JP2010504530A - Raf阻害剤の標的調節、効果、診断、および/または予後診断のためのバイオマーカー - Google Patents

Raf阻害剤の標的調節、効果、診断、および/または予後診断のためのバイオマーカー Download PDF

Info

Publication number
JP2010504530A
JP2010504530A JP2009529376A JP2009529376A JP2010504530A JP 2010504530 A JP2010504530 A JP 2010504530A JP 2009529376 A JP2009529376 A JP 2009529376A JP 2009529376 A JP2009529376 A JP 2009529376A JP 2010504530 A JP2010504530 A JP 2010504530A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biomarker
gene expression
patient
raf
biomarkers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009529376A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010504530A5 (ja
Inventor
ナターシャ・アジーズ
エドワード・モウラー
ダリン・スチュアート
カーラ・ハイセ
キム・アーダレン
Original Assignee
ノバルティス アーゲー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノバルティス アーゲー filed Critical ノバルティス アーゲー
Publication of JP2010504530A publication Critical patent/JP2010504530A/ja
Publication of JP2010504530A5 publication Critical patent/JP2010504530A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • G01N33/57407Specifically defined cancers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • G01N33/57407Specifically defined cancers
    • G01N33/5743Specifically defined cancers of skin, e.g. melanoma
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/48Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving transferase
    • C12Q1/485Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving transferase involving kinase
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/15Medicinal preparations ; Physical properties thereof, e.g. dissolubility
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • G01N33/57484Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer involving compounds serving as markers for tumor, cancer, neoplasia, e.g. cellular determinants, receptors, heat shock/stress proteins, A-protein, oligosaccharides, metabolites

Abstract

処置のために患者を同定するために、または処置に対する応答をモニタリングするためにバイオマーカーを使用する方法がここに教示されている。特にRafキナーゼ阻害に応答した、バイオマーカーの遺伝子発現のレベルの変化を、測定し、それに応じて同定または調節を成し得る。

Description

本発明は、一般に薬理ゲノミクスの分野におよび特に処置に適する患者を同定するためのバイオマーカーの使用ならびに処置方法に対する応答を追跡する方法に関する。
個々の患者の応答または疾患進行を理解するための努力は、現在の研究の課題である。実際に、薬理ゲノミクスまたは薬理遺伝学の分野はゲノムデータ、薬理学、および医薬を利用し、しばしば、遺伝的変異性を1種以上の疾患および/またはその進行に対する素因、ならびに医薬または治療的レジメンに対する治療的応答と相関させる先端研究ツールを頼る。典型的に、多くの遺伝子を、同時に大規模、ゲノム規模アプローチで分析する。
癌のような増殖性細胞障害は、通常、細胞の亜種内の患者のDNAにおける一連の変異の蓄積を介して発達する。これらの変異は、細胞に対して延命効果を付与し得て、それは周辺組織に対して危険である、制御されていない方法で増殖および拡散をそれらにもたらす。変異の特定のセットは、個々の患者の腫瘍に独特であり得る。異なる個体の同一組織または臓器の癌は、変異の異なるセットに由来する可能性があるが、一定の変異が特定の癌タイプで優勢であり得る。変異の特徴的セットは、どのように癌細胞が行動するか、そして特に、ある治療的レジメンに対するそれらの応答の可能性を決定する。
腫瘍における遺伝子変異を、腫瘍のDNAの遺伝子配列、または変化したDNAの発現であるRNAまたはタンパク質を測定する先端研究ツールを使用して特徴付けし得る。種々の治療的処置に対する腫瘍の応答の可能性の予測である個体の腫瘍の特徴の同定、および処置に応答して調節され、それ故に患者ケアを改善するバイオマーカーの同定が現在の研究の目的である。それ故、1個以上の遺伝子を、DNAのどこに特定の遺伝的変異が存在するか、または、RNA転写物またはタンパク質いずれかとしてのそれらの発現レベル、またはこれらの因子の組合せを同定することは、特定の処置が、患者に有益であるような方法で腫瘍に作用する可能性の予測である。
一つの主要な目的は、個体または小集団における、彼らの遺伝学または彼ら疾患の遺伝的特徴と関連している変化のどれが、薬効への要因となるかを決定することおよび診断試験を含む適当な試験を創成することである。特定の遺伝子配列の患者、または特定の遺伝子変異により特徴付けられる疾患のために調整された医薬が、それ故に製造できる。試験はまた、どの医薬または医薬組合せが患者にとって有益である可能性が最もあるか、およびどんな投与量およびスケジュールが最も適しているかのような、処置決定のガイドとしても使用し得る。診断試験および遺伝的プロファイリングは、特定の処置レジメンまたは特定の投与レベルの適性に対する高価で有害な可能性のあるトライ・アンド・エラー・アプローチを避けることを助ける。
カスタマイズ医薬の時代は来るであろうが、遺伝的情報を、特定の処置タイプ、または処置の最適化に対して特定の個体または小グループを同定するために利用する方法は、今日直ぐに利用し得る。
特定の処置に対する個体の応答または疾患に対する素因および特定の目的遺伝子への相関は文書化されている。現在、癌化学療法は、薬物毒性または乏しい薬物応答に対する特定の集団の素因により制限されると考えている。臨床腫瘍学における生殖系列多型性のレビューに関して、Lenz, H. J. (2004) J. Clin. Oncol. 22(13): 2519-2521を参照のこと。癌処置用治療的抗体の開発における遺伝薬理学および薬理ゲノミクスのレビューに関して、Yan and Beckman (2005) Biotechniques 39: 565-568を参照のこと。
多くの試験の結果は、数遺伝子が、癌進行および再発の主要経路において役割を有する可能性があり、対応する生殖系列多型性が、転写および/または翻訳レベルの顕著な差異に至り得ることを示唆する。多型性は、個体の癌感受性(癌遺伝子、腫瘍サプレッサー遺伝子、および代謝経路に関与する酵素の遺伝子)に関連している。35歳未満の患者において、高い癌リスクに関する数個のマーカーが同定されている。チトクロームP4501A1およびグルタチオン−トランスフェラーゼM1遺伝子型が、若い患者の前立腺癌発症のリスクに影響する。同様に、腫瘍サプレッサー遺伝子、p53における変異が、若年成人の脳腫瘍と関連する。
このアプローチは、癌細胞に特異的であり、患者のゲノムにおいて他の点では見られない変異に拡張し得る。例えば、Gleevec(メシル酸イマチニブ;Novartis)で処置されている消化器間質腫瘍(GIST)の患者において、遺伝子KITおよびPDGFA中の特定の活性化変異が本医薬に対する高い応答と関連することが臨床的に証明されている、J Clin Oncol. 2003 Dec 1; 21(23): 4342-9参照。
癌細胞株または癌インビボモデルの特定の治療剤での処置による遺伝子発現の変化を測定することにより、その医薬に対する細胞の応答を特徴付けし得る。このアプローチは、それがどの生物学的過程または経路に影響するかを含む、医薬の機構に関する洞察を提供する。このような情報は、どの遺伝子が処置に応答して変化するかの予期を提供することにより、患者の処置の決定を助ける。処置後患者から採取したサンプルからのこれらの遺伝子のアッセイを、次いで、本医薬が意図した効果を有していたか、そしてさらに続けて、投与量またはスケジュールを変えるべきであるか、またはレジメンを中止すべきであるかの決定に使用できる。このアプローチは、患者が最も適切な処置を受けることを確実にすることにより、効果を改善する。
さらなる背景として(By the way of further background)、腫瘍形成に関連することが既知のキナーゼは、Rafセリン/スレオニンキナーゼを含む。
Rafセリン/スレオニンキナーゼは、細胞外刺激に応答する複雑な転写プログラムを制御する、Ras/マイトージェン活性タンパク質キナーゼ(MAPK)シグナリングモジュールの必須要素である。Raf遺伝子は、Ras癌遺伝子に結合することが既知の高度に保存されたセリン−スレオニン特異的タンパク質キナーゼをコードする。それらは、受容体チロシンキナーゼ、p21 ras、Rafタンパク質キナーゼ、Mek1(ERKアクティベーターまたはMAPKK)キナーゼおよびERK(MAPK)キナーゼから成ると考えられるシグナル伝達経路の一部であり、それらは最終的に転写因子をリン酸化する。この経路において、Rafキナーゼは、Rasにより活性化され、二重特異性スレオニン/チロシンキナーゼであるマイトージェン活性タンパク質キナーゼの2種のアイソフォーム(Mek1およびMek2と呼ばれる)をリン酸化および活性化する。Mekアイソフォームの両方ともマイトージェン活性化キナーゼ1および2(MAPK、細胞外リガンド制御キナーゼ1および2またはErk1およびErk2とも呼ばれる)を活性化する。MAPKは、細胞質タンパク質および転写因子のETSファミリーを含む多くの基質をリン酸化し、その際その転写プログラムを構築する。Ras/MAPK経路へのRafキナーゼの酸化は、増殖、分化、生存、発癌性形質転換およびアポトーシスのような多くの細胞機能に影響し、制御する。
多くのシグナリング経路におけるRafの必須の役割および位置の両方が、哺乳動物細胞における脱制御されたおよび優性阻害性のRaf変異体を使用した試験ならびに生化学および遺伝的技術モデル生物を用いた試験から証明されている。多くの場合、細胞性チロシンリン酸化を刺激する受容体によるRafの活性化は、Rasの活性化に依存し、RasがRafの上流で機能することを示唆する。活性化により、Raf−1は次いでMek1をリン酸化および活性化し、シグナルのMAPKのような下流エフェクターへの伝達をもたらす(Crews et al. (1993) Cell 74: 215)。Rafセリン/スレオニンキナーゼは、動物細胞の増殖に関与する一次Rasエフェクターであると見なされる(Avruch et al. (1994) Trends Biochem. Sci. 19: 279)。
Rafキナーゼは3個の異なるアイソフォーム、Raf−1(c−Raf)、A−Raf、およびB−Rafを有し、それらのRasと相互作用する能力、MAPKキナーゼ経路を活性化する能力、組織分布および細胞内局在化により区別される(Marias et al., Biochem. J. 351: 289-305, 2000; Weber et al., Oncogene 19: 169-176, 2000; Pritchard et al., Mol. Cell. Biol. 15: 6430-6442, 1995)。
Ras遺伝子の活性化変異は、全腫瘍の約20%で見ることができ、Ras/Raf/MEK/ERK経路は、全腫瘍の約30%で活性化されている(Bos et al., Cancer Res. 49: 4682-4689, 1989; Hoshino et al., Oncogene 18: 813-822, 1999)。最近の試験は、皮膚母斑におけるB−Raf変異が、メラニン細胞腫瘍発症の決定的工程であることを示している(Pollock et al., Nature Genetics 25: 1-2, 2002)。さらに、最も新しい試験は、B−Rafのキナーゼドメインの活性化変異が、黒色腫の約66%、結腸癌腫の12%および肝臓癌の14%で起こることを開示している(Davies et al., Nature 417: 949-954, 2002)(Yuen et al., Cancer Research 62: 6451-6455, 2002)(Brose et al., Cancer Research 62: 6997-7000, 2002)。それはまた、卵巣低悪性度漿液癌腫の約30%(Shih and Kurman, Am J Pathol, 164: 1511-1518, 2004)および35−70%乳頭様甲状腺癌腫(Xing et al., J Clin Endocrinology, 90: 6373-6379, 2005)にも存在する。
著しく満たされていない医学上の要請の代表格であり続けている黒色腫は、とりわけ進行転移状態で予後不良の、複雑な多重遺伝子性疾患である。B−Raf癌原遺伝子の活性化体細胞変異が、最近種々の悪性腫瘍で、そして最も頻繁に黒色腫で発見されている。黒色腫の約70%がB−Rafの変異および活性化形態(V600E)を示し、それを医薬開発の優れた標的とする。さらに、黒色腫の残りの10−15%は変異N−Rasを示し、黒色腫細胞の増殖および生存におけるMAPK経路の重要性をさらに証明する。
Ras/Raf/MEK/ERK経路のRafキナーゼレベルでの阻害剤は、過発現または変異した受容体チロシンキナーゼ、活性化細胞内チロシンキナーゼを有する腫瘍異常に発現したGrb2(Sos交換因子によりRasを可能にするアダプタータンパク質)を有する腫瘍、ならびにRafそれ自体の活性化変異を担持する腫瘍に対する治療剤として有効である可能性があり得る。初期臨床試験において、B−Rafも阻害するRaf−1キナーゼ阻害剤が、癌治療の治療剤として有望であることを示している(Crump, Current Pharmaceutical Design 8: 2243-2248, 2002; Sebastien et al., Current Pharmaceutical Design 8: 2249-2253, 2002)。
RNAアンチセンス技術の適用を介した細胞株におけるRaf発現の妨害は、RasおよびRaf仲介腫瘍形成能の両方を抑制することが示されている(Kolch et al., Nature 349: 416-428, 1991; Monia et al., Nature Medicine 2(6): 668-675, 1996)。Rafキナーゼに対する不活性化抗体の投与、またはドミナントネガティブRafキナーゼまたはRafキナーゼの基質であるドミナントネガティブMEKの共発現が、形質転換細胞の正常増殖表現型への復帰に至ることも示されている(Daum et al., Trends Biochem. Sci 1994, 19: 474-80; Fridman et al. J. Biol. Chem. 1994, 269: 30105-8参照)。
数個のRafキナーゼ阻害剤が、インビトロおよび/またはインビボアッセイで腫瘍細胞増殖の阻害において効果を示すと記載されている(例えば、米国特許6,391,636、6,358,932、および6,268,391参照)。他の特許および特許出願は、白血病処置(例えば、米国特許6,268,391、および公開米国特許出願20020137774;20010016194;および20010006975)、または乳癌の処置(see、例えば、米国特許6,358,932および6,268,391、および公開米国特許出願20010014679)のためのRafキナーゼ阻害剤の使用を示唆する。
細胞増殖性疾患を有する患者において、そのような疾患にRas/Raf/MEK/ERK経路の1種以上の要素が関与するか否かを決定できることは特に有益である。Rafキナーゼ阻害剤での細胞増殖性疾患の処置の高い可能性を有する患者の同定およびこれらの患者の応答のモニタリングができることもまた有益である。
発明の要約
本発明の一つの態様は、処置について患者を同定する方法に関する。本方法は、所望によりRafキナーゼ阻害剤を該患者に投与することを含んでよい。遺伝子発現を、特にここに記載のバイオマーカーの存在の存在を検出および/または発現レベルの変化の測定するために、該患者からの生物学的サンプルから決定する。
本発明の他の態様は、処置に対する患者の応答をモニタリングする方法を含む。本方法は、該患者にRafキナーゼ阻害剤を測定し、その後該患者から得た生物学的サンプルの遺伝子発現を測定する工程を含む。あるいは、以前に処置されており、応答をモニタリングする方法の実施者が投与工程を実施する必要がない患者から得たサンプルで、モニタリングを行ってよい。患者の応答は、表からの少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の検出に基づき評価する。少なくとも1種のバイオマーカーの検出および/またはベースラインと比較した発現レベルの変化は、該患者の該処置に対する応答を示し得る。発現レベル変化のパターンは好都合な応答または不都合な応答を示し得る。
本発明の他の局面は、患者における細胞増殖性障害の処置方法である。治療的有効量の表からのバイオマーカーの少なくとも1種の遺伝子発現レベルをベースラインと比較して変える医薬を、該障害の処置のために該患者に投与する。該患者は、バイオマーカーの少なくとも1種の遺伝子発現の証拠に基づき選択する。本医薬は、好ましくはCHIR−265またはCHIR−265に類似の阻害プロファイルを有する医薬である。
本発明のさらに別の態様は、細胞増殖性障害のための医薬を同定する方法である。
本発明のさらなる態様は、処置のためのまたは医薬のさらなる開発のためのRafキナーゼ阻害剤を同定する方法である。
また包含されるのは、ここに開示のバイオマーカーの表の全てのバイオマーカーのデータセットである。
好ましい態様の詳細な記載
本発明は、患者を、特定の遺伝的プロファイルに基づき選択的に処置し得る、作業中の探索医療の例である。
ここに記すバイオマーカーは、有利に処置のための患者の同定におよび処置に対する応答のモニタリングに利用し得る。例えば、発現プロファイルにより測定した患者のRafキナーゼ阻害剤に対する応答に依存して、投与量を調節でき、さらなる治療を導入でき、毒性反応または他の有害事象を予示および予想でき、または処置を中止できる。加えて、ここで教示する方法は、CHIR−265または他のRafキナーゼ阻害剤の作用機序の分子レベルでの研究に利用し得る。その後、処置のための合理的組合せは、分子作用機構に関して得た情報に基づき得る。
定義および技術
本発明の実施は、特記しない限り、当分野の技術範囲内である免疫学、分子生物学、微生物学、細胞生物学および組み換えDNAの慣用技術を用いる。例えば、Sambrook, Fritsch and Maniatis, MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 2nd edition (1989); CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (F. M. Ausubel et al. eds., (1987)); the series METHODS IN ENZYMOLOGY (Academic Press, Inc.): PCR 2: A PRACTICAL APPROACH (M.J. MacPherson, B.D. Hames and G.R. Taylor eds. (1995)), Harlow and Lane, eds. (1988) ANTIBODIES, A LABORATORY MANUAL and ANIMAL CELL CULTURE (R.I. Freshney, ed. (1987))参照。
ここで使用する、ある用語は以下の意味を有する。
明細書および特許請求の範囲で単数表現は、文脈から反することが明らかに示されない限り、複数表現も含む。例えば、用語“細胞”は、混合物を含む複数の細胞を含む。
全ての数字表示、例えば、pH、温度、時間、濃度、および分子量(範囲を含む)は、0.1ずつ(+)または(−)に変わる、概数である。常に明示しているわけではないが、全ての数字表示の前に用語“約”があることは、理解されるべきである。ここに記載された試薬は単なる例示であり、その同等物が当分野で既知であることも、常に明示しているわけではないが、理解されるべきである。
用語“ポリヌクレオチド”および“オリゴヌクレオチド”は交換可能に使用され、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドまたはそのアナログいずれかの、任意の長さのヌクレオチドの多量体型を意味する。ポリヌクレオチドは、任意の三次元構造を有してよく、既知または未知の任意の機能を実施し得る。以下はポリヌクレオチドの非限定的例である:遺伝子または遺伝子フラグメント(例えば、プローブ、プライマー、ESTまたはSAGEタグ)、エキソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、転移RNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組み換えポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、全ての配列の単離DNA、全ての配列の単離RNA、核酸プローブ、およびプライマー。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログのような修飾ヌクレオチドを含み得る。存在するならば、ヌクレオチド構造の修飾は、重合体集合前または後に与える。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド要素で中断されていてよい。ポリヌクレオチドは、さらに、標識要素とのコンジュゲーションのように、重合化後にさらに修飾できる。本用語はまた二本および一本鎖分子の両方を意味する。特記されない限りまたは必要ではない限り、ポリヌクレオチドである本発明の全ての態様は、二本鎖形態および該二本鎖形態を製造することが既知のまたは予測される2個の相補的一本鎖形態の各々の両方を含む。
ポリヌクレオチドは、4ヌクレオチド塩基の特異的配列から成る:アデニン(A);シトシン(C);グアニン(G);チミン(T);およびポリヌクレオチドがRNAのときグアニンの代わりにウラシル(U)。それ故、用語“ポリヌクレオチド配列”は、ポリヌクレオチド分子のアルファベット表記である。このアルファベット表記を、中央処理装置を有するコンピューターのデータベースに入力し、ゲノム機能解析および相同性検索のようなバイオインフォマティクス適用に使用できる。
“遺伝子”は、転写および翻訳後の特定のポリペプチドまたはタンパク質をコードできる少なくとも1個のオープンリーディングフレーム(ORF)を含むポリヌクレオチドを意味する。ポリヌクレオチド配列を使用して、それらが会合している遺伝子のより大きなフラグメントまたは完全長コード配列を同定し得る。大きなフラグメント配列を単離する方法は、当業者に既知である。
“遺伝子産物”またはあるいは“遺伝子発現産物”は、遺伝子が転写および翻訳されたときに産生されるアミノ酸(例えば、ペプチドまたはポリペプチド)を意味する。
用語“ポリペプチド”は、用語“タンパク質”と交換可能に使用され、その最も広い意味で、2個以上のサブユニットアミノ酸の化合物、アミノ酸アナログ、またはペプチド模倣体を意味する。本サブユニットは、ペプチド結合により結合し得る。他の態様において、本サブユニットは、他の結合、例えば、エステル、エーテルなどで結合し得る。
ここで使用する用語“アミノ酸”は、天然および/または非天然または合成アミノ酸、およびDおよびL光学異性体の両方、アミノ酸アナログ、およびペプチド模倣体を意味する。3個以上のアミノ酸のペプチドは、該ペプチド鎖が短いならば、一般にオリゴペプチドと呼ばれる。ペプチド鎖が長いならば、該ペプチドは一般にポリペプチドまたはタンパク質と呼ばれる。
用語“単離”は、そのポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体またはそのフラグメント(複数もある)が天然では一般に関係している、細胞性またはその他の構成要素から分離していることを意味する。本発明の一局面において、単離ポリヌクレオチドは、その本来のまたは天然の環境、例えば、染色体上で、通常関係している3’および5’近接ヌクレオチドから分離されている。当業者には明らかな通り、天然に存在しないポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、またはそのフラグメント(複数もある)は、その天然に存在する対応物と区別するために“単離”されている必要はない。加えて、“濃縮”、“分離”または“希釈”ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体またはそのフラグメント(複数もある)は、その天然に存在する対応物と、その天然に存在する対応物よりも体積当たりの分子濃度または数が“濃縮”バージョンでは多いか、または“分離”バージョンでは少ない点で区別できる。天然に存在する対応物とその一次配列または、例えば、その糖鎖付加パターンが異なるポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、またはそのフラグメント(複数もある)は、それがその一次配列または、あるいは、糖鎖付加パターンのような他の特徴により区別可能であるため、単離形態で提示される必要はない。それ故、天然に存在しないポリヌクレオチドは、単離された天然に存在するポリヌクレオチドと別の態様として提供される。細菌細胞で産生されたタンパク質は、それが天然で産生される真核細胞から単離された天然に存在するタンパク質と別の態様として提供される。
“プローブ”は、ポリヌクレオチド操作の文脈で使用されるとき、目的のサンプルに存在している可能性のある標的を、該標的とハイブリダイズすることにより検出するための試薬として提供されるオリゴヌクレオチドを意味する。通常、プローブは、標識または、ハイブリダイゼーション反応の前または後に標識を結合させる手段を含む。適当な標識は、放射性同位体、蛍光色素、化学発光化合物、色素、および酵素を含むタンパク質を含み、これらに限定されない。
“プライマー”は、目的のサンプルに存在する可能性のある標的または“鋳型”と、該標的とハイブリダイズすることにより結合し、そしてその後該標的に相補性のポリヌクレオチドの重合化を促進する、一般に遊離3’−OH基を伴う短ポリヌクレオチドである。“ポリメラーゼ連鎖反応”(“PCR”)は、複製コピーが標的ポリヌクレオチドで作られた、“上流”プライマーおよび“下流”プライマーから成る“プライマー対”または“プライマー・セット”、およびDNAポリメラーゼのような重合化触媒、および典型的に熱安定ポリメラーゼ酵素を使用した、反応である。PCRは当分野で既知であり、例えば“PCR: A PRACTICAL APPROACH” (M. MacPherson et al., IRL Press at Oxford University Press (1991))に教示されている。PCRまたは遺伝子クローニングのようなポリヌクレオチドの複製コピーを製造する全過程を、ここでは、集合的に“複製”と呼ぶ。プライマーをまたサザンまたはノーザンブロット分析のようなハイブリダイゼーション反応においてプローブとして使用できる。Sambrook et al., supra。
ここで使用する、“発現”は、ポリヌクレオチドがmRNAに転写される過程および/または転写されたmRNAがその後ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質に翻訳される過程を意味する。ポリヌクレオチドがゲノムDNA由来であるならば、発現は、真核細胞中のmRNAのスプライシングを含み得る。遺伝子に適用される“異なって発現される”は、該遺伝子から転写および/または翻訳されるmRNAまたは該遺伝子によりコードされるタンパク質産物の異なる製造を意味する。異なって発現される遺伝子は、正常または対照細胞の発現レベルと比較して、過剰発現または低発現である。しかしながら、ここで使用する過剰発現は、一般に正常または健康なカウンターパート細胞または組織で検出されるよりも、少なくとも1.25倍または、あるいは、少なくとも1.5倍または、あるいは、少なくとも2倍発現、またはあるいは、少なくとも4倍発現が多い。用語“異なって発現される”はまた、対照細胞ではサイレントである細胞または組織における、または対照細胞で発現される場所で発現されないヌクレオチド配列も意味する。
遺伝子の高発現レベルは、遺伝子の過剰発現または遺伝子コピー数の増加により起こり得る。本遺伝子はまた、ネガティブ・レギュレーターの脱制御により、より多くのタンパク質に翻訳され得る。
“遺伝子発現プロファイル”は、多くのサンプルで繰り返され、そして組織型、特定の処置に対する応答、または細胞内の特定の生物学的過程または経路の活性化のような、これらのサンプルに共通の特性を反映する一連の遺伝子の発現パターンである。さらに、遺伝子発現プロファイルはその共通特性を共有するサンプルと、そうでないものを、サンプルをアトランダムに2群に割り振ることにより達成されるであろう精度よりも高い精度で区別する。遺伝子発現プロファイルは、未知状態のサンプルがこの共通特性を共有するか否かの予測に使用し得る。本セットの個々の遺伝子のレベルと、典型的プロファイルの間に幾分かの変動が予測されるが、典型的プロファイルに対する発現レベルの全体的類似性は、発現プロファイルが反映する共通特性を共有しないサンプルにおいて、偶然に類似性が観察されることが統計学的に可能性がないようなものである。
発現“データベース”は、配列のコレクションを示す一連の貯蔵データを意味し、それは次に生物学的参照物質のコレクションを意味する。
用語“cDNA”は、相補DNA、すなわち、逆転写酵素のような酵素でcDNAにされる、細胞または生物に存在するmRNA分子を意味する。“cDNAライブラリー”は、細胞または生物に存在する全てのmRNA分子のコレクションであり、全て、酵素逆転写酵素でcDNA分子に変わり、その後“ベクター”(外来DNAの付加後に複製を続けることができる他のDNA分子)に挿入される。ライブラリーのためのベクターの例は、バクテリオファージ(“ファージ”としても既知)、細菌に感染するウイルス、例えば、ラムダファージを含む。次いで、本ライブラリーを、目的の特異的cDNA(そして故にmRNA)について探索できる。
ここで使用する、“固相支持体”または“固体支持体”(交換可能に使用される)は、特異的タイプの支持体に限定されない。むしろ多数の支持体が利用可能であり、当業者に既知である。固相支持体は、シリカゲル、樹脂、誘導体化プラスチックフィルム、ガラスビーズ、綿、プラスチックビーズ、アルミナゲル、マイクロアレイ、およびチップを含む。ここで使用する、“固体支持体”はまた合成抗原提示マトリックス、細胞、およびリポソームも含む。適当な固相支持体は、望む最終用途および種々のプロトコールへの適性に基づき選択し得る。例えば、ペプチド合成に関して、固相支持体は、ポリスチレン(例えば、Bachem Inc., Peninsula Laboratoriesから入手可能なPAM樹脂など)、POLYHIPE(登録商標)樹脂(Aminotech, Canadaから得られる)、ポリアミド樹脂(Peninsula Laboratoriesから得られる)、ポリエチレングリコールでグラフトされたポリスチレン樹脂(TentaGel(登録商標)、Rapp Polymere, Tubingen, Germany)、またはポリジメチルアクリルアミド樹脂(Milligen/Biosearch, Californiaから得られる)のような樹脂を意味し得る。
ポリヌクレオチドはまた、ハイスループットスクリーニングアッセイに使用するために固体支持体に結合できる。PCT WO97/10365は、例えば、高密度オリゴヌクレオチドチップの構築を開示する。また米国特許5,405,783;5,412,087;および5,445,934も参照のこと。同じ方法を使用して、プローブを、誘導体化ガラス表面に合成し、チップアレイを形成する。光保護ヌクレオシドホスホロアミデートをガラス表面にカップリングさせ、フォトリソグラフィー・マスクを介した光分解により選択的に脱保護し、第二の保護ヌクレオシドホスホロアミデートと反応させる。本カップリング/脱保護工程を、所望のプローブが完了するまで繰り返す。
例として、転写活性を、Affymetrix HG-U133-Plus-2 GeneChipsのようなGeneChipを使用して、メッセンジャーRNAレベルを測定することにより評価し得る。(同時に数百の遺伝子の)RNAのハイスループット、リアルタイム定量が、このように、再現可能な系で可能となる。
“ハイブリダイゼーション”は、1個以上のポリヌクレオチドが反応し、ヌクレオチド残基の塩基間の水素結合を介して安定化された複合体を形成する反応を意味する。水素結合は、ワトソン・クリック塩基対形成、フーグスティーン結合または任意の他の配列特異的方法で起こり得る。本複合体は、二本鎖構造を形成する2本の鎖、多重鎖複合体を形成する3本以上の鎖、1本の自己ハイブリダイズ鎖、または任意のこれらの組合せを含み得る。ハイブリダイゼーション反応は、PCR反応の開始またはリボザイムによるポリヌクレオチドの酵素的開裂のような、より広い方法で工程を構成し得る。
ハイブリダイゼーション反応は、異なる“ストリンジェンシー”条件下に実施できる。一般に、低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション反応は、約40℃で、10×SSCまたは同等なイオン強度の溶液/温度で実施する。中程度のストリンジェンシーのハイブリダイゼーションは、典型的に約50℃で6×SSCで、および高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション反応は、一般に約60℃で1×SSCで行う。
ハイブリダイゼーションが、2個の一本鎖ポリヌクレオチド間の逆平行配置で行われるとき、本反応を“アニーリング”と呼び、これらのポリヌクレオチドを“相補性”と呼ぶ。ハイブリダイゼーションが、第一および第二ポリヌクレオチドの鎖の一方で起き得るとき、二本鎖ポリヌクレオチドは“相補性”であるか、または他方のポリヌクレオチドに“相同性”である。“相補性”または“相同性”(一方のポリヌクレオチドが他方と相補である程度)は、一般に認められた塩基対形成ルールに従い、互いに水素結合を形成すると予測される向かい合わせの鎖の塩基の割合の観点から定量可能である。
他方の配列に対して一定パーセンテージ(例えば、80%、85%、90%、または95%)の“配列同一性”を有するポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド領域(またはポリペプチドまたはポリペプチド領域)は、整列されたとき、そのパーセンテージの塩基(またはアミノ酸)が、2配列を比較したときに同じであることを意味する。この整列および相同性または配列同一性割合を、当分野で既知のソフトウェアプログラム、例えばCURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (F.M. Ausubel et al., eds., 1987) Supplement 30, section 7.7.18, Table 7.7.1に記載のものを使用して決定できる。好ましくは、デフォルト・パラメータを整列に使用する。好ましい整列プログラムは、デフォルト・パラメータを使用して、BLASTである。特に、好ましいプログラムは、以下のデフォルト・パラメータを使用するBLASTNおよびBLASTPである:遺伝コード=標準;フィルター=無し;鎖=両方;カットオフ=60;期待値=10;マトリックス=BLOSUM62;記述=50配列;ソート=HIGH SCORE;データベース=非冗長、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS翻訳+Swissタンパク質+SPupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、以下のインターネットアドレスで見ることができる:www.ncbi.nlm.nih.gov/cgi-bin/BLAST。
用語“細胞増殖性障害”は、異常細胞増殖および/または分裂または機能損失により特徴付けられる正常生理学的機能の脱制御を含むべきである。“細胞増殖性障害”の例は、過形成、腫瘍、異形成、および種々の自己免疫性障害、例えば、T細胞アポトーシスの脱制御により特徴付けられる障害を含み、これに限定されない。
過形成は、構造または機能に顕著な変化無しの、組織または臓器中の細胞数の増加が関与する制御された細胞増殖の形である。異形成は、完全に分化した細胞の一つのタイプが、他のタイプの分化細胞に置き換わる、制御された細胞増殖の形である。異形成は、上皮性または結合組織細胞で起こり得る。異型異形成は、幾分障害性の異形成上皮を含む。
ここで使用する、用語“新生物細胞”、“新生物疾患”、“腫瘍”、“腫瘍”、“腫瘍細胞”、“癌”および“癌細胞”(交換可能に使用される)は、細胞増殖の顕著な制御損失(すなわち、脱制御された細胞分裂)により特徴付けられる異常な増殖表現型を示すように、相対的に自律性の増殖を示す細胞を意味する。新生物細胞は、悪性でも良性でも良い。転移細胞または組織は、本細胞が侵襲し、そして、近隣身体構造を破壊し得ることを意味する。
用語“癌”は、例えば、癌腫(例えば、肺、膵臓、甲状腺、卵巣、膀胱、乳房、前立腺、肝臓、または結腸)のような固形癌、黒色腫、骨髄性障害(例えば、骨髄性白血病、多発性骨髄腫および赤白血病)、および腺腫(例えば、絨毛結腸腺腫)および肉腫(例えば、骨肉腫)を含む、Rafキナーゼの阻害により有益に処置できる癌疾患を意味する。
腫瘍増殖“抑制”は、教育された、抗原特異的免疫エフェクター細胞と接触していない増殖と比較して縮小された腫瘍状態を意味する。腫瘍細胞増殖は、腫瘍サイズ測定、H−チミジン取り込みアッセイを使用した腫瘍細胞が増殖性であるか否かの決定、FDG−PET(フルオロデオキシグルコース陽電子放出断層撮影)イメージングによるグルコース取り込みの測定、または腫瘍細胞計測を含み、これに限定されない、当分野で既知の任意の手段により評価できる。“抑制”腫瘍細胞増殖は、以下の状態のいずれかまたは全てを意味する:腫瘍増殖の減速、遅延および停止、ならびに腫瘍退縮。
“組成物”はまた活性剤と他の担体、例えば、化合物または組成物、不活性因子(例えば、検出可能な試薬または標識)または活性因子、例えばアジュバント、希釈剤、結合剤、安定化剤、緩衝剤、塩、親油性溶媒、防腐剤、アジュバントなどの組合せを包含することも意図する。担体はまた医薬賦形剤および添加剤タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、および炭水化物(例えば、モノサッカライド、ジ−、トリ−、テトラ−、およびオリゴサッカライドを含む糖;アルジトール、アルドン酸、エステル化糖などのような誘導体化糖;およびポリサッカライドまたは糖重合体)も含み、これは、単独で、または組み合わせて存在でき、単独でまたは組合せで1−99.99重量または容量%を構成する。タンパク質賦形剤の例は、血清アルブミン、例えばヒト血清アルブミン(HSA)、組み換えヒトアルブミン(rHA)、ゼラチン、カゼインなどを含む。緩衝能力でまた機能できる代表的アミノ酸/抗体要素は、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテームなどを含む。炭水化物賦形剤もまた本発明の範囲内であると意図され、その例はフルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D−マンノース、ソルボースなどのようなモノサッカライド;ラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなどのようなジサッカライド;ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプンなどのようなポリサッカライド;およびマンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトールソルビトール(グルシトール)およびミオイノシトールのようなアルジトールを含み、これに限定されない。
用語“担体”は、さらに、緩衝剤またはpH調節剤を含む;典型的に、緩衝剤は、有機酸または塩基から製造される塩である。代表的緩衝剤は、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、またはフタル酸の塩のような有機酸塩;トリス、トロメタミンヒドロクロライド、またはリン酸緩衝剤を含む。さらなる担体は、重合体賦形剤/添加剤、例えばポリビニルピロリドン、フィコール(重合体糖)、デキストレート(例えば、シクロデキストリン、例えば2−ヒドロキシプロピル−.quadrature.−シクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、香味剤、抗微生物剤、甘味剤、抗酸化剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば、“TWEEN 20”および“TWEEN 80”のようなポリソルベート)、脂質(例えば、リン脂質、脂肪酸)、ステロイド(例えば、コレステロール)、およびキレート化剤(例えば、EDTA)を含む。
ここで使用する、用語“薬学的に許容される担体”は、全ての標準医薬担体、例えばリン酸緩衝化食塩水溶液、水、およびエマルジョン、例えば油/水または水/油エマルジョン、および種々のタイプの湿潤剤を包含する。本組成物はまた安定化剤および防腐剤および、上記の担体のいずれかを含むことができるが、さらなる但し書きとして、それらがインビボで許容されなければならない。担体、安定化剤およびアジュバントの例として、Martin REMINGTON'S PHARM. SCI., 15th Ed. (Mack Publ. Co., Easton (1975)およびWilliams & Williams, (1995)および“PHYSICIAN'S DESK REFERENCE”, 52nd ed., Medical Economics, Montvale, N.J. (1998)を参照のこと。
“有効量”は、有益なまたは所望の結果に十分な量である。有効量は、1回以上の投与、適用または投与量で投与してよい。
“対象”、“個体”または“患者”は、ここで交換可能に使用され、これは脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを意味する。哺乳動物は、マウス、サル、ヒト、家畜、競技用動物、およびペットを含む。
Rafキナーゼは3個の異なるアイソフォーム、Raf−1(c−Raf)、A−Raf、およびB−Rafを有し、それらのRasと相互作用する能力、MAPKキナーゼ経路を活性化する能力、組織分布および細胞内局在化(Marias et al., Biochem. J. 351: 289-305, 2000; Weber et al., Oncogene 19: 169-176, 2000; Pritchard et al., Mol. Cell. Biol. 15: 6430-6442, 1995)、およびゲノム配列により区別される。Raf−1は、米国国立衛生研究所により、Entrez-Gene ID 5894で同定され、染色体位置3p25に位置づけされている(http: //www.ncbi.nlm.nih.gov/books/bv.fcgi-rid=handbook.chapter.ch19)。A−RafおよびB−Raf Entrez-Gene IDsは、各々369および673であり、染色体位置Xp11.4および7q34である。最初に発見されたRafキナーゼ、RAF−1は、発癌性ウイルス配列の研究において同定された(Rapp et al., Proc. Nat. Acad. Sci. 80: 4218-4222, 1983)。A−RafおよびB−Rafは、続いてクローン化され、Rafファミリーメンバーとして同定された((Mark et al., Proc. Nat. Acad. Sci. 83: 6312-6316, 1986およびSithanandam et al., Oncogene 5: 1775-1780, 1990)。
ここで使用するRafまたはRafキナーゼの“阻害剤”は、Rafキナーゼに結合し、または遮断し、または効果を減少させる。例は、CHIR−265および関連化合物、BAY 43−9006、およびsiRNAを含み、これに限定されない。他の例は、ISIS−5132(CGP−69846A)、ODN−698、およびISIS−13650を含む。
本発明と関連して有用な“Raf阻害剤”、“Rafキナーゼ阻害剤”または“Rafの阻害剤”は、好ましくは、Raf/Mek濾過アッセイで測定して、Rafキナーゼ活性に関して、約100μMを超えない、およびより典型的に約50μMを超えないIC50を示す化合物を意味する。Raf/Mek濾過アッセイはWO03/082272に記載され、実施例3に再現している。本発明と関連してとりわけ有用な好ましいRafキナーゼのアイソフォームとりわけは、A−Raf、B−Raf、およびC−Raf(Raf−1)を含む。“IC50”は、酵素(例えば、Rafキナーゼ)の活性を、その最大の半分のレベルまで減少させる阻害剤の濃度である。CHIR−265のような化合物は、Rafに対して阻害活性を示すことが発見されている。本発明の方法と組み合わせて有用な化合物は、好ましくは、Rafキナーゼアッセイで測定して、Rafに関して約10μMを超えない、より好ましくは、約5μMを超えない、さらに好ましくは約1μMを超えない、および最も好ましくは、約200nMIC50を示す。好ましい医薬、CHIR−265は、下記の特徴を示す:
Figure 2010504530
ここで使用する、句“MAPKシグナル伝達経路”は、Ras−Raf−MEK1−ERKシグナリング分子の形であるモジュールのマイトージェン活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達経路を意味する略語である。
“バイオマーカー”は、生物学的過程または事象の示差的なインディケーターまたは特異的特性または特徴である。ここで使用する、バイオマーカーは遺伝子である。バイオマーカーは、疾患の進行またはある処置に対する応答の測定にとりわけ有用である。予後診断に加えて、ある例では、病気の診断または、ある処置タイプに最も応答しそうである患者のようなあるカテゴリー内の患者のスクリーニングに使用し得る。バイオマーカーはまた疾患の処置用医薬の開発または投与の指針としても有用であり得る。
上記の通り、本発明は、処置に適当な患者を同定する方法および処置を受けている患者の応答をモニタリングする方法も提供する。本発明の範囲内にまた含まれるのは細胞増殖性障害の処置方法である。本方法はここに記載のバイオマーカーを使用した、投与量の調節、阻害剤の変更、または他の方法での処置の変更を含む。
本発明はまた、当分野で既知の抗Rafキナーゼ治療を補うまたは置き換え得る種々の医薬および方法のためのスクリーニング方法も提供する。一つの局面において、本医薬は、単独でまたは他の医薬または治療法と組み合わせて、患者に提供される。投与後、患者からのサンプルを、ここで同定した1種以上のバイオマーカーの発現に関して評価し、次いでベースラインと比較する。
本発明の実施に関するさらなる詳細を以下に記載する。
バイオマーカー
発現がRafキナーゼの阻害と相関する数群(panels of)の遺伝子をここで同定した。ここで同定したバイオマーカーの1種以上の遺伝子発現の存在または非存在もしくは遺伝子発現のレベルまたは量を、処置決定の指標およびある処置タイプに対する患者応答の測定に使用し得る。例えば、表I−XXに同定したバイオマーカーの1種以上の遺伝子発現の存在またはその欠失の検出、もしくはベースラインと比較した遺伝子発現レベルの変化が、患者がCHIR−265または類似の阻害プロファイルを有する他のRafキナーゼ阻害剤または医薬による処置に適当な候補であり得るか否かに関する情報を提供する。
Rafキナーゼ阻害剤に応答した遺伝子発現レベル変化を、実験例において示した通りに試験し、統計学的に有意であると見なされるものを、ここに示す表の作成に利用した。
この実験のパラメータの範囲内で、および下記に詳述している通り、表Iのバイオマーカーは、一般に発現レベルの有意な変化と相関する。表IIのバイオマーカーは、一般にベースラインと比較して5倍以上の発現レベルの変化と相関し、表IIIのバイオマーカーは、一般にベースラインと比較して10倍以上の発現レベルの変化と相関し、一方、表IVのバイオマーカーは、一般にベースラインと比較して30倍以上の発現レベルの変化と相関し。これらの変化倍数(ならびに本発明の表を作成するために使用されている他の数字)は、ここで報告している実験による発現レベルの相対的変化を示し、絶対的な数字を表わさない可能性があることは注意すべきである。また、遺伝子のいずれかの転写レベルの変化は、タンパク質のレベルの変化と多かれ少なかれ相関し得る。表Vは、遺伝子産物が分泌されるために特に好ましい、表Iのバイオマーカーを示す表Iのサブセットである。表VIは、遺伝子産物が分解され、この実験において発現レベルの10倍以上の変化を示すためにより特に好ましい表Iのバイオマーカーを示す表Iのサブセットである。表VIIは、数回の時点にわたり持続するベースラインと比較した発現レベルの有意な変化を示す、本発明の異なる局面に従い好ましい表Iのバイオマーカーを示す表Iのサブセットである。
またこの実験のパラメータの範囲内でおよび下記に詳述している通り、表VIIIのバイオマーカーは、一般に発現レベルの有意な変化と相関する。表VIIIは、マッチング・コントロールと比較したRafキナーゼ阻害剤の最大調節を示す遺伝子を同定するための実施例1のセクションBの6つのクエリーに従って、実施例1のプロトコールから得られたデータを別の方法で試験することにより作成した。表IXは、好ましい表VIIIのサブセットである。表XおよびXIは、各々一般に表IXに記載のバイオマーカーの下方制御および上方制御と相関する表IXのサブセットである。表XIIからXIVは、分泌遺伝子産物と共に表IXの種々のサブセットを示す。表XVからXVIIは、細胞表面上に位置する遺伝子産物を有する可能性がある表IXの種々のサブセットを示す。
また特に興味深いのは、腫瘍における減少したグルコース取り込みに関与しているため、表XVIIIおよびXIXに記載のバイオマーカーである。これらのバイオマーカーは、実施例2に詳述するように、腫瘍増殖抑制の有用なインディケーターであり得る。表XXは、表XVIIIおよびXIXからの最も好ましいバイオマーカーのサブセットである。これらのバイオマーカーは、グルコース取り込みおよび/または代謝に関与し、グルコース取り込みがなぜ本実験で減少するかの分子的な説明を提供し得る。
表に示した任意のまたは全てのバイオマーカーは興味深く、表IV、V、VI、VII、XII、XV、およびXXのような最も好ましいサブセットがとりわけ興味深いものであり得る。
記載の通り、特に興味深いのは、遺伝子産物が分泌され、それ故に、速く、効率的な患者の状態の情報獲得および評価が可能となる、バイオマーカーである。例えば、肝細胞増殖因子(HGF、Entrez-Gene ID 3082)は血清に分泌され、とりわけ細胞増殖、侵襲性、および血管形成を示すと考えられる。血清HGFレベルは、侵襲性乳癌(Sheen-Chen, et al., “Serum Levels of Hepatocyte Growth Factor in Patients with Breast Cancer,” Cancer Epidemiol. Biomarkers Prev., 14(3): 715-7 (2005))および非小細胞肺癌(Siegfried, et al., “The Clinical Significance of Hepatocyte Growth Factor for Non-小 Cell Lung Cancer,” Ann. Thorac. Surg., 66: 1915-8 (1998))の患者の攻撃的疾患を反映することが報告されている。それ故、特に分泌遺伝子産物としての、HGFバイオマーカーの測定は、予後診断および処置の特定のコースの妥当性の決定に際して、医療従事者が利用可能な容易で安価なツールである。
当業者には明白な通り、遺伝子発現は、存在または不存在、または存在および/または遺伝子発現産物の絶対的または相対的定量(例えば、RNA、mRNA、またはタンパク質またはポリペプチド転写物)または遺伝子コピー数の変化により測定できる。ある態様において、変化した発現はコピー数の増加の結果である可能性がある。他の態様において、変化した発現は、腫瘍サプレッサーまたは他の負の制御因子のような他の遺伝子の機能損失の結果である可能性がある。さらに別の態様において、発現は、エンハンサーを“オンにする”ことにより変化する。従って、コントロールまたはベースラインと比較して、変化した発現を検出するために使用した特異的方法は、異なる可能性があり、選択した特定のバイオマーカーに依存し得る。なおさらなる態様において、本方法は、1個以上の方法により、例えばGeneChipまたはアレイのような免疫組織化学および分子技術により、予定したバイオマーカーの1種以上の遺伝子発現の分析を必要とする。

表IからXXを以下に示し、本明細書の必須部分を構成する。表IからXXの各々において、バイオマーカーはEntrez-Gene ID Number(国立癌研究所データベース識別子を参照)、遺伝子記号、および遺伝子明細と共に示す。
表Iは、ベースラインと比較した遺伝子発現レベルの変化がRafキナーゼ阻害に関連する活性の指標である、バイオマーカーのリストである。
表IIは、一般にRafキナーゼ阻害に対する応答において、ベースラインと比較して遺伝子発現の高い変化レベルを有するバイオマーカーを列記した、本発明の一局面に従った表Iの好ましいサブセットである。
表IIIは、Rafキナーゼ阻害に対する応答において、表IIと比較して、ベースラインと比較して遺伝子発現のより高い変化レベルを有するバイオマーカーを列記した、本発明の一局面に従った表Iのより好ましいサブセットである。
表IVは、一般にRafキナーゼ阻害に対する応答において、ベースラインと比較して、最高の遺伝子発現レベルの変化を有するバイオマーカーを列記した、本発明の一局面に従った表Iのさらに好ましいサブセットである。
表Vは、遺伝子産物が分泌されるバイオマーカーを列記した、本発明の第二の局面に従う表Iの好ましいサブセットである。
表VIは、一般にベースラインと比較して高い変化レベルを示し、遺伝子産物が分泌されるバイオマーカーを列記した、本発明の第三の局面に従う表Iの好ましいサブセットである。
表VIIは、一般にベースラインと比較して、測定可能に持続された高い変化レベルを示すバイオマーカーを列記した、本発明の第四の局面に従う表Iの好ましいサブセットである。
表VIIIは、ベースラインと比較した遺伝子発現の変化レベルが、Rafキナーゼ阻害と関連する活性を示す、本発明のさらに他の局面に従うバイオマーカーのリストである。表VIIIは、表IからVIIの作成に使用した以外の分析方法を使用して、遺伝子発現レベル顕著に変化したと見なされた7345バイオマーカーを列記する。
表IXは、表VIIIの好ましいサブセットであり、分析の各工程で最も顕著な変化レベルを有するバイオマーカーを列記する。
表Xは、好ましくは下方制御されている、表IXにおいて同定したバイオマーカーの一部を示す、表IXのサブセットである。
表XIは、好ましくは上方制御されている、表IXにおいて同定したバイオマーカーの一部を示す、表IXのサブセットである。
表XIIは、遺伝子産物が分泌される可能性のあるバイオマーカーを列記する、本発明の他の局面に従う表IXの好ましいサブセットである。
表XIIIは、好ましくは下方制御されている、表XIIにおいて同定したバイオマーカーの一部を示す、表XIIのサブセットである。
表XIVは、好ましくは上方制御されている、表XIIにおいて同定したバイオマーカーの一部を示す、表XIIのサブセットである。
表XVは、遺伝子産物が細胞表面に位置する可能性のあるバイオマーカーを列記する、本発明の他の局面に従う表IXの好ましいサブセットである。
表XVIは、好ましくは下方制御されている、表XVにおいて同定したバイオマーカーの一部を示す、表XVのサブセットである。
表XVIIは、好ましくは上方制御されている、表XVにおいて同定したバイオマーカーの一部を示す、表XVのサブセットである。
表XVIIIは、本発明のさらに他の局面に従う、バイオマーカーの好ましいリストである。表XVIIIは、トランスポーターおよび/または解糖経路メンバーであり、ベースラインと比較した下方制御が、Rafキナーゼ阻害および腫瘍緩解に関連した活性を示す、バイオマーカーを列記する。
表XIXは、本発明のさらに他の局面に従う、バイオマーカーの好ましいリストである。表XIXは、トランスポーターおよび/または解糖経路メンバーであり、ベースラインと比較した上方制御が、Rafキナーゼ阻害および腫瘍緩解に関連した活性を示す、バイオマーカーを列記する。
表XXは表XVIIおよびXIXから取った好ましいバイオマーカーのリストである。
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
Figure 2010504530
表Iまたはそのサブセット、表IIからVIIのバイオマーカーの遺伝子発現は、Rafキナーゼの阻害に応答して下方または上方制御される。表VIIIのバイオマーカーについてもこれが当てはまる。同様に、表IX、表XII、または表XVのバイオマーカーの遺伝子発現は、Rafキナーゼの阻害に応答して下方または上方制御されるが、表X/XI、表XIII/XIV、または表XVI/XVII各々に提供したガイダンスに従い、このようなバイオマーカーが下方または上方制御されるのが好ましい。ある例では、これらバイオマーカーの1個の遺伝子発現の存在の検出が、処置のための患者の同定、または処置に対する有利な応答の指示の提供に十分であり得る。他の例において、遺伝子発現の高いレベルの変化により提供されるガイダンスを優先して良い。これは、典型的に処置提供者の判断の範囲内である。
さらに、ある例では、特定の細胞増殖性障害の処置について最も適当な患者の同定、またはこれらの患者の応答の追跡が、2種以上のバイオマーカーの遺伝子発現のレベルの変化の検出により、またはバイオマーカーの特異的組合せにより、または、遺伝子発現の変化の方向性によってさえ、最良に達成できることを発見し得る。例えば、表Iに同定したバイオマーカーの特定の2種が、ある状態と最も相関しており、それ故、ある処置のガイドとなり得る。あるいは、2種の特定のバイオマーカーの遺伝子発現の相対的レベルが、患者ににとってのある処置の適正を示し得る。特定の状態が、1種以上の特定のバイオマーカーの上方制御および/または1種以上の他の特定のバイオマーカーの下方制御のような兆候を有し得ることも意図される。バイオマーカーは、ベースラインと比較して患者から得たサンプルで過剰発現または過小発現していてよい。
本発明の方法において、バイオマーカーの遺伝子発現の存在の決定は、該バイオマーカーの遺伝子発現の存在または不存在の検出、ならびに、該バイオマーカーの遺伝子発現レベルを測定し、測定した遺伝子発現レベルをベースラインと比較するような、該バイオマーカーの遺伝子発現のレベルの変化の決定を含む。バイオマーカーの遺伝子発現の証明による患者の選択は、バイオマーカーの遺伝子発現の存在の存在の検出としての証明を含む。ここで使用する、遺伝子発現の存在の決定は、サンプルから結果を得ることにより、または他者がサンプルから得た結果の評価によるように、直接的でも間接的でも良い。患者の処置に対する応答をモニタリングする方法において、バイオマーカーの遺伝子発現の存在の検出に基づく患者の応答の評価は、例えば、少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現が検出されたならば処置を継続すること、ならびにこのような遺伝子発現が検出されなければ処置を中止するか変えることを含む。
遺伝子発現レベルの変化はベースラインレベルと比較し得る。ベースラインレベルはいくつかの方法で確立してよい。例えば、処置に対する患者の応答をモニタリングする方法において、生物学的サンプルを患者から得て、該患者にRafキナーゼ阻害剤を導入する前に遺伝子発現の測定について試験することを含み得る。それ故、未処置個体におけるバイオマーカーの遺伝子発現レベルのプロファイルは、あるならば、その個体についてのベースラインとして働き得て、処置が開始された後に得たサンプルで行ったその後の試験を、その個体のベースラインと比較してよい。あるいは、ベースラインは、健常または未処置個体のプールから、または、適当な細胞培養からさえ取った遺伝子発現レベルの情報を整理するガイドの創成を介して確立し得る。さらに、特定のバイオマーカーの遺伝子発現のベースラインレベルに対する情報を、刊行物または遺伝子データベースから集め得る。それ故、ベースラインは、Rafキナーゼ阻害剤で処置を受けたことが知られていない類似の患者集団の遺伝子発現レベル情報から得るかまたは確立し得る。ベースラインはまた、患者または他者の肺、膵臓、甲状腺、または他の組織から得たような参照サンプル(または数参照サンプルの平均)のような、参照標準の遺伝子発現レベルにより表され得る。参照サンプルが該患者から得られないならば、それは該患者から得た生物学的サンプルと同じ組織型であるのが好ましい。
一つの局面において、生物学的サンプルを、治療的有効量であれ、治療的有効量以下であれ、一定量のRafの阻害剤キナーゼを受けた後に患者から得て、それはいくつかの目的のために適し得る。該サンプルを、好ましくは不純物から単離し、またはそうでなければ、患者または他者から得た出発物質の機能的誘導体であり得る。本発明に使用する細胞または組織サンプルは、体液(血液、血清、または血漿を含み、これらに限定されない)、固体組織サンプル、組織培養またはそれに由来する細胞およびその子孫、およびこれらの源のいずれかから調製した切片またはスメア、または遺伝的情報を含み得る全ての他のサンプルを含む。該生物学的サンプルは、例えば、肺、膵臓、甲状腺、卵巣、膀胱、乳房、前立腺、肝臓、結腸、骨髄性組織、皮膚、または腫瘍組織から得ることができる。該サンプルは、患者における細胞増殖性障害の証拠を示す領域から得ることができる。バイオマーカーの発現の測定は、下記にさらに詳述する。
Rafの阻害剤
Raf、および特に酵素Rafキナーゼの阻害剤である化合物は、本発明の方法と組み合わせて有用である。本酵素がp21 Rasの下流エフェクターであるため、Raf阻害剤は、Rafキナーゼ経路の阻害が指示されるとき、例えば、Rafキナーゼが仲介する腫瘍および/または癌性細胞増殖の処置において、ヒトまたは獣医使用のための医薬組成物において有用である。特に、このような化合物は、癌の進行がRasタンパク質シグナル伝達カスケードに依存し、それ故に、Rafキナーゼ活性阻害による該カスケードの集団による処置に感受性であるため、ヒトまたは動物、例えば、マウス癌の処置に有用である。このような化合物は固形癌、例えば、癌腫(例えば、肺、膵臓、甲状腺、卵巣、膀胱、乳房、前立腺、肝臓、または結腸の)、黒色腫、骨髄性障害(例えば、骨髄性白血病、多発性骨髄腫および赤白血病)、または腺腫(例えば、絨毛結腸腺腫)または肉腫(例えば、骨肉腫)の処置に有用である。
Rafの阻害剤キナーゼのいくつかの例は、以下の化合物を含む:CHIR−265 (Chiron Corporation); BAY 43-9006 (sorafenib)(Nexavar(登録商標) Bayer AG); ISIS-5132 (CGP-69846A)(Isis Pharmaceuticals); ODN-698 (Novartis); ISIS-13650 (Isis Pharmaceuticals); LE-AON, LEraf-AON, LE-AON c-Raf, LE-5132 (NeoPharm); N−[3−[6−(3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラン−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]フェニル]アセトアミド(Cancer Research UK); PLX-4720, PLX-3204, PLX-3331, PLX-4718, PLX-4735, PLX-4032 (Plexxikon); N−[5−[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド]−2−メチルフェニル]−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−カルボキサミド(AstraZeneca);およびN−[5−[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド]−2−メチルフェニル]−3−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−カルボキサミド(AstraZeneca)。CHIR−265は、以下構造を有する(2個の別の互変異性体形で記載):
Figure 2010504530
{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ピリジン−4−イルオキシ]−1Hベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン
および
Figure 2010504530
{1−メチル−5−[2−(4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン。
当業者が認識する通り、化合物の互変異性体形は、例えば、イミダゾールアミノ基のプロトン化の部位に依存して平衡であり得る別の構造を単に示す。両方の構造が、実際、CHIR−265を示すことが意図される。
CHIR−265は、本発明の方法において使用するための例示的Raf−阻害化合物であり、CHIR−265はMAPKシグナリング経路の強力な阻害を示す。本化合物は生化学アッセイにおいてB−Raf、c−Raf、変異B−Raf、および変異Rasの強力な阻害剤であり、変異B−Raf活性の阻害(IC50 0.019μM)、B−Raf活性の阻害(IC50 0.068μM)、およびc−Raf活性の阻害(IC50 0.005μM)が証明されている。本化合物での処置は、試験した3種の変異B−Raf異種移植モデル(A375M、MEXF276、およびHT29)で腫瘍緩解をもたらし、K−Ras(HCT116)駆動異種移植モデルにおいて腫瘍増殖阻害を示す。CHIR−265はまた、SKMEL28、A2058、G361、COLO205、SKMEL31、およびMALME−3M、ならびにK−Ras細胞株(SW620)およびN−Ras細胞株(SKMEL2)を含む、試験した他の変異B−Raf細胞株においてRaf経路の阻害も示す。さらに、前臨床モデルにおけるアッセイは、CHIR−265が、MEK標的リン酸化、ならびに、BIM、サイクリンD1、p27KipおよびpAKTを含むMAPK経路におけるRafの下流のシグナリング分子の両方の用量および時間依存的阻害を示すことを示す。
この化合物および関連化合物は、いくつかの特許および特許出願に記載されており、これらの出願の全部の記載は、引用により、その全体として、かつすべての目的に関して、本明細書に包含される:2005年8月30日出願の米国出願番号60/712,539、2005年10月27日出願の米国出願番号60/731,591、2006年2月17日出願の米国出願番号60/774,684、2005年8月30日出願の米国出願番号60/713,108、2006年8月30日出願の米国出願番号11/513,959、および2006年8月30日出願の米国出願番号11/513,745。
上記の引用文献の各々を、引用により、その全体として、かつすべての目的に関して、本明細書に包含させる。
遺伝子発現の測定
先に記載の通り、遺伝子発現の測定は、患者から得たサンプル、好ましくは生物学的サンプルで行う。例えば、該患者に採血または組織生検を受けさせてよく、該測定を、得られたサンプルで行い得る。使用する技術によって、試験は、サンプルの単離フラクションで行ってもイン・サイチュで行ってもよい。
目的のバイオマーカーの遺伝子発現の存在の検出および/またはベースラインと比較した遺伝子発現のレベルの変化の検出を、標準技術を使用して成し得る。
検出は、例えば、該遺伝子から転写されたmRNAの量または該遺伝子から転写されたmRNAの逆転写により産生したcDNAの量、または、該遺伝子によりコードされるポリペプチドまたはタンパク質の量の検出を含む、任意の適当な方法によるものであり得る。これらの方法は、サンプル毎ベースでまたはハイスループット分析用に修飾して行い得る。加えて、細胞サンプルから単離した定量的完全または部分転写物またはタンパク質配列を含むデータベースを、転写物または発現遺伝子産物の存在および量についてサーチし、分析し得る。
mRNAレベルの変化のアッセイにおいて、前記サンプルに含まれる核酸を、最初は当分野の標準方法に従い抽出する。例えば、mRNAを、Sambrook et al. (1989), supraに明示の方法に従った種々の溶解性酵素または化学溶液を使用して、または製造者により提供される付随する指示に従った核酸結合樹脂による抽出により単離できる。該抽出核酸サンプルに含まれるバイオマーカーのmRNAを、次いで、当分野で広く知られている方法に従った、またはここに例示の方法に基づいた、ハイブリダイゼーション(例えばノーザンブロット分析)および/または増幅法により検出する。
少なくとも10ヌクレオチドを有し、ここに記載のバイオマーカーと配列相補性または相同性を示す核酸分子を、ハイブリダイゼーションプローブとして使用し得る。“完全にマッチした”プローブは、特異的ハイブリダイゼーションに必要とされないことは当分野で既知である。少数の塩基の置換、欠失または挿入により達成したプローブ配列配列における微細な変化は、ハイブリダイゼーション特異的に影響しない。一般に、20%ほども多い塩基対ミスマッチ(最適にアラインしたとき)に耐えることができる。
ある態様において、プローブまたはプライマーを、ハイブリダイゼーションを、それ故に、相補配列を検出するための、標識のような適当なものと組み合わせて用いるのが有益である。広範な適当なインディケーター手段が当分野で既知であり、検出可能なシグナルを与えることができる蛍光、放射活性、酵素、またはアビジン/ビオチンのような他のリガンドを含む。好ましい態様において、放射活性または他の環境的に望ましくない試薬の代わりに、蛍光標識または酵素タグ、例えばウレアーゼ、アルカリホスファターゼ、またはペルオキシダーゼを用いることを望む可能性がある。酵素タグの場合、相補核酸含有サンプルとの特異的ハイブリダイゼーションを同定するために、ヒトの眼でまたは分光光度的に見ることができる手段を提供するために用いることができる、比色インディケーター基質が既知である。
ハイブリダイゼーション反応は、異なる“ストリンジェンシー”の条件下に実施できる。関連条件は、温度、イオン強度、インキュベーション時間、反応混合物中のホルムアミドのような他の溶質の存在、および洗浄法を含む。高いストリンジェンシー条件は、高い温度および低いナトリウムイオン濃度のものであり、これは、安定なハイブリダイゼーション複合体を形成するためにハイブリダイズするエレメント間の最小相補性が高い必要がある。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーを増加させる条件は広く知られており、文献に公開されている。例えば、(Sambrook, et al., (1989), supra)参照。
簡単に言うと、多数のRNAを、上記の通り細胞または組織サンプルから単離する。所望により、遺伝子転写物をcDNAに変換してよい。バイオマーカー転写物からのサンプリングを配列特異的分析および定量に付す。これらの遺伝子転写物配列存在量をベースラインと比較する。
あるいは遺伝子コピー数、転写、またはバイオマーカーの翻訳の任意の一つを既知技術を使用して測定できる。例えば、PCRのような増幅法が有用であり得る。PCRの一般法は、MacPherson et al., PCR: A PRACTICAL APPROACH, (IRL Press at Oxford University Press (1991))に教示されている。しかしながら、各適用反応に使用するPCR条件は経験的に決定される。多くのパラメータが反応の成功に影響する。とりわけ、アニーリング温度および時間、伸長時間、Mg2+ATP濃度、pH、およびプライマー、鋳型およびデオキシリボヌクレオチドの相対的濃度である。増幅後、得られたDNAフラグメントを、アガロースゲル電気泳動、続く臭化エチジウム染色および紫外線照射での可視化により検出できる。
一つの局面において、本バイオマーカーを、そのバイオマーカーに対して適切なプローブに特にハイブリダイズするプローブとのハイブリダイゼーションにより検出および定量する。プローブもまた、当分野で既知の方法を使用したハイスループットスクリーニングアッセイにおいて使用される固体支持体に結合できる。PCT WO97/10365および米国特許5,405,783、5,412,087および5,445,934は、例えば、ここに開示の1個以上の配列を含むことができる高密度オリゴヌクレオチドチップを開示する。米国特許5,405,783、5,412,087および5,445,934に開示の方法を使用して、本発明のプローブを誘導体化ガラス表面上に合成する。光保護ヌクレオシドホスホロアミデートをガラス表面にカップリングし、フォトリソグラフィー・マスクを介した光分解により選択的に脱保護し、第二の保護ヌクレオシドホスホロアミデートと反応させる。本カップリング/脱保護方法を、望むプローブが完了するまで繰り返す。
一つの局面において、バイオマーカーの発現レベルを、核酸サンプルのプローブ−修飾チップへの暴露により測定する。抽出核酸を、例えば、蛍光タグで、好ましくは増幅工程中に標識する。標識サンプルのハイブリダイゼーションを、適当なストリンジェンシーレベルで行う。プローブ−核酸ハイブリダイゼーションの程度を、共焦円顕微鏡のような検出装置を使用して定量的に測定する。米国特許5,578,832および5,631,734参照。
別の態様において、本方法を、治療的応答の予測であることが予定している2種以上のバイオマーカーの検出および比較により行う。さらに別の態様において、複数のバイオマーカー(例えば、上記表IからXX参照)を、本発明の方法において使用する。これらの態様において、バイオマーカー、または特に目的のバイオマーカーと特異的にハイブリダイズし、認識するプローブを、複数の遺伝子の発現をモニタリングする効率的な手段を提供する高密度オリゴヌクレオチドプローブアレイ上に配置する。
他の好ましい態様において、本発明の方法を、医薬または生物製剤のような定義した刺激に応答して本発明のプローブと特にハイブリダイズする遺伝子の発現のモニタリングに使用する。
一つの態様において、ハイブリダイズした核酸を、該サンプル核酸に結合した1個以上の標識の検出により検出する。本標識は、当業者に既知の多くの手段のいずれかにより包含し得る。しかしながら、一つの局面において、本標識を、サンプル核酸の調製における増幅工程中に同時に包含する。それ故、例えば、標識プライマーまたは標識ヌクレオチドとのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が、標識された増幅産物を提供する。別の態様において、標識ヌクレオチド(例えばフルオレセイン標識UTPおよび/またはCTP)を使用して、上記のような転写増幅は、転写核酸に標識を包含させる。
あるいは、標識を直接元の核酸サンプル(例えば、mRNA、ポリA、mRNA、cDNAなど)にまたは増幅完了後の増幅産物に付加し得る。標識を核酸に付着させる方法は当業者に既知であり、例えばニック翻訳または、核酸のキナーゼ分解(kinasing)および続くサンプル核酸を標識(例えば、フルオロフォア)に連結させる核酸リンカー連結の付着(ライゲーション)による、末端標識(例えば標識RNAでの)を含む。
本発明における使用に適当な検出可能な標識は、分光、光化学、生化学、免疫化学、電気、光学または化学手段により検出可能な全ての組成物を含む。本発明における有用な標識は、標識ストレプトアビジンコンジュゲートで染色するためのビオチン、磁気ビーズ(例えば、DynabeadsTM)、蛍光色素(例えば、フルオレセイン、テキサス・レッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質など)、放射標識(例えば、H、125I、35S、14C、または32P)酵素(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよびELISAで一般的に使用されるその他)、およびコロイド金または着色ガラスまたはプラスティック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズのような比色標識を含む。このような標識の使用を教示する特許は米国特許3,817,837;3,850,752;3,939,350;3,996,345;4,277,437;4,275,149;および4,366,241を含む。
このような標識の検出手段は当業者に既知である。それ故、例えば、放射標識は、写真フィルムまたはシンチレーションカウンターを使用して検出し得、蛍光マーカーは、発光を検出するための光検出器を使用して検出し得る。酵素標識は、典型的に酵素と基質を提供し、該酵素の該基質上での作用により生じる反応産物を検出し、比色標識を単純に着色標識を可視化することにより検出する。
WO97/10365により詳細に記載されている通り、標識を標的(サンプル)核酸(複数もある)に、ハイブリダイゼーションの前または後に添加してよい。これらは、ハイブリダイゼーション前に標的(サンプル)核酸に直接結合するまたは取り込まれる検出可能な標識である。対照的に、“間接標識”を、ハイブリダイゼーション後にハイブリッド二本鎖に結合させる。しばしば、該間接標識は、ハイブリダイゼーション前は標的核酸に結合していた結合部分に結合する。それ故、例えば、本標的核酸を、ハイブリダイゼーション前にビオチニル化し得る。ハイブリダイゼーション後、アビジン−コンジュゲートフルオロフォアは、ビオチン担持ハイブリッド二本鎖を結合し、検出が容易な標識を提供する。核酸の標識および標識ハイブリダイズ核酸の検出の詳細なレビューについては、LABORATORY TECHNIQUES IN BIOCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY, Vol. 24: Hybridization with Nucleic Acid Probes, P. Tijssen, ed. Elsevier, N.Y. (1993)を参照のこと。
本核酸サンプルをまた、WO97/10365に開示の方法を使用して、サンプルの複雑さを低下させ、それによりバックグラウンドシグナルを低下させ、測定の感受性を増加させるために、ハイブリダイゼーション前に高密度プローブアレイに修飾してもよい。
チップアッセイの結果は、典型的にコンピューターソフトウェアプログラムを使用して解析する。例えば、EP0717113A2およびWO95/20681参照。ハイブリダイゼーションデータをプログラムに読み込み、それが標的遺伝子(複数もある)の発現レベルを計算する。数値を、疾患および健常個体に関する遺伝子発現レベルの既存のデータセットと比較してよい。得られたデータと予定したベースラインの間の相関が、該治療に応答しそうな患者を同定する。
本出願の範囲内にまた存在するのは、予定した治療、例えば、抗Rafキナーゼ治療に対して応答しそうな患者の同定に有用なデータベースであり、ここで、該データベースは、当分野で既知の生物情報学技術既知を使用して患者サンプルと比較できる、ベースライン遺伝子発現データの組合せを含む。
予定ベースライン情報を、データプロセシングシステムが治療に応答性である患者を同定する遺伝子の標準化表示をするためのデジタル貯蔵媒体として貯蔵する。本データプロセシングシステムは、2サンプル間の遺伝子発現の解析に有用である。適当なサンプルを患者から単離し、次いで該細胞またはサンプルの遺伝型または表現型を、当分野で既知の方法を使用して決定する。一つの局面において、バイオマーカーの核酸は、サンプル内に存在するならば、配列決定し、コードに転写する。サンプルからの配列(コード形態)を、データベースに存在する配列(複数もある)と、相同性探索技術を使用して比較する。試験配列と、表IからXXに同定したバイオマーカーにより同定された少なくとも1種の配列の間の90%を超える、またはあるいは、95%を超えるまたはあるいは、97%以上の配列同一性が、バイオマーカーからのポリヌクレオチドが患者サンプルから単離されていることを示す陽性の指示である。
eバイオマーカーの発現レベルを、タンパク質産物の試験によりまた決定できる。タンパク質レベルの決定は、(a)バイオマーカーの発現産物を含む生物学的サンプルを提供し;そして(b)サンプル内のバイオマーカーの発現産物を選択的に認識し、結合する抗体の間で起こる何らかの免疫特異的結合の量を測定する(ここで、該免疫特異的結合の量がバイオマーカー発現レベルを示す)か、または(c)バイオマーカーを正にまたは負に制御するタンパク質の結合をモニタリングすることを含む。次いで、この情報を予定ベースラインと比較し、解析して、治療に適切な患者を同定する。
タンパク質分析のために、種々の技術が当分野で利用可能である。それは放射免疫アッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、“サンドイッチ”免疫アッセイ、免疫放射正アッセイ、イン・サイチュ免疫アッセイ(例えば、コロイド金、酵素または放射性同位体標識を含む)、ウェスタンブロット分析、免疫沈降アッセイ、免疫蛍光アッセイ、フローサイトメトリー、免疫組織化学、共焦点顕微鏡、酵素アッセイ、およびPAGE−SDSを含み、これに限定されない。
本バイオマーカーの発現産物のタンパク質産物を特異的に認識し、結合する抗体が、免疫アッセイに必要である。これらは商業的供給者から購入してよく、または、当分野で既知の方法で製造し、スクリーニングしてよい。Harlow and Lane(1988)supra. およびSambrook et al. (1989)supra参照。
処置
Rafキナーゼの阻害は、細胞性増殖性疾患および特に新生物疾患の処置に有用な道である。患者を、Rafの阻害剤キナーゼ、特にRafキナーゼの小分子阻害剤(SMI)の投与により有益に処置し得る。それ故、本発明の処置は、ここに開示のもののような1個以上の小分子Rafの阻害剤キナーゼの投与を含み得る。
遺伝的プロファイリング方法がここで教示されているいくつかの疾患モデルが、とりわけ有用であり、黒色腫、甲状腺癌、卵巣癌、結腸癌、肝臓癌、膵臓癌、および肺癌を含む。
インビボ投与は1回で、連続的にまたは間欠性に処置のコースを通して行い得る最も有効な手段および投与量を決定する方法は当業者に既知であり、治療に使用する組成物、治療目的、処置する標的細胞、および処置する対象により変化する。1回または複数回投与を、処置医により選択された投与量および投与パターンで実施できる。本医薬を投与するための適当な投与製剤および投与方法は経験的に調整し得る。
より具体的に、本発明に従い投与される医薬は、経口、直腸、鼻腔、局所(経皮、エアロゾル、バッカル、および舌下を含む)、膣、非経腸(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)および肺を含む任意の適当な経路により、治療のために投与し得る。好ましい経路が受け手の状態および年齢および処置する疾患により変化することもまた認識されよう。
理想的には、本医薬を、疾患部位で活性化化合物のピーク濃度を達成するように投与すべきである。これは、例えば、所望により生理食塩水中の本医薬の静脈内注射により、または、例えば本活性成分を含む錠剤、カプセル剤またはシロップ剤としての経口投与により達成し得る。本医薬の所望の血液レベルは、疾患組織内の本活性成分の治療的量を提供するための連続輸液により維持し得る。特異的態様において、医薬組成物を処置が必要な領域に局所的に投与することが望ましいことがある;これは、例えば、手術中の局所輸液により、注射により、またはカテーテルの手段により達成し得て、これに限定されない。個々の治療的化合物または医薬を単独で使用するときに必要であり得るより少ない各医薬成分の総投与量を必要とし、それにより有害作用を低下させる操作的組み合わせの使用を提供し得る。
本医薬を単独で投与することは可能であるが、1個以上の薬学的に許容される担体、および所望により他の治療剤と共に少なくとも1種の本活性成分を含む医薬製剤として提示するのが好ましい。各担体は、製剤の他の成分と適合性であり、患者に危険ではない点で、“許容される”ものでなければならない。
本発明の方法に従い使用する医薬組成物は、錠剤、ロゼンジ、顆粒、カプセル、ピル、アンプル、坐薬、またはエアロゾル形態の形を取ってよい。それらはまた水性または非水性希釈剤中の本活性成分懸濁液、溶液、またはエマルジョン、シロップ、顆粒、または粉末の形も取ってよい。重用な活性成分に加えて、本医薬組成物または他の薬学的に活性化化合物または複数の本発明の組成物も含み得る。
製剤は、経口、直腸、鼻腔、局所(経皮、エアロゾル、バッカル、および舌下を含む)、膣、非経腸(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)および肺投与に適当なものを含む。本製剤は簡便には単位投与形態で提供され得て、薬剤分野で既知の任意の方法により製剤し得る。このような方法は、本活性成分と、1個以上のアクセサリー成分を含む担体を結合させる工程を含む。一般に、本製剤は、本活性成分と、液体担体または微粉末固体担体または両方を基に津にかつ密接に結合させ、必要であれば、該製品を成形することにより製造する。
経口投与に適する製剤は、各々予定量の活性成分を含むカプセル剤、カシェ剤または錠剤のような別々の単位;粉末または顆粒;水性または非水性液体中の溶液または懸濁液;または水中油型液体エマルジョンまたは油中水型液体エマルジョンとして提示してよい。本活性成分は、ボーラス、舐剤またはペーストとしても提示してよい。
錠剤は、所望により1個以上のアクセサリー成分との圧縮または鋳造により製造し得る。圧縮錠剤は、適当な機械中で、所望により結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、平滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、ナトリウムデンプングリコレート、架橋ポビドン、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、表面活性または分散剤と混合した、粉末または顆粒のような自由に流動する形態の活性成分を圧縮することにより製造し得る。鋳造錠剤は、適当な機械中で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉砕化合物の混合物の鋳造により製造し得る。錠剤は、所望によりコーティングしてよく、割線を入れてよく、そして、例えば、所望の放出プロファイルを提供するために種々の比率のヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用して、活性成分の遅延または制御放出を提供するように製剤してよい。錠剤は、所望により胃以外の腸の部分での放出を提供するために腸溶性コーティングを施してよい。
口内への局所投与に適当な製剤は、香味基剤、通常スクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に活性成分を含むロゼンジ;ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアのような不活性基剤中に活性成分を含む香錠;および適当な液体担体中に活性成分を含む口腔洗浄薬を含む。
本発明に従う局所投与用医薬組成物は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル、または油として製剤し得る。あるいは、製剤は、パッチまたは、活性成分および所望により1個以上の賦形剤または希釈剤で浸したバンデージまたは絆創膏を含み得る。
望むならば、クリーム基剤の水性相は、例えば、少なくとも約30%w/wの多価アルコール、すなわち、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコールおよびそれらの混合物のような2個以上のヒドロキシル基を有するアルコールを含み得る。本局所製剤は、皮膚または他の患部を通した医薬の吸収または浸透を増加させる化合物を含むのが望ましいことがある。このような皮膚浸透エンハンサーは、ジメチルスルホキシドおよび関連アナログを含む。
本発明に従い使用する組成物のエマルジョンの油性相は、既知の方法で既知成分から構成し得る。この相は、乳化剤(エマルゲントとしても既知)のみを含んでよいが、少なくとも1種の乳化剤と脂肪または油、もしくは脂肪と油両方との混合物を含むのが望ましい。好ましくは、親水性乳化剤を、安定化剤として作用する油性乳化剤と共に含む。油および脂肪の両方を含むのがまた好ましい。合わせて、安定化剤を伴うまたは伴わない乳化剤は、いわゆる乳化蝋を製造し、本蝋は油および/または脂肪と一緒になっていわゆる乳化軟膏基剤を形成し、これはクリーム製剤の油性分散相を形成する。
本発明の製剤における使用に適当なエマルゲントおよびエマルジョン安定化剤は、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリルおよびラウリル硫酸ナトリウムを含む。
本製剤用の適当な油または脂肪の選択は、本医薬エマルジョン製剤に使用する可能性のあるほとんどの油における活性化合物の溶解性が超低速であるため、所望の化粧特性の達成に基づく。それ故に、クリームは、好ましくはチューブまたは他の容器からの滲出を避けるための適当な粘稠度の、脂ぎっておらず、色が付いておらず、洗浄可能な製品であるべきである。直鎖または分枝鎖、ジ−イソアジピン酸、ステアリン酸イソセチル、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシルまたはCrodamol CAPとして既知の分枝鎖エステルの混合物のような一または二塩基性アルキルエステルを使用でき、後三者が好ましいエステルである。これらは、必要な特性によって単独で使用しても組み合わせて使用してもよい。あるいは、白色軟パラフィンおよび/または液体パラフィンまたは他の鉱油のような高融点脂質を使用できる。
眼への局所投与に適当な製剤はまた、活性成分が適当な担体、とりわけ医薬用水性溶媒に溶解または懸濁している点眼剤を含む。
直腸投与用製剤は、例えば、カカオバターまたはサリチレートを含む適当な基剤との、坐薬として提示し得る。
膣投与に適当な製剤は、本医薬に加えて、適切であることが当分野で既知のような担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡沫、またはスプレー製剤として提示し得る。
担体が固体である、鼻投与に適当な製剤は、鼻から吸う方法で投与する、すなわち、粉末の容器から鼻を通過する急速な吸入が鼻に接近して行われる、例えば、約20〜約500ミクロンの範囲の粒子サイズを有する粗製粉末を含む。例えば、鼻スプレー、点鼻、またはネブライザーによるエアロゾル投与としての投与のための担体が液体である適当な製剤は、本医薬の水性または油性溶液を含む。
非経腸投与用に適当な製剤は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および意図される受け手の血液との等張性を製剤に与える溶質を含み得る、水性および非水性等張性無菌注射溶液を含む。他の適当な製剤は、懸濁化剤、濃化剤および、リポソームまたは化合物が血液成分または1種以上の臓器を標的とするように設計された他の微粒子システムを含み得る水性および非水性無菌懸濁液を含む。本製剤は、単位投与量または複数回投与量密閉容器、例えば、アンプルおよびバイアルで提示してよく、使用直前に無菌液体担体、例えば注射用水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で提示してよい。即席の注射溶液および懸濁液は、先に記載の種類の無菌粉末、顆粒および錠剤から製造し得る。
種々の送達システムが既知であり、本発明の方法に従う治療剤の投与に使用でき、例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセルへの封入、組み換え細胞による発現、受容体仲介エンドサイトーシス(例えば、Wu and Wu(1987)J. Biol. Chem. 262: 4429-4432参照)、レトロウイルスまたは他のベクターの一部としての治療的核酸の構築などを含む。送達方法は、動脈内、筋肉内、静脈内、鼻腔内および経口経路を含み、これに限定されない。
記載の通り、本化合物はリポソームの形でも投与できる。当分野で既知の通り、リポソームは、一般にリン脂質または他の脂質物質由来である。リポソームは、水性媒体に分散された単または多層状水和液体結晶の形である。リポソームを形成できる任意の非毒性の、生理学的に許容されるおよび代謝可能な脂質を使用できる。リポソーム形態の本組成物は、本発明の化合物に加えて、安定化剤、防腐剤、賦形剤などを含み得る。好ましい脂質は、天然および合成両方のリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成する方法は、当分野で既知である。例えば、Prescott, Ed., Methods in Cell Biology, Volume XIV, Academic Press, New York, N.W., p. 33 et seq. (1976)参照。
好ましい単位投与量製剤は、医薬の上記の通りの一日量または単位、一日分より少ない量(subdose)、またはその適当な画分を含むものである。本化合物の有効量は、一般に、当業者に既知のRafキナーゼ活性アッセイにより、または、癌の症状の阻止または軽減により検出して、Raf活性を検出可能に阻害するのに十分な用量である。
一投与形態を製造するために担体物質と組み合わせ得る活性成分の用量は、処置する対象および投与の特定のモードによる。しかしながら、任意の特定の患者に対する特異的用量レベルは、用いる特異的化合物の活性、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食習慣、投与時間、投与経路、排泄速度、医薬組合せ、および患者が治療を受けている特定の疾患の重症度を含む種々の因子による。ある状況での治療的有効量は、慣用の実験により容易に決定でき、通常の医師の技術および判断の範囲内である。
本発明の目的のために、治療的有効量は、一般に1回または分割投与で宿主に投与される総1日量であり、例えば、1日0.001〜1000mg/kg 体重およびより好ましくは1日1.0〜30mg/kg 体重の量であり得る。投与量単位は、1日量を構成するそのような量の等分量(submultiple)を含んでよい。
本発明に従い利用する治療剤は、小分子を含み、これに限定されない。それらはポリヌクレオチド、ペプチド、抗体、抗原提示細胞であってよく、特に目的遺伝子を発現する細胞を認識し、作用する免疫エフェクター細胞を含む。対象または患者が本発明の医薬により有効に処置されるかどうかを、当分野で既知の方法を使用して対象または患者から単離した腫瘍細胞に対する1種以上の医薬のスクリーニングにより決定できる。
あるいは、小分子阻害剤を他の処置剤と組み合わせて使用できる。例えば、小分子ではない、例えば生物学的製剤、ポリヌクレオチド、遺伝子治療などである阻害因を、処置のための組合せプロトコールと併用して使用してよい。いくつかの例では、小分子Rafキナーゼ阻害剤を、患者候補の同定における初期の助けとして主として使用し得て、他のタイプの阻害剤をその後に使用し得るか、またはその逆も同様である。他の例では、一つの阻害剤を遺伝子発現レベル測定工程前に使用してよく、他のものをその後に使用し得る。
記載の通り、Rafキナーゼ阻害化合物を唯一の活性剤として投与できるが、それらはまた癌処置に使用される1種以上の他の医薬とも組合せ得る。Rafキナーゼ阻害化合物はまた既知治療剤および抗癌剤と組み合わせても有用であり、ここに開示の化合物と他の抗癌または化学療法剤との組合せは、本発明の範囲内である。このような医薬の例は、Cancer Principles and Practice of Oncology, V. T. Devita and S. Hellman (editors), 6th edition (Feb. 15, 2001), Lippincott Williams & Wilkins Publishersに見ることができる。医療従事者は、複数医薬の特定の特徴および関与する癌に基づき、どの医薬の組合せが有用であるか識別できるはずである。
処置を必要とするヒトまたは動物対象におけるRafキナーゼ関連障害の処置方法は、対象における腫瘍増殖の減少または防止をするために有効な一定量のRafキナーゼ阻害化合物を、癌処置のための少なくとも1種の付加医薬と組み合わせて対象に投与することを含み得る。組合せ治療として使用すべき多くの適当な抗癌剤は、本発明の方法と組み合わせて使用することが意図される。組合せ治療における例えば:アポトーシスを誘発する薬剤;ポリヌクレオチド(例えば、リボザイム);ポリペプチド(例えば、酵素);医薬;生物学的模倣剤;アルカロイド;アルキル化剤;抗腫瘍抗生物質;代謝拮抗剤;ホルモン;白金化合物;抗癌剤、毒素、および/または放射性核種とコンジュゲートしたモノクローナル抗体;生物学的応答モディファイヤー(例えばインターフェロン[例えばIFN−アルファなど]およびインターロイキン[例えばIL−2など]など);養子性免疫治療剤;造血性増殖因子;腫瘍細胞分化を誘発する薬剤(例えば全trans−レチノイン酸など);遺伝子治療剤;アンチセンス治療剤およびヌクレオチド;腫瘍ワクチン;血管形成の阻害剤などのような多くの抗癌剤の有益な投与が有益であり得る。
好ましい態様において、Raf阻害化合物と組み合わせて使用すべき抗癌剤は、アポトーシスを誘発または刺激する医薬を含む。アポトーシスを誘発する医薬は、放射線照射(例えば、W);キナーゼ阻害剤(例えば、上皮細胞増殖因子受容体[EGFR]キナーゼ阻害剤、血管増殖因子受容体[VGFR]キナーゼ阻害剤、線維芽細胞増殖因子受容体[FGFR]キナーゼ阻害剤、血小板由来増殖因子受容体[PGFR]Iキナーゼ阻害剤、およびBcr−Ablキナーゼ阻害剤、例えばSTI−571、Gleevec、およびGlivec]);アンチセンス分子;抗体[例えば、Herceptinおよびリツキサン];抗エストロゲン[例えば、ラロキシフェンおよびタモキシフェン];抗アンドロゲン[例えば、フルタミド、ビカルタミド、フィナステリド、アミノグルテチミド(aminoglutethamide)、ケトコナゾール、およびコルチコステロイド];シクロオキシゲナーゼ2(COX−2)阻害剤[例えば、セレコキシブ、メロキシカム、NS−398、および非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)];および癌化学療法剤[例えば、イリノテカン(Camptosar)、CPT−11、フルダラビン(Fludara)、ダカルバジン(DTIC)、デキサメサゾン、ミトキサントロン、Mylotarg、VP−16、シスプラスチン、5−FU、Doxrubicin、タキソテールまたはタキソール];細胞シグナリング分子;セラミドおよびサイトカイン;およびスタウロスポリン(staurosprine)などを含み、これに限定されない。
組合せで使用するためのさらなる抗癌剤は、下記の医薬を含み、これに限定されない:エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞毒性/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤および他の血管形成阻害剤、細胞増殖および生存シグナリング阻害剤、アポトーシス誘発剤および細胞サイクルチェックポイントを妨害する薬剤。Rafキナーゼ阻害化合物はまた、放射線照射治療と共に併用したとき、有用である。
エストロゲン受容体モジュレーターは、機構に関係なく、エストロゲンのその受容体への結合を妨害または阻止する化合物である。エストロゲン受容体モジュレーターの例は、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノエート、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾン、およびSH646を含み、これに限定されない。
アンドロゲン受容体モジュレーターは、アンドロゲンのアンドロゲン受容体への結合を妨害または阻止する化合物である。アンドロゲン受容体モジュレーターの代表例は、フィナステリドおよび他の5α−レダクターゼ阻害剤、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾール、およびアビラテロン酢酸を含む。レチノイド受容体モジュレーターは、レチノイドのレチノイド受容体への結合を妨害または阻止する化合物である。レチノイド受容体モジュレーターの例は、ベキサロテン、トレチノイン、13−cis−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、LX23−7553、trans−N−(4'−ヒドロキシフェニル)レチンアミド、およびN4−カルボキシフェニルレチンアミドを含む。
細胞毒性および/または細胞増殖抑制剤は、主に直接細胞の機能を妨害することにより、または細胞有糸分裂(mytosis)を妨害することにより、細胞死をもたらすまたは細胞増殖を阻害する化合物であり、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、干渉物質、低酸素症活性化化合物、微小管阻害剤/微小管安定化剤、有糸分裂阻害剤カイネシン、有糸分裂進行に関与するキナーゼの阻害剤、代謝拮抗剤;生物学的応答モディファイヤー;ホルモン/抗ホルモン治療剤、造血性増殖因子、モノクローナル抗体標的治療剤、トポイソメラーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤およびユビキチンリガーゼ阻害剤を含む。細胞毒性剤の例は、セルテネフ、カケクチン、イホスファミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、プレドニムスチン、ジブロモダルシトール、ラニムスチン、ホテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロミド、ヘプタプラチン、エストラムスチン、トシル酸インプロスルファン、トロホスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デクスイホスファミド、cis−アミンジクロロ(2−メチル−ピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルフォスファミド、GPX100、(trans、trans、trans)−ビス−mu−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−mu−[ジアミン−白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロライド、ジアリジジニルスペルミン、三酸化ヒ素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビスアントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3'−デアミノ−3'−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755、および4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシン(WO00/50032参照)を含み、これに限定されない。低酸素症活性化化合物の代表例は、チラパザミンである。プロテアソーム阻害剤は、ラクタシスチンおよびボルテゾミブを含み、これに限定されない。微小管阻害剤/微小管安定化剤の例は、パクリタキセル、硫酸ビンデシン、3',4'−ジデヒドロ−4'−デオキシ−8'−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキセル(docetaxol)、リゾキシン、ドラスタチン、イセチオン酸ミボブリン、オーリスタチン、セマドチン、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、無水ビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258、エポチロン類(例えば米国特許6,284,781および6,288,237参照)およびBMS188797を含む。トポイソメラーゼ阻害剤の代表例は、トポテカン、ヒカプタミン、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3',4'−O−exo−ベンジリデン−チャルトロイシン(chartreusin)、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパンアミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3',4':b,7]−インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ルルトテカン(ルルトテカン)、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、エトポシドリン酸、テニポシド、ソブゾキサン、2'−ジメチルアミノ−2'−デオキシ−エトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキサミド、アスラクリン、(5a、5aB、8aa、9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロオキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ(3',4':6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]−フェナントリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソキノリン(isoguinoline)−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1'−de]アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキサミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オン、およびジメスナを含む。ヒト有糸分裂カイネシンKSPのような有糸分裂の阻害剤カイネシンの例は、PCT公報WO01/30768およびWO01/98278、WO03/050,064(Jun. 19, 2003)、WO03/050,122(Jun. 19, 2003)、WO03/049,527(Jun. 19, 2003)、WO03/049,679(Jun. 19, 2003)、WO03/049,678(Jun. 19, 2003)およびWO03/39460(May 15, 2003)および継続中のPCT出願US03/06403(Mar. 4, 2003出願)、US03/15861(May 19, 2003出願)、US03/15810(May 19, 2003出願)、US03/18482(Jun. 12, 2003出願)およびUS03/18694(Jun. 12, 2003出願)を含む。一つの態様において、有糸分裂の阻害剤カイネシンの例は、KSPの阻害剤、MKLP1の阻害剤、CENP−Eの阻害剤、MCAKの阻害剤、Kif14の阻害剤、Mphosph1の阻害剤およびRab6−KIFLの阻害剤を含む。
有糸分裂進行に関与するキナーゼの阻害剤は、オーロラキナーゼの阻害剤、Polo様キナーゼ(PLK)の阻害剤(例えば、PLK−1の阻害剤)、bub−1の阻害剤およびbub−R1の阻害剤を含む。抗増殖剤は、アンチセンスRNAおよびDNAオリゴヌクレオチド、例えばG3139、ODN698、RVASKRAS、ジェム231、およびINX3001、および代謝拮抗剤、例えばエノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキサート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクホシスファート、フォステアビンナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2'−デオキシ−2'−メチリデンシチジン、2'−フルオロメチレン−2'−デオキシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル)スルホニル]−N'−(3,4−ジクロロフェニル)ウレア、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノ−ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクチナサイジン、トロキサシタビン、4−[2−アミノ−4−オキソ4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b][1,4]チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,1−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)−テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スウェインソニン、ロメトレキソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ、2'−シアノ−2'−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシンおよび3−アミノピリジン−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾンを含む。モノクローナル抗体標的治療剤の例は、癌細胞特異的または標的細胞特異的モノクローナル抗体に結合した細胞毒性剤または放射性同位体を有する治療剤を含む。例は、例えば、Bexxarを含む。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼの阻害剤である。HMG−CoAレダクターゼに阻害活性を有する化合物は、米国特許4,231,938およびWO84/02131に記載のまたは引用のような当業者に既知のアッセイを使用して容易に同定できる。使用し得るHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の例は、ロバスタチン(MEVACOR(登録商標);米国特許4,231,938、4,294,926および4,319,039参照)、シンバスタチン(ZOCOR(登録商標);米国特許4,444,784、4,820,850および4,916,239参照)、プラバスタチン(PRAVACHOL(登録商標);米国特許4,346,227、4,537,859、4,410,629、5,030,447および5,180,589参照)、フルバスタチン(LESCOL(登録商標);米国特許5,354,772、4,911,165、4,929,437、5,189,164、5,118,853、5,290,946および5,356,896参照)およびアトルバスタチン(LIPITOR(登録商標);米国特許5,273,995、4,681,893、5,489,691および5,342,952参照)を含む。これらの構造式および、本方法と併用して使用し得るさらなるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、M. Yalpani, “Cholesterol Lowering Drugs”, Chemistry & Industry, pp. 85-89 (5 Feb. 1996)の87頁および米国特許4,782,084および4,885,314に記載されている。一つの態様において、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤はロバスタチンおよびシンバスタチンから選択される。
プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ(FPTase)、ゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼタイプI(GGPTase−I)、およびゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼタイプ−II(GGPTase−II、Rab GGPTaseとも呼ばれる)を含む、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ酵素の任意の1個または任意の組合せを阻害する化合物である。プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害化合物の例は、(±)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)キノリノン、(−)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン、(+)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン、5(S)−n−ブチル−1−(2,3−ジメチルフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリル(imnidazolyl)メチル−2−ピペラジノン、(S)−1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル]−5−[2−(エタンスルホニル)メチル)−2−ピペラジノン、5(S)−n−ブチル−1−(2−メチルフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン、1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−2−メチル−5−イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン、1−(2,2−ジフェニルエチル)−3−[N−(1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルエチル)カルバモイル]ピペリジン、4−{−[4−ヒドロキシメチル−4−(4−クロロピリジン−2−イルメチル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−メチルイミダゾール−1−イルメチル}ベンゾニトリル、4−{−5−[4−ヒドロキシメチル−4−(3−クロロベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−メチルイミダゾール(imnidazol)−1−イルメチル}ベンゾニトリル、4−{3−[4−(2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)ベンジル]−3H−イミダゾール−4−イルメチル}ベンゾニトリル、4−{3−[4−(5−クロロ−2−オキソ−2H−[1,2']ビピリジン−5'−イルメチル]−3H−イミダゾール−4−イルメチル}ベンゾニトリル、4−{3−[4−(2−オキソ−2H−[1,2']ビピリジン−5'−イルメチル]−3H−イミダゾール4−イルメチル}ベンゾニトリル、4−[3−(2−オキソ−1−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルメチル)−3H−イミダゾール(midazol)−4−イルメチル}ベンゾニトリル、18,19−ジヒドロ−19−オキソ−5H,17H−6,10:12,16−ジメテノ−1H−イミダゾ[4,3−c][1,11,4]ジオキサアザシクロ−ノナデシン−9−カルボニトリル、(±)−19,20−ジヒドロ−19−オキソ−5H−18,21−エタノ−12,14−エテノ−6,10−メテノ−22H−ベンゾ[d]イミダゾ[4,3−k][1,6,9,12]オキサトリアザ−シクロオクタデシン−9−カルボニトリル、19,20−ジヒドロ−19−オキソ−5H,17H−18,21−エタノ−6,10:12,16−ジメテノ−22H−イミダゾ[3,4−h][1,8,11,14]オキサトリアザシクロエイコシン−9−カルボニトリル、および(.+−.)−19,20−ジヒドロ−3−メチル−19−オキソ−5H−18,21−エタノ−12,14−エテノ−6,10−メテノ−22H−ベンゾ[d]イミダゾ[4,3−k][1,6,9,12]オキサトリアザシクロオクタデシン−9−カルボニトリルを含む。プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の他の例は、下記の刊行物および特許に見ることができる:WO96/30343、WO97/18813、WO97/21701、WO97/23478、WO97/38665、WO98/28980、WO98/29119、WO95/32987、米国特許5,420,245、米国特許5,523,430、米国特許5,532,359、米国特許5,510,510、米国特許5,589,485、米国特許5,602,098、欧州特許公開0618221、欧州特許公開0675112、欧州特許公開0604181、欧州特許公開0696593、WO94/19357、WO95/08542、WO95/11917、WO95/12612、WO95/12572、WO95/10514、米国特許5,661,152、WO95/10515、WO95/10516、WO95/24612、WO95/34535、WO95/25086、WO96/05529、WO96/06138、WO96/06193、WO96/16443、WO96/21701、WO96/21456、WO96/22278、WO96/24611、WO96/24612、WO96/05168、WO96/05169、WO96/00736、米国特許5,571,792、WO96/17861、WO96/33159、WO96/34850、WO96/34851、WO96/30017、WO96/30018、WO96/30362、WO96/30363、WO96/31111、WO96/31477、WO96/31478、WO96/31501、WO97/00252、WO97/03047、WO97/03050、WO97/04785、WO97/02920、WO97/17070、WO97/23478、WO97/26246、WO97/30053、WO97/44350、WO98/02436、および米国特許5,532,359。血管形成におけるプレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の役割の例に関しては、European J. of Cancer 35(9): 1394-1401 (1999)を参照のこと。
血管形成阻害剤は、機序にかかわらず、新規血管の形成を阻害する化合物を意味する。血管形成阻害剤の例は、チロシンキナーゼ阻害剤、例えばチロシンキナーゼ受容体Flt−1(VEGFR1)およびFlk−1/KDR(VEGFR2)の阻害剤、上皮由来、線維芽細胞由来、または血小板由来増殖因子の阻害剤、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)阻害剤、インテグリンブロッカー、インターフェロン−アルファ、インターロイキン−12、ペントサンポリ多硫酸、非ステロイド性抗炎症剤(NSAI)、例えばアスピリンおよびイブプロフェンならびに選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤様セレコキシブおよびロフェコキシブ(PNAS 89: 7384(1992)を含むシクロオキシゲナーゼ阻害剤;JNCI 69: 475 (1982); Arch. Ophthalmol. 108: 573 (1990); Anat. Rec., (238): 68 (1994); FEBS Letters 372: 83 (1995); Clin, Orthop. 313: 76 (1995); J. Mol. Endocrinol. 16: 107 (1996); Jpn. J. Pharmacol. 75: 105 (1997); Cancer Res. 57: 1625 (1997); Cell 93: 705 (1998); Intl. J. Mol. Med. 2: 715 (1998); J. Biol. Chem. 274: 9116 (1999))、ステロイド性抗炎症剤(例えばコルチコステロイド、ミネラルコルチコイド、デキサメサゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン(methylpred)、ベタメタゾン)、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンジオスタチン、トロポニン−1、アンギオテンシンIIアンタゴニスト(Fernandez et al., J. Lab. Clin. Med. 105: 141-145(1985)参照)、およびVEGFに対する抗体(Nature Biotechnology, 17: 963-968(October 1999); Kim et al., Nature, 362: 841-844(1993);WO00/44777;およびWO00/61186参照)を含み、これに限定されない。本発明の化合物と組み合わせてまた使用し得る他の治療剤は、凝血および線維素溶解系を調節または阻害する医薬を含む(Clin. Chem. La. Med. 38: 679-692(2000)におけるレビューを参照)。凝血および線維素溶解経路を調節または阻害するこのような医薬の例は、ヘパリン(Thromb. Haemost. 80: 10-23(1998)参照)、低分子量ヘパリンおよびカルボキシペプチダーゼU阻害剤(活性トロンビン活性化線維素溶解阻害剤[TAFIa]の阻害剤としても既知)(Thrombosis Res. 101: 329-354 (2001)を参照)。TAFIa阻害剤はPCT公報WO03/013,526および米国出願番号60/349,925(Jan. 18, 2002出願)に記載されている。また意図されるのは、小分子Raf阻害化合物と、選択的COX−2阻害剤(一般に、細胞またはミクロソームアッセイで評価して、COX−2のIC50とCOX−1のIC50に対する比率により測定して、COX−2へのCOX−1の少なくとも100倍阻害する特性を有するとして特徴付けられる)であるNSAIDの組合せである。このような化合物は、全て引用により本明細書に包含させる1995年12月12日発行の米国特許5,474,995、1999年1月19日発行の米国特許5,861,419、1999年12月14日発行の米国特許6,001,843、2000年2月1日発行の米国特許6,020,343、1995年4月25日発行の米国特許5,409,944、1995年7月25日発行の米国特許5,436,265、1996年7月16日発行の米国特許5,536,752、1996年8月27日発行の米国特許5,550,142、1997年2月18日発行の米国特許5,604,260、1997年12月16日発行の米国特許5,698,584、1998年1月20日発行の米国特許5,710,140、1994年7月12日公開のWO94/15932、1994年6月6日発行の米国特許5,344,991、1992年7月28日発行の米国特許5,134,142、1995年1月10日発行の米国特許5,380,738、1995年2月20日発行の米国特許5,393,790、1995年11月14日発行の米国特許5,466,823、1997年5月27日発行の米国特許5,633,272、および1999年8月3日発行の米国特許5,932,598に記載の化合物を含み、これに限定されない。本発明の方法において有用な代表的COX−2阻害剤は、3−フェニル−4−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−2−(5H)−フラノン;および5−クロロ−3−(4−メチルスルホニル)フェニル−2−(2−メチル−5−ピリジニル)ピリジンを含む。特異的COX−2阻害剤として記載され、それ故に、本発明と併用して有用な化合物は、引用により本明細書に包含させる下記の特許、継続出願および公報に見ることができる:1994年7月21日公開のWO94/15932、1994年6月6日発行の米国特許5,344,991、1992年7月28日発行の米国特許5,134,142、1995年1月10日発行の米国特許5,380,738、1995年2月20日発行の米国特許5,393,790、1995年11月14日発行の米国特許5,466,823、1997年5月27日発行の米国特許5,633,272、1999年8月3日発行の米国特許5,932,598、1995年12月12日発行の米国特許5,474,995、1999年1月19日発行の米国特許5,861,419、1999年12月14日発行の米国特許6,001,843、2000年2月1日発行の米国特許6,020,343、1995年4月25日発行の米国特許5,409,944、1995年7月25日発行の米国特許5,436,265、1996年7月16日発行の米国特許5,536,752、1996年8月27日発行の米国特許5,550,142、1997年2月18日発行の米国特許5,604,260、1997年12月16日発行の米国特許5,698,584および1998年1月20日発行の米国特許5,710,140。血管形成阻害剤の他の例は、エンドスタチン、ユーカリン(ukrain)、ランピルナーゼ、IM862、5−メトキシ4−[2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2,5]オクト−6−イル(クロロアセチル)カルバメート、アセチルジナナリン、5−アミノ−1−[[3,5−ジクロロ−4−(4−クロロベンゾイル)フェニル]メチル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド、CM101、スクアラミン、コンブレタスタチン、RPI4610、NX31838、硫酸化マンノペンタオースリン酸、7,7−(カルボニル−ビス[イミノ−N−メチル−4,2−ピロロカルボニルイミノ[N−メチル−4,2−ピロール]−カルボニルイミノ]−ビス−(1,3−ナフタレンジスルホネート)、および3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチレン]−2−インドリノン(SU5416)を含み、これに限定されない。
細胞サイクルチェックポイントを妨害する医薬は、細胞サイクルチェックポイントシグナルを伝達するタンパク質キナーゼを阻害し、それ故に、癌細胞をDNA傷害剤に感受性とする化合物である。このような医薬は、ATR、ATMの阻害剤、Chk1およびChk2キナーゼおよびcdkおよびcdcキナーゼ阻害剤を含み、特に7−ヒドロキシスタウロスポリン、フラボピリドール、CYC202(Cyclacel)およびBMS−387032により例示される。
細胞増殖および生存シグナリング経路の阻害剤は、細胞表面受容体およびそれらの表面受容体の下流のシグナル伝達カスケードを阻害する医薬である。このような医薬は、EGFRの阻害剤(例えばゲフィチニブおよびエルロチニブ)、ERB−2の阻害剤(例えばトラスツマブ)、IGFRの阻害剤、サイトカイン受容体の阻害剤、METの阻害剤、PI3Kの阻害剤(例えばLY294002)、セリン/スレオニンキナーゼ(WO02/083064、WO02/083139、WO02/083140およびWO02/083138に記載のようなAktの阻害剤を含み、これに限定されない)、Rafキナーゼの阻害剤(例えばBAY−43−9006)、MEKの阻害剤(例えばCI−1040およびPD−098059)およびmTORの阻害剤(例えばWyeth CCI−779)を含む。このような医薬は、小分子阻害剤化合物および抗体アンタゴニストを含む。
アポトーシス誘発剤は、TNF受容体ファミリーメンバー(TRAIL受容体を含む)のアクティベーターを含む。
現在好ましいある態様において、癌の処置のために小分子Rafキナーゼ阻害化合物fと組み合わせて有用な代表的医薬は、例えば、イリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、5−フルオロウラシル、ロイコボリンカルボプラチン、シスプラチン、タキサン類、テザシタビン、シクロホスファミド、ビンカアルカロイド、イマチニブ(Gleevec)、アントラサイクリン、リツキシマブ、トラスツマブ、ならびに他の癌化学療法剤を含む。
CHIR−265のようなRafキナーゼ阻害化合物と組み合わせて用いる上記化合物は、引用により本明細書に包含させるPhysicians' Desk Reference (PDR) 60th Edition (2006)に示される治療的用量で、または、当業者に既知の治療的に有用な量で使用する。
Rafキナーゼ阻害化合物および他の抗癌剤は、処置医の判断の範囲内で、推奨される最大臨床用量でまたは低用量で投与してよい。本発明の組成物における活性化化合物の投与レベルは、投与経路、疾患の重症度および患者の応答によって、所望の治療的応答を得るように変えてよい。本組合せは、別々の組成物でまたは両剤を含む単一投与形態で投与できる。組合せとして投与するとき、本治療剤は、同時にまたは異なる時間に投与する別々の組成物として製剤でき、またはこれらの治療剤を単一組成物として投与できる。
抗エストロゲン、例えばタモキシフェンは、細胞サイクル阻害剤p27Kipの作用を必要とする細胞サイクル停止の誘導を介して乳癌増殖を阻止する。最近、Ras−Raf−MAPキナーゼ経路の活性化が、p27Kipのリン酸化状態を、細胞サイクルを停止するその阻害活性を減弱させ、それにより抗エストロゲン耐性に関与するように変えることが示されている(Donovan et al., J. Biol. Chem. 276: 40888, 2001)。Donovan et al.により報告される通り、MEK阻害剤での処置を介したMAPKシグナリングの阻害は、ホルモン難治性乳癌細胞株におけるp27のリン酸化状態を変え、その際ホルモン感受性を回復させる。従って、一つの局面において、乳房および前立腺癌のようなホルモン依存性癌の処置において、Rafキナーゼ阻害化合物を、慣用の抗癌剤でこれらの癌で一般的に見られるようなホルモン抵抗性を逆転させるために使用してよい。
慢性骨髄性白血病(CML)のような血液学的癌において、染色体転座が構成的活性化BCR−AB1チロシンキナーゼを担う。罹患した患者は、Ab1キナーゼ活性阻害の結果、小分子チロシンキナーゼ阻害剤であるGleevecに応答性である。しかしながら、進行した疾患状態の多くの患者は、最初にGleevecに応答するが、その後、Ab1キナーゼドメインにおける耐性授与変異により再発する。インビトロ試験は、BCR−Av1がその効果を発揮するためにRafキナーゼ経路を用いることを証明している。加えて、同経路中の1種以上のキナーゼの阻害は、耐性授与変異に対するさらなる保護を提供する。従って、Rafキナーゼ阻害化合物を、慢性骨髄性白血病(CML)のような血液学的癌の処置において、Gleevecのような少なくとも1種の付加医薬と組み合わせて、少なくとも1種の付加医薬に対する抵抗性を逆転または防止するために使用してよい。
Rafキナーゼ阻害剤は、このような阻害剤を必要とする患者(例えば、異常MAPKシグナリングが梅雨会する癌に罹患しているもの)の処置に有用である。異常MAPKシグナリングが仲介する癌タイプは、例えば、黒色腫、乳頭癌、甲状腺癌、卵巣癌、結腸癌、膵臓癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、および急性骨髄性白血病を含む。異常MAPKシグナリングは、Ras、Raf、MEK、またはERKの野生型または変異形態を阻害する化合物の投与により阻害し得る。
本発明のこの局面に従う治療的化合物は、このような阻害剤を必要とする患者(例えば、異常チロシンキナーゼ受容体シグナリングが仲介する癌に罹患しているもの)の処置に有用である。異常チロシンキナーゼ受容体シグナリングが仲介する癌は、例えば、黒色腫、乳癌、膀胱癌、肺癌、甲状腺癌、前立腺癌、卵巣癌、肥満細胞白血病、生殖細胞腫瘍、小細胞肺癌腫、消化器間質腫瘍、急性骨髄性白血病(AML)、神経芽腫、および膵臓癌を含む。
スクリーニング
本発明はまた、候補薬剤を障害と関連する細胞株または組織と接触させ、次いでここに記載のバイオマーカーの遺伝子発現レベルを測定するために細胞培養または組織の一部を試験することによるような、細胞増殖性障害の処置に有用なまたはさらなる開発に進めるべき医薬の決定におけるガイドに有用な医薬を同定するための方法も含む。例えば、本方法は、候補医薬とA375M細胞またはA375M細胞惹起異種移植腫瘍由来の細胞を接触させることを含み得る。先に記載の通り、遺伝子発現レベルは、少なくとも1種のバイオマーカーのRNA転写の検出、少なくとも1種のバイオマーカーにより転写されたRNAの逆転写から産生されたDNAの検出、または少なくとも1種のバイオマーカーによりコードされるポリペプチドまたはタンパク質の検出を介して測定し得る。好ましくは本医薬はRafキナーゼ阻害剤である。本方法は、医薬の同定に有効なだけでなく、例えば候補薬剤がシグナリング経路の引き金をひくことによる、作用機序の解明にも有用である。先に記載の通り、本バイオマーカーは、GeneChipと操作可能に連結し、急速なスクリーニングのためにコンピューター可読形態で提示される。
実験例
実施例1
転写活性を、HG−U133−Plus−2GeneChipを使用して、A375M黒色腫癌細胞株からのマウス異種移植腫瘍由来細胞におけるメッセンジャーRNA(mRNA)の測定により評価した。
異種移植腫瘍を、各々6−8週齢の40匹のヌードマウスで、A375M黒色腫癌細胞株を使用して、2.5×10 A375M細胞を右脇腹に皮下インプラントすることにより増殖させた。腫瘍体積が約200mmに達したとき、マウスを各群に無作為化し、処置を開始した。A375M黒色腫癌細胞株はB−Raf変異駆動黒色腫細胞株である。
動物に100mg/kgのCHIR−265または媒体のみ(CHIR−265なし)を1日おきに経口投与した。処置期間は全28日間続けた。媒体処置およびCHIR−265処置マウス由来の腫瘍を、下記の時点で各時点あたり5匹の動物から採取した:8時間、24時間、192時間(4回目の投与の48時間後)、および336時間(7回目の投与の48時間後)。腫瘍をまた、未処置対照として使用するために試験の最初の日に5匹の未処置マウスから採取した。
腫瘍をRNAase処置作業領域に、RNAase処置道具で採取した。摘出したら、腫瘍を無RNAase 15mL falconチューブ中、約5mLのRNAlater(登録商標)に4時間、室温で入れ、次いで、一晩、4℃で冷蔵した。過剰なRNAlater(登録商標)を翌日デカントし、腫瘍を−80℃でRNAを単離するまで貯蔵した。
RNAを、製造者のプロトコールに従い行うAffymetrix GeneChip ArrayStationを使用したマイクロアレイプロファイリングのために調製した(http: //www.affymetrix.com/products/instruments/specific/arraystation.affx)。標的産物をAffymetrix U133-Plus-2全ゲノムマイクロアレイにハイブリダイズし、Affymetrix GeneChip Scanner 3000でスキャンした。生物情報学分析を生データで行い、結果を得た。製造者らの推奨する品質管理基準を、実験室プロセシングおよびデータ分析中に行い、高品質結果を確保した。一個のサンプルが品質管理基準に満たないことが決定され、14日目CHIR−265処理サンプルは4個となった。全ての他の時点は、5個の処置および5個の対照サンプルを有した。
A. 発現差異を、CHIR−265処置異種移植およびマッチする媒体のみ対照の間で決定した。平均発現レベルを各プローブセットで、複製腫瘍にわたるgeomean発現レベルを各時点および処置条件で決定した。この実験の目的で、プローブセットを、CHIR−265処置/媒体のみ対照の比が、少なくとも1つの時点で3倍上昇または低下しており、同時に少なくとも1つの時点で0.001未満のp値であるときに有意に異なると同定した。p値は、不等分散を仮定して両側t検定で決定した(Satterwaitheの近似)。プローブセットを、GenBankに対して、Affymetrixから供給された標的プローブ配列をブラスティングすることにより遺伝子に位置づけた。
マイクロアレイ上にプローブされた遺伝子の中で、490個が有意に異なると決定された。これらのバイオマーカーを表Iに列記する。
同定された遺伝子の全てを、個々に、または組み合わせて、Rafキナーゼ阻害剤に対するヒト腫瘍の応答の診断的または予後診断的決定に使用できる。この遺伝子のセットの中で、数個の興味深いサブセットを定義できる。
相対的に大きな差異を有する遺伝子が、特にバイオマーカー候補として有望である。表Iの490バイオマーカーのうち、表IIに示すその165個が、少なくとも1つの時点でベースラインを5倍以上超える変化倍率を有し、それ故、表Iは、本発明の一局面に従う好ましいサブセットである。表IIIに列挙された通り、490個のうち45個の遺伝子が、ベースラインを10倍以上超える変化倍率を有し、それ故、本発明の一局面に従うより好ましいサブセットである。表IVは、ベースラインを30倍以上超える変化倍率を有する、490個のうち4個の遺伝子を列記する;これらのバイオマーカーは、本発明の一局面に従う最も好ましいサブセットを表す。
産物が分泌性である遺伝子は、他の組織、特に末梢血液だけでなく、恐らく皮膚、唾液、尿および他の容易に利用できる組織で検出できる可能性がある。490遺伝子のうち、表Vに列記する77個は、分泌性であると同定され、それ故、とりわけ本発明の第二の局面に従う、ここで同定された有用なバイオマーカーのサブセットを表す。
遺伝子産物が分泌性であり、かつ相対的に大きな変化倍率を有する遺伝子は、該サンプルの対象からの採取が容易であり、検出結果が顕著である傾向にあるため、バイオマーカーとしてとりわけ良好な候補である。顕著な差異を有する490遺伝子のうち、17個が10倍以上の変化倍率を有し、かつ分泌性である。これらの17個の分泌性で有意な差異を有するバイオマーカーを表VIに示す。
表VIIは、実験中3回以上連続した時点でベースラインと比較して有意な変化を示す表Iの189個の遺伝子を列記する。
このリスト中の一つの遺伝子、HGF(遺伝子番号3082)は、それが乳癌患者の末梢血液で検出可能であり(SSheen-Chen, et.al. “Serum Levels of Hepatocyte Growth Factor in patients with Breast Cancer.” Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 14 (2005): 715-717)、そしてまた非小細胞肺癌との関連性が見られるため(Siegfried, et al., “The Clinical Significance of Hepatocyte Growth Factor for Non-Small Cell Lung Cancer,” Ann. Thorac. Surg., 66: 1915-8 (1998))、特に興味深い。
B. 本実験から得たデータを別の方法でまた解析した。マッチする媒体のみ対照と比較して、CHIR−265により最大の調節を示す遺伝子を同定するために、データ上で6個のリーを実施した。
6個のクエリーは以下の通りである:
(1)(平均1日目、8時間目CHIR−265処理サンプル)/(平均1日目8時間目媒体処理サンプル);
(2)(平均1日目24時間目CHIR−265処理サンプル)/(平均1日目24時間目媒体処理サンプル);
(3)(平均8日目CHIR−265処理サンプル)/(平均8日目媒体処理サンプル);
(4)(75thパーセンタイル14日目CHIR−265処理サンプル)/(75thパーセンタイル14日目媒体処理サンプル);
(5)(平均14日目CHIR−265処理サンプル)/(平均1日目8時間目CHIR−265処理サンプル);および
(6)(95thパーセンタイル全CHIR−265処理サンプル)/(95thパーセンタイル全媒体処理サンプル)。
最初に、6クエリーの少なくとも1個でp<0.005を有する全遺伝子を使用して、表VIIIを作製した。
続いて、各クエリーに関して、計2400遺伝子に関して、上位200(CHIR−265により上方制御される遺伝子)および下位200(CHIR−265により下方制御される遺伝子)プローブセットを同定した。
6クエリーから、609個のユニーク遺伝子で表される、783プローブセットを、以下の基準を使用して選択した:
(a)CHIR−265処理と媒体処理サンプル間の発現差異の十分な余白のための遺伝子毎試験、および
(b)全6クエリーに対するp値(スチューデントのt検定、両側、等分散)がp<0.005である全プローブセット。
それ故、別の分析法に従い、マイクロアレイ上にプローブした遺伝子の609個が、有意に異なるとして決定された。これらのバイオマーカーを表IXに列記し、表VIIIからのバイオマーカーの好ましいサブセットを示す。
先に記載の通り、同定された遺伝子の全てを、個々に、または組み合わせて、Rafキナーゼ阻害剤に対するヒト腫瘍の応答の診断的または予後診断的決定に使用できる。バイオマーカーの特定のパターンが、表が重複していなくてさえ、複数Rafキナーゼ阻害剤への暴露により生物学的サンプルにおいて発見し得る。
表IX内で、2個のサブセット、表XおよびXIが特に興味深い。表Xは、記載の実験プロトコールでバイオマーカーがCHIR−265により下方制御される表IXの一部を列記し、表XIは、記載の実験プロトコールでバイオマーカーがCHIR−265により上方制御される表IXの一部を列記する。本発明の一局面に従い、表Xに列記のバイオマーカーは、好ましくは下方制御方式で調節され、表XIに列記のバイオマーカーは、好ましくは上方制御方式で調節される。
表IおよびVに類似の方法で、表IXの他のとりわけ有用なおよびそれ故好ましいサブセットは、患者から得られる末梢血液、皮膚、唾液、尿、または他の容易に利用できる組織において容易に検出され得るため、遺伝子産物が分泌性であるバイオマーカーのセットである。表IXのバイオマーカーは、シグナル配列の存在および膜貫通型ドメインの不存在のために、分泌性であることが構造から一般に予測される。それ故、分泌性であるとして同定された表IXのバイオマーカーが列記されている表XIIは、本発明の他の局面に従う表IXのバイオマーカーの好ましい一部を示す。
表XII内で、表XIIIおよび表XIVにより示されるサブセットは特に興味深い。表XIIIは、記載の実験プロトコールでバイオマーカーがCHIR−265により下方制御される表XIIの一部を列記し、表XIVは、記載の実験プロトコールでバイオマーカーがCHIR−265により上方制御される表XIIの一部を列記する。本発明の一局面に従い、表XIIIに列記のバイオマーカーは、好ましくは下方制御方式で調節され、表XIに列記のバイオマーカーは、好ましくは上方制御方式で調節される。
表XVは、本発明の他の局面に従う表IXの好ましいサブセットである。表XVに列記したバイオマーカーは、遺伝子産物が細胞表面に位置する可能性のあるものである。細胞表面上にあることが構造的に予測されるバイオマーカーは、膜貫通型ドメインの存在および恐らくまたシグナル配列の存在により、一般に選択される。これらは、例えばこのようなバイオマーカーを示すタンパク質を有する腫瘍細胞が患者の血流を循環している状況において、表IXのバイオマーカーの他の有用なサブセットを示す。このようなバイオマーカーは、例えば、フローサイトメトリーを介して血液サンプルから容易に検出し得る。免疫組織化学およびウェスタンブロットもまたこのようなバイオマーカーの検出のために使用してよい。
表XVIおよびXVIIは、表XVのサブセットである。表XVIは、記載の実験プロトコールでバイオマーカーがCHIR−265により下方制御される表XVの一部を列記し、表XVIIは、記載の実験プロトコールでバイオマーカーがCHIR−265により上方制御される表XVの一部を列記する。本発明の一局面に従い、表XVIに列記のバイオマーカーは、好ましくは下方制御方式で調節され、表XVIIに列記のバイオマーカーは、好ましくは上方制御方式で調節される。
実施例2
有用なバイオマーカーを同定する他の手段として、他の分析を完了した。FDG−PETイメージングによるようなグルコース取り込みの測定は、以前に腫瘍増殖の抑制の有用なインディケーターであることが示されている。Jallal, B., Keystone Symposium, Jan 2006; J.Nucl.Med. 2006 Jun; 47(6): 1059-66。実験を実施例1に明示の通り設定した。
CHIR−265または他のRafキナーゼ阻害剤で処置した腫瘍における減少したグルコース取り込みの分子的な説明を提供するために、溶質輸送体ファミリーメンバー、アクアポリン、およびグルコース代謝に関与し(文献探索を介して同定)、その発現がCHIR−265により調節される(実施例1に列挙したクエリー(1)から(6)の少なくとも1個でp<0.0005)遺伝子を表す67個のプローブセットを同定した。
これらの67個の遺伝子を、CHIR−265により下方制御または上方制御されるものに分類し、各々表XVIIIまたはXIXに列記する。それ故、表XVIIIに列記のバイオマーカーは、Rafキナーゼ阻害剤に応答して好ましくは下方制御され、表XIXに列記のバイオマーカーは、Rafキナーゼ阻害剤に応答して好ましくは上方制御される。表XXは表XVIIIおよびXIXから取った最も好ましいバイオマーカーのリストである(下方制御または上方制御いずれか)。表XXは、グルコース輸送または代謝への関与が知られている19遺伝子を列記する。表XVIII、XIX、およびXXは、表VIIIのサブセットであり、本発明の他の局面に従うバイオマーカーの好ましいリストを示す。
実施例3
Raf/Mek濾過アッセイ
緩衝液
アッセイ緩衝液:50mM トリス、pH7.5、15mM MgCl、0.1mM EDTA、1mM DTT
洗浄緩衝液:25mM Hepes、pH7.4、50mM ピロリン酸ナトリウム、500mM NaCl
貯蔵試薬:30mM EDTA
材料
Raf、活性:Upstate Biotech #14-352
Mek、不活性:Upstate Biotech #14-205
33P−ATP:NEN Perkin Elmer #NEG 602 h
96ウェルアッセイプレート:Falcon U字型底ポリプロピレンプレート#35-1190
フィルター装置:Millipore #MAVM 096 OR
96ウェル濾過プレート:Millipore Immobilon 1 #MAIP NOB
シンチレーション液:Wallac OptiPhase “SuperMix” #1200-439
アッセイ状態s
Raf 約120pM
Mek 約60nM
33P−ATP 100nM
反応時間室温で45−60分間
アッセイプロトコール
RafおよびMekを、アッセイ緩衝液(50mM トリス、pH7.5、15mM MgCl2。0.1mM EDTAおよび1mM DTT)中2×最終濃度で合わせ、ポリプロピレンアッセイプレートFalcon U字型底ポリプロピレンプレート#35-1190)にウェルあたり15μlで分配した。バックグラウンドレベルを、Rafを含まないMekおよびDMSO含有ウェルで測定する。
Raf/Mek含有ウェルに、3μlの100%DMSO希釈した1×のrafキナーゼ阻害剤試験化合物を添加した。rafキナーゼ活性反応を、ウェルあたり12μlのアッセイ緩衝液に希釈した2.5×33P−ATPを添加することにより開始させた。45−60分間後、反応を70μlの停止試薬(30mM EDTA)の添加により停止させた。濾過プレートを、70%エタノールで5分間浸漬し、次いで濾過により洗浄緩衝液で濯いだ。次いで、反応ウェルからのサンプル(90μl)を濾過プレートに移した。濾過プレートを、Millipore濾過装置を使用して、6回洗浄緩衝液で洗浄した。プレートを乾燥させ、ウェルあたり100μlのシンチレーション液(Wallac OptiPhase “SurperMix” #1200-439)を添加した。次いで、CPMをWallac Microbeta 1450リーダーを使用して測定する。
特異的態様
本発明は、下記の特異的態様を含み、これに限定されない:
1. Rafキナーゼ阻害剤での処置のために患者を同定する方法であって:
該患者から得た生物学的サンプルにおける表Iまたは表VIIIから選択される少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の存在を測定し、
該少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の存在が検出されたならば、該患者を処置のために同定する
ことを含む方法。
2. 測定工程が、少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現レベルの測定およびベースラインに対する該測定遺伝子発現レベルの比較をさらに含む、1の方法。
3. ベースラインがRafキナーゼ阻害剤で処置を受けたことが知られていない類似の患者集団の遺伝子発現レベル情報から得られる、2の方法。
4. 遺伝子発現レベル情報が遺伝子データベースに集められている、3の方法。
5. ベースラインが参照標準の遺伝子発現レベルである、2の方法。
6. 参照標準を患者から得ていない、5の方法。
7. 生物学的サンプルを肺、膵臓、甲状腺、卵巣、膀胱、乳房、前立腺、肝臓、結腸、骨髄性組織、皮膚、または腫瘍組織から得る、1の方法。
8. 参照標準が、患者から得た生物学的サンプルと同じ組織型の参照サンプルである、5の方法。
9. 生物学的サンプルが細胞増殖性障害の証拠を示す領域由来である、1の方法。
10. バイオマーカーがベースラインに比して生物学的サンプルで過剰発現されている、2の方法。
11. バイオマーカーがベースラインに比して生物学的サンプルで過小発現されている、2の方法。
12. さらにRafキナーゼ阻害剤を患者に投与する工程を含む、1または2の方法。
13. 阻害剤を該患者から生物学的サンプルを得る前に投与する、12の方法。
14. 測定工程が、表IIからVIIのいずれかにより示される表Iのサブセットから選択された少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の測定をさらに含む、1または2の方法。
15. 測定工程が、表IXからXXのいずれかにより示される表VIIIのサブセットから選択された少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の測定をさらに含む、1または2の方法。
16. 測定工程が、表Iおよび/または表VIIIから選択された少なくとも2種のバイオマーカーの遺伝子発現の測定をさらに含む、1または2の方法。
17. 測定工程が、少なくとも1種のバイオマーカーによるRNA転写の検出を含む、1または2の方法。
18. 測定工程が、少なくとも1種のバイオマーカーにより転写されるRNAの逆転写により産生されたDNAの検出を含む、1または2の方法。
19. 測定工程が、少なくとも1種のバイオマーカーによりコードされるポリペプチドまたはタンパク質の検出を含む、1または2の方法。
20. 少なくとも1種のバイオマーカーがGeneChipに操作可能に連結している、1または2の方法。
21. 少なくとも1種のバイオマーカがコンピューター読み取り可能形式で示される、1または2の方法。
22. 測定工程が、生物学的サンプルと、表Iおよび/または表VIIIのバイオマーカーのいずれかを含むGeneChipを接触させることを含む、1または2の方法。
23. 阻害剤がCHIR−265;BAY 43−9006;ISIS−5132;CGP−69846A;ODN−698;ISIS−13650;LE−AON;LEraf−AON;LE−AON c−Raf;LE−5132;N−[3−[6−(3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラン−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]フェニル]アセトアミド;PLX−4720;PLX−3204;PLX−3331;PLX−4718;PLX−4735;PLX−4032;N−[5−[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド]−2−メチルフェニル]−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−カルボキサミド;およびN−[5−[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド]−2−メチルフェニル]−3−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−カルボキサミドから成る群から選択される、1の方法。
24. 阻害剤がCHIR−265である、23の方法。
25. バイオマーカーがHGFである、1の方法。
26. バイオマーカーがHGFではない、1の方法。
27. Rafキナーゼ阻害剤での処置に対する患者の応答をモニタリングする方法であって:
Rafキナーゼ阻害剤を投与されている患者から得た生物学的サンプルにおける表Iまたは表VIIIから選択された少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の存在を測定し、
少なくとも1種のバイオマーカの遺伝子発現の存在の検出に基づいて、患者の応答を評価する
工程を含む、方法。
28. 阻害剤が治療的有効量で投与されている、27の方法。
29. 一定量のRafキナーゼ阻害剤を患者に投与する工程をさらに含む、27の方法。
30. 阻害剤を該患者から生物学的サンプルを得る前に投与する、29の方法。
31. 阻害剤を評価工程の後に投与する、29の方法。
32. Rafキナーゼ阻害剤の投与に続いて患者から生物学的サンプルを得ることをさらに含む、27または30の方法。
33. 評価工程に基づき処置を変えることをさらに含む、27の方法。
34. 少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の存在の検出が、処置に対する有利な応答を示す、27の方法。
35. 測定工程が、少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現レベルの測定およびベースラインに対する該測定遺伝子発現レベルの比較をさらに含む、27の方法。
36. ベースラインがRafキナーゼ阻害剤で処置を受けたことが知られていない類似の患者集団の遺伝子発現レベル情報から得られる、35の方法。
37. ベースラインが参照標準の遺伝子発現レベルである、35の方法。
38. 参照標準を患者から得ていない、37の方法。
39. 生物学的サンプルを肺、膵臓、甲状腺、卵巣、膀胱、乳房、前立腺、肝臓、結腸、骨髄性組織、皮膚、または腫瘍組織から得る、27の方法。
40. 参照標準が、患者から得た生物学的サンプルと同じ組織型の参照サンプルである、37の方法。
41. 生物学的サンプルが細胞増殖性障害の証拠を示す領域由来である、27の方法。
42. バイオマーカーがベースラインに比して生物学的サンプルで過剰発現されている、35の方法。
43. バイオマーカーがベースラインに比して生物学的サンプルで過小発現されている、35の方法。
44. 評価工程後に患者に異なるRafキナーゼ阻害剤を投与することをさらに含む、31の方法。
45. さらに患者への同一または異なるRafキナーゼ阻害剤のその後の投与のために投与量を調節することを含む、28の方法。
46. 測定工程が、表IIからVIIのいずれかにより示される表Iのサブセットから選択された少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の存在の測定をさらに含む、27または35の方法。
47. 測定工程が、表IXからXXのいずれかにより示される表VIIIのサブセットから選択された少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の存在の測定をさらに含む、27または35の方法。
48. 測定工程が、表Iおよび/または表VIIIから選択された少なくとも2種のバイオマーカーの遺伝子発現の存在の測定をさらに含む、27または35の方法。
49. 2測定工程が、少なくとも1種のバイオマーカーによるRNA転写の検出を含む、7または35の方法。
50. 測定工程が、少なくとも1種のバイオマーカーにより転写されるRNAの逆転写により産生されたDNAの検出を含む、27または35の方法。
51. 測定工程が、少なくとも1種のバイオマーカーによりコードされるポリペプチドまたはタンパク質の検出を含む、27または35の方法。
52. 少なくとも1種のバイオマーカーがGeneChipに操作可能に連結している、27または35の方法。
53. 少なくとも1種のバイオマーカがコンピューター読み取り可能形式で示される、27または35の方法。
54. 測定工程が、生物学的サンプルと、表Iおよび/または表VIIIのバイオマーカーのいずれかを含むGeneChipを接触させることを含む、27または35の方法。
55. 阻害剤がCHIR−265;BAY 43−9006;ISIS−5132;CGP−69846A;ODN−698;ISIS−13650;LE−AON;LEraf−AON;LE−AON c−Raf;LE−5132;N−[3−[6−(3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラン−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]フェニル]アセトアミド;PLX−4720;PLX−3204;PLX−3331;PLX−4718;PLX−4735;PLX−4032;N−[5−[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド]−2−メチルフェニル]−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−カルボキサミド;およびN−[5−[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド]−2−メチルフェニル]−3−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−カルボキサミドから成る群から選択される27の方法。
56. 阻害剤がCHIR−265である、55の方法。
57. バイオマーカーがHGFである、27の方法。
58. バイオマーカーがHGFではない、27の方法。
59. 細胞増殖性障害を処置する方法であって
表Iまたは表VIIIから選択される少なくとも1種のバイオマーカーの第一セットの遺伝子発現が証明された患者を選択し、そして
患者に治療的有効量の、表Iまたは表VIIIから選択される少なくとも1種のバイオマーカーの第二セットのベースラインと比較して遺伝子発現のレベルを変える医薬を投与する
ことを含む、方法。
60. 第一セットおよび第二セットが少なくとも1種の同一バイオマーカーを含む、59の方法。
61. 第一セットおよび第二セットが同一バイオマーカーを含む、59の方法。
62. 第一セットおよび/または第二セットが、表IIからVIIのいずれかにより示される表Iのサブセットから選択される、59の方法。
63. 第一セットおよび/または第二セットが、表IXからXXのいずれかにより示される表VIIIのサブセットから選択される、59の方法。
64. 遺伝子発現の証明が、患者から得た第一生物学的サンプルにおける、第一セットから転写されたRNA、第一セットの転写によりRNAの逆転写から生じたDNA、または第一セットによりコードされるポリペプチドまたはタンパク質のいずれかの検出による遺伝子発現の存在の測定を含む、59の方法。
65. ベースラインと比較した遺伝子発現の変化を、患者から得た第二の生物学的サンプルにおいて、第二セットから転写されたRNA、第二セットの転写によりRNAの逆転写から生じたDNA、または第二セットによりコードされるポリペプチドまたはタンパク質のいずれかの定量により測定し、測定した遺伝子発現レベルをベースラインと比較することを含む、64の方法。
66. ベースラインがRafキナーゼ阻害剤で処置を受けたことが知られていない類似の患者集団の遺伝子発現レベル情報から得られる、65の方法。
67. ベースラインが参照標準の遺伝子発現レベルである、65の方法。
68. 参照標準を患者から得ていない、67の方法。
69. 生物学的サンプルを肺、膵臓、甲状腺、卵巣、膀胱、乳房、前立腺、肝臓、結腸、骨髄性組織、皮膚、または腫瘍組織から得る、64または65の方法。
70. 参照標準が、患者から得た第二の生物学的サンプルと同じ組織型の参照サンプルである、67の方法。
71. 第二の生物学的サンプルが細胞増殖性障害の証拠を示す領域からである、65の方法。
72. 細胞増殖性障害が新生物障害である、59の方法。
73. 新生物障害が、肺、膵臓、甲状腺、卵巣、膀胱、乳房、前立腺、肝臓、結腸、骨髄性組織、または皮膚のいずれかの癌である、72の方法。
74. 癌が黒色腫である、73の方法。
75. 黒色腫がV600E B−Raf変異を示す、75の方法。
76. 第一セットおよび/または第二セットが、少なくとも1個のGeneChipと操作可能に連結している、59の方法。
77. 阻害剤がCHIR−265;BAY 43−9006;ISIS−5132;CGP−69846A;ODN−698;ISIS−13650;LE−AON;LEraf−AON;LE−AON c−Raf;LE−5132;N−[3−[6−(3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラン−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]フェニル]アセトアミド;PLX−4720;PLX−3204;PLX−3331;PLX−4718;PLX−4735;PLX−4032;N−[5−[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド]−2−メチルフェニル]−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−カルボキサミド;およびN−[5−[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド]−2−メチルフェニル]−3−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−カルボキサミドから成る群から選択される、59の方法。
78. 阻害剤がCHIR−265である、77の方法。
79. 細胞増殖性障害の処置のための医薬を同定する方法であって:
本医薬と、該障害と関連する細胞株または組織を接触させ、そして
該細胞培養または組織の一部を、接触後に試験して、ベースラインに比して変化している表Iまたは表VIIIから選択された少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現レベルを測定することを含み、
ここで、少なくとも1種のバイオマーカーの発現レベルの変化の検出が、処置のための医薬の同定を示す、方法。
80. 医薬がRafキナーゼ阻害剤である、79の方法。
81. 少なくとも1種のバイオマーカーが、表IIからVIIのいずれかにより示される表Iのサブセットから選択される、79の方法。
82. 少なくとも1種のバイオマーカーが、表IXからXXのいずれかにより示される表VIIIのサブセットから選択される、79の方法。
83. ベースラインと比較した遺伝子発現の測定を、少なくとも1種のバイオマーカーにより転写されたRNA、少なくとも1種のバイオマーカーにより転写されたRNAの逆転写により生じたDNA、または少なくとも1種のバイオマーカーによりコードされるポリペプチドまたはタンパク質のいずれかの量の検出により測定する、79の方法。
84. ベースラインがRafキナーゼ阻害剤で処置を受けたことが知られていない類似の患者集団の遺伝子発現レベル情報から得られる、79の方法。
85. ベースラインが参照標準の遺伝子発現レベルである、79の方法。
86. 少なくとも1種のバイオマーカーがGeneChipに操作可能に連結している、79の方法。
87. 細胞増殖性障害の処置に有用なまたはさらなる開発に進めるべきRafキナーゼ阻害剤の決定におけるガイドとしてのRafキナーゼ阻害剤を同定する方法であって:
本医薬とA375M細胞またはA375M細胞惹起異種移植腫瘍からの細胞を接触させ、そして
接触させた細胞の一部を試験して、表Iまたは表VIIIから選択される少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現レベルを測定することを含み、
ここで、少なくとも1種のバイオマーカーのベースラインに比した発現レベルの変化の検出が、処置のための、または、さらなる開発に進めるべき化合物の好ましい決定のための同定を示す、方法。
88. 少なくとも1種のバイオマーカーが、表IIからVIIのいずれかにより示される表Iのサブセットから選択される、87の方法。
89. 少なくとも1種のバイオマーカーが、表IXからXXのいずれかにより示される表VIIIのサブセットから選択される、87の方法。
90. 遺伝子発現の測定が、少なくとも1種のバイオマーカーにより転写されたRNA、少なくとも1種のバイオマーカーにより転写されたRNAの逆転写により生じるDNA、または少なくとも1種のバイオマーカーによりコードされるポリペプチドまたはタンパク質の量の検出により測定する、87の方法。
91. 少なくとも1種のバイオマーカーがGeneChipに操作可能に連結している、87の方法。
92. 表Iおよび/または表VIIIのバイオマーカーを含む、Rafキナーゼ阻害剤に対する応答を指示するためのコンピューター読み取り可能形式で提示される、データセット。
93. 表IIからVIIのいずれかにより示される表Iのサブセットを含む、92のデータセット。
94. 表IXからXXのいずれかにより示される表VIIIのサブセットを含む、92のデータセット。
95. バイオマーカーがGeneChipに操作可能に連結している、93または94のデータセット。
ここに示す全ての参考文献は、ここに完全に明示されているかの如く、その全体を参照により包含させる。

Claims (30)

  1. Rafキナーゼ阻害剤での処置のために患者を同定する方法であって:
    該患者から得た生物学的サンプルにおける表Iまたは表VIIIから選択される少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の存在を検定し、
    該少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の存在が検出されたならば、該患者を処置のために同定する、方法。
  2. 検定工程が、少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現レベルの測定およびベースラインに対する該測定遺伝子発現レベルの比較をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 生物学的サンプルを肺、膵臓、甲状腺、卵巣、膀胱、乳房、前立腺、肝臓、結腸、骨髄性組織、皮膚、または腫瘍組織から得る、請求項1に記載の方法。
  4. 生物学的サンプルが細胞増殖性障害の証拠を示す領域由来である、請求項1に記載の方法。
  5. バイオマーカーがベースラインに比して生物学的サンプルで過剰発現されている、請求項2に記載の方法。
  6. バイオマーカーがベースラインに比して生物学的サンプルで過小発現されている、請求項2に記載の方法。
  7. 測定工程が、表IIからVIIのいずれかにより示される表Iのサブセットから選択された少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の測定をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  8. 検定工程が、表IXからXXのいずれかにより示される表VIIIのサブセットから選択された少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の検定をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  9. 検定工程が、表Iおよび/または表VIIIから選択された少なくとも2種のバイオマーカーの遺伝子発現の検定をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  10. 阻害剤がCHIR−265;BAY 43−9006;ISIS−5132;CGP−69846A;ODN−698;ISIS−13650;LE−AON;LEraf−AON;LE−AON c−Raf;LE−5132;N−[3−[6−(3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラン−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]フェニル]アセトアミド;PLX−4720;PLX−3204;PLX−3331;PLX−4718;PLX−4735;PLX−4032;N−[5−[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド]−2−メチルフェニル]−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−カルボキサミド;およびN−[5−[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド]−2−メチルフェニル]−3−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−カルボキサミドから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  11. Rafキナーゼ阻害剤での処置に対する患者の応答をモニタリングする方法であって:
    Rafキナーゼ阻害剤を投与されている患者から得た生物学的サンプルにおける表Iまたは表VIIIから選択された少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の存在を検定し、
    少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現の存在の検出に基づいて、患者の応答を評価する
    工程を含む、方法。
  12. 阻害剤が治療的有効量で投与されている、請求項11に記載の方法。
  13. 一定量のRafキナーゼ阻害剤を患者に投与する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  14. 阻害剤を該患者から生物学的サンプルを得る前に投与する、請求項13に記載の方法。
  15. 阻害剤を評価工程の後に投与する、請求項13に記載の方法。
  16. Rafキナーゼ阻害剤の投与に続いて患者から生物学的サンプルを得ることをさらに含む、請求項11または14に記載の方法。
  17. 検定工程が、少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現レベルの測定およびベースラインに対する該測定遺伝子発現レベルの比較をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  18. 評価工程後に患者に異なるRafキナーゼ阻害剤を投与することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  19. さらに患者への同一または異なるRafキナーゼ阻害剤のその後の投与のために投与量を調節することを含む、請求項12に記載の方法。
  20. 細胞増殖性障害を処置する方法であって
    表Iまたは表VIIIから選択される少なくとも1種のバイオマーカーの第一セットの遺伝子発現が証明された患者を選択し、そして
    患者に治療的有効量の、表Iまたは表VIIIから選択される少なくとも1種のバイオマーカーの第二セットのベースラインと比較して遺伝子発現のレベルを変える医薬を投与することを含む、方法。
  21. 第一セットおよび第二セットが少なくとも1種の同一バイオマーカーを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 第一セットおよび第二セットが同一バイオマーカーを含む、請求項20に記載の方法。
  23. 細胞増殖性障害が新生物障害である、請求項20に記載の方法。
  24. 新生物障害が肺、膵臓、甲状腺、卵巣、膀胱、乳房、前立腺、肝臓、結腸、骨髄性組織、または皮膚のいずれかの癌である、請求項23に記載の方法。
  25. 癌が黒色腫である、請求項24に記載の方法。
  26. 黒色腫がV600E B−Raf変異を示す、請求項25に記載の方法。
  27. 第一セットおよび/または第二セットが、少なくとも1個のGeneChipと操作可能に連結している、請求項20に記載の方法。
  28. 細胞増殖性障害の処置のための医薬を同定する方法であって:
    本医薬と、該障害と関連する細胞株または組織を接触させ、そして
    該細胞培養または組織の一部を、接触後に試験して、ベースラインに比して変化している表Iまたは表VIIIから選択された少なくとも1種のバイオマーカーの遺伝子発現レベルを測定することを含み、
    ここで、少なくとも1種のバイオマーカーの発現レベルの変化の検出が、該処置のための該医薬の同定を示す、方法。
  29. 該医薬がRafキナーゼ阻害剤である、請求項28に記載の方法。
  30. ベースラインと比較した遺伝子発現の測定を、少なくとも1種のバイオマーカーにより転写されたRNA、少なくとも1種のバイオマーカーにより転写されたRNAの逆転写により生じたDNA、または少なくとも1種のバイオマーカーによりコードされるポリペプチドまたはタンパク質のいずれかの量の検出により測定する、請求項28に記載の方法。
JP2009529376A 2006-09-19 2007-09-19 Raf阻害剤の標的調節、効果、診断、および/または予後診断のためのバイオマーカー Pending JP2010504530A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US84560106P 2006-09-19 2006-09-19
PCT/US2007/078946 WO2008082730A2 (en) 2006-09-19 2007-09-19 Biomarkers of target modulation, efficacy, diagnosis and/or prognosis for raf inhibitors

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013015294A Division JP2013128487A (ja) 2006-09-19 2013-01-30 Raf阻害剤の標的調節、効果、診断、および/または予後診断のためのバイオマーカー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010504530A true JP2010504530A (ja) 2010-02-12
JP2010504530A5 JP2010504530A5 (ja) 2010-10-28

Family

ID=39445772

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009529376A Pending JP2010504530A (ja) 2006-09-19 2007-09-19 Raf阻害剤の標的調節、効果、診断、および/または予後診断のためのバイオマーカー
JP2013015294A Withdrawn JP2013128487A (ja) 2006-09-19 2013-01-30 Raf阻害剤の標的調節、効果、診断、および/または予後診断のためのバイオマーカー

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013015294A Withdrawn JP2013128487A (ja) 2006-09-19 2013-01-30 Raf阻害剤の標的調節、効果、診断、および/または予後診断のためのバイオマーカー

Country Status (13)

Country Link
US (1) US20100004253A1 (ja)
EP (1) EP2074226A2 (ja)
JP (2) JP2010504530A (ja)
KR (1) KR20090071603A (ja)
CN (1) CN101541977A (ja)
AU (1) AU2007340265B2 (ja)
BR (1) BRPI0716944A2 (ja)
CA (1) CA2662508A1 (ja)
IL (1) IL197450A0 (ja)
MX (1) MX2009002936A (ja)
RU (1) RU2009114745A (ja)
SG (1) SG174826A1 (ja)
WO (1) WO2008082730A2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013537544A (ja) * 2010-08-17 2013-10-03 エフ・ホフマン−ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト 抗癌剤併用療法
JP2015502958A (ja) * 2011-12-09 2015-01-29 オンコメッド ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド がんの処置のための併用療法
JP2015536667A (ja) * 2012-12-03 2015-12-24 アルマック・ダイアグノスティクス・リミテッドAlmac Diagnostics Limited 癌のための分子診断検査
JP2016528914A (ja) * 2013-08-28 2016-09-23 クラウン バイオサイエンス インコーポレイテッド(タイカン) 対象のマルチキナーゼ阻害剤に対する応答性を予測する遺伝子発現シグネチャ、及びその使用
JP2017533727A (ja) * 2014-10-13 2017-11-16 セルジーン コーポレイション 固形腫瘍の治療方法及び免疫調節療法への臨床的感度の予測因子としてのバイオマーカーの使用
US10260097B2 (en) 2011-06-02 2019-04-16 Almac Diagnostics Limited Method of using a gene expression profile to determine cancer responsiveness to an anti-angiogenic agent
US10280468B2 (en) 2014-02-07 2019-05-07 Almac Diagnostics Limited Molecular diagnostic test for predicting response to anti-angiogenic drugs and prognosis of cancer
JP2019518426A (ja) * 2016-04-15 2019-07-04 ジェネンテック, インコーポレイテッド がんの診断及び治療方法
JP2019216716A (ja) * 2013-12-06 2019-12-26 セルジーン コーポレイション びまん性大細胞型b細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、及び骨髄癌の治療の薬効を決定するための方法

Families Citing this family (87)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10254601A1 (de) 2002-11-22 2004-06-03 Ganymed Pharmaceuticals Ag Differentiell in Tumoren exprimierte Genprodukte und deren Verwendung
DE102004024617A1 (de) 2004-05-18 2005-12-29 Ganymed Pharmaceuticals Ag Differentiell in Tumoren exprimierte Genprodukte und deren Verwendung
US7723477B2 (en) 2005-10-31 2010-05-25 Oncomed Pharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for inhibiting Wnt-dependent solid tumor cell growth
EP1790664A1 (en) 2005-11-24 2007-05-30 Ganymed Pharmaceuticals AG Monoclonal antibodies against claudin-18 for treatment of cancer
US8768629B2 (en) 2009-02-11 2014-07-01 Caris Mpi, Inc. Molecular profiling of tumors
WO2007137187A2 (en) 2006-05-18 2007-11-29 Molecular Profiling Institute, Inc. System and method for determining individualized medical intervention for a disease state
KR20110036056A (ko) * 2008-06-26 2011-04-06 다나-파버 캔서 인스티튜트 인크. 전이와 관련된 시그너처 및 결정인자 및 이의 사용 방법
US8583380B2 (en) 2008-09-05 2013-11-12 Aueon, Inc. Methods for stratifying and annotating cancer drug treatment options
SG190568A1 (en) 2008-09-26 2013-06-28 Oncomed Pharm Inc Frizzled-binding agents and uses thereof
GB2463401B (en) 2008-11-12 2014-01-29 Caris Life Sciences Luxembourg Holdings S A R L Characterizing prostate disorders by analysis of microvesicles
ES2627911T3 (es) * 2009-11-18 2017-08-01 Plexxikon, Inc. Derivados de N-[2-fluoro-3-(4-amino-7H-pirrolo[2,3-d]pirimidin-5-carbonil)-fenil]-4-bencenosulfonamida como moduladores de la proteína quinasa Raf para el tratamiento del cáncer
TWI535445B (zh) 2010-01-12 2016-06-01 安可美德藥物股份有限公司 Wnt拮抗劑及治療和篩選方法
CA2791905A1 (en) 2010-03-01 2011-09-09 Caris Life Sciences Luxembourg Holdings, S.A.R.L. Biomarkers for theranostics
AU2011237669B2 (en) 2010-04-06 2016-09-08 Caris Life Sciences Switzerland Holdings Gmbh Circulating biomarkers for disease
US20120045433A1 (en) * 2010-08-17 2012-02-23 Kapil Dhingra Combination therapy
US9309556B2 (en) 2010-09-24 2016-04-12 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Direct capture, amplification and sequencing of target DNA using immobilized primers
EP2444503B1 (en) * 2010-10-20 2016-03-02 Université Joseph Fourier Use of specific genes for the prognosis of lung cancer and the corresponding progonosis method
CA2815100A1 (en) * 2010-10-21 2012-04-26 Oncotherapy Science, Inc. C18orf54 peptides and vaccines including the same
US9295669B2 (en) 2010-12-14 2016-03-29 Hoffman La-Roche Inc. Combination therapy for proliferative disorders
WO2012166241A1 (en) * 2011-06-02 2012-12-06 Novartis Ag Biomarkers for hedgehog inhibitor therapy
WO2013006495A2 (en) * 2011-07-01 2013-01-10 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Methods of predicting prognosis in cancer
WO2013055911A1 (en) 2011-10-14 2013-04-18 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Znf365/zfp365 biomarker predictive of anti-cancer response
JP6192123B2 (ja) * 2012-01-09 2017-09-06 スージョウ マイクロダイアグ バイオメディスン カンパニー リミテッド 乳癌の予測および診断のためのバイオマーカー
US9428813B2 (en) 2012-03-26 2016-08-30 The United States Of America, As Represented By The Secretary, Dept. Of Health & Human Services DNA methylation analysis for the diagnosis, prognosis and treatment of adrenal neoplasms
WO2013167153A1 (en) 2012-05-09 2013-11-14 Ganymed Pharmaceuticals Ag Antibodies useful in cancer diagnosis
ES2743427T3 (es) 2012-08-17 2020-02-19 Hoffmann La Roche Politerapias para melanoma que comprenden administrar cobimetinib y vemurafinib
TWI601725B (zh) * 2012-08-27 2017-10-11 加拓科學公司 取代的氮雜吲哚化合物及其鹽、組合物和用途
CN105025878A (zh) * 2012-10-03 2015-11-04 外来体诊断公司 微泡在医学疾病和病况的诊断、预后和治疗中的用途
JP2016510411A (ja) 2013-02-04 2016-04-07 オンコメッド ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド Wnt経路インヒビターによる処置の方法およびモニタリング
BR112015026095A8 (pt) * 2013-04-15 2020-01-21 Regeneron Pharma método de utilizar biomarcadores responsivos ao tumor, método para seleção de pelo menos uma droga antitumoral, composição compreendendo uma droga antitumoral, combinação para controlar a dosagem de uma droga antitumoral, uso dos biomarcadores responsivos ao tumor
CN103941016B (zh) * 2013-05-07 2016-04-27 上海良润生物医药科技有限公司 半胱氨酸蛋白酶抑制剂sn与癌胚抗原的联合应用
US20160116480A1 (en) * 2013-05-13 2016-04-28 Institut Gustave Roussy Prognosis and predictive biomarkers and biological applications thereof
EP3074536B1 (en) * 2013-11-25 2019-06-19 Children's Hospital Medical Center Temporal pediatric sepsis biomarker risk model
KR20160097336A (ko) * 2013-12-12 2016-08-17 스템센트알엑스 인코포레이티드 신규 항-dpep3 항체 및 이의 사용 방법
JP2017503169A (ja) 2013-12-31 2017-01-26 イエダ・リサーチ・アンド・デベロツプメント・カンパニー・リミテツド オリゴヌクレオチド抗原を使用する全身性エリテマトーデスの診断
CN106460060B (zh) * 2014-04-04 2020-02-11 中美冠科生物技术(太仓)有限公司 Hnf4g-rspo2融合基因及其在癌症治疗中的用途
GB201408100D0 (en) * 2014-05-07 2014-06-18 Sec Dep For Health The Detection method
WO2016011065A1 (en) * 2014-07-15 2016-01-21 Salk Institute For Biolofical Studies Detecting dixdc1 (dix domain-containing protein 1) expression to determine if a tumor will respond to fak and src kinase inhibitors
CN104502603B (zh) * 2014-12-03 2016-04-06 上海交通大学医学院附属上海儿童医学中心 Myo1d作为诊断动脉导管闭合或开放的标志物
CN105986023B (zh) * 2015-02-17 2021-01-05 上海交通大学医学院附属上海儿童医学中心 急性淋巴细胞白血病耐药复发相关突变基因及其应用
WO2016131420A1 (zh) 2015-02-17 2016-08-25 上海交通大学医学院附属上海儿童医学中心 急性淋巴细胞白血病耐药复发相关突变基因及其应用
CN107533058A (zh) 2015-03-01 2018-01-02 免疫阵列有限公司 使用蛋白、肽和寡核苷酸抗原诊断系统性红斑狼疮
CN105063183A (zh) * 2015-07-22 2015-11-18 浙江理工大学 泛素化途径相关基因在作为用于预测乳腺癌新辅助化疗疗效的生物标记物的应用
WO2017025954A1 (en) * 2015-08-09 2017-02-16 Immunarray Ltd Methods for determining the risk of a systemic lupus erythematosus (sle) patient to develop neuropsychiatric syndromes
US20180231561A1 (en) * 2015-08-12 2018-08-16 Celgene Corporation Methods for treating solid tumors and the use of biomarkers as a predictor of clinical sensitivity to immunomodulatory therapies
CN105126080A (zh) * 2015-09-29 2015-12-09 武汉大学 锌指蛋白436(znf436)在治疗心肌肥厚中的应用
CN105671158B (zh) * 2016-02-29 2019-01-18 北京泱深生物信息技术有限公司 Fam63b基因在制备诊治子宫肌瘤的产品中的用途
CN105695617A (zh) * 2016-04-22 2016-06-22 王冬国 乳头状癌的肿瘤标志物及其应用
MA45496A (fr) * 2016-06-17 2019-04-24 Hoffmann La Roche Molécules d'acide nucléique pour la réduction de l'arnm de padd5 ou pad7 pour le traitement d'une infection par l'hépatite b
US10519113B2 (en) * 2016-08-17 2019-12-31 Icahn School Of Medicine At Mount Sinai Kinase inhibitor compounds, compositions, and methods of treating cancer
CN108300783A (zh) * 2017-01-11 2018-07-20 上海易毕恩基因科技有限公司 用于筛选肠癌和/或胃癌的基因标志物的方法、用该方法筛选的基因标志物及其用途
NZ755835A (en) 2017-01-17 2023-12-22 Heparegenix Gmbh Protein kinase inhibitors for promoting liver regeneration or reducing or preventing hepatocyte death
RU2019132208A (ru) * 2017-03-15 2021-04-15 Эйсай Ар Энд Ди Менеджмент Ко., Лтд. Мутации сплайсингосомы и их применения
CN109081866B (zh) * 2017-06-13 2021-07-16 北京大学 癌症中的t细胞亚群及其特征基因
CN111511914B (zh) 2017-10-16 2023-11-17 豪夫迈·罗氏有限公司 减少PAPD5和PAPD7 mRNA的核酸分子用于治疗乙型肝炎感染
CN109825508A (zh) * 2017-11-23 2019-05-31 深圳市第三人民医院 一种用来评估艾滋病合并结核感染的生物标记物
CN109870576B (zh) * 2017-12-05 2021-08-10 中国科学院大连化学物理研究所 Usp10蛋白的定量检测在原发性肝癌预后判断试剂盒中的应用
EP3796935A4 (en) * 2018-05-23 2022-03-16 The Jackson Laboratory ANTI-NGLY-1 ANTIBODIES AND METHODS OF USE
CN108753834B (zh) * 2018-05-28 2021-11-23 上海海洋大学 ddx27基因缺失斑马鱼突变体的制备方法
CN108707628B (zh) * 2018-05-28 2021-11-23 上海海洋大学 斑马鱼notch2基因突变体的制备方法
CN108676867B (zh) * 2018-06-06 2020-06-09 青岛泱深生物医药有限公司 诊治子痫前期的vwce基因及其应用
CN108624678B (zh) * 2018-06-26 2020-07-17 青岛泱深生物医药有限公司 一种用于子痫前期诊治的生物标志物
CN108841960B (zh) * 2018-07-12 2022-02-01 吉林大学 一种结肠腺癌易感性预测试剂盒及系统
CN109468320A (zh) * 2018-11-13 2019-03-15 复旦大学附属中山医院 一种环状rna及其在肝癌诊断中的应用
CN111467493A (zh) * 2019-01-23 2020-07-31 首都师范大学 人rev3l蛋白切割抑制剂及其应用
CN111896740A (zh) * 2019-05-06 2020-11-06 山东大学 诊断或预测生育缺陷的方法和试剂盒
EP4039801A4 (en) * 2019-08-16 2023-10-18 Center For Excellence In Brain Science And Intelligence Technology, Chinese Academy Of Sciences USE OF PTBP1 INHIBITORS TO PREVENT AND/OR TREAT NERVOUS SYSTEM DISEASES ASSOCIATED WITH FUNCTIONAL NEURONAL DEATH
CN110551819B (zh) * 2019-08-23 2023-05-16 伯克利南京医学研究有限责任公司 一组卵巢癌预后相关基因的应用
CN110408706B (zh) * 2019-08-30 2023-04-11 中山大学肿瘤防治中心(中山大学附属肿瘤医院、中山大学肿瘤研究所) 一种评估鼻咽癌复发的生物标志物及其应用
CN110643571B (zh) * 2019-10-22 2021-07-27 康妍葆(北京)干细胞科技有限公司 人角蛋白6a在干细胞培养中的应用及产品
CN110819714B (zh) * 2019-11-22 2023-01-10 南方医科大学深圳医院 一种抑癌基因及其应用
US20220317127A1 (en) * 2019-11-27 2022-10-06 Ascentage Pharma (Suzhou) Co., Ltd. Method and compositions for predicting anti-cancer efficacy of compounds targeting apoptosis pathway
CN111781358A (zh) * 2020-07-13 2020-10-16 张瑜 Xab2蛋白作为卵巢癌预后和/或预测铂类耐药标志物
CN113943798B (zh) * 2020-07-16 2023-10-27 中国农业大学 一种circ RNA作为肝细胞癌诊断标志物及治疗靶点的应用
CN112691195B (zh) * 2021-02-02 2023-03-14 黑龙江省科学院高技术研究院 Prpf8表达抑制剂在制备治疗肺癌的药物中的应用
CN112816708B (zh) * 2021-02-02 2022-05-31 中南大学湘雅二医院 一种预测食管鳞癌患者对化疗药物敏感性的蛋白指标及应用
CN112816711B (zh) * 2021-03-17 2024-04-19 中国医科大学附属盛京医院 用于神经管畸形、先天性心脏病和唇腭裂胎儿产前无创诊断的分子标志物及其应用
CN113373220A (zh) * 2021-05-08 2021-09-10 首都医科大学 与非小细胞肺癌预后相关的标志分子
CN113416739B (zh) * 2021-06-24 2022-04-19 黑龙江八一农垦大学 鲁氏酵母菌基因在提高微生物产hdmf的产量中的应用
CN113667749A (zh) * 2021-08-03 2021-11-19 广东省人民医院 四个关键基因组合评估乳腺癌风险的诊断试剂盒
CN113866424A (zh) * 2021-09-14 2021-12-31 哈尔滨医科大学 碳酸酐酶1和酸性鞘磷脂酶样磷酸二酯酶3a作为分子标志物在结直肠癌诊断中的应用
CN113897437A (zh) * 2021-11-30 2022-01-07 深圳市人民医院 检测样本中标志物表达水平的试剂在制备用于诊断乳腺癌的试剂盒中的应用
CN114592059A (zh) * 2022-01-11 2022-06-07 南方医科大学南方医院 一种评估5-fu治疗敏感性/耐药性的试剂盒
WO2023174381A1 (zh) * 2022-03-16 2023-09-21 南京施江医药科技有限公司 一种含氮杂环类化合物及其用途
CN114672551B (zh) * 2022-05-17 2023-03-31 中国医科大学附属第一医院 Mat2a和mat2b作为检测或治疗良性前列腺增生的药物靶点的应用
CN115948529A (zh) * 2022-08-01 2023-04-11 湖南家辉生物技术有限公司 一种Cornelia de Lange综合征1型的致病基因、引物对及其应用
CN115948537B (zh) * 2022-12-19 2024-04-09 湖南家辉生物技术有限公司 一种基因chst3复合杂合突变的应用及检测试剂和应用

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030119769A1 (en) * 1994-05-31 2003-06-26 Monia Brett P Antisense oligonucleotide modulation of raf gene expression
US20040018570A1 (en) * 1999-09-01 2004-01-29 Brown University Kinase inhibitors and methods of use in screening assays and modulation of cell proliferation and growth
WO2004087941A1 (en) * 2002-02-15 2004-10-14 The General Hospital Corporation Map-kinase inhibitors as regulators of tumor-associated antigen expression
JP2006518031A (ja) * 2002-09-30 2006-08-03 バイエル・フアーマシユーチカルズ・コーポレーシヨン ガンの予測および予後、ならびにガン治療を監視するための方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5604260A (en) * 1992-12-11 1997-02-18 Merck Frosst Canada Inc. 5-methanesulfonamido-1-indanones as an inhibitor of cyclooxygenase-2
US6358932B1 (en) * 1994-05-31 2002-03-19 Isis Pharmaceticals, Inc. Antisense oligonucleotide inhibition of raf gene expression
US6391636B1 (en) * 1994-05-31 2002-05-21 Isis Pharmaceuticals, Inc. Antisense oligonucleotide modulation of raf gene expression
AU728701B2 (en) * 1996-05-23 2001-01-18 Applied Research Systems Ars Holding N.V. Compounds that inhibit the binding of Raf-1 or 14-3-3 proteins to the beta chain of IL-2 receptor, and pharmaceutical compositions containing same
AR012634A1 (es) * 1997-05-02 2000-11-08 Sugen Inc Compuesto basado en quinazolina, composicion famaceutica que lo comprende, metodo para sintetizarlo, su uso, metodos de modulacion de la funcion deserina/treonina proteinaquinasa con dicho compuesto y metodo in vitro para identificar compuestos que modulan dicha funcion
US6187799B1 (en) * 1997-05-23 2001-02-13 Onyx Pharmaceuticals Inhibition of raf kinase activity using aryl ureas
GB9716557D0 (en) * 1997-08-06 1997-10-08 Glaxo Group Ltd Benzylidene-1,3-dihydro-indol-2-one derivatives having anti-cancer activity
US7351834B1 (en) * 1999-01-13 2008-04-01 Bayer Pharmaceuticals Corporation ω-Carboxyaryl substituted diphenyl ureas as raf kinase inhibitors
US6610484B1 (en) * 1999-01-26 2003-08-26 Cytyc Health Corporation Identifying material from a breast duct
US20040224302A1 (en) * 2002-07-16 2004-11-11 Thomas Jessel Systems and methods for screening for modulators of neural differentiation
US8053183B2 (en) * 2005-07-27 2011-11-08 Oncotherapy Science, Inc. Method of diagnosing esophageal cancer
PE20070335A1 (es) * 2005-08-30 2007-04-21 Novartis Ag Benzimidazoles sustituidos y metodos para su preparacion

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030119769A1 (en) * 1994-05-31 2003-06-26 Monia Brett P Antisense oligonucleotide modulation of raf gene expression
US20040018570A1 (en) * 1999-09-01 2004-01-29 Brown University Kinase inhibitors and methods of use in screening assays and modulation of cell proliferation and growth
WO2004087941A1 (en) * 2002-02-15 2004-10-14 The General Hospital Corporation Map-kinase inhibitors as regulators of tumor-associated antigen expression
JP2006518031A (ja) * 2002-09-30 2006-08-03 バイエル・フアーマシユーチカルズ・コーポレーシヨン ガンの予測および予後、ならびにガン治療を監視するための方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013537544A (ja) * 2010-08-17 2013-10-03 エフ・ホフマン−ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト 抗癌剤併用療法
US10260097B2 (en) 2011-06-02 2019-04-16 Almac Diagnostics Limited Method of using a gene expression profile to determine cancer responsiveness to an anti-angiogenic agent
JP2015502958A (ja) * 2011-12-09 2015-01-29 オンコメッド ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド がんの処置のための併用療法
JP2015536667A (ja) * 2012-12-03 2015-12-24 アルマック・ダイアグノスティクス・リミテッドAlmac Diagnostics Limited 癌のための分子診断検査
US11091809B2 (en) 2012-12-03 2021-08-17 Almac Diagnostic Services Limited Molecular diagnostic test for cancer
JP2016528914A (ja) * 2013-08-28 2016-09-23 クラウン バイオサイエンス インコーポレイテッド(タイカン) 対象のマルチキナーゼ阻害剤に対する応答性を予測する遺伝子発現シグネチャ、及びその使用
US11136625B2 (en) 2013-08-28 2021-10-05 Crown Bioscience, Inc. (Taicang) Gene expression signatures predictive of subject response to a multi-kinase inhibitor and methods of using the same
JP2019216716A (ja) * 2013-12-06 2019-12-26 セルジーン コーポレイション びまん性大細胞型b細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、及び骨髄癌の治療の薬効を決定するための方法
JP7142612B2 (ja) 2013-12-06 2022-09-27 セルジーン コーポレイション びまん性大細胞型b細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、及び骨髄癌の治療の薬効を決定するための方法
US10280468B2 (en) 2014-02-07 2019-05-07 Almac Diagnostics Limited Molecular diagnostic test for predicting response to anti-angiogenic drugs and prognosis of cancer
JP2017533727A (ja) * 2014-10-13 2017-11-16 セルジーン コーポレイション 固形腫瘍の治療方法及び免疫調節療法への臨床的感度の予測因子としてのバイオマーカーの使用
JP2019518426A (ja) * 2016-04-15 2019-07-04 ジェネンテック, インコーポレイテッド がんの診断及び治療方法

Also Published As

Publication number Publication date
BRPI0716944A2 (pt) 2013-09-17
EP2074226A2 (en) 2009-07-01
RU2009114745A (ru) 2010-10-27
IL197450A0 (en) 2009-12-24
SG174826A1 (en) 2011-10-28
CA2662508A1 (en) 2008-07-10
WO2008082730A3 (en) 2009-01-08
WO2008082730A2 (en) 2008-07-10
KR20090071603A (ko) 2009-07-01
CN101541977A (zh) 2009-09-23
AU2007340265A1 (en) 2008-07-10
JP2013128487A (ja) 2013-07-04
MX2009002936A (es) 2009-04-01
AU2007340265B2 (en) 2012-07-26
US20100004253A1 (en) 2010-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2013128487A (ja) Raf阻害剤の標的調節、効果、診断、および/または予後診断のためのバイオマーカー
Corless et al. Molecular pathobiology of gastrointestinal stromal sarcomas
JP6290237B2 (ja) 癌を処置するための組成物および方法
Prabhu et al. Dopamine receptor D5 is a modulator of tumor response to dopamine receptor D2 antagonism
Ryu et al. Expression of indoleamine 2, 3-dioxygenase and infiltration of FOXP3+ regulatory T cells are associated with aggressive features of papillary thyroid microcarcinoma
Waller Imatinib mesylate
US11377696B2 (en) PBRM1 biomarkers predictive of anti-immune checkpoint response
KR20150008926A (ko) 암 세포를 표피 성장 인자 억제제에 대해 감작화시키는 히스톤 데아세틸라제 억제제
JP2011521618A (ja) Parp仲介疾患を診断および治療する方法
Waller Imatinib mesylate
EP1960547A2 (en) Effects of inhibitors of fgfr3 on gene transcription
CA3166386A1 (en) Treatment of cancer with cdk12/13 inhibitors
AU2014229424B2 (en) Markers associated with Wnt inhibitors
Li et al. Influences of ABC transporter and CYP3A4/5 genetic polymorphisms on the pharmacokinetics of lenvatinib in Chinese healthy subjects
Ibrahim et al. Clinical development of FGFR3 inhibitors for the treatment of urothelial cancer
CN103930114A (zh) 给药和治疗方法
Schwentner et al. Identification of the rare EGFR mutation p. G796S as somatic and germline mutation in white patients with squamous cell carcinoma of the head and neck
Abu Zaid et al. A phase II study of buparlisib in relapsed or refractory thymomas
TW202134239A (zh) 用於預測靶向細胞凋亡途徑的化合物的抗癌功效的方法和組合物
US20210371935A1 (en) Identification of pde3 modulator responsive cancers
JP2017517520A (ja) Wee1阻害剤を用いた癌を処置する方法
TW202108575A (zh) 用於預測bcl-2/bcl-xl抑制劑對癌症的功效的方法和組合物
WO2007022041A2 (en) Mutations and polymorphisms of hdac3
Wasko et al. Tumor-selective activity of RAS-GTP inhibition in pancreatic cancer
Suspitsin et al. Evidence for angiogenesis-independent contribution of VEGFR1 (FLT1) in gastric cancer recurrence

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100909

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121002

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20121227

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130130

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131029