JP2010279176A - 電動機駆動装置の制御装置 - Google Patents

電動機駆動装置の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】実際の電動機への供給電圧に応じて迅速かつ適切にシステム電圧指令値を決定することができ、それにより電動機駆動装置の効率を高めると共に電動機の動作状態に対するシステム電圧の追従性も高めることができる電動機駆動装置の制御装置を提供する。
【解決手段】直流電源からの電源電圧を変換して所望のシステム電圧Vdcを生成する電圧変換部と、システム電圧Vdcを交流電圧に変換して電動機に供給する直流交流変換部と、を備えた電動機駆動装置の制御を行う制御装置2であって、電動機の目標トルクTM及び回転速度ωに基づいて、直流交流変換部から電動機に供給する交流電圧の指令値Vd、Vqを決定する交流電圧指令決定部7と、交流電圧指令値Vd、Vqとシステム電圧Vdcとに基づいて、電圧変換部により生成するシステム電圧Vdcの指令値Vdctを決定するシステム電圧指令決定部9と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、直流電源からの電源電圧を変換して所望のシステム電圧を生成する電圧変換部と、前記システム電圧を交流電圧に変換して交流電動機に供給する直流交流変換部と、を備えた電動機駆動装置の制御を行う制御装置に関する。
直流電源からの直流電圧をインバータにより交流電圧に変換して交流電動機を駆動する電動機駆動装置が一般的に用いられている。ところで、電動機は、回転速度が高くなるに従って誘起電圧が高くなる。そこで、誘起電圧がインバータの最大出力電圧を超えて電動機に必要な電流を流すことができなくなることを抑制するために電動機の界磁磁束を弱める弱め界磁制御を行うと、電動機により出力可能な最大トルクが低下する。このような問題に対して、下記の特許文献1には、最大トルク制御領域をより高い回転速度域まで広げるために、直流電源からの電源電圧を昇圧する昇圧コンバータを備えた電動機駆動装置が記載されている。また、下記の特許文献1には、このような電動機駆動装置を制御するために、電動機の目標トルク及び回転速度に応じて適切なシステム電圧指令値(インバータ入力電圧目標値)を算出し、当該システム電圧指令値となるように昇圧コンバータを制御する制御装置の構成が記載されている。
国際公開第2003/015254号
しかし、上記の制御装置のように、電動機の目標トルク及び回転速度に基づいて電動機への供給電圧を間接的に推定してシステム電圧指令値を決定する構成では、実際の電動機への供給電圧と推定値とのずれを考慮して、システム電圧指令値としてある程度の余裕を持たせた電圧値を設定する必要がある。従って、当該余裕分に対応してインバータの入力電圧が高くなり、インバータのスイッチング損失も大きくなるので、その分効率が低下することになる。
また、上記の制御装置では、電動機の目標トルク及び回転速度に基づいて電動機への供給電圧を推定してシステム電圧指令値を決定する処理を行うため、電動機のトルクや回転速度の急変に対するシステム電圧指令値の追従性が高くない。従って、例えば、電動機の負荷が急変したために負荷トルクや回転速度が急変した場合等、一時的に大きな出力(仕事率)が必要となった場合に、システム電圧が追従できず、実際の電動機への供給電圧に対して、昇圧コンバータによる昇圧が不足する場合がある。更に、電動機の動作状態に応じてシステム電圧指令値を決定する構成では、当該システム電圧指令値に従って電源電圧を昇圧する昇圧制御と、当該昇圧制御とは目的が背反する弱め界磁制御とを適切に両立させることも課題となる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、実際の電動機への供給電圧に応じて迅速かつ適切にシステム電圧指令値を決定することができ、それにより電動機駆動装置の効率を高めると共に電動機の動作状態に対するシステム電圧の追従性も高めることができる電動機駆動装置の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る、直流電源からの電源電圧を変換して所望のシステム電圧を生成する電圧変換部と、前記システム電圧を交流電圧に変換して交流電動機に供給する直流交流変換部と、を備えた電動機駆動装置の制御を行う制御装置の特徴構成は、前記交流電動機の目標トルク及び前記交流電動機の回転速度に基づいて、前記直流交流変換部から前記交流電動機に供給する交流電圧の指令値である交流電圧指令値を決定する交流電圧指令決定部と、前記交流電圧指令値と前記システム電圧とに基づいて、前記電圧変換部により生成する前記システム電圧の指令値であるシステム電圧指令値を決定するシステム電圧指令決定部と、を備えた点にある。
この特徴構成によれば、実際に交流電動機に供給する交流電圧を直接的に表す交流電圧指令値と、電圧変換部により電源電圧を変換して生成される実際のシステム電圧の値とに基づいてシステム電圧指令値を決定するため、当該システム電圧指令値を、実際の電動機への供給電圧に応じて迅速且つ適切に決定することができる。これにより、電動機の目標トルク及び回転速度に基づいて電動機に供給される電圧を間接的に推定してシステム電圧指令値を決定する構成に比べて、実際の電動機への供給電圧と推定値とのずれを考慮する必要がないため、システム電圧指令値を実際に交流電動機に供給する交流電圧に対応する値に更に近付けることが可能となる。よって、直流交流変換部における損失を抑えることができ、電動機駆動装置の効率を高めることができる。また、実際に交流電動機に供給する交流電圧を直接的に表す交流電圧指令値に基づいてシステム電圧指令値を決定するため、交流電動機の動作状態の変化に対するシステム電圧指令値の追従性も高めることができる。
ここで、前記システム電圧に対する前記交流電圧指令値の大きさを表す電圧指標を導出する電圧指標導出部を更に備え、前記システム電圧指令決定部は、前記電圧指標を積分した積分値と前記電源電圧とに基づいて前記システム電圧指令値を決定する構成とすると好適である。
この構成によれば、システム電圧に対する交流電圧指令値の大きさを表す電圧指標の積分値を用いることにより、実際に交流電動機に供給する交流電圧を直接的に表す交流電圧指令値と実際のシステム電圧の値との関係及びその経時的変化に応じた適切なシステム電圧指令値を決定することができる。従って、直流交流変換部における損失を抑えることができ、電動機駆動装置の効率を高めることができると共に、交流電動機の動作状態の変化に対するシステム電圧指令値の追従性も高めることができる。
この際、前記電圧指標は、前記交流電圧指令値を出力するために必要な直流電圧を表す電圧指令換算値と前記システム電圧との偏差、前記システム電圧に対する前記交流電圧指令値の比を表す変調率と所定の目標変調率との偏差、及び前記交流電圧指令値と前記システム電圧によって出力し得る最大の前記交流電圧の値との偏差、のいずれかに基づいて導出されると好適である。これらの構成によれば、システム電圧に対する交流電圧指令値の大きさを表す電圧指標を適切に導出することができる。
また、前記交流電圧指令値と前記システム電圧とに基づいて前記交流電動機の界磁磁束を弱める弱め界磁制御を行う際の弱め界磁の程度を表す弱め界磁指令値を決定する弱め界磁指令値決定部と、前記システム電圧指令決定部により前記システム電圧指令値を決定するシステム電圧決定処理と、前記弱め界磁指令値決定部により弱め界磁指令値を決定する弱め界磁指令値決定処理との実行状態を切り替える処理切替部と、を更に備え、前記処理切替部は、少なくとも前記弱め界磁指令値及び前記システム電圧指令値に基づいて、前記システム電圧決定処理と前記弱め界磁指令値決定処理との実行状態を切り替える構成とすると好適である。
この構成によれば、前記交流電圧指令値と前記システム電圧とに基づいて適切に弱め界磁制御を行うことができる。そして、当該弱め界磁制御と、電源電圧を変換したシステム電圧を生成して直流交流変換部に供給する変圧制御との双方を行う場合において、システム電圧指令値を決定するシステム電圧決定処理と弱め界磁指令値を決定する弱め界磁指令値決定処理との実行状態を、弱め界磁指令値及びシステム電圧指令値に基づいて適切に切り替えることができる。従って、電動機の動作状態に応じて、目的が互いに背反する弱め界磁制御と変圧制御とを適切に切り替えて実行することができる。
また、前記弱め界磁指令値がゼロの状態では前記直流交流変換部にパルス幅変調制御を行わせ、前記弱め界磁指令値がゼロ以外の状態では前記直流交流変換部に矩形波状電圧を出力させる矩形波制御を行わせる構成であって、前記処理切替部は、前記交流電圧指令値がそのときの前記システム電圧によって出力し得る最大の前記交流電圧の値を超えた場合には前記弱め界磁指令値が所定の第一しきい値に到達するまで前記弱め界磁指令値決定処理を実行し、前記弱め界磁指令値が所定の第一しきい値に到達した場合には前記弱め界磁指令値決定処理を中止して前記システム電圧指令値が所定の第二しきい値に到達するまで前記システム電圧決定処理を実行し、前記システム電圧指令値が所定の第二しきい値に到達した場合には前記弱め界磁指令値決定処理を再開する構成とすると好適である。
この構成によれば、弱め界磁指令値がゼロであって弱め界磁制御を行う必要がない状態では直流交流変換部にパルス幅変調制御を行わせることによりトルク変動を抑えつつ交流電動機を適切に制御し、弱め界磁制御を行う必要がある状態では直流交流変換部に矩形波制御を行わせることにより、弱め界磁の程度を小さく抑えるとともに直流交流変換部におけるスイッチング損失を低減することで電動機駆動装置の効率を高めることができる。また、この構成によれば、例えば交流電動機の回転速度や目標トルクが上昇する状況において、交流電圧指令値がそのときのシステム電圧によって出力し得る最大の交流電圧の値を超えた場合には、まず弱め界磁制御及び矩形波制御を実行し、その後弱め界磁制御及び矩形波制御を維持したまま電源電圧を変換(この場合は昇圧)してシステム電圧を生成する電圧変換を行うことになる。従って、矩形波制御によるスイッチング損失の低減という効果を幅広い動作範囲で得ることが可能となり、電動機駆動装置の効率を高めることが可能となる。この際、電圧変換を開始するための弱め界磁指令値のしきい値となる第一しきい値は、矩形波制御によるスイッチング損失の低減に伴う効率向上が弱め界磁の程度が大きくなることによる効率低下を上回るように設定するのが好適である。なお、システム電圧指令値が、例えば電圧変換の上限(昇圧上限)等に設定された所定の第二しきい値に到達した場合には弱め界磁指令値決定処理を再開するので、電圧変換ができなくなった後は通常の弱め界磁制御により交流電動機の回転速度を上昇させることが可能となり、交流電動機の動作可能領域を拡大することができる。
本発明の第一実施形態に係る電動機駆動装置の構成を示す回路図である。 本発明の第一実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。 本発明の第一実施形態に係る回転速度とトルクとにより規定される電動機の動作可能領域を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る基本d軸電流指令値テーブルの例を示す図である。 本発明の第一実施形態に係るq軸電流指令値テーブルの例を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の第一実施形態に係る制御装置の動作の具体例を示すタイミングチャートである。 本発明の第一実施形態に係る制御装置におけるシステム電圧指令値の変化及びそれに伴う電動機の動作可能領域の変化を示す説明図である。 本発明の第二実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。 本発明の第二実施形態に係る制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。 本発明のその他の実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。
1.第一の実施形態
本発明の第一の実施形態について図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態においては、電動機駆動装置1が、三相交流により動作する交流電動機としての埋込磁石構造の同期電動機4(IPMSM、以下単に「電動機4」という。)を駆動する装置として構成されている場合を例として説明する。この電動機4は、必要に応じて発電機としても動作するように構成されている。この電動機4は、例えば、電動車両やハイブリッド車両等の駆動力源として用いられる。電動機駆動装置1は、直流電源3からの電源電圧Vbを変換して所望のシステム電圧Vdcを生成するコンバータ5と、当該システム電圧Vdcを交流に変換して電動機4に供給するインバータ6とを有して構成されている。そして、本実施形態では、図2に示すように、制御装置2は、ベクトル制御の手法を用いて電動機駆動装置1の制御を行う。この際、制御装置2は、電動機4の目標トルクTM及び回転速度ωに基づいて決定される交流電圧指令値Vd、Vqと、コンバータ5による変換後の実際のシステム電圧Vdcと、に基づいて、コンバータ5により生成するシステム電圧Vdcの指令値であるシステム電圧指令値Vdctを決定する点に特徴を有している。以下、本実施形態に係る電動機駆動装置1及びその制御装置2について詳細に説明する。
1−1.電動機駆動装置の構成
まず、本実施形態に係る電動機駆動装置1の構成について図1に基づいて説明する。この電動機駆動装置1は、コンバータ5とインバータ6とを備えている。また、電動機駆動装置1は、直流電源3と、直流電源3からの電源電圧Vbを平滑化する第一平滑コンデンサC1と、コンバータ5による昇圧後のシステム電圧Vdcを平滑化する第二平滑コンデンサC2と、を備えている。直流電源3としては、例えば、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池等の各種二次電池、キャパシタ、或いはこれらの組合せ等が用いられる。直流電源3の電圧である電源電圧Vbは、電源電圧センサ41により検出されて制御装置2へ出力される。
コンバータ5は、直流電源3からの電源電圧Vbを変換して所望値の直流のシステム電圧Vdcを生成するDC−DCコンバータであり、本発明における電圧変換部に相当する。本実施形態では、このコンバータ5は、電源電圧Vbを昇圧して所望のシステム電圧Vdcを生成する昇圧コンバータとして機能する。なお、電動機4が発電機として機能する際には、インバータ6からのシステム電圧Vdcを降圧して直流電源3に供給し、当該直流電源3を充電する。コンバータ5は、リアクトルL1と、電圧変換用スイッチング素子E1、E2と、ダイオードD1、D2と、を備えている。ここでは、コンバータ5は、電圧変換用スイッチング素子として、直列に接続された一対の上アーム素子E1及び下アーム素子E2を備えている。これらの電圧変換用スイッチング素子E1、E2として、本例では、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いる。上アーム素子E1のエミッタと下アーム素子E2のコレクタとが、リアクトルL1を介して直流電源3の正極端子に接続されている。また、上アーム素子E1のコレクタは、コンバータ5による昇圧後の電圧が供給されるシステム電圧線51に接続され、下アーム素子E2のエミッタは、直流電源3の負極端子につながる負極線52に接続されている。また、各電圧変換用スイッチング素子E1、E2には、それぞれフリーホイールダイオードとして機能するダイオードD1、D2が並列接続されている。なお、電圧変換用スイッチング素子E1、E2としては、IGBTの他に、バイポーラ型、電界効果型、MOS型など種々の構造のパワートランジスタを用いることができる。
電圧変換用スイッチング素子E1、E2のそれぞれは、制御装置2から出力されるスイッチング制御信号S1、S2に従ってオンオフ動作を行う。本実施形態では、スイッチング制御信号S1、S2は、各スイッチング素子E1、E2のゲートを駆動するゲート駆動信号である。これにより、コンバータ5は、昇圧動作時には、直流電源3から供給された電源電圧Vbを所望のシステム電圧Vdcまで昇圧し、システム電圧線51及びインバータ6に供給する。また、コンバータ5は、降圧動作時には、インバータ6から供給されたシステム電圧Vdcを降圧して直流電源3に供給する。コンバータ5により生成されるシステム電圧Vdcは、システム電圧センサ42により検出されて制御装置2へ出力される。なお、後述するように、昇圧指令値ΔVb(図2参照)がゼロであってコンバータ5により昇圧を行わない場合には、システム電圧Vdcは電源電圧Vbと等しくなる。
インバータ6は、直流のシステム電圧Vdcを交流電圧に変換して電動機4に供給するための装置であり、本発明における直流交流変換部に相当する。インバータ6は、複数組のスイッチング素子E3〜E8と、ダイオードD3〜D8と、を備えている。ここでは、インバータ6は、電動機4の各相(U相、V相、W相の3相)のそれぞれについて一対のスイッチング素子、具体的には、U相用上アーム素子E3及びU相用下アーム素子E4、V相用上アーム素子E5及びV相用下アーム素子E6、並びにW相用上アーム素子E7及びW相用下アーム素子E8を備えている。これらのスイッチング素子E3〜E8として、本例では、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いる。各相用の上アーム素子E3、E5、E7のエミッタと下アーム素子E4、E6、E8のコレクタとが、電動機4の各相のコイルにそれぞれ接続されている。また、各相用の上アーム素子E3、E5、E7のコレクタはシステム電圧線51に接続され、各相用の下アーム素子E4、E6、E8のエミッタは負極線52に接続されている。また、各スイッチング素子E3〜E8には、それぞれフリーホイールダイオードとして機能するダイオードD3〜D8が並列接続されている。なお、スイッチング素子E3〜E8としては、IGBTの他に、バイポーラ型、電界効果型、MOS型など種々の構造のパワートランジスタを用いることができる。
スイッチング素子E3〜E8のそれぞれは、制御装置2から出力されるスイッチング制御信号S3〜S8に従ってオンオフ動作を行う。これにより、インバータ6は、システム電圧Vdcを交流電圧に変換して電動機4に供給し、目標トルクTMに応じたトルクを電動機4に出力させる。この際、各スイッチング素子E3〜E8は、スイッチング制御信号S3〜S8に従って、後述するPWM(パルス幅変調)制御又は矩形波制御に従ったスイッチング動作を行う。本実施形態では、スイッチング制御信号S3〜S8は、各スイッチング素子E3〜E8のゲートを駆動するゲート駆動信号である。一方、電動機4が発電機として機能する際には、発電された交流電圧を直流電圧に変換してシステム電圧線51及びコンバータ5に供給する。インバータ6と電動機4の各相のコイルとの間を流れる各相電流、具体的には、U相電流Iur、V相電流Ivr、及びW相電流Iwrは、電流センサ43により検出されて制御装置2へ出力される。
また、電動機4のロータの各時点での磁極位置θは、回転センサ44により検出されて制御装置2へ出力される。回転センサ44は、例えばレゾルバ等により構成される。ここで、磁極位置θは、電気角上でのロータの回転角度を表している。電動機4の目標トルクTMは、図示しない車両制御装置等の他の制御装置等からの要求信号として制御装置2に入力される。
1−2.制御装置の構成
次に、図1に示される制御装置2の機能について、図2〜図5を用いて詳細に説明する。以下に説明する制御装置2の各機能部は、マイクロコンピュータ等の論理回路を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うためのハードウエア又はソフトウエア(プログラム)或いはその両方により構成されている。上記のとおり、制御装置2には、目標トルクTM及び磁極位置θが入力される。そこで、制御装置2は、これらの目標トルクTM、磁極位置θ、及び磁極位置θから導出される電動機4の回転速度ωに応じて電動機4を駆動するためのスイッチング制御信号S3〜S8を生成して出力し、インバータ6を駆動する。この際、制御装置2は、PWM制御及び最大トルク制御と、矩形波制御及び弱め界磁制御と、を切り替えてインバータ6を駆動する。また、制御装置2には、直流電源3の電源電圧Vb及びコンバータ5により生成されたシステム電圧Vdcが入力される。そこで、制御装置2は、目標トルクTM及び回転速度ωに基づいて定まる交流電圧指令値Vd、Vqと現在のシステム電圧Vdcとに基づいて、システム電圧Vdcの指令値であるシステム電圧指令値Vdctを決定する。そして、制御装置2は、決定されたシステム電圧Vdcを生成するためのスイッチング制御信号S1、S2を生成して出力し、コンバータ5を駆動する。
制御装置2は、インバータ6における直流−交流変換に際して、PWM制御と矩形波制御とを切り替えて実行する。本実施形態では、PWM制御には、正弦波PWM制御と過変調PWM制御の2つの制御方式が含まれる。正弦波PWM制御では、インバータ6の各スイッチング素子E3〜E8のオンオフを、正弦波状の電圧指令値Vu、Vv、Vwと搬送波との比較に基づいて制御する。具体的には、U、V、Wの各相のインバータ6の出力電圧波形が、上アーム素子E3、E5、E7がオン状態となるハイレベル期間と、下アーム素子E4、E6、E8がオン状態となるローレベル期間とにより構成されるパルスの集合で構成されると共に、その基本波成分が一定期間で正弦波となるように、各パルスのデューティ比を制御する。システム電圧Vdcに対するインバータ6の出力電圧波形の基本波成分の実効値の比率を変調率m(後述する式(7)参照)とすると、正弦波PWM制御では、変調率mは0〜0.61の範囲で変化させることができる。
過変調PWM制御では、正弦波PWM制御に比べて各パルスのデューティ比を基本波成分の山側で大きく谷側で小さくすることにより、インバータ6の出力電圧波形の基本波成分の波形を歪ませて振幅が正弦波PWM制御よりも大きくなるように制御する。過変調PWM制御では、変調率mは0.61〜0.78の範囲で変化させることができる。この過変調PWM制御において変調率mを最大の0.78まで高めた状態が矩形波制御となる。矩形波制御では、U、V、Wの各相のインバータ6の出力電圧波形が、1周期につき前記ハイレベル期間と前記ローレベル期間とが1回ずつ交互に表れるとともにこれらのハイレベル期間とローレベル期間との比が1:1の矩形波となるように制御する。これにより、矩形波制御は、インバータ6に矩形波状電圧を出力させる。矩形波制御では、変調率mは0.78で固定される。
ところで、電動機4は、回転速度ωが高くなるに従って誘起電圧が高くなり、電動機4を駆動するために必要となる交流電圧(以下「必要電圧」という。)も高くなる。そして、この必要電圧が、そのときのシステム電圧Vdcを変換してインバータ6から出力し得る最大の交流電圧(以下「最大出力電圧」という。)を超えると、コイルに必要な電流を流すことができなり、電動機4を適切に制御することができない。そこで、本実施形態では、電動機4の必要電圧に応じてPWM制御(正弦波PWM制御又は過変調PWM制御)における変調率mを0〜0.78の範囲で変化させつつ、その範囲内での最大出力電圧より電動機4の必要電圧が低い状態ではPWM制御と共に最大トルク制御を行う。そして、電動機4の必要電圧が、PWM制御の最大変調率(m=0.78)での最大出力電圧に達すると矩形波制御と共に弱め界磁制御を行う。ここで、最大トルク制御は、同一電流に対して電動機4の出力トルクが最大となるように電流位相を調節する制御である。また、弱め界磁制御は、電動機4の界磁磁束を弱める方向の磁束がコイルから発生するように電流位相を調節する(電流位相を最大トルク制御よりも進める)制御である。なお、上記の必要電圧及び最大出力電圧は、共に交流電圧の実効値として互いに比較することができる。
図3は、回転速度ωと目標トルクTMとにより規定される電動機4の動作可能領域の中における、PWM制御及び最大トルク制御が実行される領域A1と矩形波制御及び弱め界磁制御が実行される領域A2とを示した図である。なお、この図3は、システム電圧Vdcの昇圧を考慮しない図となっている。上記のとおり、電動機4の回転速度ωが高くなるに従って誘起電圧が高くなるため、電動機4の必要電圧もこれに応じて高くなる。従って、制御装置2に入力された目標トルクTMとそのときの電動機4の回転速度ωとにより定まる動作点が、比較的低回転の領域A1内に位置する場合にはPWM制御及び最大トルク制御が実行され、当該動作点が、比較的高回転の領域A2内に位置する場合には矩形波制御及び弱め界磁制御が実行される。領域A1と領域A2との境界は、最大トルク制御中における電動機4の必要電圧が、PWM制御の最大変調率(すなわち矩形波制御となる変調率m=0.78)での最大出力電圧に一致する回転速度ω及びトルクにより定まる。
図2に示すように、d軸電流指令値導出部21には、目標トルクTMが入力される。d軸電流指令値導出部21は、入力された目標トルクTMに基づいて基本d軸電流指令値Idbを導出する。ここで、基本d軸電流指令値Idbは、最大トルク制御を行う場合におけるd軸電流の指令値に相当する。本実施形態では、d軸電流指令値導出部21は、図4に示す基本d軸電流指令値テーブルを用いて、目標トルクTMの値に応じた基本d軸電流指令値Idbを導出する。図示の例では、目標トルクTMとして「tm3」の値が入力され、これに応じて、d軸電流指令値導出部21は、基本d軸電流指令値Idbとして「Id1」を導出する。このように導出された基本d軸電流指令値Idbは、第一減算器23へ入力される。第一減算器23には、更に、後述する第一積分器31により導出された弱め界磁電流指令値ΔIdが入力される。第一減算器23は、下記の式(1)に示すように、基本d軸電流指令値Idbから弱め界磁電流指令値ΔIdを減算し、最終的なd軸電流指令値Idを導出する。
Id=Idb−ΔId・・・(1)
q軸電流指令値導出部22には、目標トルクTM及び弱め界磁電流指令値ΔIdが入力される。q軸電流指令値導出部22は、入力された目標トルクTMと弱め界磁電流指令値ΔIdとに基づいてq軸電流指令値Iqを導出する。本実施形態では、q軸電流指令値導出部22は、図5に示すq軸電流指令値テーブルを用いて、目標トルクTM及び弱め界磁電流指令値ΔIdの値に応じたq軸電流指令値Iqを導出する。図5において、細い実線は、tm1〜tm5の各トルクを出力するためのd軸電流及びq軸電流の値を示す等トルク線61であり、太い実線は最大トルク制御を行うためのd軸電流及びq軸電流の値を示す最大トルク制御線62である。図示の例では、目標トルクTMとして「tm3」の値が入力されると共に、弱め界磁電流指令値ΔIdとして「ΔId1」が入力されている。これに応じて、q軸電流指令値導出部22は、まず、目標トルクTM=tm3の等トルク線61と最大トルク制御線62との交点のq軸電流の値である「Iq1」を基本q軸電流指令値として導出する。ここで、基本q軸電流指令値は、最大トルク制御を行う場合におけるd軸電流の指令値に相当する。よって、弱め界磁電流指令値ΔIdがゼロである場合(ΔId=0)には、この基本q軸電流指令値が最終的なq軸電流指令値Iqとなる。本例では、弱め界磁電流指令値ΔIdとして「ΔId1」が入力されているので、目標トルクTM=tm3の等トルク線61に沿ってd軸の負方向にΔId1だけ移動した点のq軸電流の値である「Iq2」をq軸電流指令値Iqとして導出する。なお、図5のq軸電流指令値テーブルにより求められる基本q軸電流指令値(Iq1)に対応するd軸電流の値(Id1)は、図4に示す基本d軸電流指令値テーブルを用いて求められる基本d軸電流指令値Idbの値と一致し、このd軸電流の値(Id1)から弱め界磁電流指令値ΔId(=ΔId1)を減算して求められるd軸電流の値(Id2)は、第一減算器23により導出される最終的なd軸電流指令値Id(=Idb−ΔId)と一致する。よって、d軸電流指令値Idをこの図5に示すテーブルにより求めることも可能である。
電流制御部24には、上記のように導出されたd軸電流指令値Id及びq軸電流指令値Iqが入力される。更に、電流制御部24には、三相二相変換部27から実d軸電流Idr及び実q軸電流Iqrが入力され、回転速度導出部28から電動機4の回転速度ωが入力される。実d軸電流Idr及び実q軸電流Iqrは、電流センサ43(図1参照)により検出されたU相電流Iur、V相電流Ivr、及びW相電流Iwrと回転センサ44(図1参照)により検出された磁極位置θとに基づいて、三相二相変換部27により三相二相変換を行って導出される。また、電動機4の回転速度ωは、回転センサ44(図1参照)により検出された磁極位置θに基づいて回転速度導出部28により導出される。
電流制御部24は、d軸電流指令値Idと実d軸電流Idrとの偏差であるd軸電流偏差δId、及びq軸電流指令値Iqと実q軸電流Iqrとの偏差であるq軸電流偏差δIqを導出する。そして、電流制御部24は、d軸電流偏差δIdに基づいて比例積分制御演算(PI制御演算)を行って電圧降下のd軸成分であるd軸電圧降下Vzdを導出すると共に、q軸電流偏差δIqに基づいて比例積分制御演算を行って電圧降下のq軸成分であるq軸電圧降下Vzqを導出する。
そして、電流制御部24は、下記の式(2)に示すように、d軸電圧降下Vzdからq軸電機子反作用Eqを減算してd軸電圧指令値Vdを導出する。
Vd=Vzd−Eq
=Vzd−ω・Lq・Iqr・・・(2)
この式(2)に示されるように、q軸電機子反作用Eqは、電動機4の回転速度ω、実q軸電流Iqr、及びq軸インダクタンスLqに基づいて導出される。
更に、電流制御部24は、下記の式(3)に示すように、q軸電圧降下Vzqにd軸電機子反作用Ed及び永久磁石の電機子鎖交磁束による誘起電圧Emを加算してq軸電圧指令値Vqを導出する。
Vq=Vzq+Ed+Em
=Vzq+ω・Ld・Idr+ω・MIf・・・(3)
この式(3)に示されるように、d軸電機子反作用Edは、電動機4の回転速度ω、実d軸電流Idr、及びd軸インダクタンスLdに基づいて導出される。また、誘起電圧Emは、永久磁石の電機子鎖交磁束の実効値により定まる誘起電圧定数MIf及び電動機4の回転速度ωに基づいて導出される。
本実施形態においては、d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqを、インバータ6から電動機4に供給する交流電圧の指令値である交流電圧指令値とする。従って、上述したd軸電流指令値導出部21、q軸電流指令値導出部22、及び電流制御部24により、電動機4の目標トルクTM及び回転速度ωに基づいて交流電圧指令値Vd、Vqを決定する交流電圧指令決定部7が構成されている。
二相三相変換部25には、d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqが入力される。また、二相三相変換部25には、回転センサ44(図1参照)により検出された磁極位置θも入力される。二相三相変換部25は、磁極位置θを用いて二相三相変換を行い、d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqを、U相電圧指令値Vu、V相電圧指令値Vv、及びW相電圧指令値Vwに変換して導出する。
PWMパルス生成部26には、U相電圧指令値Vu、V相電圧指令値Vv、及びW相電圧指令値Vwが入力される。PWMパルス生成部26は、正弦波状の各相の電圧指令値Vu、Vv、Vwと搬送波との比較に基づいて、図1に示すインバータ6の各スイッチング素子E3〜E8を制御するスイッチング制御信号S3〜S8を生成する。そして、インバータ6の各スイッチング素子E3〜E8がスイッチング制御信号S3〜S8に従ってオンオフ動作を行うことにより、PWM制御(正弦波PWM制御又は過変調PWM制御)又は矩形波制御が行われる。本実施形態では、搬送波の振幅を、正弦波PWM制御における上限の変調率m(=0.61)に相当する各相の電圧指令値Vu、Vv、Vwの振幅と同じ値に固定している。これにより、PWMパルス生成部26は、入力された各相の電圧指令値Vu、Vv、Vwが、正弦波PWM制御における上限の変調率m(=0.61)を超える変調率m(=0.61〜0.78)に相当する振幅である場合には、インバータ6の出力電圧波形が基本的にPWMパルスとなると共に電圧指令値Vu、Vv、Vwが搬送波の振幅を超える部分において連続的にハイレベル又はローレベルとなる過変調PWM制御を実行するためのスイッチング制御信号S3〜S8を生成する。更に、PWMパルス生成部26は、入力された各相の電圧指令値Vu、Vv、Vwが、過変調PWM制御における上限の変調率m(=0.78)に相当する振幅である場合には、インバータ6の出力電圧波形が1周期につきハイレベル期間とローレベル期間とが1回ずつ交互に表れる矩形波となる矩形波制御を実行するためのスイッチング制御信号S3〜S8を生成する。
電圧指令換算値導出部29には、d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqが入力される。電圧指令換算値導出部29は、d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqに基づいて電圧指令換算値Vaを、下記の式(4)に従って導出する。
Va=√(Vd+Vq)/0.78・・・(4)
ここで、√(Vd+Vq)は、3相の線間電圧実効値に相当する。従って、本実施形態では、電圧指令換算値Vaは、3相の線間電圧実効値を理論上の最大変調率(m=0.78)で除算した値として導出される。この電圧指令換算値Vaは、交流電圧指令値Vd、Vqをシステム電圧Vdcと比較可能とするための換算値であり、交流電圧指令値Vd、Vqを出力するために必要とされる直流電圧(システム電圧Vdc)を表している。より詳しくは、電圧指令換算値Vaは、交流電圧指令値Vd、Vqに従った交流電圧を出力するためにインバータ6に入力されることが必要とされるシステム電圧Vdcを表している。
第二減算器30には、電圧指令換算値Va、及びシステム電圧センサ42により検出されたシステム電圧Vdcの値が入力される。第二減算器30は、下記の式(5)に示すように、電圧指令換算値Vaからシステム電圧Vdcの値を減算した電圧偏差ΔVを導出する。
ΔV=Va−Vdc・・・(5)
本実施形態においては、この電圧偏差ΔVが、システム電圧Vdcに対する交流電圧指令値Vd、Vqの大きさを表す電圧指標に相当する。よって本実施形態では、電圧指令換算値導出部29及び第二減算器30により、電圧指標導出部11が構成されている。ここでは、電圧偏差ΔVは、交流電圧指令値Vd、Vqがそのときのシステム電圧Vdcによって出力し得る最大の交流電圧の値を超えている程度を表す。従って、電圧偏差ΔVは、実質的にはシステム電圧Vdcの不足の程度を表す電圧不足指標として機能する。
本実施形態では、処理切替部10には、電圧偏差ΔV、弱め界磁電流指令値ΔId、及びシステム電圧指令値Vdctが入力される。処理切替部10は、これらの値に基づいて、システム電圧指令決定部9によりシステム電圧指令値Vdctを決定するシステム電圧決定処理と、弱め界磁指令値決定部8により弱め界磁電流指令値ΔIdを決定する弱め界磁指令値決定処理との実行状態を切り替える。本実施形態では、処理切替部10は、弱め界磁指令値決定処理を実行する第一状態M1、システム電圧決定処理を実行する第二状態M2、及びこれらの双方を実行しない第三状態M3を切り替える。そして、処理切替部10は、第一状態M1では電圧偏差ΔVを第一積分器31へ入力し、第二状態M2では電圧偏差ΔVを第二積分器32へ入力し、第三状態M3では電圧偏差ΔVを第一積分器31及び第二積分器32のいずれにも入力しない。処理切替部10は、電圧偏差ΔV、弱め界磁電流指令値ΔId、及びシステム電圧指令値Vdctのそれぞれについて予め規定されたしきい値と比較した結果に基づいて、3つの状態M1、M2、M3の切り替えを行う。なお、この処理切替部10による切り替え動作については、後で図6〜図8を用いて詳細に説明するため、ここでは詳しく説明しない。
処理切替部10が第一状態M1にあるときに、第一積分器31には電圧偏差ΔVが入力される。第一積分器31は、この電圧偏差ΔVを所定のゲインを用いて積分し、当該積分値を弱め界磁電流指令値ΔIdとして導出する。ここでは、第一積分器31は、自己保持回路等による自己保持機能を備えるものとしている。そして、第一積分器31は、処理切替部10が第二状態M2となったときには、処理切替部10が第一状態M1にあったときの最終の弱め界磁電流指令値ΔIdを保持し、当該値を出力し続けるように構成されている。また、第一積分器31は、処理切替部10が第三状態M3となったときには自己保持機能を解除するように構成されている。本実施形態では、この弱め界磁電流指令値ΔIdが、電動機4の界磁磁束を弱める弱め界磁制御を行う際の弱め界磁の程度を表す弱め界磁指令値に相当する。また、電圧指令換算値導出部29、第二減算器30、及び第一積分器31により、交流電圧指令値Vd、Vqとシステム電圧Vdcとに基づいて弱め界磁電流指令値ΔIdが決定される。よって、本実施形態では、電圧指令換算値導出部29、第二減算器30、及び第一積分器31により、弱め界磁指令値決定部8が構成されている。上記のとおり、本実施形態では、矩形波制御と共に弱め界磁制御を行い、PWM制御と共に最大トルク制御を行う。従って、制御装置2は、弱め界磁電流指令値ΔIdがゼロの状態ではインバータ6にPWM制御を行わせ、弱め界磁電流指令値ΔIdがゼロ以外の状態ではインバータ6に矩形波制御を行わせる構成となっている。
処理切替部10が第二状態M2にあるときに、第二積分器32には電圧偏差ΔVが入力される。第二積分器32は、この電圧偏差ΔVを所定のゲインを用いて積分し、当該積分値を昇圧指令値ΔVbとして導出する。ここでは、第二積分器32は、自己保持回路等による自己保持機能を備えるものとしている。そして、第二積分器32は、処理切替部10が第一状態M1となったときには、処理切替部10が第二状態M2にあったときの最終の昇圧指令値ΔVbを保持し、当該値を出力し続けるように構成されている。また、第二積分器32は、処理切替部10が第三状態M3となったときには自己保持機能を解除するように構成されている。この昇圧指令値ΔVbは、電流制御部24で導出された交流電圧指令値Vd、Vqに従った交流電圧を出力するためにインバータ6に入力されることが必要とされるシステム電圧Vdcを得るために、電源電圧Vbに対して昇圧する必要がある電圧値に相当する。
加算器33には、電源電圧センサ41により検出された電源電圧Vb及び昇圧指令値ΔVbが入力される。加算器33は、下記の式(6)に示すように、電源電圧Vbに昇圧指令値ΔVbを加算したシステム電圧指令値Vdctを導出する。
Vdct=Vb+ΔVb・・・(6)
このシステム電圧指令値Vdctが、コンバータ5により生成するシステム電圧Vdcの指令値となる。上記のとおり、電圧指令換算値導出部29、第二減算器30、第二積分器32、及び加算器33により、交流電圧指令値Vd、Vqとシステム電圧Vdcとに基づいてシステム電圧指令値Vdctが決定される。よって、本実施形態では、電圧指令換算値導出部29、第二減算器30、第二積分器32、及び加算器33により、システム電圧指令決定部9が構成されている。上記のとおり、このシステム電圧指令決定部9は、電圧指標として電圧指令換算値導出部29及び第二減算器30により導出される電圧偏差ΔVに基づいて、より具体的には、当該電圧偏差ΔVを第二積分器32により積分して導出される積分値である昇圧指令値ΔVbと電源電圧Vbとに基づいて、システム電圧指令値Vdctを決定している。
昇圧制御部34には、システム電圧指令値Vdctが入力される。昇圧制御部34は、システム電圧指令値Vdctに応じて、コンバータ5の電圧変換用スイッチング素子E1、E2を制御するスイッチング制御信号S1、S2を生成する。そして、コンバータ5の電圧変換用スイッチング素子E1、E2がスイッチング制御信号S1、S2に従ってオンオフ動作を行うことにより、電源電圧Vbが昇圧される。具体的には、コンバータ5は、制御装置2からのスイッチング制御信号S1、S2に応答して、下アーム素子E2のみが所定期間オンする状態と、上アーム素子E1及び下アーム素子E2の双方が所定期間オフする状態とを交互に繰り返す動作を行い、電源電圧Vbを昇圧する。この際の昇圧比は下アーム素子E2のオン期間のデューティ比に応じたものとなる。すなわち、下アーム素子E2のオンデューティを大きくするに従ってリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、コンバータ5から出力されるシステム電圧Vdcを高くすることができる。
1−3.処理切替部の動作
次に、処理切替部10の切り替え動作及びそれに伴う制御装置2の各部の動作について、図6〜図8を用いて詳細に説明する。図6は、処理切替部10による切り替え動作に伴う制御装置2の各部の動作の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、制御装置2は、まず、電圧指令換算値導出部29により電圧指令換算値Vaを導出する(ステップ#01)。次に、第二減算器30により、電圧指令換算値Vaからシステム電圧Vdcの値を減算した電圧偏差ΔV(=Va−Vdc)を導出する(ステップ#02)。そして、処理切替部10により、ステップ#02で導出された電圧偏差ΔVがゼロより大きいか(ΔV>0)否かを判定する(ステップ#03)。電圧偏差ΔVがゼロより大きい場合には(ステップ#03:Yes)、システム電圧Vdcが交流電圧指令値Vd、Vqに対して不足しているということになる。そこで、処理切替部10は、次に、そのときの弱め界磁電流指令値ΔIdが所定の第一しきい値ΔIds以上であるか(ΔId≧ΔIds)否かを判定する(ステップ#04)。弱め界磁電流指令値ΔIdが第一しきい値ΔIds未満である場合には(ステップ#04:No)、処理切替部10は、電圧偏差ΔVを第一積分器31に入力する第一状態M1となり、弱め界磁指令値決定処理を実行状態とする。これにより、第一積分器31が電圧偏差ΔVを積分して弱め界磁電流指令値ΔIdを導出する(ステップ#05)。この場合、制御装置2は、インバータ6に弱め界磁制御及び矩形波制御を行わせ、コンバータ5には昇圧制御を行わせず電源電圧Vbをそのままシステム電圧Vdcとして出力させる。
弱め界磁電流指令値ΔIdが第一しきい値ΔIds以上である場合には(ステップ#04:Yes)、次に、処理切替部10により、システム電圧指令値Vdctが第二しきい値Vdcmax未満であるか(Vdct<Vdcmax)否かを判定する(ステップ#06)。システム電圧指令値Vdctが第二しきい値Vdcmax未満である場合には(ステップ#06:Yes)、第一積分器31によりそのときの弱め界磁電流指令値ΔIdを保持させる(ステップ#07)。そして、処理切替部10は、電圧偏差ΔVを第二積分器32に入力する第二状態M2となり、システム電圧決定処理を実行状態とする。これにより、第二積分器32が電圧偏差ΔVを積分してシステム電圧指令値Vdctを導出する(ステップ#08)。この場合、制御装置2は、ステップ#07で保持された一定の弱め界磁電流指令値ΔIdに従ってインバータ6に弱め界磁制御を行わせるとともに矩形波制御を行わせ、コンバータ5には昇圧制御を行わせて電源電圧Vbに対して昇圧したシステム電圧Vdcを出力させる。
システム電圧指令値Vdctが第二しきい値Vdcmax以上である場合には(ステップ#06:No)、第二積分器32によりそのときの昇圧指令値ΔVbを保持させ、それによってそのときのシステム電圧指令値Vdctを保持させる(ステップ#09)。そして、処理切替部10は、電圧偏差ΔVを第一積分器31に入力する第一状態M1となり、第一積分器31が電圧偏差ΔVを積分して弱め界磁電流指令値ΔIdを導出する(ステップ#05)。この場合、制御装置2は、ステップ#09で保持された一定のシステム電圧指令値Vdctに従ってコンバータ5に昇圧制御を行わせて電源電圧Vbに対して昇圧したシステム電圧を出力させるとともに、弱め界磁電流指令値ΔIdを調整しつつインバータ6に弱め界磁制御及び矩形波制御を行わせる。
一方、電圧偏差ΔVがゼロ以下である場合には(ステップ#03:No)、処理切替部10は、電圧偏差ΔVを第一積分器31及び第二積分器32のいずれにも入力しない第三状態M3となる。よって、本実施形態では、このゼロが、電圧指標としての電圧偏差ΔVについて予め定められたしきい値であり、このしきい値は、弱め界磁指令値決定処理及びシステム電圧決定処理の少なくとも一方を行うか否かを決定するための処理実行しきい値として機能する。そして、ステップ#07による弱め界磁電流指令値ΔIdの保持又はステップ#09によるシステム電圧指令値Vdctの保持が行われている場合には、当該保持を解除する(ステップ#10)。このときに弱め界磁制御が行われていた場合には、第一積分器31は弱め界磁電流指令値ΔIdを次第に減少させ、最終的には弱め界磁制御を終了する。また、このときに昇圧制御が行われていた場合には、第二積分器32は昇圧指令値ΔVbを次第に減少させ、最終的には昇圧制御を終了する。一方、このときに弱め界磁制御及び昇圧制御の双方が行われていなかった場合、すなわち、インバータ6に最大トルク制御及びPWM制御を行わせ、コンバータ5には昇圧制御を行わせず電源電圧Vbをそのままシステム電圧Vdcとして出力させていた場合には、制御装置2はその状態を維持する。
上記のとおり、第一しきい値ΔIdsは、コンバータ5による昇圧を開始するための弱め界磁電流指令値ΔIdのしきい値である。ここで、弱め界磁制御に伴って矩形波制御を行うと、PWM制御を行う場合に比べてインバータ6の各スイッチング素子E3〜E8のスイッチング回数が大幅に減少するので、スイッチング損失を低減することができる。一方、弱め界磁制御を行うための弱め界磁電流を増大させると電動機4に入力する電流に対して得られるトルクが減少するため効率が低下する。そこで、第一しきい値ΔIdsは、弱め界磁制御に伴って矩形波制御を行うことによるスイッチング損失の低減に伴う効率向上が、弱め界磁電流の増大(弱め界磁の程度の増大)による効率低下を上回る範囲内に設定されると好適である。このようにすることにより、電動機駆動装置1の効率を高めることができる。一方、第二しきい値Vdcmaxは、コンバータ5により昇圧可能なシステム電圧指令値Vdctの上限に設定されると好適である。これにより、弱め界磁電流を増大させることなくシステム電圧Vdcを上昇させることで電動機4の動作可能領域を拡大することができる(図8参照)。そして、システム電圧指令値Vdctが昇圧上限の第二しきい値Vdcmaxに到達した後は、効率は低下するが、弱め界磁電流指令値ΔIdを増大させることにより、電動機4の動作可能領域を更に拡大することができる。
次に、図6に示すフローチャートに従って処理切替部10による切り替え動作を行った場合の制御装置2の動作の具体例について、図7及び図8を用いて説明する。図7において、(a)は目標トルクTMが時間に応じて変化する一例を示し、(b)はそのときの弱め界磁電流指令値ΔIdの変化を示し、(c)はそのときのシステム電圧指令値Vdctの変化を示している。図7(a)に示すように、本例では、目標トルクTMは、まず電動機4により出力可能な最大トルクTMmaxまで上昇した後は、基本的に各時点での電動機4の回転速度ωに応じて出力可能な最大トルクに沿って推移するものとする。なお、本例では、電動機4の回転速度ωは一定の加速度で時間の経過と共に増加していくものとする。また、図8において、(b)は図7(c)に対応する時間経過に伴って回転速度ωが上昇した際のシステム電圧指令値Vdctの変化を示しており、(a)はこのようなシステム電圧指令値Vdctの変化に応じた電動機4の動作可能領域の変化を示している。図8(a)において、実線で示す領域は電源電圧Vbを昇圧せずにそのままシステム電圧Vdcとして用いた場合の動作可能領域であり、二点鎖線で示す領域は電源電圧Vbを次第に昇圧した場合に変化する動作可能領域を示している。また、図8(a)中における複数の黒点は、図7(a)に対応する各時点での目標トルクTMの推移を示している。
図8(a)に示すように、本例では、時刻t1までは、目標トルクTM及び回転速度ωにより規定される電動機4の動作点が、当該動作点で必要される交流電圧指令値Vd、Vqを出力するために電源電圧Vbを昇圧する必要がなく、最大トルク制御及びPWM制御を実行可能な領域A1にある。この場合、電圧偏差ΔVはゼロ以下となる(ステップ#03:No)。従って、図7(b)及び(c)に示すように、時刻t1までは、弱め界磁電流指令値ΔIdがゼロ、システム電圧指令値Vdctが電源電圧Vbと同じ値(昇圧指令値ΔVbがゼロ)となっている。
その後、時刻t1〜t2では、図8(a)に示すように、電動機4の動作点が弱め界磁制御及び矩形波制御を行う必要がある領域A2に入っている。この場合、電圧偏差ΔVはゼロより大きくなる(ステップ#03:Yes)。そこで、図7(b)に示すように、処理切替部10により弱め界磁指令値決定処理が実行状態とされ(ステップ#05)、制御装置2が弱め界磁制御及び矩形波制御を実行する。これにより、弱め界磁電流指令値ΔIdは、時刻t1〜t2における回転速度ωの上昇に伴ってゼロから第一しきい値ΔIdsまで次第に増加している。この際、弱め界磁電流指令値ΔIdが第一しきい値ΔIds以下の状態では(ステップ#04:No)、制御装置2は昇圧制御は行わず、システム電圧指令値Vdctは電源電圧Vbと同じ値のままとなる。従って、電動機4が出力可能なトルクは、回転速度ωの上昇に伴って次第に低下している。本例では、時刻t2において、弱め界磁電流指令値ΔIdが第一しきい値ΔIdsに到達する(ステップ#04:Yes)。
そこで、時刻t2〜t3では、図7(c)及び図8(b)に示すように、処理切替部10によりシステム電圧決定処理が実行状態とされ(ステップ#08)、制御装置2が昇圧制御を実行する。これにより、システム電圧指令値Vdctは、時刻t2〜t3における回転速度ωの上昇に伴って電源電圧Vbと同じ値からシステム電圧指令値Vdctの上限に設定された第二しきい値Vdcmaxまで次第に増加している。このようにシステム電圧Vdcが上昇することにより、図8(a)に示すように、電動機4の動作可能領域は高回転側へ次第に拡大する。本例では、電動機4の回転速度ωの上昇に伴ってシステム電圧指令値Vdctが昇圧されることにより、回転速度ωの上昇中にも電動機4が出力可能なトルクが一定に維持されている。なお、昇圧制御中における電動機4の回転速度ωと出力可能なトルクとの関係は、昇圧速度と電動機4のロータの加速度との関係により変化する。そして、図7(b)に示すように、このような昇圧制御中は、処理切替部10により弱め界磁指令値決定処理が中止され、昇圧制御を開始したときの弱め界磁電流指令値ΔId(=ΔIds)が保持される(ステップ#07)。従って、制御装置2は、このような昇圧制御中も弱め界磁制御及び矩形波制御を実行する。本例では、時刻t3において、システム電圧指令値Vdctが第二しきい値Vdcmaxに到達する(ステップ#06:No)。
そこで、時刻t3以後は、図7(c)に示すように、処理切替部10によりシステム電圧決定処理が中止され、システム電圧指令値Vdctが上限の第二しきい値Vdcmaxに保持される(ステップ#09)。また、図7(b)に示すように、処理切替部10により弱め界磁指令値決定処理が再開される(ステップ#05)。これにより、弱め界磁電流指令値ΔIdは、時刻t3以後における回転速度ωの上昇に伴って第一しきい値ΔIdsから次第に増加している。従って、電動機4が出力可能なトルクは、回転速度ωの上昇に伴って次第に低下している。当然ながら、制御装置2は、この間も弱め界磁制御及び矩形波制御を実行する。
以上より、本実施形態に係る構成によれば、電動機4の回転速度ωや目標トルクTMが上昇する状況において交流電圧指令値Vd、Vqが電源電圧Vbによって出力し得る最大の交流電圧の値を超えた場合には、まず昇圧制御を行う前に弱め界磁制御及び矩形波制御を開始する(時刻t1〜t2)。その後、更に回転速度ωや目標トルクTMが上昇すると、弱め界磁制御及び矩形波制御を維持したままシステム電圧Vdcを昇圧する。従って、矩形波制御によるスイッチング損失の低減という効果を幅広い動作範囲で得ることが可能となり、電動機駆動装置1の効率を高めることができる。また、システム電圧指令値Vdctが上限の第二しきい値Vdcmaxに到達した後は、弱め界磁電流指令値ΔIdを増加させることにより電動機4の回転速度ωを更に上昇させることができる。
2.第二の実施形態
次に、本発明の第二の実施形態について図9及び図10を用いて説明する。図9は、上記第一の実施形態に係る図2に対応する制御装置2の機能ブロック図であるが、本実施形態における上記第一の実施形態との相違点に関する部分のみを示している。この図に示すように、本実施形態に係る制御装置2は、電圧指令換算値導出部29に変えて変調率導出部35を備え、この変調率導出部35において導出した変調率mに基づいて弱め界磁電流指令値ΔId及び昇圧指令値ΔVbを決定する構成となっている点で、上記第一の実施形態と相違している。以下では、本実施形態に係る制御装置2について、上記第一の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第一の実施形態と同様とする。
変調率導出部35には、電流制御部24により導出されたd軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqが入力される。また、変調率導出部35には、システム電圧センサ42により検出されたシステム電圧Vdcの値が入力される。変調率導出部35は、これらの値に基づいて変調率mを、下記の式(7)に従って導出する。
m=√(Vd+Vq)/Vdc・・・(7)
本実施形態では、変調率mは、システム電圧Vdcに対する交流電圧指令値Vd、Vqの比を表している。より詳しくは、変調率mは、システム電圧Vdcに対する、交流電圧指令値Vd、Vqに基づくインバータ6の出力電圧波形の基本波成分の実効値の比率であり、ここでは、3相の線間電圧実効値をシステム電圧Vdcの値で除算した値として導出される。上記のとおり、変調率mの最大値は、矩形波制御を実行している際の変調率mに相当する「0.78」である。
第二減算器30には、変調率m及び当該変調率mの最大値である「0.78」の値が入力される。本実施形態では、この「0.78」が所定の目標変調率となる。第二減算器30は、下記の式(8)に示すように、変調率mから「0.78」を減算した変調率偏差Δmを導出する。
Δm=m−0.78・・・(8)
本実施形態においては、この変調率偏差Δmが、システム電圧Vdcに対する交流電圧指令値Vd、Vqの大きさを表す電圧指標に相当する。よって本実施形態では、変調率導出部35及び第二減算器30により、電圧指標導出部11が構成されている。変調率偏差Δmは、上記第一の実施形態に係る電圧偏差ΔVと同様に、交流電圧指令値Vd、Vqがそのときのシステム電圧Vdcによって出力し得る最大の交流電圧の値を超えている程度を表す。従って、変調率偏差Δmは、実質的にはシステム電圧Vdcの不足の程度を表す電圧不足指標として機能する。
本実施形態では、処理切替部10には、変調率偏差Δm、弱め界磁電流指令値ΔId、及びシステム電圧指令値Vdctが入力される。処理切替部10は、これらの値に基づいて、システム電圧指令決定部9によりシステム電圧指令値Vdctを決定するシステム電圧決定処理と、弱め界磁指令値決定部8により弱め界磁電流指令値ΔIdを決定する弱め界磁指令値決定処理との実行状態を切り替える。本実施形態では、処理切替部10は、弱め界磁指令値決定処理を実行する第一状態M1、システム電圧決定処理を実行する第二状態M2、及びこれらの双方を実行しない第三状態M3を切り替える。そして、処理切替部10は、第一状態M1では変調率偏差Δmを第一積分器31へ入力し、第二状態M2では変調率偏差Δmを第二積分器32へ入力し、第三状態M3では変調率偏差Δmを第一積分器31及び第二積分器32のいずれにも入力しない。なお、この処理切替部10による切り替え動作については、後で図10を用いて詳細に説明する。
処理切替部10が第一状態M1にあるときに、第一積分器31には変調率偏差Δmが入力される。第一積分器31は、この変調率偏差Δmを所定のゲインを用いて積分し、当該積分値を弱め界磁電流指令値ΔIdとして導出する。よって、本実施形態では、変調率導出部35、第二減算器30、及び第一積分器31により、弱め界磁指令値決定部8が構成されている。一方、処理切替部10が第二状態M2にあるときに、第二積分器32には変調率偏差Δmが入力される。第二積分器32は、この変調率偏差Δmを所定のゲインを用いて積分し、当該積分値を昇圧指令値ΔVbとして導出する。このように導出された昇圧指令値ΔVbは、上記第一の実施形態と同様に、加算器33において電源電圧Vbに加算され、システム電圧指令値Vdctが導出される。よって、本実施形態では、変調率導出部35、第二減算器30、第二積分器32、及び加算器33により、システム電圧指令決定部9が構成されている。
次に、本実施形態に係る制御装置2における、処理切替部10の切り替え動作に伴う各部の動作について、図10に示すフローチャートを用いて説明する。図10のフローチャートは、上記第一の実施形態に係る図6のフローチャートに対応している。
図10に示すように、制御装置2は、まず、変調率導出部35により変調率mを導出する(ステップ#11)。次に、第二減算器30により、変調率mから当該変調率mの最大値である「0.78」を減算した変調率偏差Δm(=m−0.78)を導出する(ステップ#12)。そして、処理切替部10により、ステップ#12で導出された変調率偏差Δmがゼロより大きいか(Δm>0)否かを判定する(ステップ#13)。変調率偏差Δmがゼロより大きい場合には(ステップ#13:Yes)、システム電圧Vdcが交流電圧指令値Vd、Vqに対して不足しているということになる。そこで、処理切替部10は、次に、そのときの弱め界磁電流指令値ΔIdが所定の第一しきい値ΔIds以上であるか(ΔId≧ΔIds)否かを判定する(ステップ#14)。弱め界磁電流指令値ΔIdが第一しきい値ΔIds未満である場合には(ステップ#14:No)、処理切替部10は、変調率偏差Δmを第一積分器31に入力する第一状態M1となり、弱め界磁指令値決定処理を実行状態とする。これにより、第一積分器31が変調率偏差Δmを積分して弱め界磁電流指令値ΔIdを導出する(ステップ#15)。この場合、制御装置2は、インバータ6に弱め界磁制御及び矩形波制御を行わせ、コンバータ5には昇圧制御を行わせず電源電圧Vbをそのままシステム電圧Vdcとして出力させる。
弱め界磁電流指令値ΔIdが第一しきい値ΔIds以上である場合には(ステップ#14:Yes)、次に、処理切替部10により、システム電圧指令値Vdctが第二しきい値Vdcmax未満であるか(Vdct<Vdcmax)否かを判定する(ステップ#16)。システム電圧指令値Vdctが第二しきい値Vdcmax未満である場合には(ステップ#16:Yes)、第一積分器31によりそのときの弱め界磁電流指令値ΔIdを保持させる(ステップ#17)。そして、処理切替部10は、変調率偏差Δmを第二積分器32に入力する第二状態M2となり、システム電圧決定処理を実行状態とする。これにより、第二積分器32が変調率偏差Δmを積分してシステム電圧指令値Vdctを導出する(ステップ#18)。この場合、制御装置2は、ステップ#17で保持された一定の弱め界磁電流指令値ΔIdに従ってインバータ6に弱め界磁制御を行わせるとともに矩形波制御を行わせ、コンバータ5には昇圧制御を行わせて電源電圧Vbに対して昇圧したシステム電圧Vdcを出力させる。
システム電圧指令値Vdctが第二しきい値Vdcmax以上である場合には(ステップ#16:No)、第二積分器32によりそのときの昇圧指令値ΔVbを保持させ、それによってそのときのシステム電圧指令値Vdctを保持させる(ステップ#19)。そして、処理切替部10は、変調率偏差Δmを第一積分器31に入力する第一状態M1となり、第一積分器31が変調率偏差Δmを積分して弱め界磁電流指令値ΔIdを導出する(ステップ#15)。この場合、制御装置2は、ステップ#19で保持された一定のシステム電圧指令値Vdctに従ってコンバータ5に昇圧制御を行わせて電源電圧Vbに対して昇圧したシステム電圧を出力させるとともに、弱め界磁電流指令値ΔIdを調整しつつインバータ6に弱め界磁制御及び矩形波制御を行わせる。
一方、変調率偏差Δmがゼロ以下である場合には(ステップ#13:No)、処理切替部10は、変調率偏差Δmを第一積分器31及び第二積分器32のいずれにも入力しない第三状態M3となる。よって、本実施形態では、このゼロが、電圧指標としての変調率偏差Δmについて予め定められたしきい値であり、このしきい値は、弱め界磁指令値決定処理及びシステム電圧決定処理の少なくとも一方を行うか否かを決定するための処理実行しきい値として機能する。そして、ステップ#17による弱め界磁電流指令値ΔIdの保持又はステップ#19によるシステム電圧指令値Vdctの保持が行われている場合には、当該保持を解除する(ステップ#10)。このときに弱め界磁制御が行われていた場合には、第一積分器31は弱め界磁電流指令値ΔIdを次第に減少させ、最終的には弱め界磁制御を終了する。また、このときに昇圧制御が行われていた場合には、第二積分器32は昇圧指令値ΔVbを次第に減少させ、最終的には昇圧制御を終了する。一方、このときに弱め界磁制御及び昇圧制御の双方が行われていなかった場合、すなわち、インバータ6に最大トルク制御及びPWM制御を行わせ、コンバータ5には昇圧制御を行わせず電源電圧Vbをそのままシステム電圧Vdcとして出力させていた場合には、制御装置2はその状態を維持する。
3.その他の実施形態
(1)上記の第一の実施形態では、電圧偏差ΔVを式(4)及び式(5)に基づいて導出する構成を例として説明した。しかし、このような実施形態に限定されず、本発明は、3相の線間電圧実効値に沿う交流電圧指令値Vd、Vqの大きさとシステム電圧Vdcとの比較に基づいてシステム電圧指令値Vdctを決定するシステム電圧指令決定部9を備える電動機駆動装置1に適用可能である。従って、システム電圧Vdcに対する交流電圧指令値Vd、Vqの大きさを表す電圧指標を、例えば、以下のようにして導出する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
すなわち、図11に示すように、制御装置2は、第二電圧指令換算値導出部36とシステム電圧換算値導出部37とを備えている。第二電圧指令換算値導出部36は、下記の式(9)に従って、交流電圧指令値Vd、Vqの大きさを表す第二電圧指令換算値Va2を導出する。ここでは、第二電圧指令換算値Va2は、3相の線間電圧実効値に相当する。
Va2=√(Vd+Vq)・・・(9)
また、システム電圧換算値導出部37はシステム電圧Vdcによって出力し得る最大の交流電圧の値を表すシステム電圧換算値(=0.78Vdc)を導出する。ここでは、システム電圧換算値は、システム電圧Vdcに理論上の最大変調率(m=0.78)を乗算して導出される。このシステム電圧換算値は、システム電圧Vdcを交流電圧指令値Vd、Vq(ここでは第二電圧指令換算値Va2)と比較可能とするための換算値である。
そして、第二減算器30は、下記の式(10)に示すように、第二電圧指令換算値Va2からシステム電圧換算値を減算して第二電圧偏差ΔV2を導出する。
ΔV2=Va2−0.78Vdc
=√(Vd+Vq)−0.78Vdc・・・(10)
従って、この第二電圧偏差ΔV2が、交流電圧指令値Vd、Vqとシステム電圧Vdcによって出力し得る最大の交流電圧の値との偏差に相当する。本例では、この第二電圧偏差ΔV2が電圧指標に相当する。この場合でも、第二電圧偏差ΔV2は、交流電圧指令値Vd、Vqがそのときのシステム電圧Vdcによって出力し得る最大の交流電圧の値を超えている程度を表し、実質的にはシステム電圧Vdcの不足の程度を表す電圧不足指標として機能する。
(2)上記の実施形態では、電動機駆動装置1が、電圧変換部として電源電圧Vbを昇圧してシステム電圧Vdcを生成する昇圧コンバータ5を備える構成を例として説明した。しかし、このような実施形態に限定されず、本発明は、直流電源3からの電源電圧Vbを変換して所望のシステム電圧Vdcを生成する各種の電圧変換部を備える電動機駆動装置1に適用可能である。従って、例えば、電動機駆動装置1が、電圧変換部として電源電圧Vbの昇圧及び降圧の双方を行う昇降圧コンバータを備え、或いは電源電圧Vbの降圧を行う降圧コンバータを備える構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合においても、システム電圧指令値Vdctは、上記実施形態と同様に、交流電圧指令値Vd、Vqとシステム電圧Vdcとに基づいて決定することができる。
(3)上記の実施形態では、d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqを交流電圧指令値とする場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、電動機4が必要とする交流電圧を表す指令値であって、システム電圧Vdcとの比較が可能なものであれば、他の値を交流電圧指令値としてシステム電圧指令値Vdctの決定に用いることが可能である。従って、例えば、U相電圧指令値Vu、V相電圧指令値Vv、及びW相電圧指令値Vwを交流電圧指令値としてシステム電圧指令値Vdctの決定に用いる構成とすることも可能である。
(4)上記の実施形態では、交流電動機4が三相交流により動作する埋込磁石構造の同期電動機(IPMSM)である場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、交流電動機4として、表面磁石構造の同期電動機(SPMSM)を用いることができ、或いは、同期電動機以外にも、例えば、誘導電動機等を用いることもできる。また、このような交流電動機に供給する交流として、三相以外の単相、二相、又は四相以上の多相交流を用いることができる。
(5)上記の実施形態では、電動機4が電動車両やハイブリッド車両等の駆動力源として用いられる場合を例として説明した。しかし、本実施形態に係る電動機4の用途はこれに限定されるものではなく、あらゆる用途の電動機について、本発明を適用することが可能である。
本発明は、交流電動機を駆動するための電動機駆動装置の制御を行う制御装置に好適に利用可能である。
1:電動機駆動装置
2:制御装置
3:直流電源
4:交流電動機
5:コンバータ(電圧変換部)
6:インバータ(直流交流変換部)
7:交流電圧指令決定部
8:弱め界磁指令値決定部
9:システム電圧指令決定部
10:処理切替部
11:電圧指標導出部
Vb:電源電圧
Vdc:システム電圧
TM:目標トルク
ω:回転速度
Vd:d軸電圧指令値(交流電圧指令値)
Vq:q軸電圧指令値(交流電圧指令値)
Vdct:システム電圧指令値
ΔId:弱め界磁電流指令値(弱め界磁指令値)
ΔIds:第一しきい値
Vdcmax:第二しきい値
Va:電圧指令換算値
ΔV:電圧偏差(電圧指標)
m:変調率
Δm:変調率偏差(電圧指標)
ΔV2:第二電圧偏差(電圧指標)

Claims (7)

  1. 直流電源からの電源電圧を変換して所望のシステム電圧を生成する電圧変換部と、前記システム電圧を交流電圧に変換して交流電動機に供給する直流交流変換部と、を備えた電動機駆動装置の制御を行う制御装置であって、
    前記交流電動機の目標トルク及び前記交流電動機の回転速度に基づいて、前記直流交流変換部から前記交流電動機に供給する交流電圧の指令値である交流電圧指令値を決定する交流電圧指令決定部と、
    前記交流電圧指令値と前記システム電圧とに基づいて、前記電圧変換部により生成する前記システム電圧の指令値であるシステム電圧指令値を決定するシステム電圧指令決定部と、
    を備えた電動機駆動装置の制御装置。
  2. 前記システム電圧に対する前記交流電圧指令値の大きさを表す電圧指標を導出する電圧指標導出部を更に備え、
    前記システム電圧指令決定部は、前記電圧指標を積分した積分値と前記電源電圧とに基づいて前記システム電圧指令値を決定する請求項1に記載の電動機駆動装置の制御装置。
  3. 前記電圧指標は、前記交流電圧指令値を出力するために必要な直流電圧を表す電圧指令換算値と前記システム電圧との偏差に基づいて導出される請求項2に記載の電動機駆動装置の制御装置。
  4. 前記電圧指標は、前記システム電圧に対する前記交流電圧指令値の比を表す変調率と所定の目標変調率との偏差に基づいて導出される請求項2に記載の電動機駆動装置の制御装置。
  5. 前記電圧指標は、前記交流電圧指令値と前記システム電圧によって出力し得る最大の前記交流電圧の値との偏差に基づいて導出される請求項2に記載の電動機駆動装置の制御装置。
  6. 前記交流電圧指令値と前記システム電圧とに基づいて前記交流電動機の界磁磁束を弱める弱め界磁制御を行う際の弱め界磁の程度を表す弱め界磁指令値を決定する弱め界磁指令値決定部と、
    前記システム電圧指令決定部により前記システム電圧指令値を決定するシステム電圧決定処理と、前記弱め界磁指令値決定部により弱め界磁指令値を決定する弱め界磁指令値決定処理との実行状態を切り替える処理切替部と、を更に備え、
    前記処理切替部は、少なくとも前記弱め界磁指令値及び前記システム電圧指令値に基づいて、前記システム電圧決定処理と前記弱め界磁指令値決定処理との実行状態を切り替える請求項1から5のいずれか一項に記載の電動機駆動装置の制御装置。
  7. 前記弱め界磁指令値がゼロの状態では前記直流交流変換部にパルス幅変調制御を行わせ、前記弱め界磁指令値がゼロ以外の状態では前記直流交流変換部に矩形波状電圧を出力させる矩形波制御を行わせる構成であって、
    前記処理切替部は、前記交流電圧指令値がそのときの前記システム電圧によって出力し得る最大の前記交流電圧の値を超えた場合には前記弱め界磁指令値が所定の第一しきい値に到達するまで前記弱め界磁指令値決定処理を実行し、前記弱め界磁指令値が所定の第一しきい値に到達した場合には前記弱め界磁指令値決定処理を中止して前記システム電圧指令値が所定の第二しきい値に到達するまで前記システム電圧決定処理を実行し、前記システム電圧指令値が所定の第二しきい値に到達した場合には前記弱め界磁指令値決定処理を再開する請求項6に記載の電動機駆動装置の制御装置。
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