JP2011072103A - 交流電動機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】同期PWMおよび非同期PWMを選択的に適用するPWM制御において、両者の選択条件を適切に設定することによって、円滑な交流電動機制御を実現する。
【解決手段】制御装置は、相電圧指令と搬送波との電圧比較結果に基づいてインバータから交流電動機に印加されるパルス幅変調電圧を制御することによって、交流電動機の出力を制御する。制御装置は、交流電動機の回転速度が変動している場合(S210にてYES)、搬送波が極大となる時の相電圧指令の実位相Pと目標位相Ptgtとの位相差ΔPを算出する(S220〜S250)。制御装置は、位相差ΔPの絶対値がしきい値よりも小さい場合(S260にてYES)、同期PWMを選択し(S270)、位相差ΔPの絶対値がしきい値よりも大きい場合(S260にてNO)、非同期PWMを選択する(S280)。
【選択図】図7
【解決手段】制御装置は、相電圧指令と搬送波との電圧比較結果に基づいてインバータから交流電動機に印加されるパルス幅変調電圧を制御することによって、交流電動機の出力を制御する。制御装置は、交流電動機の回転速度が変動している場合(S210にてYES)、搬送波が極大となる時の相電圧指令の実位相Pと目標位相Ptgtとの位相差ΔPを算出する(S220〜S250)。制御装置は、位相差ΔPの絶対値がしきい値よりも小さい場合(S260にてYES)、同期PWMを選択し(S270)、位相差ΔPの絶対値がしきい値よりも大きい場合(S260にてNO)、非同期PWMを選択する(S280)。
【選択図】図7
Description
この発明は、交流電動機の制御装置に関し、より特定的には、パルス幅変調(Pulse Width Modulation、以下「PWM」ともいう)制御による交流電動機の制御に関する。
従来より、車両を走行させるためのモータをインバータを用いて制御するシステムが採用されている。たとえば、電気自動車やハイブリッド自動車、燃料電池自動車等の電動車両では、インバータによって走行用のモータの出力トルクが制御されることが一般的である。代表的には、電圧指令と搬送波(キャリア)との電圧比較に基づくPWM制御に従って、インバータによりスイッチングされた電圧がモータに印加される。
このようなモータのPWM制御に関し、たとえば特開2007−159367号公報(特許文献1)に記載のモータ駆動装置は、モータのPWM制御を行なう際、レゾルバの検出値からモータ回転角度の変化率を算出し、算出した変化率が所定のしきい値を上回るとき、キャリア周波数を相対的に高い周波数に設定する。特許文献1によれば、モータ回転速度の変化率から急峻な回転速度変動が予測されるときには、直ちにキャリア周波数を高い周波数に設定することによって、モータの制御破綻を未然に防止することができるとされている。
また、モータのPWM制御において、非同期PWMと同期PWMとを切換えて適用する電動駆動制御装置が、たとえば特開2005−73307号公報(特許文献2)に記載されている。特許文献2では、電圧飽和の発生によって交流電動機のトルク制御に偏差が発生することを防止するために、電圧飽和の発生しやすさを表わす電圧飽和変量の推定結果に基づいて、同期PWM制御および非同期PWM制御を切換えて適用することが記載されている。
ところで、モータの同期PWMにおいてモータ回転速度が急変した場合、低いキャリア周波数では制御破綻が生じる場合がある。これは、同期PWMでは、電圧指令の1周期における搬送波の数(ギャリア数)が整数となるように電圧指令とキャリアとを同期させる制御(同期制御)を行なっているが、モータ回転速度の急変に伴なって両者の同期が崩れてしまうことに起因する。すなわち、同期PWMで制御が破綻するかどうかは、実際には、モータ回転速度の変化率ではなく、電圧指令とキャリアとの同期のずれ量の大きさによって決まる。
しかしながら、上述の特許文献1では、モータの制御破綻をモータ回転角度の変化率で判断しているため、その判断精度が低くなり、モータの制御破綻を適切に防ぐことができない場合も考えられる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、同期PWMおよび非同期PWMを選択的に適用するPWM制御において、両者の選択条件を適切に設定することによって、円滑な交流電動機制御を実現することである。
この発明に係る制御装置は、インバータから印加されるパルス幅変調電圧によって出力が制御される交流電動機を制御する。この制御装置は、交流電動機の回転速度を検出するセンサと、交流電動機の回転速度に応じた周波数を有する相電圧指令を生成する第1生成部と、同期モードおよび非同期モードのいずれかを選択する選択部と、同期モード選択時には相電圧指令と同期するように第1周波数で搬送波を生成する一方、非同期モード選択時には第1周波数よりも高い予め定められた周波数で搬送波を生成する第2生成部と、相電圧指令と搬送波との比較結果に基づいてパルス幅変調電圧を生成する第3生成部とを含む。選択部は、搬送波に対する相電圧指令の位相のずれ量を算出し、位相のずれ量が所定量よりも小さい場合に同期モードを選択し、位相のずれ量が所定量よりも大きい場合に非同期モードを選択する。
好ましくは、第2生成部は、第1周波数を相電圧指令の周波数の整数倍となるように調整する。位相のずれ量は、搬送波が極大となる時の相電圧指令の目標位相と実際の位相との差である。
好ましくは、選択部は、交流電動機の回転速度の変化率が所定率よりも小さい場合あるいは回転速度の変化率が所定率よりも大きくかつ位相のずれ量が所定量よりも小さい場合には同期モードを選択し、回転速度の変化率が所定率よりも大きくかつ位相のずれ量が所定量よりも大きい場合には非同期モードを選択する。
本発明によれば、同期モード(同期PWM)および非同期モード(非同期PWM)のいずれを選択するかを、交流電動機の回転角度の変化率に基づいて判断するのではなく、搬送波に対する相電圧指令の位相のずれ量(たとえば搬送波が極大となる時の相電圧指令の実位相と目標位相との差)に基づいて判断する。そのため、回転角度の変化率で判断する場合に比べて、その判断精度が高くなり、同期モードでの制御破綻を適切に防ぐことができる。その結果、同期PWMおよび非同期PWMを選択的に適用するPWM制御において、円滑な交流電動機制御を実現することができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお以下図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとする。
図1は、本発明の実施の形態に従う交流電動機の制御装置が適用されるモータ駆動制御システムの全体構成図である。
図1を参照して、モータ駆動制御システム100は、直流電圧発生部10♯と、平滑コンデンサC0と、インバータ14と、交流電動機M1と、制御装置30とを備える。
交流電動機M1は、たとえば、電動車両(ハイブリッド自動車、電気自動車や燃料電池車等の電気エネルギによって車両駆動力を発生する自動車をいうものとする)の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための走行用電動機である。あるいは、この交流電動機M1は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように構成されてもよく、電動機および発電機の機能を併せ持つように構成されてもよい。さらに、交流電動機M1は、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。すなわち、本実施の形態において、「交流電動機」は、交流駆動の電動機、発電機および電動発電機(モータジェネレータ)を含むものである。
直流電圧発生部10♯は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、平滑コンデンサC1と、コンバータ12とを含む。
直流電源Bは、代表的には、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池や電気二重層キャパシタ等の蓄電装置により構成される。直流電源Bが出力する直流電圧Vbおよび入出力される直流電流Ibは、電圧センサ10および電流センサ11によってそれぞれ検出される。
システムリレーSR1は、直流電源Bの正極端子および電力線6の間に接続され、システムリレーSR1は、直流電源Bの負極端子およびアース線5の間に接続される。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオン/オフされる。
コンバータ12は、リアクトルL1と、電力用半導体スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2は、電力線7およびアース線5の間に直列に接続される。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2のオン・オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S1およびS2によって制御される。
この発明の実施の形態において、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する)としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは、電力用バイポ
ーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、逆並列ダイオードD1,D2が配置されている。リアクトルL1は、スイッチング素子Q1およびQ2の接続ノードと電力線6の間に接続される。また、平滑コンデンサC0は、電力線7およびアース線5の間に接続される。
ーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、逆並列ダイオードD1,D2が配置されている。リアクトルL1は、スイッチング素子Q1およびQ2の接続ノードと電力線6の間に接続される。また、平滑コンデンサC0は、電力線7およびアース線5の間に接続される。
インバータ14は、電力線7およびアース線5の間に並列に設けられる、U相上下アーム15と、V相上下アーム16と、W相上下アーム17とから成る。各相上下アームは、電力線7およびアース線5の間に直列接続されたスイッチング素子から構成される。たとえば、U相上下アーム15は、スイッチング素子Q3,Q4から成り、V相上下アーム16は、スイッチング素子Q5,Q6から成り、W相上下アーム17は、スイッチング素子Q7,Q8から成る。また、スイッチング素子Q3〜Q8に対して、逆並列ダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。スイッチング素子Q3〜Q8のオン・オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8によって制御される。
代表的には、交流電動機M1は、3相の永久磁石型同期電動機であり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点に共通接続されて構成される。さらに、各相コイルの他端は、各相上下アーム15〜17のスイッチング素子の中間点と接続されている。
コンバータ12は、基本的には、各スイッチング周期内でスイッチング素子Q1およびQ2が相補的かつ交互にオン・オフするように制御される。コンバータ12は、昇圧動作時には、直流電源Bが出力する直流電圧Vbを直流電圧VH(インバータ14への入力電圧に相当するこの直流電圧を、以下「システム電圧」とも称する)へ昇圧する。この昇圧動作は、スイッチング素子Q2のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q1および逆並列ダイオードD1を介して、電力線7へ供給することにより行なわれる。
また、コンバータ12は、降圧動作時には、直流電圧VHを直流電圧Vbに降圧する。この降圧動作は、スイッチング素子Q1のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q2および逆並列ダイオードD2を介して、電力線6へ供給することにより行なわれる。これらの昇圧動作または降圧動作における電圧変換比(VHおよびVbの比)は、上記スイッチング周期に対するスイッチング素子Q1,Q2のオン期間比(デューティ比)により制御される。なお、スイッチング素子Q1およびQ2をオンおよびオフにそれぞれ固定すれば、VH=Vb(電圧変換比=1.0)とすることもできる。
平滑コンデンサC0は、コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧センサ13は、平滑コンデンサC0の両端の電圧、すなわち、システム電圧VHを検出し、その検出値を制御装置30へ出力する。
インバータ14は、交流電動機M1のトルク指令値が正(Trqcom>0)の場合には、平滑コンデンサC0から直流電圧が供給されると制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8に応答した、スイッチング素子Q3〜Q8のスイッチング動作により直流電圧を交流電圧に変換して正のトルクを出力するように交流電動機M1を駆動する。また、インバータ14は、交流電動機M1のトルク指令値が零の場合(Trqcom=0)には、スイッチング制御信号S3〜S8に応答したスイッチング動作により、直流電圧を交流電圧に変換してトルクが零になるように交流電動機M1を駆動する。これにより、交流電動機M1は、トルク指令値Trqcomによって指定された零または正のトルクを発生するように駆動される。
さらに、モータ駆動制御システム100が搭載された電動車両の回生制動時には、交流電動機M1のトルク指令値Trqcomは負に設定される(Trqcom<0)。この場合には、インバータ14は、スイッチング制御信号S3〜S8に応答したスイッチング動作により、交流電動機M1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧(システム電圧)を平滑コンデンサC0を介してコンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、電動車両を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
電流センサ24は、交流電動機M1に流れる電流を検出し、その検出したモータ電流を制御装置30へ出力する。なお、三相電流iu,iv,iwの瞬時値の和は零であるので、図1に示すように電流センサ24は2相分のモータ電流(たとえば、V相電流ivおよびW相電流iw)を検出するように配置すれば足りる。
回転角センサ(レゾルバ)25は、交流電動機M1のロータ回転角θを検出し、その検出した回転角θを制御装置30へ送出する。制御装置30では、回転角θに基づき交流電動機M1の回転速度および回転周波数ωeを算出できる。なお、回転角センサ25については、回転角θを制御装置30にてモータ電圧や電流から直接演算することによって、配置を省略してもよい。
制御装置30は、電子制御ユニット(ECU)により構成され、予め記憶されたプログラムを図示しないCPUで実行することによるソフトウェア処理および/または専用の電子回路によるハードウェア処理により、モータ駆動制御システム100の動作を制御する。
代表的な機能として、制御装置30は、入力されたトルク指令値Trqcom、電圧センサ10によって検出された直流電圧Vb、電流センサ11によって検出された直流電流Ib、電圧センサ13によって検出されたシステム電圧VHおよび電流センサ24からのモータ電流iv,iw、回転角センサ25からの回転角θ等に基づいて、後述する制御方式により交流電動機M1がトルク指令値Trqcomに従ったトルクを出力するように、コンバータ12およびインバータ14の動作を制御する。すなわち、コンバータ12およびインバータ14を上記のように制御するためのスイッチング制御信号S1〜S8を生成して、コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
コンバータ12の昇圧動作時には、制御装置30は、システム電圧VHをフィードバック制御し、システム電圧VHが電圧指令値に一致するようにスイッチング制御信号S1,S2を生成する。
また、制御装置30は、電動車両が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、交流電動機M1で発電された交流電圧を直流電圧に変換するようにスイッチング制御信号S3〜S8を生成してインバータ14へ出力する。これにより、インバータ14は、交流電動機M1で発電された交流電圧を直流電圧に変換してコンバータ12へ供給する。
さらに、制御装置30は、電動車両が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するようにスイッチング制御信号S1,S2を生成し、コンバータ12へ出力する。これにより、交流電動機M1が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。
次に、図2、3を参照して、PWM制御の動作について説明する。図2に示すように、PWM制御では、搬送波160と相電圧指令170との電圧比較に基づきインバータ14の各相のスイッチング素子のオン・オフを制御することによって、疑似正弦波電圧としてのパルス幅変調電圧180を交流電動機M1の各相に印加させる。搬送波160は、所定周波数の三角波やのこぎり波によって構成することができる。以下では、三角波を例示する。
PWM制御では、相電圧指令170の周期Tvは、Tv=(交流電動機M1の回転周期Tm)/極対数pで表わすことができる。極対数pとは、交流電動機M1の磁極の対の数であって自然数(たとえばp=4)である。すなわち、相電圧指令170は交流電動機M1の回転に同期している。
PWM制御では、同期PWMおよび非同期PWMが選択的に適用される。搬送波160の周期Tcは、同期PWMと非同期PWMとで異なる値に制御される。
非同期PWMでは、搬送波160の周波数fcが、相電圧指令170の周波数に同期して変化することなく、電磁騒音が感知され難い比較的高い所定周波数に固定される。したがって、非同期PWMでは、搬送波160は相電圧指令170とは同期しない。
一方で、同期PWMでは、搬送波160と相電圧指令170とを同期させるために、相電圧指令170の1周期に含まれる搬送波160のパルス数(以下「キャリア数」ともいう)が一定値kとなるように制御される。なお、kは2以上の整数である。
このように、同期PWMでは、搬送波160と相電圧指令170とを同期させるため、キャリア数kを少なくしてもパルス幅変調電圧180(図2)の正負対称性が確保できる。このため、同期PWMの適用により、制御安定性を損なうことなく搬送波周波数fcを非同期PWMよりも低く設定することができるので、インバータ14の各スイッチング素子の単位時間当たりのスイッチング回数を低減させることにより、スイッチング損失(電力損失)を低下することができる。
なお、交流電動機M1として三相モータを使用する場合には、通常、キャリア数kは3の倍数とされる。以下では、一例としてキャリア数k=6に設定される場合を説明する。
図3を参照して、同期PWMで交流電動機M1の回転速度を変化させた場合の搬送波160および相電圧指令170について説明する。
交流電動機M1の回転速度の変化がない場合には、時刻t0で相電圧指令170の1周期(電気角360度)となり、相電圧指令周期Tvの間に存在する搬送波160のパルス数はちょうど6個となっている。この状態がキャリア数k=6で同期がとれている状態である。
一方、交流電動機M1の回転速度が変化(増加)した場合には、時刻t0’で相電圧指令170の1周期となり、回転速度の変化がない場合に比べて相電圧指令周期Tvが短くなる。その結果、搬送波160が相電圧指令170の1周期となる時刻t0’で極大とならず、相電圧指令周期Tv’の間に存在する搬送波160のパルス数は6個よりも図3のAに示す量だけ不足してしまう。この状態はキャリア数k=6で同期がとれていない状態である。そして、搬送波160と相電圧指令170との同期のずれ量(パルス不足量α、あるいはパルス不足量αに相当する相電圧指令170の位相差β)が大きいほど、同期PWMでの制御破綻が生じる可能性が大きくなるため、非同期PWM制御に切り換える必要性が大きくなる。
そこで、本発明の実施の形態による交流電動機制御では、同期のずれ量として、搬送波160が極大(あるいは極小でもよい)となる時の相電圧指令170の実際の位相と本来あるべき位相との位相差(図3のβに相当)の絶対値を算出する。そして、算出した位相差の絶対値が所定のしきい値を越えるか否かに基づいて、同期PWMと非同期PWMとの切り換えを行なう。このような同期PWMから非同期PWMへの切換手法が本発明の実施の形態による交流電動機制御の最も特徴的な点である。
図4を参照して、本発明の実施の形態による交流電動機制御の機能について説明する。なお、図4に示された各機能ブロックについては、当該ブロックに相当する機能を有する回路(ハードウェア)で構成してもよいし、予め設定されたプログラムに従って制御装置30(ECU)がソフトウェア処理を実行することにより実現してもよい。
図4を参照して、PWM制御部200は、電流指令生成部210と、座標変換部220,250と、電圧指令生成部240と、PWM変調部260と、搬送波制御部270と、PWMモード選択部280と、回転周波数演算部290とを含む。
電流指令生成部210は、予め作成されたテーブル等に従って、交流電動機M1のトルク指令値Trqcomに応じて、d軸電流指令値Idcomおよびq軸電流指令値Iqcomを生成する。
座標変換部220は、回転角センサ25によって検出される交流電動機M1の回転角θを用いた座標変換(3相→2相)により、電流センサ24によって検出されたv相電流ivおよびW相電流iwを基に、d軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する。
電圧指令生成部240には、d軸電流の指令値に対する偏差ΔId(ΔId=Idcom−Id)およびq軸電流の指令値に対する偏差ΔIq(ΔIq=Iqcom−Iq)が入力される。電圧指令生成部240は、d軸電流偏差ΔIdおよびq軸電流偏差ΔIqのそれぞれについて、所定ゲインによるPI(比例積分)演算を行なって制御偏差を求め、この制御偏差に応じたd軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯を生成する。
座標変換部250は、交流電動機M1の回転角θを用いた座標変換(2相→3相)によって、d軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯をU相、V相、W相の各相電圧指令Vu,Vv,Vwに変換する。
この際、座標変換部250は、上述のように各相電圧指令の周期を、いずれも周期Tv=Tm/pに設定する。言い換えれば、座標変換部250は、各相電圧指令の周波数を、周波数fv=ωe×pに設定する。なお、座標変換部250は、各相電圧指令Vu,Vv,Vwの各位相を互いに電気角120度づつずらして設定する。
PWMモード選択部280は、同期PWMおよび非同期PWMの一方を選択し、選択結果を示すモード信号MDを生成する。
上述のように、同期PWMでは、搬送波160と相電圧指令170とを同期させることによって、制御安定性を損なうことなくスイッチング損失を低下することが可能となる。しかしながら、車両走行によるスリップ発生時のように交流電動機M1の回転速度に急激な変動があった場合、上述したように、搬送波160と相電圧指令170との同期のずれ量が大きくなり、制御安定性が損なわれる可能性がある。このような場合には、同期PWMから非同期PWMに切り換えることが望ましい。
そこで、PWMモード選択部280は、同期PWMの制御中において、搬送波160が極大(あるいは極小でもよい)となる時の相電圧指令170の実位相(実際の位相)Pと目標位相(本来あるべき位相)Ptgtとを算出し、算出した実位相Pと目標位相Ptgtとの位相差ΔPの絶対値が所定のしきい値を越えるか否かに基づいて、同期PWMでの制御安定性を確保できるか否かを判断する。
そして、PWMモード選択部280は、位相差ΔPの絶対値が所定のしきい値を越える場合に、同期PWMでの制御安定性が確保できないと判断して、同期PWMから非同期PWMへ切り換える。
回転周波数演算部290は、回転角センサ25の出力(回転角θ)に基づいて、交流電動機M1の回転周波数ωeを演算する。
搬送波制御部270は、PWMモード選択部280からのモード信号MD、回転周波数ωe、キャリア数k、極対数pに基づいて、搬送波周波数fcを、fc=ωe×p×kに設定する。キャリア数k、極対数pは上述のように固定値であって、たとえばk=6、p=4である。なお、キャリア数kについては、交流電動機M1の状態(たとえば、回転速度)に応じて可変に設定してもよい。
搬送波制御部270は、非同期PWMが選択されている場合には、基本的には、搬送波周波数fcを所定周波数に設定する。この所定周波数は、可聴周波数帯を考慮して、相対的に電磁騒音が感知され難い値に設定される。したがって、非同期PWMでは、搬送波160は相電圧指令170とは同期しない。
一方、搬送波制御部270は、同期PWMが選択されている場合には、図3で説明したように、搬送波周波数fcを、fc=ωe×p×kに設定する。ここで、ωe×p=fvであるから、搬送波の周波数fcは、fc=fv×kとなる。言い換えれば、搬送波の周期Tc(=1/fc)が、Tc=Tv/kに設定される。
PWM変調部260は、搬送波制御部270によって設定された搬送波周波数fcに従って搬送波160(図2,3)を発生するとともに、座標変換部250からの各相電圧指令Vu,Vv,Vw(図2,3での相電圧指令170に相当)と、搬送波160との電圧比較に従って、インバータ14のスイッチング制御信号S3〜S8を生成する。スイッチング制御信号S3〜S8に従って、インバータ14の各相上下アーム素子のオン・オフを制御することによって、交流電動機M1の各相に、図2のパルス幅変調電圧180に相当する疑似正弦波電圧が印加される。
なお、PWM変調における搬送波160の振幅は、インバータ14の入力直流電圧(システム電圧VH)に相当する。ただし、各相電圧指令Vu,Vv,Vwの振幅について、Vd♯,Vq♯に基づく本来の振幅値をシステム電圧VHで除算したものに変換すれば、PWM変調部260で用いる搬送波160の振幅を固定できる。
上述したように、本発明の実施の形態による交流電動機制御は、同期PWMから非同期PWMへの切換手法に特徴を有する。したがって、以下では、搬送波制御部270およびPWMモード選択部280の機能について、図5を参照しつつ更に詳細に説明する。
図5は、本発明の実施の形態による交流電動機制御によって制御される搬送波160および相電圧指令170のタイミングチャートである。
まず、同期PWMでの搬送波160と相電圧指令170との同期の取り方について説明する。
搬送波制御部270は、搬送波160が極大となった時に、下記の式(1)で相電圧指令周期Tvを算出し、さらに式(1)で算出した相電圧指令周期Tvを下記の式(2)に代入して搬送波周期Tcを算出する。
相電圧指令周期Tv=(交流電動機M1の回転周期Tm)/極対数p・・・式(1)
搬送波周期Tc=(相電圧指令周期Tv)/キャリア数k・・・式(2)
キャリア数k=6とすると、相電圧指令周期Tvは電気角360度であるから、搬送波周期Tcは電気角60度に相当する長さに設定される。
搬送波周期Tc=(相電圧指令周期Tv)/キャリア数k・・・式(2)
キャリア数k=6とすると、相電圧指令周期Tvは電気角360度であるから、搬送波周期Tcは電気角60度に相当する長さに設定される。
そして、搬送波制御部270は、搬送波160が次に極小となった時に、式(2)で算出した周期Tcの搬送波を発生させる。図5では、たとえば時刻t1で周期Tcを算出し、搬送波160が極小となった時刻t2で、時刻t2〜t4までの間で周期Tc(電気角60度)の搬送波を発生させる。このような一連の制御を搬送波160が極大および極小になるたびに繰り返すことによって、搬送波160と相電圧指令170との同期が図られる。すなわち、搬送波160が極大となる時刻t1、t3、t5の相電圧指令位相がそれぞれ電気角60度ごとに0度、60度、120度に配置される。また、搬送波160が極小となる時刻t2、t4、t6の相電圧指令位相がそれぞれ電気角60度ごとに30度、90度、150度に配置される。
次に、同期PWMから非同期PWMへの切換手法を説明する。
図5において、時刻taで交流電動機M1の回転速度が急変すると、搬送波160が極大となる時刻t7の相電圧指令170の位相が電気角60度ごとに配置されなくなってしまう。たとえば、図5では、時刻t7での相電圧指令170の実位相Pは本来あるべき位相である180度よりも10度大きい190度となっている。
図5において、時刻taで交流電動機M1の回転速度が急変すると、搬送波160が極大となる時刻t7の相電圧指令170の位相が電気角60度ごとに配置されなくなってしまう。たとえば、図5では、時刻t7での相電圧指令170の実位相Pは本来あるべき位相である180度よりも10度大きい190度となっている。
そこで、PWMモード選択部280は、同期PWMの制御中において、搬送波160が極大となる時の相電圧指令の実位相Pおよび本来あるべき位相(目標位相)Ptgtを算出し、これらの位相差ΔPの絶対値が所定のしきい値より大きいか否かに基づいて、同期PWMでの制御安定性を確保できるか否かを判断する。所定のしきい値は、実験等によって予め定められる。図5では、しきい値を電気角30度に設定している。
PWMモード選択部280は、位相差ΔPの絶対値がしきい値よりも小さい場合は、同期PWMでの制御安定性を確保できると判断して、同期PWMを選択することを示すモード信号MDを、位相差ΔPとともに搬送波制御部270に送信する。搬送波制御部270は、同期PWMを選択することを示すモード信号MD、位相差ΔPを受信した場合、同期PWMを継続するが、位相差ΔPに応じて次回発生させる搬送波周期Tcを補正する。
図5では、時刻t7での位相差ΔPがプラス10度でありかつ位相差ΔPの絶対値がしきい値30度よりも小さいため、次の時刻t8では同期PWMが継続されるが、時刻t8で発生させる搬送波周期Tcは60度ではなく50度に補正される。
PWMモード選択部280は、位相差ΔPの絶対値がしきい値よりも大きい場合は、同期PWMでの制御安定性を確保できないと判断して、非同期PWMを選択することを示すモード信号MDを搬送波制御部270に送信する。搬送波制御部270は、非同期PWMを選択することを示すモード信号MDを受信した場合、同期PWMから非同期PWMへ切り換える。
図5では、時刻t9での位相差ΔPの絶対値が40度でしきい値30度を越えており、もはや搬送波160と相電圧指令170とが同期しているとは言えず、同期PWMでの制御安定性を確保できない。そのため、時刻t10において、同期PWMから非同期PWMへ切り換えが行なわれる。
次に、図6、7を参照して、上述の制御装置30の機能を実現するための制御処理手順について説明する。以下に示すフローチャートの各ステップ(以下、ステップを「S」と略す)は、基本的には制御装置30によるソフトウェア処理によって実現されるが、制御装置30内に設けられた電子回路等によるハードウェア処理によって実現されてもよい。
図6に示すように、S100にて、制御装置30は、フィードバック制御によりインバータ14への各相電圧指令を生成する。代表的には、図4に示した、交流電動機M1の電流フィードバック制御により各相電圧指令が生成される。すなわち、S100の処理は、図4の電流指令生成部210、座標変換部220および電圧指令生成部240による機能に対応する。
S200にて、制御装置30は、上述したように、搬送波160が極大となる時の相電圧指令の実位相Pと目標位相Ptgtとの位相差ΔPの絶対値に基づいて、同期PWMおよび非同期PWMの一方を選択する。すなわち、S200の処理は、図4のPWMモード選択部280の機能に対応する。
ここで、図7を用いて、S200の処理手順の詳細を説明する。図7には、PWMモード選択を実現するための制御処理手順が示される。
図7に示すように、S210にて、制御装置30は、回転角θに基づいて交流電動機M1の回転速度が変動しているか否かを判断する(S210)。制御装置30は、回転速度の単位時間あたりの変化量が所定量を超えている場合(回転速度の変化率が所定率よりも大きい場合)に、回転速度が変動していると判断する。回転速度が変動していると(S210にてYES)、処理はS220に移される。そうでないと(S210にてNO)、処理はS260に移される。
S220にて、制御装置30は、搬送波が極大となったか否かを判断する。搬送波が極大となると(S220にてYES)、処理はS230に移される。そうでないと(S220にてNO)、処理はS220に戻され、搬送波が極大となるまで待つ。
S230にて、制御装置30は、搬送波が極大となる時の相電圧指令の実位相Pを算出する。なお、実位相Pは、搬送波が極大となる時の交流電動機M1の回転角θ等に基づいて、算出される。
S240にて、制御装置30は、搬送波が極大となる時の相電圧指令の目標位相Ptgtを算出する。なお、目標位相Ptgtは、基準時点の相電圧指令の実位相Pを基準位相として、Ptgt=基準位相+(基準時点以降の搬送波の極大回数)×(360度/k)で算出される。たとえば、図5において、時刻t9で搬送が極大となった時の目標位相Ptgtは、時刻t1の相電圧指令の実位相0度を基準位相として、Ptgt=0度+4回×(360度/6)=240度に算出される。
S250にて、制御装置30は、実位相Pと目標位相Ptgtとの位相差ΔPの絶対値を算出する。
S260にて、制御装置30は、位相差ΔPの絶対値がしきい値よりも小さいか否かを判断する。位相差ΔPの絶対値がしきい値よりも小さいと(S260にてYES)、処理はS270に移される。そうでないと(S260にてNO)、処理はS280に移される。
S270にて、制御装置30は、同期PWMを選択する。S280にて、制御装置30は、非同期PWMを選択する。
再び図6を参照して、S110にて、制御装置30は、S200で同期PWMが選択されたか否かを判定する。
同期PWMの非選択時(S110にてNO)には、制御装置30は、S140に処理を進めて、非同期PWM用の搬送波周波数fcを採用する。上述のように、このときの搬送波周波数fcは、基本的には、電磁騒音が感知され難い周波数に対応した所定値に固定される。
一方、同期PWMの選択時(S110にてYES)には、制御装置30は、S120にて交流電動機M1の回転周波数ωeを演算し、S130にて回転周波数ωe、キャリア数k、極対数pに基づいて、搬送波周波数fc(fc=ωe×p×k)を設定する。なお、位相差ΔPが存在する場合には、上述したように、位相差ΔPに応じて搬送波周波数fc(搬送波周期Tc)を補正する。すなわち、S120の処理は、図4の回転周波数演算部290の機能に対応し、S130、S140の処理は、図4の搬送波制御部270の機能に相当する。
S150にて、制御装置30は、搬送波が極小となったか否かを判断する。搬送波が極小となると(S150にてYES)、処理はS160に移される。そうでないと(S150にてNO)、処理はS150に戻され、搬送波が極小となるまで待つ。
S160にて、制御装置30は、S130またはS140で設定された搬送波周波数fcに従って、搬送波160(図2,図3,図5)を発生する。
S170にて、制御装置30は、S150で発生された搬送波とS100で生成された各相電圧指令との電圧比較に基づいて、インバータ14の各相のスイッチングを制御する。これにより、インバータ14の各相でのパルス幅変調電圧180(図2)が制御される。
図6、7に示した制御処理手順により、本発明の実施の形態による同期PWMおよび非同期PWMのモード選択を含むPWM制御を実現することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態による交流電動機の制御装置によれば、搬送波が極大となる時の相電圧指令の実位相と目標位相との差の絶対値を同期のずれ量として算出し、そのずれ量がしきい値を越えるか否かに基づいて同期PWMでの制御安定性を判断する。そのため、たとえばモータ回転角度の変化率で同期PWMでの制御安定性を判断する場合に比べて、その判断精度が高くなる。そして、その判断結果に応じて同期PWMから非同期PWMへの切り換えを行なう。そのため、同期PWMでの制御破綻を適切に防ぐことができる。
なお、本実施の形態では、好ましい構成例として、インバータ14への入力電圧(システム電圧VH)を可変制御可能なように、モータ駆動システムの直流電圧発生部10♯がコンバータ12を含む構成を示したが、インバータ14への入力電圧を可変制御可能であれば、直流電圧発生部10♯は本実施の形態に例示した構成には限定されない。また、インバータ入力電圧が可変であることは必須ではなく、直流電源Bの出力電圧がそのままインバータ14へ入力される構成(たとえば、コンバータ12の配置を省略した構成)に対しても本発明を適用可能である。
さらに、モータ駆動システムの負荷となる交流電動機についても、本実施の形態では、電動車両(ハイブリッド自動車、電気自動車等)に車両駆動用として搭載された永久磁石モータを想定したが、それ以外の機器に用いられる任意の交流電動機を負荷とする構成についても、本願発明を適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5 アース線、6,7 電力線、10,13 電圧センサ、10♯ 直流電圧発生部、11,24 電流センサ、12 コンバータ、14 インバータ、15〜17 U,V,W相、25 回転角センサ、30 制御装置(ECU)、100 モータ駆動制御システム、160 搬送波、170 相電圧指令、180 パルス幅変調電圧、200 PWM制御部、210 電流指令生成部、220,250 座標変換部、240 電圧指令生成部、260 PWM変調部、270 搬送波制御部、280 PWMモード選択部、290 回転周波数演算部、B 直流電源、C0,C1 平滑コンデンサ、D1〜D8 逆並列ダイオード、L1 リアクトル、M1 交流電動機、Q1〜Q8 スイッチング素子、S1〜S8 スイッチング制御信号、SR1,SR2 システムリレー。
Claims (3)
- インバータから印加されるパルス幅変調電圧によって出力が制御される交流電動機の制御装置であって、
前記交流電動機の回転速度を検出するセンサと、
前記交流電動機の回転速度に応じた周波数を有する相電圧指令を生成する第1生成部と、
同期モードおよび非同期モードのいずれかを選択する選択部と、
前記同期モード選択時には前記相電圧指令と同期するように第1周波数で搬送波を生成する一方、前記非同期モード選択時には前記第1周波数よりも高い予め定められた第2周波数で搬送波を生成する第2生成部と、
前記相電圧指令と前記搬送波との比較結果に基づいて前記パルス幅変調電圧を生成する第3生成部とを含み、
前記選択部は、前記搬送波に対する前記相電圧指令の位相のずれ量を算出し、前記位相のずれ量が所定量よりも小さい場合に前記同期モードを選択し、前記位相のずれ量が前記所定量よりも大きい場合に前記非同期モードを選択する、交流電動機の制御装置。 - 前記第2生成部は、前記第1周波数を前記相電圧指令の周波数の整数倍となるように調整し、
前記位相のずれ量は、前記搬送波が極大となる時の前記相電圧指令の目標位相と実際の位相との差である、請求項1に記載の交流電動機の制御装置。 - 前記選択部は、前記交流電動機の回転速度の変化率が所定率よりも小さい場合あるいは前記回転速度の変化率が前記所定率よりも大きくかつ前記位相のずれ量が前記所定量よりも小さい場合には前記同期モードを選択し、前記回転速度の変化率が前記所定率よりも大きくかつ前記位相のずれ量が前記所定量よりも大きい場合には前記非同期モードを選択する、請求項1に記載の交流電動機の制御装置。
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