JP2005222794A - 有機電界発光素子および有機電界発光素子材料の調製方法 - Google Patents

有機電界発光素子および有機電界発光素子材料の調製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発光特性および素子駆動耐久性が良好な有機電界発光素子、およびこれを形成する有機化合物材料に含まれる不純物の効果的な除去方法を提供する。
【解決手段】有機電界発光素子の有機層を形成する有機化合物材料の調製方法であって、該有機化合物材料に含まれるそのハロゲン化合物を還元処理し、ハロゲン化合物を除去することを特徴とする有機化合物材料の調製方法。およびこの調製方法で調整された有機化合物材料で形成された有機電界発光素子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光できる有機電界発光素子およびそれを形成する有機化合物材料の調製方法に関する。
今日、種々の表示素子に関する研究開発が活発であり、中でも有機電界発光(EL)素子は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、有望な表示素子として注目されている。
上記EL素子において現在強く改良が求められているのは長時間の通電による輝度劣化の問題である。特にりん光発光を用いた有機EL素子においては輝度劣化が大きく、これを改良することが求められていた。
素子の輝度劣化は素子を形成するために用いられる有機化合物材料の純度に強く影響される。このため純度の高い有機化合物材料で素子を形成することで耐久性の高い素子が作成可能であることが報告されている(特許文献1、2)。特に特許文献2において有機化合物材料中に含まれるハロゲン化合物の含有量を低減することが素子の高耐久化に大きく寄与することが開示されている。
有機化合物の純度を高める方法としては再結晶による方法、蒸留による方法、昇華精製による方法、液体クロマトグラフィーによる方法、再沈殿による方法が一般的である。しかしこれらいずれの方法はいずれも有機化合物材料に含まれる微量の不純物、特にハロゲン化合物を効果的に除く方法としては不十分であり、しばしばこれらの方法によってはハロゲン化合物を除くことが困難であることが多い。
このため有機電界発光素子に用いる、有機化合物材料に含まれる不純物、特にハロゲン化合物を効果的に除去する方法の開発が強く求められていた。
特開2000−48955号公報 特許第3290432号公報
本発明の目的は、発光特性および素子駆動耐久性が良好な有機電界発光素子、およびこれを形成する有機化合物材料に含まれる不純物の効果的な除去し有機化合物を調製する方法の提供にある。
この課題は下記手段によって達成された。
(1)一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、ハロゲン化合物の濃度が0.1質量%未満である芳香族へテロ環化合物から形成された前記有機層を有する有機電界発光素子。
(2)芳香族へテロ環化合物が含窒素芳香族へテロ環化合物である(1)項に記載の有機電界発光素子。
(3)芳香族へテロ環化合物が下記一般式(1)で表される化合物である(1)項に記載の有機電界発光素子。
Figure 2005222794
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、およびRは各々独立に水素原子または置換基を表す)
(4)前記発光層に、さらにりん光発光材料を含有する(1)〜(3)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
(5)ハロゲン化合物の濃度が0.05質量%以下の芳香族へテロ環化合物から形成された前記有機層を有する(1)〜(4)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
(6)ハロゲン化合物が臭素化物である(1)〜(5)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
(7)有機電界発光素子の有機層を形成する有機電界発光素子用材料の調製方法であって、前記材料に含まれるハロゲン化合物を還元処理し、ハロゲン化合物を除去する有機電界発光素子用材料の調製方法。
(8)有機電界発光素子用材料が芳香族へテロ環化合物である(7)項に記載の調製方法。
(9)芳香族へテロ環化合物が含窒素芳香族へテロ環化合物である(7)項に記載の調製方法。
(10)芳香族へテロ環化合物が上記一般式(1)で表される化合物である(8)項に記載の調製方法。
(11)ハロゲン化合物の還元処理が、該ハロゲン化合物と有機金属化合物、または金属化合物との反応を含む(7)〜(10)のいずれか1項に記載の調製方法。
(12)一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、少なくとも一層の有機層が(7)〜(11)のいずれか1項に記載の方法により調製された有機電界発光素子用材料により形成された有機電界発光素子。
本発明により提供される方法により、有機電界発光素子を形成する有機化合物材料に含まれるハロゲン化合物を効果的に除去することを可能にする。また、本発明の方法により調製された有機化合物材料から調製された発光素子は発光特性、耐久性が優れる。
本発明のひとつの実施態様は、一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、少なくとも1層の有機層を形成する有機化合物材料に含まれるハロゲン化合物の濃度が0.1質量%未満であり、上記有機化合物材料が芳香族へテロ環化合物である有機電界発光素子である。
上記有機電界発光素子中、少なくとも1層の有機層を形成する有機化合物材料としては例えば正孔注入・輸送材料、電子注入・輸送材料、あるいは発光材料として用いられる材料であるが、これらに限定されるものではない。
本発明の好ましい実施態様では上記有機化合物材料が芳香族へテロ環化合物からなるものである。芳香族へテロ環化合物とは芳香環を有する化合物のうち、上記芳香環中の少なくとも一つの炭素原子をヘテロ原子で置き換えた化合物である。
芳香族へテロ環化合物としては含窒素芳香族へテロ環化合物、含硫黄芳香族へテロ環化合物、含酸素へテロ環化合物が好ましく、カルバゾール化合物およびその誘導体、イミダゾール化合物およびその誘導体、ピリジン化合物およびその誘導体、チオフェン化合物およびその誘導体、オキサジアゾール化合物およびその誘導体がより好ましく、後述する一般式(1)で表される化合物がさらに好ましい。
以下に本発明に好ましく用いられる芳香族へテロ環化合物の化合物例を挙げるが本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005222794
Figure 2005222794
次に一般式(1)で表される化合物について説明する。
Figure 2005222794
一般式(1)中、R、R、R、R、R、R、R、R、およびRは各々独立に水素原子もしくは置換基を表す。置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロアリールオキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロアリールチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。
、R、R、R、R、R、R、R、Rに含まれる置換基の例として好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、より好ましくはアリール基、ヘテロアリール基である。
一般式(1)で表される化合物は、低分子化合物であっても良く、また、オリゴマー化合物、ポリマー化合物(重量平均分子量(ポリスチレン換算)は好ましくは1000〜5000000、より好ましくは2000〜1000000、さらに好ましくは3000〜100000である。)であっても良い。ポリマー化合物の場合、トリフェニレン構造がポリマー主鎖中に含まれても良く、また、ポリマー側鎖に含まれていても良い。また、ポリマー化合物の場合、ホモポリマー化合物であっても良く、共重合体であっても良い。本発明の化合物は低分子化合物が好ましい。
一般式(1)で表される化合物の例としては、前記化合物例(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−4)、(1−5)、(1−6)、および(2−1)で表される化合物が挙げられる。
次に有機化合物材料中に含まれるハロゲン化合物について説明する。
該ハロゲン化合物は発光素子中に含まれる有機化合物材料を製造する際、用いた原料が未反応で残存したり、あるいは反応中間体が残存した結果、該有機化合物材料中に含まれることとなったものである。
上記ハロゲン化合物としてはヨウ素化物、臭素化物、塩素化物が好ましく、臭素化物、塩素化物がさらに好ましく、臭素化物が最も好ましい。
該発光素子は発光材料の一重項励起状態からの発光、あるいは三重項励起状態からの発光いずれを利用するもので会っても良いが、三重項励起状態からの発光を利用するものであることがより好ましい。
三重項励起状態からの発光はりん光と同義である。りん光材料としては特に限定しないが、遷移金属錯体が好ましい。遷移金属錯体の中心金属としては特に限定されないが、イリジウム、白金、レニウム、ルテニウムが好ましく、イリジウム、白金がより好ましく、イリジウムが更に好ましい。
また、遷移金属錯体としては、オルトメタル化錯体が好ましい。オルトメタル化錯体(orthometalated Complexes)とは、例えば「有機金属化学−基礎と応用−」p150,232 裳華房社 山本明夫著 1982年発行、および「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 p71-p77, p135-p146 Springer-Verlag社 H.Yersin著1987年発行等に記載されている化合物群の総称である。
本発明に用いられるりん光材料は、20℃でのりん光量子収率が 70%以上の材料が好ましく、20℃でのりん光量子収率が 80%以上材料がより好ましく、20℃でのりん光量子収率が 85%以上の材料がさらに好ましい。
本発明の発光素子は陰極と発光層の間にイオン化ポテンシャル5.9eV以上(より好ましくは6.0eV以上)の化合物を含有する層を用いるのが好ましく、イオン化ポテンシャル5.9eV以上の電子輸送層を用いるのがより好ましい。
本発明の発光素子は色純度の観点から、発光スペクトルの半値幅は100nm以下が好ましく、90nm以下がより好ましく、80nm以下がさらに好ましく、70nm以下が特に好ましい。
なお本発明の発光素子においてはりん光発光材料の励起子エネルギーによって他の発光材料が励起され、実質的にこれが発光する場合も含む。
本発明の有機電界発光素子は、システム、駆動方法、利用形態など特に問わないが、ホスト材料とりん光材料が同一層に有る物が好ましい。代表的な発光素子として有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を挙げることができる。
本発明の有機電界発光素子の有機層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法、インクジェット法、印刷法などの方法が用いられ、特性面、製造面で抵抗加熱蒸着、コーティング法、転写法が好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、陽極、陰極の一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機化合物膜を形成した素子であり、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などを有してもよく、また、これらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
陽極は正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、およびこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。陽極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜500nmである。
陽極は通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上のものを用いる。
陽極の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。
陽極は洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的である。
陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。陰極の材料としては金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K等)及びそのフッ化物または酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)及びそのフッ化物または酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金またはそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属等である。陰極は、上記化合物及び混合物の単層構造だけでなく、上記化合物及び混合物を含む積層構造を取ることもできる。例えば、アルミニウム/フッ化リチウム、アルミニウム/酸化リチウムの積層構造が好ましい。陰極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜1μmである。
陰極の作製には電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
陽極及び陰極のシート抵抗は低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
発光層の材料は、電界印加時に陽極または正孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができると共に陰極または電子注入層、電子輸送層から電子を注入することができる機能や、注入された電荷を移動させる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層を形成することができるものであれば何でもよく、例えばベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ペリレン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノールの金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、イリジウムトリスフェニルピリジン錯体、及び、白金ポルフィリン錯体に代表される遷移金属錯体、及び、それらの誘導体等が挙げられる。発光層の材料の少なくとも一つは、りん光材料である。発光層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。
発光層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法、LB法、転写法などの方法が用いられ、好ましくは抵抗加熱蒸着、コーティング法である。
発光層は単一化合物で形成されても良いし、複数の化合物で形成されても良い。また、発光層は一つであっても複数であっても良く、それぞれの層が異なる発光色で発光して、例えば、白色を発光しても良い。単一の発光層から白色を発光しても良い。発光層が複数の場合は、それぞれの発光層は単一材料で形成されていても良いし、複数の化合物で形成されていても良い。
正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、カルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン誘導体、カーボン膜、及び、それらの誘導体等が挙げられる。正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送材料を溶媒に溶解または分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法、転写法が用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解または分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノールの金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン、及び、それらの誘導体等が挙げられる。電子注入層、電子輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送材料を溶媒に溶解または分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法、転写法などが用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解または分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
保護層の材料としては水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、SiN、SiO などの窒化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
また本発明の第2の実施態様は、有機電界発光素子の有機層を形成する有機化合物材料の少なくとも一つについて、該有機化合物材料に含まれるハロゲン化合物を除去する方法であって、該ハロゲン化合物を還元する反応を含む方法である。
次に本発明の方法について詳しく説明する。本発明の方法における該有機化合物材料、および該ハロゲン化合物はそれぞれ前記有機化合物材料、および前記ハロゲン化合物と同義である。
該ハロゲン化合物を還元する反応とは該ハロゲン化合物中のハロゲン原子を水素原子に置換する反応を表し、例えば新実験化学講座(丸善株式会社) 14[I] P22〜P30にて示される反応が挙げられる。
該方法はハロゲン化合物と有機金属化合物、あるいは金属化合物との反応を含む方法が好ましい。
以下該ハロゲン化合物と有機金属化合物との反応について説明する。
該方法がハロゲン化合物と有機金属化合物との反応を含む場合は、該方法は下式によって表される。ここでArは芳香族へテロ環基、Xはハロゲン原子、Rはアルキル基またはアリール基、Mは金属原子、HYはプロトンを供与しうる化合物を表す。すなわちハロゲン化合物(ArX)のハロゲン原子(X)が金属原子(M)と置換してAr−Mが生成する工程(i)とこれがプロトンを供与しうる化合物HYと反応する工程(ii)とからなる。
Figure 2005222794
工程(i)に用いるRMとしては有機リチウム化合物が好ましく、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウムがより好ましく、n−ブチルリチウムがさらに好ましい。
上記工程(i)に用いる溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、ヘキサン、ペンタンが好ましく、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルがより好ましく、テトラヒドロフランがさらに好ましい。
上記工程(i)の反応温度としては−100℃以上60℃未満が好ましく、−80℃以上40℃未満がより好ましく、−50℃以上25℃未満がさらに好ましい。
上記工程(i)に用いる有機金属化合物の量は該有機化合物材料に含まれるハロゲン化合物の含有量に対して1000当量から1当量が好ましく、100当量から1当量がより好ましい。
上記工程(ii)において用いるHYとしてはプロトンを供与しうるあらゆる化合物が利用出来るが、各種アルコール類、水を用いることが好ましく、メタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水がより好ましく、エチルアルコール、イソプロピルアルコールがさらに好ましい。
上記工程(ii)に用いる溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、ヘキサン、ペンタンが好ましく、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルがより好ましく、テトラヒドロフランがさらに好ましい。
上記工程(ii)の反応温度としては−100℃以上60℃未満が好ましく、−80℃以上40℃未満がより好ましく、−50℃以上25℃未満がさらに好ましい。
上記工程(ii)に用いる有機金属化合物の量は該有機化合物材料に含まれるハロゲン化合物の含有量に対して1000当量から1当量が好ましく、100当量から1当量がより好ましい。
次に該ハロゲン化合物と金属化合物との反応について述べる。
該反応に用いる金属化合物としては、例えばLiAlH、NaBH、Pd−C、ラネー(Raney)Ni、PhSnH、BuSnHが好ましく、より好ましくはLiAlH、NaBH、ラネーNiが好ましく、さらに好ましくはLiAlH、NaBHである。
該金属化合物との反応は水素ガス雰囲気下で行ってもよく、この場合大気圧以上の加圧下で反応を行うのが好ましい。
上記反応に用いる溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、ヘキサン、ペンタンが好ましく、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルがより好ましく、テトラヒドロフランがさらに好ましい。
上記反応の反応温度としては−100℃以上60℃未満が好ましく、−80℃以上40℃未満がより好ましく、−50℃以上25℃未満がさらに好ましい。
上記反応に用いる有機金属化合物の量は該有機化合物材料に含まれるハロゲン化合物の含有量に対して1000当量から1当量が好ましく、100当量から1当量がより好ましい。
以下に本発明を実施例に基づき詳細に説明する、本発明はこれらに限定されない。
<実施例1>
以下に示す方法で例示化合物(1−1)を合成した。
窒素雰囲気下においてカルバゾール66.9g(0.4 mol)、炭酸ルビジウム277g(1.2 mol)、酢酸パラジウム(II)0.9g(0.004 mol)、トリ−t−ブチルホスフィン2.4g(0.012 mol)およびキシレン1000mlの混合物を90℃に加熱し、これに4,4’−ジブロモビフェニル62.4g(0.2 mol)を添加した。添加後、反応温度を150℃にし、さらに攪拌を続けた。3時間後、反応物を室温まで冷却した後、水1L、クロロホルム2Lを加え、30分攪拌し、不溶物をろ過した。ここで得られたろ液を分液して有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、得られたろ液の溶媒を減圧下留去した。得られた反応混合物をカラムクロマトグラフィー、および再結晶により精製することで化合物(1−1)を75.9g(収率78.3%)の白色結晶として得た。このようにして得た(1−1)を昇華精製によって精製し、サンプル(1−1−1)とした。
Figure 2005222794
<実施例2>
実施例1によって得られたサンプル(1−1−1)1.5gについてさらに昇華精製を行ってサンプル(1−1−2)1.2gを得た(収率78%)。
<実施例3>
窒素雰囲気下、実施例1によって得られたサンプル(1−1−1)2gを無水THF100ml中に懸濁させた。氷冷下、ここに3.0mlの1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液を滴下した後、室温まで昇温してさらに攪拌を続けた。1時間攪拌後、水100mlを加え、さらに30分反応させた後、クロロホルム100mlを加えた。分液した後、有機層に硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた後、これをろ別し、得られたろ液から溶媒を減圧留去した。得られた白色固体をヘキサン/クロロホルム混合溶媒から再結晶し、これを昇華精製してサンプル(1−1−3)1.4gを得た(収率72%)。
<実施例4>
窒素雰囲気下、LiAlHを200mg、無水THF100ml中に懸濁させた。これを氷冷して実施例1によって得たサンプル(1−1−1) 2gを添加し、添加終了後、室温に戻してさらに攪拌を続けた。24時間攪拌後、これに20mlに酢酸エチルを滴下、2時間攪拌後、イソプロピルアルコール20mlを加えた。さらに2時間攪拌後、クロロホルム100ml、水100mlを加えて分液し、得られた有機層に硫酸マグネシウムを加えて、乾燥した。乾燥剤をろ別して得られたろ液を減圧下、溶媒留去し、得られた固体をヘキサン/クロロホルム混合溶媒から再結晶後、昇華精製を行うことでサンプル(1−1−4)1.4gを得た(収率70%)。
<実施例5>
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、まず正孔注入層として銅フタロシアニンを10nm蒸着し、この上に正孔輸送材料としてα−NPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(α−ナフチル)−ベンジジン)を30nm蒸着した。この上に実施例1から実施例4に示す方法によって得たサンプル(1−1−1)〜(1−1−4)のいずれかとIr(ppy)を9対1の比率(質量比)で30nmの厚さに共蒸着し、この上にBalqを10nm、続いてAlq3を40nm蒸着した。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でフッ化リチウムを約1nm蒸着し、この上にアルミニウムを膜厚約200nm蒸着して素子を作製した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧をEL素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8、発光波長を浜松フォトニクス社製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。
その結果、いずれの素子においても色度値(0.27、0.62)の緑色発光が得られた。
Figure 2005222794
表1に実施例1から実施例4の方法によって得られたサンプル(1−1−1)から(1−1−4)について臭素化物Aの含有量およびこれらを用いて実施例5に従って作成した素子の輝度半減期を示す。臭素化物Aの含有量は液体クロマトグラフィーを用いて測定し、素子の輝度半減期は初期輝度2000cd/m、電流値一定にて測定した。
Figure 2005222794
Figure 2005222794
上記から明らかなようにハロゲン化合物の含有量が少ない材料で作成した素子の輝度半減期は大幅に向上している。
また本発明による方法によれば材料に微量に含まれるハロゲン化合物を効果的にかつ簡便に除去することが可能である。

Claims (12)

  1. 一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、ハロゲン化合物の濃度が0.1質量%未満である芳香族へテロ環化合物から形成された前記有機層を有する有機電界発光素子。
  2. 芳香族へテロ環化合物が含窒素芳香族へテロ環化合物である請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 芳香族へテロ環化合物が下記一般式(1)で表される化合物である請求項1に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2005222794
    (式中、R、R、R、R、R、R、R、R、およびRは各々独立に水素原子または置換基を表す)
  4. 前記発光層に、さらにりん光発光材料を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  5. ハロゲン化合物の濃度が0.05質量%以下の芳香族へテロ環化合物から形成された前記有機層を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  6. ハロゲン化合物が臭素化物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  7. 有機電界発光素子の有機層を形成する有機電界発光素子用材料の調製方法であって、前記材料に含まれるハロゲン化合物を還元処理し、ハロゲン化合物を除去する有機電界発光素子用材料の調製方法。
  8. 有機電界発光素子用材料が芳香族へテロ環化合物である請求項7に記載の調製方法。
  9. 芳香族へテロ環化合物が含窒素芳香族へテロ環化合物である請求項7に記載の調製方法。
  10. 芳香族へテロ環化合物が下記一般式(1)で表される化合物である請求項8に記載の調製方法。
    Figure 2005222794
    (式中、R、R、R、R、R、R、R、R、およびRは各々独立に水素原子または置換基を表す)
  11. ハロゲン化合物の還元処理が、該ハロゲン化合物と有機金属化合物、または金属化合物との反応を含む請求項7〜10のいずれか1項に記載の調製方法。
  12. 一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、少なくとも一層の有機層が請求項7〜11のいずれか1項に記載の方法により調製された有機電界発光素子用材料により形成された有機電界発光素子。
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