JP2010281583A - 検査用治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 2箇所の弾性部を備えるプローブのそれらの弾性部を互いに独立して機能させる。
【解決手段】 被検査物の対象部の電気的特性を検査するための検査装置用の検査用治具が、検査装置に電気的に接続するための電極部と、筒状部材から構成されたプローブと、プローブの先端部を所定の位置に案内するヘッド部と、プローブの中間部を保持する保持部と、プローブの後端部を電極部へ案内するベース部とを備える。プローブは、対象部の検査点に接触する先端部と、電極部と電気的に接続される後端部と、先端部と後端部との間にある中間部とを備え、さらに、先端部と前記中間部との間と、中間部と後端部との間とに、それぞれ、伸縮部を備え、2つの伸縮部、先端部、中間部及び後端部が、筒状部材から一体的に形成されている。
【選択図】 図5
【解決手段】 被検査物の対象部の電気的特性を検査するための検査装置用の検査用治具が、検査装置に電気的に接続するための電極部と、筒状部材から構成されたプローブと、プローブの先端部を所定の位置に案内するヘッド部と、プローブの中間部を保持する保持部と、プローブの後端部を電極部へ案内するベース部とを備える。プローブは、対象部の検査点に接触する先端部と、電極部と電気的に接続される後端部と、先端部と後端部との間にある中間部とを備え、さらに、先端部と前記中間部との間と、中間部と後端部との間とに、それぞれ、伸縮部を備え、2つの伸縮部、先端部、中間部及び後端部が、筒状部材から一体的に形成されている。
【選択図】 図5
Description
本発明は、被検査物の検査対象部上に予め設定される検査点とこの検査を実施する検査装置とを電気的に接続する検査用治具に関する。
本発明の検査用治具とは、被検査物が有する検査対象部に、検査装置から電力或いは電気信号を所定検査位置に供給するとともに、検査対象部から電気信号を検出することによって、検査対象部の電気的特性を検出したり、動作試験を行ったりすることを可能にする。
このような被検査物とは、例えば、プリント配線基板、フレキシブル基板、セラミック多層配線基板、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用の電極板、及び半導体パッケージ用のパッケージ基板やフィルムキャリアなど種々の基板や、半導体ウェハや半導体チップやCSP(Chip size package)などの半導体装置を例示することができる。
本明細書では、これらの上記の被検査物を総称して「被検査物」とし、被検査物に形成される検査対象部を「対象部」と称する。
従来、被検査物の一実施形態である回路基板には、複数の配線が形成されている。この配線は、回路基板上に搭載される電気・電子部品が所望の機能を有するように、電力を供給したり、電気信号を流したりするために形成されている。このため、配線の不良は、回路基板の動作不良につながることが知られている。
このような問題を解決するために、回路基板や半導体装置などの被検査物に形成される配線や電極のような対象部の良否を判定する検査装置の発明が多数提案されている。
このような検査装置は、例えば、被検査物となる基板上に形成される配線の良否を判断するために、配線上に予め設定される複数の検査点と、夫々に接続される複数のプローブ(接触子)を備える検査用治具を用いて検査が実施される。
この検査用治具では、接触子の一端が配線上の検査点に圧接され、その他端が検査装置と電気的に接続される電極部に圧接される。そして、この検査用治具を介して、検査装置から対象部の配線の電気的特性を測定するための電流や電圧を供給するとともに、その配線からの電気的信号を検査装置へ送信することになる。
近年、技術の進歩により、半導体装置が小さくなったり、基板が小さくなったりすることにともない、基板上の配線もより微細に且つ複雑に形成されるようになっている。このような基板の配線の微細化及び複雑化が進むにつれて、検査用治具が備える接触子も接触子自体の細線化、接触子間の狭ピッチ化や多ピン化や簡素化が求められている。
本発明は、2箇所の弾性部を備えるプローブの使用に適した検査用治具を提供することを目的とする。
本発明は、2箇所の弾性部を備えるプローブのそれらの弾性部を互いに独立して機能させることのできる検査用治具を提供することを目的とする。
本発明は、プローブの先端部側の弾性部から被検査物の検査点に加わる力の大きさと、プローブの後端部側の弾性部から電極部に加わる力の大きさとを別々に設定可能な検査用治具を提供することを目的とする。
本発明は、プローブの先端部から被検査物の検査点に加わる力又はプローブの後端部から電極部に加わる力の一方の変動が他の力の大きさに影響を及ぼすことのない検査用治具を提供することを目的とする。
本発明は、2箇所の弾性部を備える比較的柔軟なプローブを湾曲させた状態で保持可能な検査用治具を提供することを目的とする。
本発明は、電極部に対しプローブの後端部から一定の予圧を与えることができる検査用治具を提供することを目的とする。
本発明は、硬い検査対象又は柔らかい検査対象にも対応可能なプローブを備える検査用治具を提供することを目的とする。
そこで、本発明に係る、被検査物の対象部の電気的特性を検査するための検査装置用の検査用治具は、検査装置に電気的に接続するための電極部と、筒状部材から構成されたプローブであって、対象部の検査点に接触する先端部と、電極部と電気的に接続される後端部と、先端部と後端部との間にある中間部とを備え、さらに、先端部と中間部との間と、中間部と後端部との間とに、それぞれ、伸縮部を備え、2つの伸縮部、先端部、中間部及び後端部が、筒状部材から一体的に形成されたプローブと、プローブの先端部を所定の位置に案内するヘッド部と、プローブの中間部を保持する保持部と、プローブの後端部を電極部へ案内するベース部とを備えることを特徴とする。
その検査用治具において、プローブの伸縮部は、筒状部材の一部から螺旋形状部分を取り除くことによって形成するようにしてもよい。
その検査用治具において、保持部は、平行に配置された3つのプレートから構成されており、各プレートにプローブの中間部が挿通される貫通孔が形成されていて、1のプレートが他の2のプレートに対し面方向に変位して貫通孔を整列位置からずらすことにより、プローブの中間部が、3つのプレートによって挟持されるようにしてもよい。
その検査用治具において、3つのプレートを所定の間隔をおいて離隔するようにしてもよい。
その検査用治具において、筒状部材としてニッケル合金のチューブを用いてもよい。
その検査用治具において、プローブの先端部の端面は、平坦又は先鋭形状の複数の突出部から形成されてもよい。
その検査用治具において、プローブの先端部及び後端部の各々に、円柱部材が挿入されて固定されているようにしてもよい。
その検査用治具において、各円柱部材から突出する芯材部が各伸縮部に挿入されるようにしてもよい。
その検査用治具において、円柱部材の先端部が、平坦若しくは半球形状に形成され、または、平坦面を持つ拡大部を備えるように形成してもよい。
また、本発明に係る検査用治具を搭載する検査装置は、検査用治具を移動させるための検査用治具移動部と、被検査物を保持する被検査物保持部と、検査用治具移動部及び被検査物保持部の動きを制御するとともに、検査用治具のプローブに検査用の電流を供給して対象部の電気的特性を測定するための制御装置とを備えることを特徴とする。
本発明によると、2箇所の弾性部を備えるプローブのそれらの弾性部を互いに独立して機能させることができる。
本発明によると、プローブの先端部側の弾性部から被検査物の検査点に加わる力の大きさと、プローブの後端部側の弾性部から電極部に加わる力の大きさとを別々に設定することができる。
本発明によると、被検査物の検査点からプローブの先端部側の弾性部に加わる力又は電極部からプローブの後端部側の弾性部に加わる力の一方の変動が他方の力の大きさに変動を生じさせることがない。
本発明によると、比較的柔軟なプローブを湾曲させた状態で保持することができる。
本発明によると、電極部に対しプローブの後端部から一定の予圧を与えることができる。
本発明によると、硬い検査対象又は柔らかい検査対象にも対応することができ、検査対象が限定されない。
以下に、添付図面に基づいて、望ましい実施形態に係る検査用のプローブが取り付けられた検査用治具について説明を行う。
なお、各添付図において、各部材の厚さ、長さ、形状、部材同士の間隔等は、理解の容易のために、拡大・縮小・変形・簡略化等を行っている。
[検査用治具の概略の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る検査用治具10の概略の構成を示す一部断面正面図である。検査用治具10は、ヘッド部12、保持部14、ベース部16及び電極部18を備える。ヘッド部12、保持部14及びベース部16の各々は、複数の樹脂あるいはセラミックス等の絶縁性の板状部材からなる。ヘッド部12、保持部14及びベース部16は、棒状の支持部材11及びその周囲に環装されたスペーサ11sによって保持されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る検査用治具10の概略の構成を示す一部断面正面図である。検査用治具10は、ヘッド部12、保持部14、ベース部16及び電極部18を備える。ヘッド部12、保持部14及びベース部16の各々は、複数の樹脂あるいはセラミックス等の絶縁性の板状部材からなる。ヘッド部12、保持部14及びベース部16は、棒状の支持部材11及びその周囲に環装されたスペーサ11sによって保持されている。
ヘッド部12及びベース部16は、それぞれ、2枚のプレートから構成されている。枚数及び板厚はこれに限定されない。ヘッド部12の各プレートには複数の貫通孔12hが形成されていて、それに挿入されたプローブ22の先端部22fを所定の位置に案内する。ベース部16の各プレートには複数の貫通孔16hが形成されていて、それに挿入されたプローブ22の後端部22rを電極部18へ案内する。
プローブ22の後端部22rは、電極部18に固定されている導線20の端部20e(図4C)と接触しており、導線20は図示せぬ検査装置に接続されている。
保持部14は、詳しくは後述するとおり、所定の間隔をおいて配置された3枚のプレート14−1,14−2,14−3からなる(図4A)。それらの間隔を保持するために、プレート14−1とプレート14−2との間と、プレート14−2とプレート14−3との間とには、それぞれ、スペーサ14sが挿入されている。各プレートには、複数の孔14hが形成されていて、3枚のプレートの整列した各孔にはプローブ22が挿入されている。
保持部14の3枚のプレートの内、図中上下に位置するプレートは、支持部材11に固定されているが、それらの間に挟まれたプレートは上下のプレートの間を移動することができ、それにより、プローブ22の取り付け又は取り外しを行うことができる。詳しくは後述する。
図1においては、図面の簡略化のために、一部のプローブ22を示す。
また、図1に示すように、被検査物の検査時には、検査用治具10の下方には、検査対象の被検査物50が配置され、検査用治具10が下降してプローブ22の先端部22fを所定の検査点、例えば、50d1に接触させて、対象部の電気的特性の検査が行われる。
[プローブの構造]
図2(A)から図2(D)は、図1の検査用治具に用いることができるプローブのいくつかの実施形態を示す。
図2(A)から図2(D)は、図1の検査用治具に用いることができるプローブのいくつかの実施形態を示す。
図2(A)は、図1の検査用治具に用いることができる一実施形態に係るプローブ22を示す。プローブ22は、導電性の円筒状部材から構成されている。例えば、そのプローブとして、外径が、約25から300μmで、内径17が10から250μmのニッケル合金のチューブを用いてもよい。この実施形態では、各プローブの一例として、外径が、約50μm、内径が約30μm、長さが約20mmのニッケル合金のチューブを用いるが、それに限定されるものではない。なお、必要に応じて、プローブの先端部22f及び後端部22rの端面を除いて周面は絶縁被覆してもよい。
プローブ22は、円筒形状の先端部22f、中間部22m及び後端部22rを備える。先端部22fは、図1に示すような被検査物50の所定の検査点50dnに接触し、中間部22mは、図1に示すような検査用治具10の保持部14によって保持され、後端部22rは、図1に示すような電極部18と電気的接続を図るように機能する。
また、プローブ22は、さらに、先端部22fと中間部22mとの間に、伸縮自在な弾性部22s−1を備え、また、中間部22mと後端部22rとの間に、伸縮自在な弾性部22s−2を備える。弾性部22s−1及び22s−2は、プローブ22の円筒状部材の一部を例えばレーザを用いてらせん状に取り除くことによって、先端部22f、中間部22m及び後端部22rと一体的に形成することができる。
図2(A)に示すように、プローブ22の先端部22f及び後端部22rのそれぞれの端面22fe,22reは、平坦に形成されている。
図2(B)は、図1の検査用治具に用いることができる他の実施形態に係るプローブ24を示す。プローブ22と同様に、プローブ24も、導電性のある円筒状部材から構成されている。
プローブ24は、先端部24fと後端部24rと弾性部24sとから構成されている。先端部24f及び後端部24rは、プローブ22の先端部22f及び後端部22rと同様に、被検査物の所定の検査点と接触したり、電極部18と電気的接続を図ったりする。弾性部24sは、伸縮自在で、プローブ22の弾性部22s−1又は弾性部22s−2と同様に、プローブ24の円筒状部材の一部を例えばレーザによってらせん状に取り除くことによって、先端部24f及び後端部24rと一体的に形成することができる。
図2(B)に示すように、プローブ24の先端部24f及び後端部24rのそれぞれの端面24fe,24reは、平坦に形成されている。
図2(C)は、図1の検査用治具に用いることができる他の実施形態に係るプローブ26を示す。プローブ26は、図2(A)のプローブ22に、導電性の部材から形成された円柱状の先端ピン30f及び後端ピン30rが組み込まれて構成されている。
具体的には、先端部22f及び後端部22rには、それぞれ、先端ピン30f及び後端ピン30rが挿入されており、それらのピンは、例えば先端部22f及び後端部22rの位置Pcを、例えばかしめや抵抗溶接やレーザ溶接することによって固定されている。
先端ピン30fは先鋭形状の先端部30feを有しており、その先端部30feは被検査物50の所定の検査点50dn(図1)に接触する。また、後端ピン30rは後端部30reを有しており、その後端部30reは、電極部18と電気的接続を図ることができる。
図2(D)は、図1の検査用治具に用いることができる他の実施形態に係るプローブ28を示す。プローブ28も、図2(A)のプローブ22を用いる。具体的には、図2(C)のプローブ26と同様に、先端部22f及び後端部22rには、それぞれ、先端ピン32f及び後端ピン32rが挿入されており、それらのピンは、例えば先端部22f及び後端部22rの位置Pdを、例えばかしめや抵抗溶接やレーザ溶接することによって固定されている。
ただし、先端ピン32f及び後端ピン32rの対向する端部からは、それぞれ、ガイド部材35が延出されている。2つのガイド部材35は、それぞれ、弾性部22s−1及び22s−2に挿通されていて、それらが収縮する際に、それらを直線上に保持するガイド又は芯材として機能して、プローブ28が弾性部において曲がるのを防止することができる。
図3(A)は、図2(A)及び図2(B)のプローブ22,24の先端部22f,24fの端面22fe,24feの他の形状の実施形態を示す。図3(A)に示すように、端面22fe,24feは、多数の先鋭突起部分を持つ王冠状に形成されている。なお、後端ピン22r,24rの後端部22re,24reを図3(A)のように形成してもよい。
図3(B)から図3(D)は、図2(C)及び図2(D)に示すプローブ26及び28の先端ピン30f,32fの先端部30fe,32feの形状の3つの異なる実施形態を示す。図3(B)は、先端部30fe,32feが平面に形成された実施形態を示し、図3(C)は、先端部30fe,32feが半球面形状に突出した実施形態を示し、図3(D)は、先端部30fe,32feが平坦な先端面の拡大部を持つように形成された実施形態を示す。なお、後端ピン32rの後端部30re,32reを図3(B)から図3(D)のように形成してもよい。
[検査用治具へのプローブの取り付け方法]
図4Aから図4Dは、検査用治具10にプローブ22を取り付ける方法を説明するための概略構成を示す一部断面図である。
図4Aから図4Dは、検査用治具10にプローブ22を取り付ける方法を説明するための概略構成を示す一部断面図である。
図4Aは、ヘッド部12、保持部14及びベース部16のそれぞれに形成された複数の貫通孔の内の1つを整列させた状態でそれらを重ね、その整列した貫通孔に位置決めピン11pを挿入した状態を示す。
その状態では、ヘッド部12、保持部14及びベース部16に、それぞれ形成されているプローブ挿通用の貫通孔12h、14h及び16hが、図4Aにおいて上下方向に整列する。そのため、図4Aにおいて矢印で示すように、プローブ22を後端部22rを先頭にしてそれらの貫通孔に挿通することができる。
次に、図4Bに示すように、ヘッド部12、保持部14及びベース部16が所定の距離に離隔するように、ヘッド部12及び保持部14を動かして、位置決めピン11pよりも太い固定ピン11を所定の貫通孔に挿入する。さらに、ヘッド部12と保持部14との間と、保持部14とベース部16との間とにスペーサ11sをはめ込み、それにより、ヘッド部12、保持部14及びベース部16を所定の位置に固定することが好ましい。
保持部14を構成する3つのプレート14−1,14−2,14−3は、スペーサ14sによって所定の距離だけ離されて保持されている。また、固定ピン11の挿入されているプレート14−2の貫通孔11hの径は固定ピン16の外径より大きいため、そのプレート14−2は、その径の大きさの差の分だけプレートの面に沿った方向(図において左右方向)に移動することができる。
図4Bでは、貫通孔に挿入されたプローブ22は、まだ、固定されていない。
次に、図4Cでは、最初に、図中の矢印Aに示すように、保持部14の中の固定されていないプレート14−2をその面に沿った方向に押して移動させると、そのプレートの貫通孔14h−2を形成する部分がプローブ22の中間部22mの右側面に当たってそれを矢印A方向に押す。それにより、プローブ22の中間部22mが左方向に移動して、その左側面が、プレート14−1及び14−3のそれぞれの貫通孔14h−1及び14h−3を形成する部分に当たる。その結果、プローブ22の中間部22mは、プレート14−2と、プレート14−1及び14−3とから挟まれて保持されることになる。
その際に、プローブ22は、その中間部22mがプレート14−2から押されるため、図4Cに示すように、その位置から緩やかに湾曲する。それにより、プローブ22の先端部22f及び後端部22rは、貫通孔12h及び16hを形成する端面に強く当たることなくそれらの孔に緩やかに挿入される。
上記の状態では、先端部22fには何らの力も加わっていないため、弾性部22s−1は伸縮していない。また、後端部22rにも何らの力も加わっていないため、弾性部22s−2も伸縮していない。
次に、図4Cの矢印Bに示すように、電極部18を押し下げてベース部16に取り付ける。その際、導線20の端部20eは電極部18に固定されているため、その端部20eがプローブ22の後端部22rを図4Bの位置から電極部18の上面まで押し下げることになる。プローブ22の中間部22mは、保持部14によって保持されているため、その押し下げに伴い弾性部22s―2は押された分だけ収縮する。
その収縮により、弾性部22s―2には元の位置に戻ろうとする力が発生する。その力によって、後端部22rの端面22reは、導線20の端面20eに常に一定の大きさの力で押し付けられることになる。そのため、電極部18とプローブ22との間の接触抵抗値は常に一定の小さな値に保たれる。
一方、中間部22mは固定されているため、弾性部22s―2の力は先端部22fには何ら影響を与えない。
図4Dは、保持部14がプローブ22の中間部22mを保持している状態を説明するために、中心線C4dで示すプローブの湾曲の大きさを誇張して描いた一部断面図である。
その図に示すとおり、保持部14の3つのプレート14−1,14−2,14−3は、スペーサ14sによって所定の距離だけ離されて保持されている。そのため、その図において、プレート14−2が、プローブ22の中間部22mに、右側から左側に向かう力を加えると同時に、上下のプレート14−1,14−3が、反力として左側から右側に向かう力を加えるが、それらの対向する力によっては、プローブ22の中間部22mには極端なせん断応力が生ずるのを防止することができる。プローブ22の中間部22mは、中心線C4dに示すようにわずかに湾曲することによって、それらの押圧力を吸収している。
上記の実施形態では、プレート14−2が移動可能で、他のプレート14−1及び14−3が固定されているが、プレート14−1及び14−3を移動可能にして、プレート14−2を固定するようにしてもよい。
[検査用治具の使用状態]
図5は、矢印で示すように、検査用治具10を下降させて、プローブ22の先端部22fの端面22feを被検査物50の対象部の検査点50dnに当接した状態を示す。プローブ22の先端部22fの端面22feが検査点50dnに当接する時には、検査用治具10の下降とともに弾性部22s−1が収縮する。それにより、弾性部22s−1は、先端部22fを検査点50dnに押し付けることができる。被検査物として、上記の基板や半導体装置が該当する。
図5は、矢印で示すように、検査用治具10を下降させて、プローブ22の先端部22fの端面22feを被検査物50の対象部の検査点50dnに当接した状態を示す。プローブ22の先端部22fの端面22feが検査点50dnに当接する時には、検査用治具10の下降とともに弾性部22s−1が収縮する。それにより、弾性部22s−1は、先端部22fを検査点50dnに押し付けることができる。被検査物として、上記の基板や半導体装置が該当する。
中間部22mが、保持部14によって一定位置に保持されているため、先端部22fは、後端部側の弾性部22s−2の力の影響を受けることがない。
[他の実施形態]
図6(A)は、上記の実施形態に係る検査用治具で用いたプローブ22を他の実施形態に係る検査用治具に取り付けた状態を説明するための概略構成図である。
図6(A)は、上記の実施形態に係る検査用治具で用いたプローブ22を他の実施形態に係る検査用治具に取り付けた状態を説明するための概略構成図である。
図6(A)に示すように、プローブ22は、板厚の大きなヘッド部12w及びベース部16wを備える検査用治具に取り付けられている。この実施形態では、板厚の大きなヘッド部12wとベース部16wとによって、先端部22f及び弾性部22s−1と、弾性部22s−2及び後端部22rとの周囲を囲むガイド孔が形成されている。中間部22mが保持部14によって保持されている点は上記の一実施形態の検査用治具と同じである。
それにより、被検査物検査において先端部22fが往復動を繰り返す際に、それに伴って伸縮を繰り返す弾性部22s−1の曲がりを防ぐことができる。
図6(B)は、プローブ24を、上記の一実施形態の検査用治具に取り付けた状態を説明するための概略構成図である。
図6(B)では、プローブの弾性部24sの中間にある部分が、保持部14によって保持される。そのため、その保持された部分は弾性部としては機能しない。
図6(C)は、プローブ24を図6(A)で説明した他の実施形態に係る検査用治具に取り付けた状態を説明するための概略構成図である。
図6(C)に示すように、プローブ24は、板厚の大きなヘッド部12w及びベース部16wを備える検査用治具に取り付けられている。そこでは、弾性部14が保持部14によって保持されており、また、先端部24fと弾性部24sの一部と、後端部24rと弾性部24sの一部とが、板厚の大きなヘッド部12w及びベース部16wによって形成されたガイド孔内に挿入されている。それにより、図6(A)の実施形態と同様に、被検査物検査を行う際に、伸縮を繰り返す弾性部24sの曲がりを防ぐことができる。
図7(A)は、プローブ26を、上記の一実施形態の検査用治具に取り付けた状態を説明するための概略構成図である。図7(A)に示すように、プローブの中間部22mが、保持部14によって保持されている。
また、図7(B)は、プローブ28を、上記の実施形態の検査用治具に取り付けた状態を説明するための概略構成図である。図7(B)に示すように、プローブの中間部22mが、保持部14によって保持されている。
上記の実施形態におけるヘッド部、ベース部及び保持部のプレートの数や厚さは例示であり、それらに限定されるものではない。例えば、各々薄い又は厚い1枚のプレートで構成してもよく、各々のプレートの枚数や厚さを変えてもよい。
以上、本発明に係る検査用の検査用治具及びそれに用いることのできるプローブのいくつかの実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に拘束されるものではなく、当業者が容易になしえる追加、削除、改変等は、本発明に含まれるものであり、また、本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載によって定められることを承知されたい。
10・・・検査用治具
11・・・支持部材
11s,14s・・・スペーサ
12・・・ヘッド部
12h、14h,16h・・・貫通孔
14・・・保持部
14−1,14−2,14−3・・・プレート部
16・・・ベース部
18・・・電極部
22,24,26,28・・・プローブ
22f,24f・・・先端部
22m,24mmm・・・中間部
22r,24r・・・後端部
22s−1,22s−2,24s−1,24s−2・・・弾性部
50・・・被検査物
11・・・支持部材
11s,14s・・・スペーサ
12・・・ヘッド部
12h、14h,16h・・・貫通孔
14・・・保持部
14−1,14−2,14−3・・・プレート部
16・・・ベース部
18・・・電極部
22,24,26,28・・・プローブ
22f,24f・・・先端部
22m,24mmm・・・中間部
22r,24r・・・後端部
22s−1,22s−2,24s−1,24s−2・・・弾性部
50・・・被検査物
Claims (10)
- 被検査物の対象部の電気的特性を検査するための検査装置用の検査用治具であって、
前記検査装置に電気的に接続するための電極部と、
筒状部材から構成されたプローブであって、前記対象部の検査点に接触する先端部と、前記電極部と電気的に接続される後端部と、前記先端部と前記後端部との間にある中間部とを備え、さらに、前記先端部と前記中間部との間と、前記中間部と前記後端部との間とに、それぞれ、伸縮部を備え、該2つの伸縮部、前記先端部、前記中間部及び前記後端部が、前記筒状部材から一体的に形成されたプローブと、
前記プローブの前記先端部を所定の位置に案内するヘッド部と、
前記プローブの前記中間部を保持する保持部と、
前記プローブの前記後端部を前記電極部へ案内するベース部とを備える、検査用治具。 - 請求項1の検査用治具において、前記プローブの前記伸縮部は、前記筒状部材の一部から螺旋形状部分を取り除くことによって形成する、検査用治具。
- 請求項1の検査用治具において、前記保持部は、平行に配置された3つのプレートから構成されており、各プレートに前記プローブの前記中間部が挿通される貫通孔が形成されていて、1のプレートが他の2のプレートに対し面方向に変位して前記貫通孔を前記整列位置からずらすことにより、前記プローブの前記中間部が、該3つのプレートによって挟持される、検査用治具。
- 請求項3の検査用治具において、前記3つのプレートは、所定の間隔をおいて離隔されている、検査用治具。
- 請求項1の検査用治具において、前記筒状部材はニッケル合金のチューブである、検査用治具。
- 請求項1の検査用治具において、前記プローブの前記先端部の端面は、平坦又は先鋭形状の複数の突出部から形成されている、検査用治具。
- 請求項1の検査用治具において、前記プローブの前記先端部及び前記後端部の各々に、円柱部材が挿入されて固定されている、検査用治具。
- 請求項7の検査用治具において、前記各円柱部材から突出する芯材部が各伸縮部に挿入されている、検査用治具。
- 請求項7の検査用治具において、前記円柱部材の先端部が、平坦若しくは半球形状に形成され、または、平坦面を持つ拡大部を備えるように形成されている、検査用治具。
- 請求項1の検査用治具を搭載する検査装置であって、
前記検査用治具を移動させるための検査用治具移動部と、
前記被検査物を保持する被検査物保持部と、
前記検査用治具移動部及び前記被検査物保持部の動きを制御するとともに、前記検査用治具の前記プローブに検査用の電流を供給して前記対象部の電気的特性を測定するための制御装置とを備える、検査装置。
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