のHPLC純度および0.01以下の不純物吸光度の純度を有する。
上記の活性層と正孔輸送層とを含む電子デバイスも提供される。
上記の活性層と、正孔輸送層と、導電性ポリマーおよびフッ素化酸ポリマーを含むバッファ層とを含む電子デバイスも提供される。
アノードおよびカソードを含み、かつそれらの間に有機層を有する有機電子デバイスも提供され、ここで、有機層は、順に、
導電性ポリマーとフッ素化酸ポリマーとを含むバッファ層;
正孔輸送層;
ドーパント材料とホスト材料とを含む光活性層であって、前記ホスト材料が少なくとも99.9%のHPLC純度および0.01以下の不純物吸光度を有する光活性層;および
電子輸送層
である。
多くの態様および実施形態を上述したが、これらはあくまで例示であり限定されるものではない。当業者は、本明細書を読めば、他の態様および実施形態が本発明の範囲から逸脱せずに可能であることが分かる。
実施形態のいずれか1つまたは複数の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。詳細な説明はまず、用語の定義および説明に触れ、その後、デバイスの構造、光活性層、正孔輸送層、バッファ層、他のデバイスの層、デバイスの作製、および最後に実施例と続いている。
1.用語の定義および説明
下記の実施形態の詳細に触れる前に、いくつかの用語を定義または説明する。
材料に関する場合に、用語「HPLC純度」は、高性能液体クロマトグラフィーによって測定した際の、210〜500nmの波長範囲にわたって積分された、特性の材料のピーク対すべての他のピークの相対的な吸光度比を意味することを意図している。
用語「不純物吸光度(impurity absorbance)」は、450〜1000nmの範囲のTHF中の材料の少なくとも2%(wt/vol)溶液の最大吸光度(吸光度単位)を意味することを意図している。
用語「軽不純物」は、所望の化合物より低い分子量および/または高い揮発度を有する不純物を意味することを意図している。
用語「重不純物」は、所望の化合物より高い分子量および/または低い揮発度を有する不純物を意味することを意図している。
用語「ドーパント材料」は、ホスト材料を含む層内の材料であって、かかる材料がない層の電子特徴あるいは放射線放出、受容、またはフィルタリングの波長と比較して、層の電子特徴あるいは放射線放出、受容、またはフィルタリングの目標波長を変える材料を意味することを意図している。
用語「ホスト材料」は、ドーパント材料を加えることのできる、通常層の形態の材料を意味することを意図している。ホスト材料は、電子特徴、あるいは放射線を放出するか、受けるか、またはフィルタリングする能力を有しても有さなくてもよい。ドーパント材料は、層の形成の前またはその後にホスト材料に加えられてもよい。一実施形態において、ホスト材料は、層の50重量%超を占める。
化合物または基に用いられる場合に、用語「芳香族」は、非局在化π電子を有する少なくとも1つの不飽和環式基を含む有機化合物または有機基を意味することを意図している。この用語は、炭素原子および水素原子のみを有する芳香族化合物および芳香族基、ならびに環式基中の炭素原子の1個または複数が窒素、酸素、硫黄などの別の原子で置換された複素環式芳香族化合物または複素環式芳香族基の両方を包含することを意図している。
用語「バッファ層」または「緩衝材料」は、導電性材料または半導体材料を意味することを意図しており、下位層の平坦化、電荷輸送特性および/または電荷注入特性、酸素または金属イオンなどの不純物の捕捉(scavenging)、および有機電子デバイスの性能を促進または改良するための他の態様を含むがこれらに限定されるものではない、有機電子デバイスの1つまたは複数の機能を有していてもよい。緩衝材料は、ポリマー、オリゴマー、または小分子であってもよく、溶液、分散体、懸濁液、エマルジョン、コロイド混合物、または他の組成物の形態であってもよい。
層、材料、部材、または構造に関して言及される場合に、用語「電荷輸送」は、そのような層、材料、部材、または構造が、比較的効率的かつ少ない電荷損失で、そのような層、材料、部材、または構造の厚さを通過するそのような電荷の移動を促進することを意味することを意図している。「正孔輸送」は正電荷を意味する。「電子輸送」は負電荷を意味する。
用語「基」は、有機化合物中の置換基または金属錯体の配位子などの、化合物の一部を意味することを意図している。接頭語「ヘテロ」は、1個または複数の炭素原子が異なる原子で置換されていることを示している。接頭語「フルオロ」は1個または複数の水素原子がフッ素原子で置換されていることを示している。置換基の例としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、オキシアルキル、オキシアルケニル、オキシアルキニル、フッ素化アルキル、フッ素化アルケニル、フッ素化オキシアルキル、フッ素化オキシアルケニル、フッ素化オキシアルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアリール、−CN、−OR、−CO2R、−SR、−N(R)2、−P(R)2、−SOR、−SO2R、および−NO2が挙げられるがこれらに限定されるものではなく;または隣接する基が一緒になって5員もしくは6員シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール環を形成することができ、ここで、Rは、アルキルおよびアリールから選択される。
用語「液相堆積」は、液体材料から層を形成することを意味し、連続および不連続の堆積技術の両方を含む。連続液相堆積技術としては、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、および連続ノズルコーティングが挙げられるが、これらに限定されるものではない。不連続液相堆積技術としては、インクジェット印刷、グラビア印刷、およびスクリーン印刷が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
用語「液体」は、単一の液体材料、液体材料の組み合わせを含むことを意図しており、液体材料は、溶液、分散体、懸濁液およびエマルジョンの形態であってもよい。
用語「層」は、用語「膜」と同義的に使用され、所望の領域を覆うコーティングを意味する。この用語は大きさによって限定されることはない。この領域は、デバイス全体の大きさであってもよく、あるいは実際の視覚的表示などの特殊機能領域の小ささ、または1つのサブピクセルの小ささであってもよい。
用語「光活性」は、電圧を印加することによって励起されたときに発光する材料(発光ダイオードまたは発光電気化学セル中など)、あるいは放射エネルギーに応答し、印加バイアス電圧を使用しまたは使用せずに信号を発生する材料(光検出器中など)を意味する。一実施形態において、光活性層はエミッタ層である。
用語「ポリマー」は、少なくとも1つの繰り返しモノマー単位を有する材料を意味することを意図している。この用語は、1種類のみのモノマー単位を有するホモポリマー、および2つ以上の異なるモノマー単位を有するコポリマーを包含する。コポリマーは、ポリマーのサブセットである。ある実施形態においては、ポリマーは、少なくとも5つの繰り返し単位を有する。
化合物に関して言及される場合に、用語「小分子」は、繰り返しモノマー単位を有さない化合物を意味することを意図している。ある実施形態においては、小分子は、約2000g/mol以下の分子量を有する。
用語「導電性ポリマー」は、カーボンブラックまたは導電性金属粒子を加えずに、固有にまたは本質的に導電性であることができる任意のポリマーまたはオリゴマーを意味することを意図している。導電性ポリマー組成物の導電性は、この組成物から作製された膜の側面導電率(lateral conductivity)(単位S/cm)として測定される。
用語「フッ素化酸ポリマー」は、水素の少なくともいくつかがフッ素によって置換された酸性基を有するポリマーを意味することを意図している。用語「酸性基」は、電離して、水素イオンをブレンステッド塩基に与えることができる基を意味する。
本明細書において使用される場合、用語「含んでなる」、「含んでなること」、「含む」、「含むこと」、「有する」、「有すること」、またはそれらの他のあらゆる変形は、非排他的な包含を扱うことを意図している。たとえば、ある一連の要素を含むプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素のみに必ずしも限定されるわけではなく、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に関して明示されず固有のものでもない他の要素を含むことができる。さらに、相反する明示的な記載がない限り、「または」は、包含的な「または」を意味するのであって、排他的な「または」を意味するのではない。たとえば、条件AまたはBが満たされるのは:Aが真であり(または存在する)Bが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在しない)Bが真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)のいずれか1つによってである。
また、本発明に記載の要素および成分を説明するために単数形(「a」または「an」)も使用されている。これは単に便宜的なものであり、本発明の範囲の一般的な意味を提供するために行われている。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むものと読むべきであり、明らかに他の意味となる場合を除けば、単数形は複数形も含んでいる。
元素周期表の縦列に対応する族番号は、「CRC Handbook of Chemistry and Physics」、第81版(2000〜2001年)に見られるような「新表記法(New Notation)」規約を使用する。
特に定義しない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または等価の方法および材料を、本発明の実施形態の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料について以下に説明する。本明細書において言及されるあらゆる刊行物、特許出願、特許、およびその他の参考文献は、特定の段落が引用されない限りそれらの記載内容全体が援用される。矛盾が生じる場合には、定義を含めて本明細書に従うものとする。さらに、材料、方法、および実施例は、単に説明的なものであり、限定を意図したものではない。
本明細書に記載されない程度に、特定の材料、処理行為、および回路に関する多くの詳細が、従来のものであり、有機発光ダイオードディスプレイ技術、光検出器技術、光起電力技術、および半導体部材技術の範囲内のテキストブックおよび他の出典に見出されるであろう。
2.デバイスの構造
本明細書に記載の1つまたは複数の光活性層を有することから利益を得られる有機電子デバイスとしては、(1)電気エネルギーを放射線に変換するデバイス(たとえば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、またはダイオードレーザー)、(2)電子的過程を介して信号を検出するデバイス(たとえば、光検出器、光導電セル、フォトレジスタ、フォトスイッチ、フォトトランジスタ、光電管、赤外(IR)検出器)、(3)放射線を電気エネルギーに変換するデバイス(たとえば、光起電性デバイスまたは太陽電池)、および(4)1つまたは複数の有機半導体層(たとえば、トランジスタまたはダイオード)を含む1つまたは複数の電子部品を含むデバイスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
有機電子デバイスの構造の一例が、図1に示される。デバイス100は、アノード層110およびカソード層160、およびそれらの間の光活性層140を有する。アノードに隣接するのはバッファ層120である。バッファ層に隣接するのは、正孔輸送材料を含む正孔輸送層130である。カソードに隣接するのは、電子輸送材料を含む電子輸送層150であってもよい。任意選択として、デバイスは、アノード110に隣接する1つまたは複数の追加の正孔注入層または正孔輸送層(図示せず)、および/または、カソード160に隣接する1つまたは複数の追加の電子注入層または電子輸送層(図示せず)を使用してもよい。
一実施形態において、種々の層は、以下の範囲の厚さを有する:アノード110は、500〜5000Å、一実施形態においては1000〜2000Å;バッファ層120は、50〜2000Å、一実施形態においては200〜1000Å;正孔輸送層120は、50〜2000Å、一実施形態においては200〜1000Å;光活性層130は、10〜2000Å、一実施形態においては100〜1000Å;層140は、50〜2000Å、一実施形態においては100〜1000Å;カソード150は、200〜10000Å、一実施形態においては300〜5000Å。デバイス中の電子−正孔再結合領域の位置、したがってデバイスの発光スペクトルは、各層の相対厚さの影響を受けることがある。層の厚さの望ましい比は、使用される材料の厳密な性質に依存する。
3.光活性層
光活性層は、光活性ドーパント材料とホスト材料とを含み、ここで、ホスト材料は、少なくとも99.9%のHPLC純度および0.01以下の不純物吸光度を有する。ある実施形態においては、ホスト材料は、少なくとも99.98%のHPLC純度を有する。ある実施形態においては、ドーパント材料は、少なくとも99%のHPLC純度を有する。ある実施形態においては、ドーパント材料は、少なくとも99.5%のHPLC純度を有する。ある実施形態においては、ドーパントおよびホスト材料は両方とも小分子材料である。
意外かつ予想外にも、そのような高純度の材料を有する光活性層は、改良された性能を有することが分かった。ある実施形態においては、そのような光活性層で作製された電子デバイスは、改良された寿命を有する。
材料の精製は、任意の公知の精製技術を用いて行うことができる。これらとしては、再結晶化およびカラムクロマトグラフィーなどの浄液技術、ならびにバッチ式気相蒸留(batch vapor distillation)、連続昇華(train sublimation)、アンプル気相再結晶化(ampoule vapor recrystallization)、および帯域精製などの気相昇華(vapor sublimation)技術が挙げられるがこれらに限定されるものではない。ある実施形態においては、2つ以上の技術が使用される。ある実施形態においては、浄液と気相昇華との組み合わせが使用される。
浄液は、材料が十分な溶解度を有する任意の溶媒を用いて行うことができる。ある実施形態においては、クロロホルム、THF、ヘキサン、および低級アルコールなどの溶媒を使用することができる。同様の溶媒が、シリカゲルまたはアルミナ吸収剤を用いたカラムクロマトグラフィーに使用可能である。
バッチ式気相蒸留(「BVD」)は、真空系に材料を入れ、2×10-6T未満までポンプで減圧し、バルク材料を加熱して軽不純物を追い出すことを含む。軽不純物が追い出されてから、昇華された生成物材料が、軽不純物と別々に回収される。重不純物が、昇華るつぼ(sublimation crucible)中に残される。連続昇華は、温度勾配をかけた水平または垂直な真空カラムに材料を入れることを含む。かけられる減圧は2×10-6T未満である。真空カラムのソース端部が、所望の生成物材料の昇華点より高い温度に加熱される。軽不純物が、所望の生成物よりもさらに低いカラム温度勾配で昇華され、重不純物が、ソース領域に残されるかまたは所望の生成物の上流にある。
アンプル気相再結晶化および帯域精製などのさらなる精製技術が、実質的な昇華が起こる前に低粘度の液体状態になるまで溶融するかまたは固体状態で結晶化する強い傾向を有するある有機半導体に必要である。アンプル気相再結晶化は、所定の量の材料を高真空下でガラスまたは石英の真空アンプル内に密閉し、次にそのアンプルを繰り返し加熱してそれをゆっくりと冷やして再結晶化を引き起こすことを含む。溶融されたかまたは昇華された材料は、次に単結晶として再結晶化して不純物を排除することが可能である。帯域精製は、半導体を昇華させるがむしろそれをバルクで溶融させる以外は気相再結晶化と同様である。不純物は、固液界面における溶解度の差によって、バルク材料の縁部に追いやられる。溶融および固化を繰り返すことにより、不純物を半導体質量の外に出すことができ、そこで不純物を容易に取り除くことができる。
a.光活性ドーパント材料
ある実施形態においては、光活性ドーパント材料は、エレクトロルミネッセンス材料であり、赤色、緑色および青色発光色を有する材料から選択される。エレクトロルミネッセンス材料としては、小分子有機蛍光化合物、蛍光性およびリン光性の金属錯体、共役ポリマー、ならびにそれらの混合物が挙げられる。蛍光化合物の例としては、ピレン、ペリレン、ルブレン、クマリン、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。金属錯体の例としては、トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(AlQ)などの金属キレート化オキシノイド化合物;Petrovらの米国特許第6,670,645号明細書ならびにPCT出願公開の国際公開第03/063555号パンフレットおよび国際公開第2004/016710号パンフレットに開示されるようなフェニルピリジン、フェニルキノリン、またはフェニルピリミジンの配位子を有するイリジウム錯体などの、シクロメタレート化されたイリジウムおよび白金のエレクトロルミネッセンス化合物、ならびに、たとえば、PCT出願公開の国際公開第03/008424号パンフレット、国際公開第03/091688号パンフレット、および国際公開第03/040257号パンフレットに記載されるような有機金属錯体、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。電荷キャリアホスト材料と金属錯体とを含むエレクトロルミネッセンス発光層が、Thompsonらの米国特許第6,303,238号明細書、ならびにBurrowsおよびThompsonのPCT出願公開の国際公開第00/70655号パンフレットおよび国際公開第01/41512号パンフレットに記載されている。共役ポリマーの例としては、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリ(スピロビフルオレン)、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、それらのコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ある実施形態においては、EL材料は、イリジウムのシクロメタレート化錯体である。ある実施形態においては、この錯体は、フェニルピリジン、フェニルキノリン、およびフェニルイソキノリンから選択される2つの配位子を有し、第3の配位子は、β−ジエノレートである。配位子は、非置換あるいはF、D、アルキル、CN、またはアリール基で置換されていてもよい。
ある実施形態においては、EL材料は、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、およびポリ(スピロビフルオレン)からなる群から選択されるポリマーである。
ある実施形態においては、EL材料は、非ポリマースピロビフルオレン化合物およびフルオランテン化合物からなる群から選択される。
ある実施形態においては、EL材料は、アリールアミン基を有する化合物である。ある実施形態においては、EL材料は、下式:
Figure 2010509775
(式中:
Aが、出現するごとに同じかまたは異なっており、3〜60個の炭素原子を有する芳香族基であり;
Qが、単結合または3〜60個の炭素原子を有する芳香族基であり;
nおよびmが独立して1〜6の整数である)
から選択される。
上記の式のある実施形態においては、各式のAおよびQのうちの少なくとも一方は、少なくとも3つの縮合環を有する。ある実施形態においては、mおよびnは1に等しい。
ある実施形態においては、Qがスチリルまたはスチリルフェニル基である。
ある実施形態においては、Qが、少なくとも2つの縮合環を有する芳香族基である。ある実施形態においては、Qが、ナフタレン、アントラセン、クリセン、ピレン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、クマリン、ローダミン、キナクリドン、およびルブレンからなる群から選択される。
ある実施形態においては、Aが、フェニル、トリル、ナフチル、およびアントラセニル基からなる群から選択される。
ある実施形態においては、EL材料は、下式:
Figure 2010509775
(式中:
Yが、出現するごとに同じかまたは異なっており、3〜60個の炭素原子を有する芳香族基であり;
Q’が、芳香族基、二価のトリフェニルアミン残基、または単結合である)
で表される。
ある実施形態においては、EL材料はアリールアセンである。ある実施形態においては、EL材料は非対称アリールアセンである。
ある実施形態においては、EL材料はクリセン誘導体である。用語「クリセン」は1,2−ベンゾフェナントレンを意味することを意図している。ある実施形態においては、EL材料は、アリール置換基を有するクリセンである。ある実施形態においては、EL材料は、アリールアミノ置換基を有するクリセンである。ある実施形態においては、EL材料は、2つの異なるアリールアミノ置換基を有するクリセンである。ある実施形態においては、クリセン誘導体は藍色発光を有する。
ある実施形態においては、EL材料は、以下のE1〜E6からなる群から選択される:
Figure 2010509775
Figure 2010509775
Figure 2010509775
Figure 2010509775
b.ホスト材料
ある実施形態においては、ホストは、ビス縮合環状芳香族化合物である。
ある実施形態においては、ホストは、アントラセン誘導体化合物である。ある実施形態においては、この化合物は、下式:
An−L−An
(式中:
Anがアントラセン部分であり;
Lが二価の連結基である)
で表される。
この式のある実施形態においては、Lが、単結合、−O−、−S−、−N(R)−、または芳香族基である。ある実施形態においては、Anが、モノフェニルアントリル部分またはジフェニルアントリル部分である。
ある実施形態においては、ホストは、下式:
A−An−A
(式中:
Anがアントラセン部分であり;
Aが芳香族基である)
で表される。
ある実施形態においては、ホストはジアリールアントラセンである。ある実施形態においてはこの化合物は対称であり、ある実施形態においてはこの化合物は非対称である。
ある実施形態においては、ホストは、下式:
Figure 2010509775
(式中:
1およびA2が、出現するごとに同じかまたは異なっており、H、芳香族基、およびアルケニル基からなる群から選択され、またはAが、1つまたは複数の縮合芳香環であってもよく;
pおよびqが、同じかまたは異なっており、1〜3の整数である)
で表される。
ある実施形態においては、アントラセン誘導体は非対称である。ある実施形態においては、p=2かつq=1である。ある実施形態においては、A1およびA2のうちの少なくとも一方はナフチル基である。
ある実施形態においては、ホストは、
Figure 2010509775
およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
ある実施形態においては、ホストは、光活性層におけるエミッタとして別のホストと組み合わせて用いられ得る。
ある実施形態においては、HPLC純度は少なくとも99.99%であり、不純物吸光度は0.005未満である。
4.正孔輸送層
正孔輸送層の正孔輸送材料の例は、たとえば、Y.Wangによる「Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology」、第4版、第18巻、837−860頁(1996年)にまとめられている。正孔輸送小分子とポリマーとの両方を使用することができる。慣用的に使用される正孔輸送分子としては:4,4’,4”−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(TDATA);4,4’,4”−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(MTDATA);N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD);4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP);1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(mCP);1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC);N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)−[1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル]−4,4’−ジアミン(ETPD);テトラキス−(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン(PDA);α−フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン(TPS);p−(ジエチルアミノ)−ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH);トリフェニルアミン(TPA);ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン(MPMP);1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPRまたはDEASP);1,2−trans−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)シクロブタン(DCZB);N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TTB);N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス−(フェニル)ベンジジン(α−NPB);および銅フタロシアニンなどのポルフィリン化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。慣用的に使用される正孔輸送ポリマーとしては、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)ポリシラン、ポリ(ジオキシチオフェン)、ポリアニリン、およびポリピロールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。前述のような正孔輸送分子を、ポリスチレンおよびポリカーボネートなどのポリマー中にドープすることによって正孔輸送ポリマーを得ることも可能である。
ある実施形態においては、正孔輸送層は、正孔輸送ポリマーを含む。ある実施形態においては、正孔輸送ポリマーは、ジスチリル(distyrylaryl)化合物である。ある実施形態においては、アリール基は、2つ以上の縮合芳香環を有する。ある実施形態においては、アリール基はアセンである。本明細書において使用される場合、用語「アセン」は、直鎖構成中に2つ以上のオルト縮合ベンゼン環を含有する炭化水素親成分を意味する。
ある実施形態においては、正孔輸送ポリマーは、アリールアミンポリマーである。ある実施形態においては、正孔輸送ポリマーは、フルオレンモノマーとアリールアミンモノマーとのコポリマーである。
ある実施形態においては、ポリマーは、架橋性基を有する。ある実施形態においては、架橋は、熱処理および/または紫外線もしくは可視光線への曝露によって行うことができる。架橋性基の例としては、ビニル、アクリレート、パーフルオロビニルエーテル、1−ベンゾ−3,4−シクロブタン、シロキサン、およびメチルエステルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。架橋性ポリマーは、溶液処理されたOLEDの製造に利点を有し得る。可溶性ポリマー材料を塗布して、蒸着の後に不溶性フィルムに変えられ得る層を形成することにより、層が溶解するという問題のない多層の溶液処理されたOLEDデバイスの製造が可能になる。
架橋性ポリマーの例は、たとえば、米国特許出願公開第2005−0184287号明細書およびPCT出願公開の国際公開第2005/052027号パンフレットに見られる。
ある実施形態においては、正孔輸送層は、9,9−ジアルキルフルオレンとトリフェニルアミンとのコポリマーであるポリマーを含む。ある実施形態においては、ポリマーは、9,9−ジアルキルフルオレンと4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)ビフェニルとのコポリマーである。ある実施形態においては、ポリマーは、9,9−ジアルキルフルオレンとTPBとのコポリマーである。ある実施形態においては、ポリマーは、9,9−ジアルキルフルオレンとNPBとのコポリマーである。ある実施形態においては、コポリマーは、(ビニルフェニル)ジフェニルアミンおよび9,9−ジスチリルフルオレンまたは9,9−ジ(ビニルベンジル)フルオレンから選択される第3のコモノマーから作製される。
ある実施形態においては、正孔輸送層は、式Iで表されるポリマーを含む:
Figure 2010509775
式中、a、b、およびcが、ポリマー中のモノマーの相対的比率を示し、0でない整数であり;nが、少なくとも2のゼロでない整数である。ある実施形態においては、a、b、およびcが、1〜10の範囲の値を有する。ある実施形態においては、a:b:cの比率は、(1〜4):(1〜4):(1〜2)の範囲を有する。ある実施形態においては、nが2〜500である。
ある実施形態においては、正孔輸送層は、式IIで表されるポリマーを含む:
Figure 2010509775
式中、a、b、およびcが、ポリマー中のモノマーの相対的比率を示し、0でない整数であり;nが、少なくとも2のゼロでない整数である。ある実施形態においては、a、b、およびcが、0.001〜10の範囲の値を有する。ある実施形態においては、a:b:cの比率は、(2〜7):(2〜7):(1〜3)の範囲を有する。ある実施形態においては、nが2〜500である。
正孔輸送層用のポリマー、特に、式Iまたは式IIで表されるポリマーは、3つの公知の合成経路によって一般に調製することができる。Yamamotoの「Progress in Polymer Science」、第17巻、1153頁(1992年)に記載される第1の合成方法においては、モノマー単位のジハロまたはジトリフレート誘導体を、化学量論量のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)などの0価のニッケル化合物と反応させる。Colonらの「Journal of Polymer Science」、Part A、Polymer chemistry Edition、第28巻、367頁(1990年)に記載される第2の方法においては、二価のニッケルイオンを0価のニッケルに還元可能な化学量論量の材料の存在下で、モノマー単位のジハロまたはジトリフレート誘導体を触媒量のNi(II)化合物と反応させる。好適な材料としては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、およびリチウムが挙げられる。米国特許第5,962,631号明細書、およびPCT出願公開の国際公開第00/53565号パンフレットに記載される第3の合成方法においては、あるモノマー単位のジハロまたはジトリフレート誘導体を、ボロン酸、ボロン酸エステル、およびボランから選択される2つの反応性基を有する別のモノマー単位の誘導体と、テトラキス(トリフェニルホスフィン)PdまたはPd(OAc)2などの、0価または2価のパラジウム触媒の存在下で反応させる。
ある実施形態においては、正孔輸送層は、P1〜P11からなる群から選択されるポリマーを含む:
Figure 2010509775
Figure 2010509775
Figure 2010509775
Figure 2010509775
ある実施形態においては、正孔輸送層は、層の形成の後に架橋されている、P2〜P5およびP7からなる群から選択されるポリマーを含む。
ある実施形態においては、正孔輸送層は、層の形成の後に加熱されている、P1およびP6、P8、P9、またはP11からなる群から選択されるポリマーを含む。
5.バッファ層
バッファ層は、ポリアニリン(PANI)またはポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)などのポリマー材料(これらはプロトン酸でドープされることが多い)で形成することができる。プロトン酸は、たとえば、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)などであり得る。
バッファ層は、銅フタロシアニンおよびテトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタン系(TTF−TCNQ)などの電荷輸送化合物などを含み得る。
ある実施形態においては、バッファ層は、少なくとも1つの導電性ポリマーおよび少なくとも1つのフッ素化酸ポリマーを含む。
ある実施形態においては、導電性ポリマーは、少なくとも10-7S/cmの導電性を有するフィルムを形成するであろう。導電性ポリマーを形成するモノマーは、「前駆体モノマー」と呼ばれる。コポリマーは、2つ以上の前駆体モノマーを有するであろう。ある実施形態においては、導電性ポリマーは、チオフェン、セレノフェン、テルロフェン、ピロール、アニリン、および多環芳香族から選択される少なくとも1つの前駆体モノマーから作製される。これらのモノマーから作製されるポリマーは、それぞれ、ポリチオフェン、ポリ(セレノフェン)、ポリ(テルロフェン)、ポリピロール、ポリアニリン、および多環芳香族ポリマーと呼ばれる。用語「多環芳香族」は、2つ以上の芳香環を有する化合物を意味する。これらの芳香環は、1つまたは複数の結合によって接合されていてもよく、またはともに縮合されていてもよい。用語「芳香環」は、複素芳香環を含むことを意図している。「多環複素芳香族」化合物は、少なくとも1つの複素芳香環を有する。ある実施形態においては、多環芳香族ポリマーは、ポリ(チエノチオフェン)である。
フッ素化酸ポリマーは、フッ素化された任意のポリマーであり得、酸性プロトンを有する酸性基を有する。この用語は、部分的におよび完全にフッ素化された材料を含む。ある実施形態においては、フッ素化酸ポリマーは高度にフッ素化されている。用語「高度にフッ素化された」は、炭素に結合された利用可能な水素の少なくとも50%が、フッ素で置換されていることを意味する。酸性基は、イオン性プロトンを供給する。ある実施形態においては、酸性プロトンは、3未満のpKaを有する。ある実施形態においては、酸性プロトンは、0未満のpKaを有する。ある実施形態においては、酸性プロトンは、−5未満のpKaを有する。酸性基は、ポリマー主鎖に直接結合され得るか、またはポリマー主鎖上の側鎖に結合され得る。酸性基の例としては、カルボン酸基、スルホン酸基、スルホンイミド(sulfonimide)基、リン酸基、ホスホン酸基、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。酸性基は、すべて同じであることができ、またはポリマーは、2種以上の酸性基を有していてもよい。
ある実施形態においては、フッ素化酸ポリマーは水溶性である。ある実施形態においては、フッ素化酸ポリマーは水に分散する。ある実施形態においては、フッ素化酸ポリマーは、有機溶媒に可溶(wettable)である。
ある実施形態においては、フッ素化酸ポリマーは、フッ素化されたポリマー主鎖を有する。ポリマー主鎖の例としては、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、およびそれらのコポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ある実施形態においては、ポリマー主鎖は高度にフッ素化されている。ある実施形態においては、ポリマー主鎖は完全にフッ素化されている。
ある実施形態においては、酸性基は、スルホン酸基またはスルホンイミド基である。スルホンイミド基は、下式:
−SO2−NH−SO2−R
(式中、Rがアルキル基である)
で表される。
ある実施形態においては、酸性基は、フッ素化側鎖上にある。ある実施形態においては、フッ素化側鎖は、アルキル基、アルコキシ基、アミド基、エーテル基、およびそれらの組み合わせから選択される。
ある実施形態においては、フッ素化酸ポリマーは、側鎖フッ素化エーテルスルホネート、フッ素化エステルスルホネート、またはフッ素化エーテルスルホンイミド基を有するフッ素化オレフィン主鎖を有する。ある実施形態においては、ポリマーは、1,1−ジフルオロエチレンと、2−(1,1−ジフルオロ−2−(トリフルオロメチル)アリルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸とのコポリマーである。ある実施形態においては、ポリマーは、エチレンと、2−(2−(1,2,2−トリフルオロビニルオキシ)−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸とのコポリマーである。これらのコポリマーは、対応するフッ化スルホニルポリマーとして作製され、次にスルホン酸形態に変換され得る。
ある実施形態においては、フッ素化酸ポリマーは、フッ素化および部分的にスルホン化されたポリ(アリーレンエーテルスルホン)のホモポリマーまたはコポリマーである。コポリマーはブロックコポリマーであり得る。コモノマーの例としては、ブタジエン、ブチレン、イソブチレン、スチレン、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ある実施形態においては、バッファ層は、導電性ポリマーおよびコロイド形成性ポリマー酸の水性分散体から作製される。このような材料は、たとえば、米国特許出願公開第2004−0102577号明細書、同第2004−0127637号明細書、および同第2005−0205860号明細書に記載されている。
6.他のデバイスの層
デバイス中の他の層は、そのような層に有用であることが知られている任意の材料でできていてよい。アノードは、正電荷キャリアを注入するのに特に効果的な電極である。アノードは、たとえば、金属、混合金属、合金、金属酸化物、または混合金属酸化物を含有する材料でできていてよく、あるいは導電性ポリマー、およびその混合物であり得る。好適な金属としては、第11族金属、第4族、第5族、および第6族の金属、ならびに第8〜10族の遷移金属が挙げられる。アノードが光透過性である場合、インジウムスズ酸化物などの第12族、第13族、および第14族の金属の混合金属酸化物が一般に使用される。アノードは、「Flexible light−emitting diodes made from soluble conducting polymer」、Nature 第357巻、477〜479頁(1992年6月11日)に記載されるようなポリアニリンなどの有機材料を含むこともできる。アノードおよびカソードの少なくとも一方は、発生した光を観察できるようにするため、少なくとも部分的に透明であるべきである。
任意選択の電子輸送層140に用いられ得る電子輸送材料の例としては、トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(AlQ)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(p−フェニルフェノラト)アルミニウム(BAlq)、およびテトラキス−(8−ヒドロキシキノラト)ジルコニウム(ZrQ)などの金属キレート化オキシノイド化合物;ならびに2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、および1,3,5−トリ(フェニル−2−ベンズイミダゾール)ベンゼン(TPBI)などのアゾール化合物;2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリンなどのキノキサリン誘導体;4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DPA)および2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DDPA)などのフェナントロリン;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
カソードは、電子または負電荷キャリアを注入するのに特に効果的な電極である。カソードは、アノードよりも低い仕事関数を有する任意の金属または非金属であってよい。カソード用の材料は、第1族のアルカリ金属(たとえば、Li、Cs)、第2族(アルカリ土類)金属、希土類元素およびランタニド、ならびにアクチニドを含む第12族金属から選択され得る。アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、サマリウムおよびマグネシウム、ならびにそれらの組み合わせなどの材料を使用することができる。動作電圧を下げるために、LiFおよびLi2OといったLi含有有機金属化合物を、有機層とカソード層との間に堆積することもできる。この層は、電子注入層と呼ばれることもある。
7.デバイスの作製
ある実施形態においては、本発明のデバイスは、バッファ層、正孔輸送層、および光活性層の液相堆積と、アノード、電子輸送層、電子注入層、およびカソードの気相堆積とによって製造される。
本発明のバッファ層は、それを溶解または分散してそれから膜を形成するあらゆる液体媒体から堆積することができる。一実施形態においては、液体媒体は、1つまたは複数の有機溶媒から実質的になる。一実施形態においては、液体媒体は、水、あるいは水および有機溶媒から実質的になる。一実施形態においては、有機溶媒は、アルコール、ケトン、環状エーテル、およびポリオールからなる群から選択される。一実施形態においては、有機液体は、ジメチルアセトアミド(「DMAc」)、N−メチルピロリドン(「NMP」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、エチレングリコール(「EG」)、脂肪族アルコール、およびそれらの混合物から選択される。緩衝材料は、0.5〜10重量パーセントの量で液体媒体中に存在することができる。液体媒体に依存するが、他の重量パーセント値の緩衝材料を使用することもできる。バッファ層は、あらゆる連続または不連続の液相堆積技術によって適用することができる。一実施形態においては、バッファ層はスピンコーティングによって適用される。一実施形態においては、バッファ層はインクジェット印刷によって適用される。液相堆積後、液体媒体は、室温または加熱しながら、空気中、不活性雰囲気中、または減圧によって除去することができる。一実施形態においては、この層は275℃未満の温度に加熱される。一実施形態においては、加熱温度は100℃〜275℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は100℃〜120℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は120℃〜140℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は140℃〜160℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は160℃〜180℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は180℃〜200℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は200℃〜220℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は190℃〜220℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は220℃〜240℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は240℃〜260℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は260℃〜275℃の間である。加熱時間は温度に依存し、一般に5〜60分の間である。一実施形態においては、最終層厚さは5〜200nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは5〜40nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは40〜80nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは80〜120nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは120〜160nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは160〜200nmの間である。
正孔輸送層は、それを溶解または分散してそれからフィルムを形成するあらゆる液体媒体から堆積することができる。一実施形態においては、液体媒体は、1つまたは複数の有機溶媒から実質的になる。一実施形態においては、液体媒体は、水、あるいは水および有機溶媒から実質的になる。一実施形態においては、有機溶媒は芳香族溶媒である。一実施形態においては、有機液体は、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、キシレン、メシチレン、アニソール、およびそれらの混合物から選択される。正孔輸送材料は、0.2〜2重量パーセントの濃度で液体媒体中に存在することができる。液体媒体に依存するが、他の重量パーセント値の正孔輸送材料を使用することができる。正孔輸送層は、あらゆる連続または不連続の液相堆積技術によって適用することができる。一実施形態においては、正孔輸送層はスピンコーティングによって適用される。一実施形態においては、正孔輸送層はインクジェット印刷によって適用される。液相堆積後、液体媒体は、室温または加熱しながら、空気中、不活性雰囲気中、または減圧によって除去することができる。一実施形態においては、この層は300℃以下の温度に加熱される。一実施形態においては、加熱温度は170℃〜275℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は170℃〜200℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は190℃〜220℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は210℃〜240℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は230℃〜270℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は270℃〜300℃の間である。加熱時間は温度に依存し、一般に5〜60分の間である。一実施形態においては、最終層厚さは5〜50nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは5〜15nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは15〜25nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは25〜35nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは35〜50nmの間である。
本発明の光活性層は、それを溶解または分散してそれからフィルムを形成するあらゆる液体媒体から堆積することができる。一実施形態においては、液体媒体は1つまたは複数の有機溶媒から実質的になる。一実施形態においては、液体媒体は水、あるいは水および有機溶媒から実質的になる。一実施形態においては、有機溶媒は芳香族溶媒である。一実施形態においては、有機溶媒はクロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、アニソール、2−ブタノン、3−ペンタノン、酢酸ブチル、アセトン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トリフルオロトルエンおよびそれらの混合物から選択される。光活性材料は0.2〜2重量パーセントの濃度で液体媒体中に存在することができる。液体媒体によっては他の重量パーセント値の光活性材料を使用することもできる。光活性層は連続または不連続のあらゆる液相堆積技術によって適用することができる。一実施形態においては、光活性層はスピンコーティングによって適用される。一実施形態においては、光活性層はインクジェット印刷によって適用される。液相堆積後、液体媒体は、室温または加熱を使用して、空気中、不活性雰囲気中、または減圧によって除去することができる。最適なベーク条件は、除去されている液体の蒸気圧特性および液体とのそれらの分子間相互作用に依存する。一実施形態においては、堆積された層は、最高Tgを有する材料のTgより高い温度に加熱される。一実施形態においては、堆積された層は、最低Tgを有する材料のTg未満の温度に加熱される。一実施形態においては、加熱温度は最低Tgよりも少なくとも10℃低い。一実施形態においては、加熱温度は最低Tgよりも少なくとも20℃低い。一実施形態においては、加熱温度は最低Tgよりも少なくとも30℃低い。一実施形態においては、加熱温度は50℃〜150℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は50℃〜75℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は75℃〜100℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は100℃〜125℃の間である。一実施形態においては、加熱温度は125℃〜150℃の間である。加熱時間は温度に依存し、一般に5〜60分の間である。一実施形態においては、最終層厚さは25〜100nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは25〜40nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは40〜65nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは65〜80nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは80〜100nmの間である。
本発明の電子輸送層は、あらゆる気相堆積法によって堆積することができる。一実施形態においては、減圧下での熱蒸着によって堆積される。一実施形態においては、最終層厚さは1〜100nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは1〜15nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは15〜30nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは30〜45nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは45〜60nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは60〜75nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは75〜90nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは90〜100nmの間である。
電子注入層は、あらゆる気相堆積法によって堆積することができる。一実施形態においては、減圧下での熱蒸着によって堆積される。一実施形態においては、減圧は10-6torr未満である。一実施形態においては、減圧は10-7torr未満である。一実施形態においては、減圧は10-8torr未満である。一実施形態においては、材料は100℃〜400℃;好ましくは150℃〜350℃の範囲内の温度に加熱される。本明細書中提示される気相堆積の速度の単位は、オングストローム毎秒である。一実施形態においては、材料は0.5〜10Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は0.5〜1Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は1〜2Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は2〜3Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は3〜4Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は4〜5Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は5〜6Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は6〜7Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は7〜8Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は8〜9Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は9〜10Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、最終層厚さは0.1〜3nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは0.1〜1nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは1〜2nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは2〜3nmの間である。
カソードは、あらゆる気相堆積法によって堆積することができる。一実施形態においては、減圧下での熱蒸着によって堆積される。一実施形態においては、減圧は10-6torr未満である。一実施形態においては、減圧は10-7torr未満である。一実施形態においては、減圧は10-8torr未満である。一実施形態においては、材料は100℃〜400℃;好ましくは150℃〜350℃の範囲内の温度に加熱される。一実施形態においては、材料は0.5〜10Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は0.5〜1Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は1〜2Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は2〜3Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は3〜4Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は4〜5Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は5〜6Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は6〜7Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は7〜8Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は8〜9Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、材料は9〜10Å/秒の速度で堆積される。一実施形態においては、最終層厚さは10〜10000nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは10〜1000nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは10〜50nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは50〜100nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは100〜200nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは200〜300nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは300〜400nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは400〜500nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは500〜600nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは600〜700nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは700〜800nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは800〜900nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは900〜1000nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは1000〜2000nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは2000〜3000nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは3000〜4000nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは4000〜5000nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは5000〜6000nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは6000〜7000nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは7000〜8000nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは8000〜9000nmの間である。一実施形態においては、最終層厚さは9000〜10000nmの間である。
以下の実施例で、本明細書に記載される概念をさらに説明するが、これらの実施例は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
この実施例は、ドーパント材料E2の調製および精製を示す。
6,12−ジブロモクリセン:
窒素雰囲気下で、2リットルの一つ口丸底フラスコに、クリセン(10g、43.8mmol)およびCuBr2/Al23(150g、Kodomariら、J.Org.Chem.、1988、53、2093に記載のように調製される)を入れた。無水四塩化炭素(1000ml)をカニューレによって加えた。その際、反応フラスコに、マグネチックスターラーおよび循環冷浴で12℃に冷却された凝縮器を装備した。反応混合物を90℃の油浴中で5日間攪拌させた。反応の進行をTLCによってモニターした。完了したら、反応混合物を48〜50℃に冷却し、ろ過した。ろ過ケーキを少量のCCl4で洗浄し、ろ液を取り分けた。静置しておくと、それは0.9gの生成物を生じ、その生成物を真空ろ過によって単離した。ろ過ケーキを1リットルの丸底フラスコに移し、500mlのトルエン中で3時間沸騰させた。この混合物を、熱いうちにろ過し、1.5lの温かい(65℃)トルエンで洗浄した。静置しておくと、ろ液は8.9gのふわふわの黄色の結晶になった。全収率9.81g(58%)。この化合物をNMR分析によって確認した。
N,N’−ビス(4−イソ−プロピルフェニル)−クリセン−6,12−ジアミン:
ドライボックスにおいて、500mLの一つ口丸底フラスコに、ジブロモクリセン(9g、23.3mmol)、4−イソ−プロピルアニリン(6.61g、48.9mmol)および200mLの乾燥トルエンを入れた。別個の100mlのフラスコにおいて、Pd2(dba)3(0.192g、0.21mmol)、P(t−Bu)3(0.085g、0.42mmol)を、25mlの乾燥トルエンに溶解させ、10分間攪拌し、次にジブロモクリセン/アニリン溶液に加えた。10分間攪拌した後、ナトリウムtert−ブトキシド(4.48g、46.6mmol)を1度に加えた。反応フラスコをドライボックスから取り出し、窒素入口に蓋をして、80℃の油浴中で一晩(18時間)攪拌した。翌日、反応混合物を、室温に冷却し、15gのシリカゲルおよび15gのセライト上に注ぎ、数分間回し、シリカゲルの4インチプラグを通してろ過し、5.5リットルのトルエンで洗浄した。揮発分を減圧下で除去して暗黄色の固体を得た。この固体をジエチルエーテルと共に粉砕し、真空ろ過し、最小量のエーテルで洗浄した。得られた黄色の個体を高い真空ラインで乾燥させた。収量8.68g(75.5%)。この化合物をNMR分析によって確認した。
N,N’−ビス(5−m−キシリル)−N,N’−ビス(4−イソ−プロピルフェニル)−クリセン−6,12−ジアミン:
ドライボックスにおいて、1Lの一つ口丸底フラスコに、N,N’−ビス(4−イソ−プロピルフェニル)−クリセン−6,12−ジアミン(8.5g、17.18mmol)、5−ヨード−m−キシレン(8.77g、37.8mmol)および300mlの乾燥トルエンを入れた。別個の100mlの丸底フラスコに、Pd2(dba)3(0.142g、0.115mmol)、P(t−Bu)3(0.063g、0.31mmol)および60mlの乾燥トルエンを入れ、攪拌させた。10分後、その内容物を、多い方の溶液に加えた(フラスコを追加の70mlのトルエンですすいだ)。10分間攪拌した後、ナトリウムtert−ブトキシド(3.63g、37.8mmol)を1度に加えた。触媒溶液を加えた後、反応混合物は褐色に変わった。反応フラスコをドライボックスから取り出し、窒素入口に蓋をして、80℃の油浴中で一晩(18時間)温めた。反応混合物を、2インチのセライトおよび2インチのシリカゲルを含有する4インチプラグを通してろ過し、1リットルのトルエンで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られたダーク油を、少量のエーテルと共に1時間攪拌した。得られた固体をろ過し、減圧下で乾燥させた。収量10.3g(85.2%)。試験前に、最終生成物を連続昇華によってさらに精製した。最終LC純度98.9%。1H NMR(CD2Cl2、δ):1.27(d,12H、3HH=6.9Hz)、2.22(s,12H)、2.90(sept,2H,3HH=6.9Hz)、6.65(s,2H)、6.78(s,4H)、7.11(m,8H)、7.55(m,2H)、7.65(m,2H)、8.17(app d,2H)、8.60(app d,2H)、8.63(s,2H)。
実施例2
この実施例は、ドーパント材料E4の調製および精製を示す。
Figure 2010509775
1.2−tert−ブチルアントラセンを、四塩化炭素中のその溶液に臭素を滴下添加することによって臭素化した。室温で数時間攪拌した後、溶媒を減圧下で除去して、黄色の粗固体を得た。粗固体をカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物として鮮黄色の固体を得た。
2.ジ−t−トリルアミンおよび9,10−ジブロモ−2−tert−ブチルアントラセンを、トルエン中でPd2dba3およびトリ−t−ブチルホスフィンと組み合わせた。ナトリウムt−ブトキシドをゆっくりと加えると、反応物が還流し始めた。反応混合物を一晩90℃に加熱した。その時間の間に混合物がゲル化した。冷却してから、反応混合物をトルエンで希釈し、ろ過した。溶媒を減圧下で除去して、緑色の固体として粗生成物を得た。溶離剤としてヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製すると、鮮黄色の固体(2−tert−ブチル−N9,N9,N10,N10−テトラ−p−トリルアントラセン−9,10−ジアミン)が単離された。
実施例3
この実施例は、ホスト材料H1の調製および精製を示す。
H1を以下のスキームにしたがって調製した:
Figure 2010509775
化合物3の合成
Figure 2010509775
Figure 2010509775
すべての固体試薬およびTHFを、窒素で満たしたグローブボックスにおいて、攪拌子を備えた200mLのケルダール反応フラスコ中で組み合わせた。ドライボックスから取り出した後、反応混合物を窒素でパージし、脱気水をシリンジによって加えた。次に、凝縮器を追加し、反応物を24時間還流させた。TLCを行うと、アントラセン−9−イルトリフルオロメタンスルホネート出発材料が含まれないことが示された。冷却した後、有機層を分離させ、水性層をDCMで抽出した。有機画分を組み合わせ、溶媒を減圧下で除去した。得られた粗個体を、Aldrichの中性アルミナおよびヘキサン中の5%DCMを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製した。溶媒極性を、50%DCMまで徐々に高めた。溶媒を除去して、4.08gの白色固体を得た(収率43.8%)。生成物をNMR分析によって確認した。
Figure 2010509775
Figure 2010509775
すべての試薬およびトルエンを、窒素で満たしたグローブボックスにおいて、攪拌子を備えた500mLの丸底フラスコ中で組み合わせた。ドライボックスから取り出した後、反応混合物を窒素でパージし、脱気水をシリンジによって加えた。凝縮器を装備し、反応物を15時間還流させた。TLCを行うと、反応が完了したことが示された。反応混合物を室温に冷却した。有機層を分離させ、水性層をDCMで抽出した。有機画分を組み合わせ、溶媒を減圧下で除去して粘性油を得た。粗材料を、シリカゲルおよび10%DCM/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製した。溶媒を除去して、20グラム(収率85%)の透明な粘性油を得た。生成物をNMR分析によって確認した。
H1の合成
Figure 2010509775
Figure 2010509775
すべての試薬およびTHFを、窒素で満たしたグローブボックスにおいて、攪拌子を備えた100mLの丸底フラスコ中で組み合わせた。ドライボックスから取り出した後、反応混合物を窒素でパージし、脱気水をシリンジによって加えた。凝縮器を装備し、反応物を72時間還流させた。LC−MSを行うと、反応が完了したことが示された。反応混合物を室温に冷却した。有機層を分離させ、水性層をDCMで抽出した。有機画分を組み合わせ、溶媒を減圧下で除去して、灰色の固体を得た。粗材料を、シリカゲルおよびDCM/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製した。溶媒を除去して、1グラム(収率76%)を白色固体として得た。
ホストH1を、溶液および気相昇華技術の両方を用いて精製した。クロロホルム−ヘキサン−メタノール/2:2:1から材料を再結晶化して、淡褐色の粉末を得た。この後に、市販の充填材料およびクロロホルム−ヘキサン/1:4の溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーによる精製が続いて、純白の粉末が得られた。この粉末は、Waters Acquity Ultraperformance Liquid Chromatographyシステムを用いたHPLC分析によって純度が99.9%より高いことが分かった。得られた物質を低真空下で乾燥させた。
予め浄液した材料を、気相昇華技術をさらに用いて精製した。統合HPLC分析によって最終純度が少なくとも99.98%であることが分かった。
純度をUV−Vis分光法によっても分析した。100.0mgのH1を10分の1ミリグラム単位まで計量し、3.0mLのTHF(Aldrich Chemical Co.、無水グレード)に溶解させた。内容物全体を石英キュベットに加える一方、3.0mLの純粋なTHFを第2のキュベットに加えた。H1試料スペクトルから差し引かれるべきTHFスペクトルブランクを得た。H1試料の電子吸収スペクトルを、200〜900nmのCary UV−Vis分光計で測定した。上記の精製されたH1材料(THF中3.33% wt:vol)は、460〜1000nmの、Varian製の、Cary 50 UV−Vis分光計を用いて、0.005吸光度単位未満の吸光度を有し、この吸光度は純THFでのブランク値を適切に差し引いたものである。THF中2%(wt/vol)のH1がさらに低い吸光度を有し得ることが理解されるであろう。
実施例4
この実施例は、正孔輸送材料P5の調製を示す。
Figure 2010509775
化合物2の合成
窒素の雰囲気下で、250mLの丸底フラスコに、9,9−ジオクチル−2,7−ジブロモフルオレン(25.0g、45.58mmol)、フェニルボロン酸(12.23g、100.28mmol)、Pd2(dba)3(0.42g、0.46mmol)、PtBu3(0.22g、1.09mmol)および100mLトルエンを入れた。反応混合物を5分間攪拌し、その後、KF(8.74g、150.43mmol)を2度に分けて加え、得られた溶液を室温で一晩攪拌した。この混合物を500mLのTHFで希釈し、シリカおよびセライトのプラグを通してろ過し、減圧下でろ液から揮発分を除去した。黄色油を、ヘキサンを溶離剤として用いた、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物を、80.0%(19.8g)で白色固体として得た。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ=7.78(d,J=7.82Hz,2H)、7.69(d,J=7.23Hz,4H)、7.60(d,J=8.29Hz,4H)、7.48(t,J=7.71Hz,4H)、7.36(t,J=7.34Hz,2H)、2.07〜2.04(m,4H)、1.22〜0.08(m,20H)、0.81(t,J=7.10Hz,6H)、0.78〜0.74(m,4H)。13C NMR(126MHz、CDCl3)δ=151.96(s,2C)、148.02(s,2C)、142.02(s,2C)、140.36(s,2C)、129.03(d,2C)、127.48(d,4C)、127.37(d,2C)、126.31(d,4C)、121.83(d,2C)、120.23(d,2C)、55.57(s,1C)、40.69(t,2C)、32.03(t,2C)、31.84(t,2C)、30.27(t,2C)、29.43(t,2C)、24.08(t,2C)、22.91(t,2C)、14.34(q,2C)。
Figure 2010509775
化合物3の合成
凝縮器および滴下漏斗を装備した250mLの3つ口丸底フラスコを、30分間N2でフラッシュした。9,9−ジオクチル−2,7−ジフェニルフルオレン(19.8g、36.48mmol)を加え、100mLのジクロロメタンに溶解させた。透明な溶液を−10℃に冷却し、20mLのジクロロメタン中の臭素(12.24g、76.60mmol)の溶液を滴下添加した。この混合物を0℃で1時間攪拌し、次に室温に温め、一晩攪拌した。100mLの10%のNa223水溶液を加え、反応混合物を1時間攪拌した。有機層を抽出し、水層を100mLのジクロロメタンで3回洗浄した。組合された有機層を、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固させた。得られた油にアセトンを加えると、白色の沈殿物が得られた。ろ過し乾燥させると、白色粉末が得られた(13.3g、52.2%)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ=7.74(d,J=7.79Hz,2H)、7.58〜7.55(m,4H)、7.53〜7.49(m,8H)、2.02〜1.99(m,4H)、1.18〜1.04(m,20H)、0.77(t,J=7.14Hz,6H)、0.72〜0.66(m,4H)。13C NMR(126MHz、CDCl3)δ=152.14(s,2C)、140.83(s,2C)、140.55(s,2C)、139.26(s,2C)、132.13(d,4C)、129.04(d,2C)、126.20(d,4C)、121.63(d,2C)、121.58(d,2C)、120.46(s,2C)、55.63(s,1C)、40.60(t,2C)、32.03(t,2C)、30.21(t,2C)、29.43(t,2C)、29.40(t,2C)、24.06(t,2C)、22.84(t,2C)、14.29(q,2C)。
Figure 2010509775
化合物4の合成
窒素の雰囲気下で、250mLの丸底フラスコに、3(13.1g、18.70mmol)、アニリン(3.66g、39.27mmol)、Pd2(dba)3(0.34g、0.37mmol)、PtBu3(0.15g、0.75mmol)および100mLのトルエンを入れた。この反応混合物を10分間攪拌し、その後、NaOtBu(3.68g、38.33mmol)を加え、反応混合物を室温で1日攪拌した。得られた反応混合物を、3Lのトルエンで希釈し、シリカおよびセライトのプラグを通してろ過した。揮発分を蒸発させると、得られた暗褐色の油を、溶離剤として酢酸エチル:ヘキサンの1:10の混合物を用いた、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物を、50.2%(6.8g)で淡黄色の粉末として得た。1H NMR(500MHz、CD2Cl2)δ=7.77(d,J=7.87Hz,2H)、7.34〜7.58(m,8H)、7.31(t,J=7.61Hz,4H)、7.19(d,J=8.14Hz,4H)、7.15(d,J=8.40Hz,4H)、6.97(t,J=7.61Hz,2H)、5.91(bs,2H)、2.01〜2.07(m,4H)、1.23〜1.07(m,20H)、0.82(t,J=7.01Hz,6H)、0.78〜0.72(m,4H)。13C NMR(126MHz、CD2Cl2)δ=152.33(s,2C)、143.63(s,2C)、143.15(s,2C)、140.20(s,2C)、140.16(s,2C)、134.66(d,2C)、129.96(d,4C)、128.49(d,4C)、125.84(d,2C)、121.69(s,2C)、121.46(d,2C)、120.42(d,4C)、118.48(d,4C)、118.35(d,2C)、55.86(s,1C)、41.02(t,2C)、32.39(t,2C)、30.63(t,2C)、29.81(t,2C)、29.72(t,2C)、24.51(t,2C)、23.20(t,2C)、14.43(q,2C)。
Figure 2010509775
化合物5の合成
凝縮器を装備した250mLの3つ口丸底フラスコにおいて、4(4.00g、5.52mmol)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(4.68g、16.55mmol)、Pd2(dba)3(0.30g、0.33mmol)およびDPPF(0.37g、0.66mmol)を80mLのトルエンと組み合わせた。得られた混合物を10分間攪拌した。NaOtBu(1.17g、12.14mmol)を加え、混合物を4日間80℃に加熱した。得られた反応混合物を、1Lのトルエンおよび1LのTHFで希釈し、シリカおよびセライトのプラグを通してろ過して不溶性の塩を除去した。揮発分を蒸発させると、得られた褐色の油を、溶離剤としてジクロロメタン:ヘキサンの1:10の混合物を用いた、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。乾燥後、黄色の粉末を得た(4.8g、84.8%)。1H NMR(500MHz、CD2Cl2)δ=7.78(d,J=7.71Hz,2H)、7.63〜7.59(m,8H)、7.39(d,J=8.88Hz,4H)、7.32(t,J=7.94,Hz,4H)、7.17(dd,J=8.14,9.34Hz,8H)、7.11(t,J=7.48Hz,2H)、7.03(d,J=8.88Hz,4H)、2.12〜2.09(m,4H)、1.24〜1.10(m,20H)、0.82(t,J=7.01Hz,6H)、0.79〜0.73(m,4H)。13C NMR(126MHz、CD2Cl2)δ=152.40(s,2C)、147.89(s,2C)、147.62(s,2C)、147.21(s,2C)、140.50(s,2C)、139.91(s,2C)、136.84(d,4C)、132.80(s,2C)、130.08(d,2C)、128.52(d,2C)、126.14(d,4C)、125.84(d,2C)、125.29(d,4C)、125.02(d,4C)、124.14(d,2C)、121.65(d,4C)、120.62(d,4C)、115.43(s,2C)、55.93(s,1C)、41.02(t,2C)、32.40(t,2C)、30.63(t,2C)、29.83(t,2C)、29.82(t,2C)、24.52(t,2C)、23.22(t,2C)、14.48(q,2C)。
化合物6の合成
Figure 2010509775
ビス(1,5−シクロオクタジエン)−ニッケル−(0)(0.556g、2.02mmol)を、2,2’−ビピリジル(0.0.315g、2.02mmol)および1,5−シクロオクタジエン(0.219g、2.02mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(無水、4mL)溶液に加えた。得られた混合物を30分間60℃に加熱した。次に、9,9−ジオクチル−2,7−ジベンジルフルオレン(0.0834g、0.15mmol)および化合物5(0.88g、0.85mmol)のトルエン(無水、16mL)溶液を、攪拌中の触媒混合物に素早く加えた。この混合物を7時間60℃で攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、それを激しく攪拌しながら250mLのメタノールにゆっくりと注ぎ入れ、一晩攪拌した。15mLの濃HClを加えた後、1時間攪拌した。沈殿物をろ過し、次に50mLのトルエンに加え、500mLのメタノールにゆっくりと注ぎ入れた。得られた淡黄色の沈殿物を1時間攪拌し、次にろ過によって単離した。固形分を、クロマトグラフィー(シリカ、トルエン)および酢酸エチルからの沈殿によってさらに精製した。得られた物質を減圧下で乾燥させた後、淡黄色のポリマーが、80%の収率(0.64g)で単離された。GPC(THF、室温):Mn=80,147;Mw=262,659;Mw/Mn=2.98。
化合物7の合成
Figure 2010509775
ビス(1,5−シクロオクタジエン)−ニッケル−(0)(0.833g、3.03mmol)を、2,2’−ビピリジル(0.473g、3.03mmol)および1,5−シクロオクタジエン(0.328g、3.03mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(無水、6mL)溶液に加えた。得られた混合物を30分間60℃に加熱した。次に、化合物5(1.553g、1.50mmol)のトルエン(無水、24mL)溶液を、攪拌中の触媒混合物に素早く加えた。この混合物を7時間60℃で攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、それを激しく攪拌しながら250mLのメタノールにゆっくりと注ぎ入れ、一晩攪拌した。15mLの濃HClを加えた後、1時間攪拌した。沈殿物をろ過し、次に50mLのトルエンに加え、500mLのメタノールにゆっくりと注ぎ入れた。得られた淡黄色の沈殿物を1時間攪拌し、次にろ過によって単離した。固形分を、クロマトグラフィー(シリカ、トルエン)および酢酸エチルからの沈殿によってさらに精製した。得られた物質を減圧下で乾燥させた後、淡黄色のポリマーが、82%の収率(1.08g)で単離された。GPC(THF、室温):Mn=148,427;Mw=477,886;Mw/Mn=3.25。
実施例5
この実施例は、正孔輸送材料P3の調製を示す。
Figure 2010509775
ビス(1,5−シクロオクタジエン)−ニッケル−(0)(1.111g、4.04mmol)を、2,2’−ビピリジル(0.631g、4.04mmol)および1,5−シクロオクタジエン(0.437g、4.04mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(無水、4mL)溶液に加えた。得られた混合物を30分間60℃に加熱した。次に、9,9−ジオクチル−2,7−ジブロモフルオレン(0.439g、0.80mmol)、N,N′−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン(0.646g、1.00mmol)、9,9−ビス(ビニルベンジル)−2,7−ジブロモフルオレン(0.111g、0.02mmol)のトルエン(無水、16mL)溶液を、攪拌中の触媒混合物に素早く加えた。この混合物を8時間60℃で攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、それを激しく攪拌しながら300mLのメタノールにゆっくりと注ぎ入れ、一晩攪拌した。25mLの濃HClを加えた後、1時間攪拌した。沈殿物をろ過し、次に100mLのトルエンに加え、25mLの濃HClを含有する1Lの、1:1のメタノール:アセトン溶液にゆっくりと注ぎ入れた。得られた黄色の沈殿物を30分間攪拌し、次にろ過によって単離した。固形分を、クロマトグラフィー(シリカ、トルエン)および酢酸エチルからの沈殿によってさらに精製した。得られた物質を減圧下で乾燥させた後、淡黄色のポリマーが、77%の収率(0.680g)で単離された。GPC(THF、室温):Mn=27,874;Mw=135,037;Mw/Mn=4.85。
実施例6
実施例6は、正孔輸送ポリマーP8の調製を示す。
パート1−モノマーの合成(以下の化合物5):
化合物2の合成
Figure 2010509775
窒素の雰囲気下で、250mLの丸底フラスコに、9,9−ジオクチル−2,7−ジブロモフルオレン(25.0g、45.58mmol)、フェニルボロン酸(12.23g、100.28mmol)、Pd2(dba)3(0.42g、0.46mmol)、PtBu3(0.22g、1.09mmol)および100mLのトルエンを入れた。反応混合物を5分間攪拌し、その後、KF(8.74g、150.43mmol)を2度に分けて加え、得られた溶液を室温で一晩攪拌した。この混合物を500mLのTHFで希釈し、シリカおよびセライトのプラグを通してろ過し、減圧下でろ液から揮発分を除去した。黄色油を、ヘキサンを溶離剤として用いた、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物を、80.0%(19.8g)で白色固体として得た。NMRによる分析により、この物質は上記の構造を有する化合物2であることが示された。
化合物3の合成
Figure 2010509775
凝縮器および滴下漏斗を装備した250mLの3つ口丸底フラスコを、30分間N2でフラッシュした。9,9−ジオクチル−2,7−ジフェニルフルオレン(19.8g、36.48mmol)を加え、100mLのジクロロメタンに溶解させた。透明な溶液を−10℃に冷却し、20mLのジクロロメタン中の臭素(12.24g、76.60mmol)の溶液を滴下添加した。この混合物を0℃で1時間攪拌し、次に室温に温め、一晩攪拌した。100mLの10%のNa223水溶液を加え、反応混合物を1時間攪拌した。有機層を抽出し、水層を100mLのジクロロメタンで3回洗浄した。組み合わされた有機層を、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固させた。得られた油にアセトンを加えると、白色の沈殿物が得られた。ろ過し乾燥させると、白色粉末が得られた(13.3g、52.2%)。NMRによる分析により、この物質は上記の構造を有する化合物3であることが示された。
化合物4の合成
Figure 2010509775
窒素の雰囲気下で、250mLの丸底フラスコに、3(13.1g、18.70mmol)、アニリン(3.66g、39.27mmol)、Pd2(dba)3(0.34g、0.37mmol)、PtBu3(0.15g、0.75mmol)および100mLのトルエンを入れた。この反応混合物を10分間攪拌し、その後、NaOtBu(3.68g、38.33mmol)を加え、反応混合物を室温で1日攪拌した。得られた反応混合物を、3Lのトルエンで希釈し、シリカおよびセライトのプラグを通してろ過した。揮発分を蒸発させると、得られた暗褐色の油を、溶離剤として酢酸エチル:ヘキサンの1:10の混合物を用いた、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物を、50.2%(6.8g)で淡黄色の粉末として得た。NMRによる分析により、この物質は上記の構造を有する化合物4であることが示された。
化合物5の合成
Figure 2010509775
凝縮器を装備した250mLの3つ口丸底フラスコにおいて、4(4.00g、5.52mmol)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(4.68g、16.55mmol)、Pd2(dba)3(0.30g、0.33mmol)およびDPPF(0.37g、0.66mmol)を80mLのトルエンと組み合わせた。得られた混合物を10分間攪拌した。NaOtBu(1.17g、12.14mmol)を加え、混合物を4日間80℃に加熱した。得られた反応混合物を、1Lのトルエンおよび1LのTHFで希釈し、シリカおよびセライトのプラグを通してろ過して不溶性の塩を除去した。揮発分を蒸発させると、得られた褐色の油を、溶離剤としてジクロロメタン:ヘキサンの1:10の混合物を用いた、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。乾燥後、黄色の粉末を得た(4.8g、84.8%)。NMRによる分析により、この物質は上記の構造を有する化合物5であることが示された。
パート2−山本重合を用いた上記のモノマー5からの、ホモポリマーP8の合成
Figure 2010509775
ビス(1,5−シクロオクタジエン)−ニッケル−(0)(0.833g、3.03mmol)を、2,2’−ビピリジル(0.473g、3.03mmol)および1,5−シクロオクタジエン(0.328g、3.03mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(無水、6mL)溶液に加えた。得られた混合物を30分間60℃に加熱した。次に、化合物5(1.553g、1.50mmol)のトルエン(無水、24mL)溶液を、攪拌中の触媒混合物に素早く加えた。この混合物を7時間60℃で攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、それを激しく攪拌しながら250mLのメタノールにゆっくりと注ぎ入れ、一晩攪拌した。15mLの濃HClを加えた後、1時間攪拌した。沈殿物をろ過し、次に50mLのトルエンに加え、500mLのメタノールにゆっくりと注ぎ入れた。得られた淡黄色の沈殿物を1時間攪拌し、次にろ過によって単離した。固形分を、クロマトグラフィー(シリカ、トルエン)および酢酸エチルからの沈殿によってさらに精製した。得られた物質を減圧下で乾燥させた後、淡黄色のポリマーが、82%の収率(1.08g)で単離された。GPC(THF、室温):Mn=148,427;Mw=477,886;Mw/Mn=3.25。
実施例7
この実施例は、青色発光を有するデバイスの作製および性能を示す。以下の材料が用いられる:
インジウムスズ酸化物(ITO):50nm
バッファ層=バッファ1(25nm)(これはポリピロールおよびポリマーフッ素化スルホン酸の水性分散体である)。この材料を、米国特許出願公開第2005/0205860号明細書の実施例1に記載の手順と同様の手順を用いて調製した。
正孔輸送層=ポリマーP5(20nm)
光活性層=13:1のホストH1:ドーパントE2(48nm)
電子輸送層=トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(AlQ)(20nm)
カソード=LiF/Al(0.5/100nm)
OLEDデバイスを、溶液処理と熱蒸着技術との組み合わせによって作製した。Thin Film Devices,Inc製のパターニングされたインジウムスズ酸化物(ITO)で被覆されたガラス基板を用いた。これらのITO基板は、30オーム/スクエアのシート抵抗および80%の光透過率を有するITOで被覆されたCorning 1737ガラスをベースにしていた。パターニングされたITO基板を、水性洗浄溶液中で超音波洗浄し、蒸留水ですすいだ。次に、パターニングされたITOを、アセトン中で超音波洗浄し、イソプロパノールですすぎ、窒素流で乾燥させた。
デバイスの作製の直前に、洗浄された、パターニングされたITO基板を、UVオゾンで10分間処理した。冷却した直後に、バッファ1の水性分散体をITOの表面上にスピンコーティングし、加熱して溶媒を除去した。冷却した後、基板を次に正孔輸送材料の溶液でスピンコーティングし、次に加熱して溶媒を除去した。冷却した後、基板を発光層溶液でスピンコーティングし、加熱して溶媒を除去した。基板をマスクして真空チャンバに入れた。AlQ層を熱蒸着によって堆積させた後、LiFの層を堆積させた。次に、マスクを真空内で変えて、Alの層を熱蒸着によって堆積させた。チャンバを通気し、ガラスの蓋、乾燥剤、およびUV硬化性エポキシを用いてデバイスを封入した。
OLED試料を、それらの(1)電流−電圧(I−V)曲線、(2)エレクトロルミネッセンス放射輝度対電圧、および(3)エレクトロルミネッセンススペクトル対電圧を測定することによって特性決定した。すべてのこれらの測定を、同時に行い、コンピュータによって制御した。ある電圧におけるデバイスの電流効率は、LEDのエレクトロルミネッセンス放射輝度を、デバイスを運転するのに必要な電流密度で除算することによって求められる。その単位はcd/Aである。出力効率は、電流効率を動作電圧で除算した値である。その単位はlm/Wである。
実施例8
この実施例は、異なる正孔輸送材料で作製されたデバイスの性能を示す。
正孔輸送層がP3(実施例8−1)であった以外は、実施例7の手順を用いて1つのデバイスを作製した。
正孔輸送層がP8(実施例8−2)であった以外は、実施例7の手順を用いて1つのデバイスを作製した。
比較例A
この比較例は、異なる緩衝材料で作製されたデバイスの性能を示す。
バッファ層がStarkから市販されているBaytron P(Al 4083)であった以外は、実施例7の手順を用いてデバイスを作製した。
比較例B
この比較例は、純度の低いホスト材料で作製されたデバイスの性能を示す。
99.98%のHPLC純度および0.005未満の不純物吸光度を有するH1の代わりに、99.98%のHPLC純度および0.04の不純物吸光度を有するH1を用いた以外は、実施例7の手順を用いてデバイスを作製した。
比較例C
この比較例は、純度の低いドーパント材料で作製されたデバイスの性能を示す。
99.81%のHPLC純度を有するE2の代わりに、99.00%のHPLC純度を有するE2を用いた以外は、実施例7の手順を用いてデバイスを作製した。
比較例D
この比較例は、純度の低いホスト材料および純度の低いドーパント材料で作製されたデバイスの性能を示す。
99.98%のHPLC純度および0.005未満の不純物吸光度を有するH1の代わりに、99.98%のHPLC純度および0.04の不純物吸光度を有するH1を用い;かつ99.81%のHPLC純度を有するE2の代わりに99.00%のHPLC純度を有するE2を用いた以外は、実施例7の手順を用いてデバイスを作製した。
Figure 2010509775
上記のデータから、より高い純度のホスト材料で作製されたデバイスの方がかなり長い寿命を有することが分かる。また、ドーパントの純度が高いと、寿命が長くなる。
実施例9
この実施例は、緑色発光を有するデバイスの作製および性能を示す。以下の材料が用いられる:
インジウムスズ酸化物(ITO):50nm
バッファ層=バッファ1(25nm)
正孔輸送層=ポリマーP5(20nm)
光活性層=13:1ホストH1:EL材料E4(48nm)
電子輸送層=トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(AlQ)(20nm)
カソード=LiF/Al(0.5/100nm)
Figure 2010509775
概要または実施例において前述したすべての行為が必要なわけではなく、特定の行為の一部は不要である場合があり、1つまたは複数のさらに別の行為が、前述の行為に加えて実施される場合があることに留意されたい。さらに、行為が列挙されている順序は、必ずしもそれらが実施される順序ではない。
以上の明細書において、具体的な実施形態を参照しながら本発明の概念を説明した。しかし、当業者であれば、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱せずに種々の変更および変形を行えることが理解できるであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく説明的なものであるとみなすべきであり、すべてのこのような変更は本発明の範囲内に含まれることを意図している。
特定の実施形態に関して、利益、その他の利点、および問題に対する解決法を以上に記載してきた。しかし、これらの利益、利点、問題の解決法、ならびに、なんらかの利益、利点、または解決法を発生させたり、より顕著にしたりすることがある、あらゆる特徴が、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての重要、必要、または本質的な特徴として解釈されるものではない。
別々の実施形態の状況において、明確にするために本明細書に記載されている特定の複数の特徴は、1つの実施形態の中で組み合わせても提供できることを理解されたい。逆に、簡潔にするため1つの実施形態の状況において説明した種々の特徴も、別々に提供したり、あらゆる副次的な組み合わせで提供したりすることができる。本明細書において指定される種々の範囲内の数値が使用される場合、記載の範囲内の最小値および最大値の両方の前に単語「約」が付けられているかのように近似値として記載されている。この方法では、記載の範囲よりもわずかに上およびわずかに下のばらつきを使用して、その範囲内の値と実質的に同じ結果を得ることができる。または、これらの範囲の開示は、ある値の一部の成分を異なる値の一部の成分と混合した場合に生じうる分数値を含めて、最小平均値と最大平均値との間のすべての値を含む連続した範囲であることを意図している。さらに、より広い範囲およびより狭い範囲が開示される場合、ある範囲の最小値を別の範囲の最大値と一致させること、およびその逆のことが本発明の意図の範囲内である。

Claims (35)

  1. ドーパント材料とホスト材料とを含む活性層であって、前記ホスト材料が、少なくとも99.9%のHPLC純度および0.01以下の不純物吸光度を有する活性層。
  2. 前記層が、溶液堆積によって形成される請求項1に記載の活性層。
  3. 前記ドーパント材料が、下式:
    Figure 2010509775
    (式中:
    Aが、出現するごとに同じかまたは異なっており、3〜60個の炭素原子を有する芳香族基であり;
    Qが、単結合または3〜60個の炭素原子を有する芳香族基であり;
    nおよびmが独立して1〜6の整数である)
    から選択される請求項1に記載の活性層。
  4. Aが、独立して、フェニル、トリル、ナフチル、およびアントラセニル基からなる群から選択される請求項3に記載の活性層。
  5. Qが、ナフタレン、アントラセン、クリセン、ピレン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、クマリン、ローダミン、キナクリドン、およびルブレンからなる群から選択される請求項3に記載の活性層。
  6. 前記ドーパント材料が、E1〜E6:
    Figure 2010509775
    Figure 2010509775
    Figure 2010509775
    Figure 2010509775
    からなる群から選択される請求項3に記載の活性層。
  7. 前記ホスト材料が、ビス縮合環状芳香族化合物である請求項1に記載の活性層。
  8. 前記ホストが、下式:
    An−L−An
    (式中:
    Anがアントラセン部分であり;
    Lが二価の連結基である)
    を有するアントラセン誘導体化合物である請求項7に記載の活性層。
  9. Lが、単結合、−O−、−S−、−N(R)−、および芳香族基からなる群から選択される請求項8に記載の活性層。
  10. 前記ホストが、下式:
    A−An−A
    (式中:
    Anがアントラセン部分であり;
    Aが芳香族基である)
    を有するアントラセン誘導体化合物である請求項7に記載の活性層。
  11. 前記ホストが、下式:
    Figure 2010509775
    (式中:
    1およびA2が、出現するごとに同じかまたは異なっており、H、芳香族基、およびアルケニル基からなる群から選択され、またはAが、1つまたは複数の縮合芳香環であってもよく;
    pおよびqが、同じかまたは異なっており、1〜3の整数である)
    を有する請求項7に記載の活性層。
  12. 前記ホストが、
    Figure 2010509775
    およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項7に記載の活性層。
  13. 請求項1に記載の活性層を含む有機電子デバイス。
  14. 正孔輸送層、および
    ドーパント材料とホスト材料とを含む光活性層であって、前記材料のそれぞれが少なくとも99.9%のHPLC純度および0.01以下の不純物吸光度を有する光活性層
    を含む有機電子デバイス。
  15. 前記正孔輸送層が、アリールアミンポリマーおよびフルオレンとアリールアミンモノマーとのコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む請求項14に記載のデバイス。
  16. 前記ポリマーが架橋される請求項15に記載のデバイス。
  17. 前記ポリマーが、式Iおよび式II
    Figure 2010509775
    Figure 2010509775
    (式中:
    a、b、およびcが、1〜10の範囲にあり;
    nが、少なくとも2の0でない整数である)
    からなる群から選択される請求項15に記載のデバイス。
  18. 前記正孔輸送層が、P1〜P7:
    Figure 2010509775
    Figure 2010509775
    からなる群から選択されるポリマーを含む請求項14に記載のデバイス。
  19. 導電性ポリマーとフッ素化酸ポリマーとを含むバッファ層をさらに含む請求項14に記載のデバイス。
  20. アノードおよびカソードを含み、かつそれらの間に有機層を有する有機電子デバイスであって、前記有機層が、順に、
    導電性ポリマーとフッ素化酸ポリマーとを含むバッファ層;
    正孔輸送層;
    ドーパント材料とホスト材料とを含む光活性層であって、前記ホスト材料が、少なくとも99.9%のHPLC純度および0.01以下の不純物吸光度を有する光活性層;および
    電子輸送層
    である有機電子デバイス。
  21. 前記バッファ層、前記正孔輸送層および前記光活性層のそれぞれが、溶液堆積によって形成される請求項20に記載のデバイス。
  22. 前記ドーパント材料が、下式:
    Figure 2010509775
    (式中:
    Aが、出現するごとに同じかまたは異なっており、3〜60個の炭素原子を有する芳香族基であり;
    Qが、単結合または3〜60個の炭素原子を有する芳香族基であり;
    nおよびmが独立して1〜6の整数である)
    から選択される請求項20に記載のデバイス。
  23. Qが、独立して、フェニル、トリル、ナフチル、およびアントラセニル基からなる群から選択される請求項22に記載のデバイス。
  24. Aが、ナフタレン、アントラセン、クリセン、およびルブレンからなる群から選択される請求項22に記載のデバイス。
  25. 前記ドーパント材料が、E1〜E6:
    Figure 2010509775
    Figure 2010509775
    Figure 2010509775
    Figure 2010509775
    からなる群から選択される請求項22に記載のデバイス。
  26. 前記ホスト材料が、ビス縮合環状芳香族化合物である請求項20に記載のデバイス。
  27. 前記ホストが、下式:
    An−L−An
    (式中:
    Anがアントラセン部分であり;
    Lが二価の連結基である)
    を有するアントラセン誘導体化合物である請求項26に記載のデバイス。
  28. Lが、単結合、−O−、−S−、−N(R)−、および芳香族基からなる群から選択される請求項27に記載のデバイス。
  29. 前記ホストが、下式:
    A−An−A
    (式中:
    Anがアントラセン部分であり;
    Aが芳香族基である)
    を有するアントラセン誘導体化合物である請求項26に記載のデバイス。
  30. 前記ホストが、下式:
    Figure 2010509775
    (式中:
    1およびA2が、出現するごとに同じかまたは異なっており、H、芳香族基、およびアルケニル基からなる群から選択され、またはAが、1つまたは複数の縮合芳香環であってもよく;
    pおよびqが、同じかまたは異なっており、1〜3の整数である)
    を有する請求項26に記載のデバイス。
  31. 前記ホストが、
    Figure 2010509775
    およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項26に記載のデバイス。
  32. 前記正孔輸送層が、アリールアミンポリマーおよびフルオレンとアリールアミンモノマーとのコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む請求項26に記載のデバイス。
  33. 前記ポリマーが架橋される請求項32に記載のデバイス。
  34. 前記ポリマーが、式Iおよび式II
    Figure 2010509775
    (式中:
    a、b、およびcが、1〜10の範囲にあり;
    nが、少なくとも2の0でない整数である)
    からなる群から選択される請求項26に記載のデバイス。
  35. 前記正孔輸送ポリマーが、P1〜P7:
    Figure 2010509775
    Figure 2010509775
    Figure 2010509775
    からなる群から選択される請求項26に記載のデバイス。
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