JP5282985B2 - 電動機駆動装置の制御装置 - Google Patents
電動機駆動装置の制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5282985B2 JP5282985B2 JP2011519906A JP2011519906A JP5282985B2 JP 5282985 B2 JP5282985 B2 JP 5282985B2 JP 2011519906 A JP2011519906 A JP 2011519906A JP 2011519906 A JP2011519906 A JP 2011519906A JP 5282985 B2 JP5282985 B2 JP 5282985B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- control
- voltage
- system voltage
- rectangular wave
- change
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 230000008859 change Effects 0.000 claims abstract description 141
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 claims abstract description 67
- 230000003313 weakening effect Effects 0.000 description 15
- 230000010354 integration Effects 0.000 description 13
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 11
- 238000000034 method Methods 0.000 description 8
- 230000006870 function Effects 0.000 description 6
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 5
- 230000001360 synchronised effect Effects 0.000 description 5
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 description 4
- 230000008569 process Effects 0.000 description 4
- 230000004907 flux Effects 0.000 description 3
- 230000014509 gene expression Effects 0.000 description 3
- 238000009499 grossing Methods 0.000 description 3
- 230000005669 field effect Effects 0.000 description 2
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 2
- HBBGRARXTFLTSG-UHFFFAOYSA-N Lithium ion Chemical compound [Li+] HBBGRARXTFLTSG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- PXHVJJICTQNCMI-UHFFFAOYSA-N Nickel Chemical compound [Ni] PXHVJJICTQNCMI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 1
- 230000001276 controlling effect Effects 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000001914 filtration Methods 0.000 description 1
- 230000006698 induction Effects 0.000 description 1
- 229910001416 lithium ion Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910000652 nickel hydride Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000001105 regulatory effect Effects 0.000 description 1
- 230000004044 response Effects 0.000 description 1
- 230000002123 temporal effect Effects 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02P—CONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
- H02P6/00—Arrangements for controlling synchronous motors or other dynamo-electric motors using electronic commutation dependent on the rotor position; Electronic commutators therefor
- H02P6/10—Arrangements for controlling torque ripple, e.g. providing reduced torque ripple
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Control Of Ac Motors In General (AREA)
- Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
- Inverter Devices (AREA)
Description
本発明は、直流のシステム電圧を生成するシステム電圧生成部と、システム電圧を互いに位相がずれた複数相の交流電圧に変換して交流電動機に供給する直流交流変換部と、を備えた電動機駆動装置の制御を行う制御装置に関する。
直流電源からの直流電圧をインバータにより交流電圧に変換して交流電動機を駆動する電動機駆動装置が一般的に用いられている。このような電動機駆動装置では、交流電動機の各相のコイルに正弦波状の交流電圧を供給して効率的にトルクを発生させるために、ベクトル制御に基づくPWM(パルス幅変調)制御及び最大トルク制御が多く行われている。ところで、交流電動機は、回転速度が高くなるに従って誘起電圧が高くなり、交流電動機を駆動するために必要となる交流電圧(以下、「必要電圧」という。)も高くなる。そして、この必要電圧が、システム電圧を変換してインバータから出力し得る最大の交流電圧(以下、「最大出力電圧」という。)を超えるとコイルに必要な電流を流すことができなくなり、交流電動機を適切に制御することができない。そこで、この誘起電圧を下げるために、交流電動機の界磁磁束を弱める弱め界磁制御が行われる。しかし、弱め界磁制御を行うと、最大トルク制御を行うことができなくなるために、出力可能な最大トルクが低下するとともに効率も低下する。
このような問題に対して、下記の特許文献1には、直流電源からの電源電圧を昇圧する昇圧コンバータを備え、システム電圧を高めることができる電動機駆動装置が記載されている。当該電動機駆動装置の制御を行う制御装置は、必要電圧の上昇に応じてシステム電圧を高めることで最大出力電圧を上昇させ、最大トルク制御領域をより高い回転速度域まで広げることが可能となっている。そして、システム電圧が昇圧コンバータにより昇圧可能な上限電圧(以下、「最大システム電圧」という。)に達した状態、すなわち、最大出力電圧がその上限電圧となった状態においても必要電圧が最大出力電圧を超えるほど回転速度が高くなると、当該制御装置は弱め界磁制御に従った矩形波制御を行うように構成されている。すなわち、特許文献1に記載の制御装置は、システム電圧が電源電圧に対して昇圧された最大システム電圧と等しくなった後、言い換えれば、交流電動機の回転速度が比較的高くなった後に、矩形波制御を行うように構成されている。
ところで、矩形波制御によれば、インバータを構成するスイッチング素子のオンオフ回数をPWM制御に比べて大幅に少なくすることができるため、スイッチング損失を抑制することが可能である。そこで、電動機駆動装置の効率を向上させるべく、矩形波制御をより低い回転速度域から行う構成とすることが考えられる。しかしながら、矩形波制御の実行中にシステム電圧の昇圧を行うと、各相のコイルに供給される電圧のバランスが崩れ、交流電動機の出力トルクが回転角度により変動するトルクリップルが発生してしまう。特許文献1に記載の構成では、PWM制御中にシステム電圧の昇圧を行い、システム電圧が電源電圧に対して昇圧された最大システム電圧と等しくなってから矩形波制御が行われる。よって、システム電圧が最大システム電圧まで昇圧されるまでの間に矩形波制御が行われず、スイッチング損失の少ない矩形波制御の使用領域が高回転速度域に制限されてしまう。
ところで、昇圧コンバータを用いた能動的なシステム電圧の変更を行わず直流電源からの直流電圧をそのまま供給する運転条件又はシステムにおいても、システム電圧の変化が生じる。すなわち、直流電源の放電電流又は充電電流に応じて、直流電源の出力電圧が変化し、それに応じてシステム電圧が変化する。仮に、システム電圧の変化中に、矩形波制御を行わないようにした場合は、矩形波制御によるトルクリップルの発生が防止されるものの、スイッチング損失の少ない矩形波制御の実行が制限されてしまう。一方、仮に、システム電圧の変化中にも、矩形波制御を行うようにした場合は、スイッチング損失の少ない矩形波制御を実行できるものの、矩形波制御によるトルクリップルが発生する可能性がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スイッチング損失の少ない矩形波制御の使用領域を低回転速度域側に拡大することができ、矩形波制御中にシステム電圧が変化したとしても、交流電動機の振動を抑制できる電動機駆動装置の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る、直流のシステム電圧を生成するシステム電圧生成部と、前記システム電圧を互いに位相がずれた複数相の交流電圧に変換して交流電動機に供給する直流交流変換部と、を備えた電動機駆動装置の制御を行う制御装置の特徴構成は、前記直流交流変換部が備える複数のスイッチング素子をオンオフ制御し、複数相の矩形波状電圧を出力させる矩形波制御を行うスイッチング制御部を備え、前記スイッチング制御部は、前記矩形波制御の実行中に前記システム電圧が変化する場合には、前記システム電圧の変化率に基づいて、電気角一周の整数倍の長さに設定された制御周期内での各相の前記矩形波状電圧の時間積分値が各相間で略同一となるように前記複数のスイッチング素子のオンオフタイミングを設定する矩形波幅調整制御を行う点にある。
上記の特徴構成によれば、矩形波制御の実行中にシステム電圧が変化する場合にも、電気角一周の整数倍の長さに設定された制御周期内において各相のコイルに供給される電圧のバランスが崩れることを抑制することができ、トルクリップルの発生を抑制することができる。
従って、システム電圧が変化している状態においても、交流電動機の振動を抑えつつ矩形波制御を行うことができる。その結果、スイッチング損失の少ない矩形波制御の使用領域を拡大することができ、電動機駆動装置の効率を高めることができる。
また、システム電圧をコンバータなどにより能動的に昇圧又は降圧して、システム電圧を変更できるシステムにおいては、矩形波制御の実行中にも交流電動機の振動を抑えつつシステム電圧を変更することができ、システム電圧が最大システム電圧まで昇圧されていないような低回転速度域から矩形波制御を行うことができる。その結果、スイッチング損失の少ない矩形波制御の使用領域を低回転速度域側に拡大することができ、電動機駆動装置の効率を高めることができる。
従って、システム電圧が変化している状態においても、交流電動機の振動を抑えつつ矩形波制御を行うことができる。その結果、スイッチング損失の少ない矩形波制御の使用領域を拡大することができ、電動機駆動装置の効率を高めることができる。
また、システム電圧をコンバータなどにより能動的に昇圧又は降圧して、システム電圧を変更できるシステムにおいては、矩形波制御の実行中にも交流電動機の振動を抑えつつシステム電圧を変更することができ、システム電圧が最大システム電圧まで昇圧されていないような低回転速度域から矩形波制御を行うことができる。その結果、スイッチング損失の少ない矩形波制御の使用領域を低回転速度域側に拡大することができ、電動機駆動装置の効率を高めることができる。
ここで、前記複数のスイッチング素子のオンオフにより各相の前記矩形波状電圧の電圧値がハイレベルとローレベルとの間で切り替わる点をハイロー切替点とするとともに、前記スイッチング制御部は、前記制御周期の始点を前記ハイロー切替点のいずれかと一致させ、複数相の前記矩形波状電圧の前記ハイロー切替点のそれぞれを分割点として前記制御周期を分割して設定される期間を分割期間とし、前記矩形波幅調整制御は、前記制御周期の長さと、前記制御周期の始点における前記システム電圧の値と、前記制御周期内における前記システム電圧の変化率と、に基づいて、前記分割期間のそれぞれにおける前記システム電圧の時間積分値が略同一となるように、前記複数のスイッチング素子のオンオフタイミングを設定する制御であると好適である。
この構成によれば、制御周期の長さと、制御周期の始点におけるシステム電圧の値と、制御周期内におけるシステム電圧の変化率と、に基づいて、分割期間のそれぞれにおけるシステム電圧の時間積分値が略同一となるようにスイッチング素子のオンオフタイミングを設定するだけで、制御周期内での各相の矩形波状電圧の時間積分値を略同一とすることができる。従って、矩形波幅調整制御のために必要となる演算を簡素化することができ、制御装置の構成を簡素なものとすることができる。
なお、上記の3つのパラメータとオンオフタイミングとの対応関係を表したマップデータを予め準備しておき、当該マップデータを参照して複数のスイッチング素子のオンオフタイミングを取得して設定する構成としても好適である。
なお、上記の3つのパラメータとオンオフタイミングとの対応関係を表したマップデータを予め準備しておき、当該マップデータを参照して複数のスイッチング素子のオンオフタイミングを取得して設定する構成としても好適である。
また、前記システム電圧生成部は、直流電源からの電源電圧を変換して所望の前記システム電圧を生成する電圧変換部を備え、前記電圧変換部により生成する前記システム電圧の指令値であるシステム電圧指令値を取得するとともに、当該システム電圧指令値に基づいて、前記電圧変換部が備えるスイッチング素子のオンオフ制御を行う電圧変換制御部を更に備え、前記電圧変換制御部は、前記電圧変換部に前記システム電圧を変更させる場合には、前記システム電圧の変更を開始する変更開始タイミングを前記直流交流変換部が備える前記複数のスイッチング素子のオンオフタイミングのいずれかと一致させ、前記スイッチング制御部は、前記制御周期の始点を前記変更開始タイミングと一致させると好適である。
この構成によれば、システム電圧の変更を開始した初期の時点から矩形波幅調整制御を行うことができ、トルクリップルの発生をより確実に抑制することができる。
また、前記電圧変換制御部は、前記システム電圧の変更を終了する変更終了タイミングを、前記直流交流変換部が備える前記複数のスイッチング素子のオンオフタイミングのうち、前記変更開始タイミングから電気角一周の整数倍だけタイミングが異なるオンオフタイミングと一致させると好適である。
この構成によれば、変更開始タイミングから変更終了タイミングまでの全ての期間において矩形波幅調整制御を行うことができ、トルクリップルの発生をより確実に抑制することができる。
また、前記システム電圧は、直流電源の出力電圧であり、前記システム電圧の変化率は、前記制御周期の始点における前記システム電圧の値と、当該制御周期の始点より過去の前記システム電圧の値とに基づき算出されると好適である。
この構成によれば、放電電流又は充電電流に応じて、直流電源の出力電圧であるシステム電圧が変化している場合でも、当該システム電圧の変化に適応して、制御周期内での各相の矩形波状電圧の時間積分値を略同一とすることができる。従って、予期しないシステム電圧の変化が生じたとしても、適切に交流電動機の振動を抑えつつ矩形波制御を行うことができる。
〔第一の実施形態〕
本発明の第一の実施形態について図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態においては、電動機駆動装置1が、三相交流により動作する交流電動機としての埋込磁石構造の同期電動機4(IPMSM、以下単に「電動機4」という。)を駆動する装置として構成されている場合を例として説明する。この電動機4は、必要に応じて発電機としても動作するように構成されており、例えば、電動車両やハイブリッド車両等の駆動力源として用いられる。電動機駆動装置1は、直流のシステム電圧を生成するシステム電圧生成部32と、当該システム電圧Vdcを互いに位相がずれた三相の交流電圧に変換して電動機4に供給するインバータ6とを有して構成されている。本実施形態では、システム電圧生成部32は、直流電源3と、当該直流電源3からの電源電圧Vbを変換して所望のシステム電圧Vdcを生成するコンバータ5とを備える。そして、本実施形態では、制御装置2は、ベクトル制御の手法を用いて電動機駆動装置1の制御を行い、インバータ6が備える複数のスイッチング素子E3〜E8をオンオフ制御し、三相の矩形波状電圧を出力させる矩形波制御を実行可能に構成されている。この際、制御装置2は、矩形波制御の実行中にコンバータ5がシステム電圧Vdcを変更する場合には、システム電圧Vdcの変化率Kに基づいて、電気角一周の長さに設定された制御周期T内での各相の矩形波状電圧の時間積分値が各相間で略同一となるようにスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定する矩形波幅調整制御を行う点に特徴を有している。以下、本実施形態に係る電動機駆動装置1及びその制御装置2について詳細に説明する。
本発明の第一の実施形態について図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態においては、電動機駆動装置1が、三相交流により動作する交流電動機としての埋込磁石構造の同期電動機4(IPMSM、以下単に「電動機4」という。)を駆動する装置として構成されている場合を例として説明する。この電動機4は、必要に応じて発電機としても動作するように構成されており、例えば、電動車両やハイブリッド車両等の駆動力源として用いられる。電動機駆動装置1は、直流のシステム電圧を生成するシステム電圧生成部32と、当該システム電圧Vdcを互いに位相がずれた三相の交流電圧に変換して電動機4に供給するインバータ6とを有して構成されている。本実施形態では、システム電圧生成部32は、直流電源3と、当該直流電源3からの電源電圧Vbを変換して所望のシステム電圧Vdcを生成するコンバータ5とを備える。そして、本実施形態では、制御装置2は、ベクトル制御の手法を用いて電動機駆動装置1の制御を行い、インバータ6が備える複数のスイッチング素子E3〜E8をオンオフ制御し、三相の矩形波状電圧を出力させる矩形波制御を実行可能に構成されている。この際、制御装置2は、矩形波制御の実行中にコンバータ5がシステム電圧Vdcを変更する場合には、システム電圧Vdcの変化率Kに基づいて、電気角一周の長さに設定された制御周期T内での各相の矩形波状電圧の時間積分値が各相間で略同一となるようにスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定する矩形波幅調整制御を行う点に特徴を有している。以下、本実施形態に係る電動機駆動装置1及びその制御装置2について詳細に説明する。
1.電動機駆動装置の構成
まず、本実施形態に係る電動機駆動装置1の構成について図1に基づいて説明する。この電動機駆動装置1は、コンバータ5とインバータ6とを備えている。また、電動機駆動装置1は、直流電源3と、直流電源3からの直流電圧Vbを平滑化する第一平滑コンデンサC1と、コンバータ5による昇圧後のシステム電圧Vdcを平滑化する第二平滑コンデンサC2と、を備えている。直流電源3としては、例えば、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池等の各種二次電池、キャパシタ、或いはこれらの組合せ等が用いられる。直流電源3の電圧である電源電圧Vbは、電源電圧センサ41により検出されて制御装置2へ出力される。
まず、本実施形態に係る電動機駆動装置1の構成について図1に基づいて説明する。この電動機駆動装置1は、コンバータ5とインバータ6とを備えている。また、電動機駆動装置1は、直流電源3と、直流電源3からの直流電圧Vbを平滑化する第一平滑コンデンサC1と、コンバータ5による昇圧後のシステム電圧Vdcを平滑化する第二平滑コンデンサC2と、を備えている。直流電源3としては、例えば、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池等の各種二次電池、キャパシタ、或いはこれらの組合せ等が用いられる。直流電源3の電圧である電源電圧Vbは、電源電圧センサ41により検出されて制御装置2へ出力される。
コンバータ5は、直流電源3からの電源電圧Vbを変換して所望値の直流のシステム電圧Vdcを生成するDC−DCコンバータであり、本発明における電圧変換部に相当する。本実施形態では、このコンバータ5は、電源電圧Vbを昇圧して所望のシステム電圧Vdcを生成する昇圧コンバータとして機能する。なお、電動機4が発電機として機能する際には、インバータ6からのシステム電圧Vdcを降圧して直流電源3に供給し、当該直流電源3を充電する。コンバータ5は、リアクトルL1と、電圧変換用スイッチング素子E1、E2と、ダイオードD1、D2と、を備えている。ここでは、コンバータ5は、電圧変換用スイッチング素子として、直列に接続された一対の上アーム素子E1及び下アーム素子E2を備えている。これらの電圧変換用スイッチング素子E1、E2として、本例では、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いる。上アーム素子E1のエミッタと下アーム素子E2のコレクタとが、リアクトルL1を介して直流電源3の正極端子に接続されている。また、上アーム素子E1のコレクタは、コンバータ5による昇圧後の電圧が供給されるシステム電圧線51に接続され、下アーム素子E2のエミッタは、直流電源3の負極端子につながる負極線52に接続されている。また、各電圧変換用スイッチング素子E1、E2には、それぞれフリーホイールダイオードとして機能するダイオードD1、D2が並列接続されている。なお、電圧変換用スイッチング素子E1、E2としては、IGBTの他に、バイポーラ型、電界効果型、MOS型など種々の構造のパワートランジスタを用いることができる。
電圧変換用スイッチング素子E1、E2のそれぞれは、制御装置2から出力されるスイッチング制御信号S1、S2に従ってオンオフ動作を行う。本実施形態では、スイッチング制御信号S1、S2は、各スイッチング素子E1、E2のゲートを駆動するゲート駆動信号である。これにより、コンバータ5は、昇圧動作時には、直流電源3から供給された電源電圧Vbを所望のシステム電圧Vdcまで昇圧し、システム電圧線51及びインバータ6に供給する。また、コンバータ5は、降圧動作時には、インバータ6から供給されたシステム電圧Vdcを降圧して直流電源3に供給する。コンバータ5により生成されるシステム電圧Vdcは、システム電圧センサ42により検出されて制御装置2へ出力される。なお、システム電圧の指令値であるシステム電圧指令値Vdctが電源電圧Vbと等しくコンバータ5により昇圧を行わない場合には、システム電圧Vdcは電源電圧Vbと等しくなる。
インバータ6は、直流のシステム電圧Vdcを交流電圧に変換して電動機4に供給するための装置であり、本発明における直流交流変換部に相当する。インバータ6は、複数組のスイッチング素子E3〜E8と、ダイオードD3〜D8と、を備えている。ここでは、インバータ6は、電動機4の各相(U相、V相、W相の3相)のそれぞれについて一対のスイッチング素子、具体的には、U相用上アーム素子E3及びU相用下アーム素子E4、V相用上アーム素子E5及びV相用下アーム素子E6、並びにW相用上アーム素子E7及びW相用下アーム素子E8を備えている。これらのスイッチング素子E3〜E8として、本例では、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いる。各相用の上アーム素子E3、E5、E7のエミッタと下アーム素子E4、E6、E8のコレクタとが、電動機4の各相のコイルにそれぞれ接続されている。また、各相用の上アーム素子E3、E5、E7のコレクタはシステム電圧線51に接続され、各相用の下アーム素子E4、E6、E8のエミッタは負極線52に接続されている。また、各スイッチング素子E3〜E8には、それぞれフリーホイールダイオードとして機能するダイオードD3〜D8が並列接続されている。なお、スイッチング素子E3〜E8としては、IGBTの他に、バイポーラ型、電界効果型、MOS型など種々の構造のパワートランジスタを用いることができる。
スイッチング素子E3〜E8のそれぞれは、制御装置2から出力されるスイッチング制御信号S3〜S8に従ってオンオフ動作を行う。これにより、インバータ6は、システム電圧Vdcを互いに位相がずれた三相の交流電圧に変換して電動機4に供給し、目標トルクTMに応じたトルクを電動機4に出力させる。この際、各スイッチング素子E3〜E8は、スイッチング制御信号S3〜S8に従って、後述するPWM(パルス幅変調)制御又は矩形波制御に従ったスイッチング動作を行う。本実施形態では、スイッチング制御信号S3〜S8は、各スイッチング素子E3〜E8のゲートを駆動するゲート駆動信号である。一方、電動機4が発電機として機能する際には、発電された交流電圧を直流電圧に変換してシステム電圧線51及びコンバータ5に供給する。インバータ6と電動機4の各相のコイルとの間を流れる各相電流、具体的には、U相電流Iur、V相電流Ivr、及びW相電流Iwrは、電流センサ43により検出されて制御装置2へ出力される。
また、電動機4のロータの各時点での磁極位置θは、回転センサ44により検出されて制御装置2へ出力される。回転センサ44は、例えばレゾルバ等により構成される。ここで、磁極位置θは、電気角上でのロータの回転角度を表している。電動機4の目標トルクTM及びシステム電圧指令値Vdctは、図示しない車両制御装置等の他の制御装置等からの要求信号として制御装置2に入力される。
2.制御装置の構成
次に、本実施形態に係る制御装置2の機能について詳細に説明する。図1に示すように、制御装置2は、スイッチング制御部30と、電圧変換制御部31と、を備えている。これらの制御装置2の各機能部は、マイクロコンピュータ等の論理回路を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うためのハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により構成されている。上記のとおり、制御装置2には、目標トルクTM及び磁極位置θが入力される。そこで、スイッチング制御部30は、これらの目標トルクTM、磁極位置θ、及び磁極位置θから導出される電動機4の回転速度ωに応じて電動機4を駆動するためのスイッチング制御信号S3〜S8を生成して出力し、インバータ6を駆動する。この際、制御装置2は、PWM制御及び最大トルク制御と、矩形波制御及び弱め界磁制御と、を切り替えてインバータ6を駆動する。また、制御装置2には、直流電源3の電源電圧Vb、コンバータ5により生成されたシステム電圧Vdc、及びシステム電圧指令値Vdctが入力される。そこで、電圧変換制御部31は、入力されたシステム電圧指令値Vdctと等しいシステム電圧Vdc生成するためのスイッチング制御信号S1、S2を生成して出力し、コンバータ5を駆動する。
次に、本実施形態に係る制御装置2の機能について詳細に説明する。図1に示すように、制御装置2は、スイッチング制御部30と、電圧変換制御部31と、を備えている。これらの制御装置2の各機能部は、マイクロコンピュータ等の論理回路を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うためのハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により構成されている。上記のとおり、制御装置2には、目標トルクTM及び磁極位置θが入力される。そこで、スイッチング制御部30は、これらの目標トルクTM、磁極位置θ、及び磁極位置θから導出される電動機4の回転速度ωに応じて電動機4を駆動するためのスイッチング制御信号S3〜S8を生成して出力し、インバータ6を駆動する。この際、制御装置2は、PWM制御及び最大トルク制御と、矩形波制御及び弱め界磁制御と、を切り替えてインバータ6を駆動する。また、制御装置2には、直流電源3の電源電圧Vb、コンバータ5により生成されたシステム電圧Vdc、及びシステム電圧指令値Vdctが入力される。そこで、電圧変換制御部31は、入力されたシステム電圧指令値Vdctと等しいシステム電圧Vdc生成するためのスイッチング制御信号S1、S2を生成して出力し、コンバータ5を駆動する。
スイッチング制御部30は、インバータ6における直流−交流変換に際して、PWM制御と矩形波制御とを切り替えて実行する。本実施形態では、PWM制御には、正弦波PWM制御と過変調PWM制御の2つの制御方式が含まれる。正弦波PWM制御では、インバータ6の各スイッチング素子E3〜E8のオンオフを、正弦波状の電圧指令値と搬送波との比較に基づいて制御する。具体的には、U、V、Wの各相のインバータ6の出力電圧波形が、上アーム素子E3、E5、E7がオン状態となるハイレベル期間と、下アーム素子E4、E6、E8がオン状態となるローレベル期間とにより構成されるパルスの集合で構成されると共に、その基本波成分が一定期間で正弦波となるように、各パルスのデューティ比を制御する。システム電圧Vdcに対するインバータ6の出力電圧波形の基本波成分の実効値の比率を変調率mとすると、正弦波PWM制御では、変調率mは0〜0.61の範囲で変化させることができる。この正弦波PWM制御では、例えば、ベクトル制御に従ったモータ電流制御(モータ電流フィードバック制御)によってトルク制御を行うことができる。
スイッチング制御部30は、過変調PWM制御では、正弦波PWM制御に比べて各パルスのデューティ比を基本波成分の山側で大きく谷側で小さくすることにより、インバータ6の出力電圧波形の基本波成分の波形を歪ませて振幅が正弦波PWM制御よりも大きくなるように制御する。過変調PWM制御では、変調率mは0.61〜0.78の範囲で変化させることができる。この過変調PWM制御において変調率mを最大の0.78まで高めた状態が矩形波制御となる。この過変調PWM制御では、例えば、ベクトル制御に従ったモータ電流制御(モータ電流フィードバック制御)によってトルク制御を行うことができる。
スイッチング制御部30は、矩形波制御では、U、V、Wの各相のインバータ6の出力電圧波形が、1周期につきハイレベル期間とローレベル期間とが1回ずつ交互に表れるとともにこれらのハイレベル期間とローレベル期間との比が基本的には1:1の矩形波となるように制御する。これにより、矩形波制御は、インバータ6に矩形波状電圧を出力させる。すなわち、スイッチング制御部30は、上記のPWM制御に加え、インバータ6が備える複数のスイッチング素子E3〜E8をオンオフ制御し、三相の矩形波状電圧を出力させる矩形波制御を行う制御部である。矩形波制御では、変調率mは0.78で固定される。この矩形波制御では、例えば、電流センサ43にて検出されたU、V、Wの各相の電流値Iur、Ivr、Iwrと電圧指令値とによる電力演算によって求められるトルク実績値と、トルク指令値との偏差に基づく電圧位相制御(トルクフィードバック制御)によってトルク制御を行うことができる。また、ベクトル制御に従ったモータ電流制御(モータ電流フィードバック制御)によってトルク制御を行うこともできる。なお、スイッチング制御部30が行う上記の正弦波PWM制御、過変調PWM制御、及び矩形波制御については公知であるので、ここでは詳細な説明は省く(例えば、上記の特許文献1参照)。
ところで、電動機4は、回転速度ωが高くなるに従って誘起電圧が高くなり、電動機4を駆動するために必要となる交流電圧(以下「必要電圧」という。)も高くなる。そして、この必要電圧が、そのときのシステム電圧Vdcを変換してインバータ6から出力し得る最大の交流電圧(以下「最大出力電圧」という。)を超えると、コイルに必要な電流を流すことができなり、電動機4を適切に制御することができない。そこで、本実施形態では、電動機4の必要電圧に応じてPWM制御(正弦波PWM制御又は過変調PWM制御)における変調率mを0〜0.78の範囲で変化させつつ、その範囲内での最大出力電圧より電動機4の必要電圧が低い状態ではPWM制御と共に最大トルク制御を行う。そして、電動機4の必要電圧が、PWM制御の最大変調率(m=0.78)での最大出力電圧に達すると矩形波制御と共に弱め界磁制御を行う。ここで、最大トルク制御は、同一電流に対して電動機4の出力トルクが最大となるように電流位相を調節する制御である。また、弱め界磁制御は、電動機4の界磁磁束を弱める方向の磁束がコイルから発生するように電流位相を調節する(進める)制御である。上記の必要電圧及び最大出力電圧は、共に交流電圧の実効値として互いに比較することができる。なお、上記の最大トルク制御及び弱め界磁制御については公知であるので、ここでは詳細な説明は省く(例えば、上記の特許文献1参照)。
図2は、回転速度ωと目標トルクTMとにより規定される電動機4の動作可能領域の中における、PWM制御及び最大トルク制御が実行される領域A1と矩形波制御及び弱め界磁制御が実行される領域A2とを示した図である。なお、この図2は、システム電圧Vdcの昇圧を考慮しない図となっている。上記のとおり、電動機4の回転速度ωが高くなるに従って誘起電圧が高くなるため、電動機4の必要電圧もこれに応じて高くなる。従って、制御装置2に入力された目標トルクTMとそのときの電動機4の回転速度ωとにより定まる動作点が、比較的低回転の領域A1内に位置する場合にはPWM制御及び最大トルク制御が実行され、当該動作点が、比較的高回転の領域A2内に位置する場合には矩形波制御及び弱め界磁制御が実行される。領域A1と領域A2との境界は、電動機4の必要電圧が、PWM制御の最大変調率(すなわち矩形波制御となる変調率m=0.78)での最大出力電圧に一致する回転速度ω及びトルクにより定まる。
電圧変換制御部31は、コンバータ5により生成するシステム電圧Vdcの指令値であるシステム電圧指令値Vdctを取得するとともに、システム電圧指令値Vdctに基づいて、コンバータ5が備えるスイッチング素子E1、E2のオンオフ制御を行う制御部である。電圧変換制御部31は、取得したシステム電圧指令値Vdctに応じて、コンバータ5の電圧変換用スイッチング素子E1、E2を制御するスイッチング制御信号S1、S2を生成する。そして、コンバータ5の電圧変換用スイッチング素子E1、E2がスイッチング制御信号S1、S2に従ってオンオフ動作を行うことにより、電源電圧Vbが昇圧される。具体的には、コンバータ5は、電圧変換制御部31からのスイッチング制御信号S1、S2に応答して、下アーム素子E2のみが所定期間オンする状態と、上アーム素子E1及び下アーム素子E2の双方が所定期間オフする状態とを交互に繰り返す動作を行い、電源電圧Vbを昇圧する。この際の昇圧比は下アーム素子E2のオン期間のデューティ比に応じたものとなる。すなわち、下アーム素子E2のオンデューティを大きくするに従ってリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、コンバータ5から出力されるシステム電圧Vdcを高くすることができる。なお、制御装置2には、システム電圧指令値Vdctに加え、電源電圧Vb及びシステム電圧Vdcも入力される。そして、電圧変換制御部31は、システム電圧指令値Vdct及びシステム電圧Vdc、又は、システム電圧指令値Vdct、システム電圧Vdc、及び電源電圧Vbに基づいてフィードバック制御を行い、コンバータ5にシステム電圧指令値Vdctと等しいシステム電圧Vdcを生成させる制御を行う。
図3は、システム電圧指令値Vdctの変化及びそれに伴う電動機4の動作可能領域の変化の一例を示す説明図である。図3(b)は、回転速度ωが上昇した際のシステム電圧指令値Vdctの変化の一例を示しており、図3(a)は、このようなシステム電圧指令値Vdctの変化に応じた電動機4の動作可能領域の変化を示している。図3(a)において、実線で示す領域は電源電圧Vbを昇圧せずにそのままシステム電圧Vdcとして用いた場合の動作可能領域であり、二点鎖線で示す領域は電源電圧Vbを次第に昇圧した場合に変化する動作可能領域を示している。また、図3(a)中における複数の黒点は、目標トルクTMの推移を示している。
図3(a)に示すように、本例では、時刻u1までは、目標トルクTM及び回転速度ωにより規定される電動機4の動作点が、電源電圧Vbを昇圧する必要がなく、最大トルク制御及びPWM制御を実行可能な領域A1にある。そのため、制御装置2は、最大トルク制御及びPWM制御を実行する。
その後、時刻u1〜u2では、図3(a)に示すように、電動機4の動作点が弱め界磁制御及び矩形波制御を行う必要がある領域A2に入っており、制御装置2は、弱め界磁制御及び矩形波制御を実行する。この際、制御装置2は昇圧制御は行わず、システム電圧指令値Vdctは電源電圧Vbと同じ値のままとなる。従って、電動機4が出力可能なトルクは、回転速度ωの上昇に伴って次第に低下している。
そして、時刻u2〜u3では、図3(b)に示すように、制御装置2が昇圧制御を実行する。これにより、システム電圧指令値Vdctは、時刻u2〜u3における回転速度ωの上昇に伴って電源電圧Vbと同じ値からシステム電圧指令値Vdctの上限に設定された値Vdcmaxまで次第に増加している。なお、このシステム電圧指令値Vdctの上限値であるVdcmaxは、コンバータ5により昇圧可能なシステム電圧Vdcの上限値に設定されると好適である。このようにシステム電圧Vdcが上昇することにより、図3(a)に示すように、電動機4の動作可能領域は高回転側へ次第に拡大する。本例では、電動機4の回転速度ωの上昇に伴ってシステム電圧指令値Vdctが昇圧されることにより、回転速度ωの上昇中にも電動機4が出力可能なトルクが一定に維持されている。なお、昇圧制御中における電動機4の回転速度ωと出力可能なトルクとの関係は、昇圧速度と電動機4のロータの加速度との関係により変化する。制御装置2は、このような昇圧制御中も弱め界磁制御及び矩形波制御を実行する。本例では、時刻u3において、システム電圧指令値Vdctがその上限値であるVdcmaxに到達する。そして、時刻u3以後は、電動機4が出力可能なトルクは、回転速度ωの上昇に伴って次第に低下する。当然ながら、制御装置2は、この間も弱め界磁制御及び矩形波制御を実行する。
以上説明したように、本実施形態に係る制御装置2の構成によれば、電動機4の回転速度ωや目標トルクTMが上昇する状況において、昇圧制御を行う前にまず弱め界磁制御及び矩形波制御を開始する(時刻u1〜u2)。その後、更に回転速度ωや目標トルクTMが上昇すると、弱め界磁制御及び矩形波制御を維持したままシステム電圧Vdcを昇圧する。従って、矩形波制御によるスイッチング損失の低減という効果を幅広い動作範囲で得ることが可能となり、電動機駆動装置1の効率を高めることができる。また、システム電圧指令値Vdctがその上限値であるVdcmaxに到達した後は、弱め界磁電流を増加させることにより電動機4の回転速度ωを更に上昇させることができる。
3.制御装置の動作
次に、制御装置2の動作について説明する。上記のように、本実施形態では、制御装置2は、コンバータ5による昇圧制御中も矩形波制御を実行するように構成されている。そして、スイッチング制御部30は、このように矩形波制御の実行中にコンバータ5がシステム電圧Vdcを変更する場合には、システム電圧Vdcの変化率Kに基づいて、電気角一周の長さに設定された制御周期T内での三相の矩形波状電圧の時間積分値が各相間で略同一となるようにスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定する矩形波幅調整制御を実行する。以下、制御装置2の全体動作、矩形波幅調整制御、電圧変換制御の順に説明する。
次に、制御装置2の動作について説明する。上記のように、本実施形態では、制御装置2は、コンバータ5による昇圧制御中も矩形波制御を実行するように構成されている。そして、スイッチング制御部30は、このように矩形波制御の実行中にコンバータ5がシステム電圧Vdcを変更する場合には、システム電圧Vdcの変化率Kに基づいて、電気角一周の長さに設定された制御周期T内での三相の矩形波状電圧の時間積分値が各相間で略同一となるようにスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定する矩形波幅調整制御を実行する。以下、制御装置2の全体動作、矩形波幅調整制御、電圧変換制御の順に説明する。
3−1.全体動作
図4は、制御装置2が矩形波制御中に行う全体動作の流れを示すフローチャートである。以下、図4に示すフローチャートに沿って制御装置2の動作を順に説明する。まず、制御装置2は、システム電圧指令値Vdctを取得する(ステップ#01)とともに、システム電圧Vdcを取得する(ステップ#02)。そして、システム電圧指令値Vdctとシステム電圧Vdcとを比較し、システム電圧Vdcの変更が必要か否かの判定を行う(ステップ#03)。ここでは、システム電圧指令値Vdctとシステム電圧Vdcとの間に一定の値以上の差異があれば、システム電圧Vdcの変更が必要と判定する。ここで、一定の値は、システム電圧センサ42により取得されるシステム電圧Vdcに含まれる誤差や、システム電圧Vdcを変更しない状態におけるシステム電圧Vdcの変動幅等に応じて定めると好適である。そして、システム電圧Vdcの変更が必要な場合には(ステップ#03:Yes)、スイッチング制御部30が後述する矩形波幅調整制御を行うとともに(ステップ#04)、電圧変換制御部31が後述する電圧変換制御を行う(ステップ#05)。一方、システム電圧Vdcの変更が必要でない場合には(ステップ#03:No)、通常制御を行う(ステップ#06)。ここで通常制御とは、矩形波状電圧におけるハイレベル期間とローレベル期間との比が1:1の矩形波となるような制御を行うことである。
図4は、制御装置2が矩形波制御中に行う全体動作の流れを示すフローチャートである。以下、図4に示すフローチャートに沿って制御装置2の動作を順に説明する。まず、制御装置2は、システム電圧指令値Vdctを取得する(ステップ#01)とともに、システム電圧Vdcを取得する(ステップ#02)。そして、システム電圧指令値Vdctとシステム電圧Vdcとを比較し、システム電圧Vdcの変更が必要か否かの判定を行う(ステップ#03)。ここでは、システム電圧指令値Vdctとシステム電圧Vdcとの間に一定の値以上の差異があれば、システム電圧Vdcの変更が必要と判定する。ここで、一定の値は、システム電圧センサ42により取得されるシステム電圧Vdcに含まれる誤差や、システム電圧Vdcを変更しない状態におけるシステム電圧Vdcの変動幅等に応じて定めると好適である。そして、システム電圧Vdcの変更が必要な場合には(ステップ#03:Yes)、スイッチング制御部30が後述する矩形波幅調整制御を行うとともに(ステップ#04)、電圧変換制御部31が後述する電圧変換制御を行う(ステップ#05)。一方、システム電圧Vdcの変更が必要でない場合には(ステップ#03:No)、通常制御を行う(ステップ#06)。ここで通常制御とは、矩形波状電圧におけるハイレベル期間とローレベル期間との比が1:1の矩形波となるような制御を行うことである。
3−2.矩形波幅調整制御
次に、図4のフローチャートにおけるステップ#04に対応する矩形波幅調整制御について、図5及び図6を用いて詳細に説明する。図5は、矩形波幅調整制御の流れを示すフローチャートである。図6は、矩形波幅調整制御により実行されるスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングの設定の説明図である。なお、本例は、システム電圧Vdcを上昇させる場合の例であり、具体的には、システム電圧Vdcが一定の変化率Kで上昇する場合を示している。説明は省略するが、システム電圧Vdcを下降させる場合も、以下に示す手順と同様にスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定することができる。
次に、図4のフローチャートにおけるステップ#04に対応する矩形波幅調整制御について、図5及び図6を用いて詳細に説明する。図5は、矩形波幅調整制御の流れを示すフローチャートである。図6は、矩形波幅調整制御により実行されるスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングの設定の説明図である。なお、本例は、システム電圧Vdcを上昇させる場合の例であり、具体的には、システム電圧Vdcが一定の変化率Kで上昇する場合を示している。説明は省略するが、システム電圧Vdcを下降させる場合も、以下に示す手順と同様にスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定することができる。
図6(a)は、システム電圧Vdcの時間変化を示す図である。図6(b)は、U相のコイルに供給されるU相電圧Vuの時間変化を示す図である。図6(c)は、V相のコイルに供給されるV相電圧Vvの時間変化を示す図である。図6(d)は、W相のコイルに供給されるW相電圧Vwの時間変化を示す図である。なお、図6(b)〜(d)においては、U、V、Wの各相の電圧は、各時点のシステム電圧Vdcの半値(Vdc/2)を基準として表されている。そのため、各相の電圧Vu、Vv、Vwは、0を中心とし、ハイレベル期間では(+Vdc/2)の電圧値を有し、ローレベル期間では(−Vdc/2)の電圧値を有する矩形波となっている。また、ハイレベル期間では、各相の電圧値は(K/2)の傾きで上昇し、ローレベル期間では、各相の電圧値は(−K/2)の傾きで下降している。
矩形波幅調整制御は、矩形波制御の実行中にコンバータ5がシステム電圧Vdcを変更する場合に、スイッチング制御部30により行われる制御である。この矩形波幅調整制御では、システム電圧Vdcの変化率Kに基づいて、電気角一周の長さに設定された制御周期T内での三相の矩形波状電圧の時間積分値が各相間で略同一となるように複数のスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングが設定される。なお、以下の説明では、スイッチング素子E3〜E8のオンオフにより各相の矩形波状電圧の電圧値がハイレベルとローレベルとの間で切り替わる点をハイロー切替点と呼ぶ。
本実施形態では、スイッチング制御部30は、矩形波幅調整制御を行う際に、制御周期Tの始点をハイロー切替点のいずれかと一致させる。そして、制御周期Tの長さと、制御周期Tの始点におけるシステム電圧Vdcの値と、制御周期T内におけるシステム電圧Vdcの変化率Kと、に基づいて、分割期間のそれぞれにおけるシステム電圧Vdcの時間積分値が略同一となるように、スイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定する。ここで、分割期間とは、三相の矩形波状電圧のハイロー切替点のそれぞれを分割点として制御周期Tを分割して設定される期間である。以下、図6を適宜参照しながら、図5に示すフローチャートに沿ってスイッチング制御部30の動作を順に説明する。
まず、スイッチング制御部30は、制御周期Tの始点を設定する(ステップ#11)。図6に示す例では、制御周期Tの始点は時刻t0に設定される。時刻t0は、U相電圧Vuのハイロー切替点である。具体的には、時刻t0は、U相用上アーム素子E3がオン状態からオフ状態にされ、U相用下アーム素子E4がオフ状態からオン状態にされ、その結果、U相電圧Vuがハイレベルからローレベルに切り替えられる時刻である。次に、制御周期Tの長さを設定(ステップ#12)する。本実施形態では、制御周期Tは電気角一周の長さに設定され、図6に示す例では、制御周期Tの長さは(t6−t0)となる。すなわち、本例では、制御周期Tの終点は、時刻t6となる。この時刻t6は、U相電圧Vuのハイロー切替点であり、時刻t1と同じく、U相電圧Vuがハイレベルからローレベルに切り替えられる時刻である。
次に、制御周期Tの始点(本例では時刻t0)におけるシステム電圧Vdcを取得(ステップ#13)する。図6に示す例では、この値はV0となる。次に、システム電圧Vdcの変化率Kを取得(ステップ#14)する。本実施形態では、電圧変換制御部31がシステム電圧Vdcの変化率Kを算出し、その変化率Kがスイッチング制御部30に入力されるように構成されている。そして、スイッチング制御部30は、制御周期Tの長さ(t6−t0)と、制御周期Tの始点t0におけるシステム電圧Vdcの値V0と、制御周期T内におけるシステム電圧Vdcの変化率Kと、に基づいて、分割期間のそれぞれにおけるシステム電圧Vdcの時間積分値が略同一となるように、スイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定する(ステップ#15)。
ここで、スイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングの設定について詳細に説明する。図6に示す例では、制御周期T内には、6つの分割期間が存在する。すなわち、[t0−t1]、[t1−t2]、[t2−t3]、[t3−t4]、[t4−t5]、[t5−t6]の6つの分割期間が存在する。なお、[tm−tn]は、時刻tmから時刻tnまでの間の期間を表す。また、時刻t1は、W相用上アーム素子E7がオフ状態からオン状態にされ、W相用下アーム素子E8がオン状態からオフ状態にされ、その結果、W相電圧Vwがローレベルからハイレベルに切り替えられる時刻である。時刻t2は、V相用上アーム素子E5がオン状態からオフ状態にされ、V相用下アーム素子E6がオフ状態からオン状態にされ、その結果、V相電圧Vvがハイレベルからローレベルに切り替えられる時刻である。時刻t3は、U相用上アーム素子E3がオフ状態からオン状態にされ、U相用下アーム素子E4がオン状態からオフ状態にされ、その結果、U相電圧Vuがローレベルからハイレベルに切り替えられる時刻である。時刻t4は、W相用上アーム素子E7がオン状態からオフ状態にされ、W相用下アーム素子E8がオフ状態からオン状態にされ、その結果、W相電圧Vwがハイレベルからローレベルに切り替えられる時刻である。時刻t5は、V相用上アーム素子E5がオフ状態からオン状態にされ、V相用下アーム素子E6がオン状態からオフ状態にされ、その結果、V相電圧Vvがローレベルからハイレベルに切り替えられる時刻である。
そして、上記のそれぞれの分割期間におけるシステム電圧Vdcの時間積分値が互いに等しくなるように、スイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミング(各相のハイロー切替点)を決定する時刻t1〜t5を設定する。図6(a)には、分割期間のそれぞれにおいて、分割期間の長さと当該分割期間におけるシステム電圧Vdcとにより規定される区画の面積を、s1〜s6で表している。これらの面積s1〜s6は、それぞれの分割期間におけるシステム電圧Vdcの時間積分値と等しくなる。よって、スイッチング制御部30は、面積s1〜s6が互いに等しくなるように、時刻t1〜t5を設定する。このような時刻tn(n=1,2・・・5)は、例えば、下記の式(1)を満たすような時刻tnとして求めることができる。
{V0+K・(tn−t0)/2}・(tn−t0)・(6/n)
=(V0+K・T/2)・T・・・(1)
なお、当然ながら、上記の式(1)以外の式に基づいて時刻t1〜t5を算出しても良い。また、制御周期Tの長さと、制御周期Tの始点におけるシステム電圧Vdcの値と、制御周期T内におけるシステム電圧Vdcの変化率Kと、スイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングとの対応関係を表したマップデータを予め準備しておき、当該マップデータを参照してスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを取得して設定する構成としても好適である。
{V0+K・(tn−t0)/2}・(tn−t0)・(6/n)
=(V0+K・T/2)・T・・・(1)
なお、当然ながら、上記の式(1)以外の式に基づいて時刻t1〜t5を算出しても良い。また、制御周期Tの長さと、制御周期Tの始点におけるシステム電圧Vdcの値と、制御周期T内におけるシステム電圧Vdcの変化率Kと、スイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングとの対応関係を表したマップデータを予め準備しておき、当該マップデータを参照してスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを取得して設定する構成としても好適である。
上記のように各時刻tn(n=1,2・・・5)を設定することで、図6(b)〜(d)に示すように、制御周期T内でのU、V、Wの各相の矩形波状電圧の時間積分値を各相間で略同一とすることができる。すなわち、図6(b)に示すように、U相電圧Vuについてみると、6つの全ての分割期間において、分割期間の長さと当該分割期間におけるU相電圧Vuとにより定まる区画の面積が互いに等しくなる。すなわち、各区画の面積が等しくなるため、ハイレベル期間に対応する面積の和(a1)及びローレベル期間に対応する面積の和(a2)の双方が上記の各区画の面積の三倍となり、面積a1と面積a2とは互いに等しくなる。言い換えれば、ハイレベル期間におけるU相電圧Vuの積分値は、面積a1と等しくなる。一方、ローレベル期間におけるU相電圧Vuの積分値は、面積a2に(−1)を乗じたものに等しくなる。そして、上記のように面積a1と面積a2とは互いに等しいため、制御周期T内でのU相の矩形波状電圧Vuの時間積分値はゼロとなる。
また、図6(c)に示すように、V相電圧Vvについてみると、6つの全ての分割期間において、分割期間の長さと当該分割期間におけるV相電圧Vvとにより定まる区画の面積が互いに等しくなる。すなわち、各区画の面積が等しくなるため、ハイレベル期間に対応する面積の和(b1)及びローレベル期間に対応する面積の和(b2)の双方が上記の各区画の面積の三倍となり、面積b1と面積b2とは互いに等しくなる。言い換えれば、ハイレベル期間におけるV相電圧Vvの積分値は、面積b1と等しくなる。一方、ローレベル期間におけるV相電圧Vvの積分値は、面積b2に(−1)を乗じたものに等しくなる。そして、上記のように面積b1と面積b2とは互いに等しいため、制御周期T内でのV相の矩形波状電圧Vvの時間積分値はゼロとなる。
また、図6(d)に示すように、W相電圧Vwについてみると、6つの全ての分割期間において、分割期間の長さと当該分割期間におけるW相電圧Vwとにより定まる区画の面積が互いに等しくなる。すなわち、各区画の面積が等しくなるため、ハイレベル期間に対応する面積の和(c1)及びローレベル期間に対応する面積の和(c2)の双方が上記の各区画の面積の三倍となり、面積c1と面積c2とは互いに等しくなる。言い換えれば、ハイレベル期間におけるW相電圧Vwの積分値は、面積c1と等しくなる。一方、ローレベル期間におけるW相電圧Vwの積分値は、面積c2に(−1)を乗じたものに等しくなる。そして、上記のように面積c1と面積c2とは互いに等しいため、制御周期T内でのW相の矩形波状電圧Vwの時間積分値はゼロとなる。このように、制御周期T内でのU、V、Wの各相について、各分割期間に対応する区画の面積が同相間及び異相間で互いに等しくなり、これによって、矩形波状電圧の時間積分値が各相間で等しくなる。
上記のように時刻t1〜t5を設定することで、制御周期T内でのU、V、Wの各相の矩形波状電圧の時間積分値が各相間で略同一となるように複数のスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定することができる。そして、上記のように設定したスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングに従って、制御周期T内におけるスイッチング素子E3〜E8のオンオフ制御が行われる(ステップ#16)。
以上のように、本実施形態では、分割期間のそれぞれにおけるシステム電圧Vdcの時間積分値が略同一となるようにスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定することで、制御周期T内での三相の矩形波状電圧の時間積分値を各相間で略同一とすることができる。これにより、制御周期T内において各相のコイルに供給される電圧Vu、Vv、Vwのバランスが崩れることを抑制することができ、トルクリップルの発生を抑制することができる。従って、矩形波制御の実行中にも電動機4の振動を抑えつつシステム電圧Vdcを変更することができ、先に図3に示したように、システム電圧Vdcが最大システム電圧Vdcmaxまで昇圧されていないような低回転速度域から矩形波制御を行うことができる。その結果、スイッチング損失の少ない矩形波制御の使用領域を低回転速度域側に拡大することができ、電動機駆動装置1の効率を高めることができる。
なお、ここでは、図6(a)に示すように、システム電圧Vdcが一定の変化率Kで上昇する場合において、時刻t0と時刻t6との間に設定される制御周期Tにおける矩形波幅調整制御についてのみ説明した。当然ながら、システム電圧Vdcが一定の変化率Kではなく制御周期内において変化率Kが変化するような場合でも、分割期間のそれぞれにおけるシステム電圧Vdcの時間積分値が略同一となるようにスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定することで、制御周期T内での三相の矩形波状電圧の時間積分値を各相間で略同一とすることができる。また、このような矩形波幅調整制御は、システム電圧Vdcが変化し続けている状況において、制御周期Tの終点と次の制御周期Tの始点とが一致するように制御周期Tを繰り返し設定し、それぞれの制御周期Tにおいて上記の矩形波幅調整制御を繰り返し行う構成とすることができる。
3−3.電圧変換制御
次に、図4のフローチャートにおけるステップ#05に対応する電圧変換制御について、図7及び図8を用いて詳細に説明する。ここでは、システム電圧Vdcの現在値がV1であり、システム電圧指令値VdctとしてV2(>V1)が与えられた場合の制御を行う場合を例として説明する。なお、説明は省略するが、システム電圧Vdcを下降させる場合も、以下に示す手順と同様に電圧変換制御を行うことができる。図7は、電圧変換制御の流れを示すフローチャートである。図8は、電圧変換制御により実行される制御の説明図である。図8(a)は、システム電圧Vdcの時間変化を示す図である。図8(b)は、図6(b)と同様に各時点のシステム電圧Vdcの半値(Vdc/2)を基準として表した、U相のコイルに供給されるU相電圧Vuの時間変化を示す図である。なお、ここでは、V相電圧Vv及びW相電圧Vwについては図示を省略している。
次に、図4のフローチャートにおけるステップ#05に対応する電圧変換制御について、図7及び図8を用いて詳細に説明する。ここでは、システム電圧Vdcの現在値がV1であり、システム電圧指令値VdctとしてV2(>V1)が与えられた場合の制御を行う場合を例として説明する。なお、説明は省略するが、システム電圧Vdcを下降させる場合も、以下に示す手順と同様に電圧変換制御を行うことができる。図7は、電圧変換制御の流れを示すフローチャートである。図8は、電圧変換制御により実行される制御の説明図である。図8(a)は、システム電圧Vdcの時間変化を示す図である。図8(b)は、図6(b)と同様に各時点のシステム電圧Vdcの半値(Vdc/2)を基準として表した、U相のコイルに供給されるU相電圧Vuの時間変化を示す図である。なお、ここでは、V相電圧Vv及びW相電圧Vwについては図示を省略している。
電圧変換制御は、コンバータ5にシステム電圧Vdcを変更させる場合に、電圧変換制御部31により行われる制御である。この制御では、システム電圧Vdcの変更を開始する変更開始タイミングt10と、システム電圧Vdcの変更を終了する変更終了タイミングt20とが設定されるとともに、システム電圧Vdcの変化率Kが算出され、変更開始タイミングt10と、変更終了タイミングt20と、変化率Kとに基づいてコンバータ5のスイッチング素子E1、E2のオンオフ制御が行われる。具体的には、電圧変換制御部31は、変更開始タイミングt10を、インバータ6が備えるスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングのいずれかと一致するように設定する。また、電圧変換制御部31は、変更終了タイミングt20を、インバータ6が備えるスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングのうち、変更開始タイミングt10から制御周期Tの整数倍だけタイミングが異なるオンオフタイミングと一致するように設定する。以下、図8を適宜参照しながら、図7に示すフローチャートに沿って電圧変換制御部31の動作を順に説明する。
まず、電圧変換制御部31は、変更開始タイミングt10を設定する(ステップ#21)。図8に示す例では、変更開始タイミングt10は、U相電圧Vuのハイロー切替点のうち、ハイレベルからローレベルに切り替えられるハイロー切替点と一致するように設定されている。そして、本例では、最初に設定される制御周期Tの始点が、変更開始タイミングt10と一致するように設定される。そのため、システム電圧Vdcの変更を開始する初期の時点から矩形波幅調整制御を行うことができ、トルクリップルの発生をより確実に抑制することができる構成となっている。
次に、変更終了タイミングt20を設定する(ステップ#22)。図8に示す例では、変更終了タイミングt20は、変更開始タイミングt10から電気角一周の整数倍(本例では電気角一周の三倍)に相当する時刻が経過後のU相電圧Vuのハイロー切替点と一致するように設定されている。このように変更終了タイミングt20が設定されるため、変更開始タイミングt10から変更終了タイミングt20までの間に複数(本例では3つ)の制御周期Tを連続して設定した際に、最初の制御周期Tの始点を変更開始タイミングt10と一致させるとともに、最後の制御周期Tの終点を変更終了タイミングt20と一致
させることができる。そのため。変更開始タイミングt10から変更終了タイミングt20までの全ての期間において矩形波幅調整制御を行うことができ、トルクリップルの発生をより確実に抑制することが可能となっている。
させることができる。そのため。変更開始タイミングt10から変更終了タイミングt20までの全ての期間において矩形波幅調整制御を行うことができ、トルクリップルの発生をより確実に抑制することが可能となっている。
次に、現在のシステム電圧VdcであるV1、システム電圧指令値VdcであるV2、変更開始タイミングt10、及び変更終了タイミングt20に基づいて、以下の式(2)より、変更開始タイミングt10から変更終了タイミングt20の間におけるシステム電圧Vdcの変化率Kを算出する(ステップ#23)。
K=(V2−V1)/(t20−t10)・・・(2)
そして、電圧変換制御部31は、算出したシステム電圧Vdcの変化率Kを、スイッチング制御部30へ出力する。そして、電圧変換制御部31は、設定した変更開始タイミングt10から変更終了タイミングt20までの間、システム電圧VdcをV1からV2へ向かって変化率Kで変化させるべく、コンバータ5が備えるスイッチング素子E1、E2のオンオフタイミングを設定し(ステップ#24)、スイッチング素子E1、E2のオンオフ制御を行う(ステップ#25)。なお、スイッチング素子E1、E2のオンオフタイミングの設定は公知であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
K=(V2−V1)/(t20−t10)・・・(2)
そして、電圧変換制御部31は、算出したシステム電圧Vdcの変化率Kを、スイッチング制御部30へ出力する。そして、電圧変換制御部31は、設定した変更開始タイミングt10から変更終了タイミングt20までの間、システム電圧VdcをV1からV2へ向かって変化率Kで変化させるべく、コンバータ5が備えるスイッチング素子E1、E2のオンオフタイミングを設定し(ステップ#24)、スイッチング素子E1、E2のオンオフ制御を行う(ステップ#25)。なお、スイッチング素子E1、E2のオンオフタイミングの設定は公知であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
〔第二の実施形態〕
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。上記の第一の実施形態では、システム電圧生成部32は、コンバータ5を備える場合を例に説明したが、本実施形態では、図9に示すように、システム電圧生成部32が、コンバータ5を備えず、直流電源3のみを備える場合を例に説明する。従って、本実施形態では、インバータ6は、コンバータ5を介さずに、直流電源3に接続されており、システム電圧Vdcは、直流電源3の出力電圧となる。そして、制御装置2は、第一の実施形態における電圧変換制御部31を備えず、スイッチング制御部30を備えている。スイッチング制御部30は、第一の実施形態とは異なり、電圧変換制御部31と協働すること無しに矩形波幅調整制御を実行する。また、システム電圧Vdcの変化率Kは、システム電圧センサ42により検出されたシステム電圧Vdcから算出される。ここで、システム電圧センサ42は、図9に示すように、第一の実施形態と同様に、インバータ6のシステム電圧線51と負極線52との間であって、システム電圧Vdcを平滑化する第二平滑コンデンサC2と、インバータ6との間に接続されている。なお、制御装置2は、直流電源3の端子間電圧を検出する図示しない電源電圧センサにより検出された電源電圧を、システム電圧Vdcとして処理するようにしてもよい。以下では、本実施形態に係る制御装置2について、上記第一の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第一の実施形態と同様とする。
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。上記の第一の実施形態では、システム電圧生成部32は、コンバータ5を備える場合を例に説明したが、本実施形態では、図9に示すように、システム電圧生成部32が、コンバータ5を備えず、直流電源3のみを備える場合を例に説明する。従って、本実施形態では、インバータ6は、コンバータ5を介さずに、直流電源3に接続されており、システム電圧Vdcは、直流電源3の出力電圧となる。そして、制御装置2は、第一の実施形態における電圧変換制御部31を備えず、スイッチング制御部30を備えている。スイッチング制御部30は、第一の実施形態とは異なり、電圧変換制御部31と協働すること無しに矩形波幅調整制御を実行する。また、システム電圧Vdcの変化率Kは、システム電圧センサ42により検出されたシステム電圧Vdcから算出される。ここで、システム電圧センサ42は、図9に示すように、第一の実施形態と同様に、インバータ6のシステム電圧線51と負極線52との間であって、システム電圧Vdcを平滑化する第二平滑コンデンサC2と、インバータ6との間に接続されている。なお、制御装置2は、直流電源3の端子間電圧を検出する図示しない電源電圧センサにより検出された電源電圧を、システム電圧Vdcとして処理するようにしてもよい。以下では、本実施形態に係る制御装置2について、上記第一の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第一の実施形態と同様とする。
次に、本実施形態におけるシステム電圧Vdcの変化について説明する。直流電源3は、上記のように二次電池により構成されている。二次電池は、内部抵抗を有しており、この内部抵抗によって、電池の起電力に対して、端子電圧が降下又は上昇する。この電圧降下又は電圧上昇の大きさは、内部抵抗の値に流れる電流の値を乗じた値に比例する。従って、例えば、電動機4の力行又は回生が行われ、直流電源3に放電電流、充電電流が生じた場合、電圧降下又は電圧上昇により、システム電圧Vdcの変化が生じる。また、直流電源3に接続された他の電動機などの電気負荷の動作により、直流電源3の放電電流又は充電電流の変動が生じた場合も、システム電圧Vdcの変化が生じる。また、内部抵抗は、電池の温度に反比例して大きくなる。よって、例えば、電動機駆動装置1の始動直後など、直流電源3の温度が低い間は、内部抵抗が大きくなり、直流電源3の放電電流、充電電流の変動に対する、システム電圧Vdcの変化が大きくなり易い。
4.制御装置の動作
本実施形態では、システム電圧センサ42により検出したシステム電圧Vdcの変化率Kに基づき、矩形波幅調整制御を行う。以下、制御装置2の全体動作、矩形波幅調整制御について、第一の実施形態と異なる点について詳細に説明する。
本実施形態では、システム電圧センサ42により検出したシステム電圧Vdcの変化率Kに基づき、矩形波幅調整制御を行う。以下、制御装置2の全体動作、矩形波幅調整制御について、第一の実施形態と異なる点について詳細に説明する。
4−1.全体動作
図10は、本実施形態に係る制御装置2が矩形波制御中に行う全体動作の流れを示すフローチャートである。以下、図10に示すフローチャートに沿って制御装置2の動作を順に説明する。まず、制御装置2は、システム電圧Vdcの値を検出して取得し、システム電圧の変化率Kを算出する(ステップ♯31)。ここで、システム電圧Vdcの変化率Kは、今回検出して取得したシステム電圧Vdcの値と、過去に検出して取得したシステム電圧Vdcの値に基づき算出される。この算出された変化率Kは、次の制御周期Tの間における変化率Kの予測値となる。変化率Kは、例えば、今回取得したシステム電圧Vdcの値V0と、前回取得したシステム電圧Vdcの値Vo1と、前回取得してから今回取得するまでの間隔ΔT1とに基づき、下記の式(3)により算出される。ここで、過去に取得されたシステム電圧Vdcの値、及び取得間隔は、制御装置2のRAM等のメモリに記憶されている。
K=(V0−Vo1)/ΔT1・・・(3)
このシステム電圧Vdcの取得、及び変化率Kの算出の実行タイミングは、例えば、矩形波制御の制御周期Tの始点に同期する。なお、変化率Kの算出は、今回と、過去の複数時点とに取得したシステム電圧Vdcの値と、それらの取得間隔とに基づき、各種演算式により算出されるようにしてもよい。また、上記の実行タイミングは、制御周期Tに同期せずに、例えば制御周期Tとは別の所定周期に同期して設定されるようにしてもよい。また、算出した変化率K、あるいは検出したシステム電圧Vdcに対してフィルタ処理を行った値を、変化率K、あるいはシステム電圧Vdcとして、他の処理に用いるようにしてもよい。
図10は、本実施形態に係る制御装置2が矩形波制御中に行う全体動作の流れを示すフローチャートである。以下、図10に示すフローチャートに沿って制御装置2の動作を順に説明する。まず、制御装置2は、システム電圧Vdcの値を検出して取得し、システム電圧の変化率Kを算出する(ステップ♯31)。ここで、システム電圧Vdcの変化率Kは、今回検出して取得したシステム電圧Vdcの値と、過去に検出して取得したシステム電圧Vdcの値に基づき算出される。この算出された変化率Kは、次の制御周期Tの間における変化率Kの予測値となる。変化率Kは、例えば、今回取得したシステム電圧Vdcの値V0と、前回取得したシステム電圧Vdcの値Vo1と、前回取得してから今回取得するまでの間隔ΔT1とに基づき、下記の式(3)により算出される。ここで、過去に取得されたシステム電圧Vdcの値、及び取得間隔は、制御装置2のRAM等のメモリに記憶されている。
K=(V0−Vo1)/ΔT1・・・(3)
このシステム電圧Vdcの取得、及び変化率Kの算出の実行タイミングは、例えば、矩形波制御の制御周期Tの始点に同期する。なお、変化率Kの算出は、今回と、過去の複数時点とに取得したシステム電圧Vdcの値と、それらの取得間隔とに基づき、各種演算式により算出されるようにしてもよい。また、上記の実行タイミングは、制御周期Tに同期せずに、例えば制御周期Tとは別の所定周期に同期して設定されるようにしてもよい。また、算出した変化率K、あるいは検出したシステム電圧Vdcに対してフィルタ処理を行った値を、変化率K、あるいはシステム電圧Vdcとして、他の処理に用いるようにしてもよい。
次に、制御装置2は、矩形波幅調整制御を実行する条件である矩形波幅調整制御条件が成立しているか判定する(ステップ♯32)。この際、制御装置2は、システム電圧Vdcが変化すると予測される場合に、矩形波幅調整制御条件が成立したと判定する。例えば、制御装置2は、ステップ♯31で算出した変化率Kの絶対値が所定の閾値以上である場合に、矩形波幅調整制御条件が成立したと判定する。
そして、矩形波幅調整制御を実行すると判定した場合には(ステップ#32:Yes)、スイッチング制御部30が矩形波幅調整制御を行う(ステップ#33)。一方、矩形波幅調整制御を実行しないと判定した場合には(ステップ#32:No)、上記した通常制御を行う(ステップ#34)。
4−2.矩形波幅調整制御
次に、図10のフローチャートにおけるステップ#33に対応する矩形波幅調整制御について説明する。本実施形態に係る矩形波幅調整制御は、以下で説明する点を除き、図5、図6を用いて説明した第一の実施形態と同様である。具体的には、スイッチング制御部30が図5のステップ#14で取得する変化率Kが、第一の実施形態と異なり本実施形態では、今回取得したシステム電圧Vdcの値と過去に取得したシステム電圧Vdcの値とに基づき、図10のステップ♯31で算出された変化率Kの予測値とされる。そして、矩形波幅調整制御は、図5のステップ#15で、変化率Kの予測値に基づき、スイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定する。
次に、図10のフローチャートにおけるステップ#33に対応する矩形波幅調整制御について説明する。本実施形態に係る矩形波幅調整制御は、以下で説明する点を除き、図5、図6を用いて説明した第一の実施形態と同様である。具体的には、スイッチング制御部30が図5のステップ#14で取得する変化率Kが、第一の実施形態と異なり本実施形態では、今回取得したシステム電圧Vdcの値と過去に取得したシステム電圧Vdcの値とに基づき、図10のステップ♯31で算出された変化率Kの予測値とされる。そして、矩形波幅調整制御は、図5のステップ#15で、変化率Kの予測値に基づき、スイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定する。
本実施形態のように、変化率Kとして、過去に取得したシステム電圧Vdcの値に基づく変化率Kの予測値を用いても、第一の実施形態と同様に、分割期間のそれぞれにおけるシステム電圧Vdcの時間積分値が略同一となるようにスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定することができ、制御周期T内での三相の矩形波状電圧の時間積分値を各相間で略同一とすることができる。これにより、制御周期T内において各相のコイルに供給される電圧Vu、Vv、Vwのバランスが崩れることを抑制することができ、トルクリップルの発生を抑制することができる。従って、システム電圧Vdcが変化している状態においても、交流電動機の振動を抑えつつ矩形波制御を行うことができる。その結果、スイッチング損失の少ない矩形波制御の使用領域を拡大することができ、電動機駆動装置1の効率を高めることができる。
4.その他の実施形態
(1)上記の実施形態では、制御周期Tが、電気角一周の長さに設定されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、制御周期Tが、電気角一周の二倍や三倍の長さのような、電気角一周の整数倍の長さに設定される構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(1)上記の実施形態では、制御周期Tが、電気角一周の長さに設定されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、制御周期Tが、電気角一周の二倍や三倍の長さのような、電気角一周の整数倍の長さに設定される構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(2)上記の各実施形態では、システム電圧Vdcの変更を開始する変更開始タイミングt10が、インバータ6が備えるスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングのいずれかと一致するとともに、制御周期Tの始点が、変更開始タイミングt10と一致する場合と例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、制御周期Tの始点を、変更開始タイミングt10とは異なるスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングと一致させたり、スイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングのいずれとも一致させない構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。また、変更開始タイミングt10を、いずれのオンオフタイミングとも一致させない構成としても好適である。
(3)上記の各実施形態では、システム電圧Vdcの変更を終了する変更終了タイミングt20が、インバータが備えるスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングのうち、変更開始タイミングt10から電気角一周の三倍だけタイミングが異なるオンオフタイミングと一致する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、変更終了タイミングt20を、変更開始タイミングt10から電気角一周と同じだけタイミングが異なるオンオフタイミングと一致させたり、変更開始タイミングt10から電気角一周の二倍や四倍等の三倍以外の整数倍だけタイミングが異なるオンオフタイミングと一致させる構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。また、変更終了タイミングt20を、変更開始タイミングt10から電気角一周の整数倍だけタイミングが異なるオンオフタイミング以外のオンオフタイミングと一致させたり、いずれのオンオフタイミングとも一致させない構成としても好適である。
(4)上記の各実施形態では、スイッチング制御部30が、矩形波幅調整制御を行う際に、分割期間のそれぞれにおけるシステム電圧Vdcの時間積分値が略同一となるように、スイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、システム電圧Vdcの時間積分値を考慮せずに、システム電圧Vdcの変化率Kに基づいて、制御周期T内での各相の矩形波状電圧の時間積分値が各相間で略同一となるようにスイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。具体的には、U相電圧Vuのハイロー切替点と、V相電圧Vvのハイロー切替点と、W相電圧Vwのハイロー切替点とを、それぞれ独立に、制御周期T内での矩形波状電圧の時間積分値が各相間で略同一となるように設定する構成とすることができる。なお、この場合において、制御周期Tの始点をハイロー切替点のいずれとも一致させない構成としても良い。
(5)上記の各実施形態では、図6(a)に示す面積s1〜s6が互いに等しくなるような時刻t1〜t5を、式(1)に基づいて算出する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、以下の式(3)に基づいて時刻t1〜t5を算出する構成としても好適である。
{Vn+K・Δtn/2}・Δtn・6=(V0+K・T/2)・T・・・(3)
ここで、Vnは、時刻tnにおけるシステム電圧Vdcであり、Δtnは、時刻tnと次の時刻との差である。すなわち、この構成では、制御周期Tの始点t0におけるシステム電圧Vdcの値V0、制御周期Tの長さ、制御周期Tにおけるシステム電圧Vdcの変化率Kに加え、時刻tnにおけるシステム電圧Vdcの値Vnに基づいて、時刻tnの次の時刻を算出する。なお、時刻tnが定まらないとVnを求めることができないので、この構成では、時刻t1、t2、t3、t4、t5を記載の順に算出することになる。
{Vn+K・Δtn/2}・Δtn・6=(V0+K・T/2)・T・・・(3)
ここで、Vnは、時刻tnにおけるシステム電圧Vdcであり、Δtnは、時刻tnと次の時刻との差である。すなわち、この構成では、制御周期Tの始点t0におけるシステム電圧Vdcの値V0、制御周期Tの長さ、制御周期Tにおけるシステム電圧Vdcの変化率Kに加え、時刻tnにおけるシステム電圧Vdcの値Vnに基づいて、時刻tnの次の時刻を算出する。なお、時刻tnが定まらないとVnを求めることができないので、この構成では、時刻t1、t2、t3、t4、t5を記載の順に算出することになる。
(6)上記の第一の実施形態では、制御周期T内において、システム電圧Vdcが一定の変化率Kで変化する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、予め制御周期T内における変化率Kの時間変化(システム電圧Vdcの時間変化)が分かっていれば、当該制御周期T内において矩形波幅調整制御を行うことができる。この場合において、上記の実施形態のような面積の計算は行わず、変化率Kの時間変化に基づいてシステム電圧Vdcや各相の矩形波状電圧Vu、Vv、Vwの時間積分値を演算して、スイッチング素子E3〜E8のオンオフタイミングを設定する構成とすることができる。
(7)上記の第一の実施形態では、電動機駆動装置1が、電圧変換部として電源電圧Vbを昇圧してシステム電圧Vdcを生成する昇圧コンバータ5を備える構成を例として説明した。しかし、このような実施形態に限定されず、本発明は、直流電源3からの電源電圧Vbを変換して所望のシステム電圧Vdcを生成する各種の電圧変換部を備える電動機駆動装置1に適用可能である。従って、例えば、電動機駆動装置1が、電圧変換部として電源電圧Vbの昇圧及び降圧の双方を行う昇降圧コンバータを備え、或いは電源電圧Vbの降圧を行う降圧コンバータを備える構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(8)上記の各実施形態では、交流電動機4が三相交流により動作する埋込磁石構造の同期電動機(IPMSM)である場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、交流電動機4として、表面磁石構造の同期電動機(SPMSM)を用いることができ、或いは、同期電動機以外にも、例えば、誘導電動機等を用いることもできる。また、このような交流電動機に供給する交流として、三相以外の単相、二相、又は四相以上の多相交流を用いることができる。
(9)上記の各実施形態では、電動機4が電動車両やハイブリッド車両等の駆動力源として用いられる場合を例として説明した。しかし、本実施形態に係る電動機4の用途はこれに限定されるものではなく、あらゆる用途の電動機について、本発明を適用することが可能である。
(10)上記の第一の実施形態では、スイッチング制御部30は、図5のステップ♯14で、電圧変換制御部31が算出したシステム電圧Vdcの変化率Kを取得するように構成している場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、第一の実施形態において、スイッチング制御部30は、第二の実施形態において図10のステップ♯31で説明した処理のように、過去に取得した実際のシステム電圧Vdcの値に基づき、変化率Kの予測値を算出するように構成することも本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、スイッチング制御部30は、図5のステップ♯14で、変化率Kとして、算出した変化率Kの予測値を取得して、図5のステップ#15で、取得した変化率Kの予測値に基づき、スイッチング素子のオンオフタイミングを設定する。
(11)上記の第二の実施形態では、システム電圧生成部32は、コンバータ5を備えず、制御装置2は、電圧変換制御部31を備えない場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、第二の実施形態において、図1に示した第一の実施形態と同様に、システム電圧生成部32が、コンバータ5を備え、制御装置2が、電圧変換制御部31を備えるように構成してもよい。そして、電圧変換制御部31が、昇圧又は降圧の電圧変換制御を実行しておらず、システム電圧が、直流電源3の出力電圧である場合に、スイッチング制御部30が、第二の実施形態に係る矩形波幅調整制御を実行するように構成することも本発明の好適な実施形態の一つである。
本発明は、交流電動機を駆動するための電動機駆動装置の制御を行う制御装置に好適に利用することができる。
1:電動機駆動装置
2:制御装置
3:直流電源(システム電圧生成部)
4:電動機(交流電動機)
5:コンバータ(システム電圧生成部、電圧変換部)
6:インバータ(直流交流変換部)
30:スイッチング制御部
31:電圧変換制御部
32:システム電圧生成部
E1〜E8:スイッチング素子
K:変化率
T:制御周期
Vb:電源電圧
Vdc:システム電圧
Vdct:システム電圧指令値
t10:変更開始タイミング
t20:変更終了タイミング
2:制御装置
3:直流電源(システム電圧生成部)
4:電動機(交流電動機)
5:コンバータ(システム電圧生成部、電圧変換部)
6:インバータ(直流交流変換部)
30:スイッチング制御部
31:電圧変換制御部
32:システム電圧生成部
E1〜E8:スイッチング素子
K:変化率
T:制御周期
Vb:電源電圧
Vdc:システム電圧
Vdct:システム電圧指令値
t10:変更開始タイミング
t20:変更終了タイミング
Claims (5)
- 直流のシステム電圧を生成するシステム電圧生成部と、前記システム電圧を互いに位相がずれた複数相の交流電圧に変換して交流電動機に供給する直流交流変換部と、を備えた電動機駆動装置の制御を行う制御装置であって、
前記直流交流変換部が備える複数のスイッチング素子をオンオフ制御し、複数相の矩形波状電圧を出力させる矩形波制御を行うスイッチング制御部を備え、
前記スイッチング制御部は、前記矩形波制御の実行中に前記システム電圧が変化する場合には、前記システム電圧の変化率に基づいて、電気角一周の整数倍の長さに設定された制御周期内での各相の前記矩形波状電圧の時間積分値が各相間で略同一となるように前記複数のスイッチング素子のオンオフタイミングを設定する矩形波幅調整制御を行う電動機駆動装置の制御装置。 - 前記複数のスイッチング素子のオンオフにより各相の前記矩形波状電圧の電圧値がハイレベルとローレベルとの間で切り替わる点をハイロー切替点とするとともに、前記スイッチング制御部は、前記制御周期の始点を前記ハイロー切替点のいずれかと一致させ、
複数相の前記矩形波状電圧の前記ハイロー切替点のそれぞれを分割点として前記制御周期を分割して設定される期間を分割期間とし、
前記矩形波幅調整制御は、前記制御周期の長さと、前記制御周期の始点における前記システム電圧の値と、前記制御周期内における前記システム電圧の変化率と、に基づいて、前記分割期間のそれぞれにおける前記システム電圧の時間積分値が略同一となるように、前記複数のスイッチング素子のオンオフタイミングを設定する制御である請求項1に記載の電動機駆動装置の制御装置。 - 前記システム電圧生成部は、直流電源からの電源電圧を変換して所望の前記システム電圧を生成する電圧変換部を備え、
前記電圧変換部により生成する前記システム電圧の指令値であるシステム電圧指令値を取得するとともに、当該システム電圧指令値に基づいて、前記電圧変換部が備えるスイッチング素子のオンオフ制御を行う電圧変換制御部を更に備え、
前記電圧変換制御部は、前記電圧変換部に前記システム電圧を変更させる場合には、前記システム電圧の変更を開始する変更開始タイミングを前記直流交流変換部が備える前記複数のスイッチング素子のオンオフタイミングのいずれかと一致させ、
前記スイッチング制御部は、前記制御周期の始点を前記変更開始タイミングと一致させる請求項1又は2に記載の電動機駆動装置の制御装置。 - 前記電圧変換制御部は、前記システム電圧の変更を終了する変更終了タイミングを、前記直流交流変換部が備える前記複数のスイッチング素子のオンオフタイミングのうち、前記変更開始タイミングから電気角一周の整数倍だけタイミングが異なるオンオフタイミングと一致させる請求項3に記載の電動機駆動装置の制御装置。
- 前記システム電圧は、直流電源の出力電圧であり、
前記システム電圧の変化率は、前記制御周期の始点における前記システム電圧の値と、当該制御周期の始点より過去の前記システム電圧の値とに基づき算出される請求項1又は2に記載の電動機駆動装置の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011519906A JP5282985B2 (ja) | 2009-06-22 | 2010-06-22 | 電動機駆動装置の制御装置 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009147830 | 2009-06-22 | ||
JP2009147830 | 2009-06-22 | ||
JP2011519906A JP5282985B2 (ja) | 2009-06-22 | 2010-06-22 | 電動機駆動装置の制御装置 |
PCT/JP2010/060567 WO2010150786A1 (ja) | 2009-06-22 | 2010-06-22 | 電動機駆動装置の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2010150786A1 JPWO2010150786A1 (ja) | 2012-12-10 |
JP5282985B2 true JP5282985B2 (ja) | 2013-09-04 |
Family
ID=43386555
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011519906A Active JP5282985B2 (ja) | 2009-06-22 | 2010-06-22 | 電動機駆動装置の制御装置 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US8624534B2 (ja) |
JP (1) | JP5282985B2 (ja) |
CN (1) | CN102342017B (ja) |
DE (1) | DE112010000468T5 (ja) |
WO (1) | WO2010150786A1 (ja) |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012137300A1 (ja) * | 2011-04-05 | 2012-10-11 | トヨタ自動車株式会社 | 電動機の制御装置およびそれを備える電動車両、ならびに電動機の制御方法 |
JP5754250B2 (ja) * | 2011-06-08 | 2015-07-29 | ダイキン工業株式会社 | インバータ制御方法及びモータ制御方法 |
DE112012007127T5 (de) * | 2012-11-13 | 2015-08-06 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Aufwärtswandler-Steuerungsvorrichtung |
WO2014076749A1 (ja) | 2012-11-13 | 2014-05-22 | トヨタ自動車株式会社 | 昇圧コンバータの制御装置 |
DE112013006977T5 (de) * | 2013-04-23 | 2016-01-07 | Mitsubishi Electric Corporation | Stromrichter |
JP6364199B2 (ja) * | 2014-02-06 | 2018-07-25 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電力変換システム |
JP2017045901A (ja) * | 2015-08-27 | 2017-03-02 | トヨタ自動車株式会社 | 還流ダイオードと車載用電源装置 |
JP6591368B2 (ja) * | 2016-07-27 | 2019-10-16 | 株式会社東芝 | モータ制御用デバイス |
US10576828B2 (en) * | 2017-01-12 | 2020-03-03 | Ford Global Technologies, Llc | Variable voltage converter modulation obtaining lower minimum boost ratio |
WO2019044684A1 (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-07 | 日本電産トーソク株式会社 | モータの制御装置及び記憶媒体 |
JP6889837B2 (ja) * | 2017-10-05 | 2021-06-18 | 株式会社ジェイテクト | モータ制御装置 |
JP6989574B2 (ja) * | 2019-09-25 | 2022-01-05 | 本田技研工業株式会社 | 制御装置、車両システム及び制御方法 |
CN113994587B (zh) * | 2019-06-26 | 2023-09-01 | 株式会社丰田自动织机 | 电动机的控制装置 |
JP7283356B2 (ja) * | 2019-06-26 | 2023-05-30 | 株式会社豊田自動織機 | 電動機の制御装置 |
CN114270688A (zh) * | 2019-08-30 | 2022-04-01 | 三菱电机株式会社 | 电力变换装置以及空气调节机 |
DE102022132523A1 (de) | 2022-12-07 | 2024-06-13 | HORIBA Europe GmbH, Zweigniederlassung Darmstadt | Antriebs- und Belastungssystem für eine rotierende elektrische Maschine, Prüfstand sowie elektrischer Belastungs- und Antriebsstrang |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001145384A (ja) * | 1999-11-12 | 2001-05-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 同期モータおよびその制御方法 |
JP2004201487A (ja) * | 2002-11-28 | 2004-07-15 | Nsk Ltd | モータ及びその駆動制御装置 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4245546B2 (ja) * | 2004-11-04 | 2009-03-25 | トヨタ自動車株式会社 | 動力出力装置およびそれを備えた車両 |
JP4604820B2 (ja) | 2005-05-02 | 2011-01-05 | トヨタ自動車株式会社 | モータ駆動システムの制御装置 |
JP2007159368A (ja) * | 2005-12-08 | 2007-06-21 | Toyota Motor Corp | モータ駆動システムの制御装置 |
JP4802849B2 (ja) * | 2006-05-09 | 2011-10-26 | トヨタ自動車株式会社 | モータ駆動装置 |
JP5109290B2 (ja) | 2006-05-30 | 2012-12-26 | トヨタ自動車株式会社 | 電動機駆動制御システムおよびその制御方法 |
JP4720653B2 (ja) * | 2006-07-07 | 2011-07-13 | トヨタ自動車株式会社 | 電動機制御装置およびそれを備えた車両 |
JP5172286B2 (ja) * | 2007-11-16 | 2013-03-27 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | モータ制御装置およびハイブリッド自動車用制御装置 |
-
2010
- 2010-06-22 DE DE112010000468T patent/DE112010000468T5/de active Pending
- 2010-06-22 WO PCT/JP2010/060567 patent/WO2010150786A1/ja active Application Filing
- 2010-06-22 JP JP2011519906A patent/JP5282985B2/ja active Active
- 2010-06-22 US US13/254,279 patent/US8624534B2/en active Active
- 2010-06-22 CN CN201080010038.7A patent/CN102342017B/zh active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001145384A (ja) * | 1999-11-12 | 2001-05-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 同期モータおよびその制御方法 |
JP2004201487A (ja) * | 2002-11-28 | 2004-07-15 | Nsk Ltd | モータ及びその駆動制御装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2010150786A1 (ja) | 2010-12-29 |
US20130187583A1 (en) | 2013-07-25 |
DE112010000468T5 (de) | 2012-05-24 |
CN102342017B (zh) | 2014-01-08 |
US8624534B2 (en) | 2014-01-07 |
CN102342017A (zh) | 2012-02-01 |
JPWO2010150786A1 (ja) | 2012-12-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5282985B2 (ja) | 電動機駆動装置の制御装置 | |
JP5246508B2 (ja) | 電動機駆動装置の制御装置 | |
JP5133834B2 (ja) | 交流電動機の制御装置 | |
JP4729526B2 (ja) | 電動機の駆動制御装置 | |
JP4329855B2 (ja) | 交流モータの制御装置および交流モータの制御方法 | |
JP5633639B2 (ja) | 電動機の制御装置およびそれを備える電動車両、ならびに電動機の制御方法 | |
JPWO2010086974A1 (ja) | 交流電動機の制御装置 | |
JP5369630B2 (ja) | 交流電動機の制御装置 | |
JP5893876B2 (ja) | モータ制御システム | |
US9595890B2 (en) | Switching control apparatus of load drive system | |
JP2012023885A (ja) | 交流電動機の制御装置および制御方法 | |
JP5352330B2 (ja) | モータ駆動制御装置 | |
JP2011109803A (ja) | 電動機の制御装置 | |
JP2010200527A (ja) | モータ駆動システムの制御装置 | |
JP5958400B2 (ja) | モータ駆動制御装置 | |
JP5618948B2 (ja) | モータ制御システム | |
JP2017070056A (ja) | インバータ駆動装置 | |
JP5381218B2 (ja) | 電動機の制御装置 | |
JP5290048B2 (ja) | 車両のモータ制御システム | |
JP2010220306A (ja) | モータの制御装置 | |
US12095373B2 (en) | Power conversion apparatus | |
JP2011072103A (ja) | 交流電動機の制御装置 | |
JP5392361B2 (ja) | 車両および車両の制御方法 | |
JP5558057B2 (ja) | 電力変換装置 | |
JP2010259227A (ja) | モータの制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130502 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130515 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5282985 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |